説明

擁壁用組ブロック及び擁壁構造

【課題】 擁壁用ブロックを使用した擁壁において、従来では、基本的に同種(奥行厚さの厚い)の基本ブロックのみで擁壁を構築していたので、さほどの高強度を必要としない擁壁構築場所では、過剰強度となって材料コスト面で無駄があった。
【解決手段】 それぞれコンクリート成型品からなる奥行厚さの厚い基本ブロック1と奥行厚さの薄い板状ブロック2との2種類のブロックを有し、基本ブロック1及び板状ブロック2のそれぞれ左右各側面に、両ブロック1,2を左右に接合させたときに両ブロックが相互に前後に位置ずれ不能に係合する凹凸嵌合手段を形成していることにより、構築される擁壁の一部に厚さの薄い擁壁用ブロックを使用できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、道路側面や造成土地側面あるいは山肌等における土砂の崩壊を防止するのに使用される擁壁用ブロック及びその擁壁用ブロックを使用して構築した擁壁構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば山肌等に構築される擁壁をコンクリートで現場打ちする場合には、構築現場において型枠を組立てる必要があるので擁壁構築作業が繁雑となるとともに、工期が長くなるという問題がある。
【0003】
他方、従来から、コンクリート成型品からなる複数個の擁壁用ブロックを上下・左右に組付けて構築した擁壁も多く見受けられる。図17には、擁壁用ブロックとして間知ブロック3Aを使用した一般的なもたれ式擁壁を示しているが、このもたれ式擁壁は、基礎コンクリート4上に複数個の間知ブロック3A,3A・・を上下・左右に組付け、各間知ブロック3A,3A・・を胴込めコンクリート5で固着し、その裏側に裏込めコンクリート層6を打設し、さらにその裏込めコンクリート層6の裏側に砕石を充填(砕石層7を形成)した後、該砕石層7の裏側に土壌8を埋戻して完成させている。尚、間知ブロックを使用したもたれ式擁壁として、例えば特許文献1(特開2000−355949号公報)に示されるものがある。
【0004】
図17の擁壁に使用されている擁壁用ブロック(間知ブロック)3Aは、前面が矩形(正方形又は長方形)で、後方にかなりの長さの塊状突出部を有している。尚、この種の間知ブロック3Aは、前面が長方形のもので、例えば幅が42cm、高さが28cm奥行長さが35cm程度の比較的小型のものが一般的である。
【0005】
この種の小型の間知ブロック3Aを使用した擁壁としては、例えば、図18(A)に示す布積み擁壁、図18(B)に示す千鳥積み擁壁、図18(C)に示す谷積み擁壁等があるが、これらの何れの擁壁も、全て同じ形状の間知ブロック3Aを上下・左右に組付けて構成している。
【0006】
又、大型の擁壁用ブロックとして、図19(A)に示す大面積の前面壁の後方に2枚の控え壁を突出させた形状の擁壁用ブロック3B、図20(A)に示すそれぞれ大面積の前面壁と後面壁とを2枚の連結壁で連結した形状の擁壁用ブロック3C、図21(A)に示す大面積の前面壁及び後面壁を有する四角筒形の擁壁用ブロック3D等がある。これらの大型の擁壁用ブロック3B,3C,3Dでは、前面壁の大きさが幅100〜200cm×高さ50〜100cm、奥行き長さが50〜100cm程度のものが多い。そして、図19(A)、図20(A)、図21(A)の各擁壁用ブロック3B,3C,3Dは、それぞれ図19(B)、図20(B)、図21(B)に示すように、同じものを左右(上下も同じ)に組付けて擁壁を構築する。尚、図19(B)、図20(B)、図21(B)に示す各擁壁の裏側には、コンクリート、砕石、土壌等が充填される。又、図20(B)、図21(B)の構築例では、各擁壁用ブロック3C,3D内の空間部にもコンクリート、砕石、土壌等が充填されることがある。
【0007】
尚、上記図17〜図21の各擁壁において、擁壁の左右端部や上下端部には異形の擁壁用ブロックを使用することがあるが、これらの異形の擁壁用ブロックも奥行厚さの厚い基本ブロックの範囲である。
【0008】
そして、上記した図17〜図21の各擁壁では、擁壁用ブロックとしてそれぞれ奥行厚さの厚い同じ形状のもの(異形のものも使用されることがあるが、基本ブロックの範囲のものである)を多数個使用して構築されているので、構築された擁壁は、全面に亘って奥行厚さが均等で厚いものとなる。尚、このように、擁壁の奥行厚さが全面に亘って厚いと、擁壁全体の強度が強くなる。
【0009】
