携帯端末、テザリング端末、ネットワーク接続システム及びネットワーク接続方法
【課題】複数のテザリング端末からユーザにとって適切なテザリング端末を選択する。
【解決手段】携帯端末2は、ネットワークへの接続要求に基づいて、自端末と端末間通信が可能な一つ以上のテザリング端末を検索する端末検索部203と、端末検索部203によって検索されたテザリング端末からテザリング処理のための条件情報を取得する条件情報取得部204と、条件情報取得部204によって取得された条件情報に基づいて、テザリング対象とする一つのテザリング端末3を選択する端末選択部205と、端末選択部205によって選択されたテザリング端末を介してネットワークに接続するインターネット接続部206と、を備える。
【解決手段】携帯端末2は、ネットワークへの接続要求に基づいて、自端末と端末間通信が可能な一つ以上のテザリング端末を検索する端末検索部203と、端末検索部203によって検索されたテザリング端末からテザリング処理のための条件情報を取得する条件情報取得部204と、条件情報取得部204によって取得された条件情報に基づいて、テザリング対象とする一つのテザリング端末3を選択する端末選択部205と、端末選択部205によって選択されたテザリング端末を介してネットワークに接続するインターネット接続部206と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末、テザリング端末、ネットワーク接続システム及びネットワーク接続方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等の携帯電話を外部モデムとして用いて、ノートPC(Personal Computer)やPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末を、携帯電話回線を通じてインターネットに接続させるテザリングが知られている。また、従来、無線通信ネットワークにアクセスすることができる複数の接続候補通信装置のうち、無線信号の強度の値が最も大きい無線信号を送信した接続候補通信装置と通信を行う通信装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−101293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、携帯端末の周辺にテザリングが可能な携帯電話(以降、テザリング端末)が複数ある場合、従来、テザリングを行いたい携帯端末のユーザは、一つのテザリング端末を手動で選択する必要があった。一方、特許文献1では、無線通信ネットワークにおいて、複数の接続候補通信装置から無線信号の強度に基づいて接続候補通信装置を選択する技術が開示されている。しかしながら、当該技術をテザリング端末の選択に適用しても、ユーザにとって適切なテザリング端末を選択することができなかった。例えば、携帯端末の周辺の複数のテザリング端末のうち、無線信号の強度は強いが電池残量の少ないテザリング端末を選択した場合、テザリングを行える時間は少なく、携帯端末のユーザの利便性が低下する。
【0005】
そこで、本発明は、かかる課題に鑑みて為されたものであり、複数のテザリング端末からユーザにとって適切なテザリング端末を選択することができる携帯端末、テザリング端末、ネットワーク接続システム及びネットワーク接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の携帯端末は、ネットワークへの接続要求に基づいて、自端末と端末間通信が可能な一つ以上のテザリング端末を検索する端末検索手段と、端末検索手段によって検索されたテザリング端末からテザリング処理のための条件情報を取得する条件情報取得手段と、条件情報取得手段によって取得された条件情報に基づいて、テザリング対象とする一つのテザリング端末を選択する端末選択手段と、端末選択手段によって選択されたテザリング端末を介してネットワークに接続するネットワーク接続手段と、を備える。
【0007】
また、本発明のネットワーク接続方法は、携帯端末が、ネットワークへの接続要求に基づいて、自端末と端末間通信が可能な一つ以上のテザリング端末を検索する端末検索ステップと、携帯端末が、端末検索ステップにおいて検索されたテザリング端末からテザリング処理のための条件情報を取得する条件情報取得ステップと、携帯端末が、条件情報取得ステップにおいて取得された条件情報に基づいて、テザリング対象とする一つのテザリング端末を選択する端末選択ステップと、携帯端末が、端末選択ステップにおいて選択されたテザリング端末を介してネットワークに接続するネットワーク接続ステップと、を含む。
【0008】
このような携帯端末及びネットワーク接続方法によれば、ネットワークへの接続要求に基づいて、自端末と端末間通信が可能な一つ以上のテザリング端末が検索され、検索されたテザリング端末からテザリング処理のための条件情報が取得され、取得された条件情報に基づいて、テザリング対象とする一つのテザリング端末が選択され、選択されたテザリング端末を介してネットワークに接続される。かかる構成を採れば、テザリング処理のための条件情報に基づいて、ユーザにとって適切なテザリング端末を選択することができる。
【0009】
また、本発明の携帯端末は、テザリング対象とするテザリング端末を選択するための優先順位付けをテザリング端末の条件情報に基づいて行う優先順位ロジックを記憶する優先順位ロジック記憶手段を更に備え、端末選択手段は、更に、優先順位ロジック記憶手段によって記憶された優先順位ロジックに基づいて、テザリング端末を選択する、ことが好ましい。かかる構成を採れば、携帯端末に予め記憶された優先順位ロジックに基づいて、ユーザにとって適切なテザリング端末を選択することができる。
【0010】
また、本発明の優先順位ロジック記憶手段は、ネットワークへの接続要求を行うアプリケーションごとに優先順位ロジックを記憶し、端末選択手段は、更に、ネットワークへの接続要求の要求元であるアプリケーションに基づいて、テザリング端末を選択する、ことが好ましい。かかる構成を採れば、ネットワークへの接続要求を行うアプリケーションごとに、ユーザにとって適切なテザリング端末を選択することができる。
【0011】
また、本発明の携帯端末において、条件情報は、電池残量、充電中の有無、及びネットワーク契約内容の何れか一つ以上の情報を含む、ことが好ましい。かかる構成を採れば、テザリング端末の電池残量、充電中の有無、またはネットワーク契約内容に基づいて、ユーザにとって適切なテザリング端末を選択することができる。
【0012】
また、本発明の携帯端末は、ネットワーク接続手段によってネットワークに接続された後に、当該ネットワークに接続するために介しているテザリング端末から条件情報を取得する条件情報再取得手段と、条件情報再取得手段によって取得された条件情報に基づいて、異なるテザリング端末を介してネットワークに再接続するか否かを判定する端末切替判定手段と、端末切替判定手段によって再接続すると判定された場合、異なるテザリング端末を選択する端末再選択手段と、端末再選択手段によって選択されたテザリング端末を介してネットワークに再接続するネットワーク再接続手段と、を備えることが好ましい。
【0013】
このような携帯端末によれば、ネットワーク接続手段によってネットワークに接続された後に、当該ネットワークに接続するために介しているテザリング端末から条件情報が取得され、取得された条件情報に基づいて、異なるテザリング端末を介してネットワークに再接続するか否かが判定され、再接続すると判定された場合、異なるテザリング端末が選択され、選択されたテザリング端末を介してネットワークに再接続される。かかる構成を採れば、テザリング端末の状況に応じて、異なるテザリング端末に変更することができるため、ユーザにとって適切なテザリング端末を状況に応じてリアルタイムに選択することができる。
【0014】
また、本発明のネットワーク再接続手段は、ネットワークに再接続する際に、アプリケーション層の接続を維持する、ことが好ましい。かかる構成を採れば、テザリング端末が変更される場合でも、アプリケーション層の接続が維持されるため、ユーザの利便性が向上する。
【0015】
また、本発明のテザリング端末は、携帯端末と端末間通信が可能なテザリング端末として携帯端末から自端末が検索された際に、携帯端末にテザリング処理のための条件情報を送信する条件情報送信手段と、条件情報送信手段によって送信された条件情報に基づいて携帯端末が自端末をテザリング対象とするテザリング端末として選択した後、自端末を介してネットワークに接続する要求を携帯端末から受信した際に、テザリングを行うテザリング手段と、を備える。
【0016】
このようなテザリング端末によれば、携帯端末と端末間通信が可能なテザリング端末として携帯端末から自端末が検索された際に、携帯端末にテザリング処理のための条件情報が送信され、送信された条件情報に基づいて携帯端末が自端末をテザリング対象とするテザリング端末として選択した後、自端末を介してネットワークに接続する要求を携帯端末から受信した際に、テザリングが行われる。かかる構成を採れば、テザリング処理のための条件情報に基づいて、ユーザにとって適切なテザリング端末を選択することができる。
【0017】
また、本発明のテザリング端末は、テザリングを行う携帯端末の優先順位を記憶する優先順位記憶手段と、テザリング手段によってテザリングを行っている際に、端末間通信が可能なテザリング端末として異なる携帯端末から自端末が検索された場合、優先順位記憶手段によって記憶された優先順位に基づいて、現在行っているテザリングを終了して異なる携帯端末に対してテザリングを行うか否かを判定するテザリング切替判定手段と、テザリング切替判定手段によって現在行っているテザリングを終了して異なる携帯端末に対してテザリングを行うと判定された場合、当該テザリングの切り替えを行うテザリング切替手段と、を更に備える、ことが好ましい。
【0018】
このようなテザリング端末によれば、テザリングを行う携帯端末の優先順位が記憶され、テザリング手段によってテザリングを行っている際に、端末間通信が可能なテザリング端末として異なる携帯端末から自端末が検索された場合、記憶された優先順位に基づいて、現在行っているテザリングを終了して異なる携帯端末に対してテザリングを行うか否かが判定され、現在行っているテザリングを終了して異なる携帯端末に対してテザリングを行うと判定された場合、当該テザリングの切替が行われる。かかる構成を採れば、テザリング端末に予め記憶された優先順位に基づいて、ユーザにとって適切なテザリング端末を選択することができる。
【0019】
また、以下に記載する通り、本発明は携帯端末、テザリング端末、及びネットワーク接続方法の他に、ネットワーク接続システムとして捉えることができる。これら発明は、カテゴリーが異なるものであり、端末と同様の作用効果を奏するものである。
【0020】
本発明のネットワーク接続システムは、テザリング端末と、テザリング端末を介してネットワークに接続する携帯端末とを含むネットワーク接続システムであって、携帯端末は、ネットワークへの接続要求に基づいて、自端末と端末間通信が可能な一つ以上のテザリング端末を検索する端末検索手段と、端末検索手段によって検索されたテザリング端末からテザリング処理のための条件情報を取得する条件情報取得手段と、条件情報取得手段によって取得された条件情報に基づいて、テザリング対象とする一つのテザリング端末を選択する端末選択手段と、端末選択手段によって選択されたテザリング端末を介してネットワークに接続するネットワーク接続手段と、を備え、テザリング端末は、携帯端末と端末間通信が可能なテザリング端末として携帯端末から自端末が検索された際に、携帯端末にテザリング処理のための条件情報を送信する条件情報送信手段と、条件情報送信手段によって送信された条件情報に基づいて携帯端末が自端末をテザリング対象とするテザリング端末として選択した後、自端末を介してネットワークに接続する要求を携帯端末から受信した際に、テザリングを行うテザリング手段と、を備える。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、複数のテザリング端末からユーザにとって適切なテザリング端末を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係るネットワーク接続システムのシステム構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る携帯端末の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るテザリング端末の構成を示す機能ブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る携帯端末のハードウェア構成を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るテザリング端末のハードウェア構成を示す図である。
【図6】本発明の実施形態における優先順位ロジック記憶テーブルの例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係るネットワーク接続システムで実行されるネットワーク接続方法の処理を示すシーケンス図(その1)である。
【図8】本発明の実施形態に係るネットワーク接続システムで実行されるネットワーク接続方法の処理を示すシーケンス図(その2)である。
【図9】本発明の実施形態に係るネットワーク接続システムで実行されるネットワーク接続方法の処理を示すフローチャート(その1)である。
【図10】本発明の実施形態に係るネットワーク接続システムで実行されるネットワーク接続方法の処理を示すフローチャート(その2)である。
【図11】本発明の実施形態に係るネットワーク接続システムで実行されるネットワーク接続方法の処理を示すフローチャート(その3)である。
【図12】本発明の実施形態に係るネットワーク接続システムで実行されるネットワーク接続方法の処理を示すフローチャート(その4)である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面とともに本発明による携帯端末、テザリング端末、ネットワーク接続システム及びネットワーク接続方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0024】
図1は、本実施形態のネットワーク接続システム1のシステム構成を示すシステム構成図である。図1に示す通り、ネットワーク接続システム1は、携帯端末2、テザリング端末3(テザリング端末3a、テザリング端末3b、及びテザリング端末3c)、APN4、及びネットワーク5を含んで構成されている。なお、以後、テザリング端末3a、テザリング端末3b、及びテザリング端末3cを総称してテザリング端末3と呼ぶ。
