説明

携帯端末システム、携帯端末、プログラム、記録媒体および携帯端末システムの制御方法。

【課題】現在位置情報の共有状態を安定して長時間継続することができる。
【解決手段】代表端末2は、現在位置情報を取得する位置情報取得手段41と、現在位置情報を各従属端末3に送信するデータ送信手段42と、各従属端末3から、各従属端末3のバッテリー情報を受信するデータ受信手段43と、自身のバッテリー情報と受信したバッテリー情報とに基づいて、次の代表端末2を選定する代表端末選定手段52と、選定結果を送信するデータ送信手段42と、次の代表端末に自身が選定されていない場合、従属端末3に設定変更を行うリスト更新手段53とを備え、各従属端末3は、バッテリー情報を送信するデータ送信手段62と、次の代表端末2に自身が選定された場合、代表端末2に設定変更を行うリスト更新手段64と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在位置情報を必要とし、且つバッテリー動作すると共に無線通信可能な複数の携帯端末から成る携帯端末システム、携帯端末、プログラム、記録媒体および携帯端末システムの制御方法。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯端末システムとして、複数のGPS受信端末のうちの1つのGPS受信端末を代表端末と定めたGPS受信端末システムが知られている(特許文献1参照)。このGPS受信端末システムでは、代表端末は、複数のGPS衛星からの測位信号を受信し現在位置情報(GPS位置情報)を連続的もしくは定期的に取得する。一方、従属端末(代表端末以外のGPS受信端末)は、代表端末の近距離無線通信エリア内で通信可能であれば代表端末とほぼ同一の場所にいると判断し、GPS測位は行わず代表端末より近距離無線通信を通じて定期的にGPS位置情報を受信する。そして、代表端末は自己で取得した現在位置情報をもとに、画面上に現在位置を更新、表示し、従属端末は、代表端末より送信された現在位置情報をもとに、画面上に現在位置を更新、表示する。このように、代表端末が取得した現在位置情報を複数のGPS受信端末間で共有することで、複数のGPS受信端末の消費電力を抑えている。また、この際、代表端末に電力消費が集中することを考慮して、代表端末を定期的に入れ替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−117241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、GPS受信機能を搭載したスマートフォンや携帯電話の普及に伴い、当該GPS受信機能を活用したナビゲーションアプリケーションやゲームアプリケーションが増加している。そこで、上記の構成を利用して、現在位置情報を共有することで、複数の携帯電話の消費電力を抑えることが考えられる。
しかしながら、上記の構成では、代表端末を入れ替える際、バッテリー残量が低下した携帯電話を代表端末としてしまう場合がある。すると、現在位置情報の取得と、従属端末への現在位置情報の送信と、によってバッテリー残量が無くなってしまい、現在位置情報の取得・送信が滞ってしまう。すなわち、現在位置情報の共有状態を安定して長時間継続することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、現在位置情報の共有状態を安定して長時間継続することができる携帯端末システム、携帯端末、プログラム、記録媒体および携帯端末システムの制御方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の携帯端末システムは、現在位置情報を必要とし、且つバッテリー動作すると共に無線通信可能な複数の携帯端末から成り、当該複数の携帯端末が、1台の代表端末とそれ以外の1台以上の従属端末として機能する携帯端末システムであって、代表端末は、衛星からの信号受信により現在位置情報を取得する現在位置情報取得部と、取得した現在位置情報を各従属端末に送信する現在位置情報送信部と、各従属端末から、各従属端末のバッテリー消費状況を示す消費情報を受信する消費情報受信部と、自身のバッテリー消費状況を示す消費情報と、受信した各従属端末の消費情報と、に基づいて、複数の携帯端末から、次の代表端末を選定する代表端末選定部と、代表端末選定部の選定結果を、各従属端末に送信する選定結果送信部と、選定結果から、次の代表端末に自身が選定されなかったと判定した場合、従属端末として機能するための設定変更を行う設定変更部と、を備え、各従属端末は、消費情報を代表端末に送信する消費情報送信部と、代表端末から送信された選定結果から、次の代表端末に自身が選定されたと判定した場合、代表端末として機能するための設定変更を行う設定変更部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この場合、代表端末選定部は、複数の携帯端末のうち、バッテリー残量が最も多い携帯端末を、代表端末として選定することが好ましい。
【0008】
