説明

撮像装置及び撮り忘れ防止システム

【課題】予め撮影したい対象が決められている際に、より確実に撮り忘れを防止することが可能な撮像装置及び撮り忘れ防止システムを提供することを目的とする。
【解決手段】撮影状況取得部10により取得される情報に基づいて、撮影スケジュール記憶部9に記憶される撮影スケジュールに従った撮影が行われていないと判断したとき、撮像装置1の電源モードに応じたアラートを行うことにより撮影者に撮り忘れがあることを知らせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮り忘れ防止機能を備える撮像装置及び撮り忘れ防止システムに関する。
【背景技術】
【0002】
撮り忘れ防止機能を備える撮像装置として、例えば、現在位置を計測する機能を備え、予め登録された位置から離れたときにまだ撮影予定対象が撮影されていない場合、音により撮影者に対して撮り忘れを知らせるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−221869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような撮像装置では、電源が入っていない場合、撮影者に対して撮り忘れを知らせることができないという問題がある。
【0005】
また、上述のような撮像装置では、電源が入っていたとしても、撮影者の鞄やポケットなどに入っていると、撮り忘れを知らせるための音が撮影者に気付かれないおそれがある。
【0006】
そこで、本発明では、撮影対象が予め決められている際に、より確実に撮り忘れを防止することが可能な撮像装置及び撮り忘れ防止システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の撮像装置は、記憶手段と、撮影状況取得手段と、複数種類のアラート機能を有するアラート手段と、撮像判断手段と、電源モード切替制御手段と、アラート判断手段とを備える。
【0008】
前記記憶手段は、撮影スケジュールが記憶される。
【0009】
前記撮影状況取得手段は、現在の撮影状況を示す情報を取得する。
【0010】
前記撮像判断手段は、前記撮影状況取得手段により取得される情報に基づいて、前記記憶手段に記憶される撮影スケジュールに従った撮影が行われているか否かを判断する。
【0011】
前記電源モード切替制御手段は、当該撮像装置の電源モードを、当該撮像装置の消費電力を抑えないモード及び当該撮像装置の消費電力を抑えるモードのどちらか一方のモードに切り替える。
【0012】
前記アラート判断手段は、前記撮像判断手段により前記記憶手段に記憶される撮影スケジュールに従った撮影が行われていないと判断されたとき、当該撮像装置の電源モードに応じた前記アラート機能を使用して撮影者に撮り忘れがあることを知らせる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、予め撮影したい対象が決められている際に、より確実に撮り忘れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態の撮像装置を示す図である。
【図2】撮像装置における制御部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】撮影スケジュールの作成時に表示部に表示されるGUIの一例を示す図である。
【図4】撮影スケジュール記憶部に記憶される撮影スケジュールの一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態の撮り忘れ防止システムを示す図である。
【図6】サーバにおける制御部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】サーバにおける制御部の他の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の実施形態の撮像装置を示す図である。
【0016】
図1に示す撮像装置1は、例えば、デジタルカメラ、カメラ付き携帯電話、又はスマートフォンなどの持ち運び可能な装置であって、撮像部2と、画像処理部3と、記憶部4と、表示部5(アラート手段)と、操作部6と、外部I/F部7と、電源部8と、撮影スケジュール記憶部9(記憶手段)と、撮影状況取得部10(撮影状況取得手段)と、アラート部11(アラート手段)と、制御部12とを備える。
