説明

撥水性構造及び撥水性構造体

【課題】触媒を構成するペロブスカイト型複合酸化物同士の間隔を維持して比表面積を増大させ、NOxなどの吸着率を向上させることが可能な触媒、排ガス浄化用触媒及び触媒の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の触媒1は、一般式A1−xA’1−yB’3−δ(一般式中のAは、アルカリ土類金属から成る群より選ばれた少なくとも1種の元素であり、A’は、希土類元素から成る群より選ばれた少なくとも1種の元素であり、Bは、遷移元素から成る群より選ばれた少なくとも1種の元素であり、B’は、金属元素から成る群より選ばれた少なくとも1種の元素であり、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦δ≦1.5を示す)で表されるペロブスカイト型複合酸化物2と、複合酸化物スペーサー3(3a〜3e)とから成り、且つBET法で算出される比表面積が20m/g以上である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒の凝集、この凝集に伴う細孔の閉塞を抑制し、触媒同士の間隔を維持して比表面積を増大させ、NOxなどの吸着率を向上させた触媒、排ガス浄化用触媒及び触媒の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発電所や自動車等から排出される窒素酸化物等の除去のために、ペロブスカイト型複合酸化物を使用した触媒が検討されている。
例えば、燃焼機関から排出される排ガス中のNOxを還元剤なしに直接分解し、除去する触媒として、一般式AB1−x3+z(但しAはアルカリ土類元素から選ばれた1種の金属、Bはチタン族元素から選ばれた1種の金属、Mは鉄族、白金族又は銅族元素から選ばれた1種の金属、0<x<1、zは常温大気圧時における金属酸化物の酸素欠陥数或いは酸素過剰数)で表されるペロブスカイト型複合酸化物が挙げられている(特許文献1)。
【特許文献1】特開平11−151440号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記特許文献1に記載されているようなペロブスカイト型複合酸化物は、原料粉末が、焼成時(約600〜1000℃)の熱によって凝集してしまい、この凝集によって細孔が閉塞し、触媒の比表面積が低減して、吸着及び分解性能が低下する。
焼成時の凝集を抑制するために、原料粉末を比較的低温で焼成する共沈法により製造したペロブスカイト型複合酸化物は、耐熱性に乏しく、排ガス浄化時などの高温に曝されると凝集してしまい、比表面積が低減し、吸着及び分解性能が低下する。
【0004】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、耐熱性を有し、触媒を構成するペロブスカイト型複合酸化物同士の間隔を維持して比表面積を増大させ、NOxなどの吸着率を向上させることのできる触媒、排ガス浄化用触媒及び触媒の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、ペロブスカイト型複合酸化物同士の凝集を抑制し、間隔を維持することが可能となる複合酸化物スペーサーを設けることによって、上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
即ち、本発明の触媒は、一般式A1−xA’1−yB’3−δ(一般式中のAは、アルカリ土類金属から成る群より選ばれた少なくとも1種の元素であり、A’は、希土類元素から成る群より選ばれた少なくとも1種の元素であり、Bは、遷移元素から成る群より選ばれた少なくとも1種の元素であり、B’は、金属元素から成る群より選ばれた少なくとも1種の元素であり、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦δ≦1.5を示す)で表されるペロブスカイト型複合酸化物と、複合酸化物スペーサーとから成り、且つBET法で算出される比表面積が20〜50m/gである。
【0007】
また、本発明の排ガス浄化用触媒は、上記触媒を耐火性無機担体に担持して成るものである。
【0008】
また、本発明の触媒の製造方法は、金属アルコキシドを含有するゾルを形成する工程と、ペロブスカイト型複合酸化物を含有するスラリーを形成する工程と、上記ゾル及びスラリーを混合し乾燥して、焼成する工程を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、一般式A1−xA’1−yB’3−δで表されるペロブスカイト型複合酸化物に、複合酸化物スペーサーを設けたことにより、凝集や細孔の閉塞が抑制され、耐熱性を有し、触媒の比表面積を増大させて、NOxなどの吸着率を向上させた触媒、排ガス浄化用触媒及び触媒の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の触媒について、図面に基づき詳細に説明する。なお、本明細書において、濃度、含有量及び配合量などのついての「%」は、特記しない限り質量百分率を表すものとする。
【0011】
図1(b)は、本発明の触媒の構成の一例を概念的に示す模式図である。なお、図1(a)は、凝集が生じているペロブスカイト型複合酸化物の一例を概念的に示す模式図である。
図1(b)に示すように、本例の触媒1は、一般式A1−xA’1−yB’3−δで表されるペロブスカイト型複合酸化物2と、このペロブスカイト型複合酸化物2から突出するように形成された、種々の形状を有する複合酸化物スペーサー3とから成るものである。
