説明

携帯型無線端末機器

【課題】
インターネット接続サービス提供個所やエリアの情報等を他の携帯型無線端末機器からダウンロードできる携帯型無線端末機器を提供する。
【解決手段】
無線ネットワークに接続するネットワーク接続手段12と、
分散型データベースとしての情報を記憶する分散データ記憶手段13と、
を備えた携帯型無線端末機器であって、前記ネットワーク接続手段は、自己端末機器から入力された検索情報または他端末機器から受信した検索情報に基づき、自己端末機器の前記分散データ記憶手段内のデータを検索し、または他端末機器にアクセスする機能を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分散型データベースとしての情報を記憶する分散データ記憶手段を備えた携帯型無線端末機器に関し、インターネット接続サービス提供個所やエリアの情報等を他の携帯型無線端末機器からダウンロードできる携帯型無線端末機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯型電話機のユーザは、自己が存在する地域に依存する情報、たとえば、特定の商品やサービスを提供している店舗等の情報を取得したいときがある。
【0003】
一般に、携帯型電話機は、ウェブブラウザ、電子メーラ等のインターネット利用プログラムを搭載している。したがって、上記の場合には、前記ユーザは、携帯型電話機の通話機能を利用して(通話回線を利用して)、インターネット上のサーチエンジン(ポータルサイト)にアクセスし、上記の店舗等の検索を行うことができる。
【0004】
ところが、携帯型電話機の通話回線は通信速度が低いうえ、一般には通信時間には通話料金が課せられる。携帯型電話機には、通話機能の他、無線ネットワーク(アドホックネットワーク等)に接続できる機能を搭載したものもある。この機能を使用することで、ユーザは無料またはきわめて低価格でインターネットにアクセスすることができる。
【0005】
携帯型電話機のユーザは、インターネット接続サービス提供個所またはエリア(「ホットスポット」と称される)から、無線ネットワークにより、または有線回線によりインターネットに接続することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ホットスポットは、身近にはないのが通常であり、特定の商品やサービスを提供している店舗等の情報(ホットスポットの存在場所の情報を含む)を取得したいときには、通信速度が低くかつ高価格の通話回線によりインターネット上のサーチエンジンにアクセスして店舗等の検索を行うことになる。
【0007】
本発明の目的は、インターネット接続サービス提供個所やエリアの情報等を他の携帯型無線端末機器からダウンロードできる携帯型無線端末機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の携帯型無線端末機器は、無線ネットワーク(アドホックネットワークおよび/または無線LAN:基地局を持つ無線LANまたは基地局を持たない無線LAN)に接続するネットワーク接続手段と、
分散型データベースとしての情報を記憶する分散データ記憶手段と、
を備えたものであって、
前記ネットワーク接続手段は、自己端末機器から入力された検索情報または他端末機器から受信した検索情報に基づき、自己端末機器の前記分散データ記憶手段内のデータを検索し、検索結果を検索情報発行元に送信しまたは前記検索情報を他端末機器に送信する機能を備えたことを特徴とする。
本発明の携帯型無線端末機器では、前記検索情報は、検索キーおよび当該検索情報が作成された端末機器のID情報を含むことができる。
【0009】
本発明の携帯型無線端末機器では、前記検索情報は、複数の端末機器を中継して転送されたときは、中継した前記端末機器の経路履歴情報を含むことができる。
本発明の携帯型無線端末機器では、前記分散データ記憶手段は、前記分散型データベースの情報を独立利用が可能な単位で記憶することができる。
本発明の携帯型無線端末機器では、前記分散データ記憶手段に記憶される情報を、携帯型無線端末機器が存在する地域に依存する情報とすることができる。
【0010】
本発明の携帯型無線端末機器では、さらに、アクセス履歴記憶手段を備え、
