説明

携帯電子機器

【課題】携帯電子機器において、大画面表示を実現しつつ操作性を改善すること。
【解決手段】携帯電子機器1は、筐体2の主面3側で画像を表示可能な第1画面32DAと主面3の背面4側で画像を表示可能で、かつ第1画面32DAよりも面積が大きい第2画面32DBと、第1画面32DAとともに主面3に配置される数字キー12や方向及び決定キー13とを有する。携帯電子機器1を制御する制御部は、筐体2の反転に応じて、第1画面32DAを用いた画像の表示と、第2画面32DBを用いた画像の表示とを切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体の両面で画像を表示可能な携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年においては、画面に大きな画像を表示できるようにするため、画面にタッチパネルを設けて操作部を極力排除した携帯電子機器が現れてきている。例えば、特許文献1には、タッチパネルに対する第1の操作に基づいて、表示部における操作画面の表示位置を変更する携帯情報端末が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−284468号公報、段落[0010]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タッチパネルは、数字キーや方向及び決定キー等の物理キーと比較して操作性が劣るため、タッチパネルを備えた携帯電子機器は、操作性を改善する余地がある。本発明は、携帯電子機器において、大画面表示を実現しつつ操作性を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る携帯電子機器は、筐体の所定面側で画像を表示可能な第1画面と、前記所定面の背面側で画像を表示可能で、かつ前記第1画面よりも面積が大きい第2画面と、当該第1画面とともに前記所定面に配置される物理キーと、前記筐体の反転を検出する反転検出部と、前記第1画面及び前記第2画面の表示を制御する制御部と、を含み、当該制御部は、前記反転検出部の検出結果に応じて、前記第1画面を用いた画像の表示と、前記第2画面を用いた画像の表示とを切り替えることを特徴とする。
【0006】
本発明の望ましい態様として、前記制御部は、前記第2画面には大画面表示が好ましい画像を表示させ、前記第1画面には前記物理キーの使用と関連付けられた画像を表示させることが好ましい。
【0007】
本発明の望ましい態様として、前記大画面表示が好ましい画像は、Web閲覧画像と地図画像とカメラで撮像した画像との少なくとも一つを含み、前記物理キーの使用と関連付けられた画像はテキストボックスを含む画像であることが好ましい。
【0008】
本発明の望ましい態様として、前記制御部は、前記第2画面に表示されている画像のうち、検索用入力画像を前記第1画面に表示させることが好ましい。
【0009】
本発明の望ましい態様として、前記第2画面を用いた表示中に前記反転検出部が前記筐体の反転を検出すると、前記制御部は、第1画面にテキストボックスへの入力画像を表示させることが好ましい。
【0010】
本発明の望ましい態様として、前記制御部は、前記テキストボックスを含む領域を拡大表示させることが好ましい。
【0011】
本発明の望ましい態様として、前記第2画面を用いた表示中に前記反転検出部が前記筐体の反転を検出すると、前記制御部は、前記第2画面に表示されている情報をメールに添付することが好ましい。
【0012】
本発明の望ましい態様として、前記第2画面を用いた表示中に前記反転検出部が前記筐体の反転を検出すると、前記制御部は、前記物理キーを使用可能とすることが好ましい。
【0013】
本発明の望ましい態様として、前記第2画面を用いた表示中に前記反転検出部が前記筐体の反転を検出すると、前記制御部は、所定のアプリケーションを起動させるためのメニュー画像を前記第1画面に表示させることが好ましい。
【0014】
本発明の望ましい態様として、前記筐体は、前記背面にタッチパネルを有し、前記所定面にトラックボールと方向及び決定キーとタッチパッドと光式ポインティングデバイスとのうち少なくとも一つを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、携帯電子機器において、大画面表示を実現しつつ操作性を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本実施携帯に係る携帯電子機器の概略構成を示す正面図である。
【図2】図2は、図1に示す携帯電子機器の背面図である。
【図3】図3は、図1に示す携帯電子機器の側面図である。
【図4】図4は、図1に示す携帯電子機器の上面図である。
【図5】図5は、図1に示す携帯電子機器のX−X矢視図である
【図6】図6は、図1に示す携帯電子機器の機能の概略構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、本実施形態に係る携帯電子機器を用いて、画像を表示する画面を切り替える第1の手法を示すフローチャートである。
【図8】図8は、本実施形態に係る携帯電子機器において、画像を表示する画面を切り替える第2の手法を示すフローチャートである。
【図9】図9は、本実施形態に係る携帯電子機器が備えるタッチパネルに手が触れている状態を示す模式図である。
【図10】図10は、本実施形態に係る携帯電子機器が備えるタッチパネルに手が触れている状態を示す模式図である。
【図11】図11は、本実施形態に係る携帯電子機器を用いて、画像を表示する画面を切り替える第3の手法を示すフローチャートである。
【図12】図12は、携帯電子機器が画像を表示しているときに筐体を反転させた場合において、第1画面と第2画面との表示を切り替える一例を示す説明図である。
【図13】図13は、携帯電子機器が画像を表示しているときに筐体を反転させた場合において、第1画面と第2画面との表示を切り替える一例を示す説明図である。
【図14】図14は、携帯電子機器が画像を表示しているときに筐体を反転させた場合において、第1画面と第2画面との表示を切り替える一例を示す説明図である。
【図15】図15は、携帯電子機器が画像を表示しているときに筐体を反転させた場合において、第1画面と第2画面との表示を切り替える一例を示す説明図である。
【図16】図16は、携帯電子機器が画像を表示しているときに筐体を反転させた場合において、第1画面と第2画面との表示を切り替える一例を示す説明図である。
