説明

撮像装置および焦点板交換機構

【課題】撮像装置の焦点板交換機構において省スペース化を図ることが可能な技術を提供する。
【解決手段】撮像装置1は、装置本体部と、焦点板8を着脱自在に保持する焦点板保持部材7と、係止部材9とを備える。係止部材9は、焦点板保持部材7と装置本体部のレンズ装着部Mtとの間に設けられる。焦点板保持部材7は、レンズ装着部Mt側に前面側部材72を有する。また、係止部材9は、前面側部材72に設けられた係合部72kと係合し焦点板保持部材7を係止して、焦点板保持部材7による焦点板8の保持状態を維持する。前面側部材72に対して装置背面側への(矢印AR1の向きの)押圧力が付与されると、前面側部材72が弾性変形して前面側部材72の係合部72kが装置背面側に変位し係止部材9と係合部72kとの係合が解除される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラなどの撮像装置に関し、特に当該撮像装置の焦点板交換機構に関する。
【背景技術】
【0002】
一眼レフレックス式カメラの観察光学系においては、撮影レンズを通過して主ミラーで反射された光像が、焦点板で結像され、その後ペンタプリズム、接眼レンズおよびファインダ窓等をさらに通過して、観察者(ユーザ)の眼に到達する。観察者はこのような光像を視認することによって、撮影時の構図等を確認することが可能である。
【0003】
ところで、上記の焦点板として、様々な種類のものを利用したいという要望が存在する。特に、プロ撮影者あるいはそれに準じる撮影者(ハイアマチュア)は、撮影状況等に応じて、様々な種類の焦点板を使い分けたいという要望を有している。
【0004】
例えば、合焦の程度に応じた光像の見え方が通常の焦点板とは異なる焦点板が存在する。この焦点板においては、その磨りガラス状の表面(マット面)に通常の焦点板とは異なる粗さの加工が施され、より正確に合焦状態になったときにのみ像が鮮鋭に見えるように形成されている。これによれば、観察者は、合焦状態をより明確に知得することが可能である。
【0005】
あるいは、格子状の線が刻まれた焦点板が存在する。このような焦点板によれば、観察者は、視野内に配置された格子線(方眼)を参照しながら、構図決めを行うことが可能になる。
【0006】
このような様々な焦点板を簡易に交換可能にするため、撮像装置の中には、焦点板の着脱機構(焦点板交換機構)を備えるものが存在する(特許文献1等参照)。
【0007】
この焦点板交換機構は、図26に示されるように、焦点板98の近傍に設けられる。また特に、焦点板交換操作用の係止部材99等が、円環状の(本体側)レンズマウント部の内周側の開口部内に設けられる。
【0008】
【特許文献1】特開2001−174880号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
撮影レンズから結像面(撮像面)までの距離は予め決まっていることもあり、上記のような焦点板交換機構はカメラ本体内の限られた空間内に収容されることが求められる。
【0010】
また、一眼レフレックス式のデジタルカメラにおいて、イメージセンササイズとして、APS(詳細にはAPS−H)サイズよりもさらに大きなフルサイズ(35ミリフィルムサイズ)を用いるものがある。
【0011】
このようにイメージセンササイズが大きくなると、焦点板のサイズも大きくなる。したがって、焦点板交換機構の配置スペースに対する制約は非常に厳しくなる。このような制約の下においては、例えばミリ単位あるいはサブミリ単位での調整が求められる。
【0012】
また特に、近年、銀塩カメラ(フィルム式カメラ)からデジタルカメラへのシフトが進んでいる。
【0013】
銀塩カメラからデジタルカメラに移行すると、従来の薄いフィルムが撮像素子に変更される。そして、撮像素子の撮像面の被写体側にはカラーフィルタおよびカバーガラスなどの部材が設けられる。そのため、一眼レフレックス式のカメラにおいては、上記の焦点板交換機構の配置スペースに対する制約がさらに厳しくなる。
【0014】
さて、例えば特許文献1には、焦点板交換機構において、焦点板保持部材97に設けられた突起部97eを係止部材99の孔部99hに貫通させて焦点板保持部材97を係止する技術が記載されている(図26参照)。このような係止状態において、焦点板保持部材97による焦点板98の保持状態が維持される。
【0015】
そして、当該技術においては、図26に示されるように、係止部材99の下端部99bを手前(図26の左向き)に引くことによって、当該係止部材99の孔部99hと焦点板保持部材97の突起部97eとの係合が解除される。これにより、係止部材99による板保持部材97の係止が解除され、焦点板保持部材97が所定の軸回りに回動しつつ下降し、焦点板の交換が可能な状態に移行する。
【0016】
しかしながら、このような技術においては、係止部材99の下端部99bを手前側(レンズマウント部内側の開口部(図26の左側))に引くことを要するため、係止部材99の手前側(装置前面側)に比較的大きなスペースを要する。
【0017】
一方、上述したように、焦点板交換機構の配置スペースに対する制約が存在するため、係止部材99の手前側に比較的大きなスペースを確保することは困難である。
【0018】
そこで、この発明の課題は、撮像装置の焦点板交換機構において省スペース化を図ることが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の第1の側面は、撮像装置であって、装置本体部と、焦点板を着脱自在に保持する焦点板保持部材と、前記焦点板保持部材と前記装置本体部の前記レンズ装着部との間に設けられる係止部材とを備え、前記焦点板保持部材は、前記レンズ装着部側に前面側部材を有し、前記係止部材は、前記前面側部材に設けられた係合部と係合し前記焦点板保持部材を係止して、前記焦点板保持部材による前記焦点板の保持状態を維持し、前記前面側部材に対して装置背面側への押圧力が付与されると、前記前面側部材が弾性変形して前記前面側部材の前記係合部が前記装置背面側に変位し前記係止部材と前記係合部との係合が解除されるものである。
