説明

撮像装置および撮像装置の制御プログラム

【課題】ユーザは、自ら設定した特殊効果処理を、ライブビュー表示時等にも適用して、その効果をリアルタイムに確認したい。一方、特殊効果処理が施された画像は、ピント確認の観点からは視認性に乏しい。
【解決手段】撮像装置は、画像データを処理する画像処理部と、画像処理部により処理された画像データの画像を連続的に表示部に表示させる表示制御部と、被写体に対して焦点調整を行う焦点調整部とを備え、表示制御部は、取得された画像データに特殊効果処理を施すように画像処理部が設定されている場合であっても、焦点調整に連動して、特殊効果処理が施されていない画像を前記表示部に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置および撮像装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特定の被写体に対して立体感を強調する画像処理が知られている。例えば、被写体までの距離を考慮して、画像の各領域に周波数特定の異なるぼけフィルターを適用する。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2006−67521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ユーザは、自ら設定した上述のような特殊効果処理を、ライブビュー表示時等にも適用して、その効果をリアルタイムに確認したい。一方、特殊効果処理が施された画像は、ピント確認の観点からは視認性に乏しい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様における撮像装置は、画像データを処理する画像処理部と、画像処理部により処理された画像データの画像を連続的に表示部に表示させる表示制御部と、被写体に対して焦点調整を行う焦点調整部とを備え、表示制御部は、取得された画像データに特殊効果処理を施すように画像処理部が設定されている場合であっても、焦点調整に連動して、特殊効果処理が施されていない画像を前記表示部に表示させる。
【0005】
本発明の第2の態様における撮像装置の制御プログラムは、画像データを処理する画像処理ステップと、画像処理ステップにより処理された画像データの画像を連続的に表示部に表示させる表示制御ステップと、被写体に対して焦点調整を行う焦点調整ステップとを有し、表示制御ステップが、取得された画像データに特殊効果処理を施すように画像処理ステップが設定されている場合であっても、焦点調整に連動して、特殊効果処理が施されていない画像を前記表示部に表示させるように、コンピュータにそれぞれのステップを実行させる。
【0006】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施形態に係るカメラのシステム構成図である。
【図2】カメラの背面図である。
【図3】メニュー設定画面を示す図である。
【図4】特殊効果フィルターの視覚効果を示す模式図である。
【図5】ミニチュア撮影効果処理の処理手順を説明する図である。
【図6】AF処理とライブビュー画面の遷移を説明する図である。
【図7】他の表示形態を示す模式図である。
【図8】静止画撮影時の処理フローを示す図である。
【図9】動画撮影時の処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0009】
図1は、本実施形態に係る撮像装置としてのカメラ10のシステム構成図である。カメラ10は、システム制御部11を備え、カメラ10を構成する各要素を直接的または間接的に制御する。システム制御部11は、システムメモリ12と通信する。システムメモリ12は、電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリであり、例えばEEPROM(登録商標)等により構成される。システムメモリ12は、カメラ10の動作時に必要な定数、変数、設定値、プログラム等を、カメラ10の非動作時にも失われないように記録している。
【0010】
カメラ10は、光学系20を備える。光学系20は、主にズームレンズ、フォーカスレンズ、手振れ補正レンズを含むレンズ群21、および、レンズシャッタ22により構成される。被写体像は光軸に沿って光学系20に入射し、撮像素子31の結像面に結像する。
【0011】
撮像素子31は、光学系20を透過して入射する被写体像である光学像を光電変換する素子であり、例えば、CCDセンサ、CMOSセンサが用いられる。撮像素子31で光電変換された被写体像は、A/D変換器32でアナログ信号からデジタル信号に変換される。
【0012】
デジタル信号に変換された被写体像は、画像データとして順次処理される。A/D変換器32によりデジタル信号に変換された画像データは、一旦内部メモリ33に記憶される。内部メモリ33は、高速で読み書きのできるランダムアクセスメモリであり、例えばDRAM、SRAMなどが用いられる。内部メモリ33は、連写撮影、動画撮影において高速に連続して画像データが生成される場合に、画像処理の順番を待つバッファメモリとしての役割を担う。
【0013】
また、内部メモリ33は、画像処理部34が行う画像処理、圧縮処理において、ワークメモリとしての役割も担うと共に、目的に即して加工処理された画像データを一時的に保管する役割も担う。更に、システムメモリ12に記録されている定数、変数、設定値、プログラム等が適宜展開されて、カメラ10の制御に利用される。したがって、内部メモリ33は、これらの役割を担うに相当する十分なメモリ容量を備える。システム制御部11は、メモリ制御部としての役割を担い、いかなる作業にどれくらいのメモリ容量を内部メモリ33に割り当てるかを制御する。