【図17】図17は、携帯電子機器が画像を表示しているときに筐体を反転させた場合において、第1画面と第2画面との表示を切り替える一例を示す説明図である。
【図18】図18は、携帯電子機器が画像を表示しているときに筐体を反転させた場合において、第1画面と第2画面との表示を切り替える一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。以下においては、携帯電子機器として携帯電話機を例として説明するが、本発明の適用対象は携帯電話機に限定されるものではなく、例えば、PHS(Personal Handyphone System)、PDA、ポータブルナビゲーション装置、ポータブルゲーム機等に対しても本発明は適用できる。
【0018】
図1は、本実施携帯に係る携帯電子機器の概略構成を示す正面図である。図2は、図1に示す携帯電子機器の背面図であり、図3は、図1に示す携帯電子機器の側面図であり、図4は、図1に示す携帯電子機器の上面図であり、図5は、図1に示す携帯電子機器のX−X矢視図である。
【0019】
携帯電子機器1は、無線通信機能を備えた携帯電話機である。携帯電子機器1は、筐体2を有し、この筐体2の内部及び表面に各部が配置されている。図1から図4に示すように、筐体2は箱型形状であり、第1筐体2Aと第2筐体2Bとを張り合わせた構造である。第1筐体2A及び第2筐体2Bは平面視が矩形の板状の構造体である。第1筐体2Aと第2筐体2Bとは、それぞれの面積が最も広い面同士が向かい合う向きで貼り合わせられる。また、第1筐体2Aと第2筐体2Bとの面積が最も広い面は、同一面積である。
【0020】
本実施形態において、筐体2、すなわち第1筐体2A及び第2筐体2Bは、透明な材料で作製されている。透明な材料とは、光を透過する材料であり、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA、Poly methyl Methacrylate)やポリカーボネートである。本実施形態において、第1筐体2Aと第2筐体2Bとは、接着剤等で接合されており、図5に示す接合面MPも透明となっている。なお、本実施形態では、筐体2を必ずしも透明な材料で作製する必要はなく、不透明な材料で筐体2を作製してもよい。筐体2を透明な材料で作製した場合、美観に優れた外観を有する携帯電子機器1を提供できる。
【0021】
筐体2の表面は、第1筐体2Aの表面3と第2筐体2Bの表面4とを有する。第2筐体2Aの表面4は、第1筐体2Aに対向する面(反対側の面)である。第1筐体2Aの面積が最も広い面が表面3となり、第2筐体2Bの面積が最も広い面が背面4となる。以下においては、必要に応じて第1筐体2Aの表面3を主面3、第2筐体2Bの表面4を背面4という。
【0022】
図1に示すように、筐体2の主面3(第1筐体2Aの表面3)には、シート部6が設けられている。シート部6は、主面3の長手方向中央よりも一方の短手方向側にオフセットして配置されている。すなわち、シート部6は、一方の短手方向側にずれて配置されている。筐体2の短手方向において、シート部6は主面3の略全面に配置されている。本実施形態において、シート部6は、不透明な材料で作製されている。シート部6は可撓性を有し、押されることで変形する。
【0023】
シート部6には、数字キー12、方向及び決定キー13、マイク15、カメラ36が設けられている。数字キー12は、シート部6の中央に配置されている。数字キー12は、電話番号入力時に数字を入力したり、メール作成時等に文字を入力したりするためのキーである。方向及び決定キー13は、図5に示す第1画面32DAに表示されるメニューの選択及び決定や画面のスクロール等を容易に実行するためのキーであり、シート部6の数字キー12よりもシート部6の外縁寄りに配置されている。
【0024】
レシーバ16は、携帯電子機器1の通話時に音声を発する。レシーバ16は、シート部6部の外縁部と一定の距離を隔てて、筐体2の一方の短辺2S1側に配置されている。マイク15は、携帯電子機器1の通話時に音声を受け取る部分である。マイク15は、筐体2の他方の短辺2S2側、かつ一方の長辺2L1側に配置されている。カメラ36は、筐体2の他方の短辺2S2側、かつ他方の長辺2L2側におけるシート部6に撮影窓が配置されている。
【0025】
図5に示すように、筐体2の内部には、操作基板7と、回路基板8と、タッチパネル14と、アンテナ26aと、表示部32と、バッテリ34と、が配置されている。操作基板7は、数字キー12と、方向及び決定キー13とを有するシート部6に対向して配置された基板である。操作基板7は、数字キー12や方向及び決定キー13に入力された操作を検出する検出回路や、当該検出回路が検出した入力を、後述する制御部22に送信する回路を有している。
【0026】
回路基板8は、後述する制御部22や記憶部24等の機能を有する電子部品、例えばMPU(Micro Processing Unit)やメモリ等が設置されている基板であり、操作基板7よりも背面4側に配置されている。回路基板8は、例えば、筐体2の厚さ方向に積層された2枚の基板で構成され、背面4側に配置されている基板が主面3側の基板よりも面積が大きい基板である。回路基板8は、主面3と直交する方向から筐体2を見た場合に、シート部6が配置されている領域内に配置されている。また、回路基板8は、方向及び決定キー13側の一部に、厚みのある回路部材が設けられている。すなわち、回路基板8は、方向及び決定キー13側の一部が、他の部分、すなわち、マイク15側の部分よりも厚い形状となっている。
【0027】
アンテナ26aは、筐体2の他方の短辺2S2側に、筐体2の短手方向に向かって(すなわち、他方の短辺2S1と平行な方向に向かって)配置されている。また、アンテナ26aは、筐体2の厚さ方向において、操作基板7と、背面4側に配置される回路基板8との間に配置されている。また、アンテナ26aは、主面3と平行な面上において、シート部6が配置されている領域内に配置されている。バッテリ34は、操作基板7の背面4側かつ回路基板8の主面3側、すなわち、操作基板7と回路基板8との間に配置されている。バッテリ34は、回路基板8のうち厚みが薄い領域と対面し、かつ筐体2の長手方向において、アンテナ26aよりも主面3側の回路基板8側に配置されている。
【0028】
表示部32は、筐体2の回路基板8よりも背面4側に配置されている。図1、図2及び図5に示すように、表示部32は、筐体2の長手方向、短手方向の両方向において、背面4の大部分の領域に配置された板状の部材である。表示部32は、所定の画像として、例えば、携帯電子機器1が受信を待機している状態のときに待ち受け画像を表示したり、携帯電子機器1の操作を補助するために用いられるメニュー画像を表示したりする。本実施形態において、表示部32は、透明な表示装置(例えば、透明液晶パネル)であり、反対側が透けて見える。