【0020】
本発明の第2の側面は、焦点板交換機構であって、焦点板を着脱自在に保持する焦点板保持部材と、前記焦点板保持部材の前面側部材に設けられた係合部と係合して前記焦点板保持部材を係止し、前記焦点板保持部材による前記焦点板の保持状態を維持する係止部材とを備え、前記前面側部材を前記係止部材から引き離す第1の向きの押圧力が前記前面側部材に対して付与されると、前記前面側部材が弾性変形して前記前面側部材の前記係合部が前記第1の向きに変位し前記係止部材と前記係合部との係合が解除されるものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、係止部材を装置前面側に移動させるためのスペースを確保しなくて済むため、省スペース化を図ることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
<1.第1実施形態>
<1−1.構成概要>
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置1の外観構成を示す斜視図である。この撮像装置1は、レンズ交換式一眼レフレックスタイプのデジタルカメラとして構成されている。
【0024】
図1に示すように、撮像装置1は、カメラ本体部(装置本体部)2を備えている。このカメラ本体部2に対して、交換式(着脱式)の撮影レンズユニット(交換レンズ)3が着脱可能である。なお、図1では、撮影レンズユニット3が離脱された状態が示されているが、撮影動作は、撮影レンズユニット3が装着された状態で実行される。一方、後述する焦点板8の交換作業は、図1のように撮影レンズユニット3が離脱された状態で行われる。
【0025】
撮影レンズユニット3は、主として、鏡胴、ならびに、鏡胴の内部に設けられるレンズ群及び絞り等によって構成される。当該レンズ群(撮影光学系)には、光軸方向に移動することによって焦点位置を変更するフォーカスレンズ等が含まれている。
【0026】
カメラ本体部2は、撮影レンズユニット3が装着される円環状のレンズマウント部(レンズ装着部)Mtを正面略中央に備え、撮影レンズユニット3を着脱するための着脱ボタン22を円環状のレンズマウント部Mt付近に備えている。
【0027】
また、カメラ本体部2は、正面左端部に撮影者が把持するためのグリップ部14を備えている。グリップ部14の上面には露光開始を指示するためのレリーズボタン21が設けられている。グリップ部14の内部には電池収納室とカード収納室とが設けられている。電池収納室にはカメラの電源として、例えばリチウムイオン電池が収納されており、カード収納室には撮影画像の画像データを記録するためのメモリカードが着脱可能に収納される。
【0028】
レリーズボタン21は、半押し状態(S1状態)と全押し状態(S2状態)との2つの状態を検出可能な2段階検出ボタンである。レリーズボタン21が半押しされS1状態になると、被写体に関する記録用静止画像(本撮影画像)を取得するための準備動作(例えば、AF制御動作およびAE制御動作等)が行われる。また、レリーズボタン21がさらに押し込まれてS2状態になると、当該本撮影画像の撮影動作(撮像素子5(後述)を用いて被写体像(被写体の光像)に関する露光動作を行い、その露光動作によって得られた画像信号に所定の画像処理を施す一連の動作)が行われる。
【0029】
図2は、撮像装置1の内部構成を示す斜視図であり、図3は、撮像装置1の内部構成を示す断面図である。なお、図2および図3は、ミラーダウン状態を示している。
【0030】
図2に示すように、レンズマウント部Mtの内側上部においては、レンズ信号接点を含む電気的接続端子部25が設けられている。撮影レンズユニット3の装着時には、当該レンズ信号接点を介して各種信号が送受信される。
【0031】
また、電気的接続端子部25の下側には焦点板保持部材7の前面側部材72(後述)が設けられている。後述するように、前面側部材72を背面側に押すことなどによって、焦点板8の交換動作が行われる。
【0032】
図3に示すように、撮影レンズユニット3から撮像素子5に至る光路(撮影光路)上にはミラー機構6が設けられている。ミラー機構6は、撮影光学系からの光を上方に向けて反射する主ミラー6a(主反射面)を有している。この主ミラー6aは、例えばその一部または全部がハーフミラーとして構成され、撮影光学系からの光の一部を透過する。また、ミラー機構6は、主ミラー6aを透過した光を下方に反射させるサブミラー6b(副反射面)をも有している。サブミラー6bで下方に反射された光は、AFモジュール(不図示)へと導かれて入射し、位相差方式のAF動作に利用される。焦点板の交換作業は、この「ミラーダウン状態」において行われる。
【0033】
レリーズボタン21が全押し状態S2にされる前まで(すなわち構図決め時において)、ミラー機構6はミラーダウン状態となるように配置される(図3)。そして、この際には、撮影レンズユニット3からの被写体像は、主ミラー6aで反射され観察用光束として上方に進行する。主ミラー6aで上方に反射された被写体像(光像)は、焦点板8へと導かれ、焦点板8で一旦結像される。その後、焦点板8を通過した当該被写体像は、ペンタプリズム18に入射してペンタプリズム18の反射面において更に反射され、接眼レンズおよびファインダ窓を通過して、撮影者の眼に到達する。この状態において、光学ビューファインダ(OVF)を用いた構図決め動作が行われる。
【0034】
