撮像装置
【課題】山登りAF動作を行う際の焦点調節動作の高速化を実現すること。
【解決手段】撮像装置1〜2は、撮影レンズ6〜9を介して被写体像を撮像する撮像素子2aの出力に基づいて被写体像のコントラストに相当する焦点評価値を焦点評価値算出手段60により算出し、この焦点評価値に基づいて焦点調節手段61によりフォーカスレンズ9の位置を駆動制御するもので、焦点調節手段61は、フォーカスレンズ9をスキャン駆動して焦点評価値算出手段60により算出される焦点評価値がピークを示すフォーカスレンズ9の位置を決定する際のフォーカスレンズ9の駆動制御と、当該決定されたフォーカスレンズ9の位置にフォーカスレンズ9を移動する際のフォーカスレンズ9の駆動制御とを異なる制御内容で駆動制御する。
【解決手段】撮像装置1〜2は、撮影レンズ6〜9を介して被写体像を撮像する撮像素子2aの出力に基づいて被写体像のコントラストに相当する焦点評価値を焦点評価値算出手段60により算出し、この焦点評価値に基づいて焦点調節手段61によりフォーカスレンズ9の位置を駆動制御するもので、焦点調節手段61は、フォーカスレンズ9をスキャン駆動して焦点評価値算出手段60により算出される焦点評価値がピークを示すフォーカスレンズ9の位置を決定する際のフォーカスレンズ9の駆動制御と、当該決定されたフォーカスレンズ9の位置にフォーカスレンズ9を移動する際のフォーカスレンズ9の駆動制御とを異なる制御内容で駆動制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォーカスレンズを移動して焦点調節を行う機能を有する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置には、フォーカスレンズを駆動制御する方法として2つのモードを有するものがある。例えば特許文献1は、高いレンズ停止位置精度を得るレンズ制御特性とする高精度モードと、短いレンズ駆動時間を得るレンズ制御特性とする高速モードとを有し、これらモードを選択するレンズ制御特性選択スイッチを備えたカメラを開示する。
又、特許文献1は、位相差AF方式によりデフォーカス量を検出してフォーカスレンズを移動制御することを開示するもので、このフォーカスレンズをDCモータにより駆動するときの制御は、フォーカスレンズの移動速度が目標スピードとなるようDCモータを加速制御し、残り駆動量すなわち目標位置に対応するパルス数と現在のパルスカウント数との差が所定量(減速パルス)以下となったときに目標スピードを低下させていき、フォーカスレンズが目標位置と到達したところでDCモータを停止させるものである。
【0003】
又、特許文献1は、高精度制御の減速パターンと高速制御の減速パターンとを有し、高精度モードが選択された場合に高精度制御の減速パターンを採用し、高速モードが選択された場合に高速制御の減速パターンを採用してそれぞれ減速制御を行うことを開示する。又、特許文献1は、減速パターンに応じた減速をDCモータへの印加電圧を低下させることにより行うことを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−146067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1は、位相差AF方式によりデフォーカス量を検出してフォーカスレンズを移動制御し、このフォーカスレンズの移動制御により焦点調節動作を行う際のDCモータによる駆動制御であるため、ステッピングモータを用いた山登りAF方式に採用できず、山登りAF方式の焦点調節動作を高速化することができないという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、上記問題点を解決するためになされるもので、山登りAF動作を行う際の焦点調節動作の高速化を実現することが可能な撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主要な局面に係る撮像装置は、撮影レンズを介して被写体像を撮像する撮像素子と、前記撮像素子の出力に基づいて前記被写体像のコントラストに相当する焦点評価値を算出する焦点評価値算出手段と、前記撮影レンズに含まれ、前記被写体像に対する焦点調節を行うために光軸方向に移動可能なフォーカスレンズと、前記フォーカスレンズを移動するためのフォーカスレンズ駆動部と前記焦点評価値算出手段により算出される前記焦点評価値に基づいて前記フォーカスレンズレンズ駆動部の動作を制御して前記フォーカスレンズの位置を制御する焦点調節手段とを具備し、前記焦点調節手段は、前記フォーカスレンズをスキャン駆動して前記焦点評価値算出手段により算出される前記焦点評価値がピークを示す前記フォーカスレンズの位置を決定する際の前記フォーカスレンズの駆動制御と、当該決定された前記フォーカスレンズの位置に前記フォーカスレンズを移動する際の前記フォーカスレンズの駆動制御とを異なる制御内容で駆動制御する
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、山登りAF動作を行う際の焦点調節動作の高速化を実現することが可能な撮像装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る撮像装置の一実施の形態を示すブロック構成図。
【図2】同装置の電気系を示すブロック構成図。
【図3】同装置における交換レンズの第2と第3とのズーム群のワイド(Wide)からテレ(Tele)の間における位置関係を示す図。
【図4】同装置における交換レンズの第2のズーム群(2G)と第3のズーム群(3G)とのズーム位置をパルス数によって示す図。
【図5】同装置における交換レンズを示す構造図。
【図6】同装置におけるフォーカスレンズ駆動機構を示す構成図。
【図7】同装置の先行技術におけるフォーカスレンズ群の駆動を説明するための図。
【図8】同装置の先行技術におけるフォーカスレンズ群を駆動したときの動きを示す図。
【図9】同装置におけるフォーカスレンズ群のレンズ位置に対するAF評価値の関係及びフォーカスレンズ群のレンズ位置に対する速度の関係を示す図。
【図10】同装置における撮影モード判定フローチャート。
【図11】同装置における動画駆動フローチャート。
【図12】同装置におけるスチル駆動フローチャート。
【図13】同装置におけるスキャン駆動フローチャート。
【図14】同装置における寄り付き駆動フローチャート。
【図15】同装置によるフォーカスレンズ群の加減速プロファイルと先行技術によるフォーカスレンズ群の加減速プロファイルとを時間軸上で比較した図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は交換レンズのブロック構成図を示し、図2は電気系のブロック構成図を示す。この交換レンズ1は、カメラ本体2に対して着脱可能である。このカメラ本体2には、撮像素子2aが設けられている。
交換レンズ1の外装には、マニュアルフォーカス(MF)リング3と、リング状のズーム機能切り換え操作部材4と、ズームロックスイッチ(ズームロックSW)5とが設けられている。ズーム機能切り換え操作部材4は、光軸Pと同一方向(矢印A方向)に移動可能であると共に、交換レンズ1の円周方向(矢印B方向)に回転可能である。
【0011】
この交換レンズ1内は、第1のズーム群6と、第2のズーム群(2G:第1のレンズ群)7と、第3のズーム群(3G:第2のレンズ群)8と、第4のズーム群9とが設けられている。これら第1乃至第4のズーム群6〜9のうち第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8とが駆動可能である。第4のズーム群9は、フォーカスレンズ群(以下、フォーカスレンズ群9と称する)である。
図3は第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8との広角(ワイド:Wide)から望遠(テレ:Tele)の間における位置関係を示す。同図は横軸にズーム(Zoom)位置を示し、縦軸にズーム群の位置を示す。図4は図3における第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8との各ズーム位置をパルス数によって示す。これら第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8との各ズーム位置は、レンズ制御部11から発する制御位置情報、具体的に第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8とをそれぞれ駆動するためのパルス数(駆動パルス数)に対応する。
第2のズーム群(2G)7は、移動軌跡W1に従って移動する。第3のズーム群(3G)8は、第2のズーム群(2G)7の移動に追従して移動軌跡W2に従って移動するもので、これら第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8とは、移動軌跡W1、W2の位置関係が同図に示すような位置関係に保たれるように移動する。
【0012】
第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8とが同図に示すような位置関係に保たれるように当該第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8とが駆動すれば、合焦状態を維持し、所定のズーム位置にズームされた状態になる。なお、同図では説明の簡易化のために第3のズーム群(3G)8の軌跡を直線にしている。当該交換レンズ1の特性により第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8とは、共に非線形な軌跡になることもある。
これら第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8との位置関係情報は、記憶部10に記憶される。すなわち、この記憶部10には、ズーム動作での焦点距離に対応する第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8との位置関係情報が記憶されている。
又、記憶部10には、第3のズーム群(3G)8の位置と第3群基準位置検出部19により検出される第3のズーム群(3G)8の位置とを初期化するための複数の初期化位置が予め記憶されている。
【0013】
第2のズーム群(2G)7には、第2のズーム群駆動メカニカル機構(以下、第2群駆動メカ機構と称する)12と、第2群駆動部13とが設けられている。第2群駆動メカ機構12は、第2のズーム群(2G)7を光軸Pの方向に移動する。第2群駆動部13は、第2群駆動メカ機構12を駆動する。このうち第2群駆動メカ機構12は、図2に示すように2G用ズーム用アクチュエータ14とズームレンズ用ドライバ回路15とから成る。2G用ズーム用アクチュエータ14は、例えばステッピングモータを使用し、マイクロステップ駆動で精度が高い位置制御を行う。この第2のズーム群(2G)7は、ズーム機能切り換え操作部材4によって切り換えられる切り換え操作によって3つのモード、例えばスーパーマクロ、電動ズーム、メカマニュアルズームの3つのモードのいずれかに切り換わる。
第2のズーム群(2G)7には、第1のレンズ群位置検出部としての第2のズーム群絶対位置検出部(以下、第2群絶対位置検出部と称する)16が設けられている。この第2群絶対位置検出部16は、第2のズーム群(2G)7の位置情報として絶対位置を検出する。この第2群絶対位置検出部16は、例えばリニアエンコーダ16を使用する。
【0014】
第3のズーム群(3G)8には、第3のズーム群駆動機構(以下、第3の群駆動機構と称する)17が設けられている。この第3群駆動機構17は、第3のズーム群(3G)8を光軸Pの方向に移動する。この第3群駆動部17は、第3のズーム群(3G)8を第2のズーム群(2G)7の移動位置に対応した位置に追従動作させる。第3群駆動機構17は、図2に示すように例えば3Gズーム用アクチュエータ18とズームレンズ用ドライバ回路15から成る。3Gズーム用アクチュエータ18は、例えばステッピングモータを使用し、マイクロステップ駆動で精度が高い位置制御を行う。なお、ズームレンズ用ドライバ回路15は、第2のズーム群(2G)7のドライバと共用である。