ところで、構築される擁壁が必要とする強度は、擁壁の用途・規模、構築場所の土質、構築場所に加わる土圧、等を加味して計算できるが、さほどの高強度を必要としない擁壁構築場所もある。
【0010】
他方、基本ブロックとなる擁壁用ブロック(3A〜3D)は、奥行厚さを比較的厚く成型するために、1個当たりの生コンクリート量が多くなり(材料コストが高くなる)、且つ1個当たりの重量及び外形体積が大きくなる(輸送コストが高くなる)。
【0011】
【特許文献1】特開2000−355949号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、擁壁用ブロックを使用した従来の擁壁は、例えば図17〜図21に示すように、擁壁用ブロックの形状・種類は選択するものの、さほどの高強度を必要としない擁壁構築場所であっても、奥行厚さの厚い同じ形状の擁壁用ブロックのみ(一部は異形ブロックを使用することがあるが、基本ブロックの範囲である)で擁壁を構築している。このように、奥行厚さの厚い基本ブロックのみで擁壁を構築すると、強度面では必要以上の強度が確保できて安全であるが、過剰強度となる分、擁壁用ブロック自体がコスト高(コンクリート材料が多く必要になる)になるとともに、重量や体積が必要以上に大きくなって輸送コスト高になったり、作業性が悪くなったりするという問題がある。
【0013】
尚、擁壁の中には、平面視において屈曲する形状に構築する場合があるが、例えば図20(A)に示す前面壁と後面壁を有する擁壁用ブロック3Cや、図21(A)に示す四角筒形の擁壁用ブロック3Dを使用する場合には、突出側屈曲部分に詰め物をする必要がある。即ち、図22には、図21(A)に示す四角筒形の擁壁用ブロック3D,3D・・を使用して、屈曲形状の擁壁を構築する場合を示しているが、この場合は、擁壁の突出側屈曲部(符号E部分)にコーナー用ブロック3Eを介在させる必要がある。このコーナー用ブロック3Eは、屈曲角度(図22の場合は突出側屈曲部Eの屈曲角度が135°)に応じた各種形状のもの(図22の場合は角度45°のクサビ形に成形している)を別途製作しておく必要があり、屈曲形状の擁壁を構築するための部品点数が多くなるという問題がある。
【0014】
又、例えば図17〜図21に示す各種の擁壁用ブロックを使用した擁壁では、各擁壁用ブロックを奥行方向に凹凸のない状態で上下・左右に組付ける必要があるため、外面から見える意匠が平面状の画一なものになり、意匠感(デザイン性)の乏しいものであった。
【0015】
本願発明は、上記した従来の各種擁壁の問題点に鑑み、部分的に奥行厚さの薄い擁壁用ブロックを使用することにより、擁壁構築コストを安価にできるようにすることを主目的とするとともに、構築される擁壁の意匠性(デザイン性)を良好にし得るようにすることを他の目的とした、擁壁用組ブロック及び擁壁構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。
【0017】
本願請求項1の発明
本願請求項1の発明は、擁壁を構築するための擁壁用ブロックであって、それぞれコンクリート成型品からなる奥行厚さの厚い基本ブロックと奥行厚さの薄い板状ブロックの2種類を有した擁壁用組ブロックを対象にしている。
【0018】
そして、この請求項1の擁壁用組ブロックは、基本ブロックの左右各側面と板状ブロックの左右各側面に、該基本ブロックと該板状ブロックとを左右に接合させたときに相互に凹凸嵌合して両ブロックを相互に前後に位置ずれ不能に係合させ得る凹凸嵌合手段を形成している。
【0019】
基本ブロックとしては、前面が矩形(正方形又は長方形)で奥行方向にかなりの厚さを有するものであれば、適宜の形状のものが採用できる。即ち、この請求項1で使用される基本ブロックとしては、例えば、従来例として記載した図17〜図21の各種形状のものをそれぞれ採用できる。尚、本願の基本ブロックは、一例として左右幅が100〜200cm、高さが50〜100cm、奥行厚さが50〜100cm程度の大型で四角筒形のものを使用できる。
【0020】
板状ブロックとしては、基本ブロックの前面と同形・同大きさの矩形で奥行厚さの比較的薄いものが採用されている。尚、この板状ブロックは、例えば10〜15cm程度の厚さのものが使用できる。このように、板状ブロックでは、厚さが薄い分、コンクリート材料が少なくて済む。
【0021】