前記アクセス履歴記憶手段は、他の携帯型無線端末機器の分散データ記憶手段から検索結果情報の提供を受けたとき、自己の分散データ記憶手段から他の携帯型無線端末機器に検索結果情報を提供したとき、または前記検索結果情報を受信し他の携帯型無線端末機器に送信したときはその履歴を、所定のホスト装置に前記無線を利用して通知することができる。
【0011】
本発明の携帯型無線端末機器では、前記分散データ記憶手段に記憶される情報は、他の携帯型無線端末機器からダウンロードされ、または、外部機器から有線または無線(赤外線通信等)によりダウンロードされるように構成できる。
本発明の携帯型無線端末機器では、自己位置認識装置およびファイル削除装置を備えることができ、
前記自己位置認識装置が自己端末機器が所定の地域外にあると認識したときは、前記ファイル削除装置は当該地域に依存する情報を削除することができる。
本発明の携帯型無線端末機器では、前記携帯型無線端末機器は電話機能を備えることができる。
【0012】
本発明の携帯型無線端末機器では、前記分散データ記憶手段に記憶される情報は、ホスト装置から前記電話機能を利用してダウンロードされるように構成できる。
【0013】
本発明の携帯型無線端末機器では、さらに、アクセス履歴記憶手段を備え、前記アクセス履歴記憶手段は、他の携帯型無線端末機器の分散データ記憶手段から検索結果情報の提供を受けたとき、自己の分散データ記憶手段から他の携帯型無線端末機器に検索結果情報を提供したとき、または前記検索結果情報を受信し他の携帯型無線端末機器に送信したときはその履歴を、所定のホスト装置に前記電話機能を利用して通知することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、種々の情報、たとえば特定の種類の店舗(飲食店、被服店等)の位置情報、インターネット接続サービス提供個所等の地域に依存する情報を複数の携帯型無線端末機器に分散して記憶させておくことができる。したがって、携帯型無線端末機器のユーザは、当該情報を、他の携帯型無線端末機器から、無料、ないし低価格で取得することができる。
また、天災・地変等の災害時に、電話回線が不通となったような場合でも、ホスト装置が携帯型無線端末機器の情報を書き換えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、本発明の携帯型無線端末機器の機能ブロック図である。図1において、携帯型無線端末機器1A,1Bは、携帯型電話機であり(すなわち、電話機能を備えており)電話手段11と、ネットワーク接続手段12と、分散データ記憶手段13と、アクセス履歴記憶手段14とを備えている。
【0016】
電話手段11は、アンテナANT1により基地局3を介して携帯電話回線に接続できる。
ネットワーク接続手段12は、アンテナANT2によりアドホックネットワークや無線LANに接続する機能を備えている。アドホックネットワークでは、基地局等の通信設備は不要である。無線LANでは基地局等の設備が備えられている。図1では、携帯型無線端末機器1A,1Bは、アドホックネットワークに対応の無線通信機器として示してある。なお、本実施形態では、アドホックネットワークおよび無線LANを含めて、単に「無線LAN」と称する。
【0017】
分散データ記憶手段13は、分散型データベースとしての情報を一部記憶している。この分散データ記憶手段13には、情報が独立利用可能な単位で記憶されている。この情報は、携帯型無線端末機器が存在する地域に依存する情報(たとえば、インターネット接続サービス提供個所やエリアの情報)である。この情報は、たとえば地図および位置情報のセットとすることができる。位置情報は、JPEG等の地図ファイルに埋め込むことができ、検索に際してはこのファイルに埋め込まれた情報を参照して検索が行われる。
【0018】
分散データ記憶手段13に記憶される情報は、携帯型無線端末機器が無線LANの接続できる機能を備えるときは、ホスト装置2から図示しない無線ネットワークの基地局を介してダウンロードすることもできるし、図1に示すように、ホスト装置2から電話機能を利用して(すなわち、携帯型電話回線を介して)ダウンロードすることもできる。
【0019】
