説明

携帯端末、制御方法及びプログラム

【課題】表示パネルの表示面が既に2分割されている場合に、更に分割数を増やすことが可能な携帯端末を提供する。
【解決手段】携帯端末は、タッチパッド付きの表示面を有する表示パネルを備え、前記表示面を第1の境界線で2分割してなる2つの表示領域のそれぞれを対象として、画像の表示に係る制御を行っている場合に、前記タッチパッド上で接触が行われると、当該タッチパッド上の接触位置に基づいて、前記第1の境界線上の1点と当該接触位置から所定範囲内の1点とを通る第2の境界線を決定し、当該第2の境界線で、前記2つの表示領域のうちの前記接触位置から所定範囲内の1点を含む対象領域を更に2分割してなる2つの領域を、当該対象領域に替えて、第1及び第2の表示領域と定める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパッド付きの表示パネルを有する携帯電話機等の携帯端末に関し、特に、ユーザインタフェースの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等の携帯端末において、表示パネルの表示面を、画像表示に係る制御を行う単位である複数の表示領域に分割する技術が知られている(例えば、特許文献1、2)。
特許文献1に係る技術は、タッチパッド付きの表示パネル上で、ユーザが、画面上の左端にあるアイコンを横方向に右端までドラッグ操作することで、上下2つの表示領域に分割し、各表示領域に、1日の予定表と1週間の予定表等、互いに時間単位の異なる予定表を表示するというものである。
【0003】
また、特許文献2に係る技術は、テレビ受像機の表示画面を、予め定められた位置で3つの表示領域に分割し、表示領域毎に異なる画像(2つの異なる番組の映像とウェブ画面等)を表示するというものである。
これらの技術によれば、ユーザは、表示対象の画像を切り替える操作を行うことなく、各表示領域に表示されている画像を同時に見ることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−134270号公報
【特許文献2】特開2008−28785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年では、比較的大きな画面サイズの携帯端末も登場しており、より多くの表示領域に分割し、各表示領域に表示された画像を同時に見ることができることは、有用だと考えられる。
そこで、本発明は更なるユーザの利便性を追及し、表示パネルの表示面が既に2分割されている場合に、更に分割数を増やすことが可能な携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る携帯端末は、タッチパッド付きの表示面を有する表示パネルと、前記タッチパッドに対する接触操作に応じて、前記表示面を分割してなる複数の表示領域を定める領域管理部と、前記表示面を分割してなる表示領域毎に、画像の表示に係る制御を行う表示制御部とを備え、前記領域管理部は、前記表示面を第1の境界線で2分割してなる2つの表示領域を定めている場合において、前記タッチパッド上で接触が行われたときに、当該タッチパッド上の接触位置に基づいて、前記第1の境界線上の1点と当該接触位置から所定範囲内の1点とを通る第2の境界線を決定し、当該第2の境界線で、前記2つの表示領域のうちの前記接触位置から所定範囲内の1点を含む対象領域を更に2分割してなる2つの領域を、当該対象領域に替えて、第1及び第2の表示領域と定めることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上記構成を備える本発明に係る携帯端末によれば、表示パネルの表示面が既に2分割されている場合に、更に分割数を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態に係る携帯電話機100の外観を示す正面図
【図2】表示パネル110の表示面を複数の表示領域に分割する際の分割操作の例及び表示パネル110の表示例を示す図
【図3】表示領域A2を、2つの表示領域に分割する際の分割操作の例及び表示パネル110の表示例を示す図
【図4】表示領域A1を、2つの表示領域に分割する際の分割操作の例及び表示パネル110の表示例を示す図
【図5】表示領域A1及びA2それぞれを、2つの表示領域に分割する際の分割操作の例及び表示パネル110の表示例を示す図
【図6】表示領域A5及びA6を、1つの表示領域に結合する際の結合操作の例及び表示パネル110の表示例を示す図
【図7】携帯電話機100の主要部の機能構成を示すブロック図
【図8】領域管理テーブル10のデータ構成及び内容例と、2つの表示領域の例を示す図
【図9】3つの表示領域が定められている場合の領域管理テーブル10の内容例を示す図
【図10】境界線管理テーブル20のデータ構成及び内容例を示す図
【図11】各表示領域の各縁部を説明するための図
【図12】携帯電話機100の制御処理を示すフローチャート
【図13】携帯電話機100の分割処理を示すフローチャート
【図14】携帯電話機100の結合処理を示すフローチャート
【図15】4つの表示領域が定められている場合の領域管理テーブル10及び境界線管理テーブル20の内容例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る携帯端末の一実施形態としての携帯電話機について説明する。
≪実施の形態≫
<1.概要>
図1は、実施の形態に係る携帯電話機100の外観を示す正面図である。
携帯電話機100は、同図に示すように、筐体1に、タッチパッド付きの表示パネル110を備える端末である。
【0010】
携帯電話機100は、ユーザがタッチパッド上で所定の操作を行うことで、表示パネル110の表示面を複数の表示領域に分割し、また、複数の表示領域を結合できるようにしたものである。
ここで、表示領域とは、携帯電話機100が、画像の表示に係る制御を行う単位をいう。
【0011】
即ち、携帯電話機100によれば、表示パネル110の表示面を、ユーザの好みの位置及び数の表示領域に分割して、各表示領域に、例えば複数のアプリケーションに係る画像を同時に表示させることが可能になる。
これにより、ユーザは、所望のアプリケーションに係る画像に表示を切り替える操作をしなくても、そのアプリケーションに係る画像を見ることが可能になる。また、ユーザは、一のアプリケーションに係る画像を見ながら、他のアプリケーションに対する操作を行うことが可能になる。
【0012】
なお、以下では、表示パネル110の表示面を複数の表示領域に分割するユーザ操作を「分割操作」ともいい、複数の表示領域を結合するユーザ操作を「結合操作」ともいう。
<2.ユーザインタフェース仕様>
次に、図2〜図5を用いて、携帯電話機100における表示例及び操作例を説明する。
なお、図2〜図5では、携帯電話機100の画面例のみを示し、携帯電話機100の筐体などの記載は省略している。
【0013】
<2−1.分割>
まず、分割操作により、1つの領域(表示パネル110の表示面全体又は1つの表示領域)を2つの表示領域に分割する場合について説明する。
図2は、表示パネル110の表示面を2つの表示領域に分割する際の分割操作の例及び表示パネル110の表示例を示す図である。
【0014】
図2(a)は、表示パネル110に、アイコンA〜Iを含む画像(以下、「メニュー画像」ともいう)が表示された例を示している。
この状態において、図2(b)に示すように、例えば、ユーザが、表示パネル110の辺Saの近傍を接触の開始位置として、辺Sbに向かって、指を接触させたまま移動(所謂ドラッグ操作)させていくと、線L10が表示される。
【0015】
この線L10は、分割操作中に、ユーザの指の接触位置に応じて表示される直線であり、ユーザが指の接触を開始させた辺Saの近傍の位置を通る、辺Saに対する垂線と辺Saとの交点P1を始点とし、当該垂線方向の現在の指の接触位置P2を終点とするものである。線L10は、指の接触位置に応じた長さで表示される。
ユーザが、この線L10を見ることで、現在行っている分割操作により、表示パネル110の表示面のどの位置で、表示面を分割することができるのかを容易に把握することができる。
【0016】
ユーザが、辺Sbの近傍で、接触させていた指を離すと、図2(c)に示すように、表示パネル110の表示面が2つの表示領域(A1、A2)に分割され、表示領域A1とA2との境界線を示す線L11が表示される。
なお、この例では、線L11を、図2(b)に示す線L10とは異なる線種で表示することにより、分割操作中の状態であるのか、分割操作が終了し、表示領域A1とA2とに分割された状態であるのかを容易に把握できるようにしている。
【0017】
また、図2(c)の表示領域A1には、アイコンA、D及びGが、表示領域A2は、アイコンA、B、D、E、G及びHが表示されており、つまり、表示領域A1及びA2には、図2(a)に示すメニュー画像の一部分が表示されている。
この状態から各表示領域において、ユーザが所定操作を行うことで、携帯電話機100は、スクロール表示を行い、図2(c)では表示されていない他のアイコンについても表示することができる。
【0018】
図2(c)の例に限らず、各表示領域において、あるアプリケーションに係る画像の全体が表示されていない場合には、ユーザが上記所定操作を行うことで、携帯電話機100は、スクロール表示を行う。なお、表示領域のサイズが、表示対象の画像のサイズ以上である場合には、その表示領域に、表示対象の画像全体が表示され、ユーザが上記所定操作を行っても、携帯電話機100は、特にスクロール表示を行わない。