この複合酸化物スペーサー3によって、ペロブスカイト型複合酸化物2同士の凝集や、凝集による細孔の閉塞が抑制され、BET法により算出される比表面積を20m/g以上、より好ましくは20〜50m/gの範囲に増大させることができる。なお、通常、触媒に使用されるペロブスカイト型複合酸化物は、BET法により算出される比表面積が10m/g以下である。
【0012】
上記複合酸化物スペーサー3は、図1(b)に示すように、柱状スペーサー3a,板状スペーサー3b,シートを丸めたような筒状スペーサー3c、シート状スペーサー3d、先端が尖った針状スペーサー3e等の種々の形態を有している。また、複合酸化物スペーサー3は、柱状スペーサー3aや針状スペーサー3eのようにペロブスカイト型複合酸化物2から鉛直方向にまっすぐ伸びた状態のものや、シート状3dのように曲線を有しながら伸びた状態のものも含まれる。
【0013】
本例の触媒1を構成するペロブスカイト型複合酸化物2は、一般式A1−xA’xB1−yB’yO3−δ一般式中のAは、アルカリ土類金属から成る群より選ばれた少なくとも1種の元素であり、A’は、希土類元素から成る群より選ばれた少なくとも1種の元素であり、Bは、遷移元素から成る群より選ばれた少なくとも1種の元素であり、B’は、金属元素から成る群より選ばれた少なくとも1種の元素であり、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦δ≦1.5で表されるものである。
【0014】
ここで、元素Aのアルカリ土類金属としては、好ましくはBa(バリウム)、Ca(カルシウム)又はSr(ストロンチウム)であり、より好ましくはBaである。
また、元素A’の希土類元素としては、好ましくはLa(ランタン)、Nd(ネオジム)、Sm(サマリウム)、Eu(ユーロピウム)、Gd(ガドリウム)又はY(イットリウム)であり、より好ましくはLaである。
【0015】
元素Bの遷移元素としては、好ましくはMn(マンガン)、Fe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)又はCu(銅)であり、より好ましくはMnである。
元素B’の金属元素としては、元素の周期表の1〜14属の金属元素が挙げられ、好ましくはMg(マグネシウム)又は遷移元素が挙げられる。中でも、元素B’の金属元素として、Mg、Fe、Zr(ジルコニウム)、Ni、Sn(錫)、Ta(タンタル)、Co(コバルト)、Cr(クロム)、Cu、Ga(ガリウム)、In(インジウム)又はCe(セリウム)がより好ましく、特に好ましくはMgである。
【0016】
上記一般式A1−xA’1−yB’3−δ中、xは、0≦x≦1であり、好ましくは0<x≦0.5であり、より好ましくは0.1≦x≦0.3である。
上記一般式中、yは、0≦y≦1であり、好ましくは0<y≦0.5であり、0.2≦y≦0.3である。
また、上記一般式中、δは、0≦δ≦1.5である。
上記一般式中のx,y,δの数値が、上記範囲内であれば、本例の触媒を形成するペロブスカイト型複合酸化物の組成比として好適である。
【0017】
ペロブスカイト型複合酸化物の二次粒子の平均粒径は、好ましくは10nm〜3μmである。
ここで、二次粒子とは、一次粒子が集合したものであり、一次粒子とは、一般的に粉末を構成する最も小さい粒子のことをいう。また、二次粒子とは、一次粒子が集合してできた粒子のことをいう。
ペロブスカイト型複合酸化物の二次粒子の平均粒径が10nm未満であると、複合スペーサー(例えば柱状スペーサー3aと針状スペーサー3e)の間隔からペロブスカイト型複合酸化物が抜け出てしまい、凝集を抑制することができない場合がある。一方、上記二次粒子の平均粒径が3μmを超えると、複合酸化物スペーサーを設けた場合であっても、比表面積を増大させることができない。
【0018】
本例の触媒1を構成する複合酸化物スペーサーは、アスペクト比が1〜50であることが好ましい。
複合酸化物スペーサーのアスペクト比とは、立体構造を有する複合酸化物スペーサーの最も大きい面積を占める部位の長辺と短辺の比率をいう。
例えば図1(b)に示す板状スペーサー3bの場合は、板状スペーサー3bの最も大きい面積を示す部位の長辺bxと短辺byの比率(bx/by)を、複合酸化物スペーサーのアスペクト比とする。
複合酸化物スペーサーのアスペクト比が50を超えると、複合酸化物スペーサーの強度的に弱くなり、熱によって複合酸化物スペーサーが壊れやすくなる場合がある。
【0019】
また、複合酸化物スペーサーを構成する元素は、本例の触媒を構成するペロブスカイト型複合酸化物を構成する元素のうち、少なくとも1種の元素を含むものであることが好ましい。
複合酸化物スペーサーが形成されるメカニズムは、まだ解明されていないが、金属アルコキシドを含有するゾルと、ペロブスカイト型複合酸化物を含有するスラリーとを混合した混合物を焼成することにより、ペロブスカイト型複合酸化物の一部が変形し、又はペロブスカイト型複合酸化物を構成する元素の一部が抜け出して複合酸化物スペーサーが形成されている推測される。
【0020】
複合酸化物スペーサーは、ペロブスカイト型複合酸化物を構成する元素の種類及び元素の含有量によっても変化するが、複合酸化物スペーサーは、Ba−Mn−Mg複合酸化物を含むものであることがより好ましい。
【0021】
本例のペロブスカイト型複合酸化物と、複合酸化物スペーサーから成る触媒は、そのまま粉末状で使用することも可能であり、粒状やペレット状に成形して使用することも可能である。