その後、レリーズボタン21が全押し状態S2にされると、ミラー機構6は、ミラーアップ状態となるように駆動され、露光動作が開始される。詳細には、撮影光学系からの光(被写体像)を遮らないように主ミラー6aとサブミラー6bとが上方に跳ね上げられ、撮影レンズユニット3からの光が、主ミラー6aで反射されることなく進行して、シャッタの開放期間に合わせて撮像素子5に到達する。撮像素子5は、光電変換によって、受光した光束に基づいて被写体の画像信号を生成する。このように、被写体からの光束(被写体像)が撮影レンズユニット3を通過して撮像素子5に導かれることによって、被写体に係る撮影画像(撮影画像データ)が得られる。
【0035】
撮像素子(ここではCCDセンサ(単にCCDとも称する))5は、撮影レンズユニット3からの被写体の光像(被写体像)を光電変換作用により電気的信号に変換する受光素子であり、本撮影画像に係る画像信号(記録用の画像信号)を生成して取得する。具体的には、撮像素子5は、受光面に結像された被写体像の露光(光電変換による電荷蓄積)を行い、当該被写体像に係る画像信号を生成する。
【0036】
また、撮像素子5で取得された画像信号に対して信号処理部により所定のアナログ信号処理が施されると、当該アナログ信号処理後の画像信号はA/D変換回路によってデジタル画像データ(画像データ)に変換され、デジタル信号処理回路に入力される。当該デジタル信号処理回路は、当該デジタル画像データに対して種々のデジタル信号処理(黒レベル補正処理、ホワイトバランス(WB)処理、γ補正処理等)を施す。これにより、本撮像画像に係る画像データが生成され、生成された画像データは、メモリカードに記録される。
【0037】
<1−2.焦点板付近の構成>
図4は、焦点板8付近の構成を示す分解斜視図である。
【0038】
図4に示すように、下から上へ向けて、焦点板保持部材(焦点板ホルダとも称する)7と焦点板8と視野枠部材11とSIスクリーン12とペンタホルダ15とコンデンサレンズ16とペンタマスク板17とペンタプリズム18とが、この順序で積層されている。また、係止部材9はペンタホルダ15に固定されて設けられている。また、ペンタホルダ15等は、カメラ本体部2に固定される。そのため、係止部材9はカメラ本体部2側に固定されて設けられているとも表現される。なお、これらの要素(焦点板保持部材7および係止部材9等を含む)は、焦点板交換機構を構成する。
【0039】
焦点板保持部材7と視野枠部材11とペンタマスク板17とは、それぞれ、略矩形形状の枠状部材である。また、ペンタホルダ15は、中空部を有する略角柱状部材である。これらの各部材7,11,15,17は、いずれも、その中央に中空部を有する。
【0040】
図4の下方に配置される主ミラー6aで反射され図4の上方に向けて進行する被写体像は、各部材7,11,15,17の中空部、ならびに、焦点板8、SIスクリーン12、コンデンサレンズ16およびペンタプリズム18を含む各種の光学部品を通過する。そして、当該被写体像は、ペンタプリズム18で反射されカメラ背面側に進行して、観察者の眼に到達する。
【0041】
図5は、焦点板8を示す斜視図である。図6は焦点板8の上面図であり、図7は焦点板8の正面図であり、図8は焦点板8の側面図(右側面図)である。
【0042】
焦点板(フォーカシングスクリーンとも称する)8は、透光性を有する光学部品である。焦点板8は、その下面側(光入射面)にフレネルレンズ面を有しており、その上面側(光出射面)にマット面を有している。また、焦点板8は、これらの図に示すように、略矩形状の板状部材である。焦点板8は、その本体部81の左右両側において、本体部81から外側に向けて突出する突出部82,84,85を有している。突出部84,85は、それぞれ、本体部81の左右の端側に設けられている。後述するように突出部84,85は、焦点板保持部材7の位置規制部材74e,75eと接触することによって、焦点板8の位置決め動作に利用される。また、突出部84,85には、それぞれ、上方に向けて突出する突起部84e,85eが設けられている。さらに、突出部82は、後述するように、焦点板8の交換用の治具によって把持される部分である。すなわち、突出部82は、焦点板8の交換時における被把持部として用いられる。
【0043】
図9は、焦点板保持部材7を示す斜視図である。図10は焦点板保持部材7の上面図であり、図11は焦点板保持部材7の正面図である。また、図12は、焦点板保持部材7の左側面図であり、図13は焦点板保持部材7の右側面図である。
【0044】
これらの図に示すように、焦点板保持部材7は、中空部71を有する枠部材である。焦点板保持部材7は、4つの略直線状の枠部材、具体的には、レンズマウント部側(前面側)に設けられた前面側部材72と、装置背面側に設けられた背面側部材76と、両部材72,76を相互に接続する接続部材74,75とを有している。これら4つの直線状部材72,74,76,75は、中空部71を囲むように配置されている。
【0045】
焦点板保持部材7は、金属などの弾性部材で構成される。例えば、焦点板保持部材7は、一枚の板金から、プレス加工等によって形成される。換言すれば、上記の4つの直線状部材72,74,75,76は一体化された状態で形成される。
【0046】
前面側部材72は、略板状の部材である。より具体的には、前面側部材72は、その中央に中央部72fを有しており、当該中央部72fの両側(外側)に変形部72gを有している。また、前面側部材72は、その両端に(換言すれば変形部72gの外側に)ストッパ部(突当部とも称する)72sを有している。前面側部材72は、焦点板載置面(焦点板が載置される平面)PL(図11参照)に対して略垂直に折り曲げられて下方に向かって伸びており、前面側部材72は立下り部とも称される。したがって、中央部72fと変形部72gとストッパ部72sとはいずれも、焦点板載置面PLに略垂直な面として構成されている。