【0019】
図2(c)の状態において、ユーザが、例えば、表示領域A2のアイコンBの表示位置に指等を接触させると、携帯電話機100は、アイコンBに対応するアプリケーション(この例では、メールアプリケーション)を起動し、図2(d)に示すように、表示領域A2には、そのアプリケーションに係る画像(この例では、受信メール一覧の画像)が表示される。
【0020】
なお、アイコンの表示位置に指等を接触させる操作を「アイコンの選択操作」ともいう。
図3は、表示領域A2を、2つの表示領域に分割する際の分割操作の例及び表示パネル110の表示例を示す図である。
図2(d)の状態において、図3(a)に示すように、例えば、ユーザが、表示領域A1とA2との境界線である線L11の近傍を接触の開始位置として、辺Scに向かって、指を接触させたまま移動させていくと、線L20が表示される。
【0021】
この線L20は、図2(b)の線L10と同様、分割操作中に、ユーザの指の接触位置に応じて表示される直線である。即ち、線L20は、ユーザが指の接触を開始させた線L11の近傍の位置を通る、線L11に対する垂線と線L11との交点P3を始点とし、当該垂線方向の現在の指の接触位置P4を終点とするものであり、指の接触位置に応じた長さで表示される。
【0022】
ユーザが、辺Scの近傍で、接触させていた指を離すと、図3(c)に示すように、表示領域A2が、線L21で2つの表示領域(A3、A4)に分割され、線L21が表示される。
この線L21は、線L11と同様、表示領域A3とA4との境界線を示すものであり、図3(a)に示す線L20とは異なる線種で表示している。
【0023】
また、図3(b)の表示領域A3には、図3(a)に示す受信メール一覧の画像の一部分が表示されており、図3(b)の表示領域A4には、表示領域A3において表示されている受信メール一覧のうち、選択されている受信メール(斜線部参照)の本文が表示された例を示している。
なお、分割操作が行われた結果、得られた各表示領域にどのような画像を表示させるかは、分割前の表示領域において表示されていた画像に係るアプリケーションによるものとする。つまり、アプリケーション毎に、分割操作が行われた結果、得られた各表示領域に表示させる画像が、予め定められているものとする。
【0024】
また、この例では、図2(a)で表示されているメニュー画像に係るアプリケーションも、1つのアプリケーションとして取り扱うものとし、このアプリケーションでは、分割操作により得られた各表示領域にメニュー画像の一部分を表示させるよう定められているものとする。
図4は、表示領域A1を、2つの表示領域に分割する際の分割操作の例及び表示パネル110の表示例を示す図である。
【0025】
図3(b)の状態において、ユーザが、例えば、表示領域A1のアイコンAの選択操作を行うと、携帯電話機100は、アイコンAに対応するアプリケーション(この例では、文書作成アプリケーション)を起動する。また、その後、ユーザが所定の文書ファイルを開く操作を行うことで、図4(a)に示すように、表示領域A1には、そのアプリケーションにおいて開かれた所定の文書ファイルに係る画像(以下、「文書画像」ともいう)が表示される。
【0026】
この状態において、図4(b)に示すように、例えば、ユーザが、表示パネル110の辺Sdの近傍を接触の開始位置として、境界線L11に向かって、指を接触させたまま移動させていくと、線L30が表示される。
この線L30は、図2(b)に示す線L10や図3(a)に示す線L20と同様の、分割操作中に、ユーザの指の接触位置に応じて表示される直線である。
【0027】
ユーザが、境界線L11の近傍で、接触させていた指を離すと、図4(c)に示すように、表示領域A1が、線L31で2つの表示領域(A5、A6)に分割され、線L31が、線L30とは異なる線種で表示される。
線L31は、線L11及びL21と同様の表示領域A5とA6との境界線を示すものである。
【0028】
表示領域A5及びA6それぞれには、図2(c)の場合と同様に、図4(b)に示す文書画像の一部分が表示されている。
なお、表示領域A5及びA6のいずれか一方において文書を編集した場合、他方においてその編集箇所を表示した場合、編集後の内容が表示されるものとする。即ち、表示領域A5及びA6は、1つの文書ファイルに係るデータをそれぞれ表示している。
【0029】
続いて、分割操作により、2つの表示領域それぞれを2つの表示領域に分割する場合について説明する。
図5は、表示領域A1及びA2それぞれを、2つの表示領域に分割する際の分割操作の例及び表示パネル110の表示例を示す図である。
図5(a)に示すように、例えば、ユーザが、表示パネル110の辺Sdの近傍を接触の開始位置として、境界線L11を越えて、辺Scに向かって、指を接触させたまま移動させていくと、線L40が表示される。
【0030】
線L40は、図2(b)の線L10や図3(a)の線L20と同様、分割操作中に、ユーザの指の接触位置に応じて表示される直線である。
ユーザが、辺Scの近傍で、接触させていた指を離すと、図5(b)に示すように、表示領域A1及びA2がそれぞれ、線L41で2つの表示領域(A7〜A10)に分割される。
【0031】
表示領域A7〜A10それぞれには、図2(c)の場合と同様に、図5(a)に示すメニュー画像の一部分が表示されている。
このように、携帯電話機100によれば、表示パネル110の表示面を切るような直感的な操作で、表示面をユーザの好みの位置で分割して、各表示領域に、例えば複数のアプリケーションに係る画像を同時に表示させることが可能になる。
【0032】
<2−2.結合>
次に、結合操作により、2つの表示領域を1つの表示領域に結合する場合について説明する。
図6は、表示領域A5及びA6を、1つの表示領域に結合する際の結合操作の例及び表示パネル110の表示例を示す図である。
【0033】
図6(a)に示すように、例えば、ユーザが、境界線L31の一方の端点の近傍を接触の開始位置として、境界線L41をなぞるように、境界線L11に向かって、指を接触させたまま移動させていくと、線L50が表示される。
この線L50は、結合操作中に、ユーザの指の接触位置に応じて表示される直線である。即ち、線L50は、ユーザが指の接触を開始させた境界線L41の一方の端点の近傍の位置を通る、辺Sdに対する垂線と辺Sdとの交点P5を始点とし、当該垂線方向の現在の指の接触位置P6を終点とするものであり、指の接触位置に応じた長さで表示される。
【0034】
ユーザが、境界線L41の他方の端点の近傍で接触させていた指を離すと、図6(b)に示すように、表示領域A5及びA6が1つの表示領域A1に結合され、境界線L41及び線L50の表示は行われなくなる。
ここで、図6(b)の表示領域A1には、表示領域A5及びA6のいずれか(ここでは、A5とする)に係る画像が表示されている。
【0035】
また、この状態において、図6(b)に示すように、例えば、ユーザが、境界線L21の一方の端点の近傍を接触の開始位置として、境界線L21をなぞるように、辺Scに向かって、指を接触させたまま移動させていくと、線L60が表示される。
この線L60は、図5(a)の線L50と同様の結合操作中に、ユーザの指の接触位置に応じて表示される直線である。
【0036】
ユーザが、境界線L21の他方の端点の近傍で接触させていた指を離すと、図6(c)に示すように、表示領域A3及びA4が1つの表示領域A2に結合され、境界線L21及び線L60の表示は行われなくなる。
ここで、図6(b)の表示領域A2には、表示領域A3及びA4のいずれか(ここでは、A3とする)に係る画像が表示されている。
【0037】
このように、携帯電話機100によれば、表示パネル110の表示面が、複数の表示領域に分割されている場合に、ユーザが、表示されている境界線をなぞるような直感的な操作を行うことで、その境界線により分割されている表示領域を結合することが可能になる。従って、例えば、同時に表示させる必要がなくなったアプリケーションに係る画像の表示を中止して、境界線により分割されている表示領域を結合してなる1つの表示領域に、表示させる必要がある1つのアプリケーションに係る画像を大きく表示することが可能になる。
【0038】
<3.機能構成>
図7は、携帯電話機100の主要部の機能構成を示すブロック図である。
同図に示すように、携帯電話機100は、表示パネル110、記憶部120及び制御部130を備える。
なお、携帯電話機100は、通常の携帯電話機が備える通信部、スピーカ、マイク等を備えるが、同図では、図示を省略している。また、携帯電話機100は、プロセッサ及びメモリを含んで構成されており、制御部130の機能は、上述のメモリに記憶されているプログラムを上述のプロセッサが実行することにより実現される。
【0039】
ここで、表示パネル110は、LCD(Liquid Crystal Display)111、タッチパッド112及びコントローラ113を含む。
タッチパッド112は、一般的な静電容量方式のタッチセンサにより実現され、LCD111に重畳して設けられる。なお、タッチパッド112は、透明部材を用いて構成されており、LCD111に表示された画像が見えるように構成されている。
【0040】
コントローラ113は、タッチパッド112へのユーザの指等の接触を検出し、検出している間、一定時間(例えば、25ms)毎に、タッチパッド112における接触位置の座標値(x,y)を制御部130に出力するIC(Integrated Circuit)である。
なお、一例として、図1に示すように、表示パネル110の左上の頂点の座標値は(0,0)であるとし、右下の頂点の座標値は(799,479)であるとする。
