説明

携帯電子機器

【課題】着信や時刻の到来をユーザに報知する際に、載置場所によって不快となり得る振動の発生を抑えることのできる携帯電子機器を提供すること。
【解決手段】携帯電話機1は、報知のための振動を発生させるモータ47と、加速度データを検出する加速度センサ45と、モータ47により振動を発生させた際に、加速度センサ45により検出した加速度データの変動量が所定の閾値を超えたと判定した場合に、モータ47による振動の発生を停止させるCPU49と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動により報知を行う携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機等の携帯電子機器においては、ユーザに対して電話やメールの着信を報知したり、設定された時刻の到来を報知したりする場合に、音声や光による報知に加えて、自装置を振動させる方法が取られている。この振動による報知により、衣服のポケットやバッグ等の中にあり音声や光による報知を視認できない場合や、騒音等により音声が聞こえない場合、あるいはマナーモードと呼ばれる音声を出力しない設定であっても、ユーザが電話やメールの着信等に気付きやすくなる。
【0003】
このような報知のための振動は、例えば、携帯電子機器に対して所定の向きに固定されたモータにより、偏心させた重りを回転させることで発生させる。このような振動による報知手段では、例えば、携帯電子機器が机等の硬い場所に載置された場合には、振動が大きく伝わり、耳障りな音となる恐れがある。
【0004】
そこで、ユーザは、携帯電子機器をポケット等に入れている場合には、振動により報知させるバイブモードをONにし、机等の上に置く場合には、バイブモードをOFFにするといった設定変更を行えば良いが、手間がかかってしまう。このような状況において、実際に発生した振動量に応じてモータ(バイブレータ)の振動量を自動的に調整する方法が提案されており、例えば、特許文献1には、振動量を検出し、振動量が下限値より小さい場合には振動量を大きくし、振動量が上限値より大きい場合には振動量を小さくすることが示されている。
【0005】
ところで、携帯電子機器には、加速度センサを内蔵し、検出した加速度や、加速度から算出される機器の傾き等に応じた制御を行う技術が知られている。このような携帯電子機器では、検出した加速度や機器の傾き等を各種アプリケーションや制御プログラム等への入力とし、発光制御したり表示画像を変化させたりといった、多様な制御や演出を可能としている。そして、上述の振動量として、加速度センサによる加速度の検出値を用いることができる。
【特許文献1】特開2005−6206号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の方法によれば、振動を継続させることを前提としており、たとえ耳障りな振動が発生している場合であっても、即座に振動を停止することはなく、一定期間動作し続ける。しかしながら、携帯電子機器の載置状態によっては、振動量を小さくするのではなく、振動を停止させることが好ましい場合が多い。
【0007】
そこで本発明は、着信や時刻の到来をユーザに報知する際に、載置場所によって不快となり得る振動の発生を抑えることのできる携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の携帯電子機器は、報知のための振動を発生させる振動発生手段と、加速度データを検出する加速度検出手段と、前記振動発生手段により振動を発生させた際に、前記加速度検出手段により検出した加速度データの変動量が所定の閾値を超えたと判定した場合に、前記振動発生手段による振動の発生を停止させる制御手段と、を備える。
【0009】
また、本発明の携帯電子機器の複数の載置状態のそれぞれに対応付けて、加速度データの変動量に関する前記閾値を予め記憶する記憶手段と、前記振動発生手段により振動を発生させる前に、前記加速度検出手段により検出した加速度データに基づいて、前記載置状態を確認する確認手段と、前記確認手段により確認した載置状態に応じて、前記記憶手段を参照し、対応する閾値を決定する決定手段と、を更に備えることが好ましい。
【0010】
また、前記制御手段は、前記確認手段により前記載置状態を確認できない場合には、前記振動発生手段による振動の発生を継続させることが好ましい。
【0011】
また、本発明の携帯電子機器は、前記振動発生手段とは異なる他の報知手段を更に備え、前記制御手段は、前記振動発生手段による振動の発生を停止させた場合に、前記他の報知手段により報知を行うことが好ましい。
【0012】
