説明

撮像装置

【課題】 ユーザのフォーカス調整操作を補助し、軽快な操作で所望の画像を撮影することが可能な撮像装置を提供する。
【解決手段】 大型液晶表示器20や小型液晶表示器30に撮像画像を表示した状態で、その画像を見ながら手動でフォーカスを調整する場合に、表示した画像の輪郭強調を行うことにより、ユーザが視覚的にフォーカスを合わせ易くなる機能を設ける。そして、輪郭強調処理として、輪郭線に沿った各画素に所定の色を付し、輪郭の明瞭度に応じて色の種類や濃淡を変化させることにより、画像の解像度や1画素の大きさにかかわらず、適切に輪郭を強調でき、フォーカス調整に適した画像を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォーカス調整機能と輪郭強調機能とを有するデジタルスチルカメラ等の撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のビデオカメラにおいて、手動のフォーカス調整を補助する技術として輪郭強調信号を調整する技術を搭載したものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
このビデオカメラでは、ユーザが表示画面に映った被写体画像を見ながら手動でフォーカス調整を行う際に、被写体画像にフィルタ処理を施して輪郭強調を行い、被写体画像の輪郭を明瞭に表示することにより、ユーザが被写体画像のどこにピントが合っているかを認識し易くしたものである。
【特許文献1】特開平8−279950号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述のような被写体画像の輪郭強調表示は、高解像度の表示装置を有するカメラにおいては有効であるが、低解像度の表示装置においては高解像度の表示装置よりも1画素あたりの表示面積が大きくなるため、輪郭を自然な画像で強調することが困難となる。このため輪郭線ができたとしても線が太くなり、映像を汚してしまい、フォーカス調整の弊害となり得る場合がある。
特に、映像の一部分を切り出して映像信号を抽出して拡大表示するフォーカス領域抽出手段を用いる場合、フォーカス領域抽出時の拡大表示状態で通常状態と同じ輪郭強調処理を行うと、1画素あたりの表示面積がさらに増えるため、輪郭線がより太くなって映像が汚れてしまい、フォーカス調整の弊害となる場合がある。よって、フォーカス領域抽出時とそうでない場合において輪郭線の調整をする必要が出てくる。
また、上記特許文献1においては、フォーカス調整をフォーカスリングの操作によって行うようになっているが、デジタルスチルカメラにおいてはフォーカスリング以外の外部キーによってもフォーカス調整が可能なため、フォーカスリング以外のフォーカス調整においても輪郭強調が必要になる。
【0004】
そこで本発明は、ユーザのフォーカス調整操作を補助し、軽快な操作で所望の画像を撮影することが可能な撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明の撮像装置は、被写体を撮像する撮像手段と、前記撮像手段におけるフォーカスをフォーカス指示信号に基づいて制御するフォーカス制御手段と、前記撮像手段によって撮像された画像を表示する表示手段と、前記撮像手段によって撮像された画像を輪郭強調指示信号に基づいて輪郭強調し、前記表示手段に供給する輪郭強調手段と、前記フォーカス制御手段に入力するフォーカス指示信号を手動調整するフォーカス操作手段と、前記輪郭強調手段に入力する輪郭強調指示信号を手動調整する輪郭強調操作手段と、前記フォーカス操作手段と輪郭強調操作手段の双方の操作が有効となる手動調整モードを選択するモード選択手段とを有することを特徴とする。
【0006】
また、本発明の撮像装置は、被写体を撮像する撮像手段と、前記撮像手段におけるフォーカスをフォーカス指示信号に基づいて制御するフォーカス制御手段と、前記撮像手段によって撮像された画像を表示する表示手段と、前記撮像手段によって撮像された画像を輪郭強調指示信号に基づいて輪郭強調し、前記表示手段に供給する輪郭強調手段と、前記フォーカス制御手段に入力するフォーカス指示信号を手動調整するフォーカス操作手段と、前記輪郭強調手段に入力する輪郭強調指示信号を手動調整する輪郭強調操作手段と、予め複数の輪郭強調処理を設定する処理設定手段と、前記撮像手段によって撮像された画像の部分領域を抽出し、前記表示手段に拡大表示するフォーカス領域抽出手段と、前記撮像手段によって撮像された画像を前記フォーカス領域抽出手段を通して前記表示手段に表示する拡大フォーカス処理と、前記フォーカス領域抽出手段を通さずに前記表示手段に表示する通常フォーカス処理とを選択的に操作する表示操作手段と、前記輪郭強調操作手段によって輪郭強調処理が実行される場合に、前記表示操作手段によって選択された処理が拡大フォーカス処理か通常フォーカス処理かによって前記処理設定手段に設定された輪