説明

携帯電子機器

【課題】筐体の連結部分の構造を簡略化すること。
【解決手段】第1筐体1CAと第2筐体1CBとを有する携帯電話端末(携帯電子機器)1aは、第1筐体1CAの第1の面に設けられた表示部2aと、第2筐体1CBの第2の面に設けられた表示部3と、表示部2aおよび表示部3が外部に露出する開状態において、第1筐体1CAおよび第2筐体1CBが対向する面を通じて筐体間で信号を伝達させる信号端子6Aおよび6Bと、表示部3が第1筐体1CBによって覆い隠さる閉状態において、第1の面および第2の面を通じて筐体間で信号を伝達させる信号端子5Aおよび5Bとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の筐体を有する携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話端末等の携帯電子機器には、持ち運び時に装置がコンパクトになるように、上側筐体と下側筐体とをヒンジで連結し、ヒンジを軸として折り畳み可能に構成されたものがある。このような折り畳み式の携帯電子機器では、筐体間で電力や信号を伝達するために、フレキシブルケーブル等の配線がヒンジの内部に収められる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−100139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の折り畳み式の携帯電子機器のようにフレキシブルケーブル等をヒンジの内部に収めることとすると、ヒンジ周辺、すなわち、筐体の連結部分の構造が複雑になる。その結果、筐体の連結部分のデザインの自由度が低くなる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、筐体の連結部分の構造が簡略化された携帯電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、第1の筐体と第2の筐体とを有する携帯電子機器であって、前記第1の筐体の第1の面に設けられた第1の表示部と、前記第2の筐体の第2の面に設けられた第2の表示部と、前記第1の表示部および前記第2の表示部が外部に露出する開状態において、前記第1の筐体および前記第2の筐体が対向する面を通じて前記第1の筐体および前記第2の筐体の間で信号を伝達させる第1の伝達手段と、前記第2の表示部が前記第1の筐体によって覆い隠される閉状態において、前記第1の面および前記第2の面を通じて前記第1の筐体および前記第2の筐体の間で信号を伝達させる第2の伝達手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
ここで、前記第1の伝達手段および前記第2の伝達手段の少なくとも一方は非接触の通信方式を用いて信号を伝達させることが好ましい。前記非接触の通信方式は、赤外線通信方式であってもよい。また、前記非接触の通信方式は、前記第1の表示部および前記第2の表示部の少なくとも一方に光センサを設け、当該光センサによって他方の表示部が発光する光を検出することによって信号を伝達する方式であってもよい。
【0008】
また、前記第1の伝達手段および前記第2の伝達手段は、前記第1の筐体から前記第2の筐体への信号の伝送と、前記第2の筐体から前記第1の筐体への信号の伝送とを1つの経路を用いて行い、当該携帯電子機器が前記開状態にあるか前記閉状態にあるかに応じて該経路において信号が伝送される方向を切り替えることが好ましい。
【0009】
また、前記携帯電子機器は、前記第2の筐体の第3の面に設けられた操作部と、前記操作部の操作によって生じる圧力から電力を生成する圧電発電部とをさらに備え、前記閉状態において、前記圧電発電部によって生成される電力で前記第2の筐体の各部を動作させることが好ましい。
【0010】
また、前記携帯電子機器は、前記閉状態において、前記第1の面および前記第2の面を通じて前記第1の筐体および前記第2の筐体の間で電力を伝達させることが好ましい。
【0011】
また、前記携帯電子機器は、前記開状態において、前記第1の筐体および前記第2の筐体が対向する面を通じて前記第1の筐体および前記第2の筐体の間で電力を伝達させることが好ましい。
【0012】
また、前記携帯電子機器は、前記閉状態において、前記開状態において前記第1の筐体および前記第2の筐体の間で電力を伝達させるための端子を充電端子として機能させることが好ましい。
【0013】
また、前記携帯電子機器は、前記第1の表示部と前記第2の表示部は、前記開状態において、隙間を空けずに配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る携帯電子機器は、筐体の連結部分の構造を簡略化することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、閉状態にある携帯電話端末の正面図である。
【図2】図2は、開状態にある携帯電話端末の正面図である。
【図3】図3は、開状態にある携帯電話端末の裏面図である。
【図4】図4は、開状態にある携帯電話端末の側面図である。
【図5】図5は、閉状態にある携帯電話端末の側面図である。
【図6】図6は、開状態にある携帯電話端末のA−A’断面の概略図である。
【図7】図7は、閉状態にある携帯電話端末のA−A’断面の概略図である。
【図8】図8は、開状態にある携帯電話端末のB−B’断面の概略図である。
【図9】図9は、携帯電話端末の機能的な構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、開状態にある携帯電話端末の正面図である。