また、本例の触媒を、セラミックスや金属酸化物等から成る耐火性無機担体に担持させて、排ガス浄化用触媒として使用してもよい。
耐火性無機担体としては、例えば、コージエライトや、フェライト系ステンレス、アルミナ等から成るハニカム状担体などを使用することができる。
このような耐火性無機担体に、本例の触媒を担持させる方法としては、例えば、本例の触媒と水とを混合してスラリーを形成し、このスラリーを耐火性無機担体に被覆して、担持させる方法等が挙げられる。
【0022】
次に、本発明の触媒の製造方法の好ましい実施形態について説明する。
図1(b)に示した本例の触媒の製造方法は、(A)金属アルコキシドを含有するゾルを形成する工程と、(B)ペロブスカイト型複合酸化物を含有するスラリーを形成する工程と、
(C)上記ゾル及びスラリーを混合し乾燥して、焼成する工程を含む。
上記(A)〜(C)の各工程について図面に基づき詳細に説明する。
【0023】
[(A)ゾル形成工程]
図2は、ゾル形成工程の実施形態の一例を示すフローチャートである。
金属アルコキシドを含有するゾルは、アルコールと、水と、硝酸とを含むものであることが好ましい。
図2に示すように、ゾル形成工程(A)は、アルコール(本例においては、1,3ブタンジオール)に、水と硝酸を加え、撹拌して混合物とし、この混合物に金属アルコキシド(本例においては、チタニウムテトライソプロポキシド、以下「TTIP」と略記する。)を30分〜2時間かけてゆっくり滴下する。この混合物を1〜5時間撹拌して、ゾルを形成する。
【0024】
金属アルコキシドとしては、金属イソプロポキシドを用いることが好ましい。金属イソプロポキシドとしては、例えばチタニウムイソプロポキシド(TTIP)、アルミニウムイソプロポキシド(AIP)、ジルコニウムテトライソプロポキシド(ZTIP)等が挙げられる。
【0025】
アルコールとしては、水酸基を1個有するアルコール、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等、及び/又は、水酸基を2個有するジオール類、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール,2,3−ブタンジオール、2,4−ペンタンジオール等が挙げられる。
中でも、1,3−ブタンジオールを用いることが好ましい。
【0026】
ゾルを構成する各成分の割合としては、アルコール、水、硝酸及び金属アルコキシドの合計量100%に対して、アルコール;80.0〜90.0%、水;0.5〜1.5%。硝酸;1.0〜2.0%、金属アルコキシド;8.0〜20.0%であることが好ましい。
【0027】
ゾル形成工程における撹拌時間は、常温で1〜5時間程度が好ましい。撹拌翼等を用いて撹拌してもよく、撹拌翼の回転速度は、200〜2000回転/分程度が好ましい。
【0028】
[(B)スラリー形成工程]
図3は、スラリー形成工程(B)及び乾燥・焼成工程(C)の実施形態の一例を示すフローチャートである。
スラリー形成工程(B)は、水を溶媒として、この水中にペロブスカイト型複合酸化物を添加し、撹拌してスラリーを形成する。
溶媒として水を用いることにより、ペロブスカイト型複合酸化物の表面に、種々の形状を有する複合酸化物スペーサーを形成することができる。
【0029】
スラリーを形成する際のペロブスイカイト型複合酸化物と水との混合比は、特に限定されないが、ペロブスカイト型複合酸化物(質量):水(質量)=1:10〜1:100であることが好ましい。
ペロブスカイト型複合酸化物(質量)に対して水(質量)10倍未満、又は、100倍を超えると、複合酸化物スペーサーを形成することができない場合があるため好ましくない。
【0030】
ペロブスカイト型複合酸化物は、二次粒子の平均粒子径が10nm〜3μmのものを用いることが好ましい。
水に添加するペロブスカイト型複合酸化物が、上記範囲内の平均粒子径のものであると、凝集抑制効果がはたらき、触媒の高比表面積を維持することができる。
【0031】
その後、スラリーにゾルを添加し、30分〜2時間程度撹拌して混合物を得る。
ゾルとスラリーとの混合比は、特に限定されないが、ゾルとスラリーの混合物100%に対して、ゾルを3〜30%添加することが好ましい。ゾルの添加量が少なすぎると、複合酸化物スペーサーを形成することができない場合がある。
【0032】
スラリー形成工程における撹拌時間は、ゾル形成工程と同様に、常温で1〜5時間程度が好ましい。また、スラリー形成工程においても、撹拌翼等を用いて混合物を撹拌してもよく、撹拌翼の回転速度は、200〜2000回転/分程度が好ましい。
【0033】
[(C)乾燥及び焼成工程]
図3に示すように、乾燥及び焼成工程(C)は、スラリーとゾルを混合した混合物を80〜180℃で1〜3時間程度、溶媒がなくなるまで乾燥させ、その後、300〜650℃で1〜3時間焼成して触媒を製造する。
【0034】
焼成温度としては、好ましくは300〜650℃、より好ましくは500〜600℃である。また、焼成時間は、好ましくは1〜3時間、より好ましくは1時間半(1.5時間)〜2時間程度である。
焼成温度が300℃未満と低いと、複合酸化物スペーサーが形成されない場合があり、焼成温度が650℃を超えると、焼成温度が高すぎて、形成された複合酸化物スペーサーが壊れる場合がある。
【0035】
本例の触媒の製造方法によれば、ペロブスカイト型複合酸化物と、例えば図1(b)に示すような種々の形状の複合酸化物スペーサーとから成り、比表面積を増大させた触媒を得ることができる。
【0036】
