説明

携帯端末、情報処理方法、及びプログラム

【課題】階層構造を有する操作項目に対して直感的且つ簡易で連続的な操作で素早く当該操作項目を操作可能とする。
【解決手段】情報又はデータを表示する表示部11と、前記表示部に対するユーザの指による接触を検出する接触検出部12と、前記接触検出部により検出された接触に対する前記ユーザの指本数を検出する指本数判定部13と、前記情報又はデータに対する複数の操作項目間の階層情報を記憶する記憶部14と、前記記憶部に記憶されている階層情報のうち前記指本数判定部により検出された指本数と一致する階層を、前記接触検出部により検出された接触に対する操作項目として選択する階層選択部16とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面に接触された指の本数に応じて、階層構造を有するように設定された操作項目に対する操作を可能とする携帯端末、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、技術の高度化を背景に、携帯電話機等の携帯端末が多機能化してきており、当該携帯端末の各々の機能の中で用いられる操作項目が益々増えている。ここでいう「操作項目」には、当該携帯端末の各々の機能に対応するサービスと、当該サービスを提供する事業者と、当該事業者により提供されるコンテンツと、当該コンテンツに対する画像編集若しくは当該コンテンツの再生時における音声切り換え等のサブメニューとが含まれる。一般に、これらの操作項目の間には上位及び下位の階層関係が成立し、或る操作項目と他の操作項目との関係は、階層構造で表現することができる。操作項目に関する説明は、以下においても同様である。
【0003】
例えば、前述したサービスを最上位の操作項目とし、前述したコンテンツを当該最上位の操作項目であるサービスの1つ下の操作項目とし、最後に、前述したサブメニューを最上位の操作項目の2つ下の操作項目とすると共に当該コンテンツの1つ下の操作項目とすることにより、サービスとコンテンツとサブメニューとを含む操作項目を階層構造で表現することができる。
【0004】
また、この様な階層構造を有する操作項目が予め設定された携帯端末においては、ユーザに負荷を与えることなく操作可能とするために、当該携帯端末の表示画面の上にタッチパネルが搭載されていることが多い。ユーザは、当該タッチパネルに対して操作指示を入力することにより、複雑な階層構造を有する操作項目が設定された携帯端末を簡易に操作することができる。なお、階層構造を有するデータに対するタッチパネル上の操作に関連して特許文献1が開示されている。更に、タッチパネルをタッチした指の指本数と当該指本数に応じて実行される機能とに関連して、特許文献2が開示されている。
【0005】
例えば、特許文献1には、タッチパネルにおける指の接触を検出し、当該検出された指の接触が操作者の何れの指の接触であるかを判定し、指又は指の組合せに関連付けてコマンドを登録し、判定された指又は指の組合せに応じて登録されたコマンドを実行する情報入力装置が開示されている。このような特許文献1に開示されている情報入力装置によれば、タッチパネルをタッチ操作することにより呼び出されたコマンドの内容又は呼び出し方法を柔軟に設定することができる。
【0006】
例えば、特許文献2には、タッチスクリーン装置のユーザから複数且つ同時のタッチスクリーン・コンタクトを含む入力を受け取り、当該複数且つ同時のタッチスクリーン・コンタクトの属性を識別して当該入力に応答して実施される動作を識別し、当該入力が当該動作に対応するように予め設定されている場合に当該入力に応答してコンピューティング・システム上でアクセス可能性切り換え援助動作を実施するコンピュータ実施方法及びコンピュータ読み取り可能媒体が開示されている。このような特許文献2に開示されているコンピュータ実施方法及びコンピュータ読み取り可能媒体によれば、ユーザは、タッチ・ポインタ・ウィジェットによって表示された領域に指を置いてドラッグすることにより、正確にポインタを操作することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−123032号公報
【特許文献2】特表2009−537051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1では、指の種類とコマンドとの対応関係が予め設定されている。しかしながら、特許文献1に開示されている情報入力装置がユーザ所望のコマンドを指示するためには、ユーザは結局、階層をたどって所望のコマンドを指示するための操作が必要であり、当該操作は煩雑であった。
【0009】
また、特許文献2では、デジタルTV等のように階層構造を有するデータに対する操作は想定されておらず、当該操作対象の絞り込み及び当該操作対象に対する操作を連続的に行うことができなかった。
【0010】
本発明は、前述の従来の事情に鑑みてなされたもので、非常に直感的で簡易な操作によって、階層構造を有する操作項目に対する操作を素早く実行する携帯端末、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の携帯端末は、情報又はデータを表示する表示部と、表示部に対するユーザの指による接触を検出する接触検出部と、接触検出部により検出された接触に対するユーザの指本数を検出する指本数判定部と、情報又はデータに対する複数の操作項目間の階層情報を記憶する記憶部と、記憶部に記憶されている階層情報のうち指本数判定部により検出された指本数と一致する階層を、接触検出部により検出された接触に対する操作項目として選択する階層選択部と、を備える。
【0012】
また、本発明の情報処理方法は、情報又はデータを表示部に表示するステップと、表示部に対するユーザの指による接触を検出するステップと、検出された接触に対するユーザの指本数を検出するステップと、情報又はデータに対する複数の操作項目間の階層情報を記憶部に記憶するステップと、記憶部に記憶されている階層情報のうち検出された指本数と一致する階層を、検出された接触に対する操作項目として選択するステップと、を備える。
【0013】
また、本発明のプログラムは、コンピュータである携帯端末に、情報又はデータを表示部に表示するステップと、表示部に対するユーザの指による接触を検出するステップと、検出された接触に対するユーザの指本数を検出するステップと、情報又はデータに対する複数の操作項目間の階層情報を記憶部に記憶するステップと、記憶部に記憶されている階層情報のうち検出された指本数と一致する階層を、検出された接触に対する操作項目として選択するステップと、を実現させる。
【0014】
前述した構成によれば、非常に直感的且つ簡易で連続的な操作によって、階層構造を有する操作項目に対する操作を素早く実行することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る携帯端末、情報処理方法、及びプログラムによれば、非常に直感的且つ簡易で連続的な操作によって、階層構造を有する操作項目に対する操作を素早く実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】各実施形態の携帯端末である携帯電話機の横開き状態を示す斜視図
【図2】各実施形態の携帯端末である携帯電話機の縦開き状態を示す斜視図
【図3】各実施形態の携帯端末である携帯電話機の閉じた状態を示す斜視図
【図4】第1の実施形態の携帯端末である携帯電話機の内部構成を示すブロック図
【図5】第1の実施形態の携帯端末である携帯電話機に対する操作項目を階層構造で表現した模式図
【図6】操作項目階層情報を表形式で示した説明図
【図7】仮設定階層情報を表形式で示した説明図
【図8】第1の実施形態の携帯端末である携帯電話機の動作概要を示す説明図
【図9】第1の実施形態の携帯端末である携帯電話機の動作を説明するフローチャート
【図10】第2の実施形態の携帯端末である携帯電話機の内部構成を示すブロック図
【図11】加算数値条件情報を表形式で示した説明図
【図12】第2の実施形態の携帯端末である携帯電話機の動作概要を示す説明図
【図13】第2の実施形態の携帯端末である携帯電話機の動作を説明するフローチャート
【図14】第3の実施形態の携帯端末である携帯電話機の内部構成を示すブロック図
【図15】表示範囲条件情報を表形式で示した説明図
【図16】第3の実施形態の携帯端末である携帯電話機の動作概要を示す説明図
【図17】第3の実施形態の携帯端末である携帯電話機の動作の一部を説明するフローチャート
【図18】第3の実施形態の携帯端末である携帯電話機の動作の一部を説明するフローチャート
【図19】第3の実施形態の変形例の携帯端末である携帯電話機の動作の一部を説明するフローチャート
【図20】第3の実施形態の変形例の携帯端末である携帯電話機の動作の一部を説明するフローチャート
【図21】各実施形態の携帯端末である携帯電話機に対する操作項目を階層構造で表現した別の一例を示す模式図
【図22】各実施形態の変形例の携帯端末である携帯電話機の動作概要を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照して説明する。以下の各実施形態においては、本発明の携帯端末として、図1〜3に示す携帯電話機10を例に挙げて説明する。但し、本発明の携帯端末は、携帯電話機10に限定されない。なお、本発明は、図1〜3に示す携帯電話機10のような装置、又は当該装置であるコンピュータを動作させるための「プログラム」として表現することも可能であり、更に、携帯電話機10により実行されるステップを含む「方法」として表現することも可能である。即ち、本発明は、装置、方法及びプログラムのうちいずれのカテゴリーでも表現可能である。
【0018】
[第1の実施形態]
1.本発明の携帯端末である携帯電話機10の外観
図1は、第1の実施形態の携帯端末である携帯電話機10の横開き状態を示す斜視図である。図2は、第1の実施形態の携帯端末である携帯電話機10の縦開き状態を示す斜視図である。図3は、第1の実施形態の携帯端末である携帯電話機10の閉じた状態を示す斜視図である。
【0019】
図1〜3に示すように、携帯電話機10は、矩形箱状の第1筐体21と、矩形箱状の第2筐体30と、第1筐体21及び第2筐体30を連結する連結部40とを有している。この携帯電話機10は、第1筐体21及び連結部40が第1回動軸41を介して連結されていると共に、第2筐体30及び連結部40が第2回動軸42を介して連結されている。
【0020】
なお、以下、第1筐体21と連結部40との配列方向に沿った方向を長手方向と称し、長手方向に対して直交する方向を短手方向と称し、長手方向及び短手方向に対してそれぞれ直交する方向を第1筐体21の厚み方向と称する。同様に、図3に示すように、第2筐体30における長手方向、短手方向、及び厚み方向は、第1筐体21における長手方向、短手方向、及び厚み方向と称する。
【0021】
また、携帯電話機10は、図3に示すように第1筐体21及び第2筐体30が相対的に積層された閉じ状態と、図2に示すようにこの閉じ状態から第1回動軸41を中心として第1筐体21に対して第2筐体30及び連結部40が一体となって回動する縦開き状態と、図1に示すように当該閉じ状態から第2回動軸42を中心として第1筐体21に対して第2筐体30が回動する横開き状態とを取り得る。