【図11】図11は、開状態にある携帯電話端末のC−C’断面の概略図である。
【図12】図12は、閉状態にある携帯電話端末のC−C’断面の概略図である。
【図13】図13は、携帯電話端末の機能的な構成を示すブロック図である。
【図14】図14は、信号の伝達方向の制御を示すフロー図である。
【図15】図15は、開状態にある携帯電話端末の正面図である。
【図16】図16は、光による筐体間でのデータ伝送について説明するための図である。
【図17】図17は、携帯電話端末の機能的な構成を示すブロック図である。
【図18】図18は、表示部の動作の制御を示すフロー図である。
【図19】図19は、開状態にある携帯電話端末の正面図である。
【図20】図20は、開状態にある携帯電話端末のD−D’断面の概略図である。
【図21】図21は、閉状態にある携帯電話端末のD−D’断面の概略図である。
【図22】図22は、電源端子を充電端子として用いる例を示す図である。
【図23】図23は、携帯電話端末の機能的な構成を示すブロック図である。
【図24】図24は、赤外線通信部等の制御を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、電子機器の一例として、携帯電話端末を取り上げるが、本発明の適用対象は携帯電話端末に限定されるものではない。本発明は、例えば、PHS(Personal Handy-phone System)、パソコン、携帯情報端末、ゲーム機等に対しても適用できる。
【0017】
(実施形態1)
まず、図1から図5を参照しながら、本発明に係る携帯電子機器の一実施形態である携帯電話端末1aの形状について説明する。図1は、閉状態にある携帯電話端末1aの正面図である。図2は、開状態にある携帯電話端末1aの正面図である。図3は、開状態にある携帯電話端末1aの裏面図である。図4は、開状態にある携帯電話端末1aの側面図である。図5は、閉状態にある携帯電話端末1aの側面図である。
【0018】
図1から図5に示すように、携帯電話端末1aは、第1筐体1CAおよび第2筐体1CBを有する。第1筐体1CAおよび第2筐体1CBは、連結部であるヒンジ機構8で連結され、ヒンジ機構8を中心として、相対的に回動する。第1筐体1CAおよび第2筐体1CBが回動することにより、携帯電話端末1aは、閉状態または開状態に変形する。
【0019】
携帯電話端末1aは、図1および図5に示す閉状態では、第1筐体1CAの面1PAと第2筐体1CBの面1PBとが接触した状態となる。面1PAは、第1筐体1CAで最も面積が広い面の1つであり、ほぼ全面に表示部2aが設けられている。面1PBは、第2筐体1CBで最も面積が広い面の1つであり、ほぼ全面に表示部3が設けられている。第2筐体1CBの面1PBと反対側の面には、キーボード13Aおよびポインティングデバイス13Bを含む操作部13が設けられている。
【0020】
第2筐体1CBは、高さ(ヒンジ機構8を中心として回動する軸から端部までの距離)が第1筐体1CAの半分程度しかない。このため、閉状態では、第2筐体1CBの表示部3は、第1筐体1CAによって覆い隠され、第1筐体1CAの表示部2aは、半分程度露出する。また、閉状態では、表示部2aの露出部分と同一面に操作部13が現れる。
【0021】
このような閉状態では、利用者は、表示部2aの露出部分に表示される画像やメッセージ等の情報を参照しつつ、操作部13を操作して携帯電話端末1aに対して指示や情報を入力することができる。
【0022】
また、携帯電話端末1aは、図2から図4に示す開状態では、第1筐体1CAの面1PCと第2筐体1CBの面1PDとが接触した状態となる。面1PCは、面1PAと接する面の1つである。面1PDは、面1PBと接する面の1つである。図2から図4に示すように、開状態では、携帯電話端末1aは、1枚の板のような形状となる。
【0023】
そして、第1筐体1CAの表示部2aは、面1PAが面1PCと接する辺まで伸びており、第2筐体1CBの表示部3は、面1PBが面1PDと接する辺まで伸びている。このため、開状態では、表示部2aおよび表示部3が、隙間を空けずに並んだ状態となる。
【0024】
このような開状態において、携帯電話端末1aは、表示部2aおよび表示部3を一体化された1つの表示部とみなして、表示部2aおよび表示部3にまたがって各種情報を表示する。ここで、表示部2aおよび表示部3の少なくとも一方が指等の接触を入力操作として検出可能なタッチセンサを備えていれば、携帯電話端末1aは、開状態において、タッチセンサを通じて指示や情報の入力を受け付けることができる。
【0025】
このように、携帯電話端末1aは、形状がコンパクトで操作部13による操作が可能な閉状態と、大画面に情報を表示可能な開状態とに変形することができる。例えば、利用者は、メールを送信する場合のように多くの文字を入力する場合には、携帯電話端末1aを閉状態とすることにより、文字を高速に入力することができる。また、利用者は、動画を再生させる場合は、携帯電話端末1aを開状態とすることにより、大画面で動画を楽しむことができる。
【0026】
次に、図6から図8と、既に示した図1から図5とを参照しながら、携帯電話端末1aにおける筐体間での電力およびデータの伝達について説明する。図6は、開状態にある携帯電話端末1aのA−A’断面の概略図である。図7は、閉状態にある携帯電話端末1aのA−A’断面の概略図である。図8は、開状態にある携帯電話端末1aのB−B’断面の概略図である。
【0027】
既に説明したように、携帯電話端末1aは、開状態では、表示部2aおよび表示部3が、隙間を空けずに並んだ状態となる。このため、従来の携帯電話端末のように、筐体間をフレキシブルケーブル等のケーブルで電気的に接続することは難しい。
