説明

携帯端末装置

【課題】本発明は、開閉ヒンジ部材及び回転ヒンジ部材からなる2軸ヒンジ機構であって、開閉方向の力が開閉ヒンジ部材に好適に伝達される2軸ヒンジ機構を有する携帯端末装置を提供することを目的とする。
【解決手段】携帯電話機1は、操作部側筐体2と、表示部側筐体3と、連結部4と、操作部側筐体2と連結部4を開閉可能に連結する開閉連結部材40及び表示部側筐体3と連結部4とを回動可能に連結する回動連結部材41と、を有する。この回動連結部材41における連結部4と結合される第2結合部材45には、結合部50、50と、当接部55、55とが形成される。そして、結合部50、50それぞれは、第1平面900の表示部側筐体3側に配置されると共に、当接部55、55それぞれは、第1平面900における結合部50、50とは反対側に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機等の携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯端末装置としての携帯電話機において、複数の筐体からなると共に、互いの筐体を開閉及び回転可能に連結するいわゆる2軸ヒンジ機構を有する携帯電話機が増えている。この2軸ヒンジ機構として、開閉用のヒンジ部材と回転用のヒンジ部材とが一体的に構成された2軸ヒンジ部材が用いられている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−311005号公報
【特許文献2】特開2005−333323号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、特許文献1及び特許文献2に開示された携帯電話機は、一体的に構成された2軸ヒンジ部材を組み付ける際の組み付け作業が複雑になる場合がある。また、この一体的に構成された2軸ヒンジ部材を収容する筐体の構造が複雑になる場合がある。
【0004】
これに対し、一体的な2軸ヒンジ部材ではなく、別体である開閉用のヒンジ部材と回転用のヒンジ部材とより2軸ヒンジ機構を構成することもできる。
【0005】
しかし、別体である2つのヒンジ部材により2軸ヒンジ機構を構成する場合、各ヒンジ部材は、2軸ヒンジ機構を収容する筐体における一端側と他端側とにそれぞれ固定されるため、携帯電話機を開閉させた場合における開閉方向の力が、開閉用のヒンジ部材にうまく伝達されない場合がある。また、この開閉方向の力を開閉用のヒンジ部材にうまく伝達させるためには、2軸ヒンジ機構を収容する筐体の強度を大幅に上げることが必要となる場合がある。
【0006】
本発明は、開閉ヒンジ部材及び回転ヒンジ部材を有する2軸ヒンジ機構であって、開閉方向の力が開閉ヒンジ部材に好適に伝達される2軸ヒンジ機構を有する携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1筐体と、第2筐体と、前記第1筐体と前記第2筐体とを第1回転軸を中心に開閉可能に連結すると共に、前記第1回転軸に直交する第2回転軸を中心に回転可能に連結する連結機構と、を備える携帯端末装置であって、前記連結機構は、前記第1筐体と前記第2筐体との間に配置される第3筐体と、前記第1筐体と前記第3筐体とを前記第1回転軸を中心に相対回転可能に連結する第1連結部材と、前記第2筐体と前記第3筐体とを前記第2回転軸を中心に相対回転可能に連結する第2連結部材と、を備え、前記第2連結部材は、前記第2筐体に結合される第1結合部材と、前記第1結合部材と相対回転可能に連結されると共に、前記第3筐体に結合される第2結合部材とを有し、前記第2結合部材は、前記第1回転軸を含む平面であって前記第2回転軸と垂直な第1平面に対して前記第2筐体側に位置し前記第3筐体に結合される結合部と、前記第1平面に対して前記結合部と反対側に位置し前記第3筐体と当接する当接部と、を有することを特徴とする携帯端末装置に関する。
【0008】
また、前記第3筐体は、前記第1回転軸と前記第2結合部材との間に形成され前記第1回転軸に対して略垂直に立ち上がるように形成される壁部を有し、前記当接部は、前記壁部に対応する位置に配置されることを特徴とすることが好ましい。
【0009】
また、前記結合部は、前記第2回転軸方向において略同じ位置に配置される第1結合部及び第2結合部を有し、前記当接部は、前記第2回転軸方向において略同じ位置に配置される第1当接部及び第2当接部を有し、前記第1結合部及び前記第1当接部は、前記第2回転軸を含む平面であって前記第1回転軸と垂直な第2平面に対して一方側に配置され、前記第2結合部及び前記第2当接部は、前記第2平面に対して前記一方側と反対の他方側に配置されることを特徴とすることが好ましい。
【0010】
