説明

撮影システムおよびその制御方法

【課題】 撮影システムにアクセスするユーザが自身のIDおよびパスワードを容易に記憶でき、かつユーザ認証における高いセキュリティを実現する。
【解決手段】
デジタルカメラの撮影方向を上下左右に制御してID設定用画像を撮影し、これをビューワに表示する(S404)。ユーザは該ID設定用画像内においてユーザIDとしてのポイントを設定し(S405)、該設定されたポイントに応じたパスワードを設定する(S409)ことによって、該設定されたパスワードを前記ポイントに対応付けてユーザ情報として記憶する。そしてユーザ認証時には、ビューワに表示されたID設定用画像内においてユーザが画像領域を選択し、さらにパスワードを入力する。そして、該入力されたパスワードに対応するポイントが、選択された画像領域内に含まれていれば、ユーザ認証を可とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮影システムおよびその制御方法に関し、特にIDとパスワードによるユーザ認証を行う撮影システムおよびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、PAN(左右方向)およびTILT(上下方向)の方向制御動作を可能とする据え置き型のデジタルカメラと、該デジタルカメラで撮影された画像を表示するビューワとをネットワークで接続したカメラシステムが知られている。このようなカメラシステムにおいて、ユーザはビューワにログインすることによって、デジタルカメラによる撮影画像を閲覧することができる。
【0003】
一般に、上記カメラシステムをはじめとする各種の情報処理システムにおいては、当該システムに対するアクセス許可を与えるユーザを制限している。このようなユーザ制限の方法としては、ユーザを特定するIDおよびパスワードによる認証を行うことが最も通常に行われている。具体的には、システム管理者が操作許可を与える各ユーザに対して個人を特定するIDを付与し、該IDに対応したパスワードを、管理者またはユーザ自身が決定し、このIDとパスワードを関連付けて登録しておく。そして、当該システムへのログインの際に、ユーザに対してIDおよびパスワードの入力を求め、該入力結果に基づくユーザ認証を行う。すなわち、予め登録されているIDおよびパスワードの入力が行えないユーザに対しては、認証失敗としてシステムへのアクセスを禁止する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来例のIDおよびパスワードによるユーザ認証を行うシステムにおいては、一旦登録したパスワードをそのまま使用し続けると、悪意のある第三者によってパスワードが盗まれて、不正な認証が行われてしまうことが危惧される。このような問題を避けるために、定期的にIDおよび/またはパスワードを変更することを推奨するケースが増えている。しかしながら、IDおよび/またはパスワードを変更すると、ユーザが現在有効であるIDおよび/またはパスワードを忘れてしまう事態が懸念される。例えばユーザが現在有効であるパスワードを忘れてしまった場合、ユーザはシステム管理者に対してパスワードの再発行を依頼せねばならず、その再発行が完了するまで、当該システムが利用できないといった不都合が生じてしまう。
【0005】
本発明は上述した問題を解決するためになされたものであり、ユーザが自身のIDおよびパスワードを容易に記憶でき、かつユーザ認証における高いセキュリティを実現する撮影システムおよびその制御方法を提供することを目的とする。
を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための一手法として、本発明の撮影システムの制御方法は以下の工程を備える。
【0007】
すなわち、撮影方向を制御可能な撮像装置と、該撮像装置による撮影画像を表示可能なUI装置とを接続した撮影システムの制御方法であって、前記UI装置にID設定用画像を表示するID画像表示ステップと、前記ID設定用画像内においてユーザIDとしてのポイントを設定するID設定ステップと、該設定されたポイントに応じたパスワードを設定するパスワード設定ステップと、該設定されたパスワードを前記ポイントに対応付けてユーザ情報として記憶するパスワード記憶ステップと、該記憶されたユーザ情報に基づいてユーザ認証を行うユーザ認証ステップと、を有することを特徴とする。
【0008】
前記ユーザ認証ステップはさらに、ユーザが、前記ID設定用画像内においてユーザIDとしての画像領域を選択するID領域選択ステップと、前記ユーザがパスワードを入力するパスワード入力ステップと、該入力されたパスワードに対応する前記ポイントが、前記ID領域選択ステップで選択された画像領域内に含まれるか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにおいて前記ポイントが前記画像領域内に含まれると判定された場合にユーザ認証を可とする認証可ステップと、前記判定ステップにおいて前記ポイントが前記画像領域内に含まれないと判定された場合にユーザ認証を不可とする認証不可ステップと、を有することを特徴とする。
【0009】
例えば、前記ID設定用画像は、前記撮像装置によって撮影された画像であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上の構成からなる本発明によれば、ユーザが自身のIDおよびパスワードを容易に記憶でき、かつユーザ認証における高いセキュリティが実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照して、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