本発明の携帯端末システムの制御方法は、現在位置情報を必要とし、且つバッテリー動作すると共に無線通信により通信可能な複数の携帯端末から成り、当該複数の携帯端末が、1台の代表端末とそれ以外の1台以上の従属端末として機能する携帯端末システムの制御方法であって、代表端末は、衛星からの信号受信により現在位置情報を取得する現在位置情報取得ステップと、取得した現在位置情報を各従属端末に送信する現在位置情報送信ステップと、各従属端末から、各従属端末のバッテリー消費状況を示す消費情報を受信する消費情報受信ステップと、自身のバッテリー消費状況を示す消費情報と、受信した各従属端末の消費情報と、に基づいて、複数の携帯端末から、次の代表端末を選定する代表端末選定ステップと、代表端末選定ステップにおける選定結果を、各従属端末に送信する選定結果送信ステップと、選定結果から、次の代表端末に自身が選定されなかったと判定した場合、従属端末として機能するための設定変更を行う設定変更ステップと、を実行し、各従属端末は、消費情報を代表端末に送信する消費情報送信ステップと、代表端末から送信された選定結果から、次の代表端末に自身が選定されたと判定した場合、代表端末として機能するための設定変更を行う設定変更ステップと、を実行することを特徴とする。
【0009】
これらの構成によれば、次の代表端末の選定(入れ替え)を、各携帯端末のバッテリー消費状況に基づいて行うので、バッテリー残量が低下した携帯端末を代表端末にしてしまうことがない。そのため、現在位置情報の共有状態を安定的に長時間継続することができる。なお、「バッテリー消費状況」としては、例えば、具体的な数値としてのバッテリー残量や、完全蓄電状態に対するバッテリーの残量割合、ひいては、具体的な数値としてのバッテリーの消費量や、完全蓄電状態に対するバッテリーの消費割合等が考えられる。また、「消費情報に基づいて、代表端末を選定する」構成として、例えば、バッテリー残量が最も多い携帯端末を代表端末とする構成や、バッテリー残量が最も少ない携帯端末を代表端末の選定候補から除外する構成、バッテリーの消費情報に応じて選定時の優先度を決定する構成が考えられる。なお、無線通信は、通信可能距離を近距離(100m以下、さらに言えば20m以下)とする無線通信であることが好ましく、例えば、近接場型の近距離無線通信や光無線通信等が考えられる。
【0010】
上記の携帯端末システムにおいて、代表端末選定部は、自身のバッテリー残量が、設定された閾値に達したとき、代表端末の選定を行うことが好ましい。
【0011】
この構成によれば、代表端末のバッテリー残量が閾値を越えることがないため、代表端末のバッテリー残量が無くなるのを、確実に回避することができる。
【0012】
この場合、代表端末選定部は、代表端末の選定を行う都度、段階的に低くなるように閾値を設定変更することが好ましい。
【0013】
この構成によれば、代表端末の選定毎に、閾値を段階的に低くしていくことで、代表端末の選定の間隔を長くすることができ、代表端末の選定が頻繁に実行されることを防止することができる。
【0014】
上記の携帯端末システムにおいて、代表端末選定部は、前回の代表端末の選定から所定期間経過したとき、代表端末の選定を行うことが好ましい。
【0015】
この構成によれば、定期的に代表端末の選定が行われるため、複数の携帯端末におけるバッテリー残量を平均的に進行させることができる。
【0016】
一方、各従属端末は、代表端末との無線通信が切断されたとき、上記1台以上の従属端末のうち、自身のバッテリー残量が最も多いか否かを判定する切断時消費判定部と、自身のバッテリー残量が最も多いと判定された場合、代表端末として機能するための設定変更を行う切断時設定変更部と、を更に備えることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、不慮に代表端末との無線通信が切断されたとしても、現在位置情報の共有状態を自動的に復帰することができる。
【0018】
この場合、代表端末は、自身のバッテリー消費状況を示す消費情報と、受信した各従属端末の消費情報とを含む消費情報リストを、各従属端末に定期的に送信する消費情報リスト送信部を、更に備え、切断時消費判定部は、代表端末から送信された消費情報リストに基づいて、判定を行うことが好ましい。
【0019】
この構成によれば、代表端末が切断される可能性を考慮して、代表端末から各従属端末に、全ての携帯端末のバッテリーの消費情報(消費情報リスト)を予め送信し、当該情報を共有しておくことで、代表端末が切断された際にも、現在位置情報の共有状態を迅速に復帰することができる。
【0020】
この場合、各携帯端末は、所定のアプリケーションが起動されており、代表端末は、所定のアプリケーションを起動しており且つ無線通信可能な新たな携帯端末から、当該携帯端末の端末情報を受信する端末情報受信部と、受信した端末情報に基づいて、当該携帯端末を、本携帯端末システムの構成要素とする端末追加部と、を更に備えることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、新たな携帯端末を、自動的に携帯端末システムの構成要素とし、携帯端末システムに追加することができるため、携帯端末システムを柔軟に拡大することができ、取得した現在位置情報を効果的に利用することができる。
【0022】
本発明の携帯端末は、上記の携帯端末システムに適用されることを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、現在位置情報を共有する機能を有することで、消費電力を削減することができる。
【0024】
本発明のプログラムは、コンピューターを、上記の携帯端末における各部として機能させることを特徴とする。
【0025】
本発明の記録媒体は、上記のプログラムを記録したコンピューター読み取り可能なものであることを特徴とする。
【0026】