【0047】
中央部72fの中央には孔72hが設けられており、中央部72fの孔72hの両側上部にはそれぞれ係合部(爪部とも称される)72kが設けられている。左右の各係合部72kは、係止部材9における左右の各係合部(爪部とも称される)92k(図4および図16等参照)とそれぞれ係合し、焦点板保持部材7を係止する。
【0048】
変形部72gの上下方向の幅Wg(図11参照)は中央部72fの上下方向の幅Wfよりも狭く、変形部72gは中央部72fに比べて剛性が低い。逆に言えば、中央部72fの上下方向の幅Wfは変形部72gの上下方向の幅Wgよりも広く、中央部72fは変形部72gに比べて剛性が高い。
【0049】
このように、前面側部材72は、当該前面側部材72の長手方向(左右方向)において係合部72kを含む所定範囲にわたって、比較的剛性が高い中央部(高剛性部分とも称する)72fを有する。また、前面側部材72は、その長手方向において中央部72fの側部(詳細には両側部)に比較的剛性が低い変形部(低剛性部分とも称する)72gを有する。変形部72gの剛性は中央部72fの剛性よりも低く、変形部72gは中央部72fよりも弾性変形しやすい。
【0050】
後述するように、中央部72fに対して背面側へ向かう押圧力が付与されると、前面側部材72(主に変形部72g)において弾性変形が生じ、中央部72fが背面側へ移動する。このとき、中央部72fに設けられた係合部72kが装置背面側に変位し、係合部72kと係合部92kとによる係止が解除される。すなわち、係止部材9による焦点板保持部材7の係止状態が解除される。
【0051】
また特に、中央部72fは比較的剛性が高いため、所定程度以上の押圧力が付与されるまでは中央部72fの変形は比較的小さい。したがって、比較的小さな力では焦点板保持部材7の係止状態は解除されにくい。換言すれば、係止状態が容易に解除されることを防止することが可能である。なお、焦点板保持部材7の係止解除動作等については後に詳述する。
【0052】
また、ストッパ部72sの上下方向の幅Wsは、変形部72gの上下方向の幅Wgよりも広く、且つ、中央部72fの上下方向の幅Wfよりも広い。
【0053】
ストッパ部72sは、前面側部材72の左右方向の両端に1個ずつ配置されている。また、これら2つのストッパ部72sの左右方向における配置間隔(より詳細には、両ストッパ部72sの下端部の間隔)は、主ミラー6aの幅と同等か或いは当該幅よりも大きい。そして、後述するように係止部材9による係止が解除され焦点板保持部材7が主ミラー6aに向けて下降する際には、両ストッパ部72sは、主ミラー6aを跨ぐ位置においてミラー保持部材6e(後述)に当接する。このとき、ストッパ部72sは、主ミラー6a自体には接触しない。そのため、主ミラー6aと焦点板保持部材7との接触による主ミラー6aの損傷を防止することができる。
【0054】
接続部材74は、焦点板保持部材7の左右方向の一方側(図9の右側)において、前面側部材72から背面側部材76に向けて延設され、前面側部材72と背面側部材76とを前後方向に接続する。接続部材75は、焦点板保持部材7の左右方向の他方側(図9の左側)において、前面側部材72から背面側部材76に向けて延設され、前面側部材72と背面側部材76とを前後方向に接続する。また、接続部材74,75は、互いに略平行に配置される。
【0055】
接続部材74は、支持部74a,74bを有している。図13に示すように、支持部74a,74bは、それぞれ、接続部材74の一部が上方に突出するように屈曲され、上下方向における弾性力が付与された状態で形成されている。同様に、接続部材75は、図12に示すように、支持部75a,75bを有している。支持部75a,75bは、それぞれ、接続部材75の一部が上方に突出するように屈曲され、上下方向における弾性力が付与された状態で形成されている。
【0056】
後述するように、焦点板8は、焦点板保持部材7による保持状態において、4つの支持部74a,74b,75a,75bによって上向きの押圧力が付与された状態で支持される。そのため、支持部74a,74b,75a,75bは、焦点板8をカメラ本体部側(より詳細にはペンタホルダ15側)(すなわち上方)に押し付ける弾性力を付与する弾性力付与部であるとも表現される。
【0057】
また、接続部材74,75は、位置規制部材(ガイド部材)74c,74d,74e,75c,75d,75eをも有している(図9および図10等参照)。
【0058】
位置規制部材(ガイド部材)74c,74d,74e,75c,75d,75eは、それぞれ、焦点板載置面PLから略垂直上方に向けて立設されており、焦点板8の位置決めに利用される。具体的には、焦点板8が焦点板保持部材7に載置される状態において、位置規制部材74c,75cは、左右方向において焦点板8の外側に配置され、左右方向における焦点板8の移動を規制する。また、位置規制部材74d,74eは、焦点板8の突出部84(図5)の前後方向に配置され、前後方向における焦点板8の移動を規制する。同様に、位置規制部材75d,75eは、焦点板8の突出部85の前後方向に配置され、前後方向における焦点板8の移動を規制する。
【0059】
なお、この実施形態では、厳密には、焦点板8が後ろ側へ移動するときには、ヒンジ部76u(後述)が位置規制部材74dよりも先に焦点板8に接触して焦点板8の後ろ側への移動を規制する。同様に、位置規制部材75dよりもヒンジ部76u(後述)が先に焦点板8に接触して焦点板8の後ろ側への移動を規制する。そのため、位置規制部材74d,75dを設けないようにしてもよい。
【0060】
また、背面側部材76は、前面側部材72に対して略平行に配置される。
【0061】