【0028】
そこで、携帯電話端末1aは、第1筐体1CAおよび第2筐体1CBが接触する面を通じて筐体間での電力およびデータの伝達を行う。すなわち、閉状態では、第1筐体1CAの面1PAと第2筐体1CBの面1PBを通じて筐体間での電力およびデータの伝達が行われる。また、開状態では、第1筐体1CAの面1PCと第2筐体1CBの面1PDを通じて筐体間での電力およびデータの伝達が行われる。
【0029】
電力の伝達についてより詳細に説明する。携帯電話端末1aの電源である蓄電池7は、容量が大きい第1筐体1CAに内蔵される。そのため、第2筐体1CBが稼働するための電力は、第1筐体1CAから第2筐体1CBへ供給される。第1筐体1CAから第2筐体1CBへの電力の伝達は、第1筐体1CAに設けられた電源端子4RAおよび電源端子4LAと、第2筐体1CBに設けられた電源端子4RBおよび電源端子4LBによって実現される。
【0030】
電源端子4RAおよび電源端子4LAは、第1筐体1CAの面1PAおよび面1PCに露出している。電源端子4RBおよび電源端子4LBは、第2筐体1CBの面1PBおよび面1PDに露出している。そして、電源端子4RAおよび電源端子4RBは、閉状態では、面1PAおよび面1PBが接触することによって導通状態となり、開状態では、面1PCおよび面1PDが接触することによって導通状態となる。また、電源端子4LAおよび電源端子4LBは、閉状態では、面1PAおよび面1PBが接触することによって導通状態となり、開状態では、面1PCおよび面1PDが接触することによって導通状態となる。
【0031】
続いて、データの伝達について詳細に説明する。携帯電話端末1aを全体制御する制御部22(図9参照)は、容量が大きい第1筐体1CAに内蔵される。このため、閉状態では、操作部13に対して入力されたデータが第2筐体1CBから第1筐体1CAへ伝達され、開状態では、表示部3に表示すべきデータが第1筐体1CAから第2筐体1CBへ伝達される。
【0032】
閉状態における第2筐体1CBから第1筐体1CAへのデータの伝達は、第1筐体1CAに設けられた信号端子5Aと、第2筐体1CBに設けられた信号端子5Bとによって実現される。信号端子5Aは、第1筐体1CAの面1PAに露出しており、信号端子5Bは、第2筐体1CBの面1PBに露出している。そして、信号端子5Aおよび信号端子5Bは、閉状態において、面1PAおよび面1PBが接触することによって導通状態となる。
【0033】
また、開状態における第1筐体1CAから第2筐体1CBへのデータの伝達は、第1筐体1CAに設けられた信号端子6Aと、第2筐体1CBに設けられた信号端子6Bとによって実現される。信号端子6Aは、第1筐体1CAの面1PCに露出しており、信号端子6Bは、第2筐体1CBの面1PDに露出している。そして、信号端子6Aおよび信号端子6Bは、開状態において、面1PCおよび面1PDが接触することによって導通状態となる。なお、図2等では、信号端子6Aが第1筐体1CAの面1PAと反対側の面に露出し、信号端子6Bが第2筐体1CBの面1PBと反対側の面に露出しているが、この通りでなくてもよい。
【0034】
このように、携帯電話端末1aにおいては、閉状態では、接触する面1PAおよび面1PBを通じて筐体間での電力およびデータの伝達が行われ、開状態では、接触する面1PCおよび面1PDを通じて筐体間での電力およびデータの伝達が行われる。このため、筐体間をフレキシブルケーブル等で電気的に接続する必要がなく、第1筐体1CAと第2筐体1CBの連結部分の構造が簡略化され、開状態における表示部2aと表示部3との間の隙間をほとんどなくすことができる。
【0035】
次に、図9を参照しながら、携帯電話端末1aの機能的な構成について説明する。図9は、携帯電話端末1aの機能的な構成を示すブロック図である。なお、図9では、説明を簡略化するため、通話等に関する構成の図示を省略している。
【0036】
図9に示すように、携帯電話端末1aは、第1筐体1CAと、第2筐体1CBとを有する。第1筐体1CAは、制御部22と、表示部2aと、蓄電池7と、電源端子4RAと、電源端子4LAと、信号端子5Aと、信号端子6Aとを備える。第2筐体1CBは、表示部3と、操作部13と、電源端子4RBと、電源端子4LBと、信号端子5Bと、信号端子6Bとを備える。
【0037】
制御部22は、携帯電話端末1aが備える機能を実現するために、各種演算処理を実行するとともに、携帯電話端末1aの各部を制御する。制御部22は、例えば、閉状態において操作部13において受け付けられた指示に基づいて演算処理を実行し、処理結果を表示部2aの露出部分に表示させる。また、制御部22は、開状態において、通信部(図示せず)によって受信された動画データを復号し、復号した動画を表示部2aおよび表示部3にまたがって表示させる。
【0038】
表示部2aおよび表示部3は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)や、有機EL(Organic Electro-Luminescence)パネル等で構成された表示パネルを備え、制御部22から送信される文字、図形、画像、動画等のデータを表示パネルに表示させる。蓄電池7は、充電可能な電池であり、携帯電話端末1aの各部に電力を供給する。操作部13は、利用者の操作を受け付け、受け付けた操作に対応する信号を制御部22へ送信する。
【0039】
電源端子4RAおよび電源端子4RBと、電源端子4LAおよび電源端子4LBは、閉状態では、面1PAおよび面1PBが接触することによってそれぞれ導通状態となり、蓄電池7が供給する電力を第2筐体1CBの各部に伝達させる。また、電源端子4RAおよび電源端子4RBと、電源端子4LAおよび電源端子4LBは、開状態では、面1PCおよび面1PDが接触することによってそれぞれ導通状態となり、蓄電池7が供給する電力を第2筐体1CBの各部に伝達させる。
