説明

携帯用内臓電気記録システムを用いた消化管機能の判断およびそれを用いた方法

携帯用内臓電気記録システムが提供される。システムの態様は、身体結合受信機および摂取可能な識別子装置を含む。これらの両方は、内臓の電気信号を検出するように構成される。システムは、身体結合受信機からのデータを受信するように構成された体外データ処理装置と通信し、受信データから内臓筋電図を生成する。本発明のシステムを用いた内臓筋電図を生成する方法も提供される。摂取可能な識別子により生成された、固有の電流特性において符号化された情報が、前記摂取可能な識別子の活性化を前記受信機に指示する識別情報であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、35USC§119(e)に従って、米国仮特許出願第61/121,878号(2008年12月11日出願)、および米国仮特許出願第61/121,881号(2008年12月11日出願)の出願日における優先権の利益を主張するものであり、その開示が本明細書に参考として援用される。
【0002】
本発明は、概して、電子システムに関する。より具体的には、本発明は、被験者により生成された電気信号を測定するための電子システムに関する。
【背景技術】
【0003】
消化管疾患は、種々の異なる病状の原因となる。消化管疾患の一つには、胃運動障害がある。胃運動障害には、胃のリズム障害(緩慢胃および急速胃など)、胃不全麻痺、胃流出路閉塞が含まれる。胃運動障害は、例えば糖尿病に伴う自律性ニューロパシー、過去に行った開腹手術、自己免疫疾患などの種々の病気、薬の副作用などの、複合的な異なる原因から引き起こされることがある。胃運動障害の症状は種々あり、吐き気、嘔吐、腫脹、および腹部の不快感が含まれる。症状は軽度である場合もあるが、高じて、個人の肉体的および/または精神的な健康に悪影響を及ぼすほどに慢性化、重度化し、健康状態を衰弱させることさえある。
【0004】
別の種類の消化管疾患には、慢性症状または食道内の異常逆流により引き起こされる粘膜障害に特徴付けられる胃食道逆流性疾患(GERD)が挙げられる。これは、非特許文献1:DeVault KRと、Castell DO(1999)とによる「Updated guidelines for the diagnosis and treatment of gastroesophageal reflux disease.The Prctice Parameters Committee of the American College of Gastroenterology」Am.J.Gastroenterol.94(6):1434−42を参照できる。GERDは、食道と胃との間の境界における一時的または永続的な変化から引き起こされる。これらの変化は、下部食道括約筋不全、一時的な下部食道括約筋弛緩、食道から胃への逆流における排出機能障害、または裂孔ヘルニアから引き起こされることがある。
【0005】
消化管疾患に関連のある種々の異なる検査がある。胃の運動性の判断用に開発された検査の一つに、胃内容排出シンチグラフィ(GES)検査がある。GESは、胃不全麻痺用の高品質基準の診断検査として考慮される。胃運動障害に利用される他の検査には、バリウム検査、超音波検査、CATスキャン、磁気共鳴映像法(MRI)、内視鏡検査、検圧法、および胃筋電図が含まれる。
【0006】
胃筋電図(EGG)は、胃の筋肉を通りおよび収縮を制御する筋電を記録する胃筋電計を用いて生成されたグラフである。胃腸筋電図(または胃腸筋図)は、胃および腸の両方から生成される電気信号が利用されることを除いて胃筋電図に類似する。
【0007】
胃筋電図および胃腸筋電図を取得するために、患者の皮膚表面にセンサ(電極など)が取り付けられ、消化管系またはその関連領域における筋肉活動の電気信号表示を検出するために使用される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】DeVault KRおよびCastell DO、「Updated guidelines for the diagnosis and treatment of gastroesophageal reflux disease.The Prctice Parameters Committee of the American College of Gastroenterology」Am.J.Gastroenterol.94(6):1434−42、1999
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
皮膚表面からの読み取りに現在用いられているシステムの問題点は、消化管系の筋肉活動の電気信号表示と、腹部の筋肉活動に関心の有る電気信号との識別が困難なことである。それ故、消化管系の筋肉活動の電気信号表示を正確に読み取り、かつ検出するためのシステムおよび方法が要求される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の教示に従って、胃腸系の筋肉活動に関連する電気信号を受信するシステムおよび方法が開示される。本明細書に開示されたシステムおよび方法は、内臓電気記録システムおよび被験者の消化管機能を判断する方法が用いられ得る。システムの態様は、電気信号を検出するように構成された摂取可能な識別子マーカおよび身体結合受信機を含む。このシステムは、識別子装置またはマーカからのデータを受信するように構成される。受信データから内臓筋電図を生成するのに情報が利用される。本発明に従って、マーカおよび受信機を用いて内臓筋電図を生成する方法がさらに提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】被験者に取り付けられた受信機、および被験者が摂取した識別子装置の例示図である。
【図2A】本発明の教示に従った、図1の識別子装置を示す側面断面図である。
【図2B】図2Aの識別子装置を示す上面図である。
【図3】図2Aの識別子装置の集積回路の機能部品を示すブロック図である。
【図4】図3の集積回路の検出装置の機能部品を示すブロック図である。
【図5】図1の受信機の機能部品を示すブロック図である。
【図6】図1の受信機を示すブロック図である。
【図7】位置調整のために、受信機を用いて識別子装置の配列を生成するシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照すると、本発明の教示に従った、被験者に関するデータを収集する内臓電気記録システムの一部が被験者と示される内臓電気記録システムは、身体結合受信機20および識別子装置22を含む。体外データ処理装置24は、受信機20と通信する。体外データ処理装置24は、例えば内蔵式または周辺モニタ(例えばベッドサイドモニタまたは健康情報システムとして公知である)を備えるコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、メッセージングデバイスなどの種々の構造でもよい。受信機20は、体外データ処理装置24にデータを供給するために、前述の被験者の体外位置に受信信号データを再送信するように構成され得る。代替的に、受信機は、体外位置に受信信号データを供給するために、外部呼び出し装置から問い合わせできるように構成されてもよい。有線および無線データ伝送プロトコルの両方を含む、任意の適切なデータ伝送プロトコルが用いられ得る。
【0013】
本発明の内臓電気記録システムは、内臓筋電図を生成するように構成されたシステムである。内臓筋電図は、被験者の体内の消化管機能を判断するのに用いられ得るグラフレポートなどの、任意の使用可能なデータの明示を参照する。消化管情報には、内臓もしくは消化管系またはその一部の筋電活動についての情報を提供する1つ以上のパラメータが含まれる。被験者の内臓は、特に腹部および胸腔内に収容される体内の柔らかい内部器官である。消化管の臓器などの運動性に関与する臓器にも関心が有る。用語「消化管」は、胃および腸に関連する。慣用句「消化管系」は、例えば食道などの関連組織に加えて、胃、小腸および大腸に集合的に関心の有る。このように、本発明のシステムにより生成された内臓筋電図には、腸筋電図および胃筋電図が含まれる。関心の有る追加的な内臓には、例えば膀胱などの尿道の臓器が含まれる。
【0014】
