説明

携帯通信端末、着信報知方法

【課題】着信の再報知を好機に行うことができる携帯通信端末を提供する。
【解決手段】着信報知制御部は、判定部を介して携帯電話機の状態を監視し、操作受付部を介してキー操作部におけるキー操作を監視する(S22)。イベントとしてキー操作の受付を検知すると(S23:「操作受付」)、再報知フラグをオフに変更し、不在表示を終了する(S25,S26)。操作を受け付けた場合に再報知を行わないのは、キー操作を受け付けた時には、ユーザが不在表示を目視し不在着信に気付いたと想定され、再報知の必要性が薄れると考えられるためである。イベントとして静止状態から移動状態への遷移を検知すると(S23:「端末移動を検知」)、履歴情報テーブルを参照して、再報知フラグがオンの着信を再報知する(S24)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯通信端末において着信を報知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機などの携帯通信端末では、着信時には、音やバイブレータにより着信の報知を行うことが知られている。
【0003】
着信時に着信に対してユーザが応答しない不在着信となることがある。不在着信があったことをユーザに気付かせるべく、不在着信から一定時間経過後に着信があったことを改めて報知する技術がある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004-357146号公報
【特許文献2】特開2005-150817号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の構成では、基本的には時間の経過のみを契機として再度報知する。このため、携帯通信端末の周囲の状況とは関係無しに、例えば、端末の周囲にユーザがいないなど、ユーザがおおよそ気付く可能性のない状況下での再報知がなされるおそれがある。係る無用な再報知は、バッテリの浪費を招来するので回避したい。
【0005】
本発明は上述の問題に鑑みてなされたものであって、着信の再報知を、好機に行うことを可能にする携帯通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明が解決しようとする課題を解決するために、本発明に係る携帯通信端末は、着信した場合に着信を報知する報知手段と、自機の移動に係る値を計測する計測手段と、計測した値が変化した場合に、報知手段により報知された着信を再報知させる報知制御手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る着信報知方法は、通信部を有する携帯通信端末における着信報知方法であって、前記通信部に係る着信を報知する報知ステップと、前記携帯通信端末の移動に係る値を計測する計測ステップと、計測した値が変化した場合に、報知手段により報知された着信を再報知させる報知制御ステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
課題を解決するための手段に記載した構成によれば、自機の移動に係る値が変化した場合に報知手段により報知された着信を再報知させることが可能である。上記自機の移動に係る値は、例えば携帯通信端末を携帯しているユーザが何らかの動作をする場合などに変化するため、ユーザは、自機の周囲に存在し報知に気付きやすい状況にある。そのため、上記自機の移動に係る値が変化した場合における再報知は、ユーザが報知に気付く蓋然性が高い状況での再報知となるため、ユーザに不在着信を好機に知らせることができる。
【0009】
また、前記計測手段は、前記自機の移動に係る値として加速度値を計測する加速度センサを含み、計測された加速度値に基づいて、自機の状態が移動状態か静止状態であるかを判定する判定手段を備え、前記報知制御手段は、判定された状態が変化した場合に前記再報知を行わせるとしても構わない。
【0010】
この構成によれば、加速度センサにより計測した加速度値に基づいて、自機の状態を判定し、再報知の契機として利用するため、好機な再報知を簡易な構成でもって実現することができる。
【0011】
また、計測された加速度値は、鉛直方向成分の値を含み、前記判定手段は、前記鉛直方向成分の値の時間的な変化に基づいて前記自機の状態を判定するとしても構わない。
【0012】
