説明

撮像装置

【課題】シナリオ撮影を行う場合に、自動停止を実現する。
【解決手段】シナリオ記憶部113には、複数のシナリオのそれぞれについてシーン名の情報と推奨撮影時間の情報を含むシナリオデータが格納されている。シナリオ撮影モードでは、ユーザは、シナリオデータから撮影に適用するシナリオを選択する。シナリオ撮影モードで自動停止が設定されている場合、制御部107は、自動停止する記録時間の選択肢と、シナリオ撮影の推奨撮影時間に連動するかをユーザに選択させる。シナリオ連動が選択された場合、制御部107は、選択されたシナリオの推奨撮影時間を自動停止の記録時間に設定する。制御部107は、撮影された動画像の記録再生部109による記録媒体110への記録開始後、記録時間の経過により、記録媒体110への記録を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関し、より具体的には、動画を撮影する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動画を撮影し、記録する装置としてビデオカメラが知られている。一般に、子供の運動会や入学式、或いは旅行などの行事を撮影するのにビデオカメラが用いられることが多い。そこで、予め行事にあわせたシナリオを用意しておき、ユーザがシナリオを参考にしながら撮影することで、撮影された作品の出来栄えをよくする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、従来、撮影開始から決められた時間が経過すると、自動的に撮影を停止する自動停止モードを備えたビデオカメラも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−078868号公報
【特許文献2】特開平06−153028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、シナリオ撮影と自動停止モードを同時に利用できるビデオカメラは無かった。
【0006】
本発明は、シナリオ撮影を行う場合に、自動で撮影を停止する機能を備える撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る撮像装置は、動画データを出力する撮像手段と、前記撮像手段により得られる前記動画データを記録媒体に記録する記録手段と、記録開始の指示を入力する操作手段と、複数のシナリオのそれぞれについてシーン名の情報と推奨撮影時間の情報を含むシナリオデータを記憶するシナリオ記憶手段と、前記複数のシナリオから撮影に適用するシナリオを選択するシナリオ選択手段と、前記シナリオ選択手段で選択されるシナリオの前記推奨撮影時間を記録時間とするか、ユーザの指定する時間を記録時間とするかを選択する選択手段と、前記撮像手段で撮影中の画像と、前記シナリオ選択手段で選択されたシナリオに関する情報を表示する表示手段と、前記操作手段による前記記録開始の指示に応じて前記記録手段による記録を開始し、前記選択手段により選択される記録時間の経過に応じて、前記記録手段による記録を停止する制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、シナリオ撮影を行う場合に、自動で撮影を停止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例であるビデオカメラの概略構成ブロック図である。
【図2】シナリオデータ例を示す表である。
【図3】自動停止モードにおける表示画面例である。
【図4】シナリオ撮影モードにおける表示画面例である。
【図5】シナリオ撮影モードでの自動停止モードの記録時間の設定画面例である。
【図6】本実施例の記録動作を示すフローチャートである。
【図7】シナリオ撮影モードと自動停止モードが設定された場合の表示画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、本発明に係る撮像装置の一実施例であるビデオカメラ100の概略構成ブロック図である。撮像部101は被写体を撮影し、被写体を示す動画データを生成して出力する。撮像部101は、ズームレンズ、フォーカスレンズ及び絞り等の光学系と、CCD撮像素子等のイメージセンサを含む。撮像部101はまた、撮像素子から出力される画像データをデジタルデータに変換するA/D変換器、及び当該A/D変換器から出力される画像データ処理して所定の動画データを出力する画像処理回路等を含む。音声入力部102はマイクロフォン、アンプ及びA/D変換器等を有し、周囲の音声を取り込み、その音声データを出力する。
【0012】
メモリ103は、撮像部101から出力される動画データ、音声入力部102からの音声データ、表示用の画像信号、圧縮された動画データ、及びその他の情報を一時的に記憶する手段である。
