説明

撮像装置

【課題】並べて表示された複数の画像に対する違和感を緩和することができる撮像装置を提供する。
【解決手段】画像記録部12は、イメージセンサ4により取得される被写体の画像から得られる動画像を記録すると同時に、動画像撮影中に指示されるタイミングで複数の静止画像を複数の抽出画像として記録する。画像記録制御部11は、複数の抽出画像と第1動き情報とを関連付けて画像記録部12に記録するように制御する。マイクロコンピュータ3は、動画像における被写体の動きに関する第1動き情報を動画像に応じて生成し、第1動き情報に基づいて複数の抽出画像の配置を決定する。画像表示制御部13は、マイクロコンピュータ3の決定結果に基づいて、複数の抽出画像をデジタルカメラ1の表示部に並べて表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の画像を並べて表示できる撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)などのイメージセンサおよび信号処理の集積度が向上し、かつ安価に提供できるようになっている。このため、被写体の光学的な像を電気的な画像信号に変換して出力可能な撮像装置が急速に普及している。撮像装置としては、例えばデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ(以下、単にデジタルカメラという)が考えられる。特に、静止画撮影および動画撮影の両方の機能を備えた撮像装置が主流となりつつある。
【0003】
このデジタルカメラの主要機能の一つとして、撮影した動画像から複数の静止画像を作成する機能がある。複数の静止画像を作成する方法としては、動画撮影中に静止画撮影を行う際に動画撮影を一時中断して静止画撮影を行う方法と、動画撮影後に撮影された動画像の中から任意の画像フレームを選択して選択された画像フレームから静止画像を生成する方法とがある。
【0004】
従来のデジタルカメラにおいては、撮影した動画像の中から、静止画像を自動的に生成する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、多くのデジタルカメラは、小型表示装置を搭載しており、画像を1枚ずつ表示する機能、あるいは複数の画像を一覧表示(以下、サムネイル表示)する機能を有している。より利便性の高い表示方法として、例えば撮影時におけるデジタルカメラの姿勢に応じて画像の表示を行う方法が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
【0005】
また、複数の画像をつなぎ合わせて1枚のパノラマ画像を作成する装置において、その撮影の進行状態を確認できるようなデジタルカメラも提案されている(例えば、特許文献3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−229236号公報
【特許文献2】特開2001−45354号公報
【特許文献3】特開平6−303562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
車や飛行機などの動いている被写体を撮影する場合、ユーザーは水平方向、垂直方向あるいは斜め方向にデジタルカメラを動かしながら撮影を行う。このようにデジタルカメラの向きを振ることをパンニングという。パンニングにより撮影された動画像から生成された静止画像(以下、パンニング画像)をサムネイル表示する場合、従来は撮影された日時順に並べて表示される。
【0008】
しかし、動画像から生成した静止画像を表示する際、従来のようなサムネイル表示では、パンニング画像が並んでいる方向がデジタルカメラの動く方向あるいは撮影時の被写体の動く方向と必ずしも一致しないため、これらの静止画像に対してユーザーが違和感を覚える場合がある。
これは、撮像装置に限らず、印刷装置により画像が印刷された場合も同様である。
【0009】
本開示は、並べて表示された複数の画像に対する違和感を緩和することができる撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示における撮像装置は、筐体と、筐体に支持され被写体の光学的な像を形成する光学系と、光学系により形成された光学的な像を電気的な画像信号に変換し、被写体の画像を取得する画像取得部と、画像取得部で変換された画像信号を用い、動画像を記録すると同時に動画像撮影中に指示されるタイミングで複数の静止画像を複数の抽出画像として記録する記録部と、動画像における被写体の動きに関する第1動き情報を、動画像の記録に応じて生成する動き情報生成部と、複数の抽出画像と第1動き情報とを関連付けて記録部に記録するように制御する画像記録制御部と、第1動き情報に基づいて複数の抽出画像の配置を決定する配置決定部と、画像取得部により取得された複数の画像を並べて表示可能な表示部と、配置決定部での決定結果に基づいて、複数の抽出画像のうち少なくとも2つの抽出画像を表示部に並べて表示させる画像表示制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本開示における撮像装置は、並べて表示された複数の静止画像に対する違和感を緩和することができる撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】デジタルカメラの制御システムを示すブロック図
【図2】(A)は、デジタルカメラの上面図、(B)はデジタルカメラの背面図
【図3】手ブレ補正装置のハード構成図
【図4】手ブレ補正装置の分解斜視図
【図5】パンニングモード信号を示す図
【図6】(A)および(B)手ブレ補正装置の姿勢を示す図
【図7】撮影姿勢別のコイル供給電流量を示す図
【図8】姿勢判別信号を示す図
【図9】動画像ファイルと生成画像ファイルの対応を示す図
【図10】図9をさらに詳細に説明した図
【図11】撮影した画像ファイルの管理方法を説明する図
【図12】連写した画像ファイルの管理方法を説明する図
【図13】時間ベクトルとパンニング方向との関係を示す図
【図14】パンニング撮影状態を説明する図
【図15】撮影方法を説明するフローチャート
【図16】再生方法を説明するフローチャート
【図17】再生方法を説明するフローチャート
【図18】再生方法を説明するフローチャート
【図19】再生方法を説明するフローチャート
【図20】再生方法を説明するフローチャート
【図21】連写画像フォルダごとのサムネイル表示の一例
【図22】連写された画像のサムネイル表示の一例
【図23】基準画像の表示例
【図24】基準画像および比較画像の表示例(抽出画像フォルダ(#1))
【図25】基準画像および比較画像の表示例(抽出画像フォルダ(#1))
【図26】基準画像および比較画像の表示例(抽出画像フォルダ(#2))
【図27】基準画像および比較画像の表示例(抽出画像フォルダ(#3))
【図28】パンニング撮影状態を説明する図(第2実施形態)
【図29】動きベクトル検出部のハードウェア構成図(第2実施形態)
【図30】デジタルカメラおよび表示装置を示す図(第4実施形態)
【図31】デジタルカメラおよび印刷装置を示す図(第5実施形態)
【図32】表示制御装置、印刷制御装置、および表示印刷制御装置を示す図(第6実施形態)
【図33】基準画像および比較画像の表示例(他の実施形態)
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
<デジタルカメラの全体構成>
図1および図2を用いて第1実施形態に係るデジタルカメラ1について説明する。図1はデジタルカメラ1の概略構成を示すブロック図である。図2(A)図2(A)はデジタルカメラ1の上面図である。図2(B)はデジタルカメラ1の背面図である。図2に示すように、デジタルカメラ1の光軸AXに沿った方向をZ軸方向、デジタルカメラ1の左右方向をX軸方向、デジタルカメラ1の上下方向をY軸方向とする。なお、これらの方向はデジタルカメラ1の使用状態を限定するものではない。
【0014】
図1に示すように、デジタルカメラ1(撮像装置の一例)は、光学系Lと、マイクロコンピュータ3と、イメージセンサ4(画像取得部の一例)と、CCD駆動制御部5と、シャッター制御部41と、シャッター駆動モータ42と、を有している。
光学系Lは、被写体の光学的な像を形成するための光学系であり、3つのレンズ群L1、L2、L3を含んでいる。光学系Lはレンズ鏡筒2により支持されている。第1レンズ群L1は、フォーカシングを行うためのレンズ群であり、光軸に沿った方向に移動可能に設けられている。第3レンズ群L3は、ズーミングを行うためのレンズ群であり、光軸AXに沿った方向に移動可能に設けられている。第2レンズ群L2は、デジタルカメラ1の動きに起因する画像の振れを補正するためのレンズ群であり、光軸AXに垂直な面内を移動可能なように設けられている。第2レンズ群L2により光軸を偏心させることで画像の振れを補正することができる。第2レンズ群L2は、後述する手ブレ補正装置20に含まれている。
【0015】
マイクロコンピュータ3は、デジタルカメラ1全体を制御するユニットであり、各ユニットに接続されている。
シャッター制御部41は、シャッターを動作させるために、マイクロコンピュータ3からの制御信号に基づいてシャッター駆動モータ42を駆動する。シャッターボタン36を操作することにより得られるタイミング信号に基づいて、この制御信号はマイクロコンピュータ3により生成される。
【0016】
イメージセンサ4は、例えばCCDであり、光学系Lにより形成される光学的な像を電気的な画像信号に変換する。イメージセンサ4の駆動は、CCD駆動制御部5により制御される。なお、イメージセンサ4は、CMOSセンサでもよい。
図1に示すように、外部から操作情報を入力するために、デジタルカメラ1には操作部34が設けられている。具体的には、操作部34は、電源スイッチ35と、シャッターボタン36と、モード切換ダイアル37と、十字操作キー38と、MENU設定ボタン39と、SETボタン40と、を有している。マイクロコンピュータ3は、操作部34と接続されており、操作部34からの信号を受信可能である。
【0017】
図2(A)および図2(B)に示すように、筐体1aの前面には、光学系Lおよびレンズ鏡筒2が配置されており、背面には電源スイッチ35と、モード切換ダイアル37と、十字操作キー38と、MENU設定ボタン39と、SETボタン40と、動画撮影操作ボタン45と、表示部55と、が配置されている。筐体1aの上面には、シャッターボタン36と、ズーム操作レバー57と、が配置されている。
