携帯無線端末、無線データリレー伝達システム
【課題】従来の携帯無線装置においては、通信データの欠落や劣化を抑えつつ、長い時間継続して使用することができなかった。
【解決手段】携帯無線端末は、二つの送信バッファを有し、送信すべきデータを第一送信バッファ及び第二送信バッファへ蓄積する処理を間断なく交互に行う。また、第二送信バッファに蓄積されたデータを、第二送信バッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第一送信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に次の携帯無線端末に送信処理し、第一送信バッファに蓄積されたデータを、第一送信バッファのデータ蓄積処理の終了直後であって、第二送信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に次の携帯無線端末に送信処理することを特徴とする。
【解決手段】携帯無線端末は、二つの送信バッファを有し、送信すべきデータを第一送信バッファ及び第二送信バッファへ蓄積する処理を間断なく交互に行う。また、第二送信バッファに蓄積されたデータを、第二送信バッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第一送信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に次の携帯無線端末に送信処理し、第一送信バッファに蓄積されたデータを、第一送信バッファのデータ蓄積処理の終了直後であって、第二送信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に次の携帯無線端末に送信処理することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯無線端末、無線データリレー伝達システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1に開示されているように、無線通信可能な携帯型端末が広く一般的に用いられている。こういった携帯無線端末では、音声データを他の端末に送信する場合、聞き取りやすさを考慮してビット幅を多くとっている。結果としてデータ送信量や処理量が多くなってしまう。データ送信量や処理量の多さをカバーするために高性能の処理演算装置を用いられているが、その分コストが高くなってしまう。
【0003】
また、携帯無線端末は一般的に電池で駆動されるが、高性能の処理演算装置を用いると、限られた電力を短時間で消費してしまう。その結果、長時間継続して使用することができないという問題もあった。また、処理演算装置の性能を下げると通信データが欠落したり、劣化したりしてしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2010−517364
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上の課題を解決するために、ノード間でデータをリレー伝達するシステムのノードとして利用され、電池で駆動される携帯無線端末であって、端末毎に異なる周波数にて隣り合う次の携帯無線端末に対してデータを送信する送信部を有し、送信部は前記次の携帯無線端末に送信すべきデータを取得する送信データ取得手段と、送信すべきデータを蓄積する第一送信バッファ及び第二送信バッファと、第一送信バッファ及び第二送信バッファへのデータ蓄積処理を間断なく交互に行うデータ蓄積処理手段と、第二送信バッファに蓄積されたデータを、第二送信バッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第一送信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に送信処理し、第一送信バッファに蓄積されたデータを、第一送信バッファのデータ蓄積処理の終了直後であって、第二送信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に送信処理するデータ送信処理手段と、を備える携帯無線端末
などを提案する。また、携帯無線端末をノードとして利用してノード間で無線データをリレー伝達する無線データリレー伝達システムを提案する。
【発明の効果】
【0006】
以上のような構成をとる本発明によって、高性能でない処理演算装置であっても通信データの欠落や劣化を抑えた通信が可能になる。また、高性能でない処理演算装置を用いなくてもよいため、電池の電力が消費されにくく、比較的長時間継続して用いることが可能になる。さらに、携帯無線端末のコストを下げることができるため、複数台必要なシステムであっても比較的容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施形態1の携帯無線端末の機能ブロックの一例を示す図
【図2】携帯無線端末の電源がONになった際に実行される初期処理の一例を示す図
【図3】データ蓄積処理とデータ送信処理のタイミングチャートの一例を示す図
【図4】送信要求があった場合の処理の流れの一例を示す図
【図5】実施形態1の携帯無線端末の具体的なハードウェア構成の一例を示す図
【図6】送信すべきデータを取得した際の具体的な処理の一例を示す図
【図7】送信ステップの処理の流れの一例を示すフローチャート
【図8】実施形態2の携帯無線端末の機能ブロックの一例を示す図
【図9】携帯無線端末の電源がONになった際に実行される初期処理の一例を示す図
【図10】エンコードデータ蓄積処理と、エンコード処理・エンコードデータ伝送処理のタイミングチャートの一例を示す図
【図11】実施形態2の携帯無線端末の具体的なハードウェア構成の一例を示す図
【図12】エンコードすべき情報の入力があった際の具体的な処理の一例を示す図
【図13】ノード間でデータをリレー伝達する方法の処理の流れの一例を示すフローチャート
【図14】エンコードステップの処理の流れの一例を示すフローチャート
【図15】実施形態3の携帯無線端末の機能ブロックの一例を示す図
【図16】携帯無線端末の電源がONになった際に実行される初期処理の一例を示す図
【図17】受信データ蓄積処理と、受信データ伝送処理のタイミングチャートの一例を示す図
【図18】実施形態3の携帯無線端末の具体的なハードウェア構成の一例を示す図
【図19】データを受信した際の具体的な処理の一例を示す図
【図20】ノード間でデータをリレー伝達する方法の処理の流れの一例を示すフローチャート
【図21】受信ステップの処理の流れの一例を示すフローチャート
【図22】実施形態4の携帯無線端末の機能ブロックの一例を示す図
【図23】携帯無線端末の電源がONになった際に実行される初期処理の一例を示す図
【図24】デコードデータ蓄積処理と、デコード処理・デコードデータ伝送処理のタイミングチャートの一例を示す図
【図25】実施形態4の携帯無線端末の具体的なハードウェア構成の一例を示す図
【図26】デコードすべきデータを取得した際の具体的な処理の一例を示す図
【図27】ノード間でデータをリレー伝達する方法の処理の流れの一例を示すフローチャート
【図28】デコードステップの処理の流れの一例を示すフローチャート
【図29】無線データリレー伝達システムの一例を示す図
【図30】無線データリレー伝達システムの他の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を説明する。実施形態と請求項の相互の関係は、以下のとおりである。実施形態1は主に請求項1などに関し、実施形態2は主に請求項2などに関し、実施形態3は主に請求項3などに関し、実施形態4は主に請求項4などに関し、実施形態5は主に請求項5に関する。なお、本発明はこれら実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施しうる。
【0009】
<<実施形態1>>
【0010】
<概要>
本実施形態の携帯無線端末は、二つの送信バッファを有し、送信すべきデータを第一送信バッファ及び第二送信バッファへ蓄積する処理を間断なく交互に行う。また、第二(第一)送信バッファに蓄積されたデータを、第二(第一)送信バッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第一(第二)送信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に次の携帯無線端末に送信処理することを特徴とする。当該構成とすることにより、送信データの蓄積処理と送信処理を並行して行うことができ、高性能な処理演算装置を用いなくても良好な通信を行うことが可能になる。
【0011】
<構成>
図1は、本実施形態の携帯無線端末の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「携帯無線端末」000は「送信部」010を有し、送信部は、「第一送信バッファ」011と、「第二送信バッファ」012と、「送信データ取得手段」013と、「データ蓄積処理手段」014と、「データ送信処理手段」015と、を備える。以下、各構成について説明する。
【0012】
「携帯無線端末」は、ノード間でデータをリレー伝達するシステムのノードとして利用され、電池で駆動される。ここで、ノードとはネットワークを構成する一つ一つの要素のことをいう。また、ノード間でデータをリレー伝達するとは、あるノードから受信したデータを他のノードに伝達することをいう。携帯無線端末に格納される電池の種類は特に限定されるものではない。例えば、乾電池や蓄電池、太陽電池、熱電池などが挙げられる。
【0013】
「送信部」は、端末毎に異なる周波数にて隣り合う次の携帯無線端末に対してデータを送信する機能を有する。端末毎に異なる送信周波数とすることにより、ある端末間の通信が別の端末間の通信によって影響を受けにくくなる。このため、より正確なデータをリレー伝達することが可能になる。ここで、端末毎の送信周波数は固定値としてもよいが、時間や状況に応じて変動する値としてもよい。例えば、自己の送信周波数が携帯無線端末以外の装置などによって用いられている場合は、当該装置及び他の携帯無線端末装置の送信周波数と異なる周波数を複数の送信周波数候補から選択する構成としてもよい。
【0014】
なお、他のノードにデータを伝達する際に、新たなデータを付加して送信してもよいし、データを加工して送信してもよい。例えば、自己の携帯無線端末のIDを付加して他の携帯無線端末に送信してもよい。この場合、他の携帯無線端末は、上記携帯無線端末のIDに基づいてデータの送信元を判断し、特定の携帯無線端末から送信されたデータであると判断される場合に他の携帯無線端末にデータを伝達する構成とすることも可能である。また、データの送信先はひとつの携帯無線端末である必要はなく、複数台の携帯無線端末に対して同一のデータを送信してもよい。
【0015】
「送信データ取得手段」は、前記次の携帯無線端末に送信すべきデータを取得する機能を有する。ここで、前の無線携帯端末から受信したデータを、そのまま次の無線携帯端末に送信すべきデータとすることが可能である。これにより、携帯無線端末をノードとするシステムにおいて、特定のデータをリレー伝達することが可能になる。また、マイクロフォンから入力された音声のデータを次の携帯無線端末に送信すべきデータとすることも可能である。
【0016】
なお、音声データの他に、画像データや、テキストデータを送信すべきデータとすることも可能である。この場合、携帯無線端末において、表示手段を設け、画像やテキストを表示することも可能である。なお、仮に自端末に表示手段が設けられていなくても、リレー伝達先である他の端末において表示手段が設けられている場合は、データをリレー伝達する意味があるといえる。
【0017】
「第一送信バッファ」及び「第二送信バッファ」は、送信するデータを蓄積する機能を有する。第一送信バッファ、第二送信バッファの容量に関しては特に限定されるものではないが、一例として、数KBの容量とすることが考えられる。
【0018】
「データ蓄積処理手段」は、第一送信バッファ及び第二送信バッファへのデータ蓄積処理を間断なく交互に行う機能を有する。ここで、第一送信バッファと第二送信バッファのデータ蓄積処理の切り換えは、第一送信バッファ又は第二送信バッファのデータ容量がなくなったとき(フルになったとき)に行うことも可能であるし、残りのデータ容量が所定値以下になった場合に行うことも可能である。最初にデータを蓄積する送信バッファはいずれでもよいが、電源がONになった際に実行される初期処理によって決定されてもよい。図2は、携帯無線端末の電源がONになった際に実行される初期処理の一例を示す図である。この図の例では、ステップS0201において第一送信バッファを送信用データの蓄積先として設定している。
【0019】
「データ送信処理手段」は、第二送信バッファに蓄積されたデータを、第二送信バッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第一送信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に送信処理し、第一送信バッファに蓄積されたデータを、第一送信バッファのデータ蓄積処理の終了直後であって、第二送信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に送信処理する機能を有する。
【0020】
図3は、データ蓄積処理とデータ送信処理のタイミングチャートの一例を示す図である。この図に示されているように、送信用のデータを送信バッファに蓄積している間に別の送信バッファに蓄積されたデータを無線送信する。当該構成とすることにより、送信用のデータを蓄積している際にも並行して他の携帯無線端末にデータを送信することが可能になる。
【0021】
また、前の携帯無線端末からデータを受信した直後にそのデータを送信する必要は必ずしもなく、操作ボタンを介して送信要求があった場合に、前のノードにあたる携帯無線端末から受信して不揮発性メモリに蓄積しているデータを送信することも可能である。また、無線通信手段を介して次のノードにあたる携帯無線端末から送信要求があった場合に、前のノードにあたる携帯無線端末から受信して不揮発性メモリに蓄積しているデータを送信してもよい。図4は、送信要求があった場合の処理の流れの一例を示す図である。この図の例では、受信したデータは不揮発性メモリに格納されている。まず、ステップS0401において、不揮発性メモリに送信すべきデータが存在するか否か判断する。例えば、既に送信したデータの他に新たに送信すべきデータが存在するか否か判断したり、送信要求にて指定されたデータが不揮発性メモリに存在するか否か判断したりする。次に、ステップS0402において、送信すべきデータが存在すると判断された場合は、そのデータを第一送信バッファ又は第二送信バッファに蓄積する。なお、データを送信した後にそのデータを削除する構成とすることも可能であり、その場合は単に不揮発性メモリにデータが存在するか否か判断すればよい。
【0022】
<具体的なハードウェア構成>
図5は、本実施形態の携帯無線端末の具体的なハードウェア構成の一例を示す図である。この図にあるように、携帯無線端末は、「CPU」101、「DMAコントローラ」102、「送信バッファコントローラ」110、「第一送信バッファ」111、「第二送信バッファ」112、「エンコードバッファコントローラ」120、「エンコードバッファ」121、「受信バッファコントローラ」130、「受信バッファ」131、「デコードバッファコントローラ」140、「デコードバッファ」141、「無線コントローラ」150、「無線インターフェイス」151、「無線送信器」152、「マイクロフォンインターフェイス」160、「マイクロフォン」161、「不揮発性メモリコントローラ」170、「不揮発性メモリ」171、「スピーカーインターフェイス」180、「スピーカー」181などから構成される。なお、図にて明示していないが、メモリアービターなども備える。
