説明

撮像装置

【課題】所望シナリオに沿った画像の撮影機会逸失を防止する。
【解決手段】対象シナリオ設定部52は、シナリオ選択操作に従い、複数の撮影シナリオの中から対象シナリオを選択及び設定する。対象シナリオには複数の基準シーンが属しており、各基準シーンについての情報がシーン照合部53に与えられる。シーン照合部53は、撮像部から与えられる現在の画像信号、撮像装置の現在地情報及び基準シーン情報に基づき、現在の撮影シーンが何れかの基準シーンに適合しているかを判定する。撮影完了状況管理部54は、基準シーンの撮影が完了しているか否かを基準シーンごとに管理する。現在の撮影シーンが未撮影の何れかの基準シーンに適合しているとき、通知部55は、当該基準シーンの撮影を促す通知(撮影指令通知)を撮影者に発する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ等の撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラにおいて、ストーリー仕立ての映像(物語性を有する映像)を生成するための方法が提案されている(例えば、非特許文献1及び2参照)。この方法では、まず、撮影者が、デジタルカメラに記録されている複数のシナリオの中から所望のシナリオ(例えばホームパーティ)を選択する。選択シナリオの中には、複数の基準シーンが定められており、撮影者は、各基準シーンに合致すると思われる状況下において動画像の撮影を行って、撮影動画像を何れかの基準シーンと手動で対応付ける。全基準シーンの撮影完了後、選択シナリオに沿って各撮影動画像を順序良く再生することもできる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】キャノン株式会社、ビデオカメラ総合カタログ(ivis)、“シナリオモード(ページ6及び7)”、[online]、平成23年3月、[平成23年9月28日検索]、インターネット<URL:http://cweb.canon.jp/pdf-catalog/ivis/pdf/ivis1103.pdf>
【非特許文献2】キャノン株式会社、ivis紹介、“シナリオモード”、[online]、[平成23年9月28日検索]、インターネット<URL:http://cweb.canon.jp/ivis/wakuwaku/wakuwakudouga/scenario/wakuwaku.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の方法によって、撮影者の所望シナリオに沿った動画像を集めて行くことができる。しかしながら、どのような状況下で動画像撮影を行えば良いかの判断は撮影者自身に委ねられているため、所望シナリオに対応する撮影機会が到来しても、撮影者は、その機会到来に気付かないこともある。結果、必要な撮影機会を逸失し、望んでいたような映像を収集できないこともある。
【0005】
そこで本発明は、撮影機会逸失の防止に寄与する撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る撮像装置は、被写体の画像信号を生成する撮像部と、撮影されるべき複数の基準シーンを定める撮影シナリオを設定するシナリオ設定部と、前記撮像部の撮影シーンと各基準シーンとを照合する照合部と、各基準シーンに対応する画像の撮影完了状況を管理する管理部と、前記照合部の照合結果及び前記管理部の管理結果に応じた通知を成す通知部と、を備えたことを特徴とする
【0007】
これにより、ユーザは通知に応答して必要な撮影操作を成すことができる。照合部の照合結果及び管理部の管理結果に応じて上記通知を成すようにすることで、撮影シナリオに沿ったシーンの撮影機会逸失が抑制される。
【0008】
具体的には例えば、前記通知は、前記撮像部による撮影を促すための通知を含んでいるとよい。
【0009】
また例えば、当該撮像装置は、前記複数の基準シーンの内、1以上の基準シーンに対応する1以上のテンプレート画像を表示可能な表示部を更に備え、前記1以上の基準シーンに含まれる対象基準シーンが撮影されることによって対象撮影画像が得られたとき、前記表示部上において、前記対象基準シーンに対応するテンプレート画像を前記対象撮影画像に置き換えるようにしてもよい。
【0010】
この際、例えば、前記表示部は、前記複数の基準シーンに対応する複数のテンプレート画像を表示可能であり、前記複数の基準シーンに含まれる前記対象基準シーンが撮影されることによって前記対象撮影画像が得られたとき、前記表示部上において、前記対象基準シーンに対応するテンプレート画像を前記対象撮影画像に置き換えるようにしてもよい。
【0011】
これにより、撮影者は、シナリオの実撮影結果が集まってゆく様子を確認することができ、撮影操作を行う楽しみの向上が期待される。
【0012】
より具体的には例えば、前記表示部は、2以上の要素画像が配列されたスクラップブック画像を表示可能であって、前記複数の基準シーンに対応する画像が全て未撮影であるとき、前記複数のテンプレート画像に含まれる2以上のテンプレート画像を前記2以上の要素画像として含んだ第1スクラップブック画像を表示し、その後、前記対象撮影画像が得られたとき、前記対象撮影画像を前記2以上の要素画像に含めた第2スクラップブック画像を表示してもよい。
【0013】
また例えば、前記照合部は、前記画像信号及び当該撮像装置の現在地情報の少なくとも一方に基づき、前記撮像部の撮影シーンが前記複数の基準シーンの何れかに適合しているか否かを判断してもよい。
【0014】
また例えば、前記通知部は、前記照合結果及び前記管理結果に基づき前記撮影シーンが撮影未完了の基準シーンに適合していると判断されるとき、前記通知を成しても良い。
【0015】
また例えば、前記撮影シナリオは、前記複数の基準シーンに含まれる特定基準シーンに付随する構図情報を含んでいてもよく、前記通知部は、前記通知を成す際、前記画像信号及び前記構図情報に応じて、前記特定基準シーンの撮影構図の変更を促してもよい。
【0016】
これにより、撮影シナリオにマッチした実撮影結果が得られやすくなる。
【0017】
また例えば、当該撮像装置において、前記対象撮影画像が得られた後、前記表示部において前記対象撮影画像と何れかのテンプレート画像を表示する際、表示される前記対象撮影画像及び前記テンプレート画像間で表示方法を互いに異ならせてもよい。
【0018】
これにより、ユーザは、任意の表示画像が対象撮影画像及びテンプレート画像のどちらであるのかを識別しやすくなる。
【0019】
また例えば、前記複数の基準シーンの一部又全部の撮影完了後、各基準シーンについての撮影画像を含む複数の画像をまとめて再生媒体上に再生する再生制御部を、当該撮像装置に更に設けるようにしても良い。
【0020】
これにより、ユーザに特段の編集知識が無くとも、撮影シナリオに沿った望ましい画像群を再生させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、撮影機会逸失の防止に寄与する撮像装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係る撮像装置の概略全体ブロック図である。
【図2】図1の撮像部の内部構成図である。
【図3】特定の撮影シナリオの構成を示す図である。
【図4】特定の撮影シナリオに属する複数のテンプレート画像を示す図である。
【図5】特定の撮影シナリオに対応して得られた複数の実撮影画像を示す図である。
【図6】シナリオ撮影モードの動作に特に関与する部位のブロック図である。
【図7】複数のカテゴリに複数の撮影シナリオが分類される様子を示す図である。
【図8】1つの撮影シナリオの構成を示す図である。
【図9】シナリオ撮影モードにおける動作フローチャートである。
【図10】図6の撮影完了状況管理部によって管理される管理情報の例を示す図である。
【図11】複数のテンプレート画像のみから成るスクラップブック画像の例を示す図である。
【図12】スクラップブック画像の元となる穴空き画像の例を示す図である。
【図13】複数のテンプレート画像のみから成るスクラップブック画像の他の例を示す図である。
【図14】撮影指令通知の提示例を示す図である。
【図15】構図変更通知に関わるブロック図である。
【図16】構図変更通知の提示例を示す図である。
【図17】表示部の表示内容例を示す図である。
【図18】1枚の実撮影画像の取得後における表示部の表示内容例を示す図である。
【図19】1枚の実撮影画像の取得後における表示部の表示内容変遷の例を示す図である。
【図20】1枚の実撮影画像の取得前後における表示部の表示内容例を示す図である。
【図21】複数の画像を同時に表示する方法例を示す図である。
【図22】テンプレート画像及び実撮影画像の表示方法例を示す図である。
