説明

撮像装置

【課題】 レリーズボタンの操作段階が少なくとも3段階ある従来のカメラは、各操作段階毎に撮像モードを設定する操作が必要になり、設定操作が煩雑になる。
【解決手段】 撮像者が全押し1の操作位置に第1撮像動作モードとして低速連続撮影Cを設定すると、CPU21は、S4において、全押し1の次の全押し2の操作位置に、撮像フレーム数で第1撮像動作モードを上回る関係にある第2撮像動作モードとして高速連続撮影Cを対応付けて、設定する。また、撮像者が全押し1の操作位置に第1撮像動作モードとして1フレーム撮影Sを設定すると、CPU21は、S6において設定モードから1フレーム撮影Sを除外し、S7において、全押し1の次の全押し2の操作位置に、撮像フレーム数で第1撮像動作モードを上回る関係にある第2撮像動作モードとして、低速連続撮影Cまたは高速連続撮影Cを対応付けて、設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の操作位置に移動される操作部材を備えた撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような撮像装置としては、例えば、特許文献1に開示されたデジタルカメラがある。このデジタルカメラには、操作部、操作軸部、バネ、およびスイッチ群から構成されるレリーズボタンが備えられている。スイッチ群は、第1,第2,および第3の3つの接触子と、モードに応じて追加される第4の1つの接触子とから構成されている。操作部が押し下げられると、バネに抗して操作軸部が下方に移動し、操作軸部の下端部でスイッチ群が押され、第1の接触子が第2の接触子と接触する。更に操作部が押し下げられると、第2の接触子が第3の接触子と接触し、第4の接触子が追加されている場合に更に操作部が押し下げられると、第3の接触子が第4の接触子と接触する。このため、レリーズボタンは、操作部の押し下げの程度に応じて、第1の接触子と第2の接触子との接触によるスイッチポイントSP1、第2の接触子と第3の接触子との接触によるスイッチポイントSP2、および第3の接触子と第4の接触子との接触によるスイッチポイントSP3を、3段階に形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−191908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の、レリーズボタンの操作段階が少なくとも3段階ある撮像装置は、シングル(1駒)撮影モードや連写撮影モードといった撮影モードを各操作段階に設定しようとすると、各操作段階毎に撮影モードを設定する操作が必要になり、設定操作が煩雑になる。また、設定操作によっては、例えば、1段階の操作で高速連写撮影モード、1段階よりも深く押し込まれる2段階の操作でシングル撮影モードが設定されて、高速連写後にシングル撮影が行われるというような操作的に意味の無い撮影モードの組み合わせが設定されてしまうことがある。また、撮影モードを設定するダイヤル式設定部材を各操作段階毎に設けなければならず、設定部材が複数個必要になる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、
被写体を撮像する撮像手段(25)と、撮像指示信号に応じて撮像手段(25)に撮像された画像信号を記録媒体(33)に記録する記録手段(21)とを備えた撮像装置(1)であって、
外部操作に応じて第1操作位置および該第1操作位置とは異なる第2操作位置に移動可能であり、両操作位置のうちのいずれの操作位置への移動によっても、撮像指示信号を発生せしめる操作部材(4)と、
操作部材(4)の第1操作位置への移動に応じて撮像が開始される撮像モードを、第1撮像モードに設定する第1設定手段(18a、18b、21)と、
操作部材(4)の第2操作位置への移動に応じて撮像が開始される撮像モードを、第1撮像モードと異なる第2撮像モードに設定する第2設定手段(18a、18b、21)と、
第1設定手段(18a、18b、21)による前記設定に応じて、第2設定手段(18a、18b、21)により設定される第2撮像モードを、第1撮像モードと所定関係を持つ撮像モードに制限せしめる制御手段(21)と、を有し、
撮像手段(25)および記録手段(21)は、操作部材(4)の操作位置に応じた撮像モードで撮像動作を行うことを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、第1操作位置に第1撮像モードが設定されると、第1操作位置の次の第2操作位置に、第1撮像モードと所定関係がある第2撮像モードが制御手段(21)によって対応付けられて、設定される。このため、第2撮像モードの設定作業が簡略化され、撮像モードの設定操作が簡単に行える。また、第1操作位置と次の第2操作位置とに、操作的に意味の無い撮像モードの組み合わせが設定されてしまうのを除外することができ、撮像中に誤操作を招くおそれが解消される。また、第1操作位置に第1撮像モードが設定されると、次の第2操作位置に第1撮像モードと所定関係がある第2撮像モードが設定されるため、各操作位置毎に撮像モードを設定する設定部材を設けることなく、各操作位置に撮像モードを設定することができる。
【0007】
また、本発明は、
操作部材(4)の操作位置を検出する操作位置検出手段(21、38、39、40)と、操作位置検出手段(21、38、39、40)によって検出される操作位置を表示手段(45)に表示させる表示制御手段(21)とを備えることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、操作位置検出手段(21、38、39、40)によって検出される操作位置が表示制御手段(21)によって表示手段(45)に表示されるため、撮像者は、操作している操作部材(4)がいずれの操作位置に位置しているのかを視覚的に把握することができる。従って、操作部材(4)が位置している操作位置を誤って認識することによる撮像ミスを防ぎ、迅速な撮像を行える。
