撮像装置、発光装置及びカメラシステム
【課題】 動画撮影に用いる補助光の輝度のばらつきを抑えた充電動作を行うことを目的とする。
【解決手段】 LED(325)を発光させているときの主コンデンサ(417)への充電動作における充電電流の最大値が、LED(325)を発光させていないときの充電電流の最大値よりも小さくなるように制御する。
【解決手段】 LED(325)を発光させているときの主コンデンサ(417)への充電動作における充電電流の最大値が、LED(325)を発光させていないときの充電電流の最大値よりも小さくなるように制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閃光発光と継続発光とが可能な発光装置に関し、特に閃光発光を行うための充電動作時の制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラ等の撮像装置には、被写体輝度が低い場合に発光装置による補助光を被写体に照射して撮影を行うものがある。このような発光装置では、補助光を照射する光源としてキセノン管やLEDなどが用いられている。
【0003】
特許文献1では、照明手段として、通常撮影用のキセノン管と接写撮影用のLEDとを備えた、閃光発光装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−206942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の閃光発光装置では、動画撮影用の補助光としてLEDを点灯する場合に以下のような課題が生じる。動画撮影用のLEDを点灯中にキセノン管を発光させるための主コンデンサに充電を行うと、主コンデンサとLEDが電源を共用しているためLEDに供給される電流が低下する。そのため、LEDの輝度にばらつきができてしまい、明るさにムラが生じ好適な動画像が得られなくなってしまう。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、動画撮影に用いる補助光の輝度のばらつきを抑えた充電動作を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願発明にかかる発光装置は、同一の電源を用いて、閃光発光を行う第1の発光手段及び継続発光を行う第2の発光手段を発光させる発光装置であって、前記電源を用いて前記第1の発光手段を発光させるための電荷を蓄積するコンデンサと、前記第2の発光手段の発光動作、あるいは、前記コンデンサに電荷を蓄積させる充電動作を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記第2の発光手段を発光させているときの前記充電動作における充電電流の最大値が、前記第2の発光手段を発光させていないときの前記充電電流の最大値よりも小さくなるように制御することを特徴とする。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本願発明にかかる撮像装置は、同一の電源を用いて、閃光発光を行う第1の発光手段及び継続発光を行う第2の発光手段を発光させる発光装置を備えた撮像装置であって、前記電源を用いて前記第1の発光手段を発光させるための電荷を蓄積するコンデンサと、前記第2の発光手段の発光動作、あるいは、前記コンデンサに電荷を蓄積させる充電動作を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記第2の発光手段を発光させているときの前記充電動作における充電電流の最大値が、前記第2の発光手段を発光させていないときの前記充電電流の最大値よりも小さくなるように制御することを特徴とする。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本願発明にかかるカメラシステムは、同一の電源を用いて、閃光発光を行う第1の発光手段及び継続発光を行う第2の発光手段を発光させる発光装置と、当該発光装置を発光させて撮影を行う撮像装置とを含むカメラシステムであって、前記電源を用いて前記第1の発光手段を発光させるための電荷を蓄積するコンデンサと、前記第2の発光手段の発光動作、あるいは、前記コンデンサに電荷を蓄積させる充電動作を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記第2の発光手段を発光させているときの前記充電動作における充電電流の最大値が、前記第2の発光手段を発光させていないときの前記充電電流の最大値よりも小さくなるように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、動画撮影に用いる補助光の輝度のばらつきを抑えた充電動作を行うことで、明るさにムラが生じない好適な動画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例に係るカメラシステムの構成を示すブロック図
【図2】実施例1のカメラシステムにおける動作タイミング図
【図3】本発明の実施例に係るカメラシステムにおける補助発光部の電気回路図
【図4】実施例1のカメラシステムにおける充電回路の電気回路図
【図5】実施例2のカメラシステムにおける充電回路の電気回路図
【図6】実施例1のカメラシステムにおける充電回路の動作タイミング図
【図7】実施例2のカメラシステムにおける充電回路の動作タイミング図
【図8】実施例2のカメラシステムにおける動作タイミング図
【図9】実施例3のカメラシステムにおける動作タイミング図
【図10】本発明の実施例に係るカメラシステムにおける撮影時のフローチャート図
【図11】本発明の実施例に係るカメラシステムにおける撮影時のフローチャート図
【図12】本発明の実施例に係るカメラシステムにおける動画撮影時処理のフローチャート図
【図13】実施例1のカメラシステムにおける充電動作のフローチャート図
【図14】実施例1のカメラシステムにおける充電動作のフローチャート図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は本発明の実施例1に係るカメラシステム(撮像装置、レンズユニット、発光装置から成る)の構成を示すブロック図である。100は撮像装置であるデジタルカメラのカメラ本体を、200はレンズユニットを、300は発光装置であるストロボ装置を、それぞれ示している。
【0014】
まず、カメラ本体100内の構成について説明する。101はカメラ本体100の各部を制御するマイクロコンピュータCCPU(以下、カメラマイコン)である。102は赤外カットフィルタやローパスフィルタ等を含むCCD,CMOS等の撮像素子であり、後述のレンズ群202によって撮影時に被写体の像が結像される。103はシャッターであり、非撮影時には閉じて撮像素子102を遮光し、撮影時には開いて撮像素子102へ光線を導く。104は主ミラー(ハーフミラー)で非撮影時にレンズ群202より入射する光の一部を反射し105のピント板に結像させる。
【0015】
106は測光回路で、この回路内の測光センサーは撮像画面を複数の測光領域に分割しそれぞれの測光領域で測光を行う。107は焦点検出回路で、回路内の測距センサーは撮像画面に複数の測距ポイントが設けられており、測光センサーの測光領域に対応した位置に測距ポイントが設けられるよう構成されている。
【0016】
108は撮像素子102から出力される信号を増幅させるゲインを切換えするためのゲイン切換え回路であり、ゲインの切換えは撮影の条件や撮影者の入力等によりカメラマイコン101が切換えを行う。109は増幅された撮像素子102からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器で、110は撮像素子102の増幅された信号入力とA/D変換器109の変換タイミングを同期させるためのタイミングジェネレータ(TG)である。111はA/D変換器109でデジタル信号に変換された画像データをパラメータにしたがって画像処理を行うデジタル信号処理回路である。
【0017】
SCはカメラ本体100とレンズユニット200及びストロボ装置300とのインタフェースの信号ラインである。例えば、カメラマイコン101をホストとしてデータの交換やコマンドの伝達を相互に行う。これにより、ストロボ装置300への発光開始信号などの通信を可能にしている。同様に、SCは後述するレンズマイコン201とのインタフェースであり、レンズマイコン201からカメラマイコン101にデータを送信する端子を有し、カメラマイコン101とレンズマイコン201間で通信を可能にしている。
【0018】
112は各種情報を入力するための入力部で、撮像素子102のゲインの設定を入力することや、スイッチやボタンなどでカメラの設定などを入力することが可能である。113は各種設定されたモードやその他の撮影情報などを表示する、液晶装置や発光素子などからなる表示部である。
【0019】
114はペンタプリズムで、ピント板105の被写体像を測光回路106内の測光センサー及び不図示の光学ファインダーに導く。115はサブミラーで、レンズ群202より入射し主ミラー104を透過した光線を焦点検出回路107の測距センサーへ導く。
【0020】
次に、レンズユニット200内の構成と動作について説明する。
201はレンズユニット200の各部の動作を制御するマイクロコンピュータLPU(以下、レンズマイコン)である。202は複数枚で構成されたレンズ群である。203はレンズ群202の焦点位置合わせ用の光学系を移動させるレンズ駆動回路であり、レンズ群202の駆動量は、カメラ本体100内にある焦点検出回路107の出力に基づいてカメラマイコン101内にて算出される。204はレンズ群202の位置を検出するエンコーダである。算出された駆動量はカメラマイコン101からレンズマイコン201に通信され、エンコーダ204の駆動情報により駆動量分だけレンズマイコン201がレンズ駆動回路203を動作させ、レンズ群202を合焦位置へ移動させる。205は絞りで、206は絞り制御回路であり、絞り205は絞り制御回路206を介してレンズマイコン201により制御される。
【0021】
次に、ストロボ装置300の構成について説明する。
310はストロボ装置300の各部の動作を制御するマイクロコンピュータFPU(以下、ストロボマイコン)である。301はストロボの電源(VBAT)としての電池であり、後述の放電管307及びLED325を発光させるのに用いる同一の電源である。302は電池301の電圧を数百Vに昇圧させる充電回路で後述の主コンデンサに発光のためのエネルギーを蓄積させる。この充電動作により電源電圧が低下する。詳細は後述の図4で説明する。
【0022】
307は放電管であり、後述の主コンデンサに充電されたエネルギーをトリガー回路306から印加される数KVのパルス電圧を受け励起することで発光し、その光を被写体に照射する。308はトリガー回路306と共に放電管307の発光の開始を制御し、さらに発光の停止を制御する発光制御回路である。
【0023】
323は放電管307の発光量を受光するセンサーとしてのフォトダイオードであり、直接またはグラスファイバーなどを介して放電管307の光を受光する。309はフォトダイオード323の受光電流を積分する積分回路であり、その出力は312のコンパレータの反転入力端子とストロボマイコン310のA/Dコンバータ端子に入力される。コンパレータ312の非反転入力はストロボマイコン310内のD/Aコンバータ出力端子に接続され、コンパレータ312の出力は311のANDゲートの入力端子に接続される。ANDゲート311のもう一方の入力はストロボマイコン310の発光制御端子と接続され、ANDゲート311の出力は発光制御回路308に入力される。
【0024】
315は反射傘、316はパネル等から成りストロボ装置300の照射角を変更するズーム光学系である。ここで、反射傘315とズーム光学系316の距離を所定の位置に変更することにより、被写体への照射ガイドナンバー及び配光を変化させることが可能となる。
【0025】
313はモーター等から成るズーム光学系316を移動させるズーム駆動部であり、ズーム光学系316の駆動量はストロボマイコン310のズーム制御端子より信号を受け駆動される。このズーム駆動量はレンズマイコン201からカメラマイコン101を介して通信された焦点距離情報に応じてストロボマイコン310で演算される。
【0026】
314はズーム光学系316のズーム位置を検出するエンコーダ等の位置検出部であり、ストロボマイコン310の位置信号端子に移動情報を与え、ストロボマイコン310の位置信号端子にて必要な駆動量分だけズーム駆動部313内のモータを駆動させる。
【0027】
320は各種情報を入力するための入力部(入力インタフェース)であり、例えばストロボ装置300の側面などにスイッチが設置されており、手動によりズーム情報を入力することも可能である。321はストロボ装置300の各状態を表示する表示部である。
【0028】
322は定電圧回路で電池301から一定電圧の出力(例えばV1出力)を行う。324は、後述の補助発光部である動画撮影用のLED325の光量を制御するLED制御回路で、例えばストロボマイコン310の信号により、あらかじめ設定されたLEDの定電流でLEDを発光させる。
【0029】
LED325は、例えば白色の高輝度LEDなどの発光素子からなり、LED制御回路324の指示により照射する構成となっている。350はストロボ装置300の静止画撮影用の発光部である。
【0030】
次に、図3でLED325の光量を制御するLED制御回路324の説明を行う。1001はNPNトランジスタで、コレクタはLED325のカソードに接続され、ベースは後述の抵抗1002、エミッタは後述の抵抗1004に接続される。1003はオペアンプで非反転入力はストロボマイコン310内のD/Aコンバータのリファレンス出力(VREF(LED)に接続され、反転入力は後述の抵抗1004の一端に接続され抵抗1004の端子電圧を検出する。オペアンプ1003の出力は抵抗1002を介してNPNトランジスタ1001のベースに接続される。1004は抵抗で、一端をNPNトランジスタ1001のエミッタとオペアンプ1003の非反転入力に接続され、他端は電源(VBAT)301の負極に接続される。なお、LED325のアノードには電源(VBAT)301の正極が接続されている。
【0031】
次にLEDの点灯動作について説明する。ストロボマイコン310内のD/Aコンバータのリファレンス出力を0Vから設定された電圧VREF(LED)を出力する。このVREF(LED)に対して定電流iLED(LED)は、iLED(LED)=VREF(LED)/R0で示され、この定電流iLED(LED)がLED325に供給される。ここでR0は抵抗1004の抵抗値である。
【0032】
なお、この定電流iLED(LED)は前述のようにストロボマイコン310内のD/Aコンバータのリファレンス出力電圧VREF(LED)のレベルを変更することで、様々な値に変更することができる。
【0033】
このように、動画撮影時の被写体の輝度情報に応じて、ストロボマイコン310はリファレンス出力電圧VREF(LED)を変更させることでLED325に供給される定電流の切換えを行い、LED325の発光量を変えることができる。
【0034】
次に図4で充電回路302の制御回路の説明を行う。フォワード方式の充電回路302−1の構成について以下に述べる。401は抵抗で、一端は定電圧回路322のV1出力及び後述のPNPトランジスタ403のエミッタに接続され、他端はPNPトランジスタ403のベース及び抵抗402に接続される。402は抵抗で、一端はPNPトランジスタ403のベース及び抵抗401に接続され、他端はストロボマイコン310のCHG_ON端子に接続される。
【0035】
403はPNPトランジスタで、ベースに抵抗401及び抵抗402が接続され、エミッタに定電圧回路322及び抵抗401が接続され、コレクタに抵抗404が接続され、充電開始のスイッチとして機能する。ストロボマイコン310のCHG_ON端子がLoレベルになると充電が開始される。
【0036】
404は抵抗で、一端はPNPトランジスタ403のコレクタに接続され、他端は後述の抵抗405と後述のAND回路407の入力IN2とAND回路408の入力IN2に接続される。405は抵抗で、一端は抵抗404とAND回路407の入力IN2とAND回路408の入力IN2に接続され、他端は電池301の負極に接続される。
【0037】
406は論理回路でNOT回路であり、入力INはストロボマイコン310のCHG_CLK端子に接続され、出力OUTは後述の論理回路でAND回路407の入力IN1に接続される。CHG_CLK端子は公知の他励式プッシュプルのフォワード回路の基準クロック出力端子で一定の矩形波がストロボマイコン310より出力される。407は論理回路でAND回路であり、入力IN1はNOT回路の出力OUTと接続され、入力IN2は抵抗404と抵抗405に接続される。出力OUTは抵抗412に接続される。408は論理回路でAND回路であり、入力IN1はNOT回路の入力INとストロボマイコン310のCHG_CLK端子に接続され、入力IN2はAND回路407の入力IN2と抵抗404と抵抗405に接続される。出力OUTは抵抗412の一端に接続される。
【0038】
409は抵抗で、一端はAND回路408の出力OUTに接続され、他端は抵抗410と発振FET411のゲートに接続される。410は抵抗で、一端は抵抗409と発振FET411のゲートに接続され、他端は電池301の負極に接続される。
【0039】
411は発振FETで、充電動作を行うためのスイッチ素子であり、NチャネルFETで構成している。プッシュプル方式の2つある発振FETの一つである。ゲートは抵抗409と抵抗410に接続され、ソースは電池301の負極に接続される。ドレインは後述の発振トランス415の一次巻線の415aに接続される。