【0017】
撮像部2は、デジタルカメラなどに通常備えられているものであって、鏡胴内のレンズによってCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子に結像される被写体像をその撮像素子において電気信号に変換して出力する。
【0018】
画像処理部3は、シャープネス補正回路、コントラスト補正回路、輝度・色差信号生成回路、及びホワイトバランス補正回路などを備え、撮像部2から出力される画像データに対して各種画像処理を行う。
【0019】
記憶部4は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などにより構成され、制御部12で実行されるオペレーションシステムのプログラム及び各種アプリケーションソフトなどや画像処理後の画像データを記憶する。
【0020】
表示部5は、例えば、液晶や有機ELなどで構成されるタッチパネルディスプレイであって、画像処理後の画像データや撮影者による操作部6の操作をサポートするためのGUI(Graphical User Interface)などを表示する。
【0021】
操作部6は、例えば、シャッターボタン、十字ボタン、決定ボタン、及びキャンセルボタンなどの各種ボタンにより構成され、撮影者により操作されることにより撮影スケジュール(例えば、撮影予定ポイント名情報、撮影予定日時情報、撮影予定位置情報、及び撮影予定枚数情報)などが入力される。
【0022】
外部I/F部7は、インターネットなどのネットワークを介して外部のサーバと画像データや撮影スケジュールなどのデータの送受信を行う。
【0023】
電源部8は、不図示の電池又は外部電源からの電力をDC/DCコンバータなどを介して撮像装置1内の各部に供給する。
【0024】
撮影スケジュール記憶部9は、操作部6により入力される撮影スケジュール又は外部I/F部7を介して外部から入力される撮影スケジュールを記憶する。撮影スケジュール記憶部9に記憶されている撮影スケジュールは、制御部12により必要に応じて参照される。
【0025】
撮影状況取得部10は、GPS(Global Positioning System)や無線LAN(Local Area Network)などを使用して撮像装置1の現在の位置情報を取得したり、加速度センサなどを使用して撮像装置1が移動していることを示す動き情報を取得したり、コンパスなどを使用して撮像装置1の現在の方角情報を取得したり、時計などを使用して現在の日時情報を取得したり、撮影者の脈拍や血中酸素飽和度などを測定するセンサを使用して撮影者の身体情報を取得したり、その他の各種センサを使用して撮影者の心境情報や感情情報を取得する。
【0026】
アラート部11は、スピーカ、振動部、及び発光部(例えば、LED(Light Emitting Diode))などにより構成され、音、振動、及び光などにより撮影者に対して撮り忘れを知らせる。
【0027】
制御部12は、例えば、CPUやマイクロコンピュータなどにより構成され、記憶部4に記憶されているオペレーションシステムのプログラムや各種アプリケーションソフトを実行することにより撮像装置1全体の動作制御を行う。また、制御部12は、記憶部4に記憶される各種アプリケーションソフトの1つである「撮り忘れ防止処理」の実行時、撮影スケジュール作成部13、撮像判断部14(撮像判断手段)、電源モード切替制御部15(電源モード切替制御手段)、及びアラート判断部16(アラート判断手段)などを構成する。
【0028】
撮影スケジュール作成部13は、撮影者が操作部6を操作することにより入力される情報に基づいて撮影スケジュールを作成し、撮影スケジュール記憶部9に記憶させる。
【0029】
撮像判断部14は、撮影スケジュール記憶部9に記憶される撮影スケジュールに従った撮影が行われているか否かを判断する。
【0030】