【図23】スクラップブック画像に含められたテンプレート画像及び実撮影画像の表示方法例を示す図である。
【図24】シナリオ再生モードの動作に特に関与する部位のブロック図である。
【図25】再生可能なスクラップブック画像の例(3つの例)を示す図である。
【図26】再生可能なスクラップブック画像の例(2つの例)を示す図である。
【図27】特定の操作入力時における再生内容例を示す図である。
【図28】特定の操作入力時における再生内容例を示す図である。
【図29】特定の操作入力時における再生内容例を示す図である。
【図30】特定の操作入力時における再生内容例を示す図である。
【図31】シナリオ編集モードの動作に特に関与する部位のブロック図である。
【図32】特定の操作入力に応答したシナリオ更新状況を示す図である。
【図33】特定の操作入力に応答したシナリオ更新状況を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量、状態量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量、状態量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置1の概略全体ブロック図である。撮像装置1は、静止画像及び動画像を撮影及び記録可能なデジタルビデオカメラである。但し、撮像装置1は、静止画像のみを撮影及び記録可能なデジタルスチルカメラであっても良い。撮像装置1は、符号11〜20によって参照される各部位を備える。本実施形態において、特に記述なき限り、撮影とは撮像部11(又は撮像装置1)による撮影を指し、表示及び表示画面とは表示部15における表示及び表示画面を指す。
【0025】
図2は、撮像部11の内部構成図である。撮像部11は、光学系35と、絞り32と、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどから成る撮像素子(固体撮像素子)33と、光学系35や絞り32を駆動制御するためのドライバ34と、を有している。光学系35は、撮像部11の画角を調節するためのズームレンズ30及び焦点を合わせるためのフォーカスレンズ31を含む複数枚のレンズから形成される。ズームレンズ30及びフォーカスレンズ31は光軸方向に移動可能である。主制御部13からの制御信号に基づき、光学系35内におけるズームレンズ30及びフォーカスレンズ31の位置並びに絞り32の開度(即ち絞り値)が制御される。撮像素子33は、水平及び垂直方向に複数の受光画素が配列されることによって形成される。撮像素子33の各受光画素は、光学系35及び絞り32を介して入射した被写体の光学像を光電変換し、該光電変換によって得られた電気信号をAFE12(Analog Front End)に出力する。
【0026】
AFE12は、撮像部11(撮像素子33)から出力されるアナログ信号を増幅し、増幅されたアナログ信号をデジタル信号に変換してから主制御部13に出力する。AFE12における信号増幅の増幅度は主制御部13によって制御される。
【0027】
主制御部13は、AFE12の出力信号によって表される画像に対して必要な画像処理を施し、画像処理後の画像についての映像信号を生成する。ここで生成される映像信号も、撮像部11(撮像素子33)の出力信号も、AFE12の出力信号も、被写体の画像信号の一種である。AFE12の出力信号そのものによって表される画像、又は、AFE12の出力信号そのものによって表される画像に対して所定の画像処理を施して得られる画像を、入力画像という。
【0028】
内部メモリ14は、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)等にて形成され、撮像装置1内で生成された各種データを一時的に記憶する。表示部15は、液晶ディスプレイパネル等の表示画面を有する表示装置であり、主制御部13の制御の下、入力画像や記録媒体16に記録されている画像などを表示する。表示部15にはタッチパネル15aが設けられており、ユーザは、表示部15の表示画面を操作体(指やタッチペンなど)で触れることで撮像装置1に様々な指示を与えることができる。タッチパネル15aを割愛することも可能である。記録媒体16は、カード状半導体メモリや磁気ディスク等の不揮発性メモリであり、主制御部13による制御の下、入力画像の映像信号等を記録する。操作部17は、静止画像の撮影指示を受け付けるシャッタボタン17a及び動画像の撮影開始指示又は撮影終了指示を受け付ける録画ボタン17b等を備え、ユーザからの各種操作を受け付ける。シャッタボタン17a及び録画ボタン17bは、タッチパネル15a上のボタンであってもよい。表示部15の表示内容の制御及び表示部15に表示されるべき任意の画像(例えば、後述のスクラップブック画像)の生成処理を、例えば、主制御部13に設けられた表示制御部21にて行うことができる。
【0029】
マイク部18は、撮像装置1の周辺音を電気信号である音響信号に変換して出力する。得られた音響信号は、主制御部13による制御の下で記録媒体16に記録されうる。スピーカ部19は、1以上のスピーカから成り、記録媒体16に記録された音響信号など、任意の音響信号を音として出力する。現在地検出部20は、グローバルポジショニングシステム(GPS)を形成する衛星からの送信信号を受信し、受信信号に基づき撮像装置1の現在地(少なくとも緯度及び経度を含む)を検出して検出現在地を表す現在地情報を生成する。
【0030】
撮像装置1は、複数の動作モードの何れかにて動作し、複数の動作モードの中にはシナリオ撮影モード及びシナリオ再生モードが含まれる。シナリオ撮影モードでは、定められた撮影シナリオに沿って静止画像又は動画像の撮影が成されるように、撮像装置1がユーザに対して適宜通知(アドバイス)を行う。シナリオ再生モードでは、撮影シナリオに沿って撮影された画像群の再生を行う。シナリオ撮影モードを含む撮影モードにおけるユーザは主として撮影者であり、シナリオ再生モードを含む再生モードにおけるユーザは主として撮像装置1の操作者又は視聴者である。
【0031】
1つの撮影シナリオは複数の基準シーンを含んで構成されており、撮像装置1は、各基準シーンにおける画像が撮影されるように必要なタイミングにおいて上記通知を行う。例えば、図3に示す基準シーンSN[1]〜SN[6]を含む撮影シナリオSRが用いられる場合、基準シーンSN[1]〜SN[6]の実撮影画像RI[1]〜RI[6](図5参照)が得られるように上記通知を行う。図4には、基準シーンSN[1]〜SN[6]に対応するテンプレート画像TM[1]〜TM[6]が示されている。撮影画像RI[1]〜RI[6]が得られた場合、シナリオ再生モードにおいて、画像RI[1]〜RI[6]の一括表示等を行うことができる。図3〜図5の詳細については後述する。
【0032】
図6は、シナリオ撮影モードの動作に特に関与する部位のブロックである。図6に示される各部位を撮像装置1(例えば主制御部13)に設けておくことができる。
【0033】
撮影シナリオ記憶部51は、複数の撮影シナリオを登録及び記憶する部位である。撮像装置1の設計段階又は製造段階にて登録されるべき各撮影シナリオを定めておくことができる。登録される何れかの撮影シナリオは、パーソナルコンピュータ上で動作するシナリオ作成プログラムなどを適宜利用しつつ、ユーザによって定められても良い。図7に示す如く、例えば、登録された複数の撮影シナリオは複数のカテゴリに分類されていても良い。各カテゴリは1以上の撮影シナリオを含む。ユーザは、操作部17に対して所定のシナリオ選択操作を成すことで、何れかのカテゴリに属する何れかの撮影シナリオを選択することができる。
【0034】
各撮影シナリオは複数の基準シーンを含む。図8に1つの撮影シナリオの構造を示す。各々の基準シーンは、撮像部11によって撮影されるべきシーンを規定しており、図8に示す如く、撮影シナリオ記憶部51は、撮影されるべき被写体(即ち撮影対象)及び撮影されるべき被写体の存在場所などを基準シーンごとに定めて記憶している(撮影されるべき被写体のみ又は被写体の存在場所のみが定められていることもある)。更に、撮影シナリオ記憶部51は、各々の基準シーンに対応するテンプレート画像を記憶しており、或る基準シーンのテンプレート画像には、当該基準シーンにおける撮影対象(撮影されるべき被写体)の画像が含まれている。撮影されるべき被写体及び被写体の存在場所並びにテンプレート画像を含む情報を基準シーン情報と呼ぶ。基準シーン情報は、更に構図情報を含みうる(構図情報の詳細は後述)。図8に示す如く、各々の撮影シナリオは、自身に対応する基準シーン情報を含んでいる。
【0035】
