説明

携帯情報端末

【課題】 着脱可能なメモリカード上のファイル割当テーブルからデータファイルの識別情報を抽出して作成される端末用管理ファイルを更新する際の処理に要する時間を短縮することができる携帯情報端末を提供する。
【解決手段】 メモリカード31にアクセスし、選択可能なファイルフォルダをFATに基づいてフォルダ一覧として表示するフォルダ一覧表示部23と、フォルダ一覧上でファイルフォルダが選択された際に、当該ファイルフォルダ内のデータファイルを検索してFATからデータファイルの識別情報を抽出し、端末用管理ファイルとしてメモリカード31内に格納する端末用管理ファイル生成部24と、ファイルフォルダ内のデータファイルについて、端末用管理ファイル内に含まれる上記識別情報を表示するデータファイル表示部26により構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯情報端末に係り、さらに詳しくは、複数のファイルフォルダに区分してデータファイルを保持する着脱可能なメモリカードからデータを読み出して画面表示する際に、データファイル内のデータの格納位置を示す物理アドレスを当該データファイルが属するファイルフォルダの情報を含む当該データファイルの識別情報に関連付けて保持するファイル割当テーブルを参照する携帯情報端末の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラで撮影した画像データやインターネット上のウェブサイトから取得した画像データを着脱可能なメモリカード内に保存することができる携帯電話機などの携帯情報端末が知られている。一般に、メモリカード内には、複数のファイルフォルダが作成され、画像データなどのデータは、データファイルとしてファイルフォルダ内に収容される。データをメモリカードから読み出す際には、データファイル内のデータの格納位置を示す物理アドレスを当該データファイルの識別情報に関連付けて保持するファイル割当テーブルが参照される。この様なファイル割当テーブルは、FAT(File Allocation Table:ファイルアロケーションテーブル)と呼ばれ、ファイル名やデータファイルの属性情報からなる識別情報を保持している。なお、上位ディレクトリに関連付けてファイル又は下位ディレクトリを管理するファイル管理システムについては、例えば、特許文献1に記載されている。
【0003】
上述した携帯情報端末では、端末で使用可能なデータファイルだけを選別するために、ファイル割当テーブルから識別情報を抽出して端末用管理ファイルが作成され、ファイル割当テーブルとこの端末用管理ファイルに基づいて、データの読み出しが行われる。一般に、パーソナルコンピュータなどの情報処理端末を使ってメモリカード上のデータファイルを削除し、或いは、新たにデータファイルを追加した際には、ファイル割当テーブルは自動的に更新されるが、端末用管理ファイルは更新されない。このため、ファイル割当テーブルと端末用管理ファイルとの間に不整合が生じる場合がある。従って、情報処理端末を使ってメモリカード内のデータファイルを変更した場合には、端末用管理ファイルも更新する必要がある。しかしながら、従来の携帯情報端末では、ユーザが作成した複数のファイルフォルダについてファイルフォルダ内のデータファイルを検索することによって、端末用管理ファイルの更新が行われるので、処理に要する時間が長いという問題があった。
【特許文献1】特開2003−140940号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した通り、従来の携帯情報端末では、ユーザが作成した複数のファイルフォルダについてファイルフォルダ内のデータファイルを検索することによって、端末用管理ファイルの更新が行われるので、処理に要する時間が長いという問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、端末用管理ファイルの更新処理に要する時間を短縮させた携帯情報端末を提供することを目的としている。特に、着脱可能なメモリカード上のファイル割当テーブルからデータファイルの識別情報を抽出して作成される端末用管理ファイルを更新する際の処理に要する時間を短縮することができる携帯情報端末を提供することを目的としている。