【0012】
<第1実施形態>
●システム構成
図1は、本実施形態が適用されるカメラシステムの構成を示すブロック図である。同図に示されるように本実施形態のカメラシステムは、据え置き型のデジタルカメラ100と、該デジタルカメラ100で撮影した画像が表示されるビューワ110が接続されることによって構成される。なお、デジタルカメラ100とビューワ110の接続は有線であっても無線であっても良い。
【0013】
まず、デジタルカメラ100の構成について説明する。101は被写体を撮影してデジタル画像を生成する撮像部である。撮像部101は、レンズ、絞り機構、カラーフィルタ、CCDやCMOSなどの撮像素子、CDS(相関2重サンプリング回路)、AGC(自動ゲイン制御用アンプ)、クランプ回路、A/D(アナログ/デジタル)変換回路等を含む。すなわち、レンズで受けた被写体の光を電荷に変え、その電荷をアナログ値からデジタル値に変換する。102は、撮像部101から出力された画像データをJPEGフォーマット等に圧縮する画像処理部である。103は内部データバスであり、画像処理部102で圧縮した画像データを送信するバスである。104は制御部であり、内部バス103に送られた画像データの制御を行うCPUを備える。105は記憶部であり、フラッシュメモリなどの不揮発メモリとSDRAM等の揮発メモリから成る。フラッシュメモリには、本システムの動作を行うためのプログラム等が予め記憶されており、SDRAMは、制御部104が演算を行う際のワーク領域や画像データを一時的に退避するエリアとなる。106はモータ駆動部、107はPAN(パン)/TILT(チルト)モータ部であり、すなわちモータ駆動部106はPAN/TILTモータ部107におけるPANモータおよびTILTモータを回転させるための駆動系である。PAN/TILTモータ部107におけるPANモータおよびTILTモータは、撮像部101におけるレンズをそれぞれ左右方向、上下方向に回転させるためのモータである。108は通信部であり、有線LANや無線LANなどの物理層、データリンク層から成り、インターネットや専用線を通じて画像データの送受信を行う。
【0014】
次に、ビューワ110の構成について説明する。109は通信部であり、デジタルカメラ100から送られてきた画像データを受信する。110は内部バスであり、通信部109で受信した画像データを送信するバスである。111は入力部であり、キーボードやマウスなどの機器から構成される。112は制御部であり、通信部109から送られてきた画像データや、入力部111から送られてきた要求コマンド等を制御するCPUを備える。113は記憶部であり、ROM(不揮発性メモリ)やRAM(揮発性メモリ)から成り、ROM内には予め記憶されたプログラムが格納され、RAMは制御部112のワークエリアや画像データの一時的な退避エリアとして使用される。114は画像表示駆動部であり、画像用メモリ(VRAM)と画像用ドライバから成る。115は画像表示部であり、画像表示駆動部114から送られてきた画像データや、記憶部113に記憶されていたプログラムデータ、入力部112で示される入力データや入力ポインタ(マウスカーソル等)等が表示される。
【0015】
●GUI
図2Aは、ビューワ110の画像表示部115に表示されるGUI(Graphical User Interface)の一例を示す図である。同図において、201は画像表示領域であり、デジタルカメラ100で撮影した画像を表示する。
【0016】
202,203はPANカーソルであり、デジタルカメラ100における撮影方向をそれぞれ左,右に移動(PAN)することを指示する。また、204,205はTILTカーソルであり、デジタルカメラ100による撮影方向をそれぞれ上,下に移動(TILT)するように指示する。ビューワ110においてこれらPAN/TILTカーソル202〜205が指示されると、これに応じて、デジタルカメラ100におけるモータ駆動部106によってPAN/TILTモータ部107が駆動され、撮像部101のレンズの向き(角度)が変わる。このとき、画像表示領域201にはデジタルカメラ100によって撮影されている画像データが逐次表示される。
【0017】
206は、本GUIを操作するユーザが、入力部111のマウス等を用いて指定したポイントを表す。このポイント指定の詳細については後述する。
【0018】
図2Bは、図2Aに示した画像表示領域201にx,yの平面座標を割り振った例を示す図である。図2Bにおいて、207は図2Aにおけるポイント206を該座標上に示した点である。
【0019】
図3は、デジタルカメラ100をPAN/TILTして撮影した複数枚の画像データを合成することによって作成される全体画像をXY平面座標上に示した図であり、すなわち、デジタルカメラ100によって撮影可能な全範囲の画像を示す。ここでは、撮像部101のレンズについての、PAN方向における調節範囲を示すPAN角を左右それぞれ44度、同じくTILT角を上下それぞれ33度とする。また、図3に示すXY座標平面においては、PAN角、TILT角の1度をそれぞれ、X,Y軸の1目盛りに対応させている。
【0020】
図3において、301は画像表示領域201に相当し、PAN,TILTのいずれも行われていない状態、すなわち(X,Y)=(0,0)の状態における、画像表示領域201の表示内容を示す。302も同様に画像表示領域201に相当するが、デジタルカメラ100をPAN角が−44度、TILT角が+33度として左上限界の撮影を行った場合に得られる画像表示領域201の表示内容を示す。この領域302におけるデジタルカメラ100のPAN角,TILT角はそれぞれ−44度,+33度であり、すなわち、領域302の中心点303が(X,Y)=(−44,33)の状態に相当する。