また、前記制御手段は、前記他の報知手段による前回の報知に対する応答がなされておらず、かつ、前回の報知の前に検出された加速度データと同じ加速度データが今回の報知の前に前記加速度検出手段により検出されている状態で報知を行う場合に、前回同様、前記他の報知手段により報知を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、不快となり得る振動の発生を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態の一例について説明する。なお、携帯電子機器の一例として携帯電話機1を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、PHS(Personal Handy phone System)やPDA(Personal Digital Assistant)等、様々な携帯電子機器に適用可能である。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る携帯電話機1の外観斜視図である。なお、図1は、いわゆる折り畳み型の携帯電話機の形態を示しているが、本発明に係る携帯電話機の形態はこれに限られない。例えば、両筐体を重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式(ターンタイプ)や、操作部と表示部とが1つの筐体に配置され、連結部を有さない形式(ストレートタイプ)でもよい。
【0016】
携帯電話機1は、操作部側筐体2と、表示部側筐体3と、を備えて構成される。操作部側筐体2は、表面部10に、操作部11と、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声が入力されるマイク12と、を備えて構成される。操作部11は、各種設定機能や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作ボタン13と、電話番号の数字やメールの文字等を入力するための入力操作ボタン14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作ボタン15と、から構成されている。
【0017】
また、表示部側筐体3は、表面部20に、各種情報を表示するための表示部21と、通話の相手側の音声を出力するレシーバ22と、を備えて構成されている。
【0018】
また、操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、ヒンジ機構4を介して連結されている。また、携帯電話機1は、ヒンジ機構4を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に回転することにより、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが互いに開いた状態(開放状態)にしたり、操作部側筐体2と表示部側筐体3とを折り畳んだ状態(折畳み状態)にしたりできる。
【0019】
図2は、携帯電話機1の機能を示すブロック図である。携帯電話機1は、操作部11と、マイク12と、メインアンテナ40と、RF回路部41と、表示制御部42と、音声処理部43と、記憶手段としてのメモリ44と、加速度検出手段としての加速度センサ45と、モータ制御部46と、振動発生手段としてのモータ47と、発光部48と、制御手段としてのCPU49とが操作部側筐体2に備えられ、表示部21と、レシーバ22と、ドライバIC23とが表示部側筐体3に備えられている。
【0020】
メインアンテナ40は、所定の使用周波数帯(例えば、800MHz)で外部装置と通信を行う。なお、本実施形態では、所定の使用周波数帯として、800MHzとしたが、これ以外の周波数帯であってもよい。また、メインアンテナ40は、所定の使用周波数帯の他に、他の使用周波数帯(例えば、2GHz)に対応できる、いわゆるデュアルバンド対応型による構成であってもよい。
【0021】
RF回路部41は、メインアンテナ40によって受信した信号を復調処理し、処理後の信号をCPU49に供給し、また、CPU49から供給された信号を変調処理し、メインアンテナ40を介して外部装置(基地局)に送信する。また、その一方で、メインアンテナ40によって受信している信号の強度をCPU49に通知を行う。
【0022】
表示制御部42は、CPU49の制御に従って、所定の画像処理を行い、処理後の画像データをドライバIC23に出力する。ドライバIC23は、表示制御部42から供給された画像データをフレームメモリに蓄え、所定のタイミングで表示部21に出力する。
【0023】
音声処理部43は、CPU49の制御に従って、RF回路部41から供給された信号に対して所定の音声処理を行い、処理後の信号をレシーバ22に出力する。レシーバ22は、音声処理部43から供給された信号を外部に出力する。なお、この信号は、レシーバ22に代えて、または、レシーバ22と共に、不図示のスピーカから出力されるとしてもよい。
【0024】
また、音声処理部43は、CPU49の制御に従って、マイク12から入力された信号を処理し、処理後の信号をRF回路部41に出力する。RF回路部41は、音声処理部43から供給された信号に所定の処理を行い、処理後の信号をメインアンテナ40に出力する。
