説明

携帯端末、ロック解除プログラムおよびロック解除方法

【構成】携帯電話機10は、タッチパネル38およびタッチ操作を検出するためのタッチパネル制御回路36を備える。また、携帯電話機10には、電話機能などを制限するロック状態が設定できる。たとえば、ロック状態が設定さているときにキー操作されると、ロック状態が設定されていることを示すオブジェクトがディスプレイ30に表示される。また、プロセッサ24はタッチパネル38にスライドの操作が行われると、スライドの操作に伴いオブジェクトの表示を更新し、ロック状態を解除する。
距離および方向を算出する。そして、上方向に所定距離のスライドが行われると、ロック状態は解除される。
【効果】使用者が理解できる言語に関係なく、直感的な操作によってロック状態を解除することができる携帯電話機10を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯端末、ロック解除プログラムおよびロック解除方法に関し、特にロック状態を設定することができる、携帯端末、ロック解除プログラムおよびロック解除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロック状態を設定することができる携帯端末は広く知られており、この種の装置の一例が特許文献1に開示されている。この背景技術のテレビジョン受像機は、リモコンにおける任意の操作キーをロックすることができる、キーロック機能を有する。たとえば、ロックされたキーが操作されると、ロック解除手順OSD(On Screen Display)が表示部に表示される。そして、一定時間内にロック解除操作が行われると、キーロックを解除する。
【特許文献1】特開2007−13530号公報[H04N 5/445, H04Q 9/00]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、特許文献1のテレビジョン受像機において、ロック解除方法が特定の言語で表示された場合、使用者がロック解除の手順を理解できないことが考えられる。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、携帯端末、ロック解除プログラムおよびロック解除方法を提供することである。
【0005】
この発明の他の目的は、使用者が理解できる言語に関係なく、ロック状態を解除させることができる、携帯端末、ロック解除プログラムおよびロック解除方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、この発明の理解を助けるために記述する実施形態との対応関係を示したものであって、この発明を何ら限定するものではない。
【0007】
第1の発明は、タッチパネルおよびタッチパネルに対する接触部材の接触を検出する接触検出部を有し、接触検出部が検出した接触に基づく所定の処理を実行しないロック状態が設定できる、携帯端末であって、ロック状態が設定されていることを示すオブジェクトを表示する表示部、ロック状態が設定されている場合において、接触検出部が、タッチパネルに対して接触部材を接触して移動させたことを検出したとき、表示部によって表示されたオブジェクトの表示を更新する更新部、および更新部によるオブジェクトの表示の更新が、所定の更新であった場合、ロック状態を解除する解除部を備える、携帯端末である。
【0008】
第1の発明では、携帯端末(10:実施例において対応する部分を例示する参照符号。以下、同じ。)は、指などの接触部材によってタッチ、リリースおよびスライドなどの操作が行われるタッチパネル(38)および、それらの操作を検出する接触検出部(36)を有する。また、携帯端末には、タッチパネルに対する操作によって電話発信やメール送信などの携帯端末が備える所定の処理(機能)が実行されないようにする、ロック状態を設定することができる。
【0009】
たとえば、表示部(24,S21)は、ロック状態が設定されているときにキー操作がされると、カーテンや、扉および花などのオブジェクト(Co,Do,Fo)を表示することで、タッチパネルに対する操作を促す。また、更新部(24,S35)は、タッチパネルに対して接触部材が接触して移動する操作(スライド)が検出されると、オブジェクトの表示位置を更新する。そして、解除部(24,S39)は、たとえば、所定の更新としてオブジェクトの表示が消去されると、ロック状態を解除する。
【0010】
第1の発明によれば、使用者が理解できる言語に関係なく、直感的な操作によってロック状態を解除させることができる。
【0011】
第2の発明は、タッチパネルおよびタッチパネルに対する接触部材の接触を検出する接触検出部を有し、接触検出部が検出した接触に基づく所定の処理を実行しないロック状態が設定できる、携帯端末であって、ロック状態が設定されていることを示すオブジェクトを表示する表示部、ロック状態が設定されている場合において、接触検出部が、タッチパネルに対して接触部材を接触して移動させたことを検出したとき、最初に接触した位置から接触部材が移動した方向を判定する判定部、判定部によって判定された方向が特定の方向であった場合、表示部によって表示されたオブジェクトの表示を更新する更新部、および更新部によるオブジェクトの表示の更新が、所定の更新であった場合、ロック状態を解除する解除部を備える、携帯端末である。
【0012】
第2の発明では、第1の発明に加えて、判定部(24,S29)を備える。また、判定部は、タッチパネルに対して接触部材を接触して移動させたことを検出したとき、最初に接触した位置から接触部材が移動した方向を判定する。そして、更新部は、判定された方向が特定の方向であるとき、表示部によって表示されたオブジェクトの表示を更新する。
【0013】
第2の発明によれば、第1の発明と同様、使用者が理解できる言語に関係なく、直感的な操作によってロック状態を解除させることができる。
