説明

撮像装置

【課題】撮像機能の変更した設定値をディスプレイ上で判別する。
【解決手段】操作部及び表示部を有し、撮像機能を設定するための複数のメニューを階層の異なる複数のメニュー画面に分割し、これらのメニュー画面を前記操作部によるメニュー選択操作に応じて選択的に前記表示部に表示する撮像装置において、前記複数のメニュー画画の設定値を記憶する第1および第2記憶手段と、該第1および第2記憶手段の設定値を比較する比較手段とを有し、前記操作部の操作により、前記メニュー画面に前記比較手段の比較結果を表示することを特徴とする撮像装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョンカメラなどの撮像装置に係わり、特に撮像機能の各種設定を行うためのメニュー画面表示に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に業務用のテレビジョンカメラは撮像機能の設定項目が多く、また設定内容が複雑である。そこで従来では、例えばテレビジョンカメラの撮像機能の設定項目を設定するためのディスプレイ上に選択肢を表示し、その選択肢を操作者に選択させることによって上記テレビジョンカメラの撮像機能の設定項目を設定変更するようにしたシステムが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【特許文献1】特開平11−177973号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述の従来技術には、撮像機能の設定値をディスプレイ上に選択肢を表示し、設定値を変更することができたが、ユーザが変更した設定値を判別することができなかった。
本発明の目的は、変更した撮像機能の設定値をディスプレイ上で標準設定値とユーザが変更した設定値を判別することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、操作部及び表示部を有し、撮像機能を設定するための複数のメニューを階層の異なる複数のメニュー画面に分割し、これらのメニュー画面を前記操作部によるメニュー選択操作に応じて選択的に前記表示部に表示する撮像装置において、前記複数のメニュー画画の設定値を記憶する第1および第2記憶手段と、該第1および第2記憶手段の設定値を比較する比較手段とを有し、前記操作部の操作により、前記メニュー画面に前記比較手段の比較結果を表示することを特徴とする撮像装置である。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、撮像機能の標準設定値とユーザが変更した設定値とをディスプレイ上で判別することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の一実施例を図1で説明する。
図1は、この発明に係わる撮像装置の一実施形態であるディジタルテレビジョンカメラを示す外観図である。テレビジョンカメラ1は、本体11にレンズ群12及びビューファインダ13を装着したものとなっている。本体11には、メニュー操作器14と、調整スイッチ群15と、外部入力/出力端子群16が設けられている。
【0007】
メニュー操作器14には、図2に示すようにファンクションボタン21と、上ボタン22、下ボタン23、右ボタン24及び左ボタン25からなるメニュー選択キーと、ファンクション切替スイッチ群26が設けられている。このうちファンクションボタン21は、ファンクションメニューを表示するときや選択されたメニューを決定するときに使用される。メニュー選択キーは、表示されたメニューの中から所望のメニューを選択するときに使用される。
【0008】
なお、調整スイッチ群15は、ホワイトバランスを調整するためのスイッチや、現在設定中の撮像条件等をチェックするためのチェックボタン等により構成される。
ユーザは、これらのボタン、キーやスイッチを操作して撮像機能の設定値を設定する。
【0009】
ところで、テレビジョンカメラ1の回路部は次のように構成される。図3はその構成を示すブロック図である。すなわち、固体撮像素子(CCD;Charge Coupled Device)12により取り込まれた映像信号は、映像信号処理回路31において画質等を調整するための映像信号処理が施されたのち、合成器35に供給される。
【0010】
一方、メニュー操作器15における操作情報は、中央処理ユニット(CPU;Central Processing Unit)32に取り込まれる。CPU32は、上記入力された操作情報に応じてメモリ33から対応するメニュー画面の表示データを読み出し、この読み出されたメニュー画面の表示データをキャラクタジェネレータ34に与える。キャラクタジェネレータ34は、上記与えられたメニュー画面の表示データに応じて文字データを生成し、この生成された文字データを上記合成器35へ出力する。
【0011】
合成器35は、上記映像信号処理回路31から出力された映像データに上記キャラクタジェネレータ34から出力されたメニュー画面を表す文字データを合成し、この文字データが合成された映像データを映像信号出力回路36へ出力する。映像信号出力回路36は、上記文字データが合成された映像データをビューファインダ13に供給して表示させる。なお、出力端子16の一つに外部モニタ17(図1では図示せず)が接続されている場合には、上記映像信号出力回路36は上記文字データが合成された映像データを上記外部モニタ17にも供給して表示させる。
