説明

携帯端末、起動制御方法、およびプログラム

【課題】電源をオンする操作を受け付けていない状態において撮像ができる状態で待機するために消費する端末電力を抑えること。
【解決手段】光学系を介して入射する光学像から画像データを生成する撮像素子を備える撮像部と、近距離通信を行う他の通信装置から近距離通信により送信される情報を受信する近距離通信部と、前記近距離通信部が受信した信号に基づき、操作部を介して電源をオンする操作を受け付けていない状態において前記撮像部を起動するか否かを判定し、前記撮像部を起動すると判定した場合、前記撮像部を起動する制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末、撮像部起動方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なデジタルカメラでは、電源オフの状態から電源オンの状態に立ち上げて、実際に撮影が可能な状態になるまでに、一定の時間(数秒)を要する。これは、撮影が可能な状態になるまでには、カメラハードの電源の立ち上げや、パラメータの設定等の処理を実行する時間を要するためである。
例えば、カメラに搭載された加速度センサーの出力に基づき、ユーザがカメラを携帯しているか否かを判定し、ユーザがカメラを携帯している場合、電源がオンされていない状態において、すぐにカメラ撮影ができるホットスタンバイ状態に設定するものがある(例えば、特許文献1参照)。このカメラは、ユーザが携帯していないと判定した場合、節電優先のスタンバイ状態にして、ホットスタンバイ状態に比べて消費電力を抑える。一方、携帯していると判定した場合、起動時間優先のホットスタンバイ状態にして、ユーザが電源をオンしたときからカメラ撮影まで時間を短縮することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−110364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、ユーザがカメラを携帯している場合、常時、ホットスタンバイ状態になってしまうため、電力の消耗が激しく、ユーザがカメラを使用したい場合に、充電がきれてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、電源をオンする操作を受け付けていない状態において撮像ができる状態で待機するために消費する端末電力を抑えることができる携帯端末、撮像部起動方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様による携帯端末は、光学系を介して入射する光学像から画像データを生成する撮像素子を備える撮像部と、近距離通信を行う他の通信装置から近距離通信により送信される情報を受信する近距離通信部と、前記近距離通信部が受信した信号に基づき、操作部を介して電源をオンする操作を受け付けていない状態において前記撮像部を起動するか否かを判定し、前記撮像部を起動すると判定した場合、前記撮像部を起動する制御部と、を備える。
【0007】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様による起動制御方法は、近距離通信を行う他の通信装置から近距離通信により送信される情報を受信するステップと、近距離通信により受信した信号に基づき、操作部を介して電源をオンする指示が操作されていない状態において撮像部を起動するか否かを判定し、前記撮像部を起動すると判定した場合、前記撮像部を起動するステップとを備える。
【0008】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様によるプログラムは、コンピュータを、近距離通信を行う他の通信装置から近距離通信により送信される情報を受信する手段、近距離通信により受信した信号に基づき、操作部を介して電源をオンする指示が操作されていない状態において撮像部を起動するか否かを判定し、前記撮像部を起動すると判定した場合、前記撮像部を起動する手段、として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電源がオンされていない状態における端末の電力の消費を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯端末の概略構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る携帯端末の処理動作の一例について説明するための図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る携帯端末の状態遷移の一例について説明するための図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る携帯端末の構成の一例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る携帯端末装置が省電力モードあるいは他端末検出モードで動作する場合の処理フローについて説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に係る携帯端末がスタンバイモードで動作する場合の処理フローについて説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態に係る携帯端末が撮像モードで動作する場合の処理フローについて説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1実施形態]
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る携帯端末の概要について説明するための図である。なお、本実施形態において、携帯端末がデジタルカメラである例について、以下説明する。しかし、本発明はこれに限られず、携帯電話端末、スマートフォン、携帯ゲーム機、タブレット型PC(Personal Computer)、あるいは、ノート型PC等であってもよい。
【0012】
図1に示す通り、本実施形態に係るカメラ1は、撮像部101と、近距離通信部102と、制御部103とを備える。
このカメラ1の撮像部101は、例えば、ユーザから電源スイッチが押下され、カメラ1の電源をオンする指示があった場合、つまり、カメラ1の電源がオンされている状態において、被写体を撮像し、光学像から画像データを生成する。
