説明

操作キー部品

【課題】単純な構成で主装置の外壁からのキートップの突出量の低下及びキートップのがたつきを抑え、主装置の外観のデザイン性を維持する。
【解決手段】操作キー部品60は、熱可塑性の樹脂で一体成型されたヒンジキー11、突出部12、ストッパ13、フレーム20及びヒンジ21を備えている。フレーム20は、格子状に形成され、各格子内でヒンジキー11をヒンジ21を介して浮動支持している。また、フレーム20は、表面の角部に4つの延出部22を備えている。操作キー部品60が主装置に装着された際、延出部22は、ヒンジキー11の表面が押下方向と反対方向(矢印Y2方向)に最も移動した位置よりも先端が所定距離だけ矢印Y2方向に位置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電話機やファクシミリ装置等に配置されたテンキー等の操作キー装置の部品に関する。
【背景技術】
【0002】
電話機やファクシミリ装置等の主装置に装着されているテンキー等の操作キー装置は、送信先の番号の入力や特定の機能の実行開始等の入力操作を受け付ける。この操作キー装置は、図5に示すような押しボタン構造(例えば、特許文献1参照。)が採用されている。
【0003】
図5は、単一の操作キー装置の構造を説明するための説明図である。操作キー装置100は、キー110、ヒンジ120、フレーム130及びタクトスイッチ140等から構成されている。キー110は、キートップ110A、フランジ部110B等から構成されている。
【0004】
キートップ110Aは、主装置の外壁200に形成された孔210に、外壁200の内面から外面に向かって突出している。フランジ部110Bは、キートップ110Aの孔210からの突出量を規制する。フランジ部110Bは、裏面で突起部110Cを支持している。突起部110Cは、フランジ部110Bの裏面からタクトスイッチ140に向かって突出し、キートップ110Aが押圧操作された際のキー110の押下方向である矢印Y1方向の移動によりタクトスイッチ140を押し下げる。
【0005】
フレーム130は、キー110をヒンジ120を介して浮動支持し、外壁200に固定されている。タクトスイッチ140は、接続された回路基板を介して主装置の制御部に入力操作の有無を出力する。キー110、ヒンジ120、フレーム130は、熱可塑性の樹脂で一体成型されている。
【0006】
また、近年の操作キー装置には、デザイン性を向上させるべく、図6に示すようにキーの構成をキートップ310Aとヒンジキー310Bとの別体とし、キートップ310Aを透明の樹脂により形成した構成のものがある。別体としたのは、全てを透明の樹脂で形成すると操作キー装置の内部まで視認できてしまいデザイン上好ましくなく、また透明の樹脂は性質上厚みのある形状を成型することに適さないからである。
【0007】
ヒンジキー310Bは、表面が矢印Y1方向とは反対方向にキートップ310Aに当接し、外壁200とでキートップ310Aを挟持する。また、ヒンジキー310Bは、裏面に図示しないタクトスイッチを押下する突起部310Cを有し、ヒンジ320を介してフレーム330によって浮動支持されている。キートップ310Aの表面には、有色の塗装がされ、数字等の操作キーの機能の表示がされている。また、ユーザからの見た目がよくなるように、キートップ310Aとヒンジキー310Bとが接触する面をフラットに形成している。
【0008】
なお、操作キー装置310を主装置に装着した状態を示す図6ではフレーム330の表面とヒンジキー310Bの表面とが面一にならないが、ヒンジキー310Bが表面上でキートップ310Aを取り付けやすいように、従来よりフレーム330の表面とヒンジキー310Bの表面とは面一になるように設計されている。
【0009】
ヒンジキー310B、ヒンジ320及びフレーム330で構成される操作キー部品は、熱可塑性の樹脂で一体成型されている。操作キー部品は、一体成型後から主装置に装着されるまでの間、表面を上にした状態で保管トレイ等に載置、保管されている。