また、端末用管理ファイルを更新させる際の操作性を向上させた携帯情報端末を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の本発明による携帯情報端末は、2以上のファイルフォルダに区分してデータファイルを保持する着脱可能なメモリカードからデータを読み出して画面表示する際に、上記データファイル内のデータの格納位置を示す物理アドレスを当該データファイルが属するファイルフォルダの情報を含む当該データファイルの識別情報に関連付けて保持するファイル割当テーブルを参照する携帯情報端末であって、上記メモリカードにアクセスし、選択可能な上記ファイルフォルダを上記ファイル割当テーブルに基づいてフォルダ一覧として表示するフォルダ一覧表示手段と、上記フォルダ一覧上でファイルフォルダが選択された際に、当該ファイルフォルダ内のデータファイルを検索して上記ファイル割当テーブルから上記識別情報を抽出し、端末用管理ファイルとして上記メモリカード内に格納する端末用管理ファイル生成手段と、上記ファイルフォルダ内のデータファイルについて、上記端末用管理ファイル内に含まれる上記識別情報を表示するデータファイル表示手段とを備えて構成される。
【0007】
この携帯情報端末では、フォルダ一覧上でファイルフォルダが選択された際に、当該ファイルフォルダ内のデータファイルを検索してファイル割当テーブルからデータファイルの識別情報が抽出され、この識別情報が端末用管理ファイルとして格納される。この様な構成によれば、フォルダ一覧上で選択されたファイルフォルダについて端末用管理ファイルが更新されるので、全ファイルフォルダについて更新するのに比べて、端末用管理ファイルの更新処理に要する時間を短縮することができる。また、フォルダ一覧上でファイルフォルダを選択することによって端末用管理ファイルの更新処理が自動的に開始されるので、端末用管理ファイルを更新させる際の操作性を向上させることができる。
【0008】
第2の本発明による携帯情報端末は、上記構成に加え、上記端末用管理ファイル生成手段が、上記データファイルのファイル形式に基づいて、ファイル割当テーブルから識別情報を抽出するように構成される。
【0009】
第3の本発明による携帯情報端末は、上記構成に加え、上記端末用管理ファイルの生成時にセットされる更新済みフラグを上記ファイルフォルダごとに保持する更新済みフラグ保持手段を備え、上記端末用管理ファイル生成手段が、上記更新済みフラグに基づいて端末用管理ファイルを更新するように構成される。この様な構成によれば、端末用管理ファイルの生成時にセットされる更新済みフラグに基づいて管理ファイルの更新処理が行われるので、無駄な更新処理を省略させることができる。
【0010】
第4の本発明による携帯情報端末は、上記構成に加え、上記更新済みフラグが、電源遮断時、電源投入時又はメモリカードの着脱時にリセットされるように構成される。
【0011】
第5の本発明による携帯情報端末は、上記構成に加え、上記端末用管理ファイルが、上記フォルダ一覧上で選択されたファイルフォルダが電源投入後又はメモリカードの装着後に初めて選択されたファイルフォルダである場合に、更新され、2回目以降に選択されたファイルフォルダである場合には、更新されないように構成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明による携帯情報端末によれば、フォルダ一覧上で選択されたファイルフォルダについて端末用管理ファイルが更新されるので、全ファイルフォルダについて更新するのに比べて、端末用管理ファイルの更新処理に要する時間を短縮することができる。従って、着脱可能なメモリカード上のファイル割当テーブルからデータファイルの識別情報を抽出して作成される端末用管理ファイルを更新する際の処理に要する時間を短縮することができる。また、フォルダ一覧上でファイルフォルダを選択することによって端末用管理ファイルの更新処理が自動的に開始されるので、端末用管理ファイルを更新させる際の操作性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本発明の実施の形態による携帯情報端末の一構成例を示したブロック図であり、携帯情報端末の一例としてカメラ付携帯電話機1が示されている。この携帯電話機1は、カメラ12で撮影した画像データやインターネット上のウェブサイトから取得した画像データを着脱可能なメモリカード31内に保存することができる携帯可能な小型の情報端末である。
【0014】