郭強調処理を選択する処理選択手段とを有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の撮像装置は、被写体を撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された画像を表示する表示手段と、前記撮像手段によって撮像された画像を輪郭強調指示信号に基づいて輪郭強調し、前記表示手段に供給する輪郭強調手段と、前記輪郭強調手段による輪郭強調処理の処理条件を設定する処理設定手段とを有し、前記輪郭強調手段による輪郭強調処理は、画像の輪郭線に沿って各画素に色付けする処理を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の撮像装置によれば、フォーカス制御手段を手動調整するフォーカス操作手段と輪郭強調手段を手動調整する輪郭強調操作手段の双方の操作が有効となる手動調整モードを選択するモード選択手段を設けたことから、輪郭強調操作を行いながら、フォーカス調整を行うことが容易となり、ユーザのフォーカス調整操作を有効に補助し、軽快な操作で適切なフォーカス調整を行える撮像装置を提供できる効果がある。
また、本発明の撮像装置によれば、画像をフォーカス領域抽出手段を通して表示手段に表示する拡大フォーカス処理と、フォーカス領域抽出手段を通さずに表示手段に表示する通常フォーカス処理とを選択する構成において、拡大フォーカス処理か通常フォーカス処理かによって輪郭強調処理を選択することから、拡大フォーカス処理と通常フォーカス処理の双方で最適な輪郭強調処理を行うことが可能となり、ユーザのフォーカス調整操作を有効に補助し、軽快な操作で適切なフォーカス調整を行える撮像装置を提供できる効果がある。
さらに本発明の撮像装置によれば、画像の輪郭線に沿って各画素に色付けする輪郭強調処理を設けたことから、例えば画素数の小さい表示器に画像を表示するような場合でも、分かり易い輪郭強調表示を行うことができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は本発明による撮像装置の具体例であるデジタルスチルカメラを示す後面図である。
図1に示すように、本例のデジタルスチルカメラは、筐体10の後面に、撮像した画像を表示するメインの大型液晶表示器20、電子ビューファインダ(EVF)用の小型液晶表示器30、カーソルキー(十字キー)40、センタキー50、その他の操作キー60等が設けられている。また、筐体10の上部にはシャッタボタン70が設けられ、さらに、図では省略するが、筐体10の前面にはレンズ鏡筒やフラッシュ等が配置されている。
このようなデジタルスチルカメラでは、大型液晶表示器20や小型液晶表示器30に撮像画像を表示した状態で、その画像を見ながら手動でフォーカスを調整し、最適なフォーカスに設定したい場合があり、この手動によるフォーカス調整時に、表示した画像の輪郭強調を行うことにより、ユーザが視覚的にフォーカスを合わせ易くなる機能を有している。
【0010】
そして、本例では、輪郭強調処理として、輪郭線に沿った各画素に所定の色を付し、輪郭の明瞭度に応じて色の種類や濃淡を変化させることにより、画像の解像度や1画素の大きさにかかわらず、適切に輪郭を強調でき、フォーカス調整に適した画像を提供するものである。なお、変形例として、輪郭線に沿った各画素の輝度を変化させたり、各画素を点滅させる機能を設け、輪郭の明瞭度に応じて点滅速度を変化させるようなオプション機能を用いることも可能となっている。
また、この手動でフォーカス調整と輪郭強調を行う場合に、種々のオプション設定を用意することにより、できるだけユーザの好みに合った輪郭強調画像を提供し、かつ、高い操作性で調整操作を行える構成となっている。
【0011】
また、本例のデジタルスチルカメラでは、フォーカス調整用の画像を表示する場合に、撮像画像の一部領域を抽出し、拡大した画像を表示する拡大フォーカスモードが設けられている(なお、領域抽出、拡大しない場合を通常フォーカスモードという)。そして、このような拡大フォーカスモードと通常フォーカスモードとで、1画素の大きさが異なるため、同じ輪郭強調処理を施すと、フォーカスを視認するのに不都合な画像となる場合がある。そこで、拡大フォーカスモードと通常フォーカスモードとで、輪郭強調処理を変えることにより、フォーカス調整に適合した輪郭強調画像を提供する。
さらに、本例のデジタルスチルカメラでは、画像を表示する表示装置として、大型液晶表示器20や小型液晶表示器30の他に、図示しない外部出力端子を用いて外部接続された表示装置に表示することが可能であり、デジタルスチルカメラの内部回路では、出力する表示装置に適合するフォーマットの表示画像を撮像した画像から生成し、さらに輪郭強調画像も出力する表示装置に適合して選択することが可能である。
【0012】
図2は十字キー40及びセンタキー50の割り当てを示す説明図である。