本発明の一態様に従って、被験者は、識別子装置22を摂取してそれを活性化する。図1の進行中の例示に示される様に、識別子装置22は、進行した摂取段階である。示す受信機20は、所望の位置で被験者に固定される。受信機20の位置は、医学的要求およびシステム設計に応じて決定されてもよい。本発明の態様に従って用いられる受信機20は、身体の位置(身体の内部または表面)に関連して配置され、例えば胃、小腸、大腸などの消化管またはそれらの一部などの身体の1つ以上の内臓からの電気信号を検出するように構成される。下記するように、被験者の皮膚に固定された単一の電極リードまたは電極線を用いて被験者の衣服に取り付けられた受信機20も本発明の範囲に含まれる。
【0015】
図2Aおよび図2Bを参照すると、識別子装置22は、集積回路部品30、上部電極32、下部電極34、および信号増幅要素36を含む。本発明の教示に従って、上部電極32および下部電極34は、それぞれ、例えば四角形、円形などの任意の適切な形状でもよい。信号増幅要素36は、その端部が上部電極32および下部電極34の端部のを越えて延在する平面円形構造である。記述する実施形態では、信号増幅要素36の半径は、10mm以上などの例えば1mm以上であり、上部電極32および下部電極34の半径よりも長い。
【0016】
信号増幅要素36の端部が、電極32および34の端部を越えて延在する距離は異なり得、ある実施形態では、その距離が100mmを超えないような、例えば10mm以上を含む5.0mm以上など、1.0mm以上を含む0.1mm以上などの0.05mm以上である。送信モードにおいて識別子装置22が動作する際に、上部電極32および下部電極34が胃液などの導電性流体に接触して電位が生じ、集積回路30内を電流が流れる様に構成してありこれにより、集積回路30内の1つ以上の機能ブロックが固有の電流特性を生成する。上部電極32と下部電極34との間に生じた電位は、電極32および34及び周囲の、導電性流体を構成する物質間の化学反応により生じる。送信モードでは、識別子装置22を囲む導電性流体を通る上部電極32と下部電極34との間に電流路50が形成される。
【0017】
図3を参照すると、集積回路30は、検出装置40およびセンシングユニット41に電気的に連結された制御装置38を含む。送信モードでは、集積回路30の制御装置38は、上部電極32および下部電極34それぞれの間の伝導率を制御する。識別子装置22は、伝導率の制御を通じて固有の電流特性を生成でき、検出モード中に識別子装置22が収集したデータをここで符号化する。検出モード中、検出装置40は、内臓もしくは消化管系、またはその一部の筋電活動を検出する。筋電信号は、小さいヘルツから約300ヘルツまでの範囲の周波数、および約10マイクロボルト〜1ミリボルトの範囲の電圧量を有する。実施形態に応じて、識別子装置22が活性化する標的生理学的位置または配置は異なり得る。関心の有る典型的な標的生理学的位置は、例えば口、食道、胃、小腸、大腸などの消化管内の位置を含むが、それらに限定されない。識別子は、標的部位の特定の組織に関係なく、標的部位における胃液などの流体に接触して活性化するように構成されてもよい。所望により、識別子は、標的生理学的位置の組織との接触後に、問い合わせにより活性化するように構成されてもよい。識別子装置22は、一定時間後に到達する標的部位で活性化するように構成されてもよい。
【0018】
センシングユニット41は、周囲環境に関連する種々のパラメータを検知および検出する電気回路を含む。例えば、センシングユニット41は、温度検出、pHセンシングユニット、またはその組み合わせでもよい。他の生理学的パラメータ検知センサがさらに含まれてもよい。
【0019】
図4を参照すると、検出装置40は、識別子装置22が検出モードで作用する際に、内臓の筋電活動を検出する電気回路に電力を供給するための電力線または信号線40aおよび40bを含む。筋電電流は、通常、低周波数電流源である。電力線40aおよび40bは、電源制御のために、ツェナーダイオード42およびコンデンサ44に電気的に連結されている。さらに、電力線40aおよび40bは、内臓の筋電活動に関心の有る電気信号の検出および選別のために、コンデンサ46および48並びに増幅器50と並列に電気的に連結される。より具体的には、信号は信号増幅器50を通過する。増幅信号は、帯域通過フィルタユニット52に伝達される。フィルタユニット52が、信号の高周波数の部分を排除するため、筋電活動および関連信号が残される。選別された情報は、ピーク検出装置54に伝達する。ピーク検出装置54は、信号が識別子装置22に対する活動に近似しているかだけでなく、実際の筋電活動に関心の有るか否かを決定するのに用いられる。これらの全ては、最大出力または生じたスパイクにより決定され得る。ピーク検出装置54は、所望の検出パラメータを用いて、基準値またはベースライン値を調整できる。ピーク検出装置54により設定された閾値を最高電位が上回る場合には、次に、最高のスパイク信号が、筋電信号の性質および種類の確定のためにパターン認識ユニット56に伝達される。パターン認識ユニット56からの出力は、信号確認モジュール58、IPGフィルタ60、生理学的パラメータフィルタ62、および第2の生理学的パラメータフィルタ64が受信する。各フィルタ60、62および64は、検出された電気的活動のうちの特定の種類のみを確定し、それらが各フィルタの規定範囲に伝達されるように設定される。例えば、識別子装置22により検出および収集された情報が低周波数の筋電電流であることを示す場合には、次に、3つのフィルタ60、62および64の1つのみが、コネクタ39に情報を伝達する。任意の数のフィルタが、判断されるパラメータに応じて検出装置40に追加されてもよい。例えば、pHに関心の有る情報のみを制御装置38に伝達するように1つのフィルタが追加されてもよい。検出装置40におけるフィルタの1つに情報が通過すると、次に、データまたは情報は、制御装置38に送られ、この制御装置38が生成する固有の電流特性の一部として符号化される。この固有の電流特性は検出され、システムの受信機により復号される。
【0020】
本発明の一部の態様に従って、識別子装置22は、生理学的な大きさに形成される。すなわち、単独または他の賦形剤との組み合わせにおいて摂取可能な大きさに形成される。特定の態様では、識別子装置は、活性医薬品有効剤または他の賦形剤などのキャリアに関連してもよい。例えば、生理学的な大きさの識別子装置は、1mm以下を含む、5mm以下などの10mm以下の大きさでもよい。別の例では、識別子装置22は、少なくとも摂取後に胃の消化活動により溶解するまでは胃に残るような大きさに形成され得る。これらの例では、識別子装置22は、10cm以上などの1cm以上の表面領域を有するように構成されてもよい。
【0021】
受信機20および識別子装置22は、電気信号または磁場信号を検出するように構成される。処理装置24は、無線および有線方式を含む任意の通信手段を通じて受信機20からのデータを受信するように使用または構成され得る。処理装置24は、受信データから内臓筋電図を生成できる。関心の有る受信機20には、生存する被験者の動きに実質的に影響を及ぼさない方法により、生存する被験者に安定的に関連する大きさに形成されるものが含まれる。このように、人間などの被験者に用いられる際に、その被験者に運動能力に関するいかなる違いを体感させないような寸法を受信機20は有し得る。一部の例示では、受信機20は、被験者の物理的な運動能力を妨げないような寸法に形成される。所望に応じて、受信機20は、小さいサイズを有し得、1mm以下を含む、3mm以下などの5mm以下の体積を有してもよい。一部の例示では、受信機は、10mm〜2cmまでのチップサイズ範囲を有する。
【0022】
図5を参照すると、受信機20は、ハウジング72内に配置された処理装置70を含む。処理装置70は、電極74と電気的に連結および接続される。コイル76は、ハウジング72の周囲を巻き付き、処理装置70に電気的に連結される。コイル76は、外辺部の周囲を巻き付き、受信機20のデバイスから図1の体外データ処理装置24に信号を伝送する。ここでの例示では、受信機20は2つの電極を含む。しかしながら、本発明の別の態様に従って、受信機20はさらなる電極を含んでもよく、本発明の範囲は、電極の数により制限されない。それ故、関心の有る一構造では、受信機20は、識別子装置22からの電流特性の検出に加えて、関心の有る内臓から送信された電気信号を検出するために、1つ以上の電極(例えば2つ以上の電極、3つ以上の電極、および/または例えば電極の2つ以上の組、3つ以上の組、4つ以上の組などの複合電極を含む)を備える。関心の有る一形態では、受信機20は、互いに距離「X」を介して分散された別個の2つの電極を含む。この距離は電極が電圧差を検出できる距離である。この距離は異なり得、0.5cm〜2.5cmなどの0.1cm〜5cmの範囲でもよい。電極は、識別子装置またはマーカに関心の有る電流特性を受信するためのアンテナとしても機能する。