この構成によれば、例えば、携帯通信端末がカバンの中に収納されている場合に、カバンを持ち上げる動作に伴い携帯通信端末が移動するときに、鉛直上向きに生ずる加速度値に基づいて、自機が移動状態に変化したと判定することができる。
【0013】
また、報知した着信と、着信時の自機の状態とを関連付けて記憶する記憶手段を備え、前記報知制御手段は、判定された自機の状態が記憶した着信時の自機の状態と異なる状態へと変化した場合に再報知させるとしても構わない。
【0014】
この構成によれば、移動状態と静止状態との間で状態が変化するタイミングで報知できる。
【0015】
また、着信後、ユーザによる確認操作を受け付ける操作受付手段を備え、前記報知制御手段は、再報知前に、前記確認操作が受け付けられたなら再報知を抑止するとしても構わない。
【0016】
この構成のよれば、例えば、確認操作がなされユーザが不在着信に気付いたと推測される条件下では、以降、再報知を行わないとすることで、無用な再報知を防止できる。
【0017】
また、前記報知制御手段は、判定された状態が変化する毎に前記再報知を繰り返すとしても構わない。
【0018】
この構成によれば、好機な再報知を繰り返すことで、不在着信があることをユーザに確実に気付かせることができる。
【0019】
また、前記報知制御手段は、既に再報知した既再報知回数と予め設定された再報知に関する上限回数とを比較し、前記既再報知回数が前記上限回数に達すると、前記再報知の繰り返しを中止するとしても構わない。
【0020】
この構成によれば、上限回数を超えて再報知を繰り返さないとすることで、無駄な再報知が繰り返されることを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、実施の形態について、携帯通信端末として、携帯電話機を例に挙げて説明する。
(実施の形態1)
<構成>
図1は、携帯電話機2の外観を示す図である。
【0022】
携帯電話機2は、筐体4、ディスプレイ6、キー群8を備える。
【0023】
図2は、携帯電話機2の機能ブロック図である。
【0024】
携帯電話機2は、機能ブロックとして、制御部10、無線通信部24、加速度センサ26、スピーカ28、バイブレータ30、キー操作部32、表示部34を含んでいる。
【0025】
無線通信部24は、通話や携帯メールなどの通信機能を制御する機能ブロックであり、例えば、BB(ベースバンド)部やRF(高周波)部を含んで構成される。
【0026】
加速度センサ26は、筐体4内に内蔵された加速度センサチップから構成されており、直交xyz軸の3成分を検出し出力する。
【0027】
スピーカ28は、音声信号を音声として出力する。音声の例としては、通話相手が発する音声や、着信を報知するための着信音である。
【0028】
バイブレータ30は、軸に重りを取り付けたモータから構成されており、振動を発生させることにより、着信などをユーザに報知する。
【0029】
キー操作部32は、ユーザからキー入力を受け付ける入力インターフェイスであり、キー群8を含んで構成されている。
【0030】
表示部34は、ディスプレイ6を含んで構成されており、各種表示を行う。
【0031】
制御部10は、操作受付部12、表示制御部14、着信報知制御部16、判定部18、記憶部20を備えている。
【0032】
操作受付部12は、キー操作部32におけるキー入力に応じた操作を示す信号を着信報知制御部16に伝達する。
【0033】
表示制御部14は、表示部34の表示制御を行う。
【0034】
着信報知制御部16は、着信報知のタイミング及び報知のパターンを制御する。
【0035】
すなわち着信報知制御部16は、無線通信部24が通話やメールを着信したときに、スピーカ28やバイブレータ30を報知パターンに関する変数を用いて制御し、それぞれ音声報知、振動報知を行わせる。
【0036】
報知パターンに関する変数は、音声報知に関するものとして(1)着信メロディの種類、(2)音量(例えば、5段階の大きさの音量。)、(3)報知時間の長さ(例えば、3秒〜120秒程度である。)の変数を含む。また、振動報知に関する変数として、(1)振動周期、(2)振動強度、(3)報知時間の長さの変数を含んでいる。
【0037】
また、着信報知制御部16は、着信報知(1回目の報知)に対してユーザが応答しない不在着信となった場合には、表示制御部14を介して、表示部34に不在着信である旨のメッセージを表示させる。また、判定部18の判定結果を監視し判定結果が静止状態から移動状態へと遷移した場合には、スピーカ28やバイブレータ30を制御して再度着信報知(2回目の報知)を行わせる。
