説明

携帯電子機器及び表示制御方法

【課題】複数の文字種が表示されている画面から、一の文字種が表示されている画面に簡易的に切り替えることができる携帯電子機器及び表示制御方法を提供すること。
【解決手段】携帯電話装置1は、LCD表示部21と、少なくとも2種類の文字種として、数字及び文字を入力可能な複数の入力キー141を含む入力操作キー14と、入力キー141のいずれか一のキーが操作されたことに応じて、当該操作された入力キー141に対応付けられた数字及び文字をLCD表示部21に表示させ、入力キー141が連続して複数回操作された場合に、当該操作に係る操作時間の間隔に基づいて、数字と文字とのいずれか一方をLCD表示部21に表示させた状態で、他方をLCD表示部21から消去させる制御部60と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電子機器及び表示制御方法に関する。より詳細には、少なくとも2種類の文字種を入力可能な複数の入力キーが操作されたことに応じて表示制御を行う携帯電子機器及び表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話装置が高機能化したことに伴い、携帯電話装置に対して文字を入力したり、数字を入力したりすることが頻繁に行われている。
【0003】
例えば、携帯電話装置において、文字や数字を入力可能なアプリケーション(例えば、メモ帳アプリケーション)に文字や数字を入力する場合、ユーザは、待受画面(初期状態)からメニュー画面を起動させる。そして、ユーザは、メニュー画面においてアプリケーションを選択することによって、携帯電話装置にアプリケーションを実行させ、その後、当該アプリケーションに文字や数字等を入力する。
【0004】
これに対して、待受画面から簡易的な操作でアプリケーションに文字や数字等を入力することができる携帯電話装置が提案されている。例えば、特許文献1には、待受画面において、文字と数字とが割り当てられている入力キーが操作されたことに応じて、文字と数字との双方を表示部に表示させ、アプリケーションプログラムの実行を受け付けた場合に、入力された文字と数字とのいずれかをアプリケーションに入力する携帯電話装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−034979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されている携帯電話装置では、待受画面において、文字と数字とが割り当てられている入力キーが操作されてから、アプリケーションが選択されるまで、文字と数字との双方が表示部に表示された状態となる。このため、操作に不慣れなユーザに対して、表示部に表示されている画面が複雑なものであると認識させてしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、複数の文字種が表示されている画面から、一の文字種が表示されている画面に簡易的に切り替えることができる携帯電子機器及び表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る携帯電子機器は、表示部と、少なくとも2種類の文字種を入力可能な複数の入力キーを含む操作部と、前記入力キーのいずれか一のキーが操作されたことに応じて、当該操作された入力キーに対応付けられた第1文字種の文字及び第2文字種の文字を前記表示部に表示させ、前記入力キーが連続して複数回操作された場合に、当該操作に係る操作時間の間隔に基づいて、前記第1文字種の文字と前記第2文字種の文字とのいずれか一の文字種の文字を前記表示部に表示させた状態で、他方の文字種の文字を前記表示部から消去させる制御部と、を備える。
【0009】
また、本発明に係る携帯電子機器では、前記制御部は、前記入力キーのいずれか一のキーが連続して複数回操作された場合に、当該操作に係る操作時間の間隔が所定時間以上であるときには前記第1文字種の文字を前記表示部に表示させた状態で前記第2文字種の文字を前記表示部から消去させ、当該操作に係る操作時間の間隔が所定時間未満であるときには前記第2文字種の文字を前記表示部に表示させた状態で前記第1文字種の文字を前記表示部から消去させることが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る携帯電子機器では、前記制御部は、前記入力キーのいずれか一のキーが連続して複数回操作された場合における前記操作時間の間隔が第1時間未満の場合には前記第2文字種の文字を前記表示部に表示させた状態で前記第1文字種の文字を前記表示部から消去させ、当該操作時間の間隔が前記第2時間以上の場合には前記第1文字種の文字を前記表示部に表示させた状態で前記第2文字種の文字を前記表示部から消去させ、当該操作時間の間隔が前記第1時間以上かつ前記第2時間未満の場合には前記第1文字種の文字と前記第2文字種の文字との双方の前記表示部への表示を継続させることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る携帯電子機器では、前記制御部は、前記入力キーのいずれか一のキーが連続して複数回操作された場合、いずれか一の操作と、当該操作の次の操作との操作時間の間隔を測定することが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る携帯電子機器は、通信部を更に備え、前記操作部は、発呼を指示可能な発呼キーを更に備え、前記制御部は、前記表示部に前記第1文字種として数字列が表示されている状態において前記発呼キーが操作された場合に、当該数字列を電話番号として前記通信部に対して発呼を行わせることが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る携帯電子機器では、前記操作部は、前記入力キーの操作に応じて前記表示部に表示された文字のうち、直近の操作に対応する文字の消去を指示可能なクリアキーを更に備え、前記制御部は、前記第1文字種の文字及び前記第2文字種の文字が前記表示部に表示されている状態から、前記操作時間の間隔に基づいて前記第1文字種の文字及び前記第2文字種の文字のいずれか一方が表示され他方が消去された状態に遷移した後、前記クリアキーが操作された場合に、前記表示部から消去された文字種の文字を前記表示部に再表示させて、前記第1文字種の文字及び前記第2文字種の文字が前記表示部に表示されている状態に遷移させることが好ましい。
【0014】
本発明に係る表示制御方法は、表示部と、少なくとも2種類の文字種を入力可能な複数の入力キーを含む操作部と、を備える携帯電子機器が、前記表示部に対する表示制御を行う表示制御方法であって、前記入力キーのいずれか一のキーが操作されたことに応じて、当該操作された入力キーに対応付けられた第1文字種の文字及び第2文字種の文字を前記表示部に表示させるステップと、前記表示部に当該操作された入力キーに対応付けられた第1文字種の文字及び第2文字種の文字が表示されている場合において、前記入力キーが連続して複数回操作されたとき、当該操作に係る操作時間の間隔に基づいて、前記第1文字種の文字と前記第2文字種の文字とのいずれか一の文字種の文字を前記表示部に表示させた状態で、他方の文字種の文字を前記表示部から消去させるステップと、を含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数の文字種が表示されている画面から、一の文字種が表示されている画面に簡易的に切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態に係る携帯電話装置の外観斜視図である。
【図2】本実施形態に係る携帯電話装置の機能を示す機能ブロック図である。
【図3】本実施形態に係るLCD表示部に第1画面が表示された状態を示す図である。
【図4】本実施形態に係るLCD表示部に第1画面が表示されている場合において、入力キー141のいずれか一のキーが連続して複数回操作された場合を示す図である。
【図5】本実施形態に係るLCD表示部に第2画面が表示された状態のを示す図である。
【図6】本実施形態に係るLCD表示部に第3画面が表示された状態を示す図である。
【図7】本実施形態に係るLCD表示部にメニュー画面が表示された状態を示す図である。
【図8】本実施形態に係る第3画面に表示されていた文字列が入力された状態でアプリケーションが実行された例を示す図である。
【図9】本実施形態に係る制御部により待受画面が表示されている状態からアプリケーションの実行又は発呼が行われるまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】図9に続くフローチャートである。
【図11】図10に続くフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明の携帯電子機器の一実施形態に係る携帯電話装置1の基本構造について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る携帯電話装置1の外観斜視図である。
【0018】
なお、図1は、いわゆる折り畳み型の携帯電話装置の形態を示しているが、本発明に係る携帯電話装置の形態としては、特にこれに限られない。例えば、両筐体を重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにした回転式(ターンタイプ)や、操作部と表示部とが1つの筐体に配置され、連結部を有さない形式(ストレートタイプ)でもよい。
【0019】
携帯電話装置1は、操作部側筐体部2と、表示部側筐体部3とを備えて構成される。
操作部側筐体部2は、表面部10に、操作部11と、携帯電話装置1の使用者が通話時に発した音声が入力されるマイク12とを備えて構成される。操作部11は、機能設定操作キー13と、入力操作キー14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作キー15とから構成されている。