アクセス履歴記憶手段14は、他の携帯型無線端末機器の分散データ記憶手段13からホットスポットの地図等の検索結果情報RSLTinf(検索ができたときの検索結果情報)の提供を受けたとき、自己の分散データ記憶手段13から他の携帯型無線端末機器にホットスポットの地図等の検索結果情報を提供したとき、あるいはさらにホットスポットの地図等の検索結果情報RSLTinf(検索ができたときの検索結果情報)を中継したときはその履歴HSTRYをホスト装置2に送信する。
【0020】
図2には、図1の携帯型無線端末機器1A,1Bと同様の構成の携帯型無線端末機器1A〜1Eが、無線ネットワークによりリンクしている様子が示されている。携帯型無線端末機器1A〜1Eの記憶手段14には、分散型データベースとしての情報DBeyyy1〜DBeyyy5がそれぞれ記憶されている。
【0021】
本実施形態では、情報DBeyyy1〜DBeyyy5は自己の意思とは無関係に、通話回線を介してホスト装置からダウンロードされる。携帯型無線端末機器1A〜1Eは、それぞれ無線ネットワークの通信エリアAA4〜AA5を形成しており、携帯型無線端末機器1Aは携帯型無線端末機器1B,1Eと通信でき、携帯型無線端末機器1Bは携帯型無線端末機器1A,1Cと通信でき、携帯型無線端末機器1Cは携帯型無線端末機器1B,1Dと通信できる。また、携帯型無線端末機器1Dは携帯型無線端末機器1Cと通信でき、携帯型無線端末機器1Eは携帯型無線端末機器1Aと通信できる。
【0022】
以下、携帯型無線端末機器が、ホットスポットが存在する場所を検索する場合について説明する。
本実施形態では、図2において、携帯型無線端末機器1Aが、現在位置から所定のホットスポットの地図を検索する場合を例に説明する。
【0023】
携帯型無線端末機器1A〜1Eは、自己の位置情報(基地局3の位置)をホスト装置2に送信している。したがって、ホスト装置1は携帯型無線端末機器1A〜1Eの存在場所を知ることができる。
【0024】
ホスト装置1は、所定の地域に存在する携帯型無線端末機器に、ホットスポットの分散型データベース情報DBI(本実施形態では、ホットスポットの地図)を適時にアップロードしている。言い換えると、携帯型無線端末機器1A〜1Eの立場からは、ホスト装置1から分散型データベース情報DBIのうちの一部をそれぞれがダウンロードしている。たとえば、ホスト装置2は、分散型データベース情報DBIを複数に分割しており、あるセル(ある基地局がカバーするエリア)に存在する携帯型無線端末機器に分割した情報の何れかを割り当ててある。
【0025】
携帯型無線端末機器には、図3(A)に示すようなメニューを表示する検索用のアプリケーションが搭載されており、検索に際しては当該アプリケーションが起動され検索が実行される。
【0026】
図4のフローチャートに参照されるように、携帯型無線端末機器1Aが、図3(A)に示すホットスポットとして「喫茶店」を指定し(すなわち、検索情報SRCinfを設定し)、検索を実行するものとする(S101,S102)。
【0027】
この場合、検索情報SRCinfは、図3(B)に示すように、検索キーSRCKおよび当該検索情報が作成された携帯型無線端末機器のID(図2では、ID:XXX1,XXX2,・・・,XXX5で示す)、時間情報TIM、ホップ数情報HNを含む。なお、検索情報SRCinfには検索情報SRCinfを中継する携帯型無線端末機器(中継携帯型無線端末機器)のIDも含まれる。検索情報が作成された携帯型無線端末機器のID、および検索情報SRCinfを中継する携帯型無線端末機器(中継携帯型無線端末機器)のIDは、ID履歴情報TMNLIDとして、検索情報SRCinfに含まれる。
【0028】
次に、分散データ記憶手段13に自己端末に検索キーSRCKに符合する情報があるかか否かを判断し(S103)、検索キーSRCKに符合する情報があるときは(S103の「YES」)、検索結果情報RSLTinfの内容を自己端末機器のディスプレイに表示する(S104)。
【0029】
S103において検索キーSRCKに符合する情報がないときは(S103の「NO」)、周囲の携帯型無線端末機器をサーチする(S105)。周囲に他端末機器があるときは(S106の「YES」)、該当する端末機器に検索情報SRCinfを送信する。検索情報SRCinfのID履歴情報TMNLIDには、自己の携帯型無線端末機器のIDを最上流のIDとして書き込む。
