説明

撮像装置、その制御方法及びプログラム並びに記録媒体

【課題】
撮影者が、撮像画像が設定アスペクト比でトリミングされて記録されるのか、トリミング無しでヘッダのアスペクト比情報に設定アスペクト比が格納されて記録されるのかを容易に認識できるようにする。
【解決手段】
RAW記録の場合、CPU(105)は、撮像部(101)による撮像画像をそのまま表示部(106)に表示する。撮像画像を設定アスペクト比にトリミングして記録する場合で、設定アスペクト比が撮像部(102)の撮像素子のアスペクト比と異なるときには、CPU(105)は、トリミング後の画像を表示部(106)に表示させる。撮像画像をトリミングすること無しに、設定アスペクト比を示す情報をヘッダに記録する場合で、設定アスペクト比が撮像部(102)の撮像素子のアスペクト比と異なるときには、CPU(105)は、表示部(106)に、撮像画像に重ねて、設定アスペクト比を示す線を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置、その制御方法及びプログラム並びに記録媒体に関し、特に記録画像のアスペクト比をユーザに視覚的に認識可能にする撮像装置、その制御方法及びプログラム並びに記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像装置には、記録する静止画のアスペクト比情報をファインダやライブビュー画面などに表示するものがある。記録すべき画像のアスペクト比を変更可能な撮像装置には、指定されたアスペクト比で撮影画像を記録するものと、撮影画像をそのままのサイズで記録しつつ、ヘッダに指定アスペクト比情報を付加するものとがある。
【0003】
特許文献1には、記録する静止画のアスペクト比を、フォーカシングスクリーンを使ってファインダに表示する撮像装置が記載されている。また、フォーカシングスクリーンを交換することにより、アスペクト比の表示方式を変更可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−141411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術では、撮像時又は記録スタンバイ時に、撮影画像が指定のアスペクト比にトリミングされて記録されるのか、トリミング無しでヘッダ情報にアスペクト比情報が付加されて記録されるのかを判別できない。後者の場合、ヘッダ情報に記述されたアスペクト比で画像再生する装置を使用しないと、撮影者の意図に従った再生画像表示にならない。
【0006】
このような問題は、静止画でも動画でも同様であるが、特に、動画の場合には、目的のアスペクト比への修正が困難であり、撮影自体の失敗につながる。
【0007】
本発明は、このような不都合を解消し、記録しようとする画像に対して指定されるアスペクト比をユーザが容易に認識できるようにした撮像装置、その制御方法及びプログラム並びに記録媒体を提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る撮像装置は、被写体を撮像し、画像信号を出力する撮像手段と、記録すべき画像のアスペクト比を設定するアスペクト比設定手段と、前記撮像手段による撮像画像を記録する記録手段であって、記録モードとして、前記撮像画像を前記アスペクト比設定手段で設定される設定アスペクト比にトリミングして記録するトリミング記録モードと、前記撮像画像を記録しつつ、前記設定アスペクト比を示すアスペクト比情報を記録画像のヘッダに記録するアスペクト比付加記録モードとを選択できる記録手段と、前記トリミング記録モードでは、前記撮像画像のうちの、前記設定アスペクト比に含まれる範囲を表示し、前記アスペクト比付加記録モードでは、前記撮像画像に重ねて、前記設定アスペクト比を示すアスペクト比表示を表示する表示手段とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る撮像装置の制御方法は、被写体を撮像し、画像信号を出力する撮像手段と、記録すべき画像のアスペクト比を設定するアスペクト比設定手段と、前記撮像手段による撮像画像を記録する記録手段であって、記録モードとして、前記撮像画像を前記アスペクト比設定手段で設定される設定アスペクト比にトリミングして記録するトリミング記録モードと、前記撮像画像を記録しつつ、前記設定アスペクト比を示すアスペクト比情報を記録画像のヘッダに記録するアスペクト比付加記録モードとを選択できる記録手段と、画像を表示する表示手段とを具備する撮像装置を制御する方法であって、前記トリミング記録モードでは、前記撮像画像のうちの、前記設定アスペクト比に含まれる範囲を前記表示手段に表示させるステップと、前記アスペクト比付加記録モードでは、前記撮像画像に重ねて、前記設定アスペクト比を示すアスペクト比表示を表示させるステップ
とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る撮像装置の制御プログラムは、被写体を撮像し、画像信号を出力する撮像手段と、記録すべき画像のアスペクト比を設定するアスペクト比設定手段と、前記撮像手段による撮像画像を記録する記録手段であって、記録モードとして、前記撮像画像を前記アスペクト比設定手段で設定される設定アスペクト比にトリミングして記録するトリミング記録モードと、前記撮像画像を記録しつつ、前記設定アスペクト比を示すアスペクト比情報を記録画像のヘッダに記録するアスペクト比付加記録モードとを選択できる記録手段と、画像を表示する表示手段とを具備する撮像装置を制御する制御プログラムであって、前記撮像装置の制御装置に、前記トリミング記録モードでは、前記撮像画像のうちの、前記設定アスペクト比に含まれる範囲を前記表示手段に表示させる機能と、前記アスペクト比付加記録モードでは、前記撮像画像に重ねて、前記設定アスペクト比を示すアスペクト比表示を表示させる機能とを実現させることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る記録媒体には、上記制御プログラムが記録される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、アスペクト比表示により、記録される画像がトリミングされるのか、トリミングせずヘッダ情報にアスペクト比情報が付加されるのかを視覚的に判別できる。また、記録される画像のアスペクト比を正確に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例の概略構成ブロック図である。
【図2】記録画像の記録画質とアスペクト比を設定する動作のフローチャートである。
【図3】設定アスペクト比を表示する動作のフローチャートである。
【図4】設定アスペクト比の表示例である。
【図5】静止画の記録画像とアスペクト比を設定し、動画のアスペクト比を設定する動作のフローチャートである。
【図6】静止画と動画の設定アスペクト比を表示する動作のフローチャートである。
【図7】図6の場合の、設定アスペクト比の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明に係る撮像装置の一実施例の概略構成ブロック図を示す。本実施例の撮像装置1は、例えば、デジタルカメラであり、CCD又はCMOS等のイメージセンサにより被写体光学像を電気信号に変換し、デジタル画像データとして外部に出力又は記録媒体に記録する。必要に応じて、現像処理、画像データファイル形式に応じた圧縮符号化処理及びファイル生成処理等が行われる。例えば、デジタルカメラの画像データ形式には、静止画に対してRAW形式、JPEG形式及びTIFF方式などがあり、動画には、MotionJPEG方式及びMPEG方式などがある。
【0016】
撮像装置1は、光学ユニット101、撮像部102、1次記憶装置103、2次記憶装置104、CPU105、表示部106及び入力部107を備えている。
【0017】
光学ユニット101は、レンズ及び絞り等の光学系からなる。光学ユニット101は着脱可能な交換式であっても、着脱不可の固定式でもよい。
【0018】
撮像部102は、光学ユニット101による被写体光学像を画像信号に変換する撮像素子、いわゆるイメージセンサと、撮像素子の出力画像信号をデジタル化するA/D変換器を有する。撮像部102はまた、自動焦点制御回路(AF)及び自動絞り制御回路(AE)を有する。システム制御回路となるCPU105が、撮像部102から出力される画像データを、予め設定された形式に従った画像データファイルに変換する。
【0019】
1次記憶装置103は、例えば、RAMに代表される書き込み可能な高速の記憶装置である。1次記憶装置103は、例えば、OS(オペレーティングシステム)や各種のプログラム及び各種のデータ等がロードされ、CPU105がOS及び各種のプログラム等を実行する際の作業領域として使用される。
【0020】
2次記憶装置104は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、フラッシュメモリ又はCD−ROMドライブ等に代表される不揮発性の記憶装置である。2次記憶装置104は、OS、各種のプログラム及び各種のデータ等の永続的な記憶領域として使用される他に、短期的な各種のデータ等の記憶領域としても使用される。
【0021】
CPU105は、撮像装置1における動作を統括的に制御する。CPU105はまた、撮像部102による撮像画像をそのまま又は現像処理して、2次記憶装置104に記録する記録手段として機能する。
【0022】
