説明

携帯端末装置

【課題】フリック入力等によって誤って入力された未確定文字を、簡単な操作で即座に修正することができる携帯端末装置を提供する。
【解決手段】携帯端末装置10は、所定の操作手順に従って文字を入力する日本語テンキー15と、入力された文字を表示する文字表示部16と、携帯端末装置10が叩かれたときの衝撃方向を検出する加速度センサ12と、制御部11とを備える。文字表示部16に入力が確定していない未確定文字を表示させた状態で、加速度センサ12により携帯端末装置10の上・下・左・右・前・後のいずれが叩かれたかを検出し、検出した衝撃方向に基づいて未確定文字を制御部11により修正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置に関し、より詳細には、タッチパネル等による文字入力機能を備えた携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的な携帯電話機の場合、0〜9までの数字キーに、複数の文字やアルファベットを配分させており、文字を入力する場合、文字入力モードにした後に、各数字キー毎に押した回数で入力文字を選ぶ仕組みになっている。例えば、「あ」のキーを3回押下すると、「あ,い,う」の順でトグルし、「う」を選択・入力することができる(以下では、これをキー入力という)。このキー入力の場合、ユーザは小さな数字キーを押し間違えないように気を遣いながら操作しなくてはならず、繁雑な文字入力操作を強いられていた。
【0003】
このような問題に対して、例えば、特許文献1には、押し間違いや繁雑な操作を不要とする情報入力装置が記載されている。この情報入力装置は、文字表示を行う入力表示部と、キーボードの文字配列を記憶する記憶部と、キーボードに配列されているキー配列の一部分をスクロール表示可能なスクロール表示部と、重心部付近に設けられた傾斜センサと、傾斜センサで検出された傾きに応じてキーボードの文字配列をスクロール表示部及び入力表示部に出力する出力部と、入力表示部に表示された文字又は文字列を確定する確定部とを備えている。
【0004】
この特許文献1に記載された情報入力装置では、スクロール表示部にキーボード配列の一部がスクロール可能に表示され、その中心に文字選択領域が設けられている。そして、入力したい文字が文字選択領域に入るように機器本体を傾けて、キーボード配列をスクロールさせる。そして、入力したい文字が文字選択領域に入ったときに、確定部(確定ボタン)を押下すると、確定した文字が入力表示部に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−280796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の文字入力方法、すなわち、機器本体の傾きに応じてキー配列をスクロールさせて文字を入力する方法では、ユーザは機器本体を傾けるために、スクロール表示部を斜め方向から見るようなかたちとなり、スクロール表示部の表示が見にくいという問題がある。また、複数のキーが上下左右方向に加え、斜め方向にも配置されているため、ユーザは機器本体を上下左右、さらには、斜めにも傾けて、スクロールさせる必要があり、操作が繁雑である。
【0007】
これに対して、現在の携帯端末装置は、高機能・多機能になってきており、特にスマートフォン・タブレット端末(以下、単にスマートフォンという)と呼ばれるものではタッチパネルを利用した文字入力が行われている。このスマートフォンにおける文字入力の方法として、フリックと呼ばれる入力方法が知られている。このフリック入力は、ユーザが画面に触れたペンや指を少しだけスライドさせる操作のことをいい、例えば、タッチパネル上の「あ」のキーにユーザが指をおき、「あ」のキーの周囲4方向のいずれかの方向に少しスライドさせることで、各方向に割り当てられた「い」、「う」、「え」、「お」を入力することができる。
【0008】
上記のフリック入力の場合、前述のキー入力の場合や、特許文献1に記載のスクロール入力の場合と比較して、ユーザがタッチパネル上で指を少しスライドさせるだけでよいため、文字入力を簡単に行うことができる。また、特許文献1に記載のスクロール入力のように、機器本体を傾ける必要もないため、文字入力時の視認性を劣化させることもない。しかし、その反面、ユーザの指を意図しない方向にスライドさせてしまうなどの誤入力も発生し易く、フリック入力を使いこなすためにはかなりの習熟が必要とされる。