この請求項1の擁壁用組ブロックは、左右2個の基本ブロックの間に1個の板状ブロックが介在するようにして組付けられるが、1個の板状ブロックの左右各側面とその左右に位置する2個の基本ブロックの各接合面との間には、両ブロック(基本ブロックと板状ブロック)の接合面同士が相互に凹凸嵌合し得るような凹凸嵌合手段が設けられている。この各側の凹凸嵌合手段としては、両ブロックの接合面における一方の接合面に縦凹溝(又は縦凸条)を形成し、他方の接合面に縦凸条(又は縦凹溝)を形成したものを採用できる。そして、両ブロック(基本ブロックと板状ブロック)を左右に接合させたときに、一方のブロックの縦凹溝(又は縦凸条)と他方のブロックの縦凸条(又は縦凹溝)とが凹凸嵌合して、両ブロックが相互に前後に位置ずれしない構造となっている。尚、各ブロックの凹凸嵌合手段は、各ブロックの一方の側面に縦凹溝を形成し他方の側面に縦凸条を形成したものでもよく、あるいは基本ブロックの左右各側面にそれぞれ縦凹溝(又は縦凸条)を形成し板状ブロックの左右各側面にそれぞれ縦凸条(又は縦凹溝)を形成したものでもよい。
【0022】
又、基本ブロック側の凹凸嵌合手段と板状ブロック2側の凹凸嵌合手段の奥行方向の形成位置は、基本ブロックと板状ブロックを左右に接合させたときに、基本ブロックの前面と板状ブロックの前面とが奥行方向の段差のない同一面になるように位置決めすることができるが、板状ブロックの前面が基本ブロックの前面に対して若干奥側に後退した位置で両ブロックが凹凸嵌合するようにしてもよい。
【0023】
この請求項1の擁壁用組ブロック(基本ブロックと板状ブロック)は、基本的に同種のブロック同士を上下に積み上げるとともに、異種のブロックを左右方向に連続させて擁壁を構築するものであるが、該基本ブロックと板状ブロックとは、左右に1個ずつ交互に配置させてもよく、あるいは複数(例えば2個)の基本ブロックを左右に接合させたものの左右各側面に1個ずつの板状ブロックを配置させる(この場合は、基本ブロックが複数個(例えば2個)に対して板状ブロックが1個の割合で使用される)ようにしてもよい。又、この擁壁用組ブロック(基本ブロックと板状ブロック)を使用すると、構築すべき擁壁を屈曲させる必要があるときでも、板状ブロックの側面と基本ブロックの側面とが接合する部分で角度をもたすことができる。
【0024】
本願請求項2の発明
本願請求項2の発明では、上記請求項1の擁壁用組ブロックにおいて、基本ブロックの左右各側面の凹凸嵌合手段を奥行方向に間隔をもって複数箇所ずつ形成している。
【0025】
このように基本ブロック側の凹凸嵌合手段を奥行方向に間隔をもって複数箇所ずつ形成したものでは、左右2個の基本ブロック間に介在させる板状ブロックを奥行方向に段差をもたせた位置に凹凸嵌合させることができる。
【0026】
本願請求項3の発明
本願請求項3の発明は、コンクリート成型品からなる複数個の擁壁用ブロックを上下・左右に組付けて構築した擁壁構造を対象にしている。そして、この請求項3の擁壁構造は、擁壁用ブロックとして、上記請求項1の擁壁用組ブロックを使用して構築されたものである。
【0027】
即ち、この請求項3では、擁壁用ブロックとして、奥行厚さの厚い基本ブロックと奥行厚さの薄い板状ブロックの2種類を有し、さらに基本ブロックの左右各側面と板状ブロックの左右各側面に、該基本ブロックと該板状ブロックとを左右に接合させたときに相互に凹凸嵌合して両ブロックを相互に前後に位置ずれ不能に係合させ得る凹凸嵌合手段をそれぞれ形成しているものを使用している。
【0028】
そして、左右2個の基本ブロック間に1個の板状ブロックを介在させ且つ該板状ブロックの左右各凹凸嵌合手段を左右各側の基本ブロックの対向する凹凸嵌合手段にそれぞれ嵌合させた状態で組付けている。この請求項3の擁壁構造では、基本的に同種のブロック同士を上下に積み上げるとともに、異種のブロックを左右方向に連続させて擁壁を構築しているが、基本ブロックと板状ブロックとは、左右に1個ずつ交互に配置させてもよく、あるいは複数(例えば2個)の基本ブロックを左右に接合させたものの左右各側面に1個ずつの板状ブロックを配置させる(この場合は、基本ブロックが2個に対して板状ブロックが1個の割合で使用される)ようにしてもよい。尚、この擁壁の後面側には、砕石、土壌等が充填される。
【0029】
この請求項3の擁壁構造では、板状ブロック部分の強度が基本ブロック部分の強度より若干弱くなるが、該板状ブロックの左右端部はそれぞれ高強度の基本ブロックで保持されているので、擁壁全体としてさほどの強度低下にならない。
【0030】
本願請求項4の発明
本願請求項4の発明では、上記請求項3の擁壁構造において、上記請求項2の擁壁用組ブロックを使用して構築したものである。