【0022】
第1筐体21は、携帯電話機10をユーザが使用する際に片手又は両手で把持する部分であり、数字又は文字を入力するためのハードウェアテンキーHwTkと、通話、切断、各種設定又は機能の切替えを行うための機能キーFkyとが操作面21aに設けられている。
【0023】
第1筐体21は、長手方向に沿った一方の端部である機能キーFky側の端部に一対の第1筐体支持部24a,24bが設けられていると共に、長手方向に沿った他方の端部の操作面21aにマイクロフォン22が設けられている。マイクロフォン22は、携帯電話機10を電話として使用するために縦開き状態とした際にユーザの音声を集音するためのものである。
【0024】
第2筐体30は、図3に示す閉じ状態において第1筐体21の操作面21aに対面する表示面30aにLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部11が設けられていると共に、表示面30aとは反対側の外面30bに副表示部35が設けられている。表示部11は、縦開き状態及び横開き状態においてゲーム又はデジタルTV放送の表示画面として使用される。
【0025】
第2筐体30は、表示面30aにおける長手方向に沿った一方の端部に、縦開き状態において電話として使用する際に、ユーザの耳に当接させることにより送信された音声等を発する発音部33が設けられていると共に、図1に示すように長手方向に沿った連結部40側の他方の端部に窪み32及びアンテナ37がそれぞれ設けられている。なお、アンテナ37は、第2筐体30に内蔵されている。
【0026】
2.第1の実施形態における携帯電話機10の構成
図4は、第1の実施形態の携帯端末である携帯電話機10の内部構成を示すブロック図である。図4に示すように、携帯電話機10は、表示部11と、接触検出部12と、指本数判定部13と、記憶部14と、階層情報収集部15と、階層選択部16と、コマンド判定部17と、制御部18とを備える。
【0027】
表示部11は、携帯電話機10のLCD等のディスプレイで構成され、接触検出部12により検出されたユーザの入力操作に応じて、コマンド判定部17により判定された命令であるコマンドに対する制御部18の実行結果である情報又はデータを表示する。
【0028】
接触検出部12は、表示部11の上に配置されるタッチパネル等のハードウェアで構成され、前述した表示部11に対するユーザの入力操作を検出する。このユーザの入力操作には、ユーザの指が表示部11に対して1回接触した行為、ユーザの指が表示部11の上を接触している状態で所定方向に移動(以下、「ドラッグ」と記載する場合もある)した行為等が含まれる。
【0029】
接触検出部12は、当該検出されたユーザの入力操作に応じて、ユーザの指が表示部11を接触した位置の座標の情報(以下、「接触操作情報」という)、及び、ユーザの指が表示部11の上を接触している状態で所定方向にドラッグした前後の位置の座標若しくは当該ドラッグの方向及びドラッグ距離等の情報(以下、「ドラッグ操作情報」という)を検出する。接触検出部12は、ユーザの入力操作に応じて検出された接触操作情報を指本数判定部13及び記憶部14にそれぞれ出力する。また、接触検出部12は、ユーザの入力操作に応じて検出されたドラッグ操作情報を記憶部14及びコマンド判定部17にそれぞれ出力する。
【0030】
指本数判定部13は、携帯電話機10に内蔵されるCPU、DSP、ROM、RAM等で構成され、接触検出部12により出力された接触操作情報を取得する。指本数判定部13は、当該取得された接触操作情報に基づいて、表示部11の上に接触されたユーザの指の本数(以下、「指本数」という)を判定する。この指本数を判定する方法は種々の方法が知られており、例えば、指本数判定部13は、タッチパネルである接触検出部12の各々の頂点とユーザの指の接触位置との間に流れる電流の合計値に基づいて表示部11の上に接触したユーザの指本数を判定することができる。指本数判定部13は、当該判定されたユーザの指本数に関する情報を記憶部14及び階層選択部16にそれぞれ出力する。また、指本数判定部13は、当該ユーザの指本数を判定することができなかった場合、当該ユーザの指本数を判定することができなかった旨の情報を階層選択部16に出力する。
【0031】
記憶部14は、携帯電話機10に内蔵されるROM、RAM、ハードディスク、又はフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成され、指本数判定部13、階層情報収集部15、階層選択部16、コマンド判定部17、及び制御部18の動作が予め規定されたプログラムをそれぞれ記憶している。また、記憶部14は、接触検出部12、指本数判定部13、階層情報収集部15、階層選択部16、コマンド判定部17及び制御部18の動作における各々のワークメモリとしても動作する。更に、記憶部14には、図6において後述する操作項目階層情報K、及び図7において後述する仮設定階層情報Mがそれぞれ記憶されている。
【0032】
なお、指本数判定部13、階層情報収集部15、階層選択部16、コマンド判定部17、及び制御部18は、ハードウェア又はソフトウェアで構成することが可能である。特に、これらの各部がソフトウェアにより構成される際には、当該指本数判定部13、階層情報収集部15、階層選択部16、コマンド判定部17、及び制御部18の動作が予め規定されたプログラムが携帯電話機10に内蔵されているCPUより読み込まれ、指本数判定部13、階層情報収集部15、階層選択部16、コマンド判定部17、及び制御部18がそれぞれ動作可能となる。また、記憶部14には、現在、ユーザが携帯電話機10を操作している操作項目の識別番号である操作項目IDと当該操作項目IDが属する階層を示す階層IDとが関連付けされて一時的に記憶されていることが好ましい。
【0033】
階層情報収集部15は、携帯電話機10に内蔵されるアンテナ37、チューナ、CPU、DSP、ROM、RAM等で構成され、外部から送信されている地上デジタル放送波又はBS(Broadcasting Satellite)デジタル放送波(以下、単に「デジタル放送波」という)を受信する。階層情報収集部15は、当該受信されたデジタル放送波のうちから特定周波数の信号を抽出し、当該抽出された信号を復調してトランスポートストリームを形成する。
【0034】
また、階層情報収集部15は、当該形成されたトランスポートストリームからPSI/SI(Program Specific Information/Service Information)を抽出する。このPSI/SIには、図5において後述するように、携帯電話機10において視聴可能なデジタル放送波に関するサービス名、放送局名、番組名、及び音声サービス名の各種情報等が含まれている。階層情報収集部15は、当該抽出されたPSI/SIに基づいて後述する操作項目階層情報Kを生成し、当該生成された操作項目階層情報Kを記憶部14に記憶する。更に、階層情報収集部15は、当該抽出されたPSI/SIに基づいて操作項目階層情報Kを生成した旨の情報を階層選択部16に出力する。また、階層情報収集部15は、操作項目階層情報K自身を階層選択部16に出力しても良い。
【0035】
階層選択部16は、指本数判定部13により判定されたユーザの指本数に関する情報又は当該ユーザの指本数を判定することができなかった旨の情報を取得する。階層選択部16は、階層情報収集部15により出力された操作項目階層情報Kを生成した旨の情報に基づいて、記憶部14に記憶された操作項目階層情報Kの内容を参照して取得する。又は、階層選択部16は、階層情報収集部15により出力された操作項目階層情報Kを直接的に取得する。階層選択部16は、記憶部14の参照又は階層情報収集部15の出力により取得された操作項目階層情報Kのうち、指本数判定部13により判定された指本数と一致する階層を、接触検出部12により検出されたユーザの入力操作に対応する操作項目が属する階層として仮設定する。また、ユーザの指本数を判定することができなかった旨の情報が指本数判定部13により出力された場合、階層選択部16は、当該階層選択部16の動作において予め規定された所定の階層を、接触検出部12により検出されたユーザの入力操作に対応する操作項目が属する階層として仮設定する。
【0036】
階層選択部16は、記憶部14の参照又は階層情報収集部15の出力により取得された操作項目階層情報Kの中に、当該仮設定された操作項目の階層が存在するか否かを判定する。当該仮設定された操作項目の階層が操作項目階層情報Kの中に存在すると判定された場合、階層選択部16は、当該仮設定された操作項目が属する階層を、接触検出部12により検出されたユーザの入力操作に対応する操作項目が属する階層として確定する。また、当該仮設定された操作項目が属する階層が操作項目階層情報Kの中に存在しないと判定された場合、階層選択部16は、当該仮設定された操作項目が属する階層の1つ上の上位階層を、接触検出部12により検出されたユーザの入力操作に対応する操作項目が属する階層として確定する。階層選択部16は、当該確定された階層に関する階層情報である階層IDをコマンド判定部17に出力する。
【0037】
コマンド判定部17は、接触検出部12により検出されたユーザの入力操作に関するドラッグ操作情報、及び階層選択部16により確定された階層に関する階層情報である階層IDを取得する。コマンド判定部17は、当該取得されたユーザの入力操作に関するドラッグ操作情報及び階層選択部16により確定された階層に関する階層情報である階層IDに基づいて、当該確定された階層における操作項目に対するコマンドを判定する。コマンド判定部17は、当該判定されたコマンドに関する情報を制御部18に出力する。
【0038】
コマンドの判定についてより具体的に説明する。コマンド判定部17によるコマンドの判定方法は、ユーザが現在携帯電話機10を操作している操作項目の操作項目IDが属する階層の階層IDと、階層選択部16により確定された階層の階層IDとが一致する場合と一致しない場合とに応じて異なる。コマンド判定部17は、ユーザが現在携帯電話機10を操作している操作項目の操作項目IDを記憶部14の参照により取得し、当該操作項目IDが属する階層の階層IDと、階層選択部16により確定された階層の階層IDとが一致するか否かを判定する。先ず、ユーザが現在携帯電話機10を操作している操作項目の操作項目IDが属する階層の階層IDと、階層選択部16により確定された階層の階層IDとが一致する場合について説明する。
【0039】
現在操作中の操作項目の操作項目IDが属する階層の階層IDと、階層選択部16により確定された階層の階層IDとが一致すると判定された場合、コマンド判定部17は、ドラッグ方向が水平左方向又は鉛直下方向である場合に当該現在操作中の操作項目の操作項目IDを、1つ減少した又は当該操作項目IDが属する階層内における最大の操作項目IDを有する操作項目に対してコマンドを実行すると判定する。特に、現在操作中の操作項目の操作項目IDが同操作項目が属する階層の最小の操作項目IDである場合には、コマンド判定部17は、当該操作項目IDが属する階層内における最大の操作項目IDを有する操作項目に対してコマンドを実行すると判定する。また、現在操作中の操作項目の操作項目IDが属する階層の階層IDと、階層選択部16により確定された階層の階層IDとが一致すると判定された場合、コマンド判定部17は、ドラッグ方向が水平右方向又は鉛直上方向である場合に当該現在操作中の操作項目の操作項目IDを、1つ増加した又は当該操作項目IDが属する階層内における最小の操作項目IDを有する操作項目に対してコマンドを実行する。特に、現在操作中の操作項目の操作項目IDが同操作項目が属する階層の最大の操作項目IDである場合には、コマンド判定部17は、当該操作項目IDが属する階層内における最小の操作項目IDを有する操作項目に対してコマンドを実行すると判定する。
