説明

携帯電子機器

【課題】携帯電子機器のキーバックライト用の発光部を有効に活用可能な携帯電子機器を提供することである。
【解決手段】携帯電話機1は、第2筐体3と、該第2筐体3内部に配設されるプリント基板21に実装され、キー操作部10を照光可能な発光部27と、発光部27を制御する制御部57と、筐体内部に配設されるアンテナ部15と、アンテナ部15を保持するための第1アンテナ保持部13又は第2アンテナ保持部14と、を有し、第1アンテナ保持部13又は第2アンテナ保持部14は、第2筐体3外部に一部が露出されて、発光部27からの光を第2筐体3外部に導光可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯電話機、PDA、携帯型ゲーム機、携帯用テレビ、携帯用ラジオ等の携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、キーバックライト用のLED近傍に、入射する光を拡散可能な材料からなる表示窓部品(インジケータ)を配置し、この表示窓部品の近傍のLEDを点灯制御することで、キーバックライト用のLEDと着信用のLEDを兼用し、動作状態を表示する携帯電子機器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007―150459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の方法においては、携帯電子機器のキーバックライト用のLEDが有効に活用できないという不利益がある。
【0005】
本発明の目的は、携帯電子機器のキーバックライト用の発光部を有効に活用可能な携帯電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の携帯電子機器は、筐体と、該筐体内部に配設されるプリント基板に実装され、キー操作部を照光可能な発光部と、前記発光部を制御する制御部と、前記筐体内部に配設されるアンテナ部と、前記アンテナを保持するためのアンテナ保持部と、を有し、前記アンテナ保持部は、前記筐体外部に一部が露出されて、前記発光部からの光を前記筐体外部に導光可能である。
【0007】
好適には、前記アンテナ保持部は、第1のアンテナ保持部と第2のアンテナ保持部とを有し、前記発光部は、前記第1のアンテナ保持部に照光する第1の発光部と前記第2のアンテナ保持部に照光する第2の発光部とを有する。
【0008】
好適には、前記制御部は、前記第1の発光部と前記第2の発光部を、前記第1のアンテナ保持部又は第2のアンテナ保持部が保持するアンテナ部の受信電波強度が強い方を表示させるように制御する。
【0009】
好適には、前記発光部は、携帯電子機器の動作状況に応じて発光する。
【0010】
好適には、前記アンテナ保持部は、レンズ形状を有しておりライト機能を有する。
【0011】
好適には、前記アンテナ保持部は、前記筐体の複数の面にわたるように形成し、前記制御部は、前記発光部の発光パターンを制御して前記アンテナ保持部を加飾している。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、携帯電子機器のキーバックライト用の発光部を有効に活用可能な携帯電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯電話機の外観を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II断面の説明図である。
【図3】図1及び図2の携帯電話機の信号処理系を示すブロック図である。
【図4】キーシートの正面図と背面図である。
【図5】プリント基板の説明図である。
【図6】発光部によるインジケータ機能の説明図である。
【図7】第1の変形例の説明図である。
【図8】第2の変形例の説明図である。
【図9】第3の変形例の説明図である。
【図10】懐中電灯(ポインタ)機能を発揮させる為の第1アンテナ保持部の形状を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る携帯電話機1の外観を示す斜視図である。
【0015】
携帯電話機1は、折り畳み式として構成されている。
携帯電話機1は第1筐体2及び第2筐体3とで構成されている。
第1筐体2は、第2筐体3と対向する部分を構成する第1筐体フロントケース4と、第2筐体3とは反対側部分を構成する第1筐体リアケース5とを有している。
第2筐体3は、第1筐体2と対向する部分を構成する第2筐体フロントケース6と、第1筐体2とは反対側部分を構成する第2筐体リアケース7とを有している。
【0016】