電源モード切替制御部15は、撮影者による操作部6の操作に基づいて、撮像装置1の電源モードを、撮像装置1の消費電力を抑えない通常モード及び撮像装置1の消費電力を抑えるスリープモード(省電力モード)のどちらか一方のモードに切り替える。なお、通常モードとは、撮像装置1内の各部全てに電力を供給するモードとする。また、スリープモードとは、撮像装置1が一時的に使用されていないときなどにおいて、少なくとも「撮り忘れ防止処理」が制御部12で実行されるために必要な各部、例えば、表示部5、撮影状況取得部10、アラート部11、及び制御部5などへ電力が供給され、それ以外の各部、例えば、画像処理部3や表示部5などへの電力供給を停止させるモードとする。また、電源モード切替制御部15は、操作部6が最後に操作されてから所定時間経過後に、通常モードからスリープモードに切り替えるように構成してもよい。
【0031】
アラート判断部16は、撮像判断部14の判断結果や電源モード切替制御部15のモード切替制御に基づいてアラート部11の動作を制御することにより撮影者に撮り忘れがあることを知らせる。
【0032】
図2は、撮像装置1の制御部12において「撮り忘れ防止処理」が実行される際の制御部12の動作を説明するためのフローチャートである。
【0033】
まず、制御部12の撮影スケジュール作成部13は、例えば、撮像装置1の電源がオフからオンに切り替わると、又は、スリープモードから通常モードに切り替わると、撮影スケジュール記憶部9に撮影スケジュールが記憶されているか否かを判断する(S11)。
【0034】
撮影スケジュール記憶部9に撮影スケジュールが記憶されていないと判断すると(S11がNo)、撮影スケジュール作成部13は、撮影スケジュールを作成するか否かを撮影者に問い合わせるためのGUIを表示部5に表示させるとともに、操作部6から送られてくる指示が撮影スケジュールの作成指示であるか否かを判断する(S12)。
【0035】
操作部6から送られてきた指示が撮影スケジュールの作成指示でないと判断すると、すなわち、操作部6から送られてきた指示が撮影スケジュールを作成しない旨の指示であると判断すると(S12がNo)、制御部12は、「撮り忘れ防止処理」を終了する。
【0036】
一方、操作部6から送られてきた指示が撮影スケジュールの作成指示であると判断すると(S12がYes)、撮影スケジュール作成部13は、撮影スケジュール作成用のGUIを表示部5に表示させるとともに、そのGUIに基づいて撮影者が操作部6を操作することにより入力される情報で撮影スケジュールを作成し、その作成した撮影スケジュールを撮影スケジュール記憶部9に記憶させる。
【0037】
例えば、まず、撮影スケジュール作成部13は、大まかな撮影予定位置としてキーワード、建物や施設の名称、又は住所などをテキスト入力させるためのGUIを表示部5に表示させる。
【0038】
次に、撮影スケジュール作成部13は、入力された撮影予定位置を中心とする所定範囲の地図をインターネット上の地図データベースなどから取得し、その地図を表示部5に表示させる。
【0039】
次に、撮影スケジュール作成部13は、表示部5において地図と共に表示されるカーソルを撮影者が操作部6を操作して動かしたり、表示部5に表示される地図を撮影者がタッチしたりすることにより、撮影予定位置に設定したい箇所を1つ以上撮影者に選択させる。
【0040】
次に、撮影スケジュール作成部13は、選択された各撮影予定位置に対して、それぞれ、撮影予定のスポット名、日時、及び枚数をテキスト入力させるためのGUIを表示部5に表示させ、入力される撮影予定スポット名情報、撮影予定日時、及び撮影予定枚数を互いに対応付けて撮影スケジュール記憶部9に記憶させる。
【0041】
図3は、表示部5に表示される、撮影予定のスポット名、日時、及び枚数をテキスト入力させるためのGUIの一例を示す図である。撮影者に選択された各撮影予定位置にそれぞれ「ふきだし」30が表示され、それらの「ふきだし」30内に参考撮影画像31と共に、撮影予定スポット名情報を入力するための欄32、撮影予定日時情報を入力するための欄33、及び撮影予定枚数を入力するための欄34が表示されている。例えば、撮影予定位置として撮影者により選択された地図上の清滝駅に対応する「ふきだし」30の欄32には「清滝駅」が入力され、欄33には「2011/5/3 10:00」が入力され、欄34には「2」が入力されている。
【0042】
