説明

携帯用マスク収納ケース

【課題】複数枚の未使用のマスクを収納することができ、且つ、使用途中のマスクを一時的に保管することができる携帯用マスク収納ケースを提供すること。
【解決手段】
本発明の携帯用マスク収納ケースは、未使用マスク取出し用スリットSが形成された未使用マスク収納ケース本体2と、この未使用マスク取出し用スリットを覆うカバー3とから構成され、このカバー3には、使用途中のマスクを一時的に保管することができるように、開閉自在のスライドファスナー311を有する構造になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数枚の未使用のマスクを収納することができ、且つ、使用途中のマスクを一時的に保管することができる携帯用マスク収納ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近時、我が国においてはマスクをする機会は極めて増えている。例えば、花粉症は国民の4人に一人が罹患しているといわれ、国民病と呼ばれるほどに蔓延している。花粉症の対策の基本は花粉を吸い込まないことであるが、このためには外出時にはマスクが必携である。また、最近では、新型インフルエンザ(ブタインフルエンザ)の流行が懸念され、さらには、冬季のインフルエンザの季節には新型インフルエンザ(ブタインフルエンザ)の流行が懸念され、通勤・通学などの人混みを避けられない人にはマスクの使用が推奨されており、
マスクの需要は益々増える傾向にある。
【0003】
インフルエンザ対策のためには、マスクは使い捨てが推奨されており、多くの人はバッグやカバンの中に複数枚のマスクを所持している。小袋に小分けされて販売されているマスクは安いものではなく、また、それさえもインフルエンザ流行時には売り切れてしまうといったことが懸念される。経済面と売り切れに備えた対策として、30枚入り、50枚入りといった箱単位でマスクを購入する人も増えている。このように、箱単位でマスクを購入する人は未使用のマスクを通勤・通学時に3〜5枚程度、ビニール袋に入れ、或いはそのままでバッグやカバンの中に入れて持ち歩いている。
【0004】
一方、マスクは使い捨てが推奨されているとはいえ、飲食などで一時的にマスクを外す機会は少なくなく、その度毎に未使用のマスクに取り替えることは不経済であり現実的ではない。飲食などで一時的にマスクを外す場合は、外したマスクはそのままポケット或いはバッグやカバンに入れるか、ビニール袋に入れて、食事が済んで再び使用途中のマスクを使用するのが一般的である。前者の場合は、埃や汚れがマスクの内側(呼吸面)に付着する可能性が大きく衛生的ではない。後者の場合は、出し入れが容易でない、ビニール袋の中で蒸れて雑菌が繁殖するといった恐れがある。
【0005】
使用途中のマスクを一時的に保管するためのマスクケースとしては次のような提案がなされている。マスクを使用することにより健康を保ち、通勤、通学時の不快感を無くすためのケースを提供することを目的に、ケースのふたの中央部に鏡を設け、その両側面に香料入れと上部に乾燥剤、下部に消毒剤入れを設け、容器にマスクを折らずに入れるように構成したマスクケース(例えば、特許文献1参照)。花粉症・風邪などにより日常からマスクを手放せない者が飲食などで一時的にマスクを外す際、容易に清潔にマスクを保管、携帯することのできるマスク保管ケースを提供することを目的に、一時的に外されたマスクを“受け”の部分に置き、“フタ”の部分をかぶせ、ファスナーにより閉じ、収納・保管し、マスクの脱着時には、付属する鏡で確認修正できるように構成したマスク保管ケース(例えば、特許文献2参照)。マスクを衛生的に、簡単に出し入れし、保管、携帯できるマスクケースを提供することを目的に、湿気を排出できる布(主に不織物製の生地)をマスク用のケースに使うことで、ケース内の湿気は外部へ出て行き、外からの埃等の侵入がないので衛生的にマスクを保管することができ、また、プラスチック製の開閉板により片手で開閉ができるため、開け閉めが容易で使い易いように構成したマスクケース(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平6−48698号公報
【特許文献2】実用新案登録第3091059号公報