【0014】
また、特定の方向にスライドしなければロック状態が解除されないようにすることで、誤操作によってロック状態が解除されることを防ぐことができる。
【0015】
第3の発明は、第2の発明に従属し、タッチパネルに対して接触部材を接触して移動させたことを検出したとき、最初に接触した位置から接触部材が移動した距離を算出する算出部をさらに備え、解除部は、判定部によって判定された方向が特定の方向であり、算出部によって算出された距離が所定値以上であるとき、ロック状態を解除する。
【0016】
第3の発明では、算出部(24,S33)は、たとえば、三平方の定理を利用して、最初に接触した位置から接触部材が移動した距離を算出する。そして、解除部は、特定の方向に、距離が所定値以上のスライドがされると、ロック状態を解除する。
【0017】
第3の発明によれば、スライドの距離が所定値以上にならなければロック状態が解除されないようにすることで、誤操作によってロック状態が解除されることを防ぐことができる。
【0018】
第4の発明は、第3の発明に従属し、算出部によって算出された距離が所定値となる前に、接触検出部によってタッチパネルから接触部材が離されたことが検出されたとき、オブジェクトの表示が初期化される。
【0019】
第4の発明では、たとえば、接触部材の移動中に接触部材がタッチパネルから離されると、オブジェクトの表示が初期化される。
【0020】
第4の発明によれば、携帯端末は、ロック状態を解除する操作が正しくなければ、オブジェクトの表示を最初の状態に戻すことができる。
【0021】
第5の発明は、タッチパネル(38)およびタッチパネルに対する接触部材の接触を検出する接触検出部(36)を有し、接触検出部が検出した接触に基づく所定の処理を実行しないロック状態が設定できる、携帯端末(10)のプロセッサ(24)を、ロック状態が設定されていることを示すオブジェクト(Co,Do,Fo)を表示する表示部(S21)、ロック状態が設定されている場合において、接触検出部が、タッチパネルに対して接触部材を接触して移動させたことを検出したとき、表示部によって表示されたオブジェクトの表示を更新する更新部(S35)、および更新部によるオブジェクトの表示の更新が、所定の更新であった場合、ロック状態を解除する解除部(S39)として機能させる、ロック解除プログラムである。
【0022】
第5の発明でも、第1の発明と同様に、使用者が理解できる言語に関係なく、直感的な操作によってロック状態を解除させることができる。
【0023】
第6の発明は、タッチパネル(38)およびタッチパネルに対する接触部材の接触を検出する接触検出部(36)を有し、接触検出部が検出した接触に基づく所定の処理を実行しないロック状態が設定できる、携帯端末(10)のロック解除方法であって、ロック状態が設定されていることを示すオブジェクト(Co,Do,Fo)を表示し(S21)、ロック状態が設定されている場合において、接触検出部が、タッチパネルに対して接触部材を接触して移動させたことを検出したとき、表示されたオブジェクトの表示を更新し(S35)、そしてオブジェクトの表示の更新が、所定の更新であった場合、ロック状態を解除する(S39)、ロック解除方法である。
【0024】
第6の発明でも、第1の発明と同様、使用者が理解できる言語に関係なく、直感的な操作によってロック状態を解除させることができる。
【発明の効果】
【0025】
この発明によれば、使用者が理解できる言語に関係なく、直感的な操作によってロック状態を解除させることができる、携帯端末を提供することができる。
【0026】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1はこの発明の一実施例の携帯電話機の電気的な構成を示す図である。
【図2】図2は図1に示す携帯電話機の外観を示す図である。
【図3】図3は図1に示す携帯電話機に設定されたロック状態を解除する手順の一例を示す図である。
【図4】図4は図1に示すRAMのメモリマップの一例を示す図である。
【図5】図5は図1に示すプロセッサのロック状態設定処理を示すフロー図である。
【図6】図6は図1に示すプロセッサのロック状態解除処理を示すフロー図である。
【図7】図7は図1に示す携帯電話機に設定されたロック状態を解除する手順の他の一例を示す図である。
【図8】図8は図1に示す携帯電話機に設定されたロック状態を解除する手順のその他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
<第1実施例>
図1を参照して、この実施例の携帯電話機10は、携帯端末の一種であり、CPUまたはコンピュータと呼ばれるプロセッサ24を含む。また、このプロセッサ24には、無線通信回路14、A/D16、D/A20、キー入力装置26、表示ドライバ28、フラッシュメモリ32、RAM34およびタッチパネル制御回路36が接続される。無線通信回路14にはアンテナ12が接続され、A/D16にはマイク18が接続され、D/A20にはアンプ(図示せず)を介してスピーカ22が接続される。また、表示ドライバ28には、ディスプレイ30が接続される。そして、タッチパネル制御回路36にはタッチパネル38が接続される。
【0029】
プロセッサ24は、制御用のICであり、携帯電話機10の全体制御を司る。また、RAM34は、プロセッサ24の作業領域(描画領域を含む)ないしバッファ領域として用いられる。フラッシュメモリ32には、携帯電話機10の文字、画像、音声、音および映像のようなコンテンツのデータが記録される。
【0030】
