説明

撮像装置

【課題】意図した撮影が出来ない場合であっても、適切な露出条件の画像データを取得する。
【解決手段】撮像装置は、発光して光を被写体に照射するストロボ発光装置31と、被写体の像を画像データとして取得する撮像素子12と、ストロボ発光装置の発光条件をマニュアル設定する設定手段41b、41cと、設定手段が設定した発光条件で、ストロボ発光装置を発光させて撮像素子から第一の画像データを取得する制御手段14と、第一の画像データ中の所定数より多い画素が飽和しているか判定する判定手段と、を備える。制御手段は、判定手段が第一の画像データ中の所定数より多い画素が飽和していると判定した場合、ストロボ発光装置の発光を禁止して再度撮像素子から第二の画像データを取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ストロボの発光をマニュアル設定して撮影動作が可能な撮像装置に関する。特に、白飛びや黒つぶれがない画像データの取得が可能な撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラで使用可能なストロボは、被写体の条件に応じて適切な発光量でキセノン(Xe)管を発光させる(非特許文献1のp276〜p292に記載)。従って、ユーザはストロボの発光条件を手動で設定しなくてもよい。また、ストロボは、一般にカメラ本体に内蔵されてユーザの利便性を高めている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】豊田賢二著、「デジタル一眼レフがわかる」、初版、株式会社技術評論社、平成20年8月5日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カメラが自動的に設定する条件(ストロボの発光の有無、ストロボの発光量)における撮影に満足出来ず、手動(マニュアル)で条件を設定して撮影を試みるユーザも存在する。手動で条件を設定して撮影した画像がカメラ任せの撮影で得られた画像より良い場合も存在する。またユーザの作画意図によっては手動設定が好ましい時も存在する。しかし、ユーザが意図した画像が得られない時は、ユーザは撮影チャンスを失う可能性もある。例えばストロボ発光量が適切で無いと取得された画像に白飛び(一定以上の明るさの被写体が真っ白に塗りつぶされてしまう現象)や黒つぶれ(一定以下の明るさの被写体が真っ黒に塗りつぶされてしまう現象)生じることがある。
【0005】
本発明の目的は、ユーザの意図で手動設定される条件での撮影を尊重すると共に意図した撮影が出来ない場合であっても、適切な露出条件の画像データを取得することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様に係る撮像装置は、発光して光を被写体に照射するストロボ発光装置と、前記被写体の像を画像データとして取得する撮像素子と、前記ストロボ発光装置の発光条件をマニュアル設定する設定手段と、前記設定手段が設定した前記発光条件で、前記ストロボ発光装置を発光させて前記撮像素子から第一の画像データを取得する制御手段と、前記第一の画像データ中の所定数より多い画素が飽和しているか判定する判定手段と、を備える。前記制御手段は、前記判定手段が前記第一の画像データ中の所定数より多い画素が飽和していると判定した場合、前記ストロボ発光装置の発光を禁止して再度前記撮像素子から第二の画像データを取得する。
【0007】
本発明の別の態様に係る撮像装置は、発光して光を被写体に照射するストロボ発光装置と、前記被写体の像を画像データとして取得する撮像素子と、前記ストロボ発光装置の発光条件をマニュアル設定する設定手段と、前記設定手段が設定した前記発光条件で、前記ストロボ発光装置を発光させて前記撮像素子から第一の画像データを取得する制御手段と、前記第一の画像データ中の所定数より多い画素の画素値が最低値であるか判定する判定手段と、を備える。前記制御手段は、前記判定手段が前記第一の画像データ中の所定数より多い画素の画素値が最低値であると判定した場合、前記ストロボ発光装置の発光量を変えて再度前記撮像素子から第二の画像データを取得する。
【発明の効果】
【0008】
