撮像装置及び異物除去方法
【課題】シャッター速度を落とさずに、また、撮像装置を大型化せずに、光学部材の表面に強固に付着した異物を除去できるようにする。
【解決手段】被写体像を光電変換する撮像素子203と、撮像素子203の前方に配置された光学部材201と、異物除去部材11を光学部材201の表面に接触させながら走査方向に移動させることにより、光学部材201の表面に付着した異物を除去する異物除去機構とを備え、異物除去部材11を走査方向Sに移動させるに際して、走査方向Sと逆方向S´への移動を組み合わせる。これにより、異物除去部材11の繊維18の毛先が異物20とLPF201の表面と間に入り込み、異物20を分離して除去するような動作が可能になる。
【解決手段】被写体像を光電変換する撮像素子203と、撮像素子203の前方に配置された光学部材201と、異物除去部材11を光学部材201の表面に接触させながら走査方向に移動させることにより、光学部材201の表面に付着した異物を除去する異物除去機構とを備え、異物除去部材11を走査方向Sに移動させるに際して、走査方向Sと逆方向S´への移動を組み合わせる。これにより、異物除去部材11の繊維18の毛先が異物20とLPF201の表面と間に入り込み、異物20を分離して除去するような動作が可能になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異物除去部材を光学部材の表面に接触させながら走査方向に移動させることにより、光学部材の表面に付着した異物を除去する撮像装置及び異物除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラの撮影レンズの焦点面近傍に塵埃等の異物が存在すると、その異物の影が固体撮像素子に写り込んでしまうという問題がある。このような異物が発生するのは、レンズ交換時に塵埃が外部から侵入したり、カメラ内部でのシャッターやミラーの動作に伴い、その構造部材である樹脂等の微細な磨耗紛が発生したりすることが原因と考えられている。このようにして発生した異物が、特に固体撮像素子の保護用のカバーガラスとカバーガラスの前面に配設されている赤外カットフィルタや光学ローパスフィルタ等の光学フィルタの間に入り込んだ場合には、その異物を除去するためにカメラを分解しなければならなかった。そのため、固体撮像素子のカバーガラスと光学フィルタとの間に異物が入り込まないように密閉構造にすることは極めて有効であった。
【0003】
しかしながら、光学フィルタの固体撮像素子と対向していない面に異物が付着した場合、それが焦点面の近傍である場合には、その異物が影となって固体撮像素子に写り込んでしまうという問題が依然として残っている。
【0004】
そこで、このような問題点を解決するために、フォーカルプレーンシャッターに取り付けられたワイパー部材により、被清掃面(固体撮像素子のカバーガラスの表面又は防塵構造の最外面(例えば光学フィルタの表面))を清掃するものがある(特許文献1参照)。このようなカメラ構成にすると、レンズを外さず、またカメラを分解することなく被清掃面に付着した異物を除去することができる。
【0005】
また、撮像素子の表面外に回転軸をもったワイパー手段が回転することにより、被清掃面を清掃するものがある(特許文献2参照)。特許文献1と同様、このようなカメラ構成にすると、レンズを外さず、またカメラを分解することなく被清掃面に付着した異物を除去することができる。
【0006】
【特許文献1】特開2003−5254号公報
【特許文献2】特開2003−018440号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されている構成では、シャッターにワイパー部材を取り付けているため、シャッターに負荷がかかってしまい、シャッター速度が遅くなってしまうという問題がある。
【0008】
また、特許文献2に開示されている構成では、ワイパー手段としてワイパーレバーに弾力性のあるワイパーブレードが一体的に構成されたものを採用しているため、カメラの厚みが厚くなってしまうという問題がある。しかも、特許文献2に開示されている構成では、被清掃面にかかる圧力を制御できないため、圧力が過大になり、撮像素子に悪影響を及ぼすおそれがあった。
【0009】
更に、ワイパー等の異物除去部材を被清掃面の一方向に単に移動させて清掃するだけでは、強固に付着した異物を除去できないことがあるという問題が依然として残っている。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、シャッター速度を落とさずに、また、撮像装置を大型化せずに、光学部材の表面に強固に付着した異物を除去できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の撮像装置は、被写体像を光電変換する撮像素子と、前記撮像素子の前方に配置された光学部材と、異物除去部材を前記光学部材の表面に接触させながら走査方向に移動させることにより、前記光学部材の表面に付着した異物を除去する異物除去機構とを備え、前記異物除去部材を前記走査方向に移動させるに際して、該走査方向と別の方向への移動を組み合わせる構成にしたことを特徴とする。
本発明の撮像装置における異物除去方法は、被写体像を光電変換する撮像素子と、前記撮像素子の前方に配置された光学部材と、異物除去部材を前記光学部材の表面に接触させながら走査方向に移動させることにより、前記光学部材の表面に付着した異物を除去する異物除去機構とを備えた撮像装置における異物除去方法であって、前記異物除去部材を前記走査方向に移動させるに際して、該走査方向と別の方向への移動を組み合わせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、シャッター速度を落とさずに、また、撮像装置を大型化せずに、光学部材の表面に強固に付着した異物を除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態のデジタル一眼レフカメラの内部構成を示す図であり、撮像部101とフォーカルプレーンシャッター102と異物除去機構の概略構成を説明するための側方断面図である。
【0014】
撮像部101は、主に以下の構成要素により構成される。201は光学ローパスフィルタ(以下、LPFと称する)であり、保持部材202により保持される。203は被写体像を光電変換する固体撮像素子であり、パッケージ部材204に収められ、保護部材(カバーガラス)205により保護される。LPF201と保護部材205とはその間を密閉するためのシール部材206により固定されている。207は基板であり、撮像装置100の動作を制御する制御回路を構成する電気素子が搭載されており、固体撮像素子203の接続端子208が接続する。209は保持板であり、固体撮像素子203が固定される。
【0015】
フォーカルプレーンシャッター102は、主に以下の構成要素により構成される。211は先幕であり、複数のシャッター羽根211a、211b、211c、211dにより構成される。212は後幕であり、複数のシャッター羽根により構成される。213は中間板であり、先幕211及び後幕212の駆動スペースを分割する。214は後幕212の押え板であり、撮像のためにその略中央部に開口が形成されている。215は先幕211の押え板として機能するカバー板であり、撮像のためにその略中央部に開口が形成されている。
【0016】
11は異物除去機構に含まれる異物除去部材(清掃部材)であり、撮像部101とフォーカルプレーンシャッター102との間を図1の上下方向(以下、走査方向と称する)に移動する。異物除去部材11をLPF201の表面に接触させながら走査方向に移動させることにより、LPF201の表面に付着した塵埃等の異物を除去する。216は異物捕獲部であり、異物除去部材11が移動する範囲の図1の下側に設けられている。異物捕獲部216のLPF201との対向面216aには粘着部が設けられており、異物除去部材11によりLPF201の表面から払い落とされた異物を捕獲するようになっている。
【0017】
図2は、異物除去機構1及びLPF201の前方斜視図である。図1で説明した構成要素には同じ符号を付し、その説明は省略する。異物除去機構1は、異物除去部材11、ガイド軸12、リードスクリュー13、ベース14、押さえ板19を含んで構成される。なお、図2において、20はマスク部材であり、LPF201の図2の左右両端を押さえて保持部材202に固定する。
