説明

撮像装置、撮像制御方法及びプログラム

【課題】連写撮影により得られた複数の画像のデータ中から、記録指示の数を反映した画像のデータを記録すること。
【解決手段】撮像部16は、連続的に撮像動作を複数回繰り返すことによって、複数の画像のデータを順次出力する。受信部41は、撮像部16により出力された画像のデータに対する記録指示を受信する。計数部51は、受信部41により受信された記録指示の数を計数する。記録制御部52は、撮像部16により順次出力される複数の画像のデータのうち、計数部51により計数された記録指示の数が最も多かった時点で撮像された画像のデータを、リムーバブルメディア31に記録させるよう制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、撮像制御方法及びプログラムに関し、特に、連写撮影により得られた複数の画像のデータの中から、特定の画像のデータを記録する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、デジタルカメラが所定のシーンを撮影している場合、当該シーンの決定的瞬間が写った画像のデータを的確に記録することが要求されている。
このような要求に応えるべく、例えば、特許文献1には、所定期間内に連続的に複数回繰り返して撮像する動作(以下、「連写撮影」と呼ぶ)を実行するデジタルカメラの技術が開示されている。その後、デジタルカメラは、当該連写撮影の終了の指示操作の時点から所定の時間遡った時点に撮像された画像のデータを記録するか否かについて、撮影者に選択させる処理を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−290479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、記録対象の画像は撮影者が選択するため、その画像が、他の多くの人から見て必ずしも見たい画像であるとは限らないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、連写撮影により得られた複数の画像のデータ中から、記録指示の数を反映した画像のデータを記録することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、
連続的に撮像動作を複数回繰り返すことによって、複数の画像のデータを順次出力する撮像手段と、
前記撮像手段により出力された画像のデータに対する記録指示を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記記録指示の数を計数する計数手段と、
前記撮像手段により順次出力される前記複数の画像のデータのうち、前記計数手段により計数された前記記録指示の数が最も多かった時点で撮像された画像のデータを、第1の記録領域に記録させるよう制御する記録制御手段と、
を備える撮像装置を提供する。
【0007】
上記目的を達成するため、請求項3に記載の発明は、
連続的に撮像動作を複数回繰り返すことによって、複数の画像のデータを順次出力する撮像手段を備える撮像装置が実行する撮像制御方法において、
前記撮像手段により出力された画像のデータに対する記録指示を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにて受信された前記記録指示の数を計数する計数ステップと、
前記撮像手段により順次出力される前記複数の画像のデータのうち、前記計数ステップにて計数された前記記録指示の数が最も多かった時点で撮像された画像のデータを、記録領域に記録させるよう制御する記録制御ステップと、
を含む撮像制御方法を提供する。
【0008】
上記目的を達成するため、請求項4に記載の発明は、
連続的に撮像動作を複数回繰り返すことによって、複数の画像のデータを順次出力する撮像手段を備える撮像装置のコンピュータを、
前記撮像手段により出力された画像のデータに対する記録指示を受信する受信手段、
前記受信手段により受信された前記記録指示の数を計数する計数手段、
前記撮像手段により順次出力される前記複数の画像のデータのうち、前記計数手段により計数された前記記録指示の数が最も多かった時点で撮像された画像のデータを、記録領域に記録させるよう制御する記録制御手段、