例えば、登録シナリオ記憶部51に登録された1つの撮影シナリオSRは、図3に示すように基準シーンSN[1]〜SN[6]を含んでおり、基準シーンSN[1]〜SN[6]に対応するテンプレート画像TM[1]〜TM[6]が撮影シナリオ記憶部51に記録されている。撮影シナリオSRの表題として、例えば「古都NRのグルメドライブ」という文言がユーザに示される。図3及び図4を参照し、シーンSN[1]は、特定の建造物301を被写体として含むシーンであり、シーンSN[2]は、特定の料理店302を被写体として含むシーンであり、シーンSN[3]は、任意の料理303を被写体として含むシーンであり、シーンSN[4]は、任意の鹿304を被写体として含むシーンであり、シーンSN[5]は、特定の石碑305を被写体として含むシーンであり、シーンSN[6]は、任意又は特定の山306を被写体として含むシーンである。例えば、建造物301、料理店302及び石碑305の存在場所は、撮影シナリオSRの基準シーン情報に含められ、撮像装置1にとって既知である。
【0036】
図6の対象シナリオ設定部52は、撮影シナリオ記憶部51に登録された複数の撮影シナリオの内、シナリオ選択操作によって選択された撮影シナリオを対象シナリオに設定し、対象シナリオの基準シーン情報を撮影シナリオ記憶部51から読み出してシーン照合部53に送る。
【0037】
シーン照合部53は、現在の撮影シーン(撮像部11の撮影領域内におけるシーン)と対象シナリオの各基準シーンとの照合を行う。この照合を成す処理をシーン照合処理と呼ぶ。シーン照合部53は、現在の撮影シーンが対象シナリオの何れかの基準シーンに適合している場合には適合信号を通知部55に出力する一方で、そうでない場合には不適合信号を通知部55に出力する。シーン照合部53は、入力画像の画像信号及び現在地検出部20からの現在地情報の内の少なくとも一方と、対象シナリオの基準シーン情報とに基づいてシーン照合処理を行うことができる。
【0038】
撮影完了状況管理部54は、対象シナリオの各基準シーンに対応する画像の撮影完了状況を管理する、即ち、対象シナリオの基準シーンについての撮影(画像の撮影)が完了しているか否かを基準シーンごとに管理する。
【0039】
通知部55は、シーン照合部53の照合結果及び管理部54の管理結果に基づき、必要に応じて、撮影による画像取得をユーザに対して促すための撮影指令通知を行う。
【0040】
以下では、特に記述無き限り、図3の撮影シナリオSRが対象シナリオに設定されたことを想定し、シーン照合部53等の動作を詳細に説明する。
【0041】
図9は、シナリオ撮影モードにおいて、対象シナリオが選択された後の撮像装置1の動作フローチャートである。対象シナリオの選択後、全基準シーン(SN[1]〜SN[6])の撮影が完了するまで、ステップS11〜S14の処理が繰り返し実行される。
【0042】
まず、ステップS11において、シーン照合部53は上記シーン照合処理を行い、適合又は不適合信号を送出する。シーン照合処理の方法例を幾つか説明する。
【0043】
シーン照合処理の第1方法例において、シーン照合部53は、基準シーンSN[i]に対応するテンプレート画像TM[i]の画像信号と現在の入力画像の画像信号とに基づくマッチング処理により、テンプレート画像TM[i]と入力画像の全体画像又は部分画像との類似度合いを求める。そして例えば、シーン照合部53は、類似度合いが所定の基準度合い以上である場合は、現在の撮影シーンが基準シーンSN[i]に適合していると判断する一方で、そうでない場合は現在の撮影シーンが基準シーンSN[i]に適合していないと判断する。シーン照合部53は、このような分岐判断を基準シーンごとに実行可能である(後述の第2及び第3方法例においても同様)。iは整数である。
【0044】
シーン照合処理の第2方法例において、シーン照合部53は、入力画像の画像信号に基づき撮像部11の撮影領域内に収まっている被写体の種類(人物、顔、犬、猫、自動車、料理、海など)を検出する物体検出処理を実行し、物体検出処理の検出結果を利用して、現在の撮影シーンが基準シーンSN[i]に適合しているか否かを判断する。シーン照合部53は、撮像部11の撮影領域内に収まっている被写体の種類が基準シーンSN[i]に含まれるべき被写体の種類と一致しているとき、現在の撮影シーンが基準シーンSN[i]に適合していると判断することができ、そうでないとき、現在の撮影シーンが基準シーンSN[i]に適合していないと判断することができる。
【0045】
シーン照合処理の第3方法例では、基準シーンSN[i]の基準シーン情報に“撮影されるべき被写体の存在場所”が含まれていることを想定する(図8参照)。第3方法例において、シーン照合部53は、当該存在場所と現在地情報との一致性を評価し、当該存在場所が撮像装置1の現在地と一致する場合は現在の撮影シーンが基準シーンSN[i]に適合していると判断することができ、そうでない場合は現在の撮影シーンが基準シーンSN[i]に適合していないと判断することができる。
【0046】
任意の基準シーンに対するシーン照合処理を、上記の第1、第2若しくは第3方法例の何れか、又は、2以上の方法例の組み合わせによって実現することができる。例えば、基準シーンSN[3]、SN[4]又はSN[6]に対するシーン照合処理では、上記の第1又は第2方法例を用いることができ、基準シーンSN[2]に対するシーン照合処理では、上記の第1、第2又は第3方法例を用いることができ、基準シーンSN[1]及びSN[5]に対するシーン照合処理では、上記の第3方法例を用いることができる。
【0047】
管理部54は、例えば、図10に示すような、基準シーンSN[1]〜SN[6]の撮影が完了したか否かを基準シーンごとに表す管理情報330を保持する。管理情報330は、管理部54の管理結果の例である。
【0048】
何れかの基準シーンSN[i]について適合信号が送出された場合、ステップS11に続くステップS12において、通知部55は、適合信号に応じて撮影指令通知を成す。この際、通知部55は、管理情報330と適合信号に基づき、現在の撮影シーンが撮影未完了の基準シーンに適合している場合に限って撮影指令通知を成すようにする。これを実現すべく、現在の撮影シーンが何れの基準シーンと適合しているのかを指し示す情報を、シーン照合部53からの適合信号に含めておくと良い。或いは、管理情報330を照合部53に与え、撮影未完了の基準シーンに対してのみ、ステップS11のシーン照合処理を行うようにしても良い。
【0049】
ステップS12に続くステップS13において、撮影指令通知を認識したユーザは、所定の撮影指示操作を操作部17に対して成す。撮影指示操作は、シャッタボタン17a又は録画ボタン17bの押下操作である。撮影指示操作に従って取得される、撮像装置1の撮影画像を特に実撮影画像とも呼ぶ(図5参照)。シャッタボタン17aの押下操作後、撮像装置1は、入力画像の画像信号に基づく1枚以上の静止画像を実撮影画像として取得する。撮影指示操作が録画ボタン17bの押下操作である場合、撮像装置1は、録画ボタン17bの1回目の押下操作時点から2回目の押下操作時点までに得られた複数の入力画像を複数のフレーム画像として持つ動画像を、実撮影画像として取得する。実撮影画像は記録媒体16に記録される。この際、基準シーンSN[1]〜SN[6]に対応する実撮影画像RI[1]〜RI[6]を互いに関連付けて記録媒体16に記録することができる。
【0050】
ステップS13の後、ステップS14における実撮影画像の登録処理及び確認表示を経て、管理部54は、全基準シーン(SN[1]〜SN[6])の撮影が完了したか否かを判断する(ステップS15)。全基準シーン(SN[1]〜SN[6])の撮影が完了していない場合には、ステップS14からステップS11に戻って、ステップS11〜S14の処理が再度実行される。ステップS14の処理については後述する。
【0051】
例えば、基準シーンSN[i]に対する撮影指令通知が成され、撮影指示操作に従って実撮影画像RI[i]が取得された際、撮像装置1は、実撮影画像RI[i]を表示部15に表示させた状態でユーザからの所定の確認操作を操作部17にて受け付ける。管理部54は、確認操作が操作部17に成された場合に、基準シーンSN[i]の撮影(換言すれば、実撮影画像RI[i]の取得)が完了したと判断し、その判断内容に沿って図10の管理情報330を更新することができる。或いは例えば、基準シーンSN[i]に対する撮影指令通知が成され、撮影指示操作に従って実撮影画像が取得された際、撮像装置1は、その実撮影画像とテンプレート画像TM[i]との類似度合いを求め、その類似度合いが所定の基準度合い以上である場合に、管理部54は、基準シーンSN[i]の撮影が完了したと判断しても良い。これと類似するが、例えば、基準シーンSN[i]に対する撮影指令通知が成され、撮影指示操作に従って実撮影画像が取得された際、撮像装置1は、その実撮影画像の特徴量を抽出して、抽出特徴量と、基準シーンSN[i]に含められるべき被写体の特徴量(該特徴量を基準シーン情報に予め設定しておくことができる)とを比較し、その比較結果に基づいて、管理部54は、基準シーンSN[i]の撮影が完了したか否かを判断するようにしても良い。