背面側部材76は、その両側端部のそれぞれにおいて、逆U字状に加工されたヒンジ部76uを有している。ヒンジ部76uは、回転軸15d(図16等参照)に支持され、当該回転軸15dに対して回動可能に設けられる。これにより、焦点板保持部材7は、回転軸15d回りに(より詳細には、回転軸15dの中心軸を中心に)回動することが可能である。なお、回転軸15dは、ペンタホルダ15の背面側左右両端の取付部15eに固定され、ペンタホルダ15の左右方向において延設される軸部材である(図3および図4等参照)。
【0062】
このような焦点板保持部材7は、上記の焦点板8を着脱自在に保持する。より具体的には、焦点板保持部材7は、後述する上方位置(図14参照)において、焦点板8をペンタホルダ15および視野枠部材11等と協働して保持する。また、後述する下方位置(図15参照)においては、焦点板8の交換操作(取り外し操作および取り付け操作)を行うことが可能である。
【0063】
例えば、焦点板保持部材7は、載置対象の焦点板8(詳細にはその底面周縁部)を4つの支持部(弾性支持部とも称する)74a,74b,75a,75b(図9等照)で支持する。
【0064】
また、焦点板8の左右両側の辺と焦点板保持部材7の位置規制部材74c,75cとが接触することによって、左右方向における焦点板8の位置変動が規制される。さらに、焦点板8の突出部84が、前後方向において位置規制部材74dと位置規制部材74eとの間に配置され、前後方向における焦点板8の位置変動が規制される。同様に、焦点板8の突出部85が、前後方向において位置規制部材75dと位置規制部材75eとの間に配置され、前後方向における焦点板8の位置変動が規制される。これにより、焦点板8の交換時において、焦点板8が大きく移動することが防止されるとともに、焦点板8を適宜の位置に誘導することが可能である。
【0065】
さらに、視野枠部材11の上面がペンタホルダ15の底面の枠部に接するように、ペンタホルダ15の底面には視野枠部材11が固定されている(図4参照)。また、ペンタホルダ15の内側底部にはSIスクリーン12が保持されている。SIスクリーン12の周縁部の左右両側にはそれぞれ孔12hが設けられ、視野枠部材11の枠部の左右両側にはそれぞれ孔11hが設けられる。孔12hと孔11hとは、互いに対応する位置に設けられている。また、SIスクリーン12の孔12hは、ペンタホルダ15の凹部15cに配置される。
【0066】
焦点板8が交換された後に焦点板保持部材7が上方位置(図14参照)へと移動する際には、(焦点板8の突出部84から上方に向かって突出する)突起部84eは、孔11hを貫通して孔12hに嵌入(遊嵌状態)する。同様に、(焦点板8の突出部85から上方に向かって突出する)突起部85eは、孔11hを貫通して孔12hに嵌入(遊嵌状態)する。このようにして、焦点板8はペンタホルダ15に対して正確に位置決めされた状態で、焦点板保持部材7等によって保持される。
【0067】
焦点板保持部材7が係止部材9によって係止された状態(図16参照)においては、焦点板保持部材7による焦点板8の保持状態が維持される。この状態においては、正規の位置に配置された焦点板8が、4つの支持部74a,74b,75a,75b(図9等参照)の弾性力によってペンタホルダ15側(上方)に向けて押し付けられて保持される。このようにして、焦点板保持部材7は焦点板8を確実に保持することが可能である。
【0068】
<1−3.焦点板の交換動作>
つぎに、焦点板の交換動作について詳細に説明する。
【0069】
図14は、焦点板保持部材7が上方位置に存在する状態を示す断面図であり、図15は、焦点板保持部材7が下方位置に存在する状態を示す断面図である。さらに、図16〜図18は、焦点板保持部材7が上方位置(図14)から下方位置(図15)に移行するまでの詳細動作を示す断面図である。また、図19および図20は、カメラ本体部2のレンズマウント部(レンズ装着部)Mtの内側の開口部から見たカメラ本体部2内部の様子を示す図である。図19は、焦点板保持部材7が上方位置に存在する状態に対応し、図20は、焦点板保持部材7が下方位置に存在する状態に対応する。なお、図19および図20は、それぞれ、内部を若干下側から見た斜視図である。
【0070】
以下では、図19に示すように、ユーザによって撮影レンズユニット3がカメラ本体部2から取り外された状態において、焦点板8を交換する動作について説明する。
【0071】
まず、焦点板8を取り外すための動作について説明する。
【0072】
ユーザは、焦点板保持部材7による焦点板8の保持状態を解除するため、焦点板交換用治具(例えばピンセット状の治具)JGの先端部を用いてレンズマウント部Mtの内部の上方部分における前面側部材72(詳細には中央部72f)を背面側に向けて押す。すなわち、ユーザは、前面側部材72に対して装置背面側への押圧力を付与する。換言すれば、ユーザは、前面側部材72を係止部材9から引き離す向き(矢印AR1(図17)の向き)の押圧力を前面側部材72に対して付与する。ここでは、後述するような下降動作をも円滑に行うため、ユーザは、治具JGの先端部を孔72hに差し込みつつ、当該前面側部材72に対して背面側へ向かう押圧力を付与する。
【0073】
図16は押圧力付与前の状態を示し、図17は押圧力付与直後の状態を示す。
【0074】
図16に示すように、押圧力付与前においては、焦点板保持部材7の前面側部材72に設けられた係合部72kが係止部材9の係合部92kに対して係合している。これにより、回転軸15dを中心とする焦点板保持部材7の回動動作を抑止するように焦点板保持部材7が係止されている。そして、この係止状態において、焦点板保持部材7による焦点板8の保持状態が維持される。なお、係止部材9は、レンズマウント部Mtと焦点板保持部材7の前面側部材72との間に設けられている。また、係止部材9は、略板形状を有しており、その下側先端側の左右両側に1つずつ合計2つの係合部92kを有している(図4も参照)。これらの係合部92kは、係止部材9の下側先端部が背面側に向けて折り曲げられて形成されている。