第1筐体フロントケース4及び第1筐体リアケース5はネジ等により互いに固定され、第1筐体フロントケース4及び第1筐体リアケース5の間に形成された空間に種々の電子部材を収容する収容空間を構成する。
第2筐体フロントケース6及び第2筐体リアケース7もネジ等により互いに固定され、第2筐体フロントケース6及び第2筐体リアケース7の間に形成された空間に種々の電子部材を収容する収容空間を構成する。
これらの第1筐体フロントケース4、第1筐体リアケース5、第2筐体フロントケース6及び第2筐体リアケース7は、例えば、樹脂により形成されている。
【0017】
なお、方向を示すときは、第1筐体リアケース5から第1筐体フロントケース4に向かう方向を表面方向(図1においては、紙面手前の方向)といい、第1筐体フロントケース4から第1筐体リアケース5に向かう方向を裏面方向(図1においては、紙面奥手の方向)という。
同様に第2筐体リアケース7から第2筐体フロントケース6に向かう方向を表面方向(図1においては、紙面手前の方向)といい、第2筐体フロントケース6から第2筐体リアケース7に向かう方向を裏面方向(図1においては、紙面奥手の方向)という。
【0018】
また、第1筐体2においてヒンジ部9に向かう方向をヒンジ部方向(図1の第1筐体2においては、紙面下の方向)といい、その逆をヒンジ部反対方向(図1の第1筐体2においては、紙面上方向)という。
同様に、第2筐体3においても、ヒンジ部9に向かう方向を連結部方向(図1の第2筐体3においては、紙面上の方向)といい、その逆を連結部反対方向(図1の第2筐体3においては、紙面下の方向)という。
【0019】
さらに、図1のように第1筐体2を上にし、第2筐体3を下にした状態とした時に、右側に来る側面を右側面11とし、左側に来る側面を左側面12という。
そして、右側面11側に向かう方向を右側面方向(図1においては、紙面右の方向)といい、左側面12面に向かう方向を左側面方向(図1においては、紙面左の方向)という。
【0020】
図1のように、第1筐体フロントケース4には表示部8が配置されている。
この表示部8は、携帯電話機1の状態、ユーザの操作内容、発信先電話番号、電子メールの内容の表示、ゲーム画面等の様々な情報を表示するためのものである。
また、表示部8はLCD(液晶ディスプレイ)、OLED(Organic light-emitting diode:有機EL)等によって構成されている。
【0021】
また、図1のように、第2筐体フロントケース6の表面方向には、キー操作部10が配置されている。このキー操作部10をユーザが操作することによって、携帯電話機1に命令の入力、文字の入力等がなされる。
【0022】
キー操作部10の、ヒンジ部反対方向位置には第1アンテナ保持部13が配設されている。
キー操作部10の、ヒンジ部方向位置には第2アンテナ保持部14が配設されている。
【0023】
この第1アンテナ保持部13及び第2アンテナ保持部14は、後述するが、アンテナ部を保持するための部材である。
さらに、この第1アンテナ保持部13及び第2アンテナ保持部14は、キー操作部10内部の発光部27が発光する光を第2筐体3の外部に導光する役割をも有している。
つまり、この第1アンテナ保持部13及び第2アンテナ保持部14は、ユーザに各種の情報(電話着信、メールの着信等)の報知を行うインジケータの機能をも有している。
【0024】
図2は、図1のII−II断面の説明図である。
【0025】
図2のように、第2筐体フロントケース6と第2筐体リアケース7とが、その内面どうしを対向させて結合している。
そして、それによって形成される内部空間に、内部筐体20が配置されている。内部筐体20の裏面方向には、バッテリ収納部28が形成されている。
そして、このバッテリ収納部28に着脱可能なバッテリ22が配置されている。このバッテリ22は携帯電話機1に電力を供給している。
さらに、裏面方向には、バッテリ22を交換可能とするためにバッテリカバー23が配置されている。
【0026】
内部筐体20の、表面方向には、スイッチ26が実装されるプリント基板21が配置されている。このプリント基板21は、アンテナ部15及び発光部27が実装されている。
発光部27は、例えば、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)によって構成されている。
この発光部27は、少なくともキーシート32の一部を照光する。この照光によって、ユーザは暗闇でも携帯電話機1のスイッチ位置を認識することが可能となる。
また、この照光によってデザイン性を向上させることができる。
【0027】
スイッチ26は、例えば、固定接点25と、ドーム状の板金であるメタルドーム24により構成されている。メタルドーム24は固定接点25を覆っている。