これらの構成によれば、コンピューターに本プログラムを搭載するだけで、上記の携帯端末を容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施形態に係る携帯端末システムを示したシステム構成図である。
【図2】携帯端末を示したブロック図である。
【図3】携帯端末システムを示した機能ブロック図である。
【図4】端末管理リストの一例を示した図である。
【図5】周期動作を示したフローチャートである。
【図6】代表端末交代処理を示したフローチャートである。
【図7】切断時対処動作を示したフローチャートである。
【図8】新規携帯端末の起動処理を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係る携帯端末システム、携帯端末、プログラム、記録媒体および携帯端末システムの制御方法について説明する。本実施形態では、本発明を適用した携帯端末システムを例示する。この携帯端末システムは、現在位置情報を必要とすると共に近距離無線通信により無線通信可能な複数の携帯端末を1のグループとし、当該グループ内の1台の携帯端末(代表端末)が取得した現在位置情報(GPS位置情報)をグループ内で共有するものである。
【0029】
図1は、携帯端末システムSYを示したシステム構成図である。図1に示すように、携帯端末システムSYは、近距離無線通信装置13を有すると共にバッテリー動作する複数の携帯端末1を構成要素とし、当該複数の携帯端末1を近距離無線通信により相互に接続して構成されている。また、各携帯端末1は、所定のアプリケーションを起動しており、且つ近距離無線通信により相互に通信可能になっている。
【0030】
複数の携帯端末1は、設定により、1台の代表端末2と、それ以外の1台以上の従属端末3としてそれぞれ機能しており、代表端末2および各従属端末3が近距離無線通信により相互に接続されている。代表端末2と従属端末3との設定は、適宜変更可能に構成されている。
【0031】
図2に示すように、各携帯端末1は、蓄電した電気を供給するバッテリー11と、GPS衛星(衛星)からのGPS信号を受信して現在位置情報を取得するGPS受信装置12と、他の携帯端末1との近距離無線通信を行う近距離無線通信装置13と、これらを制御する制御装置14と、各種データを記憶するフラッシュROM34と、を備えている。なお、ここにいう携帯端末1は、例えば、スマートフォン、携帯電話や携帯情報端末(PDA)等を想定している。
【0032】
GPS受信装置12は、アンテナによりGPS信号を受信し、受信したGPS信号に基づいて、現在位置情報(緯度および経度)を算出する。近距離無線通信装置13は、いわゆる近接場型の無線通信装置であり、近距離(例えば20m以下)の無線通信を可能としている。
【0033】
制御装置14は、CPU31、ROM32およびRAM33から成る。CPU31は、中央処理装置であり、各種演算処理を行う。なお、特に図示しないが、CPU31は、現在時刻を計時するタイマを有している。ROM32は、CPU31が各種演算処理を行うための制御プログラムを記憶し、RAM33は、CPU31が各種演算処理を行う際のワークエリアとして用いられる。
【0034】
フラッシュROM34は、現在位置情報と、後述の接続端末管理リストと、を記憶する。また、位置情報取得用のプログラムを記憶している。このプログラムは、上記所定のアプリケーション(ゲームアプリケーションやナビゲーションアプリケーション)に含まれるものであり、これを実行することで、図3に示す各機能を構成している。
【0035】
ここで図3を参照して携帯端末システムSYの機能構造について説明する。図3に示すように、携帯端末システムSYは、1台の代表端末2と、1台以上の従属端末3とから構成されている。代表端末2は、位置情報取得手段(現在位置取得部)41と、データ送信手段(現在位置情報送信部、選定結果送信部および消費情報リスト送信部)42と、データ受信手段(消費情報受信部および端末情報受信部)43と、バッテリー情報取得手段48と、実行判定手段51と、代表端末選定手段(代表端末選定部)52と、リスト更新手段(設定変更部、端末追加部)53と、接続状態監視手段47と、を備えている。また、代表端末2は、フラッシュROM34を主要部とする位置情報バッファ45および端末管理データベース46を備えている。
【0036】
位置情報取得手段41は、GPS受信装置12を主要部とし、代表端末2自身の現在位置情報を取得する。データ送信手段42は、近距離無線通信装置13を主要部とし、主に現在位置情報および後述の端末管理リストを、各従属端末3に送信する。データ受信手段43は、近距離無線通信装置13を主要部とし、主に各従属端末3からのバッテリー情報を受信する。バッテリー情報取得手段48は、自身のバッテリー11のバッテリー残量(バッテリー消費状況)を示すバッテリー情報(消費情報)を取得する。
【0037】
位置情報バッファ45は、取得した現在位置情報を記憶する。端末管理データベース46は、端末管理リスト(消費情報リスト)を記憶する。図4に示すように、端末管理リストは、携帯端末1毎の情報を記憶したリストであり、携帯端末1毎に、当該携帯端末1の端末名と、当該携帯端末1の近距離無線通信装置13の近距離無線通信装置IDと、当該携帯端末1の代表端末2(M)および従属端末3(S)の設定(以下、M/S設定)と、当該携帯端末1のバッテリー11のバッテリー残量と、バッテリー残量を取得した時刻と、を記憶している。なお、端末管理データベース46上の端末管理リストの、自身の携帯端末1におけるM/S設定は、そのまま、自身のM/S設定として扱う。
【0038】