A/D16は、当該A/D16に接続されたマイク18を通して入力される音声ないし音についてのアナログ音声信号を、デジタル音声信号に変換する。D/A20は、デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換(復号)して、アンプを介してスピーカ22に与える。したがって、アナログ音声信号に対応する音声ないし音がスピーカ22から出力される。
【0031】
キー入力装置26は、図2(A)に示す、通話キー26a、メニューキー26bおよび終話キー26cを備える。また、使用者が操作したキーの情報(キーデータ)はプロセッサ24に入力される。なお、キー入力装置26に含まれる各キーが操作されると、クリック音が鳴る。そして、使用者は、クリック音を聞くことで、キー操作に対する操作感を得ることができる。
【0032】
表示ドライバ28は、プロセッサ24の指示の下、当該表示ドライバ28に接続されたディスプレイ30の表示を制御する。また、表示ドライバ28は表示する画像データを一時的に記憶するVRAMを含む。そして、プロセッサ24は、ディスプレイ30に表示する画像データを、このVRAMに記憶させる。
【0033】
タッチパネル38は、指(接触部材)が表面に接近して生じた電極間の静電容量の変化を検出する静電容量方式で、たとえば1本または複数本の指がタッチパネル38に触れたことを検出する。また、タッチパネル38は、ディスプレイ30の画面内で、任意の位置を指示するためのポインティングデバイスである。たとえば、タッチパネル38は、その表面を指で、押したり、撫でたり、触られたりすることにより操作されると、その操作を検出する。そして、接触検出部として機能するタッチパネル制御回路36は、タッチパネル38に指が触れると、その指の位置を特定し、操作された位置を示す座標のデータをプロセッサ24に出力する。つまり、使用者は、タッチパネル38の表面を指で、押したり、撫でたり、触れたりすることによって、操作の方向や図形などを携帯電話機10に入力することができる。
【0034】
ここで、使用者がタッチパネル38の表面を指で触れる操作を「タッチ(接触)」と言うことにする。一方、タッチパネル38から指を離す操作を「離す」または「リリース」と言うことにする。タッチによって示された座標を「タッチ点(第1位置)」、リリースによって示された座標を「リリース点(第2位置)」と言うことにする。また、タッチパネル38の表面を撫でる操作、またはタッチパネル38に対して指を接触したまま移動させる操作を「スライド」と言うことにする。さらに、使用者がタッチパネル38の表面をタッチして、続けてリリースする操作を「タッチアンドリリース」と言うことにする。そして、タッチ、リリース、スライドおよびタッチアンドリリースなどのタッチパネル38に対して行う操作を、まとめて「タッチ操作(接触操作)」と言うことにする。
【0035】
なお、接触部材は指だけに限らず、導電体などが含まれていてもよい。そして、タッチ操作は、導電体が先端に取り付けられたタッチペンなどによって行われてもよい。また、タッチパネル38の検出方式には、表面型の静電容量方式が採用されてもよいし、抵抗膜方式、超音波方式、赤外線方式および電磁誘導方式などであってもよい。
【0036】
無線通信回路14は、CDMA方式での無線通信を行うための回路である。たとえば、使用者がキー入力装置26を用いて電話発信を指示すると、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、電話発信処理を実行し、アンテナ12を介して電話発信信号を出力する。電話発信信号は、基地局および通信網(図示せず)を経て相手の電話機に送信される。そして、相手の電話機において着信処理が行われると、通信可能状態が確立され、プロセッサ24は通話処理を実行する。
【0037】
通常の通話処理について具体的に説明すると、相手の電話機から送られてきた変調音声信号はアンテナ12によって受信される。受信された変調音声信号には、無線通信回路14によって復調処理および復号処理が施される。そして、これらの処理によって得られた受話音声信号は、D/A20によってアナログ音声信号に変換された後、スピーカ22から出力される。一方、マイク18を通して取り込まれた送話音声信号は、A/D16によってデジタル音声信号に変換された後、プロセッサ24に与えられる。デジタル音声信号に変換された送話信号には、プロセッサ24の指示の下、無線通信回路14によって符号化処理および変調処理が施され、アンテナ12を介して出力される。したがって、変調音声信号は、基地局および通信網を介して相手の電話機に送信される。
【0038】
また、相手の電話機からの発呼信号がアンテナ12によって受信されると、無線通信回路14は、電話着信(着呼と言うこともある。)をプロセッサ24に通知する。これに応じて、プロセッサ24は、表示ドライバ28を制御して、着信通知に記述された発信元情報(電話番号)をディスプレイ30に表示する。また、これとほぼ同時に、プロセッサ24は、図示しないスピーカから着信音(着信メロディ、着信音声と言うこともある。)を出力させる。さらに、プロセッサ24は電話着信をユーザに通知するために、携帯電話機10を振動させたり、図示しないLEDを発光させたりする。
【0039】
そして、使用者が、通話キー26aを用いて応答操作を行うと、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、電話着信処理を実行し、通信可能状態が確立され、プロセッサ24は上述した通常の通話処理を実行する。
【0040】
また、通話可能状態に移行した後に終話キー26cによって通話終了操作が行われると、プロセッサ24は、無線通信回路14を制御して、通話相手に通話終了信号を送信する。通話終了信号の送信後、プロセッサ24は通話処理を終了する。また、先に通話相手から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ24は通話処理を終了する。さらに、通話相手によらず、移動通信網から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ24は通話処理を終了する。