【0031】
即ち、この請求項4の擁壁構造では、基本ブロックとして、左右各側面の凹凸嵌合手段を奥行方向に間隔をもって複数箇所ずつ形成したものを使用し、左右に異なる位置に組付けられる各板状ブロックにおいて、左右両基本ブロックの対向する複数組の各凹凸嵌合手段における奥行方向に異なる位置の1組の凹凸嵌合手段にそれぞれ嵌合させて、左右に位置する各板状ブロックを奥行方向の異なる位置に組付けている。尚、上下に積み上げられる1列の板状ブロック群は、基本ブロックの前面に対して同一深さとなる。
【0032】
このように、請求項4の擁壁構造では、板状ブロック列ごとに奥行方向に段差をもたせた状態で組付けることができるので、擁壁前面のデザイン(奥行方向の凹凸)を変化させることができる。
【発明の効果】
【0033】
本願請求項1の発明の効果
本願請求項1の発明の擁壁用組ブロックは、奥行厚さの厚い基本ブロックと奥行厚さ厚さの薄い板状ブロックとを有して構成されているので、板状ブロック部分の厚さが薄い分、コンクリート材料が少なくて済み、材料コストを低減できるという効果がある。
【0034】
又、基本ブロックと板状ブロックとは、左右に接合させた状態で相互に凹凸嵌合して両ブロックを相互に前後に位置ずれ不能に係合させ得るようにしているので、板状ブロックであっても左右の両基本ブロック間に位置保持させることができるという効果がある。
【0035】
さらに、この擁壁用組ブロック(基本ブロックと板状ブロック)を使用すると、構築すべき擁壁を屈曲させる必要があるときでも、板状ブロックの側面と基本ブロックの側面とが接合する部分で角度をもたすことができ、特別なコーナー用ブロックを用意する必要がないという効果がある。
【0036】
本願請求項2の発明の効果
本願請求項2の発明は、上記請求項1の擁壁用組ブロックにおいて、基本ブロックの左右各側面の凹凸嵌合手段を奥行方向に間隔をもって複数箇所ずつ形成しているので、各板状ブロックを左右2個の基本ブロック間における奥行方向に段差をもたせた位置に凹凸嵌合させることができる。
【0037】
従って、この請求項2の擁壁用組ブロックでは、上記請求項1の効果に加えて、構築する擁壁の前面に部分的に凹凸形状を形成できるので、意匠的に(デザイン面で)良好な擁壁を構築することができるという効果がある。
【0038】
本願請求項3の発明の効果
本願請求項3の発明の擁壁構造は、上記請求項1の擁壁用組ブロック(基本ブロックと板状ブロック)を使用して擁壁を構築したものであるが、この請求項3の擁壁構造では、板状ブロック部分の厚さが薄い分、コンクリート材料が少なくて済み、材料コストを低減できるとともに、板状ブロックであっても左右の両基本ブロック間に位置保持させることができ、さらに擁壁を屈曲させる必要があるときでも、板状ブロックの側面と基本ブロックの側面とが接合する部分で角度をもたすことができる(特別なコーナー用ブロックを用意する必要がない)、等の効果がある。
【0039】
本願請求項4の発明の効果
本願請求項4の発明の擁壁構造では、上記請求項2の擁壁用組ブロック(基本ブロックと板状ブロック)を使用して擁壁を構築したものであるが、この請求項4の擁壁構造では、上記請求項3の効果に加えて、構築する擁壁の前面に部分的に凹凸形状を形成できるので、意匠的に(デザイン面で)良好な擁壁を提供できるという効果がある。
【実施例】
【0040】
図1〜図16を参照して本願のいくつかの実施例を説明すると、図1及び図2には第1実施例の擁壁用組ブロック1を示し、図3〜図9には第1実施例の擁壁用組ブロックの各種使用形態を示している。図10には第2実施例の擁壁用組ブロックを示し、図11及び図12にはそれぞれ第2実施例の擁壁用組ブロックの各使用形態を示している。図13には第3実施例の擁壁用組ブロックを示し、図14には第3実施例の擁壁用組ブロックの使用形態を示している。図15には第4実施例の擁壁用組ブロックを示し、図16には第4実施例の擁壁用組ブロックの使用形態を示している。
【0041】
図1の第1実施例の擁壁用組ブロックは、コンクリート成型品からなる奥行厚さの厚い基本ブロック1と、コンクリート成型品からなる奥行厚さの薄い板状ブロック2とで構成されている。
【0042】
基本ブロック1は、この実施例では平面視矩形で内部を中空とした四角筒形のものを採用している。即ち、この基本ブロック1は、前面11、背面12及び左右の各側面13,14がそれぞれ鉛直面で、内部にかなり大きな空所17を有している。又、この基本ブロック1は、適宜大きさのものが採用できるが、この第1実施例では左右幅が100cm、高さが50cm、奥行き幅が65cmのものを採用している。尚、他の実施例では、基本ブロック1として、空所17の無い中実のものも採用できる。