【0023】
受信機20は、所望の内臓の電気信号を検出するように構成される限りは、種々の異なる種類の信号受信機要素および処理プロトコルを含んでもよい。さらに、関心の有る受信機は、外付けでもよく埋め込み型でもよい。
【0024】
図6を参照すると、処理装置70は、図5の電極74の全域における電位差を検出する増幅器80を含む。この電位差は、電極の全域における筋電信号を示す。この電位は、増幅器を介して図5の電極74に電気的に連結されたリード線82を通って増幅器80に送信される。検出された信号は、次に復調器84に入力される。医療記録データに加えて、復調データ、受信信号、生理学的パラメータデータを記憶する記憶装置85をさらに備えてもよい。クロック86が記憶装置85に書き込まれて、イベントがタイムスタンプされる。送信ユニット89は、記憶装置85から図1の体外データ処理装置24にデータを送信する。処理装置70は、マイクロ処理装置88に電気的に連結された電源87をさらに含む。マイクロ処理装置88は、パワーマネージメント機能だけでなく、種々の機能ブロック間の機能を調整する。
【0025】
本発明の種々の態様に従って、本発明のシステムは、単一の受信機または複合的な受信機を含んでもよい。単一の受信機を含むシステムでは、受信機は、3つ以上の別個の電極を含んでもよく、それらが被験者の腹部または胸骨領域に配置されるように構成されてもよい。このようなシステムの受信機は、例えば胴体の前部、胴体の後部などの所望の任意の便利な位置に配置されてもよい。複合的な受信機を有するシステムでは、各受信機は単一の電極を有し得る。このような受信機は、互いに通信し、受信機の配列を生成する。
【0026】
埋め込み型構造の受信機の態様は、生物学的に互換性を有するエンクロージャ、1つ以上のセンサ電極、一次電池または充電池でもよい電源、またはコイルに誘導的に送信することによって電力を供給する装置を含む。実施形態では、電極を皮膚に対向する構造の外部信号受信機を含む。通信は、無線通信でもよく、または例えばワイヤ、光ファイバなどの1つ以上の導電性媒体を介してもよい。所望に応じて、信号を受信および送信するのに同一の電極が用いられてもよい。
【0027】
特定の実施形態では、本発明の受信機の部品または機能ブロックは、多数の別個の機能ブロックすなわちモジュールを含む集積回路上に存在する。所定の受信機内に最大でその全て、少なくともいくつか例えば2つ以上が含まれる機能ブロックは、受信機内の単一の集積回路内に存在できる。単一の集積回路は、異なる機能ブロックの全てを含む単一の回路構造を意味する。このように、集積回路は、半導体材料の薄型基板の表面に製造された(受動素子だけでなく、半導体素子を含み得る)小型電子回路であるモノリシック集積回路である。本発明のある実施形態の集積回路は、サブストレートまたは回路基板に固定されており、受動素子を有するだけでなく、個々の半導体機器により構成された小型電子回路であるハイブリッド集積回路でもよい。
【0028】
関心の有る信号受信機は、その開示が本明細書に参考として援用される、国際公開第2006/116718号として公開されたPCT出願PCT/US2006/016370、国際公開第2008/063626号として公開されたPCT出願PCT/US2007/24225、国際公開第2008/095183号として公開されたPCT出願PCT/US2008/52845に開示された受信機を含むが、それらに限定されない。
【0029】
本発明の別の態様に従って、システムは、2つ以上(4つ以上を含む例えば3つ以上)の受信機を含んでもよい。このようなシステムでは、2つ以上の身体結合受信機は、被験者の身体における任意の所望の位置に適応的に配置され得る。例えば、身体結合信号受信機の全ては、身体上の胴体前部などの身体の同一側に存在してもよいし、胴体の前部および後部などの身体の互いの反対側に存在してもよい。
【0030】
1つ以上の身体結合信号受信機に加えて、本発明のシステムは、身体結合受信機からのデータを受信して、受信データから内臓筋電図を生成するように構成された体外データ処理装置を含んでもよい。体外データ処理装置24は、受信機から直接、またはデータ中継装置(例えば受信機からデータを受信して、次に、受信データを体外データ処理装置に転送する装置)を通じて電気信号データを受信できる。体外データ処理装置24は、所望に応じて、任意の適切な有線または無線プロトコルを通じてデータを受信するように構成されてもよい。関心の有る体外データ処理装置は、電気信号データを受信してデータを処理し、内臓筋電図を生成する。生成された内臓筋電図は、例えば紙に内臓筋電図を印刷する、グラフィカルユーザインターフェースを利用してユーザに内臓筋電図を表示するなどの、任意の適切な媒体によりユーザに出力される。本発明のシステムの体外データ処理装置は、例えば(ベッドサイドモニタまたは健康情報システムなどに組み込まれた)内蔵式または周辺モニタを有するコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、メッセージングデバイスなどの種々の構造でもよい。
【0031】
一部の例示では、識別子装置の識別子は、周囲環境に敏感である。環境に敏感とは、識別子が、応答するように設計された1つ以上の条件に直面する際に活性化するように構成されることを意味する。関心の有る識別子が応答する環境条件には、温度、圧力、pH、検体の有無などが含まれる。一部の例示では、識別子は、酸性またはアルカリ性条件などの所定のpH条件に応答するように構成されることを意味するpH感受性である。例えば、識別子は、酸性pH(pH6以下などのpH6.5以下など)の流体に接触する際、またはアルカリ性pH(pH8以上などのpH7.5以上など)の流体に接触する際に(信号の活性化および送信などによって)応答するように構成されてもよい。環境に敏感な識別子が、それが暴された所定の条件または2つ以上の条件の組に応答する場合には、所定の条件または条件の組に接触して信号を活性化および送信するように構成される。
【0032】
特定の用途における必要性に応じて、受信機によって検出される識別子装置からの電流は、識別子が標的部位に接触したことを単に識別できる一般的なものでもよい。代替的に、信号は、識別子装置に検出された様に、筋電活動に関する情報を示してもよい。このように、識別子は、一群の用量が用いられる場合には、任意の他の一群の用量の要素の識別子から送信された信号と区別されない信号を送信するものでもよい。代替的に、一群の各要素は、少なくとも一群の要素の他の全ての識別子に関する固有の信号を送信する識別子を有してもよい。これらの例では、一群の各識別子は、少なくとも一群の他の全ての識別子に関する、一群の特定の識別子を一意的に識別する信号を送信する。識別子は、例外の無い固有の信号を送信できる(このような信号は、いかなる他人の対応する指紋と区別できる人間の指紋に類似するかもしれないし、それ故、世界レベルで個人を一意的に識別する)。信号は、所定のイベントに関する情報を直接伝達するか、データベース(例えば、組織と識別コードとを結び付けるデータベース)からイベントに関する情報を検索するために用いられる識別コードを提供できる。
【0033】
識別子は、伝導率の制御により生じる電流特性、RF信号、磁気信号、導電性(近接場)信号、音響信号などを含む種々の異なる種類の信号を生成できるが、生成できる信号はそれらに限定されない。識別子の伝送時間は異なり得、特定の例示では、1分〜10分を含む1秒〜4時間、0.1マイクロ秒〜4時間以上、0.1マイクロ秒〜24時間以上、0.1マイクロ秒〜48時間以上の範囲を含んでもよい。所定の実施形態に応じて、識別子は、固有の電流特性を一回生成できる。代替的に、識別子は、別個の同一信号の収集が冗長信号として集合的に参照されてもよい場合には、同一の情報(同一信号)を有する固有の電流特性を2回以上生成するように構成されてもよい。
【0034】
一部の例示では、識別子マーカは、消化管のある位置に到達した時点でその位置に留まるように構成されてもよい。例えば、マーカは、消化管の内側の位置に接触すると、それをその位置に留まらせる粘膜接着要素を含んでもよい。このような実施形態の使用例では、粘膜接着要素を含む複合的な識別子装置が被験者に投与される。マーカは、胃の異なる位置に付着し、異なる位置から信号を送信する。複合的な異なる信号が、経時的にモニタされ得る胃のマップを作成するために用いられてもよい。所望に応じて、このマップは、例えば食事中、絶食中などの異なる状況に応じてモニタされてもよい。