本発明によれば、ペロブスカイト型複合酸化物に複合酸化物スペーサーを設けているので、ペロブスカイト型複合酸化物の凝集や、この凝集に伴う細孔の閉塞を抑制することができ、触媒の比表面積を増大させることができる。また、本発明によれば、複合酸化物スペーサーによって、高温下においても、触媒を構成するペロブスカイト型複合酸化物同士の間隔が維持される。そのため、本発明の触媒は、従来のペロブスカイト型複合酸化物に比べて、NOxなどの吸着率を向上させることができる。また、本発明の触媒を耐火性無機担体に担持させることによって、NOxの吸着率を向上させた排ガス浄化用触媒として好適に使用することができる。
【実施例】
【0037】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0038】
(実施例1)
[ゾル形成工程]
1,3−ブタンジオール;85.6%と、水;0.97%と、硝酸(濃度:60%);1.2%とを混合し、撹拌して、混合物(溶媒)を得た。この溶媒に、チタニウムイソプロポキシド(TTIP);12.2%を1時間かけて添加し、その後、常温で4時間撹拌し、ゾルを得た。なお、本例のゾルは、1,3−ブタンジオールと、水と、硝酸と、TTIPの合計量が100%である。
[スラリー形成工程]
ペロブスカイト型複合酸化物(Ba0.8La0.2Mn0.8Mg0.2、クエン酸法で作製、二次粒子の平均粒径600nm、セイミケミカル社製)と、水とを、ペロブスカイト型複合酸化物/水の比が0.03となるように混合して、スラリーを得た。このスラリーに、上記ゾルを11.4%添加して、スラリー及びゾルの混合物(全体量100%)を得た。
[乾燥及び焼成工程]
上記混合物を常温で1時間撹拌した後、150℃で2時間乾燥し、乾燥して得られた粉末を空気中、550℃で2時間焼成し、本例の触媒粉末を得た。本例の触媒粉末の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
図4(a)及び(b)に、本例の触媒のSEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)写真(a;20000倍、b;50000倍)を示す。
【0039】
(実施例2)
[ナノチタニア粉末の形成工程]
1−プロパノール;50mlに、TTIP;7gを加え、撹拌して溶液を得た。この溶液を、水200cc中に1時間かけて添加した。その後、この溶液を150℃で乾燥し、粉末状にした。この粉末を、空気中において600℃で2時間焼成し、ナノチタニア粉末を得た。
1,3−ブタンジオール;85.6%と、水;0.97%と、硝酸(濃度:60%);1.2%とを混合し、撹拌して混合物(溶媒)を得た。この混合物(溶媒)に、TTIP;11.2%及び上記ナノチタニア粉末;1.0%を1時間かけて添加し、その後、常温で4時間撹拌してゾルを得た。
上記ゾルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、本例の触媒粉末を得た。本例の触媒粉末の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
【0040】
(実施例3)
硝酸を加えずに、1,3−ブタンジオール;86.6%と、水;0.99%を混合した溶媒を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゾルを得た。なお、本例のゾルは、1,3−ブタンジオールと、水と、TTIPの合計量が99.8%(1,3−ブタンジオール;86.8%、水0.99%、TTIP;12.2%)である。
上記ゾルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、本例の触媒粉末を得た。本例の触媒粉末の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
【0041】
(実施例4)
1,3−ブタンジオールを加えずに、水;6.8%と、硝酸;8.5%を混合した混合物(溶媒)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゾルを得た。なお、本例のゾルは、水と、硝酸と、TTIPの合計量が27.5%(水;24.7%、硝酸;30.9%、TTIP;44.4%)である。
上記ゾルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、本例の触媒粉末を得た。本例の触媒粉末の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
図5(a)及び(b)に、本例の触媒粉末のSEM写真(a;5000倍、b;10000倍)を示す。
【0042】
(実施例5)
1,3−ブタンジオール及び硝酸を加えずに、水;7.4%を溶媒として用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゾルを得た。なお、本例のゾルは、水とTTIPとの合計量が19.6%(水;37.8%、TTIP;62.2%)である。
上記ゾルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、本例の触媒粉末を得た。本例の触媒粉末の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
【0043】
(実施例6)
