説明

撮像装置

【課題】良好な動画像を撮影することができる撮像装置を提供する。
【解決手段】光学系による像を繰り返し撮像し、撮像した像に対応する画像信号を繰り返し出力することが可能な撮像部110と、撮像部110から出力された画像信号に基づく画像を記憶する記憶部180と、被写体を照明光で照明するための指令を送出する照明制御部170と、撮像部110により、像を繰り返し撮影している際に、照明光の照明が行なわれた場合に、照明光の照明時に撮像された画像中の、被写体に照射された照明光に基づく成分を、取り除くための補正を行なう補正部170と、を備えることを特徴とする撮像装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、静止画像の撮影に加えて、動画像の撮影が可能な一眼レフタイプの撮像装置が知られている(たとえば、特許文献1)。なお、このような撮像装置においては、一般に、自動的に被写体にピントを合わせるオートフォーカス機能を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−184910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、オートフォーカス機能による焦点検出を行う際に、被写体が低輝度である場合に、照明光の照明が行われるため、動画像に照明光が写り込んでしまう場合があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、良好な動画像を撮影することができる撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、以下の解決手段によって上記課題を解決する。なお、発明の実施形態を示す図面に対応する符号を付して説明するが、この符号は発明の理解を容易にするためだけのものであって発明を限定する趣旨ではない。
【0007】
[1]本発明に係る撮像装置は、光学系による像を繰り返し撮像し、撮像した像に対応する画像信号を繰り返し出力することが可能な撮像部(110)と、前記撮像部から出力された前記画像信号に基づく画像を記憶する記憶部(180)と、被写体を照明光で照明するための指令を送出する照明制御部(170)と、前記撮像部により、前記像を繰り返し撮影している際に、前記照明光の照明が行なわれた場合に、前記照明光の照明時に撮像された画像中の、前記被写体に照射された照明光に基づく照明光成分を、取り除くための補正を行なう補正部(170)と、を備えることを特徴とする。
【0008】
[2]上記撮像装置に係る発明において、前記補正部(170)は、前記像を繰り返し撮影している際に、前記照明光の照明が行なわれた場合に、繰り返し撮像された画像のうち、前記照明光の照明が行われている間に撮像された画像を補正の対象とするように構成することができる。
【0009】
[3]上記撮像装置に係る発明において、前記補正部(170)は、前記記憶部(180)に記憶された前記画像のうち、前記照明光の非照明時に撮像された画像と、前記照明光の照明時に撮像された画像とに基づいて、前記照明光の照明時に撮像された画像の補正を行なうように構成することができる。
【0010】
[4]上記撮像装置に係る発明において、前記補正部(170)は、前記照明光の照明直前に撮像された画像と、前記照明光の照明直後に撮像された画像とに基づいて、前記照明光の照明直後に撮像された画像中の前記照明光成分を検出し、検出した前記照明光成分に基づいて、前記照明光の照明時に撮像された画像の補正を行なうように構成することができる。
【0011】
[5]上記撮像装置に係る発明において、前記補正部(170)は、前記照明光の照明時に撮像された画像の中から、前記照明光成分を取り除くことにより、前記照明光の照明時に撮像された画像を補正するように構成することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、良好な動画像を撮影することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本実施形態に係るカメラのブロック図である。
【図2】図2は、本実施形態に係るカメラの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1に示すように、本実施形態のカメラ1は、カメラボディ100とレンズ鏡筒200とストロボ装置300とを備え、カメラボディ100とレンズ鏡筒200とは着脱可能に結合され、カメラボディ100とストロボ装置300も着脱可能に結合される。