【0009】
また、本発明は、表示制御手段(21)が、第1設定手段(18a、18b、21)または第2設定手段(18a、18b、21)によって各操作位置に対して設定された撮像モードを、操作位置検出手段(21、38、39、40)によって検出される操作位置と共に表示手段(45)に表示させることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、各操作位置に第1設定手段(18a、18b、21)または第2設定手段(18a、18b、21)によって設定された撮像モードが、操作位置検出手段(21、38、39、40)によって検出される操作位置と共に、表示制御手段(21)によって表示手段(45)に表示されるため、撮像者は、操作部材(4)が位置している操作位置と共に、操作部材(4)が位置している操作位置に設定された撮像モードを視覚的に把握することができる。従って、操作部材(4)が位置している操作位置に設定された撮像モードを誤って認識することによる撮像ミスを防ぎ、迅速な撮像が行える。
【0011】
また、本発明は、
各操作位置間の操作量を検出する操作量検出手段を備え、
表示制御手段(21)が、操作量検出手段によって検出される操作量を表示手段(45)に表示させることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、操作量検出手段によって検出される各操作位置間の操作量が、表示制御手段(21)によって表示手段(45)に表示されるため、撮像者は、操作量検出手段によって検出される各操作位置間の操作量を視覚的に把握することができる。従って、グローブの着用などで指先の感覚が鈍ってしまうような場合でも、操作している操作部材(4)が各操作位置間でどの位置にあってどの操作位置に入るのかを視覚的に把握でき、撮像チャンスを逃さず、かつ誤操作を防止することができる。
【0013】
また、本発明は、表示手段(45)が、露出操作部材(17)によって設定された露出値と撮像装置(1)が測光した露出値との差を表示する露出インジケータ(44)であることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、操作位置検出手段(21、38、39、40)や操作量検出手段によって検出される操作部材(4)の操作位置や操作量は、露出操作部材(17)によって設定された露出値と撮像装置(1)が測光した露出値との差を表示する露出インジケータ(44)のインジケータ表示によって表示される。このため、操作位置検出手段(21、38、39、40)や操作量検出手段によって検出される操作位置や操作量を表示するための表示スペースを別途新たに設ける必要が無くなり、撮像装置(1)の小型化を図ることができる。
【0015】
また、本発明は、
操作部材(4)が、操作されると撮像手段(25)に被写体の撮像を行わせるレリーズボタン(4)であり、
撮像モードが、レリーズボタンの1回の操作で撮像手段(25)に被写体を撮像させる撮像フレーム数を設定する撮像動作モード(S、C、C)であり、
所定関係が、第2撮像モードが撮像フレーム数で第1撮像モードを上回る関係であることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、第1撮像モードと第2撮像モードとの間の所定関係が、第2撮像モードが撮像フレーム数で第1撮像モードを上回る撮像動作モードの関係であるため、第1操作位置に設定された第1撮像モードが次の第2操作位置に設定された第2撮像モードを撮像フレーム数で下回るような、操作的に意味の無い撮像動作モードの組み合わせが設定されてしまうのを除外することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明による撮像装置によれば、上記のように、第2撮像モードの設定作業が簡略化され、撮像モードの設定操作が簡単に行える。また、第1操作位置と次の第2操作位置とに、操作的に意味の無い撮像モードの組み合わせが設定されてしまうのを除外することができ、撮像中に誤操作を招くおそれが解消される。また、各操作位置毎に撮像モードを設定する設定部材を設けることなく、各操作位置に撮像モードを設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(a)は本発明の一実施形態によるデジタルカメラの正面斜視図、(b)は(a)の背面図である。
【図2】図1に示すデジタルカメラの電気回路構成を示すブロック図である。
【図3】ファインダ内表示パネルによって光学ファインダ内に表示されるファインダ内表示画面を示した図である。
【図4】図3に示すファインダ内表示画面の露出インジケータをストロークインジケータに切り換えて表示させた際のファインダ内表示画面を示した図である。
【図5】図1に示すデジタルカメラのCPUによって行われる撮像動作モード設定処理の概略を示すフローチャートである。
【図6】図1に示すデジタルカメラのCPUによって行われる撮像動作処理の概略を示すフローチャートである。
【図7】図4に示すストロークインジケータの第1の変形例を表した図である。
【図8】図4に示すストロークインジケータの第2の変形例を表した図である。
【図9】本発明の変形例によるデジタルカメラのCPUによって行われる撮像動作モード設定処理の概略を示すフローチャートである。
【図10】図9に示す撮像動作モード設定処理に用いられるストロークインジケータを示した図である。