1,3−ブタンジオールの代わりに2−メチル−2,4−ペンタジオールを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゾルを得た。このゾルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、本例の触媒粉末を得た。本例の触媒粉末の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
【0044】
(実施例7)
1,3−ブタンジオールの代わりにエチレングリコールを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゾルを得た。このゾルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、本例の触媒粉末を得た。本例の触媒粉末の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
【0045】
(実施例8)
1,3−ブタンジオールの代わりに1−プロパノールを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゾルを得た。このゾルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、本例の触媒粉末を得た。本例の触媒粉末の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
【0046】
(実施例9)
1,3−ブタンジオールの代わりに2−プロパノールを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゾルを得た。このゾルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、本例の触媒粉末を得た。本例の触媒粉末の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
【0047】
(実施例10)
1,3−ブタンジオールの代わりにエタノールを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゾルを得た。このゾルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、本例の触媒粉末を得た。本例の触媒粉末の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
【0048】
(実施例11)
1,3−ブタンジオールの代わりに1−プロパノールを用い、TTIPの代わりにアルミニウムイソプロポキシド(AIP)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゾルを得た。このゾルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、本例の触媒を得た。本例の触媒の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
【0049】
(実施例12)
1,3−ブタンジオールの代わりに2−プロパノールを用い、TTIPの代わりにAIPを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゾルを得た。このゾルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、本例の触媒粉末を得た。本例の触媒粉末の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
【0050】
(実施例13)
1,3−ブタンジオールの代わりに1−プロパノールを用い、TTIPの代わりにジルコニウムテトライソプロポキシド(ZTIP)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゾルを得た。このゾルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、本例の触媒粉末を得た。本例の触媒粉末の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
【0051】
(実施例14)
1,3−ブタンジオールの代わりに2−プロパノールを用い、TTIPの代わりにZTIPを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゾルを得た。このゾルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、本例の触媒粉末を得た。本例の触媒粉末の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
【0052】
(実施例15)
実施例1と同様のスラリーに、実施例1と同様のゾル20.5%を添加して、スラリー及びゾルの混合物(全体量100%)としたこと以外は、実施例1と同様にして、本例の触媒粉末を得た。本例の触媒粉末の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
【0053】
(実施例16)
実施例1と同様のスラリーに、実施例1と同様のゾル20.5%を添加して、スラリー及びゾルの混合物(全体量100%)としたこと以外は、実施例1と同様にして乾燥した。乾燥して得られた粉末を300℃で2時間焼成して、本例の触媒粉末を得た。本例の触媒粉末の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
【0054】
(実施例17)