【0016】
レンズ鏡筒200には、レンズ211,212,213、および絞り220を含む撮影光学系が内蔵されている。
【0017】
フォーカスレンズ212は、レンズ鏡筒200の光軸L1に沿って移動可能に設けられ、エンコーダ260によってその位置が検出されつつレンズ駆動モータ230によってその位置が調節される。そして、エンコーダ260で検出されたフォーカスレンズ212の位置情報は、レンズ制御部250を介してカメラ制御部170へ送信される一方で、カメラ制御部170はこの情報を参照しつつフォーカスレンズ212の焦点調節位置を演算し、レンズ制御部250を介してレンズ駆動モータ230にレンズ駆動信号を送信する。
【0018】
絞り220は、上記撮影光学系を通過して、カメラボディ100に備えられた撮像素子110に至る光束の光量を制限するとともにボケ量を調整するために、光軸L1を中心にした開口径が調節可能に構成されている。絞り220による開口径の調節は、たとえば自動露出モードにおいて演算された適切な開口径が、カメラ制御部170からレンズ制御部250を介して絞り駆動部240へ送信されることにより行われる。また、開口径の調節は、カメラボディ100に設けられた操作部150を介したマニュアル操作により、設定された開口径がカメラ制御部170からレンズ制御部250を介して絞り駆動部240へ送信されることによっても行われる。なお、絞り220の開口径は図示しない絞り開口センサにより検出され、レンズ制御部250で現在の開口径が認識される。
【0019】
また、図1に示すように、本実施形態のカメラ1はストロボ装置300を備える。ストロボ装置300にはメイン発光部301が設けられ、発光回路で構成されるストロボ駆動部302により発光駆動される。メイン発光部301の発光量や発光タイミングは、カメラ制御部170からの制御信号によって制御される。
【0020】
さらに、ストロボ装置300には、AF補助光発光部303が設けられ、発光回路で構成されるAF補助光駆動部304により発光駆動される。AF補助光の発光はカメラ制御部170により制御されており、たとえば、カメラ制御部170により、被写体が低輝度であると判断された場合や、被写体のコントラストが低いと判断された場合に、AF補助光を発光するための制御信号がAF補助光駆動部304に送出され、これに基づき、AF補助光駆動部304によりAF補助光の発光駆動が行われる。なお、AF補助光発光部303は、赤色LEDを含む構成とすることができ、AF補助光発光部303により照射されるAF補助光は、焦点状態の検出を容易にするため、例えば、縦方向、横方向、あるいは格子状のスリット(縞模様)からなる所定のコントラストパターンを有する光とすることができる。
【0021】
一方、カメラボディ100は、被写体からの光束を撮像素子110、ファインダ135、測光センサ137および焦点検出モジュール161へ導くためのミラー系120を備える。このミラー系120は、回転軸123を中心にして被写体の観察位置と撮像位置との間で所定角度だけ回転するクイックリターンミラー121と、このクイックリターンミラー121に軸支されてクイックリターンミラー121の回動に合わせて回転するサブミラー122とを備える。図1においては、ミラー系120が被写体の観察位置にある状態を実線で示し、被写体の撮像位置にある状態を二点鎖線で示す。
【0022】
ミラー系120は、被写体の観察位置にある状態では光軸L1の光路上に挿入される一方で、被写体の撮像位置にある状態では光軸L1の光路から退避するように回転する。
【0023】
クイックリターンミラー121はハーフミラーで構成され、被写体の観察位置にある状態では、被写体からの光束(光軸L1)の一部の光束(光軸L2,L3)を当該クイックリターンミラー121で反射してファインダ135および測光センサ137に導き、一部の光束(光軸L4)を透過させてサブミラー122へ導く。これに対して、サブミラー122は全反射ミラーで構成され、クイックリターンミラー121を透過した光束(光軸L4)を位相差検出モジュール160へ導く。
【0024】