本例のデジタルスチルカメラにおいては、手動操作によってフォーカス調整操作と輪郭強調(ピーキング)操作とを並行して行える手動調整モードが設けられており、例えば特定のキーによるモード選択操作によって、この手動調整モードを選択することにより、十字キー40の各キー40A、40B、40C、40Dがフォーカス調整と輪郭強調の手動操作キーとして割り当てられ、フォーカス調整と輪郭強調を同時並行的に行い、輪郭強調画像を用いてユーザが適正なフォーカス調整を行える構成となっている。
具体的には、左右方向のキー40C、40Dにフォーカスの近(Near)と遠(Far)が割り当てられ、上下方向のキー40A、40Bに輪郭強調(Peaking)の強(Up)と弱(Down)が割り当てられている。
【0013】
これらのキー40A、40B、40C、40Dを操作することにより、それに対応するフォーカス指示信号や輪郭強調指示信号がそれぞれの制御回路に供給され、デジタルスチルカメラの内部動作として、フォーカス調整や輪郭強調処理が実行される。
そして、このような十字キー40の調整状態は、例えばセンタキー50の操作やシャッタボタン70の中途操作、あるいは自動的な動作(所定秒の時間経過)によって確定でき、一時的に輪郭強調を外した画像に切り替わる。そして、この状態で、シャッタボタン70を押すことで、撮像動作を行えるような構成となっている。
また、ここで選択する輪郭強調処理としては、輪郭強調レベルの強弱(昇降)だけでなく、例えば拡大フォーカスモードと通常フォーカスモードとでレベルの切り換えを行うような構成も可能である。これらはユーザの設定操作によって適宜選択が可能である。
なお、手動フォーカスモードが選択されていない状態では、十字キー40は他の機能キーに用いられるものとする。
【0014】
図3は図1に示すデジタルスチルカメラの制御系の構成を示すブロック図である。
図示のように、本例のデジタルスチルカメラでは、CCDイメージセンサ等の撮像部100で撮像した画像データを表示画像用データ処理部110と記録画像用データ処理部120に入力する。
表示画像用データ処理部110では、まず、ヒストグラム検波部111で入力画像データの各領域における周波数変化(例えば注目画素と周辺画素との差)を判定し、周波数のヒストグラムを生成する。次いでアパコン(アパーチャコントロール)処理部112で高周波成分を輪郭線上の画素として抽出し、着色処理部113で抽出された画素に着色処理を行う。そして、この輪郭強調を付した画像を表示装置130に出力する。
記録画像用データ処理部120では、撮像部100で撮像した画像データを記録用のフォーマットに変換してデータ記録部140に蓄積する。
【0015】
図4及び図5は本例における輪郭強調処理の例を示す説明図である。
図4は周波数に対応する点滅速度の変化及び色変化の様子を表しており、図4(A)に示すように、画像データのある領域(画素)の周波数が所定の閾値を越えると、その画素を輪郭線上の画素と判断し、輝度変化(点滅)を付与し、周波数の閾値からの乖離に対応して点滅速度を大きくしていく。また、図4(B)に示すように、画像データのある領域(画素)の周波数が所定の閾値を越えると、その画素を輪郭線上の画素と判断し、色付けを行い、周波数の閾値からの乖離に対応して青色から赤色に変化させていく。なお、青色から赤色に変化させるのではなく、単色の濃度を変化させていくようにしてもよい。いずれの方法を選ぶかは、装置の設計時に決定したり、あるいはユーザのオプション機能として選択させるものとする。
また、図5は実際の輪郭強調画像の例を示している。図5(A)に示すように、輪郭のぼやけた画像に対して本例の輪郭強調処理を行い、例えば色付きの輪郭線200を付与することにより、ユーザにとってピントの一致点を見つけ易く、フォーカス調整をし易い画像を提供する。
【0016】
以下、本例のデジタルスチルカメラにおける具体的な動作例について説明する。
図6は手動操作によってフォーカス調整と輪郭強調とを行う動作例を示すフローチャートである。
まず、所定の機能キーの押圧操作やメニュー選択等の操作によって手動調整モードに移行する(ステップS1)。そして、例えば図2に示した十字キー40の操作によって輪郭強調レベルの調整操作が行われると(ステップS2)、その入力に対応して表示画像の輪郭強調を行い(ステップS3)、その輪郭線に色付けを行う(ステップS4)。
この状態で、例えば図2に示した十字キー40の操作によってフォーカスの調整操作が行われると(ステップS5)、その入力に対応してフォーカス制御を行う(ステップS6)。この際、フォーカス調整を行うにつれて輪郭がはっきりとしてくると、その部分が色をもって強調されることになる。
この後、例えば図2に示したセンタキー50が押されたり、シャッタボタン70が中途まで押されたり、あるいはキー入力が所定の時間(数秒)ない場合には、フォーカス調整が終了したと判断し(ステップS7)、輪郭強調表示の解除に移行し、輪郭強調レベルを標準状態に戻し(ステップS8)、色付けを消し(ステップS9)、手動調整モードを終了する(ステップS10)。
