説明

撮像装置及び撮像方法

【課題】次コマが撮影可能になるまでの撮影待機時間を、今コマを撮影する前に通知できるようにする。
【解決手段】被写体を撮影して画像情報を生成して記憶媒体に一時的に記憶しておくとともに、前記記憶媒体に記憶されている画像情報を読み出し、画像情報を記録して保存するための記録媒体へ記録する記録装置に、前記撮影によって生成される静止画像の2枚分を格納するための空き領域が前記記憶媒体にあるか否かを確認し、今回の撮影及び次回の撮影の両方共に待機時間がない場合、今回の撮影の待機時間がある場合、次回の撮影の待機時間がある場合について表示部に表示するように制御する制御手段を設け、次コマの撮影タイミングを逃してしまう不都合を防止できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置及び撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被写体像を撮像して画像データに変換し、メモリカードなどの記録媒体に記録するデジタルカメラが知られている。この種のデジタルカメラでは、撮像された画像データのデータ量や画像データの処理速度と、記録媒体の書き込み速度との差を吸収するため、画像データを一旦メモリに蓄積した後、メモリから読み出して記録媒体に記録している。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
一般的なデジタルカメラでは、バッファメモリに十分な空き容量あれば、記録媒体への記録が終わっていない静止画情報がバッファメモリ上に残っていても、静止画撮影が可能となる。しかし、元々メモリの容量が少ない、或いは、メモリカードの書き込み速度が遅いなどの理由により、バッファメモリの空き容量が不足した場合は、撮影が禁止され、メモリの空き容量ができるまで撮影が待機させられる。
【0004】
そこで、この様な場合、撮影ができない旨の情報をアイコンやLEDなどでユーザに知らせる構成が提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開2000−295555号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述の様に撮影待機中である旨を通知する構成では、次の撮影が行えないことを認識できるのは、撮影を行った後であるので、ユーザが次コマの撮影タイミングを逃す恐れがある。
即ち、ユーザは、今回の撮影を行った後で、初めて、次の撮影が待たされることを認識できるため、待機中に訪れたシャッターチャンスを逃すという問題があった。
【0007】
本発明は前述の問題点に鑑み、今回撮影する画面の次の画面の撮影が待機させられるかどうか、或いは、その待機時間を、撮影前に予め知らせることができるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の撮像装置は、撮影指示に応じて静止画像データを撮影して記録媒体に記録する装置であって、今回の撮影指示による撮影後、次の撮影が可能となるまでの待機時間を算出し、前記今回の撮影指示の前に前記算出した待機時間の情報を表示することを特徴とする。
また、本発明の撮像装置の他の特徴とするところは、撮影指示に応じて静止画像データを撮影して記録媒体に記録する装置であって、今回の撮影指示による撮影後、待機させられることなく次の撮影が可能かどうかを判別し、前記今回の撮影指示の前に前記判別の結果に応じた情報を表示する。
また、本発明の撮像装置のその他の特徴とするところは、被写体を撮影し、撮影指示に応じて静止画像データを取得する撮像手段と、前記撮像手段により取得された静止画像データを記憶するメモリと、前記メモリに記憶された静止画像データを読み出して記録媒体に記録する記録手段と、前記メモリの空き容量と前記記録媒体のデータ書き込み速度とに基づいて、今回の撮影指示による撮影後、次の撮影が可能となるまでの待機時間を算出し、前記今回の撮影指示の前に前記算出した待機時間の情報を表示装置に表示する制御手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明の撮像装置のその他の特徴とするところは、被写体を撮影し、撮影指示に応じて静止画像データを取得する撮像手段と、前記撮像手段により取得された静止画像データを記憶するメモリと、前記メモリに記憶された静止画像データを読み出して記録媒体に記録する記録手段と、前記メモリの空き容量と前記記録媒体のデータ書き込み速度とに基づいて、今回の撮影指示による撮影後、次の撮影が可能となるまでの待機時間を算出し、待機させられることなく次の撮影が可能かどうかを判別し、前記今回の撮影指示の前に前記判別の結果に応じた情報を表示装置に表示する制御手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明の撮像装置のその他の特徴とするところは、ストロボが発光可能となるまでの充電時間を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された充電時間を記憶するメモリと、前記メモリに記憶された充電時間に基づいて、今回の撮影指示による撮影後、次の撮影が可能となるまでの待機時間を算出し、前記今回の撮影指示の前に前記算出した待機時間の情報を表示装置に表示する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の撮像方法は、撮影指示に応じて静止画像データを撮影して記録媒体に記録する方法であって、今回の撮影指示による撮影後、次の撮影が可能となるまでの待機時間を算出し、前記今回の撮影指示の前に前記算出した待機時間の情報を表示することを特徴とする。