【0013】
信号処理部104は、記録時又は記録モードでは、撮影された動画データをMPEG等の公知の符号化方式に従って符号化し、得られた圧縮動画データをメモリ103に記憶する。また、信号処理部104は、再生時又は再生モードでは、記録媒体から読み出された圧縮動画データ及び音声データを復号化し、再生動画データ及び再生音声データを生成する。
【0014】
表示制御部105は、制御部107からの指示に従い、動画及び各種の情報を表示部106に表示させる。表示部106は、液晶表示パネル等の公知の表示装置からなる。
【0015】
制御部107はマイコンやその他必要なメモリを有し、不図示の不揮発メモリに記憶されたプログラムに従い、操作部108からの指示に応じてビデオカメラ100の各部を制御する。操作部108は、電源スイッチ、動画像の撮影開始/停止を指示するトリガスイッチ、メニュースイッチ等の各種スイッチ、及びタッチパネル等の、ユーザにより操作可能な手段からなる。ビデオカメラ100では、表示部106の液晶表示パネルと操作部108のタッチパネルが一体的に構成されている。制御部107は、操作部108からのユーザの指示を受け付ける。また、ユーザはメニュースイッチを操作して表示部106にメニュー画面を表示させ、このメニュー画面を利用してビデオカメラ100の動作モードを変更し、また、設定を変更できる。
【0016】
記録再生部109は、制御部107からの指示に従い、動画データ、音声データ及び各種の情報を記録媒体110に記録又は書き込み、記録媒体110から記録データを再生又は読み出す。記録媒体110は、メモリカード又はハードディスク(HDD)等のランダムアクセス可能な記録媒体である。本実施例では、記録媒体110は、フラッシュメモリを内蔵した交換可能なメモリカードからなる。記録媒体110は、不図示の装着排出機構により、ユーザがビデオカメラ100に容易に装着及び排出できる。
【0017】
出力部111は、撮影時には、撮像部101による動画データと音声入力部102からの音声データを外部に出力し、再生時には、再生動画データ及び再生音声データを外部に出力する。タイマ112は、現在の日時を計測するほか、制御部107からの指示に従い、撮影開始からの経過時間を計測して制御部107に通知する。シナリオ記憶部113は不揮発メモリを有し、後述のシナリオデータを記憶する。内部バス114は、ビデオカメラ100の各部の間で、各種のデータやコマンドを転送するために用いられる。
【0018】
ビデオカメラ100の記録処理を説明する。ビデオカメラ100は、撮影モードの停止に関して、撮影者の手動操作により撮影(記録)を停止する手動停止モードと、撮影開始から所定時間の経過で撮影を自動停止する自動撮影モードとを具備する。ビデオカメラ100はまた、撮影中に、シナリオ記憶部113に記憶されたシナリオの内容を表示部106に表示するシナリオ撮影モードを備える。このシナリオ撮影モードでは、ユーザは、表示されるシナリオを参照しながら撮影を行うことができる。シナリオ撮影モードは、手動停止モードと併用可能であり、自動停止モードとも併用可能である。手動停止モードを設定した撮影モードは、いわば手動停止撮影モードであり、自動停止モードを設定した撮影モードは自動停止撮影モードである。
【0019】
手動停止モードの動作を説明する。操作部108によりビデオカメラ100の電源が投入されると、制御部107はビデオカメラ100の動作モードを手動停止モードに設定する。この時点で、ビデオカメラ100は記録待機状態となり、制御部107は次のように各部を制御する。すなわち、撮像部101は、被写体の動画像を示す動画データを出力し、この動画データは、メモリ103に逐次的に書き込まれる。メモリ103に記憶された動画データは読み出され、表示部106に動画として表示される。
【0020】
この記録待機状態で、操作部108によりユーザが記録開始を指示したとする。制御部107は各部を制御し、動画と音声の記録を開始する。具体的には、信号処理部104は、メモリ103に記憶された動画データと音声データを圧縮し、得られた圧縮データをメモリ103に書き戻す。制御部107は、メモリ103の圧縮データ(圧縮動画データ及び圧縮音声データ)に所定の付加情報を付加し、その後、記録再生部109に記録媒体110への記録を指示する。記録再生部109は、制御部107からの指示に従い、メモリ103から圧縮データ(圧縮動画データと圧縮音声データ)を付加情報と共に読み出し、一つの動画ファイルとして記録媒体110に記録する。
【0021】