【0040】
信号端子5Aおよび信号端子5Bは、閉状態において、面1PAおよび面1PBが接触することによって導通状態となり、操作部13が送信する信号を制御部22へ伝達させる。信号端子6Aおよび信号端子6Bは、開状態において、面1PCおよび面1PDが接触することによって導通状態となり、制御部22が送信する信号を表示部3へ伝達させる。
【0041】
上述してきたように、実施形態1では、閉状態において接触する面と、開状態において接触する面とを通じて筐体間で電力およびデータを伝達することとしたので、筐体の連結部分の構成が簡略化される。その結果、筐体の連結部分において、それぞれの筐体の表示部を、隙間を空けずに並ばせることができる。
【0042】
(実施形態2)
実施形態1では、第1筐体1CAから第2筐体1CBへデータを伝送する経路と、第2筐体1CBから第1筐体1CAへデータを伝送する経路とを独立して設ける構成を示した。しかしながら、これらの経路は、閉状態では一方が用いられ、開状態ではもう一方が用いられるため、両方が同時に用いられることはない。そこで、実施形態2では、筐体間でデータを伝送する経路を1本とする例について説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分には既に説明した部分と同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
【0043】
まず、図10から図12を参照しながら、実施形態2に係る携帯電話端末1bの外観と、携帯電話端末1bにおける筐体間でのデータの伝達について説明する。図10は、開状態にある携帯電話端末1bの正面図である。図11は、開状態にある携帯電話端末1bのC−C’断面の概略図である。図12は、閉状態にある携帯電話端末1bのC−C’断面の概略図である。
【0044】
図10等に示すように、携帯電話端末1bは、信号端子5A、信号端子5B、信号端子6Aおよび信号端子6Bに代えて、信号端子9Aおよび信号端子9Bを備える点において、携帯電話端末1aと相違する。
【0045】
第1筐体1CAに設けられた信号端子9Aは、第1筐体1CAの面1PAおよび面1PCに露出している。第2筐体1CBに設けられた信号端子9Bは、第2筐体1CBの面1PBおよび面1PDに露出している。そして、信号端子9Aおよび信号端子9Bは、閉状態では、面1PAおよび面1PBが接触することによって導通状態となり、開状態では、面1PCおよび面1PDが接触することによって導通状態となる。信号端子9Aおよび信号端子9Bは、閉状態では、第2筐体1CBから第1筐体1CAへデータを伝達させ、開状態では、第1筐体1CAから第2筐体1CBへデータを伝達させる。
【0046】
次に、図13を参照しながら、携帯電話端末1bの機能的な構成について説明する。図13は、携帯電話端末1bの機能的な構成を示すブロック図である。なお、図13では、説明を簡略化するため、通話等に関する構成の図示を省略している。
【0047】
図13に示すように、携帯電話端末1bは、第1筐体1CAと、第2筐体1CBとを有する。第1筐体1CAは、制御部22と、表示部2aと、蓄電池7と、電源端子4RAと、電源端子4LAと、信号端子9Aと、開閉検出部10と、スイッチ(SW)11とを備える。第2筐体1CBは、表示部3と、操作部13と、電源端子4RBと、電源端子4LBと、信号端子9Bとを備える。
【0048】
信号端子9Aおよび信号端子9Bは、閉状態において、面1PAおよび面1PBが接触することによって導通状態となる。また、信号端子9Aおよび信号端子9Bは、開状態において、面1PCおよび面1PDが接触することによって導通状態となる。開閉検出部10は、携帯電話端末1bが開状態または閉状態にあることを検出する。なお、開閉検出部10は、どのような技術を用いて実現されてもよい。スイッチ11は、信号端子9Aおよび信号端子9Bを介して信号が伝達される方向を切り替える。
【0049】
制御部22は、携帯電話端末1aにおける制御部22が実行する制御に加えて、スイッチ11を駆動して、信号端子9Aおよび信号端子9Bを介して信号が伝達される方向を切り替える制御を実行する。信号の伝達方向の制御について、図14を参照しながらより詳細に説明する。図14は、制御部22による信号の伝達方向の制御を示すフロー図である。
【0050】
開閉検出部10によって携帯電話端末1bが開状態となったことが検出されると(ステップS11,Yes)、制御部22は、ステップS12として、表示部3に表示させるデータを伝送する画面制御信号を制御部22から信号端子9Aおよび信号端子9Bへ向けて出力できるようにスイッチ11を切り替える。この結果、携帯電話端末1bでは、信号端子9Aおよび信号端子9Bを介して、データが第1筐体1CAから第2筐体1CBへ送信されるようになる。
【0051】
また、開閉検出部10によって携帯電話端末1bが閉状態となったことが検出されると(ステップS11,No)、制御部22は、ステップS13として、操作部13によって受け付けられた操作を示す操作信号が信号端子9Aおよび信号端子9Bを介して制御部22へ入力されるようにスイッチ11を切り替える。この結果、携帯電話端末1bでは、信号端子9Aおよび信号端子9Bを介して、データが第2筐体1CBから第1筐体1CAへ送信されるようになる。
【0052】