したがって、ミラー系120が観察位置にある場合は、被写体からの光束(光軸L1)はファインダ135、測光センサ137および位相差検出モジュール160へ導かれ、撮影者により被写体が観察されるとともに、露出演算やフォーカスレンズ212の焦点調節状態の検出が実行される。そして、撮影者がレリーズボタンを全押しするとミラー系120が撮影位置に回動し、被写体からの光束(光軸L1)は全て撮像素子110へ導かれ、撮影した画像を図示しないメモリ180に保存する。
【0025】
クイックリターンミラー121で反射された被写体からの光束(光軸L2)は、撮像素子110と光学的に等価な面に配置された焦点板131に結像し、ペンタプリズム133と接眼レンズ134とを介して観察可能になっている。このとき、透過型液晶表示器132は、焦点板131上の被写体像に焦点検出エリアマークなどを重畳して表示するとともに、被写体像外のエリアにシャッター速度、絞り値、撮影枚数などの撮影に関する情報を表示する。これにより、撮影者は、撮影準備状態において、ファインダ135を通して被写体およびその背景ならびに撮影関連情報などを観察することができる。
【0026】
測光センサ137は、二次元カラーCCDイメージセンサなどで構成され、撮影の際の露出値を演算するため、撮像画面を複数の領域に分割して領域ごとの輝度に応じた測光信号を出力する。測光センサ137で検出された信号はカメラ制御部170へ出力され、自動露出制御や被写体認識処理に用いられる。
【0027】
撮像素子110は、カメラボディ100の、被写体からの光束の光軸L1上であって、レンズ211,212,213を含む撮影光学系の予定焦点面に設けられ、その前面にシャッター111が設けられている。この撮像素子110は、複数の光電変換素子が二次元に配置されたものであって、二次元CCDイメージセンサ、MOSセンサまたはCIDなどのデバイスから構成することができる。撮像素子110で光電変換された画像信号は、カメラ制御部170で画像処理されたのちメモリ180に保存される。なお、撮影画像を格納するメモリ180は内蔵型メモリやカード型メモリなどで構成することができる。
【0028】
位相差検出モジュール160は、一対の開口が形成された絞りマスク(不図示)、および一対のラインセンサ(不図示)を有する。位相差検出モジュール160は、光学系からの光束を、一対の絞りマスクにより分割した後、一対のラインセンサに結像させる。そして、位相差検出モジュール160は、ラインセンサに再結像された像の像ズレ量を求め、この像ズレ量に基づいて、デフォーカス量を算出する。デフォーカス量に応じたフォーカスレンズ212の駆動量は、カメラ制御部170を介して、レンズ制御部250に送信され、レンズ駆動モータ231が駆動する。
【0029】
カメラ制御部170は、マイクロプロセッサとメモリなどの周辺部品から構成され、撮像素子110から画像信号を読み出すとともに、必要に応じて所定の画像処理を施して、メモリ180に出力する。この他にも、カメラ制御部170は、撮影画像情報の補正や、焦点状態の検出、さらには、絞り調節状態の検出など、カメラ1全体の制御を司る。
【0030】
また、本実施形態においては、カメラ制御部170は、撮像素子110から出力された画素信号に基づいて、コントラスト検出方式による焦点状態の検出を行う。具体的には、カメラ制御部170は、撮像素子110の出力の高周波成分を、高周波透過フィルタを用いて抽出し、これを積算して焦点電圧を検出することで、焦点評価値を求め、該焦点評価値が最大となるフォーカスレンズ212の位置を合焦位置として求める、コントラスト検出方式の焦点検出を実行する。なお、この合焦位置は、たとえば内挿法などの演算方式を用いて求められる。この他、カメラ制御部170は、遮断周波数が異なる2つの高周波透過フィルタを用いて高周波成分を抽出し、それぞれを積算して焦点電圧を検出することで、焦点評価値を求めることもできる。
【0031】
操作部150は、例えば、シャッターレリーズボタン、およびカメラ1の各種動作モードを設定するためのモード設定スイッチなどを備えており、操作部150により、オートフォーカスモード/マニュアルフォーカスモードの切換が行えるようになっている。また、シャッターレリーズボタンのスイッチは、ボタンの半押しでONとなる第1スイッチSW1と、ボタンの全押しでONとなる第2スイッチSW2とを含む。
【0032】
液晶モニタ190は、カメラボディ100の背面に設けられ、撮像素子110により得られた画像信号に基づくスルー画像を、液晶モニタ190が備えるディスプレイに表示する。
【0033】