【0035】
識別子は、胃などの標的生理学的位置に接触して活性化される(すなわち起動する)限り、特定の実施形態および構成が意図する用途に応じて異なり得る。識別子は、胃酸により機能する電池などの活性化部品、および送信要素を含んでもよい。関心の有る異なる種類の識別子は、その開示が本明細書に参考として援用される、国際公開第2006/116718号として公開されたPCT出願PCT/US2006/016370、国際公開第2008/052136号として公開されたPCT出願PCT/US2007/082563、国際公開第2008/063626号として公開されたPCT出願PCT/US2007/024225、国際公開第2008/066617号として公開されたPCT出願PCT/US2007/022257、国際公開第2008/095183号として公開されたPCT出願PCT/US2008/052845、国際公開第2008/101107号として公開されたPCT出願PCT/US2008/053999、国際公開第2008/112577号として公開されたPCT出願PCT/US2008/056296、国際公開第2008/112578号として公開されたPCT出願PCT/US2008/056299、PCT出願PCT/US2008/077753、および米国特許出願第12/564,017号(2009年9月21日出願)に開示された識別子を含むが、それらに限定されない。
【0036】
前述の識別子部品に加えて、本発明の方法に用いられる識別子装置は、賦形剤部品と結合するものでもよい。賦形剤部品は、詰物、結合剤、錠剤分解物質、着色剤などを含む1つ以上の構成物質を含んでもよいが、それらに限定されない。関心の有る賦形剤部品は、その開示が本明細書に参考として援用される、国際公開第2006/116718号として公開されたPCT出願PCT/US2006/016370においてさらに再検討される。本発明の構成に存在し得る部品のさらなる開示は、ペンシルベニア州フィラデルフィアのメイス出版社のレミントンの薬学(第17版(1985))に記載される。識別子装置は、種々の異なる形状に構成され得る。関心の有る形状には、例えば錠剤、粉末剤、被膜グラニュール、充てん剤入りカプセルなどの固形剤が含まれる。
【0037】
特定の方法では、識別子装置は、薬学的な活性薬剤を含まない。このように、識別子、および任意の賦形剤部品または識別子装置を構成する部品は、活性薬剤を含まない。さらなる別の実施形態では、識別子装置は活性薬剤を含む。本明細書に用いられる用語「活性薬剤」は、人間などの生体に接触して例えば有益または有用な生理学的結果を生じる任意の合成物を含む。活性薬剤は、例えば詰物、結合剤、着色剤などの賦形剤部品とは区別されうる。活性薬剤は、生存する被験者の生物学的過程を調節できる任意の微粒子でもよい。一部の例示では、活性薬剤は、病気の診断、治療、または予防に用いられる物質、または薬剤の部品としての物質でもよい。関心の有る活性薬剤の広義のカテゴリには、心血管作動薬、例えば鎮痛剤、麻酔剤、抗炎症薬などの痛み止めの薬、神経活性剤、化学療法剤(抗新生物薬など)などが含まれるが、それらに限定されない。関心の有る活性薬剤は、その開示が本明細書に参考として援用される、国際公開第2006/116718号として公開されたPCT出願PCT/US2006/016370にさらに開示される。
【0038】
所定の識別子装置は、単一の識別子、または2つ以上の識別子を含んでもよい。識別子は、マーカの他の部品に関連して、種々の異なる構造で配置されてもよい。マーカが賦形剤として錠剤を含む場合には、錠剤賦形剤の表面に1つ以上の識別子が配置されてもよい。一部の例示では、マーカは、摂取可能な容器内に存在する2つ以上の識別子から構成される。例えば、複合的な識別子装置の識別子は、胃液に接触すると溶解する物質から加工されたカプセル内に存在できる。キャリア部品が加工され得る関心の有る物質には、従来の薬剤カプセルの調剤に用いられる生理学的に容認可能な高分子材料が含まれる。物質は、透明または不透明でもよく、所望に応じて着色される。関心のあるのは堅い材料と弾性材料との両方にである。本発明のキャリア部品の加工に適したポリマは、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのプルラン、カラギナン、キサンタン、キトサン寒天ガム、およびセルロース系材料を含む天然および合成多糖;ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、PEGとPEOとの混合体;(EUDRAGIT E(登録商標)、EUDRAGIT L(登録商標)、および/またはEUDRAGIT S(登録商標)メタクリル酸ポリマ)、EUDRAGIT RL(登録商標)および/またはEUDRAGIT RS(登録商標)のアンモニウムメタクリル樹脂共重合体、アクリルおよびメタクリル酸ベースポリマ;ポビドン(ポリビニルピロリドン)、(GELUCIRE 44/14(登録商標)、GELUCIRE 50/02(登録商標)、GELUCIRE 50/13(登録商標)、およびGELUCIRE 53/10(登録商標)ポリマなどの)ポリ解糖グリセリド、(CARBOPOL(登録商標)ポリマなどの)カルボキシビニルポリマ、(POLOXAMER188(登録商標)ポリマなどの)ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとの共重合体などが含まれるが、それらに限定されない。カプセル部品は、鋳造などを含む任意の適切なプロトコルを用いて加工され得る。関心の有る製造プロトコルは、その開示が本明細書に参考として援用される、米国特許出願第5,705,189号、第4,576,284号、第4,591,475号、第4,655,840号、第4,738,724号、第4,738,817号、および第4,790,881号に開示されるものを含むが、それらに限定されない。代替的に、カプセル部品は、クオリキャップス社、ホィットセットNCなどの商業的企業から取得することができる。
【0039】
被験者の内臓筋電図を生成する方法がさらに提供される。前述したように、内臓筋電図は、被験者の内臓または臓器の筋電活動に関する情報を示すグラフレポート(物理的な媒体に書き込めるし、モニタ表示もできる)などの任意の利用可能なデータの明示方法により示される。関心の有る内臓には、胃および腸などの消化管の臓器などの運動性に関与する臓器が含まれる。このように、本発明のシステムにより生成された内臓筋電図には、腸筋電図および胃筋電図が含まれる。関心の有るさらなる内臓には、例えば膀胱などの尿道の臓器が含まれる。
【0040】
本発明が実施される方法では、胃または腸などの関心の有る内臓により生成された電気信号(例えば筋電信号)は、前述のシステムの1つ以上の身体結合信号受信機を用いて検出される。検出された電気信号データは、次に、データを受信して、受信データから所望の内臓筋電図を生成する体外データ処理装置に転送される。所定の方法は、一定期間電気信号を検出することを含んでもよい。この一定期間には、例えば1時間以上、2時間以上、12時間以上、1日以上、2日以上、1週間以上、2週間以上、1カ月以上、6カ月以上、および1年以上が含まれる。本発明のシステムが携帯用である場合には、データが検出され得、所望に応じてこれらの一定期間以上連続的に記録されてもよい。
【0041】
特定の用途に応じて、身体結合信号受信機は、関心の有る臓器に応じた種々の異なる構造で配置されてもよい。例えば、単一の身体結合信号受信機が用いられる場合には、この方法は、関心の有る臓器に近接した位置に単一の受信機を初期に配置または埋め込むことを含んでもよい。関心の有る臓器が胃である場合には、単一の受信機は、所望に応じて、腹部または胸骨領域に配置されてもよい。2つ以上の信号受信機を含む他のシステムでは、受信機は、身体の種々の位置に配置されてもよい。例えば、方法は、(例えば、識別子装置が消化管に到達する際に三角形の頂点位置に配置されるように)腹部の別々の位置における2つ以上の別個の受信機の配置、または腹部前部における第1の受信機および腹部後部における第2の受信機の配置を含んでもよい。後者の構造は、例えば臓器を通るインピーダンスを測定するために、受信機が標的臓器の互いに反対側に配置される代表的な例である。胃を通るインピーダンスの測定は、本発明の内臓筋電図と併せて、またはそれ単独で用いられてもよく、胃の運動性を判断する独立した方法として利益がある。例えば、胃を通るインピーダンスの測定値は、胃が満杯か空かによって異なる。食糧摂取後の経過時間にインピーダンスを関連させて、胃の運動性が容易に測定される。
【0042】
