説明

撮像装置、撮像装置の制御方法及びコンピュータプログラム

【課題】ロギングされた一連の位置情報を所定の属性情報との関連性に基づいて扱うことを可能にすると共に、画像に付与する属性情報をログファイルにも付与して画像とログファイルとの関連付けを容易にする。
【解決手段】記録媒体が画像データを該画像データを生成した装置の属性情報を付加して保持すると共に、属性情報と画像データを生成した装置で取得された位置情報とを含むログファイルを保持し、撮像装置は、新規の位置情報の取得日と同日に生成されたログファイルを記録媒体が保持する場合、かつ、撮像装置の属性情報と該ログファイルに含まれる属性情報とが一致する場合に該ログファイルに新規の位置情報を追記する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、撮像装置の制御方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置等において、GPS等の位置検出部から位置情報を取得しファイルとして記録媒体に分割記録するものが提案されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-020078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、ログファイルの肥大化を防ぐ目的として位置情報を列記するログファイルが一定容量に達した場合、あるいはGPS等の位置検出部からの位置情報が取得できなくなった場合にログファイルを分断し圧縮する。しかしながら、係る分断・圧縮処理では、ログファイルと、撮像装置の設定値や被写体情報といった属性情報との関連性は考慮されない。従ってログファイルに列記される位置情報と属性情報との間に関連性がある場合、複数の異なる属性情報に関連する位置情報が単一のログファイルに混在することとなり取扱いが不便となる。
【0005】
そこで本発明は、ロギングされた一連の位置情報を所定の属性情報との関連性に基づいて扱うことを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明は、
被写体を撮像して画像データを生成する撮像手段と、
自装置の位置情報を取得する位置検出手段と、
位置検出手段が検出した前記位置情報に基づき、記録媒体に保持させるログファイルの生成及び更新を定期的に制御する制御手段と
を備える撮像装置であって、
前記記録媒体は、画像データを該画像データを生成した装置の属性情報を付加して保持すると共に、前記属性情報と前記画像データを生成した装置で取得された位置情報とを含むログファイルを保持することが可能であって、
前記制御手段は、
前記位置検出手段が取得した新規の位置情報の取得日と同日に生成されたログファイルを前記記録媒体が保持する場合に、前記撮像装置の属性情報と、該ログファイルに含まれる属性情報とが一致するか否かを判定し、一致する場合に該ログファイルに前記新規の位置情報を追記し、
前記属性情報が一致しない場合、または、前記同日に生成されたログファイルを前記記録媒体が保持しない場合に、前記新規の位置情報を含む新規のログファイルを生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ロギングされた一連の位置情報を所定の属性情報との関連性に基づいて扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に対応する撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態における処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】第1の実施形態に対応する撮像装置が生成するファイル構成例を示す図である。
【図4A】第1の実施形態に対応する撮像装置が生成するログファイルのデータ構造の一例を示す図である。
【図4B】第1の実施形態に対応する撮像装置が生成する画像ファイルのデータ構造の一例を示す図である。
【図5】第2の実施形態における処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態における処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施形態における処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明の実施の形態について図を参照して説明するが、この発明は以下の実施の形態そのものには限定されない。また、発明の実施形態は発明を説明するための一例を示すものであって、発明の範囲を限定する意図で記載されるものではない。
【0010】
<第1の実施形態>
本実施形態では、発明を適用可能な装置として、動画及び静止画を記録できる撮像装置であるデジタルカメラを取り上げて説明する。本撮像装置は、GPS等の位置検出部を有し、取得した位置情報を各ファイルに記録することが可能な構成を有する。なお本発明が適用可能な装置はデジタルカメラに限らず、上述の機能を有する装置であればよい。たとえば携帯電話、スマートフォン、ノートパソコン、PDA等の装置であってもよい。
【0011】
以下、図1を参照して、発明の実施形態に対応する撮像装置100の主要な構成を説明する。図1において、制御部101は、例えば、CPU(MPU)、内部メモリ(DRAM、SRAM)などからなり、各種処理(プログラム)を実行して撮像装置100の各ブロックを制御したり、各ブロック間でのデータ転送を制御したりする。また、制御部101は、ユーザからの操作を受け付ける操作部102からの操作信号に応じて、撮像装置100の各ブロックを制御する。また、制御部101は、後述の画像処理部111によって得られた画像を解析し、その解析結果に応じて、撮像装置100の各ブロックを制御する。なお、制御部101は、図2乃至図4Aを参照して説明するように、ログファイルの生成及び更新に関する処理を実行するために、各ブロックを制御する。
【0012】