【図11】図8に示すストロークインジケータの表示態様の変形例を表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明による撮像装置をデジタルカメラに適用した場合における、本発明を実施するための形態について説明する。
【0020】
図1(a)は、本発明の一実施形態によるデジタルカメラ1の正面斜視図である。
【0021】
デジタルカメラ1は、筐体を構成するカメラボディ2の正面中央部に、被写体からの光を撮像素子に導く光学レンズユニット3が設けられている。光学レンズユニット3の左上方にはレリーズボタン4、右上方には発光ダイオード(LED)からなるセルフタイマランプ5が設けられている。レリーズボタン4は、1ストロークが半押し、全押し1および全押し2の3つの操作位置に操作される操作部材を構成しており、全押し1または全押し2に操作されると撮像手段に被写体像の撮像を行わせる。つまり、レリーズボタン4は、押し込み量が浅い半押しに相当する半押し操作位置でAE(Auto Exposure)およびAF(Auto Focus)機能を作動させ、半押し操作位置よりも押し込み量が深くなる全押し1に相当する第1操作位置、および第1操作位置よりも押し込み量が深くなる全押し2に相当する第2操作位置で、第1および第2の各操作位置に予め設定された撮像モードで被写体像の撮像を行わせる。また、レリーズボタン4後方のカメラボディ2の肩部上面には、撮像時の種々の情報が表示されるLCD(Liquid Crystal Display)からなる撮影情報表示パネル6が設けられている。また、反対の肩部上面には、マルチプログラムオート(P)、シャッター優先オート(S)、絞り優先オート(A)、マニュアル(M)などのモードを設定するためのモード設定ダイヤル7が設けられている。また、カメラボディ2の中央上部には、被写体を照明する照明装置などのアクセサリを取り付けるためのアクセサリシュー8が設けられている。
【0022】
同図(b)は、同図(a)に示すデジタルカメラ1の背面図である。
【0023】
デジタルカメラ1の本体背面の中央上方には、撮像される被写体が視認される光学ファインダ11が設けられている。光学ファインダ11の下方には、TFT(Thin Film Transistor)液晶などからなる背面モニタ12が設けられている。背面モニタ12の左側には、デジタルカメラ1の各種設定を行うメニュー画面を背面モニタ12に表示させる際などに操作されるメニューボタン13、撮像情報を背面モニタ12に表示させる際などに操作される情報表示ボタン14、背面モニタ12に表示される撮像画像の縮小表示やサムネイル表示の際などに操作される縮小/サムネイルボタン15、および撮像画像の拡大表示の際などに操作される拡大ボタン16が設けられている。また、背面モニタ12の右方には、シャッタースピードや露出補正値、ISO(International Organization for Standardization)感度値などの設定を行うためのコマンドダイヤル17が設けられている。コマンドダイヤル17の下方には、環状に形成された十字ボタン18aが設けられており、その中央には決定ボタン18bが設けられている。十字ボタン18aは、例えば、メニュー画面における種々の設定項目の中から撮像者が所望の項目を選択する際などに操作される。決定ボタン18bは、十字ボタン18aの操作によって選択された所定の項目を決定する際などに操作される。
【0024】
図2は、図1に示すデジタルカメラ1の電気回路の構成を示したブロック図である。
【0025】
デジタルカメラ1は、CPU(Central Processing Unit)21を備えている。CPU21は、不揮発性メモリ22に格納されている制御プログラムに従い、バッファメモリ23を一時記憶作業領域として、デジタルカメラ1内部の各回路について種々の制御処理を行う。
【0026】
光学レンズユニット3を構成する撮像レンズ24によってカメラ内部に導かれた被写体光は、被写体を撮像する撮像手段を構成する撮像素子25の受光面に入射する。撮像素子25は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などからなり、受光面に入射する被写体光を電荷として蓄積して被写体を撮像する。CPU21は、撮像素子25に被写体が撮像される際、ピント調整装置26を作動させてAF機能を働かせる。ピント調整装置26は、例えば、撮像素子25の受光面上に投影される被写体のコントラストが最も高くなるように撮像レンズ24の位置を移動させ、焦点を自動調整する。撮像素子25の受光面に結像した被写体像はアナログの撮像信号に変換され、この撮像信号は、TG(Timing Generator)27によって生成されるタイミングに従ってA/D(Analog/Digital)変換回路28へ出力される。A/D変換回路28は、撮像素子25が出力したアナログの撮像信号をデジタル信号に変換する。
【0027】
A/D変換回路28で変換されたデジタルの撮像信号は、画像処理ブロック29内の画像処理回路30によってイメージメモリ31に一時的に記憶される。画像処理回路30は、イメージメモリ31に記憶された撮像信号を読み出し、読み出したデジタルの撮像信号に対してホワイトバランス処理やガンマ補正などの画像処理を行って現像画像データを生成し、圧縮回路32へ出力する。圧縮回路32は、画像処理回路30から入力した現像画像データを所定の比率で圧縮する圧縮処理を行い、JPEG(Joint Photographic Experts Group)等の圧縮画像データを生成する。圧縮処理された画像データは、バッファメモリ23に一時的に格納され、また、表示回路34に出力されて背面モニタ12に画像として表示される。バッファメモリ23に格納された圧縮画像データは、図示しないカードスロットに着脱される不揮発性メモリからなるカード状の記録媒体33に保存される。CPU21は、撮像指示信号に応じて撮像手段25に撮像された画像信号を記録媒体33に記録する記録手段を構成する。CPU21は、圧縮画像データを記録媒体33に保存すると、撮像終了信号を送出する。