また、本発明の撮像方法の他の特徴とするところは、撮影指示に応じて静止画像データを撮影して記録媒体に記録する方法であって、今回の撮影指示による撮影後、待機させられることなく次の撮影が可能かどうかを判別し、前記今回の撮影指示の前に前記判別の結果に応じた情報を表示することを特徴とする。
また、本発明の撮像方法のその他の特徴とするところは、被写体を撮影し、撮影指示に応じて静止画像データを取得する撮像工程と、前記撮像工程において取得された静止画像データをメモリに記憶する記憶工程と、前記メモリに記憶された静止画像データを読み出して記録媒体に記録する記録工程と、前記メモリの空き容量と前記記録媒体のデータ書き込み速度とに基づいて、今回の撮影指示による撮影後、次の撮影が可能となるまでの待機時間を算出し、前記今回の撮影指示の前に前記算出した待機時間の情報を表示装置に表示する制御工程とを備えることを特徴とする。
また、本発明の撮像方法のその他の特徴とするところは、被写体を撮影し、撮影指示に応じて静止画像データを取得する撮像工程と、前記撮像工程において取得された静止画像データを記憶するメモリと、前記メモリに記憶された静止画像データを読み出して記録媒体に記録する記録工程と、前記メモリの空き容量と前記記録媒体のデータ書き込み速度とに基づいて、今回の撮影指示による撮影後、次の撮影が可能となるまでの待機時間を算出し、待機させられることなく次の撮影が可能かどうかを判別し、前記今回の撮影指示の前に前記判別の結果に応じた情報を表示装置に表示する制御工程とを備えることを特徴とする。
また、本発明の撮像方法のその他の特徴とするところは、ストロボが発光可能となるまでの充電時間を取得する取得工程と、前記取得工程において取得された充電時間をメモリに記憶する記憶工程と、前記メモリに記憶された充電時間に基づいて、今回の撮影指示による撮影後、次の撮影が可能となるまでの待機時間を算出し、前記今回の撮影指示の前に前記算出した待機時間の情報を表示装置に表示する制御工程とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザは、今回の撮影指示の後、次の撮影が可能となるまでの待機時間を、今回の撮影指示の前に予め認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、静止画情報及び動画情報を撮影可能なデジタルカメラ100の構成例を説明するブロック図である。
図1において、符号105は撮像装置全体の制御を担う制御部であり、ユーザインターフェース114を介して操作部113から送られてくる静止画撮影指示等の入力に応じて、デジタルカメラ100の全体動作を制御する。
【0012】
符号101は焦点距離や絞りの状態を変更可能なレンズである。符号102は、例えばCCD(Charge Coupled Device)のような撮像素子であり、レンズ101により撮像面に結像した光学像を電気信号に変換する機能を有する。
【0013】
符号103は画像処理部であり、入力された画像信号に対してホワイトバランスやγ補正等の所定の画像処理を施して、メモリ106に一時蓄積する。即ち、画像処理部103は、記録停止中や動画撮影中は、撮像素子102から出力された動画像信号に対して前記の処理を施し、更に動画記録用に予め設定された所定のサイズに変換して出力する。また、画像処理部103は、静止画撮影の指示があると、静止画撮影指示に応じて撮像素子102から出力された一画面の静止画像信号に対して前記の処理を施し、そのサイズをユーザにより指定されたサイズに変換して出力する。
【0014】
符号107は静止画符号化部である。静止画符号化部107は、メモリ106に一時蓄積された静止画像データを、制御部105から指示された画質に応じて符号化し、メモリ106に書き戻す機能を有する。即ち、静止画符号化部107は、メモリ106に記憶された静止画像データをJPEG方式に従って符号化し、データ量を圧縮する。さらに、静止画符号化部107は、符号化する静止画像データの画素数及び符号化パラメータから、生成される符号化後の静止画信号のデータ量を算出する機能を有する。
【0015】
動画符号化部108は、メモリ106に一時記憶された動画像データをMPEG方式に従って符号化し、データ量を圧縮する。また、動画符号化部108は、制御部105から指示された画質に合わせて符号化してメモリ106上に書き戻す処理も行う。
【0016】