【0030】
図2では、携帯型無線端末機器1Aは、周囲に携帯型無線端末機器1B,1Eがあるので、これらに検索情報SRCinfを送信する。S106の判断において、周囲に他の携帯型無線端末機器がないときは(S106の「NO」)処理を終了するようにもできるが、本実施形態では、インターネットのサーチエンジンによる検索を行うか否かのメニューをディスプレイに表示する(S108)。ユーザが検索を行わないとき(S108の「NO」)は、処理は終了するが、検索を行なうとき(S108の「YES」)は、検索が行われ(S109)、検索結果情報RSLTinfの内容(目的物が検索できたときおよび検索できなかったときの双方を含む)が当該ディスプレイに表示される(S110)。
【0031】
図5のフローチャートに参照されるように、携帯型無線端末機器が検索情報SRCinfを受信したときは(S201)、分散データ記憶手段13に検索キーSRCKに符合する情報があるか否かをチェックし(S202)、検索キーSRCKに符合する情報があるときは(S203の「YES」)、上流の携帯型無線端末機器に検索結果情報RSLTinfを送信する(S204)。この場合には、検索情報SRCinfを受信した携帯型無線端末機器が、ターミナル(最下流)の携帯型無線端末機器となる。
【0032】
S203において検索キーSRCKに符合する情報がないときは(S203の「NO」)、時間情報TIMに基づきタイムアウトか否かをチェックする(S205)。タイムアウトの場合には(S205の「YES」)、「検索せず」の情報を検索結果情報RSLTinfとして上流の携帯型端末機器に送信する(S204)。
【0033】
S205においてタイムアウトでない場合には(S205の「NO」)、ホップ数情報HNに基づきホップ数が所定数に達しているか否かをチェックする(S206)。ホップ数が所定数(たとえば、「6」,「7」等)に達している場合にも(S206の「YES」)、「検索せず」の情報を検索結果として上流の携帯型端末機器に送信する(S204)。S206においてホップ数が所定数に達していない場合には(S206の「NO」)、周囲の携帯型無線端末機器をサーチする(S207)。周囲に他の携帯型無線端末機器がないときは(S208の「NO」)、「検索不能」の情報を検索結果情報RSLTinfとして上流の携帯型無線端末機器に送信する(S209)。
【0034】
S207のサーチにおいて他端末機器があるときは(S208の「YES」)、他端末機器に検索情報SRCinfを送信する(S209)。この検索情報SRCinfのID履歴情報TMNLIDには、自己の携帯型無線端末機器IDを追加する。
【0035】
図2の例では、タイムアウトとなる前に検索が行われ、ホップ数の上限値は「6」であるものとする。携帯型無線端末機器1Bおよび1Eの分散データ記憶手段13には検索キーSRCKに符合する情報がないものとする。
携帯型無線端末機器1Eは、携帯型無線端末機器1Aから検索情報を受信した場合、周囲には他端末がないので処理を終了する。携帯型無線端末機器1Bは、携帯型無線端末機器1Aから検索情報を受信した場合、周囲に携帯型無線端末機器1Cがあるので携帯型無線端末機器1Cに検索情報SRCinfを送信する(S207)。
【0036】
図2の例で、携帯型無線端末機器1Cが、検索情報SRCinfを受信するが携帯型無線端末機器1Cの分散データ記憶手段13には、検索キーSRCKに符合する情報がないものとする。また、携帯型無線端末機器1Cは、携帯型無線端末機器1Aから検索情報を受信した場合、周囲に携帯型無線端末機器1Dがあるので携帯型無線端末機器1Cに検索情報SRCinfを送信する。
【0037】
図2の例で、携帯型無線端末機器1Dが、検索情報SRCinfを受信し、検索を行い、分散データ記憶手段13に検索情報SRCinfに符合する情報が検出されたものとする。この場合には携帯型無線端末機器1Dは、上流の携帯型無線端末機器1Cに検索結果情報RSLTinfを送信する。
【0038】