【0018】
ズーム操作レバー57は、シャッターボタン36と同軸に回転可能となるように、シャッターボタン36の周囲に設けられている。電源スイッチ35は、デジタルカメラ1の電源のON/OFFを行うためのスイッチである。モード切換ダイアル37は、静止画撮影モード、動画撮影モードおよび再生モードを切り換えるためのダイアルであり、ユーザーはモード切換ダイアル37を回転させてモードを切換えることができる。モード切換ダイアル37により静止画撮影モードが選択されると、撮影モードを静止画撮影モードへ切り換えることができ、モード切換ダイアル37により動画撮影モードが選択されると、撮影モードを動画撮影モードへ切り換えることができる。動画撮影モードでは、基本的に動画撮影が可能となる。さらに、モード切換ダイアル37により再生モードが選択されると、モードを再生モードへ切り換えることができ、表示部55に撮影画像を表示させることができる。また、静止画撮影モード、あるいは動画撮影モードに切換えられた状態で、ズーム操作レバー57を右方向へ回転させるとレンズ鏡筒2はズームモータ(図示せず)により望遠側へ駆動され、左方向へ回転させるとレンズ鏡筒2はズームモータにより広角側へ駆動される。ズームモータの動作はマイクロコンピュータ3により制御される。
【0019】
動画撮影操作ボタン45は、動画撮影の開始および停止を指示するボタンであり、モード切換ダイアル37において設定された撮影モードが静止画撮影モードまたは再生モードであっても、この動画撮影操作ボタン45を押すことにより、モード切換ダイアル37での設定内容に関係なく、強制的に動画撮影モードが開始される。さらに、動画撮影モードにおいて、この動画撮影操作ボタン45を押すことにより、動画撮影が終了し、静止画撮影モード、あるいは再生モードへと移行する。
【0020】
MENU設定ボタン39は、表示部55に各種メニューを表示させるためのボタンである。十字操作キー38は、撮影者等が上下左右の部位を押圧して、MENU設定ボタン39の操作により表示部55に表示された各種メニューから所望のメニューまたは項目を選択するためのボタンである。SETボタン40は、各種メニューの実行を確定するためのボタンである。なお、このSETボタン40は別機能として、動画撮影中に押すことにより、静止画像も同時に撮影するシャッターボタンの役割も果たす。
【0021】
図1に示すように、デジタルカメラ1は、アナログ信号処理部6と、A/D変換部7と、デジタル信号処理部8と、バッファメモリ9と、画像圧縮部10と、画像記録制御部11と、画像記録部12と、画像表示制御部13と、表示部としての表示部55と、をさらに有している。
イメージセンサ4から出力された画像信号は、アナログ信号処理部6、A/D変換部7、デジタル信号処理部8、バッファメモリ9および画像圧縮部10により順次処理される。アナログ信号処理部6は、イメージセンサ4から出力される画像信号にガンマ処理等のアナログ信号処理を施す。A/D変換部7は、アナログ信号処理部6から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。デジタル信号処理部8は、A/D変換部7によりデジタル信号に変換された画像信号に対してノイズ除去や輪郭強調等のデジタル信号処理を施す。バッファメモリ9は、RAM(Random Access Memory)であり、デジタル信号処理部8により処理された画像信号を一時的に記憶する。
【0022】
さらに、バッファメモリ9に記憶された画像信号は、画像圧縮部10および画像記録部12により順次処理される。バッファメモリ9に記憶された画像信号は、画像記録制御部11の指令により、画像圧縮部10に送信され、画像信号のデータは圧縮される。この際、画像信号は、この圧縮処理により、元のデータよりも小さなデータサイズになる。例えば、この圧縮方式として、静止画の場合には、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式が用いられる。また、動画の場合には、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)方式が用いられる。また同時に、画像圧縮部10はサムネイル表示等に用いられる画像に対応する縮小画像信号についても生成する。その後、圧縮された画像信号および縮小画像信号は、画像記録部12へ送信される。なお本実施形態においては、静止画についてはJPEG方式、動画についてはMPEG方式を用いて説明するが、その方式については限定されるものではない。
【0023】
画像記録部12は、デジタルカメラ1本体に設けられた図示しない内部メモリ50や着脱可能なリムーバブルメモリ51などにより構成されており、画像記録制御部11の指令に基づいて、画像信号(動画像と静止画像)と、対応する縮小画像信号と、所定の情報と、を関連付けて記録する。これらの画像信号とともに記録される所定の情報としては、例えば、画像を撮影した際の日時、焦点距離情報、シャッタースピード情報、絞り値情報、撮影モード情報などが挙げられる。また、このデジタルカメラ1では、所定の情報としては、後述するデジタルカメラ1の姿勢情報、パンニングモード情報および被写体の動き情報が含まれている。
【0024】
画像表示制御部13は、マイクロコンピュータ3からの制御信号により制御される。この画像表示制御部13の指令により、表示部55は、画像記録部12あるいはバッファメモリ9に記録された画像信号を可視画像として表示する。表示部55の表示形態としては、画像信号のみを表示する形態と、画像信号とともに前述の所定の情報を表示する形態と、がある。所定の情報の表示は、例えばMENU設定ボタン39の操作により切り替えられる。
【0025】
<手ブレ補正装置の構成>
次に、図3および図4を用いて手ブレ補正装置20の構成について説明する。図3は手ブレ補正装置20の分解斜視図である。
機械的な振動やユーザーの手の揺れ等がデジタルカメラ1に加わると、被写体からレンズに入射する光の光軸がレンズの光軸とずれ、得られる画像が不鮮明となる。このような画像の振れを防ぐために、デジタルカメラ1には手ブレ補正装置20が搭載されている。具体的には図3および図4に示すように、手ブレ補正装置20は、ピッチング保持枠21と、ヨーイング保持枠22と、固定枠25と、ヨーイングアクチュエータ29xと、ピッチングアクチュエータ29yと、発光素子30と、受光素子31と、を有している。
【0026】
ピッチング保持枠21には、コイル24x、24yが設けられている。第2レンズ群L2および発光素子30は、ピッチング保持枠21に固定されている。ピッチング保持枠21は、2本のピッチングシャフト23a、23bを介して、ヨーイング保持枠22によりY方向に相対移動可能に保持されている。
ヨーイング保持枠22は、ヨーイングシャフト26a、26bを介して、固定枠25によりX方向に相対移動可能に保持されている。ヨーイングアクチュエータ29xは、マグネット27xとヨーク28xとを有しており、固定枠25に保持されている。ピッチングアクチュエータ29yは、マグネット27yとヨーク28yとを有しており、固定枠25に保持されている。受光素子31は、固定枠25に固定されており、発光素子30からの投射光を受光する。発光素子30および受光素子31により、第2レンズ群L2の2次元の位置座標を検出することが可能となる。
【0027】
図4に示すように、手ブレ補正装置20は、動き補正部15Aと、姿勢検出部14Aと、第1動き検出部としての動き検出部17Aと、マイクロコンピュータ3を含む信号処理部3Aと、をさらに有している。動き補正部15Aは、第2レンズ群L2と、ヨーイング駆動制御部15xと、ピッチング駆動制御部15yと、位置検出部16と、を含んでいる。第2レンズ群L2の光軸AXに直交する2方向(X軸方向およびY軸方向)への駆動は、ヨーイング駆動制御部15xおよびピッチング駆動制御部15yにより制御される。以下、X軸方向をヨーイング方向、Y軸方向をピッチング方向とする。位置検出部16は、受光素子31の出力に基づいて第2レンズ群L2のX−Y平面内における位置を検出するためのユニットであり、ヨーイング駆動制御部15xおよびピッチング駆動制御部15yとともに、第2レンズ群L2の動作を制御するための帰還制御ループを形成している。
【0028】
姿勢検出部14Aは、ヨーイング電流値検出部14xと、ピッチング電流値検出部14yと、を含んでいる。ヨーイング電流値検出部14xは、後述するヨーイングアクチュエータ29xが動作する際にコイル24xに流れる電流値を検出する。ピッチング電流値検出部14yは、ピッチングアクチュエータ29yが動作する際にコイル24yに流れる電流値を検出する。これらの電流値を検出することで、デジタルカメラ1の姿勢を検出することができる。
【0029】
動き検出部17Aは、ヨーイング角速度センサ17xと、ピッチング角速度センサ17yと、を含んでいる。角速度センサ17xおよび17yは、ユーザーの手ブレおよびその他の振動などによる光学系Lを含むデジタルカメラ1自体の動きを検出するためのセンサであり、それぞれヨーイング方向およびピッチング方向の動きを検出する。より詳細には、ヨーイング角速度センサ17xは、主にY軸回りのデジタルカメラ1の角速度を検出するためのセンサである。ピッチング角速度センサ17yは、主にX軸回りのデジタルカメラ1の角速度を検出するためのセンサである。角速度センサ17x、17yは、デジタルカメラ1が静止している状態での出力を基準とし、デジタルカメラ1の動く方向により正負両方の角速度信号を出力する。出力された信号は、信号処理部3Aにて処理される。
【0030】
信号処理部3Aは、マイクロコンピュータ3と、A/D変換部18x、18yと、D/A変換部19x、19yと、を含んでいる。角速度センサ17x、17yから出力された信号は、フィルタ処理、アンプ処理等が施された後、A/D変換部18x、18yでデジタル信号に変換され、マイクロコンピュータ3に出力される。マイクロコンピュータ3は、A/D変換部18x、18yを介して取り込んだ角速度センサ17x、17yの出力信号に対して、フィルタリング、積分処理、位相補償、ゲイン調整、クリップ処理等を施す。これらの各処理を施すことにより、マイクロコンピュータ3は、動き補正に必要な第2レンズ群L2の駆動制御量を演算し、制御信号を生成する。生成された制御信号は、D/A変換部19x、19yを介して、ヨーイング駆動制御部15xおよびピッチング駆動制御部15yに出力される。これにより、ヨーイング駆動制御部15xおよびピッチング駆動制御部15yは、制御信号に基づき、第2レンズ群L2を駆動し、画像の振れが補正される。
