説明

撮像装置

【課題】電子カメラを用いて動画像を撮影する場合、ズームやフォーカスのレンズ駆動音が記録されない雑音の少ない動画を記録することができる撮像装置を提供する。
【解決手段】電子カメラにおいて、特殊効果モードとして、スナップ動画モードを設けて、スナップ動画モードでの動画撮影では、ズーム動作が行われている期間は自動的に動画記録を中断することにより、ズームやフォーカスのレンズ駆動音が記録されない雑音の少ない動画を記録することができる。また、スナップ動画モードでの動画撮影では、ズーム動作中の画像が記録されないので、ホームページへの掲載や動画共有サイトへの投稿に適したコンパクトな動画ファイルにすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関し、特に動画記録機能を備えるディジタルカメラ等の電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子カメラにおいて、動画撮影中にズーム動作を行うとズームやフォーカスのレンズ駆動音が雑音として記録される可能性があった。また、電子カメラの動画撮影では、ズーム動作は撮影対象の画角を設定するための手段であって、画角が確定した後に撮影を開始する場合も多いと考えられる。
【0003】
そこで、カメラのズーム動作中に合わせて動きの評価値を最小ブロックサイズにすることにより、符号化効率を高める装置の一例が特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2007−228101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、カメラのズーム動作中に合わせて動きの評価値を最小ブロックサイズにすることにより、符号化効率を高める技術が開示されている。しかしながら、電子カメラにおいて、動画撮影中にズーム動作が行われている期間は自動的に動画記録を中断する内容について、特許文献1には何ら開示されていない。
【0005】
本発明は上記の問題を解決するもので、電子カメラにおいて、動画撮影中にズーム動作が行われている期間は自動的に動画記録を中断し、ズームやフォーカスのレンズ駆動音である雑音が記録されない動画記録手段を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一の発明の記録制御手段は、レンズを介して被写界像を撮像素子に結像して撮像信号を生成する撮像手段と、該被写界像に対して光学的なズーム処理を施すズーム手段と、前記ズーム手段のズーム倍率を変更するズーム操作手段と、動画像記録指示に応じて前記撮像信号を基に得られる画像データを記録媒体に記録する記録処理を実行する記録手段と、前記ズーム倍率を変更しているズーム期間に前記記録処理を停止する記録制御手段を備えることを特徴とする。
【0007】
第二の発明のフォーカス手段は、前記記録制御手段に基づく動画記録の開始時および前記ズーム期間の終了時のみ、前記レンズの前記撮像素子に対する相対位置を調整してフォーカスを調整するフォーカス手段を備えることを特徴とする。
【0008】
第三の発明の切替手段は、レンズを介して被写界像を撮像素子に結像して撮像信号を生成する撮像手段と、該被写界像に対して光学的なズーム処理を施すズーム手段と、前記ズーム手段のズーム倍率を変更するズーム操作手段と、動画像記録指示に応じて前記撮像信号を基に得られる画像データを記録媒体に記録する記録処理を実行する記録手段と、前記ズーム倍率を変更しているズーム期間に前記記録処理を停止する第1の記録制御手段と、前記ズーム期間に係わらず前記記録処理を実行する第2の記録制御手段と、前記第1および第2の記録制御手段の前記記録手段に対する制御を択一的に切替える制御切替手段を備えることを特徴とする。
【0009】
第四の発明の切替手段は、前記第1の記録制御手段に基づく動画記録の開始時および前記ズーム期間の終了時のみ、前記レンズの前記撮像素子に対する相対位置を調整してフォーカスを調整する第1のフォーカス手段と、前記第2の記録制御手段に基づく動画記録の期間は、連続的に前記レンズの前記撮像素子に対する相対位置を調整してフォーカスを調整する第2のフォーカス手段と、前記第1および第2のフォーカス手段を択一的に切替えるフォーカス切替手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上述べた本発明によれば、電子カメラにおいて、動画撮影中にズーム動作が行われている期間は自動的に動画記録を中断することにより、ズームやフォーカスのレンズ駆動音が記録されない雑音の少ない動画を記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施例である電子カメラの外観を示す外観図である。