【0018】
12はガイド軸、13はリードスクリューであり、これらガイド軸12及びリードスクリュー13は、LPF201の一方の側辺側において互いに平行に配置、固定される。14は異物除去部材11が取り付けられるベースであり、ガイド軸12が挿通する穴とリードスクリュー13に合わせたネジ穴とが設けられている。不図示のモータによってリードスクリュー13が回転することにより、ベース14がガイド軸12に沿って図2の上下方向(走査方向)に移動する。
【0019】
異物除去部材11は、1枚の金属板を加工することにより取り付け部15、支持部16、押圧部17が形成された基材を備える。取り付け部15は、支持部16の一端に形成され、ベース14に取り付けられる部位である。支持部16は、LPF201に平行に延伸する部位である。押圧部17は、支持部16の長辺のうち上側からLPF201に向かって斜設された部位であり、弾性を有する。
【0020】
また、異物除去部材11は、押圧部17に接着等により固定された繊維18を備え、繊維18が押圧部17の弾性によってLPF201の表面に接触する。
【0021】
19は押さえ板であり、LPF201の他方の側辺側において保持部材202に固定され、異物除去部材11の支持部16とLPF201との距離を規制する。
【0022】
ここで、図3を参照して、異物除去部材11の形状、構成について更に詳細に説明する。異物除去部材11は、撮像部101とフォーカルプレーンシャッター102との間を走行するため、薄いものであることが求められる。そこで、繊維18は、長さ0.2mm程度に裁断し、篩い分けしている。基材から繊維18の先端までの高さは裁断及び篩い分けの精度や繊維18を固定するための接着剤による固定具合等から±0.1mm程度のばらつきが生じる。よって、全ての繊維18がLPF201の表面に接触するためには、基材がLPF201に圧力をかけた状態である必要がある。
【0023】
異物除去部材11がLPF201の表面に均一に圧力をかける構成について説明する。図3(a)は異物除去機構1の要部斜視図、図3(b)は図3(a)の矢印B方向から見た図である。なお、簡略化のため説明に不要な押さえ板19は省略している。異物除去部材11がLPF201の表面に圧力をかけるために、LPF201に平行な支持部16に斜設された押圧部17は、その先端部がLPF201に押し付けられる。押圧部17の先端部は、押圧によって所定量変形して、繊維18がLPF201の表面に対して全面で当たる状態、すなわち押圧部17がLPF201と略平行になった状態で保持される。この状態で、異物除去部材11が移動する。
【0024】
以下、図4、図5を参照して、本実施形態における異物除去部材11の動作について説明する。図4、図5は、異物除去部材11を移動させてLPF201の表面に付着した異物を除去する過程を時系列的に示す模式図であり、2つの走査モードを比較する図である。
【0025】
図4は、通常の走査モードであり、異物除去部材11を一方向にのみ一定速度で移動させる。LPF201の表面に付着した異物の付着強度が弱い場合や、清掃するための時間が短い場合に有効な走査モードである。また、異物除去部材11を固体撮像素子203に対応する範囲外へと素早く移動させる場合にも有効である。
【0026】
一方、図5は、本発明を適用した走査モードであり、異物除去部材11を走査方向に移動させるに際して、該走査方向と別の方向への移動を組み合わせる。LPF201の表面に強固に付着した異物を除去するのに有効な走査モードである。本実施形態では、走査方向に対する前後方向への微小移動を繰り返しながら異物除去部材11を移動させるようにしている。
【0027】
まず、図4に示す通常の走査モードについて説明する。図4(a)〜(c)に示すように、押圧部17に接着固定された繊維18は、毛先が走査方向(図中矢印S)と逆向きになり、走査方向への一方向の移動では、この状態が維持される。すなわち、図4(b)に示すように、LPF201の表面に異物20が付着している位置でも、繊維18の毛先が異物20と逆向きとなっている。そのため、異物20が強固に付着している場合には、繊維18が異物20を簡単に乗り越えてしまい、異物20を除去することができない。
【0028】
このように通常の走査モードでは、異物除去能力が低く、水分や油等を含んだ頑固な汚れ等に対しては、十分な異物除去能力を発揮することができない。また、走査方向への一回の移動だけでは、異物を完全に除去することも困難である。
【0029】
次に、図5に示す走査モードについて説明する。図5(a)、(b)は、図4と同様に、走査方向(図中矢印S)への一方向に移動している状態であり、押圧部17に接着固定された繊維18は、毛先が走査方向と逆向きになっている。
【0030】
図5(c)は、走査方向と逆方向(図中矢印S´)へと移動を切り替えた状態である。この移動の切り替えは、不図示のコントローラ(制御手段)がモータを逆転させて、リードスクリュー13の回転を逆転させることで可能になる。このとき、繊維18の毛先を完全に反転させて走査方向に向けるように異物除去部材11の移動量を最適化することが望ましい。
【0031】
図5(d)は、異物除去部材11の移動方向を再び本来の走査方向に戻した状態である。図5(b)との状態との差は、繊維18の毛先が一時的に走査方向に向いていることである。この状態で、異物除去部材11を走査方向に移動させることにより、繊維18の毛先が異物20とLPF201の表面と間に入り込み、異物20を分離して除去することが可能になる。
【0032】
図5(e)、(f)は、分離された異物20を移動させる状態であり、異物除去部材11を走査方向に移動させることにより、繊維18の毛先が再び走査方向と逆向きになっている。図5(d)の状態で異物20がLPF201の表面から分離されるので、その後に繊維18の毛先が走査方向と逆向きになっても、弱い力で異物20を移動させることができる。
【0033】
以上のように、走査方向に対する前後方向への微小移動を繰り返しながら異物除去部材11を移動させるという簡単な動作を加えることにより、効果的に異物を除去することが可能になる。
【0034】
また、LPF201の表面の一部領域、例えば事前に検出した強固に付着した異物20の付着位置でのみ走査方向に対する前後方向への微小移動を繰り返すようにしてもよく、これにより短時間で確実に異物を除去することが可能になる。
【0035】
また、異物除去部材11の移動方向を走査方向に対する前後に切り替えるだけなので、コントローラでの制御に変更を加えるだけで済み、機構上の変更は不要である。
【0036】
以上述べたように、機構上の変更を加えることなく、LPF201の表面に強固に付着した異物を除去することが可能になる。また、異物除去機構1はフォーカルプレーンシャッター102と独立しているので、従来技術のようにシャッター速度を落とすことはない。更に、薄い金属板により形成される押圧部17の弾性を利用してLPF201の表面に圧力をかけるので、LPF201とフォーカルプレーンシャッター102との間の狭い隙間を走行し、異物除去を行うことができ、カメラが大型化することもない。
【0037】
(第2の実施形態)
次に、図6〜図9を参照して、本発明の第2の実施形態を説明する。なお、カメラの基本的な構成等は上記第1の実施形態で説明したものと同様であり、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。第2の実施形態は、異物除去部材を走査方向に移動させるに際して、上記第1の実施形態で説明した走査方向と逆方向への移動に加えて、走査方向と直交する方向への移動を更に組み合わせた例である。これにより、LPF201の表面に付着した異物に対して、任意の方向から異物除去動作が可能になり、強固に付着した異物でも容易に除去することができる。
【0038】
図6は、異物除去機構及びLPF201を示す平面図である。図7は、リードスクリュー32の中心軸に対して垂直に切った断面図(図6のVII−VII線断面図)、図8は、リードスクリュー32の中心軸を含む面で切った側方断面図(図6のVIII−VIII線断面図)である。
【0039】