【0020】
機能設定操作キー13は、各種設定や電話機能やメール機能等の各種機能を作動させるためのキーである。
入力操作キー14は、少なくとも2種類の文字種を入力するための複数の入力キー141と、発呼を指示可能な発呼キー142と、入力キー141の操作に応じてLCD表示部21に表示された文字、数字及び記号等のうち直近の入力キー141の操作に対応する文字、数字及び記号等の消去を指示可能なクリアキー143と、呼を切断する切断キー144とから構成される。ここで、2種類の文字種には、第1文字種である数字と、第2文字種である文字とを含む。また、文字には、仮名文字や漢字の他、記号も含む。
決定操作キー15は、各種操作における決定やスクロール等を行うためのキーである。
【0021】
また、表示部側筐体部3は、表面部20に、各種情報を表示するためのLCD(Liquid Crystal Display)表示部21と、呼(通話)の相手側の音声を出力するスピーカ22とを備えて構成されている。
【0022】
また、操作部側筐体部2の上端部と表示部側筐体部3の下端部とは、ヒンジ機構4を介して連結されている。また、携帯電話装置1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを互いに開いた状態(開放状態)にしたり、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを折り畳んだ状態(折畳み状態)にしたりできる。
【0023】
図2は、本実施形態に係る携帯電話装置1の機能を示す機能ブロック図である。
携帯電話装置1は、図2に示すように、操作部11と、マイク12と、通信部30と、LCD制御部41と、音声処理部42と、記憶部50と、制御部60とを操作部側筐体部2に備える。また、携帯電話装置1は、LCD表示部21と、スピーカ22と、LCDドライバ23とを表示部側筐体部3に備える。
【0024】
通信部30は、基地局(図示省略)等の外部機器と信号の送受信を行う。この通信部30は、アンテナとしてのメインアンテナ31と、RF回路部32とを備える。
【0025】
メインアンテナ31は、基地局等の外部機器と、所定の変調方式で変調された高周波信号の送受信を行う。
RF回路部32は、メインアンテナ31により送受信される高周波信号を処理する。具体的には、RF回路部32は、メインアンテナ31によって受信した信号を所定の復調方式で復調し、処理後の信号を制御部60に供給する。また、RF回路部32は、制御部60から供給された信号を所定の変調方式で変調し、メインアンテナ31を介して基地局等の外部機器に送信する。
【0026】
LCD制御部41は、制御部60の制御に従って、所定の画像処理を行い、処理後の画像データをLCDドライバ23に出力する。LCDドライバ23は、フレームメモリを備えており、LCD制御部41から供給された画像データをフレームメモリに蓄える。そして、LCDドライバ23は、フレームメモリに蓄えられた画像データを所定のタイミングでLCD表示部21又はサブLCD表示部(図示省略)に出力する。
【0027】
音声処理部42は、制御部60の制御に従って、所定の音声処理を行い、処理後の信号をスピーカ22に出力する。スピーカ22は、音声処理部42から供給された信号を外部に出力する。また、音声処理部42は、マイク12から入力された信号を処理し、処理後の信号を制御部60に出力する。
【0028】
記憶部50は、例えば、電話帳情報等の情報を記憶するメモリ等により構成されており、制御部60による演算処理に利用される。また、記憶部50は、メモ帳アプリケーションやメールアプリケーション等の各種アプリケーションや各種プログラム等を記憶する。なお、記憶部50は、着脱可能な外部メモリを兼ねていてもよい。
【0029】
制御部60は、携帯電話装置1の全体を制御しており、例えば、通信部30、LCD制御部41、音声処理部42等に対して所定の制御を行う。また、制御部60は、処理実行の際には、記憶部50を制御し、各種プログラム及びデータの読み出し、並びにデータの書き込みを行う。
【0030】
また、制御部60は、待受画面(ホーム画面や壁紙ともいわれる)において、機能設定操作キー13や入力操作キー14の入力を受け付ける。ここで、待受画面とは、発信及び着信並びにアプリケーションを待ち受ける画面である。
【0031】
そして、制御部60は、待受画面において、入力操作キー14を構成する複数の入力キー141のいずれか一のキーが操作されたことに応じて、図3に示すように、操作された入力キー141に対応付けられた数字列及び文字列をLCD表示部21に表示させるとともに、入力された文字の予測変換候補や、発信の受け付けていることを示す発信受付情報をLCD表示部21に表示させる。ここで、図3に示すように、LCD表示部21に、数字列、文字列、予測変換候補及び発信受付情報が表示されている画面を第1画面という。また、数字列は、1又は複数の数字から構成される数字の集合であり、文字列は、1又は複数の文字から構成される文字の集合である。