【図2】本発明の一実施例である電子カメラの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施例である動作の一例の一部を示すフロー図である。
【図4】本発明の一実施例である動作の一例の一部を示すフロー図である。
【図5】本発明の一実施例である動作の一例を示すフロー図である。
【図6】本発明の一実施例である動画撮影モード設定メニュー表示の一例を示す図解図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の実施例を、撮像装置の1つの例として、電子カメラ10の形態を図面を参照しながら説明する。
【0013】
電子カメラ10の外観図を図1に示す。図1の電子カメラ10は、少なくとも図示しない撮像部、操作部2、表示部4、マイク部6、およびスピーカ部8を備える。撮像部では撮像動作が行われる。操作部2を構成する2a〜2hを詳しく説明すると、2aは撮像動作を指示するシャッタボタン、2bは画像を拡大させるTELEボタン、2cは画像を縮小させるWIDEボタンである。画像を拡大、縮小させるズーム処理は、図2のCPU36の制御に基づいてドライバ25及び撮像レンズ22によって実現される。
【0014】
この場合、ユーザがTELEボタン2bに圧力を付与することによってTELEボタン2bを押し下げればズーム倍率の可変範囲内においてズーム倍率は増大し、ユーザがWIDEボタン2cに圧力を付与することによってWIDEボタン2cを押し下げればズーム倍率の可変範囲内においてズーム倍率は減少する。ズーム倍率の増大量又は減少量は、TELEボタン2b又はWIDEボタン2cを押し下げている時間の長さに比例する。即ち、TELEボタン2bを押し下げている時間の長さが増加するに伴ってズーム倍率の増大量は増加し、WIDEボタン2cを押し下げている時間の長さが増加するに伴ってズーム倍率の減少量は増加する。
【0015】
2dは再生モードボタンであり、押下されると電子カメラは再生モードに移行する。同様に、2fは静止画撮像モードボタン、2eは動画撮像モードボタンであり、押下されると電子カメラはそれぞれのモードに移行する。2gは4方向に操作されることにより表示部4内に表示される項目等を選択指示するカーソルキーであり、4方向の中心部が押下されることにより、項目等を決定することができる。そして、2hは表示部4に、選択可能な項目等を表示させるメニューボタンである。
【0016】
さらに図1で示した電子カメラ10内部のブロック図である図2を用いて電子カメラ10を更に詳細に説明する。電子カメラ10は、操作部2、表示部4、マイク部6、スピーカ部8、撮像レンズ22、絞り機構24、ドライバ25、CCDイメージャ26、撮像処理部28、SDRAM30、ビデオエンコーダ32、メニュー切替スイッチ34、CPU36、AF処理部38、圧縮・伸張処理部40、スピーカアンプ42、カード制御部44、音声処理部48、画像用D/A変換回路50、データ処理部52、フラッシュメモリ56および音声用D/A変換回路58を備えて構成されている。
【0017】
撮像レンズ22は、被写体の光学像を撮像デバイスであるCCDイメージャ26の撮像面上に結像させる。また、撮像レンズ22はCCDイメージャ26の出力信号に基づいて光軸方向の移動が調節される。絞り機構24は、制御されることにより撮像レンズ22よりCCDイメージャ26に入る光を調節する。更に、撮像レンズ22は画像を拡大、縮小させるズーム機構を備えている。これらの撮像レンズ22、および絞り機構24の調節はドライバ25で行われる。
【0018】
CCDイメージャ26から出力されたアナログ撮像信号は、撮像処理部28によって色分離、白バランス調整、YUV変換等の所定の処理が行われ、輝度信号であるY信号および色差信号であるU、V信号に変換される。
【0019】
CPU36は、操作部2、ドライバ25、撮像処理部28、SDRAM30、メニュー切替スイッチ34、AF処理部38、圧縮・伸張処理部40、スピーカアンプ42、カード制御部44、音声処理部48、画像用D/A変換回路50、データ処理部52、フラッシュメモリ56および音声用D/A変換回路58に接続される。CPU36は、フラッシュメモリ56に格納されているプログラムに従って、撮像処理部28、SDRAM30、圧縮・伸張処理部40、スピーカアンプ42、カード制御部44、音声処理部48、画像用D/A変換回路50、データ処理部52、および音声用D/A変換回路58の制御を行う。
