説明

携帯型送風装置

【課題】 安全性を向上できる携帯型送風装置を提供する。
【解決手段】 脚3の支持により設置面上に設置されるとともに設置面に対して複数の傾斜角度で傾斜姿勢を維持できるようにした。また、吸込口6と上面2dに開口する吹出口7とを有する筐体2とを備え、筐体2内に設けられて吸込口6と吹出口7とを連結する空気通路8と、送風ファン17とを備え、送風ファン17の駆動によって吸込口6から外気が空気通路8に流入し、送風ファン27を通過して吹出口7から送出されるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯可能な筐体内に送風ファンを備えた携帯型送風装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯型送風装置は特許文献1に開示されている。この携帯型送風装置は携帯可能な薄箱状の筐体の背面に吸込口を開口し、前面に吹出口を開口する。筐体内には吸込口と吹出口とを連結する空気通路が設けられ、空気通路内に軸流ファンから成る送風ファンが配される。また、筐体の側面には回動自在のスタンドが設けられる。スタンドを回動して卓上の設置面に当接させると、スタンドの支持によって筐体を卓上に立設することができる。
【0003】
スタンドにより筐体を卓上の設置面に立設した状態で送風ファンを駆動すると、吸込口から外気が空気通路内に流入する。この時、筐体の背面が設置面に対向して傾斜して配され、前面の吹出口から使用者の頭部等に向けて斜め上方に空気流が送出される。これにより、屋外や屋内で手軽に涼しさを得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−57519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の携帯型送風装置によると、送風ファンが露出しており、携帯型送風装置を首から吊るして使用すると、装置の向きによって衣類が送風ファンの吸込口もしくは吹出口を塞いでしまうという問題があった。また、送風ファンが露出しているため回転部分に異物が入り、装置を損傷する恐れがあった。また、さらに送風ファンが外部から直接見えるため外観上美しくないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、外観を滑らかな曲線で形成されたケースで覆い、概ね直方体と成すとともに、外部から直接見えない本体下部に吸込口を設け、本体上面に吹出口を設けた。
【0007】
また、卓上設置を可能にするためにスタンド用脚を設けるとともに、本体に長さ方向のほぼ中央に脚を回動自在に軸支して、脚の開閉角度を大きくした。
【0008】
また、脚を使用しない場合には外観上本体と一体に見えるように本体の収納部に収納する構造とし、美観を保つ構造とした。
【0009】
さらに脚を使用しているときも収納しているときも吸込口を塞がないように配慮し、装置の姿勢によって送風性能が大きく影響を受けない構造とした。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、外観部分を滑らかな曲線を持つケースで覆い、送風ファンを内部に収納したので外観上の美観が達成される。
【0011】
また、卓上設置用の脚を設けたので、携行できるだけでなく、卓上設置使用を可能にした。
【0012】
また、脚を本体に収納可能に構成し、収納した時にも脚が吸込口を塞がない構造としたので、卓上設置使用時も首からの吊り下げ使用時も送風性能を十分に発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の携帯型送風装置を正面から見た外観図。
【図2】本発明の携帯型送風装置を背面から見た外観図。
【図3】本発明の携帯型送風装置を上面から見た外観図。
【図4】本発明の携帯型送風装置の脚を閉じた状態を示す右側面図。
【図5】図1中のA−A線の断面による本発明の携帯型送風装置の内部構造図。
【図6】本発明の携帯型送風装置の脚の形状の一例を示す図で、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)はC−C線の断面図。
【図7】本発明の携帯型送風装置の机上設置状態1を示す図。
【図8】本発明の携帯型送風装置の机上設置状態2を示す図。
【図9】本発明の携帯型送風装置の机上設置状態3を示す図。
【図10】本発明の他の実施形態に関わる携帯型送風装置を背面から見た外観図。