【0038】
判定部18は、加速度センサから出力された加速度の値に基づいて、携帯電話機2が移動状態か静止状態かのいずれの状態にあるのかを判定する。
【0039】
この判定は、公知の方法を用いることができるが、例えば、3成分(a,a,a)の出力の二乗和の平方根を算出した加速度値aが、所定の閾値を超えたときに移動状態、所定の閾値内であれば、静止状態とする。
【0040】
記憶部20は、例えば不揮発性メモリから構成されており、履歴情報テーブル40を記憶する。
<動作>
図3〜図5を参照しつつ本実施の形態に係る携帯電話機2における動作について説明する。係る動作は、基本的には着信報知制御部16が主体となって行われる。
【0041】
まず、着信報知制御部16は、無線通信部24に着信があるまで待ち受け(S11)、着信があれば着信を報知する(S11:Yes,S12)。この着信の報知は、予め設定された報知パターンで行われる。そして、着信報知制御部16は、着信を、着信の「種別」42、「相手先」44、「着信日時」46の項目として履歴情報テーブル40(図5参照)に登録する(S13)。
【0042】
着信報知制御部16は、報知パターンの報知時間の間に、操作受付部12からキー入力操作を示す信号を受信しないならば、応答がない不在着信と判断する(S14:No)。
【0043】
そして着信報知制御部16は、表示制御部14を介して、不在着信の件数、相手先、着信日時などを含む不在表示をディスプレイ6の待ち受け画面上に表示させる。
【0044】
次に、着信報知制御部16は、判定部18から状態を取得し、静止状態であれば(S16:「静止状態」)、履歴情報テーブル40中のステップS13で登録した着信についての再報知フラグ48の項目をオンにし(0→1)、再報知処理1を開始する(S17,S18)。静止状態でなく移動状態であれば(S16:「移動状態」)、待ち受けに戻る。
【0045】
続いて、再報知処理1の説明に入る。図4に示すように、着信報知制御部16は、判定部18を介して携帯電話機2の状態を監視し、操作受付部12を介してキー操作部32におけるキー操作を監視する(S22)。
【0046】
イベントとしてキー操作の受付を検知すると(S23:「操作受付」)、再報知フラグをオフに変更し、不在表示を終了する(S25,S26)。操作を受け付けた場合に再報知を行わないのは、キー操作を受け付けた時には、ユーザが不在表示を目視し不在着信に気付いたと想定され、再報知の必要性が薄れると考えられるためである。
【0047】
イベントとして静止状態から移動状態への遷移を検知すると(S23:「端末移動を検知」)、履歴情報テーブル40を参照して、再報知フラグがオンの着信を再報知する(S24)。
【0048】
なお、このステップS24における再報知は、ステップS12における報知パターンと同一で良い。もっとも、よりユーザに気付かせ易くするために変更しても構わない。変更の例としては、音声報知の場合には、(1)着信メロディの種類を変更する、例えば、再報知はより注意を喚起しやすいメロディに変更する(2)音量の段階を大きくする(3)報知時間を長くする、などが挙げられる。また、振動報知の場合には、(1)振動周期を変更する、例えばより短い間隔で振動するように変更する(2)振動強度を大にする、などの例が挙げられる。
【0049】
以上説明したように、実施の形態1に係る携帯電話機2によれば、静止状態から移動状態への遷移のタイミングで再報知を行うため、ユーザが携帯電話機2の周囲に存在する状況下での再報知を期待でき、好機に無駄のない再報知を実現することができる。
【0050】
図6は、実施の形態1に係る携帯電話機2の動作例と効果を説明するための概念図である。
【0051】
(A)カバン32の中に収納された携帯電話機2に着信が有り、携帯電話機2は着信が有った旨を所定の着信メロディで報知している(図6(a))。
【0052】
(B)携帯電話機2のユーザAが側におらず応答が無い不在着信となった結果、携帯電話機2のディスプレイは不在着信有りとの不在表示画面となっている(図6(b))。
【0053】
(C)ユーザAがカバン32を持ち上げると、判定部18は静止状態から移動状態へと判定を遷移し、着信メロディによる再報知が行われる(図6(c))。
【0054】