【0029】
表示部32は、透明な表示装置であるため、表示している画像を主面3側及び背面4側の両方から視認することができる。表示部32は、主面3側において、シート部6に覆われていない領域が第1画面32DAとなり、背面4側における全面が第2画面32DBとなる。以下において、第1画面32DAと第1画面32DAとを区別しない場合、適宜画面という。第1画面32DAに表示された画像は第1筐体2Aを透過して視認でき、第2画面32DBに表示された画像は第2筐体2Bを透過して視認できる。本実施形態において、シート部6の面積と第1画面32DAの面積との和は、第2画面32DBの面積と略等しい。したがって、第2画面32DBの面積は、第1画面32DAよりも大きい。このように、携帯電子機器1は、筐体2の所定面(主面3)側で画像を表示可能な第1画面32DAと、前記所定面の背面側、すなわち背面4側で画像を表示可能で、かつ第1画面32DAよりも面積が大きい第2画面32DBとを有する。
【0030】
本実施形態において、携帯電子機器1のユーザーが主面3側から第1画面32DAを見た場合には、後述する制御部が第1画面32DAに画像を表示させる。また、ユーザーが背面4側から第2画面32DBを見た場合には、前記制御部が第2画面32DBに画像を表示させる。このように、本実施形態においては、ユーザーが表示部32を見る方向によって、前記制御部が第1画面32DAを用いた画像の表示と、第2画面32DBを用いた画像の表示とを切り替えることにより、携帯電子機器1の表示部32は、両面で画像を表示することができる。
【0031】
筐体2は、第1画面32DAと第2画面32DBとが重なる領域が透明となる。したがって、第1画面32DAと第2画面32DBとが重なる領域は、筐体2の外側から見た場合に透けている状態となる。一方、表示部32のうち、第2画面32DBのみとなる領域は、表面3側に回路基板8等が配置されている。このため、表示部32を透明にすると、背面4側からは、回路基板8が見えることになる。
【0032】
本実施形態において、携帯電子機器1は、表示部32に透明な表示装置を用いて両面での画像の表示を実現するが、表示部32は透明なものに限定されるものではない。例えば、2枚の不透明な液晶パネルで面積の異なるもの、あるいは2枚の有機ELパネルで面積の異なるものを組み合わせて表示部32としてもよい。このようにしても、表示部32は、両面で画像を表示することができる。
【0033】
タッチパネル14は、表示部32の背面4側に配置されている。タッチパネル14は、背面4側から入力されるユーザーの操作を検出する操作検出部であり、タッチパネル14のいずれの部分がユーザーに指定されているかを検出する。タッチパネル14は、表示部32と対向している領域が透明である。次に、携帯電子機器1の機能と制御部との関係を説明する。
【0034】
図6は、図1に示す携帯電子機器の機能の概略構成を示すブロック図である。図6に示すように携帯電子機器1は、制御部22と、記憶部24と、通信部26と、操作部28と、音声処理部30と、表示部32と、表示制御部33と、反転検出部35と、カメラ36と、を有する。制御部22は、携帯電子機器1の全体的な動作を統括的に制御する処理部、例えばMPU(Micro Processing Unit)である。
【0035】
制御部22は、携帯電子機器1の各種の処理が、操作部28の操作や携帯電子機器1の記憶部24に記憶されているソフトウェアに応じて適切な手順で実行されるように、表示部32、通信部26等の動作を制御する。制御部22は、記憶部24に保存されているプログラム(例えば、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。
【0036】
記憶部24には、制御部22での処理に利用されるソフトウェアやデータが保存されている。例えば、記憶部24には、表示部32の表示を制御するプログラムや、メールの送受信を実行するためのプログラムが保存されている。さらに、記憶部24には、プログラム以外の各種データも記憶されている。例えば、記憶部24には、各種設定条件や、アドレス帳や、文字変換に用いる辞書データや、カメラ(読取部)36で撮影した画像データ等が記憶されている。
【0037】
通信部26は、アンテナ26aを介して、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信及び情報通信を行う。操作部28は、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キー等、各種の機能が割り当てられた数字キー12と、方向及び決定キー13と、タッチパネル14とで構成される。操作部28は、これらのキー又はタッチパネル14にユーザーの操作が入力されると、その操作内容を制御部22へ入力する。
【0038】
本実施形態において、物理キーとは、タッチパネル14を除いた入力手段であり、具体的には、数字キー12、方向及び決定キー13である。これらは、押下することで操作を入力する装置である。この他にも、物理キーには、トラックボール、タッチパッド、光式ポインティングデバイス、方向キー等が含まれる。本実施形態において、携帯電子機器1は、物理キーとして、方向及び決定キー13と、トラックボールと、タッチパッドと、光式ポインティングデバイスとのうち少なくとも一つを主面3に有することができる。なお、背面4には、本実施形態のように、タッチパネル14を設けることが好ましい。これにより、背面4の第2画面32DBに画像を表示させている場合でも操作を入力することができ、携帯電子機器1の操作性を高くすることができる。
【0039】
音声処理部30は、マイク15に入力される音声信号やレシーバ16から出力される音声信号を処理する。表示部32は、制御部22から表示制御部33を介して供給される映像データに応じた映像や画像データに応じた画像等を表示する。すなわち、制御部22は、表示制御部33を介して表示部32に画像や映像を表示させる。バッテリ34は、制御部22や表示部32等、携帯電子機器1の各部に電力を供給する電源である。カメラ36は、主面3と対向している撮影領域(一定角度の視野角に含まれる領域)の画像を取得する撮像装置である。カメラ36は、撮影した画像の情報を制御部22に送信する。
【0040】
