説明

操作ガイドを表示する表示装置

【課題】動作モードごとに用意されたパターンの指示が割当てられる操作スイッチを備えていながら、操作ガイドを適切に表示することが可能となる表示装置を提供する。
【解決手段】複数の動作モードの何れかを有効に設定する動作モード設定部と、動作モードごとに用意されているパターンに基づいて、各々に異なる指示が割当てられる複数個の操作スイッチと、どのような指示が割当てられているかを示す操作ガイドを表示するガイド表示部と、を備え、現在有効に設定されている動作モードに応じて動作するとともに、操作スイッチが操作されたとき、この操作スイッチに割当てられている指示に従って動作するものであって、ガイド表示部は、前記パターンの各々に対応するように、操作ガイドを複数種準備しており、該操作ガイドの各々のうち、操作スイッチへの指示の割当てに現在用いられているパターンに対応したものを、表示する表示装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ放送受像機などの表示装置に関し、特に、操作スイッチに割当てられている指示を表す操作ガイドを表示するものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビ放送受像機やPC[Personal Computer]用モニタなど、ディスプレイを有する種々の表示装置が利用されている。多くの表示装置には、一般的な電気機器と同様、ユーザの各種指示を受付けるために、操作スイッチ(押しボタンスイッチなど、表示装置の本体に配置されるもの)が設けられる。
【0003】
例えばテレビ放送受像機の場合、通常の状態では、「電源のON/OFF切替」、「入力ラインの切替」、「受信チャンネルの切替(昇順方向)」、「受信チャンネルの切替(降順方向)」、「音量の変更(増大方向)」、および「音量の変更(減少方向)」といった各種指示を、ユーザが適宜行おうとする可能性がある。
【0004】
そのためテレビ放送受像機においては、これらの指示が割当てられるようにした操作スイッチが設けられる。これによりテレビ放送受像機は、ユーザによる操作スイッチの操作を受付けて、ユーザの指示に従った動作を行うことができる。
【0005】
なお表示装置の仕様によっては、予め複数の動作モードが用意されており、現在有効に設定されている動作モードに従った動作がなされる場合もある。例えばテレビ放送受像機の場合、通常通りにテレビ放送受像を行うための動作モード(通常モード)に加えて、各種設定を行うための動作モード(メニューモード)が用意されていることが多い。
【0006】
テレビ放送受像機は、このようなメニューモードにおいて、操作スイッチの操作を受付けることにより、各種の設定入力(通常モードでなされる指示とは異なる指示)を受付ける。なお、メニューモード専用の操作スイッチを設置しておくようなことは、製品の小型化やコスト削減などの点で不利となる。そのため、多くの場合、操作スイッチは各動作モード(ここでは、通常モードとメニューモード)に共用される。つまり各操作スイッチは、動作モードごとに異なる指示が割当てられる。
【0007】
またユーザに操作スイッチを利用し易くさせるため、各操作スイッチにどのような指示が割当てられているかを示す表示(操作ガイド)を、表示することも考えられる。特許文献1には、非接触センサを用いてユーザが手を近づけたことを検出したときに、ディスプレイに操作ガイドを表示させるものが開示されている。
【0008】
このように、操作ガイドがディスプレイに表示されるようになっていれば、操作ガイドが例えば表示装置の筐体や操作スイッチ自体に設けられる場合に比べ、操作ガイドを見易く表示することや、表示スペースを削減して製品の小型化を図ること等が容易となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−238146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したように表示装置においては、複数の動作モードが用意され、同じ操作スイッチに複数種の指示(動作モードごとに用意されたパターンの指示)が割当てられることがある。この場合、現在有効に設定されている動作モードによって、各操作スイッチに割当てられる指示が異なるため、これに応じた操作ガイドが表示されることが望ましい。
【0011】