【0052】
上記のような処理により、例えば、対象シナリオの設定後、撮像部11の撮影領域内に特定の建造物301が収まっている状況又は特定の建造物301を収めることができる状況において第1の撮影指示通知が成され、それを受けた撮影指示操作に従い、実撮影画像RI[1]が取得される(図4及び図5参照)。その後、ユーザが特定の料理店302に至れば、第2の撮影指示通知が成され、それを受けた撮影指示操作に従い、実撮影画像RI[2]が取得される。以後、同様にして実撮影画像RI[3]〜RI[6]を得ることができる。
【0053】
上述の如く、シナリオ撮影モードでは、所望のシナリオに適したタイミングにて撮像装置1が撮影指令通知を発する。これにより、所望のシナリオに沿ったシーンの撮影機会逸失が防止される。ユーザは、撮影指令通知に従って撮影操作を成せば良く、これによって、撮影シナリオ「古都NRのグルメドライブ」に沿ったストーリー仕立ての映像(物語性を有する映像)を集めることができる。シナリオ再生モードにおいて、例えば、複数の実撮影画像を一括表示又はスライドショー表示することにより、上記ストーリー仕立ての映像(物語性を有する映像)を視聴者に見せることができる。このように、本実施形態によれば、ユーザに特段の撮影知識及び編集知識がなくても、望ましい映像(例えば、視聴者にとって印象的な又は退屈させない映像)を容易に取得することが可能である。
【0054】
以下、上述の構成及び動作を基本とする、撮像装置1の詳細な動作例若しくは構成例又はそれの関連技術を、複数の実施例の中で説明する。矛盾無き限り、以下に述べる複数の実施例の内、任意の2以上の実施例を組み合わせて実施することもできる。
【0055】
[第1実施例]−対象シナリオの選択画面−
第1実施例を説明する。上述したように、ユーザは、登録された複数の撮影シナリオの中から対象シナリオを選択することができる。シナリオ選択操作を受け付ける際、表示制御部21は登録された各撮影シナリオの内容を表示部15に表示させることができ、ユーザは表示内容を見た上で対象シナリオを選択することができる。
【0056】
例えば、登録された撮影シナリオの1つである撮影シナリオSRの内容の表示を、スクラップブック画像400(図11参照)の表示によって実現することができる。スクラップブック画像400は、撮影シナリオSRの表題「古都NRのグルメドライブ」の文言と、テンプレート画像TM[1]〜TM[6]とを内包する画像である。図12の画像410は、スクラップブック画像の元になる穴空き画像である。穴空き画像410は、矩形画像であって、該矩形画像内には、撮影シナリオSRの表題が当てはめられるべき領域420と、6つの領域421〜426が設定される(但し、穴空き画像410の外形は矩形以外であっても良い)。穴空き画像410の領域420に撮影シナリオSRの表題「古都NRのグルメドライブ」をはめ込み、且つ、穴空き画像410の領域421〜426に夫々テンプレート画像TM[1]〜TM[6]をはめ込むことで、スクラップブック画像400が得られる。
【0057】
ユーザは、スクラップブック画像400の表示内容を確認した上で、撮影シナリオSRを対象シナリオとして選択指定することができる。スクラップブック画像400が表示されている状態で所定操作を操作部17に成せば、登録された他の撮影シナリオについてのスクラップブック画像が表示され、シナリオ選択操作により、登録された他の撮影シナリオを対象シナリオに選択指定することもできる。図13の画像440は、登録された他の撮影シナリオについてのスクラップブック画像の例である(図13において、登録された他の撮影シナリオに属するテンプレート画像TM[1]’〜 TM[6]’の内容図示を割愛)。このようなスクラップブック画像の表示を可能にしておくことにより、シナリオ撮影モードの撮影操作で得ることのできるシナリオの全体像を予めユーザに知らしめることができる。
【0058】
尚、スクラップブック画像400(又は440)に含まれるテンプレート画像の枚数は2以上であれば何枚でも良い(但し、該枚数を1にすることも可能)。撮影シナリオに属する基準シーンの個数が相当に多い場合には、スクロール表示等を利用してテンプレート画像の全体像を表示するようにしても良い。表示制御部21は、任意の画像を表示する際、必要に応じて、画像の解像度変換(画像サイズの拡大又は縮小)を行うことができる。
【0059】
[第2実施例]−撮影指令通知−
第2実施例を説明する。撮影指令通知は、基準シーンの画像撮影を促すための、ユーザの五感に訴える任意の通知である。例えば、撮影指令通知は、表示部15又はスピーカ部19等を用いた、映像又は音による通知であっても良いし、撮像装置1に設けられた発光デバイス(不図示)の点灯又は点滅によって撮影指令通知を成しても良い。映像による撮影指令通知が成される時の表示画面の例を図14(a)に示す。尚、図14(a)を含む、表示画面の内容例を示す図面において、斜線領域は表示部15の筐体部分を表す。また、撮像装置1と撮像装置1以外の電子機器(不図示)との間で通信を可能にしておき、通知部55が通信を利用して当該電子機器に指令を出すことにより当該電子機器上で実際の撮影指令通知がなされるようにしても良い。尚、撮像装置1がスリープ状態又はスタンバイ状態であるときには、上述した音による撮影指令通知、又は、発光デバイス若しくは撮像装置1以外の電子機器を用いた撮影指令通知が有益である。撮像装置1がスリープ状態又はスタンバイ状態であるとき、撮像装置1における画像信号の生成動作及び表示部15の表示動作は停止しており、このときには、現在地情報及び基準シーン情報(図8参照)に基づくシーン照合処理を実行可能である。
【0060】
撮影指令通知が成されるとき、表示制御部21は、その時点の入力画像を表示部15に表示するようにしても良いが、どのようなシーンをどのような構図で撮影すれば良いかをユーザに知らしめるべく、撮影指令通知が成されるとき、対応する基準シーンにマッチする画像を表示するようにしても良い。例えば、基準シーンSN[1]に対応する適合信号が出力され、基準シーンSN[1]の画像の撮影を促すための撮影指令通知が成される際、図14(b)に示す如く、映像表示によって撮影指令通知を行うと共にモデル画像を表示するようにしても良い。モデル画像は、テンプレート画像TM[1]でも良いし、テンプレート画像TM[1]の類似画像であっても良い。当該類似画像は、記録媒体16に記録されていても良い。また、当該類似画像は、現在の撮影者以外の撮影者が過去に撮影した画像であっても良い。
【0061】
[第3実施例]−構図変更通知−
第3実施例を説明する。基準シーンSN[i]について撮影指令通知を成すとき、撮像装置1は、基準シーンSN[i]に適した構図を判定し、必要に応じて構図の変更を促すようにしても良い。この判定を、通知部55に設けられうる構図判定部56にて成すことができる(図15参照)。構図の判定には、基準シーン情報に含まれうる構図情報が必要となる(図8参照)。構図情報は、何れかの基準シーンに付随する情報であり、ここでは、基準シーンSN[1]〜SN[6]の何れかでありうる特定の基準シーンSN’に構図情報460が付随している場合を考える(図15参照)。
【0062】
構図情報460は、基準シーンSN’の撮影時において採用されるべき撮影構図を規定している。基準シーンSN’について撮影指令通知を成すとき、構図判定部56は、その時点の入力画像の画像信号に基づき現在の撮影構図(撮像部11による撮影の構図)を判定して、現在の撮影構図(以下、実撮影構図という)と構図情報460に規定されている撮影構図(以下、推奨撮影構図という)とを対比し、実撮影構図を推奨撮影構図に一致させることを促すための構図変更通知を行う。但し、当該一致が既に得られている場合、構図変更通知は不要である。撮影指令通知と同様、構図変更通知の形態は任意である。
【0063】
例えば、基準シーンSN’が人間の顔を被写体に含めたシーンであって、且つ、構図情報460が入力画像上における顔の大きさ、位置又は向きを規定しているとき、その規定内容に沿うように構図変更通知を成すとよい。より具体的には例えば、現在の実撮影構図における入力画像の顔の大きさが推奨撮影構図に規定された顔の大きさよりも小さい場合、通知部55は、表示制御部21と協働して、現在の入力画像と共に文言「顔にズームしてください」又は「顔にズームした上で写真を撮ってください」を表示させると良い(図16(a)及び(b)参照)。顔の位置又は向きについても同様である。この際、推奨撮影構図の規定大きさ又は規定位置等を表すガイドラインを表示しても良い。表示を音声出力に代えても良い。構図変更通知に対して上述した「顔」は、顔以外の任意の種類の物体(犬、猫、建造物など)であっても良い。
【0064】