操作部102は、例えば、電源ボタン、静止画記録ボタン、動画記録開始ボタン、ズーム調整ボタン、オートフォーカスボタンなどの撮影に関連する各種操作を入力するスイッチ類からなる。また、メニュー表示ボタン、決定ボタン、その他カーソルキー、ポインティングデバイス、タッチパネル等からなり、ユーザによりこれらのキーやボタンが操作されると制御部101に操作信号を送信する。
【0013】
また、バス103は、各種データ、制御信号、指示信号などを撮像装置100の各ブロックに送るための汎用バスである。撮像部110は、レンズにより取り込まれた被写体の光学像を、絞りにより光量を制御して、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子により画像信号に変換し、アナログデジタル変換をして、画像処理部111に送信する。画像処理部111は、入力されたデジタル画像信号に、設定値に基づいてホワイトバランスや色、明るさなどを調整する画質調整処理を行う。そして、画像処理部111で処理された画像信号は、制御部101により、メモリ104や後述の映像出力部150や表示制御部131に送信される。
【0014】
本実施形態においては、例えば、撮像部110は、「光学ズーム」機能、「光学防振」機能を有し、画像処理部111は、「電子ズーム」機能、「電子防振」機能を有している。ここで、「光学ズーム」機能、「電子ズーム」機能は、ユーザの操作に応じて、得られる画像を拡大する機能である。また、「光学防振」機能、「電子防振」機能は、撮像装置100本体の振動による画像の揺れを防止する機能である。そして、これらの機能は、制御部101の制御の元、同時に使用されたり交互に使用されたり、単独で使用されたりする。
【0015】
ここで、「光学ズーム」機能とは、ユーザにより操作部102のズームキーが操作されたことに応じて、撮像部110のレンズを移動させ、取り込まれる被写体の光学像を拡大/縮小する機能である。また、「電子ズーム」機能とは、ユーザにより操作部102のズームキーが操作されたことに応じて、画像処理部111が、撮像部110により生成された画像のうち一部を切り出した画像を拡大した画像信号を生成する処理である。また、「光学防振」機能とは、不図示の振動検出部からの加速度信号の値に基づいて、レンズの移動量を算出し、レンズを移動させることで、取得される画像の揺れを防止する機能である。また、「電子防振」機能とは、不図示の振動検出部からの加速度信号の値に基づいて、撮像部110により取得された画像信号の位置を調整することにより、画像の揺れを防止する機能である。また、「電子防振」機能は、不図示の振動検出部からの加速度信号の値に基づいて、撮像部110の撮像素子における読み出し位置をずらすことによっても実現できる。これらの機能は公知の技術であるため、詳細な説明は省略する。
【0016】
また、音声入力部120は、例えば、内蔵された無指向性のマイクまたは音声入力端子を介して接続された外部マイク等により、撮像装置100の周囲の音声を集音(収音)し、アナログデジタル変換をして音声処理部121に送信する。音声処理部121は、入力されたデジタル音声信号のレベルの適正化処理等の音声に関する処理を行う。そして、音声処理部121で処理された音声信号は、制御部101によりメモリ104に送信される。
【0017】
メモリ104は、画像処理部111、音声処理部121により得られた画像信号及び音声信号を一時的に記憶する。また、制御部101のワークエリアとして利用されてもよい。その場合には、制御部101が作成、更新するログファイルを一時的に記憶してもよい。画像処理部111及び音声処理部121は、メモリ104に一時的に記憶された画像信号や音声信号を読み出して画像信号の符号化、音声信号の符号化などを行い、圧縮画像信号、圧縮音声信号等を生成する。制御部101は、これらの圧縮画像信号、圧縮音声信号を、記録再生部140に送信する。
【0018】
記録再生部140は、記録媒体141に対して画像処理部111及び音声処理部121で生成された圧縮画像信号、圧縮音声信号、その他撮影に関する制御データ等を記録する。また、音声信号を圧縮符号化しない場合には、制御部101は、音声処理部121により生成された音声信号と画像処理部111により生成された圧縮画像信号とを、記録再生部140に送信し記録媒体141に記録させる。
【0019】
制御部101は、ログファイルに関する処理を行う場合には記録再生部140を介して記録媒体141から該当するログファイルを取得する。また、新規作成、あるいは更新したログファイルを記録再生部140へ送信して、記録媒体141に格納されている内容を更新する。ここで、記録媒体141は、撮像装置に内蔵された記録媒体でも、着脱可能な記録媒体でもよく、撮像装置100で生成した圧縮画像信号、圧縮音声信号、音声信号、各種データなどを記録することができればよい。例えば、記録媒体141は、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−R、DVD−R、磁気テープ、不揮発性の半導体メモリ、フラッシュメモリ、などのあらゆる方式の記録媒体を含む。
【0020】
また、記録再生部140は、記録媒体141に記録された圧縮画像信号、圧縮音声信号、音声信号、ログファイル、各種データ、プログラムを読み出す(再生する)。読み出した圧縮画像信号、圧縮音声信号を、制御部101は画像処理部111及び音声処理部121に送信する。画像処理部111及び音声処理部121は、圧縮画像信号、圧縮音声信号を一時的にメモリ104に記憶させ、所定の手順で復号し、復号した音声信号を音声出力部151へ、復号した画像信号を映像出力部150や表示制御部131に送信する。また、音声信号が記録媒体141に非圧縮記録されている場合には、制御部101は、音声信号を直接音声出力部151に送信する。
【0021】
音声出力部151は、例えば音声出力端子からなり、接続されたイヤホンやスピーカなどから音声を出力させるために音声信号を送信する。また、音声出力部151は、撮像装置100に内蔵され、音声信号にかかる音声を出力するスピーカであってもよい。映像出力部150は、例えば映像出力端子からなり、接続された外部ディスプレイ等に映像を表示させるために画像信号を送信する。また、音声出力部151、映像出力部150は、統合された1つの端子、例えばHDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)端子のような端子であってもよい。