また、前記第1結合部及び前記第2結合部それぞれは、前記第1当接部及び前記第2当接部それぞれよりも前記第2平面に近接した位置に配設されることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、開閉ヒンジ部材及び回転ヒンジ部材を有する2軸ヒンジ機構であって、開閉方向の力が開閉ヒンジ部材に好適に伝達される2軸ヒンジ機構を備えた携帯端末装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、以下、携帯端末装置として携帯電話機について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、PHS(Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン等であってもよい。
【0013】
図1から図4により、携帯端末装置としての携帯電話機1における基本構造を説明する。図1は、携帯端末装置としての携帯電話機1を開いた状態(第1開状態)における正面図を示す。また、図2(A)は、携帯電話機1を開いた状態における左側面図を示し、図2(B)は、携帯電話機1を開いた状態における右側面図を示す。また、図3は、携帯電話機1を開いた状態における背面図を示す。図4は、携帯電話機1の表示部側筐体3を、連結部4の回動軸Yを中心にして所定角度回動した状態の斜視図を示す。
【0014】
携帯電話機1は、操作部側筐体2と、表示部側筐体3とを備える。操作部側筐体2と表示部側筐体3とは2軸ヒンジ機構を備える連結部4を介して連結され、該携帯電話機1を開状態及び閉状態に変形可能とすると共に、開状態及び閉状態それぞれにおいて表示部側筐体3を表状態と裏状態とに切り替えることができる。
【0015】
ここで、閉状態とは、両筐体が互いに重なるように配置された状態であり、開状態とは、両筐体が互いに重ならないように配置された状態をいう。そして、開状態における表状態とは、後述する表示部側筐体3における表面3Aに配置されるディスプレイ30と、操作部側筐体2における表面2Aに配置される操作キー群11とが同じ側を向くように配置された状態(図1参照)であり、開状態における裏状態とは、表示部側筐体3におけるディスプレイ30と操作部側筐体2における操作キー群11とが反対側を向くように配置された状態をいう。また、閉状態における表状態とは、表示部側筐体3におけるディスプレイ30が操作部側筐体2における操作キー群11に対向するように配置された状態であり、閉状態における裏状態とは、表示部側筐体3におけるディスプレイ30が操作部側筐体2における操作キー群11と対向せずに表出した状態である。
【0016】
操作部側筐体2は、外面がフロントケース2aとリアケース2bにより構成される。この操作部側筐体2は、フロントケース2a側に、操作キー群11と、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声が入力される音声入力部12とがそれぞれ露出するように構成される。ここで、操作キー群11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するためのテンキー等の入力操作キー14と、各種操作における決定や上下左右方向のスクロール等を行う決定操作キー15と、から構成されている。また、音声入力部12は、操作部側筐体2の長手方向における連結部4側とは反対の外端部側に配置される。つまり、音声入力部12は、携帯電話機1が開状態において一方の外端部側に配置される。
【0017】
操作キー群11を構成する各キーそれぞれには、操作部側筐体2と表示部側筐体3との開閉状態や表裏状態等の変形状態や、起動されているアプリケーションの種類に応じて所定の機能が割り当てられる(キー・アサイン)。携帯電話機1において、操作キー群11を構成する各キーが使用者により押圧されることで、各キーに割り当てられている機能に応じた動作が実行される。
【0018】
操作部側筐体2における一方の側面には、図2(A)に示すように、外部機器(例えば、ホスト装置)とデータの送受信を行うためのインターフェース16と、ヘッドホン/マイク端子17と、着脱可能な外部メモリのインターフェース18と、バッテリを充電するための充電端子19とが設けられている。なお、インターフェース16、ヘッドホン端子/マイク端子17及びインターフェース18は、不使用時において着脱可能な防塵対策用のキャップで覆われている。
【0019】