本発明は上述した問題に鑑み、動作モードごとに用意されたパターンの指示が割当てられる操作スイッチを備えていながら、操作ガイドを適切に表示することが可能となる表示装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明に係る表示装置は、ディスプレイと、用意されている複数種の動作モードのうちの何れかを、切替可能に有効に設定する動作モード設定部と、前記動作モードごとに用意されているパターンに基づいて、各々に異なる指示が割当てられる複数個の操作スイッチと、前記操作スイッチの各々にどのような指示が割当てられているかを示す操作ガイドを、前記ディスプレイに表示するガイド表示部と、を備え、現在有効に設定されている動作モードに応じて動作するとともに、前記操作スイッチが操作されたとき、この操作スイッチに割当てられている指示に従って動作する表示装置であって、前記ガイド表示部は、前記パターンの各々に対応するように、前記操作ガイドを複数種準備しており、該操作ガイドの各々のうち、前記操作スイッチへの指示の割当てに現在用いられているパターンに対応したものを、表示する構成とする。
【0013】
本構成によれば、動作モードごとに用意されたパターンの各々に対応するように、操作ガイドが複数種準備され、操作ガイドの各々のうち、操作スイッチへの指示の割当てに現在用いられているパターンに対応したものが表示される。そのため、動作モードごとに異なるパターンの指示が割当てられる操作スイッチを備えていながら、操作ガイドを適切に表示することが可能となる。
【0014】
また有効に設定される前記動作モードが切替えられる度に、新たに有効に設定された該動作モードに対応する前記パターンに基づいて、前記操作スイッチの各々に割当てられている指示を更新する上記構成の表示装置において、前記操作ガイドが表示されていない状況において、任意の前記操作スイッチの操作がなされたときは、この操作スイッチに割当てられている指示に従った動作は、行われないようにするとともに、前記ガイド表示部が、前記操作ガイドの表示を開始させる構成としてもよい。
【0015】
また上記構成において、前記操作ガイドが表示されていないとき、任意の前記操作スイッチの操作を、ガイド表示指示として待機し、前記ガイド表示指示がなされたとき、前記操作スイッチの各々に、前記パターンに基づいた指示が割当てられるとともに、前記ガイド表示部が、前記操作ガイドの表示を開始させる構成としてもよい。
【0016】
本構成によれば、ユーザは、どの操作スイッチを操作すべきかを迷うことなく、操作ガイドを容易に表示させることが可能となる。またユーザが誤って操作ボタンを操作し、表示装置に意図しない指示を与えてしまうことを、極力回避させることが可能となる。
【0017】
また上記構成において、前記ガイド表示部は、前記操作ガイドを表示しているとき、前記操作スイッチの何れもが操作されない状態が一定時間続いた場合には、該操作ガイドの表示を終了させる構成としてもよい。
【0018】
本構成によれば、例えばテレビ番組の画像に重畳するように操作ガイドが表示される形態である場合、操作ガイドがいつまでも表示される場合に比べ、テレビ番組の画像の表示を、極力妨げないようにすることが可能となる。
【0019】
また上記構成において、前記操作スイッチの各々は、前記ディスプレイの縁に沿って配置されており、前記操作ガイドは、前記操作スイッチごとに対応して、その操作スイッチにどのような指示が割当てられているかを示す、個別ガイドの各々を含むものであり、前記個別ガイドの各々は、自身に対応する前記操作スイッチと対をなすように、前記ディスプレイの縁に沿って表示される構成としてもよい。
【0020】
本構成によれば、例えば操作スイッチの各々にID(数字など)を表記させることなく、各個別ガイドがどの操作スイッチに対応しているかが、一目瞭然となる。
【0021】
また、取得した画像情報に基づいて、前記ディスプレイに画像を表示させる上記構成の表示装置として、より具体的には、テレビ放送の受信によって前記画像情報を取得する、テレビ放送受像機であり、前記操作スイッチは、押しボタンスイッチであり、前記ガイド表示部は、前記画像に重畳させるように、前記操作ガイドを前記ディスプレイにOSD表示させる構成としてもよい。
【発明の効果】
【0022】
上述した通り、本発明に係る表示装置によれば、動作モードごとに用意されたパターンの各々に対応するように、操作ガイドが複数種準備され、操作ガイドの各々のうち、操作スイッチへの指示の割当てに現在用いられているパターンに対応したものが表示される。そのため、動作モードごとに異なるパターンの指示が割当てられる操作スイッチを備えていながら、操作ガイドを適切に表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係るテレビ放送受像機の構成を表すブロック図である。
【図2】当該テレビ放送受像機の外観図である。
【図3】当該テレビ放送受像機が行う主な動作のフローチャートである。