【0023】
「CPU」101は、「マイクロフォンインターフェイス」160を介して入力される音声データをエンコード処理したり、「無線インターフェイス」151を介して入力される受信データをデコード処理したりする。「DMAコントローラ」102は、「マイクロフォンインターフェイス」160を介して入力される音声データを、「CPU」101を経由せずに「エンコードバッファ」102に伝送したり、「デコードバッファ」141に蓄積された音声データを、「CPU」101を経由せずに「スピーカーインターフェイス」180に伝送したりする。
【0024】
「送信バッファコントローラ」110は、送信すべきデータを「第一送信バッファ」111及び「第二送信バッファ」112へ蓄積する処理を間断なく交互に行う。また、「エンコードバッファコントローラ」120は、エンコードすべき情報を「マイクロフォンインターフェイス」160などから受信して「エンコードバッファ」121に蓄積する。また、「受信バッファコントローラ」130は、「無線インターフェイス」151を介して受信したデータを「受信バッファ」131に蓄積する。また、「デコードバッファコントローラ」140は、デコードすべき情報を「不揮発性メモリ」171などから受信して「デコードバッファ」141に蓄積する。また、「無線コントローラ」150は、「第一送信バッファ」111、「第二送信バッファ」112に蓄積された送信すべきデータを「無線インターフェイス」151に伝送する。また、「無線コントローラ」150は、「無線インターフェイス」151から入力される受信データを「受信バッファコントローラ」130に伝送する。さらに、「無線インターフェイス」151は、「無線送信器」152を制御して、端末毎に異なる周波数にて隣り合う次の携帯無線端末に対してデータを送信する。また、「不揮発性メモリコントローラ」170は、「受信バッファ」131に蓄積された受信データを「不揮発性メモリ」171に蓄積する。
【0025】
<具体的な処理>
図6は、本実施形態の携帯無線端末が送信すべきデータを取得した際の具体的な処理の一例を示す図である。まずステップS1において、送信すべきデータを第一送信バッファに転送する。次にステップS2において、第一送信バッファがフルになっているか(データ容量がなくなっているか)判断する。ここでの判断がフルになっていないとの判断である場合は、ステップS3Cに進む。ここでの判断がフルになっているとの判断である場合は、ステップS3AとステップS3Bに進む。ステップS3Cにおいては、現在もなお送信すべきデータを取得中か否か判断する。ここで、取得中である場合はステップS1に戻り、取得中でない場合はステップS4Cに進み、第一送信バッファに格納されたデータを無線送信する。
【0026】
ステップS3Aにおいては、第一送信バッファにフルに格納されたデータを無線送信する。また、ステップS3Bにおいては、データの転送先を第一送信バッファから第二送信バッファに切り替えて、第二送信バッファにデータを転送する。そして、ステップS4Bにおいて、第二受信バッファがフルになっているか判断する。ここでの判断がフルになっていないとの判断である場合は、ステップS5Cに進む。ここでの判断がフルになっているとの判断である場合は、ステップS5AとステップS5Bに進む。ステップS5Cにおいては、現在もなお送信すべきデータを取得中か否か判断する。ここで、取得中である場合はステップS3Bに戻り、取得中でない場合はステップS6Cに進み、第二送信バッファに格納されたデータを無線送信する。
【0027】
ステップS5Bにおいては、第二送信バッファにフルに格納されたデータを無線送信する。また、ステップS5Aにおいては、データの転送先を第二送信バッファから第一送信バッファに切り替えて、第一送信バッファにデータを転送する。そして、ステップS6Aにおいて、第一受信バッファがフルになっているか判断する。ここでの判断がフルになっていないとの判断である場合は、ステップS7Cに進む。ここでの判断がフルになっているとの判断である場合は、ステップS3AとステップS3Bに戻る。ステップS7Cにおいては、現在もなお送信すべきデータを取得中か否か判断する。ここで、取得中である場合はステップS5Aに戻り、取得中でない場合はステップS8Cに進み、第一送信バッファに格納されたデータを無線送信する。
【0028】
<処理の流れ>
図7は、電池で駆動される携帯無線端末をノードとして利用し、ノード間でデータをリレー伝達する方法における送信ステップの処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、サブステップSS0701において、次の携帯無線端末に送信すべきデータを取得する(送信データ取得サブステップ)。次に、サブステップSS0702において、送信すべきデータを蓄積する第一送信バッファ及び第二送信バッファへのデータ蓄積処理を間断なく交互に行う(データ蓄積サブステップ)。次に、サブステップSS0703において、第二送信バッファに蓄積されたデータを、第二送信バッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第一送信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に前記次の携帯無線端末に送信し、第一送信バッファに蓄積されたデータを、第一送信バッファのデータ蓄積処理の終了直後であって、第二送信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に前記次の携帯無線端末に送信する(データ送信サブステップ)。なお、上記データ送信サブステップでは、端末毎に異なる周波数にて隣り合う次の携帯無線端末に対してデータを送信する。
【0029】
<効果>
本実施形態の携帯無線端末により、高性能でない処理演算装置であっても通信データの欠落や劣化を抑えた通信を行うことが可能になる。また、高性能でない処理演算装置を用いないですむため、電力が消費されにくく、比較的長い時間継続して用いることが可能になる。
【0030】
<<実施形態2>>
【0031】
<概要>
本実施形態の携帯無線端末は、2つのエンコードバッファを有し、エンコードすべき情報を構成する信号を第一エンコードバッファ及び第二エンコードバッファへ蓄積する処理を間断なく交互に行う。また、第二(第一)エンコードバッファに蓄積された信号を、第二(第一)エンコードバッファへの信号蓄積処理の終了直後であって、第一(第二)エンコードバッファへの信号蓄積処理の開始前後にCPUを利用してエンコードする。さらに、 生成された第二(第一)エンコードバッファのデータを、第二(第一)エンコードバッファへの次の信号蓄積処理開始前に送信部へ伝送処理する。当該構成とすることにより、エンコードすべきデータの蓄積処理とエンコード処理及びエンコードデータの伝送処理を並行して行うことができ、高性能な処理演算装置を用いなくても良好な通信を行うことが可能になる。
【0032】
<構成>
図8は、本実施形態の携帯無線端末の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「携帯無線端末」000は「送信部」010と「エンコード部」020を有し、「エンコード部」020は、「第一エンコードバッファ」021と、「第二エンコードバッファ」022と、「エンコード情報取得手段」023と、「信号蓄積処理手段」024と、「エンコード手段」025と、「エンコードデータ伝送処理手段」026を備える。なお、図8にては省略しているが「送信部」010は、図1にて説明した構成を備えている。以下、エンコード部の構成について説明する。
【0033】
「エンコード情報取得手段」は、エンコードすべき情報を取得する機能を有する。ここで、エンコードとは、アナログからデジタルに変換する処理の他に、デジタルデータを圧縮する処理、デジタルデータを無線送信用のフォーマットに変換する処理などが挙げられる。また、エンコードすべき情報としては、音声の情報や画像の情報、テキストの情報、などが挙げられる。
【0034】
例えば、音声データを圧縮する場合を考える。人の音声データには4kHzまでの周波数が入っているため、ナイキスト周波数は8kHzになる。また、周波数情報がパルスコードモジュレーション(PCM)の段階であまり落ちないようにするためには量子化ビットの幅を少なくとも16ビットとする必要がある。このまま、データを送信すると通信量が128kbsとなってしまい、小型の携帯無線端末には技術的に難しくなる。そこで、音声データをADPCMエンコーディングすることによって16ビットのデータを4ビットのデータに圧縮することが考えられる。これにより、通信量が32kbsに抑えることが可能になり、リアルタイム的に音声データを送信しやすくなる。
【0035】
「第一エンコードバッファ」及び「第二エンコードバッファ」は、エンコードすべき情報を構成する信号を蓄積する機能を有する。第一エンコードバッファ、第二エンコードバッファの容量に関しては特に限定されるものではないが、一例として、数KBの容量とすることが考えられる。
【0036】
「信号蓄積手段」は、第一エンコードバッファ及び第二エンコードバッファへの信号蓄積処理を間断なく交互に行う機能を有する。ここで、第一エンコードバッファと第二エンコードバッファの信号蓄積処理の切り換えは、第一エンコードバッファ又は第二エンコードバッファのデータ容量がなくなったとき(フルになったとき)に行うことも可能であるし、残りのデータ容量が所定値以下になった場合に行うことも可能である。最初に信号を蓄積するエンコードバッファはいずれでもよいが、電源がONになった際に実行される初期処理によって決定されてもよい。図9は、携帯無線端末の電源がONになった際に実行される初期処理の一例を示す図である。この図の例では、ステップS0901において第一エンコードバッファをエンコードすべきデータの蓄積先として設定し、ステップS0902において第一送信バッファを送信すべきデータの蓄積先として設定している。
【0037】
「エンコード手段」は、第二エンコードバッファに蓄積された信号を、第二エンコードバッファへの信号蓄積処理の終了直後であって、第一エンコードバッファへの信号蓄積処理の開始前後にCPUを利用してエンコードし、第一エンコードバッファに蓄積された信号を、第一エンコードバッファへの信号蓄積処理の終了直後であって、第二エンコードバッファへの信号蓄積処理の開始前後にCPUを利用してエンコードする機能を有する。
【0038】
「エンコードデータ伝送処理手段」は、エンコード手段にて生成された第二エンコードバッファのデータを、第二エンコードバッファへの次の信号蓄積処理開始前に送信部へ伝送処理し、エンコード手段にて生成された第一エンコードバッファのデータを、第一エンコードバッファへの次の信号蓄積処理開始前に送信部へ伝送処理する機能を有する。
【0039】
図10は、信号蓄積処理と、エンコード処理と、エンコードデータ伝送処理のタイミングチャートの一例を示す図である。この図に示されているように、エンコードすべき情報を構成する信号を一のエンコードバッファに蓄積している間に他のエンコードバッファに蓄積された信号をエンコードし、送信部へ伝送処理する。なお、この図に示されているように、エンコードすべき情報をエンコードバッファに蓄積するのに必要な時間がエンコードバッファに蓄積された信号をエンコードし、送信部へ伝送処理するのに必要な時間よりも一般的に長いが、エンコードすべき情報をエンコードバッファに蓄積するのに必要な時間が短い場合についても同様のことがいえる。
【0040】
<ハードウェア構成>
図11は、本実施形態の携帯無線端末の具体的なハードウェア構成の一例を示す図である。基本的には、図5で示した実施形態1の携帯無線端末のハードウェア構成と同様であるが、本実施形態においては「第一エンコードバッファ」121と「第二エンコードバッファ」122を備えていることを特徴とする。「エンコードバッファコントローラ」120は、エンコードすべき情報を「マイクロフォンインターフェイス」160などから受信して「第一エンコードバッファ」121及び「第二エンコードバッファ」122への信号蓄積処理を間断なく交互に行う。また、「DMAコントローラ」102は、「マイクロフォンインターフェイス」160を介して入力される音声データを、「CPU」101を経由せずに「第一エンコードバッファ」121又は「第二エンコードバッファ」122に伝送する。
【0041】
<具体的な処理>
図12は、本実施形態の携帯無線端末がエンコードすべき情報の入力があった際の具体的な処理の一例を示す図である。まずステップS1において、エンコードすべきデータを第一送信バッファに転送する。次にステップS2において、第一エンコードバッファがフルになっているか(データ容量がなくなっているか)判断する。ここでの判断がフルになっていないとの判断である場合は、ステップS3Cに進む。ここでの判断がフルになっているとの判断である場合は、ステップS3AとステップS3Bに進む。ステップS3Cにおいては、現在もなおエンコードすべきデータが入力中か否か判断する。ここで、入力中である場合はステップS1に戻り、入力中でない場合はステップS4Cに進み、第一エンコードバッファに格納されたデータをエンコードして送信バッファコントローラに伝送する。
【0042】
ステップS3Aにおいては、第一エンコードバッファにフルに格納されたデータをエンコードして送信バッファコントローラに伝送する。また、ステップS3Bにおいては、データの転送先を第一エンコードバッファから第二エンコードバッファに切り替えて、第二エンコードバッファにデータを転送する。そして、ステップS4Bにおいて、第二エンコードバッファがフルになっているか判断する。ここでの判断がフルになっていないとの判断である場合は、ステップS5Cに進む。ここでの判断がフルになっているとの判断である場合は、ステップS5AとステップS5Bに進む。ステップS5Cにおいては、現在もなおエンコードすべきデータが入力中か否か判断する。ここで、入力中である場合はステップS3Bに戻り、入力中でない場合はステップS6Cに進み、第二エンコードバッファに格納されたデータをエンコードして送信バッファコントローラに伝送する。
【0043】
ステップS5Bにおいては、第二エンコードバッファにフルに格納されたデータをエンコードして送信バッファコントローラに伝送する。また、ステップS5Aにおいては、データの転送先を第二エンコードバッファから第一エンコードバッファに切り替えて、第一エンコードバッファにデータを転送する。そして、ステップS6Aにおいて、第一エンコードバッファがフルになっているか判断する。ここでの判断がフルになっていないとの判断である場合は、ステップS7Cに進む。ここでの判断がフルになっているとの判断である場合は、ステップS3AとステップS3Bに戻る。ステップS7Cにおいては、現在もなおエンコードすべきデータを入力中か否か判断する。ここで、入力中である場合はステップS5Aに戻り、入力中でない場合はステップS8Cに進み、第一エンコードバッファに格納されたデータをエンコードして送信バッファコントローラに伝送する。
【0044】
<処理の流れ>
図13は、電池で駆動される携帯無線端末をノードとして利用し、ノード間でデータをリレー伝達する方法の処理の流れの一例を示すフローチャートである。この図にあるように、本実施形態のリレー伝達方法は、「エンコードステップ」S1301と、「送信ステップ」S1302を有する。「送信ステップ」S1302は、実施形態1の図7で説明したものと同様である。
【0045】
