説明

携帯電話機および外部機器の擬似搭載方法

【課題】コストを抑えながら電話以外の機能を追加する可能な携帯電話機を提供する。
【解決手段】携帯電話機は、所定の情報を生成または受信し当該所定の情報を出力する外部機器と無線LANで接続する接続手段と、接続手段を介して外部機器から所定の情報を受け付け、所定の情報に応じた表示を実行する動作実行手段と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機および外部機器の擬似搭載方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機の多機能化が進んでいる。
【0003】
特許文献1、2には、外部機器を遠隔制御するコントローラの機能を搭載した携帯電話機が記載されている。特許文献3には、携帯電話機で行うべき処理を外部機器に代行させる携帯電話機が記載されている。
【0004】
また、電話機能とは異なる機能を有するデバイス(例えば、カメラ、ワンセグ放送受像機)を搭載した携帯電話機も知られている。なお、携帯電話機に搭載されたカメラは、撮影を実行することによって画像情報(所定の情報)を生成して出力し、また、携帯電話機に搭載されたワンセグ放送受像機は、ワンセグ放送データを受信して出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−135713号公報
【特許文献2】特開2002−218572号公報
【特許文献3】特開2008−123344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
携帯電話機に搭載されるデバイス(機能)が多様化されていくに従って、携帯電話機自体にかかるコストが高くなっていく。
【0007】
このため、携帯電話機のコストを下げるために、携帯電話機に搭載されるデバイス(機能)を少なくすることが考えられるが、携帯電話機が一人一台以上保有する状況まで普及する中、カメラやワンセグ放送受像機といった付加価値となるデバイスや機能が搭載されていない携帯電話機は、ユーザに選ばれない商品となってしまうという課題があった。
【0008】
本発明の目的は、上述した課題を解決可能な携帯電話機および外部機器の擬似搭載方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の携帯電話機は、所定の情報を生成または受信し当該所定の情報を出力する外部機器と無線LANで接続する接続手段と、前記接続手段を介して、前記外部機器から前記所定の情報を受け付け、前記所定の情報に応じた表示を実行する動作実行手段と、を含む。
【0010】
本発明の外部機器の擬似搭載方法は、携帯電話機が行う外部機器の擬似搭載方法であって、所定の情報を生成または受信し当該所定の情報を出力する外部機器と無線LANで接続する接続ステップと、前記外部機器と接続している状況で、前記外部機器から前記所定の情報を受け付け、前記所定の情報に応じた表示を実行する動作実行ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、携帯電話機は、所定の情報を生成または受信しその所定の情報を出力する外部機器(デバイス)を搭載していなくでも、その外部機器を擬似的に搭載することができ、携帯電話機のコストを抑えながら、携帯電話機に他の機能を追加することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態の携帯電話機1と、外部機器2a、2bおよび2cと、を示した図である。
【図2】携帯電話機1と外部機器2の一例を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態の携帯電話機1と、外部機器2a、2bおよび2cと、を示した図である。携帯電話機1は、WLAN(無線LAN:無線Local Area Network)経由で、外部機器2a、2bおよび2cのそれぞれと通信可能である。
【0015】
携帯電話機1には、カメラとテレビ放送受像機は搭載されていない。外部機器2aは、カメラであり、動画および静止画を撮影可能である。外部機器2bは、カメラ付きPC(パーソナルコンピュータ)である。外部機器2cは、テレビ放送受像機である。なお、外部機器は、カメラ、カメラ付きPCまたはテレビ放送受像機に限らず、テレビ放送受像機以外の情報家電(但し、電話機能とは異なる機能(所定の機能)を有し、その機能を用いて、所定の情報を生成または受信して出力する機器)が用いられてもよい。
【0016】
携帯電話機1は、専用のデバイスが必要となる機能については、携帯電話機1にその専用デバイスが未搭載であっても、WLAN経由で外部機器2a〜2cと接続することで、その専用デバイスが搭載された携帯電話機1とかわりのない機能を提供する。
【0017】
図2は、携帯電話機1と外部機器2の一例を示したブロック図である。図2では、外部機器2としてカメラが用いられている。
【0018】
図2において、携帯電話機1は、WLAN通信部11と、動作実行部12と、を含む。動作実行部12は、入力部12aと、表示部12bと、通信部12cと、制御部12dと、を含む。カメラ(外部機器)2は、WLAN通信部21と、撮影された画像を表す画像情報(所定の情報)を生成し画像情報を出力する撮像部22と、を含む。
【0019】
WLAN通信部11は、一般的に接続手段と呼ぶことができる。WLAN通信部11は、WLAN経由でカメラ2と接続する。
【0020】
動作実行部12は、一般的に動作実行手段と呼ぶことができる。動作実行部12は、WLAN通信部11を介して、カメラ2から画像情報を受け付け、その画像情報に応じた表示(本実施形態では、画像情報に応じた画像を表示する動作)を実行する。
【0021】
入力部12aは、入力キーである。表示部12bは、例えば、入力部12aが受け付けた情報、および、カメラ2から受け付けた画像情報に応じた画像を表示する。通信部12cは、携帯電話の通信を行う。制御部12dは、携帯電話機1の動作を制御する。
【0022】
WLAN通信部21は、WLAN経由で、携帯電話機1内のWLAN通信部11と通信する。撮像部22は、携帯電話機1内のデバイス(機器)を用いることなく、撮影された画像を表す画像情報を生成して出力する。
【0023】
次に、動作を説明する。
【0024】
携帯電話機1内の入力部12aがユーザにて操作されて、入力部12aが、WLAN経由で接続する旨の指示を受け付けると、WLAN通信部11は、WLANで、携帯電話機1の周囲に存在する外部機器(デバイス)2と接続をする。