【図4】テレビ番組の画像が全画面表示された状態を示す説明図である。
【図5】第1操作ガイドの形態を示す説明図である。
【図6】第1操作ガイドが表示された状態を示す説明図である。
【図7】メニュー画面の形態を示す説明図である。
【図8】第2操作ガイドの形態を示す説明図である。
【図9】メニュー画面と第2操作ガイドが表示された状態を示す説明図である。
【図10】他の操作ガイドが表示された状態を示す説明図である。
【図11】更に他の操作ガイドが表示された状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態について、テレビ放送受像機(表示装置の一種)を例に挙げて、以下に説明する。
【0025】
[テレビ放送受像機の構成等について]
図1は、本実施形態に係るテレビ放送受像機の構成を表すブロック図を示している。また図2は、当該テレビ放送受像機の外観図を示している。
【0026】
これらの図に示すように、当該テレビ放送受像機1は、放送信号受信部11、信号処理部12、OSD[On Screen Display]画像記録部13、出力画像生成部14、スピーカ15、ディスプレイ16、制御部17、リモコン受光部18、およびボタンスイッチ(B1〜B7)などを備えている。
【0027】
なお図2に示すように、テレビ放送受像機1は、各構成部品が筐体内に収められた形態となっている。またテレビ放送受像機1は、この筐体の前面Sf(図2において手前側に表された面)が、ユーザ(視聴者)側に向けられるようにして使用される。
【0028】
放送信号受信部11は、アンテナ(或いは放送信号の入力端子)やチューナ等から形成されており、テレビ放送を受信する機能を有している。チューナが選局する放送チャンネルの切替は、制御部17によって制御される(後述する「チャンネル+」や「チャンネル−」の指示に応じて、制御部17がこれを制御する)ようになっている。
【0029】
信号処理部12は、信号の入力ラインとして、放送信号が入力される第1入力ラインの他、別の外部信号(例えば、外部接続された録画再生機器から出力される、音声と画像の情報を含んだ信号)が入力される第2入力ラインも有している。そして何れの入力ラインを有効とするかは、制御部17によって制御される(後述する「入力切替」の指示に応じて、制御部17がこれを制御する)ようになっている。
【0030】
第1入力ラインが有効であるとき、信号処理部12は、受取った放送信号から、テレビ番組の画像を表す画像信号、およびテレビ番組の音声を表す音声信号を抽出する。そして画像信号は出力画像生成部14へ、音声信号はスピーカ15へ、それぞれ送出される。
【0031】
一方、第2入力ラインが有効であるとき、信号処理部12は、受取った外部信号から画像信号と音声信号を抽出する。そして画像信号は出力画像生成部14へ、音声信号はスピーカ15へ、それぞれ送出される。
【0032】
OSD画像記録部13は、例えばフラッシュメモリによって形成されており、適宜ディスプレイ16へOSD表示させるための、各種のOSD画像情報を記録している。記録されているOSD画像情報は、制御部17の指示に従って、出力画像生成部14へ送出されるようになっている。
【0033】
なおOSD画像記録部13が記録している主なOSD画像情報としては、図5に示す形態の第1ガイド情報Ga、図7に示す形態のメニュー画面MENU、および図8に示す形態の第2ガイド情報Gbなどがある。これらがどのように用いられるかについては、後述する説明で明らかとなる。
【0034】
出力画像生成部14は、ディスプレイ16に画像を表示させるための出力画像信号を生成し、ディスプレイ18に送出する。出力画像生成部14は、信号処理部12から受取った画像信号に基づいて、出力画像信号を生成する。但し、制御部17によってOSD画像の表示指令がなされたときは、出力画像生成部14は、OSD画像記録部13に記録されているOSD画像情報がOSD表示されるようにして(つまりOSD画像を、信号処理部12から受取った画像信号の画像に重畳させるようにして)、出力画像信号を生成する。
【0035】
スピーカ15は、信号処理部12から受取った音声信号に基づいて音声を発生させる。スピーカ19は、図2に示すように筐体の前面Sfに設けられており、ユーザに向けて音声を発することが可能となっている。なおスピーカ15の音量は、制御部17によって制御される(後述する「音量+」や「音量−」の指示に応じて、制御部17がこれを制御する)ようになっている。
【0036】
ディスプレイ16は、例えば液晶ディスプレイやプラズマディスプレイとして形成されており、受取った出力画像信号に基づいて画像を表示する。ディスプレイ16は、図2に示すように筐体の前面Sfに設けられており、ユーザに向けて画像を表示することが可能となっている。