操作部側筐体2における他方の側面には、図2(B)に示すように、一対のサイドキー20と、撮像時に使用される操作キー21と、電波の受信角度を調整可能な放送波受信用のアンテナ22とが配置される。このサイドキー20には、操作部側筐体2と表示部側筐体3との開閉状態や表裏状態等の変形状態や、起動されているアプリケーションの種類に応じて所定の機能が割り当てられる(キー・アサイン)。ここで、上述と同様に、サイドキー20が使用者により押圧されることで、携帯電話機1においてサイドキー20に割り当てられている機能に応じた動作が実行される。
【0020】
操作部側筐体2のリアケース2bには、図3に示すように、被写体を撮像するカメラ部23と、被写体に光を照射するライト部24とが露出して配置される。このカメラ部23とライト部24とは、操作部側筐体2における連結部4側に配置される。また、操作部側筐体2におけるリアケース2bには、バッテリ収容部92にバッテリ90を装着するための開口92aが形成されると共に、該開口92aを塞ぐようにバッテリリッド25が配置される。
【0021】
また、操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、図1から図3に示すように、2軸ヒンジ機構を備える連結部4を介して連結される。連結部4における一方の面(裏面)には、図3に示すように、副操作キー群33が該携帯電話機1の幅方向(短手方向)において一列に並んで配置される。この副操作キー群33を構成する各キーそれぞれには、操作部側筐体2と表示部側筐体3との開閉状態や表裏状態等の変形状態や、起動されているアプリケーションの種類に応じて所定の機能が割り当てられる(キー・アサイン)。携帯電話機1において、操作キー群11を構成する各キーが使用者により押圧されることで、各キーに割り当てられている機能に応じた動作が実行される。
【0022】
表示部側筐体3は、外面がフロントケース3aとリアケース3bにより構成される。
表示部側筐体3におけるフロントケース3aには、各種情報を表示するための所定形状のディスプレイ30と、通話の相手側における音声を出力する音声出力部31とが露出するように配置される。ここで、音声出力部31は、表示部側筐体3の長手方向における連結部4とは反対の外端部側に配置される。つまり、音声出力部31は、携帯電話機1が開状態において他方の端部側に配置される。
【0023】
また、表示部側筐体3のリアケース3bには、各種情報を表示するためのサブディスプレイ32が露出して配置される。ディスプレイ30及びサブディスプレイ32それぞれは、液晶パネルと、この液晶パネルを駆動する駆動回路と、この液晶パネルの背面側から光を照射するバックライト等の光源部とから構成される。
【0024】
第3筐体としての連結部4は、第1筐体としての操作部側筐体2と第2筐体としての表示部側筐体3とを、第1回転軸としての開閉軸Xを中心にして任意の角度で開閉自在に連結すると共に、第2回転軸としての回動軸Yを中心に任意の角度で回動自在に連結する連結機構としての2軸ヒンジ機構を備える。
【0025】
連結部4は、一方端4a側において第1連結部材としての開閉連結部材40、40により操作部側筐体2の上端部と連結されており、他方端4b側において第2連結部材としての回動連結部材41により表示部側筐体3の下端部と連結されている。
【0026】
連結部4の一方端4aには、該連結部4における表面から垂直に突出するように形成される凸形状の開閉部4cが形成される。そして、操作部側筐体2の上端部には、この凸形状の開閉部4cが挿嵌される凹形状の切り欠き部5が形成される。
【0027】
この開閉部4cの開閉軸X方向における両側それぞれには、孔部Aが形成される。また、操作部側筐体2の切り欠き部5における両内側面には、孔部Bが形成される。そして、凸形状の開閉部4cが、凹形状の切り欠き部5に挿嵌された状態において、孔部Aと孔部Bとは互いに近接して対向するよう配置されると共に、孔部Aと孔部Bとの双方に円筒状の開閉連結部材40、40が挿通される。これにより、操作部側筐体2と表示部側筐体3とは、開閉可能に連結される。ここで、円筒状の開閉部材における一方は、操作部側筐体2内部からの配線が挿通可能に中空状に形成される。
【0028】
また、連結部4は、第1回転軸としての開閉軸Xと、後述する第2結合部材45との間に形成され、開閉軸Xに対して略垂直に立ち上がるように形成される壁部34、34を有する。具体的には、壁部34、34は、開閉部4cの開閉軸X方向における両端であって、開閉連結部材40と後述する第2結合部材45における第2部材との間に形成される。なお、開閉部4cは、操作部側筐体2の上端部に挿嵌される形状であれば良く、特に凸形状に限られず、また、操作部側筐体2の上端部の形状も凹形状に限られない。
【0029】