【0009】
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたもので、フリック入力等によって誤って入力された未確定文字を、簡単な操作で即座に修正することができる携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、所定の操作手順に従って文字を入力する文字入力手段と、該入力された文字を表示する文字表示手段とを備えた携帯端末装置であって、前記文字表示手段に未確定文字を表示させた状態で前記携帯端末装置が叩かれたときの衝撃方向を検出する衝撃検出手段と、該衝撃検出手段により検出された衝撃方向に基づいて前記未確定文字を修正する修正制御手段とを備えたことを特徴としたものである。
【0011】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、複数の文字を所定の配置順に従って行列状に配置した文字修正用テーブルを備え、前記修正制御手段は、前記文字表示手段に未確定文字が表示された状態で前記衝撃検出手段により衝撃方向が検出された場合、前記未確定文字に対応する文字を前記文字修正用テーブルから検索し、該検索した文字を基準文字として、該基準文字と前記衝撃方向に基づいて、前記文字修正用テーブルから修正候補文字を選択し、該選択した修正候補文字を、前記未確定文字の代わりに前記文字表示手段に表示させることを特徴としたものである。
【0012】
第3の技術手段は、第2の技術手段において、前記衝撃方向は、前記携帯端末装置の上部,下部,左側部,右側部,前部,後部のいずれかの方向であることを特徴としたものである。
【0013】
第4の技術手段は、第2又は第3の技術手段において、前記修正制御手段は、前記衝撃方向が前記携帯端末装置の上部,下部,左側部,右側部のいずれの方向であるかを特定し、前記文字修正用テーブルから、前記基準文字の上,下,左,右に位置する文字の中で前記特定した方向と同じ方向に位置する文字を修正候補文字として選択することを特徴としたものである。
【0014】
第5の技術手段は、第2〜第4のいずれか1の技術手段において、前記文字修正用テーブルに配置された複数の文字の所定の配置順は、日本語の50音順であることを特徴としたものである。
【0015】
第6の技術手段は、第1の技術手段において、前記修正制御手段は、前記文字表示手段に未確定文字が表示された状態で前記衝撃検出手段により衝撃方向が検出され、該衝撃方向が前記携帯端末装置の前部,後部のいずれかの方向であると判定した場合、前記未確定文字を消去することを特徴としたものである。
【0016】
第7の技術手段は、第6の技術手段において、前記修正制御手段は、前記未確定文字が消去された後に、さらに、前記衝撃検出手段により衝撃方向が検出され、該衝撃方向が前記携帯端末装置の前部,後部のいずれかの方向であると判定した場合、前記消去した未確定文字を元に戻すことを特徴としたものである。
【0017】
第8の技術手段は、第1〜第7のいずれか1の技術手段において、前記衝撃検出手段は、加速度センサであることを特徴としたものである。
【0018】
第9の技術手段は、第1〜第8のいずれか1の技術手段において、前記文字入力手段は、タッチパネルで構成されていることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、フリック入力等によって誤って入力された未確定文字を、端末本体を叩いたときの衝撃方向に基づき修正することができるため、誤入力された未確定文字を簡単な操作で即座に修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯端末装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】文字修正用テーブルの一例を示す図である。
【図3】携帯端末装置の前部あるいは後部が叩かれたときの文字入力画面の遷移例を示す図である。
【図4】携帯端末装置の左側部あるいは右側部が叩かれたときの文字入力画面の遷移例を示す図である。
【図5】携帯端末装置の上部あるいは下部が叩かれたときの文字入力画面の遷移例を示す図である。