このように、ユーザAがカバン32を持ち上げたタイミングで再報知を行うため、ユーザAに不在着信があったことを容易に気付かせることが可能となる。ユーザAは、カバン32を開けて携帯電話機2のディスプレイを目視せずとも、カバン32を持ち上げるだけで不在着信に気付くことができることとなる。
【0055】
なお、図6(c)に示すように、カバン32を持ち上げる動作により、携帯電話機2には、G軸方向上向き(鉛直方向上向き)の加速度が特に顕著に増加する傾向にある。このため、加速度センサ26が出力する3成分値から鉛直方向成分の値だけを抽出し、この鉛直方向上向き成分の単位時間あたりの増減を、状態遷移の判定基準として用いることができる。
【0056】
具体的には、例えば、加速度値の鉛直方向成分aが所定閾値を上回った場合に、移動状態であると判定してもよい。
(実施の形態2)
実施の形態1では、静止状態→移動状態という状態の遷移を契機に再報知を行ったが、本実施の形態2では、着信時の状態と異なる状態へと遷移したことを契機に再報知を行う。以下、実施の形態2について、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
<動作>
図7〜図9を参照しつつ実施の形態2における携帯電話機2の動作について説明する。
【0057】
まず、図7に示すように、移動状態か静止状態かの状態を監視して待ち受け(S31)、着信があれば(S32)、着信を報知し(S33)、着信時に状態と関連付けて、着信を履歴情報テーブルに登録する(S34)。
【0058】
この登録は、図9の履歴情報テーブル50に示すように、「着信時状態」52の項目に、移動状態、静止状態のいずれかの変数値を登録することで行われる。
【0059】
応答が無ければ(S35:No)、不在表示し再報知フラグをオンにして、再報知処理2を開始する(S36-S38)。
【0060】
図8に示すように、再報知処理2では、監視中の移動状態に変更があれば(S42:Yes)、履歴情報テーブルを参照し、変更後の移動状態が着信時状態と異なる再報知フラグオンの着信について再報知を行う(S43)。
【0061】
履歴情報テーブル50を例に説明すると、2行目の通話(012-345-6789)は着信時状態が「移動」状態であるため、移動状態から静止状態へと状態の変更があれば、再報知が行われることとなる。
【0062】
このステップS42〜S44の処理は、再報知フラグオンの着信が無くなるまで繰り返し行われる(S45)。再報知フラグオンの着信が無くなれば(S45:Yes)、不在表示を終了する(S46)。
【0063】
以上説明したように、実施の形態2に係る携帯電話機2によれば、着信時の状態が変更されたタイミングで再報知が行われる。係る状態が変更されるときには、ユーザが携帯電話機2を携帯している可能性が高いと考えられるため、好機な再報知によりユーザに不在着信を気付かせることを期待できる。
【0064】
なお、本実施の形態2においても、実施の形態1のステップS23同様に、操作受付を再報知フラグオフの条件としても構わない。
【0065】
図10は、実施の形態2に係る携帯電話機2の動作例と効果を説明するための概念図である。
【0066】
(A)カバン32の中に収納された携帯電話機2に着信が有り、携帯電話機2は着信が有った旨を振動により報知している(図10(a))。
【0067】
(B)ユーザAは携帯電話機2の側にいるものの、移動中であるために振動に気付きにくい状況である。報知に応答しない不在着信となった結果、携帯電話機2のディスプレイは不在着信有りとの不在表示画面となる(図10(b))。
【0068】
(C)ユーザAがベンチ34にカバン32を置いて腰掛けると、判定部18は移動状態から静止状態へと判定を遷移し、振動による再報知が行われる(図10(c))。
【0069】
このように、ユーザAがカバン32を置いたタイミングで再報知を行うため、ユーザAに不在着信があったことを容易に気付かせることが可能となる。
【0070】
移動状態→静止状態の遷移をタイミングとした再報知は、1回目の報知が、音声報知に比べて移動中に気付きにくい傾向にある振動報知であった場合に特に有効である。
【0071】
なお、本実施の形態では、図9に示すように、着信毎に着信時の状態を記憶するとして説明したが、最新の着信のみについて状態を保持しても足りる。
【0072】
また、着信時状態を「移動」か「静止」かで二分せずに、着信時の加速度値をそのまま記憶させ、そこからの変化量が所定閾値を超えたら変化有りとして判定して再報知しても構わない。さらに、再報知時の加速度値をまた記憶して、判断・報知を繰り返してもよい。