記録開始後に、ユーザが操作部108により記録停止を指示すると、制御部107は、動画の記録を停止するように記録再生部109に指示する。記録再生部109は、動画及び音声を記録していた記録媒体110の動画ファイルをクローズする。制御部107は、記録停止に伴い、記録媒体110に記録された動画と音声に関する管理情報を生成してメモリ103に書き込む。そして、制御部107は、管理情報を含む管理ファイルを動画ファイルとは別に記録媒体110に記録するように記録再生部109に指示する。記録再生部109は、この指示に従い、メモリ103から管理情報を読み出して管理ファイルに追記して、その管理ファイルを記録媒体110に記録する。記録媒体110に既に管理ファイルが存在する場合、記録媒体110の既存の管理ファイルは、直前に記録された動画ファイルの管理情報を含む内容で更新されることになる。
【0022】
自動停止モードの動作を説明する。撮影待機状態において、ユーザは、操作部108を操作して、自動停止モードを設定できる。自動停止モードに設定された後にユーザが操作部108で撮影開始を指示すると、制御部107は、手動停止モードの場合と同様に、動画と音声の記録を開始する。ただし、自動停止モードでは、制御部107は、撮影開始の指示に応じて、タイマ112に設定時間(記録時間)を知らせると共に、経過時間の計測開始を指示する。タイマ112は、制御部107からの経過時間の計測開始の指示を受けると、経過時間の計測を開始する。タイマ112は、経過時間が設定時間(記録時間)に到達すると、その旨を制御部107に通知する。
【0023】
制御部107は、タイマ112から設定時間への到達の通知を受けとると、動画と音声の記録を停止するように各部を制御する。すなわち、記録再生部109は、制御部107からの記録停止の指示に応じて動画と音声の記録媒体110への記録を停止する。また、制御部107は、自動停止モードでの記録を示す付加情報を含む管理情報を生成し、記録再生部109に指示して、その動画ファイルの管理情報として記録媒体110に記録させる。
【0024】
図3は、自動停止モードにおいて、撮影中に表示部106に表示される画面の例を示す。自動停止モードが設定されると、枠301が表示される。枠301に多重して、1秒毎の経過時間を示すマーク303が表示される。マーク303は、画面上の上下左右の各辺のほぼ中央に表示される。撮影が開始されると、ハッチング304で示す様に、時間の経過に伴って枠301の色がマーク302より右回りに順次変更していく。枠301の色が変化する速度は、自動停止モードの設定時間(記録時間)が経過するとちょうど枠301を一周するように設定される。マーク305は、撮影中を示す情報であり、撮影中に表示され、撮影中以外のときは表示されない。また、撮影開始からの経過時間を示す文字列306も表示される。
【0025】
本実施例では、ユーザは、自動停止モードにおける記録時間を、予め用意された複数の時間の中から選択できる。例えば、ユーザは、自動停止モードの記録時間として、2秒、4秒及び8秒のうちの何れかを選択できる。
【0026】
制御部107は、ユーザが設定した記録時間の情報をメモリ103に記憶する。そして、制御部107は、自動停止モードにおいて、撮影開始の指示があると、メモリ103に記憶された記録時間の情報を読み出し、タイマ112に計測時間としてセットする。
【0027】
シナリオ撮影モードを説明する。図2は、シナリオ記憶部113に記憶されたシナリオデータ200の一例を示す。シナリオデータ200は、シナリオのタイトル情報201、シナリオ200に含まれる複数のシーン名の情報202、各シーンの推奨撮影時間の情報203を有する。シナリオ記憶部113には、図2に示す様なシナリオデータが予め複数記憶されている。各シナリオは異なる行事に対応し、一般にシーン数と推奨撮影時間の少なくとも一方が異なる。推奨撮影時間として0秒が設定されている場合には、そのシーンについての推奨撮影時間が有効に設定されていないものと扱う。本実施例では、各推奨撮影時間の長さを、自動停止モードにおける最短記録時間である2秒の整数倍の時間に設定している。
【0028】
撮影待機状態において、ユーザが操作部108を操作してシナリオ選択を指示すると、制御部107は、シナリオ記憶部113に記憶された複数のシナリオデータを検出する。制御部107は、各シナリオのタイトルを表示部106に表示するように表示制御部105に指示する。ユーザは、操作部108で、表示部106に表示されたタイトルの中から所望のシナリオデータを選択する。操作部108は、複数のシナリオから撮影に適用するシナリオを選択するシナリオ選択手段として機能する。制御部107は、ユーザにより選択されたシナリオデータに対し、新たにシナリオタイトルと番号を付加し、更に、対応するシナリオデータを示す識別情報をメモリ103に記憶する。
【0029】