一部の例示では、識別子装置の識別子は、周囲環境に敏感である。環境に敏感とは、識別子が、応答するように設計された1つ以上の条件に接触する際に活性化するように構成されることを意味する。関心の有る識別子が応答するように構成された環境条件には、温度、圧力、pH、検体の有無などが含まれる。一部の例示では、識別子は、酸性またはアルカリ性条件などの所定のpH条件に応答するように構成されることを意味するpH感受性である。例えば、識別子は、酸性pH(pH6以下などのpH6.5以下など)の流体に接触する際、またはアルカリ性pH(pH8以上などのpH7.5以上など)の流体に接触する際に(信号の活性化および送信などによって)応答するように構成されてもよい。環境に敏感な識別子が、それが暴される所定の条件または2つ以上の条件の組に応答する場合には、所定の条件または条件の組に接触して信号を活性化および送信するように構成される。
【0043】
本発明のpH感受性の識別子装置では、多くの異なる方法によりpH感度がマーカに伝えられる。例えば、マーカは、それに応答して識別子を配置および活性化できる、所定の周囲環境でのpHを検出するように構成されるpHセンサ要素を含んでもよい。一体的なpHセンサを有する識別子の一例として、集積回路および3つの異なる電極要素を含む識別子がある。3つの異なる電極要素のうちの2つは、送信モード中に部分的な電源の一部として機能し、3番目は、導電性媒体と識別子の接触により生成される電池部品の検出モード中活動して使われる。さらに、前述の第3番目は、(プラチナまたは他の適する材料などから加工される)電池電極各々用の対極として機能する。集積回路は、バンドギャップ基準をさらに含む。作動中、識別子が胃液などの適切な導電性媒体に接触すると、電池電極は、集積回路のクロック部品を含む集積回路の作用電圧を提供する。識別子は、電気回路および電池電極の電圧のバンドギャップ基準からの温度を表示する1つ以上の信号を送信する。さらに、識別子からの送信は、各電池電極(例えば、電池電極1vプラチナ基準電極および電池電極2vプラチナ基準電極)に関する基準電極の電圧を提供する1つ以上の信号である。これらの電圧は、周囲環境のpHおよび温度に関連する。これらの信号は、デジタル信号、周波数、負荷サイクルとして送信されてもよい。このような識別子を使って、送信された1つ以上の信号は、次に、例えば身体結合受信機および/または体外データ処理装置により処理される。これにより、ルックアップテーブルまたは適切なアルゴリズムなどを用いて、温度および電池または基準電極電圧量を示す信号をpH値に変換する。pH感度を所定のマーカに伝えるのに用いられる別の方法には、識別子の活性化部品(電池要素など)を覆うpH感受性被膜の使用が含まれる。このpH感受性被膜は、所望のpH条件が存在する場合にのみ、活性化部品を露出するように溶解する。関心の有るpH感受性被膜は、酢酸フタル酸セルロース、EUDRAGIT L(登録商標)、EUDRAGIT S(登録商標)、EUDRAGIT FS(登録商標)、およびセルロース誘導体の他のフタル酸塩を含むが、それらに限定されない。環境感度を得るために用いられるさらなるマーカ構造は、その開示が本明細書に参考として援用される、国際公開第2008/052136号として公開されたPCT出願PCT/US2007/082563に記載された構造を含むが、それに限定されない。
【0044】
一部の例示では、pH感度は、さらされる周囲環境における特定のpHに応じて異なる信号を送信する識別子装置により提供される。例えば、識別子は3つの電極を含んでもよい。その1つは、特定のpHにおいてのみ電極を露出するように溶解するpH感受性被膜により被膜される。この種類の識別子では、被膜されていない電極により第1の信号が送信され、第1の信号と区別される第2の信号は、電極の被膜が溶解などにより除去される際に電極から送信される。さらに別の例では、識別子は、例えばpH感受性被膜により閉じられた室内に薬剤を存在させて、特定のpHにさらされたときに放出する化学剤を含んでもよい。pH感受性被膜が除去されると、薬剤は放出し、識別子を送信した信号を変更する。
【0045】
識別子にpH感度を提供するさらなる別の方法は、識別子の周囲環境のpHにより伝導率が変更する仕掛け線などの要素を提供することである。例えば、識別子は、特定のpHにさらされたときに溶解する導電性配線またはワイヤを含んでもよい。この要素のpH感度は、要素の材料(例えば、酸性条件において溶解するマグネシウム、亜鉛または他の金属)および/または適した被膜によって提供されてもよい。要素が存在するときに識別子から第1の信号が送信され、そして要素が溶解、さもなければ破損したときに識別子から第2の信号が送信される。代替的に、識別子は、特定のpHにさらされたときに生成される導電性配線またはワイヤを含んでもよい。例えば、導電性要素を生成するために、微量の銅塩素は、酸性条件にさらされると銅金属に変更する。さらに、材料は、pH感度を識別子に分け与える適切な被膜に覆われてもよい。導電性要素が存在しない場合には、第1の信号が識別子により送信され、要素が生成されるときに、第2の信号が識別子により送信される。
【0046】
所定の方法は、単一の識別子装置、第1、第2などの2つ以上の識別子装置、3つ以上の識別子装置でさえも被験者に投与することを含んでもよい。このように、所定の方法は、単一の識別子装置の投与を含み得る。代替的に、所定の方法は、3以上、4以上、5以上、10以上、15以上、20以上などの2つ以上の識別子装置を被験者に投与することを含んでもよい。所定の方法で複合的な識別子装置が用いられた場合に、それらは、同時または異なる時間に被験者に投与されてもよい。
【0047】
前述したように、用いられる識別子装置は、環境に敏感でもよい。一部の例示において2つ以上の環境に敏感な識別子装置が用いられた場合には、識別子装置は、異なる環境条件に応答してもよい。このように、所定の方法は、第1の環境条件(例えば酸性条件)に応答する第1の環境に敏感なマーカ、および第2の環境条件(例えばアルカリ性条件)に応答する第2の環境に敏感なマーカを被験者に投与することを含む。このような例では、マーカは、pHなどの種々の異なる種類の環境条件に敏感でもよい。
【0048】
マーカの投与は、所望に応じて、飲物および/または食品の投与と調合されてもよい。例えば、被験者は、所望に応じて、一日の種々の時刻に、特定の種類の食品または食事を含む食べ物、又は、液体でもって、マーカを摂取するか、絶食中に摂取するように指示されてもよい。これにより、例えばカロリー摂取量等、他の関連情報に関する情報を取得できる。
【0049】
前述のように、被験者への1つ以上の識別子装置の投与の後に、1つ以上の識別子装置から送信された一つ以上の信号は、システムの身体結合受信機により検出される。電流検出は、被験者の皮膚および他の体内組織を介して達成される。一部の例示では、受信機は、摂取可能なイベントマーカまたはイオン放射モジュールなどの、各識別子装置からの複合的な固有の電流特性を同時に検出するように構成される。識別子装置各々から送信された異なる固有の電流特性の数は、2以上、5以上、10以上でもよい。
【0050】
体外データ処理装置にデータを供給するために、信号受信機は、前述の被験者の外側の位置に受信信号データを再送信するように構成され得る。代替的に、信号受信機は、外側の位置に受信信号データを提供するために、外部質問装置により問い合わせできるように構成されてもよい。この判断に用いられる特定のプロトコルは、決定される特定の機能に応じて異なり得る。一部の例では、判断プロトコルは、関心の有る所定の環境条件と接触する識別子装置の信号表示の検出に基づいて決定される。例えば、判断プロトコルは、GERDの有無を確定するのに用いられる、胃または食道における低いpHなどの特定の生理学的位置における特定のpHの検出に基づくものでもよい(下により詳細に記載する)。これらの種類の判断プロトコルでは、単一の識別子装置が採用されてもよく、複合的な識別子装置が採用されてもよい。例えば、2つのマーカが異なる位置で信号を送信するように構成された場合、異なる符号化信号を送信する2つ以上の識別子装置の組が用いられてもよい。
【0051】
代替的に、例えば各識別子装置が異なる標的生理学的位置で活性化するように構成された場合では、各識別子装置は、異なる生理学的標的部位でその信号を送信するように構成されてもよい。例えば、第1の識別子装置は口で活性化されてもよく、第2の識別子装置は食道で活性化されてもよく、第3の識別子装置は小腸で活性化されてもよく、そして第4の識別子装置は大腸で活性化されてもよい。このような識別子装置の組は、例えば消化管内の運動性、胃内容排出などの消化器系の機能を決定するための診断的用途において用いられてもよい。例えば、各識別子装置がその各々の信号を送信するときを示すことによって、時間対信号の図表が生成され得られ、これより、消化管機能に関する情報が得られる。