実行判定手段51は、代表端末2を交代する代表端末交代処理を実行するか否かの実行判定を行う。代表端末選定手段52は、代表端末交代処理において、次の代表端末2を選定する。リスト更新手段53は、代表端末選定手段52の選定結果や、得られたバッテリー情報に基づいて、端末管理データベース46上の端末管理リストを更新する。
【0039】
接続状態監視手段47は、近距離無線通信装置13による他の携帯端末1との無線通信の接続状態を監視し、無線通信が切断された携帯端末1を検出する。
【0040】
従属端末3は、バッテリー情報取得手段61と、データ送信手段(消費情報送信部)62と、データ受信手段63と、リスト更新手段(設定変更部および切断時設定変更部)64と、GPS管理手段65と、接続状態監視手段66と、端末判定手段(切断時消費判定部)67と、を備えている。また、従属端末3は、代表端末2と同様、位置情報バッファ45と端末管理データベース46と、を備えている。バッテリー情報取得手段61は、自身のバッテリー11のバッテリー残量(バッテリー消費状況)を示すバッテリー情報(消費情報)を取得する。データ送信手段62は、近距離無線通信装置13を主要部とし、主に、取得したバッテリー情報を代表端末2に送信する。データ受信手段63は、近距離無線通信装置13を主要部とし、主に現在位置情報および端末管理リストを代表端末2から受信する。
【0041】
位置情報バッファ45は、受信した現在位置情報を記憶する。位置情報バッファ45に記憶された現在位置情報が、上記の所定のアプリケーション(ゲームアプリケーションやナビゲーションアプリケーション)に利用される。端末管理データベース46は、端末管理リストを記憶する。リスト更新手段64は、受信した端末管理リストにより、端末管理データベース46上の端末管理リストを上書きする。なお、代表端末2と同様、端末管理データベース46上の自身の携帯端末1のM/S設定が、そのまま、自身のM/S設定として扱われる。
【0042】
GPS管理手段65は、GPS受信装置12の電源をON/OFFの切り替えを行う。すなわち、本従属端末3が代表端末2に設定変更される際に、GPS受信装置12を起動して、電源をOFFからONに切り替える。一方、代表端末2から従属端末3になった後に、GPS受信装置12を停止して、電源をONからOFFに切り替える。
【0043】
接続状態監視手段66は、近距離無線通信装置13による他の携帯端末1との無線通信の接続状態を監視し、無線通信が切断された携帯端末1を検出する。端末判定手段67は、代表端末2との無線通信が切断された際、全ての従属端末3の中で、自身のバッテリー残量が最も高いか否かを判定し、自身を新たな代表端末2にするか否かを決定する。
【0044】
ここで図5を参照して、携帯端末システムSYによって行われる周期動作について説明する。周期動作は、定期的に行われる動作であり、位置情報共有処理(S1ないしS5)、リスト共有処理(S1、S3、S4およびS6)、バッテリー更新処理(S7ないしS11)および代表端末交代処理(S14)を実行する(ただし、代表端末交代処理は、周期動作の都度、実行判定(S12)により実行の有無を決定する)。位置情報共有処理は、代表端末2が取得した現在位置情報を、従属端末3に送信して共有する。リスト共有処理は、代表端末2が更新した端末管理リストを、従属端末3に送信して共有する。バッテリー更新処理は、各携帯端末1のバッテリー情報を取得して、最新のものに更新する。代表端末交代処理は、グループ内の携帯端末1におけるM/S設定を変更し、代表端末2を交代する。周期動作では、これらの処理を一連の動作として実行する。
【0045】
図5に示すように、周期動作では、まず、代表端末2は、位置情報取得手段41により、自身の現在位置情報を取得して(S1:現在位置情報取得ステップ)、自身の位置情報バッファ45に記憶する(S2)。そして、データ送信手段42により、取得した現在位置情報と、端末管理データベース46に記憶した端末管理リスト(選定結果)とを、各従属端末3に送信する(S3:現在位置情報送信ステップ)。
【0046】
一方、各従属端末3は、データ受信手段43により、代表端末2からの現在位置情報および端末管理リストを受信し(S4)、受信した現在位置情報を、自身の位置情報バッファ45に記憶する(S5)。また、リスト更新手段64により、受信した端末管理リストで、端末管理データベース46上の端末管理リストを上書きする(S6)。これらによって、位置情報共有処理およびリスト共有処理が完了する。
【0047】
次に、各従属端末3は、バッテリー情報取得手段61により、自身のバッテリー情報(バッテリー残量)を取得する(S7)。そして、データ送信手段62により、取得したバッテリー情報と、自身の端末情報(端末名および近距離無線通信装置ID)と、バッテリー情報を取得した取得時刻と、を一体として代表端末2に送信する(S8:消費情報送信ステップ)。
【0048】
これに対し、代表端末2は、各従属端末3からのバッテリー情報、端末情報およびバッテリー情報の取得時刻を受信する(S9:消費情報受信ステップ)。そして、バッテリー情報取得手段48により、自身のバッテリー情報を取得した後(S10)、リスト更新手段53により、受信したこれらの情報と、取得した自身のバッテリー情報とにより、端末管理データベース46上の端末管理リストを書き換える(S11)。これによって、バッテリー情報が最新のものに更新され、バッテリー更新処理が完了する。
【0049】