【図6】本発明の携帯端末装置による文字修正方法の一例を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の携帯端末装置に係る好適な実施の形態について説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る携帯端末装置の構成例を示すブロック図で、図中、10は携帯端末装置を示す。この携帯端末装置10は、例えば、タッチパネル機能を搭載したスマートフォンであって、携帯端末装置10の動作を制御するCPUなどで構成される制御部11と、3軸方向の加速度を検出する加速度センサ12と、タッチパネル14と一体的に構成されたディスプレイ部13と、各種データや制御プログラム等を格納するメモリ17とを備えている。
【0023】
ディスプレイ部13は、例えば、タッチパネル14と一体化された液晶ディスプレイで構成されており、所定の操作手順に従って文字を入力する文字入力手段の一例である日本語テンキー15と、日本語テンキー15で入力された文字を表示する文字表示手段に相当する文字表示部16とを備える。日本語テンキー15は、例えば、後述の図3〜図5に示すように、フリック入力を行うための文字配列になっており、タッチパネル14上に設けられている。
【0024】
メモリ17は、例えば、フラッシュメモリやメモリカードなどの記録媒体であり、複数の文字を所定の配置順に従って行例状に配置した文字修正用テーブル18が格納されている。この文字修正用テーブル18は、例えば、図2に示すように、50音順、すなわち、縦に“あいうえお”の文字を並べたものを“あ”の列とし、以下同様に、“か”〜“わ”の各列とし、“あ”の列から“わ”の列までを右から左に向けて並べた行列状(5×10)のテーブルである。なお、図2の例では、文字修正用テーブル18の横方向が行方向、縦方向が列方向とする。
【0025】
図1において、携帯端末装置10は、文字表示部16に入力が確定していない未確定文字を表示させた状態で携帯端末装置10が叩かれたときの衝撃方向を検出する衝撃検出手段の一例である加速度センサ12と、加速度センサ12により検出された衝撃方向に基づいて未確定文字を修正する修正制御手段に相当する制御部11とを備えている。ここでいう未確定文字とは、文字入力時において、入力途中で確定されていない文字のことであり、文字表示部16に表示された未確定文字には、例えば、下線を引く、あるいは、色を変えるなどの処理が施されているため、ユーザは一見して未確定文字を判別できるようになっている。
【0026】
加速度センサ12は、例えば、携帯端末装置10の重心付近に設けられており、これにより、携帯端末装置10のx軸(左右方向)、y軸(上下方向)、z軸(前後方向)の3軸方向における加速度の大きさと向きを検出する。具体的には、ユーザが携帯端末装置10を操作するために手に持ったときの加速度の大きさと向きを初期値とし、携帯端末装置10が叩かれたときの加速度の大きさと向きを検出する。これにより、携帯端末装置10に加えられた衝撃の方向と共に、衝撃の大きさ(衝撃力ともいう)を検出することができる。また、この衝撃力が加わった回数(衝撃回数)やその間隔(衝撃間隔)についても検出することができる。
【0027】
加速度センサ12としては、ピエゾ抵抗効果を利用したピエゾ抵抗方式、静電容量の変化を利用した静電容量方式、圧電効果を利用した圧電方式など、各種の検出方式が知られているが、携帯端末装置10が叩かれたときの衝撃を検出できるものであればよく、いずれの検出方式であってもよい。
【0028】
携帯端末装置10の表示画面側を前部とした場合、表示画面の背面側が後部、表示画面の上側が上部、下側が下部、右側が右側部、左側が左側部となる。例えば、ユーザにより前部が叩かれると、加速度センサ12はこのときの衝撃が前部からであることを検出する。これは、携帯端末装置10の後部、上部、下部、左側部、右側部が叩かれときも同様であり、加速度センサ12は前部、後部、上部、下部、左側部、右側部のうちどの方向からの衝撃であるかを検出する。
【0029】
制御部11は、文字表示部16に未確定文字が表示された状態で加速度センサ12により衝撃方向が検出された場合、未確定文字に対応する文字を文字修正用テーブル18から検索し、検索した文字を基準文字として、その基準文字と衝撃方向に基づいて、文字修正用テーブル18から修正候補文字を選択し、選択した修正候補文字を、未確定文字の代わりに文字表示部16に表示させる。なお、衝撃方向は、携帯端末装置10の上部,下部,左側部,右側部,前部,後部のいずれかの方向である。
【0030】