携帯電話機1は、操作キー11、カメラ12、アンテナ13、セルラー通信部14、LCD15、カードスロット16及び入出力処理部17により構成される。操作キー11は、入出力処理部17に対して所定の入力を行うための入力装置であり、オンフックキー、オフフックキー、テンキー、方向キーなどが操作キー11として設けられている。
【0015】
カメラ12は、被写体を撮影して多数のピクセルデータからなる画像データを生成する撮像手段である。LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)15は、画像データや電子メールを画面表示する表示装置である。
【0016】
セルラー通信部14は、アンテナ13を介して基地局との間で電波を送受信する移動体通信手段である。他の通信端末との間で通信が確立された状態では、セルラー通信部14によって、送話用マイクロホン(図示せず)から入力された音声信号が送信され、受信した音声信号が受話用レシーバ(図示せず)に出力される。また、セルラー通信部14により、電子メールなどの通信データが送受信される。
【0017】
カードスロット16は、メモリカード31を着脱可能に収容する外部インターフェースである。このカードスロット16を介して、メモリカード31及び入出力処理部17間でデータが送受信される。メモリカード31は、フラッシュメモリなどの書き換え可能な不揮発性の半導体記憶素子からなる。この様なメモリカード31としては、例えば、SD(Secure Digital:登録商標)カードが用いられる。
【0018】
入出力処理部17は、画像データや電子メールなどのデータをメモリカード31に書き込み、或いは、メモリカード31から読み出したデータをLCD15上に表示する動作を行っている。この入出力処理部17は、フォルダ作成部21、FAT作成部22、フォルダ一覧表示部23、端末用管理ファイル生成部24、更新済みフラグ保持部25及びデータファイル表示部26からなる。
【0019】
フォルダ作成部21は、データファイルを収容するための複数のファイルフォルダをメモリカード31内に作成する動作を行っている。つまり、メモリカード31は、複数のファイルフォルダに区分してデータファイルを保持することとなる。このフォルダ作成部21によって作成されるファイルフォルダには、システム固有のものとして作成されるシステムフォルダと、ユーザによって任意に作成されるユーザフォルダとが設けられている。この様なファイルフォルダ内に収容されるデータファイルは、画像データや電子メールなどのデータからなる。
【0020】
FAT作成部22は、FAT(File Allocation Table:ファイルアロケーションテーブル)からなるデータファイルをメモリカード31上に作成する動作を行っている。FATは、データファイル内のデータの格納位置を示す物理アドレスを当該データファイルの識別情報に関連付けて保持するファイル割当テーブルである。
【0021】
データファイルの識別情報としては、例えば、ファイル名と、属性情報、すなわち、データファイルが属するファイルフォルダの情報とからなる。より詳しくは、ファイル名及び属性情報の他に、ファイル形式、ファイルサイズ及び更新日時がデータファイルの識別情報として保持される。ファイル名は、ユーザが任意に指定可能な文字列からなる情報である。属性情報は、例えば、最上位のファイルフォルダ(ルートフォルダという)からのパスを示す情報からなる。ファイル形式は、データファイル内のデータ構造を示す情報からなる。ファイルサイズは、データファイル内のデータ量を示す情報からなる。更新日時は、データファイルがメモリカード31に書き込まれ、或いは、更新された日時を示す情報からなる。
【0022】
FAT作成部22では、データファイルを変更するごとに、この様なFATを更新する動作が行われる。
【0023】
フォルダ一覧表示部23は、メモリカード31にアクセスしてFATを読み出し、選択可能なファイルフォルダをFATに基づいて表示する動作を行っている。この選択可能なファイルフォルダは、フォルダ一覧としてLCD15上に画面表示される。
【0024】
端末用管理ファイル生成部24は、フォルダ一覧上でファイルフォルダが選択された際に、当該ファイルフォルダ内のデータファイルを検索してFATからデータファイルの識別情報を抽出し、メモリカード31内に格納する動作を行っている。識別情報の抽出は、例えば、データファイルのファイル形式、すなわち、データファイル内のデータ構造に基づいて行われ、抽出したデータファイルの識別情報は、端末用管理ファイルとして、メモリカード31内に格納される。この端末用管理ファイルは、例えば、メモリカード31上のシステムフォルダ内に格納される。