また、カメラ1の近距離通信部102は、例えば、カメラの電源をオンする指示がない状態、つまり、カメラの電源がオンされていない状態において、近距離通信の通信エリアにある他の通信装置2と近距離通信を行う。なお、カメラの電源がオンされていない状態とは、例えば、ユーザが電源スイッチを押下して電源オンを指示する前の状態である。
この近距離通信部102は、他の通信装置2が送信する信号を受信し、制御部103に出力する。この制御部103は、他の通信装置2から受信する信号に基づき、カメラの電源がオンされていない状態において撮像の準備処理を実行するか否かを判定する。そして、撮像の準備処理を実行すると判定した場合、カメラ1は、カメラの電源がオンされていない状態のまま撮像の準備処理を実行する。なお、本実施形態において、撮像の準備処理を実行する際、ユーザからは電源をオンする指示がなされていないため、見かけ上は、電源がオフしている状態である。しかし実質的には、カメラ1の撮像の準備処理を実行するための構成は起動している。詳細については、図3を参照して状態遷移について説明する際に、詳細に説明する。
【0013】
このように、カメラ1は、カメラの電源がオンされていない状態(言い換えると、ユーザから電源スイッチが押下されカメラ1の電源をオンする指示がなく、見かけ上電源がオフの状態)において、撮像の準備処理を実行する。これにより、例えば、ユーザが電源スイッチを押下して、カメラ1の電源をオンする指示があったときから、撮像が可能な状態になるまでの時間を短縮することができる。本実施形態において、撮像の準備処理は、ユーザがシャッターボタンを押下して、撮像の指示があった場合に、撮像部101が被写体を撮像して画像データを生成することが可能な状態でカメラ1を待機させる処理である。この撮像の準備処理は、例えば、撮像部101を起動する電源起動準備処理と、撮像部101が撮像指示により被写体を撮像するための各種パラメータ等を設定したり光学系の位置を調整したりする撮像設定準備処理とを含む。なお、本発明に係るカメラ1は、これに限られず、少なくとも撮像部101を起動させる電源起動準備処理を撮像の準備処理として実行する。また、本発明に係るカメラ1は、撮像部101が撮像指示により被写体を撮像するための撮像設定準備処理を実行することが好ましい。
【0014】
次に、図2を参照して、本実施形態に係るカメラ1の処理動作について説明する。図2は、本実施形態に係るカメラ1の処理動作について説明するための図である。本実施形態においては、他の通信装置2が、デジタルカメラであって、カメラ1と同様の構成を有する他のカメラ2である場合について、以下説明する。しかし、本発明はこれに限られず、他の通信装置2は、携帯電話端末、スマートフォン、携帯ゲーム機、タブレット型PC(Personal Computer)、あるいは、ノート型PC等であってもよい。
カメラ1の制御部103は、他のカメラ2から受信する信号に基づき、カメラ1が撮像エリアに存在しているか否かを判定し、カメラ1が撮像エリア内に存在している場合に、撮像の準備処理を実行することを判定する。なお、撮像エリアとは、ユーザがカメラ1により被写体を撮像する可能性の高いエリアである。ここでは、他のカメラ2の電源が起動している状態であって撮像モードに設定されている場合、他のカメラ2のユーザが撮像したい被写体の近くに存在し、他のカメラ2を撮像モードで電源をオン状態にしていると推定される。例えば、観光地の撮影スポット等では、カメラを持っている多くの人が、風景や建築物(図示の例では、風車)を撮像したいと考える。このように、近くのカメラ2が起動して撮像可能な状態にある場合、カメラ1を所持するユーザも、これら風景や建築物を撮像する可能性が高い。
本実施形態において、電源がオンの状態であって撮像モードに設定されているカメラ2の近距離通信の通信エリア内が、撮像エリア内であると規定されている。カメラ1は、カメラ2からの近距離通信による通信信号に基づき、撮像エリア内に存在しているか否かを判定する。
【0015】
本実施形態に係るカメラ1は、例えば、電源がオンされていない状態において、他のカメラ2の近距離通信の通信エリア内に入ると、カメラ2から近距離通信による信号を受信し、撮像の準備処理を実行するか否かを判定する。撮像の準備処理を実行すると判定した場合、カメラ1は、電源がオンされていない状態(ユーザから電源スイッチが押下されることによるカメラ1の電源をオンする指示がない状態)から、撮像の準備処理を実行するスタンバイ状態に遷移する。なお、本実施形態において、スタンバイ状態は、カメラ1内では撮像の準備処理を実行するための構成が起動しているが、見かけ上、電源がオフの状態と変わらない状態である。
【0016】
次に、図3を参照して、本実施形態に係るカメラ1の状態遷移の一例について説明する。図3は、本実施形態に係るカメラ1の状態遷移の一例を示す図である。
図3に示す通り、カメラ1は、電源オフ状態Aと、省電力状態Bと、他端末検出状態Cと、スタンバイ状態Dと、電源オン状態Eと、遷移する。なお、省電力状態Bと、他端末検出状態Cと、スタンバイ状態Dとは、電源がオンされていない状態であって、見かけ上、電源がオフの状態である。このカメラ1は、電源オン状態Eにおいて、電源のオフが指示された場合、電源オフ状態Aに遷移するか、あるいは、省電力状態Bに遷移するかが予め設定されている。この設定(以下、電源オフ処理設定)は、例えば、ユーザが選択し、カメラ1内のメモリに登録することができる。
また、本実施形態において、カメラ1は、メモリに登録されているプログラムを実行することで、予め決められた動作モードに従って動作する。なお、カメラ1は、予め決められたそれぞれの動作モードに従って動作している状態が、上述の状態A〜Eである。例えば、カメラ1は、省電力モードM2に従って動作し、この状態が省電力状態Bである。また、カメラ1は、他端末検出モードM3に従って動作し、この状態が他端末検出状態Cである。さらに、カメラ1は、スタンバイモードM4に従って動作し、この状態がスタンバイ状態Dである。さらにまた、カメラ1は、電源オン状態Eにおいて、撮像モードM5に従って動作する。
【0017】
