説明

撮像装置用清掃装置、撮像装置の清掃方法、並びに撮像装置

【課題】撮像装置の大型化、および部品、製造コストアップを招くことなく、より効果的に光学透過部材の表面に付着した塵埃を除去する。
【解決手段】清掃装置2は、筐体28、および移動機構29を備える。筐体28は、振動発生部31、および振動発生部31の駆動により振動する振動板32を有する。移動機構29は、本体2a内に収納する収納位置と、CCD20の被写体側に配された光学ローパスフィルタ27の表面に近接する繰り出し位置との間で筐体28を移動させる。筐体28が繰り出し位置に移動されると、OLPF27の表面のCCD20の撮像範囲20a外に、振動板32が接触する。振動板32の振動は、OLPF27に伝達され、OLPF27の表面に付着した塵埃が振るい落とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ交換式の撮像装置に設けられた光学透過部材の表面を清掃するための清掃装置、清掃方法、並びに清掃装置が装着される撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置として、CCDなどの固体撮像素子で被写体像を撮像し、これにより得られた撮像信号をデジタルの画像データに変換して、画像データをメモリカードなどに記録するデジタルカメラが普及している。このようなデジタルカメラには、被写体像を固体撮像素子の撮像面に結像する対物光学系を有するレンズユニットとカメラ本体とが、マウントを介して着脱自在とされた、いわゆるレンズ交換式カメラがある。
【0003】
レンズ交換式カメラは、その構造上、レンズユニットを交換する際などに、外部から侵入した塵埃が、固体撮像素子の被写体側に配された光学透過部材(光学ローパスフィルタ、赤外線カットフィルタ、カバーガラスなど)の表面に付着する。塵埃が付着すると、画像に塵埃が写り込んで画質を著しく劣化させてしまう。
【0004】
この問題を解決するために、光学透過部材の表面に付着した塵埃を除去するための技術が種々提案されている(特許文献1〜4)。特許文献1に記載の撮像装置は、鏡筒が固着された固定台に、板バネを介してCCDの受け台を支持し、ピエゾ素子を用いて受け台を振動させることで、塵埃を振るい落としている。特許文献2は、CCDの上辺、下辺にそれぞれ給排ダクトを対向して配置し、ブロアなどでエアーを送って光学透過部材の表面に吹き付け、塵埃を吹き飛ばす電子カメラについて開示している。
【0005】
特許文献3、4には、レンズ交換式カメラのマウントに装着して使用する清掃装置が記載されている。塵埃を除去する態様として、光学透過部材の表面に送風または吸引する、ワイパー(軟質の清掃部材)を摺動させる、粘着部を接触させるなどの例が挙げられている。
【特許文献1】特開平8−079633号公報
【特許文献2】特開2003−319218号公報
【特許文献3】特開2004−326095号公報
【特許文献4】特開2005−181375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、2に記載の技術では、塵埃を除去する機構を撮像装置に設けているため、撮像装置の大型化、および部品、製造コストアップを招くという問題があった。また、塵埃の除去はさほど頻繁に行うものではないので、塵埃を除去する機構を撮像装置に設けることは、塵埃を除去する効果よりも上記のような弊害のほうが大きく、得策ではない。
【0007】
一方、特許文献3、4に記載の技術は、撮像装置とは別に清掃装置を設けているので、特許文献1、2に記載の技術のような弊害は解消されるが、光学透過部材の表面に送風または吸引するのみでは塵埃を除去する効果が薄い。また、ワイパー(軟質の清掃部材)を摺動させる、あるいは粘着部を接触させる場合は、金属粉などの硬質な塵埃によって光学透過部材の表面が傷付けられるおそれがある。
【0008】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、撮像装置の大型化、および部品、製造コストアップを招くことなく、より効果的に光学透過部材の表面に付着した塵埃を除去することができる撮像装置用清掃装置、撮像装置の清掃方法を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、故障を防止することができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、撮像装置用清掃装置であって、被写体像を撮像する固体撮像素子を備える撮像装置に装着される本体と、振動体、および前記振動体を振動させる振動発生手段を有する筐体と、前記本体内に収納される収納位置と、固体撮像素子の被写体側に配された光学透過部材の表面に近接する繰り出し位置との間で前記筐体を移動させる移動機構とを備え、光学透過部材の表面に付着した塵埃を、前記振動体の振動により振るい落とすことを特徴とする。
【0011】
前記振動体は、光学透過部材の表面に接触して光学透過部材に振動を与えることが好ましい。この場合、前記振動体が光学透過部材の表面に接触する位置は、光学透過部材の表面の固体撮像素子の撮像範囲外であることが好ましい。
【0012】
光学透過部材の表面に接触して、光学透過部材の表面に対向する前記筐体の面とともに光学透過部材の表面の周辺の第一空間を囲繞する第一囲繞部材を備えることが好ましい。この場合、前記第一囲繞部材が光学透過部材の表面に接触する位置は、光学透過部材の表面の固体撮像素子の撮像範囲外であることが好ましい。
【0013】
前記第一囲繞部材は、前記振動体であることが好ましい。あるいは、前記第一囲繞部材は、光学透過部材の表面に対向する前記筐体の面の周縁全体から延設された脚部であることが好ましい。
【0014】