図14は、エンコードステップの処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、サブステップSS1401において、エンコード(圧縮)すべき情報を取得する(エンコード情報取得サブステップ)。次に、サブステップSS1402において、エンコード(圧縮)すべき情報を構成する信号を蓄積する第一エンコードバッファ及び第二エンコードバッファへの信号蓄積処理を間断なく交互に行う(信号蓄積サブステップ)。次に、サブステップSS1403において、第二エンコードバッファに蓄積された信号を、第二エンコードバッファへの信号蓄積処理の終了直後であって、第一エンコードバッファへの信号蓄積処理の開始前後にCPUを利用してエンコードし、第一エンコードバッファに蓄積された信号を、第一エンコードバッファへの信号蓄積処理の終了直後であって、第二エンコードバッファへの信号蓄積処理の開始前後にCPUを利用してエンコードする(エンコードサブステップ)。次に、サブステップSS1404において、エンコードサブステップにて生成された第二エンコードバッファのデータを、第二エンコードバッファへの次の信号蓄積処理開始前に第一送信バッファ又は第二送信バッファへ伝送処理し、エンコード手段にて生成された第一エンコードバッファのデータを、第一エンコードバッファへの次の信号蓄積処理開始前に第一送信バッファ又は第二送信バッファへ伝送処理する(エンコードデータ伝送サブステップ)。
【0046】
<効果>
本実施形態の携帯無線端末により、高性能でない処理演算装置であっても通信データの欠落や劣化を抑えた通信を行うことが可能になる。また、高性能でない処理演算装置を用いないですむため、電力が消費されにくく、比較的長い時間継続して用いることが可能になる。
【0047】
<<実施形態3>>
【0048】
<概要>
本実施形態の携帯無線端末は、端末毎に異なる周波数にて隣り合う前の携帯無線端末からデータを受信する。そして、受信バッファを2つ有し、受信したデータを第一受信バッファ及び第二受信バッファへ蓄積する処理を間断なく交互に行う。また、第二(第一)受信バッファに蓄積されたデータを、第二(第一)受信バッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第一(第二)受信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に不揮発性メモリに伝送処理する。当該構成とすることにより、エンコードすべきデータの蓄積処理とエンコード処理及びエンコードデータの伝送処理を並行して行うことができ、高性能な処理演算装置を用いなくても良好な通信を行うことが可能になる。
【0049】
<構成>
図15は、本実施形態の携帯無線端末の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「携帯無線端末」000は「送信部」010と「受信部」030と、「不揮発性メモリ」070を有し、「受信部」030は、「第一受信バッファ」031と、「第二受信バッファ」032と、「データ受信手段」033と、「受信データ蓄積処理手段」034と、「受信データ伝送処理手段」035を備える。なお、図15にては省略しているが「送信部」010は、図1にて説明した構成を備えている。以下、受信部の構成について説明する。
【0050】
「データ受信手段」は、前記前の携帯無線端末からデータを受信する。また、「データ受信手段」は、端末毎に異なる周波数にて隣り合う前の携帯無線端末からデータを受信する機能を有する。端末毎に異なる受信周波数とすることにより、ある端末間の通信が別の端末間の通信によって影響を受けにくくなる。このため、より正確なデータをリレー伝達することが可能になる。ここで、端末毎の受信周波数は固定値としてもよいが、時間や状況に応じて変動する値としてもよい。例えば、自己の受信周波数が携帯無線端末以外の装置などによって用いられている場合は、当該装置及び他の携帯無線端末装置の受信周波数と異なる周波数を複数の受信周波数候補から選択する構成としてもよい。
【0051】
「第一受信バッファ」及び「第二受信バッファ」は、受信したデータを蓄積する機能を有する。第一受信バッファ、第二受信バッファの容量に関しては特に限定されるものではないが、一例として、数KBの容量とすることが考えられる。
【0052】
「受信データ蓄積処理手段」は、第一受信バッファ及び第二受信バッファへのデータ蓄積処理を間断なく交互に行う機能を有する。ここで、第一受信バッファと第二受信バッファのデータ蓄積処理の切り換えは、第一受信バッファ又は第二受信バッファのデータ容量がなくなったとき(フルになったとき)に行うことも可能であるし、残りのデータ容量が所定値以下になった場合に行うことも可能である。最初に受信データを蓄積する受信バッファはいずれでもよいが、電源がONになった際に実行される初期処理によって決定されてもよい。図16は、携帯無線端末の電源がONになった際に実行される初期処理の一例を示す図である。この図の例では、ステップS1601において第一受信バッファを受信データの蓄積先として設定し、ステップS1602において第一送信バッファを送信すべきデータの蓄積先として設定している。
【0053】
「受信データ伝送処理手段」は、第二受信バッファに蓄積されたデータを、第二受信バッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第一受信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に不揮発性メモリに伝送処理し、第一受信バッファに蓄積されたデータを、第一受信バッファのデータ蓄積処理の終了直後であって、第二受信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に不揮発性メモリに伝送処理する機能を有する。
【0054】
図17は、受信データ蓄積処理と受信データ伝送処理のタイミングチャートの一例を示す図である。この図に示されているように、受信データを一の受信バッファに蓄積している間に他の受信バッファに蓄積されたデータを不揮発性メモリに伝送する。当該構成とすることにより、受信データを受信バッファに蓄積している際に並行して蓄積された受信データを不揮発性メモリに伝送することが可能になる。なお、この図に示されているように、受信データを受信バッファに蓄積するのに必要な時間が受信バッファに蓄積されたデータを不揮発性メモリに伝送するのに必要な時間よりも一般的に長いが、受信バッファに蓄積されたデータを不揮発性メモリに伝送するのに必要な時間の方が長い場合についても同様のことがいえる。
【0055】
<ハードウェア構成>
図18は、本実施形態の携帯無線端末の具体的なハードウェア構成の一例を示す図である。基本的には、図5で示した実施形態1の携帯無線端末のハードウェア構成と同様であるが、本実施形態においては「第一受信バッファ」131と「第二受信バッファ」132を備えていることを特徴とする。「受信バッファコントローラ」120は、「無線インターフェイス」151を介して受信したデータを「第一受信バッファ」131及び「第二受信バッファ」132へ蓄積する処理を間断なく交互に行う。また、「不揮発性メモリコントローラ」170は、「第二受信バッファ」132に蓄積されたデータを、「第二受信バッファ」132へのデータ蓄積処理の終了直後であって、「第一受信バッファ」131へのデータ蓄積処理の開始前後に「不揮発性メモリ」171に伝送処理し、「第一受信バッファ」131に蓄積されたデータを、「第一受信バッファ」131のデータ蓄積処理の終了直後であって、「第二受信バッファ」132へのデータ蓄積処理の開始前後に「不揮発性メモリ」171に伝送処理する。また、「無線インターフェイス」151は、「無線送信器」152を制御して、端末毎に異なる周波数にて隣り合う前の携帯無線端末からデータを受信する。
【0056】
<具体的な処理>
図19は、本実施形態の携帯無線端末が前のノードである携帯無線端末からデータを受信した際の具体的な処理の一例を示す図である。まずステップS1において、受信データを第一受信バッファに転送する。次にステップS2において、第一受信バッファがフルになっているか(データ容量がなくなっているか)判断する。ここでの判断がフルになっていないとの判断である場合は、ステップS3Cに進む。ここでの判断がフルになっているとの判断である場合は、ステップS3AとステップS3Bに進む。ステップS3Cにおいては、現在もなおデータを受信中か否か判断する。ここで、受信中である場合はステップS1に戻り、受信中でない場合はステップS4Cに進み、第一受信バッファに格納されたデータを送信バッファコントローラに伝送する。
【0057】
ステップS3Aにおいては、第一受信バッファにフルに格納されたデータを受信バッファコントローラに伝送する。また、ステップS3Bにおいては、データの転送先を第一受信バッファから第二受信バッファに切り替えて、第二受信バッファにデータを転送する。そして、ステップS4Bにおいて、第二受信バッファがフルになっているか判断する。ここでの判断がフルになっていないとの判断である場合は、ステップS5Cに進む。ここでの判断がフルになっているとの判断である場合は、ステップS5AとステップS5Bに進む。ステップS5Cにおいては、現在もなおデータを受信中か否か判断する。ここで、受信中である場合はステップS3Bに戻り、受信中でない場合はステップS6Cに進み、第二受信バッファに格納されたデータを送信バッファコントローラに伝送する。
【0058】
ステップS5Bにおいては、第二受信バッファにフルに格納されたデータを送信バッファコントローラに伝送する。また、ステップS5Aにおいては、データの転送先を第二受信バッファから第一受信バッファに切り替えて、第一受信バッファにデータを転送する。そして、ステップS6Aにおいて、第一受信バッファがフルになっているか判断する。ここでの判断がフルになっていないとの判断である場合は、ステップS7Cに進む。ここでの判断がフルになっているとの判断である場合は、ステップS3AとステップS3Bに戻る。ステップS7Cにおいては、現在もなおデータを受信中か否か判断する。ここで、受信中である場合はステップS5Aに戻り、受信中でない場合はステップS8Cに進み、第一受信バッファに格納されたデータを送信バッファコントローラに伝送する。
【0059】
<処理の流れ>
図20は、電池で駆動される携帯無線端末をノードとして利用し、ノード間でデータをリレー伝達する方法の処理の流れの一例を示すフローチャートである。この図にあるように、本実施形態のリレー伝達方法は、「受信ステップ」S2001と、「送信ステップ」S2002を有する。「送信ステップ」S2002は、実施形態1の図7で説明したものと同様である。
【0060】
図21は、受信ステップの処理の流れの一例を示すフローチャートである。まずサブステップSS2101において、前の携帯無線端末からデータを受信する(データ受信サブステップ)。次にサブステップSS2102において、受信したデータを蓄積する第一受信バッファ及び第二受信バッファへのデータ蓄積処理を間断なく交互に行う(受信データ蓄積サブステップ)。次にサブステップSS2103において、第二受信バッファに蓄積されたデータを、第二受信バッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第一受信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に不揮発性メモリに伝送し、第一受信バッファに蓄積されたデータを、第一受信バッファのデータ蓄積処理の終了直後であって、第二受信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に不揮発性メモリに伝送する(受信データ伝送サブステップ)。なお、上記の受信データ伝送サブステップでは、端末毎に異なる周波数にて隣り合う前の携帯無線端末からデータを受信する。
【0061】
<効果>
本実施形態の携帯無線端末により、高性能でない処理演算装置であっても通信データの欠落や劣化を抑えた通信を行うことが可能になる。また、高性能でない処理演算装置を用いないですむため、電力が消費されにくく、比較的長い時間継続して用いることが可能になる。
【0062】
<<実施形態4>>
【0063】
<概要>
本実施形態の携帯無線端末は、2つのデコードバッファを有し、デコードすべきデータを第一デコードバッファ及び第二デコードバッファへのデータ蓄積処理を間断なく交互に行う。また、第二(第一)デコードバッファに蓄積されたデータを、第二(第一)デコードバッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第一(第二)デコードバッファへのデータ蓄積処理の開始前後にCPUを利用してデコードする。そして、生成された第二(第一)デコードバッファのデータを、第二(第一)デコードバッファへの次のデータ蓄積処理開始前に出力機器へ伝送処理する。当該構成とすることにより、デコードすべきデータの蓄積処理とデコード処理及びデコードデータの伝送処理を並行して行うことができ、高性能な処理演算装置を用いなくても良好な通信を行うことが可能になる。
【0064】
<構成>
図22は、本実施形態の携帯無線端末の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「携帯無線端末」000は「送信部」010と「受信部」030と、「デコード部」040と、「不揮発性メモリ」050を有し、「デコード部」040は、「第一デコードバッファ」041と、「第二デコードバッファ」042と、「デコードデータ受信手段」043と、「デコードデータ蓄積処理手段」044と、「デコード手段」045と、「デコードデータ伝送処理手段」046を備える。なお、図22にては省略しているが「送信部」010は図1にて説明した構成を備え、「受信部」030は図15にて説明した構成を備えている。以下、デコード部の構成について説明する。
【0065】
「デコードデータ取得手段」は、デコードすべきデータを前記不揮発性メモリから取得する機能を有する。ここで、デコードとは、暗号化されたデータを復元する処理や、圧縮されたデータを伸長する処理などが挙げられる。また、デコードすべき情報としては、圧縮された音声の情報や画像の情報、テキストの情報、などが挙げられる。
【0066】
「第一デコードバッファ」及び「第二デコードバッファ」は、デコードすべきデータを蓄積する機能を有する。第一デコードバッファ、第二デコードバッファの容量に関しては特に限定されるものではないが、一例として、数KBの容量とすることが考えられる。
【0067】
「デコードデータ蓄積手段」は、第一デコードバッファ及び第二デコードバッファへのデータ蓄積処理を間断なく交互に行う機能を有する。ここで、第一デコードバッファと第二デコードバッファのデータ蓄積処理の切り換えは、第一デコードバッファ又は第二デコードバッファのデータ容量がなくなったとき(フルになったとき)に行うことも可能であるし、残りのデータ容量が所定値以下になった場合に行うことも可能である。最初にデコードすべきデータを蓄積するデコードバッファはいずれでもよいが、電源がONになった際に実行される初期処理によって決定されてもよい。図23は、携帯無線端末の電源がONになった際に実行される初期処理の一例を示す図である。この図の例では、第一デコードバッファをデコードすべきデータの蓄積先として設定している。
【0068】
「デコードデータ伝送処理手段」は、デコード手段にて生成された第二デコードバッファのデータを、第二デコードバッファへの次のデータ蓄積処理開始前に出力機器へ伝送処理し、デコード手段にて生成された第一デコードバッファのデータを、第一デコードバッファへの次のデータ蓄積処理開始前に出力機器へ伝送処理する機能を有する。
【0069】
図24は、デコードデータ蓄積処理と、デコード処理と、デコードデータ伝送処理のタイミングチャートの一例を示す図である。この図に示されているように、デコードすべきデータを一のデコードバッファに蓄積している間に他のデコードバッファに蓄積されたデータをデコードし、出力機器へ伝送処理する。なお、この図に示されているように、デコードすべきデータをデコードバッファに蓄積するのに必要な時間がデコードバッファに蓄積されたデータをデコードし、出力機器へ伝送処理するのに必要な時間よりも一般的に長いが、デコードすべきデータをデコードバッファに蓄積するのに必要な時間が短い場合についても同様のことがいえる。