【特許文献3】実用新案登録第3097015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の特許文献に提案されたものはいずれも使用中のマスクを外した場合に一時的に保管するためのマスクケースである。未使用のマスクを小袋に収納して市販されているようなものを除けば、これまでに本発明者の知る限りでは、未使用のマスクを収納するマスクケースに関するアイデアは皆無である。ましてや、未使用のマスクを収納できると同時に使用途中のマスクを一時的に保管することができる携帯用マスク収納ケースについては知られていない。
【0008】
本発明者は、前記したように30枚入り、50枚入りといった箱単位でマスクを購入する人たちが、通勤・通学時などに替え用に3〜7枚程度を衛生的に持ち歩くことができ、しかも、飲食などで一時的に外したマスクを簡単に保管することができるような携帯用マスク収納ケースがあれば便利だろうと考え、本発明をするに至ったのである。
【0009】
したがって、本発明の課題は、替え用のマスクとして特に枚数には制限はないが、3〜7枚程度の未使用のマスクを束ねて簡単に収納でき、しかも、使用途中のマスクを外した場合、一時的に保管することができ、衛生的に持ち歩くことができる携帯用マスク収納ケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため手段として、本発明は、複数枚の未使用マスクを収納するための未使用マスク収納部と、開いた状態で未使用マスクを前記未使用マスク収納部に収納し収納後に閉じの状態とするスライドファスナーと、収納する未使用マスクを一枚ずつ取り出すための未使用マスク取出し用スリットを有する未使用マスク収納ケース本体と、
一端が前記未使用マスク収納ケース本体に接合され、使用途中のマスクを一時的に保管することができるマスク保管部と係合手段を有するカバーであって、このカバーにより前記未使用マスク取出し用スリットを覆った状態で前記係合手段と前記未使用マスク収納ケース本体に設けられた係合手段が係合した状態において前記マスク保管部に使用途中のマスクを一時的に保管することができるような構成としたカバーとを、備えてなる携帯用マスク収納ケースを提供する。
【0011】
より具体的には、上記の課題を解決するための手段として、本発明は、
底壁部と該底壁部の周縁部から起立した側壁部とで形成された開口部を備えた複数枚の未使用マスクを収納するための未使用マスク収納部と、前記底壁部の周縁部の一端側に連接部を介して折り曲げ自在に連接され前記未使用マスク収納部の開口部を開閉自在に覆う未使用マスク取出し用スリットが形成された天壁部と、前記連接部箇所を除く前記底壁部の周縁部と前記天壁部の周縁部とに架けて装着されたスライドファスナーとを有し、このスライドファスナーの開閉によって前記未使用マスク収納部の開口部に対して前記天壁部を開閉自在な構成とした未使用マスク収納ケース本体と、
一端が前記未使用マスク収納部の底壁部の外壁面に接合され、使用途中のマスクを一時的に保管することができるマスク保管部と係合手段を有し、この係合手段は前記未使用マスク収納ケース本体のスライドファスナーを閉じた状態において、この閉じたスライドファスナーを跨いで前記未使用マスク取出し用スリットを覆うように前記未使用マスク収納ケース本体の外壁面に設けられた係合手段と着脱自在に係合され、これらの係合手段が係合した状態において前記マスク保管部に使用途中のマスクを一時的に保管することができるような構成としたカバーとを、
備えてなる携帯用マスク収納ケースを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る携帯用マスク収納ケースは、未使用マスク取出し用スリットが形成された未使用マスク収納ケース本体と、この未使用マスク取出し用スリットを覆うカバーとから構成され、しかも、このカバーは使用途中のマスクを一時的に保管できる構造になっている。
未使用マスク収納ケース本体は、未使用マスク収納部が底壁部とこの底壁部の周縁部から起立した側壁部とで形成された開口部を備え、且つ、スライドファスナーの開閉によってこの開口部に対して天壁部を開閉自在な構成としているので、複数枚(枚数に制限はないが3〜7枚程度、好ましくは5枚程度)の未使用マスクを束ねて簡単に収納することができる。また、未使用マスク収納ケース本体は天壁部に未使用マスク取出し用スリットが形成されているので、未使用のマスクを使用する度毎に一枚ずつ取り出せるので利便性がよい。しかも、この未使用マスク取出し用スリットは、携帯時にはカバーで覆われているので埃などが侵入し難い構造となっており衛生的に持ち歩くことができる。さらに、このカバーは、使用途中のマスクを一時的に保管することができるマスク保管部を有しており、飲食などで使用途中のマスクを衛生的に保管することもでき、飲食などが終わった後に再び使用途中のマスクを使用することができ経済的なメリットもある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る携帯用マスク収納ケースにおいて、未使用マスク収納ケース本体が開いた状態を示す平面図である。