この状態で、シャッタボタン70を深か押しすることにより、調整したフォーカスによって被写体の撮像を行える。また、他の機能キーを押せば、他の処理に移行でき、再度、手動フォーカス調整が必要であれば、再び手動調整モードを選択する操作を行い、ステップS1に戻って再調整を行うことができる。
【0017】
図7は図6に示す手動調整モードの動作において領域抽出と拡大表示を行う拡大フォーカスモード選択時の動作を示すフローチャートである。
まず、所定キーの押圧操作によって拡大フォーカスモードが選択されると(ステップS11)、表示中の画像から指定された領域を抽出して拡大フォーカス表示を行う(ステップS12)。
そして、この拡大フォーカス表示に対応する輪郭強調を行う(ステップS13)。すなわち、予め通常フォーカスモードと拡大フォーカスモードとで異なる輪郭強調処理条件を設定しておき、拡大フォーカスモードが選択された場合には、その条件で輪郭強調を行う。なお、輪郭強調処理条件の設定は、例えば設定テーブル等によって登録しておき、モード選択によってテーブルごと切り換えるような方法が可能である。また、拡大の程度(倍率)に応じて複数の輪郭強調処理条件を設定しておき、選択された拡大フォーカスモードの内容に応じて使い分けるような構成も可能である。
次に、このような輪郭強調表示状態でフォーカスの調整が行われる(ステップS14)。この後、キー操作や時間経過によってフォーカス調整の完了が検出されると、輪郭強調表示の解除に移行する(ステップS15)。
【0018】
図8は輪郭強調処理条件の設定画面の例を示す説明図であり、輪郭線に沿って各画素に付与する色の設定方法を2通り示している。
図8(A)はカメラ使用時にメニュー画面を表示し、このメニューから輪郭強調の色選択画面300を選択し、この画面でピーキングの項目から色の選択を行う場合を示している。なお、選択の際には、十字キー40やセンタキー50を用いる。この方法は、簡易な設定方法である。
また、図8(B)はカメラの初期設定時等に用いる詳細なオプション設定画面を用いる場合を示している。例えば各種のオプション設定画面でピーキングの詳細設定画面310を選択することにより、詳細な設定を行う。なお、この場合も十字キー40やセンタキー50を用いて選択する。また、図8(A)による選択結果と図8(B)による選択結果は相互に更新され、統一的に設定されるものとする。
なお、同様の方法で設定することができる処理条件としては、画素の輝度変化や点滅の条件を挙げることができ、また上述した拡大フォーカスモード(倍率毎に設定可)や通常フォーカスモードに対応した処理条件を挙げることができる。
【0019】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は以上の例に限定されず、例えば以下のような変形か可能である。
例えば、上述の例では、マニュアルフォーカス時に輪郭強調を適用したが、マニュアルフォーカスのみでなくオートフォーカス時にも輪郭強調が実施され、強調レベルが調節できるようにしてもよい。また、輪郭強調レベルをカーソルキー等によるダイレクト操作で調整するようにしたが、それだけでなく、予め設定しておいた選択項目の操作によって選択できるようにしてもよい。
また、輪郭強調の調整動作として、一定時間を過ぎると輪郭強調レベルが段階的、あるいは連続的に変化し、最終的に輪郭強調のない画像に戻るといった方式も可能である。
また、拡大フォーカス処理を用いる場合に、フォーカス用の領域抽出画像を表示中は拡大フォーカス時の輪郭強調を行うものとしたが、その領域抽出画像の表示を終えて、元の全体画像の表示に戻る際に、通常フォーカス時の輪郭強調に自動的に戻るような手順を用いることも可能である。
また、以上の実施例では、本発明をデジタルスチルカメラに適用した場合について説明したが、本発明は他の撮像装置、例えばデジタルビデオカメラ等に同様に適用できるものである。
【0020】
以上のような本実施例により、次のような効果を得ることが可能である。
(A)各種の撮像装置において、フォーカス調整を容易に行うことができるようになる。
(B)輪郭強調レベルを調節することにより、フォーカス調整中に調整後の実際の画像を必要以上に汚すことなくフォーカスの確認をすることができる。
(C)輪郭強調レベルをダイレクトに操作することによってスピーディに設定を変更することができるため、フォーカス調整の決定までの時間が短縮される。
(D)輪郭強調画像の輪郭線に色を付けることにより、視認性が高まり、輪郭が強調されていることを直感的に判断できるようになる。
(E)輪郭強調画像の色を変更することにより、被写体と違う色を選択することが可能になり、被写体を選ばずに輪郭強調を行うことができる。