ユーザの手動操作でストロボの発光条件が設定され、撮影が実行された際に、ユーザの意図した画像データが取得出来ない場合であっても、予備撮影動作(第二の画像データを取得すること)により適切な露出条件の画像データを取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】撮像装置(電子カメラ)の構成を示す概略構成図である。
【図2】第一実施形態に係る撮影動作を示すフローチャートである。
【図3】メモリカードのディレクトリ情報を例示する図である。
【図4】第二実施形態に係る撮影動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第一実施形態]
図1は、撮像装置としての電子カメラ10(デジタルカメラ)の構成を示すブロック図である。
【0011】
カメラ10は、一つ以上のレンズ要素から構成される光学系11を有する。光学系11は、カメラ外部から取り込んだ光を撮像素子12に結像する。撮像素子12は、光学系11により撮像素子12に結像された光学像を電気信号に変換する。撮像素子12は、CCD(電荷結合素子)センサ、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)センサ等から構成される。撮像素子IF(インターフェース)回路13は、撮像素子12からの電気信号をさらにデジタル信号に変換し画像データを生成する。撮像素子IF回路13からの画像データはカメラコントローラ14(制御手段)によって取り込まれ圧縮処理(例えばJPEG圧縮)等された後で、メモリーカード15に記憶される。
【0012】
カメラコントローラ14は、中央演算処理装置(CPU)等を有し、メモリカード15、SDRAM16、FlashRom17、USBデバイスコントローラ18とバスを介して接続される。SDRAM16は、一時的に各種データを記憶するために使用され、FlashRom17には、カメラコントローラ14が実行する各種プログラムが記憶されている。USBデバイスコントローラ18は、カメラ10をUSBデバイスとして機能させるために使用され、USBポート19を介した外部機器とのUSBによる通信を管理する。
【0013】
カメラ10は、光学系11のレンズ要素を操作して光学系11の焦点距離を調整するレンズ駆動機構21を有する。カメラコントローラ14は、レンズ駆動機構21をレンズ駆動回路22を介して制御する。
【0014】
カメラ10は、ストロボ光(閃光)を照射するストロボ発光装置31を有する。ストロボ発光装置31は、例えばキセノン(Xe)管から構成される。ストロボ発光装置31は、DC/DCコンバータ32により電圧を供給される。カメラコントローラ14は、ストロボ制御回路33を介して、DC/DCコンバータ32の動作を制御し、ストロボ発光装置31の発光量を制御できる。本実施形態ではストロボ発行装置31をカメラ10に内蔵した形態を開示しているが、ストロボ発行装置31は、アクセサリとしてカメラに着脱可能なストロボ発光装置であってもかまわない。
【0015】
カメラ10は、表示回路35、液晶モニタ36を有する。表示回路35は、カメラコントローラ14に接続し、液晶モニタ36に表示する画像やメニューのビデオ信号を作成する。
【0016】
カメラ10は、カメラ操作スイッチ(スイッチ群)41を備えている。カメラ操作スイッチ41は、シャッターを操作するためのレリーズスイッチ(レリーズボタン)41aを含む。レリーズスイッチ41aは、半押しされると、自動焦点調整動作(AF)と測光動作が開始され、全押しされると、撮像素子12から画像データが取得されメモリーカード15に記憶・格納される。
【0017】
また、カメラ操作スイッチ41は、発光量(ガイドナンバー)を設定するための発光量設定スイッチ(ガイドナンバー設定スイッチ)41b、発光モードとして強制発光モードを選択するための強制発光スイッチ41cを含む。カメラ操作スイッチ41からの信号はカメラコントローラ14に送られる。なお、発光量設定スイッチ41bと強制発光スイッチ41cは、液晶モニタ36に表示される発光モード設定メニュー、発光量設定メニューの選択のためのカーソルキーや決定キー等に対応する場合もある。発光量設定スイッチ41b及び/又は強制発光スイッチ41cは、ストロボ発光装置31の発光条件をマニュアル設定する設定手段となる。
【0018】
カメラ10は、二次電池50を有する。二次電池50の出力は、電源回路51のDC/DCコンバータで所定の電圧に変換されて、カメラ10の各回路の電源ラインに供給される。
【0019】