次に、図2を参照して、本実施形態に係るカメラ1の動作を説明する。図2は、本実施形態に係るカメラ1の動作を示すフローチャートである。以下においては、動画撮影を行っている際に、操作部150に備えるシャッターレリーズボタンが全押し(第2スイッチSW2のオン)されると、動画像の撮影を終了し、静止画像の撮影を行うモードが選択されているものとして説明する。
【0034】
まず、ステップS101では、カメラ制御部170により、動画撮影の開始操作(たとえば、撮影者による操作部150に備えられた動画撮影ボタンの押下操作)が行われたか否かの判断が行われる。動画撮影の開始操作が行われた場合には、ステップS102に進み、一方、動画撮影の開始操作が行われていない場合には、動画撮影の開始操作が行われるまで、ステップS101で待機する。
【0035】
ステップS102では、撮影者による動画撮影の開始操作に基づいて、カメラ1による動画撮影が開始される。具体的には、撮像素子110による、被写体像に基づく画像信号を連続的に取得する動作が開始され、これにより、撮像素子110による画像信号の取得が、所定の間隔で繰り返し行われる。撮像素子110により取得された画像信号は、図示しないA/D変換部において、アナログ信号からデジタル信号に変換されたのち、カメラ制御部170へと送出される。そして、カメラ制御部170において、画像信号に基づく画像が生成され、生成された画像が、メモリ180に記憶される。このように、動画像の撮影が開始されると、動画像が所定の間隔で繰り返し撮像され、繰り返し撮像された動画像が、メモリ180に記憶される。なお、動画像の撮影は、後述するステップS106で動画像の撮影が行われていないと判断されるまで、または、後述するステップS116で静止画像の撮影が開始されるまで、所定の間隔で、繰り返し行われる。
【0036】
ステップS103では、カメラ制御部170により、測光処理が行われる。具体的には、カメラ制御部170は、まず、ステップS103で撮像素子110から取得した画像信号に基づいて、被写体の輝度に応じた測光値を算出する。そして、カメラ制御部170は、算出した測光値に基づいて、焦点検出を行う際にAF補助光を発光する必要があるか否かの判断を行う。たとえば、カメラ制御部170は、被写体の測光値が所定の閾値以下の場合には、被写体は低輝度であると判断し、焦点検出を行う際にAF補助光を発光する必要があると判断し、一方、被写体の測光値が所定の閾値よりも大きい場合には、被写体は高輝度であると判断し、焦点検出を行う際にAF補助光を発光する必要がないと判断することができる。なお、AF補助光を発光する必要があるか否かの判断の結果は、後述するステップS108において、AF補助光の発光が必要か否かの判断を行う際に用いられる。
【0037】
ステップS104では、カメラ制御部170により、ステップS103で算出された測光値に基づいて、露出制御が実行される。たとえば、カメラ制御部170は、ステップS103で算出された測光値に基づいて、露出演算を行ない、露出演算の結果に基づいて、撮像素子110の電荷蓄積時間の調節、画像信号の出力ゲインの設定、および絞り220による開口径の調節を行う。
【0038】
そして、ステップS105では、カメラ制御部170により、被写体に対する焦点状態の検出が行われる。たとえば、本実施形態においては、カメラ制御部170は、ステップS103で取得した画像信号に基づいて、焦点評価値を算出することで、コントラスト検出方式による焦点状態の検出を行う。なお、ステップS105では、被写体に対する焦点状態の検出のみを行ってもよいし、焦点状態の検出結果に基づいて、焦点評価値が最大となるフォーカスレンズ212のレンズ位置(合焦位置)を検出し、検出した合焦位置までフォーカスレンズ212を駆動させる焦点調節をも行ってもよい。また、カメラ制御部170は、撮像素子110から取得した画像信号に基づいて、特定被写体の認識を行い、認識した特定被写体に対する焦点状態の検出を行うようにしてもよい。
【0039】
ステップS106では、カメラ制御部170により、動画撮影が行われているか否かの判断が行われる。たとえば、カメラ制御部170は、撮影者により、操作部150に備えた動画撮影ボタンの押下操作が再度行われ、動画撮影が終了された場合には、動画撮影が行われていないと判断することができる。動画撮影が行われている場合には、ステップS107に進み、一方、動画撮影が終了している場合には、図2に示す処理を終了する。
【0040】