この様にシナリオが選択された後、ユーザは、操作部108によりシナリオ撮影モードを設定できる。シナリオ撮影モードが設定されると、制御部107は、メモリ103に記憶された識別情報に対応するシナリオデータをシナリオ記憶部113から読み出す。制御部107は、読み出したシナリオデータに含まれる各シーン名を表示部106に表示し、ユーザがこれから撮影したいシーンのシナリオを選択する様に促す。ユーザが操作部108によりシナリオを選択すると、制御部107は、読み出したシナリオデータに基づいて、選択されたシナリオのシーン名と推奨撮影時間の情報を表示部106に表示するように表示制御部105に指示する。
【0030】
図4は、シナリオ撮影モードにおいて、撮影中に表示部106に表示される画面の一例を示す。図4に示す様に、シナリオ撮影モードを示す情報401と、選択されたシナリオのシーン名の情報402、及び、推奨撮影時間の情報403が表示される。図4では、推奨撮影時間が4秒であることを示す。また、撮影中を示すマーク404と撮影開始からの経過時間の情報405が表示される。推奨撮影時間が0秒の場合には、推奨撮影時間の情報403は表示されない。図4から分かるように、ユーザはシナリオ撮影モードにおいて、表示されたシーン名及び推奨撮影時間の情報を参考にしながら、動画及び音声を記録できる。また、撮影待機状態では、シナリオ撮影モードを示す情報401と、選択されたシナリオのシーン名の情報402、及び、推奨撮影時間の情報403が表示される。
【0031】
一つのシーンの撮影が終了すると、撮影待機状態となる。制御部107は、選択されたシナリオデータに基づいて次のシナリオを自動的に検出し、次のシナリオのシーン名と推奨撮影時間の情報を表示部106に表示する。また、ユーザは、同じシーンを再度撮影したい場合、操作部108を操作して、前述の様に、先に選択したのと同じシーンを選択すればよい。
【0032】
シナリオ撮影モードで一つのシーンが撮影されると、制御部107は、シナリオ番号とシーン番号を示す付加情報を生成し、管理ファイルに記録する。同じシナリオで複数回撮影した場合、シーン番号に加えて、撮り直し回数を示すテイク番号の情報も動画ファイルの付加情報として管理ファイルに記録する。
【0033】
本実施例では、シナリオ撮影モードを設定した状態で、自動停止モードを設定して、撮影を自動停止できる。また、ユーザは、シナリオ撮影モードにおいて、各シナリオの撮影推奨時間に合わせて撮影を自動停止するか、又は,自動停止モードにおいて設定した記録時間に合わせて撮影を自動停止するかを選択できる。
【0034】
図5は、自動停止モードの記録時間の設定画面の一例を示す。ユーザにより自動停止モードの記録時間の設定指示があると、制御部107は表示制御部105に図5に示すような設定画面501を表示する様に指示する。設定画面501には、記録時間として2秒の選択肢502、4秒の選択肢503、8秒の選択肢504が表示される。また、シナリオ撮影モードが設定された状態で自動停止モードの記録時間の設定指示があった場合には、更に、シナリオ連動設定情報505,506が表示される。シナリオ連動設定情報は、シナリオの推奨撮影時間に連動する旨の説明505と、チェックボックス506からなる。図5に示す例では、自動停止モードの記録時間として2秒が選択されている。制御部107は、撮影に適用するとしてユーザにより選択されたシナリオの推奨撮影時間を記録時間とするか、ユーザの指定する時間を記録時間とするかを選択する選択手段として機能する。また、シナリオ撮影モードが設定された状態で自動停止モードの記録時間の設定指示があった場合には、シナリオ連動設定情報505,506は表示されない様にする。或いは、シナリオ連動設定情報505,506をグレーアウト表示し、チェックボックス506にマーク又はチェックを付加できないようにする。
【0035】
シナリオの推奨撮影時間に合わせて撮影を自動停止したい場合、ユーザは、タッチパネルを操作して、チェックボックス506にマーク又はチェックを入れる。チェックボックス506にマークが入ると、制御部107は、選択肢502,503,504の選択に関わらず、推奨撮影時間による自動停止を優先する。シナリオの推奨撮影時間ではなく、選択肢502,504,506で選択した記録時間に合わせて撮影を自動停止したい場合、チェックボックス506のマークを外す。制御部107は、このように設定された自動停止モードの記録時間の情報と、シナリオの推奨撮影時間に合わせて撮影を停止するか否かの情報をメモリ103に記憶する。
【0036】
この様に、ユーザがチェックボックス506のマークを付加することで、シナリオ撮影モードでシナリオの推奨撮影時間に合わせて撮影を自動的に停止させることができる。しかも、ユーザは、撮影を自動停止するための時間(記録時間)を、自動停止モードの設定時間か、シナリオの推奨撮影時間かを選択できる。
【0037】
図6は、制御部107による撮影モードの動作フローチャートを示す。図6を参照して、撮影モードの動作を説明する。撮影待機状態でユーザが操作部108により撮影開始の指示を制御部107に入力すると、図6に示すフローが開始する。
【0038】