【0037】
制御部17は、例えばCPUによって形成されており、テレビ放送受像機1が正常に動作するように各部を制御する。なお後述の説明により明らかとなるが、テレビ放送受像機1には動作モードとして、「通常モード」(テレビ放送の視聴に適した動作モード)と「メニューモード」(各種設定を行うために設けられた動作モード)が用意されており、切替可能に有効に設定されるようになっている。つまりテレビ放送受像機1は、現在有効に設定されている動作モードに応じて、動作するようになっている。
【0038】
リモコン受光部18は、不図示のリモコン送信機からリモコン信号としての赤外線を受光し、リモコン信号が表す遠隔操作の内容を制御部に送出する。これによりテレビ放送受像機1は、遠隔操作を受付けることが可能となっている。またリモコン受光部18は、リモコン信号を受け易くするため、図2に示すように筐体の前面Sfに設けられている。
【0039】
ボタンスイッチ(第1ボタンB1〜第7ボタンB7)の各々は、ユーザによって自在に押下(操作)されるようにした、押しボタンスイッチとして形成されている。現時点で何れのボタンスイッチ(B1〜B7)が押下されているかの情報は、制御部17に伝送されるようになっている。これにより制御部17は、各部の制御にユーザの意図を反映させることが可能となっている。
【0040】
また図2に示すように、各ボタンスイッチ(B1〜B7)は、筐体の前面Sfにおいて、ディスプレイ16の縁に沿って配置されている。なお各ボタンスイッチ(B1〜B7)は、テレビ放送受像機1の本体に固定的に設けられているため、リモコン送信機とは異なり、紛失されるような心配はない。
【0041】
[テレビ放送受像機の動作について]
次に、テレビ放送受像機1が行う主な動作の流れについて、図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0042】
テレビ放送受像機1の電源がオンにされた直後、テレビ放送受像機1の動作モードは「通常モード」に設定される。すなわちテレビ放送受像機1は、通常モードの動作として、これから説明するステップS11からS17の動作を実行する。
【0043】
「通常モード」において制御部17は、放送信号受信部11、信号処理部12、および出力画像生成部14を適切に制御し、図4に示すように、テレビ番組(或いは外部信号)の画像を、ディスプレイ16に表示させる動作を開始させる(ステップS11)。この表示は、「通常モード」が有効に設定されている間、継続される。
【0044】
そして制御部17は、後述する操作ガイドGaが表示されていない(後述する第1パターンに基づいた指示の割当ても未だなされていない)状況では、任意のボタンスイッチ(B1〜B7)の押下を、ガイド表示指示として待機する(ステップS12)。そしてボタンスイッチ(B1〜B7)の何れかが押下されたとき、つまりガイド表示指示がなされたとき(ステップS12のY)、制御部17は、ボタンスイッチ(B1〜B7)の各々に、予め用意されている第1パターンに基づいた指示を割り当てるとともに、図5に示す第1操作ガイドGaのOSD表示を開始させる(ステップS13)。
【0045】
ここで第1パターンは、通常動作モードでのユーザの利便性を考慮したパターンであり、
第1ボタンB1に「入力切替」(有効とする入力ラインを切替えさせる)の指示を、
第2ボタンB2に「チャンネル+」(選局チャンネルを昇順に切替えさせる)の指示を、
第3ボタンB3に「チャンネル−」(選局チャンネルを降順に切替えさせる)の指示を、
第4ボタンB4に「音量+」(音量を1段階アップさせる)の指示を、
第5ボタンB5に「音量−」(音量を1段階ダウンさせる)の指示を、
第6ボタンB6に「メニュー」(動作モードをメニューモードに移行させる)の指示を、
第7ボタンB7に「電源」(電源をオフさせる)の指示を、それぞれ割り当てさせるためのパターンである。
【0046】
また第1操作ガイドGaは、図5に示すように、第1パターンに基づいた指示の割り当てがなされた状況で、各ボタン(B1〜B7)にどのような指示が割り当てられているかを示す(ユーザに案内する)ためのOSD表示である。第1操作ガイドGaには、ボタンスイッチ(B1〜B7)の各々に割り当てられている指示の内容を示す、第1個別ガイドGa1から第7個別ガイドGa7までの各個別ガイドが含まれている。
【0047】