として機能させるプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、連写撮影により得られた複数の画像のデータの中から、記録指示の数を反映した決定的瞬間の画像のデータを記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る撮像装置を含む情報処理システムの構成例を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る撮像装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【図3】撮像制御処理を実行するための図2の撮像装置の機能的構成を示す機能ブロック図である。
【図4】撮像制御処理の流れを説明するフローチャートである。
【図5】撮像制御処理の具体的な処理結果を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る撮像装置を含む情報処理システムの構成例を示す図である。
情報処理システムは、撮像装置1と、複数の送信端末100−A乃至100−Dと、を備えている。
撮像装置1は、例えばデジタルカメラ等により構成され、撮影者Uにより操作される。また、送信端末100−A乃至100−Dの各々は、例えば無線通信機能を備えたリモコン等により構成され、ユーザUA乃至UDの各々により操作される。
撮像装置1と、送信端末100−A乃至100−Dの各々とは、無線通信により相互に各種情報を授受できる。
【0013】
なお、図1には、4台の送信端末100−A乃至100−Dのみが図示されているが、撮像装置1と無線通信を行う送信端末の台数は、特に4台に限定されず、複数台であれば任意の台数でよい。
また、撮像装置1と各送信端末(図1の例では送信端末100−A乃至100−D)との間の通信形態は、図1の例では無線通信とされているが、特にこれに限定されず、有線通信を採用することもできる。また、インターネット等の所定のネットワークを介する通信の形態を採用することもできるし、ネットワークを介さずに赤外線やケーブル等で直接通信する形態を採用することもできる。
【0014】
撮像装置1は、撮影者Uの連写撮影の開始の指示操作を受け付けると、所定期間の間に被写体(図示せず)を連続的に繰り返し撮像し、その都度得られる各々の画像(以下、「フレーム」と呼ぶ)のデータを、内部メモリ(後述する図3のリングバッファ61)に一時的に保持する。
撮像装置1の連写撮影の最中、ユーザUA乃至UDの各々は、決定的瞬間と判断したタイミングで、各送信端末100−A乃至100−Dの各々に対して所定の操作をすることで、画像の記録指示を行う。各送信端末100−A乃至100−Dの各々は、このような画像の記録指示を受け付けたタイミングで、当該記録指示を示す信号(以下、「記録指示信号」と呼ぶ)を生成し、撮像装置1に送信する。
撮像装置1は、送信端末100−A乃至100−Dのうちの何れから記録指示信号が送信される毎に、当該記録指示信号を受信する。この場合、撮像装置1は、送信端末100−A乃至100−Dのうち2以上から略同時に記録指示信号がそれぞれ送信されたときには、2以上の記録信号の各々を略同時に受信できるものとする。
この場合、撮像装置1は、フレームを撮像する毎に、受信した記録指示信号の数を計数する。このようにして計数された数は、ユーザUA乃至UDのうち、撮像されたフレームが決定的瞬間のシーンを含んでいると判断して記録を指示したユーザの人数に相当する。従って、このようにして計数された数を、以下「記録指示数」と呼ぶ。
このようにして、連写撮影により得られた複数のフレームのデータの各々に対して、記録指示数が関連付けられる。この場合、記録指示数が最大のフレームのデータが、決定的瞬間のシーンを含むものとして一番評価されていると把握することができる。
そこで、撮像装置1は、連写撮影により得られた複数のフレームのデータのうち、記録指示数が最大のフレームのデータを記録対象として、リムーバブルメディア31に記録する。
なお、このような撮像装置1による一連の処理を、以下、「撮像制御処理」と呼ぶ。
【0015】
図2は、図1の撮像装置1のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【0016】
撮像装置1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、撮像部16と、操作部17と、表示部18と、記憶部19と、通信部20と、ドライブ21と、を備えている。
【0017】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部19からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13にはまた、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0018】