【0040】
次に、ユーザが現在携帯電話機10を操作している操作項目が属する階層の階層IDと、階層選択部16により確定された階層の階層IDとが一致しない場合について説明する。
【0041】
現在操作中の操作項目の操作項目IDが属する階層の階層IDと、階層選択部16により確定された階層の階層IDとが一致しないと判定された場合、コマンド判定部17は、接触検出部12により出力されたドラッグ操作情報のドラッグ方向に基づいて当該ドラッグ方向が水平左方向又は鉛直下方向である場合には、階層選択部16により確定された階層において操作項目IDが最大の操作項目に対するコマンドを実行すると判定する。また、コマンド判定部17は、ドラッグ操作情報のドラッグ方向及びドラッグ距離に基づいて当該ドラッグ方向が水平左方向又は鉛直下方向であって且つドラッグ距離βが所定距離αとの間でα<β<2αを満たす場合には、階層選択部16により確定された階層において操作項目IDが最大のものから1つ減少した操作項目に対するコマンドを実行すると判定しても良い。
【0042】
所定距離αは、階層選択部16により確定された階層において操作項目IDを1つ増加又は減少するために必要なドラッグ距離である。例えば、ドラッグ方向が水平左方向である場合にドラッグ距離βが2α<β<3αの関係を満たす場合には、コマンド判定部17は、階層選択部16により確定された階層において操作項目IDが最大のものから2つ減少した操作項目IDを有する操作項目に対してコマンドを実行すると判定する。従って、ドラッグ距離βが所定距離αより小さい場合には、コマンド判定部17は、階層選択部16により確定された階層において操作項目IDが最大の操作項目に対するコマンドを実行すると判定する。
【0043】
また、現在操作中の操作項目の操作項目IDが属する階層の階層IDと、階層選択部16により確定された階層の階層IDとが一致しないと判定された場合、コマンド判定部17は、接触検出部12により出力されたドラッグ操作情報のドラッグ方向に基づいて当該ドラッグ方向が水平右方向又は鉛直上方向である場合には、階層選択部16により確定された階層において操作項目IDが最小の操作項目に対するコマンドを実行すると判定する。また、コマンド判定部17は、ドラッグ操作情報のドラッグ方向及びドラッグ距離に基づいて当該ドラッグ方向が水平右方向又は鉛直上方向であって且つドラッグ距離βが所定距離αとの間でα<β<2αを満たす場合には、階層選択部16により確定された階層において操作項目IDが最小のものから1つ増加した操作項目に対するコマンドを実行すると判定しても良い。
【0044】
例えば、ドラッグ方向が水平右方向である場合にドラッグ距離βが2α<β<3αの関係を満たす場合には、コマンド判定部17は、階層選択部16により確定された階層において操作項目IDが最小のものから2つ増加した操作項目に対してコマンドを実行すると判定する。従って、ドラッグ距離βが所定距離αより小さい場合には、コマンド判定部17は、階層選択部16により確定された階層において操作項目IDが最小の操作項目に対するコマンドを実行すると判定する。
【0045】
制御部18は、コマンド判定部17により判定されたコマンドを取得し、当該取得されたコマンドに応じた内容を実行する。また、制御部18は、当該コマンドの内容が実行された結果である情報又はデータを表示部11に表示するように制御する。また、各操作項目に対するコマンドの内容は、コマンド判定部17又は制御部18の動作において予め規定されていることが好ましい。
【0046】
3.操作項目階層情報Kの内容
図5は、階層情報収集部15により生成された操作項目階層情報Kの階層構造を模式的に示した模式図である。図6は、階層情報収集部15により生成された操作項目階層情報Kを表形式で示した説明図である。以下、操作項目階層情報Kを分かりやすく説明するため、携帯電話機10でデジタルTVを視聴する場合における操作項目階層情報Kを説明する。但し、操作項目階層情報Kの内容は、携帯電話機10でデジタル放送を視聴する場合の内容に限定されない。
【0047】
操作項目階層情報Kは、或る操作項目を示す操作項目IDに対して、当該操作項目が属する階層を示す階層IDと、当該操作項目が利用可能なサービスを示すサービスIDと、当該サービスとして番組視聴等を提供する放送局を示す放送局IDと、当該放送局により視聴可能な番組を示す番組IDと、当該番組の中で利用可能な音声種別を示す音声IDとが関連付けされた情報である。
【0048】
例えば、図5及び図6に示すように、階層ID1の操作項目には、操作項目ID1のデジタルTVだけが定められている。また、階層ID1の操作項目であるデジタルTVに対する1つ下の下位階層の階層ID2の操作項目には、操作項目ID2の放送局A及び操作項目ID3の放送局Bがそれぞれ定められている。
【0049】
階層ID2の操作項目である放送局Aに対する1つ上の上位階層の階層ID1の操作項目には、デジタルTVが定められ、当該放送局Aに対する1つ下の下位階層の階層ID3の操作項目には、操作項目ID4の番組Pが定められている。
【0050】
階層ID3の操作項目である番組Pに対する1つ上の上位階層の階層ID2の操作項目には、放送局Aが定められ、当該番組Pに対する1つ下の下位階層の階層ID4の操作項目には、操作項目ID7の主音声MPが定められている。
【0051】
階層ID4の操作項目である主音声MPに対する1つ上の上位階層の階層ID3の操作項目には、番組Pが定められ、当該主音声MPに対する1つ下の下位階層には何も定められていない。
【0052】
階層ID2の操作項目である放送局Bに対する1つ上の上位階層の階層ID1の操作項目には、デジタルTVが定められ、当該放送局Bに対する1つ下の下位階層の階層ID3の操作項目には、操作項目ID5の番組Q及び操作項目ID6の番組Rがそれぞれ定められている。
【0053】
階層ID3の操作項目である番組Qに対する1つ上の上位階層の階層ID2の操作項目には、放送局Bが定められ、当該番組Qに対する1つ下の下位階層の階層ID4の操作項目には、操作項目ID8の主音声MQが定められている。
【0054】
階層ID4の操作項目である主音声MQに対する1つ上の上位階層の階層ID3の操作項目には、番組Qが定められ、当該主音声MQに対する1つ下の下位階層には何も定められていない。
【0055】
階層ID3の操作項目である番組Rに対する1つ上の上位階層の階層ID2の操作項目には、放送局Bが定められ、当該番組Rに対する1つ下の下位階層の階層ID4の操作項目には、操作項目9の主音声MR及び操作項目ID10の副音声SRがそれぞれ定められている。
【0056】
階層ID4の操作項目である主音声MRに対する1つ上の上位階層の階層ID3の操作項目には、番組Rが定められ、当該主音声MRに対する1つ下の下位階層には何も定められていない。
【0057】
階層ID4の操作項目である副音声SRに対する1つ上の上位階層の階層ID3の操作項目には、番組Rが定められ、当該副音声SRに対する1つ下の下位階層には何も定められていない。
【0058】
4.仮設定階層情報Mの内容
図7は、記憶部14に記憶されている仮設定階層情報Mを表形式で示した説明図である。仮設定階層情報Mは、ユーザの指が表示部11を接触したときの指本数と、当該指本数に応じて階層選択部16により仮設定される階層との関係を示す情報である。
【0059】
例えば、図7に示すように、ユーザの指が表示部11を接触したときの指本数が1である場合には、階層選択部16は、仮設定階層情報Mに従って操作項目階層情報Kの階層ID1である1階層目を、ユーザの入力操作に対する操作項目が属する階層として仮設定する。
【0060】
ユーザの指が表示部11を接触したときの指本数が2である場合には、階層選択部16は、仮設定階層情報Mに従って操作項目階層情報Kの階層ID2である2階層目を、ユーザの入力操作に対する操作項目が属する階層として仮設定する。
【0061】
ユーザの指が表示部11を接触したときの指本数が3である場合には、階層選択部16は、仮設定階層情報Mに従って操作項目階層情報Kの階層ID3である3階層目を、ユーザの入力操作に対する操作項目が属する階層として仮設定する。
【0062】
ユーザの指が表示部11を接触したときの指本数が4である場合には、階層選択部16は、仮設定階層情報Mに従って操作項目階層情報Kの階層ID4である4階層目を、ユーザの入力操作に対する操作項目が属する階層として仮設定する。
【0063】
ユーザの指が表示部11を接触したときの指本数が5である場合には、階層選択部16は、仮設定階層情報Mに従って操作項目階層情報Kの階層ID5である5階層目を、ユーザの入力操作に対する操作項目が属する階層として仮設定する。
【0064】
5.第1の実施形態の携帯電話機10の動作
次に、図8及び図9を用いて、ユーザの入力操作に応じて実行される第1の実施形態における携帯電話機10の動作を説明する。図8は、携帯電話機10の動作概要を示す説明図であり、例えば、ユーザが携帯電話機10の表示部11においてデジタルTVの番組Pを視聴している様子を示している。図9は、携帯電話機10の動作を説明するフローチャートである。
【0065】
図8において、階層表示範囲HRは、図5又は図6に示した操作項目階層情報Kの全体若しくは一部が表示部11に表示される範囲である。なお、階層表示範囲HRは、座標(x1、y0)と、座標(x2、y0)と、座標(x1、y1)と、座標(x2、y1)とをそれぞれ頂点とする矩形で囲まれた範囲である。階層表示範囲HRの範囲を示す座標情報は、制御部18の動作において予め規定され又は記憶部14に予め記憶されている。特に、階層表示範囲HRの範囲を示す座標情報が記憶部14に記憶されている場合には、制御部18は当該座標情報を記憶部14から取得することにより、階層表示範囲HRを表示部11に表示する。但し、第1の実施形態では、操作項目階層情報Kの全体若しくは一部は、制御部18により表示部11には表示されないものとする。
【0066】
図8において、DTV(Digital Television)表示範囲TRは、階層情報収集部15が受信したデジタル放送波に応じて携帯電話機10により視聴可能なデジタルTVの内容が表示される範囲である。なお、デジタルTVの内容は、制御部18の制御により表示部11に表示される。なお、DTV表示範囲TRは、座標(x0、y0)と、座標(x1、y0)と、座標(x0、y1)と、座標(x1、y1)とをそれぞれ頂点とする矩形で囲まれた範囲である。DTV表示範囲TRの範囲に関する座標情報は、制御部18の動作において予め規定され又は記憶部14に予め記憶されている。特に、DTV表示範囲TRの範囲を示す座標情報が記憶部14に記憶されている場合には、制御部18は当該座標情報を記憶部14から取得することにより、DTV表示範囲TRを表示部11に表示する。