【0025】
端末用管理ファイル生成部24では、データファイルの識別情報、すなわち、ファイル名、属性情報、ファイル形式、ファイルサイズ及び更新日時に、タイトル情報を付加した情報(ここでは、ヘッダ情報と呼ぶことにする)が端末用管理ファイルとして生成される。この様な端末用管理ファイルは、FATによって管理される。ファイル形式は、例えば、ファイル名に付加される拡張子によって識別される。タイトル情報は、ユーザが任意に指定した文字列からなる情報である。
【0026】
端末用管理ファイルを作成する方法として、具体的には、フォルダ一覧上で選択されたファイルフォルダ内のデータファイルをFATに基づいてメモリカード31から読み出す。そして、読み出したデータファイルの識別情報に含まれる拡張子を見て、当該ファイルフォルダ内に収容することが予め許されているファイル形式のデータファイルであるか否かを判別する。端末用管理ファイルは、ファイルフォルダ内に収容することが許されているファイル形式のデータファイルのみを抽出することによって生成される。
【0027】
更新済みフラグ保持部25は、端末用管理ファイルの生成時にセットされるフラグであって、端末用管理ファイルが更新済みであることを示す更新済みフラグ25aをファイルフォルダごとに保持する記憶手段である。この更新済みフラグ25aは、電源遮断時、電源投入時、メモリカード31の装着時、又は、メモリカード31の離脱時にリセットされる。
【0028】
端末用管理ファイル生成部24では、この様な更新済みフラグ25aに基づいて、端末用管理ファイルを更新する動作が行われる。すなわち、フォルダ一覧上で選択されたファイルフォルダについて、更新済みフラグ25aがオン状態でない場合に、メモリカード31上の端末用管理ファイルを更新する処理が行われる。一方、更新済みフラグ25aがセットされてオン状態となっている場合には、管理ファイルを更新する処理は行わない。
【0029】
従って、端末用管理ファイルは、フォルダ一覧上で選択されたファイルフォルダが、電源投入後、又は、メモリカード31の装着後に初めて選択されたファイルフォルダである場合に、更新され、2回目以降に選択されたファイルフォルダである場合には、更新されないこととなる。
【0030】
更新済みフラグ25aを端末に保持させることにより、メモリカード31に保持させるのに比べて、アクセスに要する時間を短縮することができる。
【0031】
データファイル表示部26は、FATに基づいてメモリカード31から読み出したデータを画面表示する動作を行っている。具体的には、フォルダ一覧上で選択されたファイルフォルダについて、ファイルフォルダ内のデータファイルを端末用管理ファイルに基づいて表示する動作が行われる。例えば、ファイルフォルダ内のデータファイルのうち、端末用管理ファイル内に識別情報が含まれているデータファイルのファイル名が一覧表示される。
【0032】
図2は、図1の携帯電話機1の動作の一例を示した図であり、FATによって管理されるファイルフォルダの階層構造の一例が示されている。このFATシステムでは、ルートフォルダ41を最上位のファイルフォルダとし、ルートフォルダ41内に、DCIMフォルダ42及びPRIVATEフォルダ43のファイルフォルダがシステムフォルダとして設けられている。
【0033】
DCIMフォルダ42は、カメラ12で撮影した画像データを収容するためのファイルフォルダであり、複数のユーザ作成フォルダ44が下位のファイルフォルダとして作成されている。
【0034】
この例では、3つのユーザ作成フォルダ44として、「ユーザ作成フォルダ100」〜「ユーザ作成フォルダ102」が作成され、「ユーザ作成フォルダ100」には、データファイル45として、「xxx0001.jpg」、「xxx0002.jpg」及び「xxx0003.jpg」が収容されている。
【0035】
これらのデータファイル45のファイル形式は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式となっており、ファイル名に付加されている拡張子「jpg」によって判別することができる。
【0036】
PRIVATEフォルダ43は、端末用管理ファイルやPDFデータを収容するためのファイルフォルダであり、TABLEフォルダ46やPDFフォルダ47が下位のファイルフォルダとして作成されている。
【0037】