【0043】
板状ブロック2は、基本ブロック1の前面11と同形・同大きさの矩形で奥行厚さの比較的薄いものが採用されている。この板状ブロック2の奥行厚さは、例えば10〜15cm程度が適当である。
【0044】
基本ブロック1の左右各側面13,14及び板状ブロック2の左右各側面23,24には、相手側のブロックの側面に接合したときに相互に凹凸嵌合させるための凹凸嵌合手段(15,16、25,26)が形成されている。この各凹凸嵌合手段は、各側面にそれぞれ縦向きに形成された縦凹溝15,25と縦凸条16,26が採用されている。即ち、この図1の第1実施例では、基本ブロック1側の凹凸嵌合手段として、該基本ブロックの左側面13における前面寄り部分に形成した1本の縦凹溝15と該基本ブロックの右側面14における前面寄り部分に形成した1本の縦凸条16とが採用されており、板状ブロック2側の凹凸嵌合手段として、該板状ブロックの左側面23のほぼ中央部に形成した1本の縦凹溝25と該板状ブロックの右側面14のほぼ中央部に形成した1本の縦凸条26とが採用されている。
【0045】
そして、この第1実施例では、基本ブロック1と板状ブロックとは、図2に示すように両ブロック1,2の前面11,21を同一面状に揃えた状態で該両ブロック1,2を左右に接合させたときに、基本ブロック1側の接合面(左側面13)の縦凹溝15と板状ブロック2側の接合面(右側面24)の縦凸条26とが相互に凹凸嵌合して、両ブロック1,2が相互に前後に位置ずれ不能に係合するようになっている。
【0046】
又、図2において、基本ブロック1の右側面14には別の(鎖線図示する)板状ブロック2の左側面23が接合され、板状ブロック2の側面23には別の(鎖線図示する)基本ブロック1の右側面14が接合されて、基本ブロック1と板状ブロック2とが左右に交互に配置される。そして、左右に接合された各ブロック1,2同士は、それぞれ縦凹溝(15,25)と縦凸条(16,26)との凹凸嵌合により、相互に前後に位置ずれ不能状態で連続するようになる。
【0047】
図3〜図6には、図1の擁壁用組ブロック(基本ブロック1と板状ブロック2)の第1使用形態を示しているが、この第1使用形態では、基本ブロック1を複数個上下に積み上げた基本ブロック列1Aと、板状ブロック2を複数個上下に積み上げた板状ブロック列2Aとを、左右方向に交互に接合させて擁壁を構築している。尚、この擁壁は、基礎コンクリート4上に基本ブロック1と板状ブロック2とを1段ずつ左右に交互に接合させながら順次必要段数まで積み上げていく。この擁壁構築状態では、各基本ブロック列1Aの前面と各板状ブロック列2Aの前面とが同一面状に揃い、各板状ブロック2,2・・がそれぞれ左右2個の基本ブロック1,1間に介在された状態で該各板状ブロック2,2・・の左右各端部の凹凸嵌合手段(縦凹溝25、縦凸条26)がそれぞれ両側の基本ブロック1,1の各接合面にある凹凸嵌合手段(縦凸条16、縦凹溝15)に凹凸嵌合している。
【0048】
この第1実施例の擁壁では、各基本ブロック列1A,1A・・内に各基本ブロック1の空所17が連続する縦穴17Aが形成されているが、この各縦穴17A内には図4及び図5に示すように鉄筋コンクリート18が充填されている。尚、この基本ブロック列1A内の縦穴17A内には、コンクリートに代えて栗石や砕石あるいは土壌を充填してもよい。又、擁壁の後側には、砕石又は土壌が埋め戻される。尚、図3〜図6の擁壁構築例では、各擁壁用ブロック1,2を鉛直姿勢で積み上げているが、法面に沿って傾斜状態(もたれ掛け状態)で積み上げてもよい。
【0049】
この図3〜図6の擁壁構造では、各板状ブロック列2A部分は、図6に示すように厚さの薄い板状ブロック2が使用されているので、厚さが薄い分、擁壁用ブロックとしてのコンクリート材料が少なくて済む。反面、該板状ブロック列2A部分は、厚さの薄い板状ブロック2が上下に積み上げられているので、単独では強度が弱いものとなる。他方、基本ブロック列1A部分は、奥行厚さの厚い基本ブロック1を使用し、且つこの実施例では縦穴17A内に鉄筋コンクリート18を充填しているので、高強度となっている。そして、板状ブロック列2A部分は、左右の基本ブロック列1A,1A(高強度である)間において各板状ブロック2,2・・の左右各端部が基本ブロック1,1の側面に凹凸嵌合により係止されているので、擁壁全体として高強度を維持するようになる。特に、この実施例の擁壁構造は、大きな土圧支持力を必要としない擁壁構築現場に適したものであるが、図3〜図6の実施例のように使用される全個数の擁壁用ブロックの半分に板状ブロック2を使用したものでも強度的に満足できるとすると、擁壁全体に高強度の基本ブロックを使用する場合のような過剰強度を排除できて、擁壁構築コストを安価にできる。