図2は、カメラの動作を示すフローチャートであり、カメラコントローラ14が実行する撮影動作を示す。
【0020】
ステップS100において、強制発光スイッチ41cが操作されたか否か判定される。強制発光スイッチ41cが操作された場合、処理はS102へ移行する。操作されていない場合、処理はS104へ移行する。
【0021】
ステップS102において、強制発光モードが設定されていない場合、強制発光モードが設定され、強制発光モードが設定されている場合、強制発光モードが解除される。強制発光モードは、必ずストロボ発光装置31が発光して撮影がなされるモードである。ストロボ発光装置31の強制発光モードの発光量は、カメラコントローラ14が設定する。被写体が逆光状態のときに、ユーザは強制発光モードを選択することが望ましい。しかし、必ずしもストロボ発光装置31の発光が必要でない撮影シーンで、ユーザが強制発光モードを選択すると白飛び(いくつかの画素が飽和すること)が発生する虞がある。この発光モードの設定動作は、ストロボ発光装置31の発光条件をマニュアル設定(手動設定)するマニュアル設定動作の一つである。
【0022】
ステップS104において、発光量設定スイッチ41bが操作されたか否か判定される。操作された場合は、処理はS106へ移行し、操作されていない場合は、処理はS108へ移行する。
【0023】
ステップS106において、発光量設定スイッチ41bの操作に応じてストロボ発光装置31の発光量(ガイドナンバー)が設定される。ユーザは、設定される発光量を被写体輝度、被写体距離、光学系11(レンズ)の明るさ(Fno)、撮像素子12の感度(ISO感度)等を考慮して設定する。発光量が適切でないと白飛びが発生する虞がある。この設定動作は、ストロボ発光装置31の発光条件をマニュアル設定するマニュアル設定動作の一つである。
【0024】
ステップS108において、レリーズスイッチ41aが操作されたか否か判定される。操作された場合、処理はS110へ移行する。操作されていない場合、処理はS100へ移行する。
【0025】
ステップS110において、撮影準備動作の一つである自動焦点(AF)調整を行う。撮像素子12から得られたライブビュー用画像データを用いてコントスト方式の焦点調整動作が行われる。具体的には、ライブビュー画像に基づいてコントラストのピーク位置へレンズ位置が設定される。なお、ライブビュー用画像データは、画像ファイルが生成される本撮影の前に撮像素子12から周期的に取得され、液晶モニタ36に表示されるものである。
【0026】
ステップS112において、撮影準備動作の一つである測光動作を行う。撮像素子12から得られたライブビュー用画像データを用いて被写体の輝度情報、色情報が検出される。これらの情報に基づき露光条件(シャッター速度や絞り値等)が設定される。
【0027】
ステップS114において、S106において発光量が発光量設定スイッチ41bを用いてマニュアル設定されているか否かの判定がなされる。発光量が設定されている場合、処理はS124へ、設定されていない場合、処理はS116へ移行する。
【0028】
ステップS116において、S112で設定された露光条件からストロボ発光装置31の発光が必要か否か判定される。この判定動作では被写体の条件(逆光の有無)、手ブレ発生のし易さ等が考慮される。例えば、逆光の有無は、撮像素子12上での被写体輝度の分布(撮像素子12の画素値分布)に基づいて判断できる。手ブレ発生のし易さは、撮像素子12の感度、露光条件として設定されたシャッター速度、光学系11の焦点距離等に基づいて判断される。ストロボ発光装置31の発光が必要と判定される場合、処理はS122へ移行し、必要ないと判定される場合、処理はS118へ移行する。
【0029】
ステップS118において、強制発光モードが設定されているか否か判定される。ストロボ発光装置31の発光が必要ないとカメラコントローラ14が判定しても、ユーザが強制発光モードを選択した場合にはストロボ発光装置31を発光する必要がある。強制発光モードが設定されている場合は、処理はS122へ移行し、設定されていない場合、処理はS120へ移行する。
【0030】
ステップS120において、S112で設定された露光条件で撮像素子12の露出制御を行う。この露出中はストロボ発光装置31が発光することはない。そしてS126へ処理は移行する。
【0031】