電源オフ状態Aは、カメラ1の電源がオフの状態であり、例えば、電源スイッチが押下されて電源オフがユーザから指示された後の状態である。電源オフ状態Aに遷移することが電源オフ処理設定として登録されている場合、電源のオフが指示されると、カメラ1の動作状態は、電源オン状態Eから電源オフ状態Aに遷移する。この状態遷移を、図3において(1)の矢印で示す。
【0018】
省電力状態Bは、カメラ1が省電力モードM2に従って動作している状態である。この省電力状態Bは、スタンバイ状態Dよりも消費電力を抑えて省電力モードM2に従って動作する最低限の構成部に電力を供給して動作している状態である。省電力状態Bに遷移することが電源オフ処理設定として登録されている場合、電源のオフが指示されると、カメラ1は、電源オン状態Eから省電力状態Bに遷移する。この状態遷移を、図3において(2)の矢印で示す。本実施形態において、省電力モードM2とは、カメラ1の動作状態を定期的に他端末検出状態Cにするための動作部に電力を供給し、動作させる動作モードである。
このカメラ1の制御部103は、省電力状態Bにおいて、例えば、定期的に、他端末検出モードM3を実行する。これにより、カメラ1の動作状態は、一定時間間隔ごとに、省電力状態Bから他端末検出状態Cに遷移する。この状態遷移を、図3において(3)の矢印で示す。つまり、カメラ1の制御部103は、他端末検出モードM3を実行する定期的なタイミングとして予め決められている実行タイミングに到達したか否かを判定し、実行タイミングに到達したと判定した場合、他端末検出モードM3を実行する。
【0019】
他端末検出状態Cは、カメラ1が他端末検出モードM3で動作している状態である。他端末検出モードM3とは、他のカメラ2の近距離通信の通信エリア内にカメラ1が入っているか否かを判定し、他のカメラ2の近距離通信の通信エリア内にカメラ1が入っていると判定した場合、動作モードをスタンバイモードM4に変更する動作モードである。これにより、カメラ1の動作状態は、他端末検出状態Cからスタンバイ状態Dに遷移する。この状態遷移を、図3において(4)の矢印で示す。一方、カメラ1は、他端末検出状態Cにおいて、他のカメラ2の近距離通信の通信エリア内に入っていないと判定した場合、カメラ1の動作状態は、他端末検出状態Cから省電力状態Bに遷移する。この状態遷移を、図3において(5)の矢印で示す。
【0020】
スタンバイ状態Dは、カメラ1が撮像の準備処理を実行するスタンバイモードM4で動作している状態である。スタンバイモードM4とは、電源がオンされていない状態において撮像の準備処理を実行する動作モードである。カメラ1は、スタンバイ状態Dにおいて、ユーザによって電源スイッチが押下され、電源をオンする指示が入力された場合、カメラ1の動作状態は電源オン状態Eに遷移する。この状態遷移を、図3において(6)の矢印で示す。一方、スタンバイ状態Dにおいて、カメラ1は、他のカメラ2の近距離通信の通信エリア内にカメラ1が入っているか否かを判定する。他のカメラ2の近距離通信の通信エリア内にカメラ1が入っていないと判定した場合、カメラ1の動作状態は省電力状態Bに遷移する。この状態遷移を、図3において(7)の矢印で示す。
【0021】
電源オン状態Eは、ユーザによって電源スイッチが押下され、電源をオンする指示が入力されることにより、カメラ1の全体の電源が起動している状態である。電源オン状態Eでは、カメラ1は、例えば、撮像モードM5に従って、表示部にカメラビューの画像データに基づく画像を表示させる等のカメラ1を撮像可能な状態にするとともに、カメラ1の電源がオンの状態であって動作モードが撮像モードM5に設定されていることを示す撮像状態通知信号を近距離通信により配信する。
また、カメラ1は、電源オン状態Eにおいて、ユーザによって電源スイッチが押下され、電源をオフする指示が入力されることにより、他のカメラ2の近距離通信の通信エリア内にカメラ1が入っているか否かを判定する。他のカメラ2の近距離通信の通信エリア内にカメラ1が入っていると判定した場合、カメラ1の動作状態は、電源オン状態Eからスタンバイ状態Dに遷移する。この状態遷移を、図3において(8)の矢印で示す。
【0022】
一方、他のカメラ2の近距離通信の通信エリア内に入っていないと判定した場合、カメラ1は、電源オフ処理設定を参照して、電源オフ処理設定として電源オフ状態Aに遷移することが予め設定されている場合、電源オン状態Eから電源オフ状態Aに遷移する。この状態遷移を、図3において(1)の矢印で示す。一方、電源オフ処理設定として省電力状態Bに遷移することが予め設定されている場合、カメラ1は、電源オン状態Eから省電力状態Bに遷移する。この状態遷移を、図3において(2)の矢印で示す。
なお、電源オフ状態Aにおいて、電源スイッチが押下され、ユーザから電源をオンする指示が入力された場合、電源オフ状態Aから電源オン状態Eに遷移する。この状態遷移を、図3において(9)の矢印で示す。また、省電力状態Bにおいて、電源スイッチが押下され、ユーザから電源をオンする指示が入力された場合、省電力状態Bから電源オン状態Eに遷移する。この状態遷移を、図3において(10)の矢印で示す。
【0023】
次に、図4を参照して、カメラ1の構成の一例について説明する。図4は、カメラ1の構成の一例を示すブロック図である。
図4に示す通り、カメラ1は、上述の撮像部101と、近距離通信部102と、制御部103とに加え、操作部104と、画像処理部105と、ワークメモリ部106と、記録用メモリ107と、表示部108と、圧縮処理部109と、伸長処理部110と、リサイズ処理部111と、電源部112と、計時部113と、制御用メモリ114とを備える。
【0024】
撮像部101は、光学系101aと、光学系101aを介して入射する光学像から画像データを生成する撮像素子101bと、撮像素子101bから出力される画像データのアナログ信号をデジタル信号に変換し、画像データのデジタル信号を出力するA/D変換部101cとを備える。
【0025】
近距離通信部102は、近距離通信を行う通信エリア内に存在する他のカメラ2から送信される信号を受信する。この近距離通信部102は、カメラ1の電源がオンされていない状態においても、他のカメラ2から信号を受信する。本実施形態において、近距離通信部102は、省電力モードM2と他端末検出モードM3において、電源部112からの電力の供給を受けて、近距離通信による通信信号の受信待ち状態となる。本実施形態において、近距離通信は、例えば、無線LANや、Buletooth等を利用することができる。
