説明

撮像装置

【課題】電池電圧を大きく変動させる負荷部を動作させる際に、撮像装置自体の動作が突然停止することを防止する撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像装置(100)は、負荷部(4)に対して、電池室に収納されている電池(1)からの電力を供給する電力供給部(5)と、電池(1)の電圧を検出する電池電圧検出部(2)と、電池電圧検出部(2)によって検出された電圧に基づいて、電池(1)の残量レベルを予め定められた一定周期ごとに判定する判定処理を実行する残量レベル判定部(83)と、検出された電圧が所定閾値以下である場合には、電力供給部(5)に負荷部(4)に対して供給する電力量を低減させた状態で当該電力供給動作を維持せしめ、且つ、電池(1)の残量レベルを判定する判定処理を残量レベル判定部(83)に実行させる制御部(81)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置に使用される閃光装置において、使用される電池の種類に応じて閃光装置のメインコンデンサに充電するための電流を変更する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
また、特許文献1に記載されているような閃光装置を備え、閃光装置の動作と撮像装置自体の動作に必要な電力を、内部に収納されている電池から得る撮像装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−241860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような撮像装置では、閃光装置のメインコンデンサに充電を行っている間、充電による負荷によって電池電圧が変動することがある。そのため、このような撮像装置は、電池電圧を大きく変動させる負荷部を動作させる際(閃光装置の充電動作中など)には、電池残量をチェックするバッテリチェック処理を禁止することがある。
しかしながら、このような撮像装置では、電池残量の少ないLOW(ロウ)バッテリ状態において、閃光装置を連続して充電する場合、閃光装置の充電状態が続いてしまうため、バッテリチェック処理が長期間行われないことがある。このような場合、バッテリチェック処理によってユーザーに警告を出力することなしに、撮像装置が突然停止してしまう可能性がある。
つまり、上述のような撮像装置では、電池電圧を大きく変動させる負荷部(例えば、閃光装置など)を動作させる際に、撮像装置自体の動作が突然停止してしまう問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、電池電圧を大きく変動させる負荷部を動作させる際に、撮像装置自体の動作が突然停止することを防止する撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明は、負荷部に対して、電池室に収納されている電池からの電力を供給する電力供給部と、前記電池の電圧を検出する電池電圧検出部と、前記電池電圧検出部によって検出された電圧に基づいて、前記電池の残量レベルを予め定められた一定周期ごとに判定する判定処理を実行する残量レベル判定部と、前記検出された電圧が所定閾値以下である場合には、前記電力供給部に前記負荷部に対して供給する電力量を低減させた状態で当該電力供給動作を維持せしめ、且つ、前記判定処理を前記残量レベル判定部に実行させる制御部とを備えることを特徴とする撮像装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電池電圧を大きく変動させる負荷部を動作させる際に、撮像装置自体の動作が突然停止することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態による撮像装置を示す概略ブロック図である。
【図2】同実施形態による撮像装置の一部分を示す概略ブロック図である。
【図3】同実施形態における閃光装置の充電処理を示すフローチャートである。
【図4】同実施形態におけるバッテリチェック処理を示すフローチャートである。
【図5】同実施形態における撮像装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図6】同実施形態における閃光装置の充電処理の別の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態による撮像装置について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による撮像装置100を示す概略ブロック図である。
この図において、撮像装置100は、バッテリ1、電池電圧検出部2、閃光装置4、充電制御回路部5、撮像部10、操作部20、バッファメモリ部30、画像処理部40、表示部50、記憶部60、通信部70、及び制御部80を備える。なお、バッテリ1は、電池収納部6(電池室)に収納されている。
【0010】
撮像部10は、設定された撮像条件(例えば、絞り値、露出値など)に基づいて制御部80によって制御される。撮像部10は、光学系11を介した光学像を撮像素子12に結像させ、A/D変換部13によって変換された当該光学像に基づく画像データを生成する。撮像部10は、複数のレンズを備える光学系11、撮像素子12、及びA/D(アナログ/デジタル)変換部13を備える。
なお、上述した光学系11は、撮像装置100に取り付けられて一体とされていてもよいし、撮像装置100に着脱可能に取り付けられてもよい。
【0011】