その後、代表端末2は、実行判定手段51により、代表端末交代処理の実行判定を行う(S12)。この実行判定では、実行判定の時点で、予め設定された実行条件を満たしているか否かを判定する。実行条件は、例えば、「(1)バッテリー残量が設定された閾値に達した。(2)前回の代表端末2の選定からの周期動作の回数が一定回数以上である。(3)前回の代表端末2の選定から所定時間経過している。」の3つから選択設定可能であり、代表端末2や従属端末3の設定画面によって予め選択設定される。なお、代表端末交代処理中の一連の処理の中で、設定画面を表示して、実行条件を選択設定させる構成であっても良い。また、(1)を選択した場合の閾値は、代表端末交代処理を行う都度に、段階的に低くなるように設定変更することが好ましい。例えば、初期の閾値を970mAhとした場合、1度目の代表端末交代処理を終えた後の閾値を、調整値50mAhを初期値970mAhから減算した920mAhとし、その後、代表端末交代処理を終える都度、調整値50mAhずつ、減算していくものとする。
【0050】
実行判定により、実行条件を満たしていないと判定された場合(S13:No)には、代表端末交代処理を実行せずに、本周期動作を終了する。一方、実行条件を満たしていると判定された場合(S13:Yes)には、代表端末交代処理を実行した後(S14)、本周期動作を終了する。
【0051】
次に図6を参照して、代表端末交代処理(S14)について説明する。代表端末交代処理では、1台の代表端末2(旧代表端末)と、本動作において代表端末2に選定された1台の従属端末3(新代表端末候補)と、本動作において代表端末2に選定されなかったその他の従属端末3とで挙動が異なるため、この3つに分けて説明する。なお、処理前の状態では、代表端末2(旧代表端末)は、GPS受信装置12の電源がONになっており、従属端末3(新代表端末候補およびその他の従属端末3)は、GPS受信装置12の電源がOFFになっているものとする。
【0052】
図6に示すように、まず、代表端末2は、代表端末選定手段52により、端末管理データベース46上の端末管理リストに基づいて、全ての携帯端末1の中から次の代表端末2を選定する(S21:代表端末選定ステップ)。具体的には、各携帯端末1のバッテリー残量を参酌し、バッテリー残量が最も多い携帯端末1を次の代表端末2に選定する。
【0053】
選定された携帯端末1が、代表端末2自身(旧代表端末)である場合(S22:Yes)には、代表端末2の交代は不要であるため、本処理を終了する。一方、選定された携帯端末1が、代表端末2自身ではない(いずれかの従属端末3である)場合(S22:No)には、データ送信手段62により、選定された従属端末3(新代表端末候補)に、選定された旨を示す代表端末通知を送信する(S23)。
【0054】
選定された従属端末3(新代表端末候補)は、データ受信手段63により、代表端末通知を受信する(S24)。代表端末通知を受信したら、GPS管理手段65により、GPS受信装置12の起動処理を実行する(S25)。そして、データ送信手段62により、起動処理の結果(起動が成功したか否か)を、代表端末2に送信する(S26)。なお、図示省略するが、起動処理により起動に失敗した場合、その起動結果を受信した代表端末2は、GPS受信装置12の起動に失敗した従属端末3が、再度新代表端末候補とならないように、端末管理データベース46上の端末管理リストを書き換えた上で、代表端末選定処理(S21)からやり直す。例えば、端末管理データベース46上の端末管理リストにおいて、起動に失敗した従属端末3の端末名の先頭に所定のラベルを加え、または、当該従属端末3のバッテリー残量をゼロに書き換える。その他、新たなパラメーターとして失敗回数を端末管理リストに記憶しておくようにしても良い。
【0055】
代表端末2は、データ受信手段43により、起動結果(ここでは起動成功)を受信したら、選定結果を、端末管理データベース46上の端末管理リストに反映させる(S28)。すなわち、自身のM/S設定を代表端末2(M)から従属端末3(S)に書き換え、選定された従属端末3のM/S設定を従属端末3(S)から代表端末2(M)に書き換える。この端末管理データベース46上の端末管理リストの書換えによって、本代表端末2は、従属端末3として機能するように設定変更される(設定変更ステップ)。選定結果を端末管理リストに反映したら、データ送信手段42により、端末管理リストを、自身を除く各従属端末3に送信する(S29:選定結果送信ステップ)。そして、GPS管理手段65により、GPS受信装置12を停止する(S30)。
【0056】
一方、旧代表端末を除く各従属端末3は、データ受信手段63により、旧代表端末から端末管理リストを受信する(S31)。そして、リスト更新手段64により、受信した端末管理リストで、端末管理データベース46上の端末管理リストを上書きする(S32)。この上書きによって、新代表端末候補の従属端末3は、代表端末2として機能するように設定変更される(設定変更ステップ)。これらによって、代表端末交代処理を終了する。
【0057】
ここで図7を参照して、各携帯端末1で行われる切断時対処動作について説明する。代表端末2および各従属端末3では、接続状態監視手段47、66により、いずれかの携帯端末1との無線通信の切断を検出すると、切断時対処動作を実行する。
【0058】
図7に示すように、代表端末2は、接続状態監視手段47により、無線通信が切断された携帯端末1を検出すると(S41:Yes)、リスト更新手段53により、端末管理データベース46上の端末管理リストから、切断された携帯端末1の情報を削除する(S42)。そして、データ送信手段42により、端末管理データベース46上の端末管理リストを、切断されたものを除く各従属端末3に送信する(S43)。