【特許文献1】特開2000−311544号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、キートップとヒンジキーとを別体で形成した操作キー装置の構成では、樹脂が完全に硬化する前の操作キー部品を一体成型直後に表面を上にした状態で載置するので、ヒンジキーの重量によりヒンジキーの支持位置が本来意図する支持位置よりも低下した状態で硬化する。
【0011】
ヒンジキーの支持位置が低下すると、操作キー装置を主装置に装着した際のヒンジキーのキートップへの当接位置が低下する。キートップとヒンジキーとは接着されていないので、キートップが上下方向にがたつく。仮に接着してもキートップの外壁からの突出量が減少して主装置の外観のデザイン性が損なわれる。また、キートップとヒンジキーとが一体成型されている操作キー装置であっても、一体成型された後の保管状態は同様であるので、同様にキートップの突出量が減少する。
【0012】
一方、支持位置の低下を防ぐため、樹脂が完全に硬化する前の操作キー部品を一体成型直後に表面を下に向けて保管トレイ等に載置することも考えられるが、ヒンジキーの表面が保管トレイの載置面に当接するため、載置面上に異物があった場合や載置面が完全な平面でない場合には支持位置の低下、ヒンジキーの表面形状の変形、ヒンジキーの表面の面方向の変化等が生じ、ヒンジキーがキートップを適切に支持できなくなる虞がある。また、キートップとヒンジキーとが一体成型されている操作キー装置では、キートップがフレームの表面よりも突出しているので、キートップ側を下に向けて保管トレイ等に載置することはできない。
【0013】
この発明の目的は、単純な構成で主装置の外壁からのキートップの突出量の減少及びキートップのがたつきを抑え、主装置の外観のデザイン性を維持することができる操作キー部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を備えている。
【0015】
(1)操作キー部品は、熱可塑性の樹脂で一体成型されたキーと、ヒンジと、単一のフレームとを備えている。キーは、表面側から裏面側に向かう押下方向に移動して主装置に配置されているスイッチに当接する。フレームは、キーの側面近傍に位置し、ヒンジを介してキーを浮動支持する。また、フレームは、表面の重心位置を囲む少なくとも3点を含む位置に延出部を備えている。延出部の先端は、キーの表面が主装置に装着された際の押下方向と反対方向に最も移動した位置よりも所定距離だけ反対方向に位置している。また、延出部は、主装置に装着された際に少なくとも主装置の外壁から外部に突出しない位置で切断された状態で主装置に装着されている。
【0016】
この構成においては、フレームの表面における重心位置を囲む3点を含む位置に延出部が形成されている。また、延出部は、該部品が主装置に装着された際、キーの表面が押下方向と反対方向に最も移動した位置よりも所定距離だけ反対方向に離れた位置まで延出している。つまり、延出部は、外観上最も見た目がよい状態で位置するキーの表面から所定距離だけ離れた位置まで延出している。
【0017】
そのため、該部品単体がフレームの表面を下に向けて平面上に載置された際、この延出部によって部品全体が支持され、且つ、キーが載置面に接触することなく浮動支持された状態となる。
【0018】
したがって、1以上のキー、ヒンジ、フレームが一体成型された直後から主装置に装着されるまでの間、該部品単体がフレームの表面を下に向けて平面上に載置されて保管された場合、ヒンジがキーの重量によって変形したとしても、キーの支持位置は延出部の先端に近づく方向に変わるのみであるので、主装置に装着された際に常にキーの表面が押下方向と反対方向に最も移動した位置にある状態となる。
【0019】
これにより、主装置に装着した際に常にキーの表面が押下方向と反対方向に最も移動した位置にある状態となる。
【0020】
また、延出部が少なくとも主装置の外壁から外部に突出しない位置で切断された状態で主装置に装着されているので、主装置のデザイン性を低下させることがない。
【0021】