撮像素子12は、例えば、受光面(不図示)に結像した光学像を電気信号(電圧信号)に変換して、A/D変換部13に供給する。撮像素子12の受光面は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサなどの格子状に配置されている複数のイメージセンサ(不図示)で構成され、それぞれのイメージセンサは、結像された光学像を電圧値に変換する。
A/D変換部13は、撮像素子12によって変換された電圧値をアナログ−デジタル変換し、この変換したデジタル信号である画像データを出力する。
【0012】
操作部20は、例えば、電源スイッチ、シャッターボタン、十字キー、確定ボタン、削除ボタン、及び、その他の操作キーを含み、ユーザーによって操作されることで、ユーザーの操作入力を受け付けて、制御部80に供給する。
【0013】
画像処理部40は、記憶部60に記憶されている画像処理条件に基づいて、バッファメモリ部30に記憶されている画像データに対して画像処理を実行する。ここでいうバッファメモリ部30に記憶されている画像データとは、画像処理部40に入力される画像データ(入力画像)のことであり、例えば、撮像画像データ、スルー画像データ、又は、記憶媒体200から読み出された撮像画像データのことである。
表示部50(警告出力部)は、例えば、液晶ディスプレイであり、撮像部10によって得られた画像データや、操作画面等を表示する。また、表示部50は、バッテリ表示部3を備える。
バッテリ表示部3は、バッテリチェック結果に基づいて、バッテリ残量レベルを表示する。なお、ここでバッテリ残量レベルは、BC(ビーシー)1からBC5の5段階のレベルである。BC5が、最も残量レベルが高いレベルであり、BC1が、最も残量レベルが低いレベルである。バッテリ表示部3は、例えば、バッテリ残量レベルをアイコンによって表示する。
また、表示部50は、残量レベルが予め定められた残量レベル(例えば、BC2)以下である場合に、警告(警告メッセージ)を表示(出力)する。
【0014】
記憶部60は、制御部80によってシーン判定の際に参照される判定条件や、撮像条件、等を記憶する。また、記憶部60が記憶する情報には、バッテリ残量判定フラグ61、充電動作フラグ62、及びバッテリチェック実行フラグ63が含まれる。
バッテリ残量判定フラグ61は、バッテリ1の電圧(残量)が少ないLOW(ロウ)バッテリ状態か否かを示す情報である。このLOWバッテリ状態とは、バッテリ1の電圧が、所定閾値以下である状態である。なお、所定閾値については後述する。バッテリ残量判定フラグ61は、LOWバッテリ状態である場合に、制御部80によって“0”にされる。また、バッテリ残量判定フラグ61は、LOWバッテリ状態でない場合(バッテリ1の電圧が所定閾値より高く十分な残量レベルである場合)に、制御部80によって“1”にされる。
【0015】
充電動作フラグ62は、閃光装置4が充電動作中であるか否かを示す情報である。充電動作フラグ62は、閃光装置4が充電動作中である場合に、制御部80によって“1”にされる。また、充電動作フラグ62は、閃光装置4が充電動作中でない場合に、制御部80によって“0”にされる。
バッテリチェック実行フラグ63は、後述するバッテリチェック処理を制御部80が実行中であるか否かを示す情報である。バッテリチェック実行フラグ63は、バッテリチェック処理を実行中である場合に、制御部80によって“1”にされる。また、バッテリチェック実行フラグ63は、バッテリチェック処理を実行中でない場合に、制御部80によって“0”にされる。
【0016】
バッファメモリ部30は、撮像部10によって撮像された画像データを、一時的に記憶する。
通信部70は、カードメモリ等の取り外しが可能な記憶媒体200と接続され、この記憶媒体200への撮像画像データの書込み、読み出し、又は消去を行う。
記憶媒体200は、撮像装置100に対して着脱可能に接続される記憶部であり、例えば、撮像部10によって生成された撮像画像データを記憶する。
【0017】
制御部80は、例えば、CPU(Central processing unit)などを含み、撮像装置100が備える各構成を制御する。制御部80は、例えば、操作部20を介して撮像指示を受け付けた際に、撮像素子12とA/D変換部13とを介して得られる画像データを、撮像された静止画の撮像画像データとして、記憶媒体200に記憶させる。また、制御部80は、例えば、操作部20を介して撮像指示を受け付けていない状態において、撮像素子12とA/D変換部13とを介して連続的に得られる画像データをスルー画(スルー画データ)として表示部50に連続的に表示させる。また、制御部80は、後述において詳細に説明するバッテリチェック処理、及び重負荷部(閃光装置4)に供給する電力を制御する処理を行う。
【0018】
バス300は、撮像部10と、制御部80と、操作部20と、画像処理部40と、表示部50と、記憶部60と、バッファメモリ部30と、通信部70とに接続され、各部から出力された画像データや制御信号等を転送する。
【0019】
バッテリ1(電池)は、電池収納部6(電池室)に収納され、撮像装置100が備える各構成に電力を供給する。バッテリ1は、撮像装置100の電池収納部6に対して着脱可能に接続される。バッテリ1は、例えば、充電して繰り返し使用可能な二次電池である。
電池電圧検出部2は、例えば、A/Dコンバータなどにより構成される。電池電圧検出部2は、バッテリ1の電圧を検出し、制御部80に出力する。
【0020】