【0031】
<パンニングモード信号>
このデジタルカメラ1では、角速度センサ17x、17yを利用して、パンニングの方向などに関するパンニングモード信号60(第1動き情報)が取得可能である。具体的には、パンニング時には角速度センサ17x、17yから出力される角速度の符号が同一であり、かつ、出力される角速度が一定レベル以上である状態が連続する。これを利用して、角速度センサ17x、17yからの角速度信号が一定時間連続してある閾値以上であるか否かをマイクロコンピュータ3により判定する。この判定結果に基づいて、図5に示すようなパンニングモード信号60がマイクロコンピュータ3により生成される。
【0032】
例えば、撮影時において、ユーザーが被写体側を向いて右側にパンニングした場合、ピッチング角速度センサ17yの出力信号から垂直(Y軸)方向のパンニングは「無し」とマイクロコンピュータ3により判断される。一方、ヨーイング角速度センサ17xの出力信号からは、水平(X軸)方向のパンニングは「右方向」とマイクロコンピュータ3により判断される。このため、パンニングモード信号60は「2」となる。
【0033】
また、ユーザーが被写体側を向いて左上にパンニングした場合、ピッチング角速度センサ17yの出力信号から垂直方向のパンニングは「上方向」とマイクロコンピュータ3により判断され、ヨーイング角速度センサ17xの出力信号からは、水平方向のパンニングは「左方向」と判断される。このため、パンニングモード信号60は「4」となる。
このように、ヨーイング角速度センサ17xおよびピッチング角速度センサ17yにより、撮影時におけるデジタルカメラ1の動きを把握することができる。パンニングモード信号60は表示部55に表示される画像の配置を決定する際に利用される。
【0034】
<姿勢判別信号>
また、このデジタルカメラ1では、パンニングモード信号60に加えて、デジタルカメラ1の姿勢を判別するために姿勢判別信号61がヨーイング電流値検出部14xおよびピッチング電流値検出部14yにより求められる。
次に、ヨーイング電流値検出部14xおよびピッチング電流値検出部14yによる電流値検出方法について、図6および図7を用いて説明する。図6(A)は横撮り姿勢の撮影における手ブレ補正装置20の姿勢を示しており、図6(B)は、縦撮り姿勢の撮影における手ブレ補正装置20の姿勢を示している。図7は、撮影姿勢別のコイル供給電流量を示す図である。ここで、横撮り姿勢とは、表示部55の長手方向(筐体1aの長手方向)が水平方向とほぼ一致する姿勢を意味しており、縦撮り姿勢とは、表示部55の長手方向が鉛直方向とほぼ一致する姿勢を意味している。
【0035】
図6(A)に示すように、横撮り姿勢の場合、ピッチング方向が鉛直方向とほぼ一致するため、第2レンズ群L2を保持するピッチング保持枠21は自重によりY軸方向下側へ下がろうとする。このとき、適切な像を得るために第2レンズ群L2を所定の位置(例えば、光軸AX中心付近)に保持する必要があるため、電流がコイル24yに供給されピッチング保持枠21を固定枠25に対して支持するための電磁力がピッチングアクチュエータ29yで発生する。図7に示すように、このときの電流値を例えば電流値Iy1とする。
【0036】
一方、ヨーイング方向が水平方向とほぼ一致するため、ヨーイングアクチュエータ29xはヨーイング保持枠22やピッチング保持枠21の自重を支持するために余分な電磁力を発生させる必要がない。このため、コイル24xへ供給される電流値Ix1は、コイル24yへ供給される電流の電流値Iy1に比べて小さい。マイクロコンピュータ3は、ヨーイング電流値検出部14x、14yにより検出された電流値を比較する機能およびデジタルカメラ1の姿勢を判別する機能を有している。このため、マイクロコンピュータ3により電流値Ix1、Iy1が比較され、図8に示すようにデジタルカメラ1の姿勢が横撮り姿勢であると判別される。このとき、姿勢判別信号61は例えば「0」である。
【0037】
図6(B)に示すように、縦撮り姿勢の場合、ヨーイング方向が鉛直方向とほぼ一致するため、第2レンズ群L2およびピッチング保持枠21を保持するヨーイング保持枠22は、自重に加えてこれらの部材の重量によりY軸方向下側へ下がろうとする。このとき、適切な像を得るために第2レンズ群L2を所定の位置(例えば、光軸AX中心付近)に保持する必要があるため、電流がコイル24xに供給されヨーイング保持枠22を固定枠25に対して支持するための電磁力がヨーイングアクチュエータ29xで発生する。図7に示すように、このときの電流値を例えば電流値Ix2とする。
【0038】
一方、ピッチング方向が水平方向とほぼ一致するため、ピッチングアクチュエータ29yは第2レンズ群L2やピッチング保持枠21の自重を支持するために余分な電磁力を発生させる必要がない。このため、コイル24yへ供給される電流値Iy2は、コイル24xへ供給される電流の電流値Ix1に比べて小さい。このため、図8に示すように、マイクロコンピュータ3によりデジタルカメラ1の姿勢が縦撮りであると判別される。このとき、姿勢判別信号61は例えば「1」である。
【0039】
以上のように、コイル24x、24yに流れる電流値は、デジタルカメラ1の撮影時の姿勢に応じて変化する。すなわち、デジタルカメラ1の撮影時の姿勢は、コイル24x、24yに流れる電流値を検出することにより把握することが可能である。したがって、手ブレ補正装置20は、デジタルカメラ1の動き(いわゆる、手ブレ)に起因する画像の劣化を抑制するための機構であるとともに、デジタルカメラ1の姿勢検出部としても利用することができる。
【0040】
<動画像の撮影>
このデジタルカメラ1は、撮影モードとして静止画撮影モードと動画撮影モードとを有している。
デジタルカメラ1では、動画撮影モードにおいてシャッターボタン36を押すことにより、あるいは動画撮影操作ボタン45を押すことにより、動画像ファイルの記録が開始される。図9に示すように、シャッターボタン36あるいは動画撮影操作ボタン45が再度押されて動画像ファイルの記録が終了するまで、所定の時間間隔(例えば、1/30秒間隔)のフレームごとに取得された複数の静止画像が動画像ファイル“95a.mpg”として画像記録部12に記録される。例えば、この動画像ファイル“95a.mpg”は、第1フレーム画像、第2フレーム画像、…、第100フレーム画像を有している。この動画撮影中、先ほど説明したパンニングモード信号および姿勢判別信号も、各フレーム画像とともに画像記録部12に記録される。
【0041】
<動画像から静止画像の生成>
図9および図10は動画像ファイルおよび静止画像ファイルの対応を示す図であり、動画像ファイルから静止画像ファイルを生成する際の説明図である。
このデジタルカメラ1では、後述するように、動画像が画像記録部12に記録された後、記録されている動画像ファイルから複数の抽出画像ファイルを生成できる。例えば、動画像ファイル“95a.mpg”中の任意のフレームである第1フレーム、第31フレーム、第61フレーム、第91フレームから、それぞれ抽出画像ファイル“98a001.jpg”、“98a002.jpg”、“98a003.jpg”および“98a004.jpg”が、抽出画像としてそれぞれ新たに生成される。本実施形態では、同じ時間(フレーム)間隔で静止画像を抽出して抽出画像を生成している。これらの抽出画像は、動画像を形成する複数の静止画像のうち代表的な画像と考えることもできる。
【0042】
また、各フレームの画像とともに前述のパンニングモード信号60および姿勢判別信号61が画像記録部12に記録されているため、生成された抽出画像ファイルに対応するパンニングモード信号60および姿勢判別信号61が、各抽出画像ファイルとともに画像記録部12に記録されている。
なお、動画像から抽出画像が生成される時間(フレーム)間隔および枚数については、ユーザーが自由に設定できる方式であってもよいし、マイクロコンピュータ3により自動的に設定される方式であってもよい。時間間隔や枚数が自動的に決定される場合、例えば、パンニング時のデジタルカメラ1の動きが激しい区間あるいは動画像における被写体の動きが激しい区間での生成間隔を短く、かつ生成枚数を多くすることが考えられる。
【0043】
<画像ファイルの管理方法>
ここで、画像ファイルの管理方法について図11および図12を用いて説明する。図11に示すように、内部メモリ50またはリムーバブルメモリ51に、撮影画像フォルダ90が形成されている。撮影画像フォルダ90の下の階層に、静止画像フォルダ91、動画像フォルダ94および抽出画像フォルダ96が形成されている。静止画像フォルダ91の下の階層に、静止画像フォルダ92a、92bなどが形成されている。抽出画像フォルダ96の下の階層に、抽出画像フォルダ(#1)97aおよび抽出画像フォルダ(#2)97bなどが形成されている。
【0044】
動画像ファイル95aから生成された複数の抽出画像は、パンニングモード信号60および姿勢判別信号61と共に抽出画像群98aとして抽出画像フォルダ(#1)97aに格納される。これと同様に、動画像ファイル95bから生成された複数の抽出画像ファイルは、パンニングモード信号60および姿勢判別信号61と共に複数の抽出画像98bとして抽出画像フォルダ(#2)97bに格納される。
【0045】
また図12に示すように、抽出画像フォルダ97aには、動画像ファイルから生成された9枚の抽出画像“98a001.jpg”から“98a009.jpg”が記録されており、動画像としての撮影時刻が早い順に、“98a”の後ろに「001」、「002」がファイルネームの一部として付加される。なお、動画像から生成される抽出画像の枚数は9枚に限定されるものではない。
【0046】
このように、動画像から新たに生成された複数の抽出画像は、同一のフォルダに格納されているため、関連性のある画像をユーザーが識別しやすくなる。
<画像の配置決定>
このデジタルカメラ1では、表示部55に表示される連写画像の配置が、前述のパンニングモード信号60に基づいてマイクロコンピュータ3により決定される。具体的には、マイクロコンピュータ3は、動画像から生成された複数の抽出画像に対応するパンニングモード信号60の種類に応じて、抽出画像を並べた際の時間ベクトルの向きがパンニング動作の方向の一成分と概ね一致するように、複数の抽出画像の配置を決定する。