31はガイド軸、32はリードスクリューであり、これらガイド軸31及びリードスクリュー32は、LPF201の一方の側辺側において互いに平行に配置、固定される。33はリードスクリュー32を回転させるための駆動ユニットであり、モータ及び減速系を含む。34はガイド軸31、リードスクリュー32、駆動ユニット33を保持する保持部材であり、カメラ本体に固定される。
【0040】
35は異物除去部材40が取り付けられるベースであり、ガイド軸31が挿通する穴とリードスクリュー32に合わせたネジ穴とが設けられている。駆動ユニット33によってリードスクリュー32が回転することにより、ベース35がガイド軸31に沿って図6の上下方向(走査方向)に移動する。
【0041】
36はコイルであり、ベース35に一体的に取り付けられている(図7、8を参照)。37は断面略コの字状の保持枠であり、ベース35及びコイル36を保持し、これら、ベース35、コイル36、異物除去部材40の支持部41の上下方向への移動を規制する。
【0042】
異物除去部材40は、1枚の金属板を加工することにより支持部41、押圧部42が形成された基材を備える。支持部41は、LPF201に平行に延伸する部位である。押圧部42は、支持部41の長辺のうち上側からLPF201に向かって斜設された部位であり、弾性を有する。44は永久磁石であり、支持部41の端部でコイル36に対向する位置に保持固定されている。支持部41は、保持枠37によって走査方向と直交する方向(図6の矢印X)にのみ移動が許容されており、永久磁石44及びコイル36の電磁作用によって異物除去部材40が走査方向と直交する方向に移動可能となっている。
【0043】
また、異物除去部材40は、押圧部42に接着等により固定された繊維43を備え、繊維43が押圧部42の弾性によってLPF201の表面に接触する。
【0044】
38は押さえ板であり、LPF201の他方の側辺側において保持部材202に固定され、異物除去部材40の支持部41とLPF201との距離を規制する。
【0045】
以下、図6〜図9を参照して、本実施形態における異物除去部材40の動作について説明する。図6〜図8に示すように、異物除去部材40は、リードスクリュー32の回転を逆転させることによってベース35を介して走査方向と逆方向に移動可能となっている。また、異物除去部材40は、永久磁石44及びコイル36の電磁作用によって走査方向と直交する方向に移動可能となっている。
【0046】
この動作を詳細に説明すると、駆動ユニット33の出力によってリードスクリュー32を回転させ、この回転がベース35を介して異物除去部材40の走査方向の移動に変換される。また、駆動ユニット33の回転を逆転させることによって、異物除去部材40の走査方向と逆方向への微小移動も可能である。
【0047】
また、この動作と独立して、第2の駆動手段である電磁作用により、異物除去部材40の走査方向と直交する方向への移動も可能である。これは、ベース35に一体的に取り付けられたコイル36と異物除去部材40の支持部41の最も駆動部に近い位置に一体的に取り付けられた永久磁石44の電磁作用を用いたものである。コイル36に不図示の電源を用いて電流を流すと、コイル36及び永久磁石44の電磁作用と、保持枠37による方向の規制によって、異物除去部材40は、図6の左右方向(図中矢印X)に移動する。このときの最大移動量は、押さえ板38及び保持枠37によって規制され、異物除去に必要とされる移動量以上に動くのを防ぐようにしている。
【0048】
このように走査方向と逆方向、及び、走査方向と直行する方向にそれぞれ独立して異物除去部材40を移動させることができるので、多種多様な動作が可能になる。図9(a)〜(d)は、多種多様な動作の一例を示したものである。走査方向が図9の下方向(図中矢印S)であるとする。
【0049】
図9(a)は、異物除去部材40の走査方向への移動と、走査方向と直交する方向への移動とを一定時間毎に切り替えた例である。このように移動させることにより、繊維43の毛先の向きを順次変化させながら、全体として隙間なく走査させることができる。
【0050】
図9(b)は、異物除去部材40の走査方向への移動と、走査方向と直交する方向への移動とを同時に一定の速度で実行し、かつ、走査方向と直交する方向への移動方向を一定時間毎に切り替えるようにした例である。このように移動させることにより、繊維43の毛先の向きを順次変化させながら、全体として隙間なく走査させることができる。
【0051】
図9(c)は、異物除去部材40の走査方向の移動と、走査方向と直交する方向への移動とを同時に速度を変化させて実行し、かつ、走査方向と直交する方向への移動方向を一定時間毎に切り替えるようにした例である。このように移動させることにより、繊維43の毛先の向きを順次変化させながら、全体として隙間なく走査させることができる。
【0052】
図9(d)は、異物除去部材40の走査方向に対する前後方向の移動と、走査方向と直交する方向への移動とを同時に速度を変化させて実行し、かつ、走査方向と直交する方向への移動方向を一定時間毎に切り替えるようにした例である。このように移動させることにより、全体として螺旋状の軌跡を描くように動作させることができ、繊維43の毛先の向きを順次変化させながら、全体として隙間なく走査させることができる。
【0053】
以上述べたように、LPF201の表面に強固に付着した異物を除去することが可能になる。また、異物除去機構はフォーカルプレーンシャッター102と独立しているので、従来技術のようにシャッター速度を落とすことはない。更に、薄い金属板により形成される押圧部42の弾性を利用してLPF201の表面に圧力をかけるので、LPF201とフォーカルプレーンシャッター102との間の狭い隙間を走行し、異物除去を行うことができ、カメラが大型化することもない。
【0054】
なお、本実施形態では、異物除去部材40を走査方向と直交する方向に移動させる手段としてコイル36及び永久磁石44による電磁作用を利用したが、それに限定されるものではない。例えば圧電素子を用いて逐次微小移動させるように構成しても良い。また、リニア駆動や超音波モータを駆動源として用いても良い。更に、走査方向への移動と同様に、モータを駆動源として用いても良い。
【0055】
(第3の実施形態)
次に、図10〜図12を参照して、本発明の第3の実施形態を説明する。なお、カメラの基本的な構成等は上記第1の実施形態で説明したものと同様であり、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。第3の実施形態は、異物除去部材を走査方向に移動させるに際して、LPF201の表面との距離を変える方向への移動、換言すればLPF201の表面の略垂直方向への移動を組み合わせた例である。これにより、LPF201の表面に付着した異物を箒で掃くような動作が可能になり、強固に付着した異物でも容易に除去することができる。
【0056】
図10は、異物除去機構及びLPF201を示す平面図である。図11は、リードスクリュー53の中心軸に対して垂直に切った断面図(図10のXI−XI線断面図)、図12は、リードスクリュー53の中心軸を含む面で切った側方断面図(図10のXII−XII)である。
【0057】
51はガイド軸、53はリードスクリューであり、これらガイド軸51及びリードスクリュー53は、LPF201の一方の側辺側において互いに平行に配置、固定される。55はリードスクリュー53を回転させるための駆動ユニットであり、モータ及び減速系を含む。57はガイド軸51、リードスクリュー53、駆動ユニット55を保持する保持部材であり、カメラ本体に固定される。同様に、52はガイド軸、54はリードスクリューであり、これらガイド軸52及びリードスクリュー54は、LPF201の他方の側辺側において互いに平行に配置、固定される。56はリードスクリュー54を回転させるための駆動ユニットであり、モータ及び減速系を含む。58はガイド軸52、リードスクリュー54、駆動ユニット56を保持する保持部材であり、カメラ本体に固定される。
【0058】
59は異物除去部材70が取り付けられるベースであり、ガイド軸51が挿通する穴とリードスクリュー53に合わせたネジ穴とが設けられている。駆動ユニット55によってリードスクリュー53が回転することにより、ベース59がガイド軸51に沿って図10の上下方向(走査方向)に移動する。同様に、60は異物除去部材70が取り付けられるベースであり、ガイド軸52が挿通する穴とリードスクリュー54に合わせたネジ穴とが設けられている。駆動ユニット56によってリードスクリュー54が回転することにより、ベース60がガイド軸52に沿って図10の上下方向(走査方向)に移動する。