反転検出部35は、図1から図5に示す携帯電子機器1の筐体2の反転を検出する。すなわち、筐体2の主面3と背面4との位置関係が入れ替わったことを検出する。これによって、第1画面32DAと第2画面32DBとの位置関係が入れ替わったことが検出される。図5に示す例では、ユーザーの目Eyが第1画面32DAを見ているが、筐体2が反転すると、ユーザーの目Eyは第2画面32DBを見ることになる。反転検出部35は、筐体2の反転を検出することにより、ユーザーが第1画面32DAと第2画面32DBとのいずれを見ているかを判定する情報を生成する。
【0041】
反転検出部35は、例えば、加速度センサを用いることができる。加速度センサは、筐体2の姿勢を検出することができるので、第1画面32DAの表示面及び第2画面32DBの表示面が向いている方向を検出できる。また、加速度センサは、筐体2に作用する加速度を検出できるので、筐体2の動きも検出することができる。
【0042】
反転検出部35は、タッチパネル14であってもよい。携帯電子機器1の筐体2をユーザーが持って第1画面32DAを見る場合、ユーザーの手はタッチパネル14に接触する。また、携帯電子機器1の筐体2をユーザーが持って第2画面32DBを見る場合、ユーザーがタッチパネル14を操作する場合以外は、ユーザーの手はほとんどタッチパネルに触れない。このように、ユーザーが第1画面32DAを見る場合と第2画面32DBを見る場合とでは、タッチパネル14に触れるユーザーの手の面積が異なる。したがって、この面積の相違を利用して、第1画面32DAと第2画面32DBとのいずれをユーザーが見ているのかを検出することができる。また、タッチパネル14が検出しているユーザーの手の面積が変化することを利用して、筐体2が反転したか否かを判定できる。
【0043】
制御部22は、反転検出部35の検出結果に応じて、第1画面32DAを用いた画像の表示と、第2画面32DBを用いた画像の表示とを切り替える。例えば、ユーザーが第1画面32DAを見ている場合、制御部22は第1画面32DAに画像を表示させる制御を実行する。その最中に反転検出部35が筐体2の反転を検出したら、制御部22は反転検出部35の検出結果、すなわち筐体2が反転したという検出結果を得て、第1画面32DAを用いた画像表示を、第2画面32DBを用いた画像の表示に切り替える。また、第2画面32DBを用いた画像の表示中に反転検出部35が筐体2の反転を検出した場合、制御部22は、第2画面32DBを用いた画像表示を、第1画面32DAを用いた画像の表示に切り替える。
【0044】
これによって、第2画面32DBを用いた画像の表示により、大画面表示を実現できる。また、第2画面32DBを用いた画像の表示中に筐体2が反転されると、物理キーとともに第1画面32DAが現れるので、第1画面32DA及び物理キーを用いて文字や数字、あるいは記号等を入力することができる。これによって、文字等の入力時にはタッチパネル14と比較して操作性に優れる物理キーを用いることができるので、入力の操作性が向上する。このように、携帯電子機器1は、大画面表示を実現しつつ操作性を改善することができる。
【0045】
また、制御部22は、画面によって表示させる画像を判定(選択)させることにより、その画面に対して適切な画像を表示させることもできる。すなわち、制御部22は、第1画面32DAには、物理キーによる入力に適切な画像、例えば、テキストボックスやメールの画像を表示させて、物理キーの入力を第1画面32DAに表示させながら確認する。これによって、携帯電子機器1の入力時における操作性を向上させる。また、制御部22は、第2画面32DBには、動画や電子書籍等の画像を表示させて、多くの情報を大きな画面で表示させる。このように、本実施形態では、使用されている画面に適切な画像を表示させることもできる。
【0046】
携帯電子機器1は、主面3に、数字キー12と、方向及び決定キー13と、第1画面32DAとを備え、背面4に、タッチパネル14と、表示面積が第1画面32DAよりも大きい第2画面32DBとを備える。これにより、携帯電子機器1の使用用途に応じて、主面3と背面4とを使い分けることができる。例えば、メール等の数字、文字の入力が多くなる操作は主面3を用い、画面の拡大や選択が主な操作となるもの、例えば、動画や画像の観賞をする際の操作は背面4を用いるようにすることができる。これにより、携帯電子機器1の操作性を高くすることができる。
【0047】
(画面切替例1)
図7は、本実施形態に係る携帯電子機器を用いて、画像を表示する画面を切り替える第1の手法を示すフローチャートである。第1の手法では、反転検出部35に加速度センサを用いる。以下において、図5に示す携帯電子機器1の第1画面32DAの表示面が重力の作用方向(鉛直方向、図5の矢印Gで示す方向)とは反対方向を向いている場合に、携帯電子機器1の筐体2は上向きであるとする。また、第1画面32DAの表示面が鉛直向を向いている場合に、携帯電子機器1の筐体2は下向きであるとする。これらの場合、第1画面32DAの表示面が鉛直方向に対して傾斜していてもよい。
【0048】
画面切替例1を実行するにあたって、ステップS101において、図6に示す携帯電子機器1の制御部22は、反転検出部35の検出結果から、携帯電子機器1の筐体2が上向きであるか否かを判定する。例えば、図5に示すように、筐体2の主面3及び背面4が鉛直方向と直交するように携帯電子機器1が配置されている場合に、筐体2が上向きであるとする。この状態から筐体2が反転すると、筐体2の主面3と背面4との位置関係が反転するので、携帯電子機器1に搭載される加速度センサの出力も反転(例えば、符号が反転)する。筐体2が上向きの状態における加速度センサの出力が反転するまでは筐体2が上向きであり、加速度センサの出力が反転したら、筐体2が上向きの状態から反転して下向きになったと判断できる。反転検出部35(加速度センサ)の検出結果から、筐体2が上向きであると制御部22が判定した場合(ステップS101、Yes)、ステップS102へ進む。ステップS102において、制御部22は、第1画面32DAに画像を表示させるとともに、物理キー(数字キー12や方向及び決定キー13)を使用可能な状態、すなわち、物理キーによる入力を受け付ける状態とする。
【0049】
第1画面32DAは、物理キーと同じ主面3に配置されている。携帯電子機器1のユーザーは、物理キーを使用する場合に筐体2を上向きとして自分の方に物理キーを向けることが多い。このため、筐体2が上向き、すなわち、第1画面32DAが上向きである場合に物理キーが使用可能な状態とされることで、携帯電子機器1は、物理キーの使用開始に対して遅滞なく物理キーによる入力を受け付けることができる。その結果、携帯電子機器1の使い勝手が向上する。なお、ステップS102において、制御部22は、少なくとも第1画面32DAに画像を表示させればよく、必ずしも物理キーを使用可能な状態とする必要はない(以下同様)。