【0021】
上述したように本実施形態のカメラシステムにおいては、ユーザがビューワ110からPAN/TILT操作を行うことによって、遠隔地にあるデジタルカメラ100の撮影画像を見ることができる。本実施形態では、ユーザがビューワ110にアクセスする際にIDおよびパスワードによるセキュリティチェックを行うが、このIDとして、撮影画像を利用することを特徴とする。
【0022】
●IDおよびパスワード設定処理
以下、本実施形態におけるIDおよびパスワードの設定処理について、図4および図5A〜Dを用いて詳細に説明する。
【0023】
図4は、本実施形態におけるIDおよびパスワードの設定処理を示すフローチャートである。この設定処理は、ビューワ110に予め格納してあるアプリケーションソフトを起動することによって開始される(S401)。また図5A〜Dは、該アプリケーションソフトウェアを起動した際に、ビューワ110の画像表示部115に表示されるGUI例を示す図である。
【0024】
ステップS401で上記アプリケーションソフトが起動されると、ステップS402ではデジタルカメラ100でユーザIDとして利用する画像を撮影するために、ユーザに対して、撮影対象となる画像にカメラを向けてセットするように指示を出す。この指示は例えば、ビューワ110の画像表示部115に、「カメラを被写体の方向にセットして下さい」等のメッセージを表示すれば良い。
【0025】
ステップS403ではデジタルカメラ100のセットが済んだか否かをユーザに対して問い合わせる。するとユーザは図5Aに示すように、セットが終了していれば「はい」ボタンを、終了していなけば「いいえ」ボタンを押下する。「はい」ボタンが押下されると処理はステップS404に進み、「いいえ」ボタンが押下されるとステップS402に戻る。
【0026】
ステップS404では、ID用の画像撮影を開始して、図5Bに示すようなメッセージ表示を行って現在撮影中である旨をユーザに伝える。ここでID用の画像とは、上述した図3に示す全体画像に相当し、すなわちステップS404では、デジタルカメラ100を最大限にPAN/TILTして複数枚の画像を撮影し、これらを合成して全体画像を作成する。そして、ID用画像の撮影が完了するとステップS405に進む。このとき、撮影した複数枚の画像について、その撮影時のPAN角及びTILT角を関連付けて記憶しておく。
【0027】
ステップS405では、デジタルカメラ100で撮影した画像を表示し、ユーザにマウスやキーボードなどの入力機器を用いて、ユーザIDとなる1つまたは2つ以上の任意のポイントを撮影画像中でマークさせる。図5Cは、このポイントマーク用のGUI例を示す図である。図5Cにおいて、画面右側には、ステップS404で撮影された全体画像が表示され、その点線で囲まれた領域についての拡大画像が、同図画面左側に表示される。すなわち、全体画像における点線部分は、画面左側で表示されている拡大画像が全体画像のどの部分に相当しているかを示すものである。本実施形態では、この表示された拡大画像上において、ユーザが任意のポイントをマークする。図5Cにおいて、画面右側に表示される全体画像およびその内部の点線部分は、上述した図3およびその内部領域301に相当する。したがって図5Cにおいては、画面左側に示す拡大画像の中心が、図3における座標の原点に位置することになり、拡大画像の撮影時におけるPAN角およびTILT角のそれぞれが0度であることが分かる。
【0028】
ステップS405では、図5Cを初期状態として、ユーザが全体画像における拡大画像位置をカーソルを用いて上下左右に移動して所望の画像を拡大表示させた後、該拡大画像上で所望のポイントをマークする。
【0029】
次にステップS406において、ユーザが図5Cの拡大画像上で1つ以上のポイントをマークして「次へ」ボタンを押下すると、処理はステップS407に進む。一方、ユーザがポイントを1つもマークしないまま「次へ」ボタンを押下したり、または「戻る」ボタンを押した場合には、処理はステップS405に戻る。
【0030】
ステップS407では、ステップS405においてユーザがマークしたポイントを確認するために、その確認用画面を図5Dのように表示する。図5Dも図5Cと同様に、画面右側に全体画像、画面左側に拡大画像が表示される。図5Dの拡大画像表示において、その右下に黒色で示された点が、ユーザがマークしたポイントを示している。ユーザはこのポイントを確認し、間違いなければステップS408で「はい」ボタンを押下し、処理はステップS409に進む。一方、表示されたポイントが想定した箇所でなかった場合や、ポイントの数が異なっていた場合には、ユーザは「いいえ」ボタンを押下し、処理はステップS405に戻る。
【0031】
ステップS409では、ユーザによるパスワードの設定が行われる。本実施形態では、ステップS405でマークされたポイントを含む画像に対し、ユーザが連想するパスワードを設定することを特徴とする。そしてステップS410において、ステップS409でパスワードが入力されていなければステップS409を繰り返し、パスワードの入力が終了していればステップS411に進む。
【0032】
ステップS411では、ステップS409で設定されたパスワードを、ステップS405で指定した画像内のポイントに対応する座標値と関連付けて、ビューワ110の記憶部113またはデジタルカメラ100の記憶部105に保存する。そしてステップS412に進んで本処理を終了する。