【0059】
61はコイルであり、ベース59に一体的に取り付けられている(図11を参照)。同様に、62はコイルであり、ベース60に一体的に取り付けられている(図11を参照)。
【0060】
異物除去部材70は、1枚の金属板を加工することにより支持部71、押圧部72が形成された基材を備える。支持部71は、LPF201に平行に延伸する部位である。押圧部72は、支持部71の長辺のうち上側からLPF201に向かって斜設された部位であり、弾性を有する。74、75は永久磁石であり、支持部71の両端部でコイル61、62に対向する位置に保持固定されている。63、64はベース59、60に設けられたヒンジであり、支持部71が回動可能に構成されている。すなわち、永久磁石74、75及びコイル61、62の電磁作用によって異物除去部材70がLPF201の表面との距離を変える方向に移動可能となっている。
【0061】
また、異物除去部材70は、押圧部72に接着等により固定された繊維73を備え、繊維73が押圧部72の弾性によってLPF201の表面に接触する。
【0062】
以下、図10〜図12を参照して、本実施形態における異物除去部材70の動作について説明する。図10〜図12に示すように、異物除去部材70は、永久磁石74、75及びコイル61、62の電磁作用によってLPF201の表面との距離を微小に変化させる方向に移動可能となっている。
【0063】
この動作を詳細に説明すると、駆動ユニット55、56の出力によってリードスクリュー53、54を回転させ、この回転がベース59、60を介して異物除去部材70の走査方向の移動に変換させる。このように左右両側で同期させて異物除去部材70を動かすことによって、左右均一な清掃動作が可能になる。また、駆動ユニット55、56の回転を逆転させることによって、異物除去部材70の走査方向と逆方向への微小移動も可能である。
【0064】
また、この動作と独立して、第2の駆動手段である電磁作用により、異物除去部材70のLPF201の表面との距離を変える方向へも移動可能である。これは、ベース59、60に一体的に取り付けられたコイル61、62と異物除去部材70の支持部71の最も駆動部に近い位置に一体的に取り付けられた永久磁石74、75の電磁作用を用いたものである。コイル61、62に不図示の電源を用いて電流を流すと、コイル61、62及び永久磁石74、75が吸着し、繊維73がLPF201の表面が強く押し付けられる(図12(a)を参照)。一方、コイル61、62に流す電流を減少させると、電磁作用による吸着力に対して、繊維73がLPF201の表面に接触する反力が打ち勝つ。その結果、ベース59、60に設けたヒンジ63、64を中心に、繊維73がLPF201の表面から離間する方向に回動し、これと共に、繊維73の毛先がLPF201の表面に当接する状態が徐々に変化する(図12(b)を参照)。
【0065】
この微小動作を繰り返すことによって、LPF201の表面に付着した異物を跳ね除く動作が可能になり、効率良く異物を除去することができる。更に、このときの動作として、走査方向に対する前後方向の移動を効果的に組み合わせることによって、清掃後に除去された異物を効率良く運ぶこともできる。
【0066】
以上述べたように、LPF201の表面に強固に付着した異物を除去することが可能になる。また、異物除去機構はフォーカルプレーンシャッター102と独立しているので、従来技術のようにシャッター速度を落とすことはない。更に、薄い金属板により形成される押圧部72の弾性を利用してLPF201の表面に圧力をかけるので、LPF201とフォーカルプレーンシャッター102との間の狭い隙間を走行し、異物除去を行うことができ、カメラが大型化することもない。
【0067】
なお、本実施形態では、異物除去部材70をLPF201の表面との距離を変える方向に移動させる手段としてコイル61、62及び永久磁石74、75による電磁作用を利用したが、それに限定されるものではない。例えばカム構造を持たせて、一定周期でLPF201の表面との距離が変化するように構成しても良い。この場合、新たに別のアクチュエータを必要とせず、安価に構成することができる。
【0068】
なお、上記実施形態では、繊維18、43、73をLPF201の表面に接触させる例を説明したが、異物除去部材の移動に伴って光学部材の表面に対する接触方向が変わる部材であればよく、例えば植毛紙等を用いてもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、本発明でいう撮像素子の前方に配置された光学部材としてLPF201を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば他のフィルタや固体撮像素子203のカバーガラス205であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】第1の実施形態のデジタル一眼レフカメラの内部構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態の異物除去機構及びLPFの前方斜視図である。
【図3】第1の実施形態の異物除去機構を説明するための図であり、(a)は異物除去機構の要部斜視図、(b)は(a)の矢印B方向から見た図である。
【図4】通常の走査モードでの異物除去部材の動作について説明するための図である。
【図5】第1の実施形態の異物除去部材の動作について説明するための図である。
【図6】第2の実施形態の異物除去機構及びLPFを示す平面図である。
【図7】第2の実施形態の異物除去機構及びLPFの断面図である。
【図8】第2の実施形態の異物除去機構及びLPFの断面図である。
【図9】第2の実施形態の異物除去部材の動作について説明するための図である。
【図10】第3の実施形態の異物除去機構及びLPFを示す平面図である。
【図11】第3の実施形態の異物除去機構及びLPFの断面図である。
【図12】第3の実施形態の異物除去機構及びLPFの断面図である。
【符号の説明】
【0071】
11、40、70 異物除去部材
12、31、51、52 ガイド軸
13、32、53、54 リードスクリュー
14、35、59、60 ベース
16、41、71 支持部
17、42、72 押圧部
18、43、73 繊維
19、38 押さえ板
201 LPF(光学ローパスフィルタ)
203 固体撮像素子
【技術分野】
【0001】
本発明は、異物除去部材を光学部材の表面に接触させながら走査方向に移動させることにより、光学部材の表面に付着した異物を除去する撮像装置及び異物除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラの撮影レンズの焦点面近傍に塵埃等の異物が存在すると、その異物の影が固体撮像素子に写り込んでしまうという問題がある。このような異物が発生するのは、レンズ交換時に塵埃が外部から侵入したり、カメラ内部でのシャッターやミラーの動作に伴い、その構造部材である樹脂等の微細な磨耗紛が発生したりすることが原因と考えられている。このようにして発生した異物が、特に固体撮像素子の保護用のカバーガラスとカバーガラスの前面に配設されている赤外カットフィルタや光学ローパスフィルタ等の光学フィルタの間に入り込んだ場合には、その異物を除去するためにカメラを分解しなければならなかった。そのため、固体撮像素子のカバーガラスと光学フィルタとの間に異物が入り込まないように密閉構造にすることは極めて有効であった。
【0003】
しかしながら、光学フィルタの固体撮像素子と対向していない面に異物が付着した場合、それが焦点面の近傍である場合には、その異物が影となって固体撮像素子に写り込んでしまうという問題が依然として残っている。
【0004】
そこで、このような問題点を解決するために、フォーカルプレーンシャッターに取り付けられたワイパー部材により、被清掃面(固体撮像素子のカバーガラスの表面又は防塵構造の最外面(例えば光学フィルタの表面))を清掃するものがある(特許文献1参照)。このようなカメラ構成にすると、レンズを外さず、またカメラを分解することなく被清掃面に付着した異物を除去することができる。
【0005】