次に、撮影スケジュール作成部13は、選択された撮影予定位置に対応する緯度及び経度をインターネットなどから取得し、その取得した緯度及び経度を撮影予定位置情報として、撮影スケジュール記憶部9内の撮影予定スポット名情報、撮影予定日時、及び撮影予定枚数と対応付けることにより撮影スケジュールを作成する。なお、撮像装置1は、同様な方法によって外部のコンピュータなどで作成された撮影スケジュールをサーバ又は他の撮像装置1から外部I/F部7を介して取得してもよい。
【0043】
図4は、撮影スケジュール記憶部9に記憶される撮影スケジュールの一例を示す図である。
【0044】
図4に示す例では、撮影予定ポイント名情報、撮影予定日時情報、撮影予定位置情報、及び撮影予定枚数情報が互いに対応付けられた複数の撮影スケジュールが撮影予定日時情報の遅い順に上から並んでいる。例えば、図4に示す複数の撮影スケジュールのうち最初の撮影スケジュール(一番上の撮影スケジュール)では、撮影予定ポイント名情報として「清滝駅」、撮影予定日時情報として「2011/5/3 10:00」、撮影予定位置情報として「北緯 35度37分51.92秒 東経 139度16分0.394秒」、撮影予定枚数情報として「2」が互いに対応付けられている。図4に示す各撮影スケジュールは、現在の日時に基づいて、制御部12により取り出されるものとする。
【0045】
また、図2に示すフローチャートにおいて、撮影スケジュール記憶部9に撮影スケジュールが記憶されていると判断すると(S11がYes)、制御部12の撮像判断部14は、撮影状況取得部10により取得される情報に基づいて、現在の撮影スケジュールを撮影スケジュール記憶部9から取り出す(S14)。例えば、撮像判断部14は、撮影状況取得部10により取得される現在の日時情報に近い又は一致する撮影予定日時情報に対応する撮影スケジュールを撮影スケジュール記憶部9から取り出す。また、例えば、撮像判断部14は、撮影状況取得部10により取得される現在の位置情報に近い又は一致する撮影予定位置情報に対応する撮影スケジュールを撮影スケジュール記憶部9から取り出す。なお、撮像判断部14は、制御部12に備える時計機能を使用することにより、現在の日時情報を取得してもよい。
【0046】
次に、撮像判断部14は、その取り出した撮影スケジュールに従った撮影が行われているか否かを判断する(S15)。例えば、撮像判断部14は、撮影スケジュールに示される撮影予定枚数情報と、そのときに実際に撮影された枚数とが一致していないとき、撮影スケジュールに従った撮影が行われていないと判断する。また、例えば、撮像判断部14は、現在の日時情報と撮影スケジュールに示される撮影予定日時情報とが近い又は一致するときで、かつ、現在の位置情報と撮影スケジュールに示される撮影予定位置情報とが近くない又は一致しないとき、撮影スケジュールに従った撮影が行われていないと判断する。また、例えば、撮像判断部14は、各撮影スケジュールに対する参考撮影画像をインターネットなどから取得しておき、撮影予定位置情報に対応する参考撮影画像と、そのときに実際に撮影された画像データとの比較結果で構図などが一致していないとき、撮影スケジュールに従った撮影が行われていない判断する。
【0047】
撮影スケジュールに従った撮影が行われていると判断すると(S15がYes)、撮像判断部14は、撮影スケジュール記憶部9に記憶される全ての撮影スケジュールに対して「撮り忘れ防止処理」が行われたか否かを判断する(S16)。
【0048】
全ての撮影スケジュールに対して「撮り忘れ防止処理」が行われていないと判断すると(S16がNo)、撮像判断部14は、S14に戻って、次の撮影スケジュールを取り出す。
【0049】
一方、全ての撮影スケジュールに対して「撮り忘れ防止処理」が行われていると判断すると(S16がYes)、制御部12は、「撮り忘れ防止処理」を終了する。
【0050】
また、撮影スケジュールに従った撮影が行われていないと判断すると、すなわち、撮り忘れがあると判断すると(S15がNo)、制御部12のアラート判断部16は、撮像装置1の電源モードがスリープモードであるか否かを判断する(S17)。
【0051】