ユーザがキーシート32を押圧すると、それによってキーシート32が弾性変形する。さらに、そのキーシート32の弾性変形によって、キーシート32がメタルドーム24の頭頂部を押圧する。
それによって、メタルドーム24も弾性変形をおこす、その変形量が一定程度を超えると、メタルドーム24の一部が凹んで反対側に凸となる。
これによって、メタルドーム24はクリック感を生じつつ固定接点25に当接する。
メタルドーム24と固定接点25が当接することによって電流が流れ、この電流の流れを制御部57が検出する。そして、このことによって、制御部57はユーザによるキーシート32の押しこみ、つまり、ユーザによるキー入力操作を検出する。
【0028】
メタルドーム24はメタルドームシート43によってプリント基板21に貼り付けられる。
具体的には、粘着性の物質が形成されたメタルドームシート43の一方表面側にメタルドーム24を貼り付け、さらに、メタルドームシート43はプリント基板21に貼り付けられる。
【0029】
また、後述するキーシート32及びメタルドームシート43は、発光部27が出射する光を反射する反射部としての機能をも有している。
そして、キーシート32及びメタルドームシート43によって反射された光は、キーシート32及びメタルドームシート43の間隙の空間である導光路44を通過する。
そして、導光路44を通過した光は、第1アンテナ保持部13、第2アンテナ保持部14又は透過部31を経由して、第2筐体3の外部に導光される。
第2筐体3の外部に導光される光は、照光(キーバックライト)機能又はインジケータ機能を発揮する。
第1アンテナ保持部13及び第2アンテナ保持部14は、透明又は半透明な材料によって形成されている。
【0030】
プリント基板21の表面方向にはキーシート32が配置されている。キーシート32の表面には、押圧がなされた時に発揮するべき機能を表した印刷図形33(図4を参照)が形成されている。
印刷図形33は、たとえば、0〜9までの数字、各種の図形及び記号並びにアルファベット等から構成される。
この印刷図形33は、スイッチ26に対応する位置に形成されている。
【0031】
キーシート32は、遮光部30と透過部31から構成されている。
遮光部30は発光部27の光を透過しないように構成され、透過部31は発光部27の光を透過するように構成されている。
透過部31は、透明又は半透明に構成されている。また、透過部31の表面方向の面には、透過部31の内部に配置されているスイッチ26が実現する機能に対応する印刷図形33が形成されている。
また、遮光部30が特に反射部としての機能を発揮する。
【0032】
キーシート32は、例えば、透明又は半透明で容易に撓むシリコン樹脂等で構成する。
【0033】
発光部27は、前述のようにキー操作部10を構成するキーシート32の透過部31を照光することに加えて、第1アンテナ保持部13をも照光する。
つまり、第1アンテナ保持部13は、発光部27が出射する光を導光して、第2筐体3の外部に導く役割を果たしている。
第1アンテナ保持部13が第2筐体3の外部に発光部27の光を導光することによって、第1アンテナ保持部13は、インジケータとしての機能をも有することができる。
なお、第2アンテナ保持部14も第1アンテナ保持部13と同様の機能及び構成を有している。
【0034】
第1アンテナ保持部13は、第1アンテナ部15aを保持する役割を有している。
また、第1アンテナ部15aはプリント基板21に実装されており、第1アンテナ部15aを通じて無線通信を行う。
第2アンテナ保持部14によって保持される第2アンテナ部15bも同様な構成を有している(第2アンテナ部15bは図示していない)。
【0035】
図3は、図1及び図2の携帯電話機1の信号処理系を示すブロック図である。
【0036】
図3に示されるように、携帯電話機1は、制御・処理の中枢である制御部57と、通信部51と、操作部52と、音声入出力部53と、表示部8と、記憶部56と、発光部27のそれぞれが、アドレス、データ、コントロールのためのラインが複数本からなるシステムバス59に共通に接続され、構成される。
【0037】
発光部27は、第1アンテナ部15a側の第1発光部27aと、第2アンテナ部15b側の第2発光部27bとを有する。
この第1発光部27aと第2発光部27bとが発光することによって、第1アンテナ保持部13及び第2アンテナ保持部14を照光している。
第1発光部27aと第2発光部27bは、第1アンテナ保持部13及び第2アンテナ保持部14を照光するのみではなく、キー操作部10をも照光する機能を有している。
後述する制御部57は、複数の発光部27のうちどの発光部27が発光するか、発光するとしてどの色の光を出射するかを制御可能である。
