説明

撮像装置

【課題】 音声記録中に撮像装置内部で発生する雑音がいっしょに記録されてしまう。
【解決手段】 雑音発生源であるレンズユニットと接触するミラーボックスに雑音記録用マイクを接触して配置することで、カメラ外装に設けられた集音用開口部を通って音声記録用マイクに入力される音声から雑音記録用マイクで集音した撮像装置内部で発生する雑音成分を減算処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置に関し、特に音声記録が可能な撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子カメラにおいて、記録媒体としての半導体メモリ等の低価格化や、カメラ内部における信号処理速度の高速化等に伴って、簡易的な動画像の記録および再生を行うことが比較的容易になってきている。そこで、近年普及している電子カメラでは、静止画像および動画像の記録および再生機能だけでなく、これに加えて音声情報の記録および再生機能を備えて構成されるものがある。このような構成の電子カメラでは、静止画像、動画像および音声情報は共に電気信号に変換された後、所定の形態のデータとして所定の記録媒体に記録されるようになっているのが一般的である。電子カメラにおいて音声入力手段であるマイクを利用する場合には、例えば、動画記録の際に同時録音を行う場合や、静止画記録中又は静止画記録直後の所定時間内にその静止画像に関する覚え書き的な音声記録(いわゆるボイスメモ)等を行なう場合が挙げられる。
【0003】
ところで、一般的な電子カメラでは撮影動作を行う際にさまざまな作動音が発生する。一般的な電子カメラでは撮影動作を行う際に、複数の撮影レンズを保持する枠部材の一部を光軸方向に向けて適宜移動させることにより変倍動作や、撮影レンズの一部を駆動制御することにより合焦動作等を実行し得るようになっている。これらの撮影動作を行う際には、駆動モータ自体や当該駆動モータの駆動力を伝達するための駆動力伝達手段等から発生する駆動音や、撮影レンズを保持する移動枠部材等が移動する際の摺動音等の機械的な作動音等が発生することになる。
【0004】
また、一眼レフタイプの電子カメラ(以下、デジタル一眼レフカメラ)に着脱可能に装着される一般的な撮影レンズには、撮影レンズに入射する光線束の径を連続して調整する複数枚の絞り羽根から構成される絞り機構が組み込まれている。そして、レンズ鏡筒に設けられた絞りリングを回転したり、電子カメラの電子ダイヤル等によってコントロールすることによって絞りの径を変える構造となっている。絞り動作を行う際には、絞り羽根を駆動する駆動モータ自体や当該駆動モータの駆動力を伝達するための駆動力伝達手段等から発生する駆動音や絞り羽根同士が擦れることにより発生する摩擦音等が発生することになる。
【0005】
また、一般的な電子カメラには、撮影の開始を指示するレリーズボタンやレンズの変倍動作を指示するズームボタン、設定項目の変更を行う電子ダイヤル等の操作部材がカメラ本体の外装に配置されている。これらの操作部材を操作する際には、操作機構から発生する作動音がカメラ本体の外装を伝達する。
【0006】
したがって、撮影動作を実行する際に同時に音声情報の記録を行おうとすると、上述した機械的作動音等がマイクへと入力されてしまうことがある。こうした機械的作動音等は、撮影者が記録することを望まない種類の音声情報であることから雑音(ノイズ)とされ、電子カメラの音声記録時にはこうした雑音を低減することが望まれている。
【0007】
そのため、音声記録機能を有する電子カメラでは動画像を記録する際に、駆動モーターおよび駆動力伝達手段等から発生する駆動音や摺動音、摩擦音などの雑音が入らないように撮影レンズの変倍動作、合焦動作や絞り機構の絞り動作を停止又は抑制させている。あるいは、音声に入る雑音を許容してそれらを動作させている。
【0008】
しかし、雑音が記録されることを避けるために撮影レンズの変倍動作や合焦動作を停止又は抑制させると、撮影シーンが限定されてしまうという問題が生じる。また、撮影レンズの変倍動作や合焦動作を動作させると、雑音が録音されてしまうという問題が解決されない。
【0009】
そこで、特許文献1には、音声を電気信号に変換する第1の録音手段と、各駆動装置から発する雑音を電気信号に変換する第2の録音手段を有し、第1の録音手段で得られた音声から第2の録音手段で得られた雑音成分を減算する電子カメラが提案されている。
【特許文献1】特開2005−244613号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1では、ズームレンズの変倍動作や撮影レンズの合焦動作から発生する雑音の低減については述べられているが、上述した操作機構から発生する作動音などの電子カメラから発生するその他の雑音の低減については考慮されていない。
【0011】