また、連結部4の他方端4b側と表示部側筐体3の下端部とは、回動連結部材41により回動自在に連結される。連結部4における表示部側筐体3側の側面には、孔部Cが形成される。また、表示部側筐体3における連結部4側の側面には、孔部Dが形成される。そして、孔部Cと孔部Dとの双方に回動連結部材41が挿通されることで、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが回動軸Yを中心に回動可能に連結される。つまり、操作部側筐体2と表示部側筐体3とは、表示部側筐体3の表裏状態を切り替え可能に連結される。
【0030】
携帯電話機1は、上述したように、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが連結部4により開閉及び回動可能に連結される。これにより、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを、開閉軸Xを中心にして開閉させたり、回動軸Yを中心にして回動をさせたりすることで携帯電話機1を様々な状態に変形させることができる。
【0031】
例えば、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが互いに重なる状態である閉状態(第1閉状態)の携帯電話機1を、操作部側筐体2及び表示部側筐体3それぞれにおける開閉軸Xと反対側の端部が、互いに離間するよう開閉軸Xを中心にして開くように変形させることで、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが互いに重ならない開状態(第1開状態)にすることができる。
【0032】
逆に、開状態(第1開状態)の携帯電話機1を、操作部側筐体2及び表示部側筐体3それぞれの開閉軸Xと反対側の端部が、互いに近づくよう開閉軸Xを中心にして閉じるように変形させることで、閉状態(第1閉状態)にすることができる。
【0033】
また、開状態(第1開状態)において、図4に示すように、表示部側筐体3を、回動軸Yを中心に回動させることができる。更には、表示部側筐体3を更に回動軸Yを中心に回転させることで、表示部側筐体3における表裏状態を切り替えることができる。具体的には、表示部側筐体3における表面3Aに配置されるディスプレイ30と、操作部側筐体2における表面2Aに配置される操作キー群11とが同じ側を向く開状態(第1開状態)から、表示部側筐体3が回動軸Yを中心に180度回転されて表示部側筐体3における表面3Aに配置されるディスプレイ30と、操作部側筐体2における表面2Aに配置される操作キー群とが反対側を向く開状態(第2開状態)にすることができる。
【0034】
そして、第2開状態における表示部側筐体3を開閉軸Xを中心にして閉じるよう変形させることで、携帯電話機1を閉状態(第2閉状態)にすることができる。つまり、携帯電話機1は、表示部側筐体3におけるディスプレイ30が、操作部側筐体2における操作キー群11に対向するよう配置された閉状態(第1閉状態)から、表示部側筐体3におけるディスプレイ30が、操作部側筐体2に対向せずに表出した状態である閉状態(第2閉状態、ターンクローズ状態)に変形させることができる。
【0035】
なお、本実施形態においては、連結部4による折り畳み可能な携帯電話機1の説明をしているが、折り畳み式ではなく、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、操作部側筐体2と表示部側筐体3との重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転(リボルバ)でもよい。
【0036】
次いで、図5により、表示部側筐体3の内部構造について説明する。図5は、表示部側筐体3の分解斜視図を示す。
【0037】
表示部側筐体3は、図5に示すように、フロントケース3aと、ディスプレイユニット100と、金属フレーム110と、基準電位部としての基準電位パターン層及びディスプレイ用の電子部品を備える回路基板120と、サブディスプレイユニット130と、リアケース3bと、を備える。
【0038】
フロントケース3aとリアケース3bとは、互いの凹状の内側面が向き合うように配置されると共に、互いの外周縁が重なり合うようにして結合される。また、フロントケース3aとリアケース3bとの間には、ディスプレイユニット100と、金属フレーム110と、回路基板120と、サブディスプレイユニット130とが、フロントケース3a側からこの順番で収納配置される。
【0039】
フロントケース3aは、ケース部材としてのケース体300aと、ケース体300aにおけるディスプレイユニット100とは反対側にその外周部が取り付けられる保護部材としてのトリムプレート300bと、トリムプレート300bにおけるケース体300aとは反対側の面における連結部4側の端部に配置されるカバー部材としてのトリムカバー300cと、を備える。