清浄な空気と第一空間内の空気を置換して塵埃を除去する第一置換手段を備えることが好ましい。この場合、前記第一置換手段は、空気が通過する第一通路と、前記第一通路に設けられた第一ファンと、前記第一ファンの吸気側に配され、塵埃を捕捉する第一フィルタとからなることが好ましい。
【0015】
空気をイオン化するイオナイザと、前記イオナイザでイオン化した空気と第一空間内の空気を置換して塵埃を除去する第二置換手段とを備えることが好ましい。この場合、前記第二置換手段は、空気が通過する第二通路と、前記第二通路に設けられた第二ファンと、前記第二ファンの吸気側に配され、塵埃を捕捉する第二フィルタとからなることが好ましい。
【0016】
第一空間内に洗浄液を注液する注液手段と、洗浄液を回収する液回収手段とを備え、前記振動発生手段は、超音波の周波数帯域で前記振動体を振動させ、前記振動体の振動により洗浄液に超音波振動を与えて超音波洗浄を行うことが好ましい。
【0017】
清浄な空気と第一空間内の空気を置換して、前記液回収手段で洗浄液を回収した後に第一空間内に残存した洗浄液を除去する第三置換手段を備えることが好ましい。この場合、前記第三置換手段は、空気が通過する第三通路と、前記第三通路に設けられた第三ファンと、前記第三ファンの吸気側に配され、塵埃を捕捉する第三フィルタとを有することが好ましい。また、洗浄液が通過する流路と前記第三通路とは、共通化されていることが好ましい。
【0018】
前記第一囲繞部材に光学透過部材の表面を吸着させる吸着手段を備えることが好ましい。この場合、前記吸着手段による前記第一囲繞部材と光学透過部材の表面との吸着状態を検知する吸着状態検知手段を備え、前記吸着状態検知手段の検知結果に応じて、超音波洗浄の実施可否を決定することが好ましい。また、前記吸着状態検知手段は、吸着部分の圧力を計測する圧力計であることが好ましい。
【0019】
光学透過部材の表面に接触して、前記筐体の周辺の第二空間を囲繞する第二囲繞部材を備え、前記吸着手段は、空気が通過する第四通路と、前記第四通路に設けられ、第二空間内の空気を吸引する第四ファンとからなることが好ましい。
【0020】
前記本体の姿勢を検知する姿勢検知手段を備え、前記姿勢検知手段の検知結果に応じて、前記振動体による塵埃の振るい落としの実施可否を決定することが好ましい。
【0021】
前記撮像装置に設けられたレンズ交換用のボディマウントに装着されるマウントを備えることが好ましい。
【0022】
請求項22に記載の発明は、撮像装置の清掃方法であって、被写体像を撮像する固体撮像素子を備える撮像装置に清掃装置本体を装着後、本体内に収納される収納位置から、固体撮像素子の被写体側に配された光学透過部材の表面に近接する繰り出し位置に筐体を移動させる繰り出し工程と、筐体に設けられた振動発生手段で振動体を振動させて、光学透過部材の表面に付着した塵埃を振るい落とす振るい落とし工程と、繰り出し位置から収納位置に筐体を移動させる収納工程とを備えることを特徴とする。
【0023】
前記振るい落とし工程では、光学透過部材の表面に前記振動体を接触させて光学透過部材に振動を与えることが好ましい。
【0024】
清浄な空気と囲繞部材で囲繞された光学透過部材の表面の周辺の空間内の空気を置換して塵埃を除去する第一置換工程を備えることが好ましい。
【0025】
イオナイザでイオン化した空気と囲繞部材で囲繞された光学透過部材の表面の周辺の空間内の空気を置換して塵埃を除去する第二置換工程を備えることが好ましい。
【0026】
囲繞部材で囲繞された光学透過部材の表面の周辺の空間内に洗浄液を注液する注液工程と、洗浄液を回収する液回収工程とを備え、前記振るい落とし工程では、振動発生手段により超音波の周波数帯域で振動体を振動させ、洗浄液に超音波振動を与えて超音波洗浄を行うことが好ましい。この場合、清浄な空気と第一空間内の空気を置換して、前記液回収工程で洗浄液を回収した後に空間内に残存した洗浄液を除去する第三置換工程を備えることが好ましい。
【0027】
囲繞部材に光学透過部材の表面を吸着させる吸着工程を備えることが好ましい。この場合、囲繞部材と光学透過部材の表面との吸着状態を検知し、その検知結果に応じて、前記振るい落とし工程の実施可否を決定する吸着状態検知工程を備えることが好ましい。
【0028】
本体の姿勢を検知し、その検知結果に応じて、前記振るい落とし工程の実施可否を決定する姿勢検知工程を備えることが好ましい。
【0029】
請求項31に記載の発明は、被写体像を撮像する固体撮像素子、および前記固体撮像素子の被写体側に配された光学透過部材を備え、請求項1ないし21のいずれかに記載の撮像装置用清掃装置が装着される撮像装置であって、前記光学透過部材を保持する衝撃吸収材を備えることを特徴とする。
【0030】
前記光学透過部材は、被写体像のモアレを除去するための光学ローパスフィルタであることが好ましい。
【発明の効果】
【0031】
本発明の撮像装置用清掃装置、撮像装置の清掃方法によれば、撮像装置とは別に清掃装置を設け、振動により光学透過部材の表面に付着した塵埃を除去するので、撮像装置の大型化、および部品、製造コストアップを招くことなく、より効果的に光学透過部材の表面に付着した塵埃を除去することができる。
【0032】
また、本発明の撮像装置によれば、光学透過部材を衝撃吸収材で保持するので、振動による故障を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図1において、清掃装置2は、レンズ交換式カメラであるデジタルカメラ10に着脱自在に取り付けられ、光学ローパスフィルタ(以下、OLPFと略す、図2参照)27の表面に付着した塵埃を効果的に除去するものである。
【0034】
清掃装置2の後部には、マウント11が設けられており、マウント11には、バヨネット爪12が形成されている。このバヨネット爪12をデジタルカメラ10の前面に設けられたボディマウント13の嵌合部14に嵌合させることで、清掃装置2が精度よく位置決めされてデジタルカメラ10に装着される。