具体例に基づいて説明すると、制御部11は、加速度センサ12により検出された衝撃方向が携帯端末装置10の上部,下部,左側部,右側部のいずれの方向であるかを特定し、文字修正用テーブル18から、基準文字の上,下,左,右に位置する文字の中で特定した方向と同じ方向に位置する文字を修正候補文字として選択する。なお、携帯端末装置10の前部の方向である場合には、基準文字の1つ前(上)に位置する文字を、また、後部の方向である場合には、基準文字の1つ後(下)に位置する文字を修正候補文字として選択するようにしてもよい。つまり、ユーザは、文字修正用テーブル18の文字配置(本例では50音順)をイメージしながら、携帯端末装置10の上部,下部,左側部,右側部,前部,後部のいずれかを叩くことで、叩いた方向に応じた文字を修正候補文字として文字修正用テーブル18から選択し、この修正候補文字を表示させることができる。
【0031】
例えば、図2の文字修正用テーブル18において、基準文字を「し」とした場合、衝撃方向が携帯端末装置10の上部または前部であれば、「さ」が修正候補文字となり、衝撃方向が携帯端末装置10の下部または後部であれば、「す」が修正候補文字となる。また、衝撃方向が携帯端末装置10の右側部であれば、「き」が修正候補文字となり、衝撃方向が携帯端末装置10の左側部であれば、「ち」が修正候補文字となる。このように、衝撃方向と同じ方向に位置する文字を修正候補文字として選択することで、ユーザは直感的且つ簡単に文字の修正を行うことができる。
【0032】
また、制御部11は、文字表示部16に未確定文字が表示された状態で加速度センサ12により衝撃方向が検出され、その衝撃方向が携帯端末装置10の前部(表示画面側),後部(表示画面の背面側)のいずれかの方向であると判定した場合、文字表示部16から未確定文字を消去するようにしてもよい。そして、制御部11は、未確定文字が消去された後に、さらに、加速度センサ12により衝撃方向が検出され、その衝撃方向が携帯端末装置10の前部,後部のいずれかの方向であると判定した場合、消去した未確定文字を元に戻すこともできる。例えば、携帯端末装置10の前部が叩かれた場合、表示中の未確定文字が消去され、さらに、携帯端末装置10の後部が叩かれた場合、消去された未確定文字を元に戻す、つまり、文字表示部16に再表示される。
【0033】
このように本発明によれば、加速度センサ12により検出される衝撃方向に基づいて、誤入力した文字の修正を簡単且つ即座に行うことができる。この際、加速度センサ12により検出される衝撃方向に基づき基準文字のどの方向(上下左右前後)の文字を選択するかは、予め対応付けておけばよい。また、複数の異なる文字修正用テーブル18をメモリ17に格納しておき、ユーザが使い易いテーブルを選択的に設定できるようにしてもよい。
【0034】
前述したように、加速度センサ12を用いて、携帯端末装置10が叩かれたときの衝撃方向、衝撃の大きさ、衝撃回数、及び衝撃間隔を検出することができる。制御部11は、衝撃方向と、さらに、衝撃の大きさ、衝撃回数、衝撃間隔の1つ以上とに基づいて、未確定文字を修正するようにしてもよい。例えば、携帯端末装置10の上部あるいは前部からの短い間隔の衝撃を2回検出した場合には、未確定文字に濁点あるいは半濁点を付ける。仮に未確定文字が「は」である場合、「ば」あるいは「ぱ」に修正される。また、この「ば」あるいは「ぱ」が表示された状態で、例えば、携帯端末装置10の下部あるいは後部からの短い間隔の衝撃を2回検出した場合には、「は」に戻すようにしてもよい。
【0035】
また、加速度センサ12は、携帯端末装置10が斜めから叩かれたときの衝撃も検出することができる。例えば、携帯端末装置の斜め右上部が叩かれた場合には、未確定文字に濁点あるいは半濁点を付けるようにしてもよい。そして、仮に未確定文字が「は」であり、この「は」が、「ば」あるいは「ぱ」に修正され、表示された状態で、例えば、携帯端末装置10の斜め左上部が叩かれた場合には、「は」に戻すようにしてもよい。
【0036】
また、例えば、携帯端末装置10の上部あるいは前部からの衝撃の大きさが所定値を超えた場合には、未確定文字を小文字に修正するようにしてもよい。仮に未確定文字が「つ(大文字)」である場合、「っ(小文字)」に修正される。また、この「っ(小文字)」が表示された状態で、例えば、携帯端末装置10の下部あるいは後部からの衝撃の大きさが所定値を超えた場合には、この「っ(小文字)」を、「つ(大文字)」に戻すようにしてもよい。
【0037】
図3は、携帯端末装置10の前部あるいは後部が叩かれたときの文字入力画面の遷移例を示す図である。ここで、携帯端末装置10の表示画面に対して前後(紙面)方向をz軸方向、左右方向をx軸方向、上下方向をy軸方向とし、以下、図3〜図5において同様とする。