【0014】
画像処理部34は、設定されている撮影モード、ユーザからの指示に則して、画像データを特定の画像フォーマットに従った画像ファイルに変換する。例えば、静止画像としてJPEGファイルを生成する場合、色変換処理、ガンマ処理、ホワイトバランス処理等の画像処理を行った後に適応離散コサイン変換等を施して圧縮処理を行う。また、動画像としてMPEGファイルを生成する場合、所定の画素数に縮小されて生成された連続する静止画としてのフレーム画像に対して、フレーム内符号化、フレーム間符号化を施して圧縮処理を行う。
【0015】
画像処理部34によって処理された静止画像ファイル、動画像ファイルは、内部メモリ33から記録媒体IF38を介して、記録媒体50に記録される。記録媒体50は、フラッシュメモリ等により構成される、カメラ10に対して着脱可能な不揮発性メモリである。ただし、記録媒体50は、着脱式に限らず、カメラ10に内蔵される例えばSSDなどの記録媒体であっても良い。記録媒体50に記録された静止画像ファイル、動画像ファイルは、有線によるUSB、無線によるLAN等により外部へ出力される。
【0016】
画像処理部34は、AFに利用されるコントラスト評価用の画像データ生成、後述する特殊効果フィルター処理等の、画像処理全般に関わる処理を実行する。また、画像処理部34は、記録用に処理する画像データに並行して、あるいは先行して、表示用画像データを生成する。表示用画像データは、撮像素子から送られてくる画像データをコピーして間引き処理された、画素数の少ない画像データである。なお、画像処理部34は、記録用の画像データのみならず表示用の画像データに対しても、設定された特殊効果フィルター処理を施すことができる。
【0017】
表示部37は、例えばLCDパネルにより構成されるディスプレイユニットである。表示部37は、表示制御部36が出力するRGB信号を受け取り、表示用画像データをユーザに視認されるように表示する。
【0018】
記録の有無に関わらず、画像処理部34が撮像素子31の出力に従って逐次表示用画像データを生成し、表示制御部36が当該表示用画像データを表示部37へ出力すれば、スルー画としてのライブビュー表示を実現することができる。したがって、表示制御部36は、表示部37を介して、静止画および動画撮影後の再生表示、撮影前および動画撮影中のライブビュー表示を実現することができる。
【0019】
また、表示制御部36は、表示する画像データに付随する情報、および、システムメモリ12に記録されたメニュー画面等も、表示部37に単独で、あるいは表示画像に重畳して表示させることもできる。
【0020】
顔認識部35は、画像処理部34が生成した画像データに対して、顔認識処理を実行する。例えば、ライブビュー表示に用いられる表示用画像データを画像処理部34から受け取り、被写体として写る人物の顔領域を認識して、その結果をシステム制御部11へ返す。システム制御部11は、認識された顔領域に対して焦点調節を実行するよう、焦点調整部41へ指示を与えることができる。なお、顔認識処理に用いる画像データは、後述の特殊フィルター効果処理が施されていない画像データであることが望ましい。
【0021】
カメラ10は、ユーザからの操作を受け付ける操作部材39を複数備えているが、システム制御部11は、これら操作部材39が操作されたことを検知し、操作に応じた動作を実行する。また、カメラ10は操作部材39の類としてレリーズスイッチ40を備える。ユーザは、レリーズスイッチ40を操作することにより、システム制御部11に撮影準備動作および撮影動作を実行させる。
【0022】
焦点調整部41は、画像処理部34が連続的に出力する評価用の被写体画像データを取得してコントラスト評価値を算出し、その結果に従ってフォーカスレンズを駆動することにより被写体に対して焦点調整を実行する、いわゆるコントラストAFを実行する。レンズシャッタ22は、露光制御部42により制御されて、設定された絞り値およびシャッタ速度を実現する。絞り値、シャッタ速度およびISO感度を含む露出値は、予備取得された画像データの輝度分布と予め設定されたプログラム線図により、システム制御部11により算出される。
【0023】
図2は、本実施形態に係るカメラの背面図である。カメラ10の背面には、表示部37の他に、操作部材39としての、ズームを指示するシーソースイッチ51、メニュー項目を選択する十字キー52、選択した項目を確定させる確定ボタン53、メニュー選択などに用いられる複数の押しボタン54、カメラ10の電源ON/OFFを切替える電源ボタン43が配設されている。
【0024】
シーソースイッチ51は、ズーム指示の他に、表示された画像の拡大、縮小の指示にも利用される。また、十字キー52は、拡大された画像表示に対して、上下左右の表示移動にも利用される。これにより、ユーザは、表示部37が比較的小さなパネルであっても、生成された画像データを詳細に確認できる。ユーザは、押しボタン54の一つを操作することにより、撮影モードと再生モードを切り替えることができる。さらに、撮影モードとして、一回の撮影動作に対して一枚の撮影画像データを記録する通常の静止画撮影モード、および、動画像データを記録する動画撮影モードを切り替えることができる。
【0025】
なお、図において表示部37には、特殊効果処理を施さない通常の表示形態で被写体像を表示するライブビュー表示の様子が示されている。特に、ユーザによってレリーズスイッチ40が操作され、顔認識部35によって認識された顔領域に対して矩形枠がスーパーインポーズされた様子を示す。
【0026】