【0070】
なお、出力機器とデコードバッファの間に出力バッファをさらに設けてもよい。当該出力バッファは、デコードバッファからデコードデータを受信して、出力機器に対して伝送する。また、出力バッファとして、第一出力バッファと第二出力バッファを設けることも可能である。この場合、一の出力バッファがデコードバッファからデコードしたデータを受信している間に、他の出力バッファに蓄積されたデコードデータを出力機器に対して伝送する処理を行う。当該構成とすることにより、デコードバッファと出力機器の間のデータ伝送処理をより効率的に行うことが可能になる。
【0071】
<ハードウェア構成>
図25は、本実施形態の携帯無線端末の具体的なハードウェア構成の一例を示す図である。基本的には、図11、図19で示した携帯無線端末のハードウェア構成と同様であるが、本実施形態においては「第一デコードバッファ」141と「第二デコードバッファ」142を備えていることを特徴とする。「デコードバッファコントローラ」120は、「不揮発性メモリ」171から読み出したデコードすべきデータを「第一デコードバッファ」141及び「第二デコードバッファ」142へのデータ蓄積処理を間断なく交互に行う。また、「CPU」101は、「第二デコードバッファ」142に蓄積されたデータを、「第二デコードバッファ」142へのデータ蓄積処理の終了直後であって、「第一デコードバッファ」141へのデータ蓄積処理の開始前後にデコードし、「第一デコードバッファ」141に蓄積されたデータを、「第一デコードバッファ」141へのデータ蓄積処理の終了直後であって、「第二デコードバッファ」142へのデータ蓄積処理の開始前後にデコードする。また、「DMAコントローラ」102は、「第二デコードバッファ」142のデータを、「第二デコードバッファ」142への次のデータ蓄積処理開始前に「スピーカーインターフェイス」180へ伝送処理し、「第一デコードバッファ」141のデータを、「第一デコードバッファへ」141の次のデータ蓄積処理開始前に「スピーカーインターフェイス」180へ伝送処理する。「スピーカーインターフェイス」180に伝送されたデコードデータは「スピーカー」181を介して音声出力される。
【0072】
<具体的な処理>
図26は、本実施形態の携帯無線端末がデコードすべきデータを取得した際の具体的な処理の一例を示す図である。まずステップS1において、デコードすべきデータを第一デコードバッファに転送する。次にステップS2において、第一デコードバッファがフルになっているか(データ容量がなくなっているか)判断する。ここでの判断がフルになっていないとの判断である場合は、ステップS3Cに進む。ここでの判断がフルになっているとの判断である場合は、ステップS3AとステップS3Bに進む。ステップS3Cにおいては、現在もなおデコードすべきデータを取得中か否か判断する。ここで、取得中である場合はステップS1に戻り、取得中でない場合はステップS4Cに進み、第一デコードバッファに格納されたデータをデコードして出力機器に伝送する。
【0073】
ステップS3Aにおいては、第一デコードバッファにフルに格納されたデータをデコードして出力機器に伝送する。また、ステップS3Bにおいては、デコードすべきデータの転送先を第一デコードバッファから第二デコードバッファに切り替えて、第二デコードバッファにデータを転送する。そして、ステップS4Bにおいて、第二デコードバッファがフルになっているか判断する。ここでの判断がフルになっていないとの判断である場合は、ステップS5Cに進む。ここでの判断がフルになっているとの判断である場合は、ステップS5AとステップS5Bに進む。ステップS5Cにおいては、現在もなおデコードすべきデータを取得中か否か判断する。ここで、取得中である場合はステップS3Bに戻り、取得中でない場合はステップS6Cに進み、第二デコードバッファに格納されたデータをデコードして出力機器へ伝送する。
【0074】
ステップS5Bにおいては、第二デコードバッファにフルに格納されたデータをデコードして出力機器へ伝送する。また、ステップS5Aにおいては、デコードすべきデータの転送先を第二デコードバッファから第一デコードバッファに切り替えて、第一デコードバッファにデータを転送する。そして、ステップS6Aにおいて、第一デコードバッファがフルになっているか判断する。ここでの判断がフルになっていないとの判断である場合は、ステップS7Cに進む。ここでの判断がフルになっているとの判断である場合は、ステップS3AとステップS3Bに戻る。ステップS7Cにおいては、現在もなおデコードすべきデータを取得中か否か判断する。ここで、取得中である場合はステップS5Aに戻り、取得中でない場合はステップS8Cに進み、第一デコードバッファに格納されたデータをデコードして出力機器へ伝送する。
【0075】
<処理の流れ>
図27は、電池で駆動される携帯無線端末をノードとして利用し、ノード間でデータをリレー伝達する方法の処理の流れの一例を示すフローチャートである。この図にあるように、本実施形態のリレー伝達方法は、「受信ステップ」S2701と、「送信ステップ」S2702と、「デコードステップ」S2703を有する。「送信ステップ」S2702は、実施形態1の図7で説明したものと同様であり、「受信ステップ」S2703は、実施形態3の図21で説明したものと同様である。
【0076】
図28は、デコードステップの処理の流れの一例を示すフローチャートである。まずサブステップSS2801において、デコードすべきデータを前記不揮発性メモリから取得する(デコードデータ取得サブステップ)。次にサブステップSS2802において、デコードすべきデータを蓄積する第一デコードバッファ及び第二デコードバッファへのデータ蓄積処理を間断なく交互に行う(デコードデータ蓄積サブステップ)。次にサブステップSS2803において、第二デコードバッファに蓄積されたデータを、第二デコードバッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第一デコードバッファへのデータ蓄積処理の開始前後にCPUを利用してデコードし、第一デコードバッファに蓄積されたデータを、第一デコードバッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第二デコードバッファへのデータ蓄積処理の開始前後にCPUを利用してデコードする(デコードサブステップ)。次にサブステップSS2804において、デコードサブステップにて生成された第二デコードバッファのデータを、第二デコードバッファへの次のデータ蓄積処理開始前に出力機器へ伝送処理し、デコードサブステップにて生成された第一デコードバッファのデータを、第一デコードバッファへの次のデータ蓄積処理開始前に出力機器へ伝送処理する(デコードデータ伝送サブステップ)。
【0077】
<効果>
本実施形態の携帯無線端末により、高性能でない処理演算装置であっても通信データの欠落や劣化を抑えた通信を行うことが可能になる。また、高性能でない処理演算装置を用いないですむため、電力が消費されにくく、比較的長い時間継続して用いることが可能になる。
【0078】
<<実施形態5>>
【0079】
<概要>
本実施形態の発明は、実施形態1から4にて説明した携帯無線端末をノードとして利用してノード間で無線データをリレー伝達する無線データリレー伝達システムである。 実施形態1から4にて説明した携帯無線端末は、高性能でない処理演算装置であっても通信データの欠落や劣化を抑えた通信を行うことが可能である。
【0080】
<システム構成1>
図29は、無線データリレー伝達システムの一例を示す図である。この図のシステムは、マラソン大会などおいて複数の地点に「無線携帯端末」200を配置し、「スタート地点」201Sから「ゴール地点」201Gまでの順に音声データをリレー伝達する構成となっている。当該構成とすることによって、少なくとも隣のノードの無線携帯端末にまで音声データを送信する送信出力レベルであれば足り、電力消費量を抑えることが可能である。
【0081】
<システム構成2>
図30は、無線データリレー伝達システムの他の例を示す図である。この図のシステムは、「電車の検査所」300に入りきらない各車両に「携帯無線端末」200を配置し、「検査所」300にある「無線ユニット」301から送信される音声データを、「検査所」300から離れた位置にある車両の携帯無線端末まで、リレー伝達する構成となっている。当該構成とすることによって、「検査所」300から離れた位置にある車両にいても「検査所」300からの音声データを受信して、音声内容を確認することが可能になる。なお、「検査所」300内の車両においては、「有線ユニット」302から送信され、「検査所スピーカー」303を介して出力される音声によって内容を確認する。
【0082】
<システム構成3>
また、その他の例として、高層のマンションや電波塔などの建造物において、所定の高さごとに携帯無線端末を配置する構成とし、低層の位置に配置された携帯無線端末から高層の位置に配置された携帯無線端末に向けて音声データをリレー伝達する構成とすることも可能であるし、反対に高層の位置に配置された携帯無線端末から低層の位置に配置された携帯無線端末に向けて音声データをリレー伝達することも可能である。
【0083】
<効果>
本実施形態の無線データリレー伝達システムは、実施形態1から4に記載の携帯無線端末を利用するものであるため、システム内に複数台の携帯無線端末を用いたとしても全体としてのコストを抑えることが可能になる。
【符号の説明】
【0084】
000…携帯無線端末、000N…次の携帯無線端末、000P…前の携帯無線端末
011…第一送信バッファ、012…第二送信バッファ、013…送信データ取得手段、014…データ蓄積処理手段、015…データ送信処理手段、020…エンコード部、021…第一エンコードバッファ、022…第二エンコードバッファ、023…エンコード情報取得手段、024…信号蓄積処理手段、025…エンコード手段、026…エンコードデータ伝送処理手段、030…受信部、031…第一受信バッファ、032…第二受信バッファ、033…データ受信手段、034…受信データ蓄積処理手段、035…受信データ蓄積処理手段、040…デコード部、041…第一デコードバッファ、042…第二デコードバッファ、043…デコードデータ取得手段、044…デコードデータ蓄積手段、045…デコード手段、046…デコードデータ伝送手段、060…入力機器、070…不揮発性メモリ、080…出力機器、101…CPU、102…DMAコントローラ、110…送信バッファコントローラ、111…(第一)送信バッファ、112…第二送信バッファ、120…(第一)エンコードバッファ、122…第二エンコードバッファ、130…受信バッファコントローラ、131…(第一)受信バッファ、132…第二受信バッファ、140…デコードバッファコントローラ、141…(第一)デコードバッファ、142…第二デコードバッファ、150…無線コントローラ、151…無線インターフェイス、152…無線送信器、160…マイクロフォンインターフェイス、161…マイクロフォン、170…不揮発性メモリコントローラ、171…不揮発性メモリ、180…スピーカーインターフェイス、181…スピーカー、200…携帯無線端末、201S…スタート地点、201G…ゴール地点、300…検査所、301…無線ユニット、302…有線ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯無線端末、無線データリレー伝達システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1に開示されているように、無線通信可能な携帯型端末が広く一般的に用いられている。こういった携帯無線端末では、音声データを他の端末に送信する場合、聞き取りやすさを考慮してビット幅を多くとっている。結果としてデータ送信量や処理量が多くなってしまう。データ送信量や処理量の多さをカバーするために高性能の処理演算装置を用いられているが、その分コストが高くなってしまう。
【0003】
また、携帯無線端末は一般的に電池で駆動されるが、高性能の処理演算装置を用いると、限られた電力を短時間で消費してしまう。その結果、長時間継続して使用することができないという問題もあった。また、処理演算装置の性能を下げると通信データが欠落したり、劣化したりしてしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2010−517364
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上の課題を解決するために、ノード間でデータをリレー伝達するシステムのノードとして利用され、電池で駆動される携帯無線端末であって、端末毎に異なる周波数にて隣り合う次の携帯無線端末に対してデータを送信する送信部を有し、送信部は前記次の携帯無線端末に送信すべきデータを取得する送信データ取得手段と、送信すべきデータを蓄積する第一送信バッファ及び第二送信バッファと、第一送信バッファ及び第二送信バッファへのデータ蓄積処理を間断なく交互に行うデータ蓄積処理手段と、第二送信バッファに蓄積されたデータを、第二送信バッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第一送信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に送信処理し、第一送信バッファに蓄積されたデータを、第一送信バッファのデータ蓄積処理の終了直後であって、第二送信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に送信処理するデータ送信処理手段と、を備える携帯無線端末
などを提案する。また、携帯無線端末をノードとして利用してノード間で無線データをリレー伝達する無線データリレー伝達システムを提案する。
【発明の効果】
【0006】
以上のような構成をとる本発明によって、高性能でない処理演算装置であっても通信データの欠落や劣化を抑えた通信が可能になる。また、高性能でない処理演算装置を用いなくてもよいため、電池の電力が消費されにくく、比較的長時間継続して用いることが可能になる。さらに、携帯無線端末のコストを下げることができるため、複数台必要なシステムであっても比較的容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施形態1の携帯無線端末の機能ブロックの一例を示す図
【図2】携帯無線端末の電源がONになった際に実行される初期処理の一例を示す図
【図3】データ蓄積処理とデータ送信処理のタイミングチャートの一例を示す図
【図4】送信要求があった場合の処理の流れの一例を示す図
【図5】実施形態1の携帯無線端末の具体的なハードウェア構成の一例を示す図
【図6】送信すべきデータを取得した際の具体的な処理の一例を示す図
【図7】送信ステップの処理の流れの一例を示すフローチャート
【図8】実施形態2の携帯無線端末の機能ブロックの一例を示す図
【図9】携帯無線端末の電源がONになった際に実行される初期処理の一例を示す図
【図10】エンコードデータ蓄積処理と、エンコード処理・エンコードデータ伝送処理のタイミングチャートの一例を示す図
【図11】実施形態2の携帯無線端末の具体的なハードウェア構成の一例を示す図
【図12】エンコードすべき情報の入力があった際の具体的な処理の一例を示す図
【図13】ノード間でデータをリレー伝達する方法の処理の流れの一例を示すフローチャート
【図14】エンコードステップの処理の流れの一例を示すフローチャート
【図15】実施形態3の携帯無線端末の機能ブロックの一例を示す図
【図16】携帯無線端末の電源がONになった際に実行される初期処理の一例を示す図
【図17】受信データ蓄積処理と、受信データ伝送処理のタイミングチャートの一例を示す図