【0052】
所定の環境条件(pH値など)への識別子装置の接触による信号表示を用いる代わりに、用いられる判断プロトコルは、投与後の時間および位置に関する検出信号をモニタできる。このような情報は、消化管機能の種々の態様を決定するのに用いられてもよい。この機能には、胃内容排出時間、小腸通過時間、結腸通過合計時間などの、胃腸通過合計時間または消化管の特定の一部の通過時間などが含まれる。
【0053】
所定の判断プロトコルは、識別子装置22から単独で得られるデータを用いるものでもよく、または識別子装置から得られたデータと、生理学的データ(胃筋電図、温度、心拍数、血圧などを含むが、それらに限定されない)、非生理学的な患者特定データ(性別、年齢、身長、体重、薬歴、授乳歴、運動歴などを含むが、それらに限定されない)、周囲環境データ(気温、圧力などを含むが、それらに限定されない)などの1つ以上の他の種類のデータと、胃筋電図を含む、腸筋電図などの内臓筋電図を得るように構成された身体結合信号受信機から得られる信号とを用いるものでもよい。内臓筋電図を得るのに用いられる特定プロトコルは異なり得る。例えば、特定プロトコルは、関心の有る臓器により生成された電気信号表示データ、すなわち臓器特定筋電気データを単独で用いてもよい。代替的に、特定プロトコルは、臓器特定筋電気データと、前述のさらなる種類のデータとを用いてもよい。特定のプロトコルは、基準からの偏差を識別するためのデータの問い合わせ、換言すれば制御に関心の有る比較データを含んでもよい。別の方法では、pHに関連するデータと筋電活動に関連するデータとを組み合わせることによって、診断および意思決定用の強力な手段を医師に提供する。所定のプロトコルは、所望に応じて、雑音除去アルゴリズムの使用を含んでもよい。
【0054】
識別子装置が用いられる場合、所定のプロトコルは、所望に応じて、多数の異なる方法により識別子装置の信号を用いてもよい。例えば、識別子装置から送信された信号は、得られた内臓筋電図を独立して検定するのに用いられてもよい。一部の例示では、所定の方法に用いられるシステムは、投与および活性化からの時間に対して周波数が異なり得る信号を送信するように構成された識別子装置を用いる。これらの実施形態では、識別子装置から送信された信号の周波数の変化は、胃の波などの関心の有る筋電信号の臓器を強化または無効にするように設計されてもよい。例えば、識別子装置は、それが消化管を通過する際に、高周波数から低周波数に変化する信号を送信するように構成されてもよい。身体結合受信機から得られたデータは、次に、高周波数信号および低周波数信号の両方におけるマップの生成に用いられてもよい。高周波数信号は、それが消化管を通過する時間に対する識別子装置の位置のマップとして用いられてもよく、一方、低周波数信号は、信号対雑音比を高めるために用いられる臓器の筋電気波と共鳴する信号のみを用いて、胃筋電図を生成するのに用いられてもよい。
【0055】
図3に関連して前述したように、本発明の別の態様に従ったさらなる他のシステムでは、識別子装置は、関心の有る筋電信号をそれ自体が記録でき、これらの筋電信号に関する情報を含むデータを、身体結合受信機またはシステムの受信機に送信する。例えば、識別子装置は、関心の有る筋電信号を検出し、次に、検出された筋電気データを、システムの1つ以上の身体結合受信機に送信する機能ブロックを含むように構成されてもよい。
【0056】
所定の方法は、所望に応じて、そのスコアが単一値の形態であるか、関心の有る1つ以上のパラメータに対して詳細な値である場合(例えば、スコアが成績表の形態により提供される場合)に、臨床的な診断スコアを生成することを含んでもよい。本発明の内臓筋電図は、適切なアルゴリズムを用いてスコアを提供するために、1つ以上のさらなるデータストリームと組み合わさってもよい。本発明の方法は、種々の異なる種類の被験者に用いられてもよい。
【0057】
ここで図7を参照すると、患者または被験者の消化管における通過時間を決定するのに用いられる方法の概要が示される。患者には、3つの異なる識別子装置カプセル92が提供される。1つは午前中に摂取され、1つは午後に摂取され、1つは夜に摂取される。各カプセル92は、前述のマーカの組などの、消化管94の異なる位置に到達すると信号を送信するように構成された複合的な別個の識別子装置の組を含む。投与後、各カプセル92は、消化管94の胃の中で溶解し、その各々が固有の電流特性を生成する活動的なカプセル92aとして活性化する。識別子装置は、所定の位置に到達すると電流特性を送信する。電流信号中の符号化された情報は、受信機96により記録される。受信機96は、次に、PDAまたはラップトップコンピュータなどの体外データ処理装置98にデータを無線により転送する。処理装置98は、通過時間の結果(例えば通過合計時間、結腸通過時間など)を、ユーザに出力する(例えば、モニタにおけるグラフィカルユーザインターフェースに表示する)ために、受信データの判断プロトコルを実行する。PDAまたはラップトップコンピュータを通じてユーザに示されたグラフは、時間関数として胃の空のパーセントを示すグラフである。
【0058】
本発明の方法は、肉食動物(犬および猫など)、齧歯動物(ネズミ、テンジクネズミ、およびラットなど)、および霊長類(人間、チンパンジ、および猿など)などの「哺乳動物」を含む、種々の異なる種類の被験者に用いられてもよい。
【0059】
本発明の方法およびシステムは、胃筋電図のような腸筋電図などの内臓筋電図の生成が所望される、種々の異なる用途に用いられる。関心の有る用途は、本発明の腸筋電図が消化管機能を判断するために用いられる用途を含む。例えば、本発明の胃筋電図は、胃の運動性、胃の周期、消化管の通過時間、胃容積などの確定に用いられる。関心の有る応用には、被験者の消化管状態の診断および/またはモニタリングにおける本発明の内臓筋電図の使用が含まれる。本発明の胃筋電図を用いる被験者において判断され得る消化管疾患は、胃不全麻痺などの胃の運動性条件を含むが、それらに限定されない。関心応用のあるの一つには、被験者の胃の運動性条件の判断が含まれる。この判断には、(例えば、所定の治療プロトコルが、関心の有る胃の運動性条件において所望の治療効果があるか否かを決定するための)胃の運動性条件に関する被験者の治療の進展のモニタリングに加えて、被験者の胃の運動性状態の診断が含まれる。
【0060】
本発明の方法を用いて判断される胃の運動性条件の1つに胃不全麻痺がある。胃内容排出の遅延としても知られる胃不全麻痺は、胃の部分麻痺からなる病状であり、結果として、基準よりも長い期間胃に食品が留まる。胃不全麻痺は、迷走神経が損傷し、胃および腸の筋肉が正常に働かないときに起こる。これにより、食品は、消化管の中をゆっくりと移動するか停止する。胃不全麻痺に関連する症状には、嘔吐、腫脹、腹部の痛みまたは不快感、および早期の満腹感が含まれる。
【0061】
関心の有る被験者には、例えば、胃不全麻痺の1つ以上の症状による少なくとも疑わしい胃不全麻痺に苦しむ被験者が含まれる。個人の胃不全麻痺の判断において、識別子装置は、活性化するときに制御された電流特性を送信する。識別子装置が消化管に入ると、受信機の移動および配置は、時間関数としてモニタされ得る。例えば、時間関数として位置をプロットすることによって、識別子装置の摂取後に、識別子装置が胃を通過して小腸に入るときを容易に確定し、これにより、胃内容排出時間を確定する。代替的に、マーカが異なる環境条件に応答する2つ以上の識別子装置の組が用いられる。例えば、酸性条件に応答する第1の識別子装置と、アルカリ性条件に応答する第2の識別子装置とが投与される。これらが同時に投与された場合には、次に、各々の信号検出時間が記録され、マーカに応答する酸性pHとアルカリ性pHとからの信号が得られると、その比較により胃内容排出時間が容易に測定される。例えば、胃内容排出時間を測定するために、投与から酸性pHに応答するマーカからの信号検出までの時間は、投与からアルカリ性pHに応答するマーカからの信号検出までの時間から差し引かれてもよい。所望に応じて、時間関数として所定のパラメータ(例えば位置、pH、圧力など)のプロットは、胃内容排出の望むの測定を得るために用意してそして適切な制御プロット(換言すれば基準)比較されてもよい。
【0062】