【0028】
また、CPU21には、撮影情報表示パネル6が接続されている。撮影情報表示パネル6には、CPU21の制御により、現在デジタルカメラ1に設定されている撮像条件、例えば、シャッタースピードや絞り値等が表示される。CPU21は、撮像終了信号を出力して、撮影情報表示パネル6に表示させる撮像可能フレーム数を1つ減らし、撮像フレーム数を1つ増やす信号を撮影情報表示パネル6へ送出し、撮影情報表示パネル6の表示内容を更新する。また、CPU21には、被写体像や撮像時の種々の情報を光学ファインダ11内に表示させるファインダ内表示パネル37が接続されている。
【0029】
また、CPU21には、操作部材36が接続されている。操作部材36は、モード設定ダイヤル7、メニューボタン13、情報表示ボタン14、縮小/サムネイルボタン15、拡大ボタン16、コマンドダイヤル17、十字ボタン18a、および決定ボタン18bなどである。CPU21は、操作部材36から出力される信号に基づいた制御処理を行う。
【0030】
また、CPU21には、レリーズボタン4が接続されている。レリーズボタン4は、その3つの操作位置を検出する3つのスイッチとして、第1スイッチ38、第2スイッチ39および第3スイッチ40を備えている。第1スイッチ38は、レリーズボタン4が押し下げられて半押し操作位置に相当する半押し状態になるとONになる。第2スイッチ39は、レリーズボタン4が半押し状態からさらに押し下げられて第1操作位置に相当する全押し1状態になるとONになる。第3スイッチ40は、レリーズボタン4が全押し1状態からさらに押し下げられて第2操作位置に相当する全押し2状態になるとONになる。なお、不用意に第3スイッチ40がONとならないように、全押し1状態から全押し2状態へレリーズボタン4を押し下げるのに、ある程度の力を要する機構になっている。レリーズボタン4は、外部操作に応じて第1操作位置および該第1操作位置とは異なる第2操作位置に移動可能であり、これら両操作位置のうちのいずれの操作位置への移動によっても、撮像指示信号を発生せしめる操作部材を構成する。各スイッチ38〜40は、ONになるとON信号をCPU21に出力する。CPU21は、各スイッチ38〜40から出力されるON信号を検出して、レリーズボタン4の操作位置を検出する。CPU21および各スイッチ38〜40は、レリーズボタン4の操作位置を検出する操作位置検出手段を構成する。また、レリーズボタン4の各操作位置間の操作量は、レリーズボタン4の軸部に設けられた磁石がデジタルカメラ1の筐体内に設けられたMRセンサなどの磁気検出素子によって検出されることにより、検出される。磁石および磁気検出素子は、レリーズボタン4の各操作位置間の操作量を検出する操作量検出手段を構成する。
【0031】
本実施形態では、レリーズボタン4の全押し1操作時に行われる撮像、全押し2操作時に行われる撮像の各撮像毎に、1フレーム撮影S、低速連続撮影C、および高速連続撮影Cのいずれかの撮像動作モードが設定される。これにより、レリーズボタン4の全押し1または全押し2の1回の操作で撮像手段に被写体を撮像させる撮像フレーム数が設定される。撮像動作モードの設定は、背面モニタ12に撮像動作モード設定画面を表示させ、十字ボタン18aおよび決定ボタン18bの操作によって全押し1および全押し2の各操作位置毎に1フレーム撮影S、低速連続撮影C、または高速連続撮影Cを選択することによって行われる。本実施形態では、全押し1に第1撮像モードとして例えば低速連続撮影Cが撮像者によって設定されると、全押し2に、撮像フレーム数で第1撮像モードを上回る高速連続撮影Cが第2撮像モードとしてCPU21によって自動的に設定される。また、全押し1に第1撮像モードとして1フレーム撮影Sが撮像者によって設定されると、全押し2に、第2撮像モードとして撮像フレーム数で第1撮像モードを上回る低速連続撮影Cまたは高速連続撮影Cが、撮像者の選択に応じてCPU21によって半自動的に設定される。また、全押し1に第1撮像モードとして高速連続撮影Cが撮像者によって設定されると、全押し2に、モード設定の無効がCPU21によって自動的に設定される。十字ボタン18a、決定ボタン18b、およびCPU21は、レリーズボタン4の全押し1の第1操作位置への移動に応じて撮像が開始される撮像モードを、第1撮像モードに設定する第1設定手段を構成すると共に、レリーズボタン4の全押し2の第2操作位置への移動に応じて撮像が開始される撮像モードを、第1撮像モードと異なる第2撮像モードに設定する第2設定手段を構成する。また、CPU21は、第1設定手段による前記設定に応じて、第2設定手段により設定される第2撮像モードを、第1撮像モードと所定関係、本実施形態では撮像フレーム数で第1撮像モードを上回る関係を持つ撮像モードに制限せしめる制御手段を構成する。撮像手段を構成する撮像素子25および記録手段を構成するCPU21は、レリーズボタン4の操作位置に応じた撮像モードで撮像動作を行う。
【0032】
図3は、ファインダ内表示パネル37によって光学ファインダ11内に表示されるファインダ内表示画面を示した図である。なお、ファインダ内表示画面は、ライブビューモード撮像の設定に切り換えられると、背面モニタ12に表示される。
【0033】