表示部106は、例えばファインダ又は液晶表示装置(LCD)からなる。ファインダは、目で覗いて構図を決めたりピントを合わせたりするのに用いられる。また、LCDは、撮像装置1の各種設定を行ったり閲覧したりするためのメニュー画面、各種メッセージ、ライブビュー画面及び記録画像等を表示することに使用される。
【0023】
入力部107は釦等の操作部材を有しており、撮像装置1に対するユーザの直接操作による入力を受け付ける。
【0024】
光学ユニット101、撮像部102、1次記憶装置103、2次記憶装置104、CPU105、表示部106及び入力部107の一部が、撮像装置1以外の装置に配置されても良い。
【0025】
設定されたアスペクト比に基づく範囲外の画像も記録するか否かで、ライブビュー中に行うアスペクト比を示す表示(アスペクト比表示)の表示形態を変更する動作を説明する。
【0026】
撮像装置1は、RAW画像(現像処理を施す前の画像)の記録と、現像後の画像(例えばJPEG画像)の記録を選択可能である。撮像画像を現像して記録する場合、ユーザによって設定されたアスペクト比でトリミングを行った画像を記録する。従って、記録された画像を再生する場合、再生画像は、撮影時に設定されたアスペクト比で表示される。
【0027】
撮像装置1は、撮像画像を現像せずにRAW画像として記録する場合、設定されたアスペクト比に関わらず、撮像素子で撮像された画像の全範囲を記録する。その上で、設定されたアスペクト比を示す情報をRAW画像のヘッダ情報として記録する。このように記録されたRAW画像を再生する場合、撮像装置1は、ヘッダに含まれるアスペクト比情報で指定されたアスペクト比にRAW画像をトリミングして表示する。また、RAW画像に対して撮影後に現像処理を施す場合には、指定されたアスペクト比にトリミングして現像又は表示する。
【0028】
図2は、記録すべき静止画の記録画質とアスペクト比を設定する動作例のフローチャートを示す。
【0029】
S201では、ユーザは入力部107を操作して、記録する静止画の記録画質を撮像装置1に入力する。記録画質は例えば、記録する静止画のアスペクト比設定が撮像素子のアスペクト比と同じときの画像サイズ、及び記録形式である。記録形式には、先に説明したように、撮像素子から出力される画像信号をデジタル変換して記録するRAW形式と、撮像素子から出力される画像信号をデジタル変換した後、JPEG方式で圧縮して記録するJPEG形式などがある。ユーザは、RAW形式のみ記録、JPEG形式のみ記録、及びRAW形式とJPEG形式の両方を記録の中から1つを選択できる。この入力は、例えば、静止画の記録画質を設定するためのメニュー画面に対して行われる。
【0030】
S202では、CPU105は、S201で入力された記録画質設定を1次記憶装置103に記録する。
【0031】
S203では、ユーザは、入力部107により、記録する静止画のアスペクト比を入力する。入力できるアスペクト比には、例えば、3:2、4:3、16:9、及び1:1等がある。
【0032】
S204では、CPU105は、S203で入力されたアスペクト比の設定値を1次記憶装置103に記録し、処理を終了する。
【0033】
設定アスペクト比が撮像素子のアスペクト比と異なり、且つ記録形式がJPEG形式の場合、CPU105は、設定されたアスペクト比に従い撮像画像をトリミングして記録する。他方、設定アスペクト比が撮像素子のアスペクト比と異なり、且つ記録形式がRAW形式の場合、CPU105は、撮像画像をトリミングせずに、設定アスペクト比を記録画像のヘッダ情報にアスペクト比情報として付加する。本明細書では、撮像画像を設定アスペクト比にトリミングして記録する記録モードをトリミング記録モードと呼ぶ。また、撮像画像を設定アスペクト比でトリミングすること無しに、記録データのヘッダに設定アスペクト比を示すアスペクト情報を埋め込む記録モードをアスペクト比付加記録モードと呼ぶ。
【0034】
図3は、設定アスペクト比をユーザに視覚的に認識させる動作のフローチャートを示す。
【0035】
S301では、CPU105は、S204で設定したアスペクト比が撮像素子のアスペクト比と異なるかどうかを判定する。設定アスペクト比が撮像素子のアスペクト比と異なる場合は、S302に進む。設定アスペクト比が撮像素子のアスペクト比と同じ場合は、S305に進む。
【0036】
S302では、CPU105は、S202で設定した記録画質から、記録する静止画のヘッダにアスペクト比情報を付加するかどうかを判定する。すなわち、トリミング記録モードかアスペクト比付加記録モードかを判定する。記録する静止画のヘッダにアスペクト比情報を付加する場合、すなわち、アスペクト比付加記録モードの場合、S303に進む。記録する静止画のヘッダにアスペクト比情報を付加しない場合、すなわち、トリミング記録モードの場合、S304に進む。
【0037】