ステップS122において、ストロボ発光装置31を所定の発光量でプリ発光(予備発光)して撮像素子12を露光する。この動作で得られた画像データに基づき本発光の場合の発光量(ガイドナンバー)が算出される。
【0032】
ステップS124において、S112で設定された露光条件で撮像素子12の露出制御を行う。この露出中にストロボ発光装置31が本発光される。この場合の発光量(ガイドナンバー)は、S106でマニュアル設定された値、或はS122でカメラコントローラ14が自動設定した値の何れかである。
【0033】
ステップS126において、撮像素子12から画像データ(第一の画像データ)を読み込み、画像ファイルが生成される。
【0034】
ステップS128において、画像ファイルは、DCF(Design rule for Camera File system)規格に準拠したファイル名が付与されてメモリカード15(記憶媒体)へ格納される。
【0035】
図3は、メモリカードのディレクトリ情報を示した例である。図3(a)では、「*1」で示すようにDCF規格に準拠して作成されたフォルダ(DCIM、100OLY)が生成されている。更に、フォルダの100OLYには、DCF規格に準拠して作成された名称の画像ファイル(Pxxx001.jpg、Pxxx002.jpg、〜Pxxx011.jpg、Pxxx012.jpg)が格納される。
【0036】
ステップS130において、マニュアル設定(手動設定)された発光量に基づきストロボ発光装置31が発光した際にはS132へ移行する。或は、強制発光モードが設定されてストロボ発光装置31が発光した際にもS132へ移行する。これら二つの条件以外の発光条件で発光が行われた、或は発光自体が行われていないならば、撮影動作に係る処理は終了する。
【0037】
ステップS132において、画像データに白飛びが生じていないか判定される。白飛びが生じていない場合、撮影動作に係る処理は終了する。白飛びが生じている場合、処理はS134へ移行する。例えば、白飛びは、画像データにおいて飽和している画素の数が第一の所定数より多い状態としてよい。ここで、飽和とは、画素値が飽和値(最大値)であることをいう。また、例えば、第一の所定数は、画像データ中の全画素数のゼロから数%の値とし、全画素数から決められてよい。このステップS132は、判定手段を構成する。
【0038】
ステップS134において、バックアップ露光動作(予備撮影動作)が実行される。この場合、ストロボ発光装置31の発光は禁止される。このときの露光条件はストロボ発光装置31が発光しなくても適正な画像データが得られる条件に設定される。例えば、撮像素子12の感度を上げて、S112と同様に測光動作により露光条件(シャッター速度や絞り値等)を設定しても良い。
【0039】
ステップS136において、画像データ(第二の画像データ)を撮像素子12から取得し、バックアップ画像ファイルの作成される。
【0040】
ステップS138において、バックアップ画像ファイルがメモリカード15へ格納される。
【0041】
例えば、バックアップ画像ファイルのファイル名は、図3(a)の「*2」のように設定しても良い。Pxxx011−BU.jpgは、Pxxx011.jpgのバックアップファイルである。すなわちPxxx011.jpgは、ストロボ発光装置31の発光により白飛びが発生した画像である。同様にPxxx012−BU.jpgは、Pxxx012.jpgのバックアップファイルである。すなわちDCF規格に準拠したファイル名称の末尾に所定の文字(―BU)を添付してバックアップファイルの名称を生成している。
【0042】
図3(b)の「*3」のようにバックアップファイルの名称は、DCF規格に準拠したファイル名称の先頭に所定の文字(BU―)を添付してバックアップファイルの名称を生成している。
【0043】
図3(c)の「*4」に示された方法では、バックアップファイルの名称を変更しない。バックアップファイル格納用のフォルダ(100OLY−BU)を作成し、白飛びが生じた画像ファイルと同一名称でバックアップファイルを格納する。ファルダの名称は、DCF規格に準拠したフォルダ名称の末尾に所定の文字(―BU)を添付してフォルダの名称を生成している。また、図示はしていないが、ファルダの名称は、DCF規格に準拠したフォルダ名称の先頭に所定の文字(BU―)を添付してフォルダの名称(BU−100OLY)を生成してもよい。
【0044】