【0050】
図7には、図1の擁壁用組ブロックを使用して屈曲部(突出側屈曲部E、凹入側屈曲部F)を有する擁壁の構築例を示している。このように、屈曲部(特に突出側屈曲部E)を有する擁壁では、平面視四角形の基本ブロック1のみを使用する場合には、図22に示すように両基本ブロック間にコーナー用ブロックを介在させる必要があるが、図1の擁壁用組ブロックを使用すると、板状ブロック2の奥行厚さが薄いので該板状ブロック2の後面側にスペースができ、突出側屈曲部Eにおいても基本ブロック1と板状ブロック2とを直接接合させることができる。尚、板状ブロック2は奥行厚さが薄いものの、突出側屈曲部E及び凹入側屈曲部Fにおいては、板状ブロック2側の凹凸嵌合手段(図示例では縦凹溝)が基本ブロック1側の凹凸嵌合手段(図示例では縦凸条)に対してうまく凹凸嵌合できないことがあるが、その場合には、板状ブロック2の屈曲部側の側面を斜めに削り加工することで両凹凸嵌合手段を正常に凹凸嵌合させることができる。尚、板状ブロック2の側面の削り加工は、比較的簡単に行える。
【0051】
図8には、図1の擁壁用組ブロックを使用した他の擁壁構築例を示しているが、この図8の擁壁構築例では、基本ブロック1を左右に2個接合させ、その2個1組とする2つの基本ブロック群1B,1Bの間に1個の板状ブロック2を介在させている。尚、各基本ブロック1及び各板状ブロック2は、それぞれ同種のものが所定個数ずつ積み上げられて各ブロック列1A,2Aを構成している。
【0052】
この図8の擁壁構築例では、安価に製作できる板状ブロック2の使用個数が少なくなって擁壁構築コスト(材料コスト)が、基本ブロック1と板状ブロック2とを同数ずつ使用するした図3〜図7の構築例に比して高価になるが、基本ブロック1の使用個数が多い分、強度が強くなる(高強度を必要とする擁壁構築現場に適している)。
【0053】
図9には、図1の擁壁用組ブロックを使用したさらに他の擁壁構築例を示している。この図9の擁壁構築例では、基本ブロック列1Aと板状ブロック列2Aを交互に接合させた擁壁の後側に、適宜間隔を隔ててコンクリート成型品からなるコンクリート平板30,30・・を配置し、該各コンクリート平板30.30・・をそれぞれ基本ブロック1の背面にタイロット31,31・・で連結している。又、各コンクリート平板30,30・・からなるコンクリート平板壁30Aと各基本ブロック1及び各板状ブロック2からなる壁体との間には、砕石や土壌やコンクリート等の充填物32が充填されている。尚、コンクリート平板壁30Aの後面側には埋め戻し土壌8が充填される。
【0054】
この図9の擁壁構築例では、基本ブロック1と板状ブロック2からなる壁体前面とコンクリート平板壁30Aの後面までの厚さDが土圧を受ける擁壁となり、極めて高強度の擁壁となる。
【0055】
図10に示す第2実施例の擁壁用組ブロックは、第1実施例(図1)の擁壁用組ブロックにおいて、基本ブロック1として板状ブロック2の組付け位置を選択し得るものを使用している。即ち、この第2実施例(図10)の擁壁用組ブロックで使用される基本ブロック1には、左右各側面13,14の前端寄り位置と後端寄り位置の2箇所にそれぞれ凹凸嵌合手段(2つの縦凹溝15,15と2つの縦凸条16,16)を形成している。尚、板状ブロック2は、第1実施例(図1)のものと同じものが使用されている。
【0056】
そして、この第2実施例の擁壁用組ブロックでは、例えば図11又は図12に示すように使用することができる。
【0057】