【0041】
図2(A)は、携帯電話機10の表面の外観を示す外観図であり、図2(B)は携帯電話機10の裏面の外観を示す外観図である。図2(A)を参照して、携帯電話機10は、ストレート型の形状をしており、平面矩形の筐体Cを有する。図示しないマイク18は、筐体Cに内蔵され、内蔵されたマイク18に通じる開口OP2は筐体Cの長さ方向一方の表面に設けられる。同じく、図示しないスピーカ22は、筐体Cに内蔵され、内蔵されたスピーカ22に通じる開口OP1は、筐体Cの長さ方向他方の表面に設けられる。ディスプレイ30は、モニタ画面が筐体Cの表面側から見えるように取り付けられる。そして、ディスプレイ30にはタッチパネル38が設けられる。
【0042】
キー入力装置26に含まれる各種キーは、通話キー26a、メニューキー26bおよび終話キー26cを備える。そして、これらのキーは筐体Cの表面に設けられる。
【0043】
たとえば、使用者は、ディスプレイ30に表示されたダイヤルキーに対して、タッチ操作を行うことで電話番号を入力し、通話キー26aによって電話発信操作を行う。そして、使用者は、通話が終了すると、終話キー26cによって通話終了操作を行う。また、使用者は、ディスプレイ30に表示されたソフトキーおよびメニューに対してタッチ操作を行うことで、メニューの選択や確定を行う。そして、使用者は、終話キー26cを長押しすることで携帯電話機10の電源をオン/オフする。
【0044】
なお、図2(A),(B)において、アンテナ12、無線通信回路14、A/D16、D/A20、プロセッサ24、表示ドライバ28、フラッシュメモリ32、RAM34、タッチパネル制御回路36は筐体Cに内蔵されているため、図2(A),(B)では図示されない。
【0045】
ここで、携帯電話機10は、電話発信やメール送受信などの携帯電話機10で利用可能な所定の機能が実行しないようにする、ロック機能を有している。たとえば、終話キー26cが操作されると、ディスプレイ30およびタッチパネル38の電源がオフとなるとともにロック状態が設定され、電話機能などを実行するためのタッチ操作が無効になる。さらに、ロック状態が設定された状態で、ディスプレイ30の電源がオンにされると、タッチパネル38の電源も同時にオンにされるため、タッチ操作が検出されるようになる。そして、後述するタッチ操作が行われると、ロック状態が解除される。
【0046】
まず、図3(A)を参照して、ロック状態が設定されている状態で、メニューキー26bが操作されると、ディスプレイ30の電源がオンになり、ロック画面が表示される。また、ディスプレイ30の表示領域は、状態表示領域60および機能表示領域62から構成される。状態表示領域60には、アンテナ12による電波受信状態を示すアイコン(ピクトと言うこともある。)、二次電池の残電池容量を示すアイコンおよび現在日時が表示される。なお、状態表示領域60に表示される現在時刻は、図示しないRTC(Real Time Clock)が出力する時刻情報に基づく。
【0047】
一方、機能表示領域62に表示されるロック画面は、待機状態であることを示す待機画像と、その待機画像を隠し、かつ使用者にスライドを促すカーテンオブジェクトCoとから構成される。そして、任意の位置から上方向(特定の方向)にスライドされると、図3(B)に示すようにカーテンオブジェクトCoによって隠された背景画像が徐々に表示され始める。
【0048】
また、最初にタッチ(接触)した位置から指が移動したときのスライドの方向を判定する場合、タッチパネル38に対して現在タッチしている位置(タッチ位置)と、タッチ点とから判定される。具体的に説明すると、タッチ点の縦軸座標に対して、現在のタッチ位置の縦軸座標が上側にあるかどうかで判定される。たとえば、タッチパネル38の座標系の原点が図3(A)における左下である場合、タッチ点の縦軸座標が30であり、タッチ位置の縦軸座標が70であれば、2つの縦軸座標の差分が「+40(=70−30)」であるため、スライドの方向は上方向と判定される。一方、タッチ点の縦軸座標が70であり、現在のタッチ位置の縦軸座標が20であれば、差分が「−50(=20−70)」であるため、スライドの方向は下方向と判定される。つまり、2つの縦軸座標の差分が「プラス(差分>0)」であれば上向きと判定され、「マイナス(差分<0)」であれば下向きと判定される。ただし、2つの縦軸座標の差分が「0」である場合は、本実施例では上方向として判定される。なお、タッチパネル38の座標系の原点が左上である場合は、上向きと下向きとの判定条件が逆転する。
【0049】
そして、スライドの距離が所定距離(所定値)以上になると、図3(C)に示すように、カーテンオブジェクトCoはディスプレイ30に表示されなくなり、ロック状態が解除される。ただし、ロック状態を解除する操作が中断された場合、カーテンオブジェクトCoは初期の表示に戻される。
【0050】
このように、使用者が、特定の方向に、所定距離以上のスライドを行わなければ、ロック状態が解除されないため、誤操作によってロック状態が解除されることを防ぐことができる。また、スライドの距離に応じてカーテンオブジェクトCoの表示が変化するため、使用者は、ロック状態を解除する操作が正しく入力されていることや、ロック状態の解除に必要なタッチ操作量(スライド量)を知ることができる。さらに、携帯電話機10は、ロック状態を解除する操作が正しくなければ、ディスプレイ30の表示を最期の状態に戻すことができる。
【0051】
なお、図3(A)−(C)で示される背景画像は、使用者によって予め設定されてもよいし、携帯電話機10を開発するメーカーによって規定された画像であってもよい。
【0052】