これら第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8との位置関係は、上記図3に示す通りの位置関係であり、これら第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8との位置関係情報は、上記同様に、記憶部10に記憶される。
【0015】
第3のズーム群(3G)8には、第2のレンズ群位置検出部としての第3のズーム群基準位置検出部(以下、第3群基準位置検出部と称する)19が設けられている。この第3群基準位置検出部19は、第3のズーム群(3G)8の位置情報として基準位置を取得する。この第3群基準位置検出部19は、例えばフォトインタラプタ(PI)を使用する。
【0016】
フォーカスレンズ群9には、フォーカスレンズ駆動機構20が設けられている。このフォーカスレンズ駆動機構20は、フォーカスレンズ群9を光軸Pの方向に移動する。このフォーカスレンズ駆動機構20は、図2に示すようにフォーカスレンズ用アクチュエータ21とフォーカスレンズ用ドライバ回路22とから成る。フォーカスレンズ用ドライバ回路22は、フォーカスレンズ用アクチュエータ21を駆動する。このフォーカスレンズ用アクチュエータ21は、フォーカスレンズ群9を光軸Pの方向に移動する。このフォーカスレンズ用アクチュエータ21は、例えばステッピングモータであり、所定の自起動速度を有する。
このフォーカスレンズ群9には、フォーカスレンズ基準位置検出部(フォーカスレンズ位置検出センサ)23が設けられている。このフォーカスレンズ基準位置検出部23は、フォーカスレンズ群9の基準位置を検出する。
【0017】
図2に示すようにズームレンズ用ドライバ回路15とリニアエンコーダ16と第3群基準位置検出部19とフォーカスレンズ用ドライバ回路22とフォーカスレンズ位置検出センサ23とは、レンズ制御部11に接続されている。このレンズ制御部11には、絞り基準位置検出用センサ24と、絞り用ドライバ回路25と、ズームロックSW検出回路26と、MF用位置検出回路27と、カメラ本体インタフェース(Body−IF)28と、電動ズーム/手動ズーム切り換え検出機構29と、電動ズーム速度切り換え検出機構30とが接続されている。
【0018】
絞り31が第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8との光軸P上に設けられている。
絞り基準位置検出用センサ24は、絞り31の基準位置を検出する。
レンズ制御部11は、CPUやROM、RAM等から成り、当該レンズ制御部11の外部に接続される記憶部10に記憶されている第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8との位置関係情報を参照し、第2のズーム群(2G)7の移動位置に対応した位置に第3のズーム群(3G)8を追従制御する。
また、カメラ本体2は、図1に示すように焦点評価値算出部60と、焦点調節部61とを有する。焦点評価値算出部60は、撮像素子2aの出力に基づいて被写体像のコントラストに相当する焦点評価値を算出する。焦点調節部61によるAF動作は以下のように実行される。
焦点調節部61は、フォーカスレンズ群9を移動させるコマンドをレンズ制御部11へ送信する。レンズ制御部11は、フォーカスレンズ群9を移動させる。焦点調節部61は、上記フォーカスレンズ群9の移動中に、撮像素子2aにより撮像動作を実行させ、取得した画像データに基づいて焦点評価値算出部60により焦点評価値を算出させる。
焦点調節部61は、上記フォーカスレンズ群9の移動中に算出された焦点評価値と、レンズ制御部11との通信により取得される移動中の上記焦点評価値の取得時刻に同期したフォーカスレンズ群9の位置情報とに基づいて焦点評価値のピークに対応するフォーカス群9の位置を算出する。焦点調節部61は、通信によりレンズ制御部11へ算出したピークに対応する位置を送信するとともにフォーカスレンズ群9をピークに対応する位置へ移動させるコマンドを送信する。レンズ制御部11は、受信したピークに対応する位置にフォーカスレンズ群9を移動させて合焦状態を得る。
【0019】
次に、ズーム群機構とフォーカス群駆動機構の構成について説明する。
図5は本交換レンズ1の構造図を示す。本交換レンズ1内には、上記の通り、第1のズーム群6と第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8と第4のズーム群(フォーカス群)9とが設けられている。第2群駆動メカ機構12は、第2のズーム群(2G)7を光軸Pの方向に移動する。第3の群駆動機構17は、第3のズーム群(3G)8を光軸Pの方向に移動する。
【0020】
第2群駆動メカ機構12は、例えばステッピングモータ等の2G用ズーム用アクチュエータ14を備える。この2G用ズーム用アクチュエータ14には、2G用スクリュー40が設けられている。この2G用スクリュー40には、ナット等から成る連結機構41を介して第2のズーム群(2G)7が設けられている。この第2群駆動メカ機構12は、電動−マニュアルズーム切り換え機構を有する。
フォーカスレンズ駆動機構20は、フォーカスレンズ群9を光軸Pの方向に移動する。
【0021】
図6はフォーカスレンズ駆動機構20の構成図を示す。フォーカスレンズ駆動機構20は、フォーカスレンズ群9を光軸Pの方向に移動する。このフォーカスレンズ駆動機構20は、例えばステッピングモータ等のフォーカス用アクチュエータ21と、このフォーカス用アクチュエータ21のモータ軸21aと、このモータ軸21aに設けられたフォーカス用リードスクリューネジ21bとを有する。このフォーカス用リードスクリューネジ21bには、ナット等から成る連結機構21cを介してフォーカスレンズ群9が設けられている。このフォーカス用リードスクリューネジ21bは、光軸Pに並設されている。
【0022】
又、フォーカスレンズ群9は、レンズ支持部材21dを介して鏡枠内支持部材21eに支持されている。レンズ支持部材21dの端部21fは、鏡枠内支持部材21eに対して摺動可能に設けられている。これら端部21fと鏡枠内支持部材21eとは、例えば鏡枠内支持部材21eが凹形状の溝に形成され、端部21fが鏡枠内支持部材21eの凹形状の溝内に入り込み、当該凹形状の溝内を摺動可能に設けられている。この鏡枠内支持部材21eは、光軸Pに並設されている。
【0023】
このフォーカスレンズ駆動機構20では、上記図2に示すようにフォーカスレンズ用ドライバ回路22によりフォーカスレンズ用アクチュエータ21を駆動すると、この駆動によりフォーカスレンズ群9が光軸Pの方向に移動する。
このフォーカスレンズ群9には、フォーカスレンズ基準位置検出部(フォーカスレンズ位置検出センサ)23が設けられ、このフォーカスレンズ基準位置検出部23によりフォーカスレンズ群9の基準位置が検出される。フォーカスレンズ群9の位置情報は、フォーカスレンズ基準位置検出部23により検出された基準位置を基準として、フォーカスレンズ用アクチュエータ21を駆動する駆動ステップ数により求められる。
【0024】
ところで、撮像装置には、スチル(静止画)撮影モードと動画撮影モードとの切り替えを可能とするものがある。スチル撮影モードでは、シャッターチャンスを逃さないために例えばフォーカスレンズ群9の高速駆動が要求される。一方、動画撮影モードでは、動画の撮影と同時に、音声を録音するので、例えばフォーカスレンズ群9の駆動による摺動音の対策が必要となる。
【0025】
図7(a)(b)は本実施の形態のAF動作であるイメージャAFの動作を示す図である。同図(a)はフォーカスレンズ群9の位置(レンズ位置)に対するオートフォーカス(AF)評価値すなわち被写体のコントラストの関係を示し、同図(b)はフォーカスレンズ群9の位置(レンズ位置)に対するフォーカスレンズ群9の速度の関係を示す。
【0026】
イメージャAFでは、例えばフォーカスレンズ群9を駆動してAF評価値のピークを検索する。このフォーカスレンズ群9の駆動をスキャン駆動Sdと称する。このスキャン駆動Sdにより被写体のコントラスト(AF評価値)Cの変化が求められ、このAF評価値CからAF評価値のピークが検索される。このスキャン駆動Sdでは、図7(b)に示すように第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8との位置により決定される焦点距離、絞り31による被写界深度等の情報に基づくスキャン速度でフォーカスレンズ群9を駆動する。このスキャン駆動SdによってAF評価値のピーク位置Pkを検索する。このピーク位置PkとなるAF評価値に対応するレンズ位置が合焦位置となる。
【0027】
ピーク位置PkとなるAF評価値が検索されると、当該AF評価値のピーク位置Pkに対応するレンズ位置(合焦位置)にフォーカスレンズ群9を駆動する。このフォーカスレンズ群9の駆動を寄り付き駆動Ydと称する。この寄り付き駆動Ydでは、図7(b)に示すように最短時間でAF評価値のピーク位置Pkに対応するレンズ位置(合焦位置)にフォーカスレンズ群9を駆動するために、脱調しない最高速度でフォーカスレンズ群9を駆動する。
なお、フォーカスレンズ群9を駆動する場合、フォーカスレンズ群9に対して緩やかに、小さな加速度を与えた方が摺動音が小さい。動画モードでは、遅い速度から駆動を開始し、最高速度を抑えることにより摺動音を抑制している。
【0028】
図8はフォーカスレンズ群9を駆動しているときの動きを示す。フォーカスレンズ群9を急速に駆動し、当該フォーカスレンズ群9に大きな加速度を与えると、フォーカスレンズ群9を鏡枠内支持部材21eに支持するためのレンズ支持部材21dの端部21fと鏡枠内支持部材21eとの間の摩擦や、端部21fと鏡枠内支持部材21eとの間のガタにより、フォーカスレンズ群9を含む連結機構21c及びレンズ支持部材21dの全体が撓んだ状態になってしまう。すなわち、フォーカスレンズ群9は、剛性体の低い支持部材、例えば連結機構21c及びレンズ支持部材21d等により支持されているために、これらフォーカスレンズ群9を含む連結機構21c及びレンズ支持部材21dの全体が撓んだ状態になってしまう。
【0029】
端部21fと鏡枠内支持部材21eとの間にガタが無い構造であれば、端部21fが鏡枠内支持部材21eに対して摺動するスペースが無いことになるので、フォーカスレンズ群9を連結機構21cを介してフォーカス用リードスクリューネジ21bに支持すると共に、レンズ支持部材21dの端部21fを介して鏡枠内支持部材21eに支持するという両持ちの構造であっても、上記同様に、フォーカスレンズ群9を含む連結機構21c及びレンズ支持部材21dの全体が撓んだ状態になる。
又、フォーカスレンズ群9を支持する部材、すなわち連結機構21cやレンズ支持部材21d、鏡枠内支持部材21e、レンズ支持部材21dの端部21fなどは、それぞれ軽量化やコスト削減等を実現するためにプラスチック部材を使用しており、完全な剛体に構成されていないことから上記通り撓んだ状態になる。
【0030】
このようにフォーカスレンズ群9を含む連結機構21c及びレンズ支持部材21dの全体が撓むと、フォーカスレンズ群9が光軸Pに対して傾いてしまい、検出されるフォーカスレンズ群9の位置とAF評価値との対応がずれて合焦精度に影響を与えるので、フォーカスレンズ群9を含む連結機構21c及びレンズ支持部材21dの全体が撓む状態を可能な限り抑制したいのが現状である。
【0031】
本装置は、フォーカスレンズ群9を含む連結機構21c及びレンズ支持部材21dの全体が撓む状態を抑制するために、急激に起動してフォーカスレンズ群9に大きな加速度を与えないように、初速を小さくして徐々に加速する方式を採る。