ファインダ内表示画面には、CPU21の制御により、撮像エリア41内にAFエリアフレーム枠42が表示され、AFエリアフレーム42の枠内にAFを行うフォーカスポイント43が複数個表示される。フォーカスポイントは、十字ボタン18aが操作されることにより、複数個表示されたフォーカスポイント43の中から1つが選択される。撮像エリア41の下方には、現在デジタルカメラ1に設定されているシャッタースピードや絞り値等の撮像条件や、バッテリー残量、撮像可能枚数等の機器情報が表示される。また、撮像エリア41の右方には露出インジケータ44が表示される。露出インジケータ44は、露出操作部材を構成するコマンドダイヤル17によって設定された露出値とデジタルカメラ1が測光した露出値との差を表示する表示部を構成している。露出インジケータ44は、メニュー画面においてレリーズボタン4の押し込み量を表示するストローク表示モードが設定されると、CPU21の制御によって、図4に示すように、ストロークインジケータ45に切り換えて表示される。
【0034】
図4は、ストローク表示モードが設定された際に、光学ファインダ11内に表示されるファインダ内表示画面を示した図である。なお、同図において図3と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0035】
ストロークインジケータ45には、レリーズボタン4の操作位置である半押し、全押し1、および全押し2が、各操作位置に設定された、1フレーム撮影S、低速連続撮影C、または高速連続撮影Cの撮像動作モードと共に表示される。同図は、第1スイッチ38がONとなる半押しにAFが対応しており、第2スイッチ39がONとなる全押し1に低速連続撮影C、第3スイッチ40がONとなる全押し2に高速連続撮影Cが設定された場合を示している。CPU21は、操作位置検出部によって検出されるレリーズボタン4の操作位置、および、操作量検出部によって検出されたレリーズボタン4の操作量をストロークインジケータ45に表示させる表示制御部を構成している。同図のストロークインジケータ45は、濃く表示された目盛の部分が、レリーズボタン4が押し込まれていることを示しており、第2スイッチ39がONとなる全押し1の位置まで押し込まれて、低速連続撮影Cの撮像動作モードで撮像が行われることを表示している。
【0036】
次に、図5に示すフローチャートを参照して、デジタルカメラ1のCPU21によって行われる撮像動作モード設定処理について説明する。
【0037】
CPU21は、S1において、撮像動作モード設定画面で全押し1の操作位置に設定された撮像動作モードを、第1撮像動作モードの設定値MS1として設定する。次に、CPU21は、S2において、S1で全押し1に設定された第1撮像動作モードの設定値MS1が、1フレーム撮影Sであるか否かを判定する。S1で設定された第1撮像動作モードの設定値MS1が1フレーム撮影Sでなく、S2の判定結果が“No”であった場合、CPU2は、S3において、S1で設定された第1撮像動作モードの設定値MS1が、低速連続撮影Cであるか否かを判定する。S1で設定された第1撮像動作モードの設定値MS1が低速連続撮影Cで、S3の判定結果が“Yes”であった場合、CPU21は、S4において、全押し2で作動する第2撮像動作モードの設定値MS2を高速連続撮影Cに設定し、撮像動作モード設定処理を終了する。
【0038】
一方、S1で設定された第1撮像動作モードの設定値MS1が低速連続撮影Cでなく、S3の判定結果が“No”であった場合、S1で設定された第1撮像動作モードの設定値MS1は高速連続撮影Cであるため、CPU21は、S5において、全押し2で作動する第2撮像動作モードの設定値MS2の設定を不可にして、撮像動作モード設定処理を終了する。
【0039】
また、S1で設定された第1撮像動作モードの設定値MS1が1フレーム撮影Sで、S2の判定結果が“Yes”であった場合、CPU21は、S6において、全押し2で作動する第2撮像動作モードの設定値MS2に設定される撮像動作モードから、1フレーム撮影Sを除外する。次に、CPU21は、S7において、撮像者の選択に応じて低速連続撮影Cまたは高速連続撮影Cを第2撮像動作モードの設定値MS2として設定し、撮像動作モード設定処理を終了する。
【0040】
次に、図6に示すフローチャートを参照して、デジタルカメラ1のCPU21によって行われる撮像動作処理について説明する。
【0041】
デジタルカメラ1の電源が投入されると、CPU21は、S11において、半押しタイマーのカウントアップを開始する。次に、CPU21は、S12において、撮像モード設定部によって設定された撮像動作モードの設定値MS1、MS2を読み込み、S13において、読み込んだ撮像動作モードの設定値MS1、MS2に対応する撮像動作モードを光学ファインダ11内または背面モニタ12のストロークインジケータ45に、例えば、図4に示すようにC、Cとして表示する。
【0042】
次に、CPU21は、S14において、第1スイッチ38がON、すなわちレリーズボタン4が半押しの状態か否かを判定する。レリーズボタン4が半押しの状態になく第1スイッチ38がOFFで、S14の判定結果が“No”であった場合、CPU21は、S15において、半押しタイマーが所定時間、例えば16秒をカウントしたか否かを判定する。半押しタイマーが所定時間をカウントしておらず、S15の判定結果が“No”であった場合、CPU21は、処理をS14に戻す。一方、半押しタイマーが所定時間をカウントして、S15の判定結果が“Yes”であった場合、CPU21は、撮像動作処理を終了する。
【0043】
一方、第1スイッチ38がONで、S14の判定結果が“Yes”であった場合、CPU21は、S16において、第2スイッチ39がON、すなわちレリーズボタン4が全押し1の状態にあるか否かを判定する。第2スイッチ39がONで、S16の判定結果が“Yes”であった場合、CPU21は、S17において、全押し1に設定されている撮像動作モードに従って撮像動作を実行する。