【0022】
また、表示制御部131は、画像処理部111から送信された画像信号による映像や、撮像装置100の操作をするための操作画面(メニュー画面)等を表示部130に表示させる。表示部130は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー等の表示デバイスであれば何でもよい。
【0023】
通信部152は、撮像装置100と外部装置との間で通信を行うもので、例えば、音声信号、画像信号、圧縮音声信号、圧縮画像信号などのデータを送信したり受信したりする。また、撮影開始や終了コマンド等の、撮影にかかる制御信号や、その他の情報を送信したり受信したりする。通信部152は、例えば、赤外線通信モジュール、Bluetooth(登録商標)通信モジュール、無線LAN通信モジュール、WirelessUSB等の無線通信モジュールであってもよい。なお、通信部152は1つのハードウェアの中に複数規格のの通信プログラムを有していてもよいし、規格ごとに異なるハードウェアを用いてもよい。例えば、無線LAN通信を行うハードウェアと後述するGPS信号を受信するハードウェアは異なるものであっても構わない。また、通信部152は撮像装置100に内蔵されていてもよいし、撮像装置に着脱可能な装置として構成されてもよい。
【0024】
また本実施形態では、通信部152は特に位置検出部153を含む。位置検出部153は、たとえばGPS信号受信モジュールであって、撮像装置100の現在位置に関する緯度、経度、高度等からなる位置情報を取得する。また、GPSから取得した時間情報等を含んでもよい。取得された緯度、経度、高度等からなる位置情報は一旦メモリ104に保持された後、記録再生部140を通して記録媒体141に所定単位ごとのログファイルに追記されていく。なお、位置情報は、必ずしもGPS信号に限定されるものではない。たとえば、撮像装置100が無線通信機能を有する場合、近傍の無線基地局やホットスポットから当該機器に与えられた位置情報を取得することも可能である。そして、これを撮像装置100の現在地の位置情報を特定するために用いてもよい。
【0025】
次に本実施形態の撮像装置100の通常の動作について説明する。本実施形態の撮像装置100は、ユーザが操作部102の電源ボタンを操作すると、操作部102から制御部101に起動の指示が出される。この指示を受けて、制御部101は、不図示の電源供給部を制御して、撮像装置100の各ブロックに対して電源を供給させる。
【0026】
電源が供給されると、制御部101は、例えば、操作部102のモード切り換えスイッチが、例えば、静止画撮影モード、動画撮影モード、再生モード、ロギングモード等のうち、どのモードであるかを操作部102からの指示信号により確認する。
【0027】
静止画撮影モードでは、撮像装置100は撮影待機状態でユーザが操作部102の静止画記録ボタンを操作することで撮影を行い、圧縮画像信号が記録媒体141に記録される。そして再び撮影待機状態になる。
【0028】
動画撮影モードでは、撮像装置100は撮影待機状態でユーザが操作部102の動画記録開始ボタンを操作することで撮影を開始し、その間、圧縮画像信号と圧縮音声信号または音声信号が記録媒体141に記録される。そしてユーザが操作部102の動画記録終了ボタンを操作することで撮影を終了し、再び撮影待機状態になる。
【0029】
再生モードでは、ユーザが選択したファイルに関する圧縮画像信号や圧縮音声信号または音声信号を記録媒体141から再生して、音声出力部151から音声信号を出力し、表示部130に映像を表示させる。また、ユーザは操作部102を操作することにより撮像装置設定の変更メニューに入ることができ、項目選択操作、選択された項目に対する設定値変更操作が可能である。これはたとえば撮像装置100の保持する日時情報、時差情報、エリア設定、使用者情報、撮影モード、画像フォーマット等が挙げられる。
【0030】
まず、静止画撮影モードについて説明する。操作部102により静止画撮影モードが設定されると前述のようにまず、制御部101は、撮像装置100の各ブロックを撮影待機状態に設定させる。撮影待機状態では、画像処理部111は、画像信号を表示制御部131に送信し表示部130に画像信号に関する映像を表示させる。ユーザはこの様にして表示された画面を見ながら撮影の準備を行う。撮影待機状態で、ユーザが操作部102の静止画記録ボタンを操作することにより撮影指示信号が送信されると、制御部101は撮影制御信号を撮像装置100の各ブロックに送信し、以下のような動作をさせるように制御する。
【0031】
撮像部110は、レンズにより取り込まれた被写体の光学像を撮像素子により画像信号に変換し、A/D変換し、画像処理部111に送信する。画像処理部111は、入力されたデジタル画像信号の被写体情報の解析を行うとともに画質調整処理(ホワイトバランスや色、明るさなど)を設定値および被写体情報に基づいて処理する。ここで、被写体情報とは被写体の明るさの分布、顔の分布、距離の分布等が挙げられる。そして、画像処理部111で処理された画像信号は、制御部101により表示制御部131、映像出力部150及びメモリ104に送信される。ここで、表示部130に表示された映像を見ることで、ユーザは撮影した静止画を確認することができる。
【0032】
そして、画像処理部111は、メモリ104に一時的に記憶された画像信号を読み出して所定の符号化を行い、圧縮画像信号を生成し、記録再生部140に出力する。記録再生部140は、UDF、FAT等のファイルシステム管理のもとに、圧縮画像信号を静止画ファイルとして属性情報とともに記録媒体141に書き込んでいく。ここでの属性情報には、撮像装置に関する情報の他、測地系、時差情報、通信部152から取得した外部情報(位置情報、MACアドレス等)等の他、撮像装置100の設定情報が含まれる。ここで生成される静止画ファイルのデータ構造の一例は後述の図4Bに示す通りである。
【0033】
なお、制御部101は、画像処理部111による符号化の動作が終了すると、撮影待機状態に移行させるように制御信号を撮像装置100の各ブロックに送信して、撮影待機状態に戻る。
【0034】