【0040】
ディスプレイユニット100は、ディスプレイ30と、該ディスプレイ30を固定するホルダーとにより構成されている。ディスプレイユニット100は、ディスプレイ30が開口部37から露出するように配置される。
【0041】
金属フレーム110は断面がH字状の部材であり、フロントケース3a側及びリアケース3b側に、浅い凹状の収容部2が形成される。そして、金属フレーム110におけるフロントケース3a側の収容部にはディスプレイユニット100が収容配置され、リアケース3b側の収容部には回路基板120が収容配置される。ここで、金属フレーム110は、表示部側筐体3における曲げ動作や捩り動作に対する剛性確保のための補強部材及び静電対策用のシールドとして機能する。
【0042】
回路基板120は、上述のように金属フレーム110に形成される収容部に収容配置される。回路基板120におけるリアケース3b側の実装面には、図示しない各種電子部品が配置される。上述した音声出力部31は、回路基板120の実装面における連結部4とは反対の端部側に配置される。また、実装面に配置される各種電子部品は、所定の組み合わせによりディスプレイ30やサブディスプレイ32の表示態様やそのタイミング等の表示制御を行う表示制御ブロック等の回路ブロックを形成する。
【0043】
サブディスプレイユニット130は、サブディスプレイ32と、該サブディスプレイ32とを固定するホルダーとにより構成されている。サブディスプレイユニット130は、リアケース3bと回路基板120とに挟まれるように配置される。つまり、サブディスプレイユニット130は、フロントケース3aとリアケース3bとにより挟み込まれることで加えられる力により、回路基板120を金属フレーム110側に押し付けるように押圧する。また、サブディスプレイユニット130は、上述のように、リアケース3bに形成される窓部3cから表出するように配置される。
【0044】
続けて、図6から図8により、2軸ヒンジ機構における第2連結部材としての回動連結部材41について説明する。図6は、回動連結部材41の構造及び取り付け状態を説明する図を示す。図7は、回動連結部材41の斜視図を示す。図8は、回動連結部材41の取り付け状態を説明する平面図を示す。図9は、回動連結部材41の取り付け状態を説明する断面図を示す。
【0045】
図6から図9に示すように、回動連結部材41は、表示部側筐体3に結合される第1結合部材43と、連結部4に結合される第2結合部材45と、第1結合部材43と第2結合部材45とを相対回転可能に連結する円筒状の軸部材44と、を備える。軸部材44の一端側には第1結合部材43が固定され、他端側には第2結合部材45が配置される。第2結合部材45には軸部材44が挿通可能な挿通孔44aが形成され、挿通孔44aに挿通された軸部材44は、第2結合部材45に回転可能に軸支される。
【0046】
第1結合部材43は、結合部47、47において表示部側筐体3に結合される。具体的には、第1結合部材43に形成される結合孔47b、47bに挿通されるネジ47a、47aにより、金属フレーム110のサブディスプレイユニット130が配置される側の面における端部に結合される。
【0047】
第2結合部材45は、挿通孔44aに挿通される軸部材44により第1結合部材43と相対回転可能に連結される。第2結合部材45は、挿通孔44aが形成される第1部材48と、第1部材48に垂直な第2部材49、49とを有する。第2部材49、49それぞれは、第1部材48の一端から該第1部材48に垂直で回動軸Yと平行な方向に延びるように形成される。具体的には、第2部材49、49それぞれは、回動軸Yを含む平面であって開閉軸Xと垂直な第2平面910(図8参照)を挟むように第2平面910の筐体幅方向(図8における左右方向)両側に配置される。
【0048】
第2部材49、49それぞれは、連結部に統合される結合部50、51を有して構成され、該結合部50、50により連結部4の内側に結合される。具体的には、第2部材49、49それぞれには、第1部材48側に形成される結合孔50b、50bそれぞれが形成され、第2部材49、49それぞれは、該結合孔50b、50bそれぞれに挿通されるネジ50aにより連結部4の内側に結合される。ここで、結合部50、50それぞれは、第2平面910の一方側と他方側とに配置される。また、結合部50、50それぞれは、回動軸Y方向において互いに略同じ位置に形成される。
【0049】
第2部材49、49それぞれは、表示部側筐体3側とは反対の端部側に形成される当接部55、55を有する。具体的には、図8及び図9に示すように、当接部55、55それぞれは、開閉軸Xを含む平面であって回動軸Yと垂直な第1平面900(図8、9参照)に対して、結合部50、50それぞれとは反対側に形成される。また、当接部55、55それぞれは、回動軸Y方向において互いに略同じ位置に形成される。また、当接部55、55それぞれは、図2、4、6に示す壁部34、34に対応する位置に形成される。