【図2】本発明に係る携帯用マスク収納ケースにおいて、未使用マスク収納ケース本体が閉じた状態を示す平面図である。
【図3】本発明に係る携帯用マスク収納ケースにおいて、閉じた状態の未使用マスク収納ケース本体をカバーが覆っている状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係る携帯用マスク収納ケース1において、未使用マスク収納ケース本体2が開いた状態を示す平面図である。携帯用マスク収納ケース1は、未使用マスク収納ケース本体2とカバー3とから構成されている。図2は、本発明に係る携帯用マスク収納ケース1において、未使用マスク収納ケース本体2が閉じた状態を示す平面図である。図3は、本発明に係る携帯用マスク収納ケース1において、閉じた状態の未使用マスク収納ケース本体2をカバー3が覆っている状態を示す平面図である。図3の状態において持ち運びする。
図1に基づき、また、必要に応じて図2、図3を参照しながら、本発明に係る携帯用マスク収納ケース1について説明する。
【0015】
携帯用マスク収納ケース1を構成する未使用マスク収納ケース本体2は、複数枚の未使用マスク(図1においては図示せず)を収納するための未使用マスク収納部21、未使用マスク取出し用スリットSが形成された天壁部22とスライドファスナー23とを有している。未使用マスク収納部21は、底壁部211とこの底壁部211の周縁部から起立した4つの側壁部212とで形成された開口部を備えており、この開口部から複数枚の未使用マスクを収納することができる。未使用マスク収納部21と天壁部22とは、底壁部211の周縁部の一端側に連接部Lを介して折り曲げ自在に連接されているので、天壁部22を未使用マスク収納部21の開口部に対して開閉自在に覆うことができる。スライドファスナー23は、連接部L箇所を除く底壁部211の周縁部と天壁部22の周縁部とに架けて装着されているので、スライドファスナー23の開閉によって未使用マスク収納部21の開口部に対して天壁部22が開閉自在な構成となっている。
【0016】
カバー3は、一端が未使用マスク収納部21の底壁部211の外壁面に接合され、使用途中のマスクを一時的に保管することができるマスク保管部31と係合手段32を有し、この係合手段32はスライドファスナー23が閉じた状態において(図2を参照)、この閉じたスライドファスナー23を跨いで未使用マスク取出し用スリットSを覆うように未使用マスク収納ケース本体2の外壁面に設けられた係合手段32’と着脱自在に係合されるようになっている。図面においては、係合手段32、32’は面ファスナーを用いているが、ボタンとリング状のボタン架け、ボタンとフックなど公知の係合手段を適用することができる。図2に示されるように、これらの係合手段32、32’
が係合した状態において、図3に示される状態となる。図3において、マスク保管部31には、表面の端部にスライドファスナー311が設けられており、このスライドファスナー311を開いて、ここから使用途中のマスクを一時的に保管することができるようになっている。
【0017】
使用手順としては、本発明に係る携帯用マスク収納ケース1を図1のように未使用マスク収納ケース本体2を開いた状態にする。未使用マスク収納部21に5枚程度の未使用マスクを束ねて収納した後、未使用マスク収納部21の開口部を天壁部22で覆い、スライドファスナー23を閉じる。スライドファスナー23を閉じた状態を図2に示す。次いで、カバー3はスライドファスナー23を跨いで未使用マスク取出し用スリットSを覆い係合手段(この場合は面ファスナー)32、32’で係合する。係合手段(この場合は面ファスナー)32、32’で係合した状態を図3に示す。
【0018】
本発明に係る携帯用マスク収納ケース1は、図3に示す状態でバッグやカバンに入れて持ち運ぶことができる。飲食する際には、図3の状態でマスク保管部31のスライドファスナー311を開いて使用途中のマスクを一時的に保管することができる。未使用マスクを取り出す際には、係合手段(この場合は面ファスナー)32、32’の係合を解除し、図2に示すようなカバー3を開いた状態とし未使用マスク取出し用スリットSから未使用マスクを取り出すことができる。