閃光装置4は、被写体を照射する発光装置である。閃光装置4は、メインコンデンサ4(図2)を備え、充電制御回路部5から供給される電力により、メインコンデンサ4を充電する。閃光装置4は、制御部80から出力される画像データの撮像タイミングを示す指示信号により、メインコンデンサ4に充電された電力を放出して、閃光(フラッシュ光)を出射する。なお、画像データの撮像タイミングを示す指示信号は、操作部20のシャッターボタン押下により入力される信号に基づいて、制御部80が出力する信号である。また、閃光装置4は、重負荷部(負荷部)の一例である。ここで、重負荷部(負荷部)とは、バッテリ1の電圧を大きく変動させてしまう負荷を備える構成要素である。例えば、重負荷部(負荷部)は、重負荷部が動作することによって生じるバッテリ1の電圧における変動が、バッテリ残量レベルに対応する電圧範囲の10分の1以上である負荷を備える構成要素である。一例として、バッテリ残量レベルに対応する電圧範囲が200ミリボルト(mV)である場合、重負荷部は、動作することによってバッテリ1の電圧を20mV以上変動させてしまう構成要素である。
【0021】
充電制御回路部5(電力供給部)は、バッテリ1からの電力を閃光装置4に供給する。充電制御回路部5は、制御部80から供給される電流切り替え信号に基づいて、閃光装置4に供給する電力量(例えば、電流)を切り替える。本実施形態では、充電制御回路部5は、フル充電モードと電流制限充電モードとの2種類の充電モードを切り替えて供給する。フル充電モードでは、充電制御回路部5は、例えば、充電電流Aミリアンペア(mA)を閃光装置4に供給する。また、電流制限充電モードでは、充電制御回路部5は、例えば、充電電流BmAを閃光装置4に供給する。ここで充電電流BmAは、充電電流AmAより小さい電流値である。つまり、充電制御回路部5は、充電電流AmA(フル充電モード)から充電電流BmA(電流制限充電モード)に切り替えることによって、閃光装置4に供給する電流(電力量)を低減する。
なお、充電制御回路部5は、例えば、カレントミラー回路を備え、カレントミラー回路によって、閃光装置4に供給する電流を切り替える。
【0022】
図2は、本実施形態による撮像装置100の一部分を示す概略ブロック図である。
この図において、制御部80は、重負荷制御部81、電圧検出処理部82、残量レベル判定部83、及び表示処理部84を備える。
【0023】
電圧検出処理部82は、電池電圧検出部2によって検出されたバッテリ1の電圧が、所定閾値以下であるか否かを判定する。電圧検出処理部82は、検出されたバッテリ1の電圧が所定閾値以下(LOWバッテリ状態)である場合に、記憶部60内のバッテリ残量判定フラグ61を“0”にする。また、電圧検出処理部82は、検出されたバッテリ1の電圧が所定閾値より高い場合に、記憶部60内のバッテリ残量判定フラグ61を“1”にする。ここで、所定閾値とは、予め定められた閾値であり、例えば、バッテリ1がフル充電された状態の電圧を100%とし、撮像装置100の動作限界の電圧を0%とした場合において、30%に相当する電圧である。また、電圧検出処理部82における上述の所定閾値以下であるか否かを判定する処理は、予め定められた一定の検出周期によって繰り返し実行される。
【0024】
残量レベル判定部83は、電池電圧検出部2によって検出されたバッテリ1の電圧に基づいて、バッテリ1の残量レベルを予め定められた一定周期ごとに判定する判定処理(バッテリチェック処理)を実行する。残量レベル判定部83は、複数の判定閾値に基づいて、バッテリ1の残量レベルを複数段階(BC1からBC5の5段階)に判定する。なお、残量レベル判定部83は、判定処理を行う際に、電池電圧検出部2によって直前に検出された4回分の電圧の平均値に基づいて、バッテリ1の残量レベルを判定する。また、上述の予め定められた一定周期(残量レベル判定部83が判定処理を実行する周期)は、上述の検出周期(電圧検出処理部82がLOWバッテリ状態であるか否かを判定する検出周期)より長い。
【0025】
表示処理部84は、残量レベル判定部83によって判定されたバッテリ1の残量レベルに基づいた情報(BC1からBC5のうちのいずれか1つ)をバッテリ表示部3に表示させる。また、表示処理部84は、バッテリ1の残量レベルが予め定められた残量レベル(例えば、BC2)以下である場合に、警告を表示部50(警告出力部)に表示させる。なお、「警告を表示部50に表示させる」とは、例えば、撮像装置100を使用するユーザーに対して、バッテリ残量が低下したことを示すメッセージを表示することである。
【0026】
重負荷制御部81は、閃光装置4に供給する電力を制御する処理を行う。重負荷制御部81は、記憶部60内のバッテリ残量判定フラグ61を参照して、バッテリ残量判定フラグ61の値が“0”である場合に、充電制御回路部5に閃光装置4に対して供給する電流を低減させる。また、重負荷制御部81は、バッテリ残量判定フラグ61の値が“0”である場合に、バッテリチェック処理を残量レベル判定部83に実行させる。つまり、重負荷制御部81は、電池電圧検出部2によって検出された電圧が所定閾値以下である場合には、充電制御回路部5に閃光装置4に対して供給する電力量を低減させた状態で当該電力供給動作を維持せしめ、且つ、バッテリチェック処理(判定処理)を残量レベル判定部83に実行させる。ここで、バッテリチェック処理とは、バッテリ1の残量レベルを予め定められた一定周期ごとに判定する上述した判定処理である。
【0027】
また、重負荷制御部81は、バッテリ残量判定フラグ61の値が“1”である場合に、閃光装置4が充電されている期間には、バッテリチェック処理を禁止して残量レベル判定部83にバッテリチェック処理を実行させない。ただし、重負荷制御部81は、バッテリ残量判定フラグ61の値が“1”である場合に、閃光装置4が充電されていない期間には、バッテリチェック処理を許可して残量レベル判定部83にバッテリチェック処理を実行させる。つまり、重負荷制御部81は、電池電圧検出部2によって検出された電圧が所定閾値より大きい場合において、充電制御回路部5から閃光装置4に電力が供給されていない期間には、バッテリチェック処理を残量レベル判定部83に実行させる。また、重負荷制御部81は、電池電圧検出部2によって検出された電圧が所定閾値より大きい場合において、充電制御回路部5から閃光装置4に電力が供給されている期間には、バッテリチェック処理を残量レベル判定部83に実行させない。