つまり、第1発光部27a及び第2発光部27bは独立に、光の出射の有無、光量、色を変化することが可能である。
【0038】
通信部51は、無線通信システムを捕捉し、通信ネットワークに接続される基地局100との間で無線通信を行い、各種データの送受信を行う。各種データとは、Web上のダウンロードサイトからダウンロードされるファイルのデータ、音声通話時の音声データ、メール送受信時のメールデータ、ウェブ閲覧時のウェブページデータ、等である。
通信部51は、第1アンテナ保持部13の第1アンテナ部15a及び第2アンテナ保持部14の第2アンテナ部15bを用いて通信を行う。
第1アンテナ保持部13の第1アンテナ部15a及び第2アンテナ保持部14の第2アンテナ部15bのどちらか一方を用いて通信することも可能であるし、両方を使用することも可能である。
また、第1アンテナ部15aと第2アンテナ部15bとのどちらか一方を用いる場合には、第1アンテナ部15aと第2アンテナ部15bのうち、より電波強度の強い方を選択的に用いることもできる。
【0039】
操作部52は、キー操作部10及びその他の部分から入力されるユーザの指示を受け付ける。
キー操作部10には、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キー、ファンクションキーなど、各種の機能が割り当てられたキーが配置されている。
そして、これらのキーがユーザによって操作された場合に、その操作内容に対応する信号を発生し、これをユーザの指示として制御部57に出力する。
【0040】
音声入出力部53は、スピーカから出力される音声信号やマイクロフォンにおいて入力される音声信号の入出力処理を行う。
すなわち、音声入出力部53は、マイクロフォンから入力された音声を増幅し、アナログ/デジタル変換を行い、更に符号化等の信号処理を施し、デジタルの音声データに変換して制御部57に出力する。
また、音声入出力部53は、制御部57から供給される音声データに復号化、デジタル/アナログ変換、増幅等の信号処理を施し、アナログの音声信号に変換してスピーカに出力する。
【0041】
表示部8は、例えばLCDやOLED(Organic light-emitting diode(有機EL))を用いて構成されており、制御部57から供給される映像信号に応じた画像を表示する。
表示部8は、例えば、通信部51による無線発信時における発信先の電話番号、着信時における発信元の電話番号、受信メールや送信メールの内容、日付、時刻、電池残量、発信成否、待ち受け画面等を表示する。
【0042】
記憶部56では、携帯電話機1の各種処理に利用される各種データを記憶する。記憶部56は、例えば制御部57が実行するコンピュータのプログラム、通信相手の電話番号や電子メールアドレス等の個人情報を管理するアドレス帳、着信音やアラーム音を再生するための音声ファイル、待ち受け画面用の画像ファイル、各種の設定データ、プログラムの処理過程で利用される一時的なデータが記憶される。
また、記憶部56ではダウンロードが完了したファイルも記憶する。
【0043】
なお、記憶部56は、例えば、不揮発性の記憶デバイス(不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置、光ディスク装置など)やランダムアクセス可能な記憶デバイス(例えばSRAM、DRAM)などによって構成される。
【0044】
制御部57は、携帯電話機1の全体的な動作を統括的に制御する。
すなわち、制御部57は、携帯電話機1の各種処理(回線交換網を介して行われる音声通話、電子メールの作成と送受信、インターネットのWeb上のダウンロードサイトの閲覧など)が操作部52の操作に応じて適切な手順で実行されるように、上述した各ブロックの動作(通信部51における信号の送受信、表示部8における画像の表示等)を制御する。
さらに、制御部57は、記憶部56に格納されるプログラム(オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行するコンピュータ(マイクロプロセッサ)を備えており、このプログラムにおいて指示された手順に従って上述した処理を実行する。
すなわち、制御部57は、記憶部56に格納されるオペレーティングシステムやアプリケーションプログラム等のプログラムから命令コードを順次受け取って処理を実行する。
【0045】
また、制御部57は、第1アンテナ部15aと第2アンテナ部15bとのうち、より電波強度の強いものを選択する機能をも有する。
そして、より電波強度が強いアンテナ側のアンテナ保持部を発光部27によって照光させる。