【0020】
次に、操作部2が操作されることによる電子カメラ10の動作の説明をする。
【0021】
上述したように、操作部2は、各種ボタンまたはキー2a〜2hで構成される。CPU36は静止画撮像モードボタン2fが押下されることによって静止画撮像モード状態にあるとき、シャッタボタン2aが押下されることによって静止画撮像操作がなされる。そして、1フレーム分の被写体の光学像が撮像レンズ22、絞り機構24、CCDイメージャ26、撮像処理部28によって所定の処理がなされ、撮像処理部28によって得られたY、U、V信号であるディジタル画像データがSDRAM30に一旦格納される。
【0022】
その後、一旦格納された1フレーム分のディジタル画像データは、圧縮・信号処理部40、ここではJPEGコーデックによって、JPEG形式で圧縮される。圧縮された圧縮ディジタル画像データは再びSDRAM30に格納される。
【0023】
また、データ処理部52にて、一旦格納された1フレーム分のディジタル画像データから縮小処理によりサムネイルデータが生成され、SDRAM30に格納され、圧縮・伸張処理部40にて、JPEGコーデックによってJPEG圧縮される。圧縮された圧縮サムネイルデータは、再びSDRAM30に格納される。
【0024】
そして、圧縮ディジタル画像データおよび圧縮サムネイルデータは、CPU36が1つの静止画像ファイルとしてカード制御部44を制御することによって外部メモリカード46に記録される。
【0025】
AF処理部38では、撮像処理部28で生成されたYデータの高域周波数成分を1フレーム毎に積分する。積分結果つまりフォーカス評価値はCPU36によって取り込まれ、CPU36は取り込んだフォーカス評価値に基づいてドライバ25を制御する。この結果、フォーカス評価値が最大になるように、光学レンズ22の光軸方向の位置が調整される。このとき、主要被写体が撮影画面の中央付近にある場合が多いため、評価エリアは中央部に重点がおかれる。
【0026】
また、CPU36は動画撮像モードボタン2eが押下されることによって動画撮像モード状態にあるとき、シャッタボタン2aが押下されることによって動画撮像操作がなされる。シャッタボタン2aが再び押下され動画撮像が終了するまで、動画像処理が実行される。この動画像処理は例えば1秒間に30フレーム分の静止画撮像処理を連続的に行うことと同様の処理であり、Y、U、V信号であるディジタル画像データが動画撮像時間分だけSDRAM30に一旦格納するまでの処理が行われる。
【0027】
そして、動画像撮像終了の操作がなされると、SDRAM30に格納されている連続した複数のディジタル画像データが画像圧縮・伸張処理部34にて、ここではMotionJPEGコーデックによって動画圧縮され、再びSDRAM30に格納される。
【0028】
更に、動画撮影モードにあるとき、CPU36は操作部2のシャッタボタン2aが押下されることによって音声記録操作を行う。つまり、マイク部6から音声信号を取り込み、音声処理部48によって音声信号を増幅しディジタル音声データに変換する。ディジタル音声データは圧縮・伸張処理部40にて圧縮され、SDRAM30に格納される。動画像撮影修了の操作がなされるまで、圧縮された音声データがSDRAM30に格納される。
【0029】
次に、圧縮された連続した複数の圧縮画像データおよび圧縮された音声データは、1つの動画ファイルとしてカード制御部44が制御されることによって外部メモリカード46に記録される。
【0030】
再生モードボタン2dが押下されると、外部メモリカード46に記録された最新の静止画像ファイルまたは動画像ファイルが再生される。
【0031】
具体的には、静止画像ファイルが再生される場合、CPU36は、カード制御部44を制御して、外部メモリカード46に記録されている静止画像ファイルの圧縮画像データをSDRAM30に一旦格納させる。SDRAM30に格納された圧縮画像データは、圧縮・伸張処理部40にて、JPEGコーデックにより伸張処理される。伸張処理されたディジタル画像データは、SDRAM30に一旦格納され、画像用D/A変換回路50によりアナログ画像信号に変換される。ビデオエンコーダ32は、画像用D/A変換回路50からのアナログ画像データを基に映像信号に変換し、表示部4において変換された映像信号を表示する。