【0025】
携帯端末2は、携帯ゲーム機、PDA、ノートPC等の携帯端末であって、後述のテザリング端末3と、無線LAN通信等の無線ネットワーク通信により端末間通信を行うことができる。テザリング端末3は、テザリングが可能なスマートフォン等の携帯電話であって、携帯端末2と無線LAN通信等の無線ネットワーク通信により端末間通信を行うことができると共に、携帯電話回線を利用して後述のネットワーク5に接続することができる。APN4は、携帯電話回線を利用してネットワーク5に接続する際の接続先を示すAPN(Access Point Name)が示すサーバ装置である。テザリング端末3は、APN4を介してネットワーク5に接続する。ネットワーク5はインターネット等の公衆ネットワークである。
【0026】
本実施形態では、携帯端末2が何れか一つのテザリング端末3と無線LAN通信により端末間通信を行うことで接続し、接続したテザリング端末3が備えるテザリング機能により、携帯端末2はテザリング端末3を介してネットワーク5に接続する。
【0027】
図2は、携帯端末2の構成を示す機能ブロック図である。図2に示す通り、携帯端末2は、優先順位ロジック記憶部200(優先順位ロジック記憶手段)、インターネット接続要求受付部201、無線LAN接続部202、端末検索部203(端末検索手段)、条件情報取得部204(条件情報取得手段、条件情報再取得手段)、端末選択部205(端末選択手段、端末再選択手段)、インターネット接続部206(ネットワーク接続手段、ネットワーク再接続手段)、端末監視部207、及び端末切替判定部208(端末切替判定手段)を含んで構成される。
【0028】
携帯端末2は、CPU等のハードウェアから構成されているものである。図4は、携帯端末2のハードウェア構成図である。図2に示される携帯端末2は、物理的には、図4に示すように、CPU250、主記憶装置であるRAM251及びROM252、入出力装置253、無線LAN通信を行うための無線LAN通信モジュール254等を含むコンピュータシステムとして構成されている。
【0029】
図2に示す携帯端末2の各機能ブロックの機能は、図4に示すCPU250、RAM251等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU250の制御のもとで入出力装置253及び無線LAN通信モジュール254を動作させるとともに、RAM251におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
【0030】
図3は、テザリング端末3の構成を示す機能ブロック図である。図3に示す通り、テザリング端末3は、優先順位記憶部300(優先順位記憶手段)、無線LAN接続部301、条件情報送信部302(条件情報送信手段)、テザリング部303(テザリング手段、テザリング切替手段)、条件監視部304、及びテザリング切替判定部305(テザリング切替判定手段)を含んで構成される。
【0031】
テザリング端末3は、CPU等のハードウェアから構成されているものである。図5は、テザリング端末3のハードウェア構成図である。図3に示されるテザリング端末3は、物理的には、図5に示すように、CPU350、主記憶装置であるRAM351及びROM352、入出力装置353、無線LAN通信を行うための無線LAN通信モジュール354、携帯電話回線を利用してネットワーク5に接続するための携帯電話回線通信モジュール355等を含むコンピュータシステムとして構成されている。
【0032】
図3に示すテザリング端末3の各機能ブロックの機能は、図5に示すCPU350、RAM351等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU350の制御のもとで入出力装置353、無線LAN通信モジュール354、及び携帯電話回線通信モジュール355を動作させるとともに、RAM351におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
【0033】
以下、図2に示す携帯端末2の機能ブロックに基づいて、携帯端末2の各機能ブロックを説明する。
【0034】
優先順位ロジック記憶部200は、携帯端末2がテザリング対象とするテザリング端末3を選択するための優先順位付けをテザリング端末3の条件情報に基づいて行う優先順位ロジックを記憶する。ここで、条件情報とは、テザリング処理のための条件が含まれる情報であり、例えば、ステータス情報及び契約内容が挙げられる。具体的に、ステータス情報として、テザリング端末3の電池容量の残量である電池残量、及びテザリング端末3の電池が充電器を介して充電中か否かを示す充電中の有無が挙げられる。また、契約内容として、テザリング端末3の通信料金や通信速度に関する契約内容であるネットワーク契約内容が挙げられる。
【0035】
テザリング端末3の条件情報には、電池残量、充電中の有無、及びネットワーク契約内容の何れか一つ以上の情報を含んでいる。例えば、電池残量及び充電中の有無については、テザリングを行っているテザリング端末3の電池が切れることで携帯端末2はネットワーク5に接続できなくなるため、テザリング端末3を選択する上で重要な条件となる。同様に、ネットワーク契約内容については、テザリングを行っているテザリング端末3の料金契約内容や通信速度契約内容に応じて、テザリングを行う上での通信料や通信速度が変わるため、テザリング端末3を選択する上で重要な条件となる。
【0036】
図6は、優先順位ロジック記憶部200によって記憶された優先順位ロジックのテーブルの例を示す図である。図6に示す優先順位ロジックのテーブルにおいて、各基準No.の行は基準を示している。後述の条件情報取得部204により取得された各テザリング端末3の条件情報に基づいて、各テザリング端末3が各基準を満たしているか否かを端末選択部205が判定し、その結果を優先順位ロジック記憶部200が記憶する。例えば基準No.1は、テザリング機能が可能か否かに関する基準であり、テザリング端末3a〜3cから取得した条件情報から、テザリング端末3a〜3cの全てについてテザリング機能が可能であると判定されていることがわかる。そして、後述の端末選択部205は、判定結果に基づいてテザリング端末3a〜3cの接続優先順位を決定し、その接続優先順位に従って、接続するテザリング端末3aを選択する。例えば、端末選択部205は、接続優先順位が1位のテザリング端末3を選択してもよいし、接続優先順位に基づいてその他の予め定められた方法でテザリング端末3を選択してもよい。
【0037】
基準については、テーブルの基準No.が小さい基準を満たすほど接続優先順位が高くなっている。例えば、図6に示すテザリング端末3a〜3cの判定結果を基準No.1から順に参照していくと、テーブルの基準No.1〜3について、テザリング端末3a〜3cは全て基準を満たしている。基準No.4において、テザリング端末3cは基準を満たしていない。よって、この時点で、テザリング端末3cの接続優先順位は最下位の3位と端末選択部205により決定される。続いて基準No.5については、テザリング端末3a及び3bは両方とも基準を満たしている。基準No.6において、テザリング端末3aは基準を満たしていないため、この時点で、テザリング端末3aの接続優先順位は2位、テザリング端末3bは1位と、端末選択部205により決定される。
【0038】
なお、優先順位ロジック記憶部200は、後述のインターネット接続要求受付部201によって受け付けられたネットワーク5への接続要求の要求元であるアプリケーションごとに優先順位ロジックを記憶してもよい。例えば、優先順位ロジック記憶部200は、WEBブラウザ用の優先順位ロジック、動画閲覧アプリケーション用の優先順位ロジック等を記憶してもよい。また、優先順位ロジック記憶部200は、図6に示した基準以外にも、テザリング端末3の操作履歴や移動履歴に基づいた、基準を含んでいてもよい。それにより、例えば、テザリング端末3が特定の時間において電源がOFFにされる、特定の時間は携帯端末2との無線LAN接続が行えない遠い場所に移動される、といった条件も加味されることになる。
【0039】
インターネット接続要求受付部201は、携帯端末2上で動作するアプリケーションからネットワーク5への接続要求を受け付ける。インターネット接続要求受付部201は受け付けた接続要求を無線LAN接続部202に出力する。
【0040】
無線LAN接続部202は、インターネット接続要求受付部201から接続要求が入力されると、無線LANアプリケーションを起動する。無線LAN接続部202は、起動した無線LANアプリケーションにより、無線LAN接続の確立、無線LAN状態の監視、無線LAN接続の切断等、無線LANに関する処理を行う。
【0041】
端末検索部203は、無線LAN接続部202によって起動された無線LANアプリケーションを利用して、周辺に位置するテザリング端末3に対して無線LAN接続を試み、携帯端末2と端末間通信が可能な一つ以上のテザリング端末3を検索する。
【0042】
条件情報取得部204は、端末検索部203によって検索されたテザリング端末3からテザリング処理のための条件情報を取得する。具体的には、条件情報取得部204は、テザリング端末3に対して条件情報取得要求を送信し、その応答としてテザリング端末3から条件情報を受信し、取得する。更に、条件情報取得部204は、インターネット接続部206によってネットワーク5に接続された後に、当該ネットワーク5に接続するために介しているテザリング端末3から条件情報を取得する。
【0043】
端末選択部205は、条件情報取得部204によって取得された条件情報に基づいて、テザリング対象とする一つのテザリング端末3を選択する。端末選択部205は、優先順位ロジック記憶部200によって記憶された優先順位ロジックに基づいて、テザリング端末3を選択してもよい。具体的な選択手順については上述の通りである。また、端末選択部205は、ネットワーク5への接続要求の要求元であるアプリケーションと、優先順位ロジック記憶部200によってアプリケーションごとに記憶された優先順位ロジックとに基づいて、テザリング端末を選択してもよい。
【0044】
また、端末選択部205は、端末切替判定部208によって再接続すると判定された場合、これまでテザリングを行っていたテザリング端末3とは異なるテザリング端末3を選択する。具体的には、端末選択部205は、接続優先順位を参照して、これまでテザリングを行っていたテザリング端末3の次に接続優先順位が高いテザリング端末3を選択する。なお、端末選択部205は、前回、条件情報取得部204によって条件情報が取得されてから所定の時間が経過した場合は、端末検索部203に指示して再度テザリング端末3を検索し、条件情報取得部204に指示して再度検索されたテザリング端末3から条件情報を再度取得し、再度取得した条件情報に基づいて再度接続優先順位を決定し、決定した接続優先順位に基づいてテザリング端末3を選択してもよい。
【0045】
インターネット接続部206は、端末選択部205によって選択されたテザリング端末3を介してネットワーク5に接続する。また、インターネット接続部206は、端末切替判定部208によって再接続すると判定され、端末選択部205によってこれまでテザリングを行っていたテザリング端末3とは異なるテザリング端末3が選択された際に、当該異なるテザリング端末3を介してネットワーク5に再接続する。なお、インターネット接続部206は、ネットワーク5に再接続する際に、アプリケーション層の接続を維持してもよい。
【0046】
端末監視部207は、インターネット接続部206によってネットワーク5に接続後に、携帯端末2のインターネット接続に悪影響を及ぼす要因がないかを監視する。具体的には、端末監視部207は、現在テザリングを行っているテザリング端末3に対して、条件情報を定期的に送信させる要求を送信したり、携帯端末2と現在テザリングを行っているテザリング端末3との間の無線LAN通信の異常を監視したりする。
【0047】
端末切替判定部208は、条件情報取得部204によって再取得された条件情報に基づいて、異なるテザリング端末3を介してネットワーク5に再接続するか否かを判定する。例えば、条件情報に含まれる電池残量が所定の閾値以下であった場合、異なるテザリング端末3を介してネットワーク5に再接続すると判定する。また、端末切替判定部208は、端末監視部207によって携帯端末2と現在テザリングを行っているテザリング端末3との間の無線LAN通信の異常が検知された場合に、異なるテザリング端末3を介してネットワーク5に再接続すると判定してもよい。
【0048】
以下、図3に示すテザリング端末3の機能ブロックに基づいて、テザリング端末3の各機能ブロックを説明する。
【0049】
優先順位記憶部300は、テザリングを行う携帯端末2の優先順位を記憶する。具体的には、優先順位記憶部300は、優先順位と携帯端末2のIDとの組を記憶する。例えば、優先順位記憶部300は、優先順位1位が携帯端末2a、優先順位2位が携帯端末2b、等の情報を記憶する。
【0050】
無線LAN接続部301は、無線LANアプリケーションを起動し、携帯端末2との無線LAN接続の確立及び切断、無線LAN状態の監視等、無線LANに関する処理を行う。
【0051】
条件情報送信部302は、携帯端末2と端末間通信が可能なテザリング端末3として携帯端末2から自端末が検索された際に、携帯端末2からの要求に応じて、携帯端末2にテザリング処理のための条件情報を送信する。
【0052】
テザリング部303は、条件情報送信部302によって送信された条件情報に基づいて携帯端末2が自端末をテザリング対象とするテザリング端末3として選択した後、自端末を介してネットワーク5に接続する要求を携帯端末2から受信した際に、テザリングを行う。また、テザリング部303は、後述のテザリング切替判定部305によって現在行っているテザリングを終了して異なる携帯端末2に対してテザリングを行うと判定された場合、当該テザリングの切り替えを行う。
【0053】
条件監視部304は、端末監視部207から条件情報を定期的に送信させる要求を受信した際に、定期的に条件情報を取得し、携帯端末2に送信する。
【0054】
テザリング切替判定部305は、テザリング部303によってテザリングを行っている際に、端末間通信が可能なテザリング端末として異なる携帯端末2から自端末が検索された場合、携帯端末2からの要求に応じて、優先順位記憶部300によって記憶された優先順位に基づいて、現在行っているテザリングを終了して異なる携帯端末2に対してテザリングを行うか否かを判定する。例えば、優先順位記憶部300は、優先順位1位として携帯端末2a、優先順位2位として携帯端末2bという情報を記憶しており、現在行っているテザリングの対象が携帯端末2bであり、異なる携帯端末2が携帯端末2aである場合、携帯端末2aの方が携帯端末2bよりも優先順位が高いので、テザリング切替判定部305は、現在行っているテザリングを終了して異なる携帯端末2aに対してテザリングを行うと判定する。