【0035】
図2において、デジタルカメラ10の内部には、CCD20を有するセンサモジュール21が組み込まれている。センサモジュール21は、保持板22によってデジタルカメラ10のシャーシ23に固定されている。
【0036】
CCD20は、ボディマウント13を介して装着されるレンズユニット(図示せず)の対物光学系の光軸とその中心が一致するように、精度よく位置決めされて保持板22上に配されている。CCD20は、対物光学系を透過した被写体像を撮像し、撮像信号を出力する。
【0037】
CCD20の被写体側は、スペーサ24を介して取り付けられたカバーガラス25で覆われている。CCD20は、スペーサ24とカバーガラス25とで囲む空間内に密閉され、水分や塵埃から保護されている。カバーガラス25の上部には、スペーサ26を介して、被写体像のモアレを除去するためのOLPF27が配されている。
【0038】
清掃装置2の本体2aには、筐体28、移動機構29、および姿勢検知センサ30などが設けられている。筐体28は、内部に圧電素子などを振動源とする振動発生部31を有し、OLPF27の表面と対向する後端面の周縁全体には、硬質の弾性ゴムからなる振動板32が取り付けられている。振動発生部31は、予め設定された所定の振幅および周波数の振動を、所定時間発生させる。振動板32は、振動発生部31の駆動により振動する。
【0039】
移動機構29は、実線で示す収納位置と、点線で示す繰り出し位置との間で、筐体28を本体2aに移動自在に保持する。筐体28が繰り出し位置にあるときには、OLPF27の表面のCCD20の撮像範囲20a(一点鎖線で示す)外に、振動板32が接触する。なお、移動機構29としては、ラックギヤとピニオンギヤ、スライドレールと溝などを本体2aと筐体28に設け、モータ、あるいはバネ付勢を利用して駆動するなど、周知の技術を用いることができる。
【0040】
姿勢検知センサ30は、例えば、三軸加速度センサなどからなり、本体2aの姿勢を検知する。姿勢検知センサ30は、検知した信号をCPU40(図3参照)に出力する。以下の説明では、本体2aが上、デジタルカメラ10が下にあるときを「姿勢上向き」、その逆を「姿勢下向き」と表現する。なお、図2で描かれたセンサモジュール20、および筐体28は断面であるが、煩雑を避けるためハッチングを省略している(以下の図5〜7、図9〜13も同様)。
【0041】
清掃装置2の電気的構成を示す図3において、CPU40は、清掃装置2の全体の動作を統括的に制御する。CPU40には、前述の移動機構29などの他に、操作部41、通信I/F42、電力供給部43、および警報器44が接続されている。
【0042】
操作部41は、清掃装置2の電源をオン/オフするための電源スイッチや、清掃開始を指示するための操作スイッチなどで構成されている。CPU40は、操作部41からの操作入力信号を受けて、これに応じた動作を各部に実行させる。
【0043】
通信I/F42は、両マウント11、13に設けられた電気接点(図示せず)によるデジタルカメラ10との信号の遣り取りを媒介する。電力供給部43は、例えば、乾電池や蓄電池を電力供給源とし、CPU40の制御の下に、各部に電力を供給する。
【0044】
警報器44は、姿勢検知センサ30で姿勢下向きと検知されなかった場合に警報を発する。警報器44としては、例えば、ビープ音などの音声を発するスピーカー、あるいは、LED、パトランプなどの発光素子を用いることができる。
【0045】
次に、上記構成を有する清掃装置2で清掃を行う際の処理手順について、図4のフローチャートを参照して説明する。まず、両マウント11、13を介して、清掃装置2をデジタルカメラ10に装着し、これらの電源を投入する。そして、操作部41を操作して、清掃開始を指示する。
【0046】
清掃開始が指示されると、通信I/F42などを介して、その旨を示す信号が清掃装置2からデジタルカメラ10に送信される。デジタルカメラ10では、清掃装置2からの信号を受けて、ミラー(図示せず)が退避され、シャッタ(図示せず)が開放されて、OLPF27と筐体28とが対面し、OLPF27が清掃可能な状態とされる。そして、清掃の準備が整ったことを示す信号がデジタルカメラ10から清掃装置2に送信される。
【0047】
清掃装置2では、デジタルカメラ10からの信号を受けて、姿勢検知センサ30で本体2aの姿勢が検知され、その検知結果がCPU40に出力される(S10)。そして、姿勢検知センサ30の検知結果が姿勢下向きであるか否かがCPU40で判断される(S11)。
【0048】
検知結果が姿勢下向きでなかった場合は、警報器44が作動され、警報が発せられる(S12)。そして、再度姿勢検知が行われる。警報器44が作動して所定時間経過後も姿勢下向きとならなかった場合は、清掃装置2の電源が自動的にオフされ、清掃動作が中止される。検知結果が姿勢下向きであった場合は、CPU40の制御の下に、移動機構29が駆動され、筐体28が収納位置から繰り出し位置に移動される(S13)。なお、図示はしていないが、姿勢検知センサ30による本体2aの姿勢検知は、筐体28の繰り出し後も続けられる。そして、姿勢下向きでないことを検知した場合は、上記同様に警報が発せられ、清掃動作が中止される。
【0049】
筐体28が繰り出し位置に移動されると、OLPF27の表面のCCD20の撮像範囲20a外に、振動板32が接触する。筐体28の後端面の周縁全体に振動板32が取り付けられているので、OLPF27の表面、筐体28の後端面、および振動板32で囲まれる空間33(図2参照)は、密閉状態となる。
【0050】