撮像装置1の電源モードがスリープモードであると判断すると(S17がYes)、アラート判断部16は、撮り忘れがあることを撮影者に知らせるために、その旨のメッセージを表示部5に表示させる(又は、アラート部11の発光部を点滅させる)とともに、アラート部11のスピーカからブザー音や音声ガイドを出力させ、さらに、アラート部11の振動部を振動させた後(S18)、S16に進む。撮像装置1の電源がスリープモードである場合、撮像装置1は撮影者の鞄の中や服のポケットなどに入っている可能性が高い。そのため、撮り忘れがあることを撮影者に知らせる場合、メッセージを表示部5に表示させたり、スピーカからブザー音を出力させても、そのメッセージやブザー音が撮影者に気付かれないおそれがある。そこで、本実施形態の撮像装置1のように、撮像装置1の電源モードがスリープモードである場合、メッセージを表示させたり、音を出力させたりする他に、振動部を振動させることにより、撮像装置1が鞄やポケットの中にあったとしても、より確実に撮り忘れがあることを撮影者に知らせることができる。なお、撮像装置1の電源モードがスリープモードであると判断した場合、アラート判断部16は、振動部の振動のみを行ってもよいし、振動部の振動とともに、メッセージ表示又は音出力を行ってもよい。
【0052】
また、撮像装置1の電源モードがスリープモードでないと判断すると、すなわち、撮像装置1の電源モードが通常モードであると判断すると(S17がNo)、アラート判断部16は、撮り忘れがあることを撮影者に知らせるために、その旨のメッセージを表示部5に表示させた後(又は、アラート部11の発光部を点滅させた後)(S19)、S16に進む。撮像装置1の電源がスリープモードでない場合、撮像装置1は撮影者の手の中や撮影者の周辺にある可能性が高い。そのため、撮り忘れがあることを撮影者に知らせる場合、音や振動を使用せずにメッセージ表示や光のみでも、撮影者に気付いてもらえる可能性が高い。そこで、本実施形態の撮像装置1のように、撮像装置1の電源がスリープモードでない場合、撮り忘れがあることを撮影者に知らせる際にスピーカからブザー音や音声ガイドを出力させない分、消費電力を抑えることができる。
【0053】
なお、アラート判断部16は、S18において、さらに、撮影状況取得部10により取得される動き情報により撮像装置1が移動していると判断し、かつ、現在の位置情報により撮影スケジュールに示される撮影予定場所から離れつつあると判断すると、アラート部11から出力される音を徐々に大きくさせるように構成してもよい。
【0054】
このように、本実施形態の撮像装置1では、撮り忘れがあると判断した場合、撮り忘れがあることを撮影者に知らせるために、そのときの撮影状況に応じたアラートが行われるため、より確実に撮り忘れを防止することができる。
【0055】
図5は、本発明の実施形態の撮り忘れ防止システムを示す図である。なお、図1に示す構成と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0056】
図5に示す撮り忘れ防止システム50は、撮像装置1と、サーバ51と、携帯端末52とを備え、撮像装置1とサーバ51との間でインターネットなどのネットワークを介して又はネットワークを介さずにデータの送受信が行われ、サーバ51と携帯端末52との間でインターネットなどのネットワークを介して又はネットワークを介さずにデータの送受信が行われる。
【0057】
サーバ51は、記憶部53と、撮影スケジュール記憶部54(記憶手段)と、通信部55(第2の通信手段)と、制御部56とを備える。
【0058】
記憶部53は、例えば、ROMやRAMなどにより構成され、制御部56で実行されるオペレーションシステムのプログラム及び各種アプリケーションソフトなどを記憶する。
【0059】
撮影スケジュール記憶部54は、撮像装置1から送信される撮影スケジュールを記憶する。
【0060】
通信部55は、撮像装置1から定期的に送信される電源がオンである旨の電源オン信号及び携帯端末52から送信される携帯端末52の現在の位置情報を受信したり、携帯端末52にアラート信号を送信する。
【0061】
制御部56は、例えば、CPUやマイクロコンピュータなどにより構成され、記憶部53に記憶されているオペレーションシステムのプログラムや各種アプリケーションソフトを実行することによりサーバ51全体の動作制御を行う。また、制御部12は、記憶部53に記憶される各種アプリケーションソフトの1つである「撮り忘れ防止処理」の実行時、電源オン/オフ判断部57と、撮像判断部58(撮像判断手段)と、アラート判断部59(アラート判断手段)などを構成する。
【0062】