また、撮像素子の表面外に回転軸をもったワイパー手段が回転することにより、被清掃面を清掃するものがある(特許文献2参照)。特許文献1と同様、このようなカメラ構成にすると、レンズを外さず、またカメラを分解することなく被清掃面に付着した異物を除去することができる。
【0006】
【特許文献1】特開2003−5254号公報
【特許文献2】特開2003−018440号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されている構成では、シャッターにワイパー部材を取り付けているため、シャッターに負荷がかかってしまい、シャッター速度が遅くなってしまうという問題がある。
【0008】
また、特許文献2に開示されている構成では、ワイパー手段としてワイパーレバーに弾力性のあるワイパーブレードが一体的に構成されたものを採用しているため、カメラの厚みが厚くなってしまうという問題がある。しかも、特許文献2に開示されている構成では、被清掃面にかかる圧力を制御できないため、圧力が過大になり、撮像素子に悪影響を及ぼすおそれがあった。
【0009】
更に、ワイパー等の異物除去部材を被清掃面の一方向に単に移動させて清掃するだけでは、強固に付着した異物を除去できないことがあるという問題が依然として残っている。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、シャッター速度を落とさずに、また、撮像装置を大型化せずに、光学部材の表面に強固に付着した異物を除去できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の撮像装置は、被写体像を光電変換する撮像素子と、前記撮像素子の前方に配置された光学部材と、異物除去部材を前記光学部材の表面に接触させながら走査方向に移動させることにより、前記光学部材の表面に付着した異物を除去する異物除去機構とを備え、前記異物除去部材を前記走査方向に移動させるに際して、該走査方向と別の方向への移動を組み合わせる構成にしたことを特徴とする。
本発明の撮像装置における異物除去方法は、被写体像を光電変換する撮像素子と、前記撮像素子の前方に配置された光学部材と、異物除去部材を前記光学部材の表面に接触させながら走査方向に移動させることにより、前記光学部材の表面に付着した異物を除去する異物除去機構とを備えた撮像装置における異物除去方法であって、前記異物除去部材を前記走査方向に移動させるに際して、該走査方向と別の方向への移動を組み合わせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、シャッター速度を落とさずに、また、撮像装置を大型化せずに、光学部材の表面に強固に付着した異物を除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態のデジタル一眼レフカメラの内部構成を示す図であり、撮像部101とフォーカルプレーンシャッター102と異物除去機構の概略構成を説明するための側方断面図である。
【0014】
撮像部101は、主に以下の構成要素により構成される。201は光学ローパスフィルタ(以下、LPFと称する)であり、保持部材202により保持される。203は被写体像を光電変換する固体撮像素子であり、パッケージ部材204に収められ、保護部材(カバーガラス)205により保護される。LPF201と保護部材205とはその間を密閉するためのシール部材206により固定されている。207は基板であり、撮像装置100の動作を制御する制御回路を構成する電気素子が搭載されており、固体撮像素子203の接続端子208が接続する。209は保持板であり、固体撮像素子203が固定される。
【0015】
フォーカルプレーンシャッター102は、主に以下の構成要素により構成される。211は先幕であり、複数のシャッター羽根211a、211b、211c、211dにより構成される。212は後幕であり、複数のシャッター羽根により構成される。213は中間板であり、先幕211及び後幕212の駆動スペースを分割する。214は後幕212の押え板であり、撮像のためにその略中央部に開口が形成されている。215は先幕211の押え板として機能するカバー板であり、撮像のためにその略中央部に開口が形成されている。
【0016】
11は異物除去機構に含まれる異物除去部材(清掃部材)であり、撮像部101とフォーカルプレーンシャッター102との間を図1の上下方向(以下、走査方向と称する)に移動する。異物除去部材11をLPF201の表面に接触させながら走査方向に移動させることにより、LPF201の表面に付着した塵埃等の異物を除去する。216は異物捕獲部であり、異物除去部材11が移動する範囲の図1の下側に設けられている。異物捕獲部216のLPF201との対向面216aには粘着部が設けられており、異物除去部材11によりLPF201の表面から払い落とされた異物を捕獲するようになっている。
【0017】
図2は、異物除去機構1及びLPF201の前方斜視図である。図1で説明した構成要素には同じ符号を付し、その説明は省略する。異物除去機構1は、異物除去部材11、ガイド軸12、リードスクリュー13、ベース14、押さえ板19を含んで構成される。なお、図2において、20はマスク部材であり、LPF201の図2の左右両端を押さえて保持部材202に固定する。
【0018】
12はガイド軸、13はリードスクリューであり、これらガイド軸12及びリードスクリュー13は、LPF201の一方の側辺側において互いに平行に配置、固定される。14は異物除去部材11が取り付けられるベースであり、ガイド軸12が挿通する穴とリードスクリュー13に合わせたネジ穴とが設けられている。不図示のモータによってリードスクリュー13が回転することにより、ベース14がガイド軸12に沿って図2の上下方向(走査方向)に移動する。
【0019】
異物除去部材11は、1枚の金属板を加工することにより取り付け部15、支持部16、押圧部17が形成された基材を備える。取り付け部15は、支持部16の一端に形成され、ベース14に取り付けられる部位である。支持部16は、LPF201に平行に延伸する部位である。押圧部17は、支持部16の長辺のうち上側からLPF201に向かって斜設された部位であり、弾性を有する。
【0020】
また、異物除去部材11は、押圧部17に接着等により固定された繊維18を備え、繊維18が押圧部17の弾性によってLPF201の表面に接触する。
【0021】
19は押さえ板であり、LPF201の他方の側辺側において保持部材202に固定され、異物除去部材11の支持部16とLPF201との距離を規制する。
【0022】
ここで、図3を参照して、異物除去部材11の形状、構成について更に詳細に説明する。異物除去部材11は、撮像部101とフォーカルプレーンシャッター102との間を走行するため、薄いものであることが求められる。そこで、繊維18は、長さ0.2mm程度に裁断し、篩い分けしている。基材から繊維18の先端までの高さは裁断及び篩い分けの精度や繊維18を固定するための接着剤による固定具合等から±0.1mm程度のばらつきが生じる。よって、全ての繊維18がLPF201の表面に接触するためには、基材がLPF201に圧力をかけた状態である必要がある。
【0023】
異物除去部材11がLPF201の表面に均一に圧力をかける構成について説明する。図3(a)は異物除去機構1の要部斜視図、図3(b)は図3(a)の矢印B方向から見た図である。なお、簡略化のため説明に不要な押さえ板19は省略している。異物除去部材11がLPF201の表面に圧力をかけるために、LPF201に平行な支持部16に斜設された押圧部17は、その先端部がLPF201に押し付けられる。押圧部17の先端部は、押圧によって所定量変形して、繊維18がLPF201の表面に対して全面で当たる状態、すなわち押圧部17がLPF201と略平行になった状態で保持される。この状態で、異物除去部材11が移動する。
【0024】
以下、図4、図5を参照して、本実施形態における異物除去部材11の動作について説明する。図4、図5は、異物除去部材11を移動させてLPF201の表面に付着した異物を除去する過程を時系列的に示す模式図であり、2つの走査モードを比較する図である。
【0025】
図4は、通常の走査モードであり、異物除去部材11を一方向にのみ一定速度で移動させる。LPF201の表面に付着した異物の付着強度が弱い場合や、清掃するための時間が短い場合に有効な走査モードである。また、異物除去部材11を固体撮像素子203に対応する範囲外へと素早く移動させる場合にも有効である。