【0041】
なお、この例では、LCD111の画素数(縦×横)は、480×800画素であるものとする。
また、記憶部120は、各種アプリケーション(メニュー表示アプリケーション、メールアプリケーション、文書作成アプリケーション等)用のプログラム及びそれらのアプリケーションが必要とするデータの他、領域管理テーブル10、境界線管理テーブル20を記憶するためのメモリ領域である。
【0042】
領域管理テーブル10は、各表示領域を管理するためのテーブルであり、境界線管理テーブル20は、2つの表示領域を分割する境界線を管理するためのテーブルである(図8参照)。各テーブルについては、後に詳細に説明する。
また、制御部130は、一般的な携帯電話機が有する機能の他、特に、ユーザによる分割操作及び結合操作に応じて、表示領域を定め、表示領域毎に画像の表示に係る制御を行う機能を有する。
【0043】
制御部130は、領域管理部131、アプリケーション実行部132及び表示制御部133を含んで構成される。
ここで、領域管理部131は、コントローラ113から出力された座標値に基づいて、分割操作及び結合操作を検出し、検出した操作に応じて、境界線及び表示領域を定め、記憶部120の領域管理テーブル10及び境界線管理テーブル20を更新する機能を有する。この分割操作及び結合操作の検出方法については後述する。
【0044】
なお、領域管理部131は、分割操作及び結合操作以外の通常操作、例えば、アイコンの選択操作が検出された場合に、アプリケーション実行部132に通知する機能も有する。
アプリケーション実行部132は、領域管理部131からの通知に基づいて、コントローラ113から出力された座標値が示す表示パネル110(タッチパッド112)における位置に対応する処理を実行する機能を有する。
【0045】
例えば、図2(a)に示すように、各種アプリケーションを起動するためのアイコンA〜Iが配置されたメニュー画像が表示パネル110に表示されている場合に、ユーザがアイコンAの表示位置に指等を接触させると、アプリケーション実行部132は、アイコンAに対応するアプリケーション(この例では、メールアプリケーション)を起動する。つまり、アプリケーション実行部132は、記憶部120からアイコンAに対応するアプリケーションプログラムを読み出して実行する。
【0046】
なお、アプリケーション実行部132は、複数のアプリケーションを時分割で並行実行することができ、上述のように、ユーザによるアプリケーションの起動操作があった場合に、起動操作が行われた表示領域と起動されたアプリケーションとの対応を示す情報(以下、「対応情報」という)を記憶部120に記憶する。
例えば、図2(d)に示す状態においては、表示領域A1とメニュー表示アプリケーションとが、表示領域A2とメールアプリケーションとが、それぞれ対応することを示す対応情報が記憶部120に記憶されていることになる。
【0047】
また、アプリケーション実行部132は、表示領域の分割又は結合が行われた場合に、分割前の表示領域と対応するアプリケーションに応じて分割後の表示領域に、結合前の表示領域と対応するアプリリケーションに応じて結合後の表示領域に表示させるべき画像の決定処理を行う機能を有する。
表示制御部133は、アプリケーション実行部132の処理結果に応じた画像や、領域管理部131が定めた境界線を、LCD111に表示させる機能を有する。
【0048】
<4.データ>
以下では、携帯電話機100が使用するデータについて、図8〜10を用いて説明する。
なお、図8(b)、図9(b)では、携帯電話機100の画面例のみを示し、携帯電話機100の筐体などの記載は省略している。
【0049】
<4−1.領域管理テーブル>
まず、図8を用いて、領域管理テーブル10について説明する。
図8は、領域管理テーブル10のデータ構成及び内容例と、2つの表示領域の例を示す図である。
領域管理テーブル10は、図8(a)に示すように、領域ID11、左上座標値12、右下座標値13及び再分割領域ID14を対応付けて構成される情報である。
【0050】
なお、図8及び後述する図9、10に示すx12は1から798までの具体的な数値を、x11はx12−2の値を、y12は1から478までの具体的な数値を、y11はy12―2の値を表しているものとする。また、対応する領域ID、左上座標値、右下座標値及び再分割領域IDからなる情報を「レコード」ともいう。
ここで、領域ID11は、表示領域の識別情報あり、この例では、1以上の異なる数字を用いている。
【0051】
左上座標値12は、対応する領域IDが示す表示領域の範囲(矩形領域)の左上の頂点の座標値であり、右下座標値13は、その表示領域の範囲の右下の頂点の座標値である。
再分割領域ID14は、対応する領域IDが示す表示領域が、ある境界線により更に分割されている場合の分割後の表示領域の領域IDである。再分割領域IDが設定されている場合、その再分割領域IDに対応する領域IDが示す表示領域に代えて、その再分割領域IDが示す表示領域が定められていることを示している。つまり、再分割領域IDが設定されている間、その再分割領域IDに対応する領域IDが示す表示領域は、無効な領域であることを示している。
【0052】
なお、対応する領域IDが示す表示領域が更に分割されていないことを、同図では、「−」で示している。
例えば、図8(a)では、領域IDが「1」である表示領域の左上座標値は「(0,0)」であり、右下座標値は「(x11,479)」であり、再分割領域IDは「−」、即ち、この表示領域は分割されておらず、この表示領域は有効であることを示している。
【0053】
なお、図8(a)に示す領域IDが「1」である表示領域は、図8(b)の表示領域A11に、図8(a)に示す領域IDが「2」である表示領域は、図8(b)の表示領域A12に相当する。
次に、図9を用いて、図8(b)の表示領域A12が更に分割された際に、領域管理テーブル10がどのように更新されるかを説明する。
【0054】
図9は、3つの表示領域が定められている場合の領域管理テーブル10の内容例を示す図である。
図9(a)に示す領域IDが「3」である表示領域は、図9(b)の表示領域A13に、図9(a)に示す領域IDが「4」である表示領域は、図9(b)の表示領域A14に相当する。
【0055】
図8(b)に示す表示領域A12が図9(b)に示すように表示領域A13、A14に分割された際に、領域管理部131は、図8(a)に示す状態の領域管理テーブル10を、図9(a)に示す状態の領域管理テーブル10に更新する。
即ち、図9(a)に示すように、領域ID「3」を含むレコード16と領域ID「4」を含むレコード17を登録すると共に、領域ID「2」を含むレコード18に含まれている再分割領域IDを「−」から「3,4」に更新する。
【0056】
なお、領域管理部131は、表示パネル110の表示面全体又は各表示領域が2つの表示領域に分割された場合に、その2つの表示領域のうち、左上の頂点のy座標値がより小さい一方の表示領域に、他方の表示領域よりも小さい領域IDを割り振るものとする。また、その2つの表示領域の左上の頂点のy座標値が一致する場合には、左上の頂点のx座標値がより小さい一方の表示領域に、他方の表示領域よりも小さい領域IDを割り振るものとする。
【0057】
このようにして更新された図9(a)に示す領域管理テーブル10は、領域IDが「1」である表示領域A11が有効であり、領域IDが「2」である表示領域A12に代えて、領域IDが「3」、「4」である表示領域A13、A14が有効であることを示すことになる。
なお、ここでは、表示領域の分割が行われた場合について説明したが、図9(b)に示す状態で、領域IDが「3」、「4」である表示領域A13、A14が結合された場合には、領域管理テーブル10は、図9(a)に示す状態から図8(a)に示す状態に更新されることになる。
【0058】
<4−2.境界線管理テーブル>
次に、図10を用いて、境界線管理テーブル20について説明する。
図10は、境界線管理テーブル20のデータ構成及び内容例を示す図である。
なお、同図は、図9(b)に示す3つの表示領域が定められている場合の境界線管理テーブルの内容例を示している。
【0059】
境界線管理テーブル20は、図10に示すように、境界線ID21、第1座標値22、第2座標値23及び分割領域ID24を対応付けて構成される情報である。
なお、対応する境界線ID、第1座標値、第2座標値及び分割領域IDからなる情報を「レコード」ともいう。
ここで、境界線ID21は、境界線の識別情報あり、この例では、1以上の異なる数字を用いている。
【0060】
第1座標値22及び第2座標値23は、対応する境界線IDが示す境界線の両端点のうちのそれぞれ異なる端点の座標値である。
分割領域ID24は、対応する境界線IDが示す境界線で分割されている各表示領域の領域IDであり、領域管理テーブル10のいずれかの領域IDと一致する。
例えば、図10では、境界線IDが「2」である境界線の第1座標値は「(x12,y12−1)」であり、第2座標値は「(799,y12−1)」であり、分割領域IDは「3,4」、即ち、この境界線により分割された表示領域は、領域IDが「3」、「4」である領域(図8(a)のA13、A14)であることを示している。
【0061】
なお、図10に示す境界線IDが「1」である境界線は、図9(b)の境界線L1に、図10に示す境界線IDが「2」である境界線は、図9(b)の境界線L2に相当する。