【0050】
ステップS101において、筐体2が上向きでない、すなわち下向きであると制御部22が判定した場合(ステップS101、No)、ステップS103へ進む。ステップS103において、制御部22は、第2画面32DBに画像を表示させるとともに、タッチパネル14を使用可能な状態、すなわち、タッチパネル14による入力を受け付ける状態とする。筐体2が下向き、すなわち、第2画面32DBが上向きである場合にタッチパネル14が使用可能な状態とされることで、携帯電子機器1は、タッチパネル14の使用開始に対して遅滞なく物理キーによる入力を受け付けることができる。その結果、携帯電子機器1の使い勝手が向上する。なお、ステップS103において、制御部22は、少なくとも第2画面32DBに画像を表示させればよく、必ずしもタッチパネル14を使用可能な状態とする必要はない(以下同様)。
【0051】
ステップS102又はステップS103が終了したら、ステップS104へ進む。ステップS104において、制御部22は、反転検出部35の検出結果から、携帯電子機器1の筐体2が反転したか否かを判定する。例えば、反転検出部35が筐体2の回転運動を検出した場合や、筐体2の主面3と背面4との上下関係が入れ替わったことを検出した場合に、制御部22は筐体2が反転したと判定する。
【0052】
筐体2が反転したと制御部22が判定した場合(ステップS104、Yes)、ステップS105へ進み、制御部22は、表示を切り替えるとともに、入力を切り替える。すなわち、制御部22は、携帯電子機器1が有する二つの画面のうち、反転前において画像の表示に用いていない方を、反転後における画像の表示に用いる。そして、制御部22は、物理キーとタッチパネル14とのうち反転前において入力を受け付ける状態としていない方を、反転後において入力を受け付ける状態とする。これによって、反転後において携帯電子機器1のユーザーに向いている画面に画像を表示させ、ユーザーに向いている操作部の入力を受け付けることができる。
【0053】
筐体2が反転していないと制御部22が判定した場合(ステップS104、No)、ステップS106へ進み、制御部22は、現状を維持する。すなわち、制御部22は、携帯電子機器1が有する二つの画面のうち、ステップS104の判定時において画像の表示に用いている画面での画像表示を継続する。そして、制御部22は、物理キーとタッチパネル14とのうち、ステップS104の判定時において入力を受け付ける状態となっている方を、そのままの状態に維持する。このような手順によって、筐体2の反転によって画像の表示に用いる画面を切り替えることができる。
【0054】
(画面切替例2)
図8は、本実施形態に係る携帯電子機器において、画像を表示する画面を切り替える第2の手法を示すフローチャートである。図9、図10は、本実施形態に係る携帯電子機器が備えるタッチパネルに手が触れている状態を示す模式図である。第2の手法は、反転検出部35にタッチパネル14を用いる。画面切替例2を実行するにあたって、図6に示す携帯電子機器1の制御部22は、反転検出部35であるタッチパネル14の検出結果から、ユーザーの手を検知したか否かを判定する(ステップS201)。
【0055】
制御部22が手を検出しないと判定した場合(ステップS201、No)、ステップS202へ進み、制御部22は、携帯電子機器1を待機状態とする。待機状態とは、携帯電子機器1が、受信を待ち受けている状態である。待機状態において、制御部22は、必要に応じて、待ち受け画像を第1画面32DAあるいは第2画面32DBに表示させる。制御部22が手を検出しないと判定した場合(ステップS201、Yes)、ステップS202へ進み、制御部22は、タッチパネル14に触れている手の面積(接触面積)Sを求め、予め定めた接触面積閾値Scと比較する。
【0056】
ユーザーが携帯電子機器1の筐体2を手で持って、図5に示す第1画面32DAを見ている場合、図9に示すように、ユーザーの指H2、H3、H4、H5が、携帯電子機器1の第2画面32DB側に配置されるタッチパネル14に触れる。このときの第1接触面積SAは、指H2、H3、H4、H5とタッチパネル14とが接触する面積S2、S3、S4、S5の和(SA=S2、S3、S4、S5)となる。一方、図10に示すように、ユーザーが携帯電子機器1の筐体2を手で持って第2画面32DBを見ている場合、ユーザーの指H1が、携帯電子機器1の第2画面32DB側に配置されるタッチパネル14に触れる。このときの第2接触面積SBは、指H1とタッチパネル14とが接触する面積となる。
【0057】
上述したように、ユーザーが携帯電子機器1の第1画面32DAを見ている場合と第2画面32DBを見ている場合とで、接触面積Sは異なる。具体的には、接触面積Sは、ユーザーが携帯電子機器1の第1画面32DAを見ている場合の方が大きくなる(SA>SB)。これを利用して、制御部22は、接触面積Sの大きさに基づいてユーザーが第1画面32DAと第2画面32DBとのどちらを見ているかを判定する。例えば、接触面積閾値ScをSBよりも大きくSAよりも小さい値に設定し、制御部22は、反転検出部35であるタッチパネル14の検出した接触面積Sと接触面積閾値Scとを比較する。そして、制御部22は、S>Scであるときにユーザーは第1画面32DAを見ていると判定し、S≦Scであるときにユーザーは第2画面32DBを見ていると判定する。
【0058】
タッチパネル14を反転検出部35として用いる場合、筐体2が上向であるか否かに関わらず、ユーザーが見ている画面を判定できる。これによって、例えば、ユーザーが寝ている状態で携帯電子機器1を使用している場合や無重力空間で携帯電子機器1を使用している場合であっても、ユーザーが見ている画面を判定できる。
【0059】
ステップS203において、制御部22がS>Scであると判定した場合(ステップS203、Yes)、ユーザーは第1画面32DAを見ていると判断できる。この場合、ステップS204へ進み、制御部22は、第1画面32DAに画像を表示させるとともに、物理キーを使用可能な状態とする。制御部22がS≦Scであると判定した場合(ステップS203、No)、ユーザーは第2画面32DBを見ていると判断できる。この場合、ステップS205へ進み、制御部22は、第2画面32DBに画像を表示させるとともに、タッチパネル14を使用可能な状態とする。