【0040】
412は抵抗で、一端はAND回路407の出力OUTに接続され、他端は抵抗413と発振FET414のゲートに接続される。413は抵抗で、一端は抵抗412と発振FET414のゲートに接続され、他端は電池301の負極に接続される。
【0041】
414は発振FETで充電動作をおこなうためのスイッチ素子であり、NチャネルFETで構成している。プッシュプル方式の2つある発振FETの一つである。ゲートは抵抗412と抵抗413に接続され、ソースは電池301の負極に接続される。ドレインは後述の発振トランス415の一次巻線の415cに接続される。
【0042】
415は発振トランスで、一次巻線は415aと415d間で415b、415cで分割されている。二次巻線は415eと415f間で構成されている。416はブリッジダイオードで416j、416g、416h、416iで構成されている。
【0043】
417は主コンデンサで、発光のためのエネルギーを蓄積させるコンデンサである。418は抵抗で、一端は主コンデンサ417の正極に接続される。他端は後述の抵抗419とストロボマイコン310のA/D変換端子のMC_V端子に接続される。419は抵抗で、一端は抵抗418とストロボマイコン310のA/D変換端子のMC_V端子に接続され、他端は主コンデンサ417の負極に接続される。
【0044】
このように主コンデンサ417に充電された電圧は電圧検出回路として機能する抵抗418、419により分圧され、分圧された電圧はストロボマイコン310のA/D変換端子に入力される。分圧された電圧は主コンデンサの電圧に比例しており、主コンデンサが発光に必要な電圧レベルを検出したら充電を停止する。
【0045】
充電回路302−1は上述した401から419の要素で構成される。この充電回路302−1の充電動作により電池301の電流が引かれ、電源電圧が急激に低下する。
【0046】
次に306のトリガー回路の構成を説明する。トリガー回路306は以下の501から503の要素で構成される。501は抵抗で、一端は主コンデンサ417の正極に接続され、他端は後述のトリガーコンデンサ502と後述のIGBT603のドレインに接続される。この抵抗501は、トリガーコンデンサに電流を流すための抵抗である。
【0047】
502はトリガーコンデンサで、一端は抵抗501とIGBT603のドレインに接続され、他端は後述のトリガートランス503の1次側巻線に接続される。このトリガーコンデンサ502は、トリガートランス503の一次側巻線に発光のためのパルスを発生させるものである。
【0048】
503はトリガートランスで、一次側巻線の一端はトリガーコンデンサ502に接続され、二次側巻線の一端は後述の放電管のトリガーに接続される。一次側巻線と二次側巻線の他端は主コンデンサ417の負極に接続される。
【0049】
307は放電管であり、主コンデンサ417に充電されたエネルギーをトリガー回路306から印加される数KVのパルス電圧を受け励起する事で発光し、その光を被写体に照射する。放電管307の陽極は主コンデンサ417の正極に接続され、陰極は後述のIGBT606のコレクタに接続される。308はトリガー回路306と共に放電管307の発光の開始を制御し、さらに発光の停止を制御する発光制御回路である。
【0050】
発光制御回路308は以下の601から606の要素で構成される。601は抵抗で、一端はストロボマイコン310のTRG端子に接続され、他端はIGBT603のゲートに接続される。602は抵抗で、一端は主コンデンサ417の負極に接続され、他端は後IGBT603のゲートに接続される。
【0051】
603は発光用のIGBTで、ゲートは抵抗601と抵抗602に接続され、ドレインは抵抗501に、ソースは主コンデンサ417の負極に接続される。
【0052】
604は抵抗で、一端はストロボマイコン310のSTP端子に接続され、他端は後IGBT606のゲートに接続される。605は抵抗で、一端は主コンデンサ417の負極に接続され、他端はIGBT606のゲートに接続される。
【0053】
606は発光停止用のIGBTで、ゲートは抵抗604と抵抗605に接続され、ドレインは放電管307の陰極に接続され、ソースは主コンデンサ417の負極に接続される。
【0054】
2000は充電電流制限回路で、電池301と充電回路302−1に接続される。充電電流制限回路2000は以下の2001から2003の要素で構成される。
【0055】
2001は抵抗で、一端は電池301の正極に接続され、他端は後述のコンパレータ2003の正極入力に接続される。2002は抵抗で、一端は後述のコンパレータ2003の正極入力に接続され、他端は電池301の負極に接続される。2003はコンパレータで、正極入力は抵抗2001と抵抗2002の分圧点に接続され、負極入力はストロボマイコン310のD/A変換端子のVREF(PWR)端子に接続される。出力は充電回路302−1のAND回路407の入力IN2とAND回路408の入力IN2に接続される。
【0056】
次に、図2を用いて放電管307の発光を伴う静止画撮影とそれに続く充電動作及び動画撮影時の補助光動作について説明する。 図2(a)は、カメラ本体100のカメラマイコン101で制御される撮影状態判別信号でLoレベルで動画撮影、Hiレベルで静止画撮影を示している。図2(b)は、補助発光手段であるLED制御回路324とLED325により消費されるストロボ装置300の電池301の電流を示している。図2(b)では、一例としてLED325が点灯すると300mA消費する場合を示している。図2(c)は、ストロボ装置300の電池301の電池電圧を示す。LED325が点灯すると電池電圧が下がり、例ではa(V)まで下がる。図2(d)は、カメラ本体100による静止画撮影のレリーズのタイミングを示す。図2(e)は、ストロボ装置300による放電管307の本発光(ストロボ発光)のタイミングを示す。図2(f)は、ストロボ装置300による放電管307の本発光後に主コンデンサ417の充電を行うための充電信号のタイミングを示す。図2(g)は、ストロボ装置300による主コンデンサ417の充電により消費される電池301の電流を示している。
【0057】
図2(a)で示すタイミングで静止画撮影が行なわれた場合、図2(d)のように静止画撮影のレリーズが行なわれ、図2(e)のように放電管307の本発光が行われて、図2(f)のように主コンデンサ417の充電が行なわれる。このとき主コンデンサ417の充電電流は図2(g)のように充電開始時に急峻に立ち上がる。
【0058】
静止画撮影後にLED325を点灯させた動画撮影を再開させる場合、LED325の点灯中に主コンデンサ417の充電動作が重畳される。ストロボ充電動作が重畳されることで、LED制御回路324とLED325に供給されるLED電流は図2(b)のように不安定になり、LED325の発光に揺らぎが生じる。
【0059】
そのため、本実施例では、図2(g−2)のようにストロボ装置300の充電回路302により充電立ち上がり時の充電電流を制限することでLED電流を安定させる。
【0060】
次に、静止画撮影時のカメラマイコン101の具体的な動作について、図10、図11のフローチャートを用いて説明する。
【0061】
不図示の電源スイッチがオンされてカメラ本体100のカメラマイコン101が動作可能となると、カメラマイコン101は、図10のステップS1から所定の動作を開始する。
【0062】
ステップS1では、カメラマイコン101自身のメモリやポートの初期化を行う。また入力部112より入力された各種スイッチの状態や予め設定された入力情報を読み込み、シャッタースピードの決め方や、絞りの決め方等様々な撮影モードの設定を行う。
【0063】
ステップS2では、図示しないシャッターボタンの半押し状態であるSW1がONか否かを判別し、OFFのときはステップS2を繰り返し、ONのときはステップS3に進む。
【0064】
ステップS3では、レンズユニット200内のレンズマイコン201と通信ラインSCを介して通信を行う。そして、レンズユニット200の焦点距離情報(以下、レンズの焦点距離情報)や測距、測光に必要な光学情報などのレンズ情報を取得する。
【0065】
ステップS4では、カメラ本体100にストロボ装置300が装着されているか否かを判定する。カメラ本体100にストロボ装置300が装着されているならばステップS5へ進み、未装着ならばステップS6へ進む。
【0066】
ステップS5では、カメラマイコン101はストロボマイコン310と通信ラインSCを介して通信を行い、ステップS3にて取得したレンズの焦点距離情報をストロボマイコン310に出力する。これにより、ストロボマイコン310は受信したレンズの焦点距離情報に基づいてズーム駆動部313を駆動し、エンコーダ314で位置を検出してストロボの照射角を制御する。
【0067】
ステップS6では、ステップS1にて設定されたカメラの撮影モードのうち、カメラが自動焦点検出動作を行うモード(AFモード)であるか、自動焦点検出動作を行わないモード(MFモード)であるかを判定する。ステップS6でAFモードであればステップS7に進み、MFモードであれば、ステップS9へ進む。
【0068】
ステップS7では、焦点検出回路107を駆動することにより周知の位相差検出法による焦点検出動作を行う。また、ステップS7では、複数の測距点からどの測距ポイントに焦点を合わせるかについては、入力部112により入力し設定されたポイントまたはカメラの撮影モードなどに応じて決定する。
【0069】
ステップS8では、ステップS7で決定された測距ポイントをカメラマイコン101内の図示しないRAM(ランダムアクセスメモリー)に記憶させる。さらに、ステップS8ではカメラマイコン101は焦点検出回路107の情報に基づきレンズ群202の駆動量を演算する。カメラマイコン101はレンズユニット200内のレンズマイコン201と通信ラインSCを介して通信を行い、前記演算結果に基づきレンズマイコン201はレンズ駆動回路203を制御してレンズ群202を合焦位置に駆動しステップS9へ進む。
【0070】
ステップS9では、撮影画面を6つの測光領域に分割して測光領域毎に被写体輝度値を測光回路106により取得する。その輝度値は、EVb(i)(i=0〜5)として、RAMに記憶させる。
【0071】
ステップS10では、入力部112より入力されたゲイン設定情報に基づくゲイン設定処理をゲイン切換え回路108により行う。入力部112より入力されたゲイン設定とは、例えばISO感度の設定である。また、ステップS10では、カメラマイコン101はストロボマイコン310と通信ラインSCを介して通信を行い、ゲイン設定情報をストロボマイコン310に出力する。
【0072】
ステップS11では、ステップS9での測光結果である、複数の測光領域の被写体輝度値EVbから静止画撮影時に放電管307を発光させる必要があるか否かを判断する。そして、放電管307の発光を伴う静止画撮影(発光撮影)に適したシャッタースピード(Tv)と絞り値(Av)、あるいは、放電管307を発光させない静止画撮影(非発光撮影)に適したシャッタースピード(Tv)と絞り値(Av)を決定する。
【0073】
ステップS12では、動画撮影を行う否かの判定を含む動画撮影時処理のサブルーチンを行いステップS13へ進む。動画撮影時処理のサブルーチンについての説明は、図12を用いて後述する。
【0074】
ステップS13では、図示しない撮影開始のスイッチであるSW2がONであるか否かを判定し、OFFであればステップS2に戻り、ONであれば図11に示したフローチャートにあるステップS14に進み一連のレリーズ動作を行う。レリーズ動作について図11のフローチャートを用いて説明する。
【0075】
ステップS14では、ストロボ装置300の放電管307を発光させて静止画撮影を行うか否かを判定する。放電管307を発光させる場合はステップS15へ進み、発光させない場合はステップS29へ進む。
【0076】
ステップS15では、主コンデンサ417の充電電圧が放電管307の発光に必要な電圧レベルにまで達したことを示す充電完了信号を、ストロボマイコン310から通信ラインSCを介して取得しているか否かを判定する。充電完了信号を取得している場合はステップS15へ進み、充電完了信号を取得していない場合は発光撮影ができないのでステップS29へ進む。
【0077】
ステップS16では、ストロボ装置300のプリ発光の直前に外光輝度を測光するために被写体輝度を測光回路106により取得する。6分割された測光領域の各輝度値は、EVa(i)(i=0〜5)として、図示しないRAMに記憶させる。
【0078】
ステップS17では、カメラマイコン101はストロボマイコン310に対してSCラインを介してプリ発開始信号を出力する。ストロボマイコン310はプリ発光開始信号に従って、発光制御回路308、トリガー回路306を制御して発光を行い被写体に照射するプリ発光動作を行う。
【0079】
ステップS18では、カメラマイコン101はプリ発光時の被写体輝度を測光回路106により取得する。6分割された測光領域の各輝度値は、EVf(i)(i=0〜5)として、RAMに記憶させる。
【0080】
ステップS19では、カメラマイコン101は露光動作に先立って主ミラー104をアップさせ、撮影光路内から退去させる。なお、直前まで動画撮影を行っていて主ミラーがアップしている状態であれば、このステップは省略すればよい。
【0081】
ステップS20では、下記の式1のようにステップS18で取得したプリ発光時の被写体輝度値EVfとS16で取得したプリ発光直前の被写体輝度値(外光輝度)EVaとの差分を取り、プリ発光の反射光成分のみの輝度値EVdf(i)を抽出する。プリ発光の反射光成分の抽出は6つの測光領域毎に行われる。
EVdf(i)←LN2(2^EVf(i)−2^EVa(i))(i=0〜5) (式1)
【0082】
ステップS21では、ストロボ装置300よりプリ発光時の発光量を表すガイドナンバー(Qpre)データを取得する。ここで、プリ発光のガイドナンバー(Qpre)は、主コンデンサ417のプリ発光直前の充電電圧やズーム位置により変化する。そのため、ストロボマイコン310がズーム位置に対応したガイドナンバーや主コンデンサ417の充電電圧などから補正し求めた値をカメラマイコン101は取得する。
【0083】
ステップS22では、測距ポイント(Focus.p)、焦点距離(f)、プリ発光のガイドナンバー(Qpre)およびバウンスフラグ(F_Bbounce)等から、放電管307を本発光させてどの測光領域の被写体を適正露出にするかを選択する。選択された測光領域をP(0〜5のうちのどれか)として、RAMに記憶させる。
【0084】
そして、下記の式2のようにして本発光量を演算する。露出値(EVs)と被写体輝度(EVb)と感度(ゲイン)とプリ発光反射光分のみの輝度値EVdf(p)とから、選択された測光領域(P)の被写体について、プリ発光量に対して適正となる本発光量の相対比(r)を求める。
r←LN2(2^EVs−2^EVb(p))−EVdf(p) (式2)
【0085】
ここで、露出値(EVs)から被写体輝度(EVb)の伸張したものの差分をとっているのは、ストロボ光を照射したときの露出が、外光分にストロボ光を加えて適正となるように制御するためである。さらに、下記の式3のようにシャッタースピード(TV)と、プリ発光の発光時間(t_pre)と、撮影者により入力部112により予め設定された補正係数(c)とを用いて相対比(r)を補正し、新たな相対比rを演算する。
r←r+TV−t_pre+c (式3)
【0086】
ここで、シャッタースピード(TV)とプリ発光の発光時間(t_pre)を用いて補正するのは、ストロボ回路内で、プリ発光の測光積分値(INTp)とメイン発光の測光積分値(INTm)とを正しく比較するためである。
【0087】
ステップS23では、カメラマイコン101はSCラインを介してストロボマイコン310へ本発光量を表す情報である本発光量情報としてプリ発光量に対する相対値(r)をストロボ装置300に送信する。
【0088】
ステップS24では、設定された絞り値(AV)になるようにレンズマイコン201に指示を行うとともに、シャッター制御回路を介してシャッター103の走行開始指示を行う。なお、直前まで動画撮影を行っていてシャッター103がすでに開放状態の場合には、開放状態を維持させておく。
【0089】
ステップS25では、本露光に同期してカメラマイコン101はSCラインを介してストロボマイコン310に本発光開始信号を与える。そして、ストロボマイコン310は、カメラから送られてきた相対値(r)に基づいて適正な発光量になるように放電管307の本発光制御を行う。
【0090】
発光撮影を行わない場合あるいは充電完了信号を取得していない場合に進むステップS30の処理ではステップS24と同様の処理を行い、ステップS31ではストロボ装置300を発光させずに本露光を行う。
【0091】
こうして一連の露光動作が終了すると、ステップS26では、静止画撮影を行うために動画撮影を中断したか否かを判定する。動画撮影を中断していた場合はステップS27へ進み、動画撮影を中断していない場合はステップS32へ進む。
【0092】
ステップS27では、撮像素子102からの出力をゲイン切換え回路108で設定されたゲインで増幅した信号をA/D変換器109でデジタル信号として変換する。デジタル信号に変換された画素データはホワイトバランスなど所定の現像処理を信号処理回路111で行う。なお、ステップS27では、中断時間をできるだけ少なくして動画撮影を再開させるため、上記の現像処理を主ミラー104をアップさせたままで行う。
【0093】
そして、S28では、現像処理された画像データを図示しないメモリに記憶してステップS29で動画撮影を再開させる。
【0094】