図3は、メニュー設定画面を示す図である。特に、図3(a)は、特殊効果フィルター設定画面を示し、図3(b)は、シーンモード設定画面を示す。
【0027】
ユーザは、メニュー設定画面において、十字キー52を操作して設定項目が示されたアイテムバー102のいずれかをハイライトさせることにより、特定の設定項目を選択する。そして、確定ボタン53を操作して、選択した設定項目の適用を決定する。選択できる設定項目が多数用意されている場合には、ユーザは、スクロールバー101を上下させて、隠れた設定項目を出現させる。各アイテムバー102にはトグルスイッチ103が用意されており、トグルスイッチ103は、当該アイテムバー102が示す設定項目がユーザにより適用された場合に、その旨を示す態様に切り替わる。
【0028】
図3(a)に示すように、特殊効果フィルターの設定項目としては、ミニチュア撮影効果、スケッチ画像効果、セレクトカラー効果などが用意されている。特殊効果フィルター処理は、通常の画像処理により生成された画像データに対し、その画像が特定の視覚効果を発揮するように追加的に施す画像処理である。例えば、ミニチュア撮影効果処理は、模型を接写したように、特定被写体に対して非常に浅い被写界深度を擬似的に実現する処理である。スケッチ画像効果処理は、画像を絵画調に変換する処理である。また、セレクトカラー効果処理は、ユーザにより指定された特定の色だけを残して、他の領域を白黒にする処理である。ユーザは、撮影画像に特殊効果フィルター処理を施したい場合に、この設定画面から好みのものを選択する。
【0029】
図3(b)に示すように、撮影モードであるシーンモードの設定項目としては、風景、スポーツ、ポートレート、スナップなどが用意されている。シーンモード設定は、それぞれの想定シーンに対して予め用意された露出設定等の最適設定であって、ユーザは、特定のシーンモードを選択すると、簡単な撮影作業によって良好な画像データを取得できる。例えば、スポーツモードでは、被写体に動きがあることが想定されるので、比較的速いシャッタスピードが適用されるようにプログラムされている。スナップモードでは、カメラ10を振り回しながらも気軽に撮影が行えるように、手振れ補正効果が強めに設定されている。ユーザは、シーンに合った設定をカメラに自動で行わせたい場合に、この設定画面から好みのものを選択する。
【0030】
図4は、特殊効果フィルターの視覚効果を示す模式図である。特に図4(a)は、ミニチュア撮影効果の視覚効果を示し、図4(b)は、スケッチ画像効果の視覚効果を示す。
【0031】
ミニチュア撮影効果処理が施された画像は、ピントが合った被写体領域とぼけた被写体領域とを画像内に含む。図4(a)においては、バス201の大部分と、手前の樹木202および奥の樹木203のうちバス201寄りの部分はピントが合った被写体として観察され(実線で示す)、樹木202、203の他の部分は、ぼけた被写体として観察される(点線で示す)。特に、ピントが合った領域であるピント領域は、マクロレンズで至近距離の被写体を捉えた光学像のように、きわめて浅い被写界深度を表現する帯状領域として観察される。
【0032】
スケッチ画像処理が施された画像は、例えば図4(b)のように、細いクレヨンにより斜線を多用するタッチで描かれたスケッチ画のような印象を観察者に与える。取得した画像をスケッチ画調に変換する処理としては、例えば、取得した画像を2値化して輪郭を抽出し、他の領域をぼかした上で、輪郭近傍に、画材とタッチを表現するテンプレートを重ね合わせる処理が知られている。
【0033】
図5は、ミニチュア撮影効果処理の処理手順を説明する図である。画像処理部34は、撮像素子31から送られてくる画像データに対して、まず通常の画像処理を施し、取得画像データを生成する。取得画像データの取得画像は、図5に示すように、撮像素子31に結像する被写体光学像を忠実に再現する画像である。画像処理部34は、この取得画像に対して、全体にローパスフィルター処理を実行する。ローパスフィルター処理は、被写体像の空間周波数を低減させるぼかし処理である。ローパスフィルター処理が実行されたローパス処理後画像は、非合焦状態で撮影したぼけ画像のような擬似効果を発揮する。なお、選択されるミニチュア撮影効果の程度に応じて、ぼけの程度が設定されても良い。
【0034】
一方で、画像処理部34は、取得画像データが撮影されたときに設定されていた合焦領域301を取得し、これによりマスクパターンを生成する。マスクパターンは、取得画像とローパス処理後画像を重ね合わせる処理における、領域ごとの混合比率を表現する。パターンマスクは、合焦領域301を含むように設定された帯部302を有する。パターンマスクのうち帯部302の外側である上下の領域は、ローパス処理後画像の混合比率を100%とする領域である。帯部302の領域のうち、合焦領域301を含む中央部分の黒塗りの領域は、ローパス処理後画像の混合比率を0%、すなわち取得画像の混合比率を100%とする領域である。帯部302の領域のうち、斜線部で表される境界領域は、混合比率を段階的に変化させて、境界における空間周波数の急激な変化を緩和させる領域である。
【0035】
画像処理部34は、マスクパターンで定義された混合比率に従って取得画像とローパス処理後画像のそれぞれの画素値を加算する、ブレンド処理を実行する。このようにして合成された画像は、ミニチュア撮影効果を発揮するミニチュア撮影効果画像となる。図5に示すように、ミニチュア撮影効果は、マスクパターンで設定した帯部302に対応する帯領域303でピントが合い、その他の領域でぼけた画像となる。
【0036】