例えば本実施形態では、後述する図3の計数部51及び記録制御部52の各機能を実現するプログラムが、ROM12や記憶部19に記憶されている。従って、CPU11が、これらのプログラムに従った処理を実行することで、後述する図3の計数部51及び記録制御部52の各機能を実現することができる。
【0019】
CPU11、ROM12、及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、撮像部16、操作部17、表示部18、記憶部19及び通信部20が接続されている。
【0020】
撮像部16は、図示はしないが、光学レンズ部と、イメージセンサと、を備えている。
【0021】
光学レンズ部は、被写体を撮影するために、光を集光するレンズ、例えばフォーカスレンズやズームレンズ等で構成される。
フォーカスレンズは、イメージセンサの受光面に被写体像を結像させるレンズである。ズームレンズは、焦点距離を一定の範囲で自在に変化させるレンズである。
光学レンズ部にはまた、必要に応じて、焦点、露出、ホワイトバランス等の設定パラメータを調整する周辺回路が設けられる。
【0022】
イメージセンサは、光電変換素子や、AFE(Analog Front End)等から構成される。
光電変換素子は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型の光電変換素子等から構成される。光電変換素子には、光学レンズ部から被写体像が入射される。そこで、光電変換素子は、一定時間毎に被写体像を光電変換(撮像)して画像信号を蓄積し、蓄積した画像信号をアナログ信号としてAFEに順次供給する。
AFEは、このアナログの画像信号に対して、A/D(Analog/Digital)変換処理等の各種信号処理を実行する。各種信号処理によって、デジタル信号が生成され、撮像部16の出力信号として出力される。
即ち、連写撮影においては、連続的に繰り返して出力される撮像部16の各出力信号が、フレームのデータとして、CPU11等に適宜供給される。
【0023】
操作部17は、シャッタ釦等各種釦等で構成され、ユーザの指示操作を受け付ける。
表示部18は、液晶ディスプレイ等で構成され、各種画像を表示する。
記憶部19は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、撮像部16から出力された画像のデータを一時的に記憶する。また、記憶部19は、各種画像処理に必要な各種データ、例えば、画像のデータ、各種フラグの値、閾値等も記憶する。
通信部20は、他の装置、本実施形態では図1に示す送信端末100−A乃至100−Dの各々との間で行う無線通信を制御する。その他、通信部20は、図示せぬ他の装置との間で行う各種通信(インターネット等のネットワークを介する通信を含む)も制御する。
【0024】
入出力インターフェース15にはまた、必要に応じてドライブ21が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなるリムーバブルメディア31が適宜装着される。ドライブ21によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部19にインストールされる。また、リムーバブルメディア31は、記憶部19に記憶されている画像データ等の各種データも、記憶部19と同様に記憶することができる。
【0025】
図3は、このような撮像装置1の機能的構成のうち、撮像制御処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
図3においては、図2の撮像装置1の構成のうち、CPU11と、撮像部16と、記憶部19と、通信部20と、リムーバブルメディア31と、が図示されている。
通信部20は、受信部41を備えている。
CPU11は、計数部51と、記録制御部52と、を備えている。
記憶部19は、リングバッファ61と、候補バッファ62と、を備えている。
【0026】
受信部41は、複数の送信端末100−A乃至100−Dのうちの何れかから記録指示信号が送信されてきた場合、当該記録指示信号を受信することによって、記録指示を受け付ける。受信部41は、略同時に複数の記録指示信号を受信することによって、略同時に複数の記録指示を受け付けることができる。受信部41によって記録指示が受け付けられる毎に、その旨の通知(記録指示信号そのものでも可)が計数部51に通知される。
【0027】
計数部51は、撮像部16による連写撮影が行われている間、撮像部16からフレームのデータが記録制御部52に供給される毎に、受信部41からの通知回数に基づいて記録指示数を計数し、記録制御部52に通知する。