静止画撮影のために動画撮影を中断していない場合には、ステップS32で、撮影光路より退去させていた主ミラー104をダウンして再び撮影光路内に斜設させる。
【0095】
その後、ステップS33、ステップS34でステップS27、ステップS28と同様の処理を行い一連のレリーズ動作を終了する。
【0096】
続いて、図10に示したフローチャートにおけるステップS12の動画撮影時処理のサブルーチンについて図12を用いて説明する。
【0097】
ステップS201では、カメラ本体100の入力部112の内、動画撮影を開始させる動画撮影釦が押され動画撮影モードになっているかを判定する。動画撮影モードであれば動画撮影モードであることをカメラマイコン101内のRAMに記憶してステップS202へ進み、動画撮影モードでなければ図10のステップS13へ進む。なお、上述した動画撮影釦が押されて動画撮影モードになると、主ミラー104をアップさせるとともにシャッター103を開いて、動画撮影を開始させる。
【0098】
ステップS202では、図10のステップS9で取得した測光結果に基づいて、動画撮影時に補助光としてLED325を点灯させるか否かを判別する。LED325を点灯させる場合はステップS203へ進み、LED325を点灯させない場合はステップS204へ進む。
【0099】
S203では、LED325の点灯制御を行う。このとき、LED325の発光量は予め決められた所定の発光量でもよいし、ステップS9で取得した測光結果に基づいて設定された発光量でもよい。点灯状態であれば、そのままステップS205へ進む。
【0100】
ステップS204では、LED325が点灯状態であれば消灯させる。ここでは、必要光量の電流に相当するストロボマイコン310内のD/Aコンバータのリファレンス出力電圧VREF(LED)を0Vに設定する。消灯状態であれば、そのままステップS205へ進む。
【0101】
ステップS205では、静止画撮影用の図示しない撮影開始のスイッチであるSW2がONされたか否かを判定し、ONであればステップS206へ進み動画撮影を中断し、OFFであればステップS214へ進み動画撮影を継続させる。このとき、本実施例では、アップしている主ミラー104をダウンさせずにアップ状態を維持させる場合について説明するが主ミラー104をダウンさせてもよい。また、開放状態のシャッター103を閉じることなく静止画撮影に移行する場合を説明するが、一旦シャッター103を遮光状態にしてから静止画撮影を行ってもよい。
【0102】
また、ステップS206では、動画撮影中にSW2がONされ動画撮影を中断したことを示す動画撮影中断情報をカメラマイコン101内のRAMに記憶させる。
【0103】
ステップS207では、動画撮影中の補助光としてLED325を点灯させていたか否かを判定し、点灯状態であったならばステップS208へ進み、消灯状態であったならばステップS209へ進む。
【0104】
ステップS208では、LED325が点灯状態であることを示すLED_ON情報をカメラマイコン101内のRAMに記憶させ、ステップS210へ進む。ステップS208では、LEDが消灯状態であることを示すLED_OFF情報をカメラマイコン101内のRAMに記憶させ、ステップS210へ進む。
【0105】
ステップS210では、ストロボ装置300の放電管307を発光させて静止画撮影を行うか否かを判別する。放電管307を発光させる場合はステップS211へ進み、発光させない場合は図11のステップS13へ進む。
【0106】
ステップS211では、カメラマイコン101はストロボマイコン310と通信ラインSCを介して通信を行い、静止画撮影前のLED325の状態を示す情報であるLED_ON情報やLED_OFF情報などをストロボマイコン310に出力する。
【0107】
ステップS212では、動画撮影が終了したか否かを判定する。終了していればステップS213へ進み、終了していなければステップS202へ進む。ステップS213では、動画撮影の完了処理を行う。
【0108】
続いて、ストロボ装置300内のストロボマイコン310での具体的な動作(ストロボ制御動作)について、図13のフローチャートと図6の充電回路の動作タイミングを用いて説明する。
【0109】
不図示の電源スイッチがオンされてストロボマイコン310が動作可能となると、ストロボマイコン310はステップS101より所定の動作を開始する。
【0110】
ステップS101では、ストロボマイコン310自身のメモリやポートの初期化を行う。また入力部320より入力された各種スイッチの状態や予め設定された入力情報を読み込み、ストロボ撮影モードや発光量等の設定を行う。カメラマイコン101よりストロボマイコン310と通信ラインSCを介して通信があったときは、カメラマイコン101からの情報を取得する。また、この取得した情報はストロボマイコン310内の図示しないRAMに記憶させる。
【0111】
ステップS102では、動画撮影中にLED325を点灯させるか否かに応じてストロボ充電電流を変更する充電電流判別を行う。充電電流判別は、図12のステップS208、S209で記憶したLED_ON情報あるいはLED_OFF情報に基づいて行い、LED_OFF情報が記憶されていればステップS103へ進み、LED_ON情報が記憶されていればステップS104へ進む。
【0112】
ステップS103では、充電電流の制限を行わないように、図6の[7]に示すように電池電圧の下限をVth0(V)=0にする。Vth0(V)=0にすることで、充電電流が制限されずにa1(A)まで電流が流れる。すなわち、動画撮影中にLED325が消灯している場合には、主コンデンサ417の充電電流に上限を設けないようにする。
【0113】
ステップS104では、充電電流の上限がa2(A)になるように充電電流の上限レベルを設定し、図6の[7]に示すように電池電圧の下限をVth1(V)にする。ここでは、VREF(PWR)端子出力をVth0(V)とすることで充電電流の上限をa1(A)とし、VREF(PWR)端子出力をVth1(V)とすることで上限をa2(A)としているが、充電電流の上限を更に細かく設定できるようにしてもよい。また、充電電流の上限電流a2(A)は、充電電流の最大値(ここではa1(A))からLED325の消費電流(iLED(LED))を除いた電流とする。
【0114】
ステップS105では、充電回路302の充電動作を開始させて発光の準備を行う。そして、ステップS106にて、カメラマイコン101から通信ラインSCを介してレンズの焦点距離情報を取得する。そして、カメラマイコン101から送信されたレンズの焦点距離情報を自身のメモリ内に記憶(格納)する。また、これ以前にレンズの焦点距離情報を自身のRAMに記憶していたならば、記憶内容を更新する。ステップS107では、自身のRAMに記憶されているレンズの焦点距離情報を表示部321に表示する。
【0115】
ステップS108では、ステップS106にて取得したレンズの焦点距離情報に基づいて照射角を演算し、演算された照射角になるようにエンコーダ314を介してストロボマイコン310の位置信号端子に移動情報を与える。そして、ストロボマイコン310の位置信号端子にて必要な駆動量分だけズーム駆動部313内のモータを動作させ、エンコーダ314の位置信号により所定の位置へ動作させる。
【0116】
ステップS109では、主コンデンサ417の充電電圧が放電管307の発光に必要な電圧レベルにまで達した(充電完了)か否かを判定し、放電管307の発光に必要な電圧レベルにまで達していると判定した場合にはステップS110に進む。ステップS109にて放電管307の発光に必要な電圧レベルにまで達していないと判定した場合には、必要な電圧レベルに達するまでステップS109を繰り返す。
【0117】
ここで、充電動作の詳細な説明を図4と図6とを用いて行う。図6の[2]CHG_ONで示すように、充電動作を行う前は、ストロボマイコン310のCHG_ON端子はHiレベルでPNPトランジスタ403はオフであるため、AND回路407の入力IN2とAND回路408の入力IN2がLoレベルとなる。AND回路407とAND回路408の出力OUTが共にLoレベルのため発振FET411、発振FET412がともにオフとなるため充電動作は行なわれない。
【0118】
充電動作を開始させる時、ストロボマイコン310のCHG_ON端子をHiレベルからLoレベルに下げる。CHG_ON端子をHiレベルからLoレベルに下げると、抵抗401でプルアップされていたPNPトランジスタ403のベースが抵抗402を介してLoレベルに引き下げられ、PNPトランジスタ403がオンする。
【0119】
そして、定電圧回路322の出力電圧V1が抵抗404を介してAND回路407の入力IN2とAND回路408の入力IN2に入力されることで、AND回路407の入力IN2とAND回路408の入力IN2がHiレベルとなる。
【0120】
また、図6の[4]408OUTに示すようにストロボマイコン310のCHG_CLK端子からのパルスにより、AND回路408の入力IN1にHiレベルとLoレベルとが交互に入力される。そして、AND回路408の出力OUTはCHG_CLK端子からのパルスと同期した信号が出力される。
【0121】
同様に、図6の[5]407OUTに示すようにCHG_CLK端子からのパルスはNOT回路406により反転出力され、AND回路407の入力IN1には反転されたパルスが入力される。そのため、AND回路407の出力OUTはAND回路408の出力OUTとはHiレベルとLoレベルが反転した信号が出力される。
【0122】
AND回路408の出力OUTがHiレベルになると、抵抗409を介して発振FET411がオンして電池301の正極から発振トランス415の一次巻線の415bから415aを介して発振FET411のドレイン−ソース間を流れる。
【0123】
一次巻線発振トランス415の一次巻線の415bから415aに電流が流れることより二次巻線415eから415fに誘導電流が流れる。そして、ブリッジダイオード416の416iを介して主コンデンサ417の正極、負極、ブリッジダイオード416の416j、二次巻線415eのループで主コンデンサ417の充電が行われる。
【0124】
AND回路408の出力OUTがLoレベルになると、抵抗409を介して発振FET411がオフして電池301の正極から発振トランス415の一次巻線の415bから415aを介して発振FET411はオフし、主コンデンサ417の充電は停止する。そして、AND回路408の動作と反転してAND回路407の動作が行なわれてプッシュプル動作となる。
【0125】
AND回路407の出力OUTがHiレベルになると、抵抗412を介して発振FET414がオンして電池301の正極から発振トランス415の一次巻線の415cから415dを介して発振FET414のドレイン−ソース間を流れる。
【0126】
一次巻線発振トランス415の一次巻線の415cから415dに電流が流れることより二次巻線415fから415eに誘導電流が流れる。そして、ブリッジダイオード416の416gを介して主コンデンサ417の正極、負極、ブリッジダイオード416の416h、二次巻線415fのループで主コンデンサ417の充電が行われる。
【0127】
AND回路407の出力OUTがLoレベルになると、抵抗411を介して発振FET414がオフして電池301の正極から発振トランス415の一次巻線の415cから415dを介して発振FET414はオフし、主コンデンサ417の充電は停止する。
【0128】
このようにして主コンデンサ417の充電が行われるが、このとき充電電流に電流制限がないと発振FET411、発振FET414より電池301がほぼショート状態になるため大電流が流れるとともに電池電圧が低下する。
【0129】
そこで、図6の[6]電池電流に示すようにLED制御回路324の消費電流iLED(LED)に相当する電流を確保できるように、充電電流の上限値をa2(A)とする。そして、上限値a2(A)に相当する電圧レベルを算出してVth1としてストロボマイコン310のD/A変換端子のVREF(PWR)端子に設定する。
【0130】
次に、充電電流制限回路2000の電流制限動作に関して説明する。
コンパレータ2003は、電池301の電圧を分圧した電圧とストロボマイコン310のD/A変換端子のVREF(PWR)端子で設定した電圧(Vth1)を比較する。そして、電池301の電圧を分圧した電圧が設定電圧(Vth1)以下の場合はコンパレータ2003の出力をLoに引き下げ、設定電圧(Vth1)を超える場合はLoを解除する。このようにして、電池301の電圧が低下している間、充電回路302−1のAND回路407の入力IN2とAND回路408の入力IN2がLoになるためAND回路407、AND回路408の出力OUTはLo出力となる。
【0131】
そのため、発振FET411、発振FET414がオン状態でも強制的に発振を停止させるので充電電流が低下し、充電電流が上限値を上回らないようにできる。図13のフローチャートに戻る。ステップS110では、充電完了信号を出力して発光準備ができたことを通信ラインSCを介してカメラマイコン101に知らせる。
【0132】
そして、次のステップS111にて、カメラマイコン101より発光開始信号が出力されたかどうかを判別し、発光開始信号が出力されていなければS102に戻り、上記したステップを繰り返す。一方、発光開始信号が出力されていればステップS112へ進む。
【0133】
S112へ進むと、ストロボマイコン310の発光制御端子よりANDゲート311を介して発光制御回路308にトリガー信号を与えて放電管307の発光を開始させる。
【0134】
ここで、発光動作の詳細な説明を図4と図6を用いて行う。
充電回路302−1により主コンデンサ417に充電を行うと抵抗501を介してトリガーコンデンサ502に電荷が蓄積される。発光時はストロボマイコン310のTRG端子より矩形波のトリガー信号が出力される。
【0135】
これにより抵抗601を介して発光用IGBT603がオンする。また、ストロボマイコン310のSTP端子よりHiレベルが出力される。これにより抵抗604を介して発光停止用IGBT606がオンする。以上のようにして、放電管307の両端と主コンデンサ417の両端が接続される。
【0136】
発光用IGBT603がオンするとトリガーコンデンサ502が放電してトリガートランス503の一次側にパルス信号が発生する。すると、トリガートランス503の二次側に数kVの高電圧が発生して放電管307にトリガーがかかり主コンデンサ417に蓄積された電荷が放電し発光する。
【0137】
図13のフローチャートに戻る。ステップS113では、放電管307の発光量がカメラマイコン101より通信ラインSCを介してストロボマイコン310に本発光量演算値で決められた光量に相当する発光量に到達したか否かを判定する。あるいは、予め決められたプリ発光量に相当する発光量に到達したか否かを判定する。
【0138】
ステップS113で到達していないと判定された場合は発光を継続させ、到達したと判定された場合はステップS114へ進む。このとき、カメラマイコン101から出力された発光開始信号がプリ発光開始信号か本発光開始信号かに応じて判別に用いる光量レベルを変更させる。
【0139】
ステップS114では、ANDゲート311より発光停止信号を出力し発光制御回路308により放電管307の発光が停止される。図4での発光停止動作は、適正光量に達したときストロボマイコン310のSTP端子よりLoレベルが出力され、抵抗604を介して発光停止用IGBT606がオフする。それにより放電管307の発光は停止する。
この後ステップS102へ戻り、上記のステップを繰り返す。
【0140】
なお、動画撮影中に必要となる補助光の光量が少なく補助光消費電流(iLED(LED))が少なくなるほど、充電電流が多くなるようにしてもよい。例えば、ステップS102の充電電流判別処理において、ストロボマイコン310のD/AコンバータによりVREF(PWR)端子出力をVth1(V)より大きいVth2(V)に設定可能にすることで、充電電流の上限をa2(A)よりも少なくことができる。このように、必要となる補助光の光量に応じて充電電流の上限値をより細かく切換えるようにしてもよい。
【0141】
以上のように、動画撮影の補助光としてLEDを点灯している際に主コンデンサ417の充電動作を行う場合であっても、充電電流の上限を制限することで補助光消費電流(iLED(LED))を確保することができる。そのため、充電動作中でもLED325の輝度にばらつきが生じることがなく、明るさにムラが生じない良好な動画像が得ることができる。
【実施例2】
【0142】
以下、図5及び図8を参照して、本発明の第2の実施例による充電回路302の動作について説明する。実施例2は、実施例1と充電回路の構成が異なっており、図4の充電回路302−1の充電方式をフォワード方式から充電回路302−2のフライバック方式に変えた構成である。また、実施例1とは、図13のステップS103、S104の充電動作について電流制限の方法が後述のように異なっている。
【0143】
図8を用いて実施例2における放電管307の発行を伴う静止画撮影とそれに続く充電動作及び動画撮影時の補助光動作について説明する。なお、図8の(a)ないし(g)は図2の(a)ないし(g)とそれぞれ対応しているため、詳細な説明は省略する。
【0144】
本実施例では、図8(g−2)のように後述のストロボ装置300の充電回路302−2により充電立ち上がり時の充電電流を制限することでLED電流を安定させる。
【0145】
図5は第1の実施例で説明した図4の充電回路302−1の充電方式をフォワード方式から充電回路302−2のフライバック方式に変えた例であり、フライバック方式を用いることで図8(g−2)に示したような充電電流の制限を行うことができる。
【0146】
フライバック方式の充電回路302−2の構成について以下に述べる。