【0047】
ここで、「時間ベクトル」とは、異なるタイミングで取得された2つの静止画像を並べた場合に、先に取得された静止画像の中心から後に取得された静止画像の中心に向かって延びるベクトルを意味している。
例えば図13に示すように、動画像ファイル95aにおいて、抽出画像ファイル“98a001.jpg”(以下、第1抽出画像G)と、抽出画像ファイル“98a001.jpg”よりも後で取得された抽出画像ファイル“98a002.jpg”(以下、第2抽出画像H)と、を並べた場合、第1抽出画像Gの中心CGから第2抽出画像Hの中心CHに向かって延びる矢印が時間ベクトルVを表している。このように、時間ベクトルVは、動画像撮影時に異なるタイミングで取得された抽出画像群を並べた場合の時間の流れを表している。
【0048】
そして、図14に示すように、これらの第1抽出画像Gおよび第2抽出画像Hは、左方向へ移動する自動車を左方向へパンニングしながら撮影した動画像より生成した静止画像である。このため、パンニング動作の方向の水平成分としてはパンニング方向Dとなる。
このように、時間ベクトルVがパンニング方向Dと概ね一致するように第1抽出画像Gおよび第2抽出画像Hを並べることで、パンニング動作の方向と時間ベクトルとが一致していない(例えば、反対方向)場合に比べて、これらの第1抽出画像Gおよび第2抽出画像Hに対する違和感が緩和される。
【0049】
ここで、「時間ベクトルVの向きがパンニング動作のパンニング方向Dと概ね一致する」とは、時間ベクトルVの向きがパンニング方向Dと完全に一致している場合の他に、表示された静止画像に対する違和感を緩和できるという効果を確保できる範囲内で、時間ベクトルVの向きがパンニング方向Dに対してずれている場合も含まれる。
<デジタルカメラの動作>
次に、図1から図8を用いてデジタルカメラ1の動作について説明する。
【0050】
ユーザーが動画像を撮影する際には、まず電源スイッチ35をON側とした後、モード切換ダイアル37を動画撮影モードに切換える。これにより、デジタルカメラ1は動画撮影状態へ移行する。動画撮影状態へ移行すると、デジタルカメラ1の動きは、角速度センサ17x、17yにより検知される。マイクロコンピュータ3は、ヨーイング駆動制御部15xおよびピッチング駆動制御部15yに対し、発生した手ブレ等を打ち消すための指令信号を与える。この指令信号に応じた電流は、ピッチング保持枠21のコイル24x、24yのそれぞれに供給される。ピッチング保持枠21は、供給された電流とアクチュエータ27x、27yにおいて発生する電磁力により、光軸AXと直角なX−Y平面内を移動する。すなわち、手ブレ補正装置20により第2レンズ群L2は、光軸AXと直交する平面内を移動する。また、ピッチング保持枠21の位置検出は、受光素子31を用いることにより行われる。これにより、ユーザーは、光学系Lを介してイメージセンサ4に入射する光学的な像の補正を行うことができ、手ブレによる画像の劣化が抑制された良好な動画像を取得することが可能となる。
【0051】
(1)姿勢の判別動作
また、デジタルカメラ1の撮影姿勢の判別は次のようにして行われる。ここで、デジタルカメラ1の基準姿勢を、横撮り姿勢とし、横撮り姿勢における光軸AX回りの回転角度を0°とする。この場合、縦撮り姿勢は、デジタルカメラ1が横撮り姿勢から光軸AXを中心として90°回転した状態となる。
【0052】
ユーザーが横撮り姿勢で、風景など横長の被写体を撮影する場合について説明する。デジタルカメラ1の姿勢は、ヨーイング電流値検出部14xおよびピッチング電流値検出部14yの電流検出値により判断される。図7において、横撮りの姿勢、すなわち0°の姿勢で撮影した場合、ヨーイング電流値検出部14xおよびピッチング電流値検出部14yにより、手ブレ補正装置20のコイル24xに流れる電流値Ix1およびコイル24yに流れる電流値Iy1が検出される。マイクロコンピュータ3が検出された電流値Ix1およびIy1を比較する。この場合、図7に示すように、電流値Ix1が電流値Iy1よりも小さいため、マイクロコンピュータ3によりデジタルカメラ1の姿勢が横撮り姿勢であると判別される。
【0053】
この状態でユーザーがシャッターボタン36を押すと、横長の動画像を取得できる。撮影された動画像は、逐次、画像記録部12に記録される。この際、図8に示すように、画像記録制御部11は、姿勢判別信号61として、デジタルカメラ1の撮影姿勢が横撮り姿勢(0°)であることを示す「0」を、バッファメモリ9から出力される画像信号に付加する。この姿勢判別信号61は、例えば画像信号のヘッダーあるいはフッター部分に記録される。なお、姿勢判別信号61の記録は、バッファメモリ9から画像信号が出力される際に行われてもよく、あるいは画像記録部12に画像信号が記録された後に画像記録部12において行われてもよい。
【0054】
一方、ユーザーが縦撮り姿勢で、人物など縦長の被写体を撮影する場合、横撮り姿勢の場合と同様に、デジタルカメラ1の姿勢は、ヨーイング電流値検出部14xおよびピッチング電流値検出部14yの電流検出値に基づいてマイクロコンピュータ3により判断される。図7において、縦撮り姿勢で撮影した場合、ヨーイング電流値検出部14xおよびピッチング電流値検出部14yにより、手ブレ補正装置20のコイル24xに流れる電流値Ix2およびコイル24yに流れる電流値Iy2が検出される。マイクロコンピュータ3が検出された電流値Ix2およびIy2を比較する。この場合、図7に示すように、電流値Iy2が電流値Ix2よりも小さいため、マイクロコンピュータ3によりデジタルカメラ1の姿勢が縦撮り姿勢であると判別される。
【0055】
この状態でユーザーがシャッターボタン36を押すと、縦長の動画像を取得できる。そして撮影された動画像は、逐次、画像記録部12に記録される。この際、画像記録制御部11は、姿勢判別信号61として、デジタルカメラ1の撮影姿勢が縦撮り姿勢であることを示す「1」を、バッファメモリ9から出力される画像信号に付加する。
(2)パンニングモードの判別動作
次に、ユーザーがパンニングにより動く被写体を追いかけて連写する場合について説明する。
【0056】
図14に示すように、左方向に移動している自動車を撮影する場合、自動車の動きに合わせてユーザーはデジタルカメラ1を左方向にパンニングするとともに、動画像を撮影する。これにより、パンニングにより撮影された動画像が一時的にバッファメモリ9に記録され、逐次、画像記録部12に記録される。このとき、パンニングモード信号60が各フレーム画像とともに記録される。
【0057】
ここでは、デジタルカメラ1の向きは左方向へ変化しているため、角速度センサ17yの出力信号からマイクロコンピュータ3により垂直方向パンニングは「無し」と判断され、角速度センサ17xの出力信号からマイクロコンピュータ3により水平方向パンニングは「左方向」と判断される。これにより、パンニングモード信号60として「1」が各フレーム画像とともに記録される。
【0058】
また、パンニングモード信号60とともに、前述の姿勢判別信号61が記録される。この場合、デジタルカメラ1の姿勢は横撮り姿勢であるため、姿勢判別信号61として「0」が各フレーム画像とともに記録される。
(3)抽出画像生成モードの動作
デジタルカメラ1では、撮影した動画像から複数の抽出画像を生成できる。図15は、抽出画像生成モードのフローチャートを示す。
【0059】
まず、ユーザーが抽出画像生成モードに設定するために、MENU設定ボタン39を押すと、表示部55に各種メニューが表示される。表示された各種メニューから抽出画像生成モードが選択されると、デジタルカメラ1の状態は抽出画像生成モードへ移行する。
抽出画像生成モードが選択されている場合、マイクロコンピュータ3は、初期値0の定数Nに1を加えて(S1)、静止画像の記録先ディレクトリが抽出画像フォルダ(#1)に設定される(S2)。ユーザーは、抽出画像生成モードにおいて、動画像から生成する抽出画像の時間間隔、あるいはフレーム間隔等、および抽出画像の生成枚数を設定する(S3)。
【0060】
次に、抽出画像の生成を開始するために、シャッターボタン36(この場合、撮影時のシャッター機能とは別機能)が押されるのを待ち(S4)、シャッターボタン36が押された場合には、設定された時間(フレーム)間隔ごとに抽出画像が生成され(S5)、各抽出画像に対応するパンニングモード信号60、姿勢判別信号61および撮影日時などの各情報がマイクロコンピュータ3により一時的に記憶される(S6)。ここでは、例えばシャッターボタン36を1度押せば、9枚の抽出画像が連続的に生成される。動画像から生成された9枚の抽出画像は、前述の各情報と共に画像記録部12の抽出画像フォルダ(#1)97aに記録される(S7)。より具体的には図11および図12に示すように、9枚の抽出画像は抽出画像群98aとして抽出画像フォルダ(#1)97aに格納される。
【0061】
その後、継続して動画像から抽出画像を生成するか否かがマイクロコンピュータ3により判定され(S8)、継続して動画像から抽出画像を生成する場合は定数Nに1を加え(S9)、新たに抽出画像の生成が行われる(S6、S7)。また、継続しない場合には、抽出画像生成モードを終了する。
なお、抽出画像の生成を継続するか否かの判定(S8)は、その旨を表示部55に表示し、ユーザーが継続を選択するか否かを基準にマイクロコンピュータ3により判断される。
【0062】
(4)抽出画像再生モードの動作
次に、図16〜図20を用いて、動画像から生成された複数の抽出画像を表示部55に表示させる再生モードについて説明する。図16〜図20は再生モードのフローチャートである。図21は抽出画像フォルダに格納されている画像のサムネイル表示の一例である。
【0063】
まず、動画像から生成された抽出画像を画像フォルダごとに表示部55にサムネイル表示させるために、電源スイッチ35をONとした後、モード切換ダイアル37を再生モードに切換える。これにより、再生モードが開始される。
図21に示すように、表示部55には、抽出画像フォルダ(#1)〜(#9)の9つのサムネイル画像が一覧表示されている(S11)。これらの抽出画像フォルダには、抽出画像とともにパンニングモード信号60および姿勢判別信号61が格納されている。例えば、抽出画像フォルダ(#1)97aに格納されている複数の抽出画像は、デジタルカメラ1が横撮り姿勢の状態で、左方向に移動している自動車を左方向にパンニングしながら撮影した動画像より生成した複数の抽出画像である。このため、これらの抽出画像とともに、姿勢判別信号61として「0」、パンニングモード信号60として「1」が記録されている。表示部55には、先頭の抽出画像(撮影時刻が最も早い抽出画像)が抽出画像としてサムネイル表示されている。