また、ここでは、図9(b)に示す3つの表示領域が定められている場合の境界線管理テーブルの内容例を説明したが、図9(b)に示す状態で、表示領域A13、A14が結合された場合には、結合された表示領域A13、A14を分割していた境界線(この例では、L2)についてのレコード26が削除される。また、新たに分割が行われた場合には、分割後の各表示領域を分割する境界線についてのレコードが追加される。
【0062】
<5.分割操作及び結合操作の検出>
以下、領域管理部131が分割操作及び結合操作をどのように検出するかを、図11を用いて説明する。
図11は、各表示領域の各縁部を説明するための図である。
表示領域毎に内接するように4つの縁部が定義され、同図においてハッチで示す部分が、表示領域A11の縁部E11〜E14、表示領域A13の縁部E21〜E24、表示領域A14の縁部E31〜E34を示している。
【0063】
縁部E11、E13、E21、E23、E31、E33の幅はx1であり、縁部E12、E14、E22、E24、E32、E34の幅はy1である。
なお、同図に示すx1及びy1は、縁部の幅を定義するための予め定められた数値であり、例えば「10」であるものとするが、これ以外の値でもよく、x1とy1とは異なる値であってもよい。
【0064】
領域管理部131は、いずれかの縁部を接触の開始位置として、その縁部に対向する他の縁部を接触の終了位置とする操作を分割操作と検出する。
例えば、縁部E11から接触が開始され、その接触が縁部E11に対向する縁部E13で離された場合に、この操作は、分割操作として検出され、表示領域A11が2つの表示領域に分割されることになる。
【0065】
また、例えば、縁部E11から接触が開始され、その接触が、縁部E11に対向する縁部E23の例えば、表示領域A13に含まれる位置で離された場合に、この操作は、分割操作として検出され、表示領域A11及びA13がそれぞれ2つの表示領域に分割されることになる。
また、領域管理部131は、いずれかの境界線の一方の端点から所定範囲内の位置を接触の開始位置として、その境界線の他方の端点から所定範囲内の位置を接触の終了位置とする操作を結合操作と検出する。例えば、位置P10から接触が開始され、その接触が位置P20で離された場合に、その操作は、結合操作として検出されることになる。
【0066】
なお、結合操作を検出するための上記所定範囲は、この例では、端点から、上記x1及びx2未満の範囲とする。即ち、分割操作の場合と同様に、結合操作における接触の開始位置及び終了位置は、いずれかの縁部となる。
<6.動作>
次に、上記構成を備える携帯電話機100の動作について、図12〜図14を用いて説明する。
【0067】
<6−1.制御処理>
まずは、携帯電話機100の制御処理について説明する。
図12は、携帯電話機100の制御処理を示すフローチャートである。
同図に示す制御処理は、携帯電話機100の電源がONになると開始され、特に図示していないが、電源がOFFになると終了される。なお、携帯電話機100の電源がONになった際に、制御部130は、記憶部120の領域管理テーブル10及び境界線管理テーブル20を初期化、つまり、登録されている全レコードを削除する。
【0068】
制御部130の領域管理部131は、コントローラ113から座標値が出力されたかに基づいて、ユーザの指等の接触が開始されたか否かを判定する(ステップS1)。
コントローラ113から座標値が出力されなかった場合に、領域管理部131は、ユーザの指等の接触が開始されていないと判定し(ステップS1:NO)、再びステップS1の処理を行う。
【0069】
コントローラ113から座標値が出力された場合に、領域管理部131は、ユーザの指等の接触が開始されたと判定し(ステップS1:YES)、コントローラ113から出力された座標値が示すユーザの指等の接触の開始位置Paが、いずれかの縁部に含まれるか否かを判定する(ステップS2)。
即ち、領域管理部131は、記憶部120に記憶されている領域管理テーブル10が示す表示領域毎に、内接する4つの縁部の位置を特定し、特定したいずれかの縁部に、ユーザの指等の接触の開始位置Paが含まれるかを判定する。
【0070】
ユーザの指等の接触の開始位置Paが、いずれの縁部にも含まれない場合に(ステップS2:NO)、領域管理部131は、コントローラ113から新たに座標値が出力されたかに基づいて、ユーザの指等の接触が引き続き行われているか否かを判定する(ステップS3)。
コントローラ113から新たに座標値が出力されている間、領域管理部131は、ユーザの指等の接触が引き続き行われていると判定し(ステップS3:YES)、ステップS3の処理を繰り返す。
【0071】
コントローラ113から新たに座標値が出力されなくなった場合に、領域管理部131は、ユーザの指等の接触が行われなくなったと判定し(ステップS3:NO)、アプリケーション実行部132に通知する。通知を受けたアプリケーション実行部132は、接触の終了位置(最後の接触位置)に対応する処理を実行し(ステップS4)、領域管理部131は、再びステップS1から処理を行う。
【0072】
一方、ステップS2において、ユーザの指等の接触の開始位置Paが、いずれかの縁部に含まれる場合に(ステップS2:YES)、領域管理部131は、コントローラ113から新たに出力された座標値が示す接触位置に基づいて、接触位置が変化したか否かを判定する(ステップS5)。
接触位置が変化した場合に(ステップS5:YES)、領域管理部131は、開始位置Paを通る、開始位置Paが含まれる縁部の辺等に対する垂線と当該辺等との交点と、変化後の接触位置の当該垂線方向の位置とを特定する。領域管理部131は、特定した交点から当該垂線方向の位置までの当該垂線の表示を表示制御部133に指示する。この指示を受けて、表示制御部133は、当該垂線を表示する(ステップS6)。
【0073】
ここで、開始位置Paが含まれる縁部の辺等とは、表示パネル110の辺Sa〜Sd(図1参照)又は境界線のことをいう。例えば、開始位置Paが、図11の位置P30である場合、開始位置Paが含まれる縁部の辺等とは、表示パネル110の辺Sdのことである。また。例えば、開始位置Paが、図11の位置P40である場合、開始位置Paが含まれる縁部の辺等とは、境界線L1のことである。
【0074】
例えば、開始位置Paが、図11の位置P30である場合、図4(b)のように、垂線L30が表示されることになる。
ステップS6の処理を完了すると、領域管理部131は、再びステップS5から処理を行う。
接触位置が変化しなかった場合に(ステップS5:NO)、領域管理部131は、ステップS3と同様に、ユーザの指等の接触が行われているか否かを判定する(ステップS7)。
【0075】
領域管理部131は、ユーザの指等の接触が行われている場合に(ステップS7:YES)、再びステップS5から処理を行い、ユーザの指等の接触が行われていない場合に(ステップS7:NO)、接触の終了位置Pbが、接触の開始位置Paが含まれる縁部と対向する縁部に含まれるか否かを、ステップS2と同様に判定する(ステップS8)。
接触の終了位置Pbが、接触の開始位置Paの縁部と対向する縁部に含まれない場合に(ステップS8:NO)、領域管理部131は、特に何も行うことなく、再びステップS1から処理を行う。
【0076】
また、接触の終了位置Pbが、接触の開始位置Paの縁部と対向する縁部に含まれる場合に(ステップS8:YES)、領域管理部131は、開始位置Pa及び終了位置Pbが、いずれかの1つの境界線の各端点の位置から所定範囲内であるか否かを判定する(ステップS9)。
開始位置Pa及び終了位置Pbが、いずれの1つ境界線の各端点の位置からも所定範囲内でない場合に(ステップS9:NO)、ステップS1で開始され、ステップS7で終了した接触に係る操作は分割操作であるとして、領域管理部131は、分割処理を行う(ステップS10)。
【0077】
一方、開始位置Pa及び終了位置Pbが、いずれかの境界線の各端点の位置から所定範囲内である場合に(ステップS9:YES)、ステップS1で開始され、ステップS7で終了した接触に係る操作は結合操作であるとして、領域管理部131は、結合処理を行う(ステップS20)。
ステップS10の処理を終了し、又はステップS20の処理を終了すると、領域管理部131は、再びステップS1から処理を行う。
【0078】
<6−2.分割処理>
次に、上記ステップS10の分割処理の詳細について説明する。
図13は、携帯電話機100の分割処理を示すフローチャートである。
領域管理部131は、接触の終了位置Pbが、接触の開始位置Paの縁部と同じ表示領域の対向する縁部であるか、異なる表示領域の対向する縁部であるかを判定する(ステップS11)。
【0079】
これは、図12のステップS1で開始され、ステップS7で終了した接触に係る分割操作が、例えば、図3に示すように1つの表示領域を2つの表示領域に分割する分割操作であったか、あるいは、例えば、図5に示すように2つの表示領域それぞれを2つの表示領域に分割する分割操作であったかを、判定することに相当する。
接触の終了位置Pbが、接触の開始位置Paの縁部と同じ表示領域の対向する縁部である場合に(ステップS11:同領域)、領域管理部131は、接触の開始位置Pa及び接触の終了位置Pbに基づいて、新たな境界線及び2つの表示領域(以下、「分割領域」ともいう)を決定する(ステップS12)。なお、この2つの分割領域は、本発明に係る第1及び第2の表示領域の一例に相当する。
【0080】
具体的には、領域管理部131は、図12のステップS6の垂線の一方の端点を、ステップS6の交点Pcとし、当該垂線の他方の端点を、接触の終了位置Pbが含まれる縁部の辺等と当該垂線との交点Pdとする境界線を、新たな境界線と決定する。