【0025】
接続するデバイス2に特に制限はないが、接続したデバイス2が携帯電話機1に擬似的に搭載されているように振舞うため、接続するデバイス2は、他の携帯電話機に搭載されているデバイス(例えば、カメラ、ワンセグ受像機、非接触IC、Bluetooth通信器、または、加速度センサ(歩数計)であることが望ましい。
【0026】
携帯電話機1内の動作実行部12は、デバイス2と接続している状況で、デバイス2から所定の情報(デバイス2がカメラである場合には画像情報、デバイス2がワンセグ受像機である場合にはワンセグ受像機が受信し出力したワンセグ放送データ)を受け付け、その情報に応じた表示(デバイス2がワンセグ受像機である場合にはワンセグ放送データに応じた放送画像を表示する動作)を実行する。
【0027】
なお、携帯電話機1に外部機器2が接続されることによって、例えば、以下の機能が実現される。
【0028】
携帯電話機1にカメラが搭載されていなくても、携帯電話機1が、外部機器であるPCに接続されているカメラまたは外部機器であるデジタルカメラとWLAN接続して、TV電話を実施する。
【0029】
携帯電話機1が、外部機器であるマウスまたは外部機器であるキーボードとWLAN接続した状況で、ユーザが、マウスまたはキーボードを操作することによって携帯電話機1を操作する。携帯電話機1は、マウスまたはキーボードの操作結果を表す表示を実行する。
【0030】
Bluetoothを搭載していない携帯電話機1が、データ交換する機器に対してBluetooth接続しているPCとWLANを介して接続することによって、Bluetoothを搭載していない携帯電話機1が、あたかもBluetooth通信を行っているように見せる。
【0031】
携帯電話機1は、携帯電話機1が、万歩計とWLAN接続することによって、あたかも携帯電話機1に加速度センサが内蔵されており、携帯電話機1が万歩計の計測結果を示す表示を実行することによって、携帯電話機1が万歩計としても動作しているように見せる。
【0032】
携帯電話機1に普段は搭載されているデバイス(カメラなど)をとりはずせる機構にして、そのデバイスを携帯電話機1からとりはずした状態で使用可能とする。
【0033】
本実施形態によれば、動作実行部12は、WLAN通信部11を介して、外部機器2から情報を受け付け、その情報に応じた表示を実行する。このため、接続した外部機器2が、あたかも携帯電話機1に搭載されているようになり、携帯電話機1は、ユーザに対して、接続した外部機器2が搭載されている携帯電話機と同様な機能を提供できる。よって、軽量でコストもかからない、かつ、多様な機能を擬似的に搭載可能な携帯電話機1を提供でき、携帯電話機1の利便性を向上することが可能になる。したがって、携帯電話機1自体にかかるコストを抑制しつつ、スペックダウンを感じさせない携帯電話機1を提供可能になる。
【0034】
また、携帯電話機1にデバイス2を塔載する必要がなくなるので、携帯電話機1の製造にかかるコストを削減できユーザへ低価格で提供することが可能になる。
【0035】
また、携帯電話機1にデバイス2を塔載する必要がなくなるので、携帯電話機1の重量を軽くできる。携帯電話機1は、普段常に持ち歩くものなので、軽いことで利便性が向上する。
【0036】
また、ユーザが既に所有しているデバイスを携帯電話機1に接続可能になるので、ユーザが既に所有しているデバイスと同じ機能のデバイスを搭載した携帯電話機を所有することによって、デバイスが重複することを防止でき、無駄を削減できる。例えば、多くのデバイスを搭載している携帯電話機がありテレビがありPCがあるといった環境では、携帯電話機に搭載されたデバイスと重複するデバイスが多々あるが、本実施形態の携帯電話機1が使用されれば、デバイスの重複を防止することが可能になる。
【0037】
なお、外部機器2は、電話機能とは異なる所定の機能(例えば、カメラ機能、テレビ放送受信機能、または、加速度検出機能)を有し、その所定の機能を用いて、所定の情報を生成または受信するものであることが望ましい。
【0038】
以上説明した実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0039】
1 携帯電話機
11 WLAN通信部
12 動作実行部
12a 入力部
12b 表示部
12c 通信部
12d 制御部
2 カメラ
2a、2b、2c 外部機器
21 WLAN通信部
22 撮像部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の情報を生成または受信し当該所定の情報を出力する外部機器と無線LANで接続する接続手段と、
前記接続手段を介して、前記外部機器から前記所定の情報を受け付け、前記所定の情報に応じた表示を実行する動作実行手段と、を含む携帯電話機。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯電話機において、
前記外部機器は、電話機能とは異なる所定の機能を有し、当該所定の機能を用いて、前記所定の情報を生成または受信するものである、携帯電話機。
【請求項3】
携帯電話機が行う外部機器の擬似搭載方法であって、
所定の情報を生成または受信し当該所定の情報を出力する外部機器と無線LANで接続する接続ステップと、
前記外部機器と接続している状況で、前記外部機器から前記所定の情報を受け付け、前記所定の情報に応じた表示を実行する動作実行ステップと、を含む外部機器の擬似搭載方法。
【請求項4】
請求項3に記載の外部機器の擬似搭載方法において、
前記外部機器は、電話機能とは異なる所定の機能を有し、当該所定の機能を用いて、前記所定の情報を生成または受信するものである、外部機器の擬似搭載方法。

【図2】
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【図1】
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【公開番号】特開2012−65085(P2012−65085A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206573(P2010−206573)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.万歩計
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】