また、本実施例では、タッチパネル制御回路36およびタッチパネル38の電源をオフにすることで、タッチを無効にしている。したがって、携帯電話機10の消費電力がより抑えられる。ただし、他の実施例では、タッチパネル制御回路36およびタッチパネル38の電源をオフにすることなく、プロセッサ24が入力されたタッチ座標を無視する処理を実行することで、タッチが無効にされてもよい。
【0053】
図4は、RAM34のメモリマップ300を示す図である。RAM34のメモリマップ300には、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304が含まれる。また、プログラムおよびデータの一部は、フラッシュメモリ32から一度に全部または必要に応じて部分的かつ順次的に読み出され、RAM34に記憶されてからプロセッサ24によって処理される。
【0054】
プログラム記憶領域302には、携帯電話機10を動作させるためのプログラムが記憶されている。たとえば、携帯電話機10を動作させるためのプログラムは、ロック状態設定プログラム310およびロック状態解除プログラム312などから構成されている。ロック状態設定プログラム310は、携帯電話機10にロック状態を設定するためのプログラムである。ロック状態解除プログラム312は、携帯電話機10に設定されたロック状態を解除するためのプログラムである。
【0055】
なお、図示は省略するが、携帯電話機10を動作させるためのプログラムには、電話着信状態を通知するためのプログラムおよび通話状態を確立するためのプログラムなどが含まれる。
【0056】
データ記憶領域304には、タッチバッファ330などが設けられるとともに、タッチ座標マップデータ332、オブジェクトデータ334などが記憶される。また、データ記憶領域304には、ロックフラグ336、方向フラグ338および無操作カウンタ340なども設けられる。
【0057】
タッチバッファ330には、タッチパネル制御回路36から出力されるタッチ点、リリース点および現在のタッチ位置を示す座標が一時的に記憶される。
【0058】
タッチ座標マップデータ332は、タッチ操作におけるタッチ座標と、ディスプレイ30の表示座標とを対応付けるためのデータである。つまり、プロセッサ24は、タッチ座標マップデータ332に基づいて、タッチパネル38に対して行われたタッチ操作の結果を、ディスプレイ30の表示に対応づける。オブジェクトデータ334は、ディスプレイ30に表示される、カーテンオブジェクトCoの画像データである。
【0059】
ロックフラグ336は、ロック状態が設定されているか否かを判断するためのフラグである。たとえば、ロックフラグ336は、1ビットのレジスタで構成される。ロックフラグ336がオン(成立)されると、レジスタにはデータ値「1」が設定される。一方、ロックフラグ336がオフ(不成立)されると、レジスタにはデータ値「0」が設定される。
【0060】
また、方向フラグ338は、スライドの方向の判定結果を示すフラグである。たとえば、スライドの方向が上方向と判定されるとオンになり、下方向と判定されるとオフになる。
【0061】
無操作カウンタ340は、一定時間(たとえば、60秒)を計測するためのカウンタであり、初期化されるとカウントを開始する。また、無操作カウンタ340は無操作タイマとも呼ばれ、無操作タイマが実行されると、無操作カウンタ340は初期化されてカウントを開始する。そして、無操作タイマは、キー操作またはタッチ操作が行われる毎に初期化される。
【0062】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域304には、RTCが出力するデータを一時的に記憶するバッファや、GUIを表示するための画像データなどが記憶されると共に、携帯電話機10の動作に必要なカウンタや、フラグも設けられる。
【0063】
プロセッサ24は、Android(登録商標)およびREXなどのLinux(登録商標)ベースのOSや、その他のOSの制御下で、図5に示すロック状態設定処理および図6に示すロック状態解除処理などを含む、複数のタスクを並列的に処理する。
【0064】
図5はロック状態設定処理のフロー図である。たとえば、携帯電話機10の電源がオンにされると、プロセッサ24はステップS1で、操作がされていないか否かを判断する。つまり、プロセッサ24は、一定時間の間、タッチ操作やキー操作が行われなかったため、無操作タイマが満了したか否かを判断する。ステップS1で“YES”であれば、たとえば60秒間、タッチ操作およびキー操作がされなければ、プロセッサ24はステップS5に進む。一方、ステップS1で“NO”であれば、つまり無操作タイマが満了していなければ、プロセッサ24はステップS3で、ロック状態を設定する操作がされたか否かを判断する。たとえば、プロセッサ24は、終話キー26cが操作されたか否かを判断する。ステップS3で“NO”であれば、つまりロック状態を設定する操作がされなければ、プロセッサ24はステップS1に戻る。
【0065】
一方、ステップS3で“YES”であれば、つまりロック状態を設定する操作がされれば、プロセッサ24はステップS5で、ディスプレイ30の電源をオフにする。つまり、プロセッサ24は、ディスプレイ30の電源をオフにする命令を、電源回路に出す。続いて、プロセッサ24は、ステップS7でロック状態を設定し、ロック状態設定処理を終了する。つまり、プロセッサ24は、ステップS7で、ロックフラグ336をオフに設定する。
【0066】
なお、他の実施例では、ロック状態が設定されてからディスプレイ30の電源がオフにされてもよい。この場合、図5のロック状態設定処理では、ステップS5とステップS7との順番が入れ替わる。つまり、他の実施例では、ステップS7の処理が実行されてからステップS5の処理が実行される。
【0067】