また、接触の開始位置Pa及び接触の終了位置Pbが含まれる表示領域を、決定した新たな境界線により分割してなる2つの表示領域を決定する。
【0081】
一方、ステップS11において、接触の終了位置Pbが、接触の開始位置Paの縁部と異なる表示領域の対向する縁部である場合に(ステップS11:異領域)、領域管理部131は、新たな境界線及び4つの分割領域を決定する(ステップS13)。なお、この4つの分割領域は、本発明に係る第1、第2、第3及び第4の表示領域の一例に相当する。
新たな境界線の決定方法は、上記ステップS12の場合と同様である。また、接触の開始位置Paが含まれる表示領域及び接触の終了位置Pbが含まれる表示領域それぞれについて、決定した新たな境界線により分割してなる2つの表示領域を決定する。
【0082】
ステップS12の処理を完了し、又はステップS13の処理を完了すると、領域管理部131は、決定した新たな境界線及び決定した表示領域についての情報を反映させるように、記憶部120の領域管理テーブル10及び境界線管理テーブル20を更新する(ステップS14)。
なお、ステップS12の処理を完了した場合におけるステップS14の処理では、図8〜図10を用いて説明したように、領域管理テーブル10及び境界線管理テーブル20が更新されることになる。
【0083】
また、ステップS13の処理を完了した場合におけるステップS14の処理では、以下、図15に示すように、領域管理テーブル10及び境界線管理テーブル20が更新されることになる。
図15は、4つの表示領域が定められている場合の領域管理テーブル10及び境界線管理テーブル20の内容例を示す図である。
【0084】
この例では、ステップS13で決定された新たな境界線が、図15(c)に示す境界線L3であるものとしている。
この新たな境界線L3では、領域IDが「1」である表示領域A11(図8参照)が、図15(c)の表示領域A15、A16に分割され、また、領域IDが「2」である表示領域A12(図8参照)が、図15(c)の表示領域A17、A18に分割されることになる。
【0085】
従って、領域管理部131は、図15(a)に示すように、表示領域A15〜A18についての4つのレコード19aを領域管理テーブル10に登録する。また、領域管理部131は、領域管理テーブル10の領域IDが「1」である表示領域A11についてのレコードの再分割領域IDを、表示領域A15、A16の領域ID「3,4」に更新する(符号19b参照)。また、領域管理部131は、領域管理テーブル10の領域IDが「2」である表示領域A12についてのレコードの再分割領域IDを、表示領域A17、A18の領域ID「5,6」に更新する(符号19c参照)。
【0086】
また、領域管理部131は、図15(b)に示すように、分割領域IDに、表示領域A15〜A18の領域ID「3,4,5,6」を設定した、この新たな境界線L3についてのレコード27を境界線管理テーブル20に登録する。
ステップS14の処理を完了すると、アプリケーション実行部132は、記憶部120の対応情報を参照し、ステップS12又はS13の処理で決定された各分割領域に表示させるべき画像を分割前の表示領域と対応するアプリケーションに基づいて決定する。
【0087】
表示制御部133は、アプリケーション実行部132が決定した画像を表示パネル110の各分割領域に表示させ、ステップS12又はS13の処理で決定された境界線を表示パネル110に表示させ(ステップS15)、分割処理を終了する。
<6−3.結合処理>
次に、上記ステップS20の結合処理の詳細について説明する。
【0088】
図14は、携帯電話機100の結合処理を示すフローチャートである。
領域管理部131は、図12のステップS9において、開始位置Pa及び終了位置Pbが各端点の位置から所定範囲内であると判定した境界線(以下、「削除境界線」ともいう)により分割されている2つの分割領域のいずれかに、この分割領域を更に分割した表示領域(以下、「再分割領域」ともいう)が存在するか否かを判定する(ステップS21)。
【0089】
具体的には、領域管理部131は、削除境界線についてのレコードに含まれている分割領域IDを、境界線管理テーブル20から取得し、取得した分割領域IDと同一の領域IDを含む各レコードを領域管理テーブル10において特定する。また、領域管理部131は、特定した各レコードのいずれかに再分割領域IDが設定されている場合に、分割領域に再分割領域が存在すると判定する(ステップS21:YES)。また、特定した各レコードのいずれにも再分割領域IDが設定されていない場合に、領域管理部131は、分割領域に再分割領域が存在しないと判定する(ステップS21:NO)。
【0090】
分割領域に再分割領域が存在しないと判定した場合に(ステップS21:NO)、領域管理部131は、この各分割領域を、再分割領域としている領域を結合後の表示領域(以下、「結合領域」ともいう)と決定する(ステップS22)。
具体的には、領域管理部131は、ステップS21で取得した、削除境界線についてのレコードに含まれている分割領域IDを、再分割領域IDに含むレコードに含まれている領域IDを領域管理テーブル10において特定する。領域管理部131は、特定した領域IDが示す表示領域を結合領域と決定する。
【0091】
なお、上記図15の例において、削除境界線がL3の場合、図15(b)に示す削除境界線L3についてのレコード27の分割領域IDには、4つの領域IDが登録されている。このような場合に、領域管理部131は、この分割領域IDに含まれる4つの領域IDの異なる組(この例では「3,4」と「5,6」)を、再分割領域IDに含む複数のレコード、即ち領域IDが「1」、「2」である複数のレコードを領域管理テーブル10において特定する。領域管理部131は、特定した各領域ID「1」、「2」が示す各表示領域A11、A12(図8参照)を結合領域と決定する。
【0092】
また、領域管理部131は、記憶部120の領域管理テーブル10及び境界線管理テーブル20を更新する(ステップS23)。
具体的には、領域管理部131は、削除境界線についてのレコードを境界線管理テーブル20から削除し、各分割領域についてのレコードを領域管理テーブル10から削除する。また、領域管理部131は、ステップS22で決定した結合領域の領域IDを含む領域管理テーブル10のレコードの再分割領域IDを「−」に更新する。
【0093】
ステップS23の処理を完了すると、アプリケーション実行部132は、結合領域を構成する領域のうちのいずれか1つの領域に表示されていた画像を、ステップS22の処理で決定された結合領域に表示させるべき画像として決定する。アプリケーション実行部132は、例えば、結合領域を構成する領域のうちの領域IDが最小であった表示領域に表示されていた画像を、結合領域に表示させるべき画像として決定する。
【0094】
また、表示制御部133は、この決定された画像を表示パネル110の結合領域に表示させ(ステップS24)、結合処理を終了する。なお、この削除境界線の表示は削除されることになる。
一方、ステップS21において、分割領域に再分割領域が存在すると判定した場合に(ステップS21:YES)、領域管理部131は、その再分割領域を分割している境界線(以下、「再分割境界線」ともいう)が、削除境界線に接しているか否かを判定する(ステップS25)。
【0095】
ここで、再分割境界線が、削除境界線に接しているとは、再分割境界線及び削除境界線のうちの一方の境界線の1つの端点が他方の境界線上の点であることをいう。
再分割境界線が削除境界線に接していない場合(ステップS25:NO)、即ち、再分割境界線が削除境界線と並行、又は再分割境界線と削除境界線とが交差している場合に、領域管理部131は、削除境界線を介して接する2つの表示領域を結合領域と決定する(ステップS26)。
【0096】
例えば、図15の例において、削除境界線がL1の場合、領域IDが「1」である分割領域A11(図8(b)参照)には、領域IDが「3」、「4」である各再分割領域A15、A16が存在し、領域IDが「2」である分割領域A12(図8(b)参照)には、領域IDが「5」、「6」である各再分割領域A17、A18が存在する。
この各再分割領域A15〜A18を分割する、境界線IDが「2」である再分割境界線L3は、削除境界線L1と交差する。
【0097】
従って、領域管理部131は、削除境界線L1を介して接する2つの表示領域(A15とA17)からなる領域と、2つの表示領域(A16とA18)とからなる領域とを結合領域と決定する。
ステップS26の処理を完了すると、領域管理部131は、ステップS23の処理を行う。
【0098】
即ち、領域管理部131は、削除境界線についてのレコードを境界線管理テーブル20から削除し、各分割領域についてのレコードを領域管理テーブル10から削除する。
また、領域管理部131は、ステップS26で決定した結合領域についてのレコードを境界線管理テーブル20に追加し、追加したレコードに含まれている領域IDを、上記再分割境界線についての境界線管理テーブル20のレコードに含まれている分割領域IDに設定する。また、領域管理部131は、境界線管理テーブル20の分割領域ID24に登録されていない領域IDを含む領域管理テーブル10のレコードを削除する。
【0099】
ステップS23の処理を完了すると、上述のように、アプリケーション実行部132は、ステップS22の処理で決定された結合領域に表示させるべき画像を決定し、表示制御部133は、決定後の画像を表示パネル110の結合領域に表示させ(ステップS24)、結合処理を終了する。