(実施の形態3)
実施の形態2では、再報知を1回だけ行うとして説明したが、本実施の形態では再報知を所定の上限回数だけ行うものである。
【0073】
本実施の形態3では、記憶部20は、予めユーザにより設定された、着信の相手先の項目と相手先毎の上限回数の項目とを含む上限回数リストを記憶している。
<動作>
図11、図12、図13を参照しつつ実施の形態3における携帯電話機2の動作について説明する。
【0074】
図11に示した実施の形態3の待ち受け処理は、基本的には図3に示した待ち受け処理に類似したものであるので異なる部分を中心に説明する。
【0075】
着信があれば、着信を報知し、履歴情報テーブルに登録する(S11,S12,S131)。この登録では、記憶部20に記憶された上限回数リストを参照して着信の相手先に応じた上限回数を登録する。
【0076】
すなわち、図13に示すように、履歴情報テーブル60では、「種別」42、「相手先」44、「着信日時」46、「再報知フラグ」48の回数に加えて、「既再報知回数」54、及び「上限回数」56の項目が追加されている。
【0077】
応答が無ければ、不在表示して、履歴情報テーブル60中のステップS131で登録した着信について再報知フラグオンとする
再報知処理3では、移動状態に変更があれば(S52:Yes)、履歴情報テーブルを参照して再報知フラグがオンの着信を再報知する(S53)。
【0078】
再報知した着信について、既再報知回数をインクリメントし(S54)、既再報知回数と上限回数とを比較し、回数が上限回数に達した着信に関して再報知フラグをオフに変更する(S55、既再報知回数=上限回数ならば再報知フラグオフ)。
【0079】
再報知フラグオンの着信が無くなれば(S56:No)、不在表示を終了する(S57)。
【0080】
実施の形態3に係る携帯電話機2によれば、このため、着信の相手先に応じて柔軟に再報知回数を設定することが可能となる。このため、ユーザカスタマイズ性の面で優位である。
【0081】
加えて、実施の形態3によれば、例えば、履歴情報テーブル54の通話(012-345-6789)については、移動→静止→移動→静止→移動という4回の状態遷移があれば、遷移のたびに再報知が繰り返される。このため、好機かつ確実に不在着信をユーザに気付かせることが可能となる。
【0082】
なお、実施の形態2のように、着信時の状態を履歴情報テーブルに登録しておき(図7:S34)、着信時の状態から変更されるときに限って、再報知を行うとしても構わない。例えば、着信の状態が移動時であれば、移動→静止→移動→静止→移動という状態遷移では、移動から静止への状態遷移のタイミングで2回の再報知が行うこととなる。
【0083】
なお、実施の形態3では、相手先に応じた個別の上限回数の設定がある例について説明したが、例えば「通話」は上限回数3回、「メール」は上限回数1回などとして、着信種別に応じて一律に設定しても構わない。
(実施の形態4)
本実施の形態4では、ユーザが不在着信に気付くまで、再報知を繰り返すものである。基本的には実施の形態3と同様の処理の流れであるため異なる部分を中心に説明する。
<動作>
図14に示すように、キー操作が受け付けられていない間は(S62:「操作受付」orS64:Yes)、自機の状態変更のたびに、再報知フラグオンの着信の再報知を繰り返す(S62:「状態変更」,S63,S64:No)。
【0084】
本実施の形態4によれば、キー操作が行われるまで、再報知を繰り返すためユーザに確実に不在着信を気付かせることが可能となる。
【0085】
なお、ステップS62の判断として、前回再報知からの時間経過のイベントを追加することで、当該時間経過によりステップS63に再報知に移行するとしても構わない。例えば、経過時間の設定は数分程度とすることができる。
(補足)
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の内容に限定されず、本発明の目的とそれに関連又は付随する目的を達成するための各種形態においても実施可能であり、例えば、以下であってもよい。
【0086】
(1)状態遷移の判定
各実施の形態では詳細を述べなかったが、移動状態か静止状態かの判定は基本的には公知の手法を用いて実施することができる。
【0087】
例えば、加速度aが所定の閾値Aの大きさを超えたときに、移動状態であると判定することができる(a>|A|ならば移動状態)。
【0088】