なお第n個別ガイドは、第nボタンに対応しており、そのボタンスイッチに割り当てられている指示の内容を示している。そして各個別ガイド(Ga1〜Ga7)は、自身に対応するボタンスイッチ(B1〜B7)と対をなすように(換言すれば、ディスプレイ16の縁を介して隣り合うような形態で)、ディスプレイ16の縁に沿って表示されるようになっている。これにより、各個別ガイド(Ga1〜Ga7)が、ボタンスイッチ(B1〜B7)の何れに対応しているかは、ユーザにとって一目瞭然となる。
【0048】
図6は、第1操作ガイドGaがOSD表示された状態の、テレビ放送受像機1を表している。ユーザは、第1操作ガイドGaを見ながらボタンスイッチを押下することにより、間違ったボタンスイッチを押下することなく、テレビ放送受像機1に的確な指示を与えることが可能である。
【0049】
ステップS13の動作がなされた後、制御部17は、ボタンスイッチ(B1〜B7)の何れもが操作されない無操作状態が一定時間(例えば10秒間)続いたか(ステップS14)、および、ボタンスイッチ(B1〜B7)の何れかが押下されたか(ステップS15)を監視する。
【0050】
そして無操作状態が一定時間続いた場合には(ステップS14のY)、差し当たってはユーザに操作を行う意思がないと考えられる。そこでこの場合、第1パターンに基づいたボタンスイッチ(B1〜B7)への指示の割り当てや、第1操作ガイドGaの表示は一旦キャンセル(終了)され(ステップS14a)、ステップS12の動作が再度実行される。
【0051】
一方、ボタンスイッチ(B1〜B7)の何れかが押下された場合には(ステップS15のY)、制御部17は、押下されたボタンスイッチに割り当てられている指示がなされたとみなし、その指示に従った動作が実行されるように各部を制御する(ステップS17)。
【0052】
なおその指示がメニューモードへの移行指示であった場合(つまり、第6ボタンB6が押下された場合)においては(ステップS16のY)、テレビ放送受像機1の動作モードの設定は「メニューモード」に更新される。このとき、第1パターンに基づいたボタンスイッチ(B1〜B7)への指示の割り当てや、第1操作ガイドGaの表示はキャンセルされる(ステップS16a)。
【0053】
そしてテレビ放送受像機1は、メニューモードの動作として、これから説明するステップS21からステップS27の動作を実行する。まず制御部17は、図7に示すメニュー画面MENUをディスプレイ16にOSD表示させて各種設定入力の受付を開始する(ステップS21)。なお各種設定入力の受付は、メニューモードが有効に設定されている間、継続的に実行される。
【0054】
メニュー画面MENUは、図7に示すように、各種設定に関わる入力を受付ける画面を表すOSD表示である。メニュー画面MENUには、「映像・音声」、「システム設定」、「設置設定」、「みる・予約」、および「その他の設定」の各項目が設けられており、ユーザが何れかの項目を、選択的に指定することが可能となっている。
【0055】
そして何れかの項目が指定されたら、メニュー画面MENUは、その項目に関する設定入力を受付ける画面(不図示)に切替わるようになっている。これによりユーザは、例えばテレビ放送受像機1のシステムに関わる新規設定あるいは設定更新を行おうとする場合、「システム設定」の項目を指定した後、切替った画面を見ながら必要な情報を入力することにより、目的を達することができる。
【0056】
そして制御部17は、後述する操作ガイドGbが表示されていない(後述する第2パターンに基づいた指示の割当ても未だなされていない)状況では、任意のボタンスイッチ(B1〜B7)の押下を、ガイド表示指示として待機する(ステップS22)。ボタンスイッチ(B1〜B7)の何れかが押下されたとき、つまりガイド表示指示がなされたとき(ステップS22のY)、制御部17は、ボタンスイッチ(B1〜B7)の各々に、予め用意されている第2パターンに基づいた指示を割り当てるとともに、図8に示す第2操作ガイドGbのOSD表示を開始させる(ステップS23)。
【0057】
ここで第2パターンは、メニューモードでのユーザの利便性を考慮したパターンであり、
第1ボタンB1に「↑」(入力カーソル等を上側に移動させる)の指示を、
第2ボタンB2に「↓」(入力カーソル等を下側に移動させる)の指示を、
第3ボタンB3に「←」(入力カーソル等を左側に移動させる)の指示を、
第4ボタンB4に「→」(入力カーソル等を右側に移動させる)の指示を、
第5ボタンB5に「決定」(現在の選択状態等を有効に設定させる)の指示を、
第6ボタンB6に「戻る」(表示する画面を一つ前の画面に戻させる)の指示を、
第7ボタンB7に「電源」(電源をオフさせる)の指示を、それぞれ割り当てさせるためのパターンである。
【0058】