【0067】
図9に示すフローチャートの前提として、階層情報収集部15は、当該階層情報収集部15により受信されたデジタル放送波のうちから特定周波数の信号を抽出し、当該抽出された信号を復調してトランスポートストリームを形成する。階層情報収集部15は、当該形成されたトランスポートストリームからPSI/SIを抽出する。階層情報収集部15は、当該抽出されたPSI/SIに基づいて操作項目階層情報Kを生成し、当該生成された操作項目階層情報Kを記憶部14及び階層選択部16にそれぞれ出力している。
【0068】
図9に示すフローチャートを説明する。図9において、接触検出部12は、図8に示すようにユーザの3本の指RFが表示部11の階層表示範囲HRに相当する範囲の任意の位置を接触したというユーザの入力操作を検出した場合、当該ユーザの3本の指RFがそれぞれ表示部11を接触した位置の座標等を含む接触操作情報を検出する(S11)。接触検出部12は、当該検出された接触操作情報を指本数判定部13及び記憶部14にそれぞれ出力する。
【0069】
指本数判定部13は、接触検出部12により出力された接触操作情報を取得すると共に、当該取得された接触操作情報に応じて、階層表示範囲HRの或る位置を接触したユーザの指RFの指本数を判定する(S12)。図8に示すように、指本数判定部13が当該ユーザの指RFの指本数を3本であると判定することができた場合(S12、YES)、指本数判定部13は、当該判定されたユーザの指本数に関する情報を記憶部14及び階層選択部16にそれぞれ出力する。
【0070】
階層選択部16は、指本数判定部13により出力されたユーザの指本数に関する情報、及び記憶部14の参照若しくは階層情報収集部15の出力により操作項目階層情報Kを取得する。階層選択部16は、当該取得された操作項目階層情報Kのうち、指本数判定部13により判定された指本数と一致する階層を、接触検出部12により検出されたユーザの入力操作に対応する操作項目が属する階層として仮設定する(S13)。
【0071】
一方、指本数判定部13が当該ユーザの指RFの指本数を判定することができなかった場合(S12、NO)、指本数判定部13は、当該指本数を判定することができなかった旨の情報を階層選択部16に出力する。この場合、階層選択部16は、当該階層選択部16の動作において予め規定された所定の階層を、接触検出部12により検出されたユーザの入力操作に対応する操作項目が属する階層として仮設定する(S14)。
【0072】
階層選択部16は、ステップS13又はステップS14において仮設定された階層が操作項目階層情報Kに存在するか否かを判定する(S15)。当該仮設定された階層が操作項目階層情報Kに存在すると判定された場合(S15、YES)、階層選択部16は、ステップS13又はステップS14において仮設定された階層を、接触検出部12により検出されたユーザの入力操作に対応する操作項目が属する階層として確定する(S16)。
【0073】
また、ステップS13又はステップS14において仮設定された階層が操作項目階層情報Kに存在しないと判定された場合(S15、NO)、階層選択部16は、ステップS13又はステップS14において仮設定された操作項目が属する階層の1つ上の上位階層を、接触検出部12により検出されたユーザの入力操作に対応する操作項目が属する階層として確定する(S17)。なお、1つ上の上位階層と例示したが、1つ上の上位階層の階層情報が存在しない場合、繰り上げて更に1つ上の上位階層の階層情報、もしくは、最上位の階層の階層情報を、接触検出部12により検出されたユーザの入力操作に対応する操作項目が属する階層として確定しても良い。更に、1つ上の上位階層の階層情報が存在しない場合、繰り上げて更に1つ上の上位階層の階層情報、もしくは、最上位の階層の階層情報を、接触検出部12により検出されたユーザの入力操作に対応する操作項目が属する階層として確定しても良いのは、以下の実施形態においても同様である。
【0074】
ステップS16又はステップS17により操作項目が属する階層が確定された後、接触検出部12は、ユーザの3本の指RFが表示部11の階層表示範囲HR内の接触位置から水平左方向にドラッグしたというユーザの入力操作を検出した場合(S18、YES)、当該ドラッグ操作情報を記憶部14及びコマンド判定部17にそれぞれ出力する。
【0075】
コマンド判定部17は、接触検出部12により出力されたドラッグ操作情報、及び階層選択部16により確定された操作項目が属する階層に基づいて、実行するべき命令であるコマンドを判定する(S19)。例えば、指本数3で水平左方向へドラッグしたというユーザの入力操作が検出された場合、コマンド判定部17は、現在操作中の操作項目である番組Pの操作項目IDを参照し、階層選択部16により確定された操作項目階層情報Kの3階層目において最大の操作項目IDを有する操作項目の番組Rに対するコマンドを実行すると判定する。番組Rに対するコマンドとして、例えば、当該番組Rを視聴可能に表示制御するというコマンドが予めコマンド判定部17又は制御部18において規定されているものとする。
【0076】
コマンド判定部17は、当該判定されたコマンドを実行するように制御部18に指示する。前述の例では、コマンド判定部17は、指本数3で水平左方向へドラッグしたというユーザの入力操作に応じて、番組Pを視聴している現在の状態において「番組Rを視聴可能に表示制御する」というコマンドを制御部18に出力する。
【0077】
制御部18は、ステップS19により指示されたコマンドの内容を実行する(S20)。前述の例では、制御部18は、コマンド判定部17により判定されたコマンドの内容である番組Rの視聴を実行するために、DTV表示範囲TRに当該番組Rの内容を視聴可能に表示する。
【0078】
従って、第1の実施形態の携帯端末である携帯電話機10によれば、非常に直感的で簡易で連続的な操作によって、階層構造を有する操作項目に対する操作を素早く実行することができる。即ち、携帯電話機10によれば、表示部11を接触操作したときの指本数でユーザの操作希望する操作項目が属する階層を簡易に確定することができ、当該接触後に連続して行われたドラッグ操作の方向に応じて当該確定された階層の中から操作希望する操作項目に対するコマンドを簡易に確定することができる。このため、携帯電話機10は、表示部11に対して接触して所定方向にドラッグするという非常に簡易かつユーザに対して直感的な操作によって、ユーザの操作希望する操作項目に対するコマンドの実行を素早く実現することができる。
【0079】
[第2の実施形態]
6.第2の実施形態における携帯電話機10aの構成
図10は、第2の実施形態の携帯端末である携帯電話機10aの内部構成を示すブロック図である。図10に示すように、携帯電話機10aは、表示部11と、接触検出部12aと、指本数判定部13aと、記憶部14aと、階層情報収集部15と、階層選択部16aと、コマンド判定部17と、制御部18と、テンキー入力情報判定部19とを備える。
【0080】
携帯電話機10aは、第1の実施形態の携帯電話機10に比べて、テンキー入力情報判定部19を更に備える。携帯電話機10aがテンキー入力情報判定部19を備えることにより、第2の実施形態の携帯電話機10aの接触検出部12a、指本数判定部13a、記憶部14a及び階層選択部16aは、それぞれ第1の実施形態の携帯電話機10の接触検出部12、指本数判定部13、記憶部14及び階層選択部16の動作と異なる。以下、接触検出部12a、指本数判定部13a、テンキー入力情報判定部19、記憶部14a、及び階層選択部16aの動作について説明し、他の各部の構成は第1の実施形態の携帯電話機10と同一であるため、当該同一内容に関する説明は省略する。なお、第2の実施形態の携帯端末である携帯電話機10aの表示部11には、ソフトウェアテンキーSwTkが表示されている。ここで、ソフトウェアテンキーSwTkとは、制御部18により表示部11の所定領域に表示されたテンキーである。後述するように、例えば図12においては、ソフトウェアテンキーSwTkとして、数値1、数値2、数値3、数値4及び数値5の5つの数値表示領域からなるソフトウェアテンキーSwTkが表示部11に表示されている。また、ソフトウェアテンキーSwTkのいずれかの数値表示領域がユーザの指により接触された場合には、ハードウェアテンキーHwTkの対応するテンキーが押下されたとみなされる。ソフトウェアテンキーSwTkに関する説明は以下同様である。
【0081】
接触検出部12aは、表示部11の上に配置されるタッチパネル、及びハードウェアテンキーHwTkの押下を検知可能な専用の電子回路等のハードウェアで構成される。接触検出部12aは、第1の実施形態の接触検出部12の動作に加え、ハードウェアテンキーHwTk又はソフトウェアテンキーSwTkが押下又は接触されたというユーザの入力操作がなされた際に、当該入力操作に応じた接触操作情報を指本数判定部13a及びテンキー入力情報判定部19にそれぞれ出力する。
【0082】
指本数判定部13aは、携帯電話機10に内蔵されるCPU、DSP、ROM、RAM等で構成され、第1の実施形態の指本数判定部13の動作に加え、接触検出部12aにより出力された接触操作情報を取得する。指本数判定部13aは、当該取得された接触操作情報に基づいて、ソフトウェアテンキーSwTkの或る位置を接触したユーザの指の指本数を判定する。指本数判定部13aは、当該判定されたユーザの指本数に関する情報を記憶部14a及びテンキー入力情報判定部19にそれぞれ出力する。また、指本数判定部13は、当該ユーザの指本数を判定することができなかった場合、当該ユーザの指本数を判定することができなかった旨の情報を階層選択部16に出力する。
【0083】
テンキー入力情報判定部19は、携帯電話機10aに内蔵されるCPU、DSP、ROM、RAM等で構成され、接触検出部12aにより出力された接触操作情報を取得する。テンキー入力情報判定部19は、当該取得された接触操作情報及び後述する加算数値条件情報Nに基づいて、ハードウェアテンキーHwTk又はソフトウェアテンキーSwTkのいずれが押下又は接触されたかを判定する。テンキー入力情報判定部19は、当該いずれかのテンキーが押下又は接触されたと判定した場合には、当該押下又は接触されたテンキーの数値情報を記憶部14a及び階層選択部16aにそれぞれ出力する。特に、テンキー入力情報判定部19は、当該押下又は接触されたテンキーがソフトウェアテンキーSwTkであると判定した場合には、ソフトウェアテンキーSwTkを接触したユーザの指本数に対応する数値を、表示部11のソフトウェアテンキーSwTkを除く表示領域を接触したユーザの指本数に対応する数値から減算する必要がある旨の情報を記憶部14a及び階層選択部16aにそれぞれ出力する。
【0084】
記憶部14aは、携帯電話機10aに内蔵されるROM、RAM、ハードディスク、又はフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成され、指本数判定部13a、階層選択部16a及びテンキー入力情報判定部19の動作が予め規定されたプログラムがそれぞれ記憶されている。また、記憶部14aは、指本数判定部13a、階層選択部16a及びテンキー入力情報判定部19の動作における各々のワークメモリとしても動作する。更に、記憶部14aは、第1の実施形態の記憶部14が記憶する情報若しくはデータ等に加え、テンキー入力情報判定部19により出力された数値情報を記憶する。また、記憶部14aには、後述する加算階層数条件情報Nが記憶されても良い。