【0028】
記録制御部52は、撮像部16による連写撮影が行われている間、撮像部16からフレームのデータが供給される毎に、当該フレームのデータを、FIFO(First In First Out)のリングバッファ61に記録する。
また、記録制御部52は、撮像部16からフレームのデータが供給される毎に、計数部51から通知された記録指示数が、これまでに通知された記録指示数の中で最大値か否かを判定する。そして、記録制御部52は、今回通知された記録指示数が最大値であると判定した場合、今回の記録指示数が通知されたタイミングで供給されたフレーム(以下、「今回のフレーム」と呼ぶ)のデータを、記録対象の候補として、リングバッファ61とは別の候補バッファ62に記憶する。
ここで、過去のフレームのデータが候補バッファ62に既に記憶されている場合には、当該過去のフレームのデータが候補バッファ62から削除されて、今回のフレームのデータが候補バッファ62に上書きされる。ただし、今回のフレームのデータに対する記録指示数と、過去の記録指示数の最大値とが同一値であった場合、過去のフレームのデータは削除されずに、今回のフレームのデータが候補バッファ62に記憶されるようにしてもよい。
そして、記録制御部52は、撮像部16による連写撮影の終了が通知された場合には、その通知時点において候補バッファ62に記録対象の候補として記憶されているフレームのデータを、記録対象の主画像のデータとしてリムーバブルメディア31に記録する。
このようにして、記録制御部52は、記録指示数が最も多いフレームのデータを、主画像のデータとしてリムーバブルメディア31に記録することができる。
【0029】
次に、図4を参照して、撮像装置1の処理のうち、このような図3の機能的構成により実現される撮像制御処理について説明する。
図4は、撮像制御処理の流れを説明するフローチャートである。
【0030】
例えば、撮像制御処理は、本実施形態では、操作部17のシャッタ釦の押下操作等、ユーザが連写撮影を開始する指示操作を操作部17に対して行った場合、その指示操作を契機として開始される。
【0031】
図4のステップS11において、撮像部16は、連写撮影を開始する。
【0032】
ステップS12において、記録制御部52は、ステップS11の処理で開始された撮像部16による連写撮影に伴い、撮像部16から出力されてくるフレームのデータを、今回のフレームのデータとして取得する。
【0033】
ステップS13において、受信部41は、記録指示を受け付ける。具体的には、複数の送信端末100−A乃至100−Dのうち1以上から記録指示信号が送信されてきた場合、受信部41は、1以上の記録指示信号のそれぞれを受信することで、1以上の記録指示を受け付ける。
【0034】
ステップS14において、計数部51は、撮影中に各ユーザUA乃至UDによる記録指示があったか否かを判定する。
【0035】
各ユーザUA乃至UDによる記録指示がない場合、即ち、受信部41が何ら記録指示信号を受信していない場合、ステップS14においてNOであると判定されて、後述するステップS15乃至S17の処理は実行されずに、処理はステップS18に進む。ステップS18以降の処理については後述する。
【0036】
これに対して、各ユーザUA乃至UDのうち少なくとも1人による記録指示がある場合、即ち、受信部41が少なくとも1つの記録指示信号を受信した場合、ステップS14においてYESであると判定されて、処理はステップS15に進む。
【0037】
ステップS15において、計数部51は、ステップS13の処理で受け付けられた記録指示数を計数する。即ち、この処理では、ユーザUA,UB,UC,UDのうち、記録指示を出したユーザの人数が計数される。
【0038】
ステップS16において、記録制御部52は、記録指示数は最大であるか否かを判定する。
即ち、記録制御部52は、今回の記録指示数が、過去の記録指示数のうち最大値以上であるか否かを判定する。
【0039】
今回の記録指示数が最大値未満の場合ステップS16においてNOであると判定されて、後述するステップS17の処理は実行されずに、処理はステップS18に進む。ステップS18以降の処理については後述する。
【0040】
これに対して、今回の記録指示数が最大である場合、ステップS16においてYESであると判定されて、処理はステップS17に進む。
【0041】