本発明はそのような問題を解決するためになされたものであり、撮像装置で発生する雑音を低減した音声記録を行うことができる撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の撮像装置は、音声記録が可能な撮像装置であって、レンズユニットと、前記レンズユニットと接触する筐体部と、集音用開口部が設けられた外装部材と、前記集音用開口部を通って入力される音声を電気信号に変換する第一のマイクと、前記筐体部に接触して配置され、前記撮像装置で発生する音を電気信号に変換する第二のマイクと、前記第二のマイクにより得られた電気信号を用いて、前記第一のマイクにより得られた電気信号から前記撮像装置で発生する音の成分を減算し出力する信号処理手段と、を有し、前記第一のマイクは、前記第二のマイクより前記集音用開口部の近傍に配置されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、撮像装置で発生する雑音を低減した音声記録を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第一の実施形態)
図1は本発明の第一の実施形態におけるデジタル一眼レフカメラの基本構成を説明するための縦断面概略図である。
【0015】
1はカメラ外装(外装部材)、2はミラーボックス(筐体部)であり、ミラーボックス2にはレンズ装着部であるマウント2aが設けられており、マウント2aにレンズユニット3を直接装着することができる。また、ミラーボックス2は後述のシャッター5、AFセンサ8、主ミラー4なども直接取り付けられている。マウント2aはレンズユニット3と各種信号を通信したり、駆動電源を供給するためのインターフェイス部を有する。
【0016】
3はカメラ本体に着脱可能なレンズユニットであり、内部にフォーカスレンズ群やズームレンズ群を含むレンズ群3a、複数枚の絞り羽根から成る絞り装置3bを有している。図1ではフォーカスレンズ群やズームレンズ群を便宜上1枚のレンズで図示したが、実際には多数のレンズが複雑に組み合わされて構成されている。レンズ群3aおよび絞り装置3bは、レンズユニット3内に内蔵される不図示の駆動モーターにより駆動される。駆動モーターはマウント2aのインターフェース部を介してカメラ本体より電子制御される。
【0017】
撮影動作時には、駆動モーターの駆動音、駆動モーターの駆動力をレンズ群3aおよび絞り装置3bに伝達するギヤなどの駆動力伝達機構が発する機構音、絞り装置3bの複数枚の絞り羽根同士が擦れて発する摩擦音などの雑音がレンズユニット3から発生する。レンズユニット3から発生した雑音は、レンズユニット3に接しているマウント2aからミラーボックス2に伝達し、この伝達した雑音をミラーボックス2に接する雑音記録用マイク16(第二のマイク)が集音する。このように雑音発生源であるレンズユニット3が直接取り付けられる部材に雑音記録用マイク16を接触して配置することで、他の部位に配置する場合よりも効果的にレンズユニット3からの雑音を集音することができる。すなわち、雑音記録用マイク16はミラーボックス2に直接取り付けられることで、ミラーボックス2に接触して集音することができる。
【0018】
4はハーフミラーで構成された主ミラーであり、ミラーボックス2に回動自在に取り付けられている。主ミラー4はカメラの動作状態に応じて回動可能となっている。主ミラー4は、撮影者が被写体像をファインダーで確認する時は撮影光路へ斜設されてレンズユニット3からの光束を後述のファインダー光学系へ導く。一方、撮影する時には、主ミラー4が撮影光路から退避するので、レンズユニット3からの光束は主ミラー4で反射することなく後述の撮像素子6へ導かれる。
【0019】
5はレンズユニット3からの光束が後述の撮像素子6へ入射するのを制御するためのシャッターである。動画撮影中はシャッター5は開口しており、光束は撮像素子6に入射している。なお、静止画撮影を行うとシャッター5が不図示の駆動モーターにより駆動され、駆動モーターおよび駆動力をシャッター5に伝達するギヤなどの駆動力伝達機構から駆動音や機構音などの雑音が発生する。シャッター5を駆動させることで発生する雑音も、シャッター5が直接取り付けられるミラーボックス2を介して雑音記録用マイク16で集音する。このように雑音発生源であるシャッター5が直接取り付けられる部材に雑音記録用マイク16を接触して配置することで、他の部位に配置する場合より、より効果的にシャッター5からの雑音を集音することができる。
【0020】
6はCMOSセンサーを用いた撮像素子であり、レンズユニット3を透過した光束を画像信号に変換蓄積する。
【0021】
7は主ミラー4とともに回動するサブミラーであり、主ミラー4が撮影光路へ斜設されているときは主ミラー4を透過した光束を後述のAFセンサ8へ導く。一方、主ミラー4が撮影光路から退避しているときはサブミラー7も主ミラー4と一体となって退避し、光束を後述の撮像素子6へ導く。