この照光によって、ユーザはより直観的に電波強度が強い方向を認識することができる。
【0046】
図4は、キーシート32の正面図と背面図である。
【0047】
図4のように、キーシート32の表面には印刷図形33が形成されている。
また、キーシート32は、スイッチ26に対応する部分で印刷図形33が形成される部分である遮光部30と透過部31とを有する。
遮光部30は、光を透過しない物質によって形成して、発光部27の光が透過しないように構成している。
一方、透過部31は、透明又は半透明の物質によって形成して、発光部27の光が容易に通過できるようにしている。
【0048】
図5は、プリント基板21の説明図である。
【0049】
図5のように、プリント基板21にはスイッチ26のメタルドーム24が配置されている。メタルドーム24は図4の透過部31に対応する位置に配置されている。
そして、複数配置されるメタルドーム24の中間位置にそれぞれ発光部27が配置されている。
この発光部27は、隣接する複数のスイッチ26に対応する透過部31を通過して、透過部31に形成される印刷図形33を照光させることができる。
図5のように、ヒンジ部反対方向位置には、第1発光部27aが配置されている。
また、ヒンジ部方向位置には、第2発光部27bが配置されている。
【0050】
図6は、発光部27によるインジケータ機能の説明図である。
【0051】
図6のように、第1発光部27aは発光して、第1アンテナ保持部13を照光可能である。
同様に、第2発光部27bは発光して、第2アンテナ保持部14を照光可能である。
このように、キー操作部10を構成するキーシート32のヒンジ部反対方向位置に第1アンテナ保持部13が形成され、ヒンジ部側方向位置に第2アンテナ保持部14が形成される。
そして、第1発光部27a及び第2発光部27bはそれぞれ独立に照光することができるのであるから、第1アンテナ保持部13及び第2アンテナ保持部14に独立にインジケータとしての機能を発揮させることができる。
それによって、携帯電話機1の意匠性を上げることができる。
つまり、インジケータとしての機能によって、第1アンテナ保持部13及び第2アンテナ保持部14を様々な色等で照光することによって、デザインの向上を図ることが可能である。
【0052】
インジケータの機能は、具体的には、携帯電話機1の各種状態に応じて発光することによって達成される。
例えば、携帯電話機1の電話・電子メールの着信・発信時に発光してユーザに着信・発信の報知を行う。又は、各種のモード(マナーモード等)に応じて、発光して一定のモードであることをユーザに報知する。
これによって、ユーザに携帯電話機1の情報を確実に報知することが可能となる。
【0053】
また、第1アンテナ保持部13を照光する第1発光部27aと、第2アンテナ保持部14を照光する第2発光部27bとは、第1アンテナ部15aと第2アンテナ部15bとのうち電波強度が強い方を、ユーザに知らせることが可能なように発光する。
具体的には、例えば、第1アンテナ部15aの電波強度が第2アンテナ部15bよりも強い場合には、第1アンテナ保持部13を第2アンテナ保持部14よりも明るく発光させて、ユーザに電波強度が強い方向を報知する。
【0054】
以上の様に構成することによって、アンテナ保持部を用いて、ユーザに電波強度の強い方向、携帯電話機1の状態等の各種の情報を報知することが可能となる。
さらに、アンテナ保持部にインジケータ機能を持たせたことによって、携帯電話機1の装飾性を高めることが可能となる。
【0055】
<第1の変形例>
図7は、第1の変形例の説明図である。
【0056】
より好適な、変形例について説明する。
図7は図1のII−IIにおける断面図であり、図2と同一の位置における断面図である。
図7が図2と異なる点は、キーシート側反射シート41及びプリント基板側反射シート42を有する点である。
キーシート側反射シート41は、キーシート32の裏面方向(プリント基板21側)に配置されている。また、キーシート側反射シート41は遮光部30の部分にのみ張り付けられており、透過部31には張り付けられていない。
プリント基板側反射シート42は、プリント基板21の表面方向(キーシート32側)に配置されている。
このように、キーシート側反射シート41及びプリント基板側反射シート42が、発光部27が配置されている側に設けられていることによって、次の効果を有する。
キーシート側反射シート41及びプリント基板側反射シート42によって、発光部27からの光が反射してより効率的に第1アンテナ保持部13、第2アンテナ保持部14及び透過部31に導くことが可能となる。
【0057】
これによって、より低光度の発光部27であっても透過部31を照光することができる。そのことによって、電池容量を節約することが可能となる。