記録媒体制御部109は、本実施形態のデジタルカメラ100において、画像情報を記録して保存するための記録媒体として設けられている記録媒体(例えば、メモリカード)110に対して、動画データや静止画データ、及び各種のデータを記録再生する。また、記録媒体制御部109は、記録媒体110に対するデータの書き込み保証速度(データ書き込み速度)の情報を取得し、この取得した書き込み速度情報に応じて記録媒体110への書き込み、及び読み出しを制御する。また、制御部105は、記録媒体制御部109が取得した書き込み速度情報に基づいて、静止画像データの書き込みに要する所要時間を予測する。
【0017】
メモリ106は、記録媒体110に対して各種データを記録するためのバッファメモリとして使用されたり、制御部105内のCPUが利用するワークメモリ等に使用されたりする。符号104は表示部であり、撮影時のビューファインダーとしての機能及び、ユーザへの警告表示機能も有する。また、表示部104は、利用者がデジタルカメラ100を操作する場合の操作画面としての機能も兼ね備える。
【0018】
符号112はストロボであり、被写体を撮影する際に、被写体が光量不足の場合に強い閃光を放射する閃光装置として設けられているものであり、撮影時には制御部105の制御により閃光を発生する閃光発光を行う。符号111はデータバスであり、制御部105から、各機能ブロックへのアクセス、及びメモリ106を介して行われる各機能ブロック間のデータ転送等に使用される。
【0019】
操作部113は、一般的な電源スイッチや動画、静止画の撮影指示のスイッチ、再生スイッチなどを有している。また、ユーザは、操作部113を操作することにより、撮影する静止画のサイズ(画素数)や画質を任意に設定することができる。
【0020】
また、本実施形態では、動画データの記録中に、操作部113により静止画撮影の指示があると、画像処理部103から出力される動画像データのうち、静止画撮影の指示に応じた一画面を静止画像として抽出して記録する。この際、抽出した一画面の静止画像データをメモリ106に一旦記憶する。そして、動画データの記録停止の指示の前に、適当なタイミングでメモリ106から静止画像データを読み出し、記録媒体110に記録する。
この際、動画データもメモリ106に順次記録されるため、動画データがメモリ106からオーバーフローしない範囲で、記録媒体110への動画データの記録を適宜停止し、静止画像データを書き込むように制御する。
【0021】
次に、撮影停止中における表示画面の制御について説明する。
本実施形態では、今回の静止画撮影後、次の静止画撮影が待機させられるかどうか、及び、その際の待機時間を、今回の撮影前に予め算出してユーザに表示する。
図2は、表示画面の制御動作を示すフローチャートである。図3は、図2の算出方法で得られた算出結果を、制御部105の表示制御により表示部104に表示する一例を示したものである。なお、図2のフローチャートは、図1のデジタルカメラ100の電源投入中は、制御部105により繰り返し実行される。
【0022】
電源が投入されてデジタルカメラ100が動作状態となると、図2のステップS201において処理が開始される。次に、ステップS202に進み、これから撮影される静止画データのサイズ(データ量)を予測する。具体的には、現在ユーザにより設定されている静止画データの画素数や、設定された画質に応じて設定された符号化時のパラメータに基づいて、これから撮影される静止画像データのデータ量を予測し、算出する。
【0023】
次に、ステップS203において、ステップS202によって算出されたデータ量の静止画像データを2画面(コマ)分格納するための空き領域がメモリ106にあるか否かを確認して、撮影が可能かどうかを判別する。この判別の結果、メモリ106に2画面分の空き領域があればステップS204へ進み、今回撮影するコマ(今回のユーザ撮影指示により撮影する静止画)の撮影を許可する。次に、ステップS205において撮影が可能であることをユーザに通知して終了する。
【0024】
図3(a)は、ステップS205において表示部104に表示される表示画面の様子を示す図である。図3(a)は、今回の撮影(今コマ)及び次回の撮影(次コマ)の両方共に、メモリ106に空き容量ができるのを待つことなく撮影できる旨を示しており、301は被写体、302は待機時間を示している。また、303は今コマの待機時間を示すアイコン、304は次のコマの待機時間を示すアイコンである。
図3(a)では、待機時間が0秒なので、ユーザは、今コマの撮影が禁止されておらず、待機時間無しに撮影可能であることがわかる。
【0025】
一方、ステップS203の確認の結果、2画面分の静止画像データを格納するための十分な空き領域がメモリ106にないと判断された場合、ステップS207へ進む。即ち、例えば、静止画像が続けて撮影された場合など、先に撮影されたコマの静止画像データがメモリ106に記憶されており、記録媒体110への書き込みが完了していない状態などが考えられる。
【0026】