【0033】
●IDおよびパスワード設定の具体例
以下、本実施形態において設定されるIDおよびパスワードの具体例について説明する。
【0034】
上述したステップS405において、撮影画像上に1箇所のポイントが指定された場合、まず、そのポイントが対応する全体画像の座標位置を決定する。この座標値の決定方法を、図2A,Bおよび図3を用いて説明する。
【0035】
ここで、ポイントがマークされる前の初期段階では、図2Aの画像表示領域201に表示される画像が図3の全体画像における領域301に相当していたが、実際にマークされたのは、図3の全体画像における領域302内のポイント304であるとする。すなわち、図2Aの画像表示領域201に示すポイント206が、図3の領域302でマークされたポイント304に相当する。図2Aに示すGUIは上述したように、デジタルカメラ100を遠隔操作して撮影画像を表示させるために、デジタルカメラ100における左右のPANを制御するカーソル202,203と、同じく上下のTILTを制御するカーソル204,205を有する。ユーザはこのカーソルを用いて、ステップS404でデジタルカメラ100によって撮影された全体画像のうち、拡大画像として表示される領域を、図3の領域301から領域302へ変更する。すなわち、カーソル202,203によってそれぞれ図3の−X方向,+X方向への移動を指示し、カーソル204,205によってそれぞれ図3の+Y方向,−Y方向への移動を指示する。
【0036】
ユーザがこのように図3の領域302相当の画像を画像表示領域201上に表示させた後、マウス等の入力機器を用いてポイント206を選択する。ポイント206は、画像表示領域201の表示画面を平面座標として示した図2Bにおける、ポイント207に相当し、この図2BのXY座標におけるポイント207の座標は、(x,y)=(+13,−9)と表すことができる。
【0037】
一方、このポイント207を図3に示す全体画像のXY座標で表した場合について考える。図3において、図2Aの画像表示領域201の画像は領域302に相当する。領域302の画像は、デジタルカメラ100のPAN角を−44度、TILT角を+33度として撮影されているため、領域302の中心点303のXY座標は、(X,Y)=(−44,+33)となる。これにより、図2Bのポイント207を図3のXY座標で表すと、画像領域302の中心点の座標をオフセット値としてX,Y値に加算することによって、求められる。すなわち、ポイント207の図3における座標、すなわち図3におけるポイント304の座標は、(x,y)=(+13−44,−9+33)=(−31,+24)となる。この全体画像におけるポイント値のXY座標(−31,+24)と、ステップS409で入力したパスワードを関連付けて、ビューワ110の記憶部113に記憶しておくことにより、本実施形態におけるIDおよびパスワードの設定が完了する。すなわち、全体画像においてユーザによって設定された任意のポイントが、IDとして登録されることになる。
【0038】
●IDおよびパスワードによる認証処理
ユーザがビューワ110からデジタルカメラ100の操作をする際には、ユーザはビューワ110に対して、上述したように設定したIDおよびパスワードの入力を行う必要がある。以下、本実施形態におけるIDおよびパスワードの認証処理について、図6および図7を用いて詳細に説明する。
【0039】
図6は、上記ステップS404において撮影した全体画像の一部(図3の左上部分に相当)を示した図である。図6において、領域601およびポイント602はそれぞれ、図3の領域302およびポイント304に相当する。また、図6における領域603は、ポイント602を含む複数の画像領域の1つを示したものである。
【0040】
図7は、本実施形態におけるIDおよびパスワードの入力処理を示すフローチャートである。この入力処理は、ビューワ110に予め格納された、デジタルカメラ100を操作するためのアプリケーションソフトが起動されることによって、開始される。
【0041】
ステップS701で本処理が開始されると、ステップS702においてユーザが、図4のステップS405で設定した画像中のポイントを、図2AのGUI上に表示する。このとき、画像表示領域201には初期画像として、図3に示すXY座標の原点(0,0)に画像領域の中心が位置する領域301が表示される。するとユーザは、図2Aに示す左右のカーソル202,203および上下のカーソル204,205を用いて、自身のIDとして登録されているポイントを含む画像が表示されるように、画像表示領域201の表示を移動する。ここで、図4のステップS405でマークしたポイントは、図6上ではポイント602に相当する。なお、上述したステップS405では、ポイント設定時に表示される拡大画像を図6の領域601相当として説明したが、パスワード入力時においてユーザの表示対象となる画像領域はポイント602を含んでいれば良い。すなわち、ユーザはカーソル群を用いて初期画像を移動させて、ポイント602を含んだ領域が表示されるようにカーソル群を操作すればよく、画像表示領域201に表示されるのは領域601であっても領域603であっても良い。以下の説明においては、ユーザ操作によって領域603が表示されたものとする。
【0042】
そしてステップS703において、ユーザのIDに対応したポイントを含む領域603が画像表示領域201に表示された後、領域指定終了を示す不図示の「OK」ボタンをユーザが押下すると、処理はステップS704に進む。
【0043】