一方、ステップS25において、再分割境界線が削除境界線に接している場合(ステップS25:YES)、領域管理部131は、その再分割境界線を、他方の分割領域の側へ延長した上で、削除境界線を介して接する2つの表示領域を結合領域と決定する(ステップS27)。
【0100】
例えば、図9の例において、削除境界線がL1の場合、領域IDが「2」である分割領域A12(図8(b)参照)には、領域IDが「3」、「4」である各再分割領域A13、A14が存在する。
この各再分割領域A13、A14を分割する、境界線IDが「2」である再分割境界線L2は、削除境界線L1に接する。
【0101】
従って、領域管理部131は、再分割境界線L2を、領域IDが「1」である他方の分割領域A11側へ延長した上で、削除境界線L1を介して接する2つの表示領域、即ち、左上座標値が「(0,0)」かつ右下座標値が「(x11,y11)」である領域と、表示領域A13とからなる領域を結合領域と決定する。更に、領域管理部131は、左上座標値が「(0,y12)」かつ右下座標値が「(x11,479)」である領域と、表示領域A14とからなる領域を結合領域と決定する。
【0102】
ステップS27の処理を完了すると、領域管理部131は、ステップS23の処理を行う。
即ち、領域管理部131は、削除境界線についてのレコードを境界線管理テーブル20から削除し、ステップS27で決定した結合領域についてのレコードを領域管理テーブル10に追加する。また、領域管理部131は、この追加したレコードに含まれている領域IDを、再分割境界線についての境界線管理テーブル20のレコードに含まれている分割領域IDに設定すると共に、そのレコードの第1座標値、第2座標値を、延長後の再分割境界線を示すように更新する。また、領域管理部131は、境界線管理テーブル20の分割領域ID24に登録されていない領域IDを含む領域管理テーブル10のレコードを削除する。
【0103】
ステップS23の処理を完了すると、上述のように、アプリケーション実行部132は、ステップS22の処理で決定された結合領域に表示させるべき画像を決定し、表示制御部133は、決定後の画像を表示パネル110の結合領域に表示させ(ステップS24)、結合処理を終了する。
≪補足≫
以上、本発明に係る携帯端末を、実施の形態に基づいて説明したが、以下のように変形することも可能であり、本発明は上述した実施の形態で示した通りの携帯電話機に限られないことは勿論である。
【0104】
(1)実施の形態では、接触の終了位置Pbが、接触の開始位置Paが含まれる縁部と対向する縁部に含まれる場合に、分割操作又は結合操作が行われたと判定するものとして説明した。
しかしながら、分割操作及び結合操作を行うモードとこれらの操作以外の通常操作を行うモードとを所定の操作で切り替えられるように変形し、分割操作及び結合操作を行うモードである場合において一定操作が行われたときに、分割操作又は結合操作が行われたと判定してもよい。
【0105】
この一定操作は、実施の形態で説明した所謂ドラッグ操作以外の操作であってもよい。例えば、2つの表示領域が存在する場合において、その一方の表示領域上への指等の接触操作が行われた場合に、分割操作が行われたと判定してもよい。この場合、その接触位置を通る、2つの表示領域の境界線への垂線で、当該一方の表示領域を分割することが考えられる。また、境界線上の位置から所定範囲内の位置に指等を接触された場合に、結合操作が行われたと判定してもよい。
【0106】
(2)実施の形態では、接触の終了位置Pbが、接触の開始位置Paが含まれる縁部と対向する縁部に含まれる場合に、分割操作又は結合操作が行われたと判定するものとして説明した。
しかしながら、2つの表示領域が存在する場合において所謂ドラッグ操作が行われたときに、当該2つの表示領域の境界線に対する垂線方向の、ドラッグ操作の開始位置Paから終了位置Pbまでの距離を算出し、算出した距離が第1距離以上である場合に、分割操作又は結合操作が行われたと判定するものとしてもよい。
【0107】
また、実施の形態では、開始位置Paが含まれる縁部と、終了位置Pbが含まれる縁部とが同一の表示領域の縁部かによって、1つの表示領域を2分割するか、2つの表示領域それぞれを2分割するかが決定されるものとして説明した。
しかしながら、2つの表示領域が存在する場合において所謂ドラッグ操作が行われたときに、上述のようにして算出したドラッグ操作の開始位置Paから終了位置Pbまでの距離が、上記第1距離以上で当該第1距離よりも長い第2距離未満である場合には1つの表示領域を、第2距離以上である場合には2つの表示領域それぞれを2分割すると決定してもよい。
【0108】
なお、この第1距離及び第2距離は、例えば、分割対象の表示領域の上記垂線方向の線分長に基づいて決定してもよい。
また、1つの表示領域を2分割するための操作モードと、2つの表示領域それぞれを2分割するための操作モードを所定の操作で切り替えられるようにし、現在のモードに応じて1つの表示領域を2分割するのか、2つの表示領域それぞれを2分割するかを決定してもよい。
【0109】
(3)実施の形態では、境界線は垂線であるものとして説明したが、斜めの線や、曲線であってもよい。
(4)実施の形態では、2つの表示領域を結合する場合に、この2つの表示領域のうち、例えば、最小の領域IDが示す表示領域に表示されていた画像を、結合後の表示領域に表示させるものとして説明した。
【0110】
しかしながら、この2つの表示領域のうち、直近にユーザ操作がなされた表示領域に表示されていた画像を、結合後の表示領域に表示させるようにしてもよい。
(5)実施の形態では、分割操作及び結合操作の最中に現在の接触位置に応じた長さの線が表示され、また、分割操作後に境界線が表示されるものとして説明した。しかしながら、これらの線が表示されないようにしてもよい。
【0111】
(6)実施の形態では、図4(c)の表示領域A5及びA6の例のように、1つの文書ファイルに係る画像の一部が各表示領域に表示されている場合に、いずれか一方において編集が行われると、他方にもその編集内容が反映されるものとして説明した。
しかしながら、一方において編集が行われても他方にその編集内容が反映されないようにしてもよい。この場合、例えば、ユーザ操作により、あるいは自動的に、各表示領域に係る文書を、異なるファイルに保存するようにしてもよい。
【0112】
また、ここでは、文書ファイルの例を用いて説明したが、内容を変更することが可能なデータついても同様にこの変形を適用できる。即ち、内容を変更することが可能なデータに係る画像の一部が各表示領域に表示されている場合に、いずれか一方において変更が行われても、他方にその編集内容が反映されないようにしてもよい。
(7)実施の形態では、表示パネル110の表示面が3つ又は4つの表示領域に分割される場合を例に説明したが、表示領域の数はこれに限られず、分割操作に応じて、5つ以上に分割されてもよい。
【0113】
但し、表示領域の数がある程度多くなると、各表示領域のサイズは小さくなり、一般的には視認性が低下すると考えられるため、一定条件下で、もしも分割操作が行われても、分割しないようにしてもよい。
この一定条件として、分割回数や表示領域の数、分割により得られる表示領域のサイズについての条件を用いることが考えられる。例えば、分割回数や表示領域の数が、メーカにより予め決められた数やユーザからの設定に基づく数未満である場合には、分割を行うようにしてもよい。また、例えば、分割により得られる表示領域のサイズが、メーカにより予め決められたサイズやユーザからの設定に基づくサイズ以上である場合に分割を行うようにしてもよい。
【0114】
なお、この場合、図13のS13の処理は、境界線が通過する全ての表示領域を分割するよう変更する必要がある。
(8)実施の形態に係る携帯電話機100を、所定の接触操作に基づいて、2つの表示領域に表示させている画像を、入れ替えて表示するようにしてもよい。
所定の接触操作としては、例えば、表示画像を入れ替える対象の2つの表示領域上の位置を接触の開始位置と終了位置とする、分割操作及び結合操作よりも短い距離の所謂ドラッグ操作が考えられる。
【0115】
具体的には、例えば、表示画像を入れ替える対象の2つの表示領域が、隣接する2つの表示領域である場合に、その2つの表示領域を分割する境界線を介して隣接する2つの縁部のうち、一方の縁部上の位置を開始位置とし、他方の縁部上の位置を終了位置とする所謂ドラッグ操作が行われた場合に、表示画像を入れ替えてもよい。
また、2つの表示領域の表示画像を入れ替える操作を行うモードを設け、そのモードである場合において、2つの表示領域を指定する特定の接触操作(例えば、その2つの表示領域上の位置に順に指等を接触させる操作)が行われた場合に、表示画像を入れ替えるようにしてもよい。
【0116】
また、例えば、境界線の位置を移動させる操作モードを設け、そのモードである場合に、所定の操作、例えば、境界線上の位置から所定範囲内の位置を開始位置とし、その境界線に対する略垂線方向に行う所謂ドラッグ操作が行われた場合に、境界線の位置を移動させるようにしてもよい。
なお、移動対象の境界線により分割される2つの分割領域に、再分割領域が存在する場合において、再分割境界線に、移動対象の境界線が接するときには、移動後の境界線に引き続き接するように、再分割境界線の長さを調整(延長又は短縮)する必要がある。例えば、図3(b)の状態で、境界線L11を右方向に移動させた場合には、境界線L21の長さが短縮され、境界線L11を左方向に移動させた場合には、境界線L21の長さが延長されることになる。
【0117】