そこで、ステップS207では、記録媒体の書き込み速度(単位時間当たりに書き込み可能なデータ量)の情報を取得する。本実施形態では、書き込み速度の情報は記録媒体110に予め記録されているものとする。これ以外にも、記録媒体制御部109により、記録媒体110に対して実際にデータの書き込みを行って書き込み速度を検出する構成でもよい。
【0027】
次に、ステップS208へ進み、予測した静止画像データのデータ量に基づいて、メモリ106に1画面の静止画像データを格納する空き領域があるか否かを確認する。ステップS208の確認の結果、メモリ106に静止画1枚分を格納する空き領域がなければステップS209へ進み、今コマの撮影を禁止する。
【0028】
次に、ステップS210へ進み、以下の式に基づいて今コマの撮影が可能になるまでの待機時間を算出する。
待機時間=(静止画データ予測サイズ−空き領域サイズ)/記録媒体の書き込み速度。前記の様に、先のコマの撮影直後でメモリ106の空き容量が無い場合には、メモリ106から記録媒体110に対して静止画像データの書き込みが進むにつれて、待機時間は減少していく。
【0029】
次に、ステップS211へ進み、今コマの撮影が禁止されていることと、撮影が可能となるまでの待機時間をユーザへ通知する。その後、ステップS206へ進んで終了する。図3(b)は、ステップS210において表示部104に表示される表示画面の様子を示す図である。図3(b)では、アイコン304を表示せず、303だけを表示することで、今コマの撮影待機時間が2秒であることを示している。
【0030】
一方、ステップS208の確認の結果、静止画データを1画面だけ格納でき、2画面以上の静止画像データを格納するための空き領域がメモリ106に無いと判断された場合、ステップS212へ進み、今コマの静止画撮影は可能であると判断する。次に、ステップS213に進み、以下の式に基づいて、今コマの撮影後、次の静止画の撮影が可能になるまでの待機時間を算出する。
待機時間=(静止画データ予測サイズ×2−空き領域サイズ)/記録媒体の書き込み速度。
【0031】
次に、ステップS214へ進み、今コマの撮影後、次コマの撮影が可能になるまで待機しなければならないことと、撮影可能となるまでの待機時間をユーザへ通知する。その後、ステップS206へ進んで終了する。
【0032】
図3(c)は、ステップS213において表示部104に表示される表示画面の様子を示す図である。図3(c)では、アイコン303と共に304を表示することで、今コマについては待機せずに撮影できるが、次コマについては、今コマの撮影後、待機しないと撮影できないことを示し、更に、その際の待機時間が3秒であることを示している。
【0033】
以上の処理を、電源が投入されてデジタルカメラ100が動作状態となっている期間に継続的に行うことにより、ユーザは、静止画情報のサイズ、または、記録媒体の書き込み速度に起因した撮影待機抑止期間を事前に通知することが可能となる。これにより、今回の静止画撮影によって、次コマの静止画撮影が禁止されること、及び、今コマ撮影後、次コマが撮影可能となるまでの待機時間を今コマの撮影前に通知することができる。なお、本実施形態の書き込み速度取得方法ならびに算出結果の表示方法は、一例であって、これに限ったものではない。例えば、図4に示すように、待機時間をバー表示するなど、他の表示方法にしてもよい。
【0034】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。第2の実施形態においては、同一の記録媒体に静止画データ/動画データの両方を同時に記録する場合に関して説明する。デジタルカメラ100の構成は第1の実施形態と同じであるため説明を省略する。
【0035】
本実施形態では、動画撮影中においても、今コマの静止画撮影が可能であるか、或いは、今コマ撮影後、次のコマの撮影が可能になるまでの待機時間を算出して表示する。
基本的な表示画面の処理は第1の実施形態及び図2のフローチャートを参照しながら説明した処理手順と同じである。しかし、本実施形態では、撮影待機時間の算出方法が第1の実施形態と異なるため、ステップS210及びステップS213について説明する。
【0036】
即ち、本実施形態では、動画撮影中、制御部105は、動画符号化部108から出力されている動画データのデータレートを適宜確認し、現在記録中の動画データのデータレートの情報を取得している。そして、ステップS210において、以下の式に基づいて待機時間を算出する。
撮影待機時間=(静止画データ予測サイズ−空き領域サイズ)/(記録媒体の書き込み速度−記録中の動画データのデータレート)。
【0037】
また、ステップS213においては、以下の式に基づいて次コマの撮影の待機時間を算出する。
撮影待機時間=(静止画データ予測サイズ×2−空き領域サイズ)/(記録媒体の書き込み速度−記録中の動画データのビットレート)。
【0038】
以上の処理を、電源が投入されてデジタルカメラ100が動作状態となっている場合には継続的に行うようにする。これにより、同一記録媒体への静止画情報及び動画情報同時記録の両方を同時記録する場合であっても、撮影待機期間を事前に通知することが可能となる。
【0039】
(第3の実施形態)
