携帯端末機のアンテナ装置
【課題】小型化すると共にアンテナ性能を確保できる携帯端末機のアンテナ装置を提供する。
【解決手段】本発明の携帯端末機のアンテナ装置は、給電のための給電部が構成されたメインボードと、前記メインボードを含む少なくとも一つ以上の金属部材に形成されるか、又はこれらの組み合わせで形成されるスロット部と、前記給電部から給電されて前記スロット部を電磁気的にカップリングさせる給電アンテナ部材と、を備える。
【解決手段】本発明の携帯端末機のアンテナ装置は、給電のための給電部が構成されたメインボードと、前記メインボードを含む少なくとも一つ以上の金属部材に形成されるか、又はこれらの組み合わせで形成されるスロット部と、前記給電部から給電されて前記スロット部を電磁気的にカップリングさせる給電アンテナ部材と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末機のアンテナ装置に関し、より詳細には、携帯端末機に具備される少なくとも一つ以上の金属部材を用いてアンテナ性能を確保できるアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、電子通信産業の発展によって移動通信端末機(セルラーフォン)、電子手帳、個人用複合端末などの携帯端末機は、現代社会の必需品になると共に、急変する情報を伝達する重要な手段になっている。
【0003】
このような状況で、携帯端末機は、次第に機能が付加され、その大きさは軽薄短小化している。このように、携帯端末機が軽薄短小化している状況では、限られた空間に複数の構成要素を実装することがより難しくなってきている。周知のように、携帯端末機は、通話、インターネットなどの通信サービスのためのアンテナを具備する。一般的に、アンテナは大きいほど性能が優れている。しかし、限られた空間で所望の性能のアンテナを具現することは困難になってきている。更に、小型化された端末機を補強するか、又は外観を綺麗にするために金属部材の使用が増えており、このような金属部材はアンテナの性能を劣化させる要因になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国特許出願公開第10−2006−0073767号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、携帯端末機を小型化すると共にアンテナ性能を確保できるアンテナ装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、携帯端末機に該当用途のために具備される少なくとも一つ以上の金属部材を用いてアンテナ性能を確保できるアンテナ装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、携帯端末機に具備される少なくとも一つ以上の金属部材に形成されるか、又はこれらの組み合わせで形成されるスロット部を用いて放射するアンテナ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による携帯端末機のアンテナ装置は、給電のための給電部が構成されたメインボードと、少なくとも一つ以上の金属部材に形成されるか、又は金属部材の組み合わせで形成されるスロット部と、前記給電部から給電されて前記スロット部を電磁気的にカップリングさせる給電アンテナ部材と、を備えることを特徴とする。
【0007】
前記スロット部は、前記メインボードの接地面に形成されるか、又は前記メインボードの接地面と少なくとも一つ以上の金属部材とを組み合わせて形成され得る。
前記スロット部は、携帯端末機の外観を形成する金属性ケースフレームに形成されるか、又は前記外観を形成する金属性ケースフレームと少なくとも一つ以上の金属部材とを組み合わせて形成され得る。
前記スロット部は、前記メインボードと連結される当該ユニットを支持又は補強する金属構造物に形成されるか、又は前記金属構造物と少なくとも一つ以上の金属部材とを組み合わせて形成され得る。
前記スロット部は、円形又は多角形であり得、エルボ形であり得る。
前記スロット部は、誘電体又は磁性体で充填され得る。
前記スロット部は、端末機の上部、下部、側部のうちの少なくともいずれか一方に構成され得る。
前記給電アンテナ部材は、前記スロット部内に置かれるか、又は前記スロット部の外に置かれる。
前記給電アンテナ部材は、前記スロット部の溝に沿う形状である。
前記給電アンテナ部材は、一端が前記給電部と電気的に連結され、他端が前記接地面と電気的に連結され得る。
前記給電アンテナ部材は、二つの金属部材の間に介在し得る。
前記給電アンテナ部材は、モノポール(monopole)アンテナ又はループ(loop)アンテナとして作動し得る。
前記給電アンテナ部材は、前記スロット部の共振周波数幅を拡大する。
前記アンテナ装置は、少なくとも一つ以上の共振周波数を形成する。
前記アンテナ装置は、900MHz〜2100MHzの間の少なくとも一つ以上の周波数で共振する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の携帯端末機のアンテナ装置によれば、従来携帯端末機でアンテナ性能を劣化させていた金属部材を、アンテナ性能を確保できる対象として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態による携帯端末機の斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の第3実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【図5】本発明の第4実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【図6】本発明の第5実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態によるアンテナ装置で様々な位置に構成できるスロット部を示す図である。
【図8】携帯端末機に構成された本発明の一実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【図9】携帯端末機に構成された本発明の他の実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【図10】携帯端末機に構成された本発明の更に他の実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【図11】図10のアンテナ装置を具備した携帯端末機の構成を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態によるアンテナ装置の放射特性を示す図である。