このように、DCF規格に準拠したファイル名称(或はフォルダ名称)に所定の文字情報を添付することでバックアップファイル名称(或はバックアップファイルの格納用フォルダ名称)を作成する。これにより、白飛びが生じた画像が格納された画像ファイルとそのバックアップファイルとの対応が容易になる。
【0045】
作用効果
撮像装置は、ストロボ発光装置の発光条件をマニュアル設定する設定手段と、設定手段が設定した発光条件で、ストロボ発光装置を発光させて撮像素子から第一の画像データを取得する制御手段と、第一の画像データ中の所定数より多い画素が飽和しているか判定する判定手段と、を備える。制御手段は、判定手段が第一の画像データ中の所定数より多い画素が飽和していると判定した場合、ストロボ発光装置の発光を禁止して再度撮像素子から第二の画像データを取得する。このように、ユーザの手動操作でストロボの発光条件が設定され、撮影が実行された際に、ユーザの意図した画像データが取得出来ない場合であっても、予備撮影動作(第二の画像データを取得すること)により適切な露出条件の画像データを取得できる。
【0046】
DCF規格に準拠したファイル名称(或はフォルダ名称)に所定の文字情報を添付することでバックアップファイル名称(或はバックアップファイルの格納用フォルダ名称)を作成する。これにより、白飛びが生じた画像が格納された画像ファイルとそのバックアップファイルとの対応が容易になる。
【0047】
[第二実施形態]
図4のフローチャートを参照して、第二実施形態を説明する。第二実施形態では、白飛びが生じた場合の予備撮影動作(バックアップ撮影)に加えて、黒つぶれが生じた場合に予備撮影動作(バックアップ撮影)が行われる。他の構成は、第一実施形態と同様である。
【0048】
上述のS132で白飛びが生じていない場合、S140に処理が移行する。ステップS140において、画像データに黒つぶれが生じていないか判定される。黒つぶれが生じていない場合、撮影動作に係る処理は終了する。黒つぶれが生じている場合、処理はS142へ移行する。例えば、黒つぶれは、画像データにおいて画素値が最低値(ゼロ或いはノイズレベルの値)である画素の数が第二の所定数より多い状態としてよい。また、例えば、第二の所定数は、画像データ中の全画素数のゼロから数%の値とし、全画素数から決められてよい。
【0049】
ステップS142において、ストロボ発光装置31を所定の発光量でプリ発光(予備発光)して撮像素子12を露光する。この動作で得られた画像データに基づき本発光の場合の発光量(ガイドナンバー)が算出される。
【0050】
ステップS144において、S112で設定された露光条件で撮像素子12の露出制御を行う。この露出中にストロボ発光装置31が本発光される。この場合の発光量(ガイドナンバー)は、S142でカメラコントローラ14が自動設定した値である。このように、発光量は、S122で算出された発光量から変えられ(通常増加されるよう変えられる)、S142で自動設定した値が使用される。
【0051】
ステップS146において、画像データを撮像素子12から取得し、バックアップ画像ファイルの作成される。DCF規格に準拠したファイル名称(或はフォルダ名称)に所定の文字情報を添付することでバックアップファイル名称(或はバックアップファイルの格納用フォルダ名称)を作成する。これにより、黒つぶれが生じた画像が格納された画像ファイルとそのバックアップファイルとの対応を容易にする。
【0052】
ステップS148において、バックアップ画像ファイルをメモリカード15へ格納する。
【0053】
このように、第二の実施形態では、マニュアル設定された発光量が適切でない等の原因で黒つぶれが生じた場合でも、適切なバックアップ画像データが得られる。なお、第二の実施形態では、白飛びが生じた場合又は黒つぶれが生じた場合に予備撮影動作が行われる構成としたが、黒つぶれが生じた場合にのみ予備撮影動作が行われてもよい。
【0054】
以上、上記の第一と第二実施形態では撮影パラメータの一つであるストロボ発光装置31の発光条件がマニュアル設定された際に予備撮影動作(バックアップ撮影)を行うカメラを開示した。撮影パラメータには上記以外に、シャッター速度、シボリ値、色温度等が存在し、これらパラメータをマニュアル設定した際に上記予備撮影動作を行うようにしても良い。
【0055】