【図11】本発明の携帯型送風装置の他の実施形態に関わる脚の形状を示す図で、(a)は平面図、(b)は側面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施形態を図1から図4を参照して説明する。図1は本実施形態の携帯型送風装置を示す正面図である。携帯型送風装置1は、一例として縦100mm×横80mm×厚さ25mm程度の携帯可能な大きさに形成された正面視がほぼ矩形の薄箱状の筐体2を備えている。図において、吹出口は筺体2の上端部、吸込口は隠れているが下端部に設けられる。
【0015】
また、筐体2の前面(表面側)ケース2aには表示部4が設けられる。表示部4はLED等の表示手段を用いて携帯型送風装置1の運転情報を表示する。また、LEDや液晶等の表示手段を用いて装置の運転状況、運転時間、累積運転時間や電池の残量表示をすることも好ましい。
【0016】
図2は携帯型送風装置1を背面から見た図であり、脚3を閉じた状態を示している。前面ケース2aの反対側となる背面(裏面側)ケース2bは、前面ケース2aと勘合して外観部を成す筺体2を形成する。脚3は、後で説明する上端部に設けられた吹出口7と下端部に設けられた吸込口6とを結ぶ方向を長手方向とする本体中央部で筐体2の両側面部に軸支された概ねコの字型の棒材で、筐体2の背面ケース2bに溝状の凹部として形成された収納部2fに収納される。この脚3は不使用時には、上下方向の下部(下半分の部分)に収納されている。
【0017】
背面ケース2bの上下方向のほぼ中央左右に脚3の回動軸を設けたことで、脚3は収納状態から見て180°未満の角度で回動することが可能である。脚3は複数の開き角度で保持することが可能であり、脚3を開いた状態で脚3の支持によって筐体2を卓上の設置面に携帯送風装置1を後で説明する任意の立設形態で設置することができる。従って、脚3は、携帯送風装置1を卓上の設置面に設置する際に筐体2を支持する支持部を構成する。
【0018】
筐体2の下部であって背面ケース2bの下端部には、外気を吸込むための吸込口6が形成されている。吸込口6には塵埃の吸込みを防ぐネットが貼付けされる。吸込口6は背面ケース2b側の外部から常に見える状態であり、脚3の開閉に影響されずに外気を吸込むことが出来る。
【0019】
筐体2を構成する前面ケース2a、背面ケース2bは上下方向および左右方向にわたって曲面で形成されており、通常の筐体の稜線に当たる部分には大きな半径を持つ曲面が与えられている(図1、図3、図4等を参照)。従って、携帯型送風装置1は通常の直方体を成す筐体のように明確な稜線を持たない。この構成により、筐体2は中央部の厚み方向が大きく膨らんだ形状を成している。
【0020】
図3は携帯型送風装置1の上面から見た図であり、前面ケース2a及び背面ケース2bが形成する外観部の上面に吹出口7が開口されている。この吹出口7の開口には、吹き出し格子2dが設けられ、その開口部である吹出口7は前面ケース2aの方向に大きく偏って形成される。筐体2が半径の大きな曲面で形成されること、および吹出口7が前面ケース2a側に偏っていることによって、脚を使用せずに携帯型送風装置1を机上等に直接置いた場合、また首から吊るして使用した場合に、机や人体等との接触面と吹出口中心部との間に距離が確保され、気流の送出を妨げることがなく、良好に空気を送出できる。
【0021】
図4は携帯型送風装置1の右側面図であり、側面2cには電源スイッチ5が設けられる。電源スイッチ5を[ON]の位置にすると、図5に示す送風ファン17、イオン発生装置18に通電され運転が開始される。表示部4には運転表示がされるとともに、イオン発生装置のイオン発生状況、電池の残量状況、等の運転情報が表示される。
【0022】
図5は図1中の中心A−A線で切断した携帯型送風装置1の内部構造を示す断面図である。背面ケース2b側にはイオン発生装置18と電池19を収納する隔離室22b、22cが各々設けられる。背面ケース2bの内側には携帯型送風装置1の制御回路を実装した制御基板15が取り付けられる。各々の隔離室22b、22cに切欠き部が設けられるとともに、制御基板15にはイオン発生装置18を収納する隔離室22b、電池19を収納する隔離室22cにそれぞれ臨む端子部15aが接続される。隔離室22b、22cにそれぞれ収納されるイオン発生装置18及び電池19は端子部15aを介して制御回路に接続される。
【0023】
また、制御基板15と前面ケース2aとの間には送風ファン17が設けられる。送風ファン17は背面ケース2bから立設するボスに防振ゴムを介して止められる。送風ファン17は両面吸込み型のターボファンであり、ハウジングの軸方向に開口する送風ファン17の2つの吸気口(不図示)は筐体2の厚さ方向に各々配される。この構造では吸込口6から吸い込んだ空気を制御基板15と送風ファン17との隙間を通過する経路と、前面ケース2aと送風ファン17との隙間25を通過する経路の2つの経路を介して吸気した空気を流通させて供給することが出来る。