701は電源コンデンサで一端は電池301の正極に接続され、他端は電池301の負極(GND)に接続されている。702は電池301の充電電流(後述の発振トランス705の一次電流)を検出する充電電流検出回路で、ストロボマイコン310のA/Dコンバータ端子のP_IN端子と後述の発振トランス705に接続されている。なお、充電電流検出回路で電流を検出する代わりに抵抗を用いて電圧を検出することで充電電流を判断するようにしてもよい。
【0147】
704は充電回路302−2の1次側のスイッチ素子である発振FETであり、この発振FET704のスイッチ動作で電池301の充電電流が制御される。発振FET704のゲートは、ストロボマイコン310ののCHG_CLK端子及び抵抗703に接続されており、ソースは抵抗703と電池301の負極に接続されており、ドレインは発振トランス705の一次側のb端子に接続されている。
【0148】
703は抵抗で発振FET704のゲートとソース間に接続され、一端は電池301の負極に接続され、他端は発振FET704のゲートとストロボマイコン310ののCHG_CLK端子に接続されている。
【0149】
705は電池301の電圧を昇圧して、主コンデンサ417に電荷を供給する発振トランスである。発振トランス705の705a端子は充電電流検出回路702に接続されており、705b端子は発振FET704のドレインに接続されている。発振トランス705の705c端子は後述のダイオード707のカソードに接続されており、705d端子は後述のダイオード706のアノードに接続されている。
【0150】
706はダイオードで整流ダイオードである。そのアノードは発振トランス705の705d端子にカソードは主コンデンサ417の正極に接続される。707はダイオードでそのカソードは発振トランス705の705c端子に接続されており、そのアノードは後述の抵抗708及びNPNトランジスタ709のエミッタに接続されている。
【0151】
708は抵抗であり、その一端はダイオード707のアノードに接続され、他端は電池301の負極に接続されている。709は発振トランス705の2次電流検出用のNPNトランジスタであり、エミッタはダイオード707のアノード及び抵抗708に接続され、ベースは抵抗708及び電池301の負極に接続され、コレクタは抵抗710及び抵抗711に接続されている。710は抵抗で、その一端は定電圧回路322の出力V1に接続されており、他端は後述の抵抗711に接続されている。711は抵抗であり、その一端は抵抗710に接続されており、他端はストロボマイコン310のS_IN端子に接続されている。
【0152】
ストロボマイコン310のS_IN端子は入力端子であり、NPNトランジスタ709がオンされたときに電圧が定電圧回路322の出力信号レベルのHiレベルからLoレベルに下がったことを検出する。
【0153】
このときの充電回路302−2の動作について図5、図7、図8で説明する。ここで、図7(a)は駆動パルス幅をX1とした時の駆動シーケンスである。このパルス幅は充電時間が最短になるように設定された時間である。
【0154】
図7(a)の[1]CHG_CLKに示すように、ストロボマイコン310のCHG_CLK端子から発振FET704のゲートにパルス幅X1のパルス信号が出力される。これにより、発振FET704がオンされ、電池301の正極から充電電流検出回路702を介して発振トランス705のa端子−b端子、発振FET704のドレイン−ソースを介して電流が流れる。
【0155】
このとき発振トランス705の1次側の流れる電流(以下、1次電流とする)は、パルス幅X1と電池301の電源電圧によって決まり、図7(a)[2]1次電流に示すように、1次電流は最大でa1(A)流れる。なお、このときの電流値は発振トランス705が磁気飽和しない値に設定されている。
【0156】
CHG_CLK端子からのパルス信号がLoレベルになり発振FET704がオフされると、オン時に発振トランス705に蓄えられたエネルギーが放出されるために発振トランス705のc端子からd端子に電流が流れる。 このときの電流は、発振トランス705のd端子−ダイオード706のアノード−カソード、主コンデンサ417の正極、負極、抵抗708、ダイオード707のアノード−カソード、発振トランス705のc端子の電流ループとなる。
【0157】
発振トランス705の2次側の流れる電流(以下、2次電流とする)は、図7(a)の[3]2次電流に示すように、CHG_CLK端子からのパルス信号がLoレベルになった直後に最大のb1(mA)となりそこから徐々に下がっていく。
【0158】
2次電流が生じると、抵抗708に電流が流れて電圧が発生し、NPNトランジスタ709がオンする。このため、定電圧回路322の出力は抵抗710を介してNPNトランジスタ709のコレクタ−エミッタに電流が流れるため、ストロボマイコン310のS_IN端子はLoレベルになる。
【0159】
発振トランス705のエネルギーが放出され、2次電流が下がると抵抗708に電流が流れなくなりNPNトランジスタ709がオフする。このため、ストロボマイコン310のS_IN端子はHiレベルになる。ストロボマイコン310のS_IN端子がLoレベルからHiレベルに変わると、次の駆動パルスを出力する。
【0160】
静止画撮影後にLED325を点灯させた動画撮影を再開させる場合、LED325の点灯中にストロボ充電動作が重畳される。ストロボ充電動作が重畳されることで、LED制御回路324とLED325に供給されるLED電流は不安定になり、LED325の発光に揺らぎが生じる。そこで、LED325の発光に揺らぎが生じないように、以下のようにして、LED325の点灯に重畳させてストロボ充電動作を行う場合に、LED325の点灯に重畳させずにストロボ充電を行う場合よりも充電電流を小さくする。
【0161】
図7(b)は駆動パルス幅をX2とした時の駆動シーケンスである。
このパルス幅は補助光消費電流(iLED(LED))が確保できるように電池301の一次電流の上限を制限するために設定された時間である。ここでは充電電流の上限値をa1(A)より低いa2(A)に変更している。
【0162】
図7(b)の[1]CHG_CLKに示すように、ストロボマイコン310のCHG_CLK端子から発振FET704のゲートにパルス幅X2のパルス信号が出力される。これにより、発振FET704がオンされ、電池301の正極から充電電流検出回路702を介して発振トランス705のa端子−b端子、発振FET704のドレイン−ソースを介して電流が流れる。
【0163】
このとき発振トランス705の1次電流はパルス幅X2と電池301の電源電圧によって決まり、図7(b)[2]1次電流に示すように、1次電流は最大でa2A(アンペア)流れる。なお、このときの電流値は発振トランス705が磁気飽和しない値に設定されている。
【0164】
CHG_CLK端子からのパルス信号がLoレベルになり発振FET704がオフされると、オン時に発振トランス705に蓄えられたエネルギーが放出されるために発振トランス705のc端子からd端子に電流が流れる。
【0165】
このときの電流は、発振トランス705のd端子−ダイオード706のアノード−カソード、主コンデンサ417の正極、負極、抵抗708、ダイオード707のアノード−カソード、発振トランス705のc端子の電流ループとなる。
【0166】
発振トランス705の2次電流は、図7(b)の[3]2次電流に示すように、CHG_CLK端子からのパルス信号がLoレベルになった直後に最大のb2(mA)となりそこから徐々に下がっていく。
【0167】
2次電流が生じると、抵抗708に電流が流れて電圧が発生し、NPNトランジスタ709がオンする。このため、定電圧回路322の出力は抵抗710を介してNPNトランジスタ709のコレクタ−エミッタに電流が流れるため、ストロボマイコン310のS_IN端子はLoレベルになる。
【0168】
発振トランス705のエネルギーが放出され、2次電流が下がると抵抗708に電流が流れなくなりNPNトランジスタ709がオフする。このため、ストロボマイコン310のS_IN端子はHiレベルになる。ストロボマイコン310のS_IN端子がLoレベルからHiレベルに変わると、次の駆動パルスを出力する。
【0169】
以上のように、ストロボマイコン310のCHG_CLK端子出力の駆動パルス幅を、図13のステップS103へ進んだ場合はX1に設定し、ステップS104へ進んだ場合はX2に設定することで、充電電流の上限値を切換えている。
【0170】
本実施例では、ストロボマイコン310のCHG_CLK端子出力の駆動パルス幅をX1とX2とで切換えたが、必要となる補助光の光量に応じて駆動パルス幅をより細かく切換えるようにしてもよい。例えば、動画撮影中に必要となる補助光の光量が少なく補助光消費電流(iLED(LED))が少なくなるほどストロボ充電電流が多くなるように、駆動パルス幅をX1を超えない範囲で長くしてもよい。
【0171】
以上のように、動画撮影の補助光としてLED325を点灯している際に主コンデンサ417の充電動作を行う場合であっても、充電電流の上限を制限することで補助光消費電流(iLED(LED))を確保することができる。そのため、充電動作中でもLED325の輝度にばらつきが生じることがなく、明るさにムラが生じない良好な動画像が得ることができる。
【実施例3】
【0172】
以下、図9を参照して、本発明の第3の実施例における放電管307の発光を伴う静止画撮影とそれに続く充電動作及び動画撮影時の補助光動作について説明する。なお、図9の(a)ないし(g)は図2の(a)ないし(g)とそれぞれ対応しているが、動画撮影を再開するタイミング及びLED325を再点灯させるタイミングが異なっている。すなわち、本実施例は、静止画撮影後に充電動作を開始して、充電動作における充電電流が所定値以下になってからLED325の再点灯を開始させる点で実施例1と異なっている。
【0173】
充電電流は充電動作の開始後に図9(g)に示すように急峻に立ち上がる。そこで、静止画撮影後にLED325を点灯させた動画撮影を再開させる場合、充電電流がストロボ充電の最大電流(a1(A))から補助光消費電流(iLED(LED))を除いた電流(a2(A))以下になるまで待機してから動画撮影を再開させる。
【0174】
動画撮影を再開させるタイミングについて、図14のストロボマイコン310の動作フロ−チャートを用いて説明する。なお、ステップS308以降のステップは図13のステップS109以降のステップと同様の処理を行うため説明は省略する。
【0175】
ステップS301では、ストロボマイコン310自身のメモリやポートの初期化を行ったあと、ステップS302で充電回路302の充電動作を開始させる。
【0176】
ステップS303では、カメラマイコン101から通信ラインSCを介して取得したレンズの焦点距離情報を記憶(格納)し、ステップS304では、自身のメモリ内に記憶されたレンズの焦点距離情報を表示部321に表示する。
【0177】
ステップS305では、ステップS303にて取得したレンズの焦点距離情報に基づいて照射角を演算し、演算された照射角になるようにエンコーダ314を介してストロボマイコン310の位置信号端子に移動情報を与える。
【0178】
次に、ステップS306で、充電動作における充電電流が所定値以下(ここではa2(A))になったか否かを判定する。なお、充電電流の値は上述した充電電流検出回路702を用いて検出し、充電電流検出回路702の出力に基づいてストロボマイコン310により充電電流が所定値以下であるか否かを判定する。充電電流が所定値以下である場合にはステップS307へ進み、補助光消費電流(iLED(LED))を確保することができるため、動画撮影時に補助光を点灯できることを示す補助光点灯許可信号を通信ラインSCを介してカメラマイコン101に知らせる。カメラマイコン101はこの補助光点灯許可信号を受けて動画撮影を再開させ、ストロボマイコン310は、動画撮影の再開に合わせてLED325の点灯を開始させる。すなわち、ストロボマイコン310は、充電電流が所定値を超えているときはLED325の発光を禁止し、所定値を超えていないときはLED325の発光を許可する。
【0179】
また、カメラマイコン101は、静止画撮影後すぐに動画撮影を再開するのではなく、図11のステップS29においてストロボマイコン310から補助光発光許可信号が出力されるまで動画撮影を再開させない。
【0180】
このように、充電動作により補助光消費電流(iLED(LED))が確保できない状態(充電電流が所定値を上回っている状態)のときはLED325を点灯させないので、LED325の発光に揺らぎが生じないようにすることができる。したがって、明るさにムラが生じない良好な動画像が得ることができる。
【0181】
なお、上述の3つの実施例では、静止画撮影用の照明(放電管)と動画撮影用の照明(LED)とを有するストロボ装置300がカメラ本体100に装着されたカメラシステムを説明したが、静止画撮影用の照明と動画撮影用の照明とを内蔵したカメラでも構わない。その場合、ストロボマイコン310が行っていた処理をカメラマイコン101が行うようにすればよい。また、上述した3つの実施例でカメラマイコン101が行う処理の少なくとも一部をストロボマイコン310が行ってもよく、逆に、ストロボマイコン310が行う処理の少なくとも一部をカメラマイコン101が行ってもよい。
【符号の説明】
【0182】
100 カメラ
101 カメラマイコン
300 ストロボ装置
302 充電回路
306 トリガー回路
307 放電管
310 ストロボマイコン
324 LED制御回路
325 LED
【技術分野】
【0001】
本発明は、閃光発光と継続発光とが可能な発光装置に関し、特に閃光発光を行うための充電動作時の制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラ等の撮像装置には、被写体輝度が低い場合に発光装置による補助光を被写体に照射して撮影を行うものがある。このような発光装置では、補助光を照射する光源としてキセノン管やLEDなどが用いられている。
【0003】
特許文献1では、照明手段として、通常撮影用のキセノン管と接写撮影用のLEDとを備えた、閃光発光装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−206942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の閃光発光装置では、動画撮影用の補助光としてLEDを点灯する場合に以下のような課題が生じる。動画撮影用のLEDを点灯中にキセノン管を発光させるための主コンデンサに充電を行うと、主コンデンサとLEDが電源を共用しているためLEDに供給される電流が低下する。そのため、LEDの輝度にばらつきができてしまい、明るさにムラが生じ好適な動画像が得られなくなってしまう。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、動画撮影に用いる補助光の輝度のばらつきを抑えた充電動作を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願発明にかかる発光装置は、同一の電源を用いて、閃光発光を行う第1の発光手段及び継続発光を行う第2の発光手段を発光させる発光装置であって、前記電源を用いて前記第1の発光手段を発光させるための電荷を蓄積するコンデンサと、前記第2の発光手段の発光動作、あるいは、前記コンデンサに電荷を蓄積させる充電動作を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記第2の発光手段を発光させているときの前記充電動作における充電電流の最大値が、前記第2の発光手段を発光させていないときの前記充電電流の最大値よりも小さくなるように制御することを特徴とする。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本願発明にかかる撮像装置は、同一の電源を用いて、閃光発光を行う第1の発光手段及び継続発光を行う第2の発光手段を発光させる発光装置を備えた撮像装置であって、前記電源を用いて前記第1の発光手段を発光させるための電荷を蓄積するコンデンサと、前記第2の発光手段の発光動作、あるいは、前記コンデンサに電荷を蓄積させる充電動作を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記第2の発光手段を発光させているときの前記充電動作における充電電流の最大値が、前記第2の発光手段を発光させていないときの前記充電電流の最大値よりも小さくなるように制御することを特徴とする。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本願発明にかかるカメラシステムは、同一の電源を用いて、閃光発光を行う第1の発光手段及び継続発光を行う第2の発光手段を発光させる発光装置と、当該発光装置を発光させて撮影を行う撮像装置とを含むカメラシステムであって、前記電源を用いて前記第1の発光手段を発光させるための電荷を蓄積するコンデンサと、前記第2の発光手段の発光動作、あるいは、前記コンデンサに電荷を蓄積させる充電動作を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記第2の発光手段を発光させているときの前記充電動作における充電電流の最大値が、前記第2の発光手段を発光させていないときの前記充電電流の最大値よりも小さくなるように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、動画撮影に用いる補助光の輝度のばらつきを抑えた充電動作を行うことで、明るさにムラが生じない好適な動画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例に係るカメラシステムの構成を示すブロック図