筐体28が繰り出し位置に移動された後、CPU40により振動発生部31が駆動され、振動板32が振動される(S14)。振動板32の振動は、振動板32に接触しているOLPF27に伝達され、これによりOLPF27の表面に付着した塵埃が振るい落とされる。このとき、姿勢下向きとなっているので、OLPF27の表面の塵埃は筐体28に向けて落ちる。したがって、OLPF27の表面から一度振るい落とされた塵埃は、OLPF27の表面に再度付着することがない。
【0051】
所定時間経過後、CPU40により振動発生部31の駆動が停止される。次いで、移動機構29が駆動されて、筐体28が繰り出し位置から収納位置に戻される(S15)。そして、筐体28が収納位置に戻された旨を示す信号が清掃装置2からデジタルカメラ10に送信される。
【0052】
デジタルカメラ10では、清掃開始が指示されたときとは逆に、ミラーが元の位置に戻され、シャッタが閉じられる。これにより、清掃装置2によるOLPF27の表面の清掃が完了する。清掃が完了した後は、清掃装置2がデジタルカメラ10から取り外される。
【0053】
以上説明したように、デジタルカメラ10とは別に、振動による清掃機能をもった清掃装置2を設けるので、デジタルカメラ10の大型化、および部品、製造コストアップを招くことなく、OLPF27の表面に付着した塵埃を効果的に除去することができる。
【0054】
本体2aの姿勢を検知して清掃動作を行うので、OLPF27の表面への塵埃の再付着を防止することができる。また、CCD20に対して精度よく位置決めされたマウント11、13を介して、清掃装置2をデジタルカメラ10に装着するので、OLPF27と筐体28との位置関係を精度よく合わせることができ、OLPF27の表面と振動板32の接触位置がずれて、振動板32が撮像範囲20aに接触してしまうなどの不具合を防止することができる。
【0055】
上記実施形態では、振動板32の振動による塵埃の振るい落としのみで清掃動作を行っているが、図5に示す清掃装置50のように、送風によって塵埃を吹き飛ばす構成を加えてもよい。
【0056】
図5において、清掃装置50は、振動発生部31、および振動板32に加えて、内部にファン51およびフィルタ52が設けられた筐体53を有する。ファン51は、筐体53の内部に穿たれた一本の給気路54、および二本の吸気路55に接続されている。フィルタ52は、二本の吸気路55が連結してファン51に接続される手前に配置されている。給気路54の出口56、および吸気路55の入口57は、筐体53の後端面に設けられている。入口57は、出口56に関して対称な位置に設けられている。
【0057】
矢印で示すように、ファン51による送風は、給気路54を伝って出口56からOLPF27の表面に吹き付けられる。OLPF27の表面に吹き付けられた風は、OLPF27の表面に付着した塵埃を吹き飛ばしながら、ファン51の吸気によって入口57から吸気路55に導かれる。吸気路55に導かれた風は、フィルタ52によって塵埃が除去され、再びファン51によって送風される。つまり、OLPF27の表面、筐体28の後端面、および振動板32で囲まれる空間33の空気が、ファン51によって給気路54、吸気路55を循環し、その間にフィルタ52によって塵埃が除去される。フィルタ52によって確実に塵埃が除去されるので、OLPF27の表面から一度振るい落とされた、もしくは吹き飛ばされた塵埃が、OLPF27の表面に再付着することはない。また、空間33内で空気を循環させるので、外側から塵埃が回り込むおそれもない。このように、振動板32の振動による塵埃の振るい落としと併せて、送風による塵埃の除去を行えば、塵埃除去の効果を一層高めることができる。
【0058】
また、図5に示す例に加えて、図6に示す清掃装置60のように、給気路54にイオナイザ61を設けた筐体62を用いてもよい。イオナイザ61としては、例えば、高周波コロナ放電でイオンを生成する方式のものが用いられる。この場合、ファン51による送風は、イオナイザ61でイオン化されてOLPF27の表面に吹き付けられる。このイオン化された風によって、OLPF27の表面に付着した塵埃が除電される。
【0059】
OLPF27の材料には絶縁体が使用されるので、帯電した塵埃が静電気により吸い寄せられ、これがOLPF27の表面に塵埃が付着する要因となるが、上記のようにイオン化された風で塵埃を除電すれば、OLPF27の表面から塵埃が取れ易くなる。なお、図5および図6に示す例で清掃を行う際の処理手順は、清掃動作(S14)の際に振動発生部31の駆動と併せてファン51を駆動して送風する他は、図4のフローチャートと同様であるので、図示および説明を省略する。
【0060】
さらに、図7に示す清掃装置70のように、振動の周波数を超音波の帯域とし、OLPF27の表面に超音波洗浄を行う構成としてもよい。清掃装置70は、予め設定された所定の振幅および超音波帯域の周波数の振動を、所定時間発生する振動発生部71が内部に設けられた筐体72を有する。筐体72の後端面には、振動発生部71によって振動される振動板73が設けられている。振動板73は、振動板32とは異なり、OLPF27の表面に接触していない。
【0061】
筐体72の後端面の周縁全体には、脚部74がOLPF27の表面に向けて延設されている。脚部74の終端には、OLPF27の表面のCCD20の撮像範囲20a外と密着するパッキン75が取り付けられている。筐体72が繰り出し位置にあるときには、OLPF27の表面、筐体72の後端面、および脚部74で囲まれる空間76は、密閉状態となる。
【0062】
筐体72の内部には、洗浄液(例えば、水、アルコール、中性洗剤の水溶液など)77が貯留される液溜め部78、および注液・液回収機構79が設けられている。液溜め部78は、筐体72の内部に穿たれた注液路80、および液回収路81に接続されている。注液路80の出口82、および液回収路81の入口83は、筐体72の後端面に設けられている。
【0063】