【図13】図10によるアンテナ装置の共振特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。以下で本発明を説明するに当たって、関連する公知機能或いは構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明確にするおそれがあると判断される場合、その詳細な説明を省略する。そして、後述する用語は、本発明における機能を考慮して定義された用語であって、これはユーザ、運用者の意図又は慣例などに応じて異なることがある。従って、その定義は本明細書全般に亘る内容に基づいて定めなければならない。
【0011】
本発明は、端末機に該当用途のために具備される少なくとも一つ以上の金属部材を用いてアンテナ性能を確保できるアンテナ装置に関する。本発明は、端末機に具備された金属部材がアンテナ性能を劣化させることなく、むしろアンテナ性能を高められる要素として具現される。本発明のアンテナ装置は、端末機に具備される少なくとも一つ以上の金属部材に形成されるか、又はこれらの組み合わせで形成されるスロット部を用いて放射する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態による携帯端末機の斜視図である。
【0013】
図1に示すように、携帯端末機10は、外観を形成するケースフレーム11と、ケースフレーム11に具備される下記構成要素を含む。携帯端末機10は、公知のディスプレイ12、スピーカ13、マイクロホン14、及びキーボタン15を具備する。
【0014】
一方、携帯端末機10は、通信のための内蔵型アンテナ装置を含み、次の構成を有する。本発明によるアンテナ装置は、端末機に具備される少なくとも一つ以上の金属部材に形成されるか、又はこれらの組み合わせで形成されるスロット部(slot part)に直接的に給電するか、又は間接的に給電して放射させ得る。金属部材は、PCB(Printed Circuit Board)、ディスプレイユニットなどを補強する金属板、バッテリを支持する金属構造物、端末機の外観を綺麗にする金属性ケースフレームなどで構成することができる。
【0015】
本発明のアンテナ装置は、スロット部に電磁気的にカップリング、即ち間接的に給電する。アンテナ装置は、給電のための給電部が構成されたメインボードと、スロットの内部又は外部に置かれてメインボードの給電部と電気的に連結される給電アンテナ部材と、を含む。給電アンテナ部材は給電部から給電されて放射し、スロット部は給電アンテナ部材の放射によって電磁気的にカップリングされて放射する。スロット部は円形、多角形、エルボ形状を有することができる。特に、スロット部は放射性向上のために誘電体又は磁性体で充填され得る。給電アンテナ部材はモノポール(monopole)アンテナ型、ループ(loop)アンテナ型などであり得る。
【0016】
図2は、本発明の第1実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【0017】
図2に示すように、本実施形態によるアンテナ装置200は、スロット部212を形成するスロットアンテナ部材210と、スロット部212内に置かれる給電アンテナ部材220と、給電アンテナ部材220に給電するための給電部213と、を含む。給電アンテナ部材220は給電部213から給電されて放射し、スロットアンテナ部材210のスロット部212は給電アンテナ部材220と電磁気的にカップリングされて放射する。図示するように、スロット部212は細長い溝の形状を有し、給電アンテナ部材220はスロット部212の溝に沿って置かれた形状である。電磁気的にカップリングされる量は給電アンテナ部材220の形状又は大きさとスロット部212との離隔距離などによって決められ、これによりアンテナマッチングが決定される。
【0018】
スロットアンテナ部材210は、一つの金属部材であるか、又は複数の金属部材を組み合わせたものを含む。従って、スロット部212は、一つの金属部材に形成されたものであるか、又は複数の金属部材を組み合わせて形成されたものである。金属部材は、PCB(Printed Circuit Board)、ディスプレイユニットなどを補強する金属板、バッテリを支持する金属構造物、端末機の外観を綺麗にする金属性ケースフレームなどで構成することができる。一例として、スロット部212は、PCBの接地面とPCBと電気的に連結されるディスプレイユニットなどを支持及び補強する板を組み合わせて形成され得る。
【0019】
給電部213は、携帯端末機のメインボード又はPCBに構成され、給電アンテナ部材220とコネクタ手段214を介して電気的に連結される。メインボードは、基本回路と部品を収容する基板であり、端末機の実行環境を設定してその情報を維持し、携帯端末機を安定して駆動させ、携帯端末機の全ての装置のデータの入出力交換を円滑にする部分である。
【0020】
スロットアンテナ部材210はメインボードであり得る。一般に、メインボードは、ノイズ(noise)などの有害要素を低減するための接地面(ground)を構成し、接地面にスロット部212を構成することができる。この時、給電アンテナ部材220はループアンテナ型であり得る。即ち、給電アンテナ部材220は、一端が給電部213と電気的に連結され、他端が接地面と電気的に連結されるループアンテナとして作動し得る。
【0021】
図3は、本発明の第2実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【0022】
図3に示すように、本実施形態によるアンテナ装置300は、スロット部312を形成するスロットアンテナ部材310と、スロット部312の外に置かれる給電アンテナ部材320と、給電アンテナ部材320に給電するための給電部313と、を含む。給電アンテナ部材320は給電部313から給電されて放射し、スロットアンテナ部材310のスロット部312は給電アンテナ部材320と電磁気的にカップリングされて放射する。
【0023】
特に、給電アンテナ部材320は、スロットアンテナ部材310から離隔しながらスロット部312の溝に沿って置かれる形状を有する。
【0024】
スロット部312及びこれに関する内容は、図2を参照して上述したので省略する。
【0025】
図4は、本発明の第3実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【0026】