【図18】実施形態3の携帯無線端末の具体的なハードウェア構成の一例を示す図
【図19】データを受信した際の具体的な処理の一例を示す図
【図20】ノード間でデータをリレー伝達する方法の処理の流れの一例を示すフローチャート
【図21】受信ステップの処理の流れの一例を示すフローチャート
【図22】実施形態4の携帯無線端末の機能ブロックの一例を示す図
【図23】携帯無線端末の電源がONになった際に実行される初期処理の一例を示す図
【図24】デコードデータ蓄積処理と、デコード処理・デコードデータ伝送処理のタイミングチャートの一例を示す図
【図25】実施形態4の携帯無線端末の具体的なハードウェア構成の一例を示す図
【図26】デコードすべきデータを取得した際の具体的な処理の一例を示す図
【図27】ノード間でデータをリレー伝達する方法の処理の流れの一例を示すフローチャート
【図28】デコードステップの処理の流れの一例を示すフローチャート
【図29】無線データリレー伝達システムの一例を示す図
【図30】無線データリレー伝達システムの他の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を説明する。実施形態と請求項の相互の関係は、以下のとおりである。実施形態1は主に請求項1などに関し、実施形態2は主に請求項2などに関し、実施形態3は主に請求項3などに関し、実施形態4は主に請求項4などに関し、実施形態5は主に請求項5に関する。なお、本発明はこれら実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施しうる。
【0009】
<<実施形態1>>
【0010】
<概要>
本実施形態の携帯無線端末は、二つの送信バッファを有し、送信すべきデータを第一送信バッファ及び第二送信バッファへ蓄積する処理を間断なく交互に行う。また、第二(第一)送信バッファに蓄積されたデータを、第二(第一)送信バッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第一(第二)送信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に次の携帯無線端末に送信処理することを特徴とする。当該構成とすることにより、送信データの蓄積処理と送信処理を並行して行うことができ、高性能な処理演算装置を用いなくても良好な通信を行うことが可能になる。
【0011】
<構成>
図1は、本実施形態の携帯無線端末の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「携帯無線端末」000は「送信部」010を有し、送信部は、「第一送信バッファ」011と、「第二送信バッファ」012と、「送信データ取得手段」013と、「データ蓄積処理手段」014と、「データ送信処理手段」015と、を備える。以下、各構成について説明する。
【0012】
「携帯無線端末」は、ノード間でデータをリレー伝達するシステムのノードとして利用され、電池で駆動される。ここで、ノードとはネットワークを構成する一つ一つの要素のことをいう。また、ノード間でデータをリレー伝達するとは、あるノードから受信したデータを他のノードに伝達することをいう。携帯無線端末に格納される電池の種類は特に限定されるものではない。例えば、乾電池や蓄電池、太陽電池、熱電池などが挙げられる。
【0013】
「送信部」は、端末毎に異なる周波数にて隣り合う次の携帯無線端末に対してデータを送信する機能を有する。端末毎に異なる送信周波数とすることにより、ある端末間の通信が別の端末間の通信によって影響を受けにくくなる。このため、より正確なデータをリレー伝達することが可能になる。ここで、端末毎の送信周波数は固定値としてもよいが、時間や状況に応じて変動する値としてもよい。例えば、自己の送信周波数が携帯無線端末以外の装置などによって用いられている場合は、当該装置及び他の携帯無線端末装置の送信周波数と異なる周波数を複数の送信周波数候補から選択する構成としてもよい。
【0014】
なお、他のノードにデータを伝達する際に、新たなデータを付加して送信してもよいし、データを加工して送信してもよい。例えば、自己の携帯無線端末のIDを付加して他の携帯無線端末に送信してもよい。この場合、他の携帯無線端末は、上記携帯無線端末のIDに基づいてデータの送信元を判断し、特定の携帯無線端末から送信されたデータであると判断される場合に他の携帯無線端末にデータを伝達する構成とすることも可能である。また、データの送信先はひとつの携帯無線端末である必要はなく、複数台の携帯無線端末に対して同一のデータを送信してもよい。
【0015】
「送信データ取得手段」は、前記次の携帯無線端末に送信すべきデータを取得する機能を有する。ここで、前の無線携帯端末から受信したデータを、そのまま次の無線携帯端末に送信すべきデータとすることが可能である。これにより、携帯無線端末をノードとするシステムにおいて、特定のデータをリレー伝達することが可能になる。また、マイクロフォンから入力された音声のデータを次の携帯無線端末に送信すべきデータとすることも可能である。
【0016】
なお、音声データの他に、画像データや、テキストデータを送信すべきデータとすることも可能である。この場合、携帯無線端末において、表示手段を設け、画像やテキストを表示することも可能である。なお、仮に自端末に表示手段が設けられていなくても、リレー伝達先である他の端末において表示手段が設けられている場合は、データをリレー伝達する意味があるといえる。
【0017】
「第一送信バッファ」及び「第二送信バッファ」は、送信するデータを蓄積する機能を有する。第一送信バッファ、第二送信バッファの容量に関しては特に限定されるものではないが、一例として、数KBの容量とすることが考えられる。
【0018】
「データ蓄積処理手段」は、第一送信バッファ及び第二送信バッファへのデータ蓄積処理を間断なく交互に行う機能を有する。ここで、第一送信バッファと第二送信バッファのデータ蓄積処理の切り換えは、第一送信バッファ又は第二送信バッファのデータ容量がなくなったとき(フルになったとき)に行うことも可能であるし、残りのデータ容量が所定値以下になった場合に行うことも可能である。最初にデータを蓄積する送信バッファはいずれでもよいが、電源がONになった際に実行される初期処理によって決定されてもよい。図2は、携帯無線端末の電源がONになった際に実行される初期処理の一例を示す図である。この図の例では、ステップS0201において第一送信バッファを送信用データの蓄積先として設定している。
【0019】
「データ送信処理手段」は、第二送信バッファに蓄積されたデータを、第二送信バッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第一送信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に送信処理し、第一送信バッファに蓄積されたデータを、第一送信バッファのデータ蓄積処理の終了直後であって、第二送信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に送信処理する機能を有する。
【0020】
図3は、データ蓄積処理とデータ送信処理のタイミングチャートの一例を示す図である。この図に示されているように、送信用のデータを送信バッファに蓄積している間に別の送信バッファに蓄積されたデータを無線送信する。当該構成とすることにより、送信用のデータを蓄積している際にも並行して他の携帯無線端末にデータを送信することが可能になる。
【0021】
また、前の携帯無線端末からデータを受信した直後にそのデータを送信する必要は必ずしもなく、操作ボタンを介して送信要求があった場合に、前のノードにあたる携帯無線端末から受信して不揮発性メモリに蓄積しているデータを送信することも可能である。また、無線通信手段を介して次のノードにあたる携帯無線端末から送信要求があった場合に、前のノードにあたる携帯無線端末から受信して不揮発性メモリに蓄積しているデータを送信してもよい。図4は、送信要求があった場合の処理の流れの一例を示す図である。この図の例では、受信したデータは不揮発性メモリに格納されている。まず、ステップS0401において、不揮発性メモリに送信すべきデータが存在するか否か判断する。例えば、既に送信したデータの他に新たに送信すべきデータが存在するか否か判断したり、送信要求にて指定されたデータが不揮発性メモリに存在するか否か判断したりする。次に、ステップS0402において、送信すべきデータが存在すると判断された場合は、そのデータを第一送信バッファ又は第二送信バッファに蓄積する。なお、データを送信した後にそのデータを削除する構成とすることも可能であり、その場合は単に不揮発性メモリにデータが存在するか否か判断すればよい。
【0022】
<具体的なハードウェア構成>
図5は、本実施形態の携帯無線端末の具体的なハードウェア構成の一例を示す図である。この図にあるように、携帯無線端末は、「CPU」101、「DMAコントローラ」102、「送信バッファコントローラ」110、「第一送信バッファ」111、「第二送信バッファ」112、「エンコードバッファコントローラ」120、「エンコードバッファ」121、「受信バッファコントローラ」130、「受信バッファ」131、「デコードバッファコントローラ」140、「デコードバッファ」141、「無線コントローラ」150、「無線インターフェイス」151、「無線送信器」152、「マイクロフォンインターフェイス」160、「マイクロフォン」161、「不揮発性メモリコントローラ」170、「不揮発性メモリ」171、「スピーカーインターフェイス」180、「スピーカー」181などから構成される。なお、図にて明示していないが、メモリアービターなども備える。
【0023】
「CPU」101は、「マイクロフォンインターフェイス」160を介して入力される音声データをエンコード処理したり、「無線インターフェイス」151を介して入力される受信データをデコード処理したりする。「DMAコントローラ」102は、「マイクロフォンインターフェイス」160を介して入力される音声データを、「CPU」101を経由せずに「エンコードバッファ」102に伝送したり、「デコードバッファ」141に蓄積された音声データを、「CPU」101を経由せずに「スピーカーインターフェイス」180に伝送したりする。
【0024】
「送信バッファコントローラ」110は、送信すべきデータを「第一送信バッファ」111及び「第二送信バッファ」112へ蓄積する処理を間断なく交互に行う。また、「エンコードバッファコントローラ」120は、エンコードすべき情報を「マイクロフォンインターフェイス」160などから受信して「エンコードバッファ」121に蓄積する。また、「受信バッファコントローラ」130は、「無線インターフェイス」151を介して受信したデータを「受信バッファ」131に蓄積する。また、「デコードバッファコントローラ」140は、デコードすべき情報を「不揮発性メモリ」171などから受信して「デコードバッファ」141に蓄積する。また、「無線コントローラ」150は、「第一送信バッファ」111、「第二送信バッファ」112に蓄積された送信すべきデータを「無線インターフェイス」151に伝送する。また、「無線コントローラ」150は、「無線インターフェイス」151から入力される受信データを「受信バッファコントローラ」130に伝送する。さらに、「無線インターフェイス」151は、「無線送信器」152を制御して、端末毎に異なる周波数にて隣り合う次の携帯無線端末に対してデータを送信する。また、「不揮発性メモリコントローラ」170は、「受信バッファ」131に蓄積された受信データを「不揮発性メモリ」171に蓄積する。
【0025】
<具体的な処理>
図6は、本実施形態の携帯無線端末が送信すべきデータを取得した際の具体的な処理の一例を示す図である。まずステップS1において、送信すべきデータを第一送信バッファに転送する。次にステップS2において、第一送信バッファがフルになっているか(データ容量がなくなっているか)判断する。ここでの判断がフルになっていないとの判断である場合は、ステップS3Cに進む。ここでの判断がフルになっているとの判断である場合は、ステップS3AとステップS3Bに進む。ステップS3Cにおいては、現在もなお送信すべきデータを取得中か否か判断する。ここで、取得中である場合はステップS1に戻り、取得中でない場合はステップS4Cに進み、第一送信バッファに格納されたデータを無線送信する。
【0026】
ステップS3Aにおいては、第一送信バッファにフルに格納されたデータを無線送信する。また、ステップS3Bにおいては、データの転送先を第一送信バッファから第二送信バッファに切り替えて、第二送信バッファにデータを転送する。そして、ステップS4Bにおいて、第二受信バッファがフルになっているか判断する。ここでの判断がフルになっていないとの判断である場合は、ステップS5Cに進む。ここでの判断がフルになっているとの判断である場合は、ステップS5AとステップS5Bに進む。ステップS5Cにおいては、現在もなお送信すべきデータを取得中か否か判断する。ここで、取得中である場合はステップS3Bに戻り、取得中でない場合はステップS6Cに進み、第二送信バッファに格納されたデータを無線送信する。
【0027】
ステップS5Bにおいては、第二送信バッファにフルに格納されたデータを無線送信する。また、ステップS5Aにおいては、データの転送先を第二送信バッファから第一送信バッファに切り替えて、第一送信バッファにデータを転送する。そして、ステップS6Aにおいて、第一受信バッファがフルになっているか判断する。ここでの判断がフルになっていないとの判断である場合は、ステップS7Cに進む。ここでの判断がフルになっているとの判断である場合は、ステップS3AとステップS3Bに戻る。ステップS7Cにおいては、現在もなお送信すべきデータを取得中か否か判断する。ここで、取得中である場合はステップS5Aに戻り、取得中でない場合はステップS8Cに進み、第一送信バッファに格納されたデータを無線送信する。
【0028】
<処理の流れ>
図7は、電池で駆動される携帯無線端末をノードとして利用し、ノード間でデータをリレー伝達する方法における送信ステップの処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、サブステップSS0701において、次の携帯無線端末に送信すべきデータを取得する(送信データ取得サブステップ)。次に、サブステップSS0702において、送信すべきデータを蓄積する第一送信バッファ及び第二送信バッファへのデータ蓄積処理を間断なく交互に行う(データ蓄積サブステップ)。次に、サブステップSS0703において、第二送信バッファに蓄積されたデータを、第二送信バッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第一送信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に前記次の携帯無線端末に送信し、第一送信バッファに蓄積されたデータを、第一送信バッファのデータ蓄積処理の終了直後であって、第二送信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に前記次の携帯無線端末に送信する(データ送信サブステップ)。なお、上記データ送信サブステップでは、端末毎に異なる周波数にて隣り合う次の携帯無線端末に対してデータを送信する。
【0029】
<効果>
本実施形態の携帯無線端末により、高性能でない処理演算装置であっても通信データの欠落や劣化を抑えた通信を行うことが可能になる。また、高性能でない処理演算装置を用いないですむため、電力が消費されにくく、比較的長い時間継続して用いることが可能になる。
【0030】
<<実施形態2>>
【0031】
<概要>