制御部107は、現在、シナリオ撮影モードが設定されているか否かを判別する(S601)。シナリオ撮影モードが設定されていた場合、制御部107は、自動停止モードが設定されているか否かを判別する(S602)。シナリオ撮影モードで、且つ、自動停止モードが設定されていた場合、制御部107は、シナリオの推奨撮影時間に連動して記録時間を設定するシナリオ連動か否かを判別する(S603)。
【0039】
シナリオ連動が設定されていた場合(S603)、制御部107は、現在、選択されているシナリオのシーンに対応する推奨撮影時間を検出する(S604)。制御部107は、検出した推奨記録時間が0以外か否かを判別する(S605)。推奨撮影時間が0以外の場合、制御部107は、現在、選択されているシナリオのシーンに対応する推奨撮影時間を記録時間Tとして設定する(S606)。
【0040】
他方、シナリオ連動が設定されていない場合(S603)、制御部107は、自動停止モードにおいて設定された記録時間を記録時間Tとして設定する(S611)。また、推奨撮影時間が0であった場合(S605)、制御部107は、自動停止モードにおいて設定された記録時間を記録時間Tとして設定する(S611)。
【0041】
ステップS606,S611の後、制御部107は、前述の様に各部を制御し、動画と音声の記録を開始する(S607)。タイマ112から記録開始から記録時間Tが経過した旨の通知を受けると、制御部107は、動画と音声の記録を停止し(S609)、動画ファイルに関する管理情報を記録媒体110に記録する(S610)。
【0042】
シナリオ撮影モードが設定されていない場合(S601)、制御部107は、自動停止モードが設定されているか否かを判別する(S612)。自動停止モードが設定されていない場合、制御部107は、手動停止モードが設定されているものとして、前述の様に各部を制御し、動画と音声の記録を開始する(S613)。操作部108より記録停止の指示を受けるまで(S614)、記録を継続する。記録停止の指示があると(S614)、制御部107は、動画と音声の記録を停止する(S615)。そして、制御部107は、動画ファイルに関する管理情報を記録媒体110に記録する(S616)。
【0043】
シナリオ撮影モードが設定されているが、自動停止モードが設定されていない場合(S602)、制御部107は、前述の様に各部を制御し、動画と音声の記録を開始する(S613)。操作部108より記録停止の指示を受けるまで(S614)、記録を継続する。記録停止の指示があると(S614)、制御部107は、動画と音声の記録を停止する(S615)。そして、制御部107は、動画ファイルに関する管理情報を記録媒体110に記録する(S616)。制御部107は更に、現在、選択されているシナリオ番号、シーン番号及びテイク番号の情報を管理情報として記録媒体110に記録する。
【0044】
図7は、シナリオ撮影モードを設定した状態で、自動停止モードが設定された場合に表示部106に表示される画面例を示す。図4と同様に、シナリオ撮影モードであることを示す文字情報701、シーン名情報702、推奨撮影時間情報703、撮影中を示すマーク704及び経過時間705が表示される。
【0045】
更に、図3と同様に、自動停止モードに関する種々の情報又はマーク等711〜714が表示される。具体的には、自動停止モードであることをユーザに認識させるための、枠301に対応する枠711も表示される。そして、マーク302,303に対応するマーク712,713も表示される。記録開始からの経過時間に伴い、ハッチング304に対応するハッチング714に示す様に、枠711の色が順次変化する。
【0046】
シナリオ連動の場合には、記録開始後、推奨撮影時間が経過した時点でちょうど一周する様に、枠711の色が変化する。シナリオ連動でない場合には、記録開始後、自動停止モードで設定された記録時間が経過した時点でちょうど一周する様に枠711の色が変化する。
【0047】
本実施例の再生動作を説明する。制御部107は、記録媒体110に記録された各動画ファイルの再生を、各動画ファイルの撮影モードに応じて分類して管理する。具体的には、記録媒体110に記録された動画ファイルを、手動停止モードで記録された動画ファイル、自動停止モードで記録された動画ファイル、及びシナリオ撮影モードで記録された動画ファイルに分類する。更に、シナリオ毎に動画ファイルを分類する。
【0048】
操作部108により再生モードの指示があると、制御部107は、記録媒体110に記録された管理情報を読み出すように記録再生部109に指示する。記録再生部109は、記録媒体110から各動画ファイルの管理情報を含む管理ファイルを読み出し、メモリ103に記憶する。制御部107は、管理情報に基づいて、手動停止モードで記録された動画ファイル、自動停止モードで記録された動画ファイル及びシナリオ毎の動画ファイルを判別する。