また、キーシート側反射シート41及びプリント基板側反射シート42によって光が導かれるのであるから、発光部27から遠い部分であっても光を導くことができ、輝度ムラを防ぐことができる。
さらにまた、遮光部30を光が透過してしまうことを防ぐことができる。
【0058】
<第2の変形例>
図8は、第2の変形例の説明図である。
【0059】
図8の第2の変形例が、図6の実施形態と異なる点は、第1発光部27a及び第2発光部27bが複数(3個以上)として、第1アンテナ保持部13及び第2アンテナ保持部14内の発光状況を変化させることが可能となる。
つまり、図8のように、左側が明るく、右側が暗く発光させることが可能となる。これによって、同じアンテナ保持部で、方向を表現することが可能になる。
そして、方向を表現できることによって、基地局100の方向(電波強度が強い方向)を表現することができる。
この同一のアンテナ保持部内での明るさの強弱と、第1アンテナ保持部13と第2アンテナ保持部14とのどちらを発光させるかと、によって基地局100の方向(電波強度が強い方向)をユーザに指し示すことが可能となる。
なお、このアンテナ保持部内での明るさの強弱は、電波強度の強弱以外の各種の情報をユーザに報知することもできる。
例えば、道案内機能において、進むべき方向を支持することも可能である。
【0060】
<第3の変形例>
図9は、第3の変形例の説明図である。
【0061】
第1アンテナ保持部13及び第2アンテナ保持部14は、必ずしも第2筐体3の表面方向位置において、光を放射可能とする必然性はない。
たとえば、ヒンジ部反対方向位置に光を放射可能としてもよい。
このようにすることによって、懐中電灯又はポインタとしての機能を発揮させることも可能である。
【0062】
図10は、懐中電灯(ポインタ)機能を発揮させる為の第1アンテナ保持部13の形状を説明する図である。
【0063】
図10のように、第1アンテナ保持部13は、第1発光部27aからの光を集光可能なようにレンズ状の形状を有しているとより好適である。
これによって、より好適に懐中電灯(ポインタ)機能を発揮することが可能となる。
【0064】
<第4の変形例>
さらに、第1アンテナ保持部13及び第2アンテナ保持部14は、第2筐体3の複数の面にわたるように形成して、制御部57は、発光部27の発光パターンを制御して第1アンテナ保持部13及び第2アンテナ保持部14を加飾してもよい。
このような構成によって、より装飾性を向上させることが可能となる。
【0065】
以上の実施形態によれば、携帯電話機1は、第2筐体3と、該第2筐体3内部に配設されるプリント基板21に実装され、キー操作部10を照光可能な発光部27とを有している。
また、発光部27を制御する制御部57と、筐体内部に配設されるアンテナ部15と、アンテナ部15を保持するための第1アンテナ保持部13又は第2アンテナ保持部14と、を有している。
そして、第1アンテナ保持部13又は第2アンテナ保持部14は、第2筐体3外部に一部が露出されて、発光部27からの光を第2筐体3外部に導光可能である。
このような構成によって、アンテナ保持部を用いて、ユーザに電波強度の強い方向、携帯電話機1の状態等の各種の情報を報知することが可能となる。
さらに、アンテナ保持部にインジケータ機能を持たせたことによって、携帯電話機1の装飾性を高めることが可能となる。
【0066】
アンテナ保持部は、第1アンテナ保持部13と第2アンテナ保持部14とを有している。
そして、発光部27は、第1アンテナ保持部13に照光する第1発光部27aと第2アンテナ保持部14に照光する第2発光部27bとを有する。
このような構成によって、複数のインジケータを携帯電話機1に設けて、ユーザに各種の情報を報知することが可能となる。
【0067】
制御部57は、第1発光部27aと第2発光部27bを、第1アンテナ保持部13又は第2アンテナ保持部14が保持するアンテナ部15の受信電波強度が強い方を表示させるように制御する。
このような構成によって、複数のインジケータを用いてユーザに電波強度の情報を報知することが可能となる。
【0068】
発光部27は、携帯電話機1の動作状況に応じて発光する。
このような構成によって、ユーザに携帯電話機1の情報を確実に報知することが可能となる。
【0069】
第1アンテナ保持部13又は第2アンテナ保持部14は、レンズ形状を有しておりライト機能を有する。
このような構成によって、より好適に懐中電灯(ポインタ)機能を発揮することが可能となる。
【0070】
第1アンテナ保持部13又は第2アンテナ保持部14は、前記筐体の複数の面にわたるように形成されている。