上述したように、実施形態2では、開状態か閉状態かに応じて信号の伝達方向を切り替えることとしたので、1つの伝送経路によって筐体間でデータを伝送することが可能となり、筐体の連結部分の構成が簡略化される。その結果、筐体の連結部分において、それぞれの筐体の表示部を、隙間を空けずに並ばせることができる。
【0053】
(実施形態3)
上記の実施形態1および実施形態2では端子を接触させることによって筐体間でのデータの伝送を実現したが、非接触のインターフェースを用いて筐体間でのデータの伝送を実現することとしてもよい。そこで、実施形態3では、非接触のインターフェースを用いて筐体間でのデータの伝送を実現する例について説明する。
【0054】
まず、図15および図16を参照しながら、実施形態3に係る携帯電話端末1cの外観と、携帯電話端末1cにおける筐体間でのデータの伝達について説明する。図15は、開状態にある携帯電話端末1cの正面図である。図16は、光による筐体間でのデータ伝送について説明するための図である。
【0055】
図15に示すように、携帯電話端末1cは、信号端子5Aおよび信号端子5Bを備えない点と、表示部2aに代えて、表示部2bを備える点とにおいて、携帯電話端末1aと相違する。
【0056】
表示部2bは、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)や、有機EL(Organic Electro-Luminescence)パネル等で構成された表示パネルを備え、制御部22から送信される文字、図形、画像、動画等のデータを表示パネルに表示させる。表示部2bが備える表示パネルは、画像等を表示するための画素が配列されている層、または、その上または下に設けられた層に複数の光センサが配置されている。すなわち、表示部2bは、発光部としての機能に加えて、光を検出する受光部としての機能を有する。
【0057】
携帯電話端末1cは、閉状態において、表示部2bが有する光センサを利用して、第2筐体1CBから第1筐体1CAへのデータの伝送を実現する。図16に示すように、閉状態では、第1筐体1CAの表示部2bの一部と、第2筐体1CBの表示部3とが対向する。この状態で、表示部3を所定のパターンで発光させ、その光を表示部2bに検出させることによって、第2筐体1CBから第1筐体1CAへのデータの伝送が可能となる。
【0058】
光によるデータの伝送は、例えば、表示部3の一部または全体の発光を「1」に対応させ、表示部3の非発光を「0」に対応させることによって1ビットずつ行うこととしてもよい。また、フィルタを用いる等して表示部2bが、赤、緑、青の3色を検出できるようにして、表示部3が発光する光の色を変化させることで、3ビットずつデータを伝送することとしてもよい。また、表示部3が複数の位置を同時に発光させることにより、複数ビットを同時に伝送することとしてもよい。
【0059】
このように、表示部2bおよび表示部3を利用してデータを伝送することにより、データの伝送のための端子を減らすことができ、筐体の連結部分の構成が簡略化される。また、第1筐体1CAと第2筐体1CBが非接触であっても筐体間でデータ伝送されるため、使用によってヒンジ機構8が変形する等して第1筐体1CAと第2筐体1CBとが完全に接触しない状態となっても、データ伝送を行うことができる。すなわち、信頼性が向上する。
【0060】
なお、表示部2bによる光の検出が妨げられることがないように、閉状態において外光が第1筐体1CAと第2筐体1CBの間に入り込むことを防止する遮光構造を、第1筐体1CAの面1PAまたは第2筐体1CBの面1PBの少なくとも一方に形成することが好ましい。
【0061】
次に、図17を参照しながら、携帯電話端末1cの機能的な構成について説明する。図17は、携帯電話端末1cの機能的な構成を示すブロック図である。なお、図17では、説明を簡略化するため、通話等に関する構成の図示を省略している。
【0062】
図17に示すように、携帯電話端末1cは、第1筐体1CAと、第2筐体1CBとを有する。第1筐体1CAは、制御部22と、表示部2bと、蓄電池7と、電源端子4RAと、電源端子4LAと、信号端子6Aと、開閉検出部10とを備える。第2筐体1CBは、表示部3と、操作部13と、電源端子4RBと、電源端子4LBと、信号端子6Bとを備える。
【0063】
表示部3は、開状態において、信号端子6Aおよび信号端子6Bを介して制御部22から送信されるデータにしたがって画像等を表示する。また、本実施形態での表示部3は、閉状態において、操作部13において受け付けられた操作に応じて操作部13が出力する信号にしたがって、所定のパターンで発光を行う。
【0064】
表示部2bは、制御部22から送信されるデータにしたがって画像等を表示する。また、表示部2bは、閉状態において、表示部3が発する光を検出し、検出した光のパターンに応じた信号を制御部22へ送信する。
【0065】
制御部22は、携帯電話端末1aにおける制御部22が実行する制御に加えて、表示部2bの動作を切り替える制御を実行する。表示部2bの動作の制御について、図18を参照しながらより詳細に説明する。図18は、制御部22による表示部2bの動作の制御を示すフロー図である。
【0066】
開閉検出部10によって携帯電話端末1cが開状態となったことが検出されると(ステップS21,Yes)、制御部22は、ステップS22として、表示部2bにおける光の検出を停止させ、光通信によって伝達される操作信号が表示部2bから入力されないようする。このようにすることにより、開状態において、外光等が操作信号として誤検出されることを防止できる。
【0067】
また、開閉検出部10によって携帯電話端末1cが閉状態となったことが検出されると(ステップS21,No)、制御部22は、ステップS23として、表示部2bにおける光の検出を開始させ、光通信によって伝達される操作信号が表示部2bから入力されるようにする。