図6はロック状態解除処理のフロー図である。たとえば、ロック状態が設定されているときにメニューキー26bが操作されると、プロセッサ24はステップS21で、ロック画面を表示する。つまり、プロセッサ24は、ディスプレイ30の電源をオンにする命令を出した後に、図3(A)に示すロック画面をディスプレイ30に表示する。なお、ステップS21の処理を実行するプロセッサ24は表示部として機能する。
【0068】
続いて、プロセッサ24は、ステップS23でタッチされたか否かを判断する。つまり、タッチパネル制御回路36によってタッチが検出されたか否かを判断する。ステップS23で“NO”であれば、つまりタッチが検出されなければ、プロセッサ24はステップS23を繰り返し実行する。また、ステップS23で“YES”であれば、つまりタッチが検出されれば、プロセッサ24はステップS25で、タッチ点を記憶する。つまり、タッチパネル制御回路36によって検出されたタッチ点をタッチバッファ330に格納する。
【0069】
続いて、プロセッサ24は、ステップS27で、スライドされたか否かを判断する。つまり、タッチパネル制御回路36によってタッチが検出された状態で、タッチ位置がタッチ点と異なる座標であるか否かを判断する。ステップS27で“NO”であれば、つまりタッチパネル38に対してスライドされなければ、プロセッサ24はステップS27の処理を繰り返す。また、ステップS27で“NO”であれば、つまりタッチパネル38に対してスライドされると、プロセッサ24はステップS29で、スライドの方向を判定する。つまり、プロセッサ24は、タッチ点とタッチ位置との縦軸座標に基づいてスライドの方向を判定する。また、判定結果に基づいて、方向フラグ338のオン/オフが設定される。なお、ステップS29の処理を実行するプロセッサ24は判定部として機能する。
【0070】
続いて、プロセッサ24は、ステップS31で、特定の方向か否かを判断する。つまり、プロセッサ24は、スライドの方向が上方向と判定され、方向フラグ338がオンであるか否かを判断する。ステップS31で“NO”であれば、つまり方向フラグ338がオフ(スライドの方向が下方向)であれば、プロセッサ24はステップS27に戻る。また、ステップS31で“YES”であれば、つまり方向フラグ338がオン(スライドの方向が上方向)であれば、プロセッサ24はステップS33で、スライドの距離を算出する。つまり、プロセッサ24は、最初に接触した位置から接触部材が移動した距離(スライドの距離)を、三平方の定理を利用してタッチ位置とタッチ点とから算出する。なお、ステップS33の処理を実行するプロセッサ24は算出部として機能する。
【0071】
続いて、プロセッサ24は、ステップS35で、オブジェクトの表示を更新する。つまり、プロセッサ24は、図3(A)に示すカーテンオブジェクトCoの表示を、算出されたスライドの距離に応じて変化させる。なお、ステップS37の処理を実行するプロセッサ24は更新部として機能する。
【0072】
続いて、プロセッサ24は、ステップS37で、スライドの距離が所定値以上か否かを判断する。つまり、プロセッサ24は、算出されたスライドの距離が、ロック状態を解除するに十分な距離(所定値)以上か否かを判断する。ステップS37で“YES”であれば、つまり、スライドの距離がロック状態を解除するに十分な距離であれば、プロセッサ24はステップS39で、ロック状態を解除し、ロック状態解除処理を終了する。つまり、プロセッサ24はロックフラグ336をオフに設定する。なお、ステップS39の処理を実行するプロセッサ24は解除部として機能する。
【0073】
一方、ステップS37で“NO”であれば、つまりスライドの距離がロック状態を解除するに十分な距離でなければ、プロセッサ24はステップS41でリリースされたか否かを判断する。つまり、プロセッサ24は、タッチパネル制御回路36によってリリースが検出されたか否かを判断する。ステップS41で“NO”であれば、つまり、リリースが検出されなければ、プロセッサ24はステップS33に戻る。一方、ステップS41で“YES”であれば、つまりリリースが検出されると、プロセッサ24はステップS21に戻る。
【0074】
なお、図6に示すロック状態解除処理では、ステップS29−S31およびステップS37,S41の処理が省略されてもよい。この場合、スライドの方向および距離に関係なく、オブジェクトの表示が消えるまでスライドされれば、ロック状態が解除される。
【0075】
また、上記ロック状態解除処理では、ステップS37およびステップS41の処理だけが省略されてもよい。この場合、スライドの距離に関係なく、特定の方向にスライドがされればロック状態が解除される。
【0076】
また、ステップS33の処理において、スライドの距離は、タッチ点およびリリース点から算出されることもある。つまり、スライドが素早く行われた場合、スライドの方向および距離はタッチ点およびリリース点から求められる。一方、スライドがゆっくり行われた場合、スライドの方向および距離はタッチ点および現在のタッチ位置から求められる。そのため、上記した第2位置には、リリース点だけでなく現在のタッチ位置も含まれる。
【0077】
また、他の実施例では、ステップS37の処理の後、リリースされたか否かが判断されてもよい。上記判断がされた場合、“YES”であれば、たとえば指が離されると、ステップS39でロック状態が解除される。一方、“NO”であれば、たとえば指が離されなければ、指が離されるまで上記判断が繰り返される。このように処理することで、誤操作によってロック状態が解除されるのを防止することができる。
【0078】
このように、第1実施例では、カーテンオブジェクトCoによって使用者にスライドを促すことができる。つまり、携帯電話機10は、非言語情報によって使用者にスライドを促すことができる。そのため、携帯電話機10は使用者が利用する言語に依存することなく、ロック状態を解除させることができる。