PDFフォルダ47は、PDF形式のデータファイルを収容するためのファイルフォルダであり、複数のPVDフォルダ51が下位のファイルフォルダとして作成されている。
【0038】
この例では、2つのPVDフォルダ51として、「PVD110」及び「PVD120」が作成され、「PVD110」には、データファイルとして、「xxx0011.pdf」及び「xxx0012.pdf」が収容されている。これらのデータファイルのファイル形式は、PDF(Portable Document Format)形式となっており、ファイル名に付加されている拡張子「pdf」によって判別することができる。
【0039】
TABLEフォルダ46は、端末用管理ファイルを収容するためのファイルフォルダであり、DCIMフォルダ42やPDFフォルダ47に対応するファイルフォルダ48が下位のファイルフォルダとして作成されている。
【0040】
この例では、DCIMフォルダ42に対応するファイルフォルダ48内に、端末用管理ファイル49として、「ユーザ作成100.tbl」〜「ユーザ作成102.tbl」が作成されている。また、PDFフォルダ47に対応するファイルフォルダ48内には、端末用管理ファイル50として、「PVD110.tbl」及び「PVD120.tbl」が作成されている。
【0041】
この様な階層構造で表されるファイルフォルダ内のデータファイルをパーソナルコンピュータなどの情報処理端末によってメモリカード31から読み出す際には、FATが参照され、FATに基づいてデータファイルの読み出しが行われる。そして、データファイルを変更した場合には、情報処理端末によってメモリカード31上のFATが更新される。
【0042】
一方、携帯電話機では、ファイルフォルダ内のデータファイルをメモリカード31から読み出す場合、FAT及び端末用管理ファイル49,50が参照され、これらのデータファイルに基づいてデータファイルの読み出しが行われる。
【0043】
図3は、図1の携帯電話機1の動作の一例を示した図であり、入出力処理部17がメモリカード31内に作成したFAT60及び端末用管理ファイル62の一例が示されている。メモリカード31内には、FAT60と、このFAT60によって管理されるデータファイル61及び管理ファイル62とが保持されている。
【0044】
FAT60は、データファイルの識別情報63、この例では、ファイル名及び拡張子に関連付けて、データファイル内のデータの格納位置を示す物理アドレス64がデータファイルごとに保持されている。メモリカード31にアクセスする際には、この様なFAT60を参照して、データファイル61及び管理ファイル62内のデータの読み出しが行われる。
【0045】
管理ファイル62は、FAT60から抽出した識別情報、すなわち、ファイル名、ファイル形式、ファイルサイズ及び更新日時と、入出力処理部17が付加したタイトル情報とからなるヘッダ情報65がデータファイルごとに保持されている。フォルダ一覧上で選択されたファイルフォルダについて、ファイルフォルダ内のデータファイルのファイル名を一覧表示する際には、この様な管理ファイル62を参照して表示動作が行われる。
【0046】
図4のステップS101〜S108は、図1の携帯電話機1におけるデータファイル表示時の動作の一例を示したフローチャートである。まず、端末用管理ファイル生成部24は、フォルダ一覧上でファイルフォルダが選択された場合に、当該ファイルフォルダに対応する更新済みフラグ25aを参照する(ステップS101,S102)。
【0047】
このとき、更新済みフラグ25aがオン状態でなければ、ファイルフォルダ内のデータファイルを検索し、当該ファイルフォルダに関連付けて予め定められたファイル形式のデータファイルに対応する識別情報をFATから抽出して、メモリカード31上の端末用管理ファイルを更新する(ステップS103〜S106)。
【0048】
次に、更新済みフラグ25aをセットしてオン状態に遷移させ(ステップS107)、ファイルフォルダ内のデータファイルについて、更新後の端末用管理ファイル内に含まれる識別情報を一覧表示する(ステップS108)。
【0049】
一方、更新済みフラグ25aがオン状態であれば、端末用管理ファイルは更新せず、メモリカード31上に保持されている端末用管理ファイルを参照してデータファイルの識別情報が一覧表示される(ステップS103,S108)。
【0050】