【0024】
一方の吸込み経路は制御基板15と隔離室22cとを経由し、制御基板15と隔離室22c底壁の各々を冷却するとともに間接的に電池19を冷却する。また、他方の吸込み経路は制御基板15の側方を通過して前面ケースとの隙間25に至り、制御基板15を冷却する。
【0025】
また、前面ケース2aの内側には送風ファン17と吹出口7とを連結する仕切パネル22により覆われて空気通路8が形成される。仕切りパネル22は概ねコの字形状の断面を有する壁体で、隔離室22bの底壁と組み合わされて空気通路8を形成する。このため、空気通路8を流通する空気が隔離室22bの底壁を冷却するとともに間接的にイオン発生装置18を冷却する。
【0026】
また、隔離室22bの底壁には吹き出し気流を整流するための整流ガイド(不図示)が空気通路8に向かって設けられる。整流ガイドは隔離室22b底壁に立設された複数の板であり、隔離室22bの表面積を拡大する働きを果たし、隔離室22bの冷却を効率よく行わせる。
【0027】
尚、筐体2の外部で背面ケース2bの上端部にはネックストラップを取り付ける取付孔を有する取付部2hが設けられ、この取付部2hにネックストラップを結び付けて携帯型送風装置1を使用者の首から吊り下げて携行することができる。
【0028】
次に脚3の構成について説明する。脚3は図6に示すように概ねコの字形状をしており、脚本体部3cは概ね3角形の断面形状をしている。脚3はヒンジ機構により筐体2に回動自在に軸支される。脚3のヒンジ機構は、脚3の向かい合う2つの解放端部に、ラッチ構造体としてギヤ3a、3bを設けるとともに引っ張りバネ(不図示)を備えている。図2においてギヤ3a、3bはコの字形状の脚3の解放されている両端部に一体に設けられ、背面ケース2bの両側面に設けた貫通穴から左右各々が内部に挿通され、回転自在に支持される。ギヤ3a、3bは脚3の軸部分の全周囲に複数の歯が形成される。ギヤの隣接する歯と歯の間にシャフトが配される。引っ張りバネは一方端をシャフト(不図示)に、他方端を背面ケース2bに立設するボスに掛着され、シャフトをギヤに押しつける方向に付勢する付勢手段を構成する。
【0029】
脚3の回動によりギヤ3a、3bが一体に回動し、引っ張りバネの付勢力に抗してシャフトがギヤの歯先の方向に移動する。そして、歯間をシャフトが周方向に相対移動することで、脚3の開閉角度を規制することが出来る。これにより筐体2の脚収納部2fの形状と相まって脚3を開度180゜未満の適当な任意の角度に保持(規制)することができる。そのため、脚3の任意の角度状態で保持され、卓上の設置面上に置いた際に、筐体2の背面ケース2bが設置面に対向する任意の角度での姿勢を保つことが可能である。
【0030】
また、図8に示すように脚3を、収納時を0°とし大きく160°程度に開いて筐体2の背面を机上に向けた場合には、携帯型送風装置1の姿勢を低く保ち、約10°程度の仰角で気流を吹き出すことが出来る。また、さらに、図9に示すように脚3を狭く約40°に開いて吹出口7が低くなるように設置すると、気流を下向き約15°に吹出すことが出来、ベッドのヘッドボード(ベッド頭部にある板)上に設置して就寝時の使用者に気流を送ることが出来る。実施例においては、約40°ごとに脚開度の規制が出来る構造となっているが、角度は設計によって適宜決定できる。また、角度調整は等角度であることは必要ではない。
【0031】
次に、吸込口6について説明する。この吸込口6は図2、図4、図5に示すように、背面ケース2の下端部に形成されている。背面ケース2bの下端部、および両側端部には、脚3を収納するための凹部形状の収納部2fが形成されている。これにより、脚3は、収納されたときに、背面ケース2bの外観を損なうことがないよう外壁面に沿うようになる。
【0032】
また、背面ケース2bには、先に説明した隔離室22b、22cに対向する部分に、該隔離室22b、22cを開放(露出)し、電池19、イオン発生装置18を交換できるように蓋2gが着脱可能に設けられている。収納部2fに収納された状態で脚3の端面と蓋2gの下端面との間に隙間を形成し、気流A1を確保するようにしている。
【0033】
上記隙間に対応させて上記背面ケース2bの下端部には、吸込口6が形成されている。したがって、脚3を収納部2fに収納しても(図5参照)、吸込口6を閉塞せず、気流A1を常に確保するようにしている。
【0034】
上記脚3は、閉じた状態(収納状態)で背面ケース2b及び蓋2gの下端双方から所定の距離を保ち、脚3と両者の間に隙間が形成される。該隙間は脚3の横幅一杯に渡って設けられ、脚3を開いた状態であっても閉じた状態であっても開口面積は変わらない。