【0044】
次に、CPU21は、S18において、第3スイッチ40がON、すなわちレリーズボタン4が全押し2の状態にあるか否かを判定する。第3スイッチ40がONで、S18の判定結果が“Yes”であった場合、CPU21は、S19において、全押し2に設定されている撮像動作モードに従って撮像動作を実行し、処理をS18に戻す。一方、レリーズボタン4が全押し2の位置まで操作されておらず、第3スイッチ40がOFFで、S18の判定結果が“No”であった場合、または、レリーズボタン4が全押し2の位置まで操作されてS19の処理が行われた後、レリーズボタン4のストロークが全押し1と全押し2との間に戻されて、S18の判定結果が“No”であった場合、CPU21は、処理をS16に戻す。また、この際、レリーズボタン4のストロークが全押し1と全押し2との間にとどめられずに瞬間的に全ストローク分戻された場合、CPU21は、処理をS14に戻す。また、S16において、レリーズボタン4が全押し1の位置まで操作されておらず、第2スイッチ39がOFFで、S16の判定結果が“No”である場合、CPU21は、処理をS14に戻す。
【0045】
このような本実施形態のデジタルカメラ1によれば、図5,S1において、全押し1の操作位置に第1撮像動作モードとして低速連続撮影Cが設定されると、S4において、全押し1の次の全押し2の操作位置に、第1撮像動作モードと所定の関係がある第2撮像動作モードとして高速連続撮影CがCPU21によって対応付けられて、設定される。また、S1において、全押し1の操作位置に第1撮像動作モードとして1フレーム撮影Sが設定されると、S6において設定モードから1フレーム撮影Sが除外され、S7において、全押し1の次の全押し2の操作位置に、第1撮像動作モードと所定の関係がある第2撮像動作モードとして、低速連続撮影Cまたは高速連続撮影CがCPU21によって対応付けられて、設定される。このため、第2撮像動作モードの設定作業が簡略化され、撮像モードの設定操作が簡単に行える。また、全押し1の操作位置と全押し2の次の操作位置とに、操作的に意味の無い撮像モードの組み合わせが設定されてしまうのを除外することができ、撮像中に誤操作を招くおそれが解消される。また、全押し1の操作位置に第1撮像動作モードが設定されると、次の全押し2の操作位置に第1撮像動作モードと所定関係がある第2撮像動作モードが設定されるため、各操作位置毎に撮像モードを設定するダイヤル式設定部材を設けることなく、各操作位置に撮像モードを設定することができる。
【0046】
特に、本実施形態のデジタルカメラ1によれば、第1撮像動作モードと第2撮像動作モードとの間の所定関係が、第2撮像動作モードが撮像フレーム数で第1撮像動作モードを上回る関係であるため、全押し1の操作位置に設定された第1撮像モードが次の全押し2の操作位置に設定された第2撮像モードを撮像フレーム数で下回るような、操作的に意味の無い撮像動作モードの組み合わせが設定されてしまうのを除外することができる。
【0047】
また、本実施形態のデジタルカメラ1によれば、操作検出部によって検出されるレリーズボタン4の操作位置が表示制御部によって図4に示すようにストロークインジケータ45に「AF」、「C」、「C」として表示されるため、撮像者は、操作しているレリーズボタン4がいずれの操作位置に位置しているのかを視覚的に把握することができる。従って、レリーズボタン4が位置している操作位置を誤って認識することによる撮像ミスを防ぎ、迅速な撮像を行える。
【0048】
また、本実施形態のデジタルカメラ1によれば、図4に示すように、第2および第3の各操作位置に撮像モード設定部によって設定された撮像動作モード「C」、「C」が、操作位置検出手段によって検出される操作位置と共に、表示制御手段によってストロークインジケータ45に表示されるため、撮像者は、レリーズボタン4が位置している操作位置と共に、レリーズボタン4が位置している操作位置に設定された撮像動作モードを視覚的に把握することができる。従って、レリーズボタン4が位置している操作位置に設定された撮像動作モードを誤って認識することによる撮像ミスを防ぎ、迅速な撮像が行える。
【0049】
また、本実施形態のデジタルカメラ1によれば、操作量検出手段によって検出されるレリーズボタン4の各操作位置間の操作量が、表示制御手段によって図4に示すようにストロークインジケータ45の目盛に表示されるため、撮像者は、操作量検出手段によって検出される各操作位置間の操作量を視覚的に把握することができる。従って、グローブの着用などで指先の感覚が鈍ってしまうような場合でも、操作しているレリーズボタン4が各操作位置間でどの位置にあってどの操作位置に入るのかを視覚的に把握でき、撮像チャンスを逃さず、かつ誤操作を防止することができる。
【0050】
また、本実施形態のデジタルカメラ1によれば、図4に示すように、操作位置検出手段や操作量検出手段によって検出されるレリーズボタン4の操作位置や操作量は、コマンドダイヤル17によって設定された露出値とデジタルカメラ1が測光した露出値との差を表示する露出インジケータ44のインジケータ表示によって表示される。このため、操作位置検出手段や操作量検出手段によって検出される操作位置や操作量を表示するための表示スペースを別途新たに設ける必要が無くなり、デジタルカメラ1の小型化を図ることができる。
【0051】