【0022】
8はAFセンサであり、2次結像レンズや複数のCCDからなるエリアセンサ等から構成されており、周知の位相差方式で焦点検出可能となっている。
【0023】
9はレンズユニット3の一次結像面に配置されたピント板であり、入射面にはフレネルレンズ(集光レンズ)が設けられ、射出面には被写体像(ファインダー像)が結像している。
【0024】
10はファインダー光路変更用のペンタプリズムであり、ピント板9の射出面に結像した被写体像を正立正像に補正する。
【0025】
11、12は接眼レンズである。ここで、ピント板9、ペンタプリズム10、接眼レンズ11、12により構成されている光学系をファインダー光学系と称する。
【0026】
13はAEセンサであり、多分割された撮影画面内の各領域に対応したフォトダイオードから構成されており、ピント板9の射出面に結像した被写体像の輝度を測定する。
【0027】
14は撮影した画像や各種の撮影情報を表示する液晶モニタである。
【0028】
15はカメラの音声録音時にカメラ周囲の音声を集音し音声信号に変換する音声記録用マイク(第一のマイク)である。
【0029】
音声記録用マイク15はカメラ外装1に設けられたマイク収納部に固定されている。マイク収納部の外観側の面には、カメラ周囲の音声を効果的に収集できるように集音用開口部が設けられている。なお、集音用開口部を雑音記録用マイク16から離れた位置に設けることで、雑音記録用マイク16で集音されるカメラ周囲の音声を低減させることができる。雑音記録用マイク16で集音される音声に含まれるカメラ周囲の音声を低減させることで、後述する演算器23の処理によりカメラ周囲の音声から雑音を効果的に除去または低減することができる。
【0030】
また、カメラ外装1に設けられた集音用開口部と雑音記録用マイク16との間に遮音部材としてマイク収納部の壁が設けられているので、雑音記録用マイク16に集音されるカメラ周囲の音声をさらに低減させることができる。このとき、音声記録用マイク15は、集音用開口部と雑音記録用マイク16との間に設けられた壁より集音用開口部の近傍に配置されているので、カメラ周囲の音声を効果的に収集できる。
【0031】
次に、本発明の第一の実施形態のデジタル一眼レフカメラにおいて、動画撮影時に発生する雑音を低減するための具体的な構成と動作について図2を用いて説明する。
【0032】
図2は本発明の第一の実施形態におけるデジタル一眼レフカメラのシステム構成の一部を示すブロック図である。
【0033】
音声記録用マイク15および雑音記録用マイク16から得られた音声信号は不図示のA/D変換器によりデジタル変換され、それぞれ音声フィルタ21,28を通してアンプ22,29に入力される。ここで、音声記録用マイク15の音声フィルタ21は音声に適した周波数特性を、一方雑音記録用マイク16の音声フィルタ28は雑音発生源から発生する雑音に適した周波数特性に設定されている。またアンプ22,29の利得は利得制御回路27にて適切なレベルに制御され、演算器23で演算される。演算器23は、音声記録用マイク15側の入力信号から雑音記録用マイク16側の入力信号を減算するような回路構成になっている。信号処理回路24では演算器23で演算された音声信号を音声ファイルフォーマットに変換し出力する。また、撮像素子6で取得された動画像信号はA/D変換器30によりデジタル変換され、メモリコントローラ25において音声信号と関連付けられ音声付き動画像信号となる。そして、音声付き動画像信号はメディアカードなどの記録媒体に書き込むための記録装置26へ送信される。
【0034】
以上述べたように、雑音発生源であるレンズユニット3およびシャッター5が直接取り付けられているミラーボックス2に雑音記録用マイク16を接触させて配置している。そのため、他の位置に配置する場合よりも効果的にレンズユニット3およびシャッター5から発生する雑音を集音することができ、雑音記録用マイク16で集音した雑音を利用して音声記録用マイク15で集音した音声から雑音を除去または低減することができる。
【0035】
なお、本実施形態では、ミラーボックス2に雑音記録用マイク16を接触させて配置したが、絞り兼用シャッターがレンズ鏡筒内に保持されるコンパクトカメラでは、レンズ鏡筒に雑音記録用マイク16を接触させて配置することで同様の効果を奏することができる。
【0036】
また、雑音発生源である部材を直接取り付けた部材であれば、ミラーボックス2以外の部材に雑音記録用マイク16を接触させて配置しても同様の効果が得られることは勿論である。
【0037】
(第二の実施形態)
以下、本発明の第二の実施形態を図面を参照しながら説明する。第二の実施形態では、第一の実施形態で考慮した雑音だけでなく、音声記録中の操作に用いる操作部材から発生した雑音も効果的に集音できる位置に雑音記録用マイクを配置する。
【0038】