【0079】
なお、第1実施例では、ロック状態を解除する操作におけるタッチ点は、カーテンオブジェクトCoの表示位置に依存しない。そのため、使用者は、上方向のスライドを行うことができる位置であれば、カーテンオブジェクトCoの表示位置に関係なく、任意の位置からスライドを始めればよい。
【0080】
<第2実施例>
第2実施例では、カーテンオブジェクトCoに代えて扉オブジェクトDoによって、使用者にスライドを促す。なお、第2実施例の携帯電話機10は、第1実施例と同じであるため、携帯電話機10の電気的な構成、外観、RAM34のメモリマップおよびフロー図など、重複した説明は省略する。
【0081】
図7(A)−(C)を参照して、ロック状態が設定されているときに、メニューキー26bが操作されると、図7(A)に示すように、扉オブジェクトDoがディスプレイ30に表示される。また、図7(A)の扉オブジェクトDoが表示された状態で、上方向のスライドがされると、図7(B)に示すようにスライドの距離に応じて扉オブジェクトDoの扉が開き始める。さらに、スライドの距離が所定値以上になると、扉オブジェクトDoは図7(C)の状態になり、ロック状態は解除される。そして、一定時間(たとえば、1秒)が経過すると、扉オブジェクトDoは消え、図3(C)に示すように、待機画像が表示される。
【0082】
ここで、図6に示すロック解除処理を用いて説明すると、ステップS21の処理が実行されると、ディスプレイ30の表示は図7(A)の状態となる。また、ステップS35の処理が実行されると、ディスプレイ30の表示が図7(B)または図7(C)の状態になる。そして、ディスプレイ30の表示が図7(C)の状態になったときには、ステップS39の処理が実行されるため、ロック状態が解除される。
【0083】
なお、図7(A)−(C)では、両開き扉あったが、片開き扉や、引き扉などであってもよい。また、鍵穴に鍵が挿入された後に扉が開くようにすることで、ロック状態が解除されたことをより明確に示すようにしてもよい。
【0084】
<第3実施例>
第3実施例では、カーテンオブジェクトCoや、扉オブジェクトDoに代えて花オブジェクトFoによって、使用者にスライドを促す。なお、第3実施例の携帯電話機10は、第1実施例と同じであるため、携帯電話機10の電気的な構成、外観、RAM34のメモリマップおよびフロー図など、重複した説明は省略する。
【0085】
図8(A)−(C)を参照して、ロック状態が解除されているときに、メニューキー26bが操作されると、図8(A)に示すように、花オブジェクトFoがディスプレイ30に表示される。また、花オブジェクトFoが表示された状態で、上方向のスライドがされると、図8(B)に示すようにスライドの距離に応じて花オブジェクトFoが開花し始める。さらに、スライドの距離が所定値以上になると、図8(C)に示すように花オブジェクトFoは完全に開花し、ロック状態は解除される。そして、第2実施例と同様、一定時間が経過すると、花オブジェクトFoは消え、図3(C)のように、待機画像が表示される。
【0086】
ここで、図6に示すロック解除処理を用いて第3実施例を説明すると、ステップS21の処理が実行されると、ディスプレイ30の表示は図8(A)の状態になる。また、ステップS35の処理が実行されると、ディスプレイ30の表示が図8(B)または図8(C)の状態になる。さらに、ディスプレイ30の表示が図8(C)の状態になると、ステップS39の処理が実行されるため、ロック状態が解除される。
【0087】
なお、図8(A)−(C)では、花オブジェクトFoはバラ科の花によって示されたが、他の種類の花によって示されてもよいことは言うまでも無い。また、花オブジェクトFoによって示される花は1本だけでなく、複数の花によって示されてもよい。この場合、ロック状態を解除する操作がされると、全ての花が同時に開花する。
【0088】
このように、第2実施例および第3実施例から分かるように、様々な種類のオブジェクトを利用して、使用者にスライドを促すことができる。
【0089】
以上の説明から分かるように、携帯電話機10は、タッチ、リリースおよびスライドなどのタッチ操作が行われるタッチパネル38を有し、電話機能などを実行するためのタッチ操作を無効にするロック状態を設定できる。たとえば、ロック状態が設定さているときにメニューキー26cが操作されると、ロック状態を解除するためのスライドを促すカーテンオブジェクトCo、扉オブジェクトDoまたは花オブジェクトFoがディスプレイ30に表示される。また、プロセッサ24は、スライドが行われるとタッチ点と現在のタッチ位置との座標から、スライドの距離および方向を算出する。そして、上方向に所定距離のスライドが行われると、ロック状態は解除される。
【0090】
このように、携帯電話機10は、ロック状態を解除するための操作を促す、オブジェクトを表示することで、使用者が利用する言語に関係なく、ロック状態を解除させることができる。
【0091】
なお、第1実施例−第3実施例で示されるオブジェクトは、使用者によって任意に選択できてもよい。
【0092】
また、ディスプレイ30に表示される、カーテンオブジェクトCo、扉オブジェクトDoおよび花オブジェクトFoに、点滅などの視覚効果を与えることで、ロック状態を解除する操作をより強く促してもよい。
【0093】
また、他の実施例では、ロック状態を解除するための所定の距離を、オブジェクトともに表示してもよい。
【0094】
また、特定の方向とは、上方向だけに限らず、下方向、左方向および右方向であってもよい。
【0095】
また、本実施例では、ロック状態は終話キー26cに対する操作だけでなく、予め定めた操作を入力することで設定されてもよい。たとえば、他の実施例では、キー入力装置26の所定のキーを所定回数押下することによってロック状態が設定されてもよい。そして、上述した終話キー26cについても同様であるが、無操作状態を所定時間継続することなく、使用者の所望のタイミングで即座にロック状態を設定することができるため、使用者の利便性が向上する。