次に、動画撮影モードについて説明する。操作部102により動画撮影モードが設定されると前述のようにまず、制御部101は、撮像装置100の各ブロックを撮影待機状態に設定させる。撮影待機状態では、画像処理部111は、画像信号を表示制御部131に送信し表示部130に画像信号に関する映像を表示させる。ユーザはこの様にして表示された画面を見ながら撮影の準備を行う。撮影待機状態で、ユーザが操作部102の動画記録開始ボタンを操作することにより撮影開始の指示信号が送信されると、制御部101は撮影開始の制御信号を撮像装置100の各ブロックに送信し、以下のような動作をさせるように制御する。
【0035】
撮像部110は、レンズにより取り込まれた被写体の光学像を撮像素子により画像信号に変換し、A/D変換し、画像処理部111に送信する。画像処理部111は、入力されたデジタル画像信号の画質調整処理(ホワイトバランスや色、明るさなど)を設定値に基づいて処理する。そして、画像処理部111で処理された画像信号は、制御部101により表示制御部131、映像出力部150、メモリ104に送信される。表示制御部131は、受信した画像信号に関する映像を表示部130に表示させる。一方、音声入力部120は、マイクにより得られたアナログ音声信号をデジタル変換し、得られたデジタル音声信号を音声処理部121に送信する。音声処理部121は、入力されたデジタル音声信号のレベルの適正化処理等をして音声信号を出力する。制御部101は、音声処理部121により処理された音声信号をメモリ104に送信する。
【0036】
そして、画像処理部111及び音声処理部121は、メモリ104に一時的に記憶された画像信号や音声信号を読み出して所定の符号化を行い、圧縮画像信号、圧縮音声信号等を生成する。そして、制御部101は、これらの圧縮画像信号、圧縮音声信号を合成し、データストリームを形成し、記録再生部140に出力する。記録再生部140は、UDF、FAT等のファイルシステム管理のもとに、データストリームを一つの動画ファイルとして記録媒体141に書き込んでいく。また、音声を圧縮しない場合には、制御部101は、音声処理部121で生成した音声信号を画像処理部111で生成された圧縮画像信号とともに、記録再生部140に出力する。そして、記録再生部140は、前述したように、UDF、FAT等のファイルシステム管理のもとに、データストリームを一つの動画ファイルとして属性情報と共に記録媒体141に書き込む。ここでの属性情報には、撮像装置に関する情報の他、測地系、時差情報、通信部152から取得した外部情報(位置情報、MACアドレス等)等の他、撮像装置100の設定情報が含まれる。なお、動画ファイルのここで生成される動画ファイルのデータ構造の一例は後述の図4Bに示す通りである。
【0037】
以上の動作を撮影中は継続する。また、撮影の間、ユーザによる操作部102の操作に応じて、または画像処理部111により生成された画像信号の解析結果に応じて、制御部101は、撮像部110や画像処理部111、音声処理部121などに各種制御信号を送信している。例えば、レンズの移動や絞り調整などをさせるための制御信号を撮像部110に送信するとともに、画像や音声を調整するための制御信号を画像処理部111、音声処理部121に送信する。
【0038】
また、同様に撮影の間、ユーザにより操作部102のズームキーを操作することで、制御部101により、撮像部110の「光学ズーム」機能や、画像処理部111の「電子ズーム」機能を動作させることができる。また、不図示の振動検出部により検出された加速度信号に基づいて、制御部101により、撮像部110の「光学防振」機能や、画像処理部111の「電子防振」機能が動作している。
【0039】
そして、ユーザが操作部102の動画記録終了ボタンを操作することにより撮影終了の指示信号が制御部101に送信されると、制御部101は、撮影終了の制御信号を撮像装置100の各ブロックに送信し、以下のような動作をさせるように制御する。画像処理部111、音声処理部121は、それぞれ画像信号、音声信号のメモリ104への送信を停止する。そして、メモリ104に記憶されている残りの画像信号と音声信号とを読み出して所定の符号化を行い、圧縮画像信号、圧縮音声信号等を生成する。制御部101は、これらの最後の圧縮画像信号、圧縮音声信号を合成し、データストリームを形成し、記録再生部140に出力する。音声を圧縮しない場合には、制御部101は、音声処理部121により生成された音声信号と、圧縮画像信号とを記録再生部140に出力する。
【0040】
記録再生部140は、UDF、FAT等のファイルシステム管理のもとに、データストリームを一つの動画ファイルとして記録媒体141に書き込んでいく。そして、データストリームの供給が停止したら、制御部101はサムネイルを生成するために以下のような動作をさせるように制御する。記録再生部140は記録媒体141に記録した動画ファイルの先頭フレームの圧縮画像信号を読み出し、画像処理部111に送信する。画像処理部111は、圧縮画像信号を一時的にメモリ104に記憶させ、所定の手順で復号する。
【0041】
次に画像処理部111は得られた画像信号に対してサムネイル用の所定の符号化を行い、サムネイル用圧縮画像信号を生成する。そして、制御部101はサムネイル用圧縮画像信号を記録再生部140に出力する。記録再生部140は、UDF、FAT等のファイルシステム管理のもとに、サムネイル用圧縮画像を、基となる動画ファイルに結合させるように記録媒体141に前出の属性情報とともに書き込み、動画ファイルを完成させるとともに記録動作を停止する。制御部101は、記録動作が停止すると、撮影待機状態に移行させるように制御信号を撮像装置100の各ブロックに送信して、撮影待機状態に戻る。
【0042】
次に、再生モードについて説明する。操作部102により再生モードが設定されると、制御部101は、再生状態に移行させるように制御信号を撮像装置100の各ブロックに送信し、以下のような動作をさせる。記録再生部140は、記録媒体141に記録された圧縮画像信号からなる静止画ファイル、または圧縮画像信号と圧縮音声信号または音声信号とからなる動画ファイルを読み出す。制御部101は読み出された圧縮画像信号、圧縮音声信号を、画像処理部111及び音声処理部121に送る。圧縮されていない音声信号であれば、制御部101は、音声出力部151に音声信号を送信する。