【0032】
動画像ファイルを再生する場合は、CPU36は、カード制御部44を制御して、外部メモリカード46に記録されている動画像ファイルの複数の圧縮画像データをSDRAM30に一旦格納させる。SDRAM30に格納された複数の圧縮画像データは、画像圧縮・伸張処理部40にて、MotionJPEGコーデックにより伸張処理される。伸張処理された複数のディジタル画像データは、SDRAM30に一旦格納され、時系列に画像用D/A変換回路50によりアナログ画像信号に変換される。ビデオエンコーダ32は、画像用D/A変換回路50からのアナログ画像データを基に映像信号に変換し、表示部4において変換された映像信号を表示する。
【0033】
更に、外部メモリカード46に記録された動画ファイルの中の音声データは、圧縮・伸張処理部40で伸張処理される。伸張処理されたディジタル音声データはSDRAM30に格納される。その後、SDRAM30に格納された音声データはD/A変換回路58によりアナログ音声信号に変換される。アナログ音声信号はスピーカアンプ42にてアンプ処理され、映像信号の表示と同期をとりながらスピーカ部8に出力される。
【0034】
次にCPU36が行う処理を図3乃至図6を用いて詳述する。
【0035】
まず、図5を参照して、動画撮影モード設定処理を説明する。
【0036】
メニューボタン2hが押下され、カーソルキー2gの操作と決定操作つまりカーソルキー2gの中央部が押下されることに基づいて、動画撮影モードが設定されると、ステップS302へ進み、図6に示すようなモード設定メニューが表示部4に表示される。
【0037】
ステップS304において、図6に示すようなモード設定メニューから、カーソルキー2gの操作と決定操作つまりカーソルキー2gの中央部が押下されることに基づいて、通常動画またはスナップ動画が設定される。そして、動画撮影モード設定処理を終了する。
【0038】
次に、図3を参照して、動画撮影処理を説明する。
【0039】
CPU36はステップS102において、シャッタボタン2aが押下されたか否かを判断する。ステップS102にてNOと判断した場合、ステップS102へ戻る。また、ステップS102にてYESと判断した場合、ステップS104へ進み、ステップS104では動画撮影モードとして、「スナップ動画モード」または「通常動画モード」のいずれが設定されたかを判断する。
【0040】
ステップS104において、「通常動画モード」が設定されていると判断した場合、図4のステップS202へ進む。ステップS202については後述する。
【0041】
ステップS104において、「スナップ動画モード」が設定されていると判断した場合、ステップS106へ進み、AF処理部38において、撮像処理部28で生成されたYデータの高域周波数成分を1フレーム毎に積分する。積分結果つまりフォーカス評価値はCPU36によって取り込まれ、CPU36は取り込んだフォーカス評価値に基づいてドライバ25を制御する。この結果、フォーカス評価値が最大になるように、光学レンズ22の光軸方向の位置が調整される。このように、CPU36がドライバ25を制御することによって、現在の被写体に対して1シーケンスのみのシングルオートフォーカス処理を実行する。つまり、1シーケンスのみのオートフォーカス処理とは複数フレームの画像からフォーカス評価値が最大になるように、1回だけ光学レンズ22の光軸方向の位置が調整されることである。次にステップS108へ進み、動画撮影処理を開始させる。
【0042】
そして、ステップS110へ進み、画像を拡大させるTELEボタン2b、または画像を縮小させるWIDEボタン2cが押下されたか否か、つまりズーム動作が開始されたか否かを判断する。ステップS110にてNOと判断した場合、ステップS120へ進み、動画撮影開始と停止を兼用しているシャッタボタン2aが押下されたか否か、つまり動画撮影が停止されたか否かを判断する。
【0043】
また、ステップS110において、YESと判断した場合、ステップS112へ進み、動画撮影処理の一時停止を行う。つまり、動画撮影処理の一時停止とは、撮像処理部28によって得られたY、U、V信号であるディジタル画像データをSDRAM30に格納することを一時停止することである。更に、マイク部6によって得られた音声信号であるディジタル音声データをSDRAM30に格納することも一時停止することである。
【0044】