【0028】
また、重負荷制御部81は、バッテリ残量判定フラグ61の値に応じて、電流切り替え信号を充電制御回路部5に出力する。これにより、重負荷制御部81は、閃光装置4に供給する電流を(充電電流AmA(フル充電モード)と充電電流BmA(電流制限充電モード)とを)充電制御回路部5に切り替えさせる。つまり、重負荷制御部81は、充電制御回路部5に、閃光装置4に対して供給する電力量を低減させる場合、電池電圧検出部2によって検出された電圧に応じた電流を、閃光装置4に供給させる。
また、重負荷制御部81は、閃光装置4によって発生するバッテリ1の電圧変動が、残量レベルを判定する複数の判定閾値間に対応する電圧間隔の予め定められた割合以下(例えば、10分の1以下)になるように、充電制御回路部5に閃光装置4に対して供給する電流(電力量)を低減させる。
また、重負荷制御部81は、充電制御回路部5に閃光装置4に対して電流を供給させる際に、記憶部60内の充電動作フラグ62を“1”にする。また、重負荷制御部81は、閃光装置4の充電が完了した際に、記憶部60内の充電動作フラグ62を“0”にする。
【0029】
次に、本実施形態の動作について説明する。
まず、本実施形態における閃光装置4の充電処理について説明する。
図3は、本実施形態における閃光装置4の充電処理を示すフローチャートである。
この図において、まず、制御部80の重負荷制御部81は、バッテリ1の残量がLOWバッテリ状態であるか否かを判定する(ステップS101)。つまり、重負荷制御部81は、記憶部60内のバッテリ残量判定フラグ61を参照して、バッテリ残量判定フラグ61の値が“0”であるか否かを判定する。ステップS101において、重負荷制御部81は、バッテリ残量判定フラグ61の値が“0”である(LOWバッテリ状態である)と判定した場合に、処理をステップS103に進める。また、重負荷制御部81は、バッテリ残量判定フラグ61の値が“0”でない(“1”である)と判定した場合に、処理をステップS102に進める。
【0030】
次に、ステップS102において、重負荷制御部81は、充電制御回路部5に対して充電電流AmA(フル充電モード)に切り替えさせる電流切り替え信号を出力する。充電制御回路部5は、重負荷制御部81から供給された電流切り替え信号に基づいて、閃光装置4に供給する電流を充電電流AmA(フル充電モード)に切り替える。
【0031】
また、ステップS103において、重負荷制御部81は、充電制御回路部5に対して充電電流BmA(電流制限状態)に切り替えさせる電流切り替え信号を出力する。充電制御回路部5は、重負荷制御部81から供給された電流切り替え信号に基づいて、閃光装置4に供給する電流を充電電流BmA(電流制限状態)に切り替える。
【0032】
次に、重負荷制御部81は、閃光装置4に充電させる処理を行う(ステップS104)。ステップS104において、まず、重負荷制御部81は、記憶部60内の充電動作フラグ62を“1”にする。次に、重負荷制御部81は、充電制御回路部5に対して、閃光装置4のメインコンデンサ41に充電するための電流を供給させる。これにより、充電制御回路部5は、閃光装置4に充電電流を供給する。また、閃光装置4のメインコンデンサ41は、充電制御回路部5より供給された電流(充電電流AmA又はBmA)によって充電が開始される。
【0033】
次に、重負荷制御部81は、閃光装置4の充電が完了したか否かを判定する(ステップS105)。ステップS105において、重負荷制御部81は、閃光装置4の充電が完了していないと判断した場合には、処理をステップS101に戻す。また、重負荷制御部81は、閃光装置4の充電が完了したと判断した場合には、閃光装置4の充電処理を終了する。つまり、重負荷制御部81は、充電動作フラグ62を“0”にする。また、重負荷制御部81は、充電制御回路部5に対して、閃光装置4のメインコンデンサ41に充電するための電流の供給を停止させて充電処理を終了する。
なお、閃光装置4の充電が完了したか否かの判定は、例えば、閃光装置4にメインコンデンサ41の充電電圧を検出する検出部を設けて、検出部による検出結果に基づいて重負荷制御部81が判定してもよい。
【0034】
上述の充電処理(ステップS101からステップS105の処理)が完了した後、撮像装置100のユーザーによって操作部20のシャッターボタンが押下されると、制御部80は、画像データの撮像タイミングを示す指示信号を出力する。閃光装置4は、制御部80から供給される指示信号により、閃光(フラッシュ光)を出射する。
【0035】
次に、本実施形態におけるバッテリチェック処理について説明する。
図4は、本実施形態におけるバッテリチェック処理を示すフローチャートである。
この図において、まず、残量レベル判定部83は、バッテリチェックのイベントが発生しているか否かを判定する(ステップS110)。ステップS110において、残量レベル判定部83は、バッテリチェックのイベントが発生していると判定した場合には、処理をステップS111に進める。また、残量レベル判定部83は、バッテリチェックのイベントが発生していないと判定した場合には、処理をステップS110に戻す。
なお、バッテリチェックのイベントとは、制御部80内のタイマーカウンタ(不図示)などによって、予め定められた一定周期ごとに発生するイベントである。
【0036】