【0035】
以上のように、脚3の使用時も不使用時も送風ファン17の送風性能が確保される。
【0036】
ここで、上記吸込口6は、背面ケース2bの収納部2fに対応した下端部に設けている。そのため、図5に示すように吸込口6は背面ケース2bの設置面に対して一段凹んだ部分に形成されることになる。そのため、図5に示すように蓋2gを設置面に載置しても、吸込口6を閉塞することがない。そのため、吸込口6の気流A1は常に確保できる。
【0037】
次に本発明の携帯型送風装置に搭載されたイオン発生装置18について説明する。隔離室22bに配されるイオン発生装置18は空気通路8に臨む複数の電極(不図示)を有している。イオン発生装置18には高圧電気発生回路が内蔵されており、電池19から電力供給を受けて作動する。高圧電気発生回路により電極には交流波形またはインパルス波形から成る高電圧が印加される。イオン発生装置18は複数の放電電極を持ち、一の電極には正電圧が印加され、電離により発生するイオンが空気中の水分と結合して主としてH(HO)mから成る正のクラスタイオンが形成される。他の電極には負電圧が印加され、電離により発生するイオンが空気中の水分と結合して主としてO(HO)nから成る負のクラスタイオンが形成される。ここで、m、nは任意の自然数である。
【0038】
正イオンH(HO)m及び負イオンO(HO)nは空気中の同時に送出されることによって空気中の浮遊菌や臭い成分の表面で凝集してこれらを取り囲む。そして、式(1)〜(3)に示すように、活性種である[・OH](水酸基ラジカル)やH(過酸化水素)を浮遊菌や臭い成分等の表面上で生成してこれらを破壊する。ここで、m’、n’は任意の自然数である。
【0039】
(HO)m+O(HO)n→・OH+1/2O+(m+n)HO ・・・(1)
H+(HO)m+H(HO)m’+O(HO)n+O(HO)n’
→ 2・OH+O(m+m'+n+n')HO ・・・(2)
(HO)m+H(HO)m’+O(HO)n+O(HO)n’
→H+O(m+m'+n+n')HO ・・・(3)
上記構成の携帯型送風装置1において、携帯型送風装置1を机上使用する状態1を図7に示す。脚3を所望の角度に開いて卓上の設置面上に置くと、脚3の支持により筐体2が卓上に立設される。電源スイッチ5が入れられると送風ファン17及びイオン発生装置18が駆動される。送風ファン17の駆動によって矢印A1(図5参照)に示すように吸込口6を介して空気通路8内に外気が流入する。この時、外気に含まれる塵埃がフィルターにより捕集される。
【0040】
送風ファン17を通過して空気通路8に流通した空気は矢印A2(図5参照)に示すように空気通路8内を流通し、イオン発生装置18で発生したイオンが含まれる。そして、矢印A3(図5参照)に示すように吹出口7から上方の使用者の頭部等に向けて正イオン及び負イオンを含む空気流が送出される。これにより、屋外や屋内で手軽に涼しさを得ることができるとともに、使用者の周囲の除菌や臭い除去を行うことができる。
【0041】
図8、図9に他の使用状態を示す。図8では脚3を最大角度で開いた状態で、筐体2の背面部を机上に近接させて気流の吹き出し方向を水平よりもわずかに上向きにしている。就寝時の枕元での使用などが想定できる。また、図9には脚3を40°程度開いた状態で、吹出口7を机上に近接させる。このようにすることで下向きの気流を得ることが出来る。本発明の携帯型送風装置1をベッドに寝ているときにヘッドボードもしくはヘッドボードに設けられた棚(一般に宮と呼ばれる)に設置する場合や書斎などで作業中に近傍の棚に設置する場合が想定される。筐体2の厚さ方向の中心線からみて脚3が回動する空間、つまり筐体2の背面側に対して、逆の空間つまり筐体2の前面側に吹出口7が形成されていることでこのような設置方法、使用方法が可能にされる。
【0042】
また、当然のことではあるが脚3を収納した状態で、筐体2の背面を直接机上に接するように置くこともできる。この場合はほぼ水平方向に吹き出し気流が送出される。
【0043】
また、本実施例では脚3の形状をコの字形状とし筐体2の両側面に軸支することによって、その内側の筐体内部にイオン発生装置18や電池19を収める構造とした。電池の形状を変更することによって脚の形状は変更できる。
【0044】
図10に脚の他の実施形態を示す。この実施形態における脚30は、筐体2にほぼ中央部に軸支構造を備えており、T字型を呈している。この脚30は、背面ケース2bに着脱可能に設けられる蓋2gに形成される凹部形状の収納部に収容される。脚30は図11に示すように、直線形状の脚本体部30cの一端部に設置用の載置部を設けてT字形状にしている。この脚本体部30cの他端部に開閉角度を任意に確保するためのギア30aが設けられている。このギア30aが、脚3と同様に回転可能に軸支され、同様にして回転する角度が規制され、任意の開閉角度を確保するようにしている。