【0060】
ステップS204又はステップS205が終了したら、ステップS206へ進む。ステップS206において、制御部22は、反転検出部35であるタッチパネル14の検出結果から、携帯電子機器1の筐体2が反転したか否かを判定する。例えば、タッチパネル14の検出結果がS>ScからS≦Scに変化した場合や、S≦ScからS>Scに変化した場合に、制御部22は筐体2が反転したと判定する。
【0061】
筐体2が反転したと制御部22が判定した場合(ステップS206、Yes)、ステップS207へ進み、制御部22は、表示を切り替えるとともに、入力を切り替える。筐体2が反転していないと制御部22が判定した場合(ステップS206、No)、ステップS207へ進み、制御部22は、現状を維持する。このような手順によって、筐体2の反転によって画像の表示に用いる画面を切り替えることができる。
【0062】
(画面切替例3)
図11は、本実施形態に係る携帯電子機器を用いて、画像を表示する画面を切り替える第3の手法を示すフローチャートである。第3の手法では、反転検出部35に加速度センサ及びタッチパネル14を用いる。画面切替例3を実行するにあたって、ステップS301において、図6に示す携帯電子機器1の制御部22は、加速度センサの検出結果から、携帯電子機器1の筐体2が上向きであるか否かを判定する。筐体2が上向きであると制御部22が判定した場合(ステップS303、Yes)、ステップS302へ進む。
【0063】
ステップS302において、制御部22は、タッチパネル14の検出結果から、ユーザーの手を検知したか否かを判定する。制御部22が手を検出したと判定した場合(ステップS302、Yes)、ステップS303へ進み、制御部22は、タッチパネル14に触れている手の面積(接触面積)Sを求め、予め定めた接触面積閾値Scと比較する。この手法は、画面切替例2と同様である。
【0064】
制御部22がS>Scであると判定した場合(ステップS303、Yes)、ユーザーは第1画面32DAを見ていると判断できる。この場合、ステップS304へ進み、制御部22は、第1画面32DAに画像を表示させるとともに、物理キーを使用可能な状態とする。制御部22がS≦Scであると判定した場合(ステップS303、No)、ユーザーは第2画面32DBを見ていると判断できる。この場合、ステップS307へ進み、制御部22は、第2画面32DBに画像を表示させるとともに、タッチパネル14を使用可能な状態とする。
【0065】
ステップS302へ戻り、制御部22が手を検出しない判定した場合(ステップS303、No)、携帯電子機器1にユーザーが触れていない状態で、かつ筐体2が上向きであり、第1画面32DAが上を向いていると判断できる。この場合、ステップS304へ進み、制御部22は、第1画面32DAに画像を表示させるとともに、物理キーを使用可能な状態とする。
【0066】
次に、ステップS301へ戻り、筐体2が上向きでない、すなわち下向きであると制御部22が判定した場合(ステップS301、No)、ステップS305へ進む。ステップS305において、制御部22は、タッチパネル14の検出結果から、ユーザーの手を検知したか否かを判定する。制御部22が手を検出したと判定した場合(ステップS305、Yes)、ステップS306へ進み、制御部22は、タッチパネル14に触れている手の面積(接触面積)Sを求め、予め定めた接触面積閾値Scと比較する。この手法は、画面切替例2と同様である。
【0067】
制御部22がS>Scであると判定した場合(ステップS306、Yes)、筐体2が下向き、すなわち、第1画面32DAが重力の作用方向側を向いている状態で、ユーザーは第1画面32DAを見ていると判断できる。例えば、ユーザーが寝転んで携帯電子機器1を使用している場合である。この場合、ステップS304へ進み、制御部22は、第1画面32DAに画像を表示させるとともに、物理キーを使用可能な状態とする。制御部22がS≦Scであると判定した場合(ステップS306、No)、第1画面32DAが重力の作用方向側を向いている状態で、ユーザーは第2画面32DBを見ていると判断できる。この場合、ステップS307へ進み、制御部22は、第2画面32DBに画像を表示させるとともに、タッチパネル14を使用可能な状態とする。
【0068】
ステップS305に戻り、制御部22が手を検出しないと判定した場合(ステップS305、No)、携帯電子機器1にユーザーが触れていない状態で、かつ筐体2が下向きであり、第2画面32DBが上を向いていると判断できる。この場合、ステップS304へ進み、制御部22は、第1画面32DAに画像を表示させるとともに、物理キーを使用可能な状態とする。ステップS304又はステップS307が終了したら、ステップS308へ進む。ステップS308〜ステップS310は、上述したステップS104〜ステップS106及びステップS206〜ステップS208と同様である。
【0069】
加速度センサのみでは、携帯電子機器1の筐体2が下向き、すなわち第1画面32DAが重力の作用方向を向いている状態でユーザーが第1画面32DAを見ている場合(例えば、ユーザーが寝転んで携帯電子機器1を使用している場合等)を区別することができない。また、タッチパネル14のみでは、ユーザーがタッチパネル14に触れている状態でないとユーザーが見ている画面を区別できない。例えば、携帯電子機器1を机の上に置いて使用したり、筐体2の側周部を持って使用したりするような場合は、ユーザーが見ている画面を区別できない。第3の手法では、加速度センサとタッチパネル14とを反転検出部35として使用するので、筐体2が上向きである場合と下向きである場合とのそれぞれの場合に、ユーザーが見ている画面を区別できる。すなわち、携帯電子機器1の筐体2の姿勢に関わらずユーザーが見ている画面を区別できる。その結果、ユーザーが見ている画面を区別する精度が向上するので、携帯電子機器1の使い勝手がさらに向上する。
【0070】
図12から図15は、携帯電子機器が画像を表示しているときに筐体を反転させた場合において、第1画面と第2画面との表示を切り替える一例を示す説明図である。図12は、携帯電子機器1の第2画面32DBにWeb閲覧画像を表示させた例を示している。図13は、携帯電子機器1の第1画面32DAに、検索用入力画像41を表示させた例を示している。検索用入力画像41は、テキストボックス(文字情報や数字情報の入力領域)40を有する画像であり、テキストボックス40は、物理キー(数字キー12や方向及び決定キー13)による入力が必要な画像である。