【0085】
階層選択部16aは、第1の実施形態の階層選択部16の動作に加え、押下又は接触されたいずれかのテンキーの数値情報がテンキー入力情報判定部19から出力された場合に当該数値情報を取得する。階層選択部16aは、当該数値情報を取得した場合、記憶部14aの参照又は階層情報収集部15の出力により取得された操作項目階層情報Kのうち、指本数判定部13aにより判定された指本数と押下又は接触されたいずれかのテンキーの数値情報とを加算した数値に一致する階層を、接触検出部12aにより検出されたユーザの入力操作に対応する操作項目が属する階層として仮設定する。以下、階層選択部16aにおける階層が仮設定される動作において、テンキー入力情報判定部19により出力されたテンキーの数値情報を「加算数値情報」という。また、ユーザの指本数を判定することができなかった旨の情報が指本数判定部13aにより出力された場合、階層選択部16aは、当該階層選択部16aの動作において予め規定された所定の階層を、接触検出部12aにより検出されたユーザの入力操作に対応する操作項目が属する階層として仮設定する。
【0086】
7.加算数値条件情報Nの内容
図11は、加算数値条件情報Nを表形式で示した説明図である。この加算数値条件情報Nは、ハードウェアテンキーHwTk又はソフトウェアテンキーSwTkの押下又は接触に対する所定条件と、当該所定条件が満たされた場合の加算数値情報との関係を規定し、テンキー入力情報判定部19の動作に予め規定され又は記憶部14aに記憶されている。
【0087】
図11において、ハードウェアテンキーHwTkの数字n〜数字mのテンキーが押下された場合には、当該押下されたハードウェアテンキーHwTkの数値が加算数値情報とされる。また、図11において、表示部11に表示されているソフトウェアテンキーSwTkの座標(x3、y3)と、座標(x3、y4)と、座標(x4、y3)と、座標(x4、y4)とをそれぞれ頂点とする矩形で囲まれた範囲の数値表示領域が接触された場合には、当該接触された数値表示領域に対応する数字として例えば数字1が加算数値情報とされる。また、図11において、表示部11に表示されているソフトウェアテンキーSwTkの座標(x3、y4)と、座標(x3、y5)と、座標(x4、y5)と、座標(x4、y4)とをそれぞれ頂点とする矩形で囲まれた範囲の数値表示領域が押下された場合には、当該押下された数値表示領域に対応する数字として例えば数字2が加算数値情報とされる。
【0088】
8.第2の実施形態の携帯電話機10aの動作
次に、図12及び図13を用いて、ユーザの入力操作に応じて実行される第2の実施形態における携帯電話機10aの動作を説明する。図12は、携帯電話機10aの動作概要を示す説明図であり、例えば、ユーザが携帯電話機10aの表示部11においてデジタルTVの番組Pを視聴している様子を示している。図13は、携帯電話機10aの動作を説明するフローチャートである。
【0089】
図12において、階層表示範囲HR及びDTV表示範囲TRについては第1の実施形態と同様のため、当該階層表示範囲HR及びDTV表示範囲TRの説明は省略する。また、第2の実施形態では、操作項目階層情報Kの全体若しくは一部は、制御部18により表示部11には表示されないものとする。また、図12において、階層表示範囲HR及びDTV表示範囲TRを除く表示部11の左端には、ソフトウェアテンキーSwTkが制御部18により表示されている。
【0090】
図13に示すフローチャートの前提として、階層情報収集部15は、当該階層情報収集部15により受信されたデジタル放送波のうちから特定周波数の信号を抽出し、当該抽出された信号を復調してトランスポートストリームを形成する。階層情報収集部15は、当該形成されたトランスポートストリームからPSI/SIを抽出する。階層情報収集部15は、当該抽出されたPSI/SIに基づいて操作項目階層情報Kを生成し、当該生成された操作項目階層情報Kを記憶部14a及び階層選択部16aにそれぞれ出力している。
【0091】
図13に示すフローチャートを説明する。図13において、接触検出部12aは、図12に示すようにユーザの3本の指RFが表示部11の階層表示範囲HRに相当する範囲の任意の位置、及び、ユーザの指LFが表示部11のソフトウェアテンキーSwTkの数値2の数値表示領域を接触したというユーザの入力操作を検出した場合、当該指RF及び指LFがそれぞれ表示部11を接触した位置の座標等の接触操作情報をそれぞれ検出する(S31)。接触検出部12aは、当該検出された各々の接触操作情報を指本数判定部13a、記憶部14a及びテンキー入力情報判定部19にそれぞれ出力する。
【0092】
指本数判定部13aは、接触検出部12aにより出力された接触操作情報を取得すると共に、当該取得された接触操作情報に応じて、階層表示範囲HRの或る位置を接触したユーザの指RFの指本数、及び、ソフトウェアテンキーSwTkの数値2の数値表示領域を接触したユーザの指LFの指本数をそれぞれ判定する(S32)。図12に示すように、指本数判定部13aが当該ユーザの指RFの指本数を3本であって当該ユーザの指LFの指本数が1本であるとそれぞれ判定することができた場合(S32、YES)、指本数判定部13aは、当該判定されたユーザの各々の指本数に関する情報を記憶部14a及び階層選択部16aにそれぞれ出力する。このとき、テンキー入力情報判定部19は、接触検出部12aにより出力された接触操作情報及び前述した加算数値条件情報Nに基づいて、当該接触操作情報にハードウェアテンキーHwTkの押下された数値情報が含まれているか否かを判定する(S33)。
【0093】
当該接触操作情報にハードウェアテンキーHwTkの押下された数値情報が含まれていると判定された場合には(S33、YES)、テンキー入力情報判定部19は、当該数値情報を前述した加算数値情報として加算する必要がある旨の情報を階層選択部16aに出力する(S34)。ステップS34の後、又は、当該接触操作情報にハードウェアテンキーHwTkの押下された数値情報が含まれていないと判定された場合には(S33、NO)、テンキー入力情報判定部19は、接触検出部12aにより出力された接触操作情報及び前述した加算数値条件情報Nに基づいて、当該接触操作情報にソフトウェアテンキーSwTkの接触された数値情報が含まれているか否かを判定する(S35)。
【0094】
図7に示す加算数値条件情報Nの条件aに対応する数値情報がステップS31の際に出力された接触操作情報に含まれていると判定された場合には(S35、条件a)、テンキー入力情報判定部19は、当該ソフトウェアテンキーSwTkの接触された数値情報を前述した加算数値情報として加算する必要があると判定する(S36)。また、図7に示す加算数値条件情報Nの条件bに対応する数値情報がステップS31の際に出力された接触操作情報に含まれていると判定された場合には(S35、条件b)、テンキー入力情報判定部19は、当該ソフトウェアテンキーSwTkの接触された数値情報を前述した加算数値情報として加算する必要があると判定する(S37)。また、ソフトウェアテンキーSwTkの接触が無い場合、又は、図7に示す加算数値条件情報Nの条件a及び条件bを除く場合に対応するソフトウェアテンキーSwTkの接触された数値情報がステップS31の際に出力された接触操作情報に含まれていると判定された場合には(S35、条件a,b以外(入力なし含む))、ステップS39に進む。
【0095】
ステップS36又はステップS37の後、テンキー入力情報判定部19は、指本数判定部13aにより判定されたソフトウェアテンキーSwTkを接触したユーザの指本数に対応する数値を、表示部11のソフトウェアテンキーSwTkを除く表示領域を接触したユーザの指本数に対応する数値から減算する必要がある旨の情報を記憶部14a及び階層選択部16aにそれぞれ出力する(S38)。その後、ステップS39に進む。ここで、表示部11のソフトウェアテンキーSwTkを除く表示領域は、例えば、図12に示す階層表示範囲HR又はDTV表示領域TRが該当する。
【0096】
ステップS39において、階層選択部16aは、記憶部14aの参照又は階層情報収集部15の出力により取得された操作項目階層情報Kのうち、指本数判定部13aにより判定された指本数と押下されたいずれかのテンキーの数値情報とを加算した数値に一致する階層を、接触検出部12aにより検出されたユーザの入力操作に対応する操作項目が属する階層として仮設定する(S39)。また、ステップS32において、指本数判定部13aが当該ユーザの指RFの指本数を3本であると判定することができなかった場合(S32、NO)、指本数判定部13aは、当該指本数を判定することができなかった旨の情報を階層選択部16aに出力する。この場合、階層選択部16aは、当該階層選択部16aの動作において予め規定された所定の階層を、接触検出部12aにより検出されたユーザの入力操作に対応する操作項目が属する階層として仮設定する(S40)。
【0097】
階層選択部16aは、ステップS39又はステップS40において仮設定された階層が操作項目階層情報Kに存在するか否かを判定する(S41)。当該仮設定された階層が操作項目階層情報Kに存在すると判定された場合(S41、YES)、階層選択部16aは、ステップS39又はステップS40において仮設定された階層を、接触検出部12aにより検出されたユーザの入力操作に対応する操作項目が属する階層として確定する(S42)。
【0098】
例えば、図12に示すように、ユーザの3本の指RFが表示部11の階層表示範囲HRに相当する範囲の任意の位置、及び、ユーザの指LFが表示部11のソフトウェアテンキーSwTkの数値2の数値表示領域を接触したというユーザの入力操作が検出された場合では、階層選択部16aは、当該入力操作に対応する操作項目が属する階層を4階層目と確定する。より具体的には、ソフトウェアテンキーSwTkを除く領域が接触されたユーザの指RFが3本と指本数判定部13aにより判定され、ソフトウェアテンキーSwTkが接触されたユーザの指LFが1本であって当該ソフトウェアテンキーSwTkの数値情報が2である場合、階層選択部16aは、「3+2−1」=4の演算を行うことにより、当該入力操作に対応する操作項目が属する階層を操作項目階層情報Kの4階層目として確定する。
【0099】
また、ステップS39又はステップS40において仮設定された階層が操作項目階層情報Kに存在しないと判定された場合(S41、NO)、階層選択部16aは、ステップS39又はステップS40において仮設定された操作項目の階層の1つ上の上位階層を、接触検出部12aにより検出されたユーザの入力操作に対応する操作項目が属する階層として確定する(S43)。
【0100】
ステップS42又はステップS43により操作項目が属する階層が確定された後、接触検出部12aは、ユーザの3本の指RFが表示部11の階層表示範囲HR内の接触位置から水平左方向にドラッグしたというユーザの入力操作を検出した場合(S44、YES)、当該ドラッグ操作情報を記憶部14a及びコマンド判定部17にそれぞれ出力する。
【0101】