まず、図3および図4を用いて本発明の第二の実施形態におけるデジタル一眼レフカメラの構成を説明する。図3は本発明の第二の実施形態におけるデジタル一眼レフカメラの縦断面概略図である。図3において、図1と同一の部分については同じ符号をつけて説明を省略し、差異のある部分のみを説明する。
【0039】
図3のミラーボックス32は図1のミラーボックス2に比べ前面(被写体側)部分が上方向に延出されている。雑音記録用マイク46はその延出部分に接触して配置される。また、ミラーボックス32に取り付けられた雑音記録用マイク46はカメラ外装31にも接触して配置される。したがって、雑音記録用マイク46はミラーボックス32とカメラ外装31との間に挟み込まれるように配置される。
【0040】
このような構成にするのは、雑音記録用マイク46をミラーボックス32およびカメラ外装31に接し得る領域で、かつ動画撮影中の操作に用いる操作部材の近傍の位置に配置するためである。なお、動画撮影中の操作に用いる操作部材とは、カメラの各設定項目を変更するための電子ダイヤル47および動画撮影の開始・停止を指示するレリーズボタン48などである。電子ダイヤル47およびレリーズボタン48などの操作部材はカメラ外装31に固定されている。
【0041】
第一の実施形態と同様に、雑音発生源であるレンズユニット3が直接取り付けられる部材に雑音記録用マイク46を接触配置することで、他の部位に配置する場合よりも効果的にレンズユニット3から発生した雑音を集音することができる。また、電子ダイヤル47およびレリーズボタン48などの操作部材が取り付けられるカメラ外装31に雑音記録用マイク46を接触配置することで、他の部位に配置する場合よりも効果的に操作部材で発生した雑音を集音することができる。
【0042】
なお、ミラーボックス32の形状がミラーボックス2とは異なるが、マウント32aは図1のマウント2aと同じ位置に配置される。
図1の音声記録用マイク15が配置されていた位置にはミラーボックス32があるため、音声記録用マイク45を収納するマイク収納部は図1のマイク収納部よりも上の位置に設けられる。それに合わせて、カメラ外装31の集音用開口部も図1のカメラ外装1の集音用開口部より上の位置に設けられる。なお、カメラ外装31に設けられた集音用開口部と雑音記録用マイク46との間にマイク収納部の壁を設けたので、雑音記録用マイク46が集音用開口部のそばに配置されていても、雑音記録用マイク46に集音されるカメラ周囲の音声を低減させることができる。
【0043】
図4は本発明の第二の実施形態におけるデジタル一眼レフカメラの撮影レンズを取り外した状態の正面図である。
【0044】
図4に示すように雑音記録用マイク46は、ミラーボックス32とカメラ外装31との両方に直接接触するとともに、電子ダイヤル47およびレリーズボタン48などの動画撮影中の操作に用いる操作部材に近い位置に配置されている。
【0045】
電子ダイヤル47およびレリーズボタン48などの操作部材はカメラ外装31に取り付けられており、動画撮影中に操作部材が操作されるとその操作音がカメラ外装31を伝達する。このカメラ外装31を伝達した操作部材の操作音を雑音記録用マイク46が集音し、音声信号に変換する。このように雑音発生源である操作部材が配置されるカメラ外装31に雑音記録用マイク46を接触させ、かつ操作部材の近傍に配置することで、他の部位に配置する場合よりも効果的に操作部材で発生する雑音を集音することができる。
【0046】
49はカメラ本体に取り付けられたレンズユニット3を取り外す際に操作するレンズリリースボタンである。50は撮影者が非撮影時にファインダー光学系を使用して被写体を観察している際に、レンズユニット3の絞り機構3bの絞り込み駆動を行うための絞り込みボタンである。
【0047】
なお、レンズリリースボタン49および絞り込みボタン50も操作時に雑音が発生するが、レンズリリースボタン49および絞り込みボタン50は非撮影時に操作するものであり動画撮影中に使用する必要がない。そのため、レンズリリースボタン49および絞り込みボタン50よりも動画撮影中に使用する頻度が多い電子ダイヤル47およびレリーズボタン48から発生する雑音を効果的に集音することができる位置に雑音記録用マイク46を配置している。
【0048】
本発明の第二の実施形態における雑音低減の具体的な構成と動作については、第一の実施形態と同様なので説明は省略する。
【0049】
以上述べたように、雑音発生源であるレンズユニット3が直接取り付けられているミラーボックス32に接触させて雑音記録用マイク46を配置している。さらに、雑音発生源である操作部材が取り付けられているカメラ外装31と接触し、かつ操作部材の近傍に雑音記録用マイク46を配置している。そのため、他の位置に配置する場合よりも効果的にレンズユニット3および操作部材で発生する雑音を集音することができ、雑音記録用マイク46で集音した雑音を利用して音声記録用マイク45で集音した音声から雑音を除去または低減することができる。