【0096】
また、携帯電話機10の通信方式はCDMA方式であるが、LTE(Long Term Evolution)方式、W-CDMA方式、GSM方式、TDMA方式、FDMA方式およびPHS方式などが採用されてもよい。
【0097】
また、ロック状態設定プログラム310およびロック状態解除プログラム312は、データ配信用のサーバのHDDに記憶され、ネットワークを介して携帯電話機10に配信されてもよい。また、CD,DVD,BD(Blu-ray Disc)などの光学ディスク、USBメモリおよびメモリカードなどの記憶媒体にこれらのプログラムを記憶させた状態で、その記憶媒体が販売または配布されてもよい。そして、上記したサーバや記憶媒体などを通じてダウンロードされた、ロック状態設定プログラム310およびロック状態解除プログラム312が、本実施例と同等の構成の携帯電話機にインストールされた場合、本実施例と同等の効果が得られる。
【0098】
さらに、本実施例は、携帯電話機10のみに限らず、スマートフォンおよびPDA(Personal Digital Assistant)などに適用されてもよい。
【0099】
そして、本明細書中で挙げた、一定時間などの具体的な数値は、いずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0100】
10 … 携帯電話機
12 … アンテナ
14 … 無線通信回路
24 … プロセッサ
26 … キー入力装置
34 … RAM
36 … タッチパネル制御回路
38 … タッチパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルおよび前記タッチパネルに対する接触部材の接触を検出する接触検出部を有し、前記接触検出部が検出した接触に基づく所定の処理を実行しないロック状態が設定できる、携帯端末であって、
前記ロック状態が設定されていることを示すオブジェクトを表示する表示部、
前記ロック状態が設定されている場合において、前記接触検出部が、前記タッチパネルに対して接触部材を接触して移動させたことを検出したとき、前記表示部によって表示された前記オブジェクトの表示を更新する更新部、および
前記更新部による前記オブジェクトの表示の更新が、所定の更新であった場合、前記ロック状態を解除する解除部を備える、携帯端末。
【請求項2】
タッチパネルおよび前記タッチパネルに対する接触部材の接触を検出する接触検出部を有し、前記接触検出部が検出した接触に基づく所定の処理を実行しないロック状態が設定できる、携帯端末であって、
前記ロック状態が設定されていることを示すオブジェクトを表示する表示部、
前記ロック状態が設定されている場合において、前記接触検出部が、前記タッチパネルに対して接触部材を接触して移動させたことを検出したとき、最初に接触した位置から接触部材が移動した方向を判定する判定部、
前記判定部によって判定された方向が特定の方向であった場合、前記表示部によって表示された前記オブジェクトの表示を更新する更新部、および
前記更新部による前記オブジェクトの表示の更新が、所定の更新であった場合、前記ロック状態を解除する解除部を備える、携帯端末。
【請求項3】
前記タッチパネルに対して接触部材を接触して移動させたことを検出したとき、最初に接触した位置から接触部材が移動した距離を算出する算出部をさらに備え、
前記解除部は、前記判定部によって判定された方向が特定の方向であり、前記算出部によって算出された距離が所定値以上であるとき、前記ロック状態を解除する、請求項2記載の携帯端末。
【請求項4】
前記算出部によって算出された距離が前記所定値となる前に、接触検出部によって前記タッチパネルから接触部材が離されたことが検出されたとき、前記オブジェクトの表示が初期化される、請求項3記載の携帯端末。
【請求項5】
タッチパネルおよび前記タッチパネルに対する接触部材の接触を検出する接触検出部を有し、前記接触検出部が検出した接触に基づく所定の処理を実行しないロック状態が設定できる、携帯端末のプロセッサを、
前記ロック状態が設定されていることを示すオブジェクトを表示する表示部、
前記ロック状態が設定されている場合において、前記接触検出部が、前記タッチパネルに対して接触部材を接触して移動させたことを検出したとき、前記表示部によって表示された前記オブジェクトの表示を更新する更新部、および
前記更新部による前記オブジェクトの表示の更新が、所定の更新であった場合、前記ロック状態を解除する解除部として機能させる、ロック解除プログラム。
【請求項6】
タッチパネルおよび前記タッチパネルに対する接触部材の接触を検出する接触検出部を有し、前記接触検出部が検出した接触に基づく所定の処理を実行しないロック状態が設定できる、携帯端末のロック解除方法であって、
前記ロック状態が設定されていることを示すオブジェクトを表示し、
前記ロック状態が設定されている場合において、前記接触検出部が、前記タッチパネルに対して接触部材を接触して移動させたことを検出したとき、表示された前記オブジェクトの表示を更新し、そして
前記オブジェクトの表示の更新が、所定の更新であった場合、前記ロック状態を解除する、ロック解除方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−49872(P2012−49872A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−190840(P2010−190840)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】