コマンド判定部17は、接触検出部12aにより出力されたドラッグ操作情報、及び階層選択部16aにより確定された操作項目が属する階層に基づいて、実行するべき命令であるコマンドを判定する(S45)。例えば、ユーザの3本の指RFが表示部11の階層表示範囲HR内の接触位置から水平左方向にドラッグしたというユーザの入力操作が検出された場合、コマンド判定部17は、現在操作中の操作項目である番組Pの操作項目IDを参照し、階層選択部16aにより確定された操作項目階層情報Kの4階層目において最大の操作項目IDを有する操作項目の番組Rの副音声Rに対するコマンドを実行すると判定する。番組Rの副音声Rに対するコマンドとして、例えば、当該番組Rを副音声Rで視聴可能に表示制御するというコマンドが予めコマンド判定部17又は制御部18において規定されているものとする。
【0102】
コマンド判定部17は、当該判定されたコマンドを実行するように制御部18に指示する。前述の例では、コマンド判定部17は、ユーザの3本の指RFが表示部11の階層表示範囲HR内の接触位置から水平左方向にドラッグしたというユーザの入力操作に応じて、番組Pを視聴している現在の状態において「番組Rを副音声Rで視聴可能に表示制御する」というコマンドを制御部18に出力する。
【0103】
制御部18は、ステップS19により指示されたコマンドの内容を実行する(S46)。前述の例では、制御部18は、コマンド判定部17により判定されたコマンドの内容である番組Rを副音声Rで視聴を実行するために、DTV表示範囲TRに当該番組Rの内容を副音声Rで視聴可能に表示する。
【0104】
従って、第2の実施形態の携帯端末である携帯電話機10aによれば、第1の実施形態の携帯電話機10の効果に加え、操作項目階層情報Kのうちユーザの指本数を超過するような深い階層に対して操作したい場合でも、ハードウェアテンキーHwTk又はソフトウェアテンキーSwTkの押下という非常に直感的で簡易で連続的な操作を同時に行うことにより、当該深い階層に属する操作項目に対する操作を素早く実行することができる。
【0105】
[第3の実施形態]
9.第3の実施形態における携帯電話機10bの構成
図14は、第3の実施形態の携帯端末である携帯電話機10bの内部構成を示すブロック図である。図14に示すように、携帯電話機10bは、表示部11と、接触検出部12aと、指本数判定部13aと、記憶部14bと、階層情報収集部15と、階層選択部16aと、コマンド判定部17と、制御部18と、テンキー入力情報判定部19と、階層情報表示制御部20とを備える。
【0106】
携帯電話機10bは、第2の実施形態の携帯電話機10aに比べて、階層情報表示制御部20を更に備える。携帯電話機10bが階層情報表示制御部20を備えることにより、第3の実施形態の携帯電話機10bの記憶部14bは、第2の実施形態の携帯電話機10aの記憶部14aの動作と異なる。以下、階層情報表示制御部20及び記憶部14bの動作について説明し、他の各部の構成は第2の実施形態の携帯電話機10aと同一であるため、当該同一内容に関する説明は省略する。なお、第3の実施形態の携帯端末である携帯電話機10bの表示部11には、ソフトウェアテンキーSwTkが表示されている。
【0107】
階層情報表示制御部20は、携帯電話機10bに内蔵されるCPU、DSP、ROM、RAM等で構成され、接触検出部12aにより出力された接触操作情報を取得する。階層情報表示制御部20は、当該取得された接触操作情報及び後述する表示範囲条件情報Rに基づいて、図5に示した階層情報を表示部11に表示するか否かを判定する。当該階層情報を表示部11に表示すると判定された場合、階層情報表示制御部20は、当該表示範囲条件情報Rにおける階層情報の表示範囲の条件に従って階層情報を表示部11に表示する。表示範囲条件情報Rの詳細については後述する。
【0108】
記憶部14bは、携帯電話機10bに内蔵されるROM、RAM、ハードディスク、又はフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成され、階層情報表示制御部20の動作が予め規定されたプログラムが記憶されている。また、記憶部14bは、階層情報表示制御部20の動作における各々のワークメモリとしても動作する。また、記憶部14bには、後述する表示範囲条件情報Rが記憶されても良い。
【0109】
10.表示範囲条件情報Rの内容
図15は、表示範囲条件情報Rを表形式で説明した説明図である。表示範囲条件情報Rは、階層情報が表示部11に表示されるための表示条件と、当該階層情報が表示される範囲に関する表示条件と、当該範囲に関する表示条件を満たす場合の表示効果としての表示範囲とが関連付けられたものである。
【0110】
図15において、ユーザの入力操作により、表示部11における座標(x1、y0)と、座標(x2、y0)と、座標(x1、y1)と、座標(x2、y1)とをそれぞれ頂点とする矩形で囲まれた階層表示範囲HRが接触された場合、階層情報表示制御部20は、表示部11の階層表示範囲HRに階層情報を表示する。従って、当該矩形で囲まれた階層表示範囲HRが接触されない場合には、階層情報表示制御部20は、表示部11の階層表示範囲HRに階層情報を表示しない。
【0111】
また、図15において、表示部11の階層表示範囲HRにおける鉛直方向の幅が500[ドット]以上である場合には、階層情報表示制御部20は、表示効果aとして2階層の階層情報を表示する。表示部11の階層表示範囲HRにおける鉛直方向の幅が500[ドット]未満である場合には、階層情報表示制御部20は、表示効果bとして1階層の階層情報を表示する。また、図15において、表示部11である携帯電話機10bの表示画面の鉛直方向の物理的な幅が10[cm]以上である場合には、階層情報表示制御部20は、表示効果cとして、表示効果a又は表示効果bで定まる階層情報を更に1階層分加算した階層情報を表示する。表示部11である携帯電話機10bの表示画面の鉛直方向の物理的な幅が10[cm]未満である場合には、階層情報表示制御部20は、表示効果dとして、表示効果a又は表示効果bで定まる階層情報を表示する。なお、第3の実施形態においては、表示部11の階層表示範囲HRにおける鉛直方向の幅は、座標(x1、y0)と、座標(x2、y0)と、座標(x1、y1)と、座標(x2、y1)とをそれぞれ頂点とする矩形領域の縦軸の長さに相当し、各頂点の座標は記憶部14bに記憶されることが好ましい。更に、携帯電話機10bの表示画面の鉛直方向の物理的な幅に関する情報は、記憶部14bに記憶されていることが好ましい。
【0112】
11.第3の実施形態の携帯電話機10bの動作
次に、図16〜図18を用いて、ユーザの入力操作に応じて実行される第3の実施形態における携帯電話機10bの動作を説明する。図16は、携帯電話機10bの動作概要を示す説明図であり、例えば、ユーザが携帯電話機10aの表示部11においてデジタルTVの番組Pを視聴している様子を示している。図17及び図18は、共に携帯電話機10bの動作を説明するフローチャートである。
【0113】
図16において、階層表示範囲HR及びDTV表示範囲TRについては第2の実施形態とそれぞれ同様のため、当該階層表示範囲HR及びDTV表示範囲TRの説明は省略する。また、第3の実施形態では、操作項目階層情報Kの全体若しくは一部が、制御部18により表示部11に表示される。また、図16において、階層表示範囲HR及びDTV表示範囲TRを除く表示部11の左端にはソフトウェアテンキーSwTkが制御部18により表示されている。
【0114】
図17及び図18にそれぞれ示すフローチャートの前提として、階層情報収集部15は、当該階層情報収集部15により受信されたデジタル放送波のうちから特定周波数の信号を抽出し、当該抽出された信号を復調してトランスポートストリームを形成する。階層情報収集部15は、当該形成されたトランスポートストリームからPSI/SIを抽出する。階層情報収集部15は、当該抽出されたPSI/SIに基づいて操作項目階層情報Kを生成し、当該生成された操作項目階層情報Kを記憶部14a及び階層選択部16aにそれぞれ出力している。
【0115】
図17及び図18にそれぞれ示すフローチャートを説明する。図17において、接触検出部12aは、図16に示すようにユーザの3本の指RFが表示部11の階層表示範囲HRに相当する範囲の任意の位置、及び、ユーザの指LFが表示部11のソフトウェアテンキーSwTkの数値2の数値表示領域を接触したというユーザの入力操作を検出した場合、当該指RF及び指LFがそれぞれ表示部11を接触した位置の座標等の接触操作情報をそれぞれ検出する(S51)。接触検出部12aは、当該検出された各々の接触操作情報を指本数判定部13a、記憶部14a及びテンキー入力情報判定部19にそれぞれ出力する。
【0116】
指本数判定部13aは、接触検出部12aにより出力された接触操作情報を取得すると共に、当該取得された接触操作情報に応じて、階層表示範囲HRの或る位置を接触したユーザの指RFの指本数、及び、ソフトウェアテンキーSwTkの数値2の数値表示領域を接触したユーザの指LFの指本数をそれぞれ判定する(S52)。図16に示すように、指本数判定部13aが当該ユーザの指RFの指本数を3本であって当該ユーザの指LFの指本数が1本であるとそれぞれ判定することができた場合(S52、YES)、指本数判定部13aは、当該判定されたユーザの各々の指本数に関する情報を記憶部14b及び階層選択部16aにそれぞれ出力する。このとき、テンキー入力情報判定部19は、接触検出部12aにより出力された接触操作情報及び前述した加算数値条件情報Nに基づいて、当該接触操作情報にハードウェアテンキーHwTkの押下された数値情報が含まれているか否かを判定する(S53)。
【0117】
当該接触操作情報にハードウェアテンキーHwTkの押下された数値情報が含まれていると判定された場合には(S53、YES)、テンキー入力情報判定部19は、当該数値情報を前述した加算数値として加算する必要がある旨の情報を階層選択部16aに出力する(S54)。ステップS54の後、又は、当該接触操作情報にハードウェアテンキーHwTkの押下された数値情報が含まれていないと判定された場合には(S53、NO)、テンキー入力情報判定部19は、接触検出部12aにより出力された接触操作情報及び前述した加算数値条件情報Nに基づいて、当該接触操作情報にソフトウェアテンキーSwTkの接触された数値情報が含まれているか否かを判定する(S55)。
【0118】
図7に示す加算数値条件情報Nの条件aに対応する数値情報がステップS51の際に出力された接触操作情報に含まれていると判定された場合には(S55、条件a)、テンキー入力情報判定部19は、当該ソフトウェアテンキーSwTkの接触された数値情報を前述した加算数値情報として加算する必要があると判定する(S56)。また、図7に示す加算数値条件情報Nの条件bに対応する数値情報がステップS51の際に出力された接触操作情報に含まれていると判定された場合には(S55、条件b)、テンキー入力情報判定部19は、当該ソフトウェアテンキーSwTkの接触された数値情報を前述した加算数値情報として加算する必要があると判定する(S57)。また、ソフトウェアテンキーSwTkの押下が無い場合、又は、図7に示す加算数値条件情報Nの条件a及び条件bを除く場合に対応するソフトウェアテンキーSwTkの接触された数値情報がステップS51の際に出力された接触操作情報に含まれていると判定された場合には(S55、条件a,b以外(入力なし含む))、ステップS59に進む。