(2)操作キー部品は、キートップと、熱可塑性の樹脂で一体成型されたヒンジキー、ヒンジ及び単一のフレームとを備えている。キートップは、主装置の外壁に形成された1以上の孔のそれぞれに、主装置の外壁の内側から外側に向かって貫通する凸部を有する。ヒンジキーは、表面側から裏面側に向かう押下方向に移動して主装置に配置されているスイッチに当接し、表面が押下方向と反対方向にキートップのそれぞれの裏面に当接する。フレームは、ヒンジキーの側面近傍に位置し、ヒンジを介してヒンジキーを浮動支持する。また、フレームは、表面の重心位置を囲む少なくとも3点を含む位置に延出部を備えている。延出部の先端は、ヒンジキーの表面が主装置に装着された際の押下方向と反対方向に最も移動した位置よりも所定距離だけ前記反対方向に位置している。
【0022】
この構成においては、フレームの表面における重心位置を囲む3点を含む位置に延出部が形成されている。また、延出部は、該部品が主装置に装着された際、ヒンジキーの表面が押下方向と反対方向に最も移動した位置よりも所定距離だけ反対方向に離れた位置まで延出している。つまり、延出部は、外観上最も見た目がよい状態で位置するヒンジキーの表面から所定距離だけ離れた位置まで延出している。
【0023】
そのため、該部品単体がフレームの表面を下に向けて平面上に載置された際、この延出部によって部品全体が支持され、且つ、ヒンジキーが載置面に接触することなく浮動支持された状態となる。
【0024】
したがって、ヒンジキー、ヒンジ、フレームが一体成型された直後から主装置に装着されるまでの間、該部品単体がフレームの表面を下に向けて平面上に載置されて保管された場合、ヒンジがヒンジキーの重量によって変形したとしても、ヒンジキーの支持位置は延出部の先端に近づく方向に変わるのみであるので、主装置に装着された際に常にヒンジキーの表面が押下方向と反対方向に最も移動した位置にある状態となる。
【0025】
これにより、主装置に装着した際に常にヒンジキーの表面が押下方向と反対方向に最も移動した位置にある状態となる。そのため、常にキートップの表面も押下方向と反対方向に最も移動した位置にある状態となる。
【0026】
また、ヒンジキーとキートップとが別体の構成であるので、ユーザに視認される箇所について他の箇所と異なった材質等で形成することが可能となる。
【0027】
(3)上記(1)又は(2)の構成においては、延出部は、主装置の外壁の内側に形成された位置決め穴に嵌合する。
【0028】
この構成においては、該部品が主装置に装着される際、延出部が主装置の外壁の内側の位置決め穴に嵌合する。したがって、延出部が該部品の位置決めに利用されるので、新たに位置決めの構成を設ける必要がない。
【0029】
(4)上記(2)の構成においては、キートップは、透明材料で形成されている。
【0030】
この構成においては、主装置の外部に突出するキートップが透明材料で形成されている。したがって、デザイン性が向上する。
【発明の効果】
【0031】
この発明によれば、以下の効果を奏することができる。
【0032】
(1)キーの表面と先端との間が所定距離の延出部をフレームの表面に設けることによって、一体成型後から主装置に装着するまでの間、該部品単体を延出部で支持した状態で載置、保管することで、主装置に装着した際、常に押下方向と反対方向に最も移動した位置で1以上のキーを浮動支持することができる。これにより、単純な構成でキーの主装置の外部への突出量の低下、がたつきを抑え、主装置の外観のデザイン性を維持することができる。
【0033】
(2)ヒンジキーの表面と先端との間が所定距離の延出部をフレームの表面に設けることによって、一体成型後から主装置に装着するまでの間、該部品単体を延出部で支持した状態で載置、保管することで、主装置に装着した際、常に押下方向と反対方向に最も移動した位置で1以上のヒンジキーを浮動支持することができる。これにより、単純な構成でキートップの主装置の外部への突出量の低下、がたつきを抑え、主装置の外観のデザイン性を維持することができる。また、ヒンジキーのそれぞれの表面上に別体のキートップを設けることによって、ヒンジキーとキートップとの材質等を異なる構成にできる。
【0034】
(3)延出部を位置決めの部材として利用することによって、位置決めの構成を新たに設ける必要がなくコストアップを抑制できる。
【0035】