ステップS17において、記録制御部52は、記録指示数が最大のフレームのデータ、即ち直前のステップS12の処理で修得された今回のフレームのデータを、候補バッファ62に記録する。即ち、連写撮影の途中の時点で既に得られている1以上のフレームのデータのうち、今回のフレームのデータが、最も多くの記録指示を受け付けたことになるので、即ち、現時点において各ユーザUA乃至UDの全体の観点で興味が最も高いと評価されたことになるので、記録対象の候補として仮に保持されるのである。
【0042】
このようにして、今回の記録指示数が最大であった場合には、ステップS17の処理で、今回のフレームのデータが候補バッファ62に記録されると、処理はステップS18に進む。また、今回の記録指示数が、これまでの最大値よりも小さい場合にはステップS16においてNOであると判定され、また、0の場合にはステップS14においてNOであると判定されて、今回のフレームのデータは候補バッファ62に記録されずに、処理はステップS18に進む。
【0043】
ステップS18において、記録制御部52は、連写撮影の終了指示があったか否かを判定する。例えば本実施形態では、操作部17のシャッタ釦の押下操作を解除する等、ユーザが連写撮影の終了を指示する操作を操作部17に対して行われたか否かによって、連写撮影の終了指示あったか否かが判定される。
【0044】
終了指示がなかった場合、即ち、連写撮影がまだ継続される場合、ステップS18においてNOであると判定されて、処理はステップS12に戻される。即ち、終了指示があるまでの間、ステップS12乃至ステップS18のループ処理が繰り返し実行される。要するに、連写撮影が継続されて新たな撮像が行われる毎に、当該撮像により得られた今回のフレームのデータに対する記録指示数がその都度計測され、その時点で記録指示数が最大のフレームが更新対象の候補となるように適宜更新される。このようにして、何れの時点でも、候補バッファ62には、これまでに記録指示数が最大であったフレームのデータが常に記憶されている。
【0045】
その後、連写撮影の終了指示があり、最後のフレームのデータがステップS12の処理で今回のフレームのデータとして取得され、ステップS13乃至S17の処理が実行され、かつ、ステップS18においてYESであると判定されると、処理はステップS19に進む。
【0046】
ステップS19において、記録制御部52は、記録指示数が最大であったフレームのデータを主画像のデータとしてリムーバブルメディア31に記録する。即ち、記録制御部52は、ステップS19の処理時点で候補バッファ62に記録されているフレームのデータを、主画像のデータとしてリムーバブルメディア31に記録する。
このようにして、連写撮影の終了時点において、各最も多くの記録指示を受け付けたフレーム、即ち、各ユーザUA乃至UD全体の観点で興味が最も高いフレームのデータが、主画像のデータとしてリムーバブルメディア31に記録される。
これにより、撮像制御処理は終了となる。
【0047】
さらに、図5を参照して、撮像制御処理について具体的に説明する。
図5は、撮像制御処理の具体的な処理結果を説明する図である。
【0048】
図5の一番上には、図4のステップS11の処理で連写撮影が開始されてから、ステップS18の処理で連写撮影の終了が指示されるまでの時間軸が示されている。
時間軸の下方には、連写撮影の間に撮像部16から順次出力されて、毎回のステップS12の処理で今回のフレームのデータとして順次取得される対象が模式的に示されている。即ち、図5の例では、フレームa乃至hの各データが、その順番で順次撮像部16から出力されて、毎回のステップS12の処理で順次取得される。
さらに、その下方には、各ユーザUA乃至UDの各々の操作に基づき、各送信端末100−A乃至100−Dの各々から記録指示信号が送信されるタイミングが上から順にそれぞれ示されている。
さらに、その下方には、フレームa乃至hの各データが取得された際における、候補バッファ62の記憶内容、記録指示数及び最大記録指示数(記録指示数の最大値)が上から順にそれぞれ示されている。
【0049】
上述したように、ユーザがシャッタ釦を押下操作する等、操作部17に対する所定の操作をすることによって、撮像制御処理が開始され、図4のステップS11の処理で、連写撮影が開始される。
【0050】
最初の時刻tにおいては、ステップS12の処理で、フレームaのデータが取得される。このとき、ユーザUAの操作に基づき送信端末100−Aから記録指示信号が送信される。従って、ステップS13の処理で、ユーザUAといった1人の記録指示が受け付けられる。
すると、ステップS14の処理でYESであると判定されて、ステップS15の処理で記録指示数として「1」が計数される。