【0043】
画像処理部111及び音声処理部121は、圧縮画像信号、圧縮音声を一時的にメモリ104に記憶させ、所定の手順で復号する。そして制御部101は、復号した音声信号を音声出力部151へ、復号した画像信号を映像出力部150や表示制御部131に送信する。表示制御部131は、入力された画像信号にかかる映像を表示部130に表示させ、音声出力部151は、入力された音声信号にかかる音声を内蔵されたスピーカや、接続されたイヤホンやスピーカから出力する。
【0044】
次にロギングモードついて説明する。まず、ロギングモードとは、撮像装置100の位置情報を時系列に記録するモードのことである。操作部102によりこのロギングモードが設定されると、制御部101は、ロギング状態に移行させるように制御信号を撮像装置100の各ブロックに送信し、以下のような動作をさせる。通信部152に含まれる位置検出部153は定期的に撮像装置100の位置情報を取得する。取得された緯度、経度、高度等からなる位置情報は一旦メモリ104に保持された後、記録再生部140を通して記録媒体141に所定単位ごとのログファイルに追記されていく。
【0045】
本実施形態の撮像装置は以上のように、静止画、動画の記録再生、ログファイルの記録を行う。
【0046】
以下、図2、図3及び図4Aを参照して、発明の実施形態に対応するロギングモード時の動作を説明する。図2はロギングモード時のログファイルを作成する処理のフローチャートである。図3は記録媒体141内のファイル構成例を示す。また、図4Aはログファイルと画像ファイルのデータ構造の一例を示す。
【0047】
操作部102によりロギングモードが設定されると、制御部101は、ロギング状態に移行させるために制御信号を撮像装置100の各ブロックに送信し、図2に示す処理が開始される。図2に対応するフローチャートは、制御部101を構成するCPU(MPU)が内部メモリ(DRAM、SRAM)やメモリ104に格納された対応プログラムを実行することにより実現される。
【0048】
まず、制御部101はS201でタイマーを初期化する。このタイマーは一定間隔で位置情報を取得するための間隔を設定するタイマーであって、制御部101が内部クロックなどを利用してカウント処理を行う。続くS202にて、制御部101はタイマーが所定時間に達したか、即ちタイムアップしたか否かを判定する。もしタイムアップしていない、すなわち次のロギングを行うタイミングにまだ達していないと判断されたならば(S202で「NO」)、S218へ進む。S218では、制御部101がロギングモードを終了するか否かを判定し、終了と判定される場合(S218で「YES」)本処理を終了する。一方、終了と判定されなければ(S218で「NO」)、S201に戻って処理を継続する。S218で終了と判定される場合には、ユーザーの操作部102による再生モード、撮影モードへの移行、電源ボタンの押下等が含まれる。また、S202でタイムアップと判定されると(S202で「YES」)、S203へ進み位置情報の取得を行う。
【0049】
S203では通信部152に含まれる位置検出部153が位置情報を取得し、S204へ進む。S204では制御部101が、内部メモリに格納された情報に基づいて、位置情報が取得できたかを判定する。位置情報が取得できていなかった場合(S204で「NO」)、S201に戻って処理を継続する。ここで位置情報が取得できない場合とは、位置検出部153が位置情報を決定するのに十分な信号を受信できないこと等が起因する。S204で位置情報の取得に成功したと判定されれば(S204で「YES」)、S205へ進む。S205では制御部101が、位置情報の取得日と同一の日付のログファイルがあるか確認する。本実施形態では日付の特定が可能なファイル名をログファイルに設定することとしているため、記録媒体141内に同一日付を示すログファイル名を持つファイルの有無を判定する。具体的に、制御部101は、記録媒体141から記録再生部140を介して、ログファイルのファイル名の情報を内部メモリへ読み出し、読み出したログファイルのファイル名がその時点における日付と同一の日付を表しているかを判定する。
【0050】
ここで、ログファイル名について図3を参照してより詳細に説明する。図3においてディレクトリ301は、デジタルカメラで一般的に使用されるDCF(Design rule for Camera File System)規格にて規定されているDCFルートディレクトリである。ディレクトリ302及び303は、同様にDCF規格に従って作成されたDCFディレクトリである。また、ファイル305から307は同様にDCF規格に従って作成された静止画ファイルである。ファイル308は、同様にDCF規格に従って作成された動画ファイルである。また、ディレクトリ304は、撮像装置固有のファイルを保存するためのディレクトリである。ディレクトリ309は、ログファイルを保存するためのディレクトリである。ファイル310から312はログファイルである。ログファイルは7文字のファイル名”YYMMDDN”と拡張子”LOG”を持っている。ログファイル名はログファイルの日付と連番を表しており、YY:西暦下二けた、MM:月、DD:日、N:連番を表す。よってファイル310は、2010年10月25日の0番目のファイルであることを示している。
【0051】
S205にて日付が同一のログファイルがあると判定された場合(S205で「YES」)、S206へ進み、同日のログファイルの最大連番を特定する。図3の場合、例えば2010年10月25日のログファイル310と311のうち、ファイル名最下位の文字それぞれ“0”、“1”を比較し“1”が特定されることになる。次にS207で制御部101は、該当するログファイルを記録媒体141からメモリ104に読出し、以降のS208からS210までのログファイルの記載内容の解析処理を行う。
【0052】