【0068】
上述したように、実施形態3では、閉状態において対向する表示部間での光通信によって筐体間でのデータ伝送を実現することとしたので、信号を伝達する端子を減らすことができ、筐体の連結部分の構成が簡略化される。その結果、筐体の連結部分において、それぞれの筐体の表示部を、隙間を空けずに並ばせることができる。
【0069】
(実施形態4)
上記の実施形態3では、第2筐体1CBから第1筐体1CAへのデータ伝送を非接触のインターフェースを用いて実現する例を示したが、非接触のインターフェースを用いたデータ通信を双方向で実現することもできる。そこで、実施形態4では、非接触のインターフェースを用いて筐体間でのデータの伝送を双方向で実現する例について説明する。
【0070】
まず、図19から図21を参照しながら、実施形態4に係る携帯電話端末1dの外観と、携帯電話端末1dにおける筐体間での電力およびデータの伝達について説明する。図19は、開状態にある携帯電話端末1dの正面図である。図20は、開状態にある携帯電話端末1dのD−D’断面の概略図である。図21は、閉状態にある携帯電話端末1dのD−D’断面の概略図である。
【0071】
図19等に示すように、携帯電話端末1dは、信号端子5A、信号端子5B、信号端子6Aおよび信号端子6Bを備えない点と、赤外線通信部12Aおよび赤外線通信部12Bを新たに備える点とにおいて、携帯電話端末1aと相違する。また、携帯電話端末1dは、電源端子4RA、電源端子4LA、電源端子4RBおよび電源端子4LBに代えて、電源端子14RA、電源端子14LA、電源端子14RBおよび電源端子14LBを備える点において、携帯電話端末1aと相違する。
【0072】
赤外線通信部12Aは、第1筐体1CAの面1PAおよび面1PCに露出している。赤外線通信部12Bは、第2筐体1CBの面1PBおよび面1PDに露出している。そして、赤外線通信部12Aおよび赤外線通信部12Bは、少なくとも、閉状態において第2筐体1CBから第1筐体1CAへのデータ伝送が可能となり、開状態において第1筐体1CAから第2筐体1CBへのデータ伝送が可能となるように、発光部と受光部の向きが調整されている。
【0073】
すなわち、携帯電話端末1dにおいては、閉状態における第2筐体1CBから第1筐体1CAへのデータ伝送と、開状態における第1筐体1CAから第2筐体1CBへのデータ伝送の両方が赤外線通信部12Aおよび赤外線通信部12Bによって実現される。
【0074】
電源端子14RAおよび電源端子14LAは、第1筐体1CAの面1PCに露出している。電源端子14RBおよび電源端子14LBは、第2筐体1CBの面1PDに露出している。そして、電源端子14RAおよび電源端子14RBと、電源端子14LAおよび電源端子14LBは、開状態において、面1PCおよび面1PDが接触することによってそれぞれ導通状態となり、蓄電池7が供給する電力を第2筐体1CBの表示部3に伝達させる。
【0075】
ここで、第2筐体1CBが稼働するための電力について考えると、開状態では消費電力の大きい表示部3を駆動するために大きな電力が必要となる。一方、閉状態では消費電力が少ない操作部13および赤外線通信部12Bを駆動できればよいので、第2筐体1CBは、比較的小さな電力で稼働できる。
【0076】
そこで、携帯電話端末1dは、第2筐体1CBが比較的小さな電力で稼働できる閉状態では、第1筐体1CAから電力の供給を受けることなく第2筐体1CBを稼働させる。具体的には、第2筐体1CBは、閉状態では、操作部13の裏面に設けられた圧電発電部18(図23参照)が生成する電力によって稼働する。圧電発電部18は、利用者がキーボード13Aやポインティングデバイス13Bを押下する圧力を、圧電素子によって電力へ変換する装置である。
【0077】
このように、閉状態における第1筐体1CAから第2筐体1CBへの電力の供給を不要とすることにより、筐体の連結部分の構成が簡略化される。また、閉状態においては、電源端子14RA、電源端子14LA、電源端子14RBおよび電源端子14LBは、第2筐体1CBへの電力の供給に用いられないため、これらを他の用途に用いることができる。他の用途としては、例えば、充電端子として用いることが考えられる。
【0078】
図22は、電源端子を充電端子として用いる例を示す図である。図22に示す例では、携帯電話端末1dを閉状態として充電器100の上に置くことにより、電源端子14RA、電源端子14LA、電源端子14RBおよび電源端子14LBが、充電器100の充電端子101と接触し、蓄電池7の充電が行われる。
【0079】
次に、図23を参照しながら、携帯電話端末1dの機能的な構成について説明する。図23は、携帯電話端末1dの機能的な構成を示すブロック図である。なお、図23では、説明を簡略化するため、通話等に関する構成の図示を省略している。
【0080】
図23に示すように、携帯電話端末1dは、第1筐体1CAと、第2筐体1CBとを有する。第1筐体1CAは、制御部22と、表示部2aと、蓄電池7と、電源端子14RAと、電源端子14LAと、スイッチ15と、スイッチ16と、充電回路17と、開閉検出部10と、赤外線通信部12Aとを備える。第2筐体1CBは、表示部3と、操作部13と、電源端子14RBと、電源端子14LBと、赤外線通信部12Bと、圧電発電部18とを備える。
【0081】
電源端子14RAおよび電源端子14LAは、開状態においては、それぞれ、電源端子14RBおよび電源端子14LBと接触して蓄電池7の電力を表示部3および赤外線通信部12Bに伝達させる。また、電源端子14RAおよび電源端子14LAは、閉状態においては、充電端子として機能する。