【図2】実施例1のカメラシステムにおける動作タイミング図
【図3】本発明の実施例に係るカメラシステムにおける補助発光部の電気回路図
【図4】実施例1のカメラシステムにおける充電回路の電気回路図
【図5】実施例2のカメラシステムにおける充電回路の電気回路図
【図6】実施例1のカメラシステムにおける充電回路の動作タイミング図
【図7】実施例2のカメラシステムにおける充電回路の動作タイミング図
【図8】実施例2のカメラシステムにおける動作タイミング図
【図9】実施例3のカメラシステムにおける動作タイミング図
【図10】本発明の実施例に係るカメラシステムにおける撮影時のフローチャート図
【図11】本発明の実施例に係るカメラシステムにおける撮影時のフローチャート図
【図12】本発明の実施例に係るカメラシステムにおける動画撮影時処理のフローチャート図
【図13】実施例1のカメラシステムにおける充電動作のフローチャート図
【図14】実施例1のカメラシステムにおける充電動作のフローチャート図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は本発明の実施例1に係るカメラシステム(撮像装置、レンズユニット、発光装置から成る)の構成を示すブロック図である。100は撮像装置であるデジタルカメラのカメラ本体を、200はレンズユニットを、300は発光装置であるストロボ装置を、それぞれ示している。
【0014】
まず、カメラ本体100内の構成について説明する。101はカメラ本体100の各部を制御するマイクロコンピュータCCPU(以下、カメラマイコン)である。102は赤外カットフィルタやローパスフィルタ等を含むCCD,CMOS等の撮像素子であり、後述のレンズ群202によって撮影時に被写体の像が結像される。103はシャッターであり、非撮影時には閉じて撮像素子102を遮光し、撮影時には開いて撮像素子102へ光線を導く。104は主ミラー(ハーフミラー)で非撮影時にレンズ群202より入射する光の一部を反射し105のピント板に結像させる。
【0015】
106は測光回路で、この回路内の測光センサーは撮像画面を複数の測光領域に分割しそれぞれの測光領域で測光を行う。107は焦点検出回路で、回路内の測距センサーは撮像画面に複数の測距ポイントが設けられており、測光センサーの測光領域に対応した位置に測距ポイントが設けられるよう構成されている。
【0016】
108は撮像素子102から出力される信号を増幅させるゲインを切換えするためのゲイン切換え回路であり、ゲインの切換えは撮影の条件や撮影者の入力等によりカメラマイコン101が切換えを行う。109は増幅された撮像素子102からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器で、110は撮像素子102の増幅された信号入力とA/D変換器109の変換タイミングを同期させるためのタイミングジェネレータ(TG)である。111はA/D変換器109でデジタル信号に変換された画像データをパラメータにしたがって画像処理を行うデジタル信号処理回路である。
【0017】
SCはカメラ本体100とレンズユニット200及びストロボ装置300とのインタフェースの信号ラインである。例えば、カメラマイコン101をホストとしてデータの交換やコマンドの伝達を相互に行う。これにより、ストロボ装置300への発光開始信号などの通信を可能にしている。同様に、SCは後述するレンズマイコン201とのインタフェースであり、レンズマイコン201からカメラマイコン101にデータを送信する端子を有し、カメラマイコン101とレンズマイコン201間で通信を可能にしている。
【0018】
112は各種情報を入力するための入力部で、撮像素子102のゲインの設定を入力することや、スイッチやボタンなどでカメラの設定などを入力することが可能である。113は各種設定されたモードやその他の撮影情報などを表示する、液晶装置や発光素子などからなる表示部である。
【0019】
114はペンタプリズムで、ピント板105の被写体像を測光回路106内の測光センサー及び不図示の光学ファインダーに導く。115はサブミラーで、レンズ群202より入射し主ミラー104を透過した光線を焦点検出回路107の測距センサーへ導く。
【0020】
次に、レンズユニット200内の構成と動作について説明する。
201はレンズユニット200の各部の動作を制御するマイクロコンピュータLPU(以下、レンズマイコン)である。202は複数枚で構成されたレンズ群である。203はレンズ群202の焦点位置合わせ用の光学系を移動させるレンズ駆動回路であり、レンズ群202の駆動量は、カメラ本体100内にある焦点検出回路107の出力に基づいてカメラマイコン101内にて算出される。204はレンズ群202の位置を検出するエンコーダである。算出された駆動量はカメラマイコン101からレンズマイコン201に通信され、エンコーダ204の駆動情報により駆動量分だけレンズマイコン201がレンズ駆動回路203を動作させ、レンズ群202を合焦位置へ移動させる。205は絞りで、206は絞り制御回路であり、絞り205は絞り制御回路206を介してレンズマイコン201により制御される。
【0021】
次に、ストロボ装置300の構成について説明する。
310はストロボ装置300の各部の動作を制御するマイクロコンピュータFPU(以下、ストロボマイコン)である。301はストロボの電源(VBAT)としての電池であり、後述の放電管307及びLED325を発光させるのに用いる同一の電源である。302は電池301の電圧を数百Vに昇圧させる充電回路で後述の主コンデンサに発光のためのエネルギーを蓄積させる。この充電動作により電源電圧が低下する。詳細は後述の図4で説明する。
【0022】
307は放電管であり、後述の主コンデンサに充電されたエネルギーをトリガー回路306から印加される数KVのパルス電圧を受け励起することで発光し、その光を被写体に照射する。308はトリガー回路306と共に放電管307の発光の開始を制御し、さらに発光の停止を制御する発光制御回路である。
【0023】
323は放電管307の発光量を受光するセンサーとしてのフォトダイオードであり、直接またはグラスファイバーなどを介して放電管307の光を受光する。309はフォトダイオード323の受光電流を積分する積分回路であり、その出力は312のコンパレータの反転入力端子とストロボマイコン310のA/Dコンバータ端子に入力される。コンパレータ312の非反転入力はストロボマイコン310内のD/Aコンバータ出力端子に接続され、コンパレータ312の出力は311のANDゲートの入力端子に接続される。ANDゲート311のもう一方の入力はストロボマイコン310の発光制御端子と接続され、ANDゲート311の出力は発光制御回路308に入力される。
【0024】
315は反射傘、316はパネル等から成りストロボ装置300の照射角を変更するズーム光学系である。ここで、反射傘315とズーム光学系316の距離を所定の位置に変更することにより、被写体への照射ガイドナンバー及び配光を変化させることが可能となる。
【0025】
313はモーター等から成るズーム光学系316を移動させるズーム駆動部であり、ズーム光学系316の駆動量はストロボマイコン310のズーム制御端子より信号を受け駆動される。このズーム駆動量はレンズマイコン201からカメラマイコン101を介して通信された焦点距離情報に応じてストロボマイコン310で演算される。
【0026】
314はズーム光学系316のズーム位置を検出するエンコーダ等の位置検出部であり、ストロボマイコン310の位置信号端子に移動情報を与え、ストロボマイコン310の位置信号端子にて必要な駆動量分だけズーム駆動部313内のモータを駆動させる。
【0027】
320は各種情報を入力するための入力部(入力インタフェース)であり、例えばストロボ装置300の側面などにスイッチが設置されており、手動によりズーム情報を入力することも可能である。321はストロボ装置300の各状態を表示する表示部である。
【0028】
322は定電圧回路で電池301から一定電圧の出力(例えばV1出力)を行う。324は、後述の補助発光部である動画撮影用のLED325の光量を制御するLED制御回路で、例えばストロボマイコン310の信号により、あらかじめ設定されたLEDの定電流でLEDを発光させる。
【0029】
LED325は、例えば白色の高輝度LEDなどの発光素子からなり、LED制御回路324の指示により照射する構成となっている。350はストロボ装置300の静止画撮影用の発光部である。
【0030】
次に、図3でLED325の光量を制御するLED制御回路324の説明を行う。1001はNPNトランジスタで、コレクタはLED325のカソードに接続され、ベースは後述の抵抗1002、エミッタは後述の抵抗1004に接続される。1003はオペアンプで非反転入力はストロボマイコン310内のD/Aコンバータのリファレンス出力(VREF(LED)に接続され、反転入力は後述の抵抗1004の一端に接続され抵抗1004の端子電圧を検出する。オペアンプ1003の出力は抵抗1002を介してNPNトランジスタ1001のベースに接続される。1004は抵抗で、一端をNPNトランジスタ1001のエミッタとオペアンプ1003の非反転入力に接続され、他端は電源(VBAT)301の負極に接続される。なお、LED325のアノードには電源(VBAT)301の正極が接続されている。
【0031】
次にLEDの点灯動作について説明する。ストロボマイコン310内のD/Aコンバータのリファレンス出力を0Vから設定された電圧VREF(LED)を出力する。このVREF(LED)に対して定電流iLED(LED)は、iLED(LED)=VREF(LED)/R0で示され、この定電流iLED(LED)がLED325に供給される。ここでR0は抵抗1004の抵抗値である。
【0032】
なお、この定電流iLED(LED)は前述のようにストロボマイコン310内のD/Aコンバータのリファレンス出力電圧VREF(LED)のレベルを変更することで、様々な値に変更することができる。
【0033】
このように、動画撮影時の被写体の輝度情報に応じて、ストロボマイコン310はリファレンス出力電圧VREF(LED)を変更させることでLED325に供給される定電流の切換えを行い、LED325の発光量を変えることができる。
【0034】
次に図4で充電回路302の制御回路の説明を行う。フォワード方式の充電回路302−1の構成について以下に述べる。401は抵抗で、一端は定電圧回路322のV1出力及び後述のPNPトランジスタ403のエミッタに接続され、他端はPNPトランジスタ403のベース及び抵抗402に接続される。402は抵抗で、一端はPNPトランジスタ403のベース及び抵抗401に接続され、他端はストロボマイコン310のCHG_ON端子に接続される。
【0035】
403はPNPトランジスタで、ベースに抵抗401及び抵抗402が接続され、エミッタに定電圧回路322及び抵抗401が接続され、コレクタに抵抗404が接続され、充電開始のスイッチとして機能する。ストロボマイコン310のCHG_ON端子がLoレベルになると充電が開始される。
【0036】
404は抵抗で、一端はPNPトランジスタ403のコレクタに接続され、他端は後述の抵抗405と後述のAND回路407の入力IN2とAND回路408の入力IN2に接続される。405は抵抗で、一端は抵抗404とAND回路407の入力IN2とAND回路408の入力IN2に接続され、他端は電池301の負極に接続される。
【0037】
406は論理回路でNOT回路であり、入力INはストロボマイコン310のCHG_CLK端子に接続され、出力OUTは後述の論理回路でAND回路407の入力IN1に接続される。CHG_CLK端子は公知の他励式プッシュプルのフォワード回路の基準クロック出力端子で一定の矩形波がストロボマイコン310より出力される。407は論理回路でAND回路であり、入力IN1はNOT回路の出力OUTと接続され、入力IN2は抵抗404と抵抗405に接続される。出力OUTは抵抗412に接続される。408は論理回路でAND回路であり、入力IN1はNOT回路の入力INとストロボマイコン310のCHG_CLK端子に接続され、入力IN2はAND回路407の入力IN2と抵抗404と抵抗405に接続される。出力OUTは抵抗412の一端に接続される。
【0038】
409は抵抗で、一端はAND回路408の出力OUTに接続され、他端は抵抗410と発振FET411のゲートに接続される。410は抵抗で、一端は抵抗409と発振FET411のゲートに接続され、他端は電池301の負極に接続される。
【0039】
411は発振FETで、充電動作を行うためのスイッチ素子であり、NチャネルFETで構成している。プッシュプル方式の2つある発振FETの一つである。ゲートは抵抗409と抵抗410に接続され、ソースは電池301の負極に接続される。ドレインは後述の発振トランス415の一次巻線の415aに接続される。
【0040】
412は抵抗で、一端はAND回路407の出力OUTに接続され、他端は抵抗413と発振FET414のゲートに接続される。413は抵抗で、一端は抵抗412と発振FET414のゲートに接続され、他端は電池301の負極に接続される。
【0041】
414は発振FETで充電動作をおこなうためのスイッチ素子であり、NチャネルFETで構成している。プッシュプル方式の2つある発振FETの一つである。ゲートは抵抗412と抵抗413に接続され、ソースは電池301の負極に接続される。ドレインは後述の発振トランス415の一次巻線の415cに接続される。
【0042】
415は発振トランスで、一次巻線は415aと415d間で415b、415cで分割されている。二次巻線は415eと415f間で構成されている。416はブリッジダイオードで416j、416g、416h、416iで構成されている。
【0043】
417は主コンデンサで、発光のためのエネルギーを蓄積させるコンデンサである。418は抵抗で、一端は主コンデンサ417の正極に接続される。他端は後述の抵抗419とストロボマイコン310のA/D変換端子のMC_V端子に接続される。419は抵抗で、一端は抵抗418とストロボマイコン310のA/D変換端子のMC_V端子に接続され、他端は主コンデンサ417の負極に接続される。
【0044】
このように主コンデンサ417に充電された電圧は電圧検出回路として機能する抵抗418、419により分圧され、分圧された電圧はストロボマイコン310のA/D変換端子に入力される。分圧された電圧は主コンデンサの電圧に比例しており、主コンデンサが発光に必要な電圧レベルを検出したら充電を停止する。
【0045】
充電回路302−1は上述した401から419の要素で構成される。この充電回路302−1の充電動作により電池301の電流が引かれ、電源電圧が急激に低下する。
【0046】
次に306のトリガー回路の構成を説明する。トリガー回路306は以下の501から503の要素で構成される。501は抵抗で、一端は主コンデンサ417の正極に接続され、他端は後述のトリガーコンデンサ502と後述のIGBT603のドレインに接続される。この抵抗501は、トリガーコンデンサに電流を流すための抵抗である。
【0047】
502はトリガーコンデンサで、一端は抵抗501とIGBT603のドレインに接続され、他端は後述のトリガートランス503の1次側巻線に接続される。このトリガーコンデンサ502は、トリガートランス503の一次側巻線に発光のためのパルスを発生させるものである。
【0048】
503はトリガートランスで、一次側巻線の一端はトリガーコンデンサ502に接続され、二次側巻線の一端は後述の放電管のトリガーに接続される。一次側巻線と二次側巻線の他端は主コンデンサ417の負極に接続される。
【0049】
307は放電管であり、主コンデンサ417に充電されたエネルギーをトリガー回路306から印加される数KVのパルス電圧を受け励起する事で発光し、その光を被写体に照射する。放電管307の陽極は主コンデンサ417の正極に接続され、陰極は後述のIGBT606のコレクタに接続される。308はトリガー回路306と共に放電管307の発光の開始を制御し、さらに発光の停止を制御する発光制御回路である。
【0050】
発光制御回路308は以下の601から606の要素で構成される。601は抵抗で、一端はストロボマイコン310のTRG端子に接続され、他端はIGBT603のゲートに接続される。602は抵抗で、一端は主コンデンサ417の負極に接続され、他端は後IGBT603のゲートに接続される。
【0051】
603は発光用のIGBTで、ゲートは抵抗601と抵抗602に接続され、ドレインは抵抗501に、ソースは主コンデンサ417の負極に接続される。
【0052】
604は抵抗で、一端はストロボマイコン310のSTP端子に接続され、他端は後IGBT606のゲートに接続される。605は抵抗で、一端は主コンデンサ417の負極に接続され、他端はIGBT606のゲートに接続される。
【0053】
606は発光停止用のIGBTで、ゲートは抵抗604と抵抗605に接続され、ドレインは放電管307の陰極に接続され、ソースは主コンデンサ417の負極に接続される。
【0054】
2000は充電電流制限回路で、電池301と充電回路302−1に接続される。充電電流制限回路2000は以下の2001から2003の要素で構成される。
【0055】
2001は抵抗で、一端は電池301の正極に接続され、他端は後述のコンパレータ2003の正極入力に接続される。2002は抵抗で、一端は後述のコンパレータ2003の正極入力に接続され、他端は電池301の負極に接続される。2003はコンパレータで、正極入力は抵抗2001と抵抗2002の分圧点に接続され、負極入力はストロボマイコン310のD/A変換端子のVREF(PWR)端子に接続される。出力は充電回路302−1のAND回路407の入力IN2とAND回路408の入力IN2に接続される。