また例えば、対象シナリオの表題が「子供の初めての旅行」などである場合において、対象シナリオ内の基準シーンSN’が特定物体を被写体に含むシーンであって且つ推奨撮影構図が特定物体を子供の目線から撮影すべきことを規定しているとき、その規定内容に沿うように構図変更通知を成すとよい。構図判定部56は、現在の入力画像の画像信号に基づき実撮影構図における撮像部11の視点高さを推定し、実撮影構図の視点高さを推奨撮影構図に規定された視点高さに一致させるための構図変更通知を、映像表示又は音声出力等によって成すことができる。このような構図変更通知を成すことによって、対象シナリオにマッチした実撮影画像を取得することが可能となる。
【0065】
[第4実施例]−複数の対象シナリオの設定時−
第4実施例を説明する。対象シナリオ設定部52は、複数の撮影シナリオを複数の対象シナリオとして設定できても良い。この場合、照合部53、管理部54及び通知部55は、各対象シナリオに対して上述及び後述の動作を成すことができる。例えば、シナリオ選択操作において複数の撮影シナリオが属するカテゴリを一括して選択することで(図7参照)、当該カテゴリに属する全撮影シナリオが対象シナリオに設定されても良い。
【0066】
複数の対象シナリオが設定されている場合において、撮影指令通知を成す際、図17に示す如く、何れの対象シナリオ用に撮影を行うのかをユーザに通知するようにしても良い。通知の方法は任意であるが、図17の例では、スクラップブック画像(例えば、図11又は図13のスクラップブック画像400又は440)の表示によって、何れの対象シナリオ用に撮影を行うのかをユーザに通知している。複数の対象シナリオが設定されている場合、複数の対象シナリオ間で優先順位を定めておいても良く、撮影指令通知の内容及び方法を、優先順位の異なる対象シナリオ間で互いに異ならせても良い。
【0067】
[第5実施例]−記録残容量に対する配慮−
第5実施例を説明する。対象シナリオに沿って取得された実撮影画像は記録媒体16に記録される。主制御部13は、対象シナリオに沿って取得されるべき実撮影画像を記録媒体16に記録するために必要な記録容量が、記録媒体16の残容量(記録媒体16に追加的に記録することのできるデータの容量)よりも大きい場合、前者が後者以下となるように、残容量対策を成すことができる。
【0068】
第1の残容量対策として、例えば、記録媒体16に実際に記録される実撮影画像の解像度(画素数)を基準解像度から減らすことができる。上記の“必要な記録容量”とは、基準解像度で実撮影画像を記録媒体16に記録することを想定した場合に必要な記録容量である。
【0069】
第2の残容量対策として、対象シナリオに含まれる撮影が未完了の基準シーンの内、幾つかの基準シーンを、対象シナリオから削除しても良い。対象シナリオに属する複数の基準シーンの間で優先順位を予め定めておき、優先順位の低い方の基準シーンから当該削除を成すと良い。また、第4実施例で述べたように複数の対象シナリオが設定されていて且つ複数の対象シナリオ間で優先順位が定められている場合においては、優先順位が相対的に低い対象シナリオの基準シーンに対して、照合部53によるシーン照合処理を行わない又は通知部55による撮影指令通知を行わないようにしても良い。
【0070】
[第6実施例]−実撮影画像の登録処理及び確認表示−
第6実施例を説明する。第6実施例では、図9のステップS14にて実行可能な実撮影画像の登録処理及び確認表示を説明する。
【0071】
基準シーンSN[i]の撮影が完了したと判断した場合、ステップS14において、管理部54は、その判断内容に沿って図10の管理情報330を更新することで、基準シーンSN[i]の撮影画像である実撮影画像RI[i]を対象シナリオSRに登録する。この際、ステップS14の確認表示として、実撮影画像RI[i]を単に表示部15に表示するようにしても良いが、対象シナリオSRのどこに実撮影画像RI[i]が反映されるのかをユーザに示すようにしても良い。
【0072】
例として、基準シーンSN[1]〜SN[6]の撮影が完了していない状態を起点として、実撮影画像RI[5]が取得されたとき、図18に示す如く、スクラップブック画像400aを表示するようにしても良い。スクラップブック画像400aは、撮影シナリオSRの表題「古都NRのグルメドライブ」の文言と、テンプレート画像TM[1]〜TM[4]及びTM[6]と、実撮影画像RI[5]とを内包する画像である。図11のスクラップブック画像400のテンプレート画像TM[5]を実撮影画像RI[5]に置換することでスクラップブック画像400aが得られる。
【0073】
スクラップブック画像400に対して実撮影画像RI[5]の画像信号を実際に埋め込むことで当該置換を実現しても良い。或いは、実撮影画像RI[5]は記録媒体16に記録されるため、記録媒体16上の実撮影画像RI[5]をスクラップブック画像400にリンクさせ、当該リンクを利用して実撮影画像RI[5]の画像信号をスクラップブック画像400に適用することで当該置換を実現しても良い。上述したように、任意の画像を表示する際、必要に応じて、画像の解像度変換(画像サイズの拡大又は縮小)を行うようにしても良い。従って、スクラップブック画像400aにおける実撮影画像RI[5]は、実撮影画像RI[5]の縮小画像(例えば、実撮影画像RI[5]のサムネイル画像)であっても良い。
【0074】
任意の実撮影画像は静止画像又は動画像であり、実撮影画像RI[5]が動画像である場合、スクラップブック画像400aにおける実撮影画像RI[5]は動画像として表示されてもよい(或いは、実撮影画像RI[5]としての動画像の所定フレームが静止画像として表示されても良い)。実撮影画像RI[5]の取得後、図19に示す如く、まずスクラップブック画像400を表示させ、所定時間をかけて表示画像をスクラップブック画像400からスクラップブック画像400aへ徐々に変化させるようにしても良い。
【0075】
上述の如く、基準シーンSN[i]が撮影されることによって実撮影画像RI[i]が得られたとき、表示部15上において、基準シーンSN[i]に対応するテンプレート画像TM[i]を実撮影画像RI[i]に置き換える。特に、図18に示すような表示を成すことで、ユーザは、実撮影画像が対象シナリオのどの部分に反映されるのかを確認することができると共に対象シナリオの実撮影結果が集まってゆく様子をリアルタイムで確認することができ、撮影操作を行う楽しみが向上する。
【0076】
任意のスクラップブック画像は複数の要素画像を配列することで形成され、各要素画像はテンプレート画像又は実撮影画像である。例えば、スクラップブック画像400は、テンプレート画像TM[1]〜TM[6]を6枚の要素画像として含んだスクラップブック画像である。1以上の実撮影画像が取得された後に表示されるスクラップブック画像(例えば画像400a)は、1以上の実撮影画像を上記複数の要素画像に含めたスクラップブック画像である。1つのスクラップブック画像に配列される要素画像の個数は2以上であれば幾つでも良い。
【0077】
但し、任意のスクラップブック画像に含まれる要素画像の個数を1にすることも可能である。例えば、撮影シナリオ記憶部51又は対象シナリオ設定部52において、基準シーンSN[1]〜SN[6]の内、何れか1つの基準シーンを代表シーンとして定めておく。ここでは、基準シーンSN[5]が代表シーンであるものとする。基準シーンSN[5]を代表シーンとして含んだ撮影シナリオSRが対象シナリオとして設定されたとき、表示制御部21にて、代表シーンに対応する1枚のテンプレート画像TM[5]のみを含んだスクラップブック画像470を生成し、テンプレート画像470を表示部15に表示させても良い(図20(a)参照)。この後、図9のステップS11〜S13の処理を経て、実撮影画像RI[5]が取得されたとき、スクラップブック画像470におけるテンプレート画像TM[5]を実撮影画像RI[5]に置換することで、図20(b)に示すようなスクラップブック画像470aを生成し且つ表示するようにしても良い(置換の方法は上述したものと同様)。図19に示したものと同様、実撮影画像RI[5]の取得後、まずスクラップブック画像470を表示させ、所定時間をかけて表示画像をスクラップブック画像470からスクラップブック画像470aへ徐々に変化させるようにしても良い。代表シーンを撮影シナリオSRの表紙等として機能させることができ、図20(b)に示すような表示を成すことで、ユーザは、表紙等として機能しうる代表シーンの実撮影結果が得られたことを認識することができる。
【0078】