【0032】
そして、制御部60は、第1画面において、図4に示すように、入力操作キー14を構成する入力キー141のいずれか一のキーが連続して複数回操作された場合に、いずれか一の操作(例えば、1回目の操作)と、この操作の次の操作(例えば、2回目の操作)との操作時間の間隔を測定する。そして、制御部60は、測定された操作時間の間隔に基づいて、LCD表示部21に表示されている数字列及び文字列のいずれか一方をLCD表示部21に表示させた状態で、他方をLCD表示部21から消去させる。
【0033】
具体的には、制御部60は、第1画面において、入力操作キー14を構成する複数の入力キー141のいずれか一のキーが連続して複数回操作された場合に、これらの操作に対して測定された操作時間の間隔が所定時間(例えば、0.5秒)以上であるときには、図5に示すように、数字列をLCD表示部21に表示させた状態で文字列をLCD表示部21から消去させる。ここで、図5に示すように、第1画面から遷移した画面であって、数字列がLCD表示部21に表示された状態で文字列がLCD表示部21から消去された画面を第2画面という。
【0034】
また、制御部60は、第1画面において、入力操作キー14を構成する複数の入力キー141のいずれか一のキーが連続して複数回操作された場合に、これらの操作に対応して測定された操作時間の間隔が所定時間未満であるときには、図6に示すように、文字列をLCD表示部21に表示させた状態で数字列をLCD表示部21から消去させる。ここで、図6に示すように、第1画面から遷移した画面であって、文字列がLCD表示部21に表示された状態で数字列がLCD表示部21から消去された画面を第3画面という。
【0035】
そして、制御部60は、第1画面のようにLCD表示部21に数字列と文字列との双方が表示されている状態において、発呼キー142が操作された場合、LCD表示部21に表示されている数字列を電話番号として、通信部30に対して発呼を行わせる。なお、制御部60は、第2画面のようにLCD表示部21に数字列のみ表示されている場合において、発呼キー142が操作されたとき、LCD表示部21に表示されている数字列を電話番号として、通信部30に対して発呼を行わせる。
【0036】
また、制御部60は、第1画面のように、LCD表示部21に数字列と文字列との双方が表示されている状態において、機能設定操作キー13が操作された場合、図7に示されるアプリケーション決定のためのメニュー画面を表示させる。なお、制御部60は、第3画面のようにLCD表示部21に文字列のみ表示されている場合において、機能設定操作キー13が操作されたとき、図7に示されるアプリケーション決定のためのメニュー画面を表示させる。続いて、制御部60は、決定操作キー15が操作されメニュー画面に表示されているアプリケーションが選択された場合、第1画面又は第3画面に示されていた文字列をアプリケーションに入力する。例えば、図7に示されるメニュー画面に示される「メモ帳」が選択された場合には、図8に示すように、「メモ帳」に対応するメモ帳アプリケーションが実行されるとともに、図6に表示されていた文字列「あし」が表示される。
【0037】
また、制御部60は、数字列及び文字列がLCD表示部21に表示されている状態から、測定された操作時間の間隔に基づいて数字列及び文字列のいずれか一方が表示され他方が消去された状態に遷移した後、クリアキー143が操作された場合に、直近の操作に対応する文字又は数字の消去を行う。そして、制御部60は、LCD表示部21から消去された数字列又は文字列をLCD表示部21に再表示させて、数字列と文字列との双方がLCD表示部21に表示されている状態に遷移させる。
【0038】
つまり、制御部60は、LCD表示部21に表示されている画面が第1画面から第2画面又は第3画面に遷移した直後にクリアキー143が操作されたとき、LCD表示部21に表示される画面を第2画面又は第3画面から第1画面に遷移させる。
【0039】
なお、制御部60は、測定された操作時間の間隔が所定時間以上であるか否かに基づいて、LCD表示部21に表示させる画面の表示制御を行うこととしたが、これに限らない。例えば、制御部60は、LCD表示部21に第1画面が表示されている状態において、入力操作キー14を構成する複数の入力キー141のいずれか一のキーが連続して複数回操作された場合に、これらの操作に係る操作時間の間隔が第1時間未満の場合には文字列をLCD表示部21に表示させた状態で数字列をLCD表示部21から消去させる。つまり、制御部60は、これらの操作に係る操作時間の間隔が第1時間未満の場合には、LCD表示部21に表示されている画面を第1画面から第3画面に遷移させる。
【0040】
また、制御部60は、この操作時間の間隔が第1時間以上かつ第2時間未満の場合に、数字列と文字列との双方のLCD表示部21への表示を継続させる。つまり、制御部60は、これらの操作に係る操作時間の間隔が第1時間以上かつ第2時間未満の場合には、LCD表示部21に表示されている画面を第1画面に維持する。