【0075】
一方、図16と図17とを比較すると判るように、ユーザが前面側部材72の中央部72fを押して、中央部72fに対して背面側(図の右側)へ向かう押圧力を付与すると、前面側部材72(具体的には中央部72fおよび変形部72g等)に弾性変形が生じる。ただし、上述したように中央部72fと変形部72gとの剛性(換言すれば、弾性)の大きさが異なっているため、主に変形部72g(図9参照)において弾性変形が生じる。そして、中央部72fが背面側(矢印AR1の向き)へ移動し、中央部72f付近に存在する係合部72k(図9)も背面側に移動する。
【0076】
そして、このとき、図17に示すように、係合部72kと係合部92kとの係合が解除され、係止部材9による焦点板保持部材7の係止状態が解除される。これにより、焦点板保持部材7が回転軸15d回りに回動することが可能になる。
【0077】
その後、ユーザは、孔72hに挿入した治具JGの先端部を下方に移動する。このような操作に応じて、図18に示すように、焦点板保持部材7は回転軸15d(詳細にはその中心軸)を中心に反時計回りに回転する。また、焦点板保持部材7に載置された焦点板8も焦点板保持部材7とともに移動する。なお、焦点板8の突出部84は焦点板保持部材7の位置規制部材74dと位置規制部材74eとの間に存在し、焦点板8の突出部85は焦点板保持部材7の位置規制部材75dと位置規制部材75eとの間に存在する。この下降動作においては、焦点板8の前後方向の位置は、特に比較的手前側の位置規制部材74e,75e(図9)によって規制される。
【0078】
そして、焦点板保持部材7が回転軸15dを中心に所定量(例えば約45°)回転すると、前面側部材72のストッパ部72sがミラー保持部材6eに当接し、回動動作が停止する。この状態(図15参照)は、焦点板8の交換が可能な交換可能状態であるとも表現される。なお、ミラー保持部材6eは、主ミラー6aを保持する部材であり、略矩形状の主ミラー6aの左右方向における両側部に配置されている。
【0079】
このように係止部材9による焦点板保持部材7の係止が解除されると、焦点板保持部材7が回転軸15d回りに回動し、焦点板保持部材7は交換可能状態(図15)に移行する。
【0080】
この交換可能状態においては、ストッパ部72s、変形部72gおよび中央部72fの全てと主ミラー6aとの接触が回避されつつ、ストッパ部72sがミラー保持部材6eに当接した状態で、焦点板保持部材7が主ミラー6aによって支持されている(図20参照)。
【0081】
なお、ここでは、ストッパ部72sの上下方向の幅Wsは変形部72gの幅Wgと中央部72fの幅Wfとのうちのいずれよりも大きく、且つ、ミラー保持部材6eは主ミラー6aの厚さ方向において主ミラー6aのミラー面(反射面)よりも上側(焦点板保持部材7側)の位置に存在する。このような条件によって、ストッパ部72s、変形部72gおよび中央部72fの全てと主ミラー6aとの接触が回避されている。
【0082】
図15および図20の状態において、ユーザは治具JGの先端部を孔72hから一旦取り外した後に、今度は当該治具JGの把持機構を用いて突出部82を把持し焦点板8を取り出す。突出部82は、図20に示すように、レンズマウント部Mtの内部において、右手前側に存在する。
【0083】
このような操作によって、交換対象の焦点板(交換前の焦点板)8がカメラ本体部2の外部へと取り出される。
【0084】
つぎに、交換後の焦点板8の装着動作について説明する。
【0085】
図15および図20において、ユーザは交換後の新たな焦点板8の突出部(被把持部)82を治具JGの先端把持部分を用いて把持して、焦点板保持部材7における所定位置に載置する。その後、ユーザは治具JGを焦点板8から離した後に、当該治具JGを今度は孔72hに挿入して、焦点板保持部材7を上方位置へと移動する。詳細には、当該治具JGを用いて前面側部材72(焦点板保持部材7)を回転軸15dを中心に上向き(図21の時計方向)に回転させて移動させる。このとき、ユーザは、前面側部材72に対して背面側への押圧力を加えることなく、前面側部材72を上方へ移動させる力のみを加えることが好ましい。
【0086】
図21に示すように、この移動操作に応じて焦点板保持部材7とともに焦点板8が上方に移動する。
【0087】
図22に示すように、さらに焦点板保持部材7が上方に移動すると、係合部72kは電気的接続端子部25の背面側樹脂部(絶縁部)に接触しつつ上方に移動する。
【0088】
また、図23に示すように、焦点板保持部材7がさらに上方に移動すると、係合部72kは係合部92kに接触しながら上方に移動する。
【0089】
この接触動作に応じて、焦点板保持部材7の前面側部材72は、係合部92kからの押圧力を受けて背面側へ若干移動した状態で、さらに上方へと移動する。そして、係合部72kの先端部が係合部92kの先端部を通過すると係合部92kからの反力が小さくなり、前面側部材72が前面側(図の左側)へと移動して、再び係合部72kと係合部92kとの係合状態が実現される(図16参照)。換言すれば、係止部材9によって焦点板保持部材7が係止される。これによって、焦点板保持部材7の保持状態が再び実現される。
【0090】