S303では、CPU105は、表示部106に、図4(a)に例示するように、S204で設定した設定アスペクト比に応じたアスペクト比の縁線を示す線41aを重畳表示し、処理を終了する。尚、このアスペクト比表示は、線でなく、透過帯などであってもよい。表示されている画像はライブビュー画像であり、線41aより内側が、設定アスペクト比に含まれる部分である。線41aより外側は、設定アスペクト比に含まれる範囲ではないが、記録されるので、この部分の撮像画像を表示する。ユーザはこのような画面を見ることで、撮像画像の全範囲がどのような画像であり、そのうちのどの部分が設定アスペクト比に含まれる部分かどうかを視覚的に確認できる。
【0038】
S304では、CPU105は、表示部106に、図4(b)に示すように、S204で設定した設定アスペクト比の外側部分を非透過帯41bで表示し、処理を終了する。非透過帯(ここではマスク画像)41bより内側が、設定アスペクト比に含まれる部分である。非透過帯41bが表示される部分は、撮像されても記録されない範囲である。このように、撮像しても記録されない範囲の画像を表示しないことで、ユーザは、設定アスペクト比に基づく領域より外側が記録されないことを明確に把握できる。逆にいえば、記録されない範囲を記録されると誤認する可能性を低減できる。
【0039】
S305では、CPU105は、表示部106に、図4(c)に示すように、S204で設定した設定アスペクト比に示す線等を表示せず、処理を終了する。図4(c)では、撮像素子で撮像される画像の全範囲が表示される。
【0040】
このように、本実施例によれば、撮像画像を設定アスペクト比に従ってトリミングして記録する場合には、撮像画像の、設定アスペクト比の外側部分を非透過帯で表示又は実質的に表示しない。また、設定アスペクト比を示す情報をヘッダに付加し、撮像画像をトリミングせずに記録する場合には、設定アスペクト比の範囲をその縁線で表示するようにした。これにより、ユーザは、表示画面上で、撮像画像が設定アスペクト比に従ってトリミングされて記録されるのか、トリミングされずにヘッダにアスペクト比情報として付加されるのかを容易に認識できる。
【実施例2】
【0041】
図5は、静止画と動画でアスペクト比を設定できる動作のフローチャートを示す。
【0042】
S501〜S504の動作は、それぞれ、S201〜S204と同じ処理なので、説明を省略する。
【0043】
S505では、ユーザは、入力部107を操作して、記録する動画のアスペクト比を撮像装置1に入力する。動画のアスペクト比には、例えば、3:2、4:3、16:9、及び1:1等がある。
【0044】
S506では、CPU105は、S505で入力された動画の設定アスペクト比を1次記憶装置103に記録し、処理を終了する。
【0045】
図2の場合と同様に、静止画の設定アスペクト比が撮像素子のアスペクト比と異なり、且つ記録形式がJPEG形式の場合、CPU105は、設定されたアスペクト比に従い撮像画像をトリミングして記録する。他方、静止画の設定アスペクト比が撮像素子のアスペクト比と異なり、且つ記録形式がRAW形式の場合、CPU105は、撮像画像をトリミングせずに、設定アスペクト比を記録画像のヘッダ情報にアスペクト比情報として付加する。
【0046】
図6は、静止画及び動画の設定アスペクト比をユーザに認識させる表示動作のフローチャートを示す。ここでは、動画に対する設定アスペクト比は、設定アスペクト比の外側に位置する部分に非透過帯を配置することで、ユーザに視覚的に認識可能にする。
【0047】
S601では、CPU105は、S504で設定した静止画の設定アスペクト比が撮像素子のアスペクト比と異なるかどうかを判定する。静止画の設定アスペクト比が撮像素子のアスペクト比と異なる場合は、S602に進む。静止画の設定アスペクト比が撮像素子のアスペクト比と同じ場合は、S609に進む。
【0048】
S602では、CPU105は、S506で設定した動画の設定アスペクト比と、S504で設定した静止画の設定アスペクト比が異なるかどうかを判定する。両設定アスペクト比が互いに異なる場合は、S603に進み、同じ場合には、S606に進む。
【0049】
S603では、CPU105は、S506で設定した動画の設定アスペクト比が撮像素子のアスペクト比と異なるかどうかを判定する。動画の設定アスペクト比が撮像素子のアスペクト比と異なる場合は、S604に進む。動画の設定アスペクト比が撮像素子のアスペクト比と同じ場合は、S605に進む。
【0050】
S604では、CPU105は、表示部106に、図7(a)に例示するように、S506で設定した動画の設定アスペクト比の外側に透過帯71aを配置して表示する。CPU105はまた、S504で設定した静止画の設定アスペクト比に対しては、設定アスペクト比に応じたアスペクト比の縁線を示す線72bを重畳表示する。
【0051】
S605では、CPU105は、表示部106に、図7(b)に例示するように、動画の設定アスペクト比を示すものを表示せず、静止画の設定アスペクト比を示す線71bで表示する。もちろん、静止画の設定アスペクト比を示す表示は、線でなく、透過帯などでもよい。