ステップS704では、ユーザに対してパスワードの入力を要求する。このパスワード入力用のGUIの詳細については省略するが、ステップS705において、該GUI上でユーザがパスワードの入力終了を指示するボタンを押下すると、処理はステップS706に進む。
【0044】
ステップS706では、ステップS704でユーザによって入力されたパスワードが、予め登録されたものであるか否かを検索する。そして、該パスワードが登録されていた場合にはさらに、当該パスワードと関連付けられているポイントのXY座標値が、ステップS702で選択表示された画像領域内に含まれているかを確認することによって、ユーザの認証を行う。
【0045】
ここで、パスワードに対応するポイントが選択画像領域内に含まれているかの確認は、以下のような方法によって行われる。すなわち、ステップS702で選択表示された画像領域の中心点の座標値を、該画像領域におけるPAN角およびTILT角より求め、該中心点から所定範囲内に、パスワードに対応して登録されたポイントが含まれているか否かを判定する。選択画像領域の中心点からの所定範囲としては例えば、該中心点の座標値よりX方向に±16度、Y方向に±12度とする。
【0046】
例えば、図6に示す画像領域603が選択表示され、入力されたパスワードに対応してポイント602が登録されており、画像領域603の中心点の座標値が(X,Y)=(−20,+15)である場合について考える。すると、画像領域603の幅は、X方向が(−20−16〜−20+16)=(−36〜−4)、Y方向が(+15−12〜+15+12)=(+3〜+27)となる。このとき、ポイント602の座標値は図3に示すポイント304相当で(−31,+24)であるから、ポイント602は画像領域603に含まれると判定される。したがってこの場合、画像領域603はポイント602に対応するID用画像として認められ、すなわちIDおよびパスワードが認証されたことになる。
【0047】
ステップS707では、ステップS706におけるIDおよびパスワードの認証が成功した、すなわち予め設定されていたものと合致していればステップS708に進み、認証失敗であればステップS709に進む。
【0048】
ステップS708では、ビューワ110におけるユーザ認証が成功したため、該ユーザに対してビューワ110からデジタルカメラ100に対する接続を許可して、ステップS710で本認証処理を終了する。
【0049】
ステップS709では、ステップS706における認証が失敗したため、デジタルカメラ100への接続は許可されない旨をビューワ110の画像表示部115に表示して、ステップS710で本認証処理を終了する。
【0050】
なお、図6に示す例では、ユーザによって1つのポイント602がIDとしてマークされた例について説明したが、このIDとしてのマークは1個に限らず、複数個を設定することも可能である。この場合、複数のポイントは同一の表示画像領域内において設定され、これら複数のポイントに対して1つのパスワードを設定する。したがってパスワード入力時にユーザは、IDとして設定された複数のポイントを全て含むように表示領域を調整すれば良い。
【0051】
以上説明したように本実施形態によれば、PAN/TILT可能なデジタルカメラ100で撮影した画像の一部をユーザ認証用のIDとして利用し、該画像に対してユーザが連想する任意のキーワードをパスワードとして用いる。このように、ユーザ認証用のIDおよびパスワードを視覚的かつ感覚的に決定することにより、ユーザは自身のIDおよびパスワードを容易に記憶することができる。
【0052】
また、IDとしての画像は実際には座標値として記憶されるため、IDおよびパスワードのデータは、実際には座標値とパスワードの電子データとして記憶される。しかしながら実際のユーザ認証時には、IDとして座標値ではなく画像内の所定のポイントを指定するため、上記電子データが第三者によって盗まれた場合にも、該第三者はIDを示す座標値が実際には画像のどの部分に相当するかを直感的に判断できない。したがって、本実施形態によるIDおよびパスワードが盗用されて不正な認証が行われてしまう可能性は極めて低くなる。
【0053】
<第2実施形態>
以下、本発明に係る第2実施形態について説明する。
【0054】
上述した第1実施形態においては、ユーザ認証用のIDとして、撮影画像上の画像を用いる例を示したが、第2実施形態ではさらに、該画像の設定手順もIDとして利用することを特徴とする。
【0055】
第2実施形態におけるカメラシステムの構成およびその基本的な動作は、上述した第1実施形態とほぼ同様であり、ID設定時のGUIおよび詳細な動作が異なる。したがって、以下では第2実施形態における特徴的なID設定処理について、図8A,Bを用いて説明する。
【0056】
●IDおよびパスワードの設定処理
第2実施形態におけるIDおよびパスワードの設定処理は、上述した第1実施形態で示した図4のフローチャートと同様の手順で行われるが、その際のビューワ110の画像表示部115に示されるGUIが異なる。
【0057】
すなわち第2実施形態では、図4のステップS405においてユーザが全体画像上で任意のポイントを選択する際に、ビューワ110の画像表示部115に図8AのようなGUIを表示する。図8Aは、第1実施形態において図5Cに示したGUIに対応するものであり、その画面構成はほぼ同様であるが、画面下部に「開始」,「→」の表示およびそれに続く空欄表示からなる、カーソル使用履歴表示を有することを特徴とする。
【0058】
第2実施形態では、図8Aを初期状態として、ユーザが全体画像における拡大画像位置をカーソルを用いて上下左右に移動して所望の画像を拡大表示させた後、該拡大画像上で所望のポイントをマークする。このとき、拡大画像位置を移動させたカーソルの使用履歴(上/下/左/右)を、図8A下部のカーソル使用履歴として表示する。