時刻tにおいては、過去に記録指示数が計数されていないことから、時刻tにおける記録指示数が最大記録指示数になるため、最大記録指示数が「1」に更新される。従って、ステップS16の処理でYESであると判定され、ステップS17の処理で当該フレームaのデータが候補バッファ62に記録される。
この時点においては、まだ連写撮影の終了指示がされていないことから、ステップS18の処理でNOであると判定されて、処理はステップS12に戻される。
【0051】
すると、次の時刻tにおいて、ステップS12の処理で、フレームbのデータが取得される。このとき、ユーザUAの操作に基づき送信端末100−Aと、及び、ユーザUBの操作に基づき送信端末100−Bとから、それぞれ記録指示信号が送信される。従って、ステップS13の処理で、ユーザA及びユーザBといった2人の記録指示が受け付けられる。
すると、ステップS14の処理でYESであると判定されて、ステップS15の処理で記録指示数として「2」が計数される。
このようにして計数が行われている段階(時刻tの段階)の最大記録指示数は「1」であるところ、時刻tにおける記録指示数は「2」であるから、時刻tにおける記録指示数が新たな最大記録指示数になる。即ち、最大記録指示数が「2」に更新される。従って、ステップS16の処理でYESであると判定されて、ステップS17の処理で当該フレームbのデータが候補バッファ62に記録される。
この時点においては、まだ連写撮影の終了指示がされていないことから、ステップS18の処理でNOであると判定されて、処理はステップS12に戻される。
このようなステップS12乃至S18のループ処理が、フレームc,dの各データが取得された際もそれぞれ繰り消し実行される。
【0052】
次に、次の時刻tにおいて、ステップS12の処理で、フレームeのデータが取得される。このとき、ユーザUAの操作に基づき送信端末100−Aと、及び、ユーザUDの操作に基づき送信端末100−Dとから、それぞれ記録指示信号が送信される。従って、ステップS13の処理で、ユーザA及びユーザDといった2人の記録指示が受け付けられる。
すると、ステップS14の処理でYESであると判定されて、ステップS15の処理で記録指示数として「2」が計数される。
このようにして計数が行われている段階(時刻tの段階)の最大記録指示数は「3」であるところ、時刻tにおける記録指示数は「2」であるから、最大記録指示数は「3」のままに維持される。従って、ステップS16の処理でNOであると判定されて、当該フレームeのデータが候補バッファ62に記録されることなく、処理はステップS18に進む。
この時点においては、まだ連写撮影の終了指示がされていないことから、ステップS18の処理でNOであると判定されて、処理はステップS12に戻される。
【0053】
すると、次の時刻tにおいて、ステップS12の処理で、フレームfのデータが取得される。このとき、ユーザUAの操作に基づき送信端末100−Aと、ユーザUBの操作に基づき送信端末100−Bと、ユーザUCの操作に基づき送信端末100−Cと、及び、ユーザUDの操作に基づき送信端末100−Dとから、それぞれ記録指示信号が送信される。従って、ステップS13の処理で、ユーザA乃至ユーザDといった4人の記録指示が受け付けられる。
すると、ステップS14の処理でYESであると判定されて、ステップS15の処理で記録指示数として「4」が計数される。
このようにして計数が行われている段階(時刻tの段階)の最大記録指示数は「3」であるところ、時刻tにおける記録指示数は「4」であるから、時刻tにおける記録指示数が新たな最大記録指示数になる。即ち、最大記録指示数が「4」に更新される。従って、ステップS16の処理でYESであると判定されて、ステップS17の処理で当該フレームfのデータが候補バッファ62に記録される。
この時点においては、まだ連写撮影の終了指示がされていないことから、ステップS18の処理でNOであると判定されて、処理はステップS12に戻される。
このようなステップS12乃至S18のループ処理が、フレームgのデータが取得された際もそれぞれ繰り消し実行される。
【0054】
そして、次の時刻tにおいて、ステップS12の処理で、フレームhのデータが取得される。このとき、送信端末100−A乃至100−Dの何れからも記録指示信号は送信されない。このため、ステップS13の処理で、0人の記録指示が受け付けられる(記録指示の受け付けは行われない)。
すると、ステップS14の処理でNOであると判定されて、当該フレームhのデータが候補バッファ62に記録されることなく、処理はステップS18に進む。
この時点において、連写撮影の終了指示がなされたので、ステップS18の処理でYESであると判定されて、処理はステップS19に進む。