図4に示すように、本実施形態によるアンテナ装置400は、スロット部412を形成するスロットアンテナ部材410と、スロット部412の外に置かれる給電アンテナ部材420と、給電アンテナ部材420に給電するための給電部413と、を含む。給電アンテナ部材420は給電部413から給電されて放射し、スロットアンテナ部材410のスロット部412は給電アンテナ部材420と電磁気的にカップリングされて放射する。
【0027】
特に、アンテナ装置400は、スロットアンテナ部材410及び給電アンテナ部材420を囲みながら互いに絶縁された金属性の外観部材430を更に含む。給電アンテナ部材420は、スロットアンテナ部材410と外観部材430との間に介在し、スロット部412の溝に沿って置かれる形状を有する。
【0028】
スロット部412及びこれに関する内容は、図2を参照して上述したので省略する。
【0029】
図5は、本発明の第4実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【0030】
図5に示すように、本実施形態によるアンテナ装置500は、図2と同じようにスロットアンテナ部材510と、給電アンテナ部材520と、給電部513と、を含む。但し、スロットアンテナ部材510のスロット部512はジグザグ形状を有し、給電アンテナ部材520はスロット部512の溝に沿って置かれた形状である。
【0031】
図6は、本発明の第5実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【0032】
図6に示すように、本実施形態によるアンテナ装置600は、図3と同じようにスロットアンテナ部材610と、給電アンテナ部材620と、給電部613と、を含む。但し、スロットアンテナ部材610のスロット部612はジグザグ形状を有し、給電アンテナ部材620はスロットアンテナ部材610から離隔しながらスロット部612の溝を覆う形状である。
【0033】
図7は、本発明の一実施形態によるアンテナ装置で様々な位置に構成できるスロット部を示す図である。
【0034】
図7に示すように、携帯端末機に具備される一つの金属部材又は複数の金属部材を組み合わせて形成されるスロット部は、端末機の上部、下部、側部に構成することができる。特に、携帯端末機を掴むユーザの手が放射を妨害しない位置にスロット部を構成することが望ましい。
【0035】
図8は、携帯端末機に構成された本発明の一実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【0036】
図8に示すように、本実施形態によるアンテナ装置800は、外観を形成する金属性ケースフレーム810−1、ケースフレーム810−1と組み合わせてスロット部812を形成する金属部材810−2、スロット部812内に置かれる給電アンテナ部材820、及び給電アンテナ部材820に給電するための給電部813を含む。給電アンテナ部材820は給電部813から給電されて放射し、スロット部812は給電アンテナ部材820と電磁気的にカップリングされて放射する。図示するように、スロット部812は細長い溝の形状を有し、給電アンテナ部材820はスロット部812の溝に沿って置かれた形状である。
【0037】
金属部材810−2は、携帯端末機のメインボード又はディスプレイユニットなどを補強する金属板、バッテリを支持する金属構造物などで構成することができる。メインボードは、携帯端末機の動作全般のために必須のものであり、給電部813が構成される。
【0038】
図9は、携帯端末機に構成された本発明の他の実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【0039】
図9に示すように、本実施形態によるアンテナ装置900は、スロット部912を構成するスロットアンテナ部材910と、スロット部912の外に置かれる給電アンテナ部材920と、給電アンテナ部材920に給電するための給電部913と、を含む。給電アンテナ部材920は給電部913から給電されて放射し、スロットアンテナ部材910のスロット部912は給電アンテナ部材920と電磁気的にカップリングされて放射する。
【0040】
特に、アンテナ装置900は、スロットアンテナ部材910及び給電アンテナ部材920を囲みながら外観を形成する金属性のケースフレーム930を更に含む。ケースフレーム930は、スロットアンテナ部材910及び給電アンテナ部材920を外部から保護し、アンテナ装置の性能が外部要因(例えば、ユーザの手)によって劣化することを防ぐ。ケースフレーム930は、スロットアンテナ部材910及び給電アンテナ部材920と絶縁される。給電アンテナ部材920は、スロットアンテナ部材910とケースフレーム930との間に介在し、スロット部912の溝に沿って置かれる形状を有する。
【0041】
スロットアンテナ部材910は、携帯端末機のメインボード又はディスプレイユニットなどを補強する金属板で構成することができる。メインボードは、携帯端末機の動作全般のために必須のものであり、給電部913が構成される。
【0042】
図10は、携帯端末機に構成された本発明の更に他の実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【0043】
図10に示すように、本実施形態によるアンテナ装置1000は、第1金属部材1010−1、第1金属部材1010−1と組み合わせてスロット部1012を形成する第2金属部材1010−2、スロット部1012の外に置かれる給電アンテナ部材1020、及び給電アンテナ部材1020に給電するための給電部1013を含む。給電アンテナ部材1020は給電部1013から給電されて放射し、スロット部1012は給電アンテナ部材1020と電磁気的にカップリングされて放射する。図示するように、スロット部1012は細長い溝の形状を有し、給電アンテナ部材1020はスロット部1012の溝に沿って置かれた形状である。
【0044】
第2金属部材1010−2は、携帯端末機のメインボード又はディスプレイユニットなどを補強する金属板で構成することができる。第1金属部材1010−1は、第2金属部材1010−2を囲む形で、第2金属部材1010−2を支持する。メインボードは、携帯端末機の動作全般のために必須のものであり、給電部1013が構成される。
【0045】
アンテナ装置1000は、第1金属部材1010−1及び給電アンテナ部材1020を囲みながら携帯端末機の外観を形成する金属性ケースフレーム1030を更に含む。ケースフレーム1030は、第1金属部材1010−1及び給電アンテナ部材1020と絶縁される。ケースフレーム930は、第1金属部材1010−1、第2金属部材1010−2、及び給電アンテナ部材1020を外部から保護し、アンテナ装置の性能が外部要因(例えば、ユーザの手)によって劣化することを防ぐ。給電アンテナ部材1020は、第1金属部材1010−1とケースフレーム1030との間に介在し、スロット部1012の溝に沿って置かれる形状を有する。