【0025】
メモリ44は、例えば、ワーキングメモリを含み、CPU49による演算処理に利用される。具体的には、後述する携帯電話機1の向きを判定するための状態判定テーブル(図5にて後述)や、携帯電話機1の載置場所を判定するための閾値テーブル(図6にて後述)等を記憶する。なお、メモリ44は、着脱可能な外部メモリを兼ねていてもよい。
【0026】
加速度センサ45は、携帯電話機1に与えられた加速度を検出し、検出結果をCPU49に出力する。
【0027】
加速度センサ45は、X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向の互いに直交する3方向の加速度を検出する3軸(3次元)タイプであって、外部から加わった力(F)と質量(m)に基づいて、加速度(a)を測定する(加速度(a)=力(F)/質量(m))。なお、本実施形態の加速度センサ45は3軸タイプとしたが、これには限られず、4軸以上の多軸センサであってもよい。
【0028】
また、加速度センサ45は、例えば、圧電素子によって所定の質量に加わる力を計測して軸ごとの加速度を求め、数値データ化してバッファリングする。そして、CPU49は、周期的にバッファリングされた加速度データを読み出す。なお、加速度センサ45は、圧電素子(圧電式)に限らず、ピエゾ抵抗型、静電容量型、熱検知型等によるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)式や、可動コイルを動かしてフィードバック電流によってもとに戻すサーボ式や、加速度によって生じる歪を歪ゲージによって測定する歪ゲージ式等により構成されてもよい。
【0029】
モータ制御部46は、CPU49からの指令に従って、振動発生手段としてのモータ47の駆動および停止を制御する。
【0030】
モータ47は、携帯電話機1の内部に所定の向きに固定されており、モータ制御部46の制御により軸を回転させる。この軸には偏心させた重りが取り付けられており、この重りを回転させることにより、振動を発生させる。
【0031】
発光部48は、CPU49からの指令により供給される電圧が制御され、この供給電圧に基づいて発光するように構成されており、例えば、LED(light emitting diode)により構成されている。
【0032】
CPU49は、携帯電話機1の全体を制御しており、例えば、RF回路部41、表示制御部42、音声処理部43、モータ制御部46に対して所定の制御を行う。また、CPU49は、先に述べたメインアンテナ40による電波状態や充電池(図示せず)の残量、不在着信および未読メールの有無等の内部状態を監視しており、この結果に基づいて、発光部48の発光色を変更したり、表示部21の表示内容を変更したりする制御も行う。
【0033】
また、通信手段としてのRF回路部41により、携帯電話機1に対する呼出信号が検出されると、表示部21と発光部48とモータ47とレシーバ22(あるいは不図示のスピーカ)とを駆動して、着信を報知する。なお、この着信に対して操作部11による応答操作が生じると、RF回路部41を通信、通話に移行させる。
【0034】
ここで、加速度センサ45とCPU49の動作について説明する。
【0035】
加速度センサ45は、携帯電話機1に加わる加速度の推移を定期的に加速度データとして検出している。そして、CPU49は、これを読み出す。また、CPU49は、読み出した加速度データに基づいて携帯電話機1の傾斜角度を求める所定の処理を行い、携帯電話機1がどの方向に向いているのかを把握する。
【0036】
ここで、携帯電話機1に内蔵される加速度センサ45は、図3に示すX、Y、Zの互いに直交する3軸方向の加速度データを検出するものとする。
【0037】
図4は、加速度センサ45により検出した加速度データに基づく、携帯電話機1の傾斜角度の推移を示すグラフである。3軸それぞれの傾斜角度は、計測開始から、ほぼ一定の値を推移した後、モータ47の駆動により大きく振動する。一定の値を推移している場合には、携帯電話機1の向きが求められ、大きく振動している場合には、その振幅(Ax、Ay、Az)から振動量が求められる。
【0038】
ここで、振動量は、具体的には、振幅(Ax、Ay、Az)の最大値や、2乗和の平方根(√(Ax+Ay+Az))としてよい。また、Ax、Ay、Ayは、加速度センサ45により検出された3軸方向それぞれの加速度データに置き換えてもよい。
【0039】
CPU49は、加速度センサ45により検出された加速度データに基づいて、携帯電話機1の向きを判定する。具体的には、例えば、図5に示す状態判定テーブルを参照することにより、説明を簡単にするために筐体形状が直方体と仮定すると、その6面のいずれが載置面に向いているかを判定する。
【0040】
