操作入力装置およびこれを用いた電子機器
【課題】薄型で、磁気感度特性の高い操作入力装置を提供することにある。
【解決手段】ベース10と、上面に複数個の押ボタンスイッチおよび磁界検出素子を実装し、かつ、前記ベース10の上面に貼着一体化したプリント基板20と、環状板バネ61および台座部65を一体化し、前記環状板バネ61の外周縁部から下方側に延在した取付部62を前記ベース10の上面外周縁部に固定することにより、前記台座部65の下面に突設した押圧用突起67dを前記プリント基板20の押ボタンスイッチに操作可能に圧接させた操作具60と、N極およびS極を交互に配置した環状マグネット75を下面に組み付け、前記台座部65の上面に回動自在に組み付けた操作ダイヤル80と、からなる。
【解決手段】ベース10と、上面に複数個の押ボタンスイッチおよび磁界検出素子を実装し、かつ、前記ベース10の上面に貼着一体化したプリント基板20と、環状板バネ61および台座部65を一体化し、前記環状板バネ61の外周縁部から下方側に延在した取付部62を前記ベース10の上面外周縁部に固定することにより、前記台座部65の下面に突設した押圧用突起67dを前記プリント基板20の押ボタンスイッチに操作可能に圧接させた操作具60と、N極およびS極を交互に配置した環状マグネット75を下面に組み付け、前記台座部65の上面に回動自在に組み付けた操作ダイヤル80と、からなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機や携帯用音楽プレーヤーに適用できる操作入力装置、特に、薄型の操作入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機等に使用される操作入力装置としては、例えば、図12に示すように、ベース110と、上面に複数個の押ボタンスイッチおよび磁界検出素子を実装し、かつ、前記ベース110に積み重ねて一体化したプリント基板120と、前記プリント基板120上に載置された操作板150と、N極およびS極を交互に配置した環状マグネット165を下面に組み付け、前記操作板150上に回動自在に組み付けられた円盤型操作ダイヤル170と、からなるものがある。そして、前記操作入力装置は、前記操作ダイヤル170を回動することにより、前記環状マグネット165の磁束の変化を前記磁界検出素子で検知して回動方向を検出する一方、前記操作ダイヤル170を押圧することにより、前記押ボタンスイッチを操作していた(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−285743号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記操作入力装置は、前記ベース110の外周縁部から切り起こした一対の弾性係合受け部113,113に、前記操作板150から延在した弾性爪部155,155をそれぞれ係止して組み付けている。このため、前記操作入力装置を携帯電話等の筐体に組み付ける際に前記弾性係合受け部113が引っかかりやすく、組立の邪魔になり、組み立てにくい。
【0004】
また、前記操作入力装置の操作板150は、それ全体が樹脂成形品であり、繰り返して加わる押し下げ力で疲労破壊しやすい。このため、前記操作入力装置を薄型化すべく、操作板を薄肉化しようとしても、薄肉化に限界がある。
さらに、前記操作板の薄肉化に限界があるため、操作板の上面に回動可能に支持された操作ダイヤルの環状マグネットと、プリント基板の上面に実装された磁界検出素子との距離が遠くなる。このため、前記環状マグネットに対する前記磁界検出素子の感度が低く、磁力の大きい環状マグネット、すなわち、断面積の大きい環状マグネットを使用する必要があった。この結果、前記操作入力装置全体の高さ寸法が大きくなり、薄型化できないという問題点があった。
【0005】
本発明は、前記問題点に鑑み、組立性に優れ、薄型で、磁気感度特性の高い操作入力装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる操作入力装置は、前記課題を解決すべく、ベースと、上面に複数個の押ボタンスイッチおよび磁界検出素子を実装し、かつ、前記ベースの上面に貼着一体化したプリント基板と、環状板バネおよび台座部を一体化し、前記環状板バネの外周縁部から下方側に延在した取付部を前記ベースの上面外周縁部に固定することにより、前記台座部の下面に突設した押圧用突起を前記プリント基板の押ボタンスイッチに操作可能に圧接させた操作具と、N極およびS極を交互に配置した環状マグネットを下面に組み付け、前記台座部の上面に回動自在に組み付けた操作ダイヤルと、からなり、前記操作ダイヤルを回動することにより、前記環状マグネットの磁束の変化を前記磁界検出素子で検知して回動方向を検出する一方、前記操作ダイヤルを押圧することにより、前記操作具の台座部の下面に突設した押圧用突起で前記押ボタンスイッチを操作する構成としてある。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、前記環状板バネの外周縁部から下方側に延在した取付部を、ベースの上面外周縁部に固定してある。このため、従来例のようにベースに弾性係合受け部を切り起こす必要がなく、携帯電話機等の筐体に組み付ける際に前記弾性係合受け部を避ける必要がない。この結果、筐体内の設置スペースを小さくでき、組立性に優れた薄型の操作入力装置が得られる。
【0008】
本発明にかかる実施形態としては、金属製環状板バネに樹脂製台座部を一体成形してもよい。
本実施形態によれば、環状板バネに強度に優れた金属材を使用するので、破損しにくくなり、耐久性が向上するとともに、従来例よりも薄型化できる。また、操作具全体を薄型化できるので、前記操作具の上面に回動可能に支持された操作ダイヤルの環状マグネットを、プリント基板の上面に実装した磁