【0041】
また、制御部60は、この操作時間の間隔が第2時間以上の場合に、数字列をLCD表示部21に表示させた状態で文字列をLCD表示部21から消去させる。つまり、制御部60は、これらの操作に係る操作時間の間隔が第2時間以上の場合には、LCD表示部21に表示されている画面を第1画面から第2画面に遷移させる。
【0042】
続いて、携帯電話装置1の制御部60の処理の流れについて説明する。
図9は、本実施形態に係る制御部60によりアプリケーションの実行又は発呼が行われるまでの処理の流れを示すフローチャートである。なお、図9に示すフローチャートでは、所定の時間に基づいて表示制御(表示画面の遷移)が行われるものとする。また、図9に示すフローチャートの処理が行われる場合に、LCD表示部21に待受画面が表示されているものとする。
【0043】
ステップS1において、制御部60は、携帯電話装置1のユーザから、操作部11を介して操作を受け付ける。
ステップS2において、制御部60は、操作部11を構成する入力操作キー14の入力キー141が操作されたか否かを判定する。制御部60は、この判定がYESの場合、ステップS3に処理を移し、この判定がNOの場合、ステップS5に処理を移す。
【0044】
ステップS3において、制御部60は、LCD表示部21に待受画面が表示されているか否かを判定する。制御部60は、この判定がYESの場合、ステップS4に処理を移し、この判定がNOの場合、ステップS8に処理を移す。
【0045】
ステップS4において、制御部60は、入力キー141を介した入力に対応する数字及び文字が表示された第1画面を表示させる。すなわち、制御部60は、待受画面から第1画面に画面遷移を行う。制御部60は、この処理が終了すると、ステップS1に処理を移す。
【0046】
ステップS5において、制御部60は、操作部11を構成する入力操作キー14のクリアキー143が操作されたか否かを判定する。制御部60は、この判定がYESの場合、図11のステップS17に処理を移し、この判定がNOの場合、ステップS6に処理を移す。
【0047】
ステップS6において、操作部11の入力キー141及びクリアキー143以外の操作キーが操作されているため、制御部60は、操作されたキーに対応する処理を実行する。
ステップS7において、制御部60は、ステップS6における処理の結果、アプリケーションの実行又は発呼が行われたか否かを判定する。制御部60は、この判定がYESの場合、本フローチャートに係る処理を終了し、この判定がNOの場合、ステップS1に処理を移す。
【0048】
図10に説明を移す。ステップS8において、制御部60は、LCD表示部21に第1画面が表示されているか否かを判定する。制御部60は、この判定がYESの場合、ステップS9に処理を移し、この判定がNOの場合、ステップS14に処理を移す。
【0049】
ステップS9において、制御部60は、入力操作キー14を構成する複数の入力キー141のいずれか一のキーが連続して操作されたか否かを判定する。制御部60は、この判定がYESの場合、ステップS11に処理を移し、この判定がNOの場合、ステップS10に処理を移す。
【0050】
ステップS10において、制御部60は、操作が受け付けられた入力キー141に対応する数字及び文字を第1画面に追加表示させる。制御部60は、この処理が終了すると、図9のステップS1に処理を移す。
【0051】
ステップS11において、制御部60は、入力キー141のうち、いずれか一のキーの連続した操作の操作時間の間隔が所定時間以上であるか否かを判定する。制御部60は、この判定がYESの場合、ステップS12に処理を移し、この判定がNOの場合、ステップS13に処理を移す。
【0052】
ステップS12において、制御部60は、入力操作キー14を構成する入力キー141を介した入力に対応する数字列が表示され文字列が消去された第2画面をLCD表示部21に表示させる。すなわち、制御部60は、第1画面から第2画面に画面遷移を行う。制御部60は、この処理が終了すると、図9のステップS1に処理を移す。
【0053】
ステップS13において、制御部60は、入力操作キー14を構成する入力キー141を介した入力に対応する文字列が表示され数字列が消去された第3画面をLCD表示部21に表示させる。すなわち、制御部60は、第1画面から第3画面に画面遷移を行う。制御部60は、この処理が終了すると、図9のステップS1に処理を移す。
【0054】
なお、制御部60は、第1時間及び第2時間に基づいて表示制御(表示画面の遷移)が行われる場合には、ステップS11において、操作時間の間隔が第1時間未満であるか、第1時間以上第2時間未満であるか、第2時間以上であるか判定する。そして、制御部60は、操作時間の間隔が第1時間未満である場合、ステップS13に処理を移し、操作時間の間隔が第1時間以上第2時間未満である場合、図9のステップS1に処理を移し、操作時間の間隔が第2時間以上である場合、ステップS12に処理を移す。
【0055】