【0059】
そしてステップS407において、ステップS405で図8Aの画面においてユーザがマークしたポイントの確認用GUIを図8Bのように表示する。図8Bも図8Aと同様に、画面下部にカーソル使用履歴が表示され、さらに、画面右側の全体画像上にも拡大画像の移動履歴が→によって示される。図8Bの確認用画面により、ステップS405においてどのような軌跡で拡大画像位置が決定され、ポイント指定に至ったのかが分かる。ここで図8Bに示す確認用GUIをより詳細に説明する。図8Bによれば、画面右側の全体画像において、初期状態では中央にあった拡大画像領域が以下のように移動された旨が示される。まず、画面左側の拡大画像に付された左カーソルを用いて左に移動させ、次に、上カーソルを用いて上に移動させ、さらに、左カーソル、上カーソルの順に操作がなされることによって、全体画像の左上部に拡大画像領域が移動されている。図8Bの拡大画像表示において、その右下に黒色で示された点が、ユーザがマークしたポイントを示している。
【0060】
第2実施形態では、該ポイントの座標値に対応させて、ステップS409で設定されたパスワードを保存するが、このとき、カーソルの移動履歴も同時に保存する。すなわち第2実施形態においては、ユーザIDとして撮影画像内のポイントのみならず、該ポイントを含む領域までのカーソル移動履歴が設定される。
【0061】
●IDおよびパスワードによる認証処理
第2実施形態におけるIDおよびパスワードの認証処理は、上述した第1実施形態で図6および図7を用いて示した動作とほぼ同様であるため、以下では第2実施形態における特徴的な動作について説明する。
【0062】
第2実施形態でも、ステップS702においてユーザが、図4のステップS405で設定した画像中のポイントを、図2AのGUI上に表示する。このとき、画像表示領域201には初期画像として、図3に示すXY座標の原点(0,0)に画像領域の中心が位置する領域301が表示される。するとユーザは、図2Aに示す左右のカーソル202,203および上下のカーソル204,205を用いて、自身のIDとして登録されているポイントを含む画像が表示されるように、画像表示領域201の表示を移動する。
【0063】
第2実施形態では、ユーザがこの画像表示領域201を移動させる際に、ステップS405におけるID用のポイント設定時と同様の履歴となるように、各カーソルを使用する必要がある。図8Bに示す例によれば、ID設定時には、左カーソル、上カーソル、左カーソル、上カーソルの順で画像表示領域201を移動させているため、認証時にも、同様の順番でカーソルを用いることが求められる。このときのカーソル操作による左右、上下に移動した履歴をビューワ110またはデジタルカメラ100内の所定のレジスタに記憶させておく。なお、第2実施形態におけるカーソルの移動履歴としては、上下左右の移動順のみを対象とし、例えばPAN角の変位分等の画像の移動距離自体は考慮しない。したがって認証時には、最終的に「左→上→左→上」等の順序で移動された画像領域内に、設定されたポイントが含まれるように表示されていれば良い。
【0064】
そしてステップS706において第1実施形態と同様に、入力されたパスワードおよびIDによるユーザ認証が行われるが、このとき第2実施形態ではさらに、カーソル移動履歴を判定する。すなわち、ステップS702で画像表示領域201を移動した際のカーソルの移動履歴が、ID設定時に保存された移動履歴と一致するか否かを判定する。例えば、ステップS702で「左→上→左→上」の順にカーソルを移動させていれば、これは図8Bに示すID設定時のカーソル移動履歴に一致するため、認証成功となる。一方、たとえIDとして設定されたポイントを含む画像領域が表示されていても、そのときのカーソルの移動履歴が一致しない場合には、認証は失敗となる。
【0065】
以上説明したように第2実施形態によれば、ユーザ認証用のIDとして、画像(ポイント座標)に加えて、該画像を表示するまでの軌跡(カーソル移動履歴)を用いることによって、さらに確実な認証を行うことができる。
【0066】
<変形例>
上述した第1および第2実施形態においては、PAN/TILT可能なデジタルカメラ100で撮影した複数枚の画像に対してID用画像を設定する例を示したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、デジタルカメラ100のPAN/TILTを行わずに撮影した1枚の画像を、ID用画像としても良い。またID用画像として、デジタルカメラ100による撮影画像を用いずに、ビューワ110またはデジタルカメラ100内の記憶部に予め用意した特定画像を用いることも可能である。
【0067】
また、上述した第1および第2実施形態では説明の簡便化のために、全体画像の座標スケールと拡大画像の座標スケールが同じである例を示したが、これらのスケールが異なる場合にも、本発明は適用可能である。この場合、拡大画像で指定したポイントの座標値から、全体画像の座標値への変換をその都度行うか、または変換テーブルを用意しておく必要がある。さらに、PAN/TILT角の1度に対して、拡大画像および全体画像の座標スケールの1メモリが対応する例を示したが、これも同様に、PAN/TILT角と座標スケールが異なる場合には、変換演算を随時行うか、または変換テーブルを用意する必要がある。
【0068】