【0038】
図3(A)において、ユーザが日本語テンキー15から例えばフリック入力により文字を入力すると、入力された文字は文字表示部16に表示される。ユーザは「あ」、「か」をフリック入力した後に、「さ」という文字を誤ってフリック入力した場合、文字表示部16には、この「さ」という文字が未確定文字として表示される。未確定文字にはカーソル19が当たっているため、ユーザは一見して未確定文字を判別することができる。そして、この状態でユーザが携帯端末装置10の前部を叩いた場合、文字表示部16から「さ」が消去される。そしてさらに、図3(B)において、ユーザが携帯端末装置10の後部を叩いた場合、文字表示部16に、上記で消去した「さ」が再表示される。
【0039】
図4は、携帯端末装置10の左側部あるいは右側部が叩かれたときの文字入力画面の遷移例を示す図である。図4(A)において、図3の例と同様に、ユーザが「あ」、「か」をフリック入力した後に、「し」という文字を誤ってフリック入力した場合、文字表示部16には、この「し」という文字が未確定文字として表示される。そして、この状態でユーザが携帯端末装置10の左側部を叩いた場合、加速度センサ12は左側部からの衝撃を検出し、この検出結果に基づいて制御部11は、図2の文字修正用テーブル18を参照する。文字修正用テーブル18の「し」の左側は「ち」であるため、制御部11は、この「ち」を修正候補文字として文字修正用テーブル18から選択し、選択した「ち」を、未確定文字の「し」の代わりに文字表示部16に表示させる。なお、修正候補文字として文字表示部16に表示される「ち」は、未確定であるため、カーソル19が当てられた状態で表示される。
【0040】
また、図4(B)において、図3の例と同様に、ユーザが「あ」、「か」をフリック入力した後に、「し」という文字を誤ってフリック入力した場合、文字表示部16には、この「し」という文字が未確定文字として表示される。そして、この状態でユーザが携帯端末装置10の右側部を叩いた場合、加速度センサ12は右側部からの衝撃を検出し、この検出結果に基づいて制御部11は、図2の文字修正用テーブル18を参照する。文字修正用テーブル18の「し」の右側は「き」であるため、制御部11は、この「き」を修正候補文字として文字修正用テーブル18から選択し、選択した「き」を、未確定文字の「し」の代わりに文字表示部16に表示させる。なお、修正候補文字として文字表示部16に表示される「き」は、未確定であるため、カーソル19が当てられた状態で表示される。
【0041】
図5は、携帯端末装置10の上部あるいは下部が叩かれたときの文字入力画面の遷移例を示す図である。図5(A)において、図3、図4の例と同様に、ユーザが「あ」、「か」をフリック入力した後に、「し」という文字を誤ってフリック入力した場合、文字表示部16には、この「し」という文字が未確定文字として表示される。そして、この状態でユーザが携帯端末装置10の下部を叩いた場合、加速度センサ12は下部からの衝撃を検出し、この検出結果に基づいて制御部11は、図2の文字修正用テーブル18を参照する。文字修正用テーブル18の「し」の下側は「す」であるため、制御部11は、この「す」を修正候補文字として文字修正用テーブル18から選択し、選択した「す」を、未確定文字の「し」の代わりに文字表示部16に表示させる。なお、修正候補文字として文字表示部16に表示される「す」は、未確定であるため、カーソル19が当てられた状態で表示される。
【0042】
また、図5(B)において、図3、図4の例と同様に、ユーザが「あ」、「か」をフリック入力した後に、「し」という文字を誤ってフリック入力した場合、文字表示部16には、この「し」という文字が未確定文字として表示される。そして、この状態でユーザが携帯端末装置10の上部を叩いた場合、加速度センサ12は上部からの衝撃を検出し、この検出結果に基づいて制御部11は、図2の文字修正用テーブル18を参照する。文字修正用テーブル18の「し」の上側は「さ」であるため、制御部11は、この「さ」を修正候補文字として文字修正用テーブル18から選択し、選択した「さ」を、未確定文字の「し」の代わりに文字表示部16に表示させる。なお、修正候補文字として文字表示部16に表示される「さ」は、未確定であるため、カーソル19が当てられた状態で表示される。
【0043】