そして、制御部57は、発光部27の発光パターンを制御して第1アンテナ保持部13又は第2アンテナ保持部14を加飾している。
このような構成によって、より装飾性を向上させることが可能となる。
【0071】
なお、以上の実施形態において、第1筐体2及び第2筐体3は本発明の筐体の一例である。つまり、筺体とは、携帯電子機器を収容する容器に該当するものであればどのようなものであってもよい。さらに、容器の一部、例えば、第1筐体フロントケース4、第1筐体リアケース5、第2筐体フロントケース6及び第2筐体リアケース7であっても筺体に該当する。
【0072】
キーシート32は、キートップとラバーベースとを総称する概念である。また、キートップは必ずしもキートップとラバーベースが別体として構成されている必要はなく、一体形成されていてもよい。さらに、キートップがなくラバーベースに直接キー図形が形成されているような場合におけるラバーベースについてもキーシート32に含まれる。
【0073】
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
【0074】
携帯電子機器は、携帯電話機1に限定されない。例えば、携帯電子機器は、ノートパソコン、PDA、ゲーム機、カメラであってもよい。また、携帯電子機器は、折り畳み式のものに限定されない。ケースが一体的に構成されたもの(1つのみのケース)であってもよい。
【符号の説明】
【0075】
1…携帯電話機、2…第1筐体、3…第2筐体、4…第1筐体フロントケース、5…第1筐体リアケース、6…第2筐体フロントケース、7…第2筐体リアケース、8…表示部、9…ヒンジ部、10…キー操作部、11…右側面、12…左側面、13…第1アンテナ保持部(第1のアンテナ保持部)、14…第2アンテナ保持部(第2のアンテナ保持部)、15…アンテナ部、15a…第1アンテナ部(第1のアンテナ部)、15b…第2アンテナ部(第2のアンテナ部)、20…内部筐体、21…プリント基板、22…バッテリ、23…バッテリカバー、24…メタルドーム、25…固定接点、26…スイッチ、27…発光部、27a…第1発光部、27b…第2発光部、28…バッテリ収納部、30…遮光部、31…透過部、32…キーシート、33…印刷図形、41…キーシート側反射シート、42…プリント基板側反射シート、43…メタルドームシート、44…導光路、51…通信部、52…操作部、53…音声入出力部、56…記憶部、57…制御部、59…システムバス、100…基地局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
該筐体内部に配設されるプリント基板に実装され、キー操作部を照光可能な発光部と、
前記発光部を制御する制御部と、
前記筐体内部に配設されるアンテナ部と、
前記アンテナ部を保持するためのアンテナ保持部と、を有し、
前記アンテナ保持部は、前記筐体外部に一部が露出されて、前記発光部からの光を前記筐体外部に導光可能である
携帯電子機器。
【請求項2】
前記アンテナ保持部は、第1のアンテナ保持部と第2のアンテナ保持部とを有し、
前記発光部は、前記第1のアンテナ保持部に照光する第1の発光部と前記第2のアンテナ保持部に照光する第2の発光部とを有する
請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1の発光部と前記第2の発光部を、前記第1のアンテナ保持部又は第2のアンテナ保持部が保持するアンテナ部の受信電波強度が強い方を表示させるように制御する
請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記発光部は、携帯電子機器の動作状況に応じて発光する
請求項1〜3いずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記アンテナ保持部は、レンズ形状を有しておりライト機能を有する
請求項1〜4いずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記アンテナ保持部は、前記筐体の複数の面にわたるように形成され、
前記制御部は、前記発光部の発光パターンを制御して前記アンテナ保持部を加飾している
請求項1〜5いずれか1項に記載の携帯電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−97231(P2011−97231A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−247596(P2009−247596)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】