ステップS14において、制御部60は、LCD表示部21に第2画面が表示されているか否かを判定する。制御部60は、この判定がYESの場合、ステップS15に処理を移し、この判定がNOの場合、ステップS16に処理を移す。
【0056】
ステップS15において、LCD表示部21には第2画面が表示されている状態であるため、制御部60は、操作が受け付けられた入力キー141に対応する数字を第2画面に追記表示させる。制御部60は、この処理が終了すると、図9のステップS1に処理を移す。
【0057】
ステップS16において、LCD表示部21には第3画面が表示されている状態であるため、制御部60は、操作が受け付けられた入力キー141に対応する文字を第3画面に追記表示させる。制御部60は、この処理が終了すると、図9のステップS1に処理を移す。
【0058】
図11に説明を移す。ステップS17において、制御部60は、LCD表示部21に第1画面が表示されているか否かを判定する。制御部60は、この判定がYESの場合、ステップS18に処理を移し、この判定がNOの場合、ステップS19に処理を移す。
ステップS18において、制御部60は、入力キー141を介して直前に入力された数字及び文字を第1画面から消去させる。
【0059】
ステップS19において、制御部60は、LCD表示部21に第2画面が表示されているか否かを判定する。制御部60は、この判定がYESの場合、ステップS20に処理を移し、この判定がNOの場合、ステップS23に処理を移す。
【0060】
ステップS20において、制御部60は、LCD表示部21に表示されている画面が第1画面から第2画面に遷移した直後であるか否かを判定する。制御部60は、この判定がYESの場合、ステップS21に処理を移し、この判定がNOの場合、ステップS22に処理を移す。
【0061】
ステップS21において、制御部60は、LCD表示部21に、第2画面に遷移する直前にLCD表示部21に表示されていた第1画面を再表示させる。制御部60は、この処理が終了すると、図9のステップS1に処理を移す。
【0062】
ステップS22において、制御部60は、第2画面に表示されている数字のうち、入力キー141を介して直前に入力された数字を第2画面から消去させる。制御部60は、この処理が終了すると、図9のステップS1に処理を移す。
【0063】
ステップS23において、制御部60は、LCD表示部21に第3画面が表示されているか否かを判定する。制御部60は、この判定がYESの場合、ステップS24に処理を移し、この判定がNOの場合、図9のステップS1に処理を移す。
【0064】
ステップS24において、制御部60は、LCD表示部21に表示されている画面が第1画面から第3画面に遷移した直後であるか否かを判定する。制御部60は、この判定がYESの場合、ステップS25に処理を移し、この判定がNOの場合、ステップS26に処理を移す。
【0065】
ステップS25において、制御部60は、LCD表示部21に、第3画面に遷移する直前にLCD表示部21に表示されていた第1画面を再表示させる。制御部60は、この処理が終了すると、図9のステップS1に処理を移す。
【0066】
ステップS26において、制御部60は、第3画面に表示されている文字のうち、入力キー141を介して直前に入力された文字を第3画面から消去させる。制御部60は、この処理が終了すると、図9のステップS1に処理を移す。
【0067】
以上、本実施形態によれば、携帯電話装置1は、制御部60により、複数の入力キー141のいずれか一のキーが連続して複数回操作された場合に、当該操作に係る操作時間の間隔に基づいて、数字(第1文字種の文字)と文字(第2文字種の文字)とのいずれか一方をLCD表示部21に表示させた状態で、他方をLCD表示部21から消去させる。
よって、携帯電話装置1は、数字や文字等の複数の文字種が表示されている画面から、数字や文字等の複数の文字種の切り替えに係る操作を受け付けることを要さずに、一の文字種が表示されている画面に簡易的に切り替えることができる。
【0068】
また、携帯電話装置1は、制御部60により、入力キー141のいずれか一のキーが連続して複数回操作された場合に、当該操作に係る操作時間の間隔が所定時間以上であるときには数字列(第1文字種の文字)をLCD表示部21に表示させた状態で文字列(第2文字種の文字)をLCD表示部21から消去させ、当該操作に係る操作時間の間隔が所定時間未満であるときには文字列(第2文字種の文字)をLCD表示部21に表示させた状態で数字列(第1文字種の文字)をLCD表示部21から消去させる。
【0069】
ここで、携帯電話装置1のユーザが、発呼を行うことを目的として数字キーを入力する場合、携帯電話装置1には、この携帯電話装置1に記憶されている電話帳に記憶されていない電話番号が入力されている可能性が高い。この場合、ユーザは、名刺やメモ帳等に記載されている電話番号を確認しながら慎重に入力する場合が多いことから、メール等の文字入力に比べて入力操作が遅い可能性が高い。
【0070】