【0019】
未使用マスク収納部21と未使用マスク取出し用スリットSが形成された天壁部22及びカバー3の素材としては、抗菌加工を施した生地が好ましい。生地は綿やポリエステルなどの柔軟な天然又は合成繊維を採用することができる。
前記底壁部211の周縁部から起立した4つの側壁部212は、底壁部211として予定している面積より若干広めの生地を用意し、この生地の端部を底壁部211として予定している面積を残して二重に折り曲げ逢着糸で逢着することによって形成することができる。底壁部211の周縁部の一端側と天壁部22をそれぞれ連接部Lに逢着糸で逢着することにより、未使用マスク収納部21と天壁部22を折り曲げ自在に連接することができる。
【0020】
スライドファスナー23は、互いに係合される一方のスライドファスナーの帯布部を底壁部211の周縁部(前記連接部L箇所を除く)に沿って逢着し、他方のスライドファスナーの帯布部を天壁部22の周縁部(前記連接部L箇所を除く)に沿って逢着し、装着されている。なお、スライドファスナー23を開閉するスライド開閉部231を二つ取り付け、両方から開閉できるようにしている。カバー3は、一端を未使用マスク収納部21の底壁部211に逢着糸で逢着することによって未使用マスク収納部21の外壁面に接合されている。
【符号の説明】
【0021】
1 携帯用マスク収納ケース
2 未使用マスク収納ケースケース本体
21 未使用マスク収納部
211 底壁部
212 側壁部
22 天壁部
23 スライドファスナー
3 カバー
31 マスク保管部
32、32’ 係合部
L 連接部
S 未使用マスク取出し用スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の未使用マスクを収納するための未使用マスク収納部と、開いた状態で未使用マスクを前記未使用マスク収納部に収納し収納後に閉じの状態とするスライドファスナーと、収納する未使用マスクを一枚ずつ取り出すための未使用マスク取出し用スリットを有する未使用マスク収納ケース本体と、
一端が前記未使用マスク収納ケース本体に接合され、使用途中のマスクを一時的に保管することができるマスク保管部と係合手段を有するカバーであって、このカバーにより前記未使用マスク取出し用スリットを覆った状態で前記係合手段と前記未使用マスク収納ケース本体に設けられた係合手段が係合した状態において前記マスク保管部に使用途中のマスクを一時的に保管することができるような構成としたカバーとを、備えてなる携帯用マスク収納ケース。
【請求項2】
底壁部と該底壁部の周縁部から起立した側壁部とで形成された開口部を備えた複数枚の未使用マスクを収納するための未使用マスク収納部と、前記底壁部の周縁部の一端側に連接部を介して折り曲げ自在に連接され前記未使用マスク収納部の開口部を開閉自在に覆う未使用マスク取出し用スリットが形成された天壁部と、前記連接部箇所を除く前記底壁部の周縁部と前記天壁部の周縁部とに架けて装着されたスライドファスナーとを有し、このスライドファスナーの開閉によって前記未使用マスク収納部の開口部に対して前記天壁部を開閉自在な構成とした未使用マスク収納ケース本体と、
一端が前記未使用マスク収納部の底壁部の外壁面に接合され、使用途中のマスクを一時的に保管することができるマスク保管部と係合手段を有し、この係合手段は前記未使用マスク収納ケース本体のスライドファスナーを閉じた状態において、この閉じたスライドファスナーを跨いで前記未使用マスク取出し用スリットを覆うように前記未使用マスク収納ケース本体の外壁面に設けられた係合手段と着脱自在に係合され、これらの係合手段が係合した状態において前記マスク保管部に使用途中のマスクを一時的に保管することができるような構成としたカバーとを、
備えてなる携帯用マスク収納ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−41790(P2011−41790A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−219459(P2009−219459)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願変更の表示】意願2009−5995(D2009−5995)の変更
【原出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【出願人】(509238339)
【Fターム(参考)】