(4)キートップを透明材料で形成することによって、デザイン性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、この発明の最良の実施形態に係る操作キー部品を備えた操作キー装置を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0037】
図1は、操作キー装置の概略の構成を示す断面図である。操作キー装置1は、ファクシミリ装置等の主装置に装着され、送信先の番号の入力や特定の機能の実行開始等の入力操作を受け付ける。操作キー装置1は、キートップ10、ヒンジキー11、フレーム20、スイッチ30等から構成されている。なお、図1は、同様の構成の複数の操作キー装置1の1つの構成を示している。
【0038】
キートップ10は、押下方向である矢印Y1方向及び矢印Y1方向の反対方向である矢印Y2方向に往復移動自在に支持され、ユーザの押下により矢印Y1方向に移動する。キートップ10は、主装置の外壁200に形成された孔210から矢印Y2方向に突出する凸部を備えている。
【0039】
ヒンジキー11は、表面がキートップ10の裏面に矢印Y2方向に当接し、キートップ10を外壁200とで挟持する。ヒンジキー11は、裏面で突出部12及びストッパ13を支持する。また、ヒンジキー11は、図2(A),(B)に示すように、ヒンジ21を介してフレーム20に浮動支持されている。
【0040】
ヒンジキー11の表面及びキートップ10の裏面は、接触性能を向上させてユーザからの見た目がよくなるようにフラットとなっている。また、本実施形態では、視認性、デザイン性を高めるべくキートップ10を透明材料で形成し、ヒンジキー11を不透明材料で形成している。さらにキートップ10の表面には、有色の塗装がされ、数字等の操作キーの機能が表示されている。なお、キートップ10は透明材料でなくてもよく、ヒンジキー11も不透明材料でなくてもよい。
【0041】
突出部12は、ヒンジキー11の裏面から矢印Y1方向に突出し、ヒンジキー11の矢印Y1方向の移動によってスイッチ30のスイッチ部30Aを押し下げる。ストッパ13は、図2(B)に示すようにヒンジキー11の裏面に4箇所配置されている。ストッパ13は、ユーザがキートップ10をスイッチ部30Aの矢印Y1方向の動作可能範囲を超えて押下しないようにキートップ10及びヒンジキー11の矢印Y1方向の移動範囲を制限する。スイッチ部30Aの矢印Y1方向の動作可能範囲を超えてキートップ10を押下した場合、スイッチ30が破損する可能性があるからである。
【0042】
フレーム20は、図2(A),(B)に示すように格子形状であり、各格子内に位置するヒンジキー11をヒンジ21を介して浮動支持する。スイッチ30は、例えばタクトスイッチがあり、突出部12によるスイッチ部の押し下げにより、接続された図示しない回路基板を介して主装置の制御部(図示せず)に入力の有無を出力する。
【0043】
また、フレーム20は、図2(A)に示すように4つの延出部22を備えている。延出部22は、フレーム20の表面の角部に位置し、矢印Y2方向に延出している。延出部22は、操作キー装置1が主装置に装着される際、外壁200に形成された図示しない位置決め穴と嵌合する。これにより、新たに位置決め部材を設ける必要がなくコストアップを抑制することができる。
【0044】
ヒンジキー11、突出部12、ストッパ13、フレーム20(延出部22含む)及びヒンジ21は、操作キー部品60として熱可塑性の樹脂で一体成型されている。つまり、図2(A),(B)に示す状態で一体成型されている。
【0045】
図3は、図2(A)に示すZ−Z′断面を示す断面図である。操作キー部品60は、一体成型された後から操作キー装置1として主装置に装着されるまでの間、例えば保管トレイ90に載置された状態で保管される。この時、図3に示すようにフレーム20の表面を載置面側(下)にして延出部22が操作キー部品60全体を支持した状態で載置される。なお、延出部22は、図2(A)に示すZ−Z′断面上にはないが、説明のため図示している。
【0046】