電源オン/オフ判断部57は、撮像装置1から定期的に送信される電源オン信号を受信しなかった場合、撮像装置1の電源がオフであると判断する。
【0063】
撮像判断部58は、撮影スケジュール記憶部54に記憶される撮影スケジュールに従った撮影が行われているか否かを判断する。
【0064】
アラート判断部59は、撮像判断部58により撮影スケジュールに従った撮影が行われていないと判断された場合、通信部55によりアラート信号を携帯端末52に送信させる。
【0065】
携帯端末52は、例えば、携帯電話やスマートフォンなどであって、表示部60と、通信部61(第1の通信手段)と、撮影状況取得部62(撮影状況取得手段)と、アラート部63(アラート手段)と、制御部64とを備える。
【0066】
表示部60は、例えば、液晶や有機ELなどのタッチパネルディスプレイにより構成され、撮り忘れを撮影者に知らせるためのメッセージなどを表示する。
【0067】
通信部61は、撮影状況取得部62で取得される現在の撮影状況を示す撮影状況情報をサーバ51に送信したり、サーバ51から送信されるアラート信号を受信する。
【0068】
撮影状況取得部62は、撮影状況情報として、GPSや無線LANなどを使用して携帯端末52の現在の位置情報を取得したり、加速度センサなどを使用して携帯端末52が移動していることを示す動き情報を取得したり、コンパスなどを使用して携帯端末52の現在の方角情報を取得したり、時計などを使用して現在の日時情報を取得したり、撮影者の脈拍や血中酸素飽和度などを測定するセンサを使用して撮影者の身体情報を取得したり、その他の各種センサを使用して撮影者の心境情報や感情情報を取得する。
【0069】
アラート部63は、スピーカ、振動部、及び発光部(例えば、LED)などにより構成され、サーバ51から送信されるアラート信号が通信部61により受信されると、音、振動、及び光などにより撮影者に対して撮影を促す。
【0070】
制御部64は、例えば、CPUなどにより構成され、携帯端末52全体の動作制御を行う。
【0071】
図6は、サーバ51の制御部56において「撮り忘れ防止処理」が実行される際の制御部56の動作を説明するためのフローチャートである。
【0072】
まず、制御部56の電源オン/オフ判断部57は、撮像装置1から定期的に送信されるべき電源オン信号を受信しているか否かを判断する(S21)。
【0073】
電源オン信号を受信していると判断すると(S21がYes)、電源オン/オフ判断部57は、一定時間毎に、撮影スケジュールの更新内容や進行具合及び現在の位置情報などの各種データを撮像装置1から受信し、それらデータを撮影スケジュール記憶部54に記憶した後(S22)、S21に戻る。
【0074】
一方、電源オン信号を受信しなかったと判断すると(S21がNo)、電源オン/オフ判断部57は、撮像装置1の電源がオフになっていると判断して、現在の日時情報に近い又は一致する撮影予定日時情報が示される撮影スケジュールを撮影スケジュール記憶部54から取り出す(S23)。なお、電源オン/オフ判断部57は、制御部56に備える時計機能を使用することにより現在の日時情報を取得してもよい。
【0075】
次に、制御部56の撮像判断部58は、その取り出した撮影スケジュールに従った撮影が行われているか否かを判断する(S24)。例えば、撮像判断部58は、撮影スケジュールに示される撮影予定枚数情報と、そのときに実際に撮影された枚数とが一致していないとき、撮影スケジュールに従った撮影が行われていないと判断する。また、例えば、撮像判断部58は、現在の日時情報と撮影スケジュールに示される撮影予定日時情報とが近い又は一致するときで、かつ、受信される現在の位置情報と撮影スケジュールに示される撮影予定位置情報とが近くない又は一致しないとき、撮影スケジュールに従った撮影が行われていないと判断する。また、例えば、撮像判断部58は、各撮影スケジュールに対する参考撮影画像をインターネットなどから取得しておき、撮影予定位置情報に対応する参考撮影画像と、そのときに実際に撮影された画像データとの比較結果で構図などが一致していないとき、撮影スケジュールに従った撮影が行われていない判断する。
【0076】
撮影スケジュールに従った撮影が行われていると判断すると(S24がYes)、撮像判断部58は、撮影スケジュール記憶部54に記憶される全ての撮影スケジュールに対して「撮り忘れ防止処理」が行われたか否かを判断する(S26)。