なお、焦点調整部41で設定される合焦領域301に連動して設定される帯部302の幅を、ユーザが設定できるように構成しても良い。また、帯部302によって規定される混合比率の変化も、ユーザが設定できるように構成しても良い。また、帯部302は、合焦領域301に連動して設定されるのではなく、独立して設定できるように構成しても良い。また、姿勢センサによって検出されるカメラ10の姿勢を考慮して、横画角で撮影されるときにも縦画角で撮影されるときにも、帯部302の方向が常に横方向となるように構成しても良い。
【0037】
図6は、AF処理とライブビュー画面の遷移を説明する図である。本実施形態においては、画像処理部34は、設定された特殊効果処理を、ライブビューとして表示される画像に対しても実行する。ただし、予め定められた条件に従い、焦点調整に連動する期間においては特殊効果処理を施さない。以下にその説明をする。
【0038】
上述のように、特殊効果処理であるミニチュア撮影効果処理、スケッチ画像効果処理等には、取得画像に対してぼかし処理を伴う。ぼかし処理は、上述の通り、非合焦状態で撮影したぼけ画像のような擬似効果を発揮する処理であるので、ぼかし処理を施された画像領域は、現実にはピントが合った領域だとしても、ユーザにはぼけた領域として視認される。つまり、ユーザは、ぼかし処理を伴う特殊効果処理が施されたライブビュー画像では、実際のピント状態を正しく認識することができない。たとえ帯状領域においてピント状態が確認できたとしても、あくまで部分領域であるので、視認性に欠ける。
【0039】
そこで、画像処理部34は、焦点調整に連動する期間において特殊効果処理を中断し、表示制御部36は、特殊効果処理が施されていない通常の取得画像信号を画像処理部34から受け取って表示部37に表示させる。ユーザは、この期間において、被写体像のピント状態をライブビュー画像により快適に視認できる。
【0040】
図6を用いて説明する。図6では、左から右へ向かう矢印に沿って時間の経過を表している。時刻tにおいてレリーズスイッチ40がユーザによって操作され、システム制御部11は、当該操作を撮影準備指示として受け付ける。撮影準備指示を受け付ける時刻tまでは、ユーザが被写体に向かって構図を調整するなどの時間であり、表示制御部36は、画像処理部34から特殊効果処理が施された画像データを受け取って、表示部37に表示させる。ユーザは、特殊効果処理が施された画像をほぼリアルタイムで確認できるので、撮影指示によって記録される最終的な画像を想定しながら構図を調整できる。
【0041】
時刻tで撮影準備が開始されると、表示制御部36は、画像処理部34から通常の取得画像データを受け取って、表示部37に表示させる。焦点調整部41は、時刻tから焦点調整を開始する。時刻tにおいて、焦点調整部41が設定された合焦領域において被写体像を合焦させたら、表示制御部36は、焦点調整が完了した旨を告知する合焦表示を、特殊効果処理が施されていないライブビュー画像に重畳して、表示部37へ送信する。合焦表示は、例えば緑の矩形枠によって行われる。また、合焦前は例えば赤の矩形枠を重畳させても良い。その後、表示制御部36は、期間Tに亘って当該画像データを表示用の画像信号に変換して、継続的に表示部37へ送信する。つまり、ユーザは、合焦画像を期間Tに亘って確認することができる。
【0042】
期間Tが経過した時刻tからは、表示制御部36は、画像処理部34から再び特殊効果処理が施された画像データを受け取って、表示部37に表示させる。なお、時刻tの合焦完了後の一定期間にレリーズスイッチ40がユーザによって更に操作され、システム制御部11が撮影指示を受け付けた場合には、一連の撮影シーケンスが実行される。
【0043】
上記において、表示切り替えタイミングは、システム制御部11が撮影準備指示を受け付ける時刻tである。このように設定すると焦点調整部41の焦点調整に対しても有効である。焦点調整部41は、上述のように画像処理部34が連続的に出力する評価用の被写体画像データを評価するコントラストAFを実行する。しかし、画像処理部34が、評価用の被写体画像データの生成と共に、ライブビュー画像用の特殊効果処理を実行するとなれば、必然的に処理負荷が増大し、それぞれの出力レートが低下する。評価用の被写体画像データの出力レートが低下することは、すなわち焦点調整の遅延に直結する。翻って、焦点調整期間に特殊効果処理を省くことができれば、焦点調整を短時間で完了させることができる。したがって、時刻tのタイミングで表示を切り替えることは、視認性確保に加えて、焦点調整の高速化にも寄与する。
【0044】
しかしながら、視認性確保の観点からは、表示切り替えのタイミングを時刻tとは異ならせても良い。ユーザは、焦点調整の完了タイミングである時刻tにおいて画像全体のピント状態を確認できれば、構想通りに撮影ができるか否かを判断できるので、表示制御部36は、表示切り替えタイミングを時刻tとしても良い。その意味において、ユーザは、焦点調整が完了した旨を告知する合焦表示が行われている期間に画像全体のピント状態を確認できれば良いので、表示制御部36は、この期間が含まれるように表示切り替えタイミングを設定しても良い。
【0045】
上述の説明では、特殊効果処理の例としてミニチュア撮影効果処理とスケッチ画像効果処理を挙げた。これらの特殊効果処理は、ぼかし処理を伴うので、視認性確保の観点から焦点調整に連動して一時的に通常の取得画像を表示することが好ましいと説明した。しかし、別の特殊効果処理は、ぼかし処理を伴わない場合もある。例えば、図3(a)を用いて説明したセレクトカラー効果処理は、色情報の置き換えに留まるので、焦点調整中に処理を施した画像をライブビュー画像として表示しても、ユーザの視認性はそれほど低下しない。したがって、設定された特殊効果処理の種類によっては、例えば、ぼかし処理を伴わない特殊効果処理の場合には、表示制御部36は、画像処理部34から特殊効果処理が施されている画像データを継続的に受け取って表示部37へ表示させるようにしても良い。