ここでログファイルの記載内容を図4Aを参照して説明する。図4Aは位置情報を含むログファイルの構成を示す。ヘッダ部401はログファイルのヘッダ部であってログファイルの属性が記載される。メーカー名402はこのログファイルを記録した撮像装置のメーカー名を示す。モデル名403はこのログファイルを記録した撮像装置のモデル名を示す。機器固有ID404は、このログファイルを記録した撮像装置にを一意に識別するための識別情報(シリアル番号等)を示す。測地系405は、このログファイルに記録された位置情報の測地系を示す。時差情報406はこのログファイルを記録した撮像装置の時差設定を示す。なお、時差設定とは、協定世界時(UTC:Universal Time, Coordinated)からの時間差を示す。その他407は、このログファイルを記録した撮像装置のその他の設定、たとえば使用者情報等を示す。また、撮像装置100で撮像された画像の被写体情報と、該画像を撮像した撮像時刻の情報を含むことができる。位置情報408は位置情報記憶エリアであって、位置検出部153で定期的に取得された位置情報が順に408−1から408−nのように追加されていく。
【0053】
図2に戻ると、S208では制御部101が、S207で取得したログファイルのヘッダ部401に含まれる機器固有ID404の値が、撮像装置100に与えられている値と一致するかを判定する。これは、同一の記録媒体141を複数撮像装置で共有する場合を想定したものである。本実施形態における撮像装置はユーザの混乱を防ぐため、異なる撮像装置で測位された位置情報は、異なるログファイルに記述されることとした。したがって、機器固有ID4040には、必ず1つのIDのみが記述されることになる。もし、同一の場合(S208で「YES」)はS209へ進み、同一でなければ(S208で「NO」)S213へ進む。
【0054】
S209では、制御部101が、ログファイルの時差情報406における時差設定が、撮像装置100に設定されている時差設定と同一か否かを判定する。時差設定について判定するのは、装置を使う場所が異なる場合であっても時差のために同日となってしまう場合を想定したものである。また、時差設定を変更した場合、ローカルタイムの遡りが発生することがありこれを同一ログファイルに記録するのは時間と移動経路の関係が崩れるためである。もし同一であれば(S209で「YES」)S210へ進み、同一でなければ(S209で「NO」)S213へ進む。
【0055】
続くS210では、制御部101が、他の判定条件を満たしているかが判定される。他の判定条件にはその他407に含まれる使用者情報、測地系等の情報が一致するか否かの他、ログファイルが所定サイズ未満か、ログファイルが壊れてないか等がある。
【0056】
以上のS208からS210までの全条件について肯定的と判定されればS211へ進む。S211では、制御部101はログファイルへの追記判定を行い、S211へ進み制御部101がS203で取得した位置情報を内部メモリに読み出したログファイルに追記する。なお、制御部101が追記したログファイルにより、定期的に記録媒体141に格納されている元のログファイルが更新される。
【0057】
なお、S205にて日付が同一のログファイルが無いと判定された場合(S205で「NO」)ならばS217へ進む。S217では、制御部101は現在の日付と一致するファイル名を有するログファイルを新規に作成する。この場合、新規作成であるので図4Aで示したように、撮像装置100の設定値に基づいてヘッダ部401を作成する。その後、S212に移行して、新規作成したログファイルの位置情報408にS203で取得した位置情報を書き込む。このようにして生成された新規ログファイルは記録媒体141において、図3のGPSディレクトリ309の下に新たに書き込まれる。
【0058】
また、S208からS210までで否定判定を受けた場合、S213では制御部101が、S207で取得したログファイルの連番が記録媒体141上の同一日付のログファイルのうち最小の連番であるかを判定する。もし、最小で無い場合、すなわちまだ解析していない同一日付のログファイルがある場合(S213で「NO」)、S214に移行する。S214では、制御部101が取得すべきログファイルを特定するための連番を1つ繰り下げ、S207に戻って該当するログファイルを取得する。即ち、連番が“1”のログファイルを処理していた場合には、連番“0”のログファイルを取得する。
【0059】
S213で連番が最小である場合、すなわち日付が同一のログファイルは全て検査されている場合(S213で「YES」)、S215へ移行する。S215では、制御部101が同一日付で連番の空きがあるか否かを判定する。なお、連番として利用可能な数字を0から9とした場合、これらが全て使用されている場合には、空きがないと判定される。ただし、連番として利用可能な数字の数はこれに限られず、任意に設定可能である。もし空きがないと判定されたならば(S215で「NO」)位置情報の書き出しを行わずS201へ戻る。S215で連番に空きがあると判定されたならば(S215で「YES」)S216へ進む。S216では、制御部101が新規連番でログファイルを作成する。新規連番とは、例えば日付が同一のログファイルの最大連番に1加算したものである。また、S212へ進みS203で取得した位置情報を位置情報408に書き込む。ここで生成された新規ログファイルは記録媒体141において、図3のGPSディレクトリ309の下に新たに書き込まれる。
【0060】
以上のように本実施形態では、ログファイルの命名、新規作成を、追記を行うことによりで属性情報毎に完結したログファイルを作成することが可能となる。なお、以上の処理では、S208からS210までの全ての条件を満たす場合にログファイルの追記を行う旨を記載した。しかしながら、各ステップにおける判定条件は上記の内容に限定されるものではない。たとえば、S209における時差設定の判定の代わりに、その他407にエリア設定の情報が含まれる場合には、その値に基づいて判定を行ってもよい。
【0061】
また、S210における処理をスキップしたり、あるいは、S210における判定条件を上記の内容から変更してもよい。例えば、図4Aのその他407に被写体情報と、該被写体情報を取得した画像の撮像時刻情報とが含まれる場合、S203で位置情報を取得した時刻と当該撮影時間との時間差が所定時間以内であるかを判定してもよい。この場合、撮像時刻から所定時間以内に取得された位置情報は1つのログファイルで管理される。所定時間については任意に設定が可能であり、例えば、1時間とすることができる。なお、被写体情報に基づくログファイルの管理では、S208及びS209における判定処理をスキップしてもよい。