第1及び第2の実施形態では、メモリ106の空き領域と記録媒体の書き込み速度に基づいて、今コマ、或いは、次コマの撮影待機時間を算出、表示する構成ついて説明した。
本実施形態では、ストロボの充電時間(チャージ時間)に基づいてこれらの情報を算出、表示する。
図5は、本実施形態における撮影待機時間の表示処理を示すフローチャートである。
【0040】
図5のステップS201において処理が開始される。次に、ステップS502に進み、ストロボのチャージ量を取得する。一般的に、チャージに要する時間は固定値なので、チャージが始まってからの経過時間をチャージ量としてよい。
【0041】
次に、ステップS503においてチャージが完了しているか否かを確認する。この確認の結果、チャージが完了していれば、ストロボ112は発光可能状態であると判断してステップS504へ進み、今回撮影するコマ(今回のユーザ撮影指示により撮影する静止画)の撮影を許可する。その後、ステップS505へ進み、ストロボ112により閃光が発光された後で、ストロボ112が再発光可能となるまでの再チャージ時間を予測する再チャージ時間予測を行う。本実施形態においては、再チャージに要する時間を次コマの撮影待機時間とする。制御部105は、予測結果を表示部104に表示する。次に、ステップS506へ進んで処理を終了する。
【0042】
一方、ステップS503の確認の結果、チャージが完了していないと判断された場合にはステップS507へ進み、今コマの撮影を禁止する。次に、ステップS508へ進み、チャージに要する時間から、ステップS502の結果の差を算出し、今コマ静止画撮影に必要な残りチャージ時間を取得する。そして、それを今コマ静止画撮影待機時間とする処理を行う。その後、ステップS506へ進んで終了とする。
【0043】
以上の処理を、電源が投入されてデジタルカメラ100が動作状態となっている場合には継続的に行うことで、ストロボ発光後の再チャージに起因した撮影待機期間を事前に通知することが可能となる。これにより、今回の静止画撮影が次コマの静止画撮影へ及ぼす影響を撮影前にユーザに通知することが可能となる。
【0044】
(本発明に係る他の実施形態)
前述した本発明の実施形態における記録装置を構成する各手段は、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本発明に含まれる。
【0045】
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0046】
なお、本発明は、前述した記録方法における各工程を実行するソフトウェアのプログラム(実施形態では図2、図5に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接、あるいは遠隔から供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0047】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0048】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0049】
プログラムを供給するための記録媒体としては種々の記録媒体を使用することができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
【0050】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
【0051】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0052】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0053】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行うことによっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0054】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1の実施形態を示し、ビデオカメラの構成例を説明するブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示し、撮影待機時間の算出方法の手順を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態を示し、算出した撮影待機時間の表示例を示す図である。
【図4】第1の実施形態の変形例を示し、算出した撮影待機時間の表示例を示す図である。
【図5】第3の実施形態を示し、撮影待機時間の算出方法の手順を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
100 デジタルカメラ
101 レンズ
102 撮像素子
103 画像処理部
104 表示部
105 制御部
106 メモリ
107 静止画符号化部
108 動画符号化部