【0064】
また、抽出画像フォルダ(#2)97bに格納されている複数の抽出画像は、デジタルカメラ1が横撮り姿勢の状態で、右方向に移動している自動車を右方向にパンニングしながら撮影した動画像より生成した抽出画像である。このため、これらの抽出画像とともに、姿勢判別信号61として「0」、パンニングモード信号60として「2」が記録されている。
【0065】
さらに、抽出画像フォルダ(#3)97cのサムネイル画像については、デジタルカメラ1を縦撮り姿勢で、右方向に移動している子供を右方向にパンニングしながら撮影した動画像より生成された抽出画像である。このため、姿勢判別信号61として「1」、パンニングモード信号60として「2」が記録されている。表示部55には、先頭の抽出画像が抽出画像としてサムネイル表示されている。
【0066】
ここで、姿勢判別信号61に基づいて、サムネイル表示されている抽出画像は、撮影時と同じ姿勢に復元した状態で表示部55に表示される。具体的には、姿勢判別信号61が「0」である場合(図21に示す抽出画像フォルダ(#1)97aおよび(#2)97bのサムネイル画像の場合)、動画像が横撮り姿勢で撮影されている。このため、デジタルカメラ1が横撮り姿勢の状態で表示部55に横長の画像が表示されるように、マイクロコンピュータ3から画像表示制御部13へ制御信号が送信され、画像表示制御部13により表示部55の動作が制御される。この結果、表示部55に横長の状態で画像が表示される。また、姿勢判別信号61が「1」である場合(図21に示す抽出画像フォルダ(#3)97cのサムネイル画像の場合)、動画像が縦撮り姿勢で撮影されている。このため、姿勢判別信号61が「0」である場合と同様に、デジタルカメラ1が横撮り姿勢の状態で表示部55に縦長の画像(90°回転された画像)が表示される。なお、図21では、抽出画像フォルダ(#4)から(#9)までのサムネイル画像は省略されている。なお図21に示すように、パンニングモード信号60については、その動き方向がわかるように、抽出画像中に、例えば矢印にて表示できるようにしても良い。さらには、パンニングの速度に応じて、矢印の大きさを変えるようにしてもよい。具体的には、速度が大きいほど矢印の長さ又は幅が大きくなるようにしてもよい。
【0067】
次に、サムネイル表示された画像の中から十字操作キー38を用いて抽出画像フォルダを選択する(S12)。このフォルダの選択は、十字操作キー38およびSETボタン40を用いて行われる。図19に示す抽出画像フォルダ(#1)97aが選択された場合、図22に示すように、抽出画像フォルダ(#1)97a内の9枚の抽出画像(抽出画像群98a)が表示部55に表示される(S13)。各抽出画像の右下には、ファイル名に付加されている3桁の番号が表示される。前述のように、この番号は抽出画像の撮影時刻の前後関係を表している。なお図22に示すように、パンニングモード信号60については、その動き方向がわかるように、抽出画像群98a中に、例えば矢印にて表示できるようにしても良い。さらには、パンニングの速度に応じて、矢印の大きさを変えるようにしてもよい。具体的には、速度が大きいほど矢印の長さ又は幅が大きくなるようにしてもよい。
【0068】
次に、十字操作キー38およびSETボタン40を用いて、基準となる画像(基準画像)が選択される(S14)。このとき、マイクロコンピュータ3では、基準画像の番号を基準番号Jに入力し、比較番号Kに基準番号Jを入力する(S15、S16)。例えば、基準画像として抽出画像ファイル“98a003.jpg”が選択された場合を想定する。この場合、J=「003」、K=「003」となる。
【0069】
ここで、撮影時のパンニング動作に応じて画像の表示配置を最適化するため、マイクロコンピュータ3によりパンニングモード信号60の確認が行われる(S17)。具体的には、パンニングモード信号60が「1」、「4」、「7」であるか否かがマイクロコンピュータ3により判定される(S17)。これらのパンニングモード信号60は、少なくとも左方向にパンニングしていることを意味しているため、この条件を満たしている場合は、並んで配置された画像の時間ベクトルが左方向を向くように、マイクロコンピュータ3により画像表示制御部13を介して画像の配置が調整される。この条件を満たしていない場合は、並んで配置された画像の時間ベクトルが右方向を向くように、マイクロコンピュータ3により画像表示制御部13を介して画像の配置が調整される。
【0070】
なお、画像の選択、決定については、十字操作キー38およびSETボタン40を用いて行ったが、表示部55をタッチパネル方式とし、タッチパネル上を、ユーザーが指で操作できるようにしてもよい。つまり、ユーザーが指で操作することにより、画像のページ送り方向(順送り、逆送り)、あるいはページ送りの速度などを変えるときに、直感的に操作することが可能となる。
【0071】
また、パンニングモード信号60の確認の後に、姿勢判別信号61の確認が行われる(S18、S19)。具体的には、姿勢判別信号61が「0」であるか否かがマイクロコンピュータ3により判定される(S18、S19)。姿勢判別信号61が「0」である場合は、横撮り姿勢で動画像の撮影が行われているため、撮影時の姿勢に復元させるために横長の画像が表示部55に表示される。一方、姿勢判別信号61が「1」である場合、縦撮り姿勢で動画像の撮影が行われているため、撮影時の姿勢に復元させるために90°回転された状態で縦長の画像が表示部55に表示される。
【0072】
以下、ステップS17での条件ごとにフローの詳細を説明する。
A)横撮り姿勢の場合
〔パンニング水平方向成分が「左方向」の場合〕
ステップS17においてパンニングモード信号60が「1」、「4」、「7」のいずれかであるとマイクロコンピュータ3により判定され、かつ、ステップS18において姿勢判別信号61が「0」であるとマイクロコンピュータ3により判定された場合、図17に示すフローAに基づいて画像の表示が行われる。具体的には図17に示すように、十字操作キー38を用いて比較画像の選択が行われる。例えば、十字操作キー38(または十字操作キー38の外周側に配置されたダイアル)が右側(右回り)に操作された場合、マイクロコンピュータ3は比較番号Kに1を加えて新しい比較番号Kに設定する(S20、S21)。一方、十字操作キー38(またはダイアル)が左側(左回り)に操作された場合、マイクロコンピュータ3は比較番号Kから1を引いて新しい比較番号Kに設定する(S20、S22)。
【0073】
次に、基準番号Jおよび比較番号Kに基づいて画像表示制御部13により表示部55に画像が表示される。具体的には図23に示すように、比較番号Kが基準番号Jと同じ場合、基準画像のみが画像表示制御部13により表示部55に表示される(S23、S24)。
一方、基準番号Jが比較番号Kと異なる場合、基準番号Jおよび比較番号Kの大小が比較される(S25)。比較番号Kが基準番号Jよりも大きい場合、比較画像は基準画像よりも遅い時刻で取得された画像である。一方で、このフローでは、パンニングの水平方向成分が「左方向」の場合に対応している。このため、基準画像と比較画像とを並べた際の時間ベクトルの向きがパンニングの水平方向成分と同じ左方向になるように、表示部55において基準画像の左側に比較画像が表示される(S26)。このとき、撮影姿勢が横撮り姿勢であるため表示される画像は横長の状態である。
【0074】
また、比較番号Kが基準番号Jよりも小さい場合、比較画像は基準画像よりも早い時刻で取得された画像である。このため、基準画像と比較画像とを並べた際の時間ベクトルの向きがパンニング水平方向と同じ左方向になるように、表示部55において基準画像の右側に比較画像が表示される(S27)。このとき、撮影姿勢が横撮り姿勢であるため表示される画像は横長の状態である。
【0075】
例えば、抽出画像フォルダ(#1)97aが選択されている場合、前述のようにパンニングモード信号60が「1」であるため、このフローAにより処理が行われる。基準番号J=「003」、比較番号K=「006」とすると、K>Jである。このため、図24に示すように、表示部55において基準画像003(抽出画像ファイル“98a003.jpg”)の左側に比較画像006(抽出画像ファイル“98a006.jpg”)が表示される。この場合、基準画像の中心C3から比較画像の中心C6に延びる時間ベクトルVは、パンニング動作の方向と概ね一致する。
【0076】
また、比較番号K=「002」である場合、K<Jであるため、図25に示すように、表示部55において基準画像003(抽出画像ファイル“98a003.jpg”)の右側に比較画像002(抽出画像ファイル“98a002.jpg”)が表示される。この場合、比較画像の中心C2から基準画像の中心C3に延びる時間ベクトルVは、パンニング動作の方向と概ね一致する。
【0077】
このように、このデジタルカメラ1では、動画像から生成された複数の抽出画像が表示される際に、パンニング動作の方向(被写体の移動方向)と画像が配置される方向とが概ね一致するように、マイクロコンピュータ3により自動的に画像の配置が調整される。このため、ユーザーにとって複数の静止画像を確認しやすい表示状態を得ることができ、並んだ複数の画像に対する違和感を緩和できる。
【0078】
図17に示すように、画像の表示動作が完了すると、十字操作キー38またはSETボタン40の操作待ち状態となる(S28)。SETボタン40が操作された場合、その時点で表示部55に基準画像および比較画像が表示されていれば、十字操作キー38およびSETボタン40を用いて、いずれか一方の画像をユーザーが選択画像として選択する(S29、S30)。例えば、ズーム操作レバー57を操作することにより、選択画像の拡大表示および縮小表示などの操作を行うことが可能となる。また、基準画像のみが表示されている場合は、基準画像が自動的に選択画像として選択される。
【0079】
なお、SETボタン40が操作されず十字操作キー38が操作される場合、再度フローがステップS18に戻り、ステップS18〜S28の動作が繰り返される(S29)。
〔パンニング水平方向成分が「右方向」または「無し」の場合〕