焦点評価値算出部60は、撮像素子2aの出力に基づいて被写体像のコントラストに相当する焦点評価値を算出する。この焦点評価値算出部60は、イメージャAFを行うときのフォーカスレンズ群9のスキャン駆動時に、被写体のAF評価値Cを求め、このAF評価値CからAF評価値のピークPkを検索する。
【0032】
焦点調節部61は、焦点評価値算出部60により算出されるAF評価値Cに基づいてフォーカスレンズ駆動機構20の動作を制御してフォーカスレンズ群9をAF評価値CがピークPkを示す位置に制御する。
具体的に、焦点調節部61は、フォーカスレンズ群9をスキャン駆動してAF評価値CがピークPkとなるフォーカスレンズ群9の位置を決定するときのフォーカスレンズ群9に対する第1の駆動制御と、当該駆動制御を行って決定されたフォーカスレンズ群9の位置にフォーカスレンズ群9を移動するときのフォーカスレンズ群9の第2の駆動制御とをそれぞれ異なる制御内容とする。
【0033】
例えば、焦点調節部61は、第1の駆動制御としてスキャン駆動の際に、自起動速度より小さい速度からフォーカスレンズ用アクチュエータ21であるステッピングモータの駆動を開始する制御を行い、かつ第2の駆動制御として決定されたフォーカスレンズ群9の位置にフォーカスレンズ群9を駆動する際に、自起動速度以上の速度からフォーカスレンズ群9の駆動を開始する制御を行う。
【0034】
焦点調節部61は、第1の駆動制御としてスキャン駆動の際に、自起動速度以下の速度にてフォーカスレンズ用アクチュエータ21であるステッピングモータを停止する制御を行い、かつ第2の駆動制御として決定されたフォーカスレンズ位置にフォーカスレンズ群9を駆動する際に、自起動速度以下の速度にてフォーカスレンズ群9を停止する制御を行う。
焦点調節部61は、フォーカスレンズ用アクチュエータ21であるステッピングモータを減速して自起動速度で停止することによりスキャン駆動Sdを終了し、直ちに寄り付き駆動Ydに移ってステッピングモータを自起動速度から加速し、最高速度で一定に保ってフォーカスレンズ群9を駆動する。
【0035】
図9(a)はフォーカスレンズ群9の位置(レンズ位置)に対するオートフォーカス(AF)評価値すなわち被写体のコントラストの関係を示し、同図(b)はフォーカスレンズ群9の位置(レンズ位置)に対するフォーカスレンズ群9の速度の関係を示す。同図(b)においてPFaはスキャン駆動Sdの加減速プロファイルを示し、PFbは寄り付き駆動Ydの加減速プロファイルを示す。
動画撮影時の駆動とスチル撮影時の駆動とに分けた場合、動画撮影時は、フォーカスレンズ群9を駆動するときの摺動音を抑制し、上記説明の通りフォーカスレンズ群9を含む連結機構21c及びレンズ支持部材21dの全体の撓みによって画像の劣化が発生しないように加減速ありでフォーカスレンズ群9を駆動する。
なお、撓みになる力F(力)は、
F(力)=mα
であり、mは質量、αは加速度である。
力F(力)は、加速度(加速、減速)に比例して発生し、その力の大きさに比例して撓む。
フォーカスレンズ群9が一定速度になったときは、加速度が「0」になるので、撓みが無くなるはずであるが、実際には、上記フォーカスレンズ群9を含む連結機構21c及びレンズ支持部材21dの全体に残る。
【0036】
一方、スチル撮影の駆動時には、音声の録音をしないので、フォーカスレンズ群9を駆動するときの多少の摺動音は許容される。
動画撮影の状態か、又はスチル撮影の状態かは、カメラ本体2から交換レンズ1に動画撮影又はスチル撮影を示す状態コマンドが発せられるので、レンズ制御部11は、コマンドフラグ(動画フラグ)を確認することで判別できる。
スチル撮影では、レンズ制御部11は、高速化するために以下の方法の駆動を行う。すなわち、レンズ制御部11は、図9(a)に示すようにスキャン駆動Sdを行い、この後に寄り付き駆動Ydを行う。
【0037】
先ず、レンズ制御部11は、図9(a)に示すようにスキャン駆動Sdにおいて、フォーカスレンズ用アクチュエータ21であるステッピングモータを動作し、フォーカスレンズ群9を駆動しながらAF評価値Cを取得し、AF評価値Cのピークを検索する。
このとき、上記図8に示すようなフォーカスレンズ群9を含む連結機構21c及びレンズ支持部材21dの全体の撓みが発生すると、取得したレンズ位置に誤差が含まれるようになる。
【0038】
従って、レンズ制御部11は、スキャンの起動時に、図9(b)に示すようにレンズ位置paにて自起動速度より小さい速度0から駆動を開始し、時間経過と共にスキャン速度を大きくする加減速プロファイルPFaによりフォーカスレンズ用アクチュエータ21であるステッピングモータを起動する。このステッピングモータを駆動するための加減速プロファイルPFaは、スキャンの起動時に、速度を加速してスキャン速度を時間経過と共に大きくし、レンズ位置pbにて所定の速度に到達すると一定速度に保つ。そして、レンズ制御部11は、かかる一定速度の状態においてAF評価値Cを取得する。AF評価値CのピークPkを検出すると、所定量だけ行き過ぎてAF評価値を取得しピークであることを確認し、この後にレンズ位置pcにて速度を減速してスキャン速度を時間経過と共に小さくする。
【0039】
レンズ制御部11は、スキャン駆動Sd時、図9(a)(b)に示すようにAF評価値を取得し、停止させる時、脱調状態にならないように停止する。
レンズ制御部11は、スキャン駆動Sdを停止するとき、フォーカスレンズ群9のスキャン速度が自起動速度以上であれば、自起動速度まで減速し、当該自起動速度で停止する。
レンズ制御部11は、スキャン速度が自起動速度以下であれば、そのときの速度でフォーカスレンズ群9の駆動を急停止する。スキャンを自起動速度以下で停止させることで、減速時間が減ると共に、次の寄り付き駆動Yd時に駆動する移動量も削減することが出来る。
【0040】
次に、レンズ制御部11は、図9(a)に示すように寄り付き駆動Ydにおいて、AF評価値のピーク位置Pkに対応するレンズ位置(合焦位置)にフォーカスレンズ群9を駆動する。
この寄り付き駆動Ydでは、スキャン駆動Sdで検出したAF評価値のピーク位置Pkに最速で駆動する。この寄り付き駆動Ydでは、上記図8に示すようなフォーカスレンズ群9を含む連結機構21c及びレンズ支持部材21dの全体の撓みを問題視しない。これによりレンズ制御部11は、図9(b)に示すようにレンズ位置pdにて寄り付き駆動Ydの起動を自起動速度で起動する。
【0041】
レンズ制御部11は、寄り付き駆動Ydを起動すると、フォーカスレンズ群9の速度を最高速度に制御する。この最高速度が自起動速度より速い場合、レンズ制御部11は、自起動速度から最高速度まで加速していく(レンズ位置pf)。
レンズ制御部11は、フォーカスレンズ群9がピークPkを示すAF評価値Cに対応するレンズ位置に到達すると、フォーカスレンズ群9の寄り付き駆動Ydを停止する。この寄り付き駆動Ydの停止時、レンズ制御部11は、フォーカスレンズ群9の駆動速度が時起動速度より速いとき、フォーカスレンズ群9を減速し(レンズ位置pg)、この自起動速度で停止させる(レンズ位置pp)。フォーカスレンズ群9の駆動速度が自起動速度以下のとき、レンズ制御部11は、そのときの速度でフォーカスレンズ群9を急停止する。これにより、加速時間、減速時間が削減できる。
【0042】
次に、上記の如く構成された装置の動作について説明する。
先ず、レンズ制御部11は、図10に示す撮影モード判定フローチャートに従って撮影モードの判定を行う。
レンズ制御部11は、ステップS1において、動画フラグがオン(On)になっているか否かを判定する。この判定の結果、動画フラグがオン(On)になっていれば、レンズ制御部11は、動画撮影モードであると判定し、ステップS2において、動画を撮影するためにフォーカスレンズ群9を駆動する。動画フラグは、カメラ本体2との通信によりカメラ本体2より送信され、レンズ制御部11によって受信する撮影モード情報に基づいて設定される。レンズ制御部11は、カメラ本体2の撮影モードが切換えられると撮影モード情報を受信し、撮影モードが動画撮影モードである場合は動画フラグをセット(On)し、スチル(静止画)撮影モードの場合は動画フラグをクリア(Off)する。
一方、動画フラグがオン(On)でなければ(Off)、レンズ制御部11は、スチル(静止)撮影モードであると判定し、ステップS3において、スチル動画を撮影するためにフォーカスレンズ群9を駆動する。
【0043】
次に、上記ステップS2の動画駆動について図11に示す動画駆動フローチャートに従って説明する。
レンズ制御部11は、ステップS10において、フォーカスレンズ駆動機構20を動作させるための動画用パラメータを設定する。この動画用パラメータは、例えばステッピングモータ等のフォーカスレンズ用アクチュエータ21を駆動し、フォーカスレンズ群9を合焦位置に移動するための加減速プロファイルの決定を含む。この加減速プロファイルは、ステッピングモータ等のフォーカスレンズ用アクチュエータ21の起動時に、速度を加速してフォーカスレンズ群9の移動速度を時間経過と共に大きくし、所定の速度に到達すると一定速度に保ち、この後に速度を減速してフォーカスレンズ群9の移動速度を時間経過と共に小さくする。レンズ制御部11は、被写体との距離に応じて逐次AF評価値のピーク位置Pkを検索してフォーカスレンズ群9を合焦位置に移動するための加減速プロファイルを決定し、この加減速プロファイルを実行してAF評価値のピーク位置Pkにフォーカスレンズ群9を移動する。
【0044】
すなわち、レンズ制御部11は、ステップS10において、フォーカスレンズ駆動機構20を動作させるための動画用パラメータを設定し、ステップS11において、フォーカスレンズ駆動機構20におけるステッピングモータ等のフォーカスレンズ用アクチュエータ21を初期励磁する。
レンズ制御部11は、ステップS12において、上記ステップS10で決定した加減速プロファイルに従って先ずはフォーカスレンズ群9を光軸Pの方向に加速駆動して所定の一定速度の状態に設定し、カメラ本体2の焦点調節部61との通信により一定速度の状態となったことを送信する。そして、レンズ制御部11は、ステップS13において、フォーカスレンズ群9を一定速度で光軸Pの方向に駆動し、焦点調節部61との通信によりAF評価値のピークの検出を完了した状態を受信すると、ステップS14において上記ステップS10で決定した加減速プロファイルに従って減速駆動し、ステップS15において保持励磁を行う。
【0045】
次に、上記ステップS3のスチル駆動について図12に示すスチル駆動フローチャートに従って説明する。
レンズ制御部11は、ステップS20において、焦点調節部61から送信されるコマンドに応じてスキャン駆動か否かを判定する。この判定の結果、スキャン駆動であれば、レンズ制御部11は、ステップS21において、スキャン駆動を行う。
一方、スキャン駆動でなければ、レンズ制御部11は、ステップS22において、寄り付き駆動を行う。
【0046】
次に、上記ステップS21のスキャン駆動について図13に示すスキャン駆動フローチャートに従って説明する。
レンズ制御部11は、ステップS30において、フォーカスレンズ駆動機構20を動作させるためのスキャン駆動用パラメータを設定する。このスキャン駆動用パラメータは、例えばステッピングモータ等のフォーカスレンズ用アクチュエータ21を駆動し、図9(b)に示すようなフォーカスレンズ群9を合焦位置に移動するための加減速プロファイルPFaの決定を含む。
【0047】
レンズ制御部11は、ステップS31において、フォーカスレンズ駆動機構20におけるステッピングモータ等のフォーカスレンズ用アクチュエータ21を初期励磁し、ステップS32において、上記ステップS30で決定した加減速プロファイルPFaに従い、先ずは図9(b)に示すレンズ位置paにフォーカスレンズ群9を光軸Pの方向への加速駆動を開始し、加減速プロファイルPFaに従ってフォーカスレンズ群9を加速する。
【0048】