状態判定テーブルでは、加速度データの条件と携帯電話機1の向きとが対応付けられ、X軸、Y軸、Z軸それぞれの正方向および負方向、すなわち6種類の向きと対応する条件とが定義される。例えば、X方向の加速度が「0.9〜1.0G(重力加速度)」、Y方向の加速度が「−0.1〜0.1G」、Z方向の加速度が「−0.1〜0.1G」の範囲であると検出された場合には、X軸の正方向が載置面に向いていると判定される。
【0041】
なお、検出された加速度データが、状態判定テーブルにて定義される加速度条件のいずれにも当てはまらない場合には、載置状態にないと判定する。また、本実施形態では、6種類の方向について定義することとしたが、これには限られず、携帯電話機1の形状(開状態/閉状態等)に従って、その他の傾斜角度を定義してもよい。
【0042】
また、CPU49は、加速度センサ45により検出された加速度データに基づいて、載置面が机等の硬い場所であるか否かを判定する。具体的には、まず、図6に示す閾値決定テーブルを参照し、携帯電話機1の向きに応じて設定された閾値を決定する。
【0043】
閾値決定テーブルでは、携帯電話機1の向き(上述の6種類の方向)と、開閉状態(開放状態または折畳み状態)の組合せに対して、載置面が硬い場所であるか否かを判定するための閾値が対応付けられる。
【0044】
CPU49は、携帯電話機1の向きに応じて決定した閾値を超える振動量が検出された場合に、載置面が机等の硬い場所であるため大きな振動が発生していると判定する。そして、振動量が閾値を超える場合には、モータ47の回転を停止させる。これにより、ユーザにとって不快となり得る大きな振動の発生を抑制することができる。
【0045】
図7は、携帯電話機1に対して着信通知があった場合のCPU49の処理の流れを示す図である。
【0046】
ステップS1では、CPU49は、振動によりユーザへ着信等の報知を行うバイブレーション設定がONであるか否かを判定する。この判定がYESの場合はステップS2に移り、判定がNOの場合は、振動に関する制御の必要がないため処理を終了する。
【0047】
ステップS2では、CPU49は、前回の着信に対して応答しておらず、かつ、前回の加速度データと近似しているか否かを判定する。この判定がYESの場合は、携帯電話機1が移動されていない(ユーザに触れられていない)と推定されるため、ステップS3に移る。一方、判定がNOの場合は、ステップS4に移る。
【0048】
ステップS3では、CPU49は、携帯電話機1の状態が前回の着信時から変化していないと判断し、前回の着信時と同じ動作により報知を行う。
【0049】
ステップS4では、CPU49は、加速度センサ45により検出した加速度データに基づいて、状態判定テーブル(図5)を参照し、携帯電話機1の載置状態を確認する。
【0050】
ステップS5では、CPU49は、ステップS4にて携帯電話機1の載置状態が確認できたか否かを判定する。具体的には、状態判定テーブル(図5)にて定義される加速度条件のいずれにも当てはまらない場合には、載置状態でないと判定する。また、検出される加速度データが一定の値の近くで安定していない場合や、加速度の大きさが1G(重力加速度)から大きく離れている場合等には、携帯電話機1が静止していないと判断できるので、載置状態でないと判定する。この判定がYESの場合はステップS7に移り、判定がNOの場合はステップS6に移る。
【0051】
ステップS6では、CPU49は、携帯電話機1が載置状態でないので、モータ47を回転させ、振動動作により着信の報知を行う。
【0052】
ステップS7では、CPU49は、ステップS4にて確認した携帯電話機1の載置状態(向き)と開閉状態の組合せに対して、閾値決定テーブル(図6)を参照し、載置面が硬い場所であるか否かを判定するための閾値を決定する。
【0053】
ステップS8では、CPU49は、モータ47を所定時間(例えば、1秒未満の短時間)回転させ、振動を発生させる。そして、加速度センサ45により、振動動作中の加速度データを取得する。
【0054】
ステップS9では、CPU49は、ステップS8にて取得した加速度データの振幅が、ステップS7にて決定した閾値を超えたか否かを判定する。この判定がYESの場合はステップS10に移り、判定がNOの場合はステップS11に移る。
【0055】
ステップS10では、CPU49は、携帯電話機1が机等の硬い場所に載置されていると判断し、振動動作を止めて、他の報知手段に切り替える。具体的には、発光部48を発光させたり、レシーバ22や不図示のスピーカから音声出力させたりすることにより報知を行う。
【0056】
ステップS11では、CPU49は、携帯電話機1が机等の硬い場所に載置されていないと判断し、振動動作による報知を継続する。
【0057】
図8は、着信報知時における、CPU49と、加速度センサ45と、モータ制御部46との連携動作の流れを示す図である。
【0058】
CPU49は、着信通知を受けると(ステップS21)、加速度センサ45より受信した加速度データ(ステップS22)に基づいて、携帯電話機1の載置状態を確認する(ステップS23)。
【0059】