なお、上述した実施形態では、操作位置検出手段によって検出される操作位置を、露出インジケータ44の表示を切り換えたストロークインジケータ45に表示させる場合について説明したが、本発明はこれに限られることはない。例えば、露出インジケータ44の表示を切り換えずに、図7に示すようなストロークインジケータを露出インジケータ44とは別途に光学ファインダ11内に表示させるようにしてもよい。同図(a)は、レリーズボタン4が「AF」で示される半押しの位置まで押し込まれていない状態を表し、同図(b)は、レリーズボタン4が「C」で示される全押し1の位置まで押し込まれた状態を表している。同図(c)は、同図(b)の表示の変形例であり、同図(b)に示すように、レリーズボタン4が押し込まれている位置までを白抜きで連続的に表示させるのではなく、レリーズボタン4が押し込まれている現在位置を離散的に白抜きして移動表示する表示態様を示している。この場合、レリーズボタン4が「C」で示される全押し2の位置まで押し込まれると、「C」の部分のみが白抜き表示される。
【0052】
また、上述した実施形態および上記変形例では、レリーズボタン4の各操作位置をその操作量と共に表示する場合について説明したが、本発明はこれに限られることはない。例えば、図8に示すように、レリーズボタン4の各操作位置だけをストロークインジケータに表示させるようにしてもよい。同図(a)は、レリーズボタン4が「AF」で示される半押しの位置まで押し込まれていない状態を表している。同図(b)は、レリーズボタン4が半押しの位置まで押し込まれ、AF機能が作動中の状態を斜線で表示している。同図(c)は、その後にAFが完了した合焦状態を白抜きで表示している。同図(d)は、AF完了後にレリーズボタン4が「C」で示される全押し1の位置まで押し込まれた状態を表している。
【0053】
また、上述した実施形態では、低速連続撮影Cと高速連続撮影Cの2種類の連続撮像動作モードを備えたデジタルカメラ1について説明したが、連続撮影Cの1種類の連続撮像動作モードだけを1フレーム撮影Sに加えて備えているデジタルカメラ1に本発明を適用させてもよい。
【0054】
次に、図9に示すフローチャートを参照して、この変形例によるデジタルカメラ1のCPU21によって行われる撮像動作モード設定処理について説明する。
【0055】
CPU21は、S21において、撮像動作モード設定画面で全押し1の操作位置に設定された撮像動作モードを、第1撮像動作モードの設定値MS1として設定する。次に、CPU21は、S22において、S21で全押し1に設定された第1撮像動作モードの設定値MS1が、連続撮影Cであるか否かを判定する。S21で設定された第1撮像動作モードの設定値MS1が連続撮影Cで、S22の判定結果が“Yes”であった場合、CPU21は、S23において、全押し2で作動する第2撮像動作モードの設定値MS2の設定を不可にして、撮像動作モード設定処理を終了する。
【0056】
一方、S21で設定された第1撮像動作モードが連続撮影Cでなくて、S22の判定結果が“No”であった場合、第1撮像動作モードの設定値MS1は1フレーム撮影Sであるため、CPU21は、S24において、第2撮像動作モードの設定値MS2に設定される撮像動作モードから1フレーム撮影Sを除外する。次に、CPU21は、S25において、連続撮影Cを第2撮像動作モードの設定値MS2として設定し、撮像動作モード設定処理を終了する。
【0057】
図10は、図9に示す撮像動作モード設定処理により、撮像動作モードとして全押し1に「S」、全押し2に「C」が設定された際に、光学ファインダ11内または背面モニタ12に表示されるレリーズボタン4の操作位置を示すストロークインジケータである。同図(a)は、レリーズボタン4が「AF」で示される半押しの位置まで押し込まれていない状態を表している。同図(b)は、レリーズボタン4が半押しの位置まで押し込まれ、AF機能が作動中の状態を斜線で表示している。同図(c)は、その後にAFが完了した合焦状態を白抜きで表示している。同図(d)は、AF完了後にレリーズボタン4が「S」で示される全押し1の位置まで押し込まれた状態を表している。
【0058】
このような変形例によるデジタルカメラ1においても、第2撮像動作モードの設定作業が簡略化され、撮像モードの設定操作が簡単に行えると共に、全押し1の操作位置と次の全押し2の操作位置とに、操作的に意味の無い撮像モードの組み合わせが設定されてしまうのを除外することができ、上記実施形態と同様の作用・効果が奏される。
【0059】
また、ストロークインジケータの表示態様は、上述した実施形態および各変形例に限られることはない。例えば、図11に示すような表示態様であってもよい。
【0060】
AF機能を実行させるAFボタンがデジタルカメラ1に備えられている場合、半押し状態にAFを対応させる必要がないため、同図(a)に示すように、レリーズボタン4の半押し状態で作動する第1撮像動作モードに1フレーム撮影Sを設定し、レリーズボタン4の全押し1の状態で作動する第2撮像動作モードに低速連続撮影C、レリーズボタン4の全押し2の状態で作動する第3撮像動作モードに高速連続撮影Cを設定し、ストロークインジケータに表示させることができる。また、レリーズボタン4が3つ以上の操作位置、例えば4つの操作位置を備えている場合、同図(b)に示すように、各操作位置にAF、1フレーム撮影S、低速連続撮影C、および高速連続撮影Cを設定し、ストロークインジケータに表示させることができる。
【0061】
また、上記実施形態では、撮像動作モードを1フレーム撮影S、低速連続撮影Cおよび高速連続撮影Cとして説明したが、撮像動作モードはこれらに限られることはない。例えば、撮像動作モードの種類に、シャッタ幕をチャージするチャージモータを低速で駆動させることにより、撮像時に生じる動作音を小さくする撮像動作モードである静音撮影Qを加えてもよい。この静音撮影Qを備えたデジタルカメラの場合、上記実施形態および変形例における、図5および図9に示す撮像動作モード設定処理において、1フレーム撮影Sを静音撮影Qに代えて処理を実行させることができる。