【0012】
ところで、CPU32はこの発明に係わる新たな制御機能として、メニュー画面で工場出荷時等の標準設定値とユーザの変更した設定値を判別できる制御機能を備えている。なお、これらの制御機能はいずれも、メモリ33に格納されたアプリケーション・プログラムをCPU32に実行させることにより実現される。
【0013】
また、メニュー画面に表示される工場出荷時等の標準設定値とユーザの変更した設定値は、CPU32によりメモリ33に記憶される。
テレビジョンカメラ1は、ユーザの変更した設定値とユーザが変更しない標準設定値により制御される。
【0014】
次に、以上のように構成された装置によるメニュー表示動作の一実施例を説明する。
図4は標準設定値のメニュー画面である。図5は標準設定値とユーザが変更した設定値を判別できるように表示されたメニュー画面である。図6は本発明の撮像装置において実行されるメニュー表示制御の手順と内容の一実施例を示すフローチャートである。
【0015】
メニュー画面は階層構造をなす。例えば、図4に示すようにメインメニュー画面M1〜M4と、これらのメインメニュー画面M1〜M4から分岐される複数のサブメニュー画面S11〜S43とから構成される。
【0016】
撮像条件等の機能の設定を行うために、ユーザがメニュー操作器14のファンクションボタン21を5秒未満押下したとする。そうすると、先ず初期状熊では、上記階層化された複数のメニュー画面のうち最上位階層に位置するメインメニュー画面M1がメモリ33から読み出されてビューファインダ13に表示される。この状態で、ユーザがメニュー操作器14の右ボタン24又は左ボタン25を押下すると、その操作ごとにメインメニュー画面M1〜M4が順次メモリ33から読み出されてビューファインダ13に表示される。
【0017】
図4および図5において、ビューファインダ13またはモニタ17に表示されるメインメニュー画面またはサブメニュー画面は、ユーザの操作に応じて矢印の示す方向に切替えられる。
【0018】
各メニュー画面は、1行目のメニュータイトルと、2行目以降の複数のメニュー項目とから構成される。これらメニュータイトル又は複数のメニュー項目の先頭位置にはカーソル(図中の黒四角)が表示される。このカーソルは、メニュー操作器14の上ボタン22又は下ボタン23の押下により上下に移動する。そして、カーソルが目的とするメニュー項目に移動した状態で、メニュー操作器14の右ボタン24又は左ボタン25が押下されると、当該メニュー項目の機能が設定される。また、矢印(−>)が表示されているメニュー項目にカーソルが表示された状態で右ボタン24が押下されると、サブメニュー画面S11〜S43が選択的にビューファインダ13に表示される。そして、この状態で上ボタン22又は下ボタン23が押下されるとカーソルが上下に移動し、さらにカーソルが目的とする設定内容に移動したところで右ボタン24又は左ボタン25が押下されると、当該サブメニュー項目の機能が設定される。
【0019】
次にユーザが、撮像条件等の機能の設定変更を行うための手順について説明する。ユーザがメニュー操作器14のファンクションボタン21を5秒未満押下したとする。そうすると、CPU32がステップS5bでNoと判断して、ステップS5eに移行する。CPU32はビューファインダ13にメインメニューM1を表示させる。ユーザはメインメニューM1を見ながらメニュー操作器14の下ボタン23を押下げカーソルを項目3に移動させる。そして右ボタン24を押下げる。そうするとCPU32はステップS5fに移行し、ビューファインダ13にサブメニューS11を表示させる。そしてユーザはカーソルを下ボタン23で項目1に移動させる。そして左ボタン25を複数回押下げて、数値を“80”から“40”に変更する。ユーザは同様にメニュー操作器14を操作して、メインメニュー画面M2の項目2の設定を“ON”から“OFF”に、サブメニュー画面S42の項目1の数値を“80”から“A0”に設定変更したとする。CPU32はメモリ33にユーザが設定変更した値を記憶する。
【0020】
次に、サービスマンがユーザの変更した設定値を確認したい場合について図2、図5、図6を用いて説明する。サービスマンはメニュー操作器14のファンクションボタン21を5秒以上押下する。そうすると、CPU32はステップS5bからステップS5cに移行し、ビューファインダ13に図5に示すサブメニュー画面S11が表示される。そしてCPU32はステップS5dに移行し、メモリ33に記憶してあるユーザの変更した設定値を読み出し、サブメニュー画面S11の項目1の数値“40”を太字で表示する。太字で表示された箇所がユーザの設定変更した項目であるため、サービスマンはビューファインダ13上で変更箇所を確認することができる。次にサービスマンがメニュー操作器14の下ボタン23を押下されると、CPU32はメモリ33に記憶してあるユーザの変更した設定値を読み出し、ビューファインダ13にメインメニュー画面M2の項目2の“OFF”を太字で表示する。更にサービスマンがメニュー操作器14の下ボタン23を押下されると、CPU32はメモリ33に記憶してあるユーザの変更した設定値を読み出し、ビューファインダ13にサブメニュー画面S42の項目1の数値“A0”を太字で表示する。また更にサービスマンがメニュー操作器14の下ボタン23を押下されると、CPU32はビューファインダ13には最初のサブメニュー画面S11を表示する。