次に、残量レベル判定部83は、閃光装置4が充電動作中であるか否かを判定する(ステップS111)。つまり、残量レベル判定部83は、記憶部60内の充電動作フラグ62を参照して、充電動作フラグ62の値が“1”であるか否かを判定する。ステップS111において、残量レベル判定部83は、充電動作フラグ62の値が“1”である(閃光装置4が充電動作中である)と判定した場合に、処理をステップS112に進める。また、残量レベル判定部83は、充電動作フラグ62の値が“1”でない(“0”である)と判定した場合に、処理をステップS113に進める。
【0037】
ステップS112において、残量レベル判定部83は、バッテリ1の残量がLOWバッテリ状態であるか否かを判定する。つまり、残量レベル判定部83は、記憶部60内のバッテリ残量判定フラグ61を参照して、バッテリ残量判定フラグ61の値が“0”であるか否かを判定する。残量レベル判定部83は、バッテリ残量判定フラグ61の値が“0”である(LOWバッテリ状態である)と判定した場合に、処理をステップS113に進める。また、残量レベル判定部83は、バッテリ残量判定フラグ61の値が“0”でない(“1”である)と判定した場合に、処理をステップS110に戻す。つまり、残量レベル判定部83は、閃光装置4が充電動作中である場合、且つ、バッテリ1がLOWバッテリ状態でない場合には、バッテリ残量レベルのチェック処理を行わない。
【0038】
次に、ステップS113において、残量レベル判定部83は、バッテリ残量レベルのチェック処理(バッテリチェック処理)を行う。つまり、残量レベル判定部83は、電池電圧検出部2によって検出されたバッテリ1の電圧と複数の判定閾値とに基づいて、バッテリ1の残量レベルを複数段階(BC1からBC5)に判定する。なお、残量レベル判定部83は、バッテリチェック処理を行う前に、記憶部60内のバッテリチェック実行フラグ63を“1”にし、バッテリチェック処理の終了後に、バッテリチェック実行フラグ63を“0”にする。
【0039】
また、ステップS113において、残量レベル判定部83は、判定した残量レベルを表示処理部84に出力する。表示処理部84は、残量レベル判定部83によって判定されたバッテリ1の残量レベルに基づいた情報(BC1からBC5)をバッテリ表示部3に表示させる。また、表示処理部84は、バッテリ1の残量レベルが予め定められた残量レベル(例えば、BC2)以下である場合に、警告を表示部50(警告出力部)に表示させる。
【0040】
ステップS113の処理が完了すると、残量レベル判定部83は、ステップS110の処理に戻す。これにより、ステップS110からステップS113の処理が繰り返される。
【0041】
次に、本実施形態における撮像装置100の動作について説明する。
図5は、本実施形態における撮像装置100の動作を示すタイミングチャートである。
図5(a)は、バッテリ1の残量判定の状態(バッテリ残量判定フラグ61の状態)を示すグラフである。このグラフにおいて、縦軸は、バッテリ残量判定フラグ61の状態を示し、横軸は、時間を示す。また、バッテリ残量判定フラグ61は、LOWバッテリ状態である場合に“0”を示し、LOWバッテリ状態でない場合に“1”を示す。
図5(b)は、充電制御回路部5が閃光装置4に供給する電流(充電電流)の状態を示している。ここで、充電モード(電流)は、フル充電モード(充電電流AmA)と電流制限充電モード(充電電流BmA)との2種類がある。
【0042】
図5(c)は、充電動作フラグ62の状態を示すグラフである。このグラフにおいて、縦軸は、充電動作フラグ62の状態を示し、横軸は、時間を示す。また、充電動作フラグ62は、閃光装置4が充電動作中である場合に“1”を示し、閃光装置4が充電動作中でない場合に“0”を示す。
図5(d)は、バッテリチェック実行フラグ63の状態を示すグラフである。このグラフにおいて、縦軸は、バッテリチェック実行フラグ63の状態を示し、横軸は、時間を示す。また、バッテリチェック実行フラグ63は、バッテリチェック処理が実行中である場合に“1”を示し、バッテリチェック処理が実行中でない場合に“0”を示す。
【0043】
図5(a)から(d)において、それぞれの初期状態は、バッテリ残量判定フラグ61の値が“1”、充電モードがフル充電モード、充電動作フラグ62の値が“1”、及びバッテリチェック実行フラグ63の値が“0”である。つまり、撮像装置100は、バッテリ1の残量が十分にあり、フル充電モードにおいて閃光装置4の充電を行っている状態である。
ここでは、上記の初期状態から時刻T1までの期間、時刻T3から時刻T5までの期間、及び時刻T6以降の期間において、撮像装置100が閃光装置4の充電を行う場合の例について説明する。また、この図において、バッテリ残量は、時刻T4において、LOWバッテリ状態になる場合の例について説明する。
【0044】
上記の初期状態から時刻T1までの期間において、撮像装置100は、図3に示される閃光装置4の充電処理を行う。ここでは、バッテリ残量判定フラグ61の値(図5(a))が“1”であるため、撮像装置100は、フル充電モードによって閃光装置4の充電を行う(図5(b)参照)。また、この期間では、図4に示される処理フローにより、バッテリチェック処理が禁止されるため、撮像装置100は、バッテリチェック処理を行わない。したがって、バッテリチェック実行フラグ63(図5(d))は、“0”の状態が維持される。
時刻T1において、撮像装置100は、図3に示される閃光装置4の充電処理を終了する。これにより、充電動作フラグ62(図5(c))は、“0”となる。
【0045】
時刻T2において、撮像装置100は、図4に示される処理フローによって、バッテリチェック処理を行う。このため、撮像装置100は、バッテリチェック処理が行われている期間、バッテリチェック実行フラグ63(図5(d))を“1”にする。これは、時刻T1から時刻T3までの期間、閃光装置4が充電動作中でない状態(充電動作フラグ62の値が“0”である状態)であるためである。