【0046】
図11は、図10のアンテナ装置を具備した携帯端末機の構成を示す図である。
【0047】
図11に示すように、携帯端末機10は、アンテナ装置1000の上部を覆う金属性又は非金属性の蓋1031と、アンテナ装置1000の下部を覆うディスプレイユニット1040を含む。上述したように、ディスプレイユニット1040を補強する金属板をアンテナ装置1000に含むことができ、この金属板にスロット部1012を形成することもできる。
【0048】
図12は、本発明の一実施形態によるアンテナ装置の放射特性を示す図である。
【0049】
図12(A)を参照すると、給電アンテナ部材と電磁気的にカップリングされるスロット部は、低周波数f1とこれに対して逓倍された高周波数f1’で共振する。また、本発明によってスロット部内又は外に構成される給電アンテナ部材は、低周波数f2とこれに対して逓倍された高周波数f2’で共振する。図12(B)を参照すると、スロット部と給電アンテナ部材は調和し、多帯域及び広帯域の共振特性を具現できる。
【0050】
図13は、図10によるアンテナ装置の共振特性を示す図である。
【0051】
図13(A)を参照すると、本実施形態によるアンテナ装置1000は、多帯域及び広帯域の共振特性を具現できる。即ち、アンテナ装置1000は、トリプルバンド又はクォーターバンドのための携帯端末機に適用され得る。一例として、本実施形態によるアンテナ装置1000は、900MHz、1800MHz、1900MHz、2100MHzの周波数に亘る帯域で電波を送受信できる。更に、図13(B)を参照すると、この帯域でのアンテナ性能が30%以上確保できることがわかる。
【0052】
結論として、本発明は、携帯端末機でアンテナ性能を劣化させていた金属部材を、アンテナ性能を確保できる対象として利用することができる。
【0053】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0054】
10 携帯端末機
11、810−1、930、1030 ケースフレーム
12 ディスプレイ
13 スピーカ
14 マイクロホン
15 キーボタン
200、300、400、500、600、800、900、1000 アンテナ装置
210、310、410、510、610、910 スロットアンテナ部材
212、312、412、512、612、812、912、1012 スロット部
213、313、413、513、613、813、913、1013 給電部
214、314、414、514、614 コネクタ手段
220、320、420、520、620、820、920、1020 給電アンテナ部材
430 外観部材
810−2 金属部材
1010−1 第1金属部材
1010−2 第2金属部材
1031 蓋
1040 ディスプレイユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末機のアンテナ装置に関し、より詳細には、携帯端末機に具備される少なくとも一つ以上の金属部材を用いてアンテナ性能を確保できるアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、電子通信産業の発展によって移動通信端末機(セルラーフォン)、電子手帳、個人用複合端末などの携帯端末機は、現代社会の必需品になると共に、急変する情報を伝達する重要な手段になっている。
【0003】
このような状況で、携帯端末機は、次第に機能が付加され、その大きさは軽薄短小化している。このように、携帯端末機が軽薄短小化している状況では、限られた空間に複数の構成要素を実装することがより難しくなってきている。周知のように、携帯端末機は、通話、インターネットなどの通信サービスのためのアンテナを具備する。一般的に、アンテナは大きいほど性能が優れている。しかし、限られた空間で所望の性能のアンテナを具現することは困難になってきている。更に、小型化された端末機を補強するか、又は外観を綺麗にするために金属部材の使用が増えており、このような金属部材はアンテナの性能を劣化させる要因になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国特許出願公開第10−2006−0073767号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、携帯端末機を小型化すると共にアンテナ性能を確保できるアンテナ装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、携帯端末機に該当用途のために具備される少なくとも一つ以上の金属部材を用いてアンテナ性能を確保できるアンテナ装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、携帯端末機に具備される少なくとも一つ以上の金属部材に形成されるか、又はこれらの組み合わせで形成されるスロット部を用いて放射するアンテナ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による携帯端末機のアンテナ装置は、給電のための給電部が構成されたメインボードと、少なくとも一つ以上の金属部材に形成されるか、又は金属部材の組み合わせで形成されるスロット部と、前記給電部から給電されて前記スロット部を電磁気的にカップリングさせる給電アンテナ部材と、を備えることを特徴とする。
【0007】
前記スロット部は、前記メインボードの接地面に形成されるか、又は前記メインボードの接地面と少なくとも一つ以上の金属部材とを組み合わせて形成され得る。
前記スロット部は、携帯端末機の外観を形成する金属性ケースフレームに形成されるか、又は前記外観を形成する金属性ケースフレームと少なくとも一つ以上の金属部材とを組み合わせて形成され得る。
前記スロット部は、前記メインボードと連結される当該ユニットを支持又は補強する金属構造物に形成されるか、又は前記金属構造物と少なくとも一つ以上の金属部材とを組み合わせて形成され得る。
前記スロット部は、円形又は多角形であり得、エルボ形であり得る。
前記スロット部は、誘電体又は磁性体で充填され得る。
前記スロット部は、端末機の上部、下部、側部のうちの少なくともいずれか一方に構成され得る。
前記給電アンテナ部材は、前記スロット部内に置かれるか、又は前記スロット部の外に置かれる。
前記給電アンテナ部材は、前記スロット部の溝に沿う形状である。
前記給電アンテナ部材は、一端が前記給電部と電気的に連結され、他端が前記接地面と電気的に連結され得る。
前記給電アンテナ部材は、二つの金属部材の間に介在し得る。