109 記録媒体制御部
110 記録媒体
111 バス
112 ストロボ
113 操作部
114 ユーザインターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影指示に応じて静止画像データを撮影して記録媒体に記録する撮像装置であって、
今回の撮影指示による撮影後、次の撮影が可能となるまでの待機時間を算出し、前記今回の撮影指示の前に前記算出した待機時間の情報を表示することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記記録媒体のデータの書き込み速度に基づいて前記待機時間を算出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
撮影指示に応じて静止画像データを撮影して記録媒体に記録する撮像装置であって、
今回の撮影指示による撮影後、待機させられることなく次の撮影が可能かどうかを判別し、前記今回の撮影指示の前に前記判別の結果に応じた情報を表示することを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
前記記録媒体のデータの書き込み速度に基づいて次の撮影が可能かどうかを判別することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
被写体を撮影し、撮影指示に応じて静止画像データを取得する撮像手段と、
前記撮像手段により取得された静止画像データを記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された静止画像データを読み出して記録媒体に記録する記録手段と、
前記メモリの空き容量と前記記録媒体のデータ書き込み速度とに基づいて、今回の撮影指示による撮影後、次の撮影が可能となるまでの待機時間を算出し、前記今回の撮影指示の前に前記算出した待機時間の情報を表示装置に表示する制御手段とを備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記撮像手段により取得される1画面の静止画像データのデータ量を前記今回の撮影指示の前に予測し、前記予測したデータ量と、前記メモリの空き容量、及び前記データ書き込み速度に基づいて前記待機時間を算出することを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記メモリの空き容量から前記予測したデータ量を除いた残りの容量と前記データ書き込み速度とに基づいて前記待機時間を算出することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記メモリに十分な空き容量が無い場合に、前記メモリの空き容量が十分になるまで前記撮影指示による静止画像データの取得を禁止することを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記制御手段は更に、前記メモリの空き容量と前記記録媒体のデータ書き込み速度とに基づいて、今回の撮影指示による撮影が可能となるまでの待機時間を算出し、前記今回の撮影指示の前に前記算出した今回の撮影が可能となるまでの待機時間の情報を表示することを特徴とする請求項5〜8の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記撮像手段は、動画像データも取得すると共に前記動画像データの撮影中における前記撮影指示に応じて前記静止画像データを取得し、前記記録手段は前記撮像手段により取得されて前記メモリに記憶された動画像データを読み出して前記記録媒体に記録し、前記制御手段は、前記動画像データの記録中に前記メモリの空き容量と前記記録媒体のデータ書き込み速度及び前記動画像データのデータレートに基づいて前記待機時間を算出し、前記今回の撮影指示の前に前記算出した待機時間の情報を表示することを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項11】
被写体を撮影し、撮影指示に応じて静止画像データを取得する撮像手段と、
前記撮像手段により取得された静止画像データを記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された静止画像データを読み出して記録媒体に記録する記録手段と、
前記メモリの空き容量と前記記録媒体のデータ書き込み速度とに基づいて、今回の撮影指示による撮影後、次の撮影が可能となるまでの待機時間を算出し、待機させられることなく次の撮影が可能かどうかを判別し、前記今回の撮影指示の前に前記判別の結果に応じた情報を表示装置に表示する制御手段とを備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項12】