そして、携帯電話機1の載置状態に応じた閾値を決定すると(ステップS24)、モータ制御部46に動作指令を行い(ステップS25)、モータ制御部46は、モータ47を駆動することにより振動を発生させる(ステップS26)。
【0060】
CPU49は、振動が発生したときの加速度データを加速度センサ45から受け取ると(ステップS27)、この加速度データの振幅が閾値を超えている場合には、モータ制御部46に停止指令を行い(ステップS28)、モータ制御部46は、モータ47の駆動を停止することにより振動を停止させる(ステップS29)。
【0061】
以上のように、本実施形態の携帯電話機1は、振動発生時の加速度データの振幅と閾値とを比較することにより、携帯電話機1が机等の硬い場所に載置されているか否かを正確に判断できる。そして、硬い場所に載置されていると判断した場合には、振動による報知を止めることにより、ユーザにとって不快となり得る振動の発生を抑えることができる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯電話機1の外観斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る携帯電話機1の機能を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る加速度の3軸方向を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る携帯電話機1の傾斜角度の推移を示すグラフである。
【図5】本発明の実施形態に係る状態判定テーブルを示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る閾値決定テーブルを示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る携帯電話機1に対して着信通知があった場合のCPU49の処理の流れを示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る着信報知時における、CPU49と、加速度センサ45と、モータ制御部46との連携動作の流れを示す図である。
【符号の説明】
【0064】
1 携帯電話機
11 操作部
12 マイク
21 表示部
22 レシーバ(報知手段)
23 ドライバIC
40 メインアンテナ
41 RF回路部
42 表示制御部
43 音声処理部
44 メモリ(記憶手段)
45 加速度センサ(加速度検出手段)
46 モータ制御部
47 モータ(報知手段、振動発生手段)
48 発光部(報知手段)
49 CPU(確認手段、決定手段、制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
報知のための振動を発生させる振動発生手段と、
加速度データを検出する加速度検出手段と、
前記振動発生手段により振動を発生させた際に、前記加速度検出手段により検出した加速度データの変動量が所定の閾値を超えたと判定した場合に、前記振動発生手段による振動の発生を停止させる制御手段と、を備える携帯電子機器。
【請求項2】
前記携帯電子機器の複数の載置状態のそれぞれに対応付けて、加速度データの変動量に関する前記閾値を予め記憶する記憶手段と、
前記振動発生手段により振動を発生させる前に、前記加速度検出手段により検出した加速度データに基づいて、前記載置状態を確認する確認手段と、
前記確認手段により確認した載置状態に応じて、前記記憶手段を参照し、対応する閾値を決定する決定手段と、を更に備える請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記制御手段は、前記確認手段により前記載置状態を確認できない場合には、前記振動発生手段による振動の発生を継続させることを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記振動発生手段とは異なる他の報知手段を更に備え、
前記制御手段は、前記振動発生手段による振動の発生を停止させた場合に、前記他の報知手段により報知を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記制御手段は、前記他の報知手段による前回の報知に対する応答がなされておらず、かつ、前回の報知の前に検出された加速度データと同じ加速度データが今回の報知の前に前記加速度検出手段により検出されている状態で報知を行う場合に、前回同様、前記他の報知手段により報知を行うことを特徴とする請求項4に記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−206856(P2009−206856A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−47190(P2008−47190)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】