【0055】
次に、図7及び8を用いて、本実施形態のネットワーク接続システム1の処理について説明する。図7は、携帯端末2がテザリング端末3a〜3cのうちテザリング端末3bをテザリング対象として選択し、テザリングを行うまでのシーケンスを示す図である。図8は、図7に続く処理であり、テザリング対象をテザリング端末3bからテザリング端末3aに、更に、テザリング端末3aからテザリング端末3cに変更するシーケンスを示す図である。
【0056】
まず、前提条件について説明する。テザリング端末3aの条件情報には「テザリングOK」「電池容量20%」「充電中でない」「パケット定額OK」の情報が含まれるものとする。同様に、テザリング端末3bの条件情報には「テザリングOK」「電池容量10%」「充電中」「パケット定額OK」の情報が含まれ、テザリング端末3cの条件情報には「テザリングOK」「電池容量100%」「充電中でない」「パケット定額NG」が含まれるものとする。
【0057】
最初に、図7のフローチャートについて説明する。まず、携帯端末2において、ユーザにより予め優先順位ロジックの設定が行われ、優先順位ロジック記憶部200によって記憶される(S100)。なお、優先順位ロジック記憶部200によって、図6に示す優先順位ロジックのテーブルのうち、基準列と内容列のみが記憶されるものとする。次に、携帯端末2において、インターネット接続要求受付部201により、携帯端末2上で動作するアプリケーションによるネットワーク5への接続要求が受け付けられる(S101)。次に、携帯端末2において、端末検索部203により、携帯端末2と端末間通信が可能なテザリング端末3a〜3cが検索される(S102)。次に、携帯端末2において、条件情報取得部204により、テザリング端末3a〜3cからそれぞれ条件情報が取得される(S103〜S106)。
【0058】
次に、携帯端末2において、端末選択部205により、テザリング対象とするテザリング端末が選択される(S107)。この際、テザリング端末3a〜3cの上述の条件情報と、優先順位ロジック記憶部200によって記憶された優先順位ロジックのテーブルとから、端末選択部205により、図6に示す優先順位ロジックのテーブルのうちテザリング端末3a〜3cの判定及び接続優先順位が決定され、接続優先順位が1位のテザリング端末3bが端末選択部205によって選択される。そして、携帯端末2において、インターネット接続部206により、テザリング端末3bを介し、テザリング端末3bがテザリングを行うことで、ネットワーク5に接続される(S108、S109)。
【0059】
S109に続いて、図8のフローチャートのS110に処理が進む。図8において、まず、テザリング端末3bが携帯端末2のユーザとは異なるユーザによって持参され、移動されたとする(S110)。すると、携帯端末2において、端末監視部207により、携帯端末2とテザリング端末3b間の無線LAN通信の電波強度レベルが所定の閾値を下回ったことが判定される(S111)。これにより、携帯端末2において、端末切替判定部208により、異なるテザリング端末を介してネットワーク5に再接続すると判定される。ここで、テザリング端末3bの接続優先順位の次の接続優先順位を持つのがテザリング端末3aであるため、携帯端末2において、端末選択部205により、異なるテザリング端末としてテザリング端末3aが選択される(S112)。
【0060】
テザリング端末3aが選択されると、インターネット接続部206によりテザリング終了指示がテザリング端末3bに送信され、テザリング端末3bにおいて、テザリング部303により、テザリングが終了される(S113)。S112にてテザリング端末3aが選択されると、携帯端末2において、インターネット接続部206により、テザリング端末3aを介し、テザリング端末3aがテザリングを行うことで、ネットワーク5に接続される(S114、S115)。
【0061】
ここで、テザリング端末3aは「電池容量20%」かつ「充電中でない」ため、テザリングを行っている最中に、次第にテザリング端末3aの電池容量が低下する(S116)。ここで、S115以降、携帯端末2の端末監視部207による条件情報を定期的に送信させる要求に基づいて、テザリング端末3aからは定期的に条件情報が携帯端末2に送信されているとする。これにより、携帯端末2において、条件情報取得部204により、電池容量が低下した内容を示す条件情報が受信され、テザリング端末3の電池レベルが所定の閾値を下回ったことが判定される(S117)。これにより、携帯端末2において、端末切替判定部208により、異なるテザリング端末を介してネットワーク5に再接続すると判定される。ここで、テザリング端末3aの接続優先順位の次の接続優先順位を持つのがテザリング端末3cであるため、携帯端末2において、端末選択部205により、異なるテザリング端末としてテザリング端末3cが選択され、テザリング端末3cが選択されると、テザリング部303によりテザリング終了指示がテザリング端末3aに送信される(S118)。そして、テザリング終了指示を受信したテザリング端末3aにおいて、テザリング部303により、テザリングが終了される(S119)。S118にてテザリング端末3cが選択されると、携帯端末2において、インターネット接続部206により、テザリング端末3cを介し、テザリング端末3cがテザリングを行うことで、ネットワーク5に接続される(S120、S121)。
【0062】
次に、図9〜11を用いて、本実施形態のネットワーク接続システム1のより詳細な処理について説明する。図9は、携帯端末2がテザリング端末3aをテザリング対象として選択し、テザリングを行うまでのフローチャートを示す図である。図10は、図9に続く処理であり、テザリング後に異なるテザリング端末に再接続するまでのフローチャートを示す図である。図11は、図9に続く処理であり、テザリング後に、当該テザリングを行うために起動したアプリケーションとは異なるアプリケーションを起動した際のテザリング先の変更に関するフローチャートを示す図である。
【0063】
最初に、図9のフローチャートのうち、携帯端末2のフローチャートのS200〜S219について説明する。まず、優先順位ロジックを設定する場合は、ユーザにより、テザリング優先接続アプリケーションが起動され(S201)、優先順位ロジックが設定される(S202)。S202の次に、あるいは、優先順位ロジックを設定しない場合は、インターネット接続要求受付部201により、インターネット接続要求が受け付けられる(S203)。次に、無線LAN接続部202により、無線LANアプリケーションが起動され(S204)、端末検索部203により、周辺に位置する無線LAN端末が検索される(S205)。S205にて、周辺に無線LAN端末がない場合、携帯端末2はネットワーク5に接続することはできない。S205にて、周辺に無線LAN端末がある場合、無線LAN接続部202により、無線LAN端末に関する無線LAN情報が取得される(S206)。
【0064】
続いて、端末選択部205により、予め優先接続端末が設定されているかが確認される(S207)。例えば、予めテザリング端末3aが優先接続端末として設定されており、S206にて取得された無線LAN情報に、テザリング端末3aに関する情報が含まれていた場合、S214の処理に進む。S207にて、優先接続端末が設定されていない場合、続いて、端末選択部205により、優先順位ロジックが設定されているか否かが確認される(S208)。S208にて、優先順位ロジックが設定されていないことが確認されると、ユーザにより、接続候補端末の中から手動でテザリング端末が選択される(S209)。S208にて、優先順位ロジックが設定されていることが確認されると、条件情報取得部204により、条件情報取得要求がS205にて検索されたテザリング端末3に送信される(S210)。そして、テザリング端末3から送信された条件情報が、条件情報取得部204により取得される(S211)。次に、端末選択部205により、取得された条件情報に基づいて、S205にて検索されたテザリング端末3の接続優先順位がソートされて決定され(S212)、それに基づいて端末選択部205により、接続端末が選定される(S213)。なお、S210にてテザリング端末3から条件情報が取得できない場合や、S212にて同順位の接続端末があった場合などは、S209の処理に進み、ユーザによって接続端末が選択される。
【0065】
続いて、S214にて、無線LAN接続部202により、テザリング端末3aに対して無線LAN接続要求が送信される(S214)。なお、本フローチャートでは端末選択部205によってテザリング端末3aが接続端末として選択されたものとする。次に、無線LAN接続部202により、無線LAN接続が確立され(S215)、端末監視部207により、無線LAN状態が監視される(S216)。次に、インターネット接続部206により、インターネット接続要求がテザリング端末3aに送信される(S217)。S217にて接続できなかった場合、インターネット接続部206により、再接続要求がテザリング端末3aに送信される(S218)。S218にて、テザリング端末3aへの接続が所定の回数失敗した場合、S209またはS213に処理が移り、別のテザリング端末を接続対象として処理を進める。S217にてテザリング端末3aへの接続が完了すると、インターネット接続部206により、テザリング端末3aを介してネットワーク5への接続が確立される(S219)。
【0066】
次に、図9のフローチャートのうち、テザリング端末3aのフローチャートのS300〜S308について説明する。まず、無線LAN接続部301により、無線LANアプリケーションが起動される(S301)。その後、携帯端末2から無線LAN情報の取得が要求されると、無線LAN接続部301により、無線LAN状態スタンバイとされる(S302)。S302の状態にて、携帯端末2より条件情報取得要求があった場合、またはテザリング端末3aについて自端末の条件情報が取得可能な端末であった場合、条件情報送信部302により条件情報が取得され(S303)、携帯端末2に送信される(S304)。なお、S303にて条件情報が取得できなかった場合、テザリング端末3aは接続候補端末にはならず、S302の状態に戻る。
【0067】
S304の条件情報の送信後、あるいは、S302の状態において、携帯端末2より無線LAN接続要求が受信されると、無線LAN接続部301により、無線LAN接続移行が行われ(S305)、無線LAN接続が確立される(S306)。続いて、携帯端末2よりインターネット接続要求が受信されると、テザリング部303により、インターネット接続アプリケーションが起動され(S307)、インターネット接続が確立される(S308)。
【0068】
続いて、図10のフローチャートのうち、携帯端末2のフローチャートのS219〜S226について説明する。S219にて、インターネット接続が確立された後、接続優先順位が設定されている場合は、端末監視部207により、接続後条件情報監視要求がテザリング端末3aに送信される(S220)。そしてその応答として、テザリング端末3aから定期的に条件情報を取得する(S221)。その際、端末監視部207により、条件情報の異常が判定されると(S223)、端末切替判定部208により再接続が判定され、端末選択部205により次候補の接続端末が設定される(S224)。それに伴い、インターネット接続部206により、テザリング端末3aに対して切断要求が送信され(S225)、その後、無線LAN接続部202により無線LANの切断が確認される(S226)。なお、S219〜S221の処理に並行して端末監視部207により無線LAN状態の異常が監視され、実際に異常が判定された場合(S222)、テザリング端末3aに対して無線LAN切断要求が送信され、S226に処理が進む。S226の後、次候補の接続端末がある場合は、S214以降と同様の処理が行われる。S226の後、次候補の接続端末がない場合は、S210以降と同様の処理が行われる。
【0069】
続いて、図10のフローチャートのうち、テザリング端末3aのフローチャートのS308〜S315について説明する。S308にて、インターネット接続が確立された後、携帯端末2より接続後条件情報監視要求が受信されると、条件監視部304により、条件情報監視アプリケーションが起動される(S309)。続いて、条件情報送信部302により条件情報が定期的に取得され(S310)、携帯端末2に定期的に送信される(S311)。その後、携帯端末2より無線LAN切断要求が受信された場合(S312)、携帯端末2よりインターネット切断要求が受信された場合(S313)、またはテザリング端末3a内にて無線LAN接続部301により無線LAN異常が検知された場合、テザリング部303により、インターネット接続が切断される(S314)。続いて、無線LAN接続部301により、無線LANが切断され(S315)、切断した旨が携帯端末2に送信される。
【0070】
続いて、図11のフローチャートのうち、携帯端末2のフローチャートのS250〜S253について説明する。なお、図11に含まれるそれ以外のステップについては、図10の同じステップ番号の処理と同様であるため説明を省略する。S219にて、インターネット接続が確立された後、S203にてインターネット接続要求を送信したアプリケーションとは異なるアプリケーションが起動されたとする(S250)。S250にて、起動されたアプリケーションの優先順位ロジックにおける接続優先順位が設定されていない場合は、携帯端末2のユーザに対して接続優先順位の確認を促す通知を行う(S251)。S251にて、ユーザから優先順位ロジックにおける接続優先順位の変更がない旨の通知があった場合、ユーザから優先順位ロジックにおける接続優先順位が指定されたが当該接続優先順位に従ってテザリング端末3aが再度選択された場合、ユーザからテザリングを行う端末としてテザリング端末3aが直接指定された場合、またはS250にて両アプリケーションの優先順位ロジックにおける接続優先順位に変更がない場合、S219のインターネット接続が維持される(S252)。一方、S251にて、ユーザから優先順位ロジックにおける接続優先順位の変更がある旨の通知があり、当該接続優先順位に従って異なるテザリング端末3が選択された場合、ユーザからテザリングを行う端末としてテザリング端末3a以外のテザリング端末3が直接指定された場合、またはS250にて両アプリケーションの優先順位ロジックにおける接続優先順位に変更があり、S250にて起動したアプリケーションに基づく接続優先順位に従って異なるテザリング端末3が選択された場合、インターネット接続部206により、テザリング端末3aへの切断要求が送信される(S253)。S253以降は、S226及びS313〜S315の処理が行われ、新しい接続優先順位に従って異なるテザリング端末3への接続が行われる。
【0071】