【0062】
次に、図4Bを参照して、上記のようにして生成されたログファイルと、撮像装置100が撮影して得られた画像データとの関連づけについて説明する。図4Bは、発明の実施形態に対応する撮像装置100の撮影モードで撮影される画像のデータ構造の一例を示している。画像データは、静止画と動画のいずれであってもよい。
【0063】
ヘッダ411は、画像の属性情報を記載するヘッダ部である。メーカー名412は画像を記録した撮像装置のメーカー名を示す。モデル名413はこの画像を記録した撮像装置のモデル名を示す。機器固有ID414は、この画像を記録した撮像装置に固有に与えられているID(シリアル番号等)を示す。測地系415はこの画像に記載された位置情報の測地系を示す。時差情報416はこの画像を記録した撮像装置の時差設定を示す。位置情報417はこの画像を記録した時の撮像装置の位置情報を示す。その他418は、その他の設定情報を含む。ここには、使用者情報、日時情報(撮像日時)、エリア設定、撮影モード、画像フォーマット、被写体情報等を含めることができる。圧縮画像データ419は画像データ本体を示す。圧縮画像データは、静止画データと、動画データとのいずれでもよい。
【0064】
以上のように発明の実施形態によれば、ログファイルと撮影画像に同一の属性情報を付与することで、所定の属性情報毎にロギングされた一連の位置情報を取り扱うことが容易となる。また、属性情報を撮影画像およびログファイルに付加するので同一の属性情報を持つ画像とログファイルの関連付けが容易となる。
【0065】
<第2の実施形態>
図4〜7を用いて、ロギングモード時の動作のもう一つの実施形態を説明する。本実施形態では、ログファイルを一旦メモリ104に記憶し、特定のタイミングで記録媒体141に書き込む。なお、第1の実施形態と共通する部分は説明を省略し、本実施形態に特有の部分を中心に説明する。
【0066】
図5はロギングモード時の位置情報を記憶する処理のフローチャートである。図6は図5により記憶された位置情報をログファイルとして書き出す処理を示すフローチャートである。図7は図6より呼びだされるログファイル書き込み処理の詳細を示すフローチャートである。
【0067】
S241〜S244の処理は図2のS201〜S204と同様の処理を行うため、ここでは説明を省略する。S245で制御部101は、取得された位置情報を一旦保持するための空き容量がメモリ104にあるか確認する。空き容量がないと判断した場合はロギングモードを抜け、処理を終了する。空き容量があると判断した場合はS246へ進む。
【0068】
S246で制御部101は、取得された位置情報をメモリ104内の位置情報バッファに書き込み、S241へ戻る。ここで位置情報は緯度経度の他、高度、GPSから取得した時間情報等が含まれる。以上のように、図5に示す処理では位置情報をメモリ104に確保する。
【0069】
図6は、メモリ104に確保したログファイルを記録媒体141に書き込む処理を示すフローチャートである。まず、S271にて制御部101は、ログファイルの書き込み要求があるか判定する。要求がないと判定すれば処理を終了する。ここでログファイルの書き込み要求とは、メモリ104に確保したログファイルを記録媒体141に書き込む処理を要求するものである。これは、例えば撮像装置100の電源ボタンが押下されて電源オンになったり、電源ボタンが押下されて電源オフになったりした場合に行われる。また、ログファイルの書き出し単位が撮像装置100に設定された時差を加味したローカル時間毎であるような場合、撮像装置100の時差設定の変更、あるいはその可能性が高いタイミングで書き込み要求が行われる。また、ローカル時間の算出をカメラに設定された時刻を基準に行う場合、カメラの時計設定の変更、あるいはその可能性が高いタイミングで書き込み要求が行われる。
【0070】
S271で書き込み要求があると判断された場合(S271で「YES」)、S272へ進む。書き込み要求が無ければ(S271で「NO」)処理を終了する。S272で制御部101は、位置情報バッファに位置情報が記憶されているか判定する。位置情報が記憶されていないと判断した場合(S272で「NO」)は処理を終了する。位置情報が記憶されていると判断した場合(S272で「YES」)はS273へ進む。
【0071】
S273で制御部101は、メモリ104内に確保された書き込み用バッファをクリアし、S274に進む。
【0072】
次にS274で制御部101は、位置情報バッファから位置情報を古いものから取り出す。そしてS275で、制御部101は取りだした位置情報に含まれるGPSの時間情報に、撮像装置100の時差設定を加算する。
【0073】
S276において制御部101は、日付の変化があるか判定する。これは、直前のGPS時間情報と、S275で算出した時間情報が別の日のデータであるか否かの判定である。日付の変化があると判断した場合(S276で「YES」)はS277に進む。日付の変化がないと判定すると(S276で「NO」)S280へ進み、抽出した位置情報と時差加算した時刻情報を書き込みバッファに記憶する。
【0074】
続くS281で制御部101は、抽出した位置情報が位置情報バッファの最後のデータであるか判断する。最後のデータであると判断した場合(S281で「YES」)はS282へ進み、書き込み処理を行った後処理を終了する。一方、まだ位置情報バッファに位置情報があると判断されたならば(S281で「NO」)S274に戻る。
【0075】
S276で日付の変化があると判断された後、S277で制御部101は、書き込みバッファにデータがあるか判断する。データがないと判断した場合(S277で「NO」)は前述のS280へ進む。データがあると判断した場合(S277で「YES」)は、S278に進む。
【0076】
S278に進んだ場合、バッファ上のデータが同一日であると判断したことになる。そこで、S278へ進み同一日のデータをまとめて記録媒体141に書き込む。そしてS279へ進み、制御部101は書き込みバッファをクリアし、S280へ進む。
【0077】