【0055】
ステップS19の処理で、この時点において候補バッファ62に記録されているフレームfのデータが、主画像のデータとしてリムーバブルメディア31に記録される。
これにより、撮像制御処理は終了となる。
【0056】
以上説明したように、本実施形態の撮像装置1は、撮像部16と、受信部41と、計数部51と、記録制御部52と、を備えている。
撮像部16は、連続的に撮像動作を複数回繰り返すことによって、複数の画像のデータを順次出力する。
受信部41は、撮像部16により出力された画像のデータに対する記録指示を受信する。
計数部51は、受信部41により受信された記録指示の数を計数する。
記録制御部52は、撮像部16により順次出力される複数の画像のデータのうち、計数部51により計数された記録指示の数が最も多かった時点で撮像された画像のデータを、リムーバブルメディア31に記録させるよう制御する。
【0057】
これにより、撮像部16が連写撮影をしている状況下において、複数の人からの記録指示を受け付けることによって、記録指示数が最も大きいフレームのデータ、即ち、最も多くの人から記録したいと所望されたフレームのデータを、リムーバブルメディア31に記録することができる。
例えば、結婚式の披露宴でのケーキカットのシーンが対象シーンであるものとすると、従来においては、披露宴の参列者等の複数の人が、対象シーンの決定的瞬間の画像のデータを記録したいと考えている時には、各々が操作する撮像装置を個別に用意して、各々が撮影者として対象シーンの撮像操作を個別に行っていた。この場合、複数の人の各々が操作する複数の撮像装置により、それぞれ撮像されて記録された複数の画像のデータの各々は、撮像操作をした1人の者にとっては決定的瞬間であるが、残りの他の者にとっては必ずしも決定的瞬間ではない。
これに対して、本実施形態では1台の撮像装置1だけで、対象シーンの中で、複数人の意見を反映して最も望まれる決定的瞬間の画像のデータを記録することができる。
【0058】
また、本実施形態においては、連写撮影により得られる複数の画像のデータをリムーバブルメディア31に最終的に記録する前に、記録対象の画像のデータが決定される。これにより、連写撮影により得られた複数の画像のデータの全てをリムーバブルメディア31に記録する必要が特になくなるため、リムーバブルメディア31の記録容量の節約を図ることができる。
【0059】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0060】
例えば、上述の実施形態では、記録制御部52は、記録指示数が最も大きいと判定したフレームのデータを候補バッファ62に記憶し、連写撮影の終了時点において候補バッファ62に記録されているフレームのデータを主画像のデータとして記録している。しかしながら、記録制御部52による記録対象は、特にこれに限定されない。
例えば、記録制御部52は、記録指示数が予め設定された閾値以上であると判定した複数のフレームのデータを候補バッファ62に記憶するようにしてもよい。
或いはまた、記録制御部52は、記録指示数が上位の複数のフレームのデータを候補バッファ62に記録するようにしてもよい。
これにより、連写撮影の終了時点においては、連写撮影により得られた複数のフレームのデータのうち、厳選された幾つかのフレームのデータが候補バッファ62に記憶されている。よって、記録制御部52は、厳選された複数のフレームのデータ、即ち、複数人の興味が比較的高いものとして厳選された複数のフレームのデータを、リムーバブルメディア31に記録することができる。
【0061】
また、上述の実施形態では、受信部41は、複数の送信端末100−A乃至100−Dから送信され得る記録指示信号を、記録指示として受け付けているが、特にこれに限定されない。
例えば、図示はしないが、撮像装置1は、さらに、複数のユーザから発せられる拍手の音の大きさ若しくは拍手の長さ又は拍手の回数を検出する検出部をさらに備えることができる。この場合、受信部41は、検出部の検出結果に基づいて、定量化した拍手量を求め、それを記録指示として受け付けることができる。
また例えば、撮像装置1は、複数人の各種内的状態や外的状態のうち少なくとも1の状態を検出する検出部をさらに備えることができる。この場合、受信部41は、検出部の検出結果に基づいて、定量化した状態量を求め、それを記録指示として受け付けることができる。
【0062】
また例えば、上述した実施形態では、本発明が適用される撮像装置1は、デジタルカメラとして構成される例として説明した。