【0026】
一方、図5は、本発明を適用した走査モードであり、異物除去部材11を走査方向に移動させるに際して、該走査方向と別の方向への移動を組み合わせる。LPF201の表面に強固に付着した異物を除去するのに有効な走査モードである。本実施形態では、走査方向に対する前後方向への微小移動を繰り返しながら異物除去部材11を移動させるようにしている。
【0027】
まず、図4に示す通常の走査モードについて説明する。図4(a)〜(c)に示すように、押圧部17に接着固定された繊維18は、毛先が走査方向(図中矢印S)と逆向きになり、走査方向への一方向の移動では、この状態が維持される。すなわち、図4(b)に示すように、LPF201の表面に異物20が付着している位置でも、繊維18の毛先が異物20と逆向きとなっている。そのため、異物20が強固に付着している場合には、繊維18が異物20を簡単に乗り越えてしまい、異物20を除去することができない。
【0028】
このように通常の走査モードでは、異物除去能力が低く、水分や油等を含んだ頑固な汚れ等に対しては、十分な異物除去能力を発揮することができない。また、走査方向への一回の移動だけでは、異物を完全に除去することも困難である。
【0029】
次に、図5に示す走査モードについて説明する。図5(a)、(b)は、図4と同様に、走査方向(図中矢印S)への一方向に移動している状態であり、押圧部17に接着固定された繊維18は、毛先が走査方向と逆向きになっている。
【0030】
図5(c)は、走査方向と逆方向(図中矢印S´)へと移動を切り替えた状態である。この移動の切り替えは、不図示のコントローラ(制御手段)がモータを逆転させて、リードスクリュー13の回転を逆転させることで可能になる。このとき、繊維18の毛先を完全に反転させて走査方向に向けるように異物除去部材11の移動量を最適化することが望ましい。
【0031】
図5(d)は、異物除去部材11の移動方向を再び本来の走査方向に戻した状態である。図5(b)との状態との差は、繊維18の毛先が一時的に走査方向に向いていることである。この状態で、異物除去部材11を走査方向に移動させることにより、繊維18の毛先が異物20とLPF201の表面と間に入り込み、異物20を分離して除去することが可能になる。
【0032】
図5(e)、(f)は、分離された異物20を移動させる状態であり、異物除去部材11を走査方向に移動させることにより、繊維18の毛先が再び走査方向と逆向きになっている。図5(d)の状態で異物20がLPF201の表面から分離されるので、その後に繊維18の毛先が走査方向と逆向きになっても、弱い力で異物20を移動させることができる。
【0033】
以上のように、走査方向に対する前後方向への微小移動を繰り返しながら異物除去部材11を移動させるという簡単な動作を加えることにより、効果的に異物を除去することが可能になる。
【0034】
また、LPF201の表面の一部領域、例えば事前に検出した強固に付着した異物20の付着位置でのみ走査方向に対する前後方向への微小移動を繰り返すようにしてもよく、これにより短時間で確実に異物を除去することが可能になる。
【0035】
また、異物除去部材11の移動方向を走査方向に対する前後に切り替えるだけなので、コントローラでの制御に変更を加えるだけで済み、機構上の変更は不要である。
【0036】
以上述べたように、機構上の変更を加えることなく、LPF201の表面に強固に付着した異物を除去することが可能になる。また、異物除去機構1はフォーカルプレーンシャッター102と独立しているので、従来技術のようにシャッター速度を落とすことはない。更に、薄い金属板により形成される押圧部17の弾性を利用してLPF201の表面に圧力をかけるので、LPF201とフォーカルプレーンシャッター102との間の狭い隙間を走行し、異物除去を行うことができ、カメラが大型化することもない。
【0037】
(第2の実施形態)
次に、図6〜図9を参照して、本発明の第2の実施形態を説明する。なお、カメラの基本的な構成等は上記第1の実施形態で説明したものと同様であり、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。第2の実施形態は、異物除去部材を走査方向に移動させるに際して、上記第1の実施形態で説明した走査方向と逆方向への移動に加えて、走査方向と直交する方向への移動を更に組み合わせた例である。これにより、LPF201の表面に付着した異物に対して、任意の方向から異物除去動作が可能になり、強固に付着した異物でも容易に除去することができる。
【0038】
図6は、異物除去機構及びLPF201を示す平面図である。図7は、リードスクリュー32の中心軸に対して垂直に切った断面図(図6のVII−VII線断面図)、図8は、リードスクリュー32の中心軸を含む面で切った側方断面図(図6のVIII−VIII線断面図)である。
【0039】
31はガイド軸、32はリードスクリューであり、これらガイド軸31及びリードスクリュー32は、LPF201の一方の側辺側において互いに平行に配置、固定される。33はリードスクリュー32を回転させるための駆動ユニットであり、モータ及び減速系を含む。34はガイド軸31、リードスクリュー32、駆動ユニット33を保持する保持部材であり、カメラ本体に固定される。
【0040】
35は異物除去部材40が取り付けられるベースであり、ガイド軸31が挿通する穴とリードスクリュー32に合わせたネジ穴とが設けられている。駆動ユニット33によってリードスクリュー32が回転することにより、ベース35がガイド軸31に沿って図6の上下方向(走査方向)に移動する。
【0041】
36はコイルであり、ベース35に一体的に取り付けられている(図7、8を参照)。37は断面略コの字状の保持枠であり、ベース35及びコイル36を保持し、これら、ベース35、コイル36、異物除去部材40の支持部41の上下方向への移動を規制する。
【0042】
異物除去部材40は、1枚の金属板を加工することにより支持部41、押圧部42が形成された基材を備える。支持部41は、LPF201に平行に延伸する部位である。押圧部42は、支持部41の長辺のうち上側からLPF201に向かって斜設された部位であり、弾性を有する。44は永久磁石であり、支持部41の端部でコイル36に対向する位置に保持固定されている。支持部41は、保持枠37によって走査方向と直交する方向(図6の矢印X)にのみ移動が許容されており、永久磁石44及びコイル36の電磁作用によって異物除去部材40が走査方向と直交する方向に移動可能となっている。
【0043】
また、異物除去部材40は、押圧部42に接着等により固定された繊維43を備え、繊維43が押圧部42の弾性によってLPF201の表面に接触する。
【0044】
38は押さえ板であり、LPF201の他方の側辺側において保持部材202に固定され、異物除去部材40の支持部41とLPF201との距離を規制する。
【0045】
以下、図6〜図9を参照して、本実施形態における異物除去部材40の動作について説明する。図6〜図8に示すように、異物除去部材40は、リードスクリュー32の回転を逆転させることによってベース35を介して走査方向と逆方向に移動可能となっている。また、異物除去部材40は、永久磁石44及びコイル36の電磁作用によって走査方向と直交する方向に移動可能となっている。
【0046】
この動作を詳細に説明すると、駆動ユニット33の出力によってリードスクリュー32を回転させ、この回転がベース35を介して異物除去部材40の走査方向の移動に変換される。また、駆動ユニット33の回転を逆転させることによって、異物除去部材40の走査方向と逆方向への微小移動も可能である。
【0047】
また、この動作と独立して、第2の駆動手段である電磁作用により、異物除去部材40の走査方向と直交する方向への移動も可能である。これは、ベース35に一体的に取り付けられたコイル36と異物除去部材40の支持部41の最も駆動部に近い位置に一体的に取り付けられた永久磁石44の電磁作用を用いたものである。コイル36に不図示の電源を用いて電流を流すと、コイル36及び永久磁石44の電磁作用と、保持枠37による方向の規制によって、異物除去部材40は、図6の左右方向(図中矢印X)に移動する。このときの最大移動量は、押さえ板38及び保持枠37によって規制され、異物除去に必要とされる移動量以上に動くのを防ぐようにしている。