【0056】
次に、図2を用いて放電管307の発光を伴う静止画撮影とそれに続く充電動作及び動画撮影時の補助光動作について説明する。 図2(a)は、カメラ本体100のカメラマイコン101で制御される撮影状態判別信号でLoレベルで動画撮影、Hiレベルで静止画撮影を示している。図2(b)は、補助発光手段であるLED制御回路324とLED325により消費されるストロボ装置300の電池301の電流を示している。図2(b)では、一例としてLED325が点灯すると300mA消費する場合を示している。図2(c)は、ストロボ装置300の電池301の電池電圧を示す。LED325が点灯すると電池電圧が下がり、例ではa(V)まで下がる。図2(d)は、カメラ本体100による静止画撮影のレリーズのタイミングを示す。図2(e)は、ストロボ装置300による放電管307の本発光(ストロボ発光)のタイミングを示す。図2(f)は、ストロボ装置300による放電管307の本発光後に主コンデンサ417の充電を行うための充電信号のタイミングを示す。図2(g)は、ストロボ装置300による主コンデンサ417の充電により消費される電池301の電流を示している。
【0057】
図2(a)で示すタイミングで静止画撮影が行なわれた場合、図2(d)のように静止画撮影のレリーズが行なわれ、図2(e)のように放電管307の本発光が行われて、図2(f)のように主コンデンサ417の充電が行なわれる。このとき主コンデンサ417の充電電流は図2(g)のように充電開始時に急峻に立ち上がる。
【0058】
静止画撮影後にLED325を点灯させた動画撮影を再開させる場合、LED325の点灯中に主コンデンサ417の充電動作が重畳される。ストロボ充電動作が重畳されることで、LED制御回路324とLED325に供給されるLED電流は図2(b)のように不安定になり、LED325の発光に揺らぎが生じる。
【0059】
そのため、本実施例では、図2(g−2)のようにストロボ装置300の充電回路302により充電立ち上がり時の充電電流を制限することでLED電流を安定させる。
【0060】
次に、静止画撮影時のカメラマイコン101の具体的な動作について、図10、図11のフローチャートを用いて説明する。
【0061】
不図示の電源スイッチがオンされてカメラ本体100のカメラマイコン101が動作可能となると、カメラマイコン101は、図10のステップS1から所定の動作を開始する。
【0062】
ステップS1では、カメラマイコン101自身のメモリやポートの初期化を行う。また入力部112より入力された各種スイッチの状態や予め設定された入力情報を読み込み、シャッタースピードの決め方や、絞りの決め方等様々な撮影モードの設定を行う。
【0063】
ステップS2では、図示しないシャッターボタンの半押し状態であるSW1がONか否かを判別し、OFFのときはステップS2を繰り返し、ONのときはステップS3に進む。
【0064】
ステップS3では、レンズユニット200内のレンズマイコン201と通信ラインSCを介して通信を行う。そして、レンズユニット200の焦点距離情報(以下、レンズの焦点距離情報)や測距、測光に必要な光学情報などのレンズ情報を取得する。
【0065】
ステップS4では、カメラ本体100にストロボ装置300が装着されているか否かを判定する。カメラ本体100にストロボ装置300が装着されているならばステップS5へ進み、未装着ならばステップS6へ進む。
【0066】
ステップS5では、カメラマイコン101はストロボマイコン310と通信ラインSCを介して通信を行い、ステップS3にて取得したレンズの焦点距離情報をストロボマイコン310に出力する。これにより、ストロボマイコン310は受信したレンズの焦点距離情報に基づいてズーム駆動部313を駆動し、エンコーダ314で位置を検出してストロボの照射角を制御する。
【0067】
ステップS6では、ステップS1にて設定されたカメラの撮影モードのうち、カメラが自動焦点検出動作を行うモード(AFモード)であるか、自動焦点検出動作を行わないモード(MFモード)であるかを判定する。ステップS6でAFモードであればステップS7に進み、MFモードであれば、ステップS9へ進む。
【0068】
ステップS7では、焦点検出回路107を駆動することにより周知の位相差検出法による焦点検出動作を行う。また、ステップS7では、複数の測距点からどの測距ポイントに焦点を合わせるかについては、入力部112により入力し設定されたポイントまたはカメラの撮影モードなどに応じて決定する。
【0069】
ステップS8では、ステップS7で決定された測距ポイントをカメラマイコン101内の図示しないRAM(ランダムアクセスメモリー)に記憶させる。さらに、ステップS8ではカメラマイコン101は焦点検出回路107の情報に基づきレンズ群202の駆動量を演算する。カメラマイコン101はレンズユニット200内のレンズマイコン201と通信ラインSCを介して通信を行い、前記演算結果に基づきレンズマイコン201はレンズ駆動回路203を制御してレンズ群202を合焦位置に駆動しステップS9へ進む。
【0070】
ステップS9では、撮影画面を6つの測光領域に分割して測光領域毎に被写体輝度値を測光回路106により取得する。その輝度値は、EVb(i)(i=0〜5)として、RAMに記憶させる。
【0071】
ステップS10では、入力部112より入力されたゲイン設定情報に基づくゲイン設定処理をゲイン切換え回路108により行う。入力部112より入力されたゲイン設定とは、例えばISO感度の設定である。また、ステップS10では、カメラマイコン101はストロボマイコン310と通信ラインSCを介して通信を行い、ゲイン設定情報をストロボマイコン310に出力する。
【0072】
ステップS11では、ステップS9での測光結果である、複数の測光領域の被写体輝度値EVbから静止画撮影時に放電管307を発光させる必要があるか否かを判断する。そして、放電管307の発光を伴う静止画撮影(発光撮影)に適したシャッタースピード(Tv)と絞り値(Av)、あるいは、放電管307を発光させない静止画撮影(非発光撮影)に適したシャッタースピード(Tv)と絞り値(Av)を決定する。
【0073】
ステップS12では、動画撮影を行う否かの判定を含む動画撮影時処理のサブルーチンを行いステップS13へ進む。動画撮影時処理のサブルーチンについての説明は、図12を用いて後述する。
【0074】
ステップS13では、図示しない撮影開始のスイッチであるSW2がONであるか否かを判定し、OFFであればステップS2に戻り、ONであれば図11に示したフローチャートにあるステップS14に進み一連のレリーズ動作を行う。レリーズ動作について図11のフローチャートを用いて説明する。
【0075】
ステップS14では、ストロボ装置300の放電管307を発光させて静止画撮影を行うか否かを判定する。放電管307を発光させる場合はステップS15へ進み、発光させない場合はステップS29へ進む。
【0076】
ステップS15では、主コンデンサ417の充電電圧が放電管307の発光に必要な電圧レベルにまで達したことを示す充電完了信号を、ストロボマイコン310から通信ラインSCを介して取得しているか否かを判定する。充電完了信号を取得している場合はステップS15へ進み、充電完了信号を取得していない場合は発光撮影ができないのでステップS29へ進む。
【0077】
ステップS16では、ストロボ装置300のプリ発光の直前に外光輝度を測光するために被写体輝度を測光回路106により取得する。6分割された測光領域の各輝度値は、EVa(i)(i=0〜5)として、図示しないRAMに記憶させる。
【0078】
ステップS17では、カメラマイコン101はストロボマイコン310に対してSCラインを介してプリ発開始信号を出力する。ストロボマイコン310はプリ発光開始信号に従って、発光制御回路308、トリガー回路306を制御して発光を行い被写体に照射するプリ発光動作を行う。
【0079】
ステップS18では、カメラマイコン101はプリ発光時の被写体輝度を測光回路106により取得する。6分割された測光領域の各輝度値は、EVf(i)(i=0〜5)として、RAMに記憶させる。
【0080】
ステップS19では、カメラマイコン101は露光動作に先立って主ミラー104をアップさせ、撮影光路内から退去させる。なお、直前まで動画撮影を行っていて主ミラーがアップしている状態であれば、このステップは省略すればよい。
【0081】
ステップS20では、下記の式1のようにステップS18で取得したプリ発光時の被写体輝度値EVfとS16で取得したプリ発光直前の被写体輝度値(外光輝度)EVaとの差分を取り、プリ発光の反射光成分のみの輝度値EVdf(i)を抽出する。プリ発光の反射光成分の抽出は6つの測光領域毎に行われる。
EVdf(i)←LN2(2^EVf(i)−2^EVa(i))(i=0〜5) (式1)
【0082】
ステップS21では、ストロボ装置300よりプリ発光時の発光量を表すガイドナンバー(Qpre)データを取得する。ここで、プリ発光のガイドナンバー(Qpre)は、主コンデンサ417のプリ発光直前の充電電圧やズーム位置により変化する。そのため、ストロボマイコン310がズーム位置に対応したガイドナンバーや主コンデンサ417の充電電圧などから補正し求めた値をカメラマイコン101は取得する。
【0083】
ステップS22では、測距ポイント(Focus.p)、焦点距離(f)、プリ発光のガイドナンバー(Qpre)およびバウンスフラグ(F_Bbounce)等から、放電管307を本発光させてどの測光領域の被写体を適正露出にするかを選択する。選択された測光領域をP(0〜5のうちのどれか)として、RAMに記憶させる。
【0084】
そして、下記の式2のようにして本発光量を演算する。露出値(EVs)と被写体輝度(EVb)と感度(ゲイン)とプリ発光反射光分のみの輝度値EVdf(p)とから、選択された測光領域(P)の被写体について、プリ発光量に対して適正となる本発光量の相対比(r)を求める。
r←LN2(2^EVs−2^EVb(p))−EVdf(p) (式2)
【0085】
ここで、露出値(EVs)から被写体輝度(EVb)の伸張したものの差分をとっているのは、ストロボ光を照射したときの露出が、外光分にストロボ光を加えて適正となるように制御するためである。さらに、下記の式3のようにシャッタースピード(TV)と、プリ発光の発光時間(t_pre)と、撮影者により入力部112により予め設定された補正係数(c)とを用いて相対比(r)を補正し、新たな相対比rを演算する。
r←r+TV−t_pre+c (式3)
【0086】
ここで、シャッタースピード(TV)とプリ発光の発光時間(t_pre)を用いて補正するのは、ストロボ回路内で、プリ発光の測光積分値(INTp)とメイン発光の測光積分値(INTm)とを正しく比較するためである。
【0087】
ステップS23では、カメラマイコン101はSCラインを介してストロボマイコン310へ本発光量を表す情報である本発光量情報としてプリ発光量に対する相対値(r)をストロボ装置300に送信する。
【0088】
ステップS24では、設定された絞り値(AV)になるようにレンズマイコン201に指示を行うとともに、シャッター制御回路を介してシャッター103の走行開始指示を行う。なお、直前まで動画撮影を行っていてシャッター103がすでに開放状態の場合には、開放状態を維持させておく。
【0089】
ステップS25では、本露光に同期してカメラマイコン101はSCラインを介してストロボマイコン310に本発光開始信号を与える。そして、ストロボマイコン310は、カメラから送られてきた相対値(r)に基づいて適正な発光量になるように放電管307の本発光制御を行う。
【0090】
発光撮影を行わない場合あるいは充電完了信号を取得していない場合に進むステップS30の処理ではステップS24と同様の処理を行い、ステップS31ではストロボ装置300を発光させずに本露光を行う。
【0091】
こうして一連の露光動作が終了すると、ステップS26では、静止画撮影を行うために動画撮影を中断したか否かを判定する。動画撮影を中断していた場合はステップS27へ進み、動画撮影を中断していない場合はステップS32へ進む。
【0092】
ステップS27では、撮像素子102からの出力をゲイン切換え回路108で設定されたゲインで増幅した信号をA/D変換器109でデジタル信号として変換する。デジタル信号に変換された画素データはホワイトバランスなど所定の現像処理を信号処理回路111で行う。なお、ステップS27では、中断時間をできるだけ少なくして動画撮影を再開させるため、上記の現像処理を主ミラー104をアップさせたままで行う。
【0093】
そして、S28では、現像処理された画像データを図示しないメモリに記憶してステップS29で動画撮影を再開させる。
【0094】
静止画撮影のために動画撮影を中断していない場合には、ステップS32で、撮影光路より退去させていた主ミラー104をダウンして再び撮影光路内に斜設させる。
【0095】
その後、ステップS33、ステップS34でステップS27、ステップS28と同様の処理を行い一連のレリーズ動作を終了する。
【0096】
続いて、図10に示したフローチャートにおけるステップS12の動画撮影時処理のサブルーチンについて図12を用いて説明する。
【0097】
ステップS201では、カメラ本体100の入力部112の内、動画撮影を開始させる動画撮影釦が押され動画撮影モードになっているかを判定する。動画撮影モードであれば動画撮影モードであることをカメラマイコン101内のRAMに記憶してステップS202へ進み、動画撮影モードでなければ図10のステップS13へ進む。なお、上述した動画撮影釦が押されて動画撮影モードになると、主ミラー104をアップさせるとともにシャッター103を開いて、動画撮影を開始させる。
【0098】
ステップS202では、図10のステップS9で取得した測光結果に基づいて、動画撮影時に補助光としてLED325を点灯させるか否かを判別する。LED325を点灯させる場合はステップS203へ進み、LED325を点灯させない場合はステップS204へ進む。
【0099】
S203では、LED325の点灯制御を行う。このとき、LED325の発光量は予め決められた所定の発光量でもよいし、ステップS9で取得した測光結果に基づいて設定された発光量でもよい。点灯状態であれば、そのままステップS205へ進む。
【0100】
ステップS204では、LED325が点灯状態であれば消灯させる。ここでは、必要光量の電流に相当するストロボマイコン310内のD/Aコンバータのリファレンス出力電圧VREF(LED)を0Vに設定する。消灯状態であれば、そのままステップS205へ進む。
【0101】
ステップS205では、静止画撮影用の図示しない撮影開始のスイッチであるSW2がONされたか否かを判定し、ONであればステップS206へ進み動画撮影を中断し、OFFであればステップS214へ進み動画撮影を継続させる。このとき、本実施例では、アップしている主ミラー104をダウンさせずにアップ状態を維持させる場合について説明するが主ミラー104をダウンさせてもよい。また、開放状態のシャッター103を閉じることなく静止画撮影に移行する場合を説明するが、一旦シャッター103を遮光状態にしてから静止画撮影を行ってもよい。
【0102】
また、ステップS206では、動画撮影中にSW2がONされ動画撮影を中断したことを示す動画撮影中断情報をカメラマイコン101内のRAMに記憶させる。
【0103】
ステップS207では、動画撮影中の補助光としてLED325を点灯させていたか否かを判定し、点灯状態であったならばステップS208へ進み、消灯状態であったならばステップS209へ進む。
【0104】
ステップS208では、LED325が点灯状態であることを示すLED_ON情報をカメラマイコン101内のRAMに記憶させ、ステップS210へ進む。ステップS208では、LEDが消灯状態であることを示すLED_OFF情報をカメラマイコン101内のRAMに記憶させ、ステップS210へ進む。
【0105】
ステップS210では、ストロボ装置300の放電管307を発光させて静止画撮影を行うか否かを判別する。放電管307を発光させる場合はステップS211へ進み、発光させない場合は図11のステップS13へ進む。
【0106】
ステップS211では、カメラマイコン101はストロボマイコン310と通信ラインSCを介して通信を行い、静止画撮影前のLED325の状態を示す情報であるLED_ON情報やLED_OFF情報などをストロボマイコン310に出力する。
【0107】
ステップS212では、動画撮影が終了したか否かを判定する。終了していればステップS213へ進み、終了していなければステップS202へ進む。ステップS213では、動画撮影の完了処理を行う。
【0108】
続いて、ストロボ装置300内のストロボマイコン310での具体的な動作(ストロボ制御動作)について、図13のフローチャートと図6の充電回路の動作タイミングを用いて説明する。
【0109】
不図示の電源スイッチがオンされてストロボマイコン310が動作可能となると、ストロボマイコン310はステップS101より所定の動作を開始する。
【0110】
ステップS101では、ストロボマイコン310自身のメモリやポートの初期化を行う。また入力部320より入力された各種スイッチの状態や予め設定された入力情報を読み込み、ストロボ撮影モードや発光量等の設定を行う。カメラマイコン101よりストロボマイコン310と通信ラインSCを介して通信があったときは、カメラマイコン101からの情報を取得する。また、この取得した情報はストロボマイコン310内の図示しないRAMに記憶させる。
【0111】