以上のように、前面側部材72に対する装置背面側への押圧力がユーザにより付与されることによって、前面側部材72の係合部72kが装置背面側に変位して当該係合部72kと係止部材9の係合部92kとの係合が解除される(図16および図17参照)。そして、その結果、焦点板保持部材7の係止部材9による係止状態が解除される。したがって、上記の従来技術(図26参照)のように係止部材(99)を手前側(装置前面側)に引くためのスペースを係合部材の手前側に設けることを要しない。換言すれば、係止部材9よりも手前側(装置前面側)において、係止部材9が手前側に移動するためのスペースを確保する必要がない。そのため、例えば、図16等に示されるように電気的接続端子部25に非常に近接して焦点板保持部材7の前面側部材を配置し、係止部材9を比較的レンズマウント部Mt側に配置することも可能である。このように、省スペース化を図ることが可能である。ひいては、撮像装置1の小型化を図ることが可能である。
【0091】
<2.第2実施形態>
上記第1実施形態では、焦点板8の保持状態において、係止部材9の係合部92kと焦点板保持部材7の係合部72kと(特に係合部92k)が略水平方向に伸びた状態で係合している(図16参照)。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、係止部材9の係合部92kと焦点板保持部材7の係合部72kとが水平方向に対して斜行する状態で係合するようにしてもよい。第2実施形態においては、このような変形例について説明する。なお、以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0092】
図24に示すように、この第2実施形態に係る焦点板保持部材7(7B)においては、係合部72kの先端形状が第1実施形態と異なっている。具体的には、係合部72k(72kB)は、奥側(図24の右側)から手前側(図24の左側)に向けてその位置が徐々に低くなるように折れ曲げられている。換言すれば、係合部72kBは、レンズ装着部側(手前側)よりも装置背面側(奥側)が高くなるように傾斜した傾斜面を有している。
【0093】
また、係止部材9の係合部92k(92kB)も、係合部72kBと同様に、手前側が低く且つ奥側が高くなるように傾斜する傾斜面を有している。すなわち、係合部92kBは、レンズ装着部側(手前側)よりも装置背面側(奥側)が高くなるように傾斜した傾斜面を有している。
【0094】
そして、図24に示すように、係止部材9(9B)による焦点板保持部材7(7B)の係止状態において、係合部72kB(詳細にはその傾斜面)は係合部92kB(詳細にはその傾斜面)と係合する。
【0095】
このような構造においては、前面側部材72に対して装置背面側への押圧力がユーザにより付与されるときに、係合部72kBが水平方向背面側に移動しようとする。しかしながら、係合部92kBは、装置背面側が高くなるように傾斜しているため、係止部材9の係合部92kBから係合部72kBの傾斜面に対して比較的大きな反力が作用する。
【0096】
そのため、ユーザによる装置背面側への押圧力が比較的小さい場合には、係合部72kBの背面側への移動が係合部92kBによって阻止される。
【0097】
一方、当該押圧力が比較的大きい場合には、係合部92kBの傾斜面から係合部72kBに作用する反力に打ち勝って、係合部72kBが係合部92kBの傾斜面に沿って背面上方側へ移動する。そして、係合部72kBの先端部が係合部92kBの先端部から離れると、両係合部72kB,92kBの係合が解除され、係止部材9Bによる焦点板保持部材7Bの係止状態が解除される。
【0098】
このように、両係合部72kB,92kBの係合を解除するためには、比較的大きな押圧力を付与することを要する。そのため、ユーザが意図しないときに両係合部72kB,92kBの係合が解除されてしまうことを防止することができる。例えば、治具JGの先端等が前面側部材72に少し触れただけで係止状態が解除されてしまうことを防止できる。換言すれば、係止部材9による焦点板保持部材7の係止状態をより確実に維持することが可能である。
【0099】
<3.その他>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0100】
たとえば、上記実施形態においては、前面側部材72に2つの係合部72kを設ける場合を例示したが、これに限定されず、前面側部材72に単一の係合部72kあるいは3つ以上の係合部72kを設けるようにしてもよい。なお、この場合には、係止部材9においても、当該係合部72kに対応する数の係合部92kを当該係合部72kに対応する位置に設けるようにすればよい。
【0101】
また、上記実施形態においては、ストッパ部72sの上下方向の幅Wsは、変形部72gの上下方向の幅Wgよりも広く、且つ、中央部72fの上下方向の幅Wfよりも広い場合を例示したが、これに限定されない。例えば、ストッパ部72sの上下方向の幅Wsは、中央部72fの上下方向の幅Wfよりも狭いものであってもよい。ただし、この場合、ミラー保持部材6eに設けられた上方への突出部分6g(図25参照)にストッパ部72sが当接することなどにより、焦点板保持部材7(特に中央部72f)が主ミラー6aのミラー面に接触しないように構成されることが好ましい。具体的には、当該ミラー保持部材6eの突出部分6gの突出量(主ミラー6aの厚さ方向における、ミラー面からの突出量)とストッパ部72sの幅Wsとの合計値が、中央部72fの上下方向の幅Wfより大きくなるようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】撮像装置の外観構成を示す斜視図である。
【図2】撮像装置の内部構成を示す斜視図である。
【図3】撮像装置の内部構成を示す断面図である。
【図4】焦点板付近の構成を示す分解斜視図である。
【図5】焦点板を示す斜視図である。
【図6】焦点板の上面図である。
【図7】焦点板の正面図である。
【図8】焦点板の側面図である。
【図9】焦点板保持部材を示す斜視図である。
【図10】焦点板保持部材の上面図である。