このように、ユーザは、図2に示した文字修正用テーブル18の文字配置をイメージしながら、携帯端末装置10を上下左右から叩くことで、誤入力した文字を、所望の文字に修正することができる。また、携帯端末装置10を前後から叩くことで、誤入力した文字を消去したり、あるいは、元に戻したり、することができる。
【0044】
図6は、本発明の携帯端末装置10による文字修正方法の一例を説明するためのフロー図である。まず、ユーザは、日本語テンキー15からフリック入力等の文字入力を行い、未確定文字を文字表示部16に表示させる(ステップS1)。制御部11は、文字表示部16に未確定文字が表示された状態で、加速度センサ12により携帯端末装置10への衝撃が検出されたか否かを判定する(ステップS2)。
【0045】
そして、ステップS2において、携帯端末装置10への衝撃が検出された場合(YESの場合)、制御部11は、その衝撃方向が携帯端末装置10の前部、後部、上部、下部、左側部、右側部のいずれであるかを特定する(ステップS3)。また、ステップS2において、携帯端末装置10への衝撃が検出されない場合(NOの場合)、ステップS18に移行し、文字入力が終了したか否か判定する。なお、文字入力の終了判定は、例えば、エンターキー(入力確定キー)が押下されたか否かにより判定することができる。
【0046】
次に、制御部11は、ステップS3で特定された衝撃方向が携帯端末装置10の前部であるか否かを判定し(ステップS4)、衝撃方向が携帯端末装置10の前部と判定した場合(YESの場合)、文字表示部16から未確定文字を消去し(ステップS5)、さらに、加速度センサ12により衝撃が検出されたか否かを判定する(ステップS6)。ここで、衝撃が検出された場合(YESの場合)、制御部11は、衝撃方向が携帯端末装置10の後部か否かを判定する(ステップS7)。また、ステップS6において、衝撃が検出されない場合(NOの場合)、ステップS18に移行する。
【0047】
次に、制御部11は、ステップS7において、衝撃方向が携帯端末装置10の後部と判定した場合(YESの場合)、ステップS5で消去した未確定文字を文字表示部16に再表示し(ステップS8)、ステップS18に移行する。また、ステップS7において、衝撃方向が携帯端末装置10の後部以外と判定した場合(NOの場合)、ステップS18に移行する。
【0048】
また、制御部11は、ステップS4において、ステップS3で特定された衝撃方向が携帯端末装置10の前部ではないと判定した場合(NOの場合)、ステップS3で特定された衝撃方向が携帯端末装置10の左側部であるか否かを判定する(ステップS9)。ここで、制御部11は、衝撃方向が携帯端末装置10の左側部と判定した場合(YESの場合)、図2の文字修正用テーブル18から、未確定文字の左側に位置する文字を修正候補文字として選択し、選択した修正候補文字を未確定文字の代わりに文字表示部16に表示する(ステップS10)。
【0049】
また、ステップS9において、衝撃方向が携帯端末装置10の左側部ではないと判定した場合(NOの場合)、ステップS3で特定された衝撃方向が携帯端末装置10の右側部であるか否かを判定する(ステップS11)。ここで、制御部11は、衝撃方向が携帯端末装置10の右側部と判定した場合(YESの場合)、図2の文字修正用テーブル18から、未確定文字の右側に位置する文字を選択し、選択した修正候補文字を未確定文字の代わりに文字表示部16に表示する(ステップS12)。
【0050】
また、ステップS11において、衝撃方向が携帯端末装置10の右側部ではないと判定した場合(NOの場合)、ステップS3で特定された衝撃方向が携帯端末装置10の上部であるか否かを判定する(ステップS13)。ここで、制御部11は、衝撃方向が携帯端末装置10の上部と判定した場合(YESの場合)、図2の文字修正用テーブル18から、未確定文字の上側に位置する文字を選択し、選択した修正候補文字を未確定文字の代わりに文字表示部16に表示する(ステップS14)。
【0051】
また、ステップS13において、衝撃方向が携帯端末装置10の上部ではないと判定した場合(NOの場合)、ステップS3で特定された衝撃方向が携帯端末装置10の下部であるか否かを判定する(ステップS15)。ここで、制御部11は、衝撃方向が携帯端末装置10の下部と判定した場合(YESの場合)、図2の文字修正用テーブル18から、未確定文字の下側に位置する文字を選択し、選択した修正候補文字を未確定文字の代わりに文字表示部16に表示する(ステップS16)。
【0052】