ステップS17においてパンニングモード信号60が「1」、「4」、「7」のいずれでもないとマイクロコンピュータ3により判定され、かつ、ステップS19において姿勢判別信号61が「0」であるとマイクロコンピュータ3に判定された場合、図18に示すフローBに基づいて画像の表示が行われる。具体的には図17に示すように、十字操作キー38を用いて比較画像の選択が行われる。例えば、十字操作キー38(または十字操作キー38の外周側に配置されたダイアル)が右側(右回り)に操作された場合、マイクロコンピュータ3は比較番号Kに1を加えて新しい比較番号Kに設定する(S31、S32)。一方、十字操作キー38(またはダイアル)が左側(左回り)に操作された場合、マイクロコンピュータ3は比較番号Kから1を引いて新しい比較番号Kに設定する(S31、S33)。
【0080】
次に、基準番号Jおよび比較番号Kに基づいて画像表示制御部13により表示部55に画像が表示される。具体的には、比較番号Kが基準番号Jと同じ場合、基準画像のみが画像表示制御部13により表示部55に表示される(S34、S35)。
一方、基準番号Jが比較番号Kと異なる場合、基準番号Jおよび比較番号Kの大小が比較される(S36)。比較番号Kが基準番号Jよりも大きい場合、比較画像は基準画像よりも遅い時刻で取得された画像である。一方で、このフローBでは、パンニングの水平方向成分が「右方向」あるいは「無し」の場合に対応している。このため、基準画像と比較画像とを並べた際の時間ベクトルの向きがパンニングの水平方向成分と同じ右方向になるように、表示部55において基準画像の右側に比較画像が表示される(S37)。このとき、撮影姿勢が横撮り姿勢であるため表示される画像は横長の状態である。
【0081】
また、比較番号Kが基準番号Jよりも小さい場合、比較画像は基準画像よりも早い時刻で取得された画像である。このため、基準画像と比較画像とを並べた際の時間ベクトルの向きがパンニング水平方向成分と同じ右方向になるように、表示部55において基準画像の左側に比較画像が表示される(S38)。このとき、撮影姿勢が横撮り姿勢であるため表示される画像は横長の状態である。
【0082】
例えば、抽出画像フォルダ(#2)97bが選択されている場合、前述のようにパンニングモード信号60が「1」であるため、このフローBにより処理が行われる。基準番号J=「003」、比較番号K=「006」とすると、K>Jである。このため、図26に示すように、表示部55において基準画像003の右側に比較画像006が表示される。
このように、このデジタルカメラ1では、動画像から生成された複数の抽出画像が表示される際に、被写体の移動方向と画像が配置される方向とが概ね一致するように、マイクロコンピュータ3により自動的に画像の配置が調整される。このため、ユーザーにとって複数の静止画像を確認しやすい表示状態を得ることができる。
【0083】
画像の表示動作が完了すると、十字操作キー38またはSETボタン40の操作待ち状態となる(S39)。SETボタン40が操作された場合、その時点で表示部55に基準画像および比較画像が表示されていれば、十字操作キー38およびSETボタン40を用いて、いずれか一方の画像をユーザーが選択画像として選択する(S40、S41)。例えば、ズーム操作レバー57を操作することにより、選択画像の拡大表示および縮小表示などの操作を行うことが可能となる。また、基準画像のみが表示されている場合は、基準画像が自動的に選択画像として選択される。
【0084】
なお、SETボタン40が操作されず十字操作キー38が操作される場合、再度フローがステップS31に戻り、ステップS31〜S39の動作が繰り返される(S40)。
B)縦撮り姿勢の場合
〔パンニング水平方向成分が「左方向」の場合〕
図19に示すフローCは、基本的には前述のフローAと同じ工程であるが、ステップS46、S48およびS49において、画像が90°回転された状態で表示される点で、フローAとは異なる。これは、ステップS18において撮影姿勢が縦撮り姿勢と判定されるためである。その他のステップS42〜S45、S47、S50〜S52については、前述のフローAの対応するステップと同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0085】
〔パンニング水平方向成分が「右方向」または「無し」の場合〕
図20に示すフローDは、基本的には前述のフローBと同じ工程であるが、ステップS57、S59およびS60において、画像が90°回転された状態で表示される点で、フローBとは異なる。これは、ステップS19において撮影姿勢が縦撮り姿勢と判定されるためである。その他のステップS53〜S56、S58、S61〜S63については、前述のフローBの対応するステップと同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0086】
例えば、抽出画像フォルダ(#3)が選択されている場合、前述のようにパンニングモード信号60が「1」であり、かつ、姿勢判別信号61が「1」であるため、このフローDにより処理が行われる。基準番号J=「003」、比較番号K=「006」とすると、K>Jである。このため、図27に示すように、表示部55において基準画像003の右側に比較画像006が表示される。このとき、撮影姿勢が縦撮り姿勢であるため、画像が90°回転された状態で表示される。
【0087】
このように、フローCおよびDでは、撮影時の姿勢に復元された状態で表示部55に画像が表示されるため、ユーザーが画像をさらに確認しやすくなる。
<特徴>
デジタルカメラ1の特徴は以下の通りである。
(1)
このデジタルカメラ1では、マイクロコンピュータ3にて動画像から複数の抽出画像が生成され、第1動き情報としてのパンニングモード信号60に基づいて複数の抽出画像の配置がマイクロコンピュータ3により決定される。このため、デジタルカメラ1の動きや動画像における被写体の動きに合わせて、抽出画像の配置を調整することができる。これにより、これらの動きの方向を抽出画像が配置される方向と概ね一致させることができ、並べて表示される複数の画像に対する違和感を緩和することができる。
【0088】
(2)
このデジタルカメラ1では、隣り合う2つの抽出画像により形成される時間ベクトルの向きが、動き情報に含まれる動きの方向の一成分と概ね一致するように、マイクロコンピュータ3により複数の抽出画像の配置が決定される。これにより、デジタルカメラ1の動く方向の一成分と時間ベクトルの方向とを概ね一致させることができる。
【0089】
ここで、「時間ベクトル」とは、異なるタイミングで取得された2つの抽出画像を並べた場合に先に取得された抽出画像の中心から後に取得された抽出画像の中心に向かって延びるベクトルを意味している。「時間ベクトルの向きが動きの方向の一成分と概ね一致する」とは、時間ベクトルの向きが動き方向の一成分と完全に一致している場合の他に、表示された静止画像に対する違和感を緩和できるという効果を確保できる範囲内で、時間ベクトルの向きが動き方向の一成分に対してずれている場合も含まれる。したがって、例えば図24に示す場合に、ユーザーがデジタルカメラ1を左上方向または左下方向にパンニングしていても、時間ベクトルの向きとデジタルカメラ1の動く方向の一成分(水平成分)とが概ね一致していると言える。
【0090】
(3)
このデジタルカメラ1では、角速度センサ17xおよび17yによりパンニング垂直方向成分および水平方向成分が検出される。さらに、これらの検出結果に基づいて、マイクロコンピュータ3によりパンニングモード信号60が自動的に生成され、動画像あるいは複数の抽出画像とともにパンニングモード信号60が画像記録部12に記録される。これにより、手ブレ補正のための角速度センサ17xおよび17yを、パンニングモード信号60を生成するための検出部の一部として利用できる。
【0091】
(4)
このデジタルカメラ1では、姿勢情報としての姿勢判別信号61に基づいて、表示部55に画像が表示された状態で画像における天地方向が鉛直方向と概ね一致するように、表示部55に対する画像の表示状態がマイクロコンピュータ3および画像表示制御部13により調整される。つまり、撮影時の状態と同じ状態で画像が表示部55に表示される。このため、実際の被写体の天地方向と画像内での被写体の天地方向とが概ね一致し、表示された画像に対する違和感をさらに緩和することができる。
【0092】
(第2実施形態)
前述の実施形態では、デジタルカメラ1をパンニングさせて動画撮影する場合を説明している。しかし、図28に示すように、デジタルカメラ1をパンニングさせずに移動している被写体を撮影する場合も考えられる。図29は動き検出部の構成の一例を示すブロック図である。なお、前述の実施形態と実質的に同じ機能を有する構成については、同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0093】
図28に示すように、第2実施形態のデジタルカメラ1の撮影姿勢の状態は、左方向に移動している自動車を、デジタルカメラ1の撮影画角がほぼ同じ状態にて、広い画角にて撮影している状況を示している。ここでは、第1実施形態のパンニングモード信号60の代わりに、動画像から検出された被写体の動きベクトルに基づいて画像の配置が決定される。具体的には、図5に示すパンニングモード信号60と同様に、被写体の動きを示す動きベクトル信号62(図29)が動き検出部100およびマイクロコンピュータ3により生成される。
【0094】
具体的には図29に示すように、動き検出部100は、動画像に基づいて画像内での被写体の動きを検出するユニットであり、代表点記憶部101と、相関演算部102と、動きベクトル検出部103と、を有している。
代表点記憶部101は、A/D変換部7およびデジタル信号処理部8を経て入力される現フレームの画像信号を複数の領域に分割し、各領域に含まれる特定の代表点に対応する画像信号を代表点信号として記憶する。代表点記憶部101は、既に記憶されている現フレームよりも1フレーム前の代表点信号を読み出して相関演算部102に出力する。
【0095】
相関演算部102は、1フレーム前の代表点信号と現フレームの代表点信号間の相関演算を行い、代表点信号間の差を比較する。演算結果は動きベクトル検出部103に出力される。
動きベクトル検出部103は、相関演算部102による演算結果から1フレーム前と現フレーム間の画像の動きベクトルを1画素単位で検出する。そして動きベクトルは、マイクロコンピュータ3に出力される。マイクロコンピュータ3は、動きベクトルに対するゲインおよび位相などを調整し、画像信号上の被写体の単位時間あたりの動き速度および方向を算出する。被写体が動く方向は、図5に示すパンニングモード信号60のように、「0」〜「8」までの信号として動きベクトル信号62が生成される。