【図11】焦点板保持部材の正面図である。
【図12】焦点板保持部材の左側面図である。
【図13】焦点板保持部材の右側面図である。
【図14】焦点板保持部材が上方位置に存在する状態を示す断面図である。
【図15】焦点板保持部材が下方位置に存在する状態を示す断面図である。
【図16】図14の一部拡大図である。
【図17】前面側部材が装置背面側に押されている状態を示す図である。
【図18】焦点板保持部材が反時計回りに回動する様子を示す図である。
【図19】レンズマウント部内側の開口内部を示す図である(図14に対応)。
【図20】レンズマウント部内側の開口内部を示す図である(図15に対応)。
【図21】焦点板保持部材が時計回りに回動する様子を示す図である。
【図22】焦点板保持部材が時計回りに回動する様子を示す図である。
【図23】焦点板保持部材が時計回りに回動する様子を示す図である。
【図24】第2実施形態に係る焦点板交換機構を示す断面図である。
【図25】変形例に係るミラー保持部材を示す断面図である。
【図26】先行技術に係る焦点板交換機構を示す図である。
【符号の説明】
【0103】
1 撮像装置
2 カメラ本体部(装置本体部)
5 撮像素子
6 ミラー機構
6a 主ミラー
6e ミラー保持部材
7 焦点板保持部材
8 焦点板
9 係止部材
72 前面側部材
72f 中央部
72g 変形部
72k,72kB,92k,92kB 係合部
72s ストッパ部
74a,74b,75a,75b 支持部
74c,74d,74e,75c,75d,75e 位置規制部材
Mt レンズマウント部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置であって、
装置本体部と、
焦点板を着脱自在に保持する焦点板保持部材と、
前記焦点板保持部材と前記装置本体部の前記レンズ装着部との間に設けられる係止部材と、
を備え、
前記焦点板保持部材は、前記レンズ装着部側に前面側部材を有し、
前記係止部材は、前記前面側部材に設けられた係合部と係合し前記焦点板保持部材を係止して、前記焦点板保持部材による前記焦点板の保持状態を維持し、
前記前面側部材に対して装置背面側への押圧力が付与されると、前記前面側部材が弾性変形して前記前面側部材の前記係合部が前記装置背面側に変位し前記係止部材と前記係合部との係合が解除される、撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記焦点板保持部材は、所定軸回りに回動可能であり、
前記係止部材は、前記焦点板保持部材の前記係合部と係合し前記焦点板保持部材を係止して、前記焦点板保持部材の前記所定軸回りの回動動作を抑止して前記保持状態を維持し、
前記前面側部材に対して装置背面側への押圧力が付与され前記係止部材と前記係合部との係合が解除されると、前記焦点板保持部材が前記所定軸回りに回動する、撮像装置。
【請求項3】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記前面側部材は、当該前面側部材の長手方向において前記係合部を含む所定範囲にわたって、比較的剛性が高い高剛性部分を有するとともに、前記長手方向において前記高剛性部分の側部に比較的剛性が低い低剛性部分を有する、撮像装置。
【請求項4】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記焦点板保持部材は、前記保持状態において前記焦点板を上方に向けて押し付ける弾性力を付与する弾性力付与部を有している、撮像装置。
【請求項5】
請求項4に記載の撮像装置において、
前記焦点板保持部材は、前記前面側部材から前記装置背面側に向けて延設される接続部材を有しており、
前記弾性力付与部は、前記接続部材の一部を屈曲して形成されている、撮像装置。
【請求項6】
請求項1に記載の撮像装置において、
撮影光学系からの光像を反射して前記焦点板へ導くミラーと、
前記ミラーを保持するミラー保持部材と、
をさらに備え、
前記前面側部材は、当該前面側部材の長手方向における端部に突当部を有し、
前記焦点板保持部材は、前記係合部との係合が解除されると、所定軸回りに回動して前記焦点板の交換が可能な交換可能状態へと移行し、
前記交換可能状態においては、前記ミラー保持部材に前記突当部が当接し、前記焦点板保持部材と前記ミラーとの接触が回避される、撮像装置。
【請求項7】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記係止部材は、前記レンズ装着部側よりも前記装置背面側が高くなるように傾斜した傾斜面を有しており、
前記係止部は、前記レンズ装着部側よりも前記装置背面側が高くなるように傾斜しており、前記保持状態において前記傾斜面と係合する、撮像装置。
【請求項8】
焦点板交換機構であって、
焦点板を着脱自在に保持する焦点板保持部材と、
前記焦点板保持部材の前面側部材に設けられた係合部と係合して前記焦点板保持部材を係止し、前記焦点板保持部材による前記焦点板の保持状態を維持する係止部材と、
を備え、
前記前面側部材を前記係止部材から引き離す第1の向きの押圧力が前記前面側部材に対して付与されると、前記前面側部材が弾性変形して前記前面側部材の前記係合部が前記第1の向きに変位し前記係止部材と前記係合部との係合が解除される、焦点板交換機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2010−20141(P2010−20141A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−181116(P2008−181116)
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】