【0071】
このように、第2画面32DBには、大画面表示が好ましい画像、例えば、Web閲覧画像や地図(MAP)画像、あるいは図1や図6に示すカメラ36で撮像した画像等を表示させることが好ましい。このような画像は、一般に情報量が多いため、できる限り大きい画面に表示させる方が見やすくなるためである。したがって、制御部22は、第2画面32DBに、Web閲覧画像と地図(MAP)画像と図1や図6に示すカメラ36で撮像した画像との少なくとも一つを表示させることが好ましい。
【0072】
一方、携帯電子機器1は、第1画面32DAと物理キーとが筐体2の同じ面に配置されているため、第1画面32DAに画像を表示させる場合は、物理キーの使用と関連付けられた画像を表示させる方が、物理キーの使い勝手が向上するため好ましい。物理キーの使用と関連付けられた画像は、例えば、上述したテキストボックス40やこれを含む画像(検索用入力画像41)のように、物理キーによる入力が必要な画像である。このように、図6に示す制御部22は、第2画面32DBに大画面表示が好ましい画像を表示させ、第1画面32DAに物理キーの使用と関連付けられた画像を表示させることが好ましい。これによって、携帯電子機器1の使い勝手をより向上させることができるので、携帯電子機器1の使用において、ユーザーが感じるストレスを低減できる。
【0073】
図12は、携帯電子機器1の第2画面32DBに検索用入力に用いるテキストボックス40を含むWeb閲覧画像を表示した状態を示している。この状態で筐体2を反転させ、図6に示す反転検出部35が筐体2の反転を検出すると、制御部22は反転検出部35の検出結果に基づき、図13に示すように、第1画面32DAには検索用入力に用いるテキストボックス40を含む検索用入力画像41を表示させる。このとき、図6に示す制御部22は、物理キーを使用可能な状態とする。また、制御部22は、テキストボックス40を含む領域を拡大表示させることが好ましい。これによって、テキストボックス40へ入力される文字や数字がより見やすくなるので、テキストボックス40への入力が容易になる。具体的には、HTML言語で記載されたWebページを第2画面32DBに表示しているときに、反転検出部35が筐体2の反転を検出すると、制御部22は、表示中のWebページに検索ワード入力用のテキストボックス40を示すHTMLタグが含まれているか否かを判定する。テキストボックス40を示すHTMLタグが含まれていると制御部22が判断した場合、制御部22は、テキストボックス40を中心とする画面を第1画面32DAに表示させることとなる。
【0074】
テキストボックス40へ検索したい文字を入力して検索すると、図14に示すように、その結果が第1画面32DAに表示される。第1画面32DAは、第2画面32DBよりも面積が小さいため、多くの情報を含む検索結果画像を表示させるためには、第2画面32DBの方がより好ましい。この場合、携帯電子機器1の筐体2を反転させると、図6に示す反転検出部35が前記反転を検出する。制御部22は、反転検出部35の検出結果に基づいて、図15に示すように、これまで第1画面32DAに表示させていた検索結果画像を第2画面32DBに表示させる。これによって、より面積の大きい第2画面30DBに検索結果画像が表示されるので、ユーザーはより多くの情報を一つの画面で確認することができ、スクロール等の使用を抑制できる。その結果、携帯電子機器1は、ユーザーに与えるストレスをより低減できる。なお、次のように検索結果画像を第2画面32DBに表示させてもよい。まず、第1画面32DAに、検索用入力に用いるテキストボックス40を含む検索用入力画像41を表示させている状態で、ユーザーは検索に用いるキーワードが物理キーによってテキストボックス40に入力する。テキストボックス40に前記キーワードが入力されてから筐体2がユーザーによって反転されると、制御部22は検索を開始し、検索終了後に検索結果を第2画面32DBに表示する。すなわち、制御部22は、筐体2の反転をトリガーとして検索を開始するとともに、検索終了後には検索結果を第2画面32DBに表示させる。このようにすれば、検索ボタン(物理キーに設定されたキーや第2画面32DBに表示される入力検知領域等)を押下することなく検索が開始され、検索結果が第2画面32DBに表示されるので、携帯電子機器1の使い勝手がさらに向上する。
【0075】
また、本実施形態では、携帯電子機器1は、図5に示すように、第2画面32DB側にタッチパネル14を有するが、タッチパネル14は物理キーと比較して反応が鈍い等の理由から、一般にテキストボックス40への入力はし難い。このような場合、物理キーによって入力したいと考えるユーザーが、物理キーを使用するために筐体2を反転させると、第2画面32DBに表示されている画像のうちテキストボックス40が第1画面32DAに表示される。このように、物理キーの使用に連動して、物理キーによる入力が必要な画像が第1画面32DAに表示されるので、携帯電子機器1の使い勝手が向上する。また、物理キーによる入力が必要な画像(本実施形態ではテキストボックス40)を含む領域が拡大されて表示されるので、文字等はさらに入力しやすくなる。さらに、ユーザーが第1画面32DAに表示し切れない情報を見たいと思った場合、ユーザーは筐体2を反転させ、より大きい第2画面32DBを自分に向けることのみで、表示し切れない情報を第2画面32DBで確認できる。このように、携帯電子機器1は、簡単かつユーザーの直感に訴えた操作で画面の表示を切り替えることができるので、ユーザーに対して操作しやすいものとなる。
【0076】
図16から図18は、携帯電子機器が画像を表示しているときに筐体を反転させた場合において、第1画面と第2画面との表示を切り替える一例を示す説明図である。図16は、図6に示す制御部22が、携帯電子機器1の第2画面32DBに地図画像を表示させている状態を示している。この状態で筐体2を反転させると、制御部22は、携帯電子機器1の第1画面32DAには、所定のアプリケーションを起動させるためのメニュー画像45が表示させる。この例において、メニュー画像45は、メール添付メニュー42、コレクションメニュー43、壁紙設定メニュー44を含む。それぞれのメニューが選択されると、制御部22は、選択されたメニューに対応したアプリケーションを起動させる。例えば、コレクションメニュー43が選択されると、制御部22は、コレクションソフトを起動させ、現在第2画面32DBに表示されている画像のURLを図6に示す記憶部24の所定領域に記憶させる。また、壁紙設定メニュー44が選択されると、制御部22は、壁紙選択ソフトを起動させ、現在第2画面32DBに表示されている画像を記憶部24にダウンロードするとともに、当該画像を第1画面32DA又は第2画面32DBの壁紙として設定する。