【0096】
前述の実施形態と同様に、動きベクトル信号62に基づいてマイクロコンピュータ3により抽出画像の配置が決定される。決定方法については前述の実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
被写体の動きを検出する処理は、例えばユーザーが動画像の記録を開始することにより開始される。
【0097】
以上の構成により、デジタルカメラ1では、第2動き情報としての動きベクトル信号62を記録した動画像より、フレームごとにその第2動き情報を個々に有する複数の静止画像を作成することができる。さらに、その第2動き情報に基づいてマイクロコンピュータ3により画像の配置が決定される。具体的には、動きベクトル信号62に基づいて、並んで表示された画像により形成される時間ベクトルの向きが被写体の動く方向と概ね一致するように、マイクロコンピュータ3により画像の配置が決定される。これにより、被写体の動きの方向を画像の配置と概ね一致させることができ、並んで表示された複数の画像に対する違和感を緩和することができる。
【0098】
なお、動きベクトル検出については、デジタルカメラ1に被写体の顔検出部を設け、被写体の顔の動き情報に基づいて判断できるようにしてもよい。その場合には、並んで表示された画像により形成される時間ベクトルの向きが被写体の顔の向き(例えば、左向き、あるいは右向き)と概ね一致するように、マイクロコンピュータ3により画像の配置が決定される。
【0099】
また、動きベクトル信号62についても、その動き方向がわかるように、表示画像中に、例えば矢印にて表示できるようにしても良い。さらには、動きの速度に応じて、矢印の大きさを変えるようにしてもよい。具体的には、速度が大きいほど矢印の長さ又は幅が大きくなるようにしてもよい。
また、静止画像の抽出については、動画撮影中にSETボタン40を押すことにより、動画記録とともに静止画が生成され、生成された静止画像に動きベクトル信号を記録するようにしてもよい。
【0100】
(第3実施形態)
前述の第2実施形態では、動画像の撮影時に動きベクトルが検出されているが、画像記録部12に記録されている動画像に基づいて動きベクトル信号62(動き情報の一例)が生成されてもよい。具体的には、記録されている動画像ファイルから複数の抽出画像ファイルが生成される。例えば、図9および図10に示すように、動画像ファイル“95a.mpg”中の任意のフレームである第1フレーム、第31フレーム、第61フレーム、第91フレームから、それぞれ抽出画像ファイル“98a001.jpg”、“98a002.jpg”、“98a003.jpg”および“98a004.jpg”が、抽出画像としてそれぞれ新たに生成される。
【0101】
次に、デジタルカメラ1の動き方向を示すパンニングモード信号60がマイクロコンピュータ3により確認される。パンニングモード信号60が「0」の場合(例えば図28に示すような状態で撮影された場合)は、動画撮影時にパンニングなどのデジタルカメラ1の動きがないと考えられるため、抽出画像の生成後、隣り合う抽出画像に基づいて動きベクトル信号62が動き検出部100(動き情報生成部の一例)により生成される。動き検出部100により生成された複数の動きベクトル信号62は、抽出画像ファイルとともに画像記録部12に記録される。
【0102】
一方、パンニングモード信号60が「0」以外の場合は、パンニングなどのデジタルカメラ1の動きが動画撮影時に発生していると考えられるため、動画像に基づいて動きベクトルを生成する際に、パンニングモード信号60が考慮された上で、動きベクトルが生成される。例えば図14に示すように、デジタルカメラ1を右から左へパンニングさせながら動画撮影が行われた場合、図22に示すような複数の抽出画像が生成されるが、各抽出画像内でメインの被写体の自動車はほとんど移動せず、逆に背景(例えば、山)が左から右へ移動している。この場合は、複数の抽出画像に基づいて求められた動きベクトルが右方向となるが、計算上の動きベクトルと逆方向のベクトルをマイクロコンピュータ3が新たな動きベクトル信号として設定する。
【0103】
このように、デジタルカメラ1の動き方向を示すパンニングモード信号60を利用して、動き検出部100およびマイクロコンピュータ3により動き信号が生成されるため、動画像に基づいて求められた動きベクトルにパンニングなどのデジタルカメラ1の動きが悪影響を及ぼすのを低減できる。
生成された動きベクトル信号に基づいてマイクロコンピュータ3により画像の配置が決定される。具体的には、前述の第2実施形態と同様に、抽出画像とともに記録された動きベクトル信号に基づいて、並んで表示された画像により形成される時間ベクトルの向きが被写体の動く方向と概ね一致するように、マイクロコンピュータ3により画像の配置が決定される(例えば図13参照)。これにより、被写体の動きの方向を画像の配置と概ね一致させることができ、並んで表示された複数の画像に対する違和感を緩和することができる。
【0104】
さらに、前述の第2実施形態に比べて、動画像を取得する際のマイクロコンピュータ3の負荷が軽くなるため、動画像取得時の処理速度を高めることができる。
(第4実施形態)
前述の実施形態では、表示部55に画像が表示されている。しかし、図30に示すように、デジタルカメラ1または101に接続された表示装置70に画像が表示される場合も考えられる。
【0105】
この場合、表示部が表示部55からテレビモニタなどの表示装置70に変わっただけであり、パンニングモード信号60、姿勢判別信号61、動きベクトル信号62などの情報に基づいて、マイクロコンピュータ3により画像の配置や表示状態が決定されている点は、前述の実施形態と同様である。表示装置70はケーブル75を介してデジタルカメラ1に接続されている。ケーブル75は、例えばUSB(Universal Serial Bus)ケーブルなどである。
【0106】
以上の構成は、デジタルカメラに表示部が設けられていない場合や、画像の表示サイズを大きくしたい場合に、有効である。これにより、視認性の良い快適な表示が可能となる。
なお、本第4実施形態において、外部の表示装置70はテレビモニタを例として示しているが、これに限られない。例えば、モニタに接続されたパーソナルコンピュータとケーブル75を介して接続する構成としてもよい。
【0107】
なお、本第4実施形態において、ケーブル75は、USBケーブルを用いた例を示したがこれに限られない。例えば、IEEE1394シリアルバス用ケーブルや、無線LAN等の無線により接続する場合も考えられる。
(第5実施形態)
前述の第4実施形態では、表示装置70がデジタルカメラ1に接続されているが、表示装置70の代わりに印刷装置71がデジタルカメラ1に接続される場合も考えられる。
【0108】
この場合、図31に示すように、表示装置70が印刷装置71に変わっただけであり、パンニングモード信号60、姿勢判別信号61、動きベクトル信号62などの情報に基づいて、マイクロコンピュータ3により画像の配置や表示状態が決定されている点は、前述の実施形態と同様である。
ここでは、印刷装置71がケーブル76によりデジタルカメラ1に接続されている。デジタルカメラ1のマイクロコンピュータ3により画像の配置が決定され、表示部55に画像が表示される。表示部55に表示された画像が、印刷装置71により紙面に印刷される。これにより、デジタルカメラ1の動きあるいは被写体の動きの方向を画像の配置と概ね一致させることができ、印刷された画像に対する違和感を緩和することができる。
【0109】
なお、本第5実施形態において、外部の印刷装置71は直接プリンタを繋いだ例を示したが、これに限られない。例えば、デジタルカメラ1が接続されたパーソナルコンピュータおよびケーブルを介してプリンタに接続される構成であってもよい。
(第6実施形態)
この場合、表示制御装置82により表示制御が行われる。具体的には図32に示すようには、表示制御装置82は、例えば、画像処理ソフトを備えたパーソナルコンピュータ、テレビなどである。デジタルカメラ1により撮影された画像は、サムネイル画像、姿勢判別信号61、パンニングモード信号60、動きベクトル信号62などの情報とともに、メモリーカードなどのリムーバブルメモリ51に記録されている。なお、リムーバブルメモリ51はメモリーカードに限られず、ハードディスクや光ディスクなどでもよい。
【0110】
表示制御装置82は、リムーバブルメモリ51に記録された情報の読み出しが可能なリムーバブルメモリ挿入部81と、画像が表示される表示装置70と、を有している。表示装置70に表示される画像の配置は、前述の第1実施形態と同様に、リムーバブルメモリ51に記録されたパンニングモード信号60、姿勢判別信号61、動きベクトル信号62などの情報に基づいて決定される。
【0111】
これにより、この表示制御装置82では、デジタルカメラ1の動きあるいは被写体の動きの方向を画像の配置と概ね一致させることができ、表示された画像に対する違和感を緩和することができる。
なお、図32に示すように、リムーバブルメモリ挿入部81を備えた印刷制御装置84で印刷する場合、あるいは、印刷制御装置84を表示装置70と接続して表示する、あるいは印刷装置71と接続して印刷する場合でも同様の効果を得ることができる。
【0112】
また、リムーバブルメモリ挿入部81を備えた表示装置、印刷装置および表示印刷制御装置を用いる例を示したが、これに限られない。例えば、リムーバブルメモリ51の読み出しが可能なメモリーカードリーダ等の読み取り装置と、表示印刷制御装置と、表示装置、印刷装置とが接続される構成であってもよい。
(他の実施形態)
本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
【0113】
(1)
前述の実施形態では、デジタルカメラ1を用いて表示制御装置について説明している。しかし、表示制御装置が搭載される装置はデジタルカメラに限られず、撮影された画像を表示できる装置であれば、他の装置(デジタル一眼レフカメラ、デジタルビデオカメラ、カメラ機能付き携帯電話端末、カメラ機能付きPDA(Personal Digital Assistant)、カメラ機能付きPC(Personal Computer)、DVD(Digital Video Disc)レコーダおよびハードディスクレコーダなど)にも、この表示制御装置は搭載可能である。