また、上述した第1および第2実施形態では、全体画像内における画像表示領域の移動をカーソルによって行う例を示したが、本発明はこの例に限定されず、例えば専用ボタンによってPAN/TILTを指示しても良い。すなわち、最終的に全体画像内の任意のポイントが設定できれば良いため、全体画像内において画像表示領域を直接ドラッグさせても構わない。この場合、第2実施形態におけるカーソル移動履歴に代えてドラッグ軌跡を保存し、IDの一部として利用することができる。
【0069】
<他の実施形態>
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体(記録媒体)等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器(例えば、ホストコンピュータ、インタフェース機器、撮像装置、webアプリケーション等)から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0070】
尚本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。なお、この場合のプログラムとは、実施形態において図に示したフローチャートに対応したプログラムである。
【0071】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0072】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
【0073】
プログラムを供給するための記録媒体としては、以下に示す媒体がある。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD-ROM,DVD-R)などである。
【0074】
プログラムの供給方法としては、以下に示す方法も可能である。すなわち、クライアントコンピュータのブラウザからインターネットのホームページに接続し、そこから本発明のコンピュータプログラムそのもの(又は圧縮され自動インストール機能を含むファイル)をハードディスク等の記録媒体にダウンロードする。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0075】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD-ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせることも可能である。すなわち該ユーザは、その鍵情報を使用することによって暗号化されたプログラムを実行し、コンピュータにインストールさせることができる。
【0076】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。さらに、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0077】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、実行されることによっても、前述した実施形態の機能が実現される。すなわち、該プログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明に係る一実施形態におけるカメラシステムの構成を示すブロック図である。
【図2A】本実施形態におけるビューワのGUI例を示す図である。
【図2B】本実施形態におけるビューワのGUI例を示す図である。
【図3】本実施形態における全体画像を座標系で表した図である。
【図4】本実施形態におけるIDおよびパスワードの設定処理を示すフローチャートである。
【図5A】本実施形態におけるID設定用のGUI例を示す図である。
【図5B】本実施形態におけるID設定用のGUI例を示す図である。
【図5C】本実施形態におけるID設定用のGUI例を示す図である。
【図5D】本実施形態におけるID設定用のGUI例を示す図である。
【図6】本実施形態におけるID入力例を示す図である。
【図7】本実施形態におけるIDおよびパスワードの認証処理を示すフローチャートである。
【図8A】第2実施形態におけるID設定用のGUI例を示す図である。
【図8B】第2実施形態におけるID設定用のGUI例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影方向を制御可能な撮像装置と、該撮像装置による撮影画像を表示可能なUI装置とを接続した撮影システムの制御方法であって、
前記UI装置にID設定用画像を表示するID画像表示ステップと、
前記ID設定用画像内においてユーザIDとしてのポイントを設定するID設定ステップと、
該設定されたポイントに応じたパスワードを設定するパスワード設定ステップと、
該設定されたパスワードを前記ポイントに対応付けてユーザ情報として記憶するパスワード記憶ステップと、
該記憶されたユーザ情報に基づいてユーザ認証を行うユーザ認証ステップと、
を有することを特徴とする撮影システムの制御方法。
【請求項2】
前記ユーザ認証ステップはさらに、
ユーザが、前記ID設定用画像内においてユーザIDとしての画像領域を選択するID領域選択ステップと、
前記ユーザがパスワードを入力するパスワード入力ステップと、
該入力されたパスワードに対応する前記ポイントが、前記ID領域選択ステップで選択された画像領域内に含まれるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて前記ポイントが前記画像領域内に含まれると判定された場合にユーザ認証を可とする認証可ステップと、
前記判定ステップにおいて前記ポイントが前記画像領域内に含まれないと判定された場合にユーザ認証を不可とする認証不可ステップと、