しかしながら、本発明は、特にこれに限定されず、受信機能を有する電子機器一般に適用することができ、例えば、本発明は、携帯電話、パーソナルコンピュータ、携帯型ナビゲーション装置、ポータブルゲーム機等に幅広く適用可能である。
【0063】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
【0064】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0065】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布されるリムーバブルメディア31により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア31は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されているROM12やハードディスク等で構成される。
【0066】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【符号の説明】
【0067】
1・・・撮像装置、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、16・・・撮像部、17・・・操作部、18・・・表示部、19・・・記憶部、20・・・通信部、21・・・ドライブ、31・・・リムーバブルメディア、41・・・受信部、51・・・計数部、52・・・記録制御部、61・・・リングバッファ、62・・・候補バッファ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的に撮像動作を複数回繰り返すことによって、複数の画像のデータを順次出力する撮像手段と、
前記撮像手段により出力された画像のデータに対する記録指示を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記記録指示の数を計数する計数手段と、
前記撮像手段により順次出力される前記複数の画像のデータのうち、前記計数手段により計数された前記記録指示の数が最も多かった時点で撮像された画像のデータを、第1の記録領域に記録させるよう制御する記録制御手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記記録制御手段は、
前記撮像手段により1回目に出力された画像のデータを、前記第1の記録領域とは異なる第2の記憶領域に記憶させ、
前記撮像手段により2回目以降の画像のデータが出力される毎に、前記計数手段により計数された前記記録指示の数が、これまでの中で最大である場合には、撮像手段により出力された前記画像のデータを前記第2の記憶領域に上書き更新し、
前記撮像手段による撮像動作の終了が指示されると、前記第2の記憶領域に記憶されている画像のデータを前記第1の記録領域に記憶させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
連続的に撮像動作を複数回繰り返すことによって、複数の画像のデータを順次出力する撮像手段を備える撮像装置が実行する撮像制御方法において、
前記撮像手段により出力された画像のデータに対する記録指示を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにて受信された前記記録指示の数を計数する計数ステップと、
前記撮像手段により順次出力される前記複数の画像のデータのうち、前記計数ステップにて計数された前記記録指示の数が最も多かった時点で撮像された画像のデータを、記録領域に記録させるよう制御する記録制御ステップと、
を含むことを特徴とする撮像制御方法。
【請求項4】
連続的に撮像動作を複数回繰り返すことによって、複数の画像のデータを順次出力する撮像手段を備える撮像装置のコンピュータを、
前記撮像手段により出力された画像のデータに対する記録指示を受信する受信手段、
前記受信手段により受信された前記記録指示の数を計数する計数手段、
前記撮像手段により順次出力される前記複数の画像のデータのうち、前記計数手段により計数された前記記録指示の数が最も多かった時点で撮像された画像のデータを、記録領域に記録させるよう制御する記録制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−74809(P2012−74809A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−216570(P2010−216570)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】