【0050】
図8に示すように、第2部材49、49(第2結合部材45、45)において、結合部50、50それぞれは、第1平面900に対して表示部側筐体3側に配置され、当接部55、55それぞれは、第1平面900に対して結合部50、50それぞれが配置された側とは反対側に配置される。
【0051】
また、図8に示すように、第2平面910の一方側には結合部50及び当接部55が配置され、他方側にも同様に結合部50及び当接部55が配置される。この第2平面910の一方側に配置される結合部50及び当接部55と、他方側に配置される結合部50及び当接部55とは、第2平面910に対して線対称になるよう配置される。
【0052】
また、図8に示すように、結合部50、50それぞれは、当接部55、55それぞれよりも、第2平面910に近接した位置に配置される。更に、当接部55、55は、軸部材44と結合部50、50とを結ぶ略直線上に配置されている。
【0053】
続けて、図10により、携帯電話機1における開閉動作について説明する。図10は、閉状態から開状態に変形する途中の携帯電話機1における状態を説明する断面図を示す。
【0054】
図10に示すように、表示部側筐体3における連結部4とは反対側の端部を操作部側筐体2から離間するように移動させることで、携帯電話機1は閉状態から開状態に変形される。つまり、表示部側筐体3における連結部4とは反対側の端部に矢印F1方向の力を加えることで、携帯電話機1は閉状態から開状態に変形される。
【0055】
ここで、2軸ヒンジ機構は一体的に構成されるのではなく、開閉連結部材40と、回動連結部材41により構成されるので、矢印F1方向の力は、開閉連結部材40に直接伝達されず、回動連結部材41及び連結部4を介して開閉連結部材40に伝達される。
【0056】
具体的には、表示部側筐体3に矢印F1方向の力が加えられた場合、第1平面900に対し表示部側筐体3側に配置される結合部50、50それぞれには、矢印F1と同じ方向である矢印F2方向の力が加えられると共に、第1平面900に対し結合部50、50それぞれと反対側に配置される当接部55、55には、矢印F2と反対側の矢印F3が加えられる。そして、連結部4の結合部50、50が結合される部位にも矢印F2方向の力が加えられ、連結部4の当接部55、55が当接する部位にも矢印F3方向の力が加えられる。このように、連結部4に対して開閉軸X周りに上述のようなF2、F3方向の力が加えられることで、携帯電話機1は好適に開状態へと変形される。言い換えると、表示部側筐体3の端部に加えられた矢印F1方向の力は、回動連結部材41を介して開閉連結部材40に好適に伝達される。
【0057】
本実施形態によれば、開閉連結部材40及び回動連結部材41の2つの連結部材を有する2軸ヒンジ機構であって、回動連結部材41が、開閉軸Xを含む平面であって回動軸Yと垂直な第1平面900に対して表示部側筐体3側に位置し連結部4に結合される結合部50、50と、第1平面900に対して結合部50、50と反対側に位置し連結部4と当接する当接部55、55とを有するので、表示部側筐体3に加えられた開閉方向の力が、開閉連結部材40に好適に伝達される2軸ヒンジ機構を有する携帯電話機1を提供できる。
【0058】
また、本実施形態によれば、結合部50、50それぞれが当接部55、55それぞれよりも第2平面910に近接した位置に配設されるので、携帯電話機1に加えられる開閉方向の力が、開閉連結部材40に好適に伝達される。これにより、連結部4を構成するケース部材にかかる荷重を小さくすることができる。また、これにより、連結部4を構成するケース部材の強度を過剰に強くする必要がない。
【0059】
また、本実施形態によれば、当接部55、55それぞれが連結部4の壁部34、34それぞれに対応する位置に配置されるので、当接部55、55に加えられた力が、開閉方向の力として開閉連結部材40に好適に伝達される。
【0060】
また、本実施形態によれば、2軸ヒンジ機構が別体である開閉連結部材40と回動連結部材41とにより構成されるので、連結部4における内部空間を広くすることができる。また、この内部空間に他の部材を配置できるので、筐体内部におけるスペースを有効利用できる。更には、一体的に構成される2軸ヒンジ機構に比べて、組み立て性に優れるので、組み立て作業における作業負荷を軽減できる。
【0061】