尚、テンプレート画像TM[5]と置換することが可能な実撮影画像が複数存在する場合、即ち、基準シーンSN[5]の実撮影画像が複数存在していると判断される場合、基準シーンSN[5]の実撮影画像が複数存在していることをユーザに認識させるための表示を行っても良い。例えば、基準シーンSN[5]の実撮影画像として実撮影画像481〜484が取得された場合、図21(a)に示す如く、画像481〜484を部分的に重なり合わせながら同時表示しても良いし、図21(b)に示す如く、画像481〜484を互いに分離して同時表示するようにしても良い。これらの表示を行っている状態で、ユーザが操作部17に成した置換対象選択操作に応答して、撮像装置1は、テンプレート画像TM[5]に置換されるべき実撮影画像を画像481〜484の中から選択決定するようにしてもよい。
【0079】
[第7実施例]−テンプレート画像と実撮影画像との表示区別−
第7実施例を説明する。ステップS14の確認表示において、表示された画像が未撮影のものであるのか否かをユーザが識別できるように、表示制御部21は、未撮影画像(即ち、テンプレート画像)と実撮影画像との間で表示方法を互いに異ならせても良い。これにより、ユーザは上記識別を容易に行えるようになる。
【0080】
例えば、図22(a)〜(c)に示す如く、実撮影画像RI[i]を表示する際には所定枠510又は所定アイコン512を実撮影画像RI[i]に付与して表示する一方で、未撮影画像としてのテンプレート画像TM[i]を表示する際には所定枠510及び所定アイコン512をテンプレート画像TM[i]に付与しないようにしても良く(図22(a)〜(c)において、i=5)、その付与の有無は逆であっても良い。また例えば、未撮影画像としてのテンプレート画像TM[i]を表示する際には、表示制御部21等においてテンプレート画像TM[i]に対し所定の画像処理(例えば、階調又は彩度を低減させる処理、画像信号を二値化する処理)を適用し、画像処理後のテンプレート画像TM[i]を表示するようにしてもよい。
【0081】
未撮影画像及び実撮影画像間での表示方法の変更は、スクラップブック画像を表示する際に特に好適である。例えば、第6実施例で述べたスクラップブック画像400aを表示する際、図23に示す如く、未撮影画像(即ち、テンプレート画像TM[1]〜TM[4]及びTM[6])と実撮影画像RI[5]との間で表示方法を互いに異ならせると良い。図23の例では、スクラップブック画像400aにおいて、実撮影画像RI[5]にのみ所定枠510が付与されている。
【0082】
[第8実施例]−シナリオ再生モードにおける動作−
第8実施例を説明する。第8実施例では、シナリオ再生モードにおける撮像装置1の動作を説明する。事前にシナリオ撮影モードにおいて、対象シナリオSRの幾つかの基準シーンに対して撮影が成され、対象シナリオSRに属する幾つかの実撮影画像が記録媒体16に記録されているものとする。シナリオ再生モードにおいて、主制御部13に設けられたシナリオ再生制御部61(図24参照)には、記録媒体16の記録内容が伝達され、更に必要に応じてテンプレート画像が与えられる(テンプレート画像は記録媒体16に記録されていても良い)。シナリオ再生制御部61は、図1の表示制御部21に含まれると考えても良い。
【0083】
シナリオ再生モードにおいて、ユーザが対象シナリオSRの再生を指示すると、対象シナリオSRに属する実撮影画像が少なくとも再生される。シナリオ再生モードにおける再生とは、任意の再生媒体上への再生(任意の再生媒体への画像出力を含む)であり、再生媒体は、表示部15、表示部15と異なり且つ撮像装置1に接続された外部表示装置(テレビ受信機など)、又は、紙であり、更に、画像を表現可能な任意の媒体(樹脂板など)を含みうる。第8実施例で述べる表示とは、特に記述なき限り、表示部15又は外部表示装置における表示を指す。再生媒体が紙である場合、シナリオ再生制御部61は、紙に印刷されるべき画像の画像信号を、撮像装置1に接続された印刷機(不図示)に送出し、これによって当該画像の紙上への再生を実現する。
【0084】
シナリオ再生モードには、対象シナリオSRに属する実撮影画像のみを再生するモードMODの他に、テンプレート画像をも再生するモードMODがある。モードMODでは、対象シナリオSRに属する複数の基準シーンSN[1]〜SN[6]の内、未撮影のシーンがある場合には、未撮影のシーンに対応するテンプレート画像をも再生する。ユーザは、操作部17に対する所定操作によってモードMOD又はMODを選択可能である。
【0085】
今、対象シナリオSRの実撮影画像として、実撮影画像RI[1]、RI[2]、RI[3]及びRI[5]のみが取得されて記録媒体16に記録されていることを想定する。シナリオ再生制御部61は、この想定下において、モードMODによる再生を成す場合、図25(a)に示すスクラップブック画像551を生成して再生することができ、モードMODによる再生を成す場合、図25(b)に示すスクラップブック画像552を生成して再生することができる。
【0086】
スクラップブック画像551は、要素画像としての4枚の画像RI[1]、RI[2]、RI[3]及びRI[5]を配列して構成された画像であるのに対し、スクラップブック画像552は、要素画像としての6枚の画像RI[1]、RI[2]、RI[3]、TM[4]、RI[5]及びTM[6]を配列して構成された画像である。尚、上述の想定とは異なるが、仮に実撮影画像RI[1]〜RI[6]が全て取得されている場合には、モードMOD及びMODの何れにおいても、画像RI[1]〜RI[6]を配列して構成されたスクラップブック画像553が再生される(図25(c)参照)。シナリオ再生制御部61は、図26(a)に示す如く、再生されるべき要素画像のサイズ(解像度)を再生媒体の大きさに応じて拡大又は縮小するようにしても良いし、図26(b)に示す如く、任意の要素画像を再生媒体上で傾けても再生しても良い。また、第7実施例で述べた方法をモードMODの再生に適用し、未撮影画像及び実撮影画像間で再生方法を変更するようにしても良い。
【0087】
シナリオ再生モードにおいて、ユーザは、表示された何れかのテンプレート画像TM[i]又は実撮影画像RI[i]を指定する操作(以下、特殊再生操作と呼ぶ)を操作部17に対して成すことができる。特殊再生操作を、スクラップブック画像の再生時に行うことができる。特殊再生操作が成された際、制御部61は、指定されたテンプレート画像TM[i]又は実撮影画像RI[i]を拡大表示(又は縮小表示)するようにしても良い。
【0088】
また例えば、テンプレート画像TM[i]又は実撮影画像RI[i]を指定する特殊再生操作が成された際、制御部61は、テンプレート画像TM[i]に関連付けられた関連情報の再生を行うようにしても良い。例えば、関連情報は撮影シナリオ記憶部51に予め記憶され、必要な時に関連情報が制御部61に伝達される。図27に、スクラップブック画像552の再生時において、実撮影画像RI[5]が特殊再生操作により指定されたときの再生内容例を示す。図27の例では、テンプレート画像TM[5]の関連情報570がスクラップブック画像552上に重畳されているが、関連情報570をスクラップブック画像552に隣接させて再生してもよい。関連情報の再生によって、再生結果を、旅行ガイドブック等としても利用することが可能となる。
【0089】
また例えば、実撮影画像RI[i]が動画像である場合において、実撮影画像RI[i]を指定する特殊再生操作が成された際、制御部61は、表示部15又は外部表示装置上で実撮影画像RI[i]を動画像として再生するようにしても良い。図28に、スクラップブック画像552の再生時において、実撮影画像RI[5]が特殊再生操作により指定されたときの再生内容例を示す。図28の図示内容からは明確ではないが、図28の例では、実撮影画像RI[5]が動画像として再生表示されている。
【0090】
また例えば、基準シーンSN[i]の撮影時(即ち、実撮影画像RI[i]の取得時)に音声情報が実撮影画像RI[i]と共に記録媒体16に記録されている場合において、実撮影画像RI[i]を指定する特殊再生操作が成された際、制御部61は、当該音声情報の再生を行うようにしても良い。当該音声情報は、基準シーンSN[i]の撮影時におけるマイク部18の出力音響信号そのもの、又は、その出力音響信号に所定の音響信号処理を施して得た音響信号を含む。当該音声情報は、基準シーンSN[i]の撮影前後において撮影者がマイク部18に対して吹き込んだ音声(音声メモ)であっても良い。実撮影画像RI[i]が動画像である場合には、実撮影画像RI[i]の撮影区間におけるマイク部18の出力音響信号から当該音声情報を得ても良い。制御部61は、音声情報に含まれる音響信号から人間の発声による言葉をテキストデータとして抽出し、テキストデータの再生を音声情報の再生として行うことができる。図29(a)及び図30(a)に、スクラップブック画像552の再生時において、実撮影画像RI[3]が特殊再生操作により指定されたときの再生内容例を示す(画像RI[3]に対応する音声情報が記録媒体16に記録されていることを想定)。図29(a)の例では、画像RI[3]の音声情報がテキストデータ580としてスクラップブック画像552上に重畳再生されている。図29(b)は、テキストデータ580の拡大図である。図30(a)の例では、画像RI[3]の音声情報から抽出されたテキストデータが、スクラップブック画像552における画像RI[3]上に重畳再生されている(テキストデータは音響信号の時系列に沿って順次表示されても良い)。図30(b)は、図30(a)の画像RI[3]部分の拡大図である。