実施例1と同様のスラリーに、実施例1と同様のゾル20.5%を添加して、スラリー及びゾルの混合物(全体量100%)としたこと以外は、実施例1と同様にして乾燥した。乾燥して得られた粉末を600℃で2時間焼成して、本例の触媒粉末を得た。本例の触媒粉末の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
【0055】
(実施例18)
実施例1と同様のスラリーに、実施例1と同様のゾル20.5%を添加して、スラリー及びゾルの混合物(全体量100%)としたこと以外は、実施例1と同様にして乾燥した。乾燥して得られた粉末を150℃で2時間焼成して、本例の触媒粉末を得た。本例の触媒粉末の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
【0056】
(比較例1)
ペロブスカイト型複合酸化物(Ba0.8La0.2Mn0.8Mg0.2、クエン酸法で作製、二次粒子の平均粒径600nm、セイミケミカル社製)を比較例1の粉末として用いた。
図6(a)及び(b)に、本例の粉末のSEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)写真(a;20000倍、b;50000倍)を示す。
【0057】
(比較例2)
TTIPを用いることなく、1,3−ブタンジオール;97.5%と、水;1.1%と、硝酸(濃度:60%);1.4%とを混合し、撹拌したゾルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、粉末を得た。この粉末の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
【0058】
(比較例3)
TTIPを用いることなく、1,3−ブタンジオール;98.9%と、水;1.1%とを混合し、撹拌したゾルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、粉末を得た。この粉末の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
【0059】
(比較例4)
TTIPを用いることなく、水;44.4%と、硝酸(濃度:60%);55.6%を混合し、撹拌したゾルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、粉末を得た。この粉末の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
【0060】
(比較例5)
実施例1と同様のペロブスカイト型複合酸化物(Ba0.8La0.2Mn0.8Mg0.2、クエン酸法で作製、二次粒子の平均粒径600nm、セイミケミカル社製)と、水の代わりに1,3−ブタンジオール(有機溶媒)とを混合し、ペロブスカイト型複合酸化物/有機溶媒の比が0.03となるように混合して、スラリーを得た。このスラリーを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、粉末を得た。この粉末の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
【0061】
(比較例6)
1,3−ブタンジオールの代わりに、2−メチル−2,4−ペンタジオールを用いて、実施例6と同様のゾルを得た。
ペロブスカイト型複合酸化物(Ba0.8La0.2Mn0.8Mg0.2、クエン酸法で作製、二次粒子の平均粒径600nm、セイミケミカル社製)と、水の代わりに2−メチル−2,4−ペンタジオール(有機溶媒)とを用いて、ペロブスカイト/有機溶媒の比が0.03となるように混合して、スラリーを得た。
上記ゾルとスラリーとを用いて、実施例1と同様にして、粉末を得た。この粉末の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
【0062】
(比較例7)
1,3−ブタンジオールの代わりに、エチレングリコールを用いて、実施例7と同様のゾルを得た。
ペロブスカイト型複合酸化物(Ba0.8La0.2Mn0.8Mg0.2、クエン酸法で作製、二次粒子の平均粒径600nm、セイミケミカル社製)と、水の代わりにエチレングリコール(有機溶媒)とを用いて、ペロブスカイト/有機溶媒の比が0.03となるように混合して、スラリーを得た。
上記ゾルとスラリーとを用いて、実施例1と同様にして、粉末を得た。この粉末の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
【0063】
(比較例8)
1,3−ブタンジオールの代わりに、1−プロパノールを用いて、実施例8と同様のゾルを得た。
ペロブスカイト型複合酸化物(Ba0.8La0.2Mn0.8Mg0.2、クエン酸法で作製、二次粒子の平均粒径600nm、セイミケミカル社製)と、水の代わりに1−プロパノール(有機溶媒)とを用いて、ペロブスカイト/有機溶媒の比が0.03となるように混合して、スラリーを得た。
上記ゾルとスラリーとを用いて、実施例1と同様にして、粉末を得た。この粉末の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
図7(a)及び(b)に、本例の粉末のSEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)写真(a;20000倍、b;50000倍)を示す。
【0064】
(比較例9)
1,3−ブタンジオールの代わりに、2−プロパノールを用いて、実施例9と同様のゾルを得た。