レンズ制御部11は、ステップS33において、加減速プロファイルPFaに従い、レンズ位置pbからレンズ位置pcの間、フォーカスレンズ群9を一定速度で光軸Pの方向に駆動する。このとき、レンズ制御部31は、フォーカスレンズ群9の焦点距離、絞り31による被写界深度等の情報に基づく一定のスキャン速度でフォーカスレンズ群9を駆動する。
【0049】
レンズ制御部11は、ステップS34において、フォーカスレンズ群9を一定速度で駆動するが、レンズ位置pcにて、フォーカスレンズ群9を駆動する一定の速度がフォーカスレンズ用アクチュエータ21であるステッピングモータの自起動速度よりも速いか否かを判定する。
【0050】
この判定の結果、ステッピングモータの自起動速度よりもフォーカスレンズ群9を駆動させるときの一定速度が速ければ、レンズ制御部11は、ステップS35において、レンズ位置pcからフォーカスレンズ群9の速度を減速し、ステップS36において、保持励磁を行う。このフォーカスレンズ群9の速度の減速は、フォーカスレンズ用アクチュエータ21であるステッピングモータの自起動速度に一致するまで(レンズ位置pdまで)行われる。
【0051】
以上のようなフォーカスレンズ群9のスキャン駆動の期間pa−pd中、カメラ本体2は、図9(a)に示すようにスキャン駆動Sdの一定速駆動中において、AF評価値Cを取得し、このAF評価値CからAF評価値のピークPkを検索する。このピーク位置PkとなるAF評価値に対応するレンズ位置が合焦位置となる。
【0052】
次に、上記ステップS22の寄り付き駆動Ydについて図14に示す寄り付き駆動フローチャートに従って説明する。
レンズ制御部11は、レンズ位置pdからフォーカスレンズ群9の寄り付き駆動Ydを開始し、フォーカスレンズ群9をAF評価値のピーク位置Pkに対応するレンズ位置(合焦位置)に移動する。すなわち、レンズ制御部11は、ステップS40において、フォーカスレンズ駆動機構20を動作させるための寄り付き駆動用パラメータを設定する。この寄り付き駆動用パラメータは、例えばステッピングモータ等のフォーカスレンズ用アクチュエータ21を駆動し、図9(b)に示すようなフォーカスレンズ群9を合焦位置に移動するための加減速プロファイルPFbの決定を含む。
【0053】
レンズ制御部11は、ステップS41において、フォーカスレンズ駆動機構20におけるステッピングモータ等のフォーカスレンズ用アクチュエータ21を初期励磁し、ステップS42において、上記ステップS40で決定した加減速プロファイルPFbに従い、図9(b)に示すレンズ位置pdからフォーカスレンズ群9を光軸Pの方向への加速駆動を開始し、加減速プロファイルPFbに従ってフォーカスレンズ群9を加速する。このフォーカスレンズ群9を加速する方向は、光軸P上において、フォーカスレンズ群9がスキャン駆動Sdで駆動した方向とは逆方向である。
【0054】
レンズ制御部11は、同ステップS42において、レンズ位置pf−pg間に、フォーカスレンズ群9を一定速度で駆動するが、上記寄り付き駆動用パラメータに基づいてフォーカスレンズ群9を駆動する一定の速度がフォーカスレンズ用アクチュエータ21であるステッピングモータの自起動速度よりも速いか否かを判定する。この判定の結果、一定の速度がフォーカスレンズ用アクチュエータ21であるステッピングモータの自起動速度よりも速ければ、レンズ制御部11は、ステップS43において、フォーカスレンズ群9を自起動速度より駆動を開始し、その後、加減速プロファイルPFbに応じて加速する。
【0055】
一方、ステップS42において自起動速度以下である場合、レンズ制御部11は、ステップS44において、レンズ位置pf−pgの間、フォーカスレンズ群9を一定速度で所定量だけ光軸Pに沿って前記スキャン駆動の駆動方向と逆の方向に駆動する。このときのフォーカスレンズ群9を駆動する速度は、フォーカスレンズ用アクチュエータ21であるステッピングモータの最高速度とし、この最高速度を一定に保ってフォーカスレンズ群9を駆動する。
【0056】
レンズ制御部11は、ステップS45において、フォーカスレンズ群9を一定速度で駆動するが、レンズ位置pgに、フォーカスレンズ群9を駆動する一定の速度がフォーカスレンズ用アクチュエータ21であるステッピングモータの自起動速度よりも速いか否かを判定する。
【0057】
この判定の結果、ステッピングモータの自起動速度よりもフォーカスレンズ群9を駆動させるときの一定速度が速ければ、レンズ制御部31は、ステップS46において、レンズ位置pgからフォーカスレンズ群9の速度を加減速プロファイルPFbに応じて減速し、自起動速度に達するとステップS47において、保持励磁を行う。このフォーカスレンズ群9の速度の減速は、フォーカスレンズ群9をAF評価値のピーク位置Pkに対応するレンズ位置(合焦位置)に一致するレンズ位置ppまで行われる。一方、ステップS45において、自起動速度以下であると判定されると、レンズ制御部11は、一定速駆動を継続させ、フォーカスレンズ群9をAF評価値のピーク位置Pkに対応するレンズ位置ppで停止させてステップS47に移行する。
【0058】
以上のようなフォーカスレンズ群9の寄り付き駆動Ydによりフォーカスレンズ群9は、AF評価値のピーク位置Pkに対応するレンズ位置(合焦位置)に到達する。
このように上記一実施の形態によれば、フォーカスレンズ群9をスキャン駆動してAF評価値がピークPkとなるフォーカスレンズ群9のレンズ位置を決定するときのフォーカスレンズ群9に対する第1の駆動制御と、当該駆動制御を行って決定されたフォーカスレンズ群9の位置に当該フォーカスレンズ群9を移動するときのフォーカスレンズ群9の第2の駆動制御とをそれぞれ異なる制御内容、すなわち、第1の駆動制御としてスキャン駆動の際に、自起動速度より小さい速度からステッピングモータの駆動を開始し、かつ第2の駆動制御としてAF評価値のピーク位置Pkに対応する合焦位置にフォーカスレンズ群9を駆動する際に、自起動速度以上の速度からステッピングモータの駆動を開始する。
【0059】
又、焦点調節部62は、スキャン駆動Sdの際に、自起動速度以下の速度にてフォーカスレンズ用アクチュエータ21であるステッピングモータを停止する制御を行うと共に、寄り付き駆動Ydの際に、自起動速度以下の速度にてフォーカスレンズ用アクチュエータ21であるステッピングモータを停止する制御を行う。
【0060】
これにより、スキャン駆動Sdの際には、フォーカスレンズ群9に急速な加速度が加わらずに、フォーカスレンズ群9を含む連結機構21c及びレンズ支持部材21dの全体に撓みが生じることがなく、フォーカスレンズ群9を含む連結機構21c等の全体の撓みによって画像の劣化も発生しない。
【0061】
寄り付き駆動Ydの際には、フォーカスレンズ群9を含む連結機構21c等の全体の撓みが発生しても画像に影響を与えることがないので、フォーカスレンズ群9を例えば脱調を発生しない最高速度で合焦位置に駆動できる。
このようなスキャン駆動Sdと寄り付き駆動Ydとによるフォーカスレンズ群9の合焦位置への調整であれば、図9(a)に示すような山登りAF動作を行う際の焦点調節動作の高速化を実現することができる。図15は上記図7に示す先行技術によるフォーカスレンズ群9の加減速プロファイルと上記図9に示す本装置によるフォーカスレンズ群9の加減速プロファイルPFa、PFbとを時間軸上で比較したもので、本装置の方が先行技術よりもフォーカスレンズ群9を起動開始してから合焦位置に到達するまでに要する時間を短縮できる。図15では時刻tz−tpの期間Tsだけ短縮できる。
【0062】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1:交換レンズ、2:カメラ本体、2a:撮像素子、3:MFリング、4:ズーム機能切り換え操作部材、5:ズームロックスイッチ(ズームロックSW)、6:第1のズーム群、7:第2のズーム群(2G:第1のレンズ群)、8:第3のズーム群(3G:第2のレンズ群)、9:第4のズーム群、10:記憶部、11:レンズ制御部、12:第2のズーム群駆動メカニカル機構(第2群駆動メカ機構)、13:第2群駆動部、14:2G用ズーム用アクチュエータ、15:ズームレンズ用ドライバ回路、16:第2のズーム群絶対位置検出部(第2群絶対位置検出部)、17:第3のズーム群駆動機構(第3の群駆動機構)、18:3Gズーム用アクチュエータ、19:第3のズーム群基準位置検出部(第3群基準位置検出部)、20:フォーカスレンズ駆動機構、21:フォーカスレンズ用アクチュエータ、22:フォーカスレンズ用ドライバ回路、23:フォーカスレンズ基準位置検出部(フォーカスレンズ位置検出センサ)、24:絞り基準位置検出用センサ、25:絞り用ドライバ回路、26:ズームロックSW検出回路、27:MF用位置検出回路、28:カメラ本体インタフェース(Body−IF)、29:電動ズーム/手動ズーム切り換え検出機構、30:電動ズーム速度/手動ズーム速度切り換え検出機構、31:絞り、32:絞りアクチュエータ、40:2G用スクリュー、41:連結機構、42:支持部材、43:回転支持部材、44:軸、45:増速ギヤ、46:モータ軸ギヤ、14a:モータ軸、50:3G用スクリュー、51:連結機構、60:焦点評価値算出部、61:焦点調節部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォーカスレンズを移動して焦点調節を行う機能を有する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置には、フォーカスレンズを駆動制御する方法として2つのモードを有するものがある。例えば特許文献1は、高いレンズ停止位置精度を得るレンズ制御特性とする高精度モードと、短いレンズ駆動時間を得るレンズ制御特性とする高速モードとを有し、これらモードを選択するレンズ制御特性選択スイッチを備えたカメラを開示する。
又、特許文献1は、位相差AF方式によりデフォーカス量を検出してフォーカスレンズを移動制御することを開示するもので、このフォーカスレンズをDCモータにより駆動するときの制御は、フォーカスレンズの移動速度が目標スピードとなるようDCモータを加速制御し、残り駆動量すなわち目標位置に対応するパルス数と現在のパルスカウント数との差が所定量(減速パルス)以下となったときに目標スピードを低下させていき、フォーカスレンズが目標位置と到達したところでDCモータを停止させるものである。
【0003】
又、特許文献1は、高精度制御の減速パターンと高速制御の減速パターンとを有し、高精度モードが選択された場合に高精度制御の減速パターンを採用し、高速モードが選択された場合に高速制御の減速パターンを採用してそれぞれ減速制御を行うことを開示する。又、特許文献1は、減速パターンに応じた減速をDCモータへの印加電圧を低下させることにより行うことを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−146067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1は、位相差AF方式によりデフォーカス量を検出してフォーカスレンズを移動制御し、このフォーカスレンズの移動制御により焦点調節動作を行う際のDCモータによる駆動制御であるため、ステッピングモータを用いた山登りAF方式に採用できず、山登りAF方式の焦点調節動作を高速化することができないという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、上記問題点を解決するためになされるもので、山登りAF動作を行う際の焦点調節動作の高速化を実現することが可能な撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主要な局面に係る撮像装置は、撮影レンズを介して被写体像を撮像する撮像素子と、前記撮像素子の出力に基づいて前記被写体像のコントラストに相当する焦点評価値を算出する焦点評価値算出手段と、前記撮影レンズに含まれ、前記被写体像に対する焦点調節を行うために光軸方向に移動可能なフォーカスレンズと、前記フォーカスレンズを移動するためのフォーカスレンズ駆動部と前記焦点評価値算出手段により算出される前記焦点評価値に基づいて前記フォーカスレンズレンズ駆動部の動作を制御して前記フォーカスレンズの位置を制御する焦点調節手段とを具備し、前記焦点調節手段は、前記フォーカスレンズをスキャン駆動して前記焦点評価値算出手段により算出される前記焦点評価値がピークを示す前記フォーカスレンズの位置を決定する際の前記フォーカスレンズの駆動制御と、当該決定された前記フォーカスレンズの位置に前記フォーカスレンズを移動する際の前記フォーカスレンズの駆動制御とを異なる制御内容で駆動制御する