前記給電アンテナ部材は、モノポール(monopole)アンテナ又はループ(loop)アンテナとして作動し得る。
前記給電アンテナ部材は、前記スロット部の共振周波数幅を拡大する。
前記アンテナ装置は、少なくとも一つ以上の共振周波数を形成する。
前記アンテナ装置は、900MHz〜2100MHzの間の少なくとも一つ以上の周波数で共振する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の携帯端末機のアンテナ装置によれば、従来携帯端末機でアンテナ性能を劣化させていた金属部材を、アンテナ性能を確保できる対象として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態による携帯端末機の斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の第3実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【図5】本発明の第4実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【図6】本発明の第5実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態によるアンテナ装置で様々な位置に構成できるスロット部を示す図である。
【図8】携帯端末機に構成された本発明の一実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【図9】携帯端末機に構成された本発明の他の実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【図10】携帯端末機に構成された本発明の更に他の実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【図11】図10のアンテナ装置を具備した携帯端末機の構成を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態によるアンテナ装置の放射特性を示す図である。
【図13】図10によるアンテナ装置の共振特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。以下で本発明を説明するに当たって、関連する公知機能或いは構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明確にするおそれがあると判断される場合、その詳細な説明を省略する。そして、後述する用語は、本発明における機能を考慮して定義された用語であって、これはユーザ、運用者の意図又は慣例などに応じて異なることがある。従って、その定義は本明細書全般に亘る内容に基づいて定めなければならない。
【0011】
本発明は、端末機に該当用途のために具備される少なくとも一つ以上の金属部材を用いてアンテナ性能を確保できるアンテナ装置に関する。本発明は、端末機に具備された金属部材がアンテナ性能を劣化させることなく、むしろアンテナ性能を高められる要素として具現される。本発明のアンテナ装置は、端末機に具備される少なくとも一つ以上の金属部材に形成されるか、又はこれらの組み合わせで形成されるスロット部を用いて放射する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態による携帯端末機の斜視図である。
【0013】
図1に示すように、携帯端末機10は、外観を形成するケースフレーム11と、ケースフレーム11に具備される下記構成要素を含む。携帯端末機10は、公知のディスプレイ12、スピーカ13、マイクロホン14、及びキーボタン15を具備する。
【0014】
一方、携帯端末機10は、通信のための内蔵型アンテナ装置を含み、次の構成を有する。本発明によるアンテナ装置は、端末機に具備される少なくとも一つ以上の金属部材に形成されるか、又はこれらの組み合わせで形成されるスロット部(slot part)に直接的に給電するか、又は間接的に給電して放射させ得る。金属部材は、PCB(Printed Circuit Board)、ディスプレイユニットなどを補強する金属板、バッテリを支持する金属構造物、端末機の外観を綺麗にする金属性ケースフレームなどで構成することができる。
【0015】
本発明のアンテナ装置は、スロット部に電磁気的にカップリング、即ち間接的に給電する。アンテナ装置は、給電のための給電部が構成されたメインボードと、スロットの内部又は外部に置かれてメインボードの給電部と電気的に連結される給電アンテナ部材と、を含む。給電アンテナ部材は給電部から給電されて放射し、スロット部は給電アンテナ部材の放射によって電磁気的にカップリングされて放射する。スロット部は円形、多角形、エルボ形状を有することができる。特に、スロット部は放射性向上のために誘電体又は磁性体で充填され得る。給電アンテナ部材はモノポール(monopole)アンテナ型、ループ(loop)アンテナ型などであり得る。
【0016】
図2は、本発明の第1実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【0017】
図2に示すように、本実施形態によるアンテナ装置200は、スロット部212を形成するスロットアンテナ部材210と、スロット部212内に置かれる給電アンテナ部材220と、給電アンテナ部材220に給電するための給電部213と、を含む。給電アンテナ部材220は給電部213から給電されて放射し、スロットアンテナ部材210のスロット部212は給電アンテナ部材220と電磁気的にカップリングされて放射する。図示するように、スロット部212は細長い溝の形状を有し、給電アンテナ部材220はスロット部212の溝に沿って置かれた形状である。電磁気的にカップリングされる量は給電アンテナ部材220の形状又は大きさとスロット部212との離隔距離などによって決められ、これによりアンテナマッチングが決定される。
【0018】
スロットアンテナ部材210は、一つの金属部材であるか、又は複数の金属部材を組み合わせたものを含む。従って、スロット部212は、一つの金属部材に形成されたものであるか、又は複数の金属部材を組み合わせて形成されたものである。金属部材は、PCB(Printed Circuit Board)、ディスプレイユニットなどを補強する金属板、バッテリを支持する金属構造物、端末機の外観を綺麗にする金属性ケースフレームなどで構成することができる。一例として、スロット部212は、PCBの接地面とPCBと電気的に連結されるディスプレイユニットなどを支持及び補強する板を組み合わせて形成され得る。
【0019】