なお、本実施形態において、近距離通信部102は、他のカメラ2の近距離通信の通信エリア内にカメラ1が存在する場合、他のカメラ2から送信される近距離通信による通信信号を受信する。他のカメラ2は、カメラ2の電源がオンの状態であって動作モードが撮像モードM5に設定されている場合、この状態(以下、撮像状態)であることを示す撮像状態通知信号を送信する。
【0026】
制御部103は、近距離通信部102が受信した信号が入力される。この制御部103は、動作モード切替部131と、通信制御部132と、動作制御部133と、判定部134と、表示制御部135と、撮像モード通知部136と、撮像制御部137と、を備える。
【0027】
動作モード切替部131は、カメラ1の動作モードを切り換える。この動作モード切替部131は、省電力モードM2、他端末検出モードM3、スタンバイモードM4、あるいは、撮像モードM5等のうち、カメラ1の動作モードを決定し、決定した動作モードを制御用メモリ114に登録する。
【0028】
動作モード切替部131は、例えば、省電力モードM2において、予め決められた他端末検出モードM3の実行タイミングに到達したか否かを判定する。この実行タイミングに到達したと判定した場合、動作モード切替部131は、制御用メモリ114に登録されている動作モードを、他端末検出モードM3に切り換える。この動作モード切替部131は、例えば、電源スイッチが押下され省電力モードM2となったタイミングから一定時間が経過した場合、あるいは、前回の他端末検出モードM3の実行タイミングから一定期間が経過した場合、他端末検出モードM3の実行タイミングに到達したと判定する。これは、図3に示した状態遷移(3)に相当する。
また、動作モード切替部131は、他端末検出モードM3において、近距離通信部102を介して通信信号を受信したか否かを判定する。一定時間内に通信信号を受信しない場合、動作モード切替部131は、制御用メモリ114に登録されている動作モードを、省電力モードM2に切り換える。これは、図3に示した状態遷移(5)に相当する。
【0029】
さらに、動作モード切替部131は、他端末検出モードM3において、判定部134により撮像の準備処理を実行すると判定された場合、制御用メモリ114に登録されている動作モードを、スタンバイモードM4に切り換える。これは、図3に示した状態遷移(4)に相当する。
【0030】
また、動作モード切替部131は、スタンバイモードM4において、電源スイッチ141が押下された場合、制御用メモリ114に登録されている動作モードを、撮像モードM5に切り換える。これは、図3に示した状態遷移(6)に相当する。
さらに、動作モード切替部131は、撮像モードM5において、一定時間内に、シャッターボタン142が押下されなかった場合、制御用メモリ114に登録されている動作モードを、スタンバイモードM4に切り換える。これは、図3に示した状態遷移(8)に相当する。
【0031】
また、動作モード切替部131は、スタンバイモードM4において、他のカメラ2の近距離通信の通信エリア内にカメラ1が入っているか否かを判定する。他のカメラ2の近距離通信の通信エリア内にカメラ1が入っていないと判定した場合、動作モード切替部131は、制御用メモリ114に登録されている動作モードを、省電力モードM2に切り換える。これは、図3に示した状態遷移(7)に相当する。
さらに、動作モード切替部131は、撮像モードM5において、電源スイッチ141が押下された場合、制御用メモリ114に登録されている動作モードを、省電力モードM2に切り換える。これは、図3に示した状態遷移(2)に相当する。
また、動作モード切替部131は、例えば、撮像モードM5において、電源スイッチ141が押下された場合、起動している各動作部を停止させる。これは、図3に示した状態遷移(1)に相当する。
さらに、動作モード切替部131は、電源オフ状態Aにおいて、電源スイッチ141が押下された場合、例えば、撮像モードM5に従って動作する。これは、図3に示した状態遷移(9)に相当する。
また、動作モード切替部131は、省電力モードM2において、電源スイッチ141が押下された場合、制御用メモリ114に登録されている動作モードを、撮像モードM5に切り換える。これは、図3に示した状態遷移(10)に相当する。
【0032】
通信制御部132は、近距離通信部102に対して、近距離通信の制御を行う。この通信制御部132は、例えば電源スイッチ141が押下されて、動作モードが撮像モードM5に切り替えられた場合、近距離通信部102を起動し、近距離通信による通信信号を送信するよう近距離通信部102を制御する。また、通信制御部132は、他端末検出モードM3およびスタンバイモードM4においても、近距離通信による通信信号を受信するよう近距離通信部102を制御する。通信制御部132は、近距離通信部102から入力する信号を判定部134に出力する。
さらに、通信制御部132は、他端末検出モードM3において、判定部134により撮像の準備処理を実行しないと判定された場合、この判定結果に基づき、近距離通信部102の処理動作を終了させ、電源部112から近距離通信部102への電力供給を停止させる。
【0033】
動作制御部133は、動作モード切替部131によって決定された動作モードに従って、カメラ1を制御する。
この動作制御部133は、例えば、省電力モードM2に従って、動作モード切替部131が他端末検出モードM3を実行するタイミングを判定するための構成部を起動させる。具体的にいうと、動作制御部133は、少なくとも、計時部113によって計時される時刻情報に基づき、動作モード切替部131が実行タイミングを判定する動作処理を実行するよう制御し、電力部112から電力を供給する。なお、それ以外の構成部に対しては、省電力のため、電源部112からの電力の供給を停止させる。
また、動作制御部133は、例えば、他端末検出モードM3に従って、通信制御部132が近距離通信部102を介して、他のカメラ2から撮像状態通知信号を受信したか否かを判定するための構成部を起動させる。具体的にいうと、動作制御部133は、少なくとも、近距離通信部102と通信制御部132に対して、近距離通信による信号を受信するよう制御し、電力部112からの電力を供給する。また、動作制御部133は、動作モード切替部131に対して、近距離通信により受信した信号に基づき、撮像の準備処理を実行するよう制御する。
【0034】