注液・液回収機構79は、例えば、マイクロポンプなどからなる。注液・液回収機構79は、液溜め部78から注液路80、出口82を経て、空間76へ洗浄液77を送液するとともに、空間76から入口83、液回収路81を経て、液溜め部78へ洗浄液77を回収する。
【0064】
出口82、および入口83の近傍には、電磁弁84、85がそれぞれ配されている。電磁弁84が開、電磁弁85が閉の状態で、注液・液回収機構79が駆動されると、矢印で示すように、液溜め部78に貯留された洗浄液77は、注液路80を伝って入口83に達する。そして、入口83から空間76に洗浄液77が注がれ、空間76が洗浄液77で満たされる。逆に、電磁弁84が閉、電磁弁85が開の状態で、注液・液回収機構79が駆動されると、空間76に満たされた洗浄液77が、入口83から液回収路81に導かれ、液溜め部78に戻される。
【0065】
清掃装置70を用いて清掃を行う際の処理手順について、図8のフローチャートを参照して説明する。まず、上記実施形態と同様に、清掃装置70をデジタルカメラ10に装着し、清掃開始の指示に応じてデジタルカメラ10との間で信号を遣り取りして清掃の準備を整えた後、姿勢検知センサ30によって本体70a(図示せず)の姿勢を検知する(S20)。そして、上記実施形態とは逆に、姿勢検知センサ30の検知結果が姿勢上向きであるか否かを判断する(S21)。
【0066】
検知結果が姿勢上向きでなかった場合は、警報器44が作動され、警報が発せられる(S22)。そして、再度姿勢検知が行われる。警報器44が作動して所定時間経過後も姿勢上向きとならなかった場合は、清掃装置70の電源が自動的にオフされ、清掃動作が中止される。検知結果が姿勢上向きであった場合は、筐体72が収納位置から繰り出し位置に移動される(S23)。なお、この場合も図4のフローチャートの場合と同様に、姿勢検知は筐体72の繰り出し後も続けられ、姿勢上向きでないことを検知した場合は警報が発せられ、清掃動作が中止される。
【0067】
筐体72が繰り出し位置に移動されると、OLPF27の表面のCCD20の撮像範囲20a外にパッキン75が密着される。これにより、空間76が密閉状態となる。
【0068】
筐体72が繰り出し位置に移動された後、電磁弁84が開、電磁弁85が閉とされて注液・液回収機構79が駆動され、液溜め部78から注液路80、出口82を経て、空間76へ洗浄液77が注液される(S24)。このとき、姿勢上向きとなっているので、筐体72の自重によってOLPF27の表面とパッキン75とが密着され、空間76からの洗浄液77の漏洩を防止することができる。
【0069】
洗浄液77の注液後、電磁弁84が閉じられて振動発生部71が駆動され、振動板73が振動される(S25)。振動板73の振動は、空間76に充満された洗浄液77に伝達され、これによりOLPF27の表面が超音波洗浄される。
【0070】
所定時間経過後、振動発生部71の駆動が停止される。そして、電磁弁85が開かれて注液・液回収機構79が駆動され、空間76から入口83、液回収路81を経て、液溜め部78へ洗浄液77が回収される(S26)。その後、筐体72が繰り出し位置から収納位置に戻され(S27)、清掃が完了する。このように、OLPF27の表面を超音波洗浄することで、振動や送風では除去しきれない粘着性の塵埃や油汚れなども効果的に除去することができる。
【0071】
超音波洗浄においては、洗浄後の洗浄液77を完全に回収しきれず、残存した洗浄液77によってOLPF27の表面が二次汚染されるおそれがある。そこで、図9に示す清掃装置90のように、洗浄液77を回収した後、空間76に残存した洗浄液77を除去する機構を設けてもよい。
【0072】
清掃装置90は、図7に示す超音波洗浄を行うための構成(液溜め部78や注液路80など、煩雑を避けるため不図示)に加えて、内部にファン91およびフィルタ92が設けられた筐体93を有する。ファン91は、筐体93の内部に穿たれた給気路94、および吸気路95に接続されている。フィルタ92は、吸気路95がファン91に接続される手前に配置されている。
【0073】
また、筐体93の内部には、二本の排気路96が穿たれている。給気路94の出口97、および排気路96の入口98は、筐体93の後端面に設けられ、吸気路95の入口99、および排気路96の出口100は、筐体93の前端面に設けられている。入口98、出口100は、それぞれ出口97、入口99に関して対称な位置に設けられている。これらの通路94〜96、および出入口97〜100は、超音波洗浄を行うための構成と干渉しない位置に設けられている。
【0074】
出口97、および入口98の近傍には、電磁弁101、102がそれぞれ配されている。電磁弁101、102は、空間76に洗浄液77が注液されて超音波洗浄が行われ、空間76から洗浄液77が回収されるまで閉じられており、洗浄液77の回収後に開かれる。ファン91は、電磁弁101、102が開かれたときに駆動される。
【0075】
電磁弁101、102が開の状態で、ファン91が駆動されると、矢印で示すように、ファン91の吸気によって、外部の空気が入口99から吸気路95に導入される。吸気路95に導入された空気は、フィルタ92によって塵埃が除去され、ファン91によって給気路94に導かれる。そして、給気路94を伝って出口97からOLPF27の表面に吹き付けられる。OLPF27の表面に吹き付けられた風は、入口98から排気路96に導かれ、出口100から外部に放出される。なお、この場合、洗浄液77を回収した後、電磁弁101、102を開いてファン91を駆動し、空間76に送風する他は、図8に示すフローチャートと同様であるので、図示および説明を省略する。
【0076】
上記のように、回収後に空間76に残存した洗浄液77を、ファン91による送風で積極的に除去するので、残存した洗浄液77でOLPF27の表面が二次汚染されるおそれがなくなる。
【0077】