【0049】
制御部107は、手動停止モード、自動停止モード及び各シナリオのシナリオ名を表示して、これらの何れかをユーザに選択させるための選択画面を表示部106に表示するように、表示制御部105に指示する。ユーザは操作部108を操作して、手動停止モード、自動停止モード及び各シナリオの何れかを選択する。
【0050】
ユーザにより手動停止モードで撮影された動画ファイルの再生が選択された場合、制御部107は、管理情報に基づき、手動停止モードで記録された動画ファイルを検出する。制御部107は、各動画ファイルに含まれる動画データの先頭部分を再生するように、記録再生部109を制御する。信号処理部104は、再生された動画信号の先頭部分を復号化し、表示制御部105に送る。表示制御部105は、復号化された先頭画面のサイズを縮小して代表画像を生成し、表示部106に表示させる。ユーザは操作部108を操作し、表示部106に表示された各動画ファイルの代表画像のうち、再生したい所望の代表画像を選択し、再生を指示する。
【0051】
制御部107は、再生の指示に従い、選択された代表画像に対応する動画ファイルを再生するように記録再生部109を制御する。記録再生部109は、指定された動画ファイルを記録媒体から再生し、メモリ103に記憶する。信号処理部104はメモリ103から動画データを読み出して復号化し、復号化された動画データをメモリ103に記憶する。表示制御部105は、メモリ103から復号された動画データを読み出し、表示部106に表示させる。これにより、選択された代表画像に対応する動画像が、表示部106の画面に表示される。
【0052】
ユーザから再生停止の指示があると、制御部107は、動画ファイルの再生を停止し、代表画像を表示部106に表示させる。
【0053】
ユーザにより自動停止モードで撮影された動画ファイルの再生が選択された場合、制御部107は、管理情報に基づき、自動停止モードで記録された動画ファイルを検出する。制御部107は、各動画ファイルに含まれる動画データの先頭部分を再生するように記録再生部109を制御する。信号処理部104は、再生された動画信号の先頭部分を復号化し、表示制御部105に送る。表示制御部105は、復号化された先頭画面のサイズを縮小して代表画像を生成し、表示部106に表示させる。ユーザは操作部108を操作し、表示部106に表示された各動画ファイルの代表画像のうち、再生したい所望の代表画像を選択し、再生を指示する。
【0054】
制御部107は、再生の指示に従い、選択された代表画像に対応する動画ファイルを再生するように記録再生部109を制御する。記録再生部109は、指定された動画ファイルを記録媒体から再生し、メモリ103に記憶する。信号処理部104はメモリ103から動画データを読み出して復号化し、復号化された動画データをメモリ103に記憶する。表示制御部105は、メモリ103から復号化された動画データを読み出し、表示部106に表示させる。これにより、選択された代表画像に対応する動画像が、表示部106の画面に表示される。
【0055】
制御部107は、一つの動画ファイルの再生が終了すると、自動的に次の動画ファイルを再生するように記録再生部109に指示する。このように、自動記録モードで記録された動画を再生する場合には、記録した順に複数の動画ファイルを自動的に連続して再生する。そして、ユーザによる再生停止の指示があると、制御部107は、動画ファイルの再生を停止し、再び、代表画像を表示部106に表示させる。
【0056】
また、ユーザにより何れかのシナリオが再生対象として選択された場合、制御部107は、選択されたシナリオのシナリオ番号を検出する。制御部107は、記録媒体110に記録された動画ファイルから、選択されたシナリオと同じシナリオ番号が管理情報として付加された動画ファイルを検出する。制御部107は、検出された各動画ファイルに含まれる動画データの先頭部分を再生するように記録再生部109を制御する。信号処理部104は、再生された動画データの先頭部分を信号処理部104により復号化し、表示制御部105に送る。制御部107は、選択されたシナリオのシナリオデータに基づき、各シーンのシーン名の情報を検出し、表示制御部105に送る。表示制御部105は、復号された先頭画面のサイズを縮小して各シーンの代表画像を生成し、各シーンのシーン名と共に表示部106に表示する。ユーザは、操作部108を操作し、表示部106に表示された各動画ファイルの代表画像のうち、再生したい代表画像を選択し、再生を指示する。
【0057】
制御部107は、ユーザによるこの再生指示に従い、選択された代表画像に対応した動画ファイルを再生するように記録再生部109を制御する。記録再生部109は、指定された動画ファイルを記録媒体から再生し、メモリ103に記憶する。信号処理部104は、メモリ103から動画データを読み出して復号化し、復号化された動画データをメモリ103に記憶する。表示制御部105は、メモリ103から復号化された動画データを読み出し、表示部106に動画させる。これにより、選択された代表画像に対応する動画像が、表示部106の画面に表示される。