さらに、動作制御部133は、例えば、スタンバイモードM4に従って、撮像の準備処理を実行する。本実施形態において、動作制御部133は、撮像の準備処理として、撮像部101を起動する電源起動準備処理と、撮像部101が撮像指示により被写体を撮像するための撮像設定準備処理とを実行する。
【0035】
判定部134は、近距離通信部102から近距離通信による通信信号が入力された場合、入力した通信信号に基づき、電源がオンされていない状態において撮像の準備処理を実行するか否かを判定する。本実施形態において、撮像の準備処理を実行する条件(以下、準備処理実行条件)として、少なくとも1つの他のカメラ2から撮像状態通知信号を受信することと予め決められている。つまり、判定部134は、他のカメラ2から撮像状態通知信号を受信したか否かを判定し、他のカメラ2から撮像状態通知信号を受信した場合、撮像の準備処理を実行すると判定する。一方、他のカメラ2から撮像状態通知信号を受信しない場合、判定部134は、撮像の準備処理を実行しないと判定する。
【0036】
表示制御部135は、表示部108に対する表示を制御する。本実施形態において、表示制御部135は、撮像モードM5に従って、ライブビュー映像を表示部108に表示させるとともに、撮像した画像を表示部108に表示させる。また、表示制御部135は、スタンバイモードM4に従って、ライブビュー映像を表示部108に表示させないように制御する。
【0037】
撮像モード通知部136は、カメラ1の電源がオンされている状態において、撮像モードM5に従って動作している場合、近距離通信部102から撮像状態通知信号を発信させる。本実施形態において、この撮像状態通知信号は、カメラ1の電源がオンされている状態において撮像モードM5に従って動作している動作状態であることを示す信号である。
【0038】
撮像制御部137は、カメラ1の撮像部101を制御して、被写体を撮像して、画像データを生成する。例えば、撮像制御部137は、AF(Auto focus)処理を実行し、被写体にピントを合わせる。また、撮像制御部137は、撮像部101の撮像素子101bを駆動し、光学系101aに入射する光学像から画像データを生成させる。さらに、撮像制御部137は、A/D変換部101cに対して、撮像素子101bから入力する画像データをデジタル信号に変換して画像処理部105に出力するよう制御する。
【0039】
操作部104は、例えば、電源スイッチボタン141、シャッターボタン142、および再生ボタン143を備える。なお、操作部104は、これ以外にも、操作ボタン、十字キー、あるいはタッチパネルの操作入力手段を含む。この操作部104は、ユーザからの操作を受け付け、受け付けた操作を示す操作情報を出力する。なお、電源スイッチボタン141は、電源がオンされていない状態において押下されることにより、電源をオンする操作指示を受け付ける。また、電源スイッチボタン141は、電源がオンされている状態において押下されることにより、電源をオフする操作指示を受け付ける。シャッターボタン142は、電源がオンされている状態において押下されることで、撮像の操作指示を受け付ける。再生ボタン143は、押下されることで、カメラ1の記録用メモリ107に保存されている画像データを再生する操作指示を受け付ける。
【0040】
画像処理部105は、撮像部101から出力される画像データに対して画像処理をし、ワークメモリ106に格納する。
ワークメモリ部106は、カメラ1の各種処理において一時的に情報を格納する記憶領域である。
記録用メモリ107は、ユーザがシャッターボタン142を押下したことにより撮像部101が撮像した画像データを保存する記憶領域である。
表示部108は、例えば、液晶ディスプレイであって、制御部103の表示制御部135によって表示が制御される。
圧縮処理部109は、撮像部101によって生成された画像データを、例えば、JPEGファイルに圧縮する処理を実行する。
伸長処理部110は、記録用メモリ107にJPEGファイルで圧縮して格納されている画像データを、例えばJPEG画像に伸長する処理を実行する。この伸長処理部110は、JPEG画像に伸長した画像を、ワークメモリ106に展開する。
リサイズ処理部111は、撮像部101によって生成された画像データのサイズを、表示部108において表示可能なサイズにリサイズする処理を実行する。
電源部112は、電池を備え、電池の電力をカメラ1の全体に供給する。
計時部113は、時刻を計時し、計時した時刻を示す時刻情報を出力する。
制御用メモリ114は、制御部103が各種の制御処理を実行する際に利用する情報を格納する記憶領域である。
【0041】
次に、図5を参照して、本実施形態に係るカメラ1の動作の一例について説明する。図5は、カメラ1が省電力モードあるいは他端末検出モードで動作する場合の処理フローについて説明するためのフローチャートである。なお、本実施形態において、カメラ1は、ユーザから電源をオフする指示が入力された場合、省電力状態Bになることが電源オフ処理設定において、予め決められている。
【0042】
(ステップST1)
カメラ1は、例えば、電源スイッチが押下され、ユーザによって電源のオフが指示された状態である。この場合、カメラ1は、電源オフ処理設定に従い、省電力モードM2で動作する(省電力状態B)。つまり、動作モード切替部131は、制御用メモリ114に登録されている動作モードを、省電力モードM2に切り換える。
そして、カメラ1の制御部103の動作モード切替部131は、省電力モードM2に従い、動作モードを他端末検出モードM3に切り換えるか否かを判定する。例えば、制御部103は、計時部113によって計時された時刻を示す時刻情報に基づき、予め決められた他端末検出モードM3の実行タイミングに到達したか否かを判定する。なお、他端末検出モードの実行タイミングを示す情報は、制御用メモリ114に登録されている。この制御部103は、例えば、電源スイッチが押下され省電力モードM2となったタイミングから一定時間が経過した場合、あるいは、前回の他端末検出モードM3の実行タイミングから一定期間が経過した場合、他端末検出モードM3の実行タイミングに到達したと判定する。
そして、カメラ1の制御部103の動作モード切替部131は、他端末検出モードM3の実行タイミングに到達したと判定した場合、動作モードを、省電力モードM2から他端末検出モードM3に切り換える。つまり、動作モード切替部131は、制御用メモリ114に登録されている動作モードを、他端末検出モードM3に切り換える。これにより、制御部103は、他端末検出モードM3に従って、以下の処理を実行する。