【0048】
このように走査方向と逆方向、及び、走査方向と直行する方向にそれぞれ独立して異物除去部材40を移動させることができるので、多種多様な動作が可能になる。図9(a)〜(d)は、多種多様な動作の一例を示したものである。走査方向が図9の下方向(図中矢印S)であるとする。
【0049】
図9(a)は、異物除去部材40の走査方向への移動と、走査方向と直交する方向への移動とを一定時間毎に切り替えた例である。このように移動させることにより、繊維43の毛先の向きを順次変化させながら、全体として隙間なく走査させることができる。
【0050】
図9(b)は、異物除去部材40の走査方向への移動と、走査方向と直交する方向への移動とを同時に一定の速度で実行し、かつ、走査方向と直交する方向への移動方向を一定時間毎に切り替えるようにした例である。このように移動させることにより、繊維43の毛先の向きを順次変化させながら、全体として隙間なく走査させることができる。
【0051】
図9(c)は、異物除去部材40の走査方向の移動と、走査方向と直交する方向への移動とを同時に速度を変化させて実行し、かつ、走査方向と直交する方向への移動方向を一定時間毎に切り替えるようにした例である。このように移動させることにより、繊維43の毛先の向きを順次変化させながら、全体として隙間なく走査させることができる。
【0052】
図9(d)は、異物除去部材40の走査方向に対する前後方向の移動と、走査方向と直交する方向への移動とを同時に速度を変化させて実行し、かつ、走査方向と直交する方向への移動方向を一定時間毎に切り替えるようにした例である。このように移動させることにより、全体として螺旋状の軌跡を描くように動作させることができ、繊維43の毛先の向きを順次変化させながら、全体として隙間なく走査させることができる。
【0053】
以上述べたように、LPF201の表面に強固に付着した異物を除去することが可能になる。また、異物除去機構はフォーカルプレーンシャッター102と独立しているので、従来技術のようにシャッター速度を落とすことはない。更に、薄い金属板により形成される押圧部42の弾性を利用してLPF201の表面に圧力をかけるので、LPF201とフォーカルプレーンシャッター102との間の狭い隙間を走行し、異物除去を行うことができ、カメラが大型化することもない。
【0054】
なお、本実施形態では、異物除去部材40を走査方向と直交する方向に移動させる手段としてコイル36及び永久磁石44による電磁作用を利用したが、それに限定されるものではない。例えば圧電素子を用いて逐次微小移動させるように構成しても良い。また、リニア駆動や超音波モータを駆動源として用いても良い。更に、走査方向への移動と同様に、モータを駆動源として用いても良い。
【0055】
(第3の実施形態)
次に、図10〜図12を参照して、本発明の第3の実施形態を説明する。なお、カメラの基本的な構成等は上記第1の実施形態で説明したものと同様であり、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。第3の実施形態は、異物除去部材を走査方向に移動させるに際して、LPF201の表面との距離を変える方向への移動、換言すればLPF201の表面の略垂直方向への移動を組み合わせた例である。これにより、LPF201の表面に付着した異物を箒で掃くような動作が可能になり、強固に付着した異物でも容易に除去することができる。
【0056】
図10は、異物除去機構及びLPF201を示す平面図である。図11は、リードスクリュー53の中心軸に対して垂直に切った断面図(図10のXI−XI線断面図)、図12は、リードスクリュー53の中心軸を含む面で切った側方断面図(図10のXII−XII)である。
【0057】
51はガイド軸、53はリードスクリューであり、これらガイド軸51及びリードスクリュー53は、LPF201の一方の側辺側において互いに平行に配置、固定される。55はリードスクリュー53を回転させるための駆動ユニットであり、モータ及び減速系を含む。57はガイド軸51、リードスクリュー53、駆動ユニット55を保持する保持部材であり、カメラ本体に固定される。同様に、52はガイド軸、54はリードスクリューであり、これらガイド軸52及びリードスクリュー54は、LPF201の他方の側辺側において互いに平行に配置、固定される。56はリードスクリュー54を回転させるための駆動ユニットであり、モータ及び減速系を含む。58はガイド軸52、リードスクリュー54、駆動ユニット56を保持する保持部材であり、カメラ本体に固定される。
【0058】
59は異物除去部材70が取り付けられるベースであり、ガイド軸51が挿通する穴とリードスクリュー53に合わせたネジ穴とが設けられている。駆動ユニット55によってリードスクリュー53が回転することにより、ベース59がガイド軸51に沿って図10の上下方向(走査方向)に移動する。同様に、60は異物除去部材70が取り付けられるベースであり、ガイド軸52が挿通する穴とリードスクリュー54に合わせたネジ穴とが設けられている。駆動ユニット56によってリードスクリュー54が回転することにより、ベース60がガイド軸52に沿って図10の上下方向(走査方向)に移動する。
【0059】
61はコイルであり、ベース59に一体的に取り付けられている(図11を参照)。同様に、62はコイルであり、ベース60に一体的に取り付けられている(図11を参照)。
【0060】
異物除去部材70は、1枚の金属板を加工することにより支持部71、押圧部72が形成された基材を備える。支持部71は、LPF201に平行に延伸する部位である。押圧部72は、支持部71の長辺のうち上側からLPF201に向かって斜設された部位であり、弾性を有する。74、75は永久磁石であり、支持部71の両端部でコイル61、62に対向する位置に保持固定されている。63、64はベース59、60に設けられたヒンジであり、支持部71が回動可能に構成されている。すなわち、永久磁石74、75及びコイル61、62の電磁作用によって異物除去部材70がLPF201の表面との距離を変える方向に移動可能となっている。
【0061】
また、異物除去部材70は、押圧部72に接着等により固定された繊維73を備え、繊維73が押圧部72の弾性によってLPF201の表面に接触する。
【0062】
以下、図10〜図12を参照して、本実施形態における異物除去部材70の動作について説明する。図10〜図12に示すように、異物除去部材70は、永久磁石74、75及びコイル61、62の電磁作用によってLPF201の表面との距離を微小に変化させる方向に移動可能となっている。
【0063】
この動作を詳細に説明すると、駆動ユニット55、56の出力によってリードスクリュー53、54を回転させ、この回転がベース59、60を介して異物除去部材70の走査方向の移動に変換させる。このように左右両側で同期させて異物除去部材70を動かすことによって、左右均一な清掃動作が可能になる。また、駆動ユニット55、56の回転を逆転させることによって、異物除去部材70の走査方向と逆方向への微小移動も可能である。
【0064】
また、この動作と独立して、第2の駆動手段である電磁作用により、異物除去部材70のLPF201の表面との距離を変える方向へも移動可能である。これは、ベース59、60に一体的に取り付けられたコイル61、62と異物除去部材70の支持部71の最も駆動部に近い位置に一体的に取り付けられた永久磁石74、75の電磁作用を用いたものである。コイル61、62に不図示の電源を用いて電流を流すと、コイル61、62及び永久磁石74、75が吸着し、繊維73がLPF201の表面が強く押し付けられる(図12(a)を参照)。一方、コイル61、62に流す電流を減少させると、電磁作用による吸着力に対して、繊維73がLPF201の表面に接触する反力が打ち勝つ。その結果、ベース59、60に設けたヒンジ63、64を中心に、繊維73がLPF201の表面から離間する方向に回動し、これと共に、繊維73の毛先がLPF201の表面に当接する状態が徐々に変化する(図12(b)を参照)。
【0065】
この微小動作を繰り返すことによって、LPF201の表面に付着した異物を跳ね除く動作が可能になり、効率良く異物を除去することができる。更に、このときの動作として、走査方向に対する前後方向の移動を効果的に組み合わせることによって、清掃後に除去された異物を効率良く運ぶこともできる。