(9)実施の形態に係る携帯電話機100は、図1に示すように、ストレート型の端末であるものとして説明したが、スライド式や折り畳み式の携帯電話機等、他の外観を有する携帯電話機であってもよい。
また、実施の形態では、LCD111の形状は、略矩形状であるとして説明したが、例えば、円形上、その他多角形状であってもよい。また、実施の形態では、LCD111の画素数(縦×横)は480×800画素であるものとしたが、この画素数に限定されるものではなく、適宜、他の画素数とすることもできる。なお、その場合、タッチパッド112についても、LCD111の画素数にあわせた座標値を出力できるようにしてもよい。
【0118】
また、表示パネル110は、LCD111を含むものとして説明したが、有機EL(Electro-Luminescence)等を含むようにしてもよい。
(10)実施の形態に係るタッチパッド112は、静電容量方式のタッチセンサにより実現されるものとして説明したが、この静電容量方式のタッチセンサとして、多数の電極パターンをプラスチックやガラス等の基板上に形成し、接触点の近傍の複数の電極パターンによる電流量の比率を計測することで判別する投影型や、導電膜と基板とを有して構成され、基板の隅に電極を設け、導電膜による均一な電界を形成し、指等の接触による隅の電極の電流量の比率を計測して接触位置を判別する表面型等、適宜なものを用いることができる。
【0119】
また、タッチパッド112は、静電容量方式のタッチセンサにより実現される場合に限らず、電子ペン等の専用のペンを用いる電磁誘導方式や、2層構造の透明電極からなるマトリクススイッチ方式や、2枚の抵抗膜の1枚に電圧を印加し、他方の抵抗膜において操作した位置に応じた電圧を検知する抵抗膜方式や、振動波の跳ね返りを圧電素子の電圧変化によって検出し、指等の接触を検知する表面弾性波方式や、遮光された赤外線により指等が接触した位置を検出する赤外線方式や、画面に光センサを組み込んで接触位置を検知する光センサ方式等、適宜なものを用いてもよい。
【0120】
(11)実施の形態において説明した各構成要素のうち、全部又は一部を1チップ又は複数チップの集積回路で実現してもよいし、コンピュータのプログラムで実現してもよいし、その他どのような形態で実現してもよい。
また、実施の形態において説明した各構成要素は、携帯電話機が有するプロセッサと協働することにより、その機能を実現する。
【0121】
(12)実施の形態において説明した携帯電話機の制御処理(図12〜14参照)をプロセッサに実行させるためのプログラムを、記録媒体に記録し又は各種通信路等を介して、流通させ頒布することもできる。このような記録媒体には、ICカード、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、ROM、フラッシュメモリ等がある。流通、頒布されたプログラムは、機器におけるプロセッサで読み取り可能なメモリ等に格納されることにより利用に供され、そのプロセッサがそのプログラムを実行することにより実施の形態で示した携帯電話機の各機能が実現される。
【0122】
(13)実施の形態に係る携帯電話機に、上記(1)〜(12)の一部又は全部の変形を組み合わせて適用してもよい。
(14)以下、更に本発明の一実施形態に係る携帯端末の構成及びその変形例と各効果について説明する。
(a)本発明の一実施形態に係る携帯端末は、タッチパッド付きの表示面を有する表示パネルと、前記タッチパッドに対する接触操作に応じて、前記表示面を分割してなる複数の表示領域を定める領域管理部と、前記表示面を分割してなる表示領域毎に、画像の表示に係る制御を行う表示制御部とを備え、前記領域管理部は、前記表示面を第1の境界線で2分割してなる2つの表示領域を定めている場合において、前記タッチパッド上で接触が行われたときに、当該タッチパッド上の接触位置に基づいて、前記第1の境界線上の1点と当該接触位置から所定範囲内の1点とを通る第2の境界線を決定し、当該第2の境界線で、前記2つの表示領域のうちの前記接触位置から所定範囲内の1点を含む対象領域を更に2分割してなる2つの領域を、当該対象領域に替えて、第1及び第2の表示領域と定めることを特徴とする。
【0123】
この携帯端末は、タッチパッド上の接触位置に基づいて第2の境界線を決定し、2つの表示領域のうちの一方(対象領域)を、決定した第2の境界線で2分割する。
従って、この携帯端末によれば、表示パネルの表示面が既に2分割されている場合に、更に分割数を増やすことが可能である。
(b)また、前記表示面は略矩形状であり、前記第1の境界線は、前記表示面のいずれかの1辺に対する垂線であり、前記領域管理部は、前記第1の境界線に対する垂線を前記第2の境界線として決定することとしてもよい。
【0124】
この携帯端末は、略矩形状の表示面の一辺に対する垂線である第1の境界線で、当該表示面を2分割した2つの表示領域の一方(対象領域)を、第1の境界線に対する垂線である第2の境界線で2分割するので、各表示領域もまた略矩形状になる。従って、この携帯端末によれば、各表示領域が略矩形状でない場合と比較し、表示に係る制御を容易にすることができる。
【0125】
(c)また、前記領域管理部は、前記タッチパッド上の接触位置が変化した場合に、当該接触位置の軌跡上において、前記第1の境界線に対する垂線の方向に、当該第1の境界線に対向する前記表示面の一辺から当該第1の境界線までの線分長に対して所定割合となる第1距離以上離れた2点が含まれる表示領域を、前記対象領域とすることとしてもよい。
【0126】
この携帯端末によれば、第1距離を適切に設定することにより、ユーザは、タッチパッドに指等を接触させたまま移動させる操作(所謂ドラッグ操作)における移動距離を変化させることで、その操作により対象領域を分割するのか、それ以外の通常のドラッグ操作を行うのかを指定することが可能になる。
(d)また、前記領域管理部は、前記第1の境界線から当該第1の境界線に対向する前記表示面の辺が存在する方向に第2距離内の点及び当該辺から第3距離内の点を、前記第1距離以上離れた2点とすることとしてもよい。
【0127】
この携帯端末によれば、第2の距離及び第3の距離を適切に設定することにより、第1の境界線の近傍の位置から、第1の境界線に対向する表示面の辺の近傍の位置まで指等を接触させたまま移動させるという、いわば、表示面を切るような直感的な操作により対象領域を分割することができる。
(e)また、前記領域管理部は、更に前記タッチパッド上の接触位置の軌跡上において、前記第1の境界線に対する垂線の方向に、当該第1の境界線に対向する前記表示面の一辺から、当該一辺に対向する前記表示面の他辺までの線分長に対して所定割合となる、前記第1距離よりも長い距離以上離れた2点が含まれる場合に、前記表示面を第1の境界線で2分割してなる2つの表示領域のうち、前記対象領域とは異なる表示領域に替えて、当該表示領域を前記第2の境界線で2分割してなる2つの領域を第3及び第4の表示領域と定めることとしてもよい。
【0128】
この携帯端末によれば、第1距離よりも長い距離を適切に設定することにより、ユーザが、タッチパッドに接触させたまま指等を移動させる操作における移動距離を変化させることで、対象領域だけを2分割するのか、表示面を第1の境界線で2分割してなる2つの表示領域それぞれを2分割するのかを指定することが可能になる。
(f)また、前記領域管理部は、更に前記第1及び第2の表示領域を定めた後において、前記タッチパッドにより検出された接触位置が、前記第2の境界線の少なくとも一部をなぞるように変化した場合に、当該第1及び第2の表示領域に替えて、当該第1及び第2の表示領域を結合した領域を1つの表示領域と定めることとしてもよい。
【0129】
この携帯端末によれば、第2の境界線の少なくとも一部をなぞるような簡単な操作(所謂ドラッグ操作)により、第2の境界線で2分割されていた第1及び第2の表示領域を結合できる。
この結果、例えば、第1及び第2の表示領域のうちの1つの表示領域への画像の表示が不要になった場合に、両表示領域を結合した1つの表示領域に、表示が必要な画像を、より大きく表示し得る。
【0130】
(g)また、前記表示制御部は、更に前記第1の境界線を前記表示パネルに表示させ、前記領域管理部が、前記第1及び第2の表示領域を定めた際に、前記第2の境界線を前記表示パネルに表示させることとしてもよい。
この携帯端末は、第1の境界線を表示し、対象領域を第2の境界線で分割した際に、この第2の境界線を表示するので、ユーザは、境界線の表示を見ることで、表示面が現在どのように分割されているのかを一目で把握することができる。
【0131】
(h)また、前記表示制御部は、更に前記領域管理部が、前記第1及び第2の表示領域を結合した領域を1つの表示領域と定めた際に、表示させていた前記第2の境界線の表示を前記表示パネルに表示させないようにすることとしてもよい。
この携帯端末は、第2の境界線で2分割してなる第1及び第2の表示領域が結合された際に、この第2の境界線を表示しないようにするので、ユーザは、境界線の表示を見ることで、表示面が現在どのように分割されているのかを一目で把握することができる。
【0132】
(i)また、前記表示制御部は、前記領域管理部が、前記第1及び第2の表示領域を定めた際に、その直前に、前記対象領域に表示させていた画像の一部又は全体を、前記第1及び第2の表示領域それぞれに表示させるよう前記制御を行うこととしてもよい。
この携帯端末によれば、対象領域に表示されていた画像の大きさが比較的大きい場合に、例えば、その画像の異なる部分を第1及び第2の表示領域それぞれに表示させ得るので、ユーザは、その画像の異なる部分を同時に見ることが可能になる。