【0043】
(ステップST2)
制御部103の通信制御部132は、他端末検出モードM3に従って、電源部112からの電力の供給を受けて、近距離通信部102を起動し、近距離通信による通信信号を受信するよう近距離通信部102を制御する。近距離通信部102は、電源部112からの電力の供給を受けて、近距離通信による通信信号の受信待ち状態となる。近距離通信部102は、近距離通信による通信信号を受信した場合、受信した通信信号を制御部103に出力する。
近距離通信部102は、例えば、他のカメラ2の近距離通信の通信エリア内にカメラ1が存在する場合、他のカメラ2から送信される近距離通信による通信信号を受信する。本実施形態において、他のカメラ2は、カメラ2の電源がオンの状態であって動作モードが撮像モードM5に設定されている場合、この状態であることを示す撮像状態通知信号を送信する。
【0044】
(ステップST3)
制御部103の動作モード切替部131は、近距離通信部102が近距離通信による通信信号を受信したか否かを判定する。この制御部103の動作モード切替部131は、近距離通信部102から近距離通信による通信信号を受信するまで、一定時間、通信信号の受信を待つ。なお、一定時間内に通信信号を受信しない場合、動作モード切替部131は、動作モードを、他端末検出モードM3から省電力モードM2に切り換える。
【0045】
(ステップST4)
制御部103の判定部134は、近距離通信部102から近距離通信による通信信号が入力された場合、入力した通信信号に基づき、電源がオンされていない状態において撮像の準備処理を実行するか否かを判定する。本実施形態において、撮像の準備処理を実行する条件(以下、準備処理実行条件)として、少なくとも1つの他のカメラ2から撮像状態通知信号を受信することと予め決められている。
【0046】
(ステップST5)
近距離通信部102から入力した通信信号が他のカメラ2からの撮像状態通知信号でない場合、制御部103の判定部134は、撮像の準備処理を実行しないと判定する。そして、制御部103の通信制御部132は、判定部134の判定結果に基づき、近距離通信部102に対して近距離通信を終了するよう制御する。
そして、カメラ1の制御部103の動作モード切替部131は、動作モードを、他端末検出モードM3から省電力モードM2に切り換える。そして、動作モード切替部131は、ステップST1の処理を実行する。
【0047】
(ステップST6)
一方、近距離通信部102から入力した通信信号が他のカメラ2からの撮像状態通知信号である場合、制御部103の判定部134は、撮像の準備処理を実行すると判定する。そして、動作モード切替部131が、制御用メモリ114に登録されている動作モードを、スタンバイモードM4に切り換える。動作制御部133は、スタンバイモードM4に従って、撮像の準備処理を実行する。つまり、動作制御部133は、電源がオンされていない状態において、撮像の準備処理を実行する。本実施形態において、制御部103の動作制御部133は、この撮像の準備処理として、撮像部101を起動する電源起動準備処理と、撮像部101が撮像指示により被写体を撮像するための撮像設定準備処理とを実行する。なお、撮像の準備処理については、図6を参照して、以下に説明する。
【0048】
次に、図6を参照して、本実施形態に係るカメラ1の動作の一例について説明する。図6は、カメラ1がスタンバイモードM4で動作する場合の処理フローについて説明するためのフローチャートである。
(ステップST11)
カメラ1の制御部103の動作制御部133は、スタンバイモードM4において、ユーザから電源をオンする指示があったか否かを判定する。ここで、ユーザがカメラ1のスイッチボタン141を押下した場合、制御部103の動作制御部133は、ユーザから電源をオンする指示があったと判定する。
【0049】
(ステップST12)
カメラ1の制御部103の動作制御部133は、ユーザから電源をオンする指示がない場合、近距離通信部102が近距離通信による通信信号を受信したか否かを判定する。この制御部103の動作制御部133は、近距離通信部102から近距離通信による通信信号を受信するまで、一定時間、通信信号の受信を待つ。
(ステップST13)
制御部103の判定部134は、近距離通信部102から近距離通信による通信信号が入力された場合、入力した通信信号に基づき、スタンバイモードM4を終了するか否かを判定する。本実施形態において、制御部103の判定部134は、一定時間内に予め決められた数以上の撮像状態通知信号を受信しない場合、スタンバイモードM4を終了すると判定する。本実施形態では、電波状態が悪い場合等も考慮して、制御部103の判定部134は、一定期間において、予め決められた数以上の撮像状態通知信号を近距離通信部102が受信したか否かを判定する。この場合、制御部103の判定部134は、一定期間において近距離通信部102が受信した撮像状態通知信号が予め決められた数以上である場合、撮像の準備処理を継続すると判定する。そして、カメラ1の制御部103の動作制御部133は、ステップST11に戻って、ユーザから電源をオンする指示があったか否かを判定する。
一方、一定期間において近距離通信部102が受信した撮像状態通知信号が予め決められた数未満である場合、制御部103の判定部134は、撮像の準備処理を終了すると判定し、ステップST14に進む。
【0050】
(ステップST14)
カメラ1の制御部103の判定部134は、近距離通信部102から入力した通信信号が他のカメラ2からの撮像状態通知信号でない場合、カメラ1がカメラ2の撮影エリア内に存在していないと判定する。そして、カメラ1の制御部103の動作制御部133は、判定部134の判定結果に基づき、撮像の準備処理を終了する。また、通信制御部132は、近距離通信部102に対して近距離通信を終了するよう制御する。つまり、カメラ1の制御部103の動作制御部133は、起動している撮像部101と近距離通信部102の処理動作を停止させ、電源部112から撮像部101および近距離通信部102への電力供給を停止させる。
そして、カメラ1の制御部103の動作モード切替部131は、動作モードを、スタンバイモードM4から省電力モードM2に切り替える。