給電部213は、携帯端末機のメインボード又はPCBに構成され、給電アンテナ部材220とコネクタ手段214を介して電気的に連結される。メインボードは、基本回路と部品を収容する基板であり、端末機の実行環境を設定してその情報を維持し、携帯端末機を安定して駆動させ、携帯端末機の全ての装置のデータの入出力交換を円滑にする部分である。
【0020】
スロットアンテナ部材210はメインボードであり得る。一般に、メインボードは、ノイズ(noise)などの有害要素を低減するための接地面(ground)を構成し、接地面にスロット部212を構成することができる。この時、給電アンテナ部材220はループアンテナ型であり得る。即ち、給電アンテナ部材220は、一端が給電部213と電気的に連結され、他端が接地面と電気的に連結されるループアンテナとして作動し得る。
【0021】
図3は、本発明の第2実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【0022】
図3に示すように、本実施形態によるアンテナ装置300は、スロット部312を形成するスロットアンテナ部材310と、スロット部312の外に置かれる給電アンテナ部材320と、給電アンテナ部材320に給電するための給電部313と、を含む。給電アンテナ部材320は給電部313から給電されて放射し、スロットアンテナ部材310のスロット部312は給電アンテナ部材320と電磁気的にカップリングされて放射する。
【0023】
特に、給電アンテナ部材320は、スロットアンテナ部材310から離隔しながらスロット部312の溝に沿って置かれる形状を有する。
【0024】
スロット部312及びこれに関する内容は、図2を参照して上述したので省略する。
【0025】
図4は、本発明の第3実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【0026】
図4に示すように、本実施形態によるアンテナ装置400は、スロット部412を形成するスロットアンテナ部材410と、スロット部412の外に置かれる給電アンテナ部材420と、給電アンテナ部材420に給電するための給電部413と、を含む。給電アンテナ部材420は給電部413から給電されて放射し、スロットアンテナ部材410のスロット部412は給電アンテナ部材420と電磁気的にカップリングされて放射する。
【0027】
特に、アンテナ装置400は、スロットアンテナ部材410及び給電アンテナ部材420を囲みながら互いに絶縁された金属性の外観部材430を更に含む。給電アンテナ部材420は、スロットアンテナ部材410と外観部材430との間に介在し、スロット部412の溝に沿って置かれる形状を有する。
【0028】
スロット部412及びこれに関する内容は、図2を参照して上述したので省略する。
【0029】
図5は、本発明の第4実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【0030】
図5に示すように、本実施形態によるアンテナ装置500は、図2と同じようにスロットアンテナ部材510と、給電アンテナ部材520と、給電部513と、を含む。但し、スロットアンテナ部材510のスロット部512はジグザグ形状を有し、給電アンテナ部材520はスロット部512の溝に沿って置かれた形状である。
【0031】
図6は、本発明の第5実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【0032】
図6に示すように、本実施形態によるアンテナ装置600は、図3と同じようにスロットアンテナ部材610と、給電アンテナ部材620と、給電部613と、を含む。但し、スロットアンテナ部材610のスロット部612はジグザグ形状を有し、給電アンテナ部材620はスロットアンテナ部材610から離隔しながらスロット部612の溝を覆う形状である。
【0033】
図7は、本発明の一実施形態によるアンテナ装置で様々な位置に構成できるスロット部を示す図である。
【0034】
図7に示すように、携帯端末機に具備される一つの金属部材又は複数の金属部材を組み合わせて形成されるスロット部は、端末機の上部、下部、側部に構成することができる。特に、携帯端末機を掴むユーザの手が放射を妨害しない位置にスロット部を構成することが望ましい。
【0035】
図8は、携帯端末機に構成された本発明の一実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【0036】
図8に示すように、本実施形態によるアンテナ装置800は、外観を形成する金属性ケースフレーム810−1、ケースフレーム810−1と組み合わせてスロット部812を形成する金属部材810−2、スロット部812内に置かれる給電アンテナ部材820、及び給電アンテナ部材820に給電するための給電部813を含む。給電アンテナ部材820は給電部813から給電されて放射し、スロット部812は給電アンテナ部材820と電磁気的にカップリングされて放射する。図示するように、スロット部812は細長い溝の形状を有し、給電アンテナ部材820はスロット部812の溝に沿って置かれた形状である。
【0037】
金属部材810−2は、携帯端末機のメインボード又はディスプレイユニットなどを補強する金属板、バッテリを支持する金属構造物などで構成することができる。メインボードは、携帯端末機の動作全般のために必須のものであり、給電部813が構成される。
【0038】
図9は、携帯端末機に構成された本発明の他の実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【0039】
図9に示すように、本実施形態によるアンテナ装置900は、スロット部912を構成するスロットアンテナ部材910と、スロット部912の外に置かれる給電アンテナ部材920と、給電アンテナ部材920に給電するための給電部913と、を含む。給電アンテナ部材920は給電部913から給電されて放射し、スロットアンテナ部材910のスロット部912は給電アンテナ部材920と電磁気的にカップリングされて放射する。
【0040】
特に、アンテナ装置900は、スロットアンテナ部材910及び給電アンテナ部材920を囲みながら外観を形成する金属性のケースフレーム930を更に含む。ケースフレーム930は、スロットアンテナ部材910及び給電アンテナ部材920を外部から保護し、アンテナ装置の性能が外部要因(例えば、ユーザの手)によって劣化することを防ぐ。ケースフレーム930は、スロットアンテナ部材910及び給電アンテナ部材920と絶縁される。給電アンテナ部材920は、スロットアンテナ部材910とケースフレーム930との間に介在し、スロット部912の溝に沿って置かれる形状を有する。
【0041】