【0077】
ユーザーは、物理キーとしての方向及び決定キー13を用いて実行したいメニューを選択する。制御部22は、選択されたメニューに対応したアプリケーションを起動する。例えば、メール添付メニュー42が選択された場合、制御部22は、メール添付ソフトを起動させ、図18に示すように、第1画面32DAにメール送信用画像46を表示させるとともに、現在第2画面32DBに表示されている画像のURLをメールに添付する。ユーザーは、物理キーとしての数字キー12を用いてメールの宛先や件名をメールに入力して送信する。このように、第2画面32DBを用いた表示中に反転検出部35が筐体2の反転を検出すると、制御部22は、所定のアプリケーションを起動させるためのメニュー画像45を第1画面32DAに表示させるので、携帯電子機器1の使い勝手を向上させることができる。
【0078】
メニュー画像45に表示させるメニューは、ユーザーが自由に設定できるようにしてもよい。これによって、ユーザーの使用態様に応じて表示されるメニューを変更できるので、ユーザーの使い勝手が向上する。また、第2画面32DBを用いた表示中に筐体2が反転された場合、制御部22は、所定のソフトウェアを起動するようにしてもよい。例えば、第2画面を用いた表示中に筐体2が反転された場合、制御部22は、メール添付用のソフトウェアを起動させ、第2画面32DBに表示されている画像のURLや画像データをメールに添付するようにしてもよい。これによって、メール添付用のソフトウェアを起動させる手間を省くことができるので、携帯電子機器1の使い勝手がさらに向上する。このように、第2画面32DBを用いた表示中における筐体2の反転と、所定のソフトウェアの起動とを関連付けてもよい。これによって、筐体2の反転をトリガーとして、第2画面32DBに画像を表示させている際にユーザーがよく使用するソフトウェアを起動させることができるので、ソフトウェアを起動する手間が軽減されて、携帯電子機器1の使い勝手がさらに向上する。
【産業上の利用可能性】
【0079】
以上のように、本発明に係る携帯電子機器は、大画面表示を実現する際に入力の操作性を向上させることに有用である。
【符号の説明】
【0080】
1 携帯電子機器
2 筐体
2A 第1筐体
2B 第2筐体
3 主面(表面)
4 背面(表面)
6 シート部
7 操作基板
8 回路基板
12 数字キー
13 方向及び決定キー
14 タッチパネル
22 制御部
24 記憶部
26 通信部
28 操作部
30 音声処理部
32 表示部
32DA 第1画面
32DB 第2画面
33 表示制御部
35 反転検出部
40 テキストボックス
41 検索用入力画像
42 メール添付メニュー
43 コレクションメニュー
44 壁紙設定メニュー
45 メニュー画像
46 メール送信用画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の所定面側で画像を表示可能な第1画面と、
前記所定面の背面側で画像を表示可能で、かつ前記第1画面よりも面積が大きい第2画面と、
当該第1画面とともに前記所定面に配置される物理キーと、
前記筐体の反転を検出する反転検出部と、
前記第1画面及び前記第2画面の表示を制御する制御部と、を含み、
当該制御部は、
前記反転検出部の検出結果に応じて、前記第1画面を用いた画像の表示と、前記第2画面を用いた画像の表示とを切り替えることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第2画面には大画面表示が好ましい画像を表示させ、前記第1画面には前記物理キーの使用と関連付けられた画像を表示させる請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記大画面表示が好ましい画像は、Web閲覧画像と地図画像とカメラで撮像した画像との少なくとも一つを含み、前記物理キーの使用と関連付けられた画像はテキストボックスを含む画像である請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第2画面に表示されている画像のうち、検索用入力画像を前記第1画面に表示させる請求項2又は3に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記第2画面を用いた表示中に前記反転検出部が前記筐体の反転を検出すると、
前記制御部は、第1画面にテキストボックスへの入力画像を表示させる請求項2から4のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、
前記テキストボックスを含む領域を拡大表示させる請求項5に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記第2画面を用いた表示中に前記反転検出部が前記筐体の反転を検出すると、
前記制御部は、前記第2画面に表示されている情報をメールに添付する請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記第2画面を用いた表示中に前記反転検出部が前記筐体の反転を検出すると、
前記制御部は、前記物理キーを使用可能とする請求項1から7のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項9】
前記第2画面を用いた表示中に前記反転検出部が前記筐体の反転を検出すると、
前記制御部は、所定のアプリケーションを起動させるためのメニュー画像を前記第1画面に表示させる請求項1から8のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項10】
前記筐体は、前記背面にタッチパネルを有し、前記所定面にトラックボールと方向及び決定キーとタッチパッドと光式ポインティングデバイスとのうち少なくとも一つを有する請求項1から9のいずれか1項に記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−166630(P2011−166630A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−29558(P2010−29558)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】