【0052】
S606では、CPU105は、静止画の設定記録画質から、記録する静止画のヘッダにアスペクト比情報を付加するかどうかを判定する。記録する静止画のヘッダにアスペクト比情報を付加する場合は、S607に進む。記録する静止画のヘッダにアスペクト比情報を付加しない場合は、S608に進む。
【0053】
S607では、CPU105は、表示部106に、図7(c)に例示するように、静止画の設定アスペクト比と動画の設定アスペクト比を透過帯71cで表示する。
【0054】
S608では、CPU105は、表示部106に、図7(d)に例示するように、静止画の設定アスペクト比と動画の設定アスペクト比を非透過帯71dで表示する。
【0055】
S609では、CPU105は、静止画の設定アスペクト比と動画の設定アスペクト比設定が異なるかどうかを判定する。動画のアスペクト比設定と静止画のアスペクト比設定が異なる場合は、S610に進む。動画のアスペクト比設定と静止画のアスペクト比設定が同じ場合は、S611に進む。
【0056】
S610では、CPU105は、表示部106に、図7(e)に例示するように、静止画の設定アスペクト比を示す線などを表示しないが、動画の設定アスペクト比の外側に透過帯71eを配置して表示する。
【0057】
S611では、CPU105は、表示部106に、図7(f)に例示するように、静止画の設定アスペクト比と動画の設定アスペクト比を示す何も表示しない。
【0058】
CPU105は、ステップSS604,S605,S607,S608,S610,S611の後、処理を終了する。
【0059】
動画の設定アスペクト比の範囲を示す線又は帯と、静止画の設定アスペクト比の範囲を示す線又は帯を互いに異なる態様,例えば色で表示することにより、ユーザは,容易に互いを明確に識別できるようになる。
【0060】
本実施例によれば、静止画と動画の設定アスペクト比に合わせて、設定アスペクト比の表示形態を変更するようにした。これにより、ユーザは、表示画面上で、静止画がトリミングして記録されるのか、トリミング無しでヘッダ情報にアスペクト比情報が付加されて記録されるのかを識別できる。記録される動画のアスペクト比も視覚的に確認できる。
【0061】
CPU105の機能は1つのハードウェアが実現しても、複数のハードウェアが処理を分担することで、実現しても良い。もちろん、そのような機能は、CPU105上で動作する制御プログラムとして実装される。
【0062】
本発明をその好適な実施例に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施例は本発明の一実施例を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0063】
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記録媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのような制御プログラム、及び当該制御プログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像し、画像信号を出力する撮像手段と、
記録すべき画像のアスペクト比を設定するアスペクト比設定手段と、
前記撮像手段による撮像画像を記録する記録手段であって、記録モードとして、前記撮像画像を前記アスペクト比設定手段で設定される設定アスペクト比にトリミングして記録するトリミング記録モードと、前記撮像画像を記録しつつ、前記設定アスペクト比を示すアスペクト比情報を記録画像のヘッダに記録するアスペクト比付加記録モードとを選択できる記録手段と、
前記トリミング記録モードでは、前記撮像画像のうちの、前記設定アスペクト比に含まれる範囲を表示し、前記アスペクト比付加記録モードでは、前記撮像画像に重ねて、前記設定アスペクト比を示すアスペクト比表示を表示する表示手段
とを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記記録手段は、前記トリミング記録モードにおいて前記撮像画像を現像処理する現像処理手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記記録手段は、前記撮像画像としてRAW画像を記録することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記表示手段は、前記トリミング記録モードでは、前記撮像画像のうちの、前記アスペクト比設定手段で設定されるアスペクト比に含まれる範囲の外をマスクすることを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