その後、ステップS114へ進み、ズーム動作が終了されたか否かを判断する。ステップS114にてNOと判断した場合、ステップS114へ戻り、動画撮影処理の一時停止が継続される。
【0045】
ステップS114にてYESと判断した場合、ステップS116へ進み、CPU36がドライバ25を制御することによって、現在の被写体に対して1シーケンスのみのシングルオートフォーカス処理を実行する。その後の動画撮影においては、撮影シーンが変化してもズーム動作をしない限りオートフォーカス処理は実行されない。
【0046】
そして、ステップS118へ進み、動画撮影処理を再開する。つまり、動画撮影処理の再開とは、撮影処理の再開後のディジタル画像データおよび音声データを、一時停止により一旦SDRAM30に格納されていたディジタル画像データおよび音声データの中の最後のデータに接続させて、SDRAM30に格納することである。
【0047】
次に、ステップS120へ進み、動画撮影開始と停止を兼用しているシャッタボタン2aが押下されたか否か、つまり動画撮影が停止されたか否かを判断する。
【0048】
ステップS120にてNOと判断した場合、ステップS110へ戻る。ステップS120にてYESと判断した場合、ステップS122へ進み、動画撮影処理および音声記録が停止される。その後、ステップS124へ進み、SDRAM30に格納されている圧縮された複数の圧縮画像データおよび音声データは、1つの動画ファイルとしてカード制御部44を制御することによって外部メモリカード46に記録される。そして、スナップ動画撮影処理が終了される。
【0049】
また、ステップS104において、「通常動画モード」が設定されていると判断した場合、図4のステップS202へ進む。ステップS202では、AF処理部38において、撮像処理部28で生成されたYデータの高域周波数成分を1フレーム毎に積分する。積分結果つまりフォーカス評価値はCPU36によって取り込まれ、CPU36は取り込んだフォーカス評価値に基づいてドライバ25を制御する。この結果、フォーカス評価値が最大になるように、光学レンズ22の光軸方向の位置が調整される。このように、CPU36がドライバ25を制御することによって、被写体に対して連続的にオートフォーカス処理を実行する。つまり、連続的なオートフォーカス処理とは、連続的に取り込んだ複数フレームの画像からフォーカス評価値が最大になるように、連続的に光学レンズ22の光軸方向の位置が調整されることである。次にステップS204へ進み、動画撮影処理を開始させる。
【0050】
次にステップS206へ進み、画像を拡大させるTELEボタン2b、または画像を縮小させるWIDEボタン2cが押下されたか否か、つまりズーム動作が開始されたか否かを判断する。ステップS110へ進み、画像を拡大させるTELEボタン2b、または画像を縮小させるWIDEボタン2cが押下されたか否か、つまりズーム動作が開始されたか否かを判断する。S206にてNOと判断した場合、ステップS210へ進み、動画撮影開始と停止を兼用しているシャッタボタン2aが押下されたか否か、つまり動画撮影が停止されたか否かを判断する。
【0051】
ステップS206において、YESと判断した場合、ステップS208へ進み、ズーム動作が終了されたか否かを判断する。ステップS208にてNOと判断した場合、ステップS208へ戻る。ステップS208において、YESと判断した場合、ステップS210へ進み、画撮影開始と停止を兼用しているシャッタボタン2aが押下されたか否か、つまり動画撮影が停止されたか否かを判断する。
【0052】
ステップS210にてNOと判断した場合、ステップS206へ戻る。ステップS210にてYESと判断した場合、ステップS212へ進み、CPU36がドライバ25を制御することによって、被写体に対して連続的に実行されていたオートフォーカス処理を停止する。
【0053】
次に、ステップS214へ進み、動画撮影処理および音声記録が停止される。その後、ステップS216へ進み、SDRAM30に格納されている圧縮された複数の圧縮画像データおよび音声データは、1つの動画ファイルとしてカード制御部44を制御することによって外部メモリカード46に記録される。そして、通常動画撮影処理が終了される。
【0054】
以上のように、電子カメラにおいて、「スナップ動画モード」での動画撮影では、ズーム動作が行われている期間は自動的に動画記録を中断する。更に、動画撮影開始時、及びズーム動作終了時のみ、1シーケンスのオートフォーカス処理を実行することにより、ズームやフォーカスのレンズ駆動音が記録されない雑音の少ない動画を記録することができる。