本実施形態の携帯無線端末は、2つのエンコードバッファを有し、エンコードすべき情報を構成する信号を第一エンコードバッファ及び第二エンコードバッファへ蓄積する処理を間断なく交互に行う。また、第二(第一)エンコードバッファに蓄積された信号を、第二(第一)エンコードバッファへの信号蓄積処理の終了直後であって、第一(第二)エンコードバッファへの信号蓄積処理の開始前後にCPUを利用してエンコードする。さらに、 生成された第二(第一)エンコードバッファのデータを、第二(第一)エンコードバッファへの次の信号蓄積処理開始前に送信部へ伝送処理する。当該構成とすることにより、エンコードすべきデータの蓄積処理とエンコード処理及びエンコードデータの伝送処理を並行して行うことができ、高性能な処理演算装置を用いなくても良好な通信を行うことが可能になる。
【0032】
<構成>
図8は、本実施形態の携帯無線端末の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「携帯無線端末」000は「送信部」010と「エンコード部」020を有し、「エンコード部」020は、「第一エンコードバッファ」021と、「第二エンコードバッファ」022と、「エンコード情報取得手段」023と、「信号蓄積処理手段」024と、「エンコード手段」025と、「エンコードデータ伝送処理手段」026を備える。なお、図8にては省略しているが「送信部」010は、図1にて説明した構成を備えている。以下、エンコード部の構成について説明する。
【0033】
「エンコード情報取得手段」は、エンコードすべき情報を取得する機能を有する。ここで、エンコードとは、アナログからデジタルに変換する処理の他に、デジタルデータを圧縮する処理、デジタルデータを無線送信用のフォーマットに変換する処理などが挙げられる。また、エンコードすべき情報としては、音声の情報や画像の情報、テキストの情報、などが挙げられる。
【0034】
例えば、音声データを圧縮する場合を考える。人の音声データには4kHzまでの周波数が入っているため、ナイキスト周波数は8kHzになる。また、周波数情報がパルスコードモジュレーション(PCM)の段階であまり落ちないようにするためには量子化ビットの幅を少なくとも16ビットとする必要がある。このまま、データを送信すると通信量が128kbsとなってしまい、小型の携帯無線端末には技術的に難しくなる。そこで、音声データをADPCMエンコーディングすることによって16ビットのデータを4ビットのデータに圧縮することが考えられる。これにより、通信量が32kbsに抑えることが可能になり、リアルタイム的に音声データを送信しやすくなる。
【0035】
「第一エンコードバッファ」及び「第二エンコードバッファ」は、エンコードすべき情報を構成する信号を蓄積する機能を有する。第一エンコードバッファ、第二エンコードバッファの容量に関しては特に限定されるものではないが、一例として、数KBの容量とすることが考えられる。
【0036】
「信号蓄積手段」は、第一エンコードバッファ及び第二エンコードバッファへの信号蓄積処理を間断なく交互に行う機能を有する。ここで、第一エンコードバッファと第二エンコードバッファの信号蓄積処理の切り換えは、第一エンコードバッファ又は第二エンコードバッファのデータ容量がなくなったとき(フルになったとき)に行うことも可能であるし、残りのデータ容量が所定値以下になった場合に行うことも可能である。最初に信号を蓄積するエンコードバッファはいずれでもよいが、電源がONになった際に実行される初期処理によって決定されてもよい。図9は、携帯無線端末の電源がONになった際に実行される初期処理の一例を示す図である。この図の例では、ステップS0901において第一エンコードバッファをエンコードすべきデータの蓄積先として設定し、ステップS0902において第一送信バッファを送信すべきデータの蓄積先として設定している。
【0037】
「エンコード手段」は、第二エンコードバッファに蓄積された信号を、第二エンコードバッファへの信号蓄積処理の終了直後であって、第一エンコードバッファへの信号蓄積処理の開始前後にCPUを利用してエンコードし、第一エンコードバッファに蓄積された信号を、第一エンコードバッファへの信号蓄積処理の終了直後であって、第二エンコードバッファへの信号蓄積処理の開始前後にCPUを利用してエンコードする機能を有する。
【0038】
「エンコードデータ伝送処理手段」は、エンコード手段にて生成された第二エンコードバッファのデータを、第二エンコードバッファへの次の信号蓄積処理開始前に送信部へ伝送処理し、エンコード手段にて生成された第一エンコードバッファのデータを、第一エンコードバッファへの次の信号蓄積処理開始前に送信部へ伝送処理する機能を有する。
【0039】
図10は、信号蓄積処理と、エンコード処理と、エンコードデータ伝送処理のタイミングチャートの一例を示す図である。この図に示されているように、エンコードすべき情報を構成する信号を一のエンコードバッファに蓄積している間に他のエンコードバッファに蓄積された信号をエンコードし、送信部へ伝送処理する。なお、この図に示されているように、エンコードすべき情報をエンコードバッファに蓄積するのに必要な時間がエンコードバッファに蓄積された信号をエンコードし、送信部へ伝送処理するのに必要な時間よりも一般的に長いが、エンコードすべき情報をエンコードバッファに蓄積するのに必要な時間が短い場合についても同様のことがいえる。
【0040】
<ハードウェア構成>
図11は、本実施形態の携帯無線端末の具体的なハードウェア構成の一例を示す図である。基本的には、図5で示した実施形態1の携帯無線端末のハードウェア構成と同様であるが、本実施形態においては「第一エンコードバッファ」121と「第二エンコードバッファ」122を備えていることを特徴とする。「エンコードバッファコントローラ」120は、エンコードすべき情報を「マイクロフォンインターフェイス」160などから受信して「第一エンコードバッファ」121及び「第二エンコードバッファ」122への信号蓄積処理を間断なく交互に行う。また、「DMAコントローラ」102は、「マイクロフォンインターフェイス」160を介して入力される音声データを、「CPU」101を経由せずに「第一エンコードバッファ」121又は「第二エンコードバッファ」122に伝送する。
【0041】
<具体的な処理>
図12は、本実施形態の携帯無線端末がエンコードすべき情報の入力があった際の具体的な処理の一例を示す図である。まずステップS1において、エンコードすべきデータを第一送信バッファに転送する。次にステップS2において、第一エンコードバッファがフルになっているか(データ容量がなくなっているか)判断する。ここでの判断がフルになっていないとの判断である場合は、ステップS3Cに進む。ここでの判断がフルになっているとの判断である場合は、ステップS3AとステップS3Bに進む。ステップS3Cにおいては、現在もなおエンコードすべきデータが入力中か否か判断する。ここで、入力中である場合はステップS1に戻り、入力中でない場合はステップS4Cに進み、第一エンコードバッファに格納されたデータをエンコードして送信バッファコントローラに伝送する。
【0042】
ステップS3Aにおいては、第一エンコードバッファにフルに格納されたデータをエンコードして送信バッファコントローラに伝送する。また、ステップS3Bにおいては、データの転送先を第一エンコードバッファから第二エンコードバッファに切り替えて、第二エンコードバッファにデータを転送する。そして、ステップS4Bにおいて、第二エンコードバッファがフルになっているか判断する。ここでの判断がフルになっていないとの判断である場合は、ステップS5Cに進む。ここでの判断がフルになっているとの判断である場合は、ステップS5AとステップS5Bに進む。ステップS5Cにおいては、現在もなおエンコードすべきデータが入力中か否か判断する。ここで、入力中である場合はステップS3Bに戻り、入力中でない場合はステップS6Cに進み、第二エンコードバッファに格納されたデータをエンコードして送信バッファコントローラに伝送する。
【0043】
ステップS5Bにおいては、第二エンコードバッファにフルに格納されたデータをエンコードして送信バッファコントローラに伝送する。また、ステップS5Aにおいては、データの転送先を第二エンコードバッファから第一エンコードバッファに切り替えて、第一エンコードバッファにデータを転送する。そして、ステップS6Aにおいて、第一エンコードバッファがフルになっているか判断する。ここでの判断がフルになっていないとの判断である場合は、ステップS7Cに進む。ここでの判断がフルになっているとの判断である場合は、ステップS3AとステップS3Bに戻る。ステップS7Cにおいては、現在もなおエンコードすべきデータを入力中か否か判断する。ここで、入力中である場合はステップS5Aに戻り、入力中でない場合はステップS8Cに進み、第一エンコードバッファに格納されたデータをエンコードして送信バッファコントローラに伝送する。
【0044】
<処理の流れ>
図13は、電池で駆動される携帯無線端末をノードとして利用し、ノード間でデータをリレー伝達する方法の処理の流れの一例を示すフローチャートである。この図にあるように、本実施形態のリレー伝達方法は、「エンコードステップ」S1301と、「送信ステップ」S1302を有する。「送信ステップ」S1302は、実施形態1の図7で説明したものと同様である。
【0045】
図14は、エンコードステップの処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、サブステップSS1401において、エンコード(圧縮)すべき情報を取得する(エンコード情報取得サブステップ)。次に、サブステップSS1402において、エンコード(圧縮)すべき情報を構成する信号を蓄積する第一エンコードバッファ及び第二エンコードバッファへの信号蓄積処理を間断なく交互に行う(信号蓄積サブステップ)。次に、サブステップSS1403において、第二エンコードバッファに蓄積された信号を、第二エンコードバッファへの信号蓄積処理の終了直後であって、第一エンコードバッファへの信号蓄積処理の開始前後にCPUを利用してエンコードし、第一エンコードバッファに蓄積された信号を、第一エンコードバッファへの信号蓄積処理の終了直後であって、第二エンコードバッファへの信号蓄積処理の開始前後にCPUを利用してエンコードする(エンコードサブステップ)。次に、サブステップSS1404において、エンコードサブステップにて生成された第二エンコードバッファのデータを、第二エンコードバッファへの次の信号蓄積処理開始前に第一送信バッファ又は第二送信バッファへ伝送処理し、エンコード手段にて生成された第一エンコードバッファのデータを、第一エンコードバッファへの次の信号蓄積処理開始前に第一送信バッファ又は第二送信バッファへ伝送処理する(エンコードデータ伝送サブステップ)。
【0046】
<効果>
本実施形態の携帯無線端末により、高性能でない処理演算装置であっても通信データの欠落や劣化を抑えた通信を行うことが可能になる。また、高性能でない処理演算装置を用いないですむため、電力が消費されにくく、比較的長い時間継続して用いることが可能になる。
【0047】
<<実施形態3>>
【0048】
<概要>
本実施形態の携帯無線端末は、端末毎に異なる周波数にて隣り合う前の携帯無線端末からデータを受信する。そして、受信バッファを2つ有し、受信したデータを第一受信バッファ及び第二受信バッファへ蓄積する処理を間断なく交互に行う。また、第二(第一)受信バッファに蓄積されたデータを、第二(第一)受信バッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第一(第二)受信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に不揮発性メモリに伝送処理する。当該構成とすることにより、エンコードすべきデータの蓄積処理とエンコード処理及びエンコードデータの伝送処理を並行して行うことができ、高性能な処理演算装置を用いなくても良好な通信を行うことが可能になる。
【0049】
<構成>
図15は、本実施形態の携帯無線端末の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「携帯無線端末」000は「送信部」010と「受信部」030と、「不揮発性メモリ」070を有し、「受信部」030は、「第一受信バッファ」031と、「第二受信バッファ」032と、「データ受信手段」033と、「受信データ蓄積処理手段」034と、「受信データ伝送処理手段」035を備える。なお、図15にては省略しているが「送信部」010は、図1にて説明した構成を備えている。以下、受信部の構成について説明する。
【0050】
「データ受信手段」は、前記前の携帯無線端末からデータを受信する。また、「データ受信手段」は、端末毎に異なる周波数にて隣り合う前の携帯無線端末からデータを受信する機能を有する。端末毎に異なる受信周波数とすることにより、ある端末間の通信が別の端末間の通信によって影響を受けにくくなる。このため、より正確なデータをリレー伝達することが可能になる。ここで、端末毎の受信周波数は固定値としてもよいが、時間や状況に応じて変動する値としてもよい。例えば、自己の受信周波数が携帯無線端末以外の装置などによって用いられている場合は、当該装置及び他の携帯無線端末装置の受信周波数と異なる周波数を複数の受信周波数候補から選択する構成としてもよい。
【0051】
「第一受信バッファ」及び「第二受信バッファ」は、受信したデータを蓄積する機能を有する。第一受信バッファ、第二受信バッファの容量に関しては特に限定されるものではないが、一例として、数KBの容量とすることが考えられる。
【0052】
「受信データ蓄積処理手段」は、第一受信バッファ及び第二受信バッファへのデータ蓄積処理を間断なく交互に行う機能を有する。ここで、第一受信バッファと第二受信バッファのデータ蓄積処理の切り換えは、第一受信バッファ又は第二受信バッファのデータ容量がなくなったとき(フルになったとき)に行うことも可能であるし、残りのデータ容量が所定値以下になった場合に行うことも可能である。最初に受信データを蓄積する受信バッファはいずれでもよいが、電源がONになった際に実行される初期処理によって決定されてもよい。図16は、携帯無線端末の電源がONになった際に実行される初期処理の一例を示す図である。この図の例では、ステップS1601において第一受信バッファを受信データの蓄積先として設定し、ステップS1602において第一送信バッファを送信すべきデータの蓄積先として設定している。
【0053】
「受信データ伝送処理手段」は、第二受信バッファに蓄積されたデータを、第二受信バッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第一受信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に不揮発性メモリに伝送処理し、第一受信バッファに蓄積されたデータを、第一受信バッファのデータ蓄積処理の終了直後であって、第二受信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に不揮発性メモリに伝送処理する機能を有する。
【0054】
図17は、受信データ蓄積処理と受信データ伝送処理のタイミングチャートの一例を示す図である。この図に示されているように、受信データを一の受信バッファに蓄積している間に他の受信バッファに蓄積されたデータを不揮発性メモリに伝送する。当該構成とすることにより、受信データを受信バッファに蓄積している際に並行して蓄積された受信データを不揮発性メモリに伝送することが可能になる。なお、この図に示されているように、受信データを受信バッファに蓄積するのに必要な時間が受信バッファに蓄積されたデータを不揮発性メモリに伝送するのに必要な時間よりも一般的に長いが、受信バッファに蓄積されたデータを不揮発性メモリに伝送するのに必要な時間の方が長い場合についても同様のことがいえる。
【0055】
<ハードウェア構成>