また、加速度aの時間的な変化を監視し、時間微分Δaが所定の閾値Bを超えたときに、移動状態であると判定することができる(Δa>Bならば移動状態)。
【0089】
あるいは、ユーザ学習方式を利用してもよい。すなわち、ユーザに、携帯電話機を入れたカバンを持ち上げる動作や、携帯電話機を身につけて歩行動作を行ってもらうことで、移動の典型的なパターンに係る加速度を記憶し、判定に利用することも考えられる。
【0090】
(2)移動を計測するセンサ
各実施の形態では、携帯電話機2の移動状態を検出するセンサとして加速度センサ26を例に挙げて説明している。加速度センサ26は、携帯電話機2の移動状態を直接的に検出しやすい上、簡易な構成が実現できるため好適である。
【0091】
もっとも、携帯電話機2の移動状態に係る値を取得しうるセンサであればこれに限らず、例えば、速度センサであっても構わない。
【0092】
また、例えばGPSにより取得した緯度・経度の時間的な変化をもって移動状態を判定してもよいし、無線通信部24における電波強度の変遷を監視することで移動状態を判定しても構わない。
【0093】
あるいは、無線LANアンテナを備えた携帯電話機であれば、検出するアクセスポイントの数の変化や、特定のアクセスポイントに対する電波強度の変遷を監視して判定してもよい。
【0094】
(3)再報知対象者リスト
各実施の形態では、着信の相手先に関わらず再報知フラグをオンにするとして説明したが、例えば、予めユーザにより設定された再報知対象者リストを記憶部20に記憶させておき、相手先が再報知対象者リストに含まれている場合に限って再報知フラグをオンにして、各再報知処理を開始するとしても構わない。再報知対象リストを利用することで、ユーザは早く連絡を取りたいと考える相手だけを再報知するよう設定するなどしてカスタマイズ性に富む再報知が実現できよう。
【0095】
(4)再報知する着信が複数の場合
各実施の形態では詳細を述べなかったが、再報知時に、再報知フラグがオンの着信が複数存在する場合には、次のような再報知の態様が考えられる。
【0096】
例えば、通話(012-345-6789,メロディAの音声報知),メール(bbb@example.com,メロディBの音声報知),メール(ccc@example.com,振動パターンA)という3個の再報知フラグオンの着信が存在する場合には、1個の着信だけを再報知する。例えば、着信日時の最も古い通話(012-345-6789)をメロディAを用いて再報知する。
【0097】
あるいは1回の再報知時に、メロディA→メロディB→振動パターンAというように3個の着信を順番に連続して報知しても構わない。
【0098】
(5)携帯通信端末
実施の形態においては、携帯通信端末の一例として、携帯電話機を例に挙げて説明したが、これに限らずPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯通信端末であっても構わない。
【0099】
(6)方法、プログラム
各実施の形態に係る携帯電話機は、着信の報知方法として適用でき、この方法を実現するプログラムとして適用することもできる。
【0100】
また、上記プログラムとしては、例えば磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD、CD-ROM、CD-R、MO、PDなどの光記録媒体、Smart Media(登録商標)などのフラッシュメモリ系記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態でインターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。
【0101】
また、上記プログラムは、上記に説明した処理をコンピュータに実行させるための全てのモジュールを含んでいる必要はなく、例えば通信プログラムやオペレーティングシステム(OS)に含まれるプログラムなど、別途PCにインストールすることができる各種汎用的なプログラムを利用して、本発明の各処理をPCに実行させるようにしても良い。従って、上記した本発明の記録媒体に必ずしも上記全てのモジュールを記録している必要はないし、また必ずしも全てのモジュールを伝送する必要もない。さらに所定の処理を専用ハードウェアを利用して実行させるようにすることができる場合もある。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明に係る携帯通信端末は、好機に不在着信をユーザに知らせることができ、ユーザインターフェイスの向上に貢献する。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】携帯電話機2の外観を示す図である。