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、山登りAF動作を行う際の焦点調節動作の高速化を実現することが可能な撮像装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る撮像装置の一実施の形態を示すブロック構成図。
【図2】同装置の電気系を示すブロック構成図。
【図3】同装置における交換レンズの第2と第3とのズーム群のワイド(Wide)からテレ(Tele)の間における位置関係を示す図。
【図4】同装置における交換レンズの第2のズーム群(2G)と第3のズーム群(3G)とのズーム位置をパルス数によって示す図。
【図5】同装置における交換レンズを示す構造図。
【図6】同装置におけるフォーカスレンズ駆動機構を示す構成図。
【図7】同装置の先行技術におけるフォーカスレンズ群の駆動を説明するための図。
【図8】同装置の先行技術におけるフォーカスレンズ群を駆動したときの動きを示す図。
【図9】同装置におけるフォーカスレンズ群のレンズ位置に対するAF評価値の関係及びフォーカスレンズ群のレンズ位置に対する速度の関係を示す図。
【図10】同装置における撮影モード判定フローチャート。
【図11】同装置における動画駆動フローチャート。
【図12】同装置におけるスチル駆動フローチャート。
【図13】同装置におけるスキャン駆動フローチャート。
【図14】同装置における寄り付き駆動フローチャート。
【図15】同装置によるフォーカスレンズ群の加減速プロファイルと先行技術によるフォーカスレンズ群の加減速プロファイルとを時間軸上で比較した図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は交換レンズのブロック構成図を示し、図2は電気系のブロック構成図を示す。この交換レンズ1は、カメラ本体2に対して着脱可能である。このカメラ本体2には、撮像素子2aが設けられている。
交換レンズ1の外装には、マニュアルフォーカス(MF)リング3と、リング状のズーム機能切り換え操作部材4と、ズームロックスイッチ(ズームロックSW)5とが設けられている。ズーム機能切り換え操作部材4は、光軸Pと同一方向(矢印A方向)に移動可能であると共に、交換レンズ1の円周方向(矢印B方向)に回転可能である。
【0011】
この交換レンズ1内は、第1のズーム群6と、第2のズーム群(2G:第1のレンズ群)7と、第3のズーム群(3G:第2のレンズ群)8と、第4のズーム群9とが設けられている。これら第1乃至第4のズーム群6〜9のうち第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8とが駆動可能である。第4のズーム群9は、フォーカスレンズ群(以下、フォーカスレンズ群9と称する)である。
図3は第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8との広角(ワイド:Wide)から望遠(テレ:Tele)の間における位置関係を示す。同図は横軸にズーム(Zoom)位置を示し、縦軸にズーム群の位置を示す。図4は図3における第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8との各ズーム位置をパルス数によって示す。これら第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8との各ズーム位置は、レンズ制御部11から発する制御位置情報、具体的に第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8とをそれぞれ駆動するためのパルス数(駆動パルス数)に対応する。
第2のズーム群(2G)7は、移動軌跡W1に従って移動する。第3のズーム群(3G)8は、第2のズーム群(2G)7の移動に追従して移動軌跡W2に従って移動するもので、これら第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8とは、移動軌跡W1、W2の位置関係が同図に示すような位置関係に保たれるように移動する。
【0012】
第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8とが同図に示すような位置関係に保たれるように当該第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8とが駆動すれば、合焦状態を維持し、所定のズーム位置にズームされた状態になる。なお、同図では説明の簡易化のために第3のズーム群(3G)8の軌跡を直線にしている。当該交換レンズ1の特性により第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8とは、共に非線形な軌跡になることもある。
これら第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8との位置関係情報は、記憶部10に記憶される。すなわち、この記憶部10には、ズーム動作での焦点距離に対応する第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8との位置関係情報が記憶されている。
又、記憶部10には、第3のズーム群(3G)8の位置と第3群基準位置検出部19により検出される第3のズーム群(3G)8の位置とを初期化するための複数の初期化位置が予め記憶されている。
【0013】
第2のズーム群(2G)7には、第2のズーム群駆動メカニカル機構(以下、第2群駆動メカ機構と称する)12と、第2群駆動部13とが設けられている。第2群駆動メカ機構12は、第2のズーム群(2G)7を光軸Pの方向に移動する。第2群駆動部13は、第2群駆動メカ機構12を駆動する。このうち第2群駆動メカ機構12は、図2に示すように2G用ズーム用アクチュエータ14とズームレンズ用ドライバ回路15とから成る。2G用ズーム用アクチュエータ14は、例えばステッピングモータを使用し、マイクロステップ駆動で精度が高い位置制御を行う。この第2のズーム群(2G)7は、ズーム機能切り換え操作部材4によって切り換えられる切り換え操作によって3つのモード、例えばスーパーマクロ、電動ズーム、メカマニュアルズームの3つのモードのいずれかに切り換わる。
第2のズーム群(2G)7には、第1のレンズ群位置検出部としての第2のズーム群絶対位置検出部(以下、第2群絶対位置検出部と称する)16が設けられている。この第2群絶対位置検出部16は、第2のズーム群(2G)7の位置情報として絶対位置を検出する。この第2群絶対位置検出部16は、例えばリニアエンコーダ16を使用する。
【0014】
第3のズーム群(3G)8には、第3のズーム群駆動機構(以下、第3の群駆動機構と称する)17が設けられている。この第3群駆動機構17は、第3のズーム群(3G)8を光軸Pの方向に移動する。この第3群駆動部17は、第3のズーム群(3G)8を第2のズーム群(2G)7の移動位置に対応した位置に追従動作させる。第3群駆動機構17は、図2に示すように例えば3Gズーム用アクチュエータ18とズームレンズ用ドライバ回路15から成る。3Gズーム用アクチュエータ18は、例えばステッピングモータを使用し、マイクロステップ駆動で精度が高い位置制御を行う。なお、ズームレンズ用ドライバ回路15は、第2のズーム群(2G)7のドライバと共用である。
これら第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8との位置関係は、上記図3に示す通りの位置関係であり、これら第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8との位置関係情報は、上記同様に、記憶部10に記憶される。
【0015】
第3のズーム群(3G)8には、第2のレンズ群位置検出部としての第3のズーム群基準位置検出部(以下、第3群基準位置検出部と称する)19が設けられている。この第3群基準位置検出部19は、第3のズーム群(3G)8の位置情報として基準位置を取得する。この第3群基準位置検出部19は、例えばフォトインタラプタ(PI)を使用する。
【0016】
フォーカスレンズ群9には、フォーカスレンズ駆動機構20が設けられている。このフォーカスレンズ駆動機構20は、フォーカスレンズ群9を光軸Pの方向に移動する。このフォーカスレンズ駆動機構20は、図2に示すようにフォーカスレンズ用アクチュエータ21とフォーカスレンズ用ドライバ回路22とから成る。フォーカスレンズ用ドライバ回路22は、フォーカスレンズ用アクチュエータ21を駆動する。このフォーカスレンズ用アクチュエータ21は、フォーカスレンズ群9を光軸Pの方向に移動する。このフォーカスレンズ用アクチュエータ21は、例えばステッピングモータであり、所定の自起動速度を有する。
このフォーカスレンズ群9には、フォーカスレンズ基準位置検出部(フォーカスレンズ位置検出センサ)23が設けられている。このフォーカスレンズ基準位置検出部23は、フォーカスレンズ群9の基準位置を検出する。
【0017】
図2に示すようにズームレンズ用ドライバ回路15とリニアエンコーダ16と第3群基準位置検出部19とフォーカスレンズ用ドライバ回路22とフォーカスレンズ位置検出センサ23とは、レンズ制御部11に接続されている。このレンズ制御部11には、絞り基準位置検出用センサ24と、絞り用ドライバ回路25と、ズームロックSW検出回路26と、MF用位置検出回路27と、カメラ本体インタフェース(Body−IF)28と、電動ズーム/手動ズーム切り換え検出機構29と、電動ズーム速度切り換え検出機構30とが接続されている。
【0018】
絞り31が第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8との光軸P上に設けられている。
絞り基準位置検出用センサ24は、絞り31の基準位置を検出する。
レンズ制御部11は、CPUやROM、RAM等から成り、当該レンズ制御部11の外部に接続される記憶部10に記憶されている第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8との位置関係情報を参照し、第2のズーム群(2G)7の移動位置に対応した位置に第3のズーム群(3G)8を追従制御する。
また、カメラ本体2は、図1に示すように焦点評価値算出部60と、焦点調節部61とを有する。焦点評価値算出部60は、撮像素子2aの出力に基づいて被写体像のコントラストに相当する焦点評価値を算出する。焦点調節部61によるAF動作は以下のように実行される。
焦点調節部61は、フォーカスレンズ群9を移動させるコマンドをレンズ制御部11へ送信する。レンズ制御部11は、フォーカスレンズ群9を移動させる。焦点調節部61は、上記フォーカスレンズ群9の移動中に、撮像素子2aにより撮像動作を実行させ、取得した画像データに基づいて焦点評価値算出部60により焦点評価値を算出させる。
焦点調節部61は、上記フォーカスレンズ群9の移動中に算出された焦点評価値と、レンズ制御部11との通信により取得される移動中の上記焦点評価値の取得時刻に同期したフォーカスレンズ群9の位置情報とに基づいて焦点評価値のピークに対応するフォーカス群9の位置を算出する。焦点調節部61は、通信によりレンズ制御部11へ算出したピークに対応する位置を送信するとともにフォーカスレンズ群9をピークに対応する位置へ移動させるコマンドを送信する。レンズ制御部11は、受信したピークに対応する位置にフォーカスレンズ群9を移動させて合焦状態を得る。