記アスペクト比表示は、前記設定アスペクト比を示す線からなることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記アスペクト比設定手段は、静止画と動画で異なるアスペクト比を設定できることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記表示手段は、前記トリミング記録モードにおいて、前記静止画に対する設定アスペクト比が前記撮像画像のアスペクト比と異なる場合であって、前記静止画に対する設定アスペクト比が前記動画に対する設定アスペクト比と異なるときに、前記撮像画像に重ねて、前記静止画に対する前記設定アスペクト比を示すアスペクト比表示を表示することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記表示手段は、前記トリミング記録モードにおいて、前記静止画に対する設定アスペクト比が前記撮像画像のアスペクト比と異なる場合であって、前記静止画に対する設定アスペクト比が前記動画に対する設定アスペクト比と異なるときに、前記撮像画像に重ねて、前記静止画に対する前記設定アスペクト比を示すアスペクト比表示を表示し、前記動画に対する前記設定アスペクト比を示すアスペクト比表示を表示することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項9】
被写体を撮像し、画像信号を出力する撮像手段と、
記録すべき画像のアスペクト比を設定するアスペクト比設定手段と、
前記撮像手段による撮像画像を記録する記録手段であって、記録モードとして、前記撮像画像を前記アスペクト比設定手段で設定される設定アスペクト比にトリミングして記録するトリミング記録モードと、前記撮像画像を記録しつつ、前記設定アスペクト比を示すアスペクト比情報を記録画像のヘッダに記録するアスペクト比付加記録モードとを選択できる記録手段と、
画像を表示する表示手段
とを具備する撮像装置を制御する方法であって、
前記トリミング記録モードでは、前記撮像画像のうちの、前記設定アスペクト比に含まれる範囲を前記表示手段に表示させるステップと、
前記アスペクト比付加記録モードでは、前記撮像画像に重ねて、前記設定アスペクト比を示すアスペクト比表示を表示させるステップ
とを有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項10】
被写体を撮像し、画像信号を出力する撮像手段と、
記録すべき画像のアスペクト比を設定するアスペクト比設定手段と、
前記撮像手段による撮像画像を記録する記録手段であって、記録モードとして、前記撮像画像を前記アスペクト比設定手段で設定される設定アスペクト比にトリミングして記録するトリミング記録モードと、前記撮像画像を記録しつつ、前記設定アスペクト比を示すアスペクト比情報を記録画像のヘッダに記録するアスペクト比付加記録モードとを選択できる記録手段と、
画像を表示する表示手段
とを具備する撮像装置を制御する制御プログラムであって、前記撮像装置の制御装置に、
前記トリミング記録モードでは、前記撮像画像のうちの、前記設定アスペクト比に含まれる範囲を前記表示手段に表示させる機能と、
前記アスペクト比付加記録モードでは、前記撮像画像に重ねて、前記設定アスペクト比を示すアスペクト比表示を表示させる機能
とを実現させることを特徴とする撮像装置の制御プログラム。
【請求項11】
被写体を撮像し、画像信号を出力する撮像手段と、
記録すべき画像のアスペクト比を設定するアスペクト比設定手段と、
前記撮像手段による撮像画像を記録する記録手段であって、記録モードとして、前記撮像画像を前記アスペクト比設定手段で設定される設定アスペクト比にトリミングして記録するトリミング記録モードと、前記撮像画像を記録しつつ、前記設定アスペクト比を示すアスペクト比情報を記録画像のヘッダに記録するアスペクト比付加記録モードとを選択できる記録手段と、
画像を表示する表示手段
とを具備する撮像装置を制御する制御プログラムを記録する記録媒体であって、前記制御プログラムが、前記撮像装置の制御装置に、
前記トリミング記録モードでは、前記撮像画像のうちの、前記設定アスペクト比に含まれる範囲を前記表示手段に表示させる機能と、
前記アスペクト比付加記録モードでは、前記撮像画像に重ねて、前記設定アスペクト比を示すアスペクト比表示を表示させる機能
とを実現させることを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−80428(P2012−80428A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225326(P2010−225326)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】