以上、本形態の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。例えば、第1結合部材43と第2結合部材45との連結中心と、結合部50、50それぞれと、当接部55、55それぞれと、が略直線上に配置されるようにすることができる。この場合、開閉方向への力が直線的に伝達されるので、開閉動作を好適に行うことができる。
【0062】
また、本実施形態において、結合部50、50と、当接部55、55とは、それぞれ2ずつ形成されるが、これに限定されず、それぞれ1ずつであってもよい。この場合、結合部と当接部とは、連結部4の内面と第2平面910とが交差して形成される中心線上に配置されることが好ましい。また、携帯電話機1に限定されることなく、その他の携帯端末装置に適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】携帯端末装置としての携帯電話機1を開いた状態(第1開状態)における正面図を示す。
【図2】(A)携帯電話機1を開いた状態における左側面図を示し、(B)携帯電話機1を開いた状態における右側面図を示す。
【図3】携帯電話機1を開いた状態における背面図を示す。
【図4】携帯電話機1の表示部側筐体3を、連結部4の回動軸Yを中心にして所定角度回動した状態の斜視図を示す。
【図5】表示部側筐体3の分解斜視図を示す。
【図6】回動連結部材41の構造及び取り付け状態を説明する図を示す。
【図7】回動連結部材41の斜視図を示す。
【図8】回動連結部材41の取り付け状態を説明する平面図を示す。
【図9】回動連結部材41の取り付け状態を説明する断面図を示す。
【図10】閉状態から開状態に変形する途中の携帯電話機1における状態を説明する断面図を示す。
【符号の説明】
【0064】
1 携帯電話機
2 操作部側筐体
3 表示部側筐体
4 連結部
40 開閉連結部材
41 回動連結部材
43 第1結合部材
44 軸部材
45 第2結合部材
50 結合部
55 当接部
900 第1平面
910 第2平面
X 開閉軸
Y 回動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1筐体と、
第2筐体と、
前記第1筐体と前記第2筐体とを第1回転軸を中心に開閉可能に連結すると共に、前記第1回転軸に直交する第2回転軸を中心に回転可能に連結する連結機構と、を備える携帯端末装置であって、
前記連結機構は、
前記第1筐体と前記第2筐体との間に配置される第3筐体と、
前記第1筐体と前記第3筐体とを前記第1回転軸を中心に相対回転可能に連結する第1連結部材と、
前記第2筐体と前記第3筐体とを前記第2回転軸を中心に相対回転可能に連結する第2連結部材と、を備え、
前記第2連結部材は、
前記第2筐体に結合される第1結合部材と、
前記第1結合部材と相対回転可能に連結されると共に、前記第3筐体に結合される第2結合部材とを有し、
前記第2結合部材は、
前記第1回転軸を含む平面であって前記第2回転軸と垂直な第1平面に対して前記第2筐体側に位置し前記第3筐体に結合される結合部と、
前記第1平面に対して前記結合部と反対側に位置し前記第3筐体と当接する当接部と、を有することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記第3筐体は、前記第1回転軸と前記第2結合部材との間に形成され前記第1回転軸に対して略垂直に立ち上がるように形成される壁部を有し、
前記当接部は、前記壁部に対応する位置に配置されることを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記結合部は、前記第2回転軸方向において略同じ位置に配置される第1結合部及び第2結合部を有し、
前記当接部は、前記第2回転軸方向において略同じ位置に配置される第1当接部及び第2当接部を有し、
前記第1結合部及び前記第1当接部は、前記第2回転軸を含む平面であって前記第1回転軸と垂直な第2平面に対して一方側に配置され、
前記第2結合部及び前記第2当接部は、前記第2平面に対して前記一方側と反対の他方側に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記第1結合部及び前記第2結合部それぞれは、前記第1当接部及び前記第2当接部それぞれよりも前記第2平面に近接した位置に配設されることを特徴とする請求項3に記載の携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−180326(P2008−180326A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−15599(P2007−15599)
【出願日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】