【0019】
次に、ズーム群機構とフォーカス群駆動機構の構成について説明する。
図5は本交換レンズ1の構造図を示す。本交換レンズ1内には、上記の通り、第1のズーム群6と第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8と第4のズーム群(フォーカス群)9とが設けられている。第2群駆動メカ機構12は、第2のズーム群(2G)7を光軸Pの方向に移動する。第3の群駆動機構17は、第3のズーム群(3G)8を光軸Pの方向に移動する。
【0020】
第2群駆動メカ機構12は、例えばステッピングモータ等の2G用ズーム用アクチュエータ14を備える。この2G用ズーム用アクチュエータ14には、2G用スクリュー40が設けられている。この2G用スクリュー40には、ナット等から成る連結機構41を介して第2のズーム群(2G)7が設けられている。この第2群駆動メカ機構12は、電動−マニュアルズーム切り換え機構を有する。
フォーカスレンズ駆動機構20は、フォーカスレンズ群9を光軸Pの方向に移動する。
【0021】
図6はフォーカスレンズ駆動機構20の構成図を示す。フォーカスレンズ駆動機構20は、フォーカスレンズ群9を光軸Pの方向に移動する。このフォーカスレンズ駆動機構20は、例えばステッピングモータ等のフォーカス用アクチュエータ21と、このフォーカス用アクチュエータ21のモータ軸21aと、このモータ軸21aに設けられたフォーカス用リードスクリューネジ21bとを有する。このフォーカス用リードスクリューネジ21bには、ナット等から成る連結機構21cを介してフォーカスレンズ群9が設けられている。このフォーカス用リードスクリューネジ21bは、光軸Pに並設されている。
【0022】
又、フォーカスレンズ群9は、レンズ支持部材21dを介して鏡枠内支持部材21eに支持されている。レンズ支持部材21dの端部21fは、鏡枠内支持部材21eに対して摺動可能に設けられている。これら端部21fと鏡枠内支持部材21eとは、例えば鏡枠内支持部材21eが凹形状の溝に形成され、端部21fが鏡枠内支持部材21eの凹形状の溝内に入り込み、当該凹形状の溝内を摺動可能に設けられている。この鏡枠内支持部材21eは、光軸Pに並設されている。
【0023】
このフォーカスレンズ駆動機構20では、上記図2に示すようにフォーカスレンズ用ドライバ回路22によりフォーカスレンズ用アクチュエータ21を駆動すると、この駆動によりフォーカスレンズ群9が光軸Pの方向に移動する。
このフォーカスレンズ群9には、フォーカスレンズ基準位置検出部(フォーカスレンズ位置検出センサ)23が設けられ、このフォーカスレンズ基準位置検出部23によりフォーカスレンズ群9の基準位置が検出される。フォーカスレンズ群9の位置情報は、フォーカスレンズ基準位置検出部23により検出された基準位置を基準として、フォーカスレンズ用アクチュエータ21を駆動する駆動ステップ数により求められる。
【0024】
ところで、撮像装置には、スチル(静止画)撮影モードと動画撮影モードとの切り替えを可能とするものがある。スチル撮影モードでは、シャッターチャンスを逃さないために例えばフォーカスレンズ群9の高速駆動が要求される。一方、動画撮影モードでは、動画の撮影と同時に、音声を録音するので、例えばフォーカスレンズ群9の駆動による摺動音の対策が必要となる。
【0025】
図7(a)(b)は本実施の形態のAF動作であるイメージャAFの動作を示す図である。同図(a)はフォーカスレンズ群9の位置(レンズ位置)に対するオートフォーカス(AF)評価値すなわち被写体のコントラストの関係を示し、同図(b)はフォーカスレンズ群9の位置(レンズ位置)に対するフォーカスレンズ群9の速度の関係を示す。
【0026】
イメージャAFでは、例えばフォーカスレンズ群9を駆動してAF評価値のピークを検索する。このフォーカスレンズ群9の駆動をスキャン駆動Sdと称する。このスキャン駆動Sdにより被写体のコントラスト(AF評価値)Cの変化が求められ、このAF評価値CからAF評価値のピークが検索される。このスキャン駆動Sdでは、図7(b)に示すように第2のズーム群(2G)7と第3のズーム群(3G)8との位置により決定される焦点距離、絞り31による被写界深度等の情報に基づくスキャン速度でフォーカスレンズ群9を駆動する。このスキャン駆動SdによってAF評価値のピーク位置Pkを検索する。このピーク位置PkとなるAF評価値に対応するレンズ位置が合焦位置となる。
【0027】
ピーク位置PkとなるAF評価値が検索されると、当該AF評価値のピーク位置Pkに対応するレンズ位置(合焦位置)にフォーカスレンズ群9を駆動する。このフォーカスレンズ群9の駆動を寄り付き駆動Ydと称する。この寄り付き駆動Ydでは、図7(b)に示すように最短時間でAF評価値のピーク位置Pkに対応するレンズ位置(合焦位置)にフォーカスレンズ群9を駆動するために、脱調しない最高速度でフォーカスレンズ群9を駆動する。
なお、フォーカスレンズ群9を駆動する場合、フォーカスレンズ群9に対して緩やかに、小さな加速度を与えた方が摺動音が小さい。動画モードでは、遅い速度から駆動を開始し、最高速度を抑えることにより摺動音を抑制している。
【0028】
図8はフォーカスレンズ群9を駆動しているときの動きを示す。フォーカスレンズ群9を急速に駆動し、当該フォーカスレンズ群9に大きな加速度を与えると、フォーカスレンズ群9を鏡枠内支持部材21eに支持するためのレンズ支持部材21dの端部21fと鏡枠内支持部材21eとの間の摩擦や、端部21fと鏡枠内支持部材21eとの間のガタにより、フォーカスレンズ群9を含む連結機構21c及びレンズ支持部材21dの全体が撓んだ状態になってしまう。すなわち、フォーカスレンズ群9は、剛性体の低い支持部材、例えば連結機構21c及びレンズ支持部材21d等により支持されているために、これらフォーカスレンズ群9を含む連結機構21c及びレンズ支持部材21dの全体が撓んだ状態になってしまう。
【0029】
端部21fと鏡枠内支持部材21eとの間にガタが無い構造であれば、端部21fが鏡枠内支持部材21eに対して摺動するスペースが無いことになるので、フォーカスレンズ群9を連結機構21cを介してフォーカス用リードスクリューネジ21bに支持すると共に、レンズ支持部材21dの端部21fを介して鏡枠内支持部材21eに支持するという両持ちの構造であっても、上記同様に、フォーカスレンズ群9を含む連結機構21c及びレンズ支持部材21dの全体が撓んだ状態になる。
又、フォーカスレンズ群9を支持する部材、すなわち連結機構21cやレンズ支持部材21d、鏡枠内支持部材21e、レンズ支持部材21dの端部21fなどは、それぞれ軽量化やコスト削減等を実現するためにプラスチック部材を使用しており、完全な剛体に構成されていないことから上記通り撓んだ状態になる。
【0030】
このようにフォーカスレンズ群9を含む連結機構21c及びレンズ支持部材21dの全体が撓むと、フォーカスレンズ群9が光軸Pに対して傾いてしまい、検出されるフォーカスレンズ群9の位置とAF評価値との対応がずれて合焦精度に影響を与えるので、フォーカスレンズ群9を含む連結機構21c及びレンズ支持部材21dの全体が撓む状態を可能な限り抑制したいのが現状である。
【0031】
本装置は、フォーカスレンズ群9を含む連結機構21c及びレンズ支持部材21dの全体が撓む状態を抑制するために、急激に起動してフォーカスレンズ群9に大きな加速度を与えないように、初速を小さくして徐々に加速する方式を採る。
焦点評価値算出部60は、撮像素子2aの出力に基づいて被写体像のコントラストに相当する焦点評価値を算出する。この焦点評価値算出部60は、イメージャAFを行うときのフォーカスレンズ群9のスキャン駆動時に、被写体のAF評価値Cを求め、このAF評価値CからAF評価値のピークPkを検索する。
【0032】
焦点調節部61は、焦点評価値算出部60により算出されるAF評価値Cに基づいてフォーカスレンズ駆動機構20の動作を制御してフォーカスレンズ群9をAF評価値CがピークPkを示す位置に制御する。
具体的に、焦点調節部61は、フォーカスレンズ群9をスキャン駆動してAF評価値CがピークPkとなるフォーカスレンズ群9の位置を決定するときのフォーカスレンズ群9に対する第1の駆動制御と、当該駆動制御を行って決定されたフォーカスレンズ群9の位置にフォーカスレンズ群9を移動するときのフォーカスレンズ群9の第2の駆動制御とをそれぞれ異なる制御内容とする。
【0033】
例えば、焦点調節部61は、第1の駆動制御としてスキャン駆動の際に、自起動速度より小さい速度からフォーカスレンズ用アクチュエータ21であるステッピングモータの駆動を開始する制御を行い、かつ第2の駆動制御として決定されたフォーカスレンズ群9の位置にフォーカスレンズ群9を駆動する際に、自起動速度以上の速度からフォーカスレンズ群9の駆動を開始する制御を行う。
【0034】
焦点調節部61は、第1の駆動制御としてスキャン駆動の際に、自起動速度以下の速度にてフォーカスレンズ用アクチュエータ21であるステッピングモータを停止する制御を行い、かつ第2の駆動制御として決定されたフォーカスレンズ位置にフォーカスレンズ群9を駆動する際に、自起動速度以下の速度にてフォーカスレンズ群9を停止する制御を行う。
焦点調節部61は、フォーカスレンズ用アクチュエータ21であるステッピングモータを減速して自起動速度で停止することによりスキャン駆動Sdを終了し、直ちに寄り付き駆動Ydに移ってステッピングモータを自起動速度から加速し、最高速度で一定に保ってフォーカスレンズ群9を駆動する。
【0035】
図9(a)はフォーカスレンズ群9の位置(レンズ位置)に対するオートフォーカス(AF)評価値すなわち被写体のコントラストの関係を示し、同図(b)はフォーカスレンズ群9の位置(レンズ位置)に対するフォーカスレンズ群9の速度の関係を示す。同図(b)においてPFaはスキャン駆動Sdの加減速プロファイルを示し、PFbは寄り付き駆動Ydの加減速プロファイルを示す。
動画撮影時の駆動とスチル撮影時の駆動とに分けた場合、動画撮影時は、フォーカスレンズ群9を駆動するときの摺動音を抑制し、上記説明の通りフォーカスレンズ群9を含む連結機構21c及びレンズ支持部材21dの全体の撓みによって画像の劣化が発生しないように加減速ありでフォーカスレンズ群9を駆動する。
なお、撓みになる力F(力)は、
F(力)=mα
であり、mは質量、αは加速度である。
力F(力)は、加速度(加速、減速)に比例して発生し、その力の大きさに比例して撓む。
フォーカスレンズ群9が一定速度になったときは、加速度が「0」になるので、撓みが無くなるはずであるが、実際には、上記フォーカスレンズ群9を含む連結機構21c及びレンズ支持部材21dの全体に残る。
【0036】
一方、スチル撮影の駆動時には、音声の録音をしないので、フォーカスレンズ群9を駆動するときの多少の摺動音は許容される。
動画撮影の状態か、又はスチル撮影の状態かは、カメラ本体2から交換レンズ1に動画撮影又はスチル撮影を示す状態コマンドが発せられるので、レンズ制御部11は、コマンドフラグ(動画フラグ)を確認することで判別できる。
スチル撮影では、レンズ制御部11は、高速化するために以下の方法の駆動を行う。すなわち、レンズ制御部11は、図9(a)に示すようにスキャン駆動Sdを行い、この後に寄り付き駆動Ydを行う。
【0037】
先ず、レンズ制御部11は、図9(a)に示すようにスキャン駆動Sdにおいて、フォーカスレンズ用アクチュエータ21であるステッピングモータを動作し、フォーカスレンズ群9を駆動しながらAF評価値Cを取得し、AF評価値Cのピークを検索する。
このとき、上記図8に示すようなフォーカスレンズ群9を含む連結機構21c及びレンズ支持部材21dの全体の撓みが発生すると、取得したレンズ位置に誤差が含まれるようになる。