また第2操作ガイドGbは、図8に示すように、第2パターンに基づいた指示の割り当てがなされた状況で、各ボタン(B1〜B7)にどのような指示が割り当てられているかを示す(ユーザに案内する)ためのOSD表示である。第2操作ガイドGbには、ボタンスイッチ(B1〜B7)の各々に割り当てられている指示の内容を示す、第1個別ガイドGb1から第7個別ガイドGb7までの各個別ガイドが含まれている。
【0059】
なお第n個別ガイドは、第nボタンに対応しており、そのボタンスイッチに割り当てられている指示の内容を示している。そして各個別ガイド(Gb1〜Gb7)は、自身に対応するボタンスイッチ(B1〜B7)と対をなすように、ディスプレイ16の縁に沿って表示されるようになっている。これにより、各個別ガイド(Gb1〜Gb7)が、ボタンスイッチ(B1〜B7)の何れに対応しているかは、ユーザにとって一目瞭然となる。
【0060】
図9は、メニュー画面MENUおよび第2操作ガイドGbがOSD表示された状態の、テレビ放送受像機1を表している。ユーザは、第2操作ガイドGbを見ながらボタンスイッチを押下することにより、間違ったボタンスイッチを押下することなく、テレビ放送受像機1に的確な指示を与えることが可能である。
【0061】
ステップS23の動作がなされた後、制御部17は、ボタンスイッチ(B1〜B7)の何れも操作されない無操作状態が一定時間(例えば10秒間)続いたか(ステップS24)、および、ボタンスイッチ(B1〜B7)の何れかが押下されたか(ステップS25)を監視する。
【0062】
そして無操作状態が一定時間続いた場合には(ステップS24のY)、差し当たってはユーザに操作を行う意思がないと考えられる。そこでこの場合、第2パターンに基づいたボタンスイッチ(B1〜B7)への指示の割り当てや、第2操作ガイドGbの表示は一旦キャンセルされ(ステップS24a)、ステップS22の動作が再度実行される。
【0063】
一方、ボタンスイッチ(B1〜B7)の何れかが押下された場合には(ステップS25のY)、制御部17は、押下されたボタンスイッチに割り当てられている指示がなされたとみなし、その指示に従った動作が実行されるように各部を制御する(ステップS27)。
【0064】
なおその指示が、通常モードへの移行指示であった場合には(ステップS26のY)、テレビ放送受像機1の動作モードの設定は「通常モード」に更新される。すなわちテレビ放送受像機1の動作はステップS11に戻る。このとき、第2パターンに基づいたボタンスイッチ(B1〜B7)への指示の割り当てや、第2操作ガイドGbの表示はキャンセルされるとともに、メニュー画面MENUの表示もキャンセルされる(ステップS26a)。
【0065】
上述したように、各ボタンスイッチ(B1〜B7)には、動作モードに応じて異なる指示が割り当てられるようになっているところ(ステップS13、S23を参照)、それぞれの状況に適合するように、操作ガイド(Ga、Gb)が別個に設けられている。そのためテレビ放送受像機1は、どの動作モードが有効に設定されていても、各ボタンスイッチ(B1〜B7)にどのような指示が割り当てられているかを、ユーザに対して適切に案内することが可能となっている。
【0066】
またテレビ放送受像機1は各動作モードにおいて、操作ガイド(Ga、Gb)が表示されていない状況では、ボタンスイッチ(B1〜B7)の何れが押下された場合にも、操作ガイド(Ga、Gb)を表示させるようになっている。換言すれば、操作ガイド(Ga、Gb)が表示されていない状況では、ボタンスイッチ(B1〜B7)の全てには、ガイド表示指示(操作ガイドを表示させる指示)が割り当てられている。そのためユーザは、どのボタンスイッチを押下すべきかを迷うことなく、操作ガイド(Ga、Gb)を容易に表示させることが可能となっている。
【0067】
なお操作ガイド(Ga、Gb)が表示されていない状況では、第1パターンや第2パターンに基づいたボタンスイッチ(B1〜B7)への指示の割り当ては、未だなされていない。これにより、ユーザが誤ってボタンスイッチ(B1〜B7)を押下し、テレビ放送受像機1に意図しない指示を与えてしまうことを、極力回避させることが可能となっている。
【0068】
また操作ガイド(Ga、Gb)のOSD表示は、無操作状態が一定時間続いた場合には、一旦キャンセルされるようになっている。そのため操作ガイド(Ga、Gb)がいつまでも表示される場合に比べ、テレビ放送受像機1は、操作ガイド(Ga、Gb)の後ろに表示されている画像(テレビ番組の画像など)の表示を、極力妨げないようにすることが可能となっている。
【0069】
[変形例等について]