図9に示す例では、超音波洗浄を行うための構成と、残存した洗浄液77を除去する構成(ファン91や給気路94など)とを別々に設けているが、図10に示す清掃装置110のように、これらを共通化してもよい。
【0078】
清掃装置110は、注液路80と給気路94、および液回収路81と排気路96を繋いで、それぞれ一本の共通路111、112とした筐体113を有する。共通路111の出口114、および共通路112の入口115は、筐体113の後端面に設けられている。空間76への洗浄液77の注液、およびファン91による送風は、共通路111、および出口114を介して行われ、洗浄液77の回収、および送風の排気は、共通路112、および入口115を介して行われる。
【0079】
注液路80と給気路94が共通路111に繋がる手前には、それぞれ電磁弁116、117が設けられている。また、液回収路81、出口100、および入口115の近傍には、それぞれ電磁弁118、119、120が設けられている。洗浄液77を注液する際には、電磁弁116のみが開かれ、洗浄液77を回収する際には、電磁弁118、120が開かれる。また、ファン91で送風する際には、電磁弁117、119、120が開かれる。超音波洗浄を行うための構成と残存した洗浄液77を除去する構成とを共通化することで、筐体93に比べて筐体113を小型化することができ、部品コストも削減することができる。
【0080】
なお、もし空間76から洗浄液77が漏れ出すと、CCD20を駆動する回路などが洗浄液77で濡れてショートするなど、故障の原因となりかねない。この対策として、図11に示す清掃装置130のように、超音波洗浄を適用した清掃装置の筐体131(上記の例でいえば筐体72、93、113)に、それよりも一回り大きいサイズの筐体132(第二囲繞部材に相当)を一体的に取り付け、筐体131を筐体132で覆う二重構造とし、筐体131と筐体132で囲まれる空間133の空気を外部に排出して空間133を負圧状態にし、OLPF27の表面を吸着させる構成を採用してもよい。
【0081】
この場合、空間133を負圧状態とするために、筐体132の前端面に排気路134を取り付け、排気路134に排気用のファン135を設ける。また、平型のパッキン75の代わりに、脚部74の終端、および筐体132の後端縁全体に溝を設け、Oリング136、137を嵌め込む。
【0082】
ファン135は、筐体131を繰り出し位置に移動させ、空間76に洗浄液77を注液する前から、洗浄液77を回収するまで駆動される。ファン135の駆動により空間133内の空気が排気路134から外部に放出されると、空間133が負圧状態となる。空間133が負圧状態となると、空間133に露呈されたOLPF27の表面が筐体131側に引き寄せられ、結果としてOLPF27の表面が脚部74の終端、および筐体132の後端縁全体に吸着される。これにより、OLPF27の表面とOリング136、137との密着がより強固となり、空間76から洗浄液77が漏れ出すことを確実に防止することができる。
【0083】
なお、ファン135の故障などが原因で、空間133の空気が外部に排出されず、OLPF27の表面とOリング136、137との密着力が不十分なまま超音波洗浄が行われると、洗浄液76が漏洩するおそれが高まる。そこで、図11に示す例に加えて、図12に示す清掃装置140のように、排気路134に電磁弁141、および圧力計142を取り付けた筐体143を用い、空間133内の圧力を圧力計142で計測し、圧力計142の計測結果に応じて、超音波洗浄の実施可否を決定することが好ましい。
【0084】
この場合、圧力計142の計測値が所定の値に達しているか否かを判断し、所定の値に達していなかった場合、超音波洗浄を中止して清掃装置140の電源を自動的にオフする、あるいは、警報器44を作動させて警報を発する。このようにすれば、洗浄液76が漏洩する前に適切な回避処置を講じることができる。なお、圧力を計測するタイミングとしては、ファン135が駆動されて所定時間経過後、洗浄液76が注液される前に一回計測してもよいし、あるいは、洗浄液76が注液されて超音波洗浄が行われている間、常に計測していてもよい。
【0085】
また、圧力計142で計測した空間133内の圧力が所定の値に達したときに、電磁弁141を閉じてファン135の駆動を停止させるようにしてもよい。このようにすれば、洗浄液77を回収するまでファン135を連続駆動させる必要がなく、電力消費を抑えることができる。
【0086】
空間76からの洗浄液の漏洩を防止する方法としては、上記で挙げた方法の他に、例えば、脚部74の終端に溝を設け、溝内の空気を外部に排出することでOLPF27の表面を吸着させてもよく、脚部74の終端に吸盤を取り付けてもよい。要するに、OLPF27の表面と、これに接触する部分との密着力を強固にすればよく、上記で示した例に限らず、如何なる方法を採用してもよい。
【0087】
上記実施形態では、スペーサ26を介してOLPF27を保持板22に取り付けているが、図13に示すセンサモジュール150のように、弾性ゴムなどの衝撃吸収材151でOLPF27を保持し、衝撃吸収材151を保持板22に取り付けて、OLPF27に伝わる振動を衝撃吸収材151で吸収し、振動がCCD20や他の部品に伝わらないような構造とすることが好ましい。このようにすれば、OLPF27に伝わる振動でCCD20などの位置ずれや故障が起こる懸念がなくなる。
【0088】
上記実施形態では、所定の振幅および周波数の振動を、所定時間与えているが、これらを変数として、操作部41を操作することによりユーザーが設定可能としてもよく、デジタルカメラ10の仕様の情報を通信で取得し、取得した仕様に応じて、清掃装置側で自動的に変更可能としてもよい。
【0089】