次に、図12を用いて、本実施形態のネットワーク接続システム1の別の処理について説明する。図12は、携帯端末2aがテザリング端末3aを介してインターネット接続している際に、携帯端末2bがテザリング端末3aに対してテザリングの要求を行ったときの処理のフローチャートを示す図である。
【0072】
最初に、図12のフローチャートのうち、携帯端末2a及び2bのフローチャートのS400〜S411について説明する。まず、携帯端末2aがインターネット接続を確立している際に(S400)、携帯端末2bの条件情報取得部204により、携帯端末2bがテザリング端末3aに対して、条件情報の取得要求が送信される(S402)。それに応じて、携帯端末2bの条件情報取得部204により、テザリング端末3aから接続可否情報が取得される(S403)。S403にて、接続不可通知が受信された場合は、携帯端末2bはテザリング端末3aを介してインターネット接続ができない。S403にて、接続可能通知が受信された場合は、携帯端末2bの条件情報取得部204により、条件情報取得再要求がテザリング端末3aに送信される(S404)。それに応じて、携帯端末2bの条件情報取得部204により、テザリング端末3aから条件情報が受信される(S405)。
【0073】
次に、携帯端末2bの端末選択部205により、取得された条件情報に基づいて、テザリング端末3の接続優先順位がソートされて決定され(S406)、それに基づいて携帯端末2bの端末選択部205により、テザリング端末が選択される(S407)。ここではテザリング端末3aが選択されたものとする。続いて、携帯端末2bの端末選択部205は、決定通知をテザリング端末3aに送信し(S408)、それに応じて、携帯端末2bのインターネット接続部206により、テザリング端末3aから他端末との切断情報が受信され(S410)、携帯端末2bのインターネット接続部206により、テザリング端末3aに対して無線LAN接続要求が送信される(S411)。一方、携帯端末2aにおいて、無線LAN接続部202により、テザリング端末3aから携帯端末2aとの無線LAN切断に関する指示が受信されると、携帯端末2aの無線LAN接続部202により無線LAN接続の切断が確認される(S409)。
【0074】
続いて、図12のフローチャートのうち、テザリング端末3aのフローチャートのS500〜S511について説明する。まず、携帯端末2aとのインターネット接続を確立している際に(S500)、条件情報送信部302により、携帯端末2bから条件情報取得要求が受信され、それに応じて条件情報送信部302により、条件情報取得アプリケーションが起動される(S501)。続いて、テザリング切替判定部305により、優先順位記憶部300によって記憶されている接続優先順位が確認される(S502)。S502にて、携帯端末2bよりも携帯端末2aの接続優先順位が上位に設定されていると確認された場合、テザリング切替判定部305により、接続不可通知が携帯端末2bに送信される(S504)。S502にて、接続優先順位が設定されていないと確認された場合、テザリング切替判定部305により、テザリング端末3aのユーザに対して、携帯端末2bからのアクセスがある旨が通知され(S503)、ユーザによって接続不可が指定されるとS504に処理が進む。S503にて、ユーザによって接続許可が指定された場合、または、S502にて、携帯端末2aよりも携帯端末2bの接続優先順位が上位に設定されていると確認された場合、テザリング切替判定部305により、接続許可通知が携帯端末2bに送信される(S505)。
【0075】
続いて、条件情報送信部302により、携帯端末2bから条件情報取得再要求が受信されると、条件情報送信部302により条件情報が取得され(S506)、携帯端末2bに送信される(S507)。次に、テザリング部303により、携帯端末2bから決定通知が受信され(S508)、それに応じて、テザリング部303により携帯端末2aとの切断が実施され(S509)、テザリング部303により携帯端末2bに対して携帯端末2aとの切断情報が送信され(S510)、無線LAN接続部301により、無線LAN接続が移行される(S511)。
【0076】
次に、このように構成された携帯端末2及びテザリング端末3の作用効果について説明する。
【0077】
本実施形態の携帯端末2によれば、端末検索部203により、ネットワーク5への接続要求に基づいて、自端末と端末間通信が可能な一つ以上のテザリング端末3が検索され、条件情報取得部204により、検索されたテザリング端末3からテザリング処理のための条件情報が取得され、端末選択部205により、取得された条件情報に基づいて、テザリング対象とする一つのテザリング端末3が選択され、インターネット接続部206により、選択されたテザリング端末3を介してネットワーク5に接続される。かかる構成を採れば、テザリング処理のための条件情報に基づいて、ユーザにとって適切なテザリング端末3を選択することができる。
【0078】
また、本実施形態の携帯端末2によれば、優先順位ロジック記憶部200により、テザリング対象とするテザリング端末3を選択するための優先順位付けをテザリング端末3の条件情報に基づいて行う優先順位ロジックが記憶され、端末選択部205により、更に、記憶された優先順位ロジックに基づいて、テザリング端末3が選択される。かかる構成を採れば、携帯端末2に予め記憶された優先順位ロジックに基づいて、ユーザにとって適切なテザリング端末3を選択することができる。
【0079】
また、本実施形態の携帯端末2によれば、優先順位ロジック記憶部200により、ネットワーク5への接続要求を行うアプリケーションごとに優先順位ロジックが記憶され、端末選択部205により、更に、ネットワーク5への接続要求の要求元であるアプリケーションに基づいて、テザリング端末が選択される。かかる構成を採れば、ネットワーク5への接続要求を行うアプリケーションごとに、ユーザにとって適切なテザリング端末3を選択することができる。
【0080】
また、本実施形態の携帯端末2によれば、条件情報は、電池残量、充電中の有無、及びネットワーク契約内容の何れか一つ以上の情報を含む。かかる構成を採れば、テザリング端末3の電池残量、充電中の有無、またはネットワーク契約内容に基づいて、ユーザにとって適切なテザリング端末3を選択することができる。
【0081】
また、本実施形態の携帯端末2によれば、条件情報取得部204により、インターネット接続部206によってネットワーク5に接続された後に、当該ネットワーク5に接続するために介しているテザリング端末3から条件情報が取得され、端末切替判定部208により、取得された条件情報に基づいて、異なるテザリング端末3を介してネットワーク5に再接続するか否かが判定され、端末選択部205により、再接続すると判定された場合、異なるテザリング端末3が選択され、インターネット接続部206により、選択されたテザリング端末3を介してネットワーク5に再接続される。かかる構成を採れば、テザリング端末3の状況に応じて、異なるテザリング端末3に変更することができるため、ユーザにとって適切なテザリング端末3を状況に応じてリアルタイムに選択することができる。
【0082】
また、本実施形態の携帯端末2によれば、インターネット接続部206により、ネットワーク5に再接続する際に、アプリケーション層の接続が維持される。かかる構成を採れば、テザリング端末3が変更される場合でも、アプリケーション層の接続が維持されるため、ユーザの利便性が向上する。
【0083】
また、本実施形態のテザリング端末3によれば、条件情報送信部302により、携帯端末2と端末間通信が可能なテザリング端末3として携帯端末2から自端末が検索された際に、携帯端末2にテザリング処理のための条件情報が送信され、テザリング部303により、送信された条件情報に基づいて携帯端末2が自端末をテザリング対象とするテザリング端末3として選択した後、自端末を介してネットワーク5に接続する要求を携帯端末2から受信した際に、テザリングが行われる。かかる構成を採れば、テザリング処理のための条件情報に基づいて、ユーザにとって適切なテザリング端末3を選択することができる。
【0084】
また、本実施形態のテザリング端末3によれば、優先順位記憶部300により、テザリングを行う携帯端末の優先順位が記憶され、テザリング切替判定部305により、テザリング部303によってテザリングを行っている際に、端末間通信が可能なテザリング端末3として異なる携帯端末2から自端末が検索された場合、記憶された優先順位に基づいて、現在行っているテザリングを終了して異なる携帯端末2に対してテザリングを行うか否かが判定され、テザリング部303により、現在行っているテザリングを終了して異なる携帯端末2に対してテザリングを行うと判定された場合、当該テザリングの切替が行われる。かかる構成を採れば、テザリング端末3に予め記憶された優先順位に基づいて、ユーザにとって適切なテザリング端末3を選択することができる。
【符号の説明】
【0085】
1…ネットワーク接続システム、2…携帯端末、3…テザリング端末、4…APN、5…ネットワーク、200…優先順位ロジック記憶部、201…インターネット接続要求受付部、202…無線LAN接続部、203…端末検索部、204…条件情報取得部、205…端末選択部、206…インターネット接続部、207…端末監視部、208…端末切替判定部、300…優先順位記憶部、301…無線LAN接続部、302…条件情報送信部、303…テザリング部、304…条件監視部、305…テザリング切替判定部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末、テザリング端末、ネットワーク接続システム及びネットワーク接続方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等の携帯電話を外部モデムとして用いて、ノートPC(Personal Computer)やPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末を、携帯電話回線を通じてインターネットに接続させるテザリングが知られている。また、従来、無線通信ネットワークにアクセスすることができる複数の接続候補通信装置のうち、無線信号の強度の値が最も大きい無線信号を送信した接続候補通信装置と通信を行う通信装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−101293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、携帯端末の周辺にテザリングが可能な携帯電話(以降、テザリング端末)が複数ある場合、従来、テザリングを行いたい携帯端末のユーザは、一つのテザリング端末を手動で選択する必要があった。一方、特許文献1では、無線通信ネットワークにおいて、複数の接続候補通信装置から無線信号の強度に基づいて接続候補通信装置を選択する技術が開示されている。しかしながら、当該技術をテザリング端末の選択に適用しても、ユーザにとって適切なテザリング端末を選択することができなかった。例えば、携帯端末の周辺の複数のテザリング端末のうち、無線信号の強度は強いが電池残量の少ないテザリング端末を選択した場合、テザリングを行える時間は少なく、携帯端末のユーザの利便性が低下する。
【0005】
そこで、本発明は、かかる課題に鑑みて為されたものであり、複数のテザリング端末からユーザにとって適切なテザリング端末を選択することができる携帯端末、テザリング端末、ネットワーク接続システム及びネットワーク接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の携帯端末は、ネットワークへの接続要求に基づいて、自端末と端末間通信が可能な一つ以上のテザリング端末を検索する端末検索手段と、端末検索手段によって検索されたテザリング端末からテザリング処理のための条件情報を取得する条件情報取得手段と、条件情報取得手段によって取得された条件情報に基づいて、テザリング対象とする一つのテザリング端末を選択する端末選択手段と、端末選択手段によって選択されたテザリング端末を介してネットワークに接続するネットワーク接続手段と、を備える。
【0007】
また、本発明のネットワーク接続方法は、携帯端末が、ネットワークへの接続要求に基づいて、自端末と端末間通信が可能な一つ以上のテザリング端末を検索する端末検索ステップと、携帯端末が、端末検索ステップにおいて検索されたテザリング端末からテザリング処理のための条件情報を取得する条件情報取得ステップと、携帯端末が、条件情報取得ステップにおいて取得された条件情報に基づいて、テザリング対象とする一つのテザリング端末を選択する端末選択ステップと、携帯端末が、端末選択ステップにおいて選択されたテザリング端末を介してネットワークに接続するネットワーク接続ステップと、を含む。
【0008】
このような携帯端末及びネットワーク接続方法によれば、ネットワークへの接続要求に基づいて、自端末と端末間通信が可能な一つ以上のテザリング端末が検索され、検索されたテザリング端末からテザリング処理のための条件情報が取得され、取得された条件情報に基づいて、テザリング対象とする一つのテザリング端末が選択され、選択されたテザリング端末を介してネットワークに接続される。かかる構成を採れば、テザリング処理のための条件情報に基づいて、ユーザにとって適切なテザリング端末を選択することができる。
【0009】
また、本発明の携帯端末は、テザリング対象とするテザリング端末を選択するための優先順位付けをテザリング端末の条件情報に基づいて行う優先順位ロジックを記憶する優先順位ロジック記憶手段を更に備え、端末選択手段は、更に、優先順位ロジック記憶手段によって記憶された優先順位ロジックに基づいて、テザリング端末を選択する、ことが好ましい。かかる構成を採れば、携帯端末に予め記憶された優先順位ロジックに基づいて、ユーザにとって適切なテザリング端末を選択することができる。
【0010】
また、本発明の優先順位ロジック記憶手段は、ネットワークへの接続要求を行うアプリケーションごとに優先順位ロジックを記憶し、端末選択手段は、更に、ネットワークへの接続要求の要求元であるアプリケーションに基づいて、テザリング端末を選択する、ことが好ましい。かかる構成を採れば、ネットワークへの接続要求を行うアプリケーションごとに、ユーザにとって適切なテザリング端末を選択することができる。
【0011】
また、本発明の携帯端末において、条件情報は、電池残量、充電中の有無、及びネットワーク契約内容の何れか一つ以上の情報を含む、ことが好ましい。かかる構成を採れば、テザリング端末の電池残量、充電中の有無、またはネットワーク契約内容に基づいて、ユーザにとって適切なテザリング端末を選択することができる。
【0012】