ステップS107では、カメラ制御部170により、シャッターレリーズボタンの半押し(第1スイッチSW1のオン)がされたか否か判断される。第1スイッチSW1がオンであると判断された場合は、静止画撮影を行うために、ステップS108に進む。一方、第1スイッチSW1がオンではないと判断された場合は、ステップS103に戻り、動画撮影が続行される。なお、ステップS108以降においても、後述するステップS116において静止画像の撮影が開始されるまでは、動画像の撮影が、所定の間隔で繰り返し行われる。
【0041】
ステップS108では、カメラ制御部170により、AF補助光の発光が必要か否かの判断が行われる。具体的には、カメラ制御部170は、ステップS103で行ったAF補助光を発光する必要があるか否かの判断の結果、被写体が低輝度であり、AF補助光を発光する必要があると判断した場合には、ステップS109に進み、一方、被写体が高輝度であり、AF補助光を発光する必要はないと判断した場合には、ステップS111に進む。
【0042】
ステップS109では、カメラ制御部170により、AF補助光発光部303にAF補助光を発光させるための制御信号が、AF補助光駆動部304に送出され、これにより、AF補助光発光部303によるAF補助光の発光が行われる。AF補助光発光部303によりAF補助光の発光が行われた後は、ステップS110に進み、ステップS110で、AF補助光が発光されたことを示すために、フラグが1に設定され、その後、ステップS112に進む。
【0043】
一方、ステップS108において、AF補助光を発光する必要がないと判断された場合には、ステップS111に進み、ステップS111で、AF補助光が発光されなかったことを示すために、フラグが0に設定され、その後、ステップS112に進む。
【0044】
ステップS112では、カメラ制御部170により、焦点調節が行われる。本実施形態では、カメラ制御部170は、コントラスト検出方式により、焦点評価値がピークとなるフォーカスレンズ212のレンズ位置(合焦位置)を検出し、検出したレンズ位置(合焦位置)に、フォーカスレンズ212を駆動させる。
【0045】
ステップS113では、カメラ制御部170により、AF補助光の発光を停止するための制御信号が、AF補助光駆動部304に送出され、これにより、AF補助光発光部303によるAF補助光の発光が停止される。なお、被写体が高輝度であり、AF補助光が発光されていない場合には、そのまま、ステップS114へと進む。
【0046】
ステップS114では、カメラ制御部170により、シャッターレリーズボタンの全押し(第2スイッチSW2のオン)がされたか否かの判断が行われる。第2スイッチSW2がオンされた場合は、静止画像の撮影を行うために、ステップS116へ進む。一方、シャッターレリーズボタンが全押し(第2スイッチSW2のオン)されていない場合は、シャッターレリーズボタンが半押し(第1スイッチSW1のオン)されている限り(ステップS115=No)、シャッターレリーズボタンが全押しされるまで待機し、待機中に、シャッターレリーズボタンが全押しされた場合には、ステップS116に進み、シャッターレリーズボタンの半押しが解除(第1スイッチSW1のオフ)された場合(ステップS115=Yes)には、ステップS103に戻って、動画撮影を継続する。
【0047】
ステップS116では、静止画像の撮影が行われる。具体的には、動画像の撮影が終了され、静止画像を撮影するための露光動作が、撮像素子110により行われる。そして、静止画像を撮影するための露光動作により、撮像素子110により取得された画像信号が、カメラ制御部170に送信され、カメラ制御部170において、所定の画像処理が行われた後、静止画像として、メモリ180に記憶される。なお、本実施形態では、ステップS116で静止画像の撮影が行われた後は、動画像の撮影は行われず、動画像の撮影および静止画像の撮影がともに終了する。
【0048】
ステップS117では、カメラ制御部170により、ステップS110またはステップS111で設定されたフラグが1であるか否かの判断が行われる。フラグが1であると判断された場合は、焦点検出のためにAF補助光が発光されたと判断され、ステップS118に進み、一方、フラグが0であると判断された場合は、焦点検出のためにAF補助光は発光されなかったと判断され、図2に示す処理を終了する。
【0049】