【0055】
また、「スナップ動画モード」での動画撮影では、ズーム動作中の画像が記録されないので、ホームページへの掲載や動画共有サイトへの投稿に適したコンパクトな動画ファイルとなる。
【0056】
更に、「スナップ動画モード」での動画撮影では、まず広角側で主要被写体が含まれる全体の風景を捕らえ、その後ズーミングして主要被写体をアップで撮影した場合を考えると、撮影された画像としては、まずワイドの風景が数秒記録され、その後瞬時にアップの画像に切り替わると特殊効果を有する動画像となる。
【0057】
なお、上述した実施例では、撮像素子としてCCDイメージャを用いて説明したが、これに限定されるものではなく、例えばCMOSセンサーなど他の撮像素子でも同様の構成が可能である。
【0058】
また、上述した実施例では、動画像の圧縮・伸張コーデックとして、MotionJPEGコーデックを用いて説明したが、これに限定されるものではなく、例えばMPEGコーデックなど他のコーデックでも同様の構成が可能である。更に、上述した実施例では、記録媒体として外部メモリカードを記載したが、例えば、内蔵のハードディスクなど他の記録媒体であっても良い。
【0059】
更に、レンズを固定してCCDイメージャを光軸方向に変位させることにより、ズーム処理、AF処理が可能な電子カメラであっても良い。
【符号の説明】
【0060】
2 …操作部
4 …表示部
10 …電子カメラ
30 …SDRAM
32 …ビデオエンコーダ
36 …CPU
40 …圧縮・伸張処理部
44 …カード制御部
46 …外部カードメモリ
50 …画像用D/A変換回路
52 …データ処理部
56 …フラッシュメモリ
58 …音声用D/A変換回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズを介して被写界像を撮像素子に結像して撮像信号を生成する撮像手段と、
該被写界像に対して光学的なズーム処理を施すズーム手段と、
前記ズーム手段のズーム倍率を変更するズーム操作手段と、
動画像記録指示に応じて前記撮像信号を基に得られる画像データを記録媒体に記録する記録処理を実行する記録手段と、
前記ズーム倍率を変更しているズーム期間に前記記録処理を停止する記録制御手段を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記記録制御手段に基づく動画記録の開始時および前記ズーム期間の終了時のみ、前記レンズの前記撮像素子に対する相対位置を調整してフォーカスを調整するフォーカス手段を備えることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
レンズを介して被写界像を撮像素子に結像して撮像信号を生成する撮像手段と、
該被写界像に対して光学的なズーム処理を施すズーム手段と、
前記ズーム手段のズーム倍率を変更するズーム操作手段と、
動画像記録指示に応じて前記撮像信号を基に得られる画像データを記録媒体に記録する記録処理を実行する記録手段と、
前記ズーム倍率を変更しているズーム期間に前記記録処理を停止する第1の記録制御手段と、
前記ズーム期間に係わらず前記記録処理を実行する第2の記録制御手段と、
前記第1および第2の記録制御手段の前記記録手段に対する制御を択一的に切替える制御切替手段を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
前記第1の記録制御手段に基づく動画記録の開始時および前記ズーム期間の終了時のみ、前記レンズの前記撮像素子に対する相対位置を調整してフォーカスを調整する第1のフォーカス手段と、
前記第2の記録制御手段に基づく動画記録の期間は、連続的に前記レンズの前記撮像素子に対する相対位置を調整してフォーカスを調整する第2のフォーカス手段と、
前記第1および第2のフォーカス手段を択一的に切替えるフォーカス切替手段を備えることを特徴とする請求項3記載の撮像装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−55086(P2011−55086A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−199955(P2009−199955)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】