【0077】
全ての撮影スケジュールに対して「撮り忘れ防止処理」が行われていないと判断すると(S26がNo)、撮像判断部58は、S21に戻り、再び定期的に電源オン信号を受信しているか否かを判断する。
【0078】
一方、全ての撮影スケジュールに対して「撮り忘れ防止処理」が行われていると判断すると(S26がYes)、制御部56は、「撮り忘れ防止処理」を終了する。
【0079】
また、撮影スケジュールに従った撮影が行われていないと判断すると、制御部56のアラート判断部59は、少なくとも撮像装置1の電源がオフのときに適したアラートを行わせる旨のアラート信号を携帯端末52に送信する。撮像装置1の電源がオフである場合、撮影者が公共の場などにいて撮像装置1から音を出したくない状況にある可能性が高い。そこで、例えば、アラート判断部59が携帯端末52のアラート部63の振動部を振動させる旨のアラート信号を携帯端末52に送信することにより、撮影者が公共の場などにいても音を出すことなく撮影者に撮影を促すことができる。また、例えば、アラート判断部59は、さらに、携帯端末52の撮影状況取得部62で取得された情報に基づいて、撮影者の撮影状況を判断し、その判断した撮影状況に応じたアラートを行わせる旨(例えば、撮像装置1の電源はオフであるが、撮像装置1が撮影者の手の中又は周辺にあると判断される場合に、表示部60に撮影を促すためのメッセージを表示させる旨や撮像装置1の電源はオフであるが、撮影者が公共の場などにいないと判断される場合に、振動の他に音を出力することにより撮影者に撮影を促す旨)のアラート信号を携帯端末52に送信するように構成してもよい。
【0080】
このように、本実施形態の撮り忘れ防止システム50では、撮像装置1の電源がオフであると判断すると、現在の日時情報に対応する撮影スケジュールに示される撮影予定位置情報と現在の位置情報とが近い又は一致するとき、サーバ51から撮影者が所有する携帯端末52へアラート信号が送信される構成であるため、撮像装置1の電源がオフになっており撮像装置1において「撮り忘れ防止処理」が行われない状況であっても、撮影スケジュールに従った撮影が行われていないときに撮影者に撮影を促すことができる。
【0081】
なお、上記撮り忘れ防止システム50では、撮像装置1の電源がオフで、かつ、撮影スケジュールに従った撮影が行われていないとき、サーバ51から携帯端末52へアラート信号が送信される構成であるが、例えば、図7に示すフローチャートのように、電源オン信号が受信しているか否かをサーバ51の電源オン/オフ判断部57が判断せず、撮影スケジュールに従った撮影が行われていないことをサーバ51の撮像判断部58が判断したとき、サーバ51から携帯端末52へアラート信号が送信されるように構成してもよい。このように構成することにより、撮像装置1からサーバ51へ電源オン信号を送信するための構成やサーバ51において電源オン信号を受信しているか否かを判断するための構成を省略することができるため、その分サーバ51における「撮り忘れ防止処理」を簡略化することができる。
【符号の説明】
【0082】
1 撮像装置
2 撮像部
3 画像処理部
4 記憶部
5 表示部
6 操作部
7 外部I/F部
8 電源部
9 撮影スケジュール記憶部
10 撮影状況取得部
11 アラート部
12 制御部
13 撮影スケジュール作成部
14 撮像判断部
15 電源モード切替制御部
16 アラート判断部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影スケジュールが記憶される記憶手段と、
現在の撮影状況を示す情報を取得する撮影状況取得手段と、
複数種類のアラート機能を有するアラート手段と、
前記撮影状況取得手段により取得される情報に基づいて、前記記憶手段に記憶される撮影スケジュールに従った撮影が行われているか否かを判断する撮像判断手段と、
当該撮像装置の電源モードを、当該撮像装置の消費電力を抑えないモード及び当該撮像装置の消費電力を抑えるモードのどちらか一方のモードに切り替える電源モード切替制御手段と、