これに対して、携帯電話装置1では、入力キー141のいずれか一のキーが連続して複数回操作された場合の操作時間の間隔に基づいて、携帯電話装置1のユーザの入力が数字に対応するものであるか、文字に対応するものであるかを判定し、表示されている画面をユーザの意図した入力に対応させて切り替えることができる。
【0071】
また、携帯電話装置1は、制御部60により、入力キー141のいずれか一のキーが連続して複数回操作された場合における操作時間の間隔が第1時間未満の場合には文字列をLCD表示部21に表示させた状態で数字列をLCD表示部21から消去させ、当該操作時間の間隔が第2時間以上の場合には数字列をLCD表示部21に表示させた状態で文字列をLCD表示部21から消去させ、当該操作時間の間隔が第1時間以上かつ第2時間未満の場合には数字列と文字列との双方のLCD表示部21への表示を継続させる。
【0072】
このようにすることで、携帯電話装置1では、入力キー141のいずれか一のキーが連続して複数回操作された場合の操作時間の間隔が、十分に短い間隔(第1時間未満の間隔)である場合に、携帯電話装置1のユーザの入力が文字に対応するものであると判定し、十分に長い間隔(第2時間以上の間隔)である場合に、携帯電話装置1のユーザの入力が数字に対応するものであると判定することができる。そして、携帯電話装置1では、入力キー141のいずれか一のキーが連続して複数回操作された場合の操作時間の間隔が、数字又は文字のいずれにも該当するような程度の間隔(第1時間以上かつ第2時間未満)の場合に、数字列及び文字列の双方をLCD表示部21に表示させた状態で、さらなる入力に基づいて適切な判定を行うことができる。
【0073】
また、携帯電話装置1は、制御部60により、入力キー141のいずれか一のキーが連続して複数回操作された場合、いずれか一の操作と、当該操作の次の操作との操作時間の間隔を測定する。このようにすることで、携帯電話装置1は、この測定した操作時間の間隔に基づいて、携帯電話装置1のユーザの入力が数字に対応するものであるか、文字に対応するものであるかを判定することができる。
【0074】
また、携帯電話装置1は、制御部60により、LCD表示部21に第1文字種として数字列が表示されている状態において発呼キー142が操作された場合に、当該数字列を電話番号として通信部30に対して発呼を行わせる。このようにすることで、携帯電話装置1は、発呼キー142が操作された場合に、ユーザの入力が電話番号に対応するものと判定して、発呼を行うことができる。
【0075】
また、携帯電話装置1は、制御部60により、数字列及び文字列がLCD表示部21に表示されている状態から、操作時間の間隔に基づいて数字列及び文字列のいずれか一方が表示され他方が消去された状態に遷移した後、クリアキー143が操作された場合に、LCD表示部21から消去された数字列又は文字列をLCD表示部21に再表示させて、数字列及び文字列がLCD表示部21に表示されている状態に遷移させる。
【0076】
ここで、数字列及び文字列のいずれか一方が表示され他方が消去された状態に遷移した直後にクリアキーが操作された場合には、チャタリングや誤操作等、ユーザが意図しない操作である可能性が高い。
【0077】
これに対して、携帯電話装置1は、数字列及び文字列のいずれか一方が表示され他方が消去された状態に遷移した後、クリアキー143が操作された場合、最後に行われた操作が、ユーザが意図しない操作と判定して、数字列及び文字列のいずれか一方が表示され他方が消去された状態を無効とし、直前の状態に戻すことができる。そして、携帯電話装置1は、数字列及び文字列の双方が表示された状態において、再度、ユーザの入力が数字に対応するものであるか、文字に対応するものであるかを判定することができる。
【0078】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0079】
本実施形態では、携帯電子機器の一例として、携帯電話装置1について説明したが、本発明は携帯電話装置1に限られるものではなく、携帯電話装置1が各種機能を実行する方法、携帯電話装置1に各種機能を実行させるためのプログラム、及びこのプログラムを記憶した記憶媒体にも適用可能である。また、本発明の電子機器は、携帯電話装置1に限られず、PDA(Personal Digital Assistant)等、操作部と表示部とを備える通信機器等に適用可能である。
【0080】
また、本実施形態では、制御部60は、入力キー141のいずれか一のキーが連続して複数回操作された場合の操作時間の間隔に基づいて表示制御を行うこととしたが、これに限らない。例えば、制御部60は、入力キー141のいずれか一のキーが連続して複数回操作された場合、連続した操作が開始してから終了するまでの操作時間に基づいて、数字列と文字列とのいずれか一方を消去するようにしてもよい。
【0081】
また、制御部60は、入力キー141の複数のキーが連続して複数回操作された場合に、それぞれの操作間隔の平均値に基づいて、数字列と文字列とのいずれか一方を消去するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1 携帯電話装置