図18は、本実施形態の携帯無線端末の具体的なハードウェア構成の一例を示す図である。基本的には、図5で示した実施形態1の携帯無線端末のハードウェア構成と同様であるが、本実施形態においては「第一受信バッファ」131と「第二受信バッファ」132を備えていることを特徴とする。「受信バッファコントローラ」120は、「無線インターフェイス」151を介して受信したデータを「第一受信バッファ」131及び「第二受信バッファ」132へ蓄積する処理を間断なく交互に行う。また、「不揮発性メモリコントローラ」170は、「第二受信バッファ」132に蓄積されたデータを、「第二受信バッファ」132へのデータ蓄積処理の終了直後であって、「第一受信バッファ」131へのデータ蓄積処理の開始前後に「不揮発性メモリ」171に伝送処理し、「第一受信バッファ」131に蓄積されたデータを、「第一受信バッファ」131のデータ蓄積処理の終了直後であって、「第二受信バッファ」132へのデータ蓄積処理の開始前後に「不揮発性メモリ」171に伝送処理する。また、「無線インターフェイス」151は、「無線送信器」152を制御して、端末毎に異なる周波数にて隣り合う前の携帯無線端末からデータを受信する。
【0056】
<具体的な処理>
図19は、本実施形態の携帯無線端末が前のノードである携帯無線端末からデータを受信した際の具体的な処理の一例を示す図である。まずステップS1において、受信データを第一受信バッファに転送する。次にステップS2において、第一受信バッファがフルになっているか(データ容量がなくなっているか)判断する。ここでの判断がフルになっていないとの判断である場合は、ステップS3Cに進む。ここでの判断がフルになっているとの判断である場合は、ステップS3AとステップS3Bに進む。ステップS3Cにおいては、現在もなおデータを受信中か否か判断する。ここで、受信中である場合はステップS1に戻り、受信中でない場合はステップS4Cに進み、第一受信バッファに格納されたデータを送信バッファコントローラに伝送する。
【0057】
ステップS3Aにおいては、第一受信バッファにフルに格納されたデータを受信バッファコントローラに伝送する。また、ステップS3Bにおいては、データの転送先を第一受信バッファから第二受信バッファに切り替えて、第二受信バッファにデータを転送する。そして、ステップS4Bにおいて、第二受信バッファがフルになっているか判断する。ここでの判断がフルになっていないとの判断である場合は、ステップS5Cに進む。ここでの判断がフルになっているとの判断である場合は、ステップS5AとステップS5Bに進む。ステップS5Cにおいては、現在もなおデータを受信中か否か判断する。ここで、受信中である場合はステップS3Bに戻り、受信中でない場合はステップS6Cに進み、第二受信バッファに格納されたデータを送信バッファコントローラに伝送する。
【0058】
ステップS5Bにおいては、第二受信バッファにフルに格納されたデータを送信バッファコントローラに伝送する。また、ステップS5Aにおいては、データの転送先を第二受信バッファから第一受信バッファに切り替えて、第一受信バッファにデータを転送する。そして、ステップS6Aにおいて、第一受信バッファがフルになっているか判断する。ここでの判断がフルになっていないとの判断である場合は、ステップS7Cに進む。ここでの判断がフルになっているとの判断である場合は、ステップS3AとステップS3Bに戻る。ステップS7Cにおいては、現在もなおデータを受信中か否か判断する。ここで、受信中である場合はステップS5Aに戻り、受信中でない場合はステップS8Cに進み、第一受信バッファに格納されたデータを送信バッファコントローラに伝送する。
【0059】
<処理の流れ>
図20は、電池で駆動される携帯無線端末をノードとして利用し、ノード間でデータをリレー伝達する方法の処理の流れの一例を示すフローチャートである。この図にあるように、本実施形態のリレー伝達方法は、「受信ステップ」S2001と、「送信ステップ」S2002を有する。「送信ステップ」S2002は、実施形態1の図7で説明したものと同様である。
【0060】
図21は、受信ステップの処理の流れの一例を示すフローチャートである。まずサブステップSS2101において、前の携帯無線端末からデータを受信する(データ受信サブステップ)。次にサブステップSS2102において、受信したデータを蓄積する第一受信バッファ及び第二受信バッファへのデータ蓄積処理を間断なく交互に行う(受信データ蓄積サブステップ)。次にサブステップSS2103において、第二受信バッファに蓄積されたデータを、第二受信バッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第一受信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に不揮発性メモリに伝送し、第一受信バッファに蓄積されたデータを、第一受信バッファのデータ蓄積処理の終了直後であって、第二受信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に不揮発性メモリに伝送する(受信データ伝送サブステップ)。なお、上記の受信データ伝送サブステップでは、端末毎に異なる周波数にて隣り合う前の携帯無線端末からデータを受信する。
【0061】
<効果>
本実施形態の携帯無線端末により、高性能でない処理演算装置であっても通信データの欠落や劣化を抑えた通信を行うことが可能になる。また、高性能でない処理演算装置を用いないですむため、電力が消費されにくく、比較的長い時間継続して用いることが可能になる。
【0062】
<<実施形態4>>
【0063】
<概要>
本実施形態の携帯無線端末は、2つのデコードバッファを有し、デコードすべきデータを第一デコードバッファ及び第二デコードバッファへのデータ蓄積処理を間断なく交互に行う。また、第二(第一)デコードバッファに蓄積されたデータを、第二(第一)デコードバッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第一(第二)デコードバッファへのデータ蓄積処理の開始前後にCPUを利用してデコードする。そして、生成された第二(第一)デコードバッファのデータを、第二(第一)デコードバッファへの次のデータ蓄積処理開始前に出力機器へ伝送処理する。当該構成とすることにより、デコードすべきデータの蓄積処理とデコード処理及びデコードデータの伝送処理を並行して行うことができ、高性能な処理演算装置を用いなくても良好な通信を行うことが可能になる。
【0064】
<構成>
図22は、本実施形態の携帯無線端末の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「携帯無線端末」000は「送信部」010と「受信部」030と、「デコード部」040と、「不揮発性メモリ」050を有し、「デコード部」040は、「第一デコードバッファ」041と、「第二デコードバッファ」042と、「デコードデータ受信手段」043と、「デコードデータ蓄積処理手段」044と、「デコード手段」045と、「デコードデータ伝送処理手段」046を備える。なお、図22にては省略しているが「送信部」010は図1にて説明した構成を備え、「受信部」030は図15にて説明した構成を備えている。以下、デコード部の構成について説明する。
【0065】
「デコードデータ取得手段」は、デコードすべきデータを前記不揮発性メモリから取得する機能を有する。ここで、デコードとは、暗号化されたデータを復元する処理や、圧縮されたデータを伸長する処理などが挙げられる。また、デコードすべき情報としては、圧縮された音声の情報や画像の情報、テキストの情報、などが挙げられる。
【0066】
「第一デコードバッファ」及び「第二デコードバッファ」は、デコードすべきデータを蓄積する機能を有する。第一デコードバッファ、第二デコードバッファの容量に関しては特に限定されるものではないが、一例として、数KBの容量とすることが考えられる。
【0067】
「デコードデータ蓄積手段」は、第一デコードバッファ及び第二デコードバッファへのデータ蓄積処理を間断なく交互に行う機能を有する。ここで、第一デコードバッファと第二デコードバッファのデータ蓄積処理の切り換えは、第一デコードバッファ又は第二デコードバッファのデータ容量がなくなったとき(フルになったとき)に行うことも可能であるし、残りのデータ容量が所定値以下になった場合に行うことも可能である。最初にデコードすべきデータを蓄積するデコードバッファはいずれでもよいが、電源がONになった際に実行される初期処理によって決定されてもよい。図23は、携帯無線端末の電源がONになった際に実行される初期処理の一例を示す図である。この図の例では、第一デコードバッファをデコードすべきデータの蓄積先として設定している。
【0068】
「デコードデータ伝送処理手段」は、デコード手段にて生成された第二デコードバッファのデータを、第二デコードバッファへの次のデータ蓄積処理開始前に出力機器へ伝送処理し、デコード手段にて生成された第一デコードバッファのデータを、第一デコードバッファへの次のデータ蓄積処理開始前に出力機器へ伝送処理する機能を有する。
【0069】
図24は、デコードデータ蓄積処理と、デコード処理と、デコードデータ伝送処理のタイミングチャートの一例を示す図である。この図に示されているように、デコードすべきデータを一のデコードバッファに蓄積している間に他のデコードバッファに蓄積されたデータをデコードし、出力機器へ伝送処理する。なお、この図に示されているように、デコードすべきデータをデコードバッファに蓄積するのに必要な時間がデコードバッファに蓄積されたデータをデコードし、出力機器へ伝送処理するのに必要な時間よりも一般的に長いが、デコードすべきデータをデコードバッファに蓄積するのに必要な時間が短い場合についても同様のことがいえる。
【0070】
なお、出力機器とデコードバッファの間に出力バッファをさらに設けてもよい。当該出力バッファは、デコードバッファからデコードデータを受信して、出力機器に対して伝送する。また、出力バッファとして、第一出力バッファと第二出力バッファを設けることも可能である。この場合、一の出力バッファがデコードバッファからデコードしたデータを受信している間に、他の出力バッファに蓄積されたデコードデータを出力機器に対して伝送する処理を行う。当該構成とすることにより、デコードバッファと出力機器の間のデータ伝送処理をより効率的に行うことが可能になる。
【0071】
<ハードウェア構成>
図25は、本実施形態の携帯無線端末の具体的なハードウェア構成の一例を示す図である。基本的には、図11、図19で示した携帯無線端末のハードウェア構成と同様であるが、本実施形態においては「第一デコードバッファ」141と「第二デコードバッファ」142を備えていることを特徴とする。「デコードバッファコントローラ」120は、「不揮発性メモリ」171から読み出したデコードすべきデータを「第一デコードバッファ」141及び「第二デコードバッファ」142へのデータ蓄積処理を間断なく交互に行う。また、「CPU」101は、「第二デコードバッファ」142に蓄積されたデータを、「第二デコードバッファ」142へのデータ蓄積処理の終了直後であって、「第一デコードバッファ」141へのデータ蓄積処理の開始前後にデコードし、「第一デコードバッファ」141に蓄積されたデータを、「第一デコードバッファ」141へのデータ蓄積処理の終了直後であって、「第二デコードバッファ」142へのデータ蓄積処理の開始前後にデコードする。また、「DMAコントローラ」102は、「第二デコードバッファ」142のデータを、「第二デコードバッファ」142への次のデータ蓄積処理開始前に「スピーカーインターフェイス」180へ伝送処理し、「第一デコードバッファ」141のデータを、「第一デコードバッファへ」141の次のデータ蓄積処理開始前に「スピーカーインターフェイス」180へ伝送処理する。「スピーカーインターフェイス」180に伝送されたデコードデータは「スピーカー」181を介して音声出力される。
【0072】
<具体的な処理>
図26は、本実施形態の携帯無線端末がデコードすべきデータを取得した際の具体的な処理の一例を示す図である。まずステップS1において、デコードすべきデータを第一デコードバッファに転送する。次にステップS2において、第一デコードバッファがフルになっているか(データ容量がなくなっているか)判断する。ここでの判断がフルになっていないとの判断である場合は、ステップS3Cに進む。ここでの判断がフルになっているとの判断である場合は、ステップS3AとステップS3Bに進む。ステップS3Cにおいては、現在もなおデコードすべきデータを取得中か否か判断する。ここで、取得中である場合はステップS1に戻り、取得中でない場合はステップS4Cに進み、第一デコードバッファに格納されたデータをデコードして出力機器に伝送する。
【0073】
ステップS3Aにおいては、第一デコードバッファにフルに格納されたデータをデコードして出力機器に伝送する。また、ステップS3Bにおいては、デコードすべきデータの転送先を第一デコードバッファから第二デコードバッファに切り替えて、第二デコードバッファにデータを転送する。そして、ステップS4Bにおいて、第二デコードバッファがフルになっているか判断する。ここでの判断がフルになっていないとの判断である場合は、ステップS5Cに進む。ここでの判断がフルになっているとの判断である場合は、ステップS5AとステップS5Bに進む。ステップS5Cにおいては、現在もなおデコードすべきデータを取得中か否か判断する。ここで、取得中である場合はステップS3Bに戻り、取得中でない場合はステップS6Cに進み、第二デコードバッファに格納されたデータをデコードして出力機器へ伝送する。
【0074】
ステップS5Bにおいては、第二デコードバッファにフルに格納されたデータをデコードして出力機器へ伝送する。また、ステップS5Aにおいては、デコードすべきデータの転送先を第二デコードバッファから第一デコードバッファに切り替えて、第一デコードバッファにデータを転送する。そして、ステップS6Aにおいて、第一デコードバッファがフルになっているか判断する。ここでの判断がフルになっていないとの判断である場合は、ステップS7Cに進む。ここでの判断がフルになっているとの判断である場合は、ステップS3AとステップS3Bに戻る。ステップS7Cにおいては、現在もなおデコードすべきデータを取得中か否か判断する。ここで、取得中である場合はステップS5Aに戻り、取得中でない場合はステップS8Cに進み、第一デコードバッファに格納されたデータをデコードして出力機器へ伝送する。
【0075】
<処理の流れ>
図27は、電池で駆動される携帯無線端末をノードとして利用し、ノード間でデータをリレー伝達する方法の処理の流れの一例を示すフローチャートである。この図にあるように、本実施形態のリレー伝達方法は、「受信ステップ」S2701と、「送信ステップ」S2702と、「デコードステップ」S2703を有する。「送信ステップ」S2702は、実施形態1の図7で説明したものと同様であり、「受信ステップ」S2703は、実施形態3の図21で説明したものと同様である。
【0076】
図28は、デコードステップの処理の流れの一例を示すフローチャートである。まずサブステップSS2801において、デコードすべきデータを前記不揮発性メモリから取得する(デコードデータ取得サブステップ)。次にサブステップSS2802において、デコードすべきデータを蓄積する第一デコードバッファ及び第二デコードバッファへのデータ蓄積処理を間断なく交互に行う(デコードデータ蓄積サブステップ)。次にサブステップSS2803において、第二デコードバッファに蓄積されたデータを、第二デコードバッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第一デコードバッファへのデータ蓄積処理の開始前後にCPUを利用してデコードし、第一デコードバッファに蓄積されたデータを、第一デコードバッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第二デコードバッファへのデータ蓄積処理の開始前後にCPUを利用してデコードする(デコードサブステップ)。次にサブステップSS2804において、デコードサブステップにて生成された第二デコードバッファのデータを、第二デコードバッファへの次のデータ蓄積処理開始前に出力機器へ伝送処理し、デコードサブステップにて生成された第一デコードバッファのデータを、第一デコードバッファへの次のデータ蓄積処理開始前に出力機器へ伝送処理する(デコードデータ伝送サブステップ)。