これらの作用効果により、フォーカス調整の調整時間の短縮を実現でき、かつ、確実なフォーカス調整を行える撮像装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例によるデジタルスチルカメラを示す後面図である。
【図2】図1に示すデジタルスチルカメラの十字キーの割り当てを示す
【図3】図1に示すデジタルスチルカメラの制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示すデジタルスチルカメラにおける輪郭強調処理の例を示す説明図である。
【図5】図1に示すデジタルスチルカメラにおける輪郭強調処理の例を示す説明図である。
【図6】図1に示すデジタルスチルカメラにおいて手動操作によってフォーカス調整と輪郭強調とを行う動作例を示すフローチャートである。
【図7】図1に示すデジタルスチルカメラにおいて拡大フォーカスモード選択時の動作を示すフローチャートである。
【図8】図1に示すデジタルスチルカメラにおける輪郭強調処理条件の設定画面の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0022】
10……筐体、20……大型液晶表示器、30……小型液晶表示器、40……カーソルキー(十字キー)、50……センタキー、60……操作キー、70……シャッタボタン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段におけるフォーカスをフォーカス指示信号に基づいて制御するフォーカス制御手段と、
前記撮像手段によって撮像された画像を表示する表示手段と、
前記撮像手段によって撮像された画像を輪郭強調指示信号に基づいて輪郭強調し、前記表示手段に供給する輪郭強調手段と、
前記フォーカス制御手段に入力するフォーカス指示信号を手動調整するフォーカス操作手段と、
前記輪郭強調手段に入力する輪郭強調指示信号を手動調整する輪郭強調操作手段と、
前記フォーカス操作手段と輪郭強調操作手段の双方の操作が有効となる手動調整モードを選択するモード選択手段と、
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記フォーカス操作手段と輪郭強調操作手段とを撮像装置の筐体に近接して配置したことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記モード選択手段によって手動調整モードが選択されていない状態で、前記フォーカス操作手段と輪郭強調操作手段が他の処理の操作手段として機能することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項4】
前記フォーカス操作手段はフォーカスを遠近方向に調整する2つのキーよりなり、前記輪郭強調操作手段は輪郭強調度の増減を調整する2つのキーよりなることを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
【請求項5】
前記フォーカス操作手段の2つのキーと輪郭強調操作手段の2つのキーを上下左右方向のカーソルキーの4つのキーに割り当てたことを特徴とする請求項4記載の撮像装置。
【請求項6】
前記手動調整モードが選択されて前記フォーカス操作手段及び輪郭強調操作手段によってフォーカス及び輪郭強調が手動操作された状態で、前記輪郭強調を解除する解除操作手段と、その後、前記撮像手段に撮像動作を実行させる撮像操作手段を有することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項7】
前記手動調整モードが選択されて前記フォーカス操作手段及び輪郭強調操作手段によってフォーカス及び輪郭強調が手動操作された状態で、所定時間後に前記輪郭強調を解除する自動解除手段と、その後、前記撮像手段に撮像動作を実行させる撮像操作手段を有することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項8】
予め複数の輪郭強調処理を設定する処理設定手段と、前記処理設定手段に設定されている輪郭強調処理を選択する処理選択手段とを有し、前記処理選択手段によって選択された輪郭強調処理に対応して前記輪郭強調操作手段による輪郭強調処理を行うことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項9】
前記輪郭強調操作手段による輪郭強調処理は画像の輪郭線に沿って各画素に色付けする処理を含むことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項10】
前記各画素に色付けする処理は輪郭の明瞭度に対応して各画素の色に濃淡を付与する処理を含むことを特徴とする請求項9記載の撮像装置。
【請求項11】
前記各画素に色付けする処理は輪郭の明瞭度に対応して各画素の色を変化させる処理を含むことを特徴とする請求項9記載の撮像装置。
【請求項12】