【0082】
スイッチ15は、開閉検出部10の検出結果に応じて制御部22によって制御され、蓄電池7の電力を開状態においてのみ電源端子14RAおよび電源端子14LAへ伝達させる。スイッチ16は、開閉検出部10の検出結果に応じて制御部22によって制御され、電源端子14RAおよび電源端子14LAにおいて入力された電力を閉状態においてのみ充電回路17へ伝達させる。充電回路17は、電源端子14RAおよび電源端子14LAにおいて入力された電力を蓄電池7に蓄えさせる。
【0083】
赤外線通信部12Aは、IrDA(Infrared Data Association)等の規格にしたがって赤外線による通信を行う装置であり、赤外線受信部12ARと、赤外線送信部12ATとを有する。赤外線受信部12ARは、赤外線を受信して復号する受光部であり、復号した信号を制御部22へ送信する。赤外線送信部12ATは、制御部22から送信された信号を符号化して赤外線を発光する発光部である。
【0084】
赤外線通信部12Bは、IrDA等の規格にしたがって赤外線による通信を行う装置であり、赤外線受信部12BRと、赤外線送信部12BTとを有する。赤外線受信部12BRは、赤外線送信部12ATが発光した赤外線を受信して復号する受光部であり、復号した信号を表示部3へ送信する。開状態において、制御部22が表示部3に表示させるために送信するデータは、赤外線送信部12ATおよび赤外線受信部12BRを介して、表示部3に伝達される。
【0085】
赤外線送信部12BTは、操作部13において受け付けられた操作に応じて操作部13が出力する信号を符号化して赤外線を発光する発光部である。閉状態において、操作部13が送信するデータは、赤外線送信部12BTおよび赤外線受信部12ARを介して、制御部22に伝達させる。
【0086】
圧電発電部18は、利用者が操作部13のキーボード13A等を押下する圧力から電力を生成し、操作部13および赤外線通信部12Bへ供給する。圧電発電部18は、圧力から電力を生成するための圧電素子等からなる発電部と、発電部において生成された電力を蓄える蓄電部とを含む。
【0087】
このように、筐体間でのデータの伝達を双方向とも非接触のインターフェースを用いて実現することにより、信号を伝達する端子を減らすことができ、連結部分の構成が簡略化される。また、筐体同士が完全に接触していなくてもデータを伝達することができるため、信頼性が向上する。
【0088】
また、閉状態において第2筐体1CBを稼働させるための電力を圧電発電部18によって生成することにより、閉状態において第1筐体1CAから第2筐体1CBへ電力を伝達するための経路が不要となり、連結部分の構成が簡略化される。また、第2筐体1CBを稼働させるために蓄電池7の電力を消費することがないため、携帯電話端末1dの稼働時間を伸ばすことができる。
【0089】
制御部22は、携帯電話端末1aにおける制御部22が実行する制御に加えて、赤外線通信部12A、スイッチ15およびスイッチ16の動作を切り替える制御を実行する。赤外線通信部12A等の制御について、図24を参照しながらより詳細に説明する。図24は、制御部22による赤外線通信部12A、スイッチ15およびスイッチ16の制御を示すフロー図である。
【0090】
開閉検出部10によって携帯電話端末1dが開状態となったことが検出されると(ステップS31,Yes)、制御部22は、ステップS32として、赤外線送信部12ATを起動させ、表示部3に表示させるデータを伝送する画面制御信号が赤外線通信によって出力されるようにする。また、制御部22は、ステップS33として、スイッチ15をONにし、スイッチ16をOFFにすることにより、電源端子14RAおよび電源端子14LAが電源供給に用いられるようにする。
【0091】
また、開閉検出部10によって携帯電話端末1dが閉状態となったことが検出されると(ステップS31,No)、制御部22は、ステップS34として、赤外線受信部12ARを起動させ、操作部13によって受け付けられた操作を示す操作信号が赤外線通信によって入力されるようにする。また、制御部22は、ステップS35として、スイッチ15をOFFにし、スイッチ16をONにすることにより、電源端子14RAおよび電源端子14LAが充電に用いられるようにする。
【0092】
上述したように、実施形態3では、筐体間での双方向のデータ伝送を非接触のインターフェースによって実現することとしたので、信号を伝達する端子を減らすことができ、筐体の連結部分の構成が簡略化される。その結果、筐体の連結部分において、それぞれの筐体の表示部を、隙間を空けずに並ばせることができる。
【0093】
(その他の実施形態)
なお、上述した各実施形態で示した装置の構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更することができる。また、上述した各実施形態で示した構成は適宜組み合わせてもよい。例えば、実施形態1から3で示した構成において、操作部13を稼働させるための電力を圧電発電部18が生成することとしてもよい。また、実施形態4で示した構成において、第1筐体1CAから第2筐体1CBまたは第2筐体1CBから第1筐体1CAへのデータ伝送の一方を、赤外線通信ではなく、実施形態1から3で示した伝送方式のいずれかを用いて実現してもよい。
【0094】
また、上記の実施形態では、1つの電源端子や信号端子が複数の面に露出し、開状態と閉状態とで異なる面で他の端子と接触する構成を示したが、これらの端子を、開状態において他の端子と接触する端子と、閉状態において他の端子と接触する端子とに分離してもよい。
【0095】