【0077】
<効果>
本実施形態の携帯無線端末により、高性能でない処理演算装置であっても通信データの欠落や劣化を抑えた通信を行うことが可能になる。また、高性能でない処理演算装置を用いないですむため、電力が消費されにくく、比較的長い時間継続して用いることが可能になる。
【0078】
<<実施形態5>>
【0079】
<概要>
本実施形態の発明は、実施形態1から4にて説明した携帯無線端末をノードとして利用してノード間で無線データをリレー伝達する無線データリレー伝達システムである。 実施形態1から4にて説明した携帯無線端末は、高性能でない処理演算装置であっても通信データの欠落や劣化を抑えた通信を行うことが可能である。
【0080】
<システム構成1>
図29は、無線データリレー伝達システムの一例を示す図である。この図のシステムは、マラソン大会などおいて複数の地点に「無線携帯端末」200を配置し、「スタート地点」201Sから「ゴール地点」201Gまでの順に音声データをリレー伝達する構成となっている。当該構成とすることによって、少なくとも隣のノードの無線携帯端末にまで音声データを送信する送信出力レベルであれば足り、電力消費量を抑えることが可能である。
【0081】
<システム構成2>
図30は、無線データリレー伝達システムの他の例を示す図である。この図のシステムは、「電車の検査所」300に入りきらない各車両に「携帯無線端末」200を配置し、「検査所」300にある「無線ユニット」301から送信される音声データを、「検査所」300から離れた位置にある車両の携帯無線端末まで、リレー伝達する構成となっている。当該構成とすることによって、「検査所」300から離れた位置にある車両にいても「検査所」300からの音声データを受信して、音声内容を確認することが可能になる。なお、「検査所」300内の車両においては、「有線ユニット」302から送信され、「検査所スピーカー」303を介して出力される音声によって内容を確認する。
【0082】
<システム構成3>
また、その他の例として、高層のマンションや電波塔などの建造物において、所定の高さごとに携帯無線端末を配置する構成とし、低層の位置に配置された携帯無線端末から高層の位置に配置された携帯無線端末に向けて音声データをリレー伝達する構成とすることも可能であるし、反対に高層の位置に配置された携帯無線端末から低層の位置に配置された携帯無線端末に向けて音声データをリレー伝達することも可能である。
【0083】
<効果>
本実施形態の無線データリレー伝達システムは、実施形態1から4に記載の携帯無線端末を利用するものであるため、システム内に複数台の携帯無線端末を用いたとしても全体としてのコストを抑えることが可能になる。
【符号の説明】
【0084】
000…携帯無線端末、000N…次の携帯無線端末、000P…前の携帯無線端末
011…第一送信バッファ、012…第二送信バッファ、013…送信データ取得手段、014…データ蓄積処理手段、015…データ送信処理手段、020…エンコード部、021…第一エンコードバッファ、022…第二エンコードバッファ、023…エンコード情報取得手段、024…信号蓄積処理手段、025…エンコード手段、026…エンコードデータ伝送処理手段、030…受信部、031…第一受信バッファ、032…第二受信バッファ、033…データ受信手段、034…受信データ蓄積処理手段、035…受信データ蓄積処理手段、040…デコード部、041…第一デコードバッファ、042…第二デコードバッファ、043…デコードデータ取得手段、044…デコードデータ蓄積手段、045…デコード手段、046…デコードデータ伝送手段、060…入力機器、070…不揮発性メモリ、080…出力機器、101…CPU、102…DMAコントローラ、110…送信バッファコントローラ、111…(第一)送信バッファ、112…第二送信バッファ、120…(第一)エンコードバッファ、122…第二エンコードバッファ、130…受信バッファコントローラ、131…(第一)受信バッファ、132…第二受信バッファ、140…デコードバッファコントローラ、141…(第一)デコードバッファ、142…第二デコードバッファ、150…無線コントローラ、151…無線インターフェイス、152…無線送信器、160…マイクロフォンインターフェイス、161…マイクロフォン、170…不揮発性メモリコントローラ、171…不揮発性メモリ、180…スピーカーインターフェイス、181…スピーカー、200…携帯無線端末、201S…スタート地点、201G…ゴール地点、300…検査所、301…無線ユニット、302…有線ユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノード間でデータをリレー伝達するシステムのノードとして利用され、電池で駆動される携帯無線端末であって、
端末毎に異なる周波数にて隣り合う次の携帯無線端末に対してデータを送信する送信部を有し、
送信部は
前記次の携帯無線端末に送信すべきデータを取得する送信データ取得手段と、
送信すべきデータを蓄積する第一送信バッファ及び第二送信バッファと、
第一送信バッファ及び第二送信バッファへのデータ蓄積処理を間断なく交互に行うデータ蓄積処理手段と、
第二送信バッファに蓄積されたデータを、第二送信バッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第一送信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に送信処理し、第一送信バッファに蓄積されたデータを、第一送信バッファのデータ蓄積処理の終了直後であって、第二送信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に送信処理するデータ送信処理手段と、
を備える携帯無線端末。
【請求項2】
エンコードすべき情報を取得するエンコード情報取得手段と、
エンコードすべき情報を構成する信号を蓄積する第一エンコードバッファ及び第二エンコードバッファと、
第一エンコードバッファ及び第二エンコードバッファへの信号蓄積処理を間断なく交互に行う信号蓄積処理手段と、
第二エンコードバッファに蓄積された信号を、第二エンコードバッファへの信号蓄積処理の終了直後であって、第一エンコードバッファへの信号蓄積処理の開始前後にCPUを利用してエンコードし、第一エンコードバッファに蓄積された信号を、第一エンコードバッファへの信号蓄積処理の終了直後であって、第二エンコードバッファへの信号蓄積処理の開始前後にCPUを利用してエンコードするエンコード手段と、
エンコード手段にて生成された第二エンコードバッファのデータを、第二エンコードバッファへの次の信号蓄積処理開始前に送信部へ伝送処理し、エンコード手段にて生成された第一エンコードバッファのデータを、第一エンコードバッファへの次の信号蓄積処理開始前に送信部へ伝送処理するエンコードデータ伝送処理手段と、
を備えるエンコード部をさらに有する請求項1に記載の携帯無線端末。
【請求項3】
端末毎に異なる周波数にて隣り合う前の携帯無線端末からデータを受信するデータ受信部をさらに有し、
受信部は、
前記前の携帯無線端末からデータを受信するデータ受信手段と、
受信したデータを蓄積する第一受信バッファ及び第二受信バッファと、
第一受信バッファ及び第二受信バッファへのデータ蓄積処理を間断なく交互に行う受信データ蓄積処理手段と、
第二受信バッファに蓄積されたデータを、第二受信バッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第一受信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に不揮発性メモリに伝送処理し、第一受信バッファに蓄積されたデータを、第一受信バッファのデータ蓄積処理の終了直後であって、第二受信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に不揮発性メモリに伝送処理する受信データ伝送処理手段と、
を備える受信部をさらに有する請求項1又は2に記載の携帯無線端末。
【請求項4】
デコードすべきデータを前記不揮発性メモリから取得するデコードデータ取得手段と、
デコードすべきデータを蓄積する第一デコードバッファ及び第二デコードバッファと、
第一デコードバッファ及び第二デコードバッファへのデータ蓄積処理を間断なく交互に行うデコードデータ蓄積手段と、
第二デコードバッファに蓄積されたデータを、第二デコードバッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第一デコードバッファへのデータ蓄積処理の開始前後にCPUを利用してデコードし、第一デコードバッファに蓄積されたデータを、第一デコードバッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第二デコードバッファへのデータ蓄積処理の開始前後にCPUを利用してデコードするデコード手段と、
デコード手段にて生成された第二デコードバッファのデータを、第二デコードバッファへの次のデータ蓄積処理開始前に出力機器へ伝送処理し、デコード手段にて生成された第一デコードバッファのデータを、第一デコードバッファへの次のデータ蓄積処理開始前に出力機器へ伝送処理するデコードデータ伝送処理手段と、
を備えるデコード部をさらに有する請求項3に記載の携帯無線端末。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一に記載の携帯無線端末をノードとして利用してノード間で無線データをリレー伝達する無線データリレー伝達システム。
【請求項1】
ノード間でデータをリレー伝達するシステムのノードとして利用され、電池で駆動される携帯無線端末であって、
端末毎に異なる周波数にて隣り合う次の携帯無線端末に対してデータを送信する送信部を有し、
送信部は
前記次の携帯無線端末に送信すべきデータを取得する送信データ取得手段と、
送信すべきデータを蓄積する第一送信バッファ及び第二送信バッファと、
第一送信バッファ及び第二送信バッファへのデータ蓄積処理を間断なく交互に行うデータ蓄積処理手段と、
第二送信バッファに蓄積されたデータを、第二送信バッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第一送信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に送信処理し、第一送信バッファに蓄積されたデータを、第一送信バッファのデータ蓄積処理の終了直後であって、第二送信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に送信処理するデータ送信処理手段と、
を備える携帯無線端末。
【請求項2】
エンコードすべき情報を取得するエンコード情報取得手段と、
エンコードすべき情報を構成する信号を蓄積する第一エンコードバッファ及び第二エンコードバッファと、
第一エンコードバッファ及び第二エンコードバッファへの信号蓄積処理を間断なく交互に行う信号蓄積処理手段と、
第二エンコードバッファに蓄積された信号を、第二エンコードバッファへの信号蓄積処理の終了直後であって、第一エンコードバッファへの信号蓄積処理の開始前後にCPUを利用してエンコードし、第一エンコードバッファに蓄積された信号を、第一エンコードバッファへの信号蓄積処理の終了直後であって、第二エンコードバッファへの信号蓄積処理の開始前後にCPUを利用してエンコードするエンコード手段と、
エンコード手段にて生成された第二エンコードバッファのデータを、第二エンコードバッファへの次の信号蓄積処理開始前に送信部へ伝送処理し、エンコード手段にて生成された第一エンコードバッファのデータを、第一エンコードバッファへの次の信号蓄積処理開始前に送信部へ伝送処理するエンコードデータ伝送処理手段と、
を備えるエンコード部をさらに有する請求項1に記載の携帯無線端末。
【請求項3】
端末毎に異なる周波数にて隣り合う前の携帯無線端末からデータを受信するデータ受信部をさらに有し、
受信部は、
前記前の携帯無線端末からデータを受信するデータ受信手段と、
受信したデータを蓄積する第一受信バッファ及び第二受信バッファと、
第一受信バッファ及び第二受信バッファへのデータ蓄積処理を間断なく交互に行う受信データ蓄積処理手段と、
第二受信バッファに蓄積されたデータを、第二受信バッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第一受信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に不揮発性メモリに伝送処理し、第一受信バッファに蓄積されたデータを、第一受信バッファのデータ蓄積処理の終了直後であって、第二受信バッファへのデータ蓄積処理の開始前後に不揮発性メモリに伝送処理する受信データ伝送処理手段と、
を備える受信部をさらに有する請求項1又は2に記載の携帯無線端末。
【請求項4】
デコードすべきデータを前記不揮発性メモリから取得するデコードデータ取得手段と、
デコードすべきデータを蓄積する第一デコードバッファ及び第二デコードバッファと、
第一デコードバッファ及び第二デコードバッファへのデータ蓄積処理を間断なく交互に行うデコードデータ蓄積手段と、
第二デコードバッファに蓄積されたデータを、第二デコードバッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第一デコードバッファへのデータ蓄積処理の開始前後にCPUを利用してデコードし、第一デコードバッファに蓄積されたデータを、第一デコードバッファへのデータ蓄積処理の終了直後であって、第二デコードバッファへのデータ蓄積処理の開始前後にCPUを利用してデコードするデコード手段と、
デコード手段にて生成された第二デコードバッファのデータを、第二デコードバッファへの次のデータ蓄積処理開始前に出力機器へ伝送処理し、デコード手段にて生成された第一デコードバッファのデータを、第一デコードバッファへの次のデータ蓄積処理開始前に出力機器へ伝送処理するデコードデータ伝送処理手段と、
を備えるデコード部をさらに有する請求項3に記載の携帯無線端末。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一に記載の携帯無線端末をノードとして利用してノード間で無線データをリレー伝達する無線データリレー伝達システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2013−62739(P2013−62739A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200814(P2011−200814)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000133526)株式会社チノー (113)
【出願人】(508047288)アーズ株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000133526)株式会社チノー (113)
【出願人】(508047288)アーズ株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
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