図6のフローチャートに参照されるように、携帯型無線端末機器は、検索結果情報(RSLTinf,TMNLID)を受信すると(S301)、検索結果情報TMNLIDに基づき、自己端末のIDがTMNLIDに書き込まれている最上流の携帯型無線端末機器のID(検索情報SRCinfを発行した携帯型無線端末機器のID)と一致するか否かを判断する(S302)。自己端末が最上流の携帯型無線端末機器であるかを認識できるのであれば、その手法は上記に限定されない。
【0039】
最上流の携帯型無線端末機器のIDが、自己の携帯型無線端末機器のIDと一致する場合には(S302の「YES」)、既に検索結果情報(RSLTinf)を受信しているか否かを判断し(S303)、受信しているときは(S303の「YES」)処理を終了し、まだ受信していないときは(S303の「NO」)、検索結果(RSLTinf:ホットスポットの地図)を表示し(S304)処理を終了する。
【0040】
携帯型無線端末機器は、S302において、自己のIDが最上流の携帯型無線端末機器のIDと一致しない場合には(S302の「NO」)、上流の携帯型無線端末機器にアクセスが可能であるか否かをチェックし(S305)、アクセスできないとき(S305の「NO」)は処理を終了する。
【0041】
S305において、上流の携帯型無線端末機器にアクセスが可能であるときは、当該端末機器に検索結果情報RSLTinfを送信する。
【0042】
図2の例では、携帯型無線端末機器1Dからの検索結果情報RSLTinfは、中継端末機器(携帯型無線端末機器1C,1B)を経由して送信元(携帯型無線端末機器1A)送信される。
【0043】
なお、本発明では、各携帯型無線端末機器には、ユーザの意思とは無関係に分散型データベースの情報が蓄積され、これが他端末機器により利用される。したがって、情報を提供した携帯型無線端末機器は、履歴(ログ)を保存しておき、これをホスト装置2に適時に送信することができる。この履歴の送信により情報を提供した携帯型無線端末機器のユーザは、所定の有価ポイントを取得できる等の利益を享受することができる。また、ホスト装置2が、検索を行った携帯型無線端末機器から履歴を取得し、当該携帯型無線端末機器のユーザから低額の利用料金を取得するようにもできる。
【0044】
また、本発明では、携帯型無線端末機器にGPS端末を備えている場合や、基地局から自己の位置を知ることができる場合(すなわち、自己位置認識装置を備えている場合)において、所定の地域外に自己端末が移動したときは、当該所定の地域に依存する情報(当該所定の地域におけるホットスポット等の地図情報等)を自己位置認識装置により削除することができる。
【0045】
具体的には、図7に示すように、携帯型無線端末機器は位置情報を取得すると(S401)、
自己の分散データ記憶手段13の情報を検索し(S402)、自己が属する地域に無関係な情報がないとき(S403の「NO」)は処理を終了し、自己が属する地域に無関係な情報があるとき(S403の「YES」)は、該当情報を削除して(S404)処理を終了する。なお、他の携帯型無線端末機器を検索し、その端末機器が自己が属する地域に無関係な情報を記憶するべき位置に存在している場合には、当該端末機器にその情報を転送するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1は、本発明の携帯型無線端末機器の機能ブロック図である。
【図2】図1の携帯型無線端末機器と同様の構成の携帯型無線端末機器が、無線ネットワークによりリンクしている様子を示す図である。
【図3】(A)は携帯型無線端末機器の検索メニューを示す図、(B)は検索情報SRCinfの内容を示す図である。
【図4】検索を行う携帯型無線端末機器の処理を示すフローチャートである。
【図5】検索情報を受信した携帯型無線端末機器の処理を示すフローチャートである。
【図6】検索結果を受信した携帯型無線端末機器の処理を示すフローチャートである。
【図7】自己の携帯型無線端末機器に不要な情報を削除する処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0047】
1A〜1E 携帯型無線端末機器
11 電話手段
12 ネットワーク接続手段
13 分散データ記憶手段
14 アクセス履歴記憶手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ネットワークに接続するネットワーク接続手段と、