【0058】
ユーザによる再生停止の指示に従い、制御部107は、動画ファイルの再生を停止し、再び、代表画像を表示部106に表示させる。
【0059】
本実施例では、ユーザは、選択されたシナリオに対応した動画ファイルの代表画像を表示している状態で、各動画ファイルの再生順序を変更できる。その操作手順を説明する。ユーザが操作部108を操作して、再生順序を変更したいシーンの代表画像を指定した後、指定したシーンの再生位置を指定する。制御部107は、再生順序が変更されると、指定された動画ファイルのシーン番号を示す管理情報を変更するように記録再生部109に指示する。これにより、記録後に、シナリオ内で各シーンの再生順序を変更することができる。
【0060】
以上の説明から容易に理解できるように、本実施例では、シナリオ撮影モードでも自動停止モードで動画を撮影できる。更には、ユーザは、自動停止するまでの時間、すなわち記録時間を、自動停止モードでの設定時間と、選択されたシナリオの推奨記録時間の何れにも設定できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画データを出力する撮像手段と、
前記撮像手段により得られる前記動画データを記録媒体に記録する記録手段と、
記録開始の指示を受ける操作入力手段と、
シーン名の情報と推奨撮影時間の情報を含むシナリオデータを記憶するシナリオ記憶手段と、
前記シナリオデータの前記推奨撮影時間を記録時間とするか、所定の時間を記録時間とするかを選択する選択手段と、
前記撮像手段で撮影中の画像と、前記シナリオデータに関する情報を表示する表示手段と、
前記操作手段による前記記録開始の指示に応じて前記記録手段による記録を開始し、前記選択手段により選択される記録時間の経過に応じて、前記記録手段による記録を自動的に停止する制御手段
とを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記記録手段は、前記記録媒体に記録される前記動画データの撮影に適用したシナリオを示す情報を前記記録媒体に記録することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記シナリオに関する情報として、前記シナリオのシーン名、前記推奨撮影時間、及び撮影の経過時間を示すものを表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記シナリオ記憶手段は、複数の前記シナリオデータを記憶し、
前記選択手段は、前記シナリオ記憶手段に記憶された複数の前記シナリオデータから選択されたシナリオデータの推奨撮影時間と前記所定の時間の何れかを選択する
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記表示手段は更に、前記シナリオデータに含まれる複数のシーンから選択されたシーンのシーン名と前記選択されたシーンの推奨撮影時間の情報を表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記制御手段は更に、前記操作入力手段からの指示に応じて、記録開始後、前記選択手段により選択された記録時間が経過したことに応じて自動的に前記記録手段による記録を停止させる自動停止モードと、記録開始後、前記操作入力手段からの記録停止の指示に応じて前記記録手段による記録を停止させる手動停止モードの一方を、前記操作入力手段からの指示に応じて選択し、前記選択したモードに応じて前記記録手段を制御することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記所定の時間を設定する記録時間設定手段を備えることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記選択手段は、前記シナリオデータに含まれる推奨撮影時間が有効でないと判別した場合、自動的に前記所定時間を選択することを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の撮像装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−120036(P2012−120036A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269560(P2010−269560)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】