また、本発明の携帯端末は、ネットワーク接続手段によってネットワークに接続された後に、当該ネットワークに接続するために介しているテザリング端末から条件情報を取得する条件情報再取得手段と、条件情報再取得手段によって取得された条件情報に基づいて、異なるテザリング端末を介してネットワークに再接続するか否かを判定する端末切替判定手段と、端末切替判定手段によって再接続すると判定された場合、異なるテザリング端末を選択する端末再選択手段と、端末再選択手段によって選択されたテザリング端末を介してネットワークに再接続するネットワーク再接続手段と、を備えることが好ましい。
【0013】
このような携帯端末によれば、ネットワーク接続手段によってネットワークに接続された後に、当該ネットワークに接続するために介しているテザリング端末から条件情報が取得され、取得された条件情報に基づいて、異なるテザリング端末を介してネットワークに再接続するか否かが判定され、再接続すると判定された場合、異なるテザリング端末が選択され、選択されたテザリング端末を介してネットワークに再接続される。かかる構成を採れば、テザリング端末の状況に応じて、異なるテザリング端末に変更することができるため、ユーザにとって適切なテザリング端末を状況に応じてリアルタイムに選択することができる。
【0014】
また、本発明のネットワーク再接続手段は、ネットワークに再接続する際に、アプリケーション層の接続を維持する、ことが好ましい。かかる構成を採れば、テザリング端末が変更される場合でも、アプリケーション層の接続が維持されるため、ユーザの利便性が向上する。
【0015】
また、本発明のテザリング端末は、携帯端末と端末間通信が可能なテザリング端末として携帯端末から自端末が検索された際に、携帯端末にテザリング処理のための条件情報を送信する条件情報送信手段と、条件情報送信手段によって送信された条件情報に基づいて携帯端末が自端末をテザリング対象とするテザリング端末として選択した後、自端末を介してネットワークに接続する要求を携帯端末から受信した際に、テザリングを行うテザリング手段と、を備える。
【0016】
このようなテザリング端末によれば、携帯端末と端末間通信が可能なテザリング端末として携帯端末から自端末が検索された際に、携帯端末にテザリング処理のための条件情報が送信され、送信された条件情報に基づいて携帯端末が自端末をテザリング対象とするテザリング端末として選択した後、自端末を介してネットワークに接続する要求を携帯端末から受信した際に、テザリングが行われる。かかる構成を採れば、テザリング処理のための条件情報に基づいて、ユーザにとって適切なテザリング端末を選択することができる。
【0017】
また、本発明のテザリング端末は、テザリングを行う携帯端末の優先順位を記憶する優先順位記憶手段と、テザリング手段によってテザリングを行っている際に、端末間通信が可能なテザリング端末として異なる携帯端末から自端末が検索された場合、優先順位記憶手段によって記憶された優先順位に基づいて、現在行っているテザリングを終了して異なる携帯端末に対してテザリングを行うか否かを判定するテザリング切替判定手段と、テザリング切替判定手段によって現在行っているテザリングを終了して異なる携帯端末に対してテザリングを行うと判定された場合、当該テザリングの切り替えを行うテザリング切替手段と、を更に備える、ことが好ましい。
【0018】
このようなテザリング端末によれば、テザリングを行う携帯端末の優先順位が記憶され、テザリング手段によってテザリングを行っている際に、端末間通信が可能なテザリング端末として異なる携帯端末から自端末が検索された場合、記憶された優先順位に基づいて、現在行っているテザリングを終了して異なる携帯端末に対してテザリングを行うか否かが判定され、現在行っているテザリングを終了して異なる携帯端末に対してテザリングを行うと判定された場合、当該テザリングの切替が行われる。かかる構成を採れば、テザリング端末に予め記憶された優先順位に基づいて、ユーザにとって適切なテザリング端末を選択することができる。
【0019】
また、以下に記載する通り、本発明は携帯端末、テザリング端末、及びネットワーク接続方法の他に、ネットワーク接続システムとして捉えることができる。これら発明は、カテゴリーが異なるものであり、端末と同様の作用効果を奏するものである。
【0020】
本発明のネットワーク接続システムは、テザリング端末と、テザリング端末を介してネットワークに接続する携帯端末とを含むネットワーク接続システムであって、携帯端末は、ネットワークへの接続要求に基づいて、自端末と端末間通信が可能な一つ以上のテザリング端末を検索する端末検索手段と、端末検索手段によって検索されたテザリング端末からテザリング処理のための条件情報を取得する条件情報取得手段と、条件情報取得手段によって取得された条件情報に基づいて、テザリング対象とする一つのテザリング端末を選択する端末選択手段と、端末選択手段によって選択されたテザリング端末を介してネットワークに接続するネットワーク接続手段と、を備え、テザリング端末は、携帯端末と端末間通信が可能なテザリング端末として携帯端末から自端末が検索された際に、携帯端末にテザリング処理のための条件情報を送信する条件情報送信手段と、条件情報送信手段によって送信された条件情報に基づいて携帯端末が自端末をテザリング対象とするテザリング端末として選択した後、自端末を介してネットワークに接続する要求を携帯端末から受信した際に、テザリングを行うテザリング手段と、を備える。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、複数のテザリング端末からユーザにとって適切なテザリング端末を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係るネットワーク接続システムのシステム構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る携帯端末の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るテザリング端末の構成を示す機能ブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る携帯端末のハードウェア構成を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るテザリング端末のハードウェア構成を示す図である。
【図6】本発明の実施形態における優先順位ロジック記憶テーブルの例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係るネットワーク接続システムで実行されるネットワーク接続方法の処理を示すシーケンス図(その1)である。
【図8】本発明の実施形態に係るネットワーク接続システムで実行されるネットワーク接続方法の処理を示すシーケンス図(その2)である。
【図9】本発明の実施形態に係るネットワーク接続システムで実行されるネットワーク接続方法の処理を示すフローチャート(その1)である。
【図10】本発明の実施形態に係るネットワーク接続システムで実行されるネットワーク接続方法の処理を示すフローチャート(その2)である。
【図11】本発明の実施形態に係るネットワーク接続システムで実行されるネットワーク接続方法の処理を示すフローチャート(その3)である。
【図12】本発明の実施形態に係るネットワーク接続システムで実行されるネットワーク接続方法の処理を示すフローチャート(その4)である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面とともに本発明による携帯端末、テザリング端末、ネットワーク接続システム及びネットワーク接続方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0024】
図1は、本実施形態のネットワーク接続システム1のシステム構成を示すシステム構成図である。図1に示す通り、ネットワーク接続システム1は、携帯端末2、テザリング端末3(テザリング端末3a、テザリング端末3b、及びテザリング端末3c)、APN4、及びネットワーク5を含んで構成されている。なお、以後、テザリング端末3a、テザリング端末3b、及びテザリング端末3cを総称してテザリング端末3と呼ぶ。
【0025】
携帯端末2は、携帯ゲーム機、PDA、ノートPC等の携帯端末であって、後述のテザリング端末3と、無線LAN通信等の無線ネットワーク通信により端末間通信を行うことができる。テザリング端末3は、テザリングが可能なスマートフォン等の携帯電話であって、携帯端末2と無線LAN通信等の無線ネットワーク通信により端末間通信を行うことができると共に、携帯電話回線を利用して後述のネットワーク5に接続することができる。APN4は、携帯電話回線を利用してネットワーク5に接続する際の接続先を示すAPN(Access Point Name)が示すサーバ装置である。テザリング端末3は、APN4を介してネットワーク5に接続する。ネットワーク5はインターネット等の公衆ネットワークである。
【0026】
本実施形態では、携帯端末2が何れか一つのテザリング端末3と無線LAN通信により端末間通信を行うことで接続し、接続したテザリング端末3が備えるテザリング機能により、携帯端末2はテザリング端末3を介してネットワーク5に接続する。
【0027】
図2は、携帯端末2の構成を示す機能ブロック図である。図2に示す通り、携帯端末2は、優先順位ロジック記憶部200(優先順位ロジック記憶手段)、インターネット接続要求受付部201、無線LAN接続部202、端末検索部203(端末検索手段)、条件情報取得部204(条件情報取得手段、条件情報再取得手段)、端末選択部205(端末選択手段、端末再選択手段)、インターネット接続部206(ネットワーク接続手段、ネットワーク再接続手段)、端末監視部207、及び端末切替判定部208(端末切替判定手段)を含んで構成される。
【0028】
携帯端末2は、CPU等のハードウェアから構成されているものである。図4は、携帯端末2のハードウェア構成図である。図2に示される携帯端末2は、物理的には、図4に示すように、CPU250、主記憶装置であるRAM251及びROM252、入出力装置253、無線LAN通信を行うための無線LAN通信モジュール254等を含むコンピュータシステムとして構成されている。
【0029】
図2に示す携帯端末2の各機能ブロックの機能は、図4に示すCPU250、RAM251等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU250の制御のもとで入出力装置253及び無線LAN通信モジュール254を動作させるとともに、RAM251におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
【0030】
図3は、テザリング端末3の構成を示す機能ブロック図である。図3に示す通り、テザリング端末3は、優先順位記憶部300(優先順位記憶手段)、無線LAN接続部301、条件情報送信部302(条件情報送信手段)、テザリング部303(テザリング手段、テザリング切替手段)、条件監視部304、及びテザリング切替判定部305(テザリング切替判定手段)を含んで構成される。
【0031】
テザリング端末3は、CPU等のハードウェアから構成されているものである。図5は、テザリング端末3のハードウェア構成図である。図3に示されるテザリング端末3は、物理的には、図5に示すように、CPU350、主記憶装置であるRAM351及びROM352、入出力装置353、無線LAN通信を行うための無線LAN通信モジュール354、携帯電話回線を利用してネットワーク5に接続するための携帯電話回線通信モジュール355等を含むコンピュータシステムとして構成されている。
【0032】
図3に示すテザリング端末3の各機能ブロックの機能は、図5に示すCPU350、RAM351等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU350の制御のもとで入出力装置353、無線LAN通信モジュール354、及び携帯電話回線通信モジュール355を動作させるとともに、RAM351におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
【0033】
以下、図2に示す携帯端末2の機能ブロックに基づいて、携帯端末2の各機能ブロックを説明する。
【0034】
優先順位ロジック記憶部200は、携帯端末2がテザリング対象とするテザリング端末3を選択するための優先順位付けをテザリング端末3の条件情報に基づいて行う優先順位ロジックを記憶する。ここで、条件情報とは、テザリング処理のための条件が含まれる情報であり、例えば、ステータス情報及び契約内容が挙げられる。具体的に、ステータス情報として、テザリング端末3の電池容量の残量である電池残量、及びテザリング端末3の電池が充電器を介して充電中か否かを示す充電中の有無が挙げられる。また、契約内容として、テザリング端末3の通信料金や通信速度に関する契約内容であるネットワーク契約内容が挙げられる。
【0035】
テザリング端末3の条件情報には、電池残量、充電中の有無、及びネットワーク契約内容の何れか一つ以上の情報を含んでいる。例えば、電池残量及び充電中の有無については、テザリングを行っているテザリング端末3の電池が切れることで携帯端末2はネットワーク5に接続できなくなるため、テザリング端末3を選択する上で重要な条件となる。同様に、ネットワーク契約内容については、テザリングを行っているテザリング端末3の料金契約内容や通信速度契約内容に応じて、テザリングを行う上での通信料や通信速度が変わるため、テザリング端末3を選択する上で重要な条件となる。
【0036】
図6は、優先順位ロジック記憶部200によって記憶された優先順位ロジックのテーブルの例を示す図である。図6に示す優先順位ロジックのテーブルにおいて、各基準No.の行は基準を示している。後述の条件情報取得部204により取得された各テザリング端末3の条件情報に基づいて、各テザリング端末3が各基準を満たしているか否かを端末選択部205が判定し、その結果を優先順位ロジック記憶部200が記憶する。例えば基準No.1は、テザリング機能が可能か否かに関する基準であり、テザリング端末3a〜3cから取得した条件情報から、テザリング端末3a〜3cの全てについてテザリング機能が可能であると判定されていることがわかる。そして、後述の端末選択部205は、判定結果に基づいてテザリング端末3a〜3cの接続優先順位を決定し、その接続優先順位に従って、接続するテザリング端末3aを選択する。例えば、端末選択部205は、接続優先順位が1位のテザリング端末3を選択してもよいし、接続優先順位に基づいてその他の予め定められた方法でテザリング端末3を選択してもよい。
【0037】