【0038】
従って、レンズ制御部11は、スキャンの起動時に、図9(b)に示すようにレンズ位置paにて自起動速度より小さい速度0から駆動を開始し、時間経過と共にスキャン速度を大きくする加減速プロファイルPFaによりフォーカスレンズ用アクチュエータ21であるステッピングモータを起動する。このステッピングモータを駆動するための加減速プロファイルPFaは、スキャンの起動時に、速度を加速してスキャン速度を時間経過と共に大きくし、レンズ位置pbにて所定の速度に到達すると一定速度に保つ。そして、レンズ制御部11は、かかる一定速度の状態においてAF評価値Cを取得する。AF評価値CのピークPkを検出すると、所定量だけ行き過ぎてAF評価値を取得しピークであることを確認し、この後にレンズ位置pcにて速度を減速してスキャン速度を時間経過と共に小さくする。
【0039】
レンズ制御部11は、スキャン駆動Sd時、図9(a)(b)に示すようにAF評価値を取得し、停止させる時、脱調状態にならないように停止する。
レンズ制御部11は、スキャン駆動Sdを停止するとき、フォーカスレンズ群9のスキャン速度が自起動速度以上であれば、自起動速度まで減速し、当該自起動速度で停止する。
レンズ制御部11は、スキャン速度が自起動速度以下であれば、そのときの速度でフォーカスレンズ群9の駆動を急停止する。スキャンを自起動速度以下で停止させることで、減速時間が減ると共に、次の寄り付き駆動Yd時に駆動する移動量も削減することが出来る。
【0040】
次に、レンズ制御部11は、図9(a)に示すように寄り付き駆動Ydにおいて、AF評価値のピーク位置Pkに対応するレンズ位置(合焦位置)にフォーカスレンズ群9を駆動する。
この寄り付き駆動Ydでは、スキャン駆動Sdで検出したAF評価値のピーク位置Pkに最速で駆動する。この寄り付き駆動Ydでは、上記図8に示すようなフォーカスレンズ群9を含む連結機構21c及びレンズ支持部材21dの全体の撓みを問題視しない。これによりレンズ制御部11は、図9(b)に示すようにレンズ位置pdにて寄り付き駆動Ydの起動を自起動速度で起動する。
【0041】
レンズ制御部11は、寄り付き駆動Ydを起動すると、フォーカスレンズ群9の速度を最高速度に制御する。この最高速度が自起動速度より速い場合、レンズ制御部11は、自起動速度から最高速度まで加速していく(レンズ位置pf)。
レンズ制御部11は、フォーカスレンズ群9がピークPkを示すAF評価値Cに対応するレンズ位置に到達すると、フォーカスレンズ群9の寄り付き駆動Ydを停止する。この寄り付き駆動Ydの停止時、レンズ制御部11は、フォーカスレンズ群9の駆動速度が時起動速度より速いとき、フォーカスレンズ群9を減速し(レンズ位置pg)、この自起動速度で停止させる(レンズ位置pp)。フォーカスレンズ群9の駆動速度が自起動速度以下のとき、レンズ制御部11は、そのときの速度でフォーカスレンズ群9を急停止する。これにより、加速時間、減速時間が削減できる。
【0042】
次に、上記の如く構成された装置の動作について説明する。
先ず、レンズ制御部11は、図10に示す撮影モード判定フローチャートに従って撮影モードの判定を行う。
レンズ制御部11は、ステップS1において、動画フラグがオン(On)になっているか否かを判定する。この判定の結果、動画フラグがオン(On)になっていれば、レンズ制御部11は、動画撮影モードであると判定し、ステップS2において、動画を撮影するためにフォーカスレンズ群9を駆動する。動画フラグは、カメラ本体2との通信によりカメラ本体2より送信され、レンズ制御部11によって受信する撮影モード情報に基づいて設定される。レンズ制御部11は、カメラ本体2の撮影モードが切換えられると撮影モード情報を受信し、撮影モードが動画撮影モードである場合は動画フラグをセット(On)し、スチル(静止画)撮影モードの場合は動画フラグをクリア(Off)する。
一方、動画フラグがオン(On)でなければ(Off)、レンズ制御部11は、スチル(静止)撮影モードであると判定し、ステップS3において、スチル動画を撮影するためにフォーカスレンズ群9を駆動する。
【0043】
次に、上記ステップS2の動画駆動について図11に示す動画駆動フローチャートに従って説明する。
レンズ制御部11は、ステップS10において、フォーカスレンズ駆動機構20を動作させるための動画用パラメータを設定する。この動画用パラメータは、例えばステッピングモータ等のフォーカスレンズ用アクチュエータ21を駆動し、フォーカスレンズ群9を合焦位置に移動するための加減速プロファイルの決定を含む。この加減速プロファイルは、ステッピングモータ等のフォーカスレンズ用アクチュエータ21の起動時に、速度を加速してフォーカスレンズ群9の移動速度を時間経過と共に大きくし、所定の速度に到達すると一定速度に保ち、この後に速度を減速してフォーカスレンズ群9の移動速度を時間経過と共に小さくする。レンズ制御部11は、被写体との距離に応じて逐次AF評価値のピーク位置Pkを検索してフォーカスレンズ群9を合焦位置に移動するための加減速プロファイルを決定し、この加減速プロファイルを実行してAF評価値のピーク位置Pkにフォーカスレンズ群9を移動する。
【0044】
すなわち、レンズ制御部11は、ステップS10において、フォーカスレンズ駆動機構20を動作させるための動画用パラメータを設定し、ステップS11において、フォーカスレンズ駆動機構20におけるステッピングモータ等のフォーカスレンズ用アクチュエータ21を初期励磁する。
レンズ制御部11は、ステップS12において、上記ステップS10で決定した加減速プロファイルに従って先ずはフォーカスレンズ群9を光軸Pの方向に加速駆動して所定の一定速度の状態に設定し、カメラ本体2の焦点調節部61との通信により一定速度の状態となったことを送信する。そして、レンズ制御部11は、ステップS13において、フォーカスレンズ群9を一定速度で光軸Pの方向に駆動し、焦点調節部61との通信によりAF評価値のピークの検出を完了した状態を受信すると、ステップS14において上記ステップS10で決定した加減速プロファイルに従って減速駆動し、ステップS15において保持励磁を行う。
【0045】
次に、上記ステップS3のスチル駆動について図12に示すスチル駆動フローチャートに従って説明する。
レンズ制御部11は、ステップS20において、焦点調節部61から送信されるコマンドに応じてスキャン駆動か否かを判定する。この判定の結果、スキャン駆動であれば、レンズ制御部11は、ステップS21において、スキャン駆動を行う。
一方、スキャン駆動でなければ、レンズ制御部11は、ステップS22において、寄り付き駆動を行う。
【0046】
次に、上記ステップS21のスキャン駆動について図13に示すスキャン駆動フローチャートに従って説明する。
レンズ制御部11は、ステップS30において、フォーカスレンズ駆動機構20を動作させるためのスキャン駆動用パラメータを設定する。このスキャン駆動用パラメータは、例えばステッピングモータ等のフォーカスレンズ用アクチュエータ21を駆動し、図9(b)に示すようなフォーカスレンズ群9を合焦位置に移動するための加減速プロファイルPFaの決定を含む。
【0047】
レンズ制御部11は、ステップS31において、フォーカスレンズ駆動機構20におけるステッピングモータ等のフォーカスレンズ用アクチュエータ21を初期励磁し、ステップS32において、上記ステップS30で決定した加減速プロファイルPFaに従い、先ずは図9(b)に示すレンズ位置paにフォーカスレンズ群9を光軸Pの方向への加速駆動を開始し、加減速プロファイルPFaに従ってフォーカスレンズ群9を加速する。
【0048】
レンズ制御部11は、ステップS33において、加減速プロファイルPFaに従い、レンズ位置pbからレンズ位置pcの間、フォーカスレンズ群9を一定速度で光軸Pの方向に駆動する。このとき、レンズ制御部31は、フォーカスレンズ群9の焦点距離、絞り31による被写界深度等の情報に基づく一定のスキャン速度でフォーカスレンズ群9を駆動する。
【0049】
レンズ制御部11は、ステップS34において、フォーカスレンズ群9を一定速度で駆動するが、レンズ位置pcにて、フォーカスレンズ群9を駆動する一定の速度がフォーカスレンズ用アクチュエータ21であるステッピングモータの自起動速度よりも速いか否かを判定する。
【0050】
この判定の結果、ステッピングモータの自起動速度よりもフォーカスレンズ群9を駆動させるときの一定速度が速ければ、レンズ制御部11は、ステップS35において、レンズ位置pcからフォーカスレンズ群9の速度を減速し、ステップS36において、保持励磁を行う。このフォーカスレンズ群9の速度の減速は、フォーカスレンズ用アクチュエータ21であるステッピングモータの自起動速度に一致するまで(レンズ位置pdまで)行われる。
【0051】
以上のようなフォーカスレンズ群9のスキャン駆動の期間pa−pd中、カメラ本体2は、図9(a)に示すようにスキャン駆動Sdの一定速駆動中において、AF評価値Cを取得し、このAF評価値CからAF評価値のピークPkを検索する。このピーク位置PkとなるAF評価値に対応するレンズ位置が合焦位置となる。
【0052】
次に、上記ステップS22の寄り付き駆動Ydについて図14に示す寄り付き駆動フローチャートに従って説明する。
レンズ制御部11は、レンズ位置pdからフォーカスレンズ群9の寄り付き駆動Ydを開始し、フォーカスレンズ群9をAF評価値のピーク位置Pkに対応するレンズ位置(合焦位置)に移動する。すなわち、レンズ制御部11は、ステップS40において、フォーカスレンズ駆動機構20を動作させるための寄り付き駆動用パラメータを設定する。この寄り付き駆動用パラメータは、例えばステッピングモータ等のフォーカスレンズ用アクチュエータ21を駆動し、図9(b)に示すようなフォーカスレンズ群9を合焦位置に移動するための加減速プロファイルPFbの決定を含む。
【0053】
レンズ制御部11は、ステップS41において、フォーカスレンズ駆動機構20におけるステッピングモータ等のフォーカスレンズ用アクチュエータ21を初期励磁し、ステップS42において、上記ステップS40で決定した加減速プロファイルPFbに従い、図9(b)に示すレンズ位置pdからフォーカスレンズ群9を光軸Pの方向への加速駆動を開始し、加減速プロファイルPFbに従ってフォーカスレンズ群9を加速する。このフォーカスレンズ群9を加速する方向は、光軸P上において、フォーカスレンズ群9がスキャン駆動Sdで駆動した方向とは逆方向である。
【0054】
レンズ制御部11は、同ステップS42において、レンズ位置pf−pg間に、フォーカスレンズ群9を一定速度で駆動するが、上記寄り付き駆動用パラメータに基づいてフォーカスレンズ群9を駆動する一定の速度がフォーカスレンズ用アクチュエータ21であるステッピングモータの自起動速度よりも速いか否かを判定する。この判定の結果、一定の速度がフォーカスレンズ用アクチュエータ21であるステッピングモータの自起動速度よりも速ければ、レンズ制御部11は、ステップS43において、フォーカスレンズ群9を自起動速度より駆動を開始し、その後、加減速プロファイルPFbに応じて加速する。
【0055】
一方、ステップS42において自起動速度以下である場合、レンズ制御部11は、ステップS44において、レンズ位置pf−pgの間、フォーカスレンズ群9を一定速度で所定量だけ光軸Pに沿って前記スキャン駆動の駆動方向と逆の方向に駆動する。このときのフォーカスレンズ群9を駆動する速度は、フォーカスレンズ用アクチュエータ21であるステッピングモータの最高速度とし、この最高速度を一定に保ってフォーカスレンズ群9を駆動する。
【0056】
レンズ制御部11は、ステップS45において、フォーカスレンズ群9を一定速度で駆動するが、レンズ位置pgに、フォーカスレンズ群9を駆動する一定の速度がフォーカスレンズ用アクチュエータ21であるステッピングモータの自起動速度よりも速いか否かを判定する。
【0057】