【0059】
一方、従属端末3は、接続状態監視手段47により、無線通信が切断された携帯端末1を検出すると(S44:Yes)、切断された携帯端末1が代表端末2であるか否かを判定する(S45)。代表端末2ではないと判定された場合(S45:No)には、今度は、端末判定手段67により、端末管理リストを参酌して、全ての従属端末3の中で、自身のバッテリー残量が最も高いか否かを判定する(S46)。自身のバッテリー残量が最も高い場合(S46:Yes)、リスト更新手段64により、端末管理データベース46上の端末管理リストにおいて、切断された代表端末2の情報を削除すると共に、自身の携帯端末1のM/S設定を、従属端末3(S)から代表端末2(M)に書き換える(S47)。そして、データ送信手段62により、端末管理データベース46上の端末管理リストを、その他の各従属端末3に送信する(S48)。その後、GPS管理手段65により、GPS受信装置12を起動し(S49)、電源をONにする。
【0060】
一方、切断された携帯端末1が代表端末2である場合(S45:Yes)や、全ての従属端末3の中で、自身よりバッテリー残量が高いものがある場合(S46:No)には、端末管理リストの受信待ちの状態(S50)に移行する。そして、データ受信手段63により、代表端末2や、バッテリー残量が最も高い従属端末3から、端末管理リストを受信したら(S50:Yes)、リスト更新手段64により、受信した端末管理リストで端末管理データベース46上の端末管理リストを上書きする(S51)。これらによって本動作を終了する。
【0061】
以上のような構成によれば、次の代表端末2の選定(入れ替え)を、各携帯端末1のバッテリー残量に基づいて行うので、バッテリー残量が低下した携帯端末1を代表端末2にしてしまうことがない。そのため、現在位置情報の共有状態を安定的に長時間継続することができる。
【0062】
また、代表端末交代処理の実行条件を、「(1)バッテリー残量が設定された閾値に達した。」に設定することで、代表端末2のバッテリー残量が閾値を越えることがないため、代表端末2のバッテリー残量が無くなるのを、確実に回避することができる。
【0063】
さらに、(1)の設定時に、代表端末2の選定毎に、閾値を段階的に低くしていくことで、代表端末2の選定の間隔を長くすることができ、代表端末2の選定が頻繁に実行されることを防止することができる。
【0064】
またさらに、代表端末交代処理の実行条件を、「(2)前回の代表端末2の選定からの周期動作の回数が一定回数以上である。」もしくは「(3)前回の代表端末2の選定から所定時間経過している。」に設定することで、定期的に代表端末2の選定が行われるため、複数の携帯端末1におけるバッテリー残量の低下を平均的に進行させることができる。
【0065】
また、各従属端末3において上記の切断時対処処理を行うことにより、不慮に代表端末2との無線通信が切断されたとしても、現在位置情報の共有状態を自動的に復帰することができる。
【0066】
さらに、代表端末2が切断される可能性を考慮して、代表端末2から各従属端末3に、全ての携帯端末1のバッテリー情報(端末管理リスト)を予め送信し、当該情報を共有しておく(リスト共有処理)ことで、代表端末2が切断された際にも、現在位置情報の共有状態を迅速に復帰することができる。
【0067】
なお、本実施形態においては、近接場を利用した近距離無線通信により、携帯端末1間のデータ通信を行う構成であったが、近距離の無線通信であれば、これに限るものではなく、例えば、赤外線通信等の光無線通信を用いても良い。
【0068】
また、本実施形態においては、代表端末選定手段により、バッテリー消費状況として、バッテリー残量を用いて、代表端末2の選定を行う構成であったが、バッテリー残量に代えて、バッテリー残量率(蓄電完了状態に対するパーセンテージ)を用いても良いし、バッテリーの消費量を用いても良い。
【0069】
さらに、本実施形態においては、代表端末交代処理において、バッテリー残量が最も高い携帯端末1を次の代表端末2に選定する構成であったが、バッテリー消費状況に基づいて、代表端末2を選定する構成であれば、これに限るものではない。例えば、バッテリー残量が最も低い携帯端末1や、バッテリー残量が所定の閾値以下の携帯端末1を、選定候補から除外した上で、残った携帯端末1の中から順番もしくはランダムに、代表端末2を選定する構成であっても良い。また、バッテリー残量に応じて選定時の優先度を決定し、当該優先度と他の要素(例えば、携帯端末1によって装置構成や搭載アプリケーションが異なる場合などに生じる電力消費量の違い)とを併せて、代表端末2を選定する構成であっても良い。
【0070】
またさらに、本実施形態の携帯端末システムSYでは、構成要素となる複数の携帯端末1が相互に接続する構成であったが、従属端末3同士の接続をせずに、代表端末2と各従属端末3とを接続する構成であっても良い。かかる場合、代表端末交代処理や切断時対処動作によって、代表端末2が変更される都度、代表端末2および各従属端末間の接続処理をし直す必要がある。
【0071】