基準については、テーブルの基準No.が小さい基準を満たすほど接続優先順位が高くなっている。例えば、図6に示すテザリング端末3a〜3cの判定結果を基準No.1から順に参照していくと、テーブルの基準No.1〜3について、テザリング端末3a〜3cは全て基準を満たしている。基準No.4において、テザリング端末3cは基準を満たしていない。よって、この時点で、テザリング端末3cの接続優先順位は最下位の3位と端末選択部205により決定される。続いて基準No.5については、テザリング端末3a及び3bは両方とも基準を満たしている。基準No.6において、テザリング端末3aは基準を満たしていないため、この時点で、テザリング端末3aの接続優先順位は2位、テザリング端末3bは1位と、端末選択部205により決定される。
【0038】
なお、優先順位ロジック記憶部200は、後述のインターネット接続要求受付部201によって受け付けられたネットワーク5への接続要求の要求元であるアプリケーションごとに優先順位ロジックを記憶してもよい。例えば、優先順位ロジック記憶部200は、WEBブラウザ用の優先順位ロジック、動画閲覧アプリケーション用の優先順位ロジック等を記憶してもよい。また、優先順位ロジック記憶部200は、図6に示した基準以外にも、テザリング端末3の操作履歴や移動履歴に基づいた、基準を含んでいてもよい。それにより、例えば、テザリング端末3が特定の時間において電源がOFFにされる、特定の時間は携帯端末2との無線LAN接続が行えない遠い場所に移動される、といった条件も加味されることになる。
【0039】
インターネット接続要求受付部201は、携帯端末2上で動作するアプリケーションからネットワーク5への接続要求を受け付ける。インターネット接続要求受付部201は受け付けた接続要求を無線LAN接続部202に出力する。
【0040】
無線LAN接続部202は、インターネット接続要求受付部201から接続要求が入力されると、無線LANアプリケーションを起動する。無線LAN接続部202は、起動した無線LANアプリケーションにより、無線LAN接続の確立、無線LAN状態の監視、無線LAN接続の切断等、無線LANに関する処理を行う。
【0041】
端末検索部203は、無線LAN接続部202によって起動された無線LANアプリケーションを利用して、周辺に位置するテザリング端末3に対して無線LAN接続を試み、携帯端末2と端末間通信が可能な一つ以上のテザリング端末3を検索する。
【0042】
条件情報取得部204は、端末検索部203によって検索されたテザリング端末3からテザリング処理のための条件情報を取得する。具体的には、条件情報取得部204は、テザリング端末3に対して条件情報取得要求を送信し、その応答としてテザリング端末3から条件情報を受信し、取得する。更に、条件情報取得部204は、インターネット接続部206によってネットワーク5に接続された後に、当該ネットワーク5に接続するために介しているテザリング端末3から条件情報を取得する。
【0043】
端末選択部205は、条件情報取得部204によって取得された条件情報に基づいて、テザリング対象とする一つのテザリング端末3を選択する。端末選択部205は、優先順位ロジック記憶部200によって記憶された優先順位ロジックに基づいて、テザリング端末3を選択してもよい。具体的な選択手順については上述の通りである。また、端末選択部205は、ネットワーク5への接続要求の要求元であるアプリケーションと、優先順位ロジック記憶部200によってアプリケーションごとに記憶された優先順位ロジックとに基づいて、テザリング端末を選択してもよい。
【0044】
また、端末選択部205は、端末切替判定部208によって再接続すると判定された場合、これまでテザリングを行っていたテザリング端末3とは異なるテザリング端末3を選択する。具体的には、端末選択部205は、接続優先順位を参照して、これまでテザリングを行っていたテザリング端末3の次に接続優先順位が高いテザリング端末3を選択する。なお、端末選択部205は、前回、条件情報取得部204によって条件情報が取得されてから所定の時間が経過した場合は、端末検索部203に指示して再度テザリング端末3を検索し、条件情報取得部204に指示して再度検索されたテザリング端末3から条件情報を再度取得し、再度取得した条件情報に基づいて再度接続優先順位を決定し、決定した接続優先順位に基づいてテザリング端末3を選択してもよい。
【0045】
インターネット接続部206は、端末選択部205によって選択されたテザリング端末3を介してネットワーク5に接続する。また、インターネット接続部206は、端末切替判定部208によって再接続すると判定され、端末選択部205によってこれまでテザリングを行っていたテザリング端末3とは異なるテザリング端末3が選択された際に、当該異なるテザリング端末3を介してネットワーク5に再接続する。なお、インターネット接続部206は、ネットワーク5に再接続する際に、アプリケーション層の接続を維持してもよい。
【0046】
端末監視部207は、インターネット接続部206によってネットワーク5に接続後に、携帯端末2のインターネット接続に悪影響を及ぼす要因がないかを監視する。具体的には、端末監視部207は、現在テザリングを行っているテザリング端末3に対して、条件情報を定期的に送信させる要求を送信したり、携帯端末2と現在テザリングを行っているテザリング端末3との間の無線LAN通信の異常を監視したりする。
【0047】
端末切替判定部208は、条件情報取得部204によって再取得された条件情報に基づいて、異なるテザリング端末3を介してネットワーク5に再接続するか否かを判定する。例えば、条件情報に含まれる電池残量が所定の閾値以下であった場合、異なるテザリング端末3を介してネットワーク5に再接続すると判定する。また、端末切替判定部208は、端末監視部207によって携帯端末2と現在テザリングを行っているテザリング端末3との間の無線LAN通信の異常が検知された場合に、異なるテザリング端末3を介してネットワーク5に再接続すると判定してもよい。
【0048】
以下、図3に示すテザリング端末3の機能ブロックに基づいて、テザリング端末3の各機能ブロックを説明する。
【0049】
優先順位記憶部300は、テザリングを行う携帯端末2の優先順位を記憶する。具体的には、優先順位記憶部300は、優先順位と携帯端末2のIDとの組を記憶する。例えば、優先順位記憶部300は、優先順位1位が携帯端末2a、優先順位2位が携帯端末2b、等の情報を記憶する。
【0050】
無線LAN接続部301は、無線LANアプリケーションを起動し、携帯端末2との無線LAN接続の確立及び切断、無線LAN状態の監視等、無線LANに関する処理を行う。
【0051】
条件情報送信部302は、携帯端末2と端末間通信が可能なテザリング端末3として携帯端末2から自端末が検索された際に、携帯端末2からの要求に応じて、携帯端末2にテザリング処理のための条件情報を送信する。
【0052】
テザリング部303は、条件情報送信部302によって送信された条件情報に基づいて携帯端末2が自端末をテザリング対象とするテザリング端末3として選択した後、自端末を介してネットワーク5に接続する要求を携帯端末2から受信した際に、テザリングを行う。また、テザリング部303は、後述のテザリング切替判定部305によって現在行っているテザリングを終了して異なる携帯端末2に対してテザリングを行うと判定された場合、当該テザリングの切り替えを行う。
【0053】
条件監視部304は、端末監視部207から条件情報を定期的に送信させる要求を受信した際に、定期的に条件情報を取得し、携帯端末2に送信する。
【0054】
テザリング切替判定部305は、テザリング部303によってテザリングを行っている際に、端末間通信が可能なテザリング端末として異なる携帯端末2から自端末が検索された場合、携帯端末2からの要求に応じて、優先順位記憶部300によって記憶された優先順位に基づいて、現在行っているテザリングを終了して異なる携帯端末2に対してテザリングを行うか否かを判定する。例えば、優先順位記憶部300は、優先順位1位として携帯端末2a、優先順位2位として携帯端末2bという情報を記憶しており、現在行っているテザリングの対象が携帯端末2bであり、異なる携帯端末2が携帯端末2aである場合、携帯端末2aの方が携帯端末2bよりも優先順位が高いので、テザリング切替判定部305は、現在行っているテザリングを終了して異なる携帯端末2aに対してテザリングを行うと判定する。
【0055】
次に、図7及び8を用いて、本実施形態のネットワーク接続システム1の処理について説明する。図7は、携帯端末2がテザリング端末3a〜3cのうちテザリング端末3bをテザリング対象として選択し、テザリングを行うまでのシーケンスを示す図である。図8は、図7に続く処理であり、テザリング対象をテザリング端末3bからテザリング端末3aに、更に、テザリング端末3aからテザリング端末3cに変更するシーケンスを示す図である。
【0056】
まず、前提条件について説明する。テザリング端末3aの条件情報には「テザリングOK」「電池容量20%」「充電中でない」「パケット定額OK」の情報が含まれるものとする。同様に、テザリング端末3bの条件情報には「テザリングOK」「電池容量10%」「充電中」「パケット定額OK」の情報が含まれ、テザリング端末3cの条件情報には「テザリングOK」「電池容量100%」「充電中でない」「パケット定額NG」が含まれるものとする。
【0057】
最初に、図7のフローチャートについて説明する。まず、携帯端末2において、ユーザにより予め優先順位ロジックの設定が行われ、優先順位ロジック記憶部200によって記憶される(S100)。なお、優先順位ロジック記憶部200によって、図6に示す優先順位ロジックのテーブルのうち、基準列と内容列のみが記憶されるものとする。次に、携帯端末2において、インターネット接続要求受付部201により、携帯端末2上で動作するアプリケーションによるネットワーク5への接続要求が受け付けられる(S101)。次に、携帯端末2において、端末検索部203により、携帯端末2と端末間通信が可能なテザリング端末3a〜3cが検索される(S102)。次に、携帯端末2において、条件情報取得部204により、テザリング端末3a〜3cからそれぞれ条件情報が取得される(S103〜S106)。
【0058】
次に、携帯端末2において、端末選択部205により、テザリング対象とするテザリング端末が選択される(S107)。この際、テザリング端末3a〜3cの上述の条件情報と、優先順位ロジック記憶部200によって記憶された優先順位ロジックのテーブルとから、端末選択部205により、図6に示す優先順位ロジックのテーブルのうちテザリング端末3a〜3cの判定及び接続優先順位が決定され、接続優先順位が1位のテザリング端末3bが端末選択部205によって選択される。そして、携帯端末2において、インターネット接続部206により、テザリング端末3bを介し、テザリング端末3bがテザリングを行うことで、ネットワーク5に接続される(S108、S109)。
【0059】
S109に続いて、図8のフローチャートのS110に処理が進む。図8において、まず、テザリング端末3bが携帯端末2のユーザとは異なるユーザによって持参され、移動されたとする(S110)。すると、携帯端末2において、端末監視部207により、携帯端末2とテザリング端末3b間の無線LAN通信の電波強度レベルが所定の閾値を下回ったことが判定される(S111)。これにより、携帯端末2において、端末切替判定部208により、異なるテザリング端末を介してネットワーク5に再接続すると判定される。ここで、テザリング端末3bの接続優先順位の次の接続優先順位を持つのがテザリング端末3aであるため、携帯端末2において、端末選択部205により、異なるテザリング端末としてテザリング端末3aが選択される(S112)。
【0060】
テザリング端末3aが選択されると、インターネット接続部206によりテザリング終了指示がテザリング端末3bに送信され、テザリング端末3bにおいて、テザリング部303により、テザリングが終了される(S113)。S112にてテザリング端末3aが選択されると、携帯端末2において、インターネット接続部206により、テザリング端末3aを介し、テザリング端末3aがテザリングを行うことで、ネットワーク5に接続される(S114、S115)。
【0061】
ここで、テザリング端末3aは「電池容量20%」かつ「充電中でない」ため、テザリングを行っている最中に、次第にテザリング端末3aの電池容量が低下する(S116)。ここで、S115以降、携帯端末2の端末監視部207による条件情報を定期的に送信させる要求に基づいて、テザリング端末3aからは定期的に条件情報が携帯端末2に送信されているとする。これにより、携帯端末2において、条件情報取得部204により、電池容量が低下した内容を示す条件情報が受信され、テザリング端末3の電池レベルが所定の閾値を下回ったことが判定される(S117)。これにより、携帯端末2において、端末切替判定部208により、異なるテザリング端末を介してネットワーク5に再接続すると判定される。ここで、テザリング端末3aの接続優先順位の次の接続優先順位を持つのがテザリング端末3cであるため、携帯端末2において、端末選択部205により、異なるテザリング端末としてテザリング端末3cが選択され、テザリング端末3cが選択されると、テザリング部303によりテザリング終了指示がテザリング端末3aに送信される(S118)。そして、テザリング終了指示を受信したテザリング端末3aにおいて、テザリング部303により、テザリングが終了される(S119)。S118にてテザリング端末3cが選択されると、携帯端末2において、インターネット接続部206により、テザリング端末3cを介し、テザリング端末3cがテザリングを行うことで、ネットワーク5に接続される(S120、S121)。
【0062】
次に、図9〜11を用いて、本実施形態のネットワーク接続システム1のより詳細な処理について説明する。図9は、携帯端末2がテザリング端末3aをテザリング対象として選択し、テザリングを行うまでのフローチャートを示す図である。図10は、図9に続く処理であり、テザリング後に異なるテザリング端末に再接続するまでのフローチャートを示す図である。図11は、図9に続く処理であり、テザリング後に、当該テザリングを行うために起動したアプリケーションとは異なるアプリケーションを起動した際のテザリング先の変更に関するフローチャートを示す図である。
【0063】
最初に、図9のフローチャートのうち、携帯端末2のフローチャートのS200〜S219について説明する。まず、優先順位ロジックを設定する場合は、ユーザにより、テザリング優先接続アプリケーションが起動され(S201)、優先順位ロジックが設定される(S202)。S202の次に、あるいは、優先順位ロジックを設定しない場合は、インターネット接続要求受付部201により、インターネット接続要求が受け付けられる(S203)。次に、無線LAN接続部202により、無線LANアプリケーションが起動され(S204)、端末検索部203により、周辺に位置する無線LAN端末が検索される(S205)。S205にて、周辺に無線LAN端末がない場合、携帯端末2はネットワーク5に接続することはできない。S205にて、周辺に無線LAN端末がある場合、無線LAN接続部202により、無線LAN端末に関する無線LAN情報が取得される(S206)。