【0114】
また、撮像装置としては、動画像の撮影が可能な装置や動画像および静止画像の撮影が可能な装置が挙げられる。撮像装置の例としては、前述のデジタルカメラ1以外に、デジタル一眼レフカメラ、デジタルビデオカメラ、カメラ機能付き携帯電話端末、カメラ機能付きPDA(Personal Digital Assistant)およびカメラ機能付きPC(Personal Computer)が挙げられる。
【0115】
(2)
前述の第1実施形態では、9種類のパンニングモード信号60(「0」〜「8」)を実質的に2つのグループ(左方向およびその他)に分けて、画像の配置が決定されている。しかし、表示部55などの表示部が複数の画像を斜めや上下に配置した状態で表示可能である場合は、さらに細かくグループを分けが行われてもよい。パンニングモード信号60を細かくグループ分けすることで、パンニングの方向や被写体が動く方向が画像の配置により形成される時間ベクトルと概ね一致し、表示された画像に対する違和感がさらに緩和される。
【0116】
(3)
第1実施形態では、パンニングモードを検出するために角速度センサ17xおよび17yからの角速度信号を利用している。しかし、角速度センサ17xおよび17yの代わりにヨーイング電流値検出部14xおよびピッチング電流値検出部14yからの信号を利用してもよい。
【0117】
また、第1実施形態では、撮影姿勢は、ピッチング電流値検出部14yおよびヨーイング電流値検出部14xの両方の電流値を検出することにより判断したが、一方の電流値を検出することにより、撮影姿勢の特定が可能である。
また、ピッチング電流値検出部14yもしくはヨーイング電流値検出部14xのどちらか一方の電流検出部に異常が生じた場合は、両方の電流値を検出することにより撮影姿勢を正確に判断することができる。
【0118】
なお、本第1実施形態において、撮影姿勢は、ピッチングおよびヨーイング電流検出部の電流値を検出することにより判断したが、これに限られない。例えば、電圧値を測定しても同様の効果を得ることができる。
(4)
第1および第2実施形態では、パンニングモード検出および姿勢検出として手ブレ補正装置を用いた例に実施形態について説明している。しかし、例えば、デジタルカメラに角速度センサや回転検出装置等が取り付けられており、デジタルカメラにて検出できるようにしてもよい。
【0119】
また、前述の実施形態では、デジタルカメラ1には1つのシャッターボタンが搭載されている。しかし、例えば、横撮り姿勢で撮影するシャッターボタンと、縦撮り姿勢で撮影するシャッターボタンと、がそれぞれ搭載されていてもよい。この場合、2つのシャッターボタンからの信号に基づいて、撮影姿勢の判別を行うことが可能となる。
(5)
第1および第2実施形態では、撮影姿勢は、横撮り姿勢の場合を基準として光軸AXを中心に右側に90°回転させた姿勢を縦撮り姿勢としている。しかし、縦撮り姿勢を左側に90°回転させた姿勢とした場合であっても、前述と同様の効果を得ることができる。この場合、左側に90゜回転させた姿勢の姿勢判別信号61を「2」とし、横撮り姿勢が1種類、縦撮り姿勢が2種類の合計3種類の姿勢を検出できるようにしてもよい。
【0120】
(6)
第1および第2実施形態では、姿勢判別信号61として「0」および「1」の2種類の信号が画像に付加される。しかし、例えば、一方の姿勢(例えば縦撮り姿勢)のみに信号を付加する方法も考えられる。また、姿勢判別信号61が画像に記録する方法に限らず、姿勢判別信号61が画像とは別のファイルに記録され、姿勢判別信号61が記録されたファイルと画像とを対応させる方法を用いてもよい。同様に、パンニングモード信号60、動きベクトル信号62も、画像ファイルと別ファイルに記録され、そのファイルと画像とを対応させる方法を用いてもよい。
【0121】
(7)
再生モードにおいてデジタルカメラ1を縦撮り姿勢にした場合、図33に示すように横長の画像を縦に並べた方が、図26に示す状態よりも各画像を大きく表示することができる。このため、再生モード時において姿勢検出を行い、デジタルカメラ1が縦撮り姿勢である場合に画像の配置を縦にすることで、表示部55を効率よく利用することができる。
【0122】
(8)
前述の各実施形態を組み合わせることも可能である。例えば、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせることもできる。より具体的には、第1実施形態において、パンニング垂直方向および水平方向成分がともに「無し」の場合、すなわち、パンニングモード信号60が「0」の場合、デジタルカメラ1が動かないように保持されている。このため、この場合に画像から動きベクトル信号62を生成し、第2実施形態のように動きベクトル信号62に基づいて画像の配置を決定する場合も考えられる。パンニングモード信号60が「0」以外の場合は、パンニングモード信号60を優先することも考えられる。
【0123】
また、以上説明したカメラは、このカメラの撮影制御方法を機能させるためのプログラムでも実現される。このプログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されている。
(9)
前述の実施形態では、動画像を形成する複数の静止画像から静止画像よりも少ない枚数の抽出画像が生成されているが、動画像を形成する複数の静止画像が全て抽出画像として生成されてもよい。
【0124】
(10)
前述の実施の形態では、動画像における被写体の動きに関する第1動き情報を、一旦記録部に記録された動画像に基づいて生成し、かつ複数の抽出画像を生成しているが、動画撮影中に静止画像も同時に記録できるという別の機能を利用して、例えば、動画撮影中にSETボタン40を押すことにより、動画像と共に静止画像を記録し、その際に第1動き情報を生成すると共に、抽出画像を生成する構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0125】
以上に説明した技術によれば、並べて表示された複数の静止画像に対する違和感を緩和することができる撮像装置を提供することができる。したがって、以上に説明した撮像装置は、複数の画像を並べて表示できる装置に好適である。
【符号の説明】
【0126】
1 デジタルカメラ(撮像装置)
1a 筐体
2 レンズ鏡筒
3 マイクロコンピュータ(配置決定部、動き情報生成部)
3A 信号処理部
4 イメージセンサ(画像取得部)
5 CCD駆動制御部
6 アナログ信号処理部
7 A/D変換部
8 デジタル信号処理部
9 バッファメモリ
10 画像圧縮部
11 画像記録制御部
12 画像記録部
13 画像表示制御部
14A 撮影姿勢検出部
14x ヨーイング電流値検出部
14y ピッチング電流値検出部
15A 動き補正部
15x ヨーイング駆動制御部
15y ピッチング駆動制御部
16 位置検出部
17A 動き検出部(動き検出部)
17x、17y 角速度センサ
18x、18y A/D変換部
19x、19y D/A変換部
20 手ブレ補正装置
21 ピッチング保持枠
22 ヨーイング保持枠
23 ピッチングシャフト
24 コイル
25 固定枠
26 ヨーイングシャフト
27 マグネット
28 ヨーク
29 アクチュエータ
30 発光素子
31 受光素子
35 電源スイッチ
36 シャッターボタン
37 モード切換ダイアル
38 十字操作キー
39 MENU設定ボタン
40 SETボタン
41 シャッター制御部
42 シャッター駆動モータ
45 動画撮影操作ボタン
50 内部メモリ
51 リムーバブルメモリ
55 表示部
57 ズーム操作レバー
60 パンニングモード信号(第2動き情報)
61 姿勢判別信号(姿勢情報)
62 動きベクトル信号(第1動き情報)
70 表示装置
71 印刷装置
75 ケーブル
76 ケーブル
81 リムーバブルメモリ挿入部
82 表示制御装置
83 印刷制御装置
84 表示印刷制御装置
100 動き検出部(動き情報生成部)
L 光学系
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に支持され被写体の光学的な像を形成する光学系と、
前記光学系により形成された光学的な像を電気的な画像信号に変換し、前記被写体の画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部により取得された複数の画像を並べて表示可能な表示部と、
前記画像取得部で変換された前記画像信号を用い、動画像を記録すると同時に前記動画像撮影中に指示されるタイミングで複数の静止画像を複数の抽出画像として記録する記録部と、
前記動画像における被写体の動きに関する第1動き情報を、前記動画像の記録に応じて生成する動き情報生成部と、
前記複数の抽出画像と前記第1動き情報とを関連付けて前記記録部に記録するように制御する画像記録制御部と、
前記第1動き情報に基づいて前記複数の抽出画像の配置を決定する配置決定部と、
前記配置決定部での決定結果に基づいて、前記複数の抽出画像のうち少なくとも2つの前記抽出画像を前記表示部に並べて表示させる画像表示制御部と、
を備えた撮像装置。
【請求項2】
前記配置決定部は、前記複数の静止画像のうち、隣り合う2つの静止画像により形成される時間ベクトルの向きが、前記動き情報に含まれる動きの方向の一成分と概ね一致するように、前記複数の静止画像の表示位置を決定する、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記筐体の姿勢に関する姿勢情報を取得する姿勢検出部をさらに備え、
前記記録部には、前記画像とともに前記姿勢情報が記録されており、
前記画像表示制御部は、前記表示部に前記画像が表示された状態で前記画像における天地方向が鉛直方向と概ね一致するように、前記表示部に対する前記画像の表示状態を調整する、
請求項2に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2012−253784(P2012−253784A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−157889(P2012−157889)
【出願日】平成24年7月13日(2012.7.13)
【分割の表示】特願2010−505395(P2010−505395)の分割
【原出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】