なお、本実施形態においては、携帯端末システムSYを構成する携帯端末1の追加についての記載を省略したが、ユーザーによる設定・操作によって、新たな携帯端末1(以下、新規携帯端末)を構成要素として追加する構成であっても良いし、所定のアプリケーションを起動し且つ近距離無線通信により通信可能な新規携帯端末を自動的に、構成要素として追加する構成であっても良い。ここで図8を参照して、後者の構成に関わる新規携帯端末の起動処理について説明する。この起動処理は、位置情報取得用のプログラムを含む上記所定のアプリケーションの起動に起因して行われる処理であり、携帯端末システムSYに新規携帯端末を所属させる処理である。なお、無線通信可能な携帯端末システムSYが複数存在する場合に、どの携帯端末システムSYに所属させるかを決定する処理とも言える。
【0072】
図8に示すように、新規携帯端末は、まず、近距離無線通信装置13を起動し(S61)、起動できたか否かを判定する(S62)。起動に失敗した場合(S62:No)には、エラー表示を行い(S63)、本処理を終了する。
【0073】
一方、近距離無線通信装置13を起動できた場合(S62:Yes)には、近距離無線通信装置13から接続可能端末リストを取得する(S64)。接続可能端末リストは、新規携帯端末から無線接続可能な他の携帯端末1をリストアップしたものである。
【0074】
接続可能端末リストを取得したら、リストアップした携帯端末1の中から、携帯端末システムSYに属する携帯端末1、すなわち現在位置情報が共有可能な携帯端末1があるか否かを判定する(S65)。この判定方法としては、例えば、予め携帯端末システムSYに属する携帯端末1の端末名の先頭に、所定のラベルを加えておき、接続可能端末リストに表示されるようにしておくことが考えられる。
【0075】
リストアップした携帯端末1の中に、携帯端末システムSYに属する携帯端末1がない場合(S65:No)には、GPS受信装置12の起動処理を行う(S66)。この際、起動処理が失敗した場合(S67:No)には、エラー表示を行い(S63)、本動作を終了する。一方、起動処理が成功した場合(S67:Yes)には、自身を代表端末2とする端末管理リスト(自身の携帯端末1の情報のみのリスト)を生成し、端末管理データベース46に記憶する(S68)。すなわち、自身を代表端末2とする。
【0076】
これに対し、リストアップした携帯端末1の中に、携帯端末システムSYに属する携帯端末1がある場合(S65:Yes)には、携帯端末システムSYに属する携帯端末1のうちの、1台の携帯端末1を選定し(S69)、当該携帯端末1との接続処理を行う(S70)。なお、ここでの選定方法は、接続可能末リストの最も上の携帯端末1を選定しても良いし、乱数等を使ってランダムで選定しても良い。
【0077】
ここで、選定した携帯端末1との接続処理に成功したら(S71:Yes)、接続した携帯端末1に端末管理リストを要求する(S72)。接続した携帯端末1から端末管理リストを受信したら(S73)、接続した携帯端末1がその携帯端末システムSYの代表端末2であるか否かを判定する(S74)。代表端末2でない場合(S74:No)には、端末管理リストの代表端末2の端末情報に基づいて、当該代表端末2が、接続可能端末リスト上の携帯端末1の中にあるか否かを判定する(S75)。接続可能端末リスト上の携帯端末1の中にある場合(S75:Yes)には、当該代表端末2との接続処理を行う(S76)。
【0078】
代表端末2との接続処理に失敗した場合(S77:No)や、代表端末2が接続可能端末リスト上の携帯端末1の中にない場合(S75:No)、最初の接続処理が失敗した場合(S71:No)には、選定した携帯端末1や代表端末2を、接続可能端末リストから削除して、リストアップした携帯端末1の中に携帯端末システムSYに属する携帯端末1があるか否かの判定(S65)に戻る。すなわち、選定した携帯端末1の携帯端末システムSYに対し接続不能であると判断し、他の携帯端末システムSYへの接続に移行する。
【0079】
一方、代表端末2との接続処理に成功した場合(S77:Yes)や、接続した携帯端末1が代表端末2である場合(S74:Yes)には、自身のバッテリー情報(バッテリー11のバッテリー残量)を取得する(S78)。そして、自身の端末情報(端末名および近距離無線通信装置ID)と、M/S設定(ここでは「S」に設定されている)と、バッテリー情報と、バッテリー情報の取得時刻と、を代表端末2に送信する(S79)。
【0080】
一方、代表端末2は、データ受信手段43により、これらの情報を受信し(S80)、リスト更新手段53により、これらの情報を、端末管理データベース46上の端末管理リストに追加する(S81)。これによって、新規携帯端末が携帯端末システムSYに追加される。そして、データ送信手段42により、端末管理データベース46上の端末管理リストを新規携帯端末に送信する(S82)。この際、各従属端末3にも、この端末管理リストを送信し、共有する。
【0081】
これに対し、新規携帯端末は、代表端末2からの端末管理リストを受信する(S83)。そして、受信した端末管理リストにより、端末管理データベース46上の端末管理リストを上書きする(S84)。これによって、本処理を終了する。
【0082】
このような構成によれば、新規携帯端末を、自動的に携帯端末システムSYの構成要素とし、携帯端末システムSYに追加することができるため、携帯端末システムSYを柔軟に拡大することができ、取得した現在位置情報を効果的に利用することができる。
【符号の説明】
【0083】
1:携帯端末、 2:代表端末、 3:従属端末、 41:位置情報取得手段、 42:データ送信手段、 43:データ受信手段、 52:代表端末選定手段、 53:リスト更新手段、 62:データ送信手段、 64:リスト更新手段、 67:端末判定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置情報を必要とし、且つバッテリー動作すると共に無線通信可能な複数の携帯端末から成り、当該複数の携帯端末が、1台の代表端末とそれ以外の1台以上の従属端末として機能する携帯端末システムであって、