【0064】
続いて、端末選択部205により、予め優先接続端末が設定されているかが確認される(S207)。例えば、予めテザリング端末3aが優先接続端末として設定されており、S206にて取得された無線LAN情報に、テザリング端末3aに関する情報が含まれていた場合、S214の処理に進む。S207にて、優先接続端末が設定されていない場合、続いて、端末選択部205により、優先順位ロジックが設定されているか否かが確認される(S208)。S208にて、優先順位ロジックが設定されていないことが確認されると、ユーザにより、接続候補端末の中から手動でテザリング端末が選択される(S209)。S208にて、優先順位ロジックが設定されていることが確認されると、条件情報取得部204により、条件情報取得要求がS205にて検索されたテザリング端末3に送信される(S210)。そして、テザリング端末3から送信された条件情報が、条件情報取得部204により取得される(S211)。次に、端末選択部205により、取得された条件情報に基づいて、S205にて検索されたテザリング端末3の接続優先順位がソートされて決定され(S212)、それに基づいて端末選択部205により、接続端末が選定される(S213)。なお、S210にてテザリング端末3から条件情報が取得できない場合や、S212にて同順位の接続端末があった場合などは、S209の処理に進み、ユーザによって接続端末が選択される。
【0065】
続いて、S214にて、無線LAN接続部202により、テザリング端末3aに対して無線LAN接続要求が送信される(S214)。なお、本フローチャートでは端末選択部205によってテザリング端末3aが接続端末として選択されたものとする。次に、無線LAN接続部202により、無線LAN接続が確立され(S215)、端末監視部207により、無線LAN状態が監視される(S216)。次に、インターネット接続部206により、インターネット接続要求がテザリング端末3aに送信される(S217)。S217にて接続できなかった場合、インターネット接続部206により、再接続要求がテザリング端末3aに送信される(S218)。S218にて、テザリング端末3aへの接続が所定の回数失敗した場合、S209またはS213に処理が移り、別のテザリング端末を接続対象として処理を進める。S217にてテザリング端末3aへの接続が完了すると、インターネット接続部206により、テザリング端末3aを介してネットワーク5への接続が確立される(S219)。
【0066】
次に、図9のフローチャートのうち、テザリング端末3aのフローチャートのS300〜S308について説明する。まず、無線LAN接続部301により、無線LANアプリケーションが起動される(S301)。その後、携帯端末2から無線LAN情報の取得が要求されると、無線LAN接続部301により、無線LAN状態スタンバイとされる(S302)。S302の状態にて、携帯端末2より条件情報取得要求があった場合、またはテザリング端末3aについて自端末の条件情報が取得可能な端末であった場合、条件情報送信部302により条件情報が取得され(S303)、携帯端末2に送信される(S304)。なお、S303にて条件情報が取得できなかった場合、テザリング端末3aは接続候補端末にはならず、S302の状態に戻る。
【0067】
S304の条件情報の送信後、あるいは、S302の状態において、携帯端末2より無線LAN接続要求が受信されると、無線LAN接続部301により、無線LAN接続移行が行われ(S305)、無線LAN接続が確立される(S306)。続いて、携帯端末2よりインターネット接続要求が受信されると、テザリング部303により、インターネット接続アプリケーションが起動され(S307)、インターネット接続が確立される(S308)。
【0068】
続いて、図10のフローチャートのうち、携帯端末2のフローチャートのS219〜S226について説明する。S219にて、インターネット接続が確立された後、接続優先順位が設定されている場合は、端末監視部207により、接続後条件情報監視要求がテザリング端末3aに送信される(S220)。そしてその応答として、テザリング端末3aから定期的に条件情報を取得する(S221)。その際、端末監視部207により、条件情報の異常が判定されると(S223)、端末切替判定部208により再接続が判定され、端末選択部205により次候補の接続端末が設定される(S224)。それに伴い、インターネット接続部206により、テザリング端末3aに対して切断要求が送信され(S225)、その後、無線LAN接続部202により無線LANの切断が確認される(S226)。なお、S219〜S221の処理に並行して端末監視部207により無線LAN状態の異常が監視され、実際に異常が判定された場合(S222)、テザリング端末3aに対して無線LAN切断要求が送信され、S226に処理が進む。S226の後、次候補の接続端末がある場合は、S214以降と同様の処理が行われる。S226の後、次候補の接続端末がない場合は、S210以降と同様の処理が行われる。
【0069】
続いて、図10のフローチャートのうち、テザリング端末3aのフローチャートのS308〜S315について説明する。S308にて、インターネット接続が確立された後、携帯端末2より接続後条件情報監視要求が受信されると、条件監視部304により、条件情報監視アプリケーションが起動される(S309)。続いて、条件情報送信部302により条件情報が定期的に取得され(S310)、携帯端末2に定期的に送信される(S311)。その後、携帯端末2より無線LAN切断要求が受信された場合(S312)、携帯端末2よりインターネット切断要求が受信された場合(S313)、またはテザリング端末3a内にて無線LAN接続部301により無線LAN異常が検知された場合、テザリング部303により、インターネット接続が切断される(S314)。続いて、無線LAN接続部301により、無線LANが切断され(S315)、切断した旨が携帯端末2に送信される。
【0070】
続いて、図11のフローチャートのうち、携帯端末2のフローチャートのS250〜S253について説明する。なお、図11に含まれるそれ以外のステップについては、図10の同じステップ番号の処理と同様であるため説明を省略する。S219にて、インターネット接続が確立された後、S203にてインターネット接続要求を送信したアプリケーションとは異なるアプリケーションが起動されたとする(S250)。S250にて、起動されたアプリケーションの優先順位ロジックにおける接続優先順位が設定されていない場合は、携帯端末2のユーザに対して接続優先順位の確認を促す通知を行う(S251)。S251にて、ユーザから優先順位ロジックにおける接続優先順位の変更がない旨の通知があった場合、ユーザから優先順位ロジックにおける接続優先順位が指定されたが当該接続優先順位に従ってテザリング端末3aが再度選択された場合、ユーザからテザリングを行う端末としてテザリング端末3aが直接指定された場合、またはS250にて両アプリケーションの優先順位ロジックにおける接続優先順位に変更がない場合、S219のインターネット接続が維持される(S252)。一方、S251にて、ユーザから優先順位ロジックにおける接続優先順位の変更がある旨の通知があり、当該接続優先順位に従って異なるテザリング端末3が選択された場合、ユーザからテザリングを行う端末としてテザリング端末3a以外のテザリング端末3が直接指定された場合、またはS250にて両アプリケーションの優先順位ロジックにおける接続優先順位に変更があり、S250にて起動したアプリケーションに基づく接続優先順位に従って異なるテザリング端末3が選択された場合、インターネット接続部206により、テザリング端末3aへの切断要求が送信される(S253)。S253以降は、S226及びS313〜S315の処理が行われ、新しい接続優先順位に従って異なるテザリング端末3への接続が行われる。
【0071】
次に、図12を用いて、本実施形態のネットワーク接続システム1の別の処理について説明する。図12は、携帯端末2aがテザリング端末3aを介してインターネット接続している際に、携帯端末2bがテザリング端末3aに対してテザリングの要求を行ったときの処理のフローチャートを示す図である。
【0072】
最初に、図12のフローチャートのうち、携帯端末2a及び2bのフローチャートのS400〜S411について説明する。まず、携帯端末2aがインターネット接続を確立している際に(S400)、携帯端末2bの条件情報取得部204により、携帯端末2bがテザリング端末3aに対して、条件情報の取得要求が送信される(S402)。それに応じて、携帯端末2bの条件情報取得部204により、テザリング端末3aから接続可否情報が取得される(S403)。S403にて、接続不可通知が受信された場合は、携帯端末2bはテザリング端末3aを介してインターネット接続ができない。S403にて、接続可能通知が受信された場合は、携帯端末2bの条件情報取得部204により、条件情報取得再要求がテザリング端末3aに送信される(S404)。それに応じて、携帯端末2bの条件情報取得部204により、テザリング端末3aから条件情報が受信される(S405)。
【0073】
次に、携帯端末2bの端末選択部205により、取得された条件情報に基づいて、テザリング端末3の接続優先順位がソートされて決定され(S406)、それに基づいて携帯端末2bの端末選択部205により、テザリング端末が選択される(S407)。ここではテザリング端末3aが選択されたものとする。続いて、携帯端末2bの端末選択部205は、決定通知をテザリング端末3aに送信し(S408)、それに応じて、携帯端末2bのインターネット接続部206により、テザリング端末3aから他端末との切断情報が受信され(S410)、携帯端末2bのインターネット接続部206により、テザリング端末3aに対して無線LAN接続要求が送信される(S411)。一方、携帯端末2aにおいて、無線LAN接続部202により、テザリング端末3aから携帯端末2aとの無線LAN切断に関する指示が受信されると、携帯端末2aの無線LAN接続部202により無線LAN接続の切断が確認される(S409)。
【0074】
続いて、図12のフローチャートのうち、テザリング端末3aのフローチャートのS500〜S511について説明する。まず、携帯端末2aとのインターネット接続を確立している際に(S500)、条件情報送信部302により、携帯端末2bから条件情報取得要求が受信され、それに応じて条件情報送信部302により、条件情報取得アプリケーションが起動される(S501)。続いて、テザリング切替判定部305により、優先順位記憶部300によって記憶されている接続優先順位が確認される(S502)。S502にて、携帯端末2bよりも携帯端末2aの接続優先順位が上位に設定されていると確認された場合、テザリング切替判定部305により、接続不可通知が携帯端末2bに送信される(S504)。S502にて、接続優先順位が設定されていないと確認された場合、テザリング切替判定部305により、テザリング端末3aのユーザに対して、携帯端末2bからのアクセスがある旨が通知され(S503)、ユーザによって接続不可が指定されるとS504に処理が進む。S503にて、ユーザによって接続許可が指定された場合、または、S502にて、携帯端末2aよりも携帯端末2bの接続優先順位が上位に設定されていると確認された場合、テザリング切替判定部305により、接続許可通知が携帯端末2bに送信される(S505)。
【0075】
続いて、条件情報送信部302により、携帯端末2bから条件情報取得再要求が受信されると、条件情報送信部302により条件情報が取得され(S506)、携帯端末2bに送信される(S507)。次に、テザリング部303により、携帯端末2bから決定通知が受信され(S508)、それに応じて、テザリング部303により携帯端末2aとの切断が実施され(S509)、テザリング部303により携帯端末2bに対して携帯端末2aとの切断情報が送信され(S510)、無線LAN接続部301により、無線LAN接続が移行される(S511)。
【0076】
次に、このように構成された携帯端末2及びテザリング端末3の作用効果について説明する。
【0077】
本実施形態の携帯端末2によれば、端末検索部203により、ネットワーク5への接続要求に基づいて、自端末と端末間通信が可能な一つ以上のテザリング端末3が検索され、条件情報取得部204により、検索されたテザリング端末3からテザリング処理のための条件情報が取得され、端末選択部205により、取得された条件情報に基づいて、テザリング対象とする一つのテザリング端末3が選択され、インターネット接続部206により、選択されたテザリング端末3を介してネットワーク5に接続される。かかる構成を採れば、テザリング処理のための条件情報に基づいて、ユーザにとって適切なテザリング端末3を選択することができる。
【0078】
また、本実施形態の携帯端末2によれば、優先順位ロジック記憶部200により、テザリング対象とするテザリング端末3を選択するための優先順位付けをテザリング端末3の条件情報に基づいて行う優先順位ロジックが記憶され、端末選択部205により、更に、記憶された優先順位ロジックに基づいて、テザリング端末3が選択される。かかる構成を採れば、携帯端末2に予め記憶された優先順位ロジックに基づいて、ユーザにとって適切なテザリング端末3を選択することができる。
【0079】
また、本実施形態の携帯端末2によれば、優先順位ロジック記憶部200により、ネットワーク5への接続要求を行うアプリケーションごとに優先順位ロジックが記憶され、端末選択部205により、更に、ネットワーク5への接続要求の要求元であるアプリケーションに基づいて、テザリング端末が選択される。かかる構成を採れば、ネットワーク5への接続要求を行うアプリケーションごとに、ユーザにとって適切なテザリング端末3を選択することができる。
【0080】
また、本実施形態の携帯端末2によれば、条件情報は、電池残量、充電中の有無、及びネットワーク契約内容の何れか一つ以上の情報を含む。かかる構成を採れば、テザリング端末3の電池残量、充電中の有無、またはネットワーク契約内容に基づいて、ユーザにとって適切なテザリング端末3を選択することができる。
【0081】
また、本実施形態の携帯端末2によれば、条件情報取得部204により、インターネット接続部206によってネットワーク5に接続された後に、当該ネットワーク5に接続するために介しているテザリング端末3から条件情報が取得され、端末切替判定部208により、取得された条件情報に基づいて、異なるテザリング端末3を介してネットワーク5に再接続するか否かが判定され、端末選択部205により、再接続すると判定された場合、異なるテザリング端末3が選択され、インターネット接続部206により、選択されたテザリング端末3を介してネットワーク5に再接続される。かかる構成を採れば、テザリング端末3の状況に応じて、異なるテザリング端末3に変更することができるため、ユーザにとって適切なテザリング端末3を状況に応じてリアルタイムに選択することができる。