また、空間76、133の空気を置換する手段として、筐体内部に設けたファンを例示しているが、給気路や吸気路の入口を清掃装置の本体から外部に露呈させ、ブロアや吸引ポンプなどの外部装置を入口に繋いで空間76、133の空気を置換してもよく、同様に、液溜め部78や注液・液回収機構79を筐体に設けずに、洗浄液77を外部から注液・回収するようにしてもよい。さらに、上記実施形態では、デジタルカメラ10側のミラーの移動、シャッタの開閉、筐体の移動などを全て自動化しているが、これらの操作を手動で行ってもよい。また、フィルタや液溜め部を交換可能として、繰り返し清掃を行えるようにしてもよい。
【0090】
なお、清掃装置にLCDなどの表示素子を設け、筐体の現在位置、振動発生部が駆動しているか否か、姿勢が正常な状態で清掃が行われたか否かなど、表示素子を用いて清掃装置の動作状態を表示してもよい。
【0091】
上記実施形態では、清掃動作を行う光学透過部材としてOLPF27を例示して説明したが、本発明はこれに限定されず、他の光学透過部材、例えば、カバーガラスや赤外線カットフィルタなどを清掃の対象としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の清掃装置をデジタルカメラに装着する際の様子を示す図である。
【図2】清掃装置、およびデジタルカメラの内部構成を示す概略図である。
【図3】清掃装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】清掃装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図5】ファンで送風する機構を設けた筐体の例を示す概略図である。
【図6】図5に示す筐体にイオナイザを設けた例を示す概略図である。
【図7】超音波洗浄の機構を設けた筐体の例を示す概略図である。
【図8】図7に示す清掃装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図9】図7に示す筐体にファンで送風する機構を設けた例を示す概略図である。
【図10】超音波洗浄の機構とファンで送風する機構とを共通化した例を示す概略図である。
【図11】筐体を二重構造とした例を示す概略図である。
【図12】図11に示す筐体に圧力計を設けた例を示す概略図である。
【図13】光学ローパスフィルタを衝撃吸収材で保持する例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0093】
2、50、60、70、90、110、130、140 清掃装置
10 デジタルカメラ
11 マウント
20 CCD
27 光学ローパスフィルタ(OLPF)
28、53、62、72、93、113、131 筐体
29 移動機構
30 姿勢検知センサ
31、71 振動発生部
32、73 振動板
33、76 空間(第一空間)
40 CPU
44 警報器
51、91、135 ファン
52、92 フィルタ
54、94 給気路
55、95 吸気路
61 イオナイザ
74 脚部
77 洗浄液
79 注液・液回収機構
80 注液路
81 液回収路
96、134 排気路
111、112 共通路
132、143 筐体(第二囲繞部材)
133 空間(第二空間)
142 圧力計
151 衝撃吸収材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を撮像する固体撮像素子を備える撮像装置に装着される本体と、
振動体、および前記振動体を振動させる振動発生手段を有する筐体と、
前記本体内に収納される収納位置と、固体撮像素子の被写体側に配された光学透過部材の表面に近接する繰り出し位置との間で前記筐体を移動させる移動機構とを備え、
光学透過部材の表面に付着した塵埃を、前記振動体の振動により振るい落とすことを特徴とする撮像装置用清掃装置。
【請求項2】
前記振動体は、光学透過部材の表面に接触して光学透過部材に振動を与えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置用清掃装置。
【請求項3】
前記振動体が光学透過部材の表面に接触する位置は、光学透過部材の表面の固体撮像素子の撮像範囲外であることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置用清掃装置。
【請求項4】
光学透過部材の表面に接触して、光学透過部材の表面に対向する前記筐体の面とともに光学透過部材の表面の周辺の第一空間を囲繞する第一囲繞部材を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の撮像装置用清掃装置。
【請求項5】
前記第一囲繞部材が光学透過部材の表面に接触する位置は、光学透過部材の表面の固体撮像素子の撮像範囲外であることを特徴とする請求項4に記載の撮像装置用清掃装置。
【請求項6】
前記第一囲繞部材は、前記振動体であることを特徴とする請求項4または5に記載の撮像装置用清掃装置。
【請求項7】
前記第一囲繞部材は、光学透過部材の表面に対向する前記筐体の面の周縁全体から延設された脚部であることを特徴とする請求項4または5に記載の撮像装置用清掃装置。
【請求項8】
清浄な空気と第一空間内の空気を置換して塵埃を除去する第一置換手段を備えることを特徴とする請求項4ないし7のいずれかに記載の撮像装置用清掃装置。
【請求項9】
前記第一置換手段は、空気が通過する第一通路と、
前記第一通路に設けられた第一ファンと、
前記第一ファンの吸気側に配され、塵埃を捕捉する第一フィルタとからなることを特徴とする請求項8に記載の撮像装置用清掃装置。
【請求項10】
空気をイオン化するイオナイザと、
前記イオナイザでイオン化した空気と第一空間内の空気を置換して塵埃を除去する第二置換手段とを備えることを特徴とする請求項4ないし9のいずれかに記載の撮像装置用清掃装置。
【請求項11】
前記第二置換手段は、空気が通過する第二通路と、
前記第二通路に設けられた第二ファンと、