前記代表端末は、
衛星からの信号受信により現在位置情報を取得する現在位置情報取得部と、
取得した前記現在位置情報を前記各従属端末に送信する現在位置情報送信部と、
前記各従属端末から、前記各従属端末のバッテリー消費状況を示す消費情報を受信する消費情報受信部と、
自身のバッテリー消費状況を示す消費情報と、受信した前記各従属端末の前記消費情報と、に基づいて、前記複数の携帯端末から、次の前記代表端末を選定する代表端末選定部と、
前記代表端末選定部の選定結果を、前記各従属端末に送信する選定結果送信部と、
前記選定結果から、次の前記代表端末に自身が選定されなかったと判定した場合、前記従属端末として機能するための設定変更を行う設定変更部と、を備え、
前記各従属端末は、
前記消費情報を前記代表端末に送信する消費情報送信部と、
前記代表端末から送信された選定結果から、次の前記代表端末に自身が選定されたと判定した場合、前記代表端末として機能するための設定変更を行う設定変更部と、を備えたことを特徴とする携帯端末システム。
【請求項2】
前記代表端末選定部は、前記複数の携帯端末のうち、バッテリー残量が最も多い携帯端末を、前記代表端末として選定することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末システム。
【請求項3】
前記代表端末選定部は、自身のバッテリー残量が、設定された閾値に達したとき、前記代表端末の選定を行うことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末システム。
【請求項4】
前記代表端末選定部は、前記代表端末の選定を行う都度、段階的に低くなるように前記閾値を設定変更することを特徴とする請求項3に記載の携帯端末システム。
【請求項5】
前記代表端末選定部は、前回の代表端末の選定から所定期間経過したとき、前記代表端末の選定を行うことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末システム。
【請求項6】
前記各従属端末は、
前記代表端末との無線通信が切断されたとき、前記1台以上の従属端末のうち、自身のバッテリー残量が最も多いか否かを判定する切断時消費判定部と、
自身のバッテリー残量が最も多いと判定された場合、代表端末として機能するための設定変更を行う切断時設定変更部と、を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末システム。
【請求項7】
前記代表端末は、自身のバッテリー消費状況を示す消費情報と、受信した前記各従属端末の前記消費情報を含む消費情報リストを、前記各従属端末に定期的に送信する消費情報リスト送信部を、更に備え、
前記切断時消費判定部は、前記代表端末から送信された前記消費情報リストに基づいて、前記判定を行うことを特徴とする請求項6に記載の携帯端末システム。
【請求項8】
前記各携帯端末は、所定のアプリケーションが起動されており、
前記代表端末は、前記所定のアプリケーションを起動しており且つ無線通信可能な新たな携帯端末から、当該携帯端末の端末情報を受信する端末情報受信部と、
受信した端末情報に基づいて、当該携帯端末を、本携帯端末システムの構成要素とする端末追加部と、を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末システム。
【請求項9】
請求項1に記載の携帯端末システムに適用される携帯端末。
【請求項10】
コンピューターを、請求項9に記載の携帯端末における各部として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。
【請求項12】
現在位置情報を必要とし、且つバッテリー動作すると共に無線通信により通信可能な複数の携帯端末から成り、当該複数の携帯端末が、1台の代表端末とそれ以外の1台以上の従属端末として機能する携帯端末システムの制御方法であって、
前記代表端末は、
衛星からの信号受信により現在位置情報を取得する現在位置情報取得ステップと、
取得した前記現在位置情報を前記各従属端末に送信する現在位置情報送信ステップと、
前記各従属端末から、前記各従属端末のバッテリー消費状況を示す消費情報を受信する消費情報受信ステップと、
自身のバッテリー消費状況を示す消費情報と、受信した前記各従属端末の前記消費情報と、に基づいて、前記複数の携帯端末から、次の前記代表端末を選定する代表端末選定ステップと、
前記代表端末選定ステップにおける選定結果を、前記各従属端末に送信する選定結果送信ステップと、
前記選定結果から、次の前記代表端末に自身が選定されなかったと判定した場合、前記従属端末として機能するための設定変更を行う設定変更ステップと、を実行し、
前記各従属端末は、
前記消費情報を前記代表端末に送信する消費情報送信ステップと、
前記代表端末から送信された選定結果から、次の前記代表端末に自身が選定されたと判定した場合、前記代表端末として機能するための設定変更を行う設定変更ステップと、を実行することを特徴とする携帯端末システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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