【0046】
また、ぼかし処理を伴わない特殊効果処理であっても、画像処理部34に大きな負荷を与える処理であれば、焦点調整の高速化の観点から、焦点調整に連動して特殊効果処理を中断するように設定しても良い。このような場合には、少なくとも焦点調整部41が焦点調整を実行する間は、特殊効果処理を中断することが好ましい。
【0047】
また、図3(b)を用いて説明したシーンモードのいずれかが選択されていることにより、表示切り替えを行うか否かを規定しても良い。例えば、被写体に動きがあることが想定されているスポーツモードが選択されている場合には、ユーザは、できるだけ広い領域でピントの状態を確認したいと考えられる。そこで、スポーツモードが選択されている場合であって、特殊効果処理が設定されている場合には、表示制御部36は、焦点調整に連動して一時的に通常の取得画像を表示部37へ表示させると良い。一方、速写性が要求されない風景モード等においては、画像処理部34における処理負荷の影響が小さいので、表示制御部36は、画像処理部34から特殊効果処理が施されている画像データを継続的に受け取って表示部37へ表示させるようにしても良い。
【0048】
もちろん、ユーザの指示を受け付けて、表示切り替えを行うか否かを規定しても良い。例えば、表示制御部36は、図3で示すメニュー設定画面と同様の態様により、「焦点調整に連動する特殊効果処理の中断」なるアイテムバー102と、これを選択するトグルスイッチ103を表示部37へ表示させる。そして、システム制御部11は、トグルスイッチ103の選択を受け付けた場合に、表示切り替えを実行する。このように構成すれば、ユーザは、自らの希望に合わせて、特殊効果処理を施したライブビュー画像を観察し続けるか、焦点調整に連動してピントの確認を行うかを任意に選択することができる。
【0049】
なお、上述においては、特殊効果処理が施されていない画像が表示部37に表示される場合には、画像処理部34は、取得画像に対して実行する特殊効果処理を停止するものとして説明した。しかし、例えば画像処理エンジンのような専用のハードウェアで高速に特殊効果処理が実行されているような場合には、特殊効果処理自体はそのまま継続させておき、表示制御部36が、通常の取得画像データを選択して表示部37へ表示させるように構成しても良い。
【0050】
また、上述の実施形態においては、特殊効果処理が施された画像と施されていない画像を切り替えて表示する形態について説明したが、視認性確保の観点からは、表示制御部36は、画像全体を切り替えなくても良い。図7は、他の表示形態を示す模式図である。
【0051】
図示するように、特殊効果処理が施された画像に重畳して別ウィンドウ310が設けられ、特殊効果処理が施されていない画像がこの別ウィンドウ310に当てはめられて表示されている。表示制御部36は、両画像およびウィンドウを図のようにレイアウトして、表示部37へ一つの画像信号として送信する。特に、顔認識部35が認識した顔領域に対して焦点調整部41が焦点調整を実行するような場合には、合焦領域が動的に変化するので、合焦領域を特殊処理が施されていない通常の画像として別ウィンドウ310により拡大表示することは、ユーザの視認性を著しく向上させる。
【0052】
図8は、静止画撮影時の処理フローを示す図である。一連の処理は、カメラ10の電源がオンにされ、撮影モードの開始と共に開始される。なお、本フローにおいては、特殊効果フィルターとしてミニチュア撮影効果が選択されているものとして説明する。
【0053】
システム制御部11は、ステップS101で、設定されている合焦領域を取得する。具体的には、初期設定としての中央領域またはユーザによって指定された任意の領域が内部メモリ33に記憶されており、システム制御部11は、内部メモリ33から合焦領域を読み出して取得する。ステップS102において、画像処理部34は、システム制御部11から合焦領域を受け取り、合焦領域を含む帯部を設定してパターンマスクを生成する。
【0054】
ステップS103へ進み、画像処理部34は、撮像素子31で光電変換されA/D変換器32でデジタル化された画像データに通常の画像処理を施して生成した被写体画像データを取得する。そして、ステップS104で、取得した被写体画像データにミニチュア撮影効果処理を施す。表示制御部36は、ステップS105で、ミニチュア撮影効果処理が施された画像データを画像処理部34から受け取る。そして、表示用の画像信号に変換して表示部37へ送信し、表示部37に当該画像を表示させる。
【0055】
ステップS106で、システム制御部11は、レリーズスイッチ40のオン、オフを検出して、ユーザから撮影準備の指示が行われているか否かを確認する。指示が行われていないと判断すれば、ステップS117へ進み、システム制御部11は、操作部材39の出力を検出して、ユーザから撮影モードの終了指示が行われているか否かを確認する。指示が行われていないと判断すれば、ステップS118へ進み、システム制御部11は、同様に、合焦領域の変更指示が行われているか否かを確認する。指示が行われていないと判断すれば、ステップS103へ戻る。したがって、ユーザから特に指示を受けない限りはステップS103からステップS105の処理が繰り返されることになるので、ミニチュア撮影効果処理が施された画像がライブビュー画像として表示され続ける。
【0056】
ステップS117で、ユーザから撮影モードの終了指示が行われていると判断したら、システム制御部11は一連の処理を終了させる。また、ステップS118で合焦領域の変更指示が行われていると判断したら、システム制御部11は、ステップS101まで戻り再び合焦領域の取得から実行する。