ストロボが発光可能となるまでの充電時間を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された充電時間を記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された充電時間に基づいて、今回の撮影指示による撮影後、次の撮影が可能となるまでの待機時間を算出し、前記今回の撮影指示の前に前記算出した待機時間の情報を表示装置に表示する制御手段とを備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項13】
撮影指示に応じて静止画像データを撮影して記録媒体に記録する撮像方法であって、
今回の撮影指示による撮影後、次の撮影が可能となるまでの待機時間を算出し、前記今回の撮影指示の前に前記算出した待機時間の情報を表示することを特徴とする撮像方法。
【請求項14】
前記記録媒体のデータの書き込み速度に基づいて前記待機時間を算出することを特徴とする請求項13に記載の撮像方法。
【請求項15】
撮影指示に応じて静止画像データを撮影して記録媒体に記録する撮像方法であって、
今回の撮影指示による撮影後、待機させられることなく次の撮影が可能かどうかを判別し、前記今回の撮影指示の前に前記判別の結果に応じた情報を表示することを特徴とする撮像方法。
【請求項16】
前記記録媒体のデータの書き込み速度に基づいて次の撮影が可能かどうかを判別することを特徴とする請求項15に記載の撮像方法。
【請求項17】
被写体を撮影し、撮影指示に応じて静止画像データを取得する撮像工程と、
前記撮像工程において取得された静止画像データをメモリに記憶する記憶工程と、
前記メモリに記憶された静止画像データを読み出して記録媒体に記録する記録工程と、
前記メモリの空き容量と前記記録媒体のデータ書き込み速度とに基づいて、今回の撮影指示による撮影後、次の撮影が可能となるまでの待機時間を算出し、前記今回の撮影指示の前に前記算出した待機時間の情報を表示装置に表示する制御工程とを備えることを特徴とする撮像方法。
【請求項18】
前記制御工程においては、前記撮像工程において取得される1画面の静止画像データのデータ量を前記今回の撮影指示の前に予測し、前記予測したデータ量と、前記メモリの空き容量、及び前記データ書き込み速度に基づいて前記待機時間を算出することを特徴とする請求項17に記載の撮像方法。
【請求項19】
前記制御工程においては、前記メモリの空き容量から前記予測したデータ量を除いた残りの容量と前記データ書き込み速度とに基づいて前記待機時間を算出することを特徴とする請求項18に記載の撮像方法。
【請求項20】
前記制御工程においては、前記メモリに十分な空き容量が無い場合に、前記メモリの空き容量が十分になるまで前記撮影指示による静止画像データの取得を禁止することを特徴とする請求項17に記載の撮像方法。
【請求項21】
前記制御工程においては更に、前記メモリの空き容量と前記記録媒体のデータ書き込み速度とに基づいて、今回の撮影指示による撮影が可能となるまでの待機時間を算出し、前記今回の撮影指示の前に前記算出した今回の撮影が可能となるまでの待機時間の情報を表示することを特徴とする請求項17〜20の何れか1項に記載の撮像方法。
【請求項22】
前記撮像工程においては動画像データも取得すると共に前記動画像データの撮影中における前記撮影指示に応じて前記静止画像データを取得し、前記記録工程においては前記撮像工程において取得されて前記メモリに記憶された動画像データを読み出して前記記録媒体に記録し、前記制御工程においては、前記動画像データの記録中に前記メモリの空き容量と前記記録媒体のデータ書き込み速度及び前記動画像データのデータレートに基づいて前記待機時間を算出し、前記今回の撮影指示の前に前記算出した待機時間の情報を表示することを特徴とする請求項17に記載の撮像方法。
【請求項23】
被写体を撮影し、撮影指示に応じて静止画像データを取得する撮像工程と、
前記撮像工程において取得された静止画像データを記憶するメモリと、
前記メモリに記憶された静止画像データを読み出して記録媒体に記録する記録工程と、
前記メモリの空き容量と前記記録媒体のデータ書き込み速度とに基づいて、今回の撮影指示による撮影後、次の撮影が可能となるまでの待機時間を算出し、待機させられることなく次の撮影が可能かどうかを判別し、前記今回の撮影指示の前に前記判別の結果に応じた情報を表示装置に表示する制御工程とを備えることを特徴とする撮像方法。
【請求項24】
ストロボが発光可能となるまでの充電時間を取得する取得工程と、
前記取得工程において取得された充電時間をメモリに記憶する記憶工程と、
前記メモリに記憶された充電時間に基づいて、今回の撮影指示による撮影後、次の撮影が可能となるまでの待機時間を算出し、前記今回の撮影指示の前に前記算出した待機時間の情報を表示装置に表示する制御工程とを備えることを特徴とする撮像方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−93728(P2010−93728A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−264328(P2008−264328)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】