【0091】
上述の如く、基準シーンSN[1]〜SN[6]の全部又は一部の撮影完了後、シナリオ再生モードにおいて、シナリオ再生制御部61は、1以上の実撮影画像を含む複数の画像をスクラップブック画像にまとめて再生媒体上に再生することができる。スクラップブック画像は、ストーリー仕立ての映像(物語性を有する映像)を集約したものである。従って、ユーザに特段の編集知識がなくても、望ましい再生結果(例えば、視聴者にとって印象的な又は退屈させない映像)を視聴者に提供することが可能となる。
【0092】
尚、再生されるスクラップブック画像に、上述したもの以外の任意の付加情報が含まれていても良い。付加情報は、任意のアイコン、実撮影画像の撮影日時などである。付加情報は、所謂ポップアップとして再生されても良い。実撮影画像の撮影日時は、実撮影画像ごとに再生されても良い。実撮影画像の撮影日時を実撮影画像と共に再生するのか否かを、シナリオ再生モード又は後述のシナリオ編集モードにおいて、ユーザが選択指定できても良い。1つの対象シナリオに属する要素画像の枚数が規定数以上である場合には、1つの対象シナリオに属する要素画像を複数のスクラップブック画像に分けて再生するようにしても良い。
【0093】
また、上述の例では、スクラップブック画像の再生によって複数の要素画像を同時に再生するようにしているが、所謂スライドショー形式で複数の要素画像を再生するようにしても良い。即ち例えば、対象シナリオに属する複数の要素画像を、1枚ずつ又は2枚以上ずつ時分割で順次再生(表示)するようにしても良い。
【0094】
また、シナリオ再生制御部61は、任意のスクラップブック画像を任意の規格に従ったイメージファイル(例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)に従ったイメージファイル又はビットマップファイル)に変換することができ、得られたイメージファイルを、記録媒体16に記録することができる又は当該イメージファイルを再生可能な機器(印刷機を含む)に出力することができる。これにより、撮像装置1以外の機器上でスクラップブック画像を再生(印刷を含む)することが可能となる。変換されるべきスクラップブック画像内の実撮影画像がサムネイル画像である場合には、そのサムネイル画像を真の実撮影画像に置き換えてから当該変換を成すと良い。また、第6実施例で述べた「リンク」を利用してスクラップブック画像が形成されている場合には、「リンク」を第6実施例で述べた「埋め込み」に変更してから当該変換を成すと良い。上記変換を成す際、上記イメージファイルには含まれない非出力データが存在していてもよく、ユーザは、非出力データに任意の情報を含めて記録媒体16に記録させておくことができる。非出力データには、例えば、ユーザが公開を望まない写真データ、ユーザが古都NRに行くときに利用した電車時刻表、ユーザが次回古都NRに行くときに参照しようとしている便宜上のコメント、ユーザのみが必要とする情報が含まれうる。
【0095】
[第9実施例]−シナリオ編集モードにおける動作−
第9実施例を説明する。第9実施例では、シナリオ編集モードにおける撮像装置1の動作を説明する。シナリオ編集モードでは、主制御部13に設けられたシナリオ編集部63(図31参照)が、対象シナリオに含まれるべき基準シーンを、ユーザの選択指定操作に従って設定する。選択指定操作は、操作部17に対して成され、削除操作と追加操作を含む。対象シナリオに含まれている或る基準シーンに対して削除操作が成された場合、シナリオ編集部63は、その基準シーンを対象シナリオから削除すると共に、その基準シーンに対応する実撮影画像又はテンプレート画像も対象シナリオから削除する。対象シナリオに含まれていなかった或る基準シーンに対して追加操作が成された場合、シナリオ編集部63は、その基準シーンを対象シナリオに追加すると共に、その基準シーンに対応する実撮影画像又はテンプレート画像も対象シナリオに追加する。このように、基準シーンの削除及び追加は、実撮影画像又はテンプレート画像の削除及び追加と等価である。
【0096】
選択指定操作の入力受け付け時の表示内容は任意であるが、ここでは、対象シナリオSRのスクラップブック画像を表示した状態で選択指定操作の入力受け付けを行う方法を説明する。
【0097】
対象シナリオSRの幾つかの基準シーンに対して撮影が成され、対象シナリオSRに属する幾つかの実撮影画像が記録媒体16に記録されている状態において、シナリオ編集モードを起動させることができる。この場合におけるシナリオ編集モードは、シナリオ再生モードの一種であっても良い。今、対象シナリオSRの実撮影画像として、実撮影画像RI[1]、RI[2]、RI[3]及びRI[5]のみが取得されて対象シナリオSRに含められているとする。この想定下において、シナリオ編集部63の制御の下、図32(a)のスクラップブック画像551が表示され、例えばユーザが画像RI[3]を対象として削除操作を成すと、画像RI[3]が対象シナリオSRから削除されて図32(b)のスクラップブック画像551aが表示されるようになる。この後、ユーザが画像RI[3]を対象シナリオSRに追加させる追加操作を成すと、画像RI[3]が対象シナリオSRに追加されて表示内容は図32(a)のそれに戻る。追加対象及び削除対象はテンプレート画像であっても良い。例えば、図25(b)のスクラップブック画像552が表示されている状態において、即ち、対象シナリオSRに画像RI[1]、RI[2]、RI[3]、TM[4]、RI[5]及びTM[6]が含まれている状態において、例えばユーザが画像TM[4]及びTM[6]を対象として削除操作を成すと、画像TM[4]及びTM[6]が対象シナリオSRから削除されて図25(a)のスクラップブック画像551が表示されるようになる。この後、ユーザが画像TM[4]及びTM[6]を対象シナリオSRに追加させる追加操作を成すと、画像TM[4]及びTM[6]が対象シナリオSRに追加されて表示内容は図25(b)のそれに戻る。
【0098】
また、シナリオ編集部63は、スクラップブック画像上における要素画像(実撮影画像又はテンプレート画像)の順序(換言すれば配置位置)を、ユーザが操作部17に入力した順序変更操作に従って変更することもできる。例えば、図25(b)と同じ、図33(a)のスクラップブック画像552の表示時において、画像TM[4]と画像RI[5]の順序(配置位置)を入れ替える順序変更操作が成された際、その入れ替えが成されたスクラップブック画像552a(図33(b)参照)が表示されると共に、対象シナリオSRは、その入れ替え後のものに更新される(画像552と画像552aでは、再生時における見栄えが異なる)。
【0099】
上述したような選択指定操作及び順序変更操作を可能にしておくことにより、ユーザの嗜好を加味したシナリオを作成することが可能となる。シナリオ再生制御部61は、選択指定操作又は順序変更操作に従って更新された対象シナリオのスクラップブック画像を、第8実施例の如く再生することができる。
【0100】
また、対象シナリオSRの各基準シーンに対して何ら実際の撮影がなされていない状態において、シナリオ編集モードを起動させることもできる。この場合、まず、図11のスクラップブック画像400が表示される。この状態で、ユーザが任意のテンプレート画像を指定して削除操作又は追加操作を成すことにより、指定されたテンプレート画像に対応する基準シーンが対象シナリオSRから削除又は対象シナリオSRに追加される。仮に、削除操作によって対象シナリオSRからテンプレート画像TM[6]が削除(即ち基準シーンSN[6]が削除)された場合、シナリオ撮影モードにおいて、図6のシーン照合部53は、基準シーンSN[6]に対して上述のシーン照合処理を行わず、結果、基準シーンSN[6]に対する撮影指令通知は成されえない。但し、この場合においても、基準シーンSN[6]に対してシーン照合処理を行うようにしても良く、通知部55は、基準シーンSN[6]についての適合信号が入力され且つ基準シーンSN[6]の撮影が未完了であるときには、撮影指令通知と異なる勧告通知(例えば、基準シーンSN[6]の撮影が必要でないかを問い合わせるような通知)をユーザに提示しても良い。
【0101】
また、対象シナリオSRの各基準シーンに対して何ら実際の撮影がなされていない状態においても、上述の順序変更操作は有効である。順序変更操作の結果は、シナリオ再生モードにおけるスクラップブック画像の再生レイアウトに反映される。それだけでなく、順序変更操作の結果はシーン照合処理に影響するものであってもよい。