また、階調補正処理時にも上記予備撮影動作を行うようにしても良い。ここで、階調補正処理とは、画像内の明るさを部分的に変える処理である。撮像素子のダイナミックレンジは人間の目よりもかなり狭いレンジであるため、撮影シーンに応じて白飛びや黒つぶれといった現象がしばしば起こる。単なる露出補正や画面内一様な階調補正をしてもこれらの現象は回避できない。階調補正処理は、この回避策となる。階調補正処理は、逆光時に有効であり、この処理を使用すればフラッシュ発光することなくまたフラッシュ光が届かない距離や位置に被写体があっても白飛びや黒つぶれの対策することができる。
【0056】
本発明は上記の実施形態に限定されずに、撮影機能を有する電子装置(携帯電話、携帯情報端末(PDA)等)にも適用可能であり、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【符号の説明】
【0057】
11 光学系
12 撮像素子
14 カメラコントローラ(制御手段)
15 メモリカード(記憶媒体)
31 ストロボ発光装置
41 カメラ操作スイッチ
41a レリーズスイッチ
42b 発光量設定スイッチ(第一設定手段)
43c 強制発光スイッチ(第二設定手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光して光を被写体に照射するストロボ発光装置と、
前記被写体の像を画像データとして取得する撮像素子と、
前記ストロボ発光装置の発光条件をマニュアル設定する設定手段と、
前記設定手段が設定した前記発光条件で、前記ストロボ発光装置を発光させて前記撮像素子から第一の画像データを取得する制御手段と、
前記第一の画像データ中の所定数より多い画素が飽和しているか判定する判定手段と、を備え、
前記制御手段は、前記判定手段が前記第一の画像データ中の所定数より多い画素が飽和していると判定した場合、前記ストロボ発光装置の発光を禁止して再度前記撮像素子から第二の画像データを取得することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
記録媒体を更に備え、
前記制御手段は前記第一の画像データをDCF規格に準拠して作成された第一のファイル名で前記記録媒体へ格納し、前記第二の画像データを前記記録媒体へ格納する際には、前記第一のファイル名の先頭或は末尾に所定の文字を添付して前記第二のファイル名を生成して格納することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
記録媒体を更に有し、
前記制御手段は、DCF規格に準拠して前記記録媒体に作成した第一のフォルダへ前記第一の画像データを格納し、前記第二の画像データを格納する際には、前記第一のフォルダ名の先頭或は末尾に所定の文字を添付して前記第二のフォルダを作成して前記第二の画像データを格納することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記設定手段は、前記発光条件として前記ストロボ発光装置に強制発光動作を行わせるかいなかの設定を行うことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記設定手段は、前記発光条件として前記ストロボ発光装置の発光量を設定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
発光して光を被写体に照射するストロボ発光装置と、
前記被写体の像を画像データとして取得する撮像素子と、
前記ストロボ発光装置の発光条件をマニュアル設定する設定手段と、
前記設定手段が設定した前記発光条件で、前記ストロボ発光装置を発光させて前記撮像素子から第一の画像データを取得する制御手段と、
前記第一の画像データ中の所定数より多い画素の画素値が最低値であるか判定する判定手段と、を備え、
前記制御手段は、前記判定手段が前記第一の画像データ中の所定数より多い画素の画素値が最低値であると判定した場合、前記ストロボ発光装置の発光量を変えて再度前記撮像素子から第二の画像データを取得することを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−258550(P2010−258550A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−103661(P2009−103661)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】