本実施の形態によれば、フォルダ一覧上で選択されたファイルフォルダについて端末用管理ファイルが更新されるので、全ファイルフォルダについて更新するのに比べて、端末用管理ファイルの更新処理に要する時間を短縮することができる。また、フォルダ一覧上でファイルフォルダを選択することによって端末用管理ファイルの更新処理が自動的に開始されるので、端末用管理ファイルを更新させる際の操作性を向上させることができる。
【0051】
また、端末用管理ファイルの生成時にセットされる更新済みフラグ25aに基づいて管理ファイルの更新処理が行われるので、無駄な更新処理を省略させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態による携帯情報端末の一構成例を示したブロック図であり、携帯情報端末の一例としてカメラ付携帯電話機1が示されている。
【図2】図1の携帯電話機1の動作の一例を示した図であり、FATによって管理されるファイルフォルダの階層構造の一例が示されている。
【図3】図1の携帯電話機1の動作の一例を示した図であり、メモリカード31内のFAT60及び端末用管理ファイル62の一例が示されている。
【図4】図1の携帯電話機1におけるデータファイル表示時の動作の一例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0053】
1 携帯電話機
11 操作キー
12 カメラ
13 アンテナ
14 セルラー通信部
15 LCD
16 カードスロット
17 入出力処理部
21 フォルダ作成部
22 FAT作成部
23 フォルダ一覧表示部
24 端末用管理ファイル生成部
25 更新済みフラグ保持部
25a 更新済みフラグ
26 データファイル表示部
31 メモリカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上のファイルフォルダに区分してデータファイルを保持する着脱可能なメモリカードからデータを読み出して画面表示する際に、上記データファイル内のデータの格納位置を示す物理アドレスを当該データファイルが属するファイルフォルダの情報を含む当該データファイルの識別情報に関連付けて保持するファイル割当テーブルを参照する携帯情報端末において、
上記メモリカードにアクセスし、選択可能な上記ファイルフォルダを上記ファイル割当テーブルに基づいてフォルダ一覧として表示するフォルダ一覧表示手段と、
上記フォルダ一覧上でファイルフォルダが選択された際に、当該ファイルフォルダ内のデータファイルを検索して上記ファイル割当テーブルから上記識別情報を抽出し、端末用管理ファイルとして上記メモリカード内に格納する端末用管理ファイル生成手段と、
上記ファイルフォルダ内のデータファイルについて、上記端末用管理ファイル内に含まれる上記識別情報を表示するデータファイル表示手段とを備えたことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項2】
上記端末用管理ファイル生成手段が、上記データファイルのファイル形式に基づいて、ファイル割当テーブルから識別情報を抽出することを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末。
【請求項3】
上記端末用管理ファイルの生成時にセットされる更新済みフラグを上記ファイルフォルダごとに保持する更新済みフラグ保持手段を備え、
上記端末用管理ファイル生成手段が、上記更新済みフラグに基づいて端末用管理ファイルを更新することを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末。
【請求項4】
上記更新済みフラグが、電源遮断時、電源投入時又はメモリカードの着脱時にリセットされることを特徴とする請求項3に記載の携帯情報端末。
【請求項5】
上記端末用管理ファイルは、上記フォルダ一覧上で選択されたファイルフォルダが電源投入後又はメモリカードの装着後に初めて選択されたファイルフォルダである場合に、更新され、2回目以降に選択されたファイルフォルダである場合には、更新されないことを特徴とする請求項3に記載の携帯情報端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−128919(P2009−128919A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−299550(P2007−299550)
【出願日】平成19年11月19日(2007.11.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】