【0057】
ステップS106で、システム制御部11がユーザから撮影準備の指示が行われていると判断すれば、ステップS107へ進む。ステップS107では、画像処理部34は、撮像素子31で光電変換されA/D変換器32でデジタル化された画像データに通常の画像処理を施して生成した被写体画像データを取得する。そして、ステップS108で、表示制御部36は、その被写体画像データを画像処理部34から受け取り、表示用の画像信号に変換して表示部37に当該画像を表示させる。すなわち、表示制御部36は、ミニチュア撮影効果処理が施されていない通常の画像を表示部37に表示させる。
【0058】
ステップS109では、焦点調整部41が、画像処理部34から表示画像に対応する評価用の被写体画像データを取得してコントラスト評価値を算出する。そして、ステップS110で、焦点調整部41は、算出したコントラスト評価値の推移を参照して、現在の被写体画像データに対するコントラスト評価値が最大であるか否かを判断する。最大でないと判断した場合には、ステップS111へ進む。ステップS111では、焦点調整部41は、コントラスト評価値の推移に従って、フォーカスレンズを微小量移動させ、ステップS107へ再び処理を戻す。
【0059】
したがって、焦点調整であるステップS107からステップS111の処理が繰り返されている間は、ミニチュア撮影効果処理が施されていない通常の画像がライブビュー画像として表示され続ける。
【0060】
ステップS110で、焦点調整部41は、現在の被写体画像データに対するコントラスト評価値が最大であると判断した場合には、ステップS112へ進む。ステップS112で、表示制御部36は、焦点調整が完了した旨を告知する合焦表示を、ステップS107で取得した通常の被写体画像に重畳して、表示部37に表示させる。そしてステップS113で、システム制御部11は、タイマーTによる経時を開始する。
【0061】
ステップS114へ進み、システム制御部11は、レリーズスイッチ40がユーザにより更に操作されて撮影指示が行われているか否かを確認する。行われていないと判断した場合にはステップS115へ進み、システム制御部11は、タイマーTが規定時間Tを超えていないか否かを判断する。つまり、規定時間Tは、撮影指示を許容する時間であり、この間はステップS112による重畳表示が継続されている。
【0062】
ステップS114で、撮影指示が行われていると判断した場合にはステップS116へ進み、システム制御部11は、静止画像ファイル生成のための撮影動作を実行する。画像処理部34は、取得された撮影画像データにミニチュア撮影効果処理を施した上で静止画像ファイルを生成し、システム制御部11は、記録媒体IF38を介して記録媒体50に当該静止画像ファイルを記録する。
【0063】
ステップS115で規定時間T0が経過した場合、または、ステップS116で撮影動作が完了した場合は、ステップS117へ進む。そして、ステップS117で、システム制御部11が撮影モードの終了を判断するまで、以上の処理を継続する。
【0064】
以上の実施形態においては、静止画撮影モードにおけるライブビュー画像の表示を前提に説明したが、被写体像の確認という観点においては、動画撮影中のライブビュー画像の表示に対しても上述の処理を適用し得る。ただし、動画特有の性質において処理を変更すべき点もあるので、以下に動画撮影時の処理について説明する。
【0065】
図9は、動画撮影時の処理フローを示す図である。一連の処理は、動画撮影が始められた時点から開始される。なお、本フローにおいても、特殊効果フィルターとしてミニチュア撮影効果が選択されている例により説明するが、パターンマスクの生成など図8の処理と共通する処理については一部省略している。
【0066】
ステップS201で、画像処理部34は、撮像素子31で光電変換されA/D変換器32でデジタル化された画像データに通常の画像処理を施して生成した被写体画像データを取得する。そして、ステップS202において、焦点調整部41が、画像処理部34から当該被写体画像データに対応する評価用の被写体画像データを取得してコントラスト評価値を算出する。また、画像処理部34は、ステップS203で、取得した被写体画像データにミニチュア撮影効果処理を施す。表示制御部36は、ステップS204で、ミニチュア撮影効果処理が施された画像データを画像処理部34から受け取る。そして、表示用の画像信号に変換して表示部37へ送信し、表示部37に当該画像を表示させる。
【0067】
ステップS205で、焦点調整部41は、ステップS202で算出したコントラスト評価値と前回算出したコントラスト評価値を比較し、もし今回のコントラスト評価値が前回のコントラスト値よりも小さいのであれば、その低下量をEとして算出する。そして、低下量Eが、予め設定された許容値E以下であれば、ステップS213へ進む。ステップS213では、システム制御部11は、動画撮影の終了が指示されたか否かを判断する。終了の指示がされていないと判断したらステップS201へ戻り、動画撮影を継続する。したがって、コントラスト値が許容値Eを超えて低下しない限りは、ステップS201からステップS204の処理が繰り返されることになるので、ミニチュア撮影効果処理が施された画像が動画撮影中のライブビュー画像として表示され続ける。
【0068】
ステップS205で、低下量Eが予め設定された許容値Eを超えていると焦点調整部41が判断した場合は、ステップS206へ進む。ステップS206では、焦点調整部41は更に、低下量Eが許容値Eよりも大きいEを超えているか否かを判断する。低下量Eが許容値Eを超えていると焦点調整部41が判断した場合は、ステップS214へ進み、そうでない場合は、ステップS207へ進む。