【0082】
また、本実施形態の携帯端末2によれば、インターネット接続部206により、ネットワーク5に再接続する際に、アプリケーション層の接続が維持される。かかる構成を採れば、テザリング端末3が変更される場合でも、アプリケーション層の接続が維持されるため、ユーザの利便性が向上する。
【0083】
また、本実施形態のテザリング端末3によれば、条件情報送信部302により、携帯端末2と端末間通信が可能なテザリング端末3として携帯端末2から自端末が検索された際に、携帯端末2にテザリング処理のための条件情報が送信され、テザリング部303により、送信された条件情報に基づいて携帯端末2が自端末をテザリング対象とするテザリング端末3として選択した後、自端末を介してネットワーク5に接続する要求を携帯端末2から受信した際に、テザリングが行われる。かかる構成を採れば、テザリング処理のための条件情報に基づいて、ユーザにとって適切なテザリング端末3を選択することができる。
【0084】
また、本実施形態のテザリング端末3によれば、優先順位記憶部300により、テザリングを行う携帯端末の優先順位が記憶され、テザリング切替判定部305により、テザリング部303によってテザリングを行っている際に、端末間通信が可能なテザリング端末3として異なる携帯端末2から自端末が検索された場合、記憶された優先順位に基づいて、現在行っているテザリングを終了して異なる携帯端末2に対してテザリングを行うか否かが判定され、テザリング部303により、現在行っているテザリングを終了して異なる携帯端末2に対してテザリングを行うと判定された場合、当該テザリングの切替が行われる。かかる構成を採れば、テザリング端末3に予め記憶された優先順位に基づいて、ユーザにとって適切なテザリング端末3を選択することができる。
【符号の説明】
【0085】
1…ネットワーク接続システム、2…携帯端末、3…テザリング端末、4…APN、5…ネットワーク、200…優先順位ロジック記憶部、201…インターネット接続要求受付部、202…無線LAN接続部、203…端末検索部、204…条件情報取得部、205…端末選択部、206…インターネット接続部、207…端末監視部、208…端末切替判定部、300…優先順位記憶部、301…無線LAN接続部、302…条件情報送信部、303…テザリング部、304…条件監視部、305…テザリング切替判定部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークへの接続要求に基づいて、自端末と端末間通信が可能な一つ以上のテザリング端末を検索する端末検索手段と、
前記端末検索手段によって検索されたテザリング端末からテザリング処理のための条件情報を取得する条件情報取得手段と、
前記条件情報取得手段によって取得された条件情報に基づいて、テザリング対象とする一つのテザリング端末を選択する端末選択手段と、
前記端末選択手段によって選択されたテザリング端末を介してネットワークに接続するネットワーク接続手段と、
を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
テザリング対象とするテザリング端末を選択するための優先順位付けをテザリング端末の条件情報に基づいて行う優先順位ロジックを記憶する優先順位ロジック記憶手段を更に備え、
前記端末選択手段は、更に、前記優先順位ロジック記憶手段によって記憶された優先順位ロジックに基づいて、テザリング端末を選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記優先順位ロジック記憶手段は、ネットワークへの接続要求を行うアプリケーションごとに優先順位ロジックを記憶し、
前記端末選択手段は、更に、ネットワークへの接続要求の要求元であるアプリケーションに基づいて、テザリング端末を選択する、
ことを特徴とする請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記条件情報は、電池残量、充電中の有無、及びネットワーク契約内容の何れか一つ以上の情報を含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記ネットワーク接続手段によってネットワークに接続された後に、当該ネットワークに接続するために介しているテザリング端末から条件情報を取得する条件情報再取得手段と、
前記条件情報再取得手段によって取得された条件情報に基づいて、異なるテザリング端末を介してネットワークに再接続するか否かを判定する端末切替判定手段と、
前記端末切替判定手段によって再接続すると判定された場合、異なるテザリング端末を選択する端末再選択手段と、
前記端末再選択手段によって選択されたテザリング端末を介してネットワークに再接続するネットワーク再接続手段と、
を備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記ネットワーク再接続手段は、ネットワークに再接続する際に、アプリケーション層の接続を維持する、
ことを特徴とする請求項5に記載の携帯端末。
【請求項7】
携帯端末と端末間通信が可能なテザリング端末として携帯端末から自端末が検索された際に、携帯端末にテザリング処理のための条件情報を送信する条件情報送信手段と、
前記条件情報送信手段によって送信された条件情報に基づいて携帯端末が自端末をテザリング対象とするテザリング端末として選択した後、自端末を介してネットワークに接続する要求を携帯端末から受信した際に、テザリングを行うテザリング手段と、
を備えることを特徴とするテザリング端末。
【請求項8】
テザリングを行う携帯端末の優先順位を記憶する優先順位記憶手段と、
前記テザリング手段によってテザリングを行っている際に、端末間通信が可能なテザリング端末として異なる携帯端末から自端末が検索された場合、前記優先順位記憶手段によって記憶された優先順位に基づいて、現在行っているテザリングを終了して異なる携帯端末に対してテザリングを行うか否かを判定するテザリング切替判定手段と、
前記テザリング切替判定手段によって現在行っているテザリングを終了して異なる携帯端末に対してテザリングを行うと判定された場合、当該テザリングの切り替えを行うテザリング切替手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項7に記載のテザリング端末。
【請求項9】
テザリング端末と、テザリング端末を介してネットワークに接続する携帯端末とを含むネットワーク接続システムであって、
携帯端末は、
ネットワークへの接続要求に基づいて、自端末と端末間通信が可能な一つ以上のテザリング端末を検索する端末検索手段と、
前記端末検索手段によって検索されたテザリング端末からテザリング処理のための条件情報を取得する条件情報取得手段と、
前記条件情報取得手段によって取得された条件情報に基づいて、テザリング対象とする一つのテザリング端末を選択する端末選択手段と、
前記端末選択手段によって選択されたテザリング端末を介してネットワークに接続するネットワーク接続手段と、
を備え、
テザリング端末は、
携帯端末と端末間通信が可能なテザリング端末として携帯端末から自端末が検索された際に、携帯端末にテザリング処理のための条件情報を送信する条件情報送信手段と、
前記条件情報送信手段によって送信された条件情報に基づいて携帯端末が自端末をテザリング対象とするテザリング端末として選択した後、自端末を介してネットワークに接続する要求を携帯端末から受信した際に、テザリングを行うテザリング手段と、
を備える、
ことを特徴とするネットワーク接続システム。
【請求項10】
携帯端末が、ネットワークへの接続要求に基づいて、自端末と端末間通信が可能な一つ以上のテザリング端末を検索する端末検索ステップと、
携帯端末が、前記端末検索ステップにおいて検索されたテザリング端末からテザリング処理のための条件情報を取得する条件情報取得ステップと、
携帯端末が、前記条件情報取得ステップにおいて取得された条件情報に基づいて、テザリング対象とする一つのテザリング端末を選択する端末選択ステップと、
携帯端末が、前記端末選択ステップにおいて選択されたテザリング端末を介してネットワークに接続するネットワーク接続ステップと、
を含むことを特徴とするネットワーク接続方法。
【請求項1】
ネットワークへの接続要求に基づいて、自端末と端末間通信が可能な一つ以上のテザリング端末を検索する端末検索手段と、
前記端末検索手段によって検索されたテザリング端末からテザリング処理のための条件情報を取得する条件情報取得手段と、
前記条件情報取得手段によって取得された条件情報に基づいて、テザリング対象とする一つのテザリング端末を選択する端末選択手段と、
前記端末選択手段によって選択されたテザリング端末を介してネットワークに接続するネットワーク接続手段と、
を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
テザリング対象とするテザリング端末を選択するための優先順位付けをテザリング端末の条件情報に基づいて行う優先順位ロジックを記憶する優先順位ロジック記憶手段を更に備え、
前記端末選択手段は、更に、前記優先順位ロジック記憶手段によって記憶された優先順位ロジックに基づいて、テザリング端末を選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記優先順位ロジック記憶手段は、ネットワークへの接続要求を行うアプリケーションごとに優先順位ロジックを記憶し、
前記端末選択手段は、更に、ネットワークへの接続要求の要求元であるアプリケーションに基づいて、テザリング端末を選択する、
ことを特徴とする請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記条件情報は、電池残量、充電中の有無、及びネットワーク契約内容の何れか一つ以上の情報を含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記ネットワーク接続手段によってネットワークに接続された後に、当該ネットワークに接続するために介しているテザリング端末から条件情報を取得する条件情報再取得手段と、
前記条件情報再取得手段によって取得された条件情報に基づいて、異なるテザリング端末を介してネットワークに再接続するか否かを判定する端末切替判定手段と、
前記端末切替判定手段によって再接続すると判定された場合、異なるテザリング端末を選択する端末再選択手段と、
前記端末再選択手段によって選択されたテザリング端末を介してネットワークに再接続するネットワーク再接続手段と、
を備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記ネットワーク再接続手段は、ネットワークに再接続する際に、アプリケーション層の接続を維持する、
ことを特徴とする請求項5に記載の携帯端末。
【請求項7】
携帯端末と端末間通信が可能なテザリング端末として携帯端末から自端末が検索された際に、携帯端末にテザリング処理のための条件情報を送信する条件情報送信手段と、
前記条件情報送信手段によって送信された条件情報に基づいて携帯端末が自端末をテザリング対象とするテザリング端末として選択した後、自端末を介してネットワークに接続する要求を携帯端末から受信した際に、テザリングを行うテザリング手段と、
を備えることを特徴とするテザリング端末。
【請求項8】
テザリングを行う携帯端末の優先順位を記憶する優先順位記憶手段と、
前記テザリング手段によってテザリングを行っている際に、端末間通信が可能なテザリング端末として異なる携帯端末から自端末が検索された場合、前記優先順位記憶手段によって記憶された優先順位に基づいて、現在行っているテザリングを終了して異なる携帯端末に対してテザリングを行うか否かを判定するテザリング切替判定手段と、
前記テザリング切替判定手段によって現在行っているテザリングを終了して異なる携帯端末に対してテザリングを行うと判定された場合、当該テザリングの切り替えを行うテザリング切替手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項7に記載のテザリング端末。
【請求項9】
テザリング端末と、テザリング端末を介してネットワークに接続する携帯端末とを含むネットワーク接続システムであって、
携帯端末は、
ネットワークへの接続要求に基づいて、自端末と端末間通信が可能な一つ以上のテザリング端末を検索する端末検索手段と、
前記端末検索手段によって検索されたテザリング端末からテザリング処理のための条件情報を取得する条件情報取得手段と、
前記条件情報取得手段によって取得された条件情報に基づいて、テザリング対象とする一つのテザリング端末を選択する端末選択手段と、
前記端末選択手段によって選択されたテザリング端末を介してネットワークに接続するネットワーク接続手段と、
を備え、
テザリング端末は、
携帯端末と端末間通信が可能なテザリング端末として携帯端末から自端末が検索された際に、携帯端末にテザリング処理のための条件情報を送信する条件情報送信手段と、
前記条件情報送信手段によって送信された条件情報に基づいて携帯端末が自端末をテザリング対象とするテザリング端末として選択した後、自端末を介してネットワークに接続する要求を携帯端末から受信した際に、テザリングを行うテザリング手段と、
を備える、
ことを特徴とするネットワーク接続システム。
【請求項10】
携帯端末が、ネットワークへの接続要求に基づいて、自端末と端末間通信が可能な一つ以上のテザリング端末を検索する端末検索ステップと、
携帯端末が、前記端末検索ステップにおいて検索されたテザリング端末からテザリング処理のための条件情報を取得する条件情報取得ステップと、
携帯端末が、前記条件情報取得ステップにおいて取得された条件情報に基づいて、テザリング対象とする一つのテザリング端末を選択する端末選択ステップと、
携帯端末が、前記端末選択ステップにおいて選択されたテザリング端末を介してネットワークに接続するネットワーク接続ステップと、
を含むことを特徴とするネットワーク接続方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−227610(P2012−227610A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91265(P2011−91265)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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