スロットアンテナ部材910は、携帯端末機のメインボード又はディスプレイユニットなどを補強する金属板で構成することができる。メインボードは、携帯端末機の動作全般のために必須のものであり、給電部913が構成される。
【0042】
図10は、携帯端末機に構成された本発明の更に他の実施形態によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【0043】
図10に示すように、本実施形態によるアンテナ装置1000は、第1金属部材1010−1、第1金属部材1010−1と組み合わせてスロット部1012を形成する第2金属部材1010−2、スロット部1012の外に置かれる給電アンテナ部材1020、及び給電アンテナ部材1020に給電するための給電部1013を含む。給電アンテナ部材1020は給電部1013から給電されて放射し、スロット部1012は給電アンテナ部材1020と電磁気的にカップリングされて放射する。図示するように、スロット部1012は細長い溝の形状を有し、給電アンテナ部材1020はスロット部1012の溝に沿って置かれた形状である。
【0044】
第2金属部材1010−2は、携帯端末機のメインボード又はディスプレイユニットなどを補強する金属板で構成することができる。第1金属部材1010−1は、第2金属部材1010−2を囲む形で、第2金属部材1010−2を支持する。メインボードは、携帯端末機の動作全般のために必須のものであり、給電部1013が構成される。
【0045】
アンテナ装置1000は、第1金属部材1010−1及び給電アンテナ部材1020を囲みながら携帯端末機の外観を形成する金属性ケースフレーム1030を更に含む。ケースフレーム1030は、第1金属部材1010−1及び給電アンテナ部材1020と絶縁される。ケースフレーム930は、第1金属部材1010−1、第2金属部材1010−2、及び給電アンテナ部材1020を外部から保護し、アンテナ装置の性能が外部要因(例えば、ユーザの手)によって劣化することを防ぐ。給電アンテナ部材1020は、第1金属部材1010−1とケースフレーム1030との間に介在し、スロット部1012の溝に沿って置かれる形状を有する。
【0046】
図11は、図10のアンテナ装置を具備した携帯端末機の構成を示す図である。
【0047】
図11に示すように、携帯端末機10は、アンテナ装置1000の上部を覆う金属性又は非金属性の蓋1031と、アンテナ装置1000の下部を覆うディスプレイユニット1040を含む。上述したように、ディスプレイユニット1040を補強する金属板をアンテナ装置1000に含むことができ、この金属板にスロット部1012を形成することもできる。
【0048】
図12は、本発明の一実施形態によるアンテナ装置の放射特性を示す図である。
【0049】
図12(A)を参照すると、給電アンテナ部材と電磁気的にカップリングされるスロット部は、低周波数f1とこれに対して逓倍された高周波数f1’で共振する。また、本発明によってスロット部内又は外に構成される給電アンテナ部材は、低周波数f2とこれに対して逓倍された高周波数f2’で共振する。図12(B)を参照すると、スロット部と給電アンテナ部材は調和し、多帯域及び広帯域の共振特性を具現できる。
【0050】
図13は、図10によるアンテナ装置の共振特性を示す図である。
【0051】
図13(A)を参照すると、本実施形態によるアンテナ装置1000は、多帯域及び広帯域の共振特性を具現できる。即ち、アンテナ装置1000は、トリプルバンド又はクォーターバンドのための携帯端末機に適用され得る。一例として、本実施形態によるアンテナ装置1000は、900MHz、1800MHz、1900MHz、2100MHzの周波数に亘る帯域で電波を送受信できる。更に、図13(B)を参照すると、この帯域でのアンテナ性能が30%以上確保できることがわかる。
【0052】
結論として、本発明は、携帯端末機でアンテナ性能を劣化させていた金属部材を、アンテナ性能を確保できる対象として利用することができる。
【0053】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0054】
10 携帯端末機
11、810−1、930、1030 ケースフレーム
12 ディスプレイ
13 スピーカ
14 マイクロホン
15 キーボタン
200、300、400、500、600、800、900、1000 アンテナ装置
210、310、410、510、610、910 スロットアンテナ部材
212、312、412、512、612、812、912、1012 スロット部
213、313、413、513、613、813、913、1013 給電部
214、314、414、514、614 コネクタ手段
220、320、420、520、620、820、920、1020 給電アンテナ部材
430 外観部材
810−2 金属部材
1010−1 第1金属部材
1010−2 第2金属部材
1031 蓋
1040 ディスプレイユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末機のアンテナ装置であって、
給電のための給電部が構成されたメインボードと、
少なくとも一つ以上の金属部材に形成されるか、又は金属部材の組み合わせで形成されるスロット部と、
前記給電部から給電されて前記スロット部を電磁気的にカップリングさせる給電アンテナ部材と、を備えることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記スロット部は、前記メインボードの接地面に形成されるか、又は前記メインボードの接地面と少なくとも一つ以上の金属部材とを組み合わせて形成されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記スロット部は、携帯端末機の外観を形成する金属性ケースフレームに形成されるか、又は前記外観を形成する金属性ケースフレームと少なくとも一つ以上の金属部材とを組み合わせて形成されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記スロット部は、前記メインボードと連結される当該ユニットを支持又は補強する金属構造物に形成されるか、又は前記金属構造物と少なくとも一つ以上の金属部材とを組み合わせて形成されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記スロット部は、円形又は多角形であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記スロット部は、エルボ形であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記スロット部は、誘電体又は磁性体で充填されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項8】