【0069】
ステップS207では、画像処理部34は、撮像素子31で光電変換されA/D変換器32でデジタル化された画像データに通常の画像処理を施して生成した被写体画像データを取得する。そして、ステップS208において、焦点調整部41が、画像処理部34から当該被写体画像データに対応する評価用の被写体画像データを取得してコントラスト評価値を算出する。また、画像処理部34は、ステップS209で、取得した被写体画像データにミニチュア撮影効果処理を施す。表示制御部36は、ステップS210で、ミニチュア撮影効果処理が施された画像データを画像処理部34から受け取る。そして、表示用の画像信号に変換して表示部37へ送信し、表示部37に当該画像を表示させる。
【0070】
ステップS211で、焦点調整部41は、算出したコントラスト評価値の推移を参照して、現在の被写体画像データに対するコントラスト評価値が最大であるか否かを判断する。最大でないと判断した場合には、ステップS212へ進む。ステップS212では、焦点調整部41は、コントラスト評価値の推移に従って、フォーカスレンズを微小量移動させ、ステップS207へ再び処理を戻す。したがって、低下量Eが許容値E以下であるような焦点位置の微調整の場合は、ステップS207からステップS212の処理が繰り返されることになるので、ミニチュア撮影効果処理が施された画像が動画撮影中のライブビュー画像として表示され続ける。
【0071】
ステップS214では、画像処理部34は、撮像素子31で光電変換された画像信号に通常の画像処理を施して生成した被写体画像データを取得する。そして、ステップS215において、焦点調整部41が、画像処理部34から当該被写体画像データに対応する評価用の被写体画像データを取得してコントラスト評価値を算出する。そして、ステップS216で、表示制御部36は、ステップS214で取得された被写体画像データを画像処理部34から受け取り、表示用の画像信号に変換して表示部37に当該画像を表示させる。すなわち、表示制御部36は、ミニチュア撮影効果処理が施されていない通常の画像を表示部37に表示させる。
【0072】
ステップS217で、焦点調整部41は、算出したコントラスト評価値の推移を参照して、現在の被写体画像データに対するコントラスト評価値が最大であるか否かを判断する。最大でないと判断した場合には、ステップS218へ進む。ステップS218では、焦点調整部41は、コントラスト評価値の推移に従って、フォーカスレンズを微小量移動させ、ステップS214へ再び処理を戻す。したがって、低下量Eが許容値Eを超えているような焦点位置の大幅な再調整の場合は、ステップS214からステップS218の処理が繰り返されることになるので、ミニチュア撮影効果処理が施されていない通常の画像が動画撮影中のライブビュー画像として表示され続ける。
【0073】
ステップS217で、コントラスト値が最大であると焦点調整部41が判断した場合は、システム制御部11は、ステップS219で、タイマーTによる経時を開始する。そして、ステップS220で、システム制御部11は、タイマーTが規定時間Tを超えていないか否かを判断する。この間はステップS216による表示が継続されている。ステップ220で、システム制御部11が規定時間Tを超えたと判断した場合、および、ステップS211で、焦点調整部41が現在の被写体画像データに対するコントラスト評価値が最大であると判断した場合には、ステップS213へ進む。ステップS213では、システム制御部11は、動画撮影の終了が指示されたか否かを判断する。終了の指示がされていないと判断したらステップS201へ戻り、動画撮影を継続する。終了の指示がされたと判断したら、画像処理部34は、動画ファイルの終端処理を実行して一連の処理を終了させる。
【0074】
以上の処理によれば、焦点調整部41が予め定められた範囲を超えて焦点を変更する場合に、表示制御部36は、焦点調整に連動して、ミニチュア撮影効果処理が施されていない画像を表示させる。したがって、ユーザは、焦点調整部41が微小量の焦点調整を行うときには逐一表示画像が切り替わる煩わしさが無く、一方で、大きく修正する焦点調整を行うときには、被写体像のピント状態を正しく視認できる。
【0075】
以上の実施形態において、ユーザが合焦画像を確認することができる期間Tは、例えば、ユーザに撮影指示を許容する時間として規定されている。しかし、ユーザが期間Tを任意に設定できるように、カメラ10を構成しても良い。例えば2秒、4秒といった固定時間の他に、特定の操作部材39が押圧されている期間などの変動期間も設定対象として準備することができる。
【0076】
以上の実施形態においては、コンパクトデジタルカメラであるカメラ10を例に説明したが、撮像装置としてはコンパクトデジタルカメラに限らない。一眼レフカメラ、カメラ付き携帯端末においても多大な効果を発揮する。また、光学ファインダーを備えないミラーレスカメラ、動画撮影を主とするビデオカメラ等にも適用することができる。
【0077】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0078】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0079】