ここで、延出部22は、操作キー装置1が主装置に装着された際、キートップ10が挟持された状態で、ヒンジキー11の表面が矢印Y2方向に最も移動した位置よりも所定距離D(図1参照)だけ矢印Y2方向に離れた位置まで延出している。つまり、外観上最も見た目がよい状態で位置するヒンジキー11の表面から所定距離Dだけ離れた位置まで延出している。
【0047】
そのため、操作キー部品60単体がフレーム20の表面を下に向けて平面上に載置された際、この延出部22によって操作キー部品60全体が支持され、且つ、ヒンジキー11が保管トレイ90の載置面に接触することなく浮動支持された状態となる。
【0048】
したがって、ヒンジキー11、突出部12、ストッパ13、フレーム20及びヒンジ21が一体成型された直後から主装置に装着されるまでの間、操作キー部品60単体をフレーム20の表面を下に向けて平面上に載置されて保管した際に、ヒンジ21がヒンジキー11の重量によって変形したとしても、ヒンジキー11の支持位置は延出部22の先端に近づく方向に変わるのみであるので、主装置に装着された際に常にヒンジキー11の表面が矢印Y2方向に最も移動した位置にある状態となる。
【0049】
したがって、操作キー部品60の変形に関わらず主装置に装着した際に常に1以上のキーの表面が矢印Y2方向に最も移動した位置にある状態にできる。そのため、常にキートップ10の表面も矢印Y2方向に最も移動した位置にある状態となる。
【0050】
これにより、ヒンジキー11とキートップとの材質等を異なる構成にでき、且つ、単純な構成でキートップ10の主装置の外部への突出量の低下、がたつきを抑え、主装置の外観のデザイン性を維持することができる。
【0051】
なお、所定距離Dは、操作キー部品60を保管する際にヒンジキー11の表面が保管トレイ90の載置面に接触しない距離であることが望ましい。また、キートップ10及び操作キー部品60は、本発明の操作キー部品に相当する。
【0052】
本実施形態では、ヒンジキー11、突出部12、ストッパ13、フレーム20及びヒンジ21が一体成型されているが、ヒンジキー11、フレーム20及びヒンジ21が一体成型されていればよい。
【0053】
また、本実施形態では、フレーム20の表面の角部に4つの延出部22を配置しているが特にこれに限定されるものではなく、操作キー部品60の重心を囲む少なくとも3点を含む位置に配置すればよい。
【0054】
さらに、本実施形態では、操作キー装置1を複数備えた構成について説明しているが、単一の操作キー装置に本発明を適用することも可能である。
【0055】
(第2実施形態)
本実施形態では、図4に示すように別体のキートップ及びヒンジキーの構成の代わりにキートップ71及びフランジ部72を一体化したキー70を備えている。他の構成は上述の第1実施形態と同様である。
【0056】
図4は、操作キー装置1の概略の構成を示す断面図である。キー70は、主装置の外壁200に形成された孔210から矢印Y2方向に突出する凸部であるキートップ71と、キートップ71の突出量を規制するフランジ部72とを備えている。キー70は、ヒンジ21を介してフレーム20に浮動支持されている。また、キー70は、裏面で突出部12、ストッパ13を支持している。
【0057】
第1実施形態と同様にキー70、突出部12、ストッパ13、フレーム20、ヒンジ21及び延出部22は、操作キー部品として熱可塑性の樹脂で一体成型されている。
【0058】
延出部22は、第1実施形態と同様に、操作キー装置1が主装置に装着された際、キー70の表面が矢印Y2方向に最も移動した位置よりも所定距離D′(図4参照)だけ矢印Y2方向に離れた位置まで延出している。
【0059】
これにより、操作キー部品単体がフレーム20の表面を下に向けて平面上に載置された際、この延出部22によって操作キー部品全体が支持され、且つ、キー70が保管トレイの載置面に接触することなく浮動支持された状態となる。
【0060】
したがって、第1実施形態と同様に、常にキー70の表面が矢印Y2方向に最も移動した位置でキー7を浮動支持することができる。これにより、単純な構成でキー70の表面の主装置の外部への突出量の低下、がたつきを抑え、主装置の外観のデザイン性を維持することができる。なお、所定距離D′は、操作キー部品を保管する際にキー70の表面が保管トレイ90の載置面に接触しない距離であることが望ましい。