を有することを特徴とする請求項1記載の撮影システムの制御方法。
【請求項3】
前記ID設定用画像は、前記撮像装置によって撮影された画像であることを特徴とする請求項1または2記載の撮影システムの制御方法。
【請求項4】
前記撮像装置は、前記UI装置における操作に応じて、撮影方向を上下左右に制御可能であることを特徴とする請求項3記載の撮影システムの制御方法。
【請求項5】
前記UI装置における操作は、前記撮像装置による撮影画像を表示した表示画面に対して上下左右のスクロールを指示する操作であることを特徴とする請求項4記載の撮影システムの制御方法。
【請求項6】
前記パスワード記憶ステップにおいては、前記パスワードに対応するポイントを前記撮像装置によって撮影された画像内における座標値として記憶することを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の撮影システムの制御方法。
【請求項7】
前記座標値は、前記撮像装置の撮影方向が制御されない状態を原点として、該撮影方向の左右の変位角をX軸、上下の変位角をY軸に対応させた座標平面上の値であることを特徴とする請求項6記載の撮影システムの制御方法。
【請求項8】
前記ID設定用画像は、前記撮像装置の撮影方向を制御して複数回の撮影によって得られた複数枚の撮影画像を合成して生成されることを特徴とする請求項3乃至7のいずれかに記載の撮影システムの制御方法。
【請求項9】
前記ID設定ステップにおいては、前記ID設定用画像内に複数個の前記ポイントを設定することを特徴とする請求項1記載の撮影システムの制御方法。
【請求項10】
前記ID設定ステップにおいては、前記ID設定用画像内に複数個の前記ポイントを設定し、
前記認証可ステップにおいては、前記判定ステップにおいて前記複数個のポイントが全て前記画像領域内に含まれると判定された場合にユーザ認証を可とすることを特徴とする請求項2記載の撮影システムの制御方法。
【請求項11】
前記ID設定ステップにおいては、前記ID設定用画像内で部分領域画像を移動させ、該部分領域画像内において前記ポイントを設定することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の撮影システムの制御方法。
【請求項12】
前記パスワード設定ステップにおいては、
前記ID設定ステップにおける前記ID設定用画像内での前記部分領域画像の移動履歴を、前記パスワードおよび前記ポイントに対応付けて前記ユーザ情報として記憶することを特徴とする請求項11記載の撮影システムの制御方法。
【請求項13】
前記部分領域画像の移動履歴は、上下左右の移動方向の履歴であることを特徴とする請求項12記載の撮影システムの制御方法。
【請求項14】
撮影方向を制御可能な撮像装置と、該撮像装置による撮影画像を表示可能なUI装置とを接続した撮影システムであって、前記UI装置は、
ID設定用画像を表示するID画像表示手段と、
前記ID設定用画像内においてユーザIDとしてのポイントを設定するID設定手段と、
該設定されたポイントに応じたパスワードを設定するパスワード設定手段と、
該設定されたパスワードを前記ポイントに対応付けてユーザ情報として記憶するパスワード記憶手段と、
該記憶されたユーザ情報に基づいてユーザ認証を行うユーザ認証手段と、
を有することを特徴とする撮影システム。
【請求項15】
前記ユーザ認証手段は、
前記ID設定用画像内においてユーザIDとしての画像領域をユーザ操作に基づいて選択するID領域選択手段と、
前記ユーザによるパスワードを入力するパスワード入力手段と、
該入力されたパスワードに対応する前記ポイントが、前記ID領域選択手段で選択された画像領域内に含まれるか否かを判定する判定手段と、を有し、
前記判定手段で前記ポイントが前記画像領域内に含まれると判定された場合にユーザ認証を可とし、含まれないと判定された場合にユーザ認証を不可とすることを特徴とする請求項14記載の撮影システム。
【請求項16】
前記撮像装置は、前記ID設定用画像を撮影する撮像手段を有することを特徴とする請求項14または15記載の撮影システム。
【請求項17】
前記撮像手段は、前記UI装置における操作に応じて、撮影方向を上下左右に制御可能であることを特徴とする請求項16記載の撮影システム。
【請求項18】
前記UI装置における操作は、前記撮像手段による撮影画像を表示した表示画面に対して上下左右のスクロールを指示する操作であることを特徴とする請求項17記載の撮影システム。
【請求項19】
前記パスワード記憶手段は、前記パスワードに対応するポイントを前記撮像手段で撮影された画像内における座標値として記憶することを特徴とする請求項16乃至18のいずれかに記載の撮影システム。
【請求項20】
前記座標値は、前記撮像手段の撮影方向が制御されない状態を原点として、該撮影方向の左右の変位角をX軸、上下の変位角をY軸に対応させた座標平面上の値であることを特徴とする請求項19記載の撮影システム。
【請求項21】
コンピュータで実行されることによって、請求項1乃至13のいずれかに記載された撮影システムの制御方法を実現することを特徴とするプログラム。
【請求項22】
請求項21記載のプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【公開番号】特開2007−323536(P2007−323536A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−155394(P2006−155394)
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】