21 LCD表示部
30 通信部
60 制御部
14 入力操作キー
141 入力キー
142 発呼キー
143 クリアキー
144 切断キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
少なくとも2種類の文字種を入力可能な複数の入力キーを含む操作部と、
前記入力キーのいずれか一のキーが操作されたことに応じて、当該操作された入力キーに対応付けられた第1文字種の文字及び第2文字種の文字を前記表示部に表示させ、前記入力キーが連続して複数回操作された場合に、当該操作に係る操作時間の間隔に基づいて、前記第1文字種の文字と前記第2文字種の文字とのいずれか一の文字種の文字を前記表示部に表示させた状態で、他方の文字種の文字を前記表示部から消去させる制御部と、
を備える携帯電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記入力キーのいずれか一のキーが連続して複数回操作された場合に、当該操作に係る操作時間の間隔が所定時間以上であるときには前記第1文字種の文字を前記表示部に表示させた状態で前記第2文字種の文字を前記表示部から消去させ、当該操作に係る操作時間の間隔が所定時間未満であるときには前記第2文字種の文字を前記表示部に表示させた状態で前記第1文字種の文字を前記表示部から消去させる、
請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記入力キーのいずれか一のキーが連続して複数回操作された場合における前記操作時間の間隔が第1時間未満の場合には前記第2文字種の文字を前記表示部に表示させた状態で前記第1文字種の文字を前記表示部から消去させ、当該操作時間の間隔が前記第2時間以上の場合には前記第1文字種の文字を前記表示部に表示させた状態で前記第2文字種の文字を前記表示部から消去させ、当該操作時間の間隔が前記第1時間以上かつ前記第2時間未満の場合には前記第1文字種の文字と前記第2文字種の文字との双方の前記表示部への表示を継続させる、
請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、前記入力キーのいずれか一のキーが連続して複数回操作された場合、いずれか一の操作と、当該操作の次の操作との操作時間の間隔を測定する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
通信部を更に備え、
前記操作部は、発呼を指示可能な発呼キーを更に備え、
前記制御部は、前記表示部に前記第1文字種として数字列が表示されている状態において前記発呼キーが操作された場合に、当該数字列を電話番号として前記通信部に対して発呼を行わせる、
請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記操作部は、前記入力キーの操作に応じて前記表示部に表示された文字のうち、直近の操作に対応する文字の消去を指示可能なクリアキーを更に備え、
前記制御部は、前記第1文字種の文字及び前記第2文字種の文字が前記表示部に表示されている状態から、前記操作時間の間隔に基づいて前記第1文字種の文字及び前記第2文字種の文字のいずれか一方が表示され他方が消去された状態に遷移した後、前記クリアキーが操作された場合に、前記表示部から消去された文字種の文字を前記表示部に再表示させて、前記第1文字種の文字及び前記第2文字種の文字が前記表示部に表示されている状態に遷移させる、
請求項1から5のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
表示部と、少なくとも2種類の文字種を入力可能な複数の入力キーを含む操作部と、を備える携帯電子機器が、前記表示部に対する表示制御を行う表示制御方法であって、
前記入力キーのいずれか一のキーが操作されたことに応じて、当該操作された入力キーに対応付けられた第1文字種の文字及び第2文字種の文字を前記表示部に表示させるステップと、
前記表示部に当該操作された入力キーに対応付けられた第1文字種の文字及び第2文字種の文字が表示されている場合において、前記入力キーが連続して複数回操作されたとき、当該操作に係る操作時間の間隔に基づいて、前記第1文字種の文字と前記第2文字種の文字とのいずれか一の文字種の文字を前記表示部に表示させた状態で、他方の文字種の文字を前記表示部から消去させるステップと、
を含む表示制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−248975(P2012−248975A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117619(P2011−117619)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】