【0061】
操作キー部品を主装置に装着する前に延出部22を所定量だけ切断する。所定量は、操作キー部品が主装置に装着された際、延出部22が少なくとも主装置の外壁から外部に突出しない位置となる量を示し、全て切断しなくてもよい。これにより、操作キー部品が主装置に装着された際に、延出部22が主装置に外壁200を貫通して外部に突出した状態となることを防止でき、主装置の外観のデザイン性を維持することができる。
【0062】
また、延出部22を全て切断しなければ、第1実施形態で述べたように延出部22を位置決め部材として使用することができる。なお、複数の延出部22のうち少なくとも2箇所を所定量だけ切断して残りは全て切断しても位置決め部材として使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】この発明の操作キー部品を備えた操作キー装置の概略の構成を示す断面図である。
【図2】同操作キー部品の外観の構成を示す外観図である。
【図3】図2(A)に示すZ−Z′断面を示す断面図である。
【図4】この発明の操作キー部品を備えた操作キー装置の概略の構成を示す断面図である。
【図5】従来の単一の操作キー装置の構造を説明するための説明図である。
【図6】従来の操作キー装置の概略の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0064】
1−操作キー装置
10−キートップ
11−ヒンジキー
12−突出部
20−フレーム
21−ヒンジ
22−延出部
30−スイッチ
60−操作キー部品
70−キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面側から裏面側に向かう押下方向に移動して主装置に配置されているスイッチに当接する1以上のキーと、
前記1以上のキーの側面近傍に位置し、ヒンジを介して前記1以上のキーを浮動支持する単一のフレームと、が前記ヒンジを含めて熱可塑性の樹脂で一体成型された操作キー部品であって、
前記フレームは、表面の重心位置を囲む少なくとも3点を含む位置に延出部を備え、
前記延出部の先端は、前記キーの表面が前記主装置に装着された際の前記押下方向と反対方向に最も移動した位置よりも所定距離だけ前記反対方向に位置し、
前記延出部は、主装置に装着された際に少なくとも前記主装置の外壁から外部に突出しない位置で切断された状態で主装置に装着されることを特徴とする操作キー部品。
【請求項2】
主装置の外壁に形成された1以上の孔のそれぞれに、前記主装置の外壁の内側から外側に向かって貫通する凸部を有する1以上のキートップと、
表面側から裏面側に向かう押下方向に移動して前記主装置に配置されているスイッチに当接し、表面が前記押下方向と反対方向に前記1以上のキートップのそれぞれの裏面に当接する1以上のヒンジキーと、
前記1以上のヒンジキーの側面近傍に位置し、ヒンジを介して前記1以上のヒンジキーを浮動支持する単一のフレームと、が前記ヒンジを含めて熱可塑性の樹脂で一体成型された操作キー部品であって、
前記フレームは、表面の重心位置を囲む少なくとも3点を含む位置に延出部を備え、
前記延出部の先端は、前記ヒンジキーの表面が前記主装置に装着された際の前記押下方向と反対方向に最も移動した位置よりも所定距離だけ前記反対方向に位置することを特徴とする操作キー部品。
【請求項3】
前記延出部は、前記主装置の外壁の内側に形成された位置決め穴に嵌合することを特徴とする請求項1又は2に記載の操作キー部品。
【請求項4】
前記キートップは、透明部材で形成されたことを特徴とする請求項2に記載の操作キー部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−311307(P2007−311307A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−141784(P2006−141784)
【出願日】平成18年5月22日(2006.5.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】