【0021】
次に本発明の他の一実施例について図2〜図5を用いて説明する。この実施例はユーザが変更した設定値をユーザが確認できるものである。
ユーザが撮像条件等の機能の設定変更を行うため、図2のメニュー操作器14のファンクションボタン21を押下したとする。そうすると、図3のCPU32はビューファインダ13に図4のメインメニューM1を表示させる。ユーザはメインメニューM1を見ながらメニュー操作器14の下ボタン23を押下げカーソルを項目3に移動させる。そして右ボタン24を押下げる。そうするとCPU32はビューファインダ13にサブメニューS11を表示させる。そしてユーザはカーソルを下ボタン23で項目1に移動させる。そして左ボタン25を複数回押下げて、数値を“80”から“40”に変更する。CPU32はメモリ33にユーザが設定変更した値を記憶するとともに、図5に示すようにサブメニュー画面S11の項目1の数値“40”を太字で表示する。
【0022】
この状態からユーザが図2の右ボタン24を複数回押下げて、数値を“40”から標準設定値の“80”に戻したとする。CPU32はメモリ33に記憶してあるユーザが設定変更した値を削除するとともに、図4に示すようにサブメニュー画面S11の項目1の数値“80”を設定変更する前と同じ太さの文字で表示する。
【0023】
上記実施例では、ユーザの変更した設定値を始めから太字で表示したが、この機能をメニュー画面上でON/OFFできるようにしてもよい。
本実施例では、メニュー画面にユーザが設定変更した設定値を太字で表示したが、文字は白黒反転、斜体、色付け、アンダーライン付加、点滅等の判別できるものであればよいことは言うまでもない。また判別の表示方法を選択できるようにしてもよい。
【0024】
その他、表示制御の各手順と内容、メニュー画面の階層構造等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定きれるものではなく、実施段階ではその要昏を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要秦の適宜な組み合せにより種々の発明な形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0025】
本発明はサービスマン等の保守員が保守後、ユーザの設定変更した設定値に容易に戻し、確認することもできる。
以上本発明について詳細に説明したが、本発明は、ここに記載された撮像装置に限定されるものではなく、上記以外の撮像装置に広く適用することができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係わる撮像装置の一実施形態であるデジタルテレビジョンカメラの外観を示す図。
【図2】図1に示す撮像装置に設けられるメニュー操作器の構成を示す図。
【図3】図1に示した掃像装置の回路構成を示すブロック図。
【図4】図2に示した回路により表示される標準設定値のメニュー画面。
【図5】図2に示した回路において、標準設定値とユーザが変更した設定値を判別できるように表示されるメニュー画面。
【図6】図2に示した回路において実行されるメニュー表示制御の手順と内容を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0027】
1:テレビジョンカメラ、11:本体、12:レンズ群、13:ビューファインダ、14:メニュー操作器、15:調整スイッチ群、16:外部入力/出力端子、17:外部モニタ、21:ファンクションボタン、22:上ボタン、23:下ボタン、24:右ボタン、25:左ボタン、26:ファンクション切替スイッチ群、31:映像信号処理回路、32:CPU、33:メモリ、34:キヤラクタジェネレータ、35:合成器、36:映像信号出力回路、17:外部モニタ、M1〜M4:メインメニュー画面、S11〜S43:サブメニュー画面。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部及び表示部を有し、撮像機能を設定するための複数のメニューを階層の異なる複数のメニュー画面に分割し、これらのメニュー画面を前記操作部によるメニュー選択操作に応じて選択的に前記表示部に表示する撮像装置において、
前記複数のメニュー画画の設定値を記憶する第1および第2記憶手段と、該第1および第2記憶手段の設定値を比較する比較手段とを有し、
前記操作部の操作により、前記メニュー画面に前記比較手段の比較結果を表示することを特徴とする撮像装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−114953(P2006−114953A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−297178(P2004−297178)
【出願日】平成16年10月12日(2004.10.12)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】