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこの内容に限定されるものではない。本発明は、その主旨を逸脱しない範囲において、種々の改変を加えて実施され得る。ここで本実施形態についての幾つかの変形例について、以下に示しておく。
【0070】
本実施形態では、操作スイッチ(ユーザによって操作されるスイッチ)として、押しボタンスイッチが適用されているが、これに代えて、例えばレバースイッチやダイヤル式スイッチ等、各種形態のスイッチが適用され得る。また各ボタンスイッチ(B1〜B7)にどのような指示を割り当てるかについては、種々の形態を準備しておくことができ、またその形態に応じた操作ガイドを表示させることが可能である。
【0071】
例えばユーザによる数字(郵便番号など)の入力を受付ける状況が発生する場合、ボタンスイッチ(B1〜B7)の一部に、数字入力を認識させる指示を割り当てるようにしても良い。そしてこのときは、図10に示すような操作ガイドGc(各ボタンスイッチがどの数字に対応しているかを示すもの)を、表示させるようにすれば良い。
【0072】
また操作ガイド(Ga、Gb)の形態は、本実施形態のように、各個別ガイド(Ga1〜Ga7、Gb1〜Gb7)を、対応するボタンスイッチ(B1〜B7)と対になる位置に配置されたものには限られない。例えば各ボタンスイッチ(B1〜B7)に簡易なID(ここでは1〜7の数字)を記しておき、図11に示すような操作ガイドGd(IDとともに指示の内容を示すようにしたもの)が、表示されるようにしても構わない。
【0073】
また各ボタンスイッチ(B1〜B7)への指示の割当ては、有効に設定される動作モードの切替に応じて(例えば、当該切替がなされた時の直後に)行われるようにしても良い。すなわちテレビ放送受像機1においては、有効に設定される動作モードが切替えられる度に、新たに有効に設定された動作モードに対応するパターンに基づいて、各ボタンスイッチ(B1〜B7)に割当てられている指示が更新されるようにしても良い。
【0074】
このようにする場合、操作ガイド(Ga、Gb)が表示されていない状況において、任意のボタンスイッチ(B1〜B7)の操作がなされたときは、このボタンスイッチ(B1〜B7)に割当てられている指示に従った動作は行われないようにする(つまり、本来行うべき動作は行われないようにする)とともに、操作ガイド(Ga、Gb)の表示を開始させるようにすることが好ましい。すなわち、操作ガイド(Ga、Gb)が表示されている状況に限り、任意のボタンスイッチ(B1〜B7)の操作がなされたときに、このボタンスイッチ(B1〜B7)に割当てられている指示に従った動作が行われるようにする。
【0075】
このようにすれば、ユーザが誤ってボタンスイッチ(B1〜B7)を押下し、テレビ放送受像機1に意図しない指示を与えてしまうことを、極力回避させることが可能となる。なおこのような形態とする場合においても、操作ガイド(Ga、Gb)を表示している間に、ボタンスイッチ(B1〜B7)の何れもが操作されない状態が一定時間続いた場合には、操作ガイド(Ga、Gb)の表示がキャンセルされるようにすることが可能である。
【0076】
[その他]
上述した通りテレビ放送受像機1は、ディスプレイ16と、用意されている複数種の動作モードのうちの何れかを、切替可能に有効に設定する機能部(動作モード設定部)と、前記動作モードごとに用意されているパターン(第1パターンおよび第2パターン)に基づいて、各々に異なる指示が割当てられる複数個のボタンスイッチ(B1〜B7)(操作スイッチ)と、ボタンスイッチ(B1〜B7)の各々にどのような指示が割当てられているかを示す操作ガイド(Ga、Gb)を、ディスプレイ16に表示する機能部(ガイド表示部)と、を備えている。
【0077】
またテレビ放送受像機1は、現在有効に設定されている動作モードに応じて動作するとともに、ボタンスイッチ(B1〜B7)が押下されたとき、このボタンスイッチ(B1〜B7)に割当てられている指示に従って動作するものとなっている。そしてガイド表示部は、第1パターンおよび第2パターンの各々に対応するように、第1操作ガイドGaおよび第2操作ガイドGbを準備しており、これらの操作ガイド(Ga、Gb)のうち、ボタンスイッチ(B1〜B7)への指示の割当てに現在用いられているパターンに対応したものを、表示するようになっている。
【0078】
そのため、テレビ放送受像機1は、動作モードごとに異なるパターンの指示が割当てられる操作スイッチを備えていながら、操作ガイドを適切に表示することが可能となっている。