10 カメラ、11 システム制御部、12 システムメモリ、20 光学系、21 レンズ群、22 レンズシャッタ、31 撮像素子、32 A/D変換器、33 内部メモリ、34 画像処理部、35 顔認識部、36 表示制御部、37 表示部、38 記録媒体IF、39 操作部材、40 レリーズスイッチ、41 焦点調整部、42 露光制御部、43 電源ボタン、50 記録媒体、51 シーソースイッチ、52 十字キー、53 確定ボタン、54 押しボタン、102 アイテムバー、103 トグルスイッチ、201 バス、202,203 樹木、301 合焦領域、302 帯部、310 別ウィンドウ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを処理する画像処理部と、
前記画像処理部により処理された画像データの画像を連続的に表示部に表示させる表示制御部と、
被写体に対して焦点調整を行う焦点調整部と
を備え、
前記表示制御部は、取得された画像データに特殊効果処理を施すように前記画像処理部が設定されている場合であっても、前記焦点調整に連動して、前記特殊効果処理が施されていない画像を前記表示部に表示させる撮像装置。
【請求項2】
前記特殊効果処理は、少なくともぼかし処理を伴う処理である請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、ぼかし処理を伴わない特殊効果処理を施すように前記画像処理部が設定されている場合には、前記特殊効果処理が施されている画像の表示を継続する請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記焦点調整の開始に同期して、前記特殊効果処理が施されていない画像を表示させる請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記焦点調整の完了に同期して、前記特殊効果処理が施されていない画像を表示させる請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記焦点調整が完了した旨を告知する合焦表示を行う期間を少なくとも含むように、前記特殊効果処理が施されていない画像を表示させる請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、予め定められた撮影モードが選択されている場合に、前記焦点調整に連動して、前記特殊効果処理が施されていない画像を表示させる請求項1から6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記焦点調整に連動して前記特殊効果処理が施されていない画像を前記表示部に表示させる旨の設定項目がユーザにより選択されている場合に、前記焦点調整に連動して、前記特殊効果処理が施されていない画像を表示させる請求項1から7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記特殊効果処理が施された画像の表示に別ウィンドウを重畳させて、該別ウィンドウに前記特殊効果処理が施されていない画像を表示させる請求項1から8のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、前記別ウィンドウに、前記焦点調整が行われた部分領域を表示させる請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記表示制御部は、予め定められた時間が経過した後に前記特殊効果処理が施された画像を再び表示させる請求項1から10のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記時間は、ユーザによって設定される請求項11に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記表示制御部は、動画撮影時において、前記焦点調整に連動して、前記特殊効果処理が施されていない画像を表示させる請求項1から12のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記表示制御部は、前記焦点調整部が予め定められた範囲を超えて焦点を変更する場合に、前記特殊効果処理が施されていない画像を表示させる請求項12に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記画像処理部は、前記焦点調整に連動して、前記特殊効果処理を停止する請求項1から14のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記特殊効果処理は、注目領域に対して周辺領域の空間周波数を低減させるミニュチュア撮影効果処理、および被写体像を絵画調で表現するスケッチ画像効果処理の少なくともいずれかを含む請求項1から15のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項17】
画像データを処理する画像処理ステップと、
前記画像処理ステップにより処理された画像データの画像を連続的に表示部に表示させる表示制御ステップと、
被写体に対して焦点調整を行う焦点調整ステップと
を有し、
前記表示制御ステップが、取得された画像データに特殊効果処理を施すように前記画像処理ステップが設定されている場合であっても、前記焦点調整に連動して、前記特殊効果処理が施されていない画像を前記表示部に表示させるように、コンピュータにそれぞれのステップを実行させる撮像装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−199690(P2012−199690A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61550(P2011−61550)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】