【0066】
以上述べたように、LPF201の表面に強固に付着した異物を除去することが可能になる。また、異物除去機構はフォーカルプレーンシャッター102と独立しているので、従来技術のようにシャッター速度を落とすことはない。更に、薄い金属板により形成される押圧部72の弾性を利用してLPF201の表面に圧力をかけるので、LPF201とフォーカルプレーンシャッター102との間の狭い隙間を走行し、異物除去を行うことができ、カメラが大型化することもない。
【0067】
なお、本実施形態では、異物除去部材70をLPF201の表面との距離を変える方向に移動させる手段としてコイル61、62及び永久磁石74、75による電磁作用を利用したが、それに限定されるものではない。例えばカム構造を持たせて、一定周期でLPF201の表面との距離が変化するように構成しても良い。この場合、新たに別のアクチュエータを必要とせず、安価に構成することができる。
【0068】
なお、上記実施形態では、繊維18、43、73をLPF201の表面に接触させる例を説明したが、異物除去部材の移動に伴って光学部材の表面に対する接触方向が変わる部材であればよく、例えば植毛紙等を用いてもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、本発明でいう撮像素子の前方に配置された光学部材としてLPF201を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば他のフィルタや固体撮像素子203のカバーガラス205であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】第1の実施形態のデジタル一眼レフカメラの内部構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態の異物除去機構及びLPFの前方斜視図である。
【図3】第1の実施形態の異物除去機構を説明するための図であり、(a)は異物除去機構の要部斜視図、(b)は(a)の矢印B方向から見た図である。
【図4】通常の走査モードでの異物除去部材の動作について説明するための図である。
【図5】第1の実施形態の異物除去部材の動作について説明するための図である。
【図6】第2の実施形態の異物除去機構及びLPFを示す平面図である。
【図7】第2の実施形態の異物除去機構及びLPFの断面図である。
【図8】第2の実施形態の異物除去機構及びLPFの断面図である。
【図9】第2の実施形態の異物除去部材の動作について説明するための図である。
【図10】第3の実施形態の異物除去機構及びLPFを示す平面図である。
【図11】第3の実施形態の異物除去機構及びLPFの断面図である。
【図12】第3の実施形態の異物除去機構及びLPFの断面図である。
【符号の説明】
【0071】
11、40、70 異物除去部材
12、31、51、52 ガイド軸
13、32、53、54 リードスクリュー
14、35、59、60 ベース
16、41、71 支持部
17、42、72 押圧部
18、43、73 繊維
19、38 押さえ板
201 LPF(光学ローパスフィルタ)
203 固体撮像素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を光電変換する撮像素子と、
前記撮像素子の前方に配置された光学部材と、
異物除去部材を前記光学部材の表面に接触させながら走査方向に移動させることにより、前記光学部材の表面に付着した異物を除去する異物除去機構とを備え、
前記異物除去部材を前記走査方向に移動させるに際して、該走査方向と別の方向への移動を組み合わせる構成にしたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記異物除去部材を前記走査方向に移動させるに際して、該走査方向と逆方向への移動を組み合わせることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記異物除去部材を前記走査方向に移動させるに際して、該走査方向と直交する方向への移動を組み合わせることを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記異物除去部材を前記走査方向に移動させるに際して、前記光学部材の表面との距離を変える方向への移動を組み合わせることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記異物除去部材を前記走査方向に移動させるに際して、前記光学部材の表面の一部領域において、該走査方向と別の方向への移動を組み合わせることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記異物除去部材は、前記異物除去部材の移動に伴って前記光学部材の表面に対する接触方向が変わる部材を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
被写体像を光電変換する撮像素子と、
前記撮像素子の前方に配置された光学部材と、
異物除去部材を前記光学部材の表面に接触させながら走査方向に移動させることにより、前記光学部材の表面に付着した異物を除去する異物除去機構とを備えた撮像装置における異物除去方法であって、
前記異物除去部材を前記走査方向に移動させるに際して、該走査方向と別の方向への移動を組み合わせることを特徴とする撮像装置における異物除去方法。
【請求項1】
被写体像を光電変換する撮像素子と、
前記撮像素子の前方に配置された光学部材と、
異物除去部材を前記光学部材の表面に接触させながら走査方向に移動させることにより、前記光学部材の表面に付着した異物を除去する異物除去機構とを備え、
前記異物除去部材を前記走査方向に移動させるに際して、該走査方向と別の方向への移動を組み合わせる構成にしたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記異物除去部材を前記走査方向に移動させるに際して、該走査方向と逆方向への移動を組み合わせることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記異物除去部材を前記走査方向に移動させるに際して、該走査方向と直交する方向への移動を組み合わせることを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記異物除去部材を前記走査方向に移動させるに際して、前記光学部材の表面との距離を変える方向への移動を組み合わせることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記異物除去部材を前記走査方向に移動させるに際して、前記光学部材の表面の一部領域において、該走査方向と別の方向への移動を組み合わせることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記異物除去部材は、前記異物除去部材の移動に伴って前記光学部材の表面に対する接触方向が変わる部材を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
被写体像を光電変換する撮像素子と、
前記撮像素子の前方に配置された光学部材と、
異物除去部材を前記光学部材の表面に接触させながら走査方向に移動させることにより、前記光学部材の表面に付着した異物を除去する異物除去機構とを備えた撮像装置における異物除去方法であって、
前記異物除去部材を前記走査方向に移動させるに際して、該走査方向と別の方向への移動を組み合わせることを特徴とする撮像装置における異物除去方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−194750(P2009−194750A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−35091(P2008−35091)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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