【0119】
ステップS56又はステップS57の後、テンキー入力情報判定部19は、指本数判定部13aにより判定されたソフトウェアテンキーSwTkを押下したユーザの指本数に対応する数値を、表示部11のソフトウェアテンキーSwTkを除く表示領域を接触したユーザの指本数に対応する数値から減算する必要がある旨の情報を記憶部14a及び階層選択部16aにそれぞれ出力する(S58)。その後、ステップS59に進む。ここで、表示部11のソフトウェアテンキーSwTkを除く表示領域は、例えば、図16に示す階層表示範囲HR又はDTV表示領域TRが該当する。
【0120】
ステップS59において、階層選択部16aは、記憶部14bの参照又は階層情報収集部15の出力により取得された操作項目階層情報Kのうち、指本数判定部13aにより判定された指本数と押下されたいずれかのテンキーの数値情報とを加算した数値に一致する階層を、接触検出部12aにより検出されたユーザの入力操作に対応する操作項目が属する階層として仮設定する(S59)。また、ステップS52において、指本数判定部13aが当該ユーザの指RFの指本数を3本であると判定することができなかった場合(S52、NO)、指本数判定部13aは、当該指本数を判定することができなかった旨の情報を階層選択部16aに出力する。この場合、階層選択部16aは、当該階層選択部16aの動作において予め規定された所定の階層を、接触検出部12aにより検出されたユーザの入力操作に対応する操作項目が属する階層として仮設定する(S60)。
【0121】
階層選択部16aは、ステップS59又はステップS60において仮設定された階層が操作項目階層情報Kに存在するか否かを判定する(S61)。当該仮設定された階層が操作項目階層情報Kに存在すると判定された場合(S61、YES)、階層選択部16aは、ステップS59又はステップS60において仮設定された階層を、接触検出部12aにより検出されたユーザの入力操作に対応する操作項目が属する階層として確定する(S62)。
【0122】
例えば、図12に示すように、ユーザの3本の指RFが表示部11の階層表示範囲HRに相当する範囲の任意の位置、及び、ユーザの指LFが表示部11のソフトウェアテンキーSwTkの数値2の数値表示領域を接触したというユーザの入力操作が検出された場合では、階層選択部16aは、当該入力操作に対応する操作項目が属する階層を4階層目と確定する。より具体的には、ソフトウェアテンキーSwTkを除く領域が接触されたユーザの指RFが3本と指本数判定部13aにより判定され、ソフトウェアテンキーSwTkが接触されたユーザの指LFが1本であって当該ソフトウェアテンキーSwTkの数値情報が2である場合、階層選択部16aは、「3+2−1」=4の演算を行うことにより、当該入力操作に対応する操作項目が属する階層を操作項目階層情報Kの4階層目として確定する。
【0123】
また、ステップS59又はステップS60において仮設定された階層が操作項目階層情報Kに存在しないと判定された場合(S61、NO)、階層選択部16aは、ステップS59又はステップS60において仮設定された操作項目の階層の1つ上の上位階層を、接触検出部12aにより検出されたユーザの入力操作に対応する操作項目が属する階層として確定する(S63)。
【0124】
ステップS62又はステップS63により操作項目が属する階層が確定された後、階層情報表示制御部20は、記憶部14bの参照により、表示部11である携帯電話機10bの表示画面の鉛直方向の物理的な幅に関する情報を取得する(S64)。また、階層情報表示制御部20は、記憶部14bの参照により、表示部11の階層表示範囲HRの鉛直方向の幅に関する情報を取得する(S65)。
【0125】
階層情報表示制御部20は、記憶部14bの参照により図15に示した表示範囲条件情報Rに基づいて、表示部11の階層表示範囲HRに階層情報を表示するか否かを判定する(S66)。具体的には、階層情報表示制御部20は、表示部11の階層表示範囲HRに相当する範囲に、ステップS51で検出された接触操作情報内の接触位置の座標が含まれているか否かを判定する。当該接触位置の座標が含まれていないと判定された場合には(S66、条件不成立)、ステップS74に進む。ステップS74については後述する。
【0126】
ステップS66において当該接触位置の座標が含まれていると判定された場合(S66、条件成立)、階層情報表示制御部20は、表示範囲条件情報Rに基づき、ステップS65で取得された表示部11の階層表示範囲HRの鉛直方向の幅が500[ドット]以上であるか否かを判定する(S67)。
【0127】
表示部11の階層表示範囲HRの鉛直方向の幅が500[ドット]以上であると判定された場合(S67、YES)、階層情報表示制御部20は、図15の表示範囲条件情報Rの表示効果aとして、表示部11の階層表示範囲HRに表示する階層情報を2階層と仮設定する(S68)。
【0128】
一方、表示部11の階層表示範囲HRの鉛直方向の幅が500[ドット]未満であると判定された場合(S67、NO)、階層情報表示制御部20は、図15の表示範囲条件情報Rの表示効果bとして、表示部11の階層表示範囲HRに表示する階層情報を1階層と仮設定する(S69)。
【0129】
ステップS68又はステップS69において表示される階層情報が仮設定された後、階層情報表示制御部20は、表示範囲条件情報Rに基づき、ステップS64で取得された携帯電話機10bの表示画面の鉛直方向の物理的な幅が10[cm]以上であるか否かを判定する(S70)。
【0130】
携帯電話機10bの表示画面の鉛直方向の物理的な幅が10[cm]以上であると判定された場合(S70、条件成立)、階層情報表示制御部20は、図15の表示範囲条件情報Rの表示効果cとして、表示効果a又は表示効果bで定まる階層情報を更に1階層分加算して表示すると仮設定する(S71)。
【0131】
携帯電話機10bの表示画面の鉛直方向の物理的な幅が10[cm]未満であると判定された場合(S70、条件不成立)、又は、ステップS71により階層情報が仮設定された後、ステップS72に進む。なお、ステップS70の判定による表示効果dについては前述したとおりである。
【0132】
ステップS72では、階層情報表示制御部20は、図15の表示範囲条件情報Rの表示効果a又は表示効果bに対して、表示効果c又は表示効果dが付加された表示効果として定まる表示範囲の階層情報として確定する(S72)。ステップS72により表示される階層情報の階層が確定された後、階層情報表示制御部20は、当該確定された階層情報を階層表示範囲HRに表示する(S73)。その後、ステップS74に進む。
【0133】
ステップS74では、接触検出部12aは、ユーザの3本の指RFが表示部11の階層表示範囲HR内の接触位置から水平左方向にドラッグしたというユーザの入力操作を検出した場合(S74、YES)。当該ドラッグ操作情報を記憶部14b及びコマンド判定部17にそれぞれ出力する。
【0134】
コマンド判定部17は、接触検出部12aにより出力されたドラッグ操作情報、及び階層選択部16aにより確定された操作項目が属する階層に基づいて、実行するべき命令であるコマンドを判定する(S75)。例えば、ユーザの3本の指RFが表示部11の階層表示範囲HR内の接触位置から水平左方向にドラッグしたというユーザの入力操作が検出された場合、コマンド判定部17は、現在操作中の操作項目である番組Pの操作項目IDを参照し、階層選択部16aにより確定された操作項目階層情報Kの4階層目において最大の操作項目IDを有する操作項目の番組Rの副音声Rに対するコマンドを実行すると判定する。番組Rの副音声Rに対するコマンドとして、例えば、当該番組Rを副音声Rで視聴可能に表示制御するというコマンドが予めコマンド判定部17又は制御部18において規定されているものとする。
【0135】
コマンド判定部17は、当該判定されたコマンドを実行するように制御部18に指示する。前述の例では、コマンド判定部17は、ユーザの3本の指RFが表示部11の階層表示範囲HR内の接触位置から水平左方向にドラッグしたというユーザの入力操作に応じて、番組Pを視聴している現在の状態において「番組Rを副音声Rで視聴可能に表示制御する」というコマンドを制御部18に出力する。
【0136】
制御部18は、ステップS19により指示されたコマンドの内容を実行する(S76)。前述の例では、制御部18は、コマンド判定部17により判定されたコマンドの内容である番組Rを副音声Rで視聴を実行するために、DTV表示範囲TRに当該番組Rの内容を副音声Rで視聴可能に表示する。
【0137】
従って、第3の実施形態の携帯端末である携帯電話機10bによれば、第2の実施形態の携帯電話機10aの効果に加え、階層情報を表示部11に表示することにより、全ての階層情報を表示部11に表示できない場合でも、現在操作している操作項目に対する周囲の操作項目又は当該操作項目の上位又は下位の階層の認知を促すことができる。また、携帯電話機10bによれば、当該操作項目の上位又は下位の階層の認知を促すことにより、ユーザの操作項目の選択を効率的に促すことができる。更に、携帯電話機10bによれば、表示部11に対するユーザの指本数を検出した段階で階層情報の表示を行うため、階層情報の表示操作と操作項目の操作とを分離する必要がなく、直接的且つ簡易で連続的な操作により、携帯電話機10bに対する操作項目に対する操作を素早く実行することができる。また、携帯電話機10bによれば、表示部11を構成する表示装置であるディスプレイの状態、当該表示部11における階層表示範囲HRの大きさ、又は当該ディスプレイの状態及び階層表示範囲HRの大きさの組合せに応じて、階層情報の適切な表示を行うことができる。
【0138】
[各実施形態の変形例]
図19及び図20は、それぞれ前述した各実施形態の変形例の携帯端末である携帯電話機10cの動作を説明するフローチャートである。前述した各実施形態では、図9のステップS11、図13のS31又は図17のS51で検出された接触操作情報に含まれるユーザの指本数は、当該ユーザの指が表示部11の接触位置から所定方向にドラッグするまで変更されないという前提であった。しかし、ユーザが指本数を誤って表示部11を接触することがあり得る。
【0139】
従って、前述した各実施形態の一例として第3の実施形態を挙げた場合に、第3の実施形態の変形例では、図19のステップS52で判定された指本数がステップS74においてドラッグされるまでに変更された場合に対応した実施形態である。なお、図19のステップS51〜図20のステップS73以降の動作内容は、図17のステップS51〜図18のステップS73の動作内容と同一であるため、当該同一内容の説明は省略する。
【0140】
図20において、表示部11の階層表示範囲HRに相当する範囲に、ステップS51で検出された接触操作情報内の接触位置の座標が含まれていないと判定された場合、又は、ステップS73の後、ステップS77に進む。具体的にステップS77において、第3の実施形態の変形例の携帯電話機10cは、ステップS62又はステップS63で階層が確定された後、ユーザの指の再接触があるか否かを判定する(S77)。即ち、このステップS77では、ステップS52で判定された指本数がステップS74においてドラッグされるまでに変更されたか否かが判定される。