この判定の結果、ステッピングモータの自起動速度よりもフォーカスレンズ群9を駆動させるときの一定速度が速ければ、レンズ制御部31は、ステップS46において、レンズ位置pgからフォーカスレンズ群9の速度を加減速プロファイルPFbに応じて減速し、自起動速度に達するとステップS47において、保持励磁を行う。このフォーカスレンズ群9の速度の減速は、フォーカスレンズ群9をAF評価値のピーク位置Pkに対応するレンズ位置(合焦位置)に一致するレンズ位置ppまで行われる。一方、ステップS45において、自起動速度以下であると判定されると、レンズ制御部11は、一定速駆動を継続させ、フォーカスレンズ群9をAF評価値のピーク位置Pkに対応するレンズ位置ppで停止させてステップS47に移行する。
【0058】
以上のようなフォーカスレンズ群9の寄り付き駆動Ydによりフォーカスレンズ群9は、AF評価値のピーク位置Pkに対応するレンズ位置(合焦位置)に到達する。
このように上記一実施の形態によれば、フォーカスレンズ群9をスキャン駆動してAF評価値がピークPkとなるフォーカスレンズ群9のレンズ位置を決定するときのフォーカスレンズ群9に対する第1の駆動制御と、当該駆動制御を行って決定されたフォーカスレンズ群9の位置に当該フォーカスレンズ群9を移動するときのフォーカスレンズ群9の第2の駆動制御とをそれぞれ異なる制御内容、すなわち、第1の駆動制御としてスキャン駆動の際に、自起動速度より小さい速度からステッピングモータの駆動を開始し、かつ第2の駆動制御としてAF評価値のピーク位置Pkに対応する合焦位置にフォーカスレンズ群9を駆動する際に、自起動速度以上の速度からステッピングモータの駆動を開始する。
【0059】
又、焦点調節部62は、スキャン駆動Sdの際に、自起動速度以下の速度にてフォーカスレンズ用アクチュエータ21であるステッピングモータを停止する制御を行うと共に、寄り付き駆動Ydの際に、自起動速度以下の速度にてフォーカスレンズ用アクチュエータ21であるステッピングモータを停止する制御を行う。
【0060】
これにより、スキャン駆動Sdの際には、フォーカスレンズ群9に急速な加速度が加わらずに、フォーカスレンズ群9を含む連結機構21c及びレンズ支持部材21dの全体に撓みが生じることがなく、フォーカスレンズ群9を含む連結機構21c等の全体の撓みによって画像の劣化も発生しない。
【0061】
寄り付き駆動Ydの際には、フォーカスレンズ群9を含む連結機構21c等の全体の撓みが発生しても画像に影響を与えることがないので、フォーカスレンズ群9を例えば脱調を発生しない最高速度で合焦位置に駆動できる。
このようなスキャン駆動Sdと寄り付き駆動Ydとによるフォーカスレンズ群9の合焦位置への調整であれば、図9(a)に示すような山登りAF動作を行う際の焦点調節動作の高速化を実現することができる。図15は上記図7に示す先行技術によるフォーカスレンズ群9の加減速プロファイルと上記図9に示す本装置によるフォーカスレンズ群9の加減速プロファイルPFa、PFbとを時間軸上で比較したもので、本装置の方が先行技術よりもフォーカスレンズ群9を起動開始してから合焦位置に到達するまでに要する時間を短縮できる。図15では時刻tz−tpの期間Tsだけ短縮できる。
【0062】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1:交換レンズ、2:カメラ本体、2a:撮像素子、3:MFリング、4:ズーム機能切り換え操作部材、5:ズームロックスイッチ(ズームロックSW)、6:第1のズーム群、7:第2のズーム群(2G:第1のレンズ群)、8:第3のズーム群(3G:第2のレンズ群)、9:第4のズーム群、10:記憶部、11:レンズ制御部、12:第2のズーム群駆動メカニカル機構(第2群駆動メカ機構)、13:第2群駆動部、14:2G用ズーム用アクチュエータ、15:ズームレンズ用ドライバ回路、16:第2のズーム群絶対位置検出部(第2群絶対位置検出部)、17:第3のズーム群駆動機構(第3の群駆動機構)、18:3Gズーム用アクチュエータ、19:第3のズーム群基準位置検出部(第3群基準位置検出部)、20:フォーカスレンズ駆動機構、21:フォーカスレンズ用アクチュエータ、22:フォーカスレンズ用ドライバ回路、23:フォーカスレンズ基準位置検出部(フォーカスレンズ位置検出センサ)、24:絞り基準位置検出用センサ、25:絞り用ドライバ回路、26:ズームロックSW検出回路、27:MF用位置検出回路、28:カメラ本体インタフェース(Body−IF)、29:電動ズーム/手動ズーム切り換え検出機構、30:電動ズーム速度/手動ズーム速度切り換え検出機構、31:絞り、32:絞りアクチュエータ、40:2G用スクリュー、41:連結機構、42:支持部材、43:回転支持部材、44:軸、45:増速ギヤ、46:モータ軸ギヤ、14a:モータ軸、50:3G用スクリュー、51:連結機構、60:焦点評価値算出部、61:焦点調節部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影レンズを介して被写体像を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子の出力に基づいて前記被写体像のコントラストに相当する焦点評価値を算出する焦点評価値算出手段と、
前記撮影レンズに含まれ、前記被写体像に対する焦点調節を行うために光軸方向に移動可能なフォーカスレンズと、
前記フォーカスレンズを移動するためのフォーカスレンズ駆動部と、
前記焦点評価値算出手段により算出される前記焦点評価値に基づいて前記フォーカスレンズレンズ駆動部の動作を制御して前記フォーカスレンズを前記焦点評価値がピークを示す位置に制御する焦点調節手段と、
を具備し、
前記焦点調節手段は、前記フォーカスレンズをスキャン駆動して前記焦点評価値がピークとなる前記フォーカスレンズの位置を決定するときの前記フォーカスレンズに対する第1の駆動制御と、当該駆動制御を行って決定された前記フォーカスレンズの位置に前記フォーカスレンズを移動するときの前記フォーカスレンズの第2の駆動制御とをそれぞれ異なる制御内容とすることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記フォーカスレンズ駆動部は、所定の自起動速度を有するステッピングモータを有し、
前記焦点調節手段は、前記第1の駆動制御として前記スキャン駆動の際に、前記自起動速度より小さい速度から前記ステッピングモータの駆動を開始する制御を行い、
前記第2の駆動制御として前記決定された前記フォーカスレンズの位置に前記フォーカスレンズを寄り付き駆動する際に、前記自起動速度以上の速度から前記ステッピングモータの駆動を開始する制御を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記焦点調節手段は、前記第1の駆動制御として前記スキャン駆動の際に、前記自起動速度以下の速度にて前記ステッピングモータを停止する制御を行い、前記第2の駆動制御として前記寄り付き駆動する際に、前記自起動速度以下の速度にて前記ステッピングモータを停止する制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記焦点調節手段は、前記寄り付き駆動の際に、前記ステッピングモータを最高速度で一定に保って前記フォーカスレンズを駆動することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記焦点調節手段は、前記ステッピングモータを減速して自起動速度で停止することにより前記スキャン駆動を終了し、直ちに前記寄り付き駆動に移って前記ステッピングモータを前記自起動速度で加速し、前記最高速度で一定に保って前記フォーカスレンズを前記決定された前記フォーカスレンズの位置に駆動することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記フォーカスレンズは、剛性体の低い支持部材により支持され、
前記焦点調節手段は、前記スキャン駆動における前記スキャン速度を前記ステッピングモータの前記自起動速度以上で前記支持部材に撓みが発生しないに対応する速度に設定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項1】
撮影レンズを介して被写体像を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子の出力に基づいて前記被写体像のコントラストに相当する焦点評価値を算出する焦点評価値算出手段と、
前記撮影レンズに含まれ、前記被写体像に対する焦点調節を行うために光軸方向に移動可能なフォーカスレンズと、
前記フォーカスレンズを移動するためのフォーカスレンズ駆動部と、
前記焦点評価値算出手段により算出される前記焦点評価値に基づいて前記フォーカスレンズレンズ駆動部の動作を制御して前記フォーカスレンズを前記焦点評価値がピークを示す位置に制御する焦点調節手段と、
を具備し、
前記焦点調節手段は、前記フォーカスレンズをスキャン駆動して前記焦点評価値がピークとなる前記フォーカスレンズの位置を決定するときの前記フォーカスレンズに対する第1の駆動制御と、当該駆動制御を行って決定された前記フォーカスレンズの位置に前記フォーカスレンズを移動するときの前記フォーカスレンズの第2の駆動制御とをそれぞれ異なる制御内容とすることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記フォーカスレンズ駆動部は、所定の自起動速度を有するステッピングモータを有し、
前記焦点調節手段は、前記第1の駆動制御として前記スキャン駆動の際に、前記自起動速度より小さい速度から前記ステッピングモータの駆動を開始する制御を行い、
前記第2の駆動制御として前記決定された前記フォーカスレンズの位置に前記フォーカスレンズを寄り付き駆動する際に、前記自起動速度以上の速度から前記ステッピングモータの駆動を開始する制御を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記焦点調節手段は、前記第1の駆動制御として前記スキャン駆動の際に、前記自起動速度以下の速度にて前記ステッピングモータを停止する制御を行い、前記第2の駆動制御として前記寄り付き駆動する際に、前記自起動速度以下の速度にて前記ステッピングモータを停止する制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記焦点調節手段は、前記寄り付き駆動の際に、前記ステッピングモータを最高速度で一定に保って前記フォーカスレンズを駆動することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記焦点調節手段は、前記ステッピングモータを減速して自起動速度で停止することにより前記スキャン駆動を終了し、直ちに前記寄り付き駆動に移って前記ステッピングモータを前記自起動速度で加速し、前記最高速度で一定に保って前記フォーカスレンズを前記決定された前記フォーカスレンズの位置に駆動することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記フォーカスレンズは、剛性体の低い支持部材により支持され、
前記焦点調節手段は、前記スキャン駆動における前記スキャン速度を前記ステッピングモータの前記自起動速度以上で前記支持部材に撓みが発生しないに対応する速度に設定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−64884(P2013−64884A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203709(P2011−203709)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
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