ステップS102では、動画撮影中にLED325を点灯させるか否かに応じてストロボ充電電流を変更する充電電流判別を行う。充電電流判別は、図12のステップS208、S209で記憶したLED_ON情報あるいはLED_OFF情報に基づいて行い、LED_OFF情報が記憶されていればステップS103へ進み、LED_ON情報が記憶されていればステップS104へ進む。
【0112】
ステップS103では、充電電流の制限を行わないように、図6の[7]に示すように電池電圧の下限をVth0(V)=0にする。Vth0(V)=0にすることで、充電電流が制限されずにa1(A)まで電流が流れる。すなわち、動画撮影中にLED325が消灯している場合には、主コンデンサ417の充電電流に上限を設けないようにする。
【0113】
ステップS104では、充電電流の上限がa2(A)になるように充電電流の上限レベルを設定し、図6の[7]に示すように電池電圧の下限をVth1(V)にする。ここでは、VREF(PWR)端子出力をVth0(V)とすることで充電電流の上限をa1(A)とし、VREF(PWR)端子出力をVth1(V)とすることで上限をa2(A)としているが、充電電流の上限を更に細かく設定できるようにしてもよい。また、充電電流の上限電流a2(A)は、充電電流の最大値(ここではa1(A))からLED325の消費電流(iLED(LED))を除いた電流とする。
【0114】
ステップS105では、充電回路302の充電動作を開始させて発光の準備を行う。そして、ステップS106にて、カメラマイコン101から通信ラインSCを介してレンズの焦点距離情報を取得する。そして、カメラマイコン101から送信されたレンズの焦点距離情報を自身のメモリ内に記憶(格納)する。また、これ以前にレンズの焦点距離情報を自身のRAMに記憶していたならば、記憶内容を更新する。ステップS107では、自身のRAMに記憶されているレンズの焦点距離情報を表示部321に表示する。
【0115】
ステップS108では、ステップS106にて取得したレンズの焦点距離情報に基づいて照射角を演算し、演算された照射角になるようにエンコーダ314を介してストロボマイコン310の位置信号端子に移動情報を与える。そして、ストロボマイコン310の位置信号端子にて必要な駆動量分だけズーム駆動部313内のモータを動作させ、エンコーダ314の位置信号により所定の位置へ動作させる。
【0116】
ステップS109では、主コンデンサ417の充電電圧が放電管307の発光に必要な電圧レベルにまで達した(充電完了)か否かを判定し、放電管307の発光に必要な電圧レベルにまで達していると判定した場合にはステップS110に進む。ステップS109にて放電管307の発光に必要な電圧レベルにまで達していないと判定した場合には、必要な電圧レベルに達するまでステップS109を繰り返す。
【0117】
ここで、充電動作の詳細な説明を図4と図6とを用いて行う。図6の[2]CHG_ONで示すように、充電動作を行う前は、ストロボマイコン310のCHG_ON端子はHiレベルでPNPトランジスタ403はオフであるため、AND回路407の入力IN2とAND回路408の入力IN2がLoレベルとなる。AND回路407とAND回路408の出力OUTが共にLoレベルのため発振FET411、発振FET412がともにオフとなるため充電動作は行なわれない。
【0118】
充電動作を開始させる時、ストロボマイコン310のCHG_ON端子をHiレベルからLoレベルに下げる。CHG_ON端子をHiレベルからLoレベルに下げると、抵抗401でプルアップされていたPNPトランジスタ403のベースが抵抗402を介してLoレベルに引き下げられ、PNPトランジスタ403がオンする。
【0119】
そして、定電圧回路322の出力電圧V1が抵抗404を介してAND回路407の入力IN2とAND回路408の入力IN2に入力されることで、AND回路407の入力IN2とAND回路408の入力IN2がHiレベルとなる。
【0120】
また、図6の[4]408OUTに示すようにストロボマイコン310のCHG_CLK端子からのパルスにより、AND回路408の入力IN1にHiレベルとLoレベルとが交互に入力される。そして、AND回路408の出力OUTはCHG_CLK端子からのパルスと同期した信号が出力される。
【0121】
同様に、図6の[5]407OUTに示すようにCHG_CLK端子からのパルスはNOT回路406により反転出力され、AND回路407の入力IN1には反転されたパルスが入力される。そのため、AND回路407の出力OUTはAND回路408の出力OUTとはHiレベルとLoレベルが反転した信号が出力される。
【0122】
AND回路408の出力OUTがHiレベルになると、抵抗409を介して発振FET411がオンして電池301の正極から発振トランス415の一次巻線の415bから415aを介して発振FET411のドレイン−ソース間を流れる。
【0123】
一次巻線発振トランス415の一次巻線の415bから415aに電流が流れることより二次巻線415eから415fに誘導電流が流れる。そして、ブリッジダイオード416の416iを介して主コンデンサ417の正極、負極、ブリッジダイオード416の416j、二次巻線415eのループで主コンデンサ417の充電が行われる。
【0124】
AND回路408の出力OUTがLoレベルになると、抵抗409を介して発振FET411がオフして電池301の正極から発振トランス415の一次巻線の415bから415aを介して発振FET411はオフし、主コンデンサ417の充電は停止する。そして、AND回路408の動作と反転してAND回路407の動作が行なわれてプッシュプル動作となる。
【0125】
AND回路407の出力OUTがHiレベルになると、抵抗412を介して発振FET414がオンして電池301の正極から発振トランス415の一次巻線の415cから415dを介して発振FET414のドレイン−ソース間を流れる。
【0126】
一次巻線発振トランス415の一次巻線の415cから415dに電流が流れることより二次巻線415fから415eに誘導電流が流れる。そして、ブリッジダイオード416の416gを介して主コンデンサ417の正極、負極、ブリッジダイオード416の416h、二次巻線415fのループで主コンデンサ417の充電が行われる。
【0127】
AND回路407の出力OUTがLoレベルになると、抵抗411を介して発振FET414がオフして電池301の正極から発振トランス415の一次巻線の415cから415dを介して発振FET414はオフし、主コンデンサ417の充電は停止する。
【0128】
このようにして主コンデンサ417の充電が行われるが、このとき充電電流に電流制限がないと発振FET411、発振FET414より電池301がほぼショート状態になるため大電流が流れるとともに電池電圧が低下する。
【0129】
そこで、図6の[6]電池電流に示すようにLED制御回路324の消費電流iLED(LED)に相当する電流を確保できるように、充電電流の上限値をa2(A)とする。そして、上限値a2(A)に相当する電圧レベルを算出してVth1としてストロボマイコン310のD/A変換端子のVREF(PWR)端子に設定する。
【0130】
次に、充電電流制限回路2000の電流制限動作に関して説明する。
コンパレータ2003は、電池301の電圧を分圧した電圧とストロボマイコン310のD/A変換端子のVREF(PWR)端子で設定した電圧(Vth1)を比較する。そして、電池301の電圧を分圧した電圧が設定電圧(Vth1)以下の場合はコンパレータ2003の出力をLoに引き下げ、設定電圧(Vth1)を超える場合はLoを解除する。このようにして、電池301の電圧が低下している間、充電回路302−1のAND回路407の入力IN2とAND回路408の入力IN2がLoになるためAND回路407、AND回路408の出力OUTはLo出力となる。
【0131】
そのため、発振FET411、発振FET414がオン状態でも強制的に発振を停止させるので充電電流が低下し、充電電流が上限値を上回らないようにできる。図13のフローチャートに戻る。ステップS110では、充電完了信号を出力して発光準備ができたことを通信ラインSCを介してカメラマイコン101に知らせる。
【0132】
そして、次のステップS111にて、カメラマイコン101より発光開始信号が出力されたかどうかを判別し、発光開始信号が出力されていなければS102に戻り、上記したステップを繰り返す。一方、発光開始信号が出力されていればステップS112へ進む。
【0133】
S112へ進むと、ストロボマイコン310の発光制御端子よりANDゲート311を介して発光制御回路308にトリガー信号を与えて放電管307の発光を開始させる。
【0134】
ここで、発光動作の詳細な説明を図4と図6を用いて行う。
充電回路302−1により主コンデンサ417に充電を行うと抵抗501を介してトリガーコンデンサ502に電荷が蓄積される。発光時はストロボマイコン310のTRG端子より矩形波のトリガー信号が出力される。
【0135】
これにより抵抗601を介して発光用IGBT603がオンする。また、ストロボマイコン310のSTP端子よりHiレベルが出力される。これにより抵抗604を介して発光停止用IGBT606がオンする。以上のようにして、放電管307の両端と主コンデンサ417の両端が接続される。
【0136】
発光用IGBT603がオンするとトリガーコンデンサ502が放電してトリガートランス503の一次側にパルス信号が発生する。すると、トリガートランス503の二次側に数kVの高電圧が発生して放電管307にトリガーがかかり主コンデンサ417に蓄積された電荷が放電し発光する。
【0137】
図13のフローチャートに戻る。ステップS113では、放電管307の発光量がカメラマイコン101より通信ラインSCを介してストロボマイコン310に本発光量演算値で決められた光量に相当する発光量に到達したか否かを判定する。あるいは、予め決められたプリ発光量に相当する発光量に到達したか否かを判定する。
【0138】
ステップS113で到達していないと判定された場合は発光を継続させ、到達したと判定された場合はステップS114へ進む。このとき、カメラマイコン101から出力された発光開始信号がプリ発光開始信号か本発光開始信号かに応じて判別に用いる光量レベルを変更させる。
【0139】
ステップS114では、ANDゲート311より発光停止信号を出力し発光制御回路308により放電管307の発光が停止される。図4での発光停止動作は、適正光量に達したときストロボマイコン310のSTP端子よりLoレベルが出力され、抵抗604を介して発光停止用IGBT606がオフする。それにより放電管307の発光は停止する。
この後ステップS102へ戻り、上記のステップを繰り返す。
【0140】
なお、動画撮影中に必要となる補助光の光量が少なく補助光消費電流(iLED(LED))が少なくなるほど、充電電流が多くなるようにしてもよい。例えば、ステップS102の充電電流判別処理において、ストロボマイコン310のD/AコンバータによりVREF(PWR)端子出力をVth1(V)より大きいVth2(V)に設定可能にすることで、充電電流の上限をa2(A)よりも少なくことができる。このように、必要となる補助光の光量に応じて充電電流の上限値をより細かく切換えるようにしてもよい。
【0141】
以上のように、動画撮影の補助光としてLEDを点灯している際に主コンデンサ417の充電動作を行う場合であっても、充電電流の上限を制限することで補助光消費電流(iLED(LED))を確保することができる。そのため、充電動作中でもLED325の輝度にばらつきが生じることがなく、明るさにムラが生じない良好な動画像が得ることができる。
【実施例2】
【0142】
以下、図5及び図8を参照して、本発明の第2の実施例による充電回路302の動作について説明する。実施例2は、実施例1と充電回路の構成が異なっており、図4の充電回路302−1の充電方式をフォワード方式から充電回路302−2のフライバック方式に変えた構成である。また、実施例1とは、図13のステップS103、S104の充電動作について電流制限の方法が後述のように異なっている。
【0143】
図8を用いて実施例2における放電管307の発行を伴う静止画撮影とそれに続く充電動作及び動画撮影時の補助光動作について説明する。なお、図8の(a)ないし(g)は図2の(a)ないし(g)とそれぞれ対応しているため、詳細な説明は省略する。
【0144】
本実施例では、図8(g−2)のように後述のストロボ装置300の充電回路302−2により充電立ち上がり時の充電電流を制限することでLED電流を安定させる。
【0145】
図5は第1の実施例で説明した図4の充電回路302−1の充電方式をフォワード方式から充電回路302−2のフライバック方式に変えた例であり、フライバック方式を用いることで図8(g−2)に示したような充電電流の制限を行うことができる。
【0146】
フライバック方式の充電回路302−2の構成について以下に述べる。
701は電源コンデンサで一端は電池301の正極に接続され、他端は電池301の負極(GND)に接続されている。702は電池301の充電電流(後述の発振トランス705の一次電流)を検出する充電電流検出回路で、ストロボマイコン310のA/Dコンバータ端子のP_IN端子と後述の発振トランス705に接続されている。なお、充電電流検出回路で電流を検出する代わりに抵抗を用いて電圧を検出することで充電電流を判断するようにしてもよい。
【0147】
704は充電回路302−2の1次側のスイッチ素子である発振FETであり、この発振FET704のスイッチ動作で電池301の充電電流が制御される。発振FET704のゲートは、ストロボマイコン310ののCHG_CLK端子及び抵抗703に接続されており、ソースは抵抗703と電池301の負極に接続されており、ドレインは発振トランス705の一次側のb端子に接続されている。
【0148】
703は抵抗で発振FET704のゲートとソース間に接続され、一端は電池301の負極に接続され、他端は発振FET704のゲートとストロボマイコン310ののCHG_CLK端子に接続されている。
【0149】
705は電池301の電圧を昇圧して、主コンデンサ417に電荷を供給する発振トランスである。発振トランス705の705a端子は充電電流検出回路702に接続されており、705b端子は発振FET704のドレインに接続されている。発振トランス705の705c端子は後述のダイオード707のカソードに接続されており、705d端子は後述のダイオード706のアノードに接続されている。
【0150】
706はダイオードで整流ダイオードである。そのアノードは発振トランス705の705d端子にカソードは主コンデンサ417の正極に接続される。707はダイオードでそのカソードは発振トランス705の705c端子に接続されており、そのアノードは後述の抵抗708及びNPNトランジスタ709のエミッタに接続されている。
【0151】
708は抵抗であり、その一端はダイオード707のアノードに接続され、他端は電池301の負極に接続されている。709は発振トランス705の2次電流検出用のNPNトランジスタであり、エミッタはダイオード707のアノード及び抵抗708に接続され、ベースは抵抗708及び電池301の負極に接続され、コレクタは抵抗710及び抵抗711に接続されている。710は抵抗で、その一端は定電圧回路322の出力V1に接続されており、他端は後述の抵抗711に接続されている。711は抵抗であり、その一端は抵抗710に接続されており、他端はストロボマイコン310のS_IN端子に接続されている。
【0152】
ストロボマイコン310のS_IN端子は入力端子であり、NPNトランジスタ709がオンされたときに電圧が定電圧回路322の出力信号レベルのHiレベルからLoレベルに下がったことを検出する。
【0153】
このときの充電回路302−2の動作について図5、図7、図8で説明する。ここで、図7(a)は駆動パルス幅をX1とした時の駆動シーケンスである。このパルス幅は充電時間が最短になるように設定された時間である。
【0154】
図7(a)の[1]CHG_CLKに示すように、ストロボマイコン310のCHG_CLK端子から発振FET704のゲートにパルス幅X1のパルス信号が出力される。これにより、発振FET704がオンされ、電池301の正極から充電電流検出回路702を介して発振トランス705のa端子−b端子、発振FET704のドレイン−ソースを介して電流が流れる。
【0155】
このとき発振トランス705の1次側の流れる電流(以下、1次電流とする)は、パルス幅X1と電池301の電源電圧によって決まり、図7(a)[2]1次電流に示すように、1次電流は最大でa1(A)流れる。なお、このときの電流値は発振トランス705が磁気飽和しない値に設定されている。
【0156】
CHG_CLK端子からのパルス信号がLoレベルになり発振FET704がオフされると、オン時に発振トランス705に蓄えられたエネルギーが放出されるために発振トランス705のc端子からd端子に電流が流れる。 このときの電流は、発振トランス705のd端子−ダイオード706のアノード−カソード、主コンデンサ417の正極、負極、抵抗708、ダイオード707のアノード−カソード、発振トランス705のc端子の電流ループとなる。
【0157】
発振トランス705の2次側の流れる電流(以下、2次電流とする)は、図7(a)の[3]2次電流に示すように、CHG_CLK端子からのパルス信号がLoレベルになった直後に最大のb1(mA)となりそこから徐々に下がっていく。
【0158】
2次電流が生じると、抵抗708に電流が流れて電圧が発生し、NPNトランジスタ709がオンする。このため、定電圧回路322の出力は抵抗710を介してNPNトランジスタ709のコレクタ−エミッタに電流が流れるため、ストロボマイコン310のS_IN端子はLoレベルになる。