ステップS118では、カメラ制御部170により、AF補助光を発光している間に撮影された動画像の中から、AF補助光に基づく補助光成分を取り除くための補正処理が行われる。本実施形態では、ステップS116で静止画像の撮影が開始されるまで、動画像の撮影が繰り返し行われる。すなわち、ステップS109においてAF補助光の発光が行われた場合でも、動画像の撮影が繰り返し行われており、AF補助光の発光が行われてからAF補助光の発光が停止されるまでの間に撮影された動画像の中に、AF補助光が写り込んでしまう場合がある。このステップS118では、AF補助光の発光が行われている間に撮影された動画像の中から、AF補助光に基づく補助光成分を除去するために、以下のような補正処理が行われる。
【0050】
すなわち、カメラ制御部170は、まず、メモリ180に記憶された動画像のうち、AF補助光の発光直前に撮像された画像と、AF補助光の発光直後に撮像された画像との差に基づいて、AF補助光の発光直後に撮像された画像中に存在するAF補助光の補助光成分を検出する。たとえば、カメラ制御部170は、メモリ180に記憶された動画像の中から、AF補助光の発光直前に撮像された画像と、AF補助光の発光直後に撮像された画像とを抽出し、抽出したAF補助光の発光直前に撮像された画像の輝度と、AF補助光の発光直後に撮像された画像の輝度との差を、AF補助光に基づく補助光成分として検出することができる。なお、カメラ制御部170は、たとえば、動画像をメモリ180に記憶する際に、動画像の撮影時にAF補助光が発光していたか否かの情報を、動画像に関連付けてメモリ180に記憶することで、メモリ180に記憶された動画像の中から、AF補助光の発光直前に撮像された画像、AF補助光の発光直後に撮像された画像を抽出することができる。
【0051】
そして、カメラ制御部170は、検出した補助光成分に基づいて、AF補助光が発光している間に繰り返し撮像された各動画像から、これら動画像の中に存在するAF補助光の補助光成分を取り除くための補正を行う。たとえば、カメラ制御部170は、AF補助光が発光している間に繰り返し撮像された動画像の輝度を、検出した補助光成分に応じて補正することで、AF補助光が発光している間に撮像された画像の中から、AF補助光に基づく補助光成分を取り除くことができる。
【0052】
なお、撮像素子110において被写体光に応じた電荷の蓄積を行っている途中で、AF補助光の発光が開始された場合には、AF補助光が、撮像素子110から出力される画像信号に十分に反映されないため、AF補助光の発光直後に出力された画像を用いて、AF補助光に基づく補助光成分を適切に検出できない場合がある。そのため、電荷の蓄積が行われている途中で、AF補助光の発光が開始された場合には、電荷蓄積時間に対するAF補助光の発光時間を考慮して、補助光成分を求める構成としてもよい。
【0053】
以上のように、本実施形態に係るカメラ1では、動画像を繰り返し撮像している際に、AF補助光の発光が行われた場合には、撮像された動画像のうち、AF補助光の発光直前に撮像された画像と、AF補助光の発光直後に撮像された画像との差に基づいて、AF補助光の発光直後に撮像された画像中の補助光成分を検出する。そして、検出した補助光成分を用いて、AF補助光を発光している間に繰り返し撮像された動画像の中から、AF補助光に基づく補助光成分を取り除く補正を行う。これにより、本実施形態では、AF補助光が発光している間に撮像された動画像に、たとえば、所定のコントラストパターンを有するAF補助光が写り込んでいる場合でも、AF補助光が写り込んでいる画像の中から、AF補助光に基づく補助光成分を取り除くことができるため、良好な動画像を撮影することができる。
【0054】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0055】
例えば、上述した実施形態では、静止画像の撮像を行う際に、焦点検出のためにAF補助光の発光を行う構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、動画像を撮影している際に、構図の変更が行われて被写体の輝度が低くなってしまったために、AF補助光を発光するような場面などにおいても、本発明を適用することができる。
【0056】
また、上述した実施形態では、撮像素子110において取得された画像信号に基づいて、コントラスト検出方式による焦点検出を行っているが、たとえば、クイックリターンミラー121およびサブミラー122をハーフミラーで構成し、ハーフミラーで構成されたクイックリターンミラー121およびサブミラー122を光軸L1上に挿入しておくことで、撮像素子110による動画像の撮像を行いながら、位相差検出モジュール160による位相差検出方式の焦点検出を行う構成としてもよい。