図11の擁壁構築例では、基本ブロック1(基本ブロック列1A)と板状ブロック2(板状ブロック列2A)とを左右に交互に接合させるのは図3の場合と同じであるが、板状ブロック2(板状ブロック列2A)を左右の基本ブロック1,1(基本ブロック列1A,1A)に対して、前面寄り位置に保持させたり(図11の中央部分の板状ブロック列2A)、後面寄り位置に保持させたり(図11の左右寄り部分の各板状ブロック列2A,2A)することができる。尚、板状ブロック2(板状ブロック列2A)を基本ブロック1,1(基本ブロック列1A,1A)に対して前面寄り位置に保持させる場合には、板状ブロック2の左右各凹凸嵌合手段(縦凹溝25、縦凸条26)を左右各基本ブロック1,1におけるそれぞれ前面寄り位置の各凹凸嵌合手段(縦凸条16、縦凹溝15)に凹凸嵌合させ、逆に、板状ブロック2(板状ブロック列2A)を基本ブロック1,1(基本ブロック列1A,1A)に対して後面寄り位置に保持させる場合には、板状ブロック2の左右各凹凸嵌合手段(縦凹溝25、縦凸条26)を左右各基本ブロック1,1におけるそれぞれ後面寄り位置の各凹凸嵌合手段(縦凸条16、縦凹溝15)に凹凸嵌合させる。この図11の擁壁構築例のように、板状ブロック列2A部分を基本ブロック列1Aの前面寄り位置と後面寄り位置の2箇所に選択して組付け得るようにすると、擁壁前面の意匠に変化をもたせることができる。
【0058】
図12の擁壁構築例では、板状ブロック列2A部分を基本ブロック列1A,1Aの後面寄り位置に組付けた部分において、その下部側に基本ブロック1を適宜少段数(1〜3段)設置し、その基本ブロック1内の空所に花壇用の土壌33を入れている。この図12の擁壁構築例では、擁壁の前面に花壇を設けることができる。
【0059】
図13に示す第3実施例の擁壁用組ブロックでは、図10の第2実施例のものに板状ブロック2を1個追加している。即ち、この第3実施例では、1個の基本ブロック1と2個の板状ブロック2,2とで1組の擁壁用組ブロックを構成している。尚、基本ブロック1には、図10のものと同様に、左右各側面13,14の前端寄り位置と後端寄り位置の2箇所にそれぞれ凹凸嵌合手段(2つの縦凹溝15,15と2つの縦凸条16,16)を形成している。
【0060】
そして、この第3実施例(図13)の擁壁用組ブロックは、図14に示すような擁壁を構築することができる。即ち、左右2個の基本ブロック1,1(基本ブロック列1A,1A)の間に、2個の板状ブロック2,2(板状ブロック列2A,2A)を前後間隔をもたせてそれぞれ位置保持させるとともに、前後両板状ブロック2,2(前後両板状ブロック列2A,2A)の間に、砕石や土壌34を充填している。この図14の擁壁構築例では、板状ブロック2(板状ブロック列2A)部分も、基本ブロック1(基本ブロック列1A)と同じ奥行厚さを有しているので、擁壁全体が高強度になる。又、この図14の擁壁構築例では、前後板状ブロック2,2部分は、基本ブロック1のコンクリート量のうちの左右各側面13,14部分のコンクリート量を削減できたことになり(土壌34に置き換えている)、基本ブロック1に対して強度を低下させることなく高価なコンクリート材料を少なくできる。
【0061】
図15に示す第4実施例の擁壁用組ブロックは、第2実施例(図10)の擁壁用組ブロックにおいて、基本ブロック1の左右各側面13,14にもう1箇所ずつ凹凸嵌合手段(縦凹溝15,縦凸条16)を形成している。即ち、この第3実施例(図15)の擁壁用組ブロックで使用される基本ブロック1には、左右各側面13,14の前端寄り位置と後端寄り位置とその中間位置の3箇所にそれぞれ凹凸嵌合手段(3つの縦凹溝15,15,15と3つの縦凸条16,16,16)を形成している。尚、板状ブロック2は、第2実施例(図10)のものと同じものが使用されている。
【0062】
そして、この第4実施例の擁壁用組ブロックでは、例えば図16に示すように、左右両基本ブロック列1A,1A間において板状ブロック列2Aを、基本ブロック列1Aの前面に揃えた位置(図16の右側の板状ブロック列2A)、奥行方向の中間位置(図16の中央部の板状ブロック列2A)、基本ブロック列1Aの後面に揃えた位置(図16の左側の板状ブロック列2A)、の3つの位置に選択して組付けることができる。又、板状ブロック列2Aを擁壁の奥側に組付けた箇所では、図12に示すように下部側に花壇を設けることもできる。
【0063】
従って、この第4実施例の擁壁用組ブロックでは、擁壁前面の意匠をより一層多岐に変化させ得る。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本願第1実施例の擁壁用組ブロックの斜視図である。
【図2】図1の擁壁用組ブロックの組付状態を示す平面図である。
【図3】図1擁壁用組ブロックを使用した第1の擁壁構築例の斜視図である。
【図4】図3のIV−IV断面図である。
【図5】図3のV−V断面図である。
【図6】図3のVI−VI断面図である。
【図7】図1の擁壁用組ブロック使用した第2の擁壁構築例の平面断面図である。