ペロブスカイト型複合酸化物(Ba0.8La0.2Mn0.8Mg0.2、クエン酸法で作製、二次粒子の平均粒径600nm、セイミケミカル社製)と、水の代わりに2−プロパノール(有機溶媒)とを用いて、ペロブスカイト/有機溶媒の比が0.03となるように混合して、スラリーを得た。
上記ゾルとスラリーとを用いて、実施例1と同様にして、粉末を得た。この粉末の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
【0065】
(比較例10)
1,3−ブタンジオールの代わりに、エタノールを用いて、実施例10と同様のゾルを得た。
ペロブスカイト型複合酸化物(Ba0.8La0.2Mn0.8Mg0.2、クエン酸法で作製、二次粒子の平均粒径600nm、セイミケミカル社製)と、水の代わりにエタノール(有機溶媒)とを用いて、ペロブスカイト/有機溶媒の比が0.03となるように混合して、スラリーを得た。
上記ゾルとスラリーとを用いて、実施例1と同様にして、粉末を得た。この粉末の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
図8(a)及び(b)に、本例の粉末のSEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)写真(a;20000倍、b;50000倍)を示す。
【0066】
(比較例11)
実施例1と同様のスラリーに、実施例1と同様のゾル20.5%を添加して、スラリー及びゾルの混合物(全体量100%)としたこと以外は、実施例1と同様にして乾燥した。乾燥して得られた粉末を700℃で2時間焼成して、本例の触媒粉末を得た。本例の触媒粉末の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
【0067】
(実施例12)
実施例1と同様のスラリーに、実施例1と同様のゾル20.5%を添加して、スラリー及びゾルの混合物(全体量100%)としたこと以外は、実施例1と同様にして乾燥した。乾燥して得られた粉末を1,000℃で2時間焼成したこと以外は、実施例1と同様にして、本例の触媒粉末を得た。本例の触媒粉末の比表面積をBET法にて算出した。結果を表1に示す。
【0068】
【表1】

【0069】
図4に示すように、実施例1のペロブスカイト型複合酸化物の間には、シート状や柱状の複合酸化物スペーサーが形成されていた。表1に示すように、この複合酸化物スペーサーによって、例えば実施例1や実施例2の触媒粉末は、BET法で算出された比表面積が、比較例1のペロブスカイト型複合酸化物と比較して、1.8〜3.0倍近く増大していた。
また、実施例2のように、チタン酸化物の種結晶となるチタニア粉末を加えた場合であっても、添加したナノチタニア粉末は、結晶化せず、複合酸化物スペーサーが形成されていた。
【0070】
表1の実施例3〜5に示すように、ゾルの溶媒として、硝酸又は1,3−ブタンジオールを用いない場合であっても、金属アルコキシド(TTIP)を含むゾルを用いた場合は、得られた触媒粉末が、比較例のペロブスカイト型複合酸化物粉末と比較して、比表面積が増大していることが確認できた。
また、図5(実施例4)に示すように、ゾルの溶媒として1,3−ブタンジオールを用いていない場合であっても、TTIPを含むゾルを用いた場合は、複合酸化物スペーサーが形成されていた。
【0071】
表1の実施例6〜10に示すように、ゾルの溶媒として、1,3−ブタンジオールの代わりに、他の有機溶媒を用いた場合であっても、得られた触媒粉末は、比較例1のペロブスカイト型複合酸化粉末と比較して、比表面積が増大していることが確認できた。
【0072】
表1の実施例11〜14に示すように、金属アルコキシドとして、TTIPの代わりに、AIP又はZTIPを用いた場合であっても、得られた触媒粉末は、比較例1のペロブスカイト型複合酸化物粉末と比較して、比表面積が増大していることが確認できた。
【0073】
表1の実施例15に示すように、金属アルコキシドを含むゾルの添加量を増大させると、さらに比表面積が増大していた。
【0074】
また、実施例16又は実施例17に示すように、焼成工程における焼成温度が300〜650℃の範囲内であれば、得られた触媒粉末は、比較例1のペロブスイカイト型複合酸化物粉末と比較して、比表面積が増大していた。
一方、実施例18に示すように、焼成温度が300℃未満の場合は、得られた触媒粉末の比表面積は大きくなるものの、複合酸化物スペーサーが形成されていなかった。また、実施例19及び実施例20に示すように、焼成温度が650℃を超えると、焼成温度が高くなりすぎて、複合酸化物スペーサーが壊れ、大きな比表面積を維持することができなかった。
【0075】
表1の比較例2〜4に示すように、ゾルに金属アルコキシドが含有されていない場合は、得られた粉末の比表面積は少ししか増大していなかった。また、表1の比較例5〜10に示すように、ペロブスカイト型複合酸化物を混合するスラリーの溶媒として、水ではなく有機溶媒を用いた場合は、複合酸化物スペーサーが形成されず、得られた粉末の比表面積は減少するか、少ししか増大していなかった。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】(a)従来のペロブスカイト型複合酸化物が凝集した状態を模式的に示す説明図であり、(b)本発明の触媒を概念的に示す説明図である。
【図2】本発明の触媒の製造方法(ゾル形成工程)の実施形態の一例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の触媒の製造方法(スラリー形成工程、乾燥・焼成工程)の実施形態の一例を示すフローチャートである。