本発明の用途に記述したように識別子装置を用いて、容易に変更され得る胃不全麻痺を判断する方法は、その開示が本明細書に参考として援用される、米国特許出願第7,160,258号および第7,141,016号に加えて、米国特許出願公開第20080287833号、第20080161643号、第20080064938号、および第20040162501号に開示のものを含むが、それらに限定されない。
【0063】
所望に応じて、本発明の方法は、胃不全麻痺を診断する1つ以上のさらなる方法と同時に用いられてもよい。例えば、本発明の方法は、被験者が胃不全麻痺の病気であるか否かの最初の決定または判断として用いられてもよい。この最初の決定の結果が肯定的である場合には、1つ以上のさらなる検査が、胃不全麻痺の有無を確認するのに実行されてもよい。この方法と同時に用いられ得るさらなる胃不全麻痺の診断検査は、症状および健康診断に基づく診断検査、同位体マーカ組成が摂取およびモニタされる診断検査、上部消化管内視鏡検査、胃および腸の筋肉の収縮により生成される圧力を測定するアントロ十二指腸運動性検査、胃の筋肉を移動し筋肉の収縮を制御する電気信号を記録する胃筋電図(EGG)などを含むが、それらに限定されない。
【0064】
所望に応じて、本発明の方法は、胃不全麻痺により苦しんでいる被験者を識別したときに、胃不全麻痺の被験者を処置することをさらに含んでもよい。また、より正常に接触するように胃を刺激して胃不全麻痺を処置する薬剤にも関心が有る。関心のある特定の薬剤は、メトクロプラミド、ドンペリドン、エリスロマイシン、オクトレオチドなどを含むが、それらに限定されない。所望に応じて、胃を空にする処置を容易にするために、胃と小腸との間に大きな開口を形成するなどの外科処置が行われてもよい。関心の有るさらなる治療プロトコルは、その開示が本明細書に参考として援用される、米国特許出願公開第20060029614号、第20050164925号、第20050106167号、第20050090554号、第20030059374号、および第20020143030号に記載されたものを含むが、それらに限定されない。
【0065】
本発明の方法が利用できる他の胃運動障害は、緩慢胃、急速胃、および胃の排尿開口部閉塞などの胃のリズム障害、骨盤底機能不全、慢性便秘、並びに糖尿病および/または自律性ニューロパシーの兆候である胃腸条件を含むが、それらに限定されない。本発明の胃筋電図が判断に利用できる他の種類の状態は、他の腸疾患、膀胱疾患、子供のアンジェルマン症候群、子宮内膜症を含むが、それらに限定されない。本発明の胃筋電図の用途は、その開示が本明細書に参考として援用される、米国特許出願公開第20050215917号に加えて、米国特許出願第5,704,368号および第6,351,665号に記載のものを含む。前述のように、本発明の方法がこのような状態の判断に用いられる場合には、この方法は、1つ以上のさらなる検査における診断の確認、および/または1つ以上の治療プロトコルにより診断された被験者の状態の処置をさらに含んでもよい。
【0066】
さらに、本発明の内臓筋電図は、種々の刺激に対する生理学的反応の判断に用いられてもよい。一部の例示では、本発明の胃筋電図は、異なる種類の食品に対する個人の反応を判断するのに用いられてもよい。例えば、観測される胃筋電図は、高カロリー含有食品と低カロリー含有食品とで異なる。それ故、種々の観測される胃筋電図は、例えば食餌療法において被験者の順守のモニタが希望されるような、個人の食事の判断に用いられてもよい。
【0067】
この方法が用いられる別の種類の被験者の消化管の状態には、機能性消化不良などの関連状態に加えてGERDが含まれる。これらの応用の対象となる関心のある被験者には、少なくともGERDにより苦しんでいると疑わしい人が含まれる。GERDの判断のために、識別子装置がpH感受性であり、所定の生理学的位置でpHが決定され得る信号を送信するように構成された場合、1つ以上の識別子装置が被験者に投与されてもよい。1つ以上の信号を受信するときにGERDの判断が得られてもよい。例えば、GERD苦しんでいる患者が所定の治療プロトコルによる場合には、本発明の方法は、患者が受ける治療プロトコルにかかわらずに低い胃のpHを識別するのに用いられてもよい。一部の方法で、この結果が治療プロトコルの変化を証明するのに用いられてもよい。代替的に、食道における低いpHが確定され得る信号を提供するように構成された識別子装置が用いられてもよい。このような環境応答性の識別子装置を用いて下部食道において検出された低いpHは、GERDの診断マーカとして用いられてもよい。
【0068】
所望に応じて、本発明の方法は、1つ以上のさらなるGERD診断方法と同時に用いられてもよい。関心の有るGERD診断方法は、バリウム嚥下X線、食道の検圧法、食道におけるpHの24時間のモニタリング、および食道胃十二指腸内視鏡検査(EGD)を含むが、それらに限定されない。本発明の方法は、本発明の方法によりGERDの判断後に、GERDに対する個人の治療をさらに含んでもよい。関心の有る薬理学的な治療プロトコルは、プロトンポンプ阻害薬(オメプラゾール、パントプラゾール、ランソプラゾール、およびラベプラゾールなど)、胃H2受容体遮断薬(ラニチジン、ファモチジン、およびシメチジンなど)、制酸薬、アルギン酸、プロキネティクス(シサプリドなど)、スクラルファート、クエン酸モサプリドなどの5−HT4受容体作用薬などを含むが、それらに限定されない。
【0069】
本発明は、説明した特定の実施形態に限定されず、というわけで異なってもよいことを理解されたい。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定的となることを意図しないことが理解される。それ故、本発明の範囲は、添付の請求項のみによって制限される。
【0070】
値の範囲が提供される場合は、文脈が明確に指示しない限り、下限の単位の10分の1までの各介在値は、その範囲の上限および下限とその規定値または介在値との間で、本発明に含有されることを理解されたい。これらのより狭い範囲の上限および下限は、より狭い範囲に独立して含まれてもよく、また、既定範囲内の任意の特異的に除外された限界に制約されて、本発明に含有される。既定範囲が限界の一方または両方を含む場合は、これらの含まれた限界のいずれか一方または両方を除外する範囲も、本発明に含まれる。
【0071】
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で説明されるものと同様または同等である任意の方法および材料も、本発明の実践または試験で使用することができるが、代表的な例示的方法および材料をここで説明する。
【0072】
本明細書で引用される全ての公報および特許は、各個別公報または特許が、参考として援用されることが特異的かつ個別に示されるかのように、本明細書に参考として援用される、かつ引用される公報と関連して方法および/または材料を開示および説明するように、本明細書に参考として援用される。任意の公報の引用が出願日以前の開示のためであり、本発明が以前の発明により、そのような公報に先行する権利がないという承認として解釈されるべきではない。さらに、提供された公報の日付は、独立して確認される必要があってもよい実際の公開日とは異なってもよい。
【0073】
本明細書および添付の請求項で使用されるような、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」という単数形は、文脈が明確に指定しない限り、複数形の指示対象を含むことに留意されたい。さらに、請求項は、いずれの随意的要素も除外するように起草されてもよいことに留意されたい。そのようなものとして、この記述は、請求項の要素の記載と関連した「だけ(solely)」、「のみ(only)」等の排他的用語の使用、または「消極的」限定の使用の根拠としての機能を果たすことを目的とする。
【0074】
ある範囲が、「約」という用語に先行されている数値とともに提示されている。「約」という用語は、それが先行する正確な数、並びにこの用語が先行する数に近いか、または近似的である数の文字支援を提供するために本明細書で使用される。数が具体的に記載された数に近いか、または近似的であるかどうかを決定する際に、近い、または近似的な記載されていない数は、それが提示されている文脈において、具体的に記載された数の実質的均等物を提供する数であってもよい。
【0075】
本開示を読むことで当業者にとって明白となるように、本明細書で説明および図示される個々の実施形態のそれぞれは、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のうちのいずれかの特徴から容易に分離されるか、または組み合わせられてもよい、異なる構成要素および特徴を有する。任意の記載された方法は、記載されたイベントの順番、または論理的に可能な任意の他の順番で実行することができる。