【0141】
ユーザの指の再接触があると判定された場合には(S77、YES)、第3の実施形態の変形例の携帯電話機10cは当該再接触されたユーザの指に対する指本数を判定する必要があるため、ステップS52に進む。ユーザの指の再接触がないと判定された場合には(S77、NO)、ステップS74に進む。当該ステップS74〜ステップS76の動作内容は第3の実施形態のステップS74〜ステップS76の動作内容と同一であるため、当該同一内容の説明は省略する。
【0142】
従って、第3の実施形態の変形例の携帯電話機10cによれば、第3の実施形態の携帯電話機10bの効果に加え、ユーザが表示部11を誤った指本数で接触した場合でも、当該接触した位置からドラッグされる前に表示部11を再接触することにより、ユーザの操作する操作項目が属する階層を効率的に変更することができる。
【0143】
以上、添付図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本発明の携帯端末、情報処理方法及びプログラムはかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種実施形態の変更例または修正例、更に各種実施形態の組み合わせ例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0144】
例えば、前述した各実施形態の携帯端末である携帯電話機10〜10bは、図1〜3に示した携帯電話機に限定されない。例えば、第1筺体21と第2筺体30とが長手方向に沿って厚み方向と垂直な方向にスライド可能な携帯電話機にでも適用可能である。
【0145】
また、前述した第2及び第3の各実施形態においては、ソフトウェアテンキーSwTkが表示部11の階層表示範囲HR及びDTV表示範囲TRを除く左端に表示される旨を説明した。このソフトウェアテンキーSwTkは、例えば、携帯電話機10a,10bの電源がオンされてユーザにより操作可能状態となったときに、待ち受け画面の一部として制御部18により表示されても良い。また、ソフトウェアテンキーSwTkは、携帯電話機10a,10bの操作によりデジタルTVが表示部11のDTV表示領域TRに表示されたときに、待ち受け画面の一部として制御部18により表示されても良い。更に、ソフトウェアテンキーSwTkは、携帯電話機10a,10bの明示的な操作により待ち受け画面の一部として制御部18により表示されても良い。
【0146】
なお、前述した各実施形態では、図5に示すデジタルTVを視聴する場合における操作項目に対する操作を一例として挙げて説明した。しかし、図21に示すように、携帯電話機にて操作可能な操作項目はデジタルTVに限定されないため、当該デジタルTVの視聴に関する操作項目に加え、カメラの操作に関する操作項目も含めて操作項目階層情報Kを構成しても良い。図21は、各実施形態の携帯端末である携帯電話機に対する操作項目を階層構造で表現した別の一例を示す模式図である。従って、本発明の携帯端末である携帯電話機は、直感的且つ簡易な操作により、図21に示す操作項目階層情報Kを構成する各操作項目に対して素早く実行することができる。
【0147】
また、前述した第3の実施形態においては、表示部11では階層表示範囲HRとDTV表示範囲TRとが明確に区分されていた。しかし、図22に示すように、本発明の携帯端末である携帯電話機においては、デジタルTVが表示されるDTV表示範囲TRが階層表示範囲HRと一部重複するように構成されても良い。この場合には、当該携帯電話機の制御部18は、階層表示範囲HRに階層情報を表示すると共に、DTV表示範囲TRにデジタルTVの放送内容を当該階層情報とオーバレイして表示するように制御する。従って、本発明の携帯端末である携帯電話機は、階層表示範囲HRの表示範囲の大きさに拘わらず、デジタルTVの放送内容を表示部11の広範囲に表示することができる。
【0148】
なお、前述した各実施形態では、携帯電話機10,10a、10bを例に挙げて説明した。しかし、本発明の携帯端末は携帯電話機10,10a,10bに限定されず、例えば、PC(Personal Computer)又はデジタルカメラ等の電子機器にも広く適用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0149】
本発明は、階層構造を有する情報又はデータに対して簡易な操作で素早く当該情報又はデータを操作可能な携帯端末、情報処理方法及びプログラムとして有用である。
【符号の説明】
【0150】
10、10a、10b、10c 携帯電話機
11 表示部
12、12a、12b 接触検出部
13、13a、13b 指本数判定部
14、14a、14b 記憶部
15 階層情報収集部
16、16a、16b 階層選択部
17 コマンド判定部
18 制御部
19 テンキー入力情報判定部
20 階層情報表示制御部
21 第1筺体
21a 操作面
22 マイクロフォン
24a,24b 第1筺体支持部
30 第2筺体
30a 表示面
30b 外面
32 窪み
33 発音部
35 副表示部
37 アンテナ
40 連結部
41 第1回動軸
42 第2回動軸
Fky 機能キー群
HR 階層表示範囲
HwTk ハードウェアテンキー
K 操作項目階層情報
LF、RF 指
M 仮設定階層情報
N 加算数値条件情報
R 表示範囲条件情報
SwTk ソフトウェアテンキー
TR DTV表示範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報又はデータを表示する表示部と、
前記表示部に対するユーザの指による接触を検出する接触検出部と、
前記接触検出部により検出された接触に対する前記ユーザの指本数を判定する指本数判定部と、
前記情報又はデータに対する複数の操作項目間の階層情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている階層情報のうち前記指本数判定部により検出された指本数と一致する階層を、前記接触検出部により検出された接触に対する操作項目として選択する階層選択部と、
を備える携帯端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末であって、
前記接触検出部により検出された接触に続けて連続的に操作された前記指の移動方向に応じて、前記階層選択部により選択された階層の操作項目を変更したコマンドを指示するコマンド判定部と、
前記コマンド判定部により指示されたコマンドを実行する制御部と、
を更に備える携帯端末。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の携帯端末であって、
デジタル放送波を受信する階層情報収集部と、を更に備え、
前記階層情報収集部は、当該受信されたデジタル放送波に含まれる前記情報又はデータに対する階層情報を抽出し、
前記階層選択部は、前記階層情報収集部により抽出された階層情報のうち前記指本数判定部により検出された指本数と一致する階層を、前記操作項目として選択する携帯端末。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の携帯端末であって、
前記指本数判定部により検出された指本数と一致する階層が前記記憶部に記憶されている階層情報に存在しない場合、前記階層選択部は、当該記憶部に記憶されている階層情報のうち前記指本数判定部により検出された指本数に対応する階層の上位の階層を選択する携帯端末。
【請求項5】
請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の携帯端末であって、
1つ又は複数の数値情報を含むソフトウェアテンキーが前記表示部に表示されている場合、前記ユーザの指が当該ソフトウェアテンキー上の前記数値情報を接触しているか否かを判定するテンキー入力情報判定部と、
前記数値情報が接触されていると前記テンキー入力情報判定部により判定された場合、前記階層選択部は、前記指本数判定部により検出された指本数と、前記ソフトウェアテンキー上の接触された数値情報とを加算した階層を前記階層情報から選択する携帯端末。
【請求項6】
請求項5に記載の携帯端末であって、
前記階層選択部は、前記指本数判定部により検出された指本数と、前記ソフトウェアテンキー上の接触された数値情報とを加算した階層から1つ下の階層を選択する携帯端末。
【請求項7】
請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の携帯端末であって、
前記表示部の所定範囲が前記ユーザの指により接触された場合、前記指本数判定部により検出された指本数と一致する階層を含む所定範囲の階層を前記表示部に表示するように制御する階層情報表示制御部と、
を更に備える携帯端末。
【請求項8】
請求項7に記載の携帯端末であって、
前記階層情報表示制御部は、前記表示部の所定範囲が前記ユーザの指により接触されなかった場合、前記所定範囲の階層を前記表示部に表示しないように制御する携帯端末。
【請求項9】
請求項8に記載の携帯端末であって、
前記記憶部には、前記表示部における前記階層情報の表示可能範囲に関する情報が記憶され、
前記階層情報表示制御部は、前記記憶部に記憶されている前記階層情報の表示可能範囲に関する情報を取得し、当該取得された情報に応じて前記階層情報を表示する携帯端末。
【請求項10】
請求項9に記載の携帯端末であって、
前記記憶部には、前記表示部の物理的大きさに関する情報が記憶され、
前記階層情報表示制御部は、前記記憶部に記憶されている前記表示部の物理的大きさに関する情報を取得し、当該取得された情報に応じて前記表示される階層情報に所定の階層分を加算する携帯端末。
【請求項11】
情報又はデータを表示部に表示するステップと、
前記表示部に対するユーザの指による接触を検出するステップと、
前記検出された接触に対する前記ユーザの指本数を検出するステップと、
前記情報又はデータに対する複数の操作項目間の階層情報を記憶部に記憶するステップと、
前記記憶部に記憶されている階層情報のうち前記検出された指本数と一致する階層を、前記検出された接触に対する操作項目として選択するステップと、
を備えた情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータである携帯端末に、
情報又はデータを表示部に表示するステップと、
前記表示部に対するユーザの指による接触を検出するステップと、
前記検出された接触に対する前記ユーザの指本数を検出するステップと、
前記情報又はデータに対する複数の操作項目間の階層情報を記憶部に記憶するステップと、
前記記憶部に記憶されている階層情報のうち前記検出された指本数と一致する階層を、前記検出された接触に対する操作項目として選択するステップと、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−243158(P2011−243158A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−117295(P2010−117295)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】