前記スロット部は、端末機の上部、下部、側部のうちの少なくともいずれか一方に構成されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項9】
前記給電アンテナ部材は、前記スロット部内に置かれるか、又は前記スロット部の外に置かれることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項10】
前記給電アンテナ部材は、前記スロット部の溝に沿う形状であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項11】
前記給電アンテナ部材は、一端が前記給電部と電気的に連結され、他端が前記接地面と電気的に連結されることを特徴とする請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項12】
前記給電アンテナ部材は、二つの金属部材の間に介在することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項13】
前記給電アンテナ部材は、モノポール(monopole)アンテナ又はループ(loop)アンテナとして作動することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項14】
前記給電アンテナ部材は、前記スロット部の共振周波数幅を拡大することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項15】
前記アンテナ装置は、少なくとも一つ以上の共振周波数を形成することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項16】
前記アンテナ装置は、900MHz〜2100MHzの間の少なくとも一つ以上の周波数で共振することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項1】
携帯端末機のアンテナ装置であって、
給電のための給電部が構成されたメインボードと、
少なくとも一つ以上の金属部材に形成されるか、又は金属部材の組み合わせで形成されるスロット部と、
前記給電部から給電されて前記スロット部を電磁気的にカップリングさせる給電アンテナ部材と、を備えることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記スロット部は、前記メインボードの接地面に形成されるか、又は前記メインボードの接地面と少なくとも一つ以上の金属部材とを組み合わせて形成されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記スロット部は、携帯端末機の外観を形成する金属性ケースフレームに形成されるか、又は前記外観を形成する金属性ケースフレームと少なくとも一つ以上の金属部材とを組み合わせて形成されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記スロット部は、前記メインボードと連結される当該ユニットを支持又は補強する金属構造物に形成されるか、又は前記金属構造物と少なくとも一つ以上の金属部材とを組み合わせて形成されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記スロット部は、円形又は多角形であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記スロット部は、エルボ形であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記スロット部は、誘電体又は磁性体で充填されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項8】
前記スロット部は、端末機の上部、下部、側部のうちの少なくともいずれか一方に構成されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項9】
前記給電アンテナ部材は、前記スロット部内に置かれるか、又は前記スロット部の外に置かれることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項10】
前記給電アンテナ部材は、前記スロット部の溝に沿う形状であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項11】
前記給電アンテナ部材は、一端が前記給電部と電気的に連結され、他端が前記接地面と電気的に連結されることを特徴とする請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項12】
前記給電アンテナ部材は、二つの金属部材の間に介在することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項13】
前記給電アンテナ部材は、モノポール(monopole)アンテナ又はループ(loop)アンテナとして作動することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項14】
前記給電アンテナ部材は、前記スロット部の共振周波数幅を拡大することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項15】
前記アンテナ装置は、少なくとも一つ以上の共振周波数を形成することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項16】
前記アンテナ装置は、900MHz〜2100MHzの間の少なくとも一つ以上の周波数で共振することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−5431(P2013−5431A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−49332(P2012−49332)
【出願日】平成24年3月6日(2012.3.6)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月6日(2012.3.6)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
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