【0051】
(ステップST15)
また、ステップST11において、一定時間内に、ユーザから電源をオンする指示があった場合、カメラ1の制御部103の動作制御部133は、カメラ1の電源をオンの状態にする。例えば、制御部103の表示制御部135は、表示部108にカメラビューの画像データに基づく画像を表示させる。また、制御部103の動作制御部133は、操作部104に設定してある操作入力の受け付け禁止設定を解除する。
(ステップST16)
そして、制御部103の動作制御部133は、カメラ1の電源オンが指示された場合に撮像モードM5を実行することが、制御用メモリ114に登録されているか否かを判定する。本実施形態において、電源スイッチ141だけが押下された場合、動作制御部133が、撮像モードM5に従ってカメラ1を起動させることが予め決められている。なお、本実施の形態に係るカメラ1では、再生ボタン143と同時に電源スイッチ141が押下された場合、再生モードでカメラ1を起動させることが予め決められている。
(ステップST17)
電源スイッチ141だけが押下され、撮像モードM5が登録されていると判定した場合、制御部103の撮像モード通知部136は、近距離通信部102から撮像状態通知信号を発信させる。
そして、撮像制御部137は、撮像モードM5に従って、撮像処理を実行する。なお、撮像処理については、図7を参照して、以下に説明する。
【0052】
次に、図7を参照して、本実施形態に係るカメラ1の動作の一例について説明する。図7は、カメラ1が撮像モードM5で動作する場合の処理フローについて説明するためのフローチャートである。
(ステップST21)
カメラ1の制御部103の撮像制御部137は、ユーザからの指示に従い、撮像モードの処理を実行する。例えば、ユーザがシャッターボタン142を押下した場合、撮像部101は、撮像制御部137の制御により、AF(Auto focus)処理を実行し、被写体にピントを合わせる。そして、撮像部101の撮像素子101bは、光学系101aに入射する光学像から画像データを生成させる。そして、A/D変換部101cは、撮像素子101bから入力する画像データをデジタル信号に変換して画像処理部105に出力する。画像処理部105は、画像処理した画像データをワークメモリ106に出力する。
【0053】
(ステップST22)
そして、カメラ1の制御部103の動作モード切替部131は、ユーザから電源をオフする指示があったか否かを判定する。ここで、ユーザがカメラ1のスイッチボタン141を押下した場合、制御部103の動作モード切替部131は、ユーザから電源をオフする指示があったと判定する。
なお、ユーザがカメラ1のスイッチボタン141を押下した場合、動作モード切替部131は、近距離通信部102が近距離通信による通信信号を受信したか否かを判定するものであってもよい。この場合、電源オフが指示された場合、動作モードの切替判定を実行することを示す設定が登録されている。
この制御部103の動作モード切替部131は、近距離通信部102から近距離通信による通信信号を受信するまで、一定時間、通信信号の受信を待つ。一定時間内に通信信号を受信した場合、動作モード切替部131は、動作モードを、スタンバイモードM4に切り換える。一方、一定時間内に通信信号を受信しない場合、動作モード切替部131は、動作モードを、省電力モードM2に切り換える。
(ステップST23)
制御部103の動作モード切替部131は、ユーザから電源をオフする指示があったと判定した場合、動作モードを、スタンバイモードM4に切り換える。そして、制御部103の表示制御部135は、表示部108への電力供給を停止させ、カメラビューの画像の表示を終了させる。また、制御部103の動作制御部133は、操作部104に対して、操作入力の受け付け禁止を設定する。
(ステップST24)
そして、制御部103の撮像モード通知部136は、近距離通信部102に対して、撮像状態通知信号の発信を停止させる。
【0054】
本実施形態において説明した通り、本願発明の一実施形態に係る携帯端末1は、電源がオンされていない状態において、スタンバイ状態Dで待機するか否かを判定する。近距離通信が可能な近くの端末が撮像モードM5で起動している場合、撮像エリア内であると判定してスタンバイ状態Dで待機する。一方、撮像エリア内でないと判定した場合、スタンバイ状態Dよりも消費電力の少ない省電力状態Bで待機する。これにより、電源がオンされていない状態における電力の消費を抑えることができる。
また、スタンバイ状態Dにおいて、表示部108へのライブビュー画像の出力を禁止することにより、スタンバイ状態Dにおける消費電力を抑えることができる。
さらに、スタンバイ状態Dにおいて、撮像の準備処理を実行し、撮像部101を起動させておくことにより、電源がオンされた場合に、ユーザを一定時間(数秒)待たせることなく、すぐに撮像を開始することができる。
【0055】
また、観光地の撮影スポットでは、複数のカメラが撮影モードM5で起動している可能性が高く、また、同一の他のカメラ2が継続して撮像モードM5で起動していなくても、カメラ1,2とも異なる他のカメラが撮像モードM5で起動していれば、撮像状態通知信号を発信している。よって、少なくとも1台の他のカメラが撮像モードM5で起動していれば、カメラ1は、その他のカメラの近距離通信が可能な範囲内に存在していることにより、スタンバイ状態Dで待機することができる。
さらに、本発明に係る携帯端末(カメラ)は、例えば、それぞれ異なる複数の他のカメラから撮像状態通知信号を予め決められた数以上受信した場合、他のカメラの近距離通信の通信エリア内に入っていると判定するものであってもよい。この場合、周りに複数の他のカメラが存在し、かつ、これら他のカメラが撮像モードM5で起動している場合、本発明に係る携帯端末(カメラ)はスタンバイ状態Dで待機することができる。なお、本発明に係る携帯端末(カメラ)は、例えば、他のカメラに割り当てられた固有の識別番号等を含む撮像状態通知信号を受信することにより、異なる他のカメラのそれぞれから送信される撮像状態通知信号であると判定することができる。これにより、本発明に係る携帯端末(カメラ)は、より多くの人が撮像したいと考える撮影スポットにおいてスタンバイ状態Dで待機することができるため、電源をオンする操作を受け付けていない状態において撮像ができる状態で待機するために使用する電力の消費をさらに抑えることができる。