【0133】
(j)また、前記表示制御部は、前記領域管理部が、前記第1及び第2の表示領域を定めた際に、その直前に、前記対象領域に表示させていた画像の一部又は全部を、前記第1の表示領域に表示させ、前記対象領域に表示させていた画像に関連する画像を、前記第2の表示領域に表示させることとしてもよい。
この携帯端末によれば、ユーザが、対象領域を2分割した1つの領域に、対象領域に表示されていた画像に関連する画像を表示させたい場合に、対象領域を2分割するための操作を行うだけで、当該表示を行うことができるので、当該表示のための操作負担を軽減できる。
【0134】
(k)また、前記表示制御部は、前記領域管理部が、前記第1及び第2の表示領域を定めた後に、当該第1及び第2の表示領域のうちの一方の表示領域内の点から、前記第1の境界線に対する垂線の方向に、当該第1の境界線に対向する前記表示面の一辺から当該第1の境界線までの線分長に対して所定割合となる第1距離未満離れた他方の表示領域内の点まで、前記タッチパッド上の接触位置が変化した場合に、当該変化前に、当該第1及び第2の表示領域に表示させていた画像を、当該変化後に入れ替えて表示させるよう前記制御を行うこととしてもよい。
【0135】
この携帯端末によれば、対象領域を分割する際よりも第2の境界線の方向の距離が短くなるように、第1及び第2の表示領域のうちの一方の位置から他方の位置に、指等を接触させたまま移動させるという簡単な操作で、第1及び第2の表示領域に表示されている画像を入れ替えて表示させることができる。
(15)本発明に係る携帯端末のタッチパッド付の表示面を有する表示パネルは、例えば、実施の形態に係る携帯電話機100の表示パネル110に相当し、本発明に係る携帯端末の領域管理部及び表示制御部は、実施の形態に係る携帯電話機100の領域管理部131及び表示制御部133に相当する。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本発明に係る携帯端末は、表示パネルの表示面を複数の表示領域に分割して、各表示領域に画像を表示させて使用する場合に利用される。
【符号の説明】
【0137】
1 筐体
10 領域管理テーブル
20 境界線管理テーブル
100 携帯電話機
110 表示パネル
111 LCD
112 タッチパッド
113 コントローラ
120 記憶部
130 制御部
131 領域管理部
132 アプリケーション実行部
133 表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパッド付きの表示面を有する表示パネルと、
前記タッチパッドに対する接触操作に応じて、前記表示面を分割してなる複数の表示領域を定める領域管理部と、
前記表示面を分割してなる表示領域毎に、画像の表示に係る制御を行う表示制御部とを備え、
前記領域管理部は、
前記表示面を第1の境界線で2分割してなる2つの表示領域を定めている場合において、前記タッチパッド上で接触が行われたときに、当該タッチパッド上の接触位置に基づいて、前記第1の境界線上の1点と当該接触位置から所定範囲内の1点とを通る第2の境界線を決定し、当該第2の境界線で、前記2つの表示領域のうちの前記接触位置から所定範囲内の1点を含む対象領域を更に2分割してなる2つの領域を、当該対象領域に替えて、第1及び第2の表示領域と定める
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記表示面は略矩形状であり、
前記第1の境界線は、前記表示面のいずれかの1辺に対する垂線であり、
前記領域管理部は、
前記第1の境界線に対する垂線を前記第2の境界線として決定する
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記領域管理部は、
前記タッチパッド上の接触位置が変化した場合に、当該接触位置の軌跡上において、前記第1の境界線に対する垂線の方向に、当該第1の境界線に対向する前記表示面の一辺から当該第1の境界線までの線分長に対して所定割合となる第1距離以上離れた2点が含まれる表示領域を、前記対象領域とする
ことを特徴とする請求項2記載の携帯端末。
【請求項4】
前記領域管理部は、
前記第1の境界線から当該第1の境界線に対向する前記表示面の辺が存在する方向に第2距離内の点及び当該辺から第3距離内の点を、前記第1距離以上離れた2点とする
ことを特徴とする請求項3記載の携帯端末。
【請求項5】
前記領域管理部は、更に
前記タッチパッド上の接触位置の軌跡上において、前記第1の境界線に対する垂線の方向に、当該第1の境界線に対向する前記表示面の一辺から、当該一辺に対向する前記表示面の他辺までの線分長に対して所定割合となる、前記第1距離よりも長い距離以上離れた2点が含まれる場合に、前記表示面を第1の境界線で2分割してなる2つの表示領域のうち、前記対象領域とは異なる表示領域に替えて、当該表示領域を前記第2の境界線で2分割してなる2つの領域を第3及び第4の表示領域と定める
ことを特徴とする請求項3記載の携帯端末。
【請求項6】
前記領域管理部は、更に
前記第1及び第2の表示領域を定めた後において、前記タッチパッドにより検出された接触位置が、前記第2の境界線の少なくとも一部をなぞるように変化した場合に、当該第1及び第2の表示領域に替えて、当該第1及び第2の表示領域を結合した領域を1つの表示領域と定める
ことを特徴とする請求項2記載の携帯端末。
【請求項7】
前記表示制御部は、更に
前記第1の境界線を前記表示パネルに表示させ、
前記領域管理部が、前記第1及び第2の表示領域を定めた際に、前記第2の境界線を前記表示パネルに表示させる
ことを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項8】
前記表示制御部は、更に
前記領域管理部が、前記第1及び第2の表示領域を結合した領域を1つの表示領域と定めた際に、表示させていた前記第2の境界線の表示を前記表示パネルに表示させないようにする
ことを特徴とする請求項6記載の携帯端末。
【請求項9】
前記表示制御部は、
前記領域管理部が、前記第1及び第2の表示領域を定めた際に、その直前に、前記対象領域に表示させていた画像の一部又は全体を、前記第1及び第2の表示領域それぞれに表示させるよう前記制御を行う
ことを特徴とする請求項2記載の携帯端末。
【請求項10】
前記表示制御部は、
前記領域管理部が、前記第1及び第2の表示領域を定めた際に、その直前に、前記対象領域に表示させていた画像の一部又は全部を、前記第1の表示領域に表示させ、前記対象領域に表示させていた画像に関連する画像を、前記第2の表示領域に表示させる
ことを特徴とする請求項2記載の携帯端末。
【請求項11】
前記表示制御部は、
前記領域管理部が、前記第1及び第2の表示領域を定めた後に、当該第1及び第2の表示領域のうちの一方の表示領域内の点から、前記第1の境界線に対する垂線の方向に、当該第1の境界線に対向する前記表示面の一辺から当該第1の境界線までの線分長に対して所定割合となる第1距離未満離れた他方の表示領域内の点まで、前記タッチパッド上の接触位置が変化した場合に、当該変化前に、当該第1及び第2の表示領域に表示させていた画像を、当該変化後に入れ替えて表示させるよう前記制御を行う
ことを特徴とする請求項9又は10記載の携帯端末。
【請求項12】
タッチパッド付きの表示面を有する表示パネルを備える携帯端末における制御方法であって、
前記タッチパッドに対する接触操作に応じて、前記表示面を分割してなる複数の表示領域を定める領域管理ステップと、
前記表示面を分割してなる表示領域毎に、画像の表示に係る制御を行う表示制御ステップとを含み、
前記領域管理ステップは、
前記表示面を第1の境界線で2分割してなる2つの表示領域を定めている場合において、前記タッチパッド上で接触が行われたときに、当該タッチパッド上の接触位置に基づいて、前記第1の境界線上の1点と当該接触位置から所定範囲内の1点とを通る第2の境界線を決定し、当該第2の境界線で、前記2つの表示領域のうちの前記接触位置から所定範囲内の1点を含む対象領域を更に2分割してなる2つの領域を、当該対象領域に替えて、第1及び第2の表示領域と定める
ことを特徴とする制御方法。
【請求項13】
タッチパッド付きの表示面を有する表示パネルを備える携帯端末におけるプロセッサに、制御処理を行わせるためのプログラムであって、
前記制御処理は、
前記タッチパッドに対する接触操作に応じて、前記表示面を分割してなる複数の表示領域を定める領域管理ステップと、
前記表示面を分割してなる表示領域毎に、画像の表示に係る制御を行う表示制御ステップとを含み、
前記領域管理ステップは、
前記表示面を第1の境界線で2分割してなる2つの表示領域を定めている場合において、前記タッチパッド上で接触が行われたときに、当該タッチパッド上の接触位置に基づいて、前記第1の境界線上の1点と当該接触位置から所定範囲内の1点とを通る第2の境界線を決定し、当該第2の境界線で、前記2つの表示領域のうちの前記接触位置から所定範囲内の1点を含む対象領域を更に2分割してなる2つの領域を、当該対象領域に替えて、第1及び第2の表示領域と定める
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−243116(P2012−243116A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−113201(P2011−113201)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】