【0062】
また、上記実施形態では、撮像モードを撮像動作モードとし、1フレーム撮影S、低速連続撮影C、または高速連続撮影Cを設定する場合について説明したが、本発明はこれに限られることはない。例えば、全押し1の際にフラッシュ無しで撮像する撮像モード、全押し2の際にフラッシュ有りで撮像する撮像モードを設定したり、全押し1の際にISO感度の値を100で撮像する撮像モード、全押し2の際にISO感度の値を全押し1の時の値より大きな400で撮像する撮像モードを設定するような構成にしてもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、レリーズボタン4の軸部に設けられた磁石をデジタルカメラ1の筐体内に設けられたMRセンサなどの磁気検出素子で検出し、レリーズボタン4の操作量を検出する構成について説明したが、本発明はこれに限られることはない。例えば、レリーズボタン4の軸部にブラシを設け、デジタルカメラ1の筐体内に前記ブラシの接触を検出する検出手段を設け、前記ブラシが前記検出手段と接触する接触パターンを前記検出手段で検出し、レリーズボタン4の操作位置や操作量を検出する構成にしてもよい。
【0064】
また、上記実施形態および変形例では、複数の操作位置に移動される操作部材をレリーズボタン4に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限られることはなく、他の操作部材に適用してもよい。
【0065】
また、上記実施形態および変形例では、ストロークインジケータを黒白の単色で表示した場合について説明したが、赤色と緑色などの2色でストロークインジケータを表示してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
上記の実施形態においては、本発明による撮像装置をデジタルカメラに適用した場合について説明したが、フィルムを用いたいわゆる銀塩カメラに本発明を適用することも可能である。このような撮像装置に本発明を適用した場合においても、上記の実施形態と同様の作用効果が奏される。
【符号の説明】
【0067】
1…デジタルカメラ
4…レリーズボタン
12…背面モニタ
17…コマンドダイヤル
21…CPU
37…ファインダ内表示パネル
38…第1スイッチ
39…第2スイッチ
40…第3スイッチ
44…露出インジケータ
45…ストロークインジケータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像する撮像手段と、撮像指示信号に応じて前記撮像手段に撮像された画像信号を記録媒体に記録する記録手段とを備えた撮像装置であって、
外部操作に応じて第1操作位置および該第1操作位置とは異なる第2操作位置に移動可能であり、前記両操作位置のうちのいずれの操作位置への移動によっても、前記撮像指示信号を発生せしめる操作部材と、
前記操作部材の前記第1操作位置への移動に応じて撮像が開始される撮像モードを、第1撮像モードに設定する第1設定手段と、
前記操作部材の前記第2操作位置への移動に応じて撮像が開始される撮像モードを、前記第1撮像モードと異なる第2撮像モードに設定する第2設定手段と、
前記第1設定手段による前記設定に応じて、前記第2設定手段により設定される前記第2撮像モードを、前記第1撮像モードと所定関係を持つ撮像モードに制限せしめる制御手段と、を有し、
前記撮像手段および前記記録手段は、前記操作部材の前記操作位置に応じた撮像モードで撮像動作を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記操作部材の前記操作位置を検出する操作位置検出手段と、
前記操作位置検出手段によって検出される前記操作位置を表示手段に表示させる表示制御手段とを備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
請求項2に記載の撮像装置において、
前記表示制御手段は、前記第1設定手段または前記第2設定手段によって各前記操作位置に対して設定された撮像モードを、前記操作位置検出手段によって検出される前記操作位置と共に前記表示手段に表示させることを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の撮像装置において、
各前記操作位置間の操作量を検出する操作量検出手段を備え、
前記表示制御手段は、前記操作量検出手段によって検出される前記操作量を前記表示手段に表示させることを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記表示手段は、露出操作部材によって設定された露出値と撮像装置が測光した露出値との差を表示する露出インジケータであることを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記操作部材は、操作されると前記撮像手段に被写体の撮像を行わせるレリーズボタンであり、
前記撮像モードは、前記レリーズボタンの1回の操作で前記撮像手段に被写体を撮像させる撮像フレーム数を設定する撮像動作モードであり、
前記所定関係は、前記第2撮像モードが撮像フレーム数で前記第1撮像モードを上回る関係であることを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−54739(P2012−54739A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195385(P2010−195385)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】