【0046】
時刻T3から時刻T5の期間において、撮像装置100は、図3に示される閃光装置4の充電処理を再び行う。この場合、初期状態から時刻T1までの期間の場合とは異なり、時刻T4において、バッテリ残量判定フラグ61の値が(図5(a))“0”になる。そのため、時刻T4において、撮像装置100は、充電モードを電流制限充電モード(充電電流BmA)に切り替えて閃光装置4の充電処理を行う(図5(b)参照)。つまり、充電制御回路部5は、時刻T4において、閃光装置4に供給する電力量(電流)を低減する。また、時刻T4から時刻T5までの期間では、バッテリ残量判定フラグ61の値(図5(a))が“0”であるため、撮像装置100は、閃光装置4の充電動作中であるが、バッテリチェック処理を行う。このバッテリチェック処理は、残量レベル判定部83によって予め定められた一定周期ごとに実行される。そのため、撮像装置100は、予め定められた一定周期ごとにバッテリチェック処理が行われている期間(図5のP1参照)、バッテリチェック実行フラグ63(図5(d))を“1”にする。
【0047】
また、時刻T6において、撮像装置100は、図3に示される閃光装置4の充電処理を再び開始する。時刻T6以降の期間では、バッテリ残量判定フラグ61の値(図5(a))が“0”であるため、撮像装置100は、電流制限充電モード(充電電流BmA)によって、閃光装置4の充電処理を行う。なお、時刻T6以降の期間においても、時刻T4から時刻T5までの期間と同様に、撮像装置100は、予め定められた一定周期ごとにバッテリチェック処理を行う。
【0048】
以上のように、撮像装置100では、電池電圧検出部2がバッテリ1の電圧を検出する。残量レベル判定部83が、電池電圧検出部2によって検出された電圧に基づいて、バッテリ1の残量レベルを予め定められた一定周期ごとに判定するバッテリチェック処理(判定処理)を実行する。また、充電制御回路部5(電力供給部)が、閃光装置4(負荷部)に対して、電池収納部6(電池室)に収納されているバッテリ1(電池)からの電力を供給する。そして、重負荷制御部81(制御部)が、電池電圧検出部2によって検出された電圧が所定閾値以下である(LOWバッテリ状態である)場合には、充電制御回路部5に閃光装置4に対して供給する電力量(電流)を低減させた状態で当該電力供給動作を維持させる。さらに、重負荷制御部81が、LOWバッテリ状態である場合には、バッテリチェック処理を残量レベル判定部83に実行させる。
【0049】
これにより、バッテリ1がLOWバッテリ状態である場合には、充電制御回路部5によって閃光装置4に供給される電流が低減される。そのため、閃光装置4の充電動作によって発生するバッテリ1の電圧変動が低減される。よって、残量レベル判定部83は、閃光装置4の充電動作中において、バッテリ1の残量レベルを判定するバッテリチェック処理を正確に行うことができる。つまり、撮像装置100は、LOWバッテリ状態である場合、且つ、閃光装置4を連続して充電する場合においても、バッテリチェック処理を行うことができる。したがって、撮像装置100は、重負荷部(負荷部)である閃光装置4を動作させる際に、撮像装置100の動作が突然停止してしまうことを防止することができる。
【0050】
また、重負荷制御部81は、LOWバッテリ状態でない場合において、充電制御回路部5から閃光装置4に電流が供給されていない期間(閃光装置4が充電されていない期間)には、バッテリチェック処理を残量レベル判定部83に実行させる。また、重負荷制御部81は、LOWバッテリ状態でない場合において、充電制御回路部5から閃光装置4に電流が供給されている期間(閃光装置4が充電動作中である期間)には、バッテリチェック処理を残量レベル判定部83に実行させない。
これにより、閃光装置4の充電動作によるバッテリ1の電圧変動が大きいフル充電モードである場合に、残量レベル判定部83は、バッテリチェック処理を実行しない。そのため、撮像装置100は、フル充電モードによって閃光装置4を充電する際に、バッテリ1の電圧変動によって残量レベルが誤判定されることを防止することができる。
【0051】
また、残量レベル判定部83は、複数の判定閾値に基づいてバッテリ1の残量レベルを複数段階(BC1からBC5)に判定する。さらに、重負荷制御部81は、閃光装置4によって発生するバッテリ1の電圧変動が、残量レベルを判定する複数の判定閾値間に対応する電圧間隔の予め定められた割合(例えば、10分の1)以下になるように、充電制御回路部5に閃光装置4に対して供給する電流(電力量)を低減させる。
これにより、閃光装置4を充電する際に、バッテリ1の電圧変動によって残量レベルが誤判定される可能性を低減することができる。すなわち、撮像装置100は、残量レベル判定部83によってバッテリ1の残量レベルをより正確に判定することができる。
【0052】
また、さらに、撮像装置100は、残量レベル判定部83によって判定されたバッテリ1の残量レベルに基づいた情報をバッテリ表示部3に表示させる表示処理部84を備える。
これにより、撮像装置100は、バッテリ1の残量レベルをバッテリ表示部3に正確に表示することができる。つまり、撮像装置100では、重負荷部である閃光装置4を動作させる際に、ユーザーは、バッテリ残量が低下したことを認識することができる。したがって、撮像装置100は、重負荷部である閃光装置4を動作させる際に、バッテリ残量が低下したことをユーザーが認識しないまま撮像装置100の動作が突然停止してしまうことを防止することができる。
【0053】