次に図7を参照してS278における書き込み処理の詳細を説明する。S255において、制御部101は、記録媒体141に書き込む位置情報の日付に対応する日付のログファイルがあるか確認する。本実施形態では、同日のログファイルがあるかを確認する。なお、本実施形態では日付の特定が可能なファイル名をログファイルに設定することとする。したがって、S255では記録媒体141内に対応日を示すログファイル名を持つファイルの有無を判定する。S255にて対応する日付のログファイルがあると判定された場合、S256へ進む。対応する日付のログファイルがあると判定された場合、S267に進む。
【0078】
S256からS267の処理については、図2のS206からS217と同様の処理であるため、説明を省略する。
【0079】
以上説明したように、本実施形態では一旦メモリ104に位置情報を確保し、所定のタイミングで記録媒体141に書き込む構成とした。このようにしたのは以下の理由による。例えば、撮影モードの間に位置情報を記録媒体141に書き込むことを可能とした場合、撮影により得られた画像データを記録媒体141に書き込む処理と、位置情報を記録媒体141に書き込む処理と競合してしまう可能性がある。そこで本実施形態では、所定のタイミングまで位置情報をメモリ104に待機させておくこととした。上記の理由から、所定のタイミングは撮影のタイミングと競合しないタイミングが望ましい。例えば、本実施形態でも説明したように電源ボタンが押下されたタイミングや、撮影モードを離脱したタイミング、再生モードに移行したタイミングなどが考えられる。また、ユーザ操作により書き込み処理を指示できるようにしてもよい。この場合は書き込みが完了するまで撮影などの操作を禁止するようにしてもよい。
【0080】
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像して画像データを生成する撮像手段と、
自装置の位置情報を取得する位置検出手段と、
位置検出手段が検出した前記位置情報に基づき、記録媒体に保持させるログファイルの生成及び更新を定期的に制御する制御手段と
を備える撮像装置であって、
前記記録媒体は、画像データを該画像データを生成した装置の属性情報を付加して保持すると共に、前記属性情報と前記画像データを生成した装置で取得された位置情報とを含むログファイルを保持することが可能であって、
前記制御手段は、
前記位置検出手段が取得した新規の位置情報の取得日と同日に生成されたログファイルを前記記録媒体が保持する場合に、前記撮像装置の属性情報と、該ログファイルに含まれる属性情報とが一致するか否かを判定し、一致する場合に該ログファイルに前記新規の位置情報を追記し、
前記属性情報が一致しない場合、または、前記同日に生成されたログファイルを前記記録媒体が保持しない場合に、前記新規の位置情報を含む新規のログファイルを生成する
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記属性情報には、前記画像データを生成した装置を一意に識別するための識別情報と、該装置における時差設定またはエリア設定が含まれることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記属性情報には、前記画像データを生成した装置の使用者を識別するための情報、または、測地系に関する情報が更に含まれることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記属性情報に、画像データを解析して得られた被写体情報と、該画像データの撮像時刻の情報とが含まれる場合に、
前記制御手段は更に、
前記新規の位置情報を前記位置検出手段が取得した時刻との時間差が、所定時間以内である撮像時刻の情報を含むログファイルを前記記録媒体が保持する場合に、該ログファイルに前記新規の位置情報を追記し、
前記時間差が所定時間以内の撮像時刻の情報を含むログファイルを前記記録媒体が保持しない場合に、前記新規の位置情報を含む新規のログファイルを生成する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
被写体を撮像して画像データを生成する撮像手段と、
自装置の位置情報を取得する位置検出手段と、
位置検出手段が検出した前記位置情報に基づき、記録媒体に保持させるログファイルの生成及び更新を定期的に制御する制御手段と
を備える撮像装置の制御方法であって、
前記記録媒体は、画像データを該画像データを生成した装置の属性情報を付加して保持すると共に、前記属性情報と前記画像データを生成した装置で取得された位置情報とを含むログファイルを保持することが可能であって、
前記位置検出手段が、新規の位置情報を取得する工程と、
前記制御手段が、前記新規の位置情報の取得日と同日に生成されたログファイルを前記記録媒体が保持する場合に、前記撮像装置の属性情報と、該ログファイルに含まれる属性情報とが一致するか否かを判定する工程と、
前記制御手段が、前記属性情報が一致する場合に該ログファイルに前記新規の位置情報を追記する工程と、
前記制御手段が、前記属性情報が一致しない場合、または、前記同日に生成されたログファイルを前記記録媒体が保持しない場合に、前記新規の位置情報を含む新規のログファイルを生成する工程と
を備えることを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項6】
被写体を撮像して画像データを生成する撮像手段と、
自装置の位置情報を取得する位置検出手段と、
位置検出手段が検出した前記位置情報に基づき、記録媒体に保持させるログファイルの生成及び更新を定期的に制御する制御手段と
を備えるコンピュータにおいて
前記制御手段を、前記請求項1乃至4のいずれか1項に記載の制御手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−178823(P2012−178823A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−17270(P2012−17270)
【出願日】平成24年1月30日(2012.1.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】