前記輪郭強調操作手段による輪郭強調処理は画像の輪郭線に沿って各画素の輝度を変化させる処理を含むことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項13】
前記輪郭強調操作手段による輪郭強調処理は画像の輪郭線に沿って各画素を点滅し、輪郭の明瞭度に対応して点滅の速度を変化させる処理を含むことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項14】
前記表示手段には画像表示用の大型表示器とビューファインダ用の小型表示器とを含み、前記撮像手段によって撮像した画像を各表示器に対応するフォーマットに変換して出力する画像処理手段を有することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項15】
前記撮像手段によって撮像した画像を外部の表示装置に出力する出力部を有し、前記画像処理手段は前記撮像手段によって撮像した画像を各表示器及び外部の表示装置に対応するフォーマットに変換して出力する画像処理手段を有することを特徴とする請求項14記載の撮像装置。
【請求項16】
被写体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段におけるフォーカスをフォーカス指示信号に基づいて制御するフォーカス制御手段と、
前記撮像手段によって撮像された画像を表示する表示手段と、
前記撮像手段によって撮像された画像を輪郭強調指示信号に基づいて輪郭強調し、前記表示手段に供給する輪郭強調手段と、
前記フォーカス制御手段に入力するフォーカス指示信号を手動調整するフォーカス操作手段と、
前記輪郭強調手段に入力する輪郭強調指示信号を手動調整する輪郭強調操作手段と、
予め複数の輪郭強調処理を設定する処理設定手段と、
前記撮像手段によって撮像された画像の部分領域を抽出し、前記表示手段に拡大表示するフォーカス領域抽出手段と、
前記撮像手段によって撮像された画像を前記フォーカス領域抽出手段を通して前記表示手段に表示する拡大フォーカス処理と、前記フォーカス領域抽出手段を通さずに前記表示手段に表示する通常フォーカス処理とを選択的に操作する表示操作手段と、
前記輪郭強調操作手段によって輪郭強調処理が実行される場合に、前記表示操作手段によって選択された処理が拡大フォーカス処理か通常フォーカス処理かによって前記処理設定手段に設定された輪郭強調処理を選択する処理選択手段と、
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項17】
前記処理設定手段は、拡大フォーカス処理と通常フォーカス処理とに対応して個別に処理条件を設定する設定テーブルを有し、前記処理選択手段は前記表示操作手段によって選択された処理が拡大フォーカス処理か通常フォーカス処理かによって前記設定テーブルを選択することを特徴とする請求項16記載の撮像装置。
【請求項18】
被写体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された画像を表示する表示手段と、
前記撮像手段によって撮像された画像を輪郭強調指示信号に基づいて輪郭強調し、前記表示手段に供給する輪郭強調手段と、
前記輪郭強調手段による輪郭強調処理の処理条件を設定する処理設定手段とを有し、
前記輪郭強調手段による輪郭強調処理は、画像の輪郭線に沿って各画素に色付けする処理を含む、
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項19】
前記各画素に色付けする処理は輪郭の明瞭度に対応して各画素の色に濃淡を付与する処理を含むことを特徴とする請求項18記載の撮像装置。
【請求項20】
前記各画素に色付けする処理は輪郭の明瞭度に対応して各画素の色を変化させる処理を含むことを特徴とする請求項18記載の撮像装置。
【請求項21】
前記各画素に色付けする色を選択する色選択手段を有することを特徴とする請求項18記載の撮像装置。
【請求項22】
前記輪郭強調操作手段による輪郭強調処理は画像の輪郭線に沿って各画素の輝度を変化させる処理を含むことを特徴とする請求項18記載の撮像装置。
【請求項23】
前記輪郭強調操作手段による輪郭強調処理は画像の輪郭線に沿って各画素を点滅し、輪郭の明瞭度に対応して点滅の速度を変化させる処理を含むことを特徴とする請求項18記載の撮像装置。
【請求項24】
前記各画素に色付けする色及び点滅の条件を選択する色選択手段を有することを特徴とする請求項23記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−28380(P2007−28380A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−209937(P2005−209937)
【出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】