【0079】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの内容に限定されるものではない。また本発明の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない限り、種々の改変を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、テレビ放送受像機などの各種表示装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0081】
1 テレビ放送受像機(表示装置)
11 放送信号受信部
12 信号処理部
13 OSD画像記録部
14 出力画像生成部
15 スピーカ
16 ディスプレイ
17 制御部
18 リモコン受光部
B1〜B7 ボタンスイッチ(操作スイッチ)
Ga 第1操作ガイド
Ga1〜Ga7 第1操作ガイドに含まれる個別ガイド
Gb 第2操作ガイド
Gb1〜Gb7 第2操作ガイドに含まれる個別ガイド
Menu メニュー画面
Sf 筐体の前面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイと、
用意されている複数種の動作モードのうちの何れかを、切替可能に有効に設定する動作モード設定部と、
前記動作モードごとに用意されているパターンに基づいて、各々に異なる指示が割当てられる複数個の操作スイッチと、
前記操作スイッチの各々にどのような指示が割当てられているかを示す操作ガイドを、前記ディスプレイに表示するガイド表示部と、を備え、
現在有効に設定されている動作モードに応じて動作するとともに、前記操作スイッチが操作されたとき、この操作スイッチに割当てられている指示に従って動作する表示装置であって、
前記ガイド表示部は、
前記パターンの各々に対応するように、前記操作ガイドを複数種準備しており、
該操作ガイドの各々のうち、前記操作スイッチへの指示の割当てに現在用いられているパターンに対応したものを、表示することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
有効に設定される前記動作モードが切替えられる度に、新たに有効に設定された該動作モードに対応する前記パターンに基づいて、前記操作スイッチの各々に割当てられている指示を更新する請求項1に記載の表示装置であって、
前記操作ガイドが表示されていない状況において、任意の前記操作スイッチの操作がなされたときは、
この操作スイッチに割当てられている指示に従った動作は、行われないようにするとともに、
前記ガイド表示部が、前記操作ガイドの表示を開始させることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
前記操作ガイドが表示されていないとき、任意の前記操作スイッチの操作を、ガイド表示指示として待機し、
前記ガイド表示指示がなされたとき、
前記操作スイッチの各々に、前記パターンに基づいた指示が割当てられるとともに、
前記ガイド表示部が、前記操作ガイドの表示を開始させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記ガイド表示部は、
前記操作ガイドを表示しているとき、前記操作スイッチの何れもが操作されない状態が一定時間続いた場合には、該操作ガイドの表示を終了させることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記操作スイッチの各々は、
前記ディスプレイの縁に沿って配置されており、
前記操作ガイドは、
前記操作スイッチごとに対応して、その操作スイッチにどのような指示が割当てられているかを示す、個別ガイドの各々を含むものであり、
前記個別ガイドの各々は、
自身に対応する前記操作スイッチと対をなすように、前記ディスプレイの縁に沿って表示されることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の表示装置。
【請求項6】
取得した画像情報に基づいて、前記ディスプレイに画像を表示させる請求項1から請求項5の何れかに記載の表示装置であって、
テレビ放送の受信によって前記画像情報を取得する、テレビ放送受像機であり、
前記操作スイッチは、押しボタンスイッチであり、
前記ガイド表示部は、前記画像に重畳させるように、前記操作ガイドを前記ディスプレイにOSD表示させることを特徴とする表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−9924(P2012−9924A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141415(P2010−141415)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】