分散型データベースとしての情報を記憶する分散データ記憶手段と、
を備えた携帯型無線端末機器であって、
前記ネットワーク接続手段は、自己端末機器から入力された検索情報または他端末機器から受信した検索情報に基づき、自己端末機器の前記分散データ記憶手段内のデータを検索し、検索結果を最上流の検索情報発行元に送信しまたは前記検索情報を他端末機器に送信する機能を備えたことを特徴とする携帯型無線端末機器。
【請求項2】
前記検索情報は、検索キーおよび当該検索情報が作成された端末機器のID情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の携帯型無線端末機器。
【請求項3】
前記検索情報は、複数の端末機器を中継して転送されたときは、中継した前記端末機器の経路履歴情報を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の携帯型無線端末機器。
【請求項4】
前記分散データ記憶手段は、前記分散型データベースの情報を独立利用が可能な単位で記憶することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の携帯型無線端末機器。
【請求項5】
前記分散データ記憶手段に記憶される情報は、
携帯型無線端末機器が存在する地域に依存する情報、
であることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の携帯型無線端末機器。
【請求項6】
さらに、アクセス履歴記憶手段を備え、
前記アクセス履歴記憶手段は、他の携帯型無線端末機器の分散データ記憶手段から検索結果情報の提供を受けたとき、自己の分散データ記憶手段から他の携帯型無線端末機器に検索結果情報を提供したとき、または前記検索結果情報を受信し他の携帯型無線端末機器に送信したときはその履歴を、所定のホスト装置に前記無線を利用して通知することを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の携帯型無線端末機器。
【請求項7】
前記分散データ記憶手段に記憶される情報は、
他の携帯型無線端末機器からダウンロードされ、または、外部機器から有線または無線によりダウンロードされることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の携帯型無線端末機器。
【請求項8】
さらに、自己位置認識装置およびファイル削除装置を備え、
前記自己位置認識装置が自己端末機器が所定の地域外にあると認識したときは、ファイル削除装置は当該地域に依存する情報を削除することを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の携帯型無線端末機器。
【請求項9】
前記携帯型無線端末機器は電話機能を備えたことを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の携帯型無線端末機器。
【請求項10】
前記分散データ記憶手段に記憶される情報は、ホスト装置から前記電話機能を利用してダウンロードされることを特徴とする請求項9に記載の携帯型無線端末機器。
【請求項11】
さらに、アクセス履歴記憶手段を備え、前記アクセス履歴記憶手段は、他の携帯型無線端末機器の分散データ記憶手段から検索結果情報の提供を受けたとき、自己の分散データ記憶手段から他の携帯型無線端末機器に検索結果情報を提供したとき、または前記検索結果情報を受信し他の携帯型無線端末機器に送信したときはその履歴を、所定のホスト装置に前記電話機能を利用して通知することを特徴とする請求項9または11に記載の携帯型無線端末機器。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−245734(P2006−245734A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−55579(P2005−55579)
【出願日】平成17年3月1日(2005.3.1)
【出願人】(504132881)国立大学法人東京農工大学 (595)
【Fターム(参考)】