前記第二ファンの吸気側に配され、塵埃を捕捉する第二フィルタとからなることを特徴とする請求項10に記載の撮像装置用清掃装置。
【請求項12】
第一空間内に洗浄液を注液する注液手段と、
洗浄液を回収する液回収手段とを備え、
前記振動発生手段は、超音波の周波数帯域で前記振動体を振動させ、前記振動体の振動により洗浄液に超音波振動を与えて超音波洗浄を行うことを特徴とする請求項4ないし11のいずれかに記載の撮像装置用清掃装置。
【請求項13】
清浄な空気と第一空間内の空気を置換して、前記液回収手段で洗浄液を回収した後に第一空間内に残存した洗浄液を除去する第三置換手段を備えることを特徴とする請求項12に記載の撮像装置用清掃装置。
【請求項14】
前記第三置換手段は、空気が通過する第三通路と、
前記第三通路に設けられた第三ファンと、
前記第三ファンの吸気側に配され、塵埃を捕捉する第三フィルタとを有することを特徴とする請求項13に記載の撮像装置用清掃装置。
【請求項15】
洗浄液が通過する流路と前記第三通路とは、共通化されていることを特徴とする請求項14に記載の撮像装置用清掃装置。
【請求項16】
前記第一囲繞部材に光学透過部材の表面を吸着させる吸着手段を備えることを特徴とする請求項12ないし15のいずれかに記載の撮像装置用清掃装置。
【請求項17】
前記吸着手段による前記第一囲繞部材と光学透過部材の表面との吸着状態を検知する吸着状態検知手段を備え、
前記吸着状態検知手段の検知結果に応じて、超音波洗浄の実施可否を決定することを特徴とする請求項16に記載の撮像装置用清掃装置。
【請求項18】
前記吸着状態検知手段は、吸着部分の圧力を計測する圧力計であることを特徴とする請求項17に記載の撮像装置用清掃装置。
【請求項19】
光学透過部材の表面に接触して、前記筐体の周辺の第二空間を囲繞する第二囲繞部材を備え、
前記吸着手段は、空気が通過する第四通路と、
前記第四通路に設けられ、第二空間内の空気を吸引する第四ファンとからなることを特徴とする請求項16ないし18のいずれかに記載の撮像装置用清掃装置。
【請求項20】
前記本体の姿勢を検知する姿勢検知手段を備え、
前記姿勢検知手段の検知結果に応じて、前記振動体による塵埃の振るい落としの実施可否を決定することを特徴とする請求項1ないし19のいずれかに記載の撮像装置用清掃装置。
【請求項21】
前記撮像装置に設けられたレンズ交換用のボディマウントに装着されるマウントを備えることを特徴とする請求項1ないし20のいずれかに記載の撮像装置用清掃装置。
【請求項22】
被写体像を撮像する固体撮像素子を備える撮像装置に清掃装置本体を装着後、本体内に収納される収納位置から、固体撮像素子の被写体側に配された光学透過部材の表面に近接する繰り出し位置に筐体を移動させる繰り出し工程と、
筐体に設けられた振動発生手段で振動体を振動させて、光学透過部材の表面に付着した塵埃を振るい落とす振るい落とし工程と、
繰り出し位置から収納位置に筐体を移動させる収納工程とを備えることを特徴とする撮像装置の清掃方法。
【請求項23】
前記振るい落とし工程では、光学透過部材の表面に前記振動体を接触させて光学透過部材に振動を与えることを特徴とする請求項22に記載の撮像装置の清掃方法。
【請求項24】
清浄な空気と囲繞部材で囲繞された光学透過部材の表面の周辺の空間内の空気を置換して塵埃を除去する第一置換工程を備えることを特徴とする請求項22または23に記載の撮像装置の清掃方法。
【請求項25】
イオナイザでイオン化した空気と囲繞部材で囲繞された光学透過部材の表面の周辺の空間内の空気を置換して塵埃を除去する第二置換工程を備えることを特徴とする請求項22ないし24のいずれかに記載の撮像装置の清掃方法。
【請求項26】
囲繞部材で囲繞された光学透過部材の表面の周辺の空間内に洗浄液を注液する注液工程と、
洗浄液を回収する液回収工程とを備え、
前記振るい落とし工程では、振動発生手段により超音波の周波数帯域で振動体を振動させ、洗浄液に超音波振動を与えて超音波洗浄を行うことを特徴とする請求項22ないし25のいずれかに記載の撮像装置の清掃方法。
【請求項27】
清浄な空気と第一空間内の空気を置換して、前記液回収工程で洗浄液を回収した後に空間内に残存した洗浄液を除去する第三置換工程を備えることを特徴とする請求項26に記載の撮像装置の清掃方法。
【請求項28】
囲繞部材に光学透過部材の表面を吸着させる吸着工程を備えることを特徴とする請求項26または27に記載の撮像装置の清掃方法。
【請求項29】
囲繞部材と光学透過部材の表面との吸着状態を検知し、その検知結果に応じて、前記振るい落とし工程の実施可否を決定する吸着状態検知工程を備えることを特徴とする請求項28に記載の撮像装置の清掃方法。
【請求項30】
本体の姿勢を検知し、その検知結果に応じて、前記振るい落とし工程の実施可否を決定する姿勢検知工程を備えることを特徴とする請求項22ないし29のいずれかに記載の撮像装置の清掃方法。
【請求項31】
被写体像を撮像する固体撮像素子、および前記固体撮像素子の被写体側に配された光学透過部材を備え、請求項1ないし21のいずれかに記載の撮像装置用清掃装置が装着される撮像装置であって、
前記光学透過部材を保持する衝撃吸収材を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項32】
前記光学透過部材は、被写体像のモアレを除去するための光学ローパスフィルタであることを特徴とする請求項31に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−20230(P2009−20230A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−181673(P2007−181673)
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】