【0050】
さらに、レンズユニット3および操作部材から発生する雑音を集音するために雑音記録用マイク46を1つだけ配置している。そのため、レンズユニット3が直接取り付けられているミラーボックス32と操作部材が取り付けられているカメラ外装31にそれぞれ1つずつ雑音記録用マイク46を配置するよりも部品点数が少なく、実装スペースも小さくできる。
【0051】
なお、本実施形態では、電子ダイヤルおよびレリーズボタンを動画撮影中に操作される操作部材としているが、動画撮影中に操作される操作部材がそれ以外であっても、その近傍に雑音記録用マイク46を配置することで同様の効果を得ることが可能である。
【0052】
なお、上述の二つの実施形態では、レンズユニットが交換可能なデジタル一眼レフカメラについて説明したが、レンズ一体型のデジタル一眼レフカメラであってもよい。
【0053】
また、動画撮影以外の動作であっても、音声記録が可能であり音声記録中の操作によって動画撮影の場合と同じ要因で撮像装置から雑音が発生するのであれば、撮像装置で発生する雑音を低減した音声記録を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第一の実施形態におけるデジタル一眼レフカメラの縦断面概略図である。
【図2】本発明の第一の実施形態におけるデジタル一眼レフカメラのシステム構成の一部を示すブロック図である。
【図3】本発明の第二の実施形態におけるデジタル一眼レフカメラの縦断面概略図である。
【図4】本発明の第二の実施形態におけるデジタル一眼レフカメラのレンズユニットを取り外した状態の正面図である。
【符号の説明】
【0055】
1、31 カメラ外装
2、32 ミラーボックス
3 レンズユニット
4 主ミラー
5 シャッター
6 撮像素子
7 サブミラー
8 AFセンサ
9 ピント板
10 ペンタプリズム
11、12 接眼レンズ
13 AEセンサ
14 液晶モニタ
15、45 音声記録用マイク
16、46 雑音記録用マイク
47 電子ダイヤル
48 レリーズボタン
49 レンズリリースボタン
50 絞り込みボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声記録が可能な撮像装置であって、
レンズユニットと、
前記レンズユニットと接触する筐体部と、
集音用開口部が設けられた外装部材と、
前記集音用開口部を通って入力される音声を電気信号に変換する第一のマイクと、
前記筐体部に接触して配置され、前記撮像装置で発生する音を電気信号に変換する第二のマイクと、
前記第二のマイクにより得られた電気信号を用いて、前記第一のマイクにより得られた電気信号から前記撮像装置で発生する音の成分を減算し出力する信号処理手段と、を有し、
前記第一のマイクは、前記第二のマイクより前記集音用開口部の近傍に配置されることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記集音用開口部と前記第二のマイクとの間に遮音部材を有し、
前記第一のマイクは、前記遮音部材より前記集音用開口部の近傍に配置されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記外装部材は、前記第一のマイクを収納する収納部を有し、
前記収納部は、外観側の面に前記集音用開口部を設けたことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
音声記録中の操作に用いる操作部材を有し、
前記第二のマイクは、前記操作部材の近傍に配置されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
音声記録中の操作に用いる操作部材を有し、
前記操作部材は、前記外装部材に配置されており、
前記第二のマイクは、前記外装部材に接触して配置されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記第二のマイクは、前記第一のマイクよりも前記操作部材の近傍に配置されることを特徴とする請求項4または5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記レンズユニットは、前記筐体部に着脱可能であり、
前記筐体部は、前記レンズユニットを直接装着するレンズ装着部を有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−253676(P2009−253676A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−99305(P2008−99305)
【出願日】平成20年4月7日(2008.4.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】