【図2】携帯電話機2の機能ブロック図である。
【図3】実施の形態1に係る待ち受け処理を示すフローチャートである。
【図4】再報知処理1を示すフローチャートである。
【図5】履歴情報テーブル40を示す図である。
【図6】携帯電話機2の動作例と効果を説明するための概念図である。
【図7】実施の形態2に係る待ち受け処理を示すフローチャートである。
【図8】再報知処理2を示すフローチャートである。
【図9】履歴情報テーブル50を示す図である。
【図10】携帯電話機2の動作例と効果を説明するための概念図である。
【図11】実施の形態3に係る待ち受け処理を示すフローチャートである。
【図12】再報知処理3を示すフローチャートである。
【図13】履歴情報テーブル60を示す図である。
【図14】実施の形態4に係る再報知処理4を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0104】
2 携帯電話機
4 筐体
6 ディスプレイ
8 キー群
10 制御部
12 操作受付部
14 表示制御部
16 着信報知制御部
18 判定部
20 記憶部
24 無線通信部
26 加速度センサ
28 スピーカ
30 バイブレータ
32 キー操作部
34 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着信した場合に着信を報知する報知手段と、
自機の移動に係る値を計測する計測手段と、
計測した値が変化した場合に、報知手段により報知された着信を再報知させる報知制御手段と
を備えることを特徴とする携帯通信端末。
【請求項2】
前記計測手段は、前記自機の移動に係る値として加速度値を計測する加速度センサを含み、
計測された加速度値に基づいて、自機の状態が移動状態か静止状態であるかを判定する判定手段を備え、
前記報知制御手段は、判定された状態が変化した場合に前記再報知を行わせる
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯通信端末。
【請求項3】
計測された加速度値は、鉛直方向成分の値を含み、
前記判定手段は、前記鉛直方向成分の値の時間的な変化に基づいて前記自機の状態を判定する
ことを特徴とする請求項2に記載の携帯通信端末。
【請求項4】
報知した着信と、着信時の自機の状態とを関連付けて記憶する記憶手段を備え、
前記報知制御手段は、判定された自機の状態が記憶した着信時の自機の状態と異なる状態へと変化した場合に再報知させる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の携帯通信端末。
【請求項5】
着信後、ユーザによる確認操作を受け付ける操作受付手段を備え、
前記報知制御手段は、再報知前に、前記確認操作が受け付けられたなら再報知を抑止する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の携帯通信端末。
【請求項6】
前記報知制御手段は、判定された状態が変化する毎に前記再報知を繰り返す
ことを特徴とする請求項2に記載の携帯通信端末。
【請求項7】
前記報知制御手段は、既に再報知した既再報知回数と予め設定された再報知に関する上限回数とを比較し、前記既再報知回数が前記上限回数に達すると、前記再報知の繰り返しを中止する
ことを特徴とする請求項6に記載の携帯通信端末。
【請求項8】
通信部を有する携帯通信端末における着信報知方法であって、
前記通信部に係る着信を報知する報知ステップと、
前記携帯通信端末の移動に係る値を計測する計測ステップと、
計測した値が変化した場合に、報知手段により報知された着信を再報知させる報知制御ステップと
を含むことを特徴とする着信報知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−206868(P2009−206868A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−47404(P2008−47404)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】