前記撮像判断手段により前記記憶手段に記憶される撮影スケジュールに従った撮影が行われていないと判断されたとき、当該撮像装置の電源モードに応じた前記アラート機能を使用して撮影者に撮り忘れがあることを知らせるアラート判断手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置であって、
前記アラート機能は、振動することにより撮り忘れがあることを撮影者に知らせる
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
請求項1に記載の撮像装置であって、
前記アラート機能は、音を出力することにより撮り忘れがあることを撮影者に知らせる
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
請求項1に記載の撮像装置であって、
前記アラート機能は、メッセージを表示させることにより撮り忘れがあることを撮影者に知らせる
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
請求項1に記載の撮像装置であって、
前記撮影状況取得手段は、現在の位置情報及び現在の日時情報を取得し、
前記撮像判断手段は、前記現在の日時情報と前記撮影スケジュールに示される撮影予定日時とが近い又は一致するときで、かつ、前記現在の位置情報と前記撮影スケジュールに示される撮影予定位置情報とが近くない又は一致しないとき、前記撮影スケジュールに従った撮影が行われていないと判断する
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
請求項1に記載の撮像装置であって、
前記撮影状況取得手段は、当該撮像装置の動き情報を取得するとともに、現在の位置情報を取得し、
前記アラート判断手段は、前記動き情報により当該撮像装置が移動していると判断し、かつ、前記現在の位置情報により前記撮影スケジュールに示される撮影予定場所から離れつつあると判断すると、前記アラート手段から出力される音を徐々に大きくさせる
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項7】
請求項1に記載の撮像装置であって、
前記撮影スケジュールは、サーバ又は他の撮像装置からネットワークを介して受信される
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
撮影者に所有される携帯端末と、サーバとの間でデータが送受信される撮り忘れ防止システムであって、
前記携帯端末は、
現在の撮影状況を示す撮影状況情報を取得する撮影状況取得手段と、
前記撮影状況情報を前記サーバに送信するとともに、前記サーバから送信されるアラート信号を受信する第1の通信手段と、
前記第1の通信手段により前記アラート信号を受信すると、アラートを行うことにより前記撮影者に撮影を促すアラート手段と、
を備え、
前記サーバは、
撮影スケジュールが記憶される記憶手段と、
前記携帯端末から送信される撮影状況情報を受信するとともに、前記携帯端末に前記アラート信号を送信する第2の通信手段と、
前記撮影状況情報に基づいて、前記記憶手段に記憶される撮影スケジュールに従った撮影が行われているか否かを判断する撮像判断手段と、
前記撮像判断手段により前記記憶手段に記憶される撮影スケジュールに従った撮影が行われていないと判断されたとき、前記第2の通信手段により前記アラート信号を前記携帯端末に送信させるアラート判断手段と、
を備える撮り忘れ防止システム。
【請求項9】
請求項8に記載の撮り忘れ防止システムであって、
定期的に電源がオンである旨の電源オン信号を前記サーバに送信する撮像装置を備え、
前記アラート判断手段は、前記電源オン信号を受信しなかったとき、前記撮像装置がオフであると判断し、前記撮像装置がオフであるときに適したアラートを行わせる旨の前記アラート信号を前記携帯端末に送信させる
ことを特徴とする撮り忘れ防止システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−249146(P2012−249146A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120256(P2011−120256)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】