この場合、前提として、例えば対象シナリオSRに含まれる複数の基準シーンに序列を与えておく。そして、シナリオ撮影モードの動作開始後、シーン照合処理を、まず第1順位の基準シーンのみを対象にして実行し、第1順位の基準シーンの撮影が完了した後に、シーン照合処理を第2順位の基準シーンのみを対象にして実行するようにしておく。同様に、第2順位の基準シーンの撮影が完了した後には、シーン照合処理を第3順位の基準シーンのみを対象にして実行するとよい(それ以降の順位の基準シーンについても同様)。シーン照合処理の対象となる基準シーンを限定することで、シーン照合処理の精度向上が期待される。
このような序列に従ったシーン照合処理を行うという前提において、上述の順序変更操作が成された際、順序変更操作に従って、各基準シーンに割り当てられる順位が変更される。複数の基準シーンに対応する複数の場所を如何なる順序で廻っていくのかを撮影者が予め決めている場合、その決定内容に従って撮影者は順序変更操作を成すことができる。例えば、石碑305のある寺に行ってから鹿304を見に行くことを予め決めている場合(図4参照)、基準シーンSN[5]の順位が基準シーンSN[4]の順位よりも高くなるように順序変更操作を成すことができる。
【0102】
<<変形等>>
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。上述の実施形態に適用可能な注釈事項として、以下に、注釈1〜4を記す。各注釈に記載した内容は、矛盾なき限り、任意に組み合わせることが可能である。
【0103】
[注釈1]
上述の実施形態では、主として、実撮影画像RI[i]が1枚の静止画像又は1つの動画像として取得されることを以って基準シーンSN[i]の撮影が完了したと考えているが、図6の撮影完了状況管理部54は、基準シーンSN[i]が複数回撮影されてはじめて、基準シーンSN[i]の撮影が完了したと判断するようにしても良い。基準シーンSN[i]を何回撮影すれば基準シーンSN[i]の撮影が完了するのかを、予め対象シナリオ設定部52が設定しておいてもよい。
【0104】
[注釈2]
上述のシナリオ再生モード又はシナリオ編集モードにおける動作を、撮像装置1以外の電子機器上で行うようにしても良い(撮像装置1も電子機器の一種である)。当該電子機器上には、撮像装置1に設けられた部位の全て、又は、撮像装置1に設けられた部位の内、シナリオ再生モード又はシナリオ編集モードの動作実現に必要な部位が備えられる。
【0105】
[注釈3]
撮像装置1は、任意の機器(携帯電話機などの携帯端末)に搭載されるものであっても良い。
【0106】
[注釈4]
図1の撮像装置1を、ハードウェア、或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって構成することができる。ソフトウェアを用いて撮像装置1を構成する場合、ソフトウェアにて実現される部位についてのブロック図は、その部位の機能ブロック図を表すことになる。ソフトウェアを用いて実現される機能をプログラムとして記述し、該プログラムをプログラム実行装置(例えばコンピュータ)上で実行することによって、その機能を実現するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0107】
1 撮像装置
11 撮像部
15 表示部
51 撮影シナリオ記憶部
52 対象シナリオ設定部
53 シーン照合部
54 撮影完了状況管理部
55 通知部
56 構図判定部
61 シナリオ再生制御部
63 シナリオ編集部
TM[i] テンプレート画像
RI[i] 実撮影画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の画像信号を生成する撮像部と、
撮影されるべき複数の基準シーンを定める撮影シナリオを設定するシナリオ設定部と、
前記撮像部の撮影シーンと各基準シーンとを照合する照合部と、
各基準シーンに対応する画像の撮影完了状況を管理する管理部と、
前記照合部の照合結果及び前記管理部の管理結果に応じた通知を成す通知部と、を備えた
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記通知は、前記撮像部による撮影を促すための通知を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記複数の基準シーンの内、1以上の基準シーンに対応する1以上のテンプレート画像を表示可能な表示部を更に備え、
前記1以上の基準シーンに含まれる対象基準シーンが撮影されることによって対象撮影画像が得られたとき、前記表示部上において、前記対象基準シーンに対応するテンプレート画像を前記対象撮影画像に置き換える
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記複数の基準シーンに対応する複数のテンプレート画像を表示可能であり、
前記複数の基準シーンに含まれる前記対象基準シーンが撮影されることによって前記対象撮影画像が得られたとき、前記表示部上において、前記対象基準シーンに対応するテンプレート画像を前記対象撮影画像に置き換える
ことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記表示部は、2以上の要素画像が配列されたスクラップブック画像を表示可能であって、前記複数の基準シーンに対応する画像が全て未撮影であるとき、前記複数のテンプレート画像に含まれる2以上のテンプレート画像を前記2以上の要素画像として含んだ第1スクラップブック画像を表示し、その後、前記対象撮影画像が得られたとき、前記対象撮影画像を前記2以上の要素画像に含めた第2スクラップブック画像を表示する
ことを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記照合部は、前記画像信号及び当該撮像装置の現在地情報の少なくとも一方に基づき、前記撮像部の撮影シーンが前記複数の基準シーンの何れかに適合しているか否かを判断する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の撮像装置。
【請求項7】
前記通知部は、前記照合結果及び前記管理結果に基づき前記撮影シーンが撮影未完了の基準シーンに適合していると判断されるとき、前記通知を成す
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の撮像装置。
【請求項8】
前記撮影シナリオは、前記複数の基準シーンに含まれる特定基準シーンに付随する構図情報を含み、
前記通知部は、前記通知を成す際、前記画像信号及び前記構図情報に応じて、前記特定基準シーンの撮影構図の変更を促す
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載の撮像装置。
【請求項9】
前記対象撮影画像が得られた後、前記表示部において前記対象撮影画像と何れかのテンプレート画像を表示する際、表示される前記対象撮影画像及び前記テンプレート画像間で表示方法を互いに異ならせる
ことを特徴とする請求項3乃至請求項5の何れかに記載の撮像装置。
【請求項10】
前記複数の基準シーンの一部又全部の撮影完了後、各基準シーンについての撮影画像を含む複数の画像をまとめて再生媒体上に再生する再生制御部を更に備えた
ことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れかに記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図24】
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【図31】
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【図4】
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【図5】
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【図14】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図23】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2013−90267(P2013−90267A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231555(P2011−231555)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】