また、ステップS15において、衝撃方向が携帯端末装置10の下部ではないと判定した場合(NOの場合)、衝撃方向の判定ができない旨のエラー表示を行う(ステップS17)。そして、ステップS18において、制御部11は、例えば、エンターキー(入力確定キー)が押下されたか否かにより、文字入力が終了したか否かを判定する。ここで、文字入力が終了したと判定した場合(YESの場合)、そのまま終了し、文字入力が終了していないと判定した場合(NOの場合)、ステップS1に戻り処理を繰り返す。
【符号の説明】
【0053】
10…携帯端末装置、11…制御部、12…加速度センサ、13…ディスプレイ部、14…タッチパネル、15…日本語テンキー、16…文字表示部、17…メモリ、18…文字修正用テーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の操作手順に従って文字を入力する文字入力手段と、該入力された文字を表示する文字表示手段とを備えた携帯端末装置であって、
前記文字表示手段に入力が確定していない未確定文字を表示させた状態で前記携帯端末装置が叩かれたときの衝撃方向を検出する衝撃検出手段と、該衝撃検出手段により検出された衝撃方向に基づいて前記未確定文字を修正する修正制御手段とを備えたことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末装置において、複数の文字を所定の配置順に従って行列状に配置した文字修正用テーブルを備え、前記修正制御手段は、前記文字表示手段に未確定文字が表示された状態で前記衝撃検出手段により衝撃方向が検出された場合、前記未確定文字に対応する文字を前記文字修正用テーブルから検索し、該検索した文字を基準文字として、該基準文字と前記衝撃方向に基づいて、前記文字修正用テーブルから修正候補文字を選択し、該選択した修正候補文字を、前記未確定文字の代わりに前記文字表示手段に表示させることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯端末装置において、前記衝撃方向は、前記携帯端末装置の上部,下部,左側部,右側部,前部,後部のいずれかの方向であることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の携帯端末装置において、前記修正制御手段は、前記衝撃方向が前記携帯端末装置の上部,下部,左側部,右側部のいずれの方向であるかを特定し、前記文字修正用テーブルから、前記基準文字の上,下,左,右に位置する文字の中で前記特定した方向と同じ方向に位置する文字を修正候補文字として選択することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか1項に記載の携帯端末装置において、前記文字修正用テーブルに配置された複数の文字の所定の配置順は、日本語の50音順であることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項6】
請求項1に記載の携帯端末装置において、前記修正制御手段は、前記文字表示手段に未確定文字が表示された状態で前記衝撃検出手段により衝撃方向が検出され、該衝撃方向が前記携帯端末装置の前部,後部のいずれかの方向であると判定した場合、前記未確定文字を消去することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項7】
請求項6に記載の携帯端末装置において、前記修正制御手段は、前記未確定文字が消去された後に、さらに、前記衝撃検出手段により衝撃方向が検出され、該衝撃方向が前記携帯端末装置の前部,後部のいずれかの方向であると判定した場合、前記消去した未確定文字を元に戻すことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の携帯端末装置において、前記衝撃検出手段は、加速度センサであることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の携帯端末装置において、前記文字入力手段は、タッチパネルで構成されていることを特徴とする携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−220962(P2012−220962A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82415(P2011−82415)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】