【0056】
なお、本発明は、上述の構成に限られず、例えば、他の通信機器2は、カメラに限られず、例えば、観光地に設置されたサイネージ等の情報発信装置であってもよい。この場合、予め決められた観光スポットにユーザが到着した場合、携帯するカメラ1が省電力状態Bからスタンバイ状態Dに切り換えられる。これにより、ユーザの利便性が向上する。
【0057】
また、本実施形態において、ユーザからは電源をオンする指示がなされていない状態とは、カメラ1の電源をオンする指示がなされていない状態であると説明した。しかし、本願発明はこれに限られず、例えば、携帯端末1がカメラ付き携帯電話であった場合、ユーザからは電源をオンする指示がなされていない状態とは、カメラ機能部を起動していない状態をいう。よって、携帯電話の電源がオンされ、通話機能部を起動している状態であって、カメラ機能部を起動していない状態も、ユーザからは電源をオンする指示がなされていない状態に含まれる。また、携帯端末1がカメラ付きスマートフォンであった場合、スマートフォンの電源がオンされ、インターネット接続機能部を起動している状態であって、カメラ機能部を起動していない状態も、ユーザからは電源をオンする指示がなされていない状態に含まれる。
【0058】
また、本実施の形態に係るカメラ1およびカメラ2は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、動作の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータシステムが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでいう「コンピュータシステム」とは、CPU及び各種メモリやOS、周辺機器等のハードウェアを含むものである。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
【0059】
また、各ステップを実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、また、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、検出対象物の形状情報の推定値を算出する処理を行ってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0060】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0061】
1…携帯端末(カメラ)、
2…他の通信装置(他のカメラ)、
101…撮像部、
102…近距離通信部、
103…制御部、
104…操作部、
105…画像処理部、
106…ワークメモリ部、
107…記録用メモリ、
108…表示部、
109…圧縮処理部、
110…伸長処理部、
111…リサイズ処理部、
112…電源部、
113…計時部、
114…制御用メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学系を介して入射する光学像から画像データを生成する撮像素子を備える撮像部と、
近距離通信を行う他の通信装置から近距離通信により送信される情報を受信する近距離通信部と、
前記近距離通信部が受信した信号に基づき、操作部を介して電源をオンする操作を受け付けていない状態において前記撮像部を起動するか否かを判定し、前記撮像部を起動すると判定した場合、前記撮像部を起動する制御部と、
を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記制御部は、
前記撮像部を起動した状態において、前記操作部を介して前記携帯端末の電源をオンする操作を受け付けた場合、前記携帯端末の電源を投入し、前記撮像部によって生成された前記画像データに基づく画像を表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記制御部は、
前記撮像部を起動すると判定した場合、前記撮像部に前記画像データを生成させるための構成部を動作させることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記制御部は、
前記操作部を介して電源をオンする操作を受け付けていない状態において、当該携帯端末の電源をオフする操作を受け付けた場合、前記近距離通信部が受信した信号に基づき、前記操作部を介して電源をオンする操作を受け付けていない状態において前記撮像部を起動するか否かを判定し、前記撮像部を起動すると判定した場合、少なくとも前記撮像部の起動状態を維持させることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記他の通信装置は、撮像機能を備え、
前記制御部は、
前記他の通信装置から送信される情報を受信した場合、前記他の通信装置が撮像機能を実行可能な状態であるか否かを判定し、前記他の通信装置が撮像機能を実行可能な状態であると判定した場合、前記撮像部を起動すると判定することを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項6】
近距離通信を行う他の通信装置から近距離通信により送信される情報を受信するステップと、
近距離通信により受信した信号に基づき、操作部を介して電源をオンする指示が操作されていない状態において撮像部を起動するか否かを判定し、前記撮像部を起動すると判定した場合、前記撮像部を起動するステップと
を備えることを特徴とする起動制御方法。
【請求項7】
コンピュータを、
近距離通信を行う他の通信装置から近距離通信により送信される情報を受信する手段、
近距離通信により受信した信号に基づき、操作部を介して電源をオンする指示が操作されていない状態において撮像部を起動するか否かを判定し、前記撮像部を起動すると判定した場合、前記撮像部を起動する手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−21642(P2013−21642A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155791(P2011−155791)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】