また、撮像装置100は、バッテリ1の残量レベルが予め定められた残量レベル(BC2)以下である場合に、警告(警告メッセージ)を表示(出力)する表示部50(警告出力部)を備える。
これにより、撮像装置100は、バッテリ1の残量レベルが低下して動作できなくなる前に、ユーザーに警告を出力することができる。したがって、撮像装置100は、重負荷部である閃光装置4を動作させる際に、ユーザーに警告を出力することなしに、撮像装置100の動作が突然停止してしまうことを防止することができる。
【0054】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。上記実施形態において、図3に示される閃光装置4の充電処理は、閃光装置4の充電動作中にステップS101の処理を繰り返し実行する形態を説明したが、これに限定されるものではない。
【0055】
そこで、本実施形態における閃光装置4の充電処理について、別の一例として図6を参照して説明する。
図6は、本実施形態における閃光装置4の充電処理の別の一例を示すフローチャートである。
この図において、ステップS101からステップS103の処理は、図3に示される閃光装置4の充電処理と同様である。この図における閃光装置4の充電処理は、図3に示されるステップS104及びステップS105の処理の代わりに、ステップS104aの処理を行っている点が異なる。
【0056】
ステップS104aにおいて、まず、重負荷制御部81は、記憶部60内の充電動作フラグ62を“1”にする。次に、重負荷制御部81は、充電制御回路部5に対して、閃光装置4のメインコンデンサ41に充電するための電流を供給させる。これにより、充電制御回路部5は、閃光装置4に充電電流を供給する。また、閃光装置4のメインコンデンサ41は、充電制御回路部5より供給された電流(充電電流AmA又はBmA)によって充電が開始される。
【0057】
ステップS104aにおいて、次に、重負荷制御部81は、閃光装置4の充電が完了するまで、この状態を維持する。閃光装置4の充電が完了した場合に、重負荷制御部81は、閃光装置4の充電処理を終了する。つまり、重負荷制御部81は、充電動作フラグ62を“0”にする。また、重負荷制御部81は、充電制御回路部5に対して、閃光装置4のメインコンデンサ41に充電するための電流の供給を停止させて充電処理を終了する。
【0058】
これにより、図6に示される閃光装置4の充電処理においても、重負荷制御部81は、閃光装置4に供給する電流を(充電電流AmA(フル充電モード)と充電電流BmA(電流制限充電モード)とを)充電制御回路部5に切り替えさせることができる。したがって、図6に示される閃光装置4の充電処理においても、図3に示される閃光装置4の充電処理と同様に、重負荷部である閃光装置4を動作させる際に、撮像装置100の動作が突然停止してしまうことを防止することができる。なお、図3に示される閃光装置4の充電処理を行う形態の場合には、閃光装置4の充電動作中に閃光装置4に供給する電流を切り替えることができる。
【0059】
また、上記実施形態において、LOWバッテリ状態であるか否かを判定する所定閾値に、バッテリ1がフル充電された状態の30%に相当する電圧を用いる形態を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、所定閾値は、バッテリ1の使用時間経過とバッテリ1の電圧との間に予め得られている関係を示す放電特性において、使用時間経過に伴い、単位時間に対する電圧低下率が予め定められた値より大きくなる電圧値であってもよい。つまり、所定閾値は、放電特性において、急峻に電圧が低下する直前の電圧値でもよい。この場合、使用時間経過に伴い急峻に電圧が低下する電圧に達した際に、電圧検出処理部82は、LOWバッテリ状態であると判定する。これにより、充電制御回路部5によるフル充電モード(充電電流AmA)と電流制限充電モード(充電電流BmA)との切り替えを最適なタイミングで行うことができる。つまり、使用するバッテリの種類に合わせて、閃光装置4の充電時間が短いフル充電モードを効率よく使用することができる。
【0060】
また、上記実施形態において、充電制御回路部5は、充電電流AmA(フル充電モード)と充電電流BmA(電流制限充電モード)との2種類の電流値を切り替える形態を説明したが、3種類以上の電流値を切り替える形態でもよい。例えば、電圧検出処理部82がLOWバッテリ状態を2段階に判定する場合、重負荷制御部81は、電圧検出処理部82の判定結果に基づいて、複数ビット幅(例えば2ビット幅)の電流切り替え信号を充電制御回路部5に出力する。これにより、充電制御回路部5は、充電制御回路部5から供給された電流切り替え信号に基づいて、3種類の電流値を切り替える。つまり、重負荷制御部81は、充電制御回路部5に、閃光装置4に対して供給する電力量を低減させる場合、検出された電圧に応じた電流を、閃光装置4に供給させる。これにより、撮像装置100は、バッテリ1の電圧に応じて、バッテリ1の電圧の変動が低減されるように、閃光装置4に供給する電力量を切り替えることができる。したがって、撮像装置100は、残量レベル判定部83によってバッテリ1の残量レベルをより正確に判定することができる。
【0061】
また、上記実施形態において、充電制御回路部5は、カレントミラー回路によって、閃光装置4に供給する電流を切り替える形態を説明したが、PWM(Pulse Width Modulation)制御によって、電流を切り替える形態でもよい。
また、上記実施形態において、残量レベル判定部83が、充電動作フラグ62を参照して、閃光装置4が充電動作中であるか否かを判定する形態を説明したが、他の形態でもよい。例えば、充電制御回路部5が、閃光装置4が充電動作中であるか否かを示す信号を出力し、残量レベル判定部83が、この信号に基づいて判定する形態でもよい。