【0159】
発振トランス705のエネルギーが放出され、2次電流が下がると抵抗708に電流が流れなくなりNPNトランジスタ709がオフする。このため、ストロボマイコン310のS_IN端子はHiレベルになる。ストロボマイコン310のS_IN端子がLoレベルからHiレベルに変わると、次の駆動パルスを出力する。
【0160】
静止画撮影後にLED325を点灯させた動画撮影を再開させる場合、LED325の点灯中にストロボ充電動作が重畳される。ストロボ充電動作が重畳されることで、LED制御回路324とLED325に供給されるLED電流は不安定になり、LED325の発光に揺らぎが生じる。そこで、LED325の発光に揺らぎが生じないように、以下のようにして、LED325の点灯に重畳させてストロボ充電動作を行う場合に、LED325の点灯に重畳させずにストロボ充電を行う場合よりも充電電流を小さくする。
【0161】
図7(b)は駆動パルス幅をX2とした時の駆動シーケンスである。
このパルス幅は補助光消費電流(iLED(LED))が確保できるように電池301の一次電流の上限を制限するために設定された時間である。ここでは充電電流の上限値をa1(A)より低いa2(A)に変更している。
【0162】
図7(b)の[1]CHG_CLKに示すように、ストロボマイコン310のCHG_CLK端子から発振FET704のゲートにパルス幅X2のパルス信号が出力される。これにより、発振FET704がオンされ、電池301の正極から充電電流検出回路702を介して発振トランス705のa端子−b端子、発振FET704のドレイン−ソースを介して電流が流れる。
【0163】
このとき発振トランス705の1次電流はパルス幅X2と電池301の電源電圧によって決まり、図7(b)[2]1次電流に示すように、1次電流は最大でa2A(アンペア)流れる。なお、このときの電流値は発振トランス705が磁気飽和しない値に設定されている。
【0164】
CHG_CLK端子からのパルス信号がLoレベルになり発振FET704がオフされると、オン時に発振トランス705に蓄えられたエネルギーが放出されるために発振トランス705のc端子からd端子に電流が流れる。
【0165】
このときの電流は、発振トランス705のd端子−ダイオード706のアノード−カソード、主コンデンサ417の正極、負極、抵抗708、ダイオード707のアノード−カソード、発振トランス705のc端子の電流ループとなる。
【0166】
発振トランス705の2次電流は、図7(b)の[3]2次電流に示すように、CHG_CLK端子からのパルス信号がLoレベルになった直後に最大のb2(mA)となりそこから徐々に下がっていく。
【0167】
2次電流が生じると、抵抗708に電流が流れて電圧が発生し、NPNトランジスタ709がオンする。このため、定電圧回路322の出力は抵抗710を介してNPNトランジスタ709のコレクタ−エミッタに電流が流れるため、ストロボマイコン310のS_IN端子はLoレベルになる。
【0168】
発振トランス705のエネルギーが放出され、2次電流が下がると抵抗708に電流が流れなくなりNPNトランジスタ709がオフする。このため、ストロボマイコン310のS_IN端子はHiレベルになる。ストロボマイコン310のS_IN端子がLoレベルからHiレベルに変わると、次の駆動パルスを出力する。
【0169】
以上のように、ストロボマイコン310のCHG_CLK端子出力の駆動パルス幅を、図13のステップS103へ進んだ場合はX1に設定し、ステップS104へ進んだ場合はX2に設定することで、充電電流の上限値を切換えている。
【0170】
本実施例では、ストロボマイコン310のCHG_CLK端子出力の駆動パルス幅をX1とX2とで切換えたが、必要となる補助光の光量に応じて駆動パルス幅をより細かく切換えるようにしてもよい。例えば、動画撮影中に必要となる補助光の光量が少なく補助光消費電流(iLED(LED))が少なくなるほどストロボ充電電流が多くなるように、駆動パルス幅をX1を超えない範囲で長くしてもよい。
【0171】
以上のように、動画撮影の補助光としてLED325を点灯している際に主コンデンサ417の充電動作を行う場合であっても、充電電流の上限を制限することで補助光消費電流(iLED(LED))を確保することができる。そのため、充電動作中でもLED325の輝度にばらつきが生じることがなく、明るさにムラが生じない良好な動画像が得ることができる。
【実施例3】
【0172】
以下、図9を参照して、本発明の第3の実施例における放電管307の発光を伴う静止画撮影とそれに続く充電動作及び動画撮影時の補助光動作について説明する。なお、図9の(a)ないし(g)は図2の(a)ないし(g)とそれぞれ対応しているが、動画撮影を再開するタイミング及びLED325を再点灯させるタイミングが異なっている。すなわち、本実施例は、静止画撮影後に充電動作を開始して、充電動作における充電電流が所定値以下になってからLED325の再点灯を開始させる点で実施例1と異なっている。
【0173】
充電電流は充電動作の開始後に図9(g)に示すように急峻に立ち上がる。そこで、静止画撮影後にLED325を点灯させた動画撮影を再開させる場合、充電電流がストロボ充電の最大電流(a1(A))から補助光消費電流(iLED(LED))を除いた電流(a2(A))以下になるまで待機してから動画撮影を再開させる。
【0174】
動画撮影を再開させるタイミングについて、図14のストロボマイコン310の動作フロ−チャートを用いて説明する。なお、ステップS308以降のステップは図13のステップS109以降のステップと同様の処理を行うため説明は省略する。
【0175】
ステップS301では、ストロボマイコン310自身のメモリやポートの初期化を行ったあと、ステップS302で充電回路302の充電動作を開始させる。
【0176】
ステップS303では、カメラマイコン101から通信ラインSCを介して取得したレンズの焦点距離情報を記憶(格納)し、ステップS304では、自身のメモリ内に記憶されたレンズの焦点距離情報を表示部321に表示する。
【0177】
ステップS305では、ステップS303にて取得したレンズの焦点距離情報に基づいて照射角を演算し、演算された照射角になるようにエンコーダ314を介してストロボマイコン310の位置信号端子に移動情報を与える。
【0178】
次に、ステップS306で、充電動作における充電電流が所定値以下(ここではa2(A))になったか否かを判定する。なお、充電電流の値は上述した充電電流検出回路702を用いて検出し、充電電流検出回路702の出力に基づいてストロボマイコン310により充電電流が所定値以下であるか否かを判定する。充電電流が所定値以下である場合にはステップS307へ進み、補助光消費電流(iLED(LED))を確保することができるため、動画撮影時に補助光を点灯できることを示す補助光点灯許可信号を通信ラインSCを介してカメラマイコン101に知らせる。カメラマイコン101はこの補助光点灯許可信号を受けて動画撮影を再開させ、ストロボマイコン310は、動画撮影の再開に合わせてLED325の点灯を開始させる。すなわち、ストロボマイコン310は、充電電流が所定値を超えているときはLED325の発光を禁止し、所定値を超えていないときはLED325の発光を許可する。
【0179】
また、カメラマイコン101は、静止画撮影後すぐに動画撮影を再開するのではなく、図11のステップS29においてストロボマイコン310から補助光発光許可信号が出力されるまで動画撮影を再開させない。
【0180】
このように、充電動作により補助光消費電流(iLED(LED))が確保できない状態(充電電流が所定値を上回っている状態)のときはLED325を点灯させないので、LED325の発光に揺らぎが生じないようにすることができる。したがって、明るさにムラが生じない良好な動画像が得ることができる。
【0181】
なお、上述の3つの実施例では、静止画撮影用の照明(放電管)と動画撮影用の照明(LED)とを有するストロボ装置300がカメラ本体100に装着されたカメラシステムを説明したが、静止画撮影用の照明と動画撮影用の照明とを内蔵したカメラでも構わない。その場合、ストロボマイコン310が行っていた処理をカメラマイコン101が行うようにすればよい。また、上述した3つの実施例でカメラマイコン101が行う処理の少なくとも一部をストロボマイコン310が行ってもよく、逆に、ストロボマイコン310が行う処理の少なくとも一部をカメラマイコン101が行ってもよい。
【符号の説明】
【0182】
100 カメラ
101 カメラマイコン
300 ストロボ装置
302 充電回路
306 トリガー回路
307 放電管
310 ストロボマイコン
324 LED制御回路
325 LED
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の電源を用いて、閃光発光を行う第1の発光手段及び継続発光を行う第2の発光手段を発光させる発光装置であって、
前記電源を用いて前記第1の発光手段を発光させるための電荷を蓄積するコンデンサと、
前記第2の発光手段の発光動作、あるいは、前記コンデンサに電荷を蓄積させる充電動作を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記第2の発光手段を発光させているときの前記充電動作における充電電流の最大値が、前記第2の発光手段を発光させていないときの前記充電電流の最大値よりも小さくなるように制御することを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第2の発光手段を発光させていないときの前記充電電流の最大値よりも小さい上限値を設定し、前記第2の発光手段を発光させているときは前記充電電流が前記上限値を超えないように前記充電動作を制御することを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記充電動作を行っている際に、前記充電電流が所定値を超えているときは前記第2の発光手段の発光を禁止し、前記充電電流が前記所定値を超えていないときは前記第2の発光手段の発光を許可することを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
同一の電源を用いて、閃光発光を行う第1の発光手段及び継続発光を行う第2の発光手段を発光させる発光装置を備えた撮像装置であって、
前記電源を用いて前記第1の発光手段を発光させるための電荷を蓄積するコンデンサと、
前記第2の発光手段の発光動作、あるいは、前記コンデンサに電荷を蓄積させる充電動作を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記第2の発光手段を発光させているときの前記充電動作における充電電流の最大値が、前記第2の発光手段を発光させていないときの前記充電電流の最大値よりも小さくなるように制御することを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第2の発光手段を発光させていないときの前記充電電流の最大値よりも小さい上限値を設定し、前記第2の発光手段を発光させているときは前記充電電流が前記上限値を超えないように前記充電動作を制御することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記充電動作を行っている際に、前記充電電流が所定値を超えているときは前記第2の発光手段の発光を禁止し、前記充電電流が前記所定値を超えていないときは前記第2の発光手段の発光を許可することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項7】
同一の電源を用いて、閃光発光を行う第1の発光手段及び継続発光を行う第2の発光手段を発光させる発光装置と、当該発光装置を発光させて撮影を行う撮像装置とを含むカメラシステムであって、
前記電源を用いて前記第1の発光手段を発光させるための電荷を蓄積するコンデンサと、
前記第2の発光手段の発光動作、あるいは、前記コンデンサに電荷を蓄積させる充電動作を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記第2の発光手段を発光させているときの前記充電動作における充電電流の最大値が、前記第2の発光手段を発光させていないときの前記充電電流の最大値よりも小さくなるように制御することを特徴とするカメラシステム。
【請求項8】
前記制御手段は、前記第2の発光手段を発光させていないときの前記充電電流の最大値よりも小さい上限値を設定し、前記第2の発光手段を発光させているときは前記充電電流が前記上限値を超えないように前記充電動作を制御することを特徴とする請求項7に記載のカメラシステム。
【請求項9】
前記制御手段は、前記充電動作を行っている際に、前記充電電流が所定値を超えているときは前記第2の発光手段の発光を禁止し、前記充電電流が前記所定値を超えていないときは前記第2の発光手段の発光を許可することを特徴とする請求項7に記載のカメラシステム。
【請求項1】
同一の電源を用いて、閃光発光を行う第1の発光手段及び継続発光を行う第2の発光手段を発光させる発光装置であって、
前記電源を用いて前記第1の発光手段を発光させるための電荷を蓄積するコンデンサと、
前記第2の発光手段の発光動作、あるいは、前記コンデンサに電荷を蓄積させる充電動作を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記第2の発光手段を発光させているときの前記充電動作における充電電流の最大値が、前記第2の発光手段を発光させていないときの前記充電電流の最大値よりも小さくなるように制御することを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第2の発光手段を発光させていないときの前記充電電流の最大値よりも小さい上限値を設定し、前記第2の発光手段を発光させているときは前記充電電流が前記上限値を超えないように前記充電動作を制御することを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記充電動作を行っている際に、前記充電電流が所定値を超えているときは前記第2の発光手段の発光を禁止し、前記充電電流が前記所定値を超えていないときは前記第2の発光手段の発光を許可することを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
同一の電源を用いて、閃光発光を行う第1の発光手段及び継続発光を行う第2の発光手段を発光させる発光装置を備えた撮像装置であって、
前記電源を用いて前記第1の発光手段を発光させるための電荷を蓄積するコンデンサと、
前記第2の発光手段の発光動作、あるいは、前記コンデンサに電荷を蓄積させる充電動作を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記第2の発光手段を発光させているときの前記充電動作における充電電流の最大値が、前記第2の発光手段を発光させていないときの前記充電電流の最大値よりも小さくなるように制御することを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第2の発光手段を発光させていないときの前記充電電流の最大値よりも小さい上限値を設定し、前記第2の発光手段を発光させているときは前記充電電流が前記上限値を超えないように前記充電動作を制御することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記充電動作を行っている際に、前記充電電流が所定値を超えているときは前記第2の発光手段の発光を禁止し、前記充電電流が前記所定値を超えていないときは前記第2の発光手段の発光を許可することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項7】
同一の電源を用いて、閃光発光を行う第1の発光手段及び継続発光を行う第2の発光手段を発光させる発光装置と、当該発光装置を発光させて撮影を行う撮像装置とを含むカメラシステムであって、
前記電源を用いて前記第1の発光手段を発光させるための電荷を蓄積するコンデンサと、
前記第2の発光手段の発光動作、あるいは、前記コンデンサに電荷を蓄積させる充電動作を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記第2の発光手段を発光させているときの前記充電動作における充電電流の最大値が、前記第2の発光手段を発光させていないときの前記充電電流の最大値よりも小さくなるように制御することを特徴とするカメラシステム。
【請求項8】
前記制御手段は、前記第2の発光手段を発光させていないときの前記充電電流の最大値よりも小さい上限値を設定し、前記第2の発光手段を発光させているときは前記充電電流が前記上限値を超えないように前記充電動作を制御することを特徴とする請求項7に記載のカメラシステム。
【請求項9】
前記制御手段は、前記充電動作を行っている際に、前記充電電流が所定値を超えているときは前記第2の発光手段の発光を禁止し、前記充電電流が前記所定値を超えていないときは前記第2の発光手段の発光を許可することを特徴とする請求項7に記載のカメラシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−63600(P2012−63600A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208024(P2010−208024)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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