また、上記の実施形態では、非接触のインターフェースを用いた通信として、表示部を利用する通信と、赤外線通信を示したが、無線ICタグ等で用いられる電磁波による近接無線通信等の他の方式による通信を利用してもよい。また、実施形態2では、表示部を利用して第2筐体1CBから第1筐体1CAへデータを伝送する例を示したが、表示部3にも光センサを設けることにより、表示部を利用して第1筐体1CAから第2筐体1CBへもデータを伝送できるようにしてもよい。
【0096】
また、上記の実施形態では、制御部22および蓄電池7が第1筐体1CAに内蔵されることとしたが、これらのいずれか一方または両方が第2筐体1CBに内蔵されてもよい。この場合の実施形態の変更は、当業者であれば自明である。
【0097】
また、上記の実施形態では、2つの表示部を有する携帯電子機器に本発明を適用する例を示したが、本発明は、1つの表示部を有する携帯電子機器においても、筐体の連結部分の構成を簡略化し、表示部の専有面積を広げるため等に有効である。また、上記の実施形態では、2つの筐体を有する携帯電子機器に本発明を適用する例を示したが、本発明は、3つ以上の筐体を有する携帯電子機器においても、筐体の連結部分の構成を簡略化するために有効である。
【産業上の利用可能性】
【0098】
以上のように、本発明に係る携帯電子機器は、筐体の連結部分の構造を簡略化する場合に適している。
【符号の説明】
【0099】
1a、1b、1c、1d 携帯電話端末
1CA 第1筐体
1CB 第2筐体
2a、2b、3 表示部
4RA、4LA、4RB、4LB、14RA、14LA、14RB、14LB 電源端子
5A、5B、6A、6B、9A、9B 信号端子
7 蓄電池
8 ヒンジ機構
10 開閉検出部
11、15、16 スイッチ
12A、12B 赤外線通信部
13 操作部
17 充電回路
18 圧電発電部
22 制御部
100 充電器
101 充電端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の筐体と第2の筐体とを有する携帯電子機器であって、
前記第1の筐体の第1の面に設けられた第1の表示部と、
前記第2の筐体の第2の面に設けられた第2の表示部と、
前記第1の表示部および前記第2の表示部が外部に露出する開状態において、前記第1の筐体および前記第2の筐体が対向する面を通じて前記第1の筐体および前記第2の筐体の間で信号を伝達させる第1の伝達手段と、
前記第2の表示部が前記第1の筐体によって覆い隠される閉状態において、前記第1の面および前記第2の面を通じて前記第1の筐体および前記第2の筐体の間で信号を伝達させる第2の伝達手段と
を備えることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記第1の伝達手段および前記第2の伝達手段の少なくとも一方は非接触の通信方式を用いて信号を伝達させることを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記非接触の通信方式は、赤外線通信方式であることを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記非接触の通信方式は、前記第1の表示部および前記第2の表示部の少なくとも一方に光センサを設け、当該光センサによって他方の表示部が発光する光を検出することによって信号を伝達する方式であることを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記第1の伝達手段および前記第2の伝達手段は、前記第1の筐体から前記第2の筐体への信号の伝送と、前記第2の筐体から前記第1の筐体への信号の伝送とを1つの経路を用いて行い、当該携帯電子機器が前記開状態にあるか前記閉状態にあるかに応じて該経路において信号が伝送される方向を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記第2の筐体の第3の面に設けられた操作部と、
前記操作部の操作によって生じる圧力から電力を生成する圧電発電部とをさらに備え、
前記閉状態において、前記圧電発電部によって生成される電力で前記第2の筐体の各部を動作させることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記閉状態において、前記第1の面および前記第2の面を通じて前記第1の筐体および前記第2の筐体の間で電力を伝達させることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記開状態において、前記第1の筐体および前記第2の筐体が対向する面を通じて前記第1の筐体および前記第2の筐体の間で電力を伝達させることを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の携帯電子機器。
【請求項9】
前記閉状態において、前記開状態において前記第1の筐体および前記第2の筐体の間で電力を伝達させるための端子を充電端子として機能させることを特徴とする請求項8に記載の携帯電子機器。
【請求項10】
前記第1の表示部と前記第2の表示部は、前記開状態において、隙間を空けずに配置されることを特徴とする請求項1から9のいずれか1つに記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−114853(P2012−114853A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264259(P2010−264259)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】