【0062】
また、上記実施形態において、バッテリチェック実行フラグ63を備える形態を説明したが、バッテリチェック実行フラグ63を備えない形態でもよい。
また、バッテリ残量判定フラグ61、充電動作フラグ62、及びバッテリチェック実行フラグ63の論理状態は、上記実施形態に限定されるものではない。
【0063】
また、上記実施形態において、重負荷部が閃光装置4である形態を説明したが、供給する電力量を制御することができる重負荷部であれば、他の形態でもよい。例えば、重負荷部として、パワーズーム、パワーフォーカス、オートフォーカスレンズなどの駆動装置に適用する形態でもよい。
また、上記実施形態において、警告メッセージを表示部50に表示する形態を説明したが、アイコンによって警告を表示部50に表示する形態でもよい。また、警告音を出力する形態でもよいし、警告メッセージやアイコンによる警告の表示と警告音の出力とを組み合わせた形態でもよい。
【0064】
また、上記実施形態において、バッテリ1には、充電して繰り返し使用可能な二次電池を用いる形態を説明したが、一次電池を用いる形態でもよいし、一次電池と二次電池とを組み合わせて用いる形態でもよい。
また、上記実施形態において、閃光装置4の充電が完了したか否かの判定は、メインコンデンサ41の充電電圧を検出する検出部検出結果に基づいて判定する形態を説明したが、他の形態でもよい。例えば、重負荷制御部81が、充電制御回路部5に供給させる電流値と充電処理の積算時間とに基づいて、閃光装置4の充電が完了したか否かを判定してもよい。
【0065】
なお、上記実施形態において、制御部80の各部は、専用のハードウェアによって実現されてもよく、また、制御部80の各部は、メモリ及びCPUにより構成され、制御部80の各機能は、プログラムによって実現されてもよい。
【0066】
なお、上述の撮像装置100は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した制御部80の処理過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われてもよい。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1…バッテリ、2…電池電圧検出部、3…バッテリ表示部、4…閃光装置、5…充電制御回路部、6…電池収納部、81…重負荷制御部、83…残量レベル判定部、84…表示処理部、100…撮像装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷部に対して、電池室に収納されている電池からの電力を供給する電力供給部と、
前記電池の電圧を検出する電池電圧検出部と、
前記電池電圧検出部によって検出された電圧に基づいて、前記電池の残量レベルを予め定められた一定周期ごとに判定する判定処理を実行する残量レベル判定部と、
前記検出された電圧が所定閾値以下である場合には、前記電力供給部に前記負荷部に対して供給する電力量を低減させた状態で当該電力供給動作を維持せしめ、且つ、前記判定処理を前記残量レベル判定部に実行させる制御部と
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記検出された電圧が前記所定閾値より大きい場合において、前記電力供給部から前記負荷部に電力が供給されていない期間には、前記判定処理を前記残量レベル判定部に実行させ、前記電力供給部から前記負荷部に電力が供給されている期間には、前記判定処理を前記残量レベル判定部に実行させない
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記電力供給部に、前記負荷部に対して供給する電力量を低減させる場合、前記検出された電圧に応じた電流を、前記負荷部に供給させる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記残量レベル判定部は、
複数の判定閾値に基づいて前記残量レベルを複数段階に判定し、
前記制御部は、
前記負荷部によって発生する前記電池の電圧変動が、前記残量レベルを判定する前記複数の判定閾値間に対応する電圧間隔の予め定められた割合以下になるように、前記電力供給部に前記負荷部に対して供給する電力量を低減させる
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮像装置は、
前記判定された前記残量レベルに基づいた情報を表示部に表示させる表示処理部
を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記撮像装置は、
前記残量レベルが予め定められた残量レベル以下である場合に、警告を出力する警告出力部を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記所定閾値は、前記電池の使用時間経過と前記電池の電圧との間に予め得られている関係を示す放電特性において、前記使用時間経過に伴い、単位時間に対する電圧低下率が予め定められた値より大きくなる電圧値である
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記負荷部は、閃光装置である
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−48039(P2012−48039A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191055(P2010−191055)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】