【図4】実施例1の触媒粉末のSEM写真(a;20000倍、b;50000倍)である。
【図5】実施例4の触媒粉末のSEM写真(a;5000倍、b;10000倍)である。
【図6】比較例1のペロブスカイト型複合酸化物粉末のSEM写真(a;20000倍、b;50000倍)である。
【図7】比較例8のペロブスカイト型複合酸化物粉末のSEM写真(a;20000倍、b;50000倍)である。
【図8】比較例10のペロブスカイト型複合酸化物粉末のSEM写真(a;20000倍、b;50000倍)である。
【符号の説明】
【0077】
1 触媒
2 ペロブスカイト型複合酸化物
3 複合酸化物スペーサー
3a 柱状スペーサー
3b 板状スペーサー
3c 筒状スペーサー
3d シート状スペーサー
3e 針状スペーサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式A1−xA’1−yB’3−δ(一般式中のAは、アルカリ土類金属から成る群より選ばれた少なくとも1種の元素であり、A’は、希土類元素から成る群より選ばれた少なくとも1種の元素であり、Bは、遷移元素から成る群より選ばれた少なくとも1種の元素であり、B’は、金属元素から成る群より選ばれた少なくとも1種の元素であり、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦δ≦1.5を示す)で表されるペロブスカイト型複合酸化物と、複合酸化物スペーサーとから成り、且つBET法で算出される比表面積が20m/g以上であることを特徴とする触媒。
【請求項2】
BET法で算出される比表面積が20m/g〜50m/gであることを特徴とする請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
上記一般式中のB’は、Mg及び遷移元素から成る群より選ばれた少なくとも1種の元素であることを特徴とする請求項1又は2に記載の触媒。
【請求項4】
上記一般式中のB’はMg,Fe,Zr,Ni,Sn,Ta,Co,Cr,Cu,Ga,In及びCeから成る群より選ばれた少なくとも1種の元素であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の触媒。
【請求項5】
上記ペロブスカイト型複合酸化物の二次粒子の平均粒径が10nm〜3μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の触媒。
【請求項6】
上記複合酸化物スペーサーのアスペクト比が1〜50であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の触媒。
【請求項7】
上記複合酸化物スペーサーを構成する元素が、上記ペロブスカイト型複合酸化物を構成する元素の少なくとも1種の元素を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の触媒。
【請求項8】
上記一般式中のAはBaであり、A’はLaであり、BはMnであり、B’はMgであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の触媒。
【請求項9】
上記一般式中のxは0<x≦0.5であり、yは0<y≦0.5であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つの項に記載の触媒。
【請求項10】
上記一般式中のxは0.1≦x≦0.3であり、yは0.2≦y≦0.3であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つの項に記載の触媒。
【請求項11】
上記複合酸化物スペーサーがBa−Mn−Mg複合酸化物であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つの項に記載の触媒。
【請求項12】
上記請求項1〜11のいずれか1つの項に記載の触媒を、耐火性無機担体に担持して成ることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
【請求項13】
金属アルコキシドを含有するゾルを形成する工程と、
水を溶媒として、ペロブスカイト型複合酸化物を含有するスラリーを形成する工程と、
上記ゾル及びスラリーを混合し乾燥して、焼成する工程を含むことを特徴とする触媒の製造方法。
【請求項14】
上記ゾルが、アルコールと、水と、硝酸とを含有することを特徴とする請求項13に記載の触媒の製造方法。
【請求項15】
上記ペロブスカイト型複合酸化物の二次粒子が、平均粒径10nm〜3μmであることを特徴とする請求項13又は14に記載の触媒の製造方法。
【請求項16】
上記焼成工程における焼成温度が300〜650℃であることを特徴とする請求項13〜15のいずれか1つの項に記載の触媒の製造方法。
【請求項17】
上記焼成工程における焼成温度が500〜600℃であることを特徴とする請求項13〜15のいずれか1つの項に記載の触媒の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−51949(P2010−51949A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−330902(P2008−330902)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】