【0045】
なお、脚30は、T形状とすることなく、脚本体部30cの一端部に一方向に突出する載置部を設けることで、L字型の脚として構成できる。
【0046】
本発明の携帯型送風装置1はネックストラップの使用により首から吊り下げて携行することが出来る。ネックストラップは筐体2の背面となる背面ケース2bに設けられたストラップ取付部2hに結び付けて使用する。ネックストラップを使用した状態では、携帯型送風装置1が使用者の胸から上腹部辺りに位置するようにネックストラップの長さが設定されている。自明ではあるが、この時の携帯型送風装置1はほぼ真上に吹出口7を向けた姿勢である。携帯型送風装置1を使用者の首から吊り下げて携行した状態や把持した状態で電源スイッチ5が入れられると、使用者と筐体2との隙間を介して外気が吸込口6に導かれる。そして、イオンを含む空気流が吹出口7から上方に向けて送出される。歩行時や着席時では人の胸の位置に比べて、人の顔の位置の方が少し前方になるため、吹出口7が筐体2の前方に偏って配置されていることが優位に働く。これにより、携帯型送風装置1の携行時においても涼しさを得ることができるとともに、正負イオンの働きにより使用者の周囲の除菌や臭い除去を行うことができる。
【0047】
また、吹出口7には運転スイッチ5と連動して動作するシャッター7a(図5参照)を設けて、異物が侵入しないように配慮した。携帯型送風装置1を首からかけて使用する時には、吹出口7が上を向いていることが予測される。そのために、使用者が飲食をしたりすると食べ物の破片や飲料がこぼれ落ちたりして、運悪く吹出口7内に落下することも考えられる。このような、不慮の出来事を未然に防ぐものである。
【0048】
シャッター7aについて図5を参照してさらに説明する。運転スイッチ5には裏面に背面ケース2bを貫通して突起が設けられており、この突起がシャッター7aのアーム(不図示)を操作することによりシャッター7aの位置が背面ケース2b側に移動させられる。送風時にはシャッター7aは背面ケース2bに設けられた隔離室22bの前方に移動して、通風を妨げないようにする。
【0049】
以上の実施形態において、イオン発生装置18によってマイナスイオンのみを放出してもよい。これにより、使用者のリラクゼーション効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明によると、携帯可能な筐体内に送風ファンを備えた携帯型送風装置や携帯型芳香器等に利用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 携帯型送風装置
2 筐体
2a 前面ケース
2b 背面ケース
2c 側面カバー
2g 蓋
3、30 脚
4 表示部
5 電源スイッチ
6 吸込口
7 吹出口
8 空気通路
17 送風ファン
18 イオン発生装置
19 電池
25 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風ファンと前記送風ファンを収納する筐体と前記筐体に空気を吸い込む吸込口と吸い込んだ空気を送出する吹出口とを有する携帯型送風装置において、
前記携帯型送風装置は机上設置を可能にする脚を設け、前記脚は前記携帯型送風装置に設けた収納部に収納可能に形成されていることを特徴とする携帯型送風装置。
【請求項2】
前記脚は、前記筐体の長さ方向中央部にそれぞれ軸支され、収納状態から180度未満の角度で回動可能であることを特徴とする請求項1に記載の携帯型送風装置。
【請求項3】
前記脚は、前記筐体の長さ方向中央部にそれぞれ軸支され、収納状態から90度以上180度未満の角度で回動可能であることを特徴とする請求項1に記載の携帯型送風装置。
【請求項4】
前記脚は、前記収納部から引き出した状態であっても、前記収納部に収納した状態であっても、前記吸込口を塞がないように配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の携帯型送風装置。
【請求項5】
前記脚は、前記収納部から引き出した状態であっても、前記収納部に収納した状態であっても、前記吸込口の開口面積を変更しないように配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の携帯型送風装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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