【0057】
さらに、上述した実施形態においては、動画像の撮影を行いながら、スルー画像を表示部190に表示することができる。この場合、表示部190に表示するスルー画像については、AF補助光に基づく補助光成分の除去を行わずに、メモリ180に記憶する動画像についてのみ、補助光成分の除去を行う構成とすることができる。
【0058】
また、上述した実施形態では、静止画像の撮像が終了すると、動画像の撮像も終了する構成を例示したが、この構成に限定されるものではなく、たとえば、静止画像の撮像が終了した後に、動画像の撮像を再開する構成としてもよい。
【0059】
さらに、上述した実施形態では、ストロボ装置300にAF補助光発光部303を備える構成を例示したが、この構成に限定されるものではなく、たとえば、カメラボディ100にAF補助光発光部303を備える構成としてもよい。
【0060】
なお、本実施形態に係るカメラ1は、動画撮影可能なカメラであれば特に限定されず、例えば、一眼レフデジタルカメラ、デジタルコンパクトカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話用のカメラなどのその他の光学機器に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0061】
1…カメラ
100…カメラボディ
110…撮像素子
160…位相差検出モジュール
165…レンズ駆動制御部
170…カメラ制御部
180…メモリ
200…レンズ鏡筒
212…フォーカスレンズ
230…レンズ駆動モータ
250…レンズ制御部
300…ストロボ装置
303…AF補助光発光部
304…AF補助光駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学系による像を繰り返し撮像し、撮像した像に対応する画像信号を繰り返し出力することが可能な撮像部と、
前記撮像部から出力された前記画像信号に基づく画像を記憶する記憶部と、
被写体を照明光で照明するための指令を送出する照明制御部と、
前記撮像部により、前記像を繰り返し撮影している際に、前記照明光の照明が行なわれた場合に、前記照明光の照明時に撮像された画像中の、前記被写体に照射された照明光に基づく照明光成分を、取り除くための補正を行なう補正部と、を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記補正部は、前記像を繰り返し撮影している際に、前記照明光の照明が行なわれた場合に、繰り返し撮像された画像のうち、前記照明光の照明が行われている間に撮像された画像を補正の対象とすることを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の撮像装置において、
前記補正部は、前記記憶部に記憶された前記画像のうち、前記照明光の非照明時に撮像された画像と、前記照明光の照明時に撮像された画像とに基づいて、前記照明光の照明時に撮像された画像の補正を行なうことを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
請求項3に記載の撮像装置において、
前記補正部は、前記照明光の照明直前に撮像された画像と、前記照明光の照明直後に撮像された画像とに基づいて、前記照明光の照明直後に撮像された画像中の前記照明光成分を検出し、検出した前記照明光成分に基づいて、前記照明光の照明時に撮像された画像の補正を行なうことを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
請求項4に記載の撮像装置において、
前記補正部は、前記照明光の照明時に撮像された画像の中から、前記照明光成分を取り除くことにより、前記照明光の照明時に撮像された画像を補正することを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−199785(P2012−199785A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62712(P2011−62712)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】