【図8】図1の擁壁用組ブロック使用した第3の擁壁構築例の平面断面図である。
【図9】図1の擁壁用組ブロック使用した第4の擁壁構築例の平面断面図である。
【図10】本願第2実施例の擁壁用組ブロックの斜視図である。
【図11】図10の擁壁用組ブロックを使用した擁壁構築例の斜視図である。
【図12】図10の擁壁用組ブロックを使用した他の擁壁構築例の斜視図である。
【図13】本願第3実施例の擁壁用組ブロックの斜視図である。
【図14】図13の擁壁用組ブロック使用した擁壁構築例の平面断面図である。
【図15】本願第4実施例の擁壁用組ブロックの斜視図である。
【図16】図15の擁壁用組ブロックを使用した擁壁構築例の斜視図である。
【図17】第1従来例の擁壁構造の概略図である。
【図18】図17の擁壁構造の各種積み形状の正面図である。
【図19】第2従来例の擁壁用ブロックとその擁壁用ブロックを使用した擁壁構築例の説明図である。
【図20】第3従来例の擁壁用ブロックとその擁壁用ブロックを使用した擁壁構築例の説明図である。
【図21】第4従来例の擁壁用ブロックとその擁壁用ブロックを使用した擁壁構築例の説明図である。
【図22】図21の擁壁用ブロックの他の擁壁構築例の説明図である。
【符号の説明】
【0065】
1は基本ブロック、1Aは基本ブロック列、2は板状ブロック、2Aは板状ブロック列、13は左側面、14は右側面、15は凹凸嵌合手段(縦凹溝)、16は凹凸嵌合手段(縦凸条)、23は左側面、24は右側面、25は凹凸嵌合手段(縦凹溝)、26は凹凸嵌合手段(縦凸条)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれコンクリート成型品からなる奥行厚さの厚い基本ブロック(1)と奥行厚さの薄い板状ブロック(2)の2種類を有した擁壁用組ブロックであって、
前記基本ブロック(1)の左右各側面(13,14)と前記板状ブロック(2)の左右各側面(23,24)に、該基本ブロック(1)と該板状ブロック(2)とを左右に接合させたときに相互に凹凸嵌合して両ブロック(1,2)を相互に前後に位置ずれ不能に係合させ得る凹凸嵌合手段(15,16,25,26)を形成している、
ことを特徴とする擁壁用組ブロック。
【請求項2】
請求項1において、
基本ブロック(1)の左右各側面(13,14)の凹凸嵌合手段(15,16)を奥行方向に間隔をもって複数箇所ずつ形成している、
ことを特徴とする擁壁用組ブロック。
【請求項3】
コンクリート成型品からなる複数個の擁壁用ブロックを上下・左右に組付けて構築した擁壁構造であって、
前記擁壁用ブロックとして、奥行厚さの厚い基本ブロック(1)と奥行厚さの薄い板状ブロック(2)の2種類を有し、さらに前記基本ブロック(1)の左右各側面(13,14)と前記板状ブロック(2)の左右各側面(23,24)に、該基本ブロック(1)と該板状ブロック(2)とを左右に接合させたときに相互に凹凸嵌合して両ブロック(1,2)を相互に前後に位置ずれ不能に係合させ得る凹凸嵌合手段(15,16,25,26)をそれぞれ形成しているものを使用しているとともに、
左右2個の基本ブロック(1,1)間に1個の板状ブロック(2)を介在させ且つ該板状ブロック(2)の左右各凹凸嵌合手段(25,26)を左右各側の基本ブロック(1,1)の対向する凹凸嵌合手段(15,16)にそれぞれ嵌合させた状態で組付けている、
ことを特徴とする擁壁構造。
【請求項4】
請求項3において、
左右各側面(13,14)の凹凸嵌合手段(15,16)を奥行方向に間隔をもって複数箇所ずつ形成している基本ブロック(1)を使用し、
左右に異なる位置に組付けられる各板状ブロック(2,2)において、左右両基本ブロック(1,1)の対向する複数組の各凹凸嵌合手段(15,16)における奥行方向に異なる位置の1組の凹凸嵌合手段(15,16)にそれぞれ嵌合させて、左右に位置する各板状ブロック(2,2)を奥行方向の異なる位置に組付けている、
ことを特徴とする擁壁構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−22582(P2006−22582A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−202596(P2004−202596)
【出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【出願人】(502443105)有限会社アスラック (15)
【Fターム(参考)】