【0076】
前述の発明は、理解を明確にする目的で、例示および一例として、ある程度詳細に説明されているが、本発明の教示を踏まえて、添付の請求項の精神または範囲から逸脱することなく、ある変更および修正が本発明に行われてもよいことが、当業者に容易に理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筋電活動を検出するためのシステムであって、符号化情報を遠隔位置に送信する送信モジュールと、近接の周囲環境からの情報を収集する少なくとも1つのセンサ電極とを備えており、電位変化を検出できる受信機と、
第1の電極およびそれに固定された第2の電極を含むハウジングと、前記第1および第2の電極に電気的に連結されており、前記第1の電極と第2の電極との間の伝導率を変化させる制御装置と、前記第1および第2の電極に電気的に連結されており、周囲環境を読み取って情報を収集する検出装置とを備えており、前記受信機と通信する摂取可能な識別子と、を備えており、
前記第1の電極と前記周囲環境との間、および前記第2の電極と前記周囲環境との間の電子化学反応が、それぞれ、前記摂取可能な識別子に電力を供給するための電位を生成し、前記制御装置が、前記摂取可能な識別子を送信モードと検出モードとの間で切り替える、システム。
【請求項2】
前記摂取可能な識別子により生成された、固有の電流特性において符号化された前記情報が、前記摂取可能な識別子の活性化を前記受信機に指示する識別情報である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記摂取可能な識別子の固有の電流特性において符号化された前記情報が、検出段階中に収集された前記データを表す、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記受信機が、前記少なくとも1つのセンサ電極と離れて配置された第2のセンサ電極をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記受信機が、電位から生成された低周波数電流信号、および前記摂取可能な識別子により生成された高周波数電流信号を検出できる検出モジュールをさらに備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記摂取可能な識別子が、前記周囲環境の温度に反応してそれを記録できる温度センシングユニットをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記摂取可能な識別子が、前記周囲環境の温度を測定できるセンサを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記摂取可能な識別子が、前記周囲環境のpH値を測定できるセンサを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記摂取可能な識別子と通信する第2の摂取可能な識別子をさらに備えており、前記第2の摂取可能な識別子が送信モードであるときに前記摂取可能な識別子が検出モードであり、これにより前記摂取可能な識別子が通信する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
少なくとも3つの電極を備える第2の受信機をさらに備えており、前記第2の受信機の前記電極各々が、前記摂取可能な識別子各々により検出された制御信号を送信して、被験者の体内に検出配列を生成し、前記摂取可能な識別子各々の位置が決定される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記摂取可能な識別子が酸性条件を測定し、前記第2の摂取可能な識別子がアルカリ性条件を測定する、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記受信機からのデータを受信し、前記受信データから内臓筋電図を生成するように構成された体外データ処理装置をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記摂取可能な識別子が前記ハウジングに固定されたディスクを備えており、前記ディスクが不伝導であり、前記検出モード中に前記摂取可能な識別子が筋電活動に関連するデータを記録し、送信段階中に前記摂取可能な識別子が前記データを含む固有の電流特性を生成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記検出モード中に前記摂取可能な識別子が、埋め込み型デバイスに関連するデータを検出および記録し、送信段階中に前記摂取可能な識別子が、前記データが符号化された固有の電流特性を生成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
検出された筋電活動に基づいて被験者用の内臓筋電図を生成するシステムであって、
、前記被験者の筋電活動に関連する電位変化を検出するための、そこに固定された少なくとも2つの電極を有するハウジングと、前記検出された筋電気情報を受信し、符号化されたメッセージを供給する処理装置と、前記ハウジングに固定されており、前記処理装置に電気的に連結された送信モジュールであって、前記処理装置からの前記符号化メッセージを受信する送信モジュールと、を備えており、被験者に関連する電位変化を検出できる受信機と、
前記送信された符号化メッセージを受信し、前記送信された符号化メッセージを復号して復号メッセージを生成する、前記送信モジュールと通信する受信機モジュールと、前記復号メッセージを受信して前記内臓筋電図を生成する表示モジュールと、を備える復号システムと、を備えているシステム。
【請求項16】
前記受信機と通信する識別子装置をさらに備えており、前記識別子装置が、
その異なる面に固定された第1の材料および第2の材料を含むハウジングであって、前記第1および第2の材料が、導電性流体に接触する際に電気化学的電位差を生成するように選択される、ハウジングと、
前記第1および第2の材料間に配置されており、前記ハウジングに固定された不伝導の薄膜と、
前記第1および第2の材料に電気的に連結されており、前記第1および第2の材料間の伝導率パスを変化させて、前記受信機に検出され得る固有の電流特性を生成する制御装置と、を備えている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記識別子装置が、前記第1および第2の材料に電気的に連結された検出装置をさらに備えており、前記検出装置が、周囲環境を読み取って情報を収集する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記制御装置が、前記識別子装置を送信モードと検出モードとの間で切り替える、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
検出モード中に動作する前記識別子装置が、埋め込み型のパルス発生器に関連する情報を収集し、送信モード中に前記識別子装置が、前記埋め込み型のパルス発生器に関連する前記情報を含む固有の電流特性を生成する、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記周囲環境に関して収集された前記情報が筋電活動であり、前記識別子装置が、生理学的パラメータを検出し、前記生理学的パラメータに関連するデータと、筋電活動に関連する前記データとを結合するセンサを含み、送信モード中に前記識別子装置が、前記結合情報を含む固有の電流特性を生成する、請求項18に記載のシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−511961(P2012−511961A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540911(P2011−540911)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2009/067584
【国際公開番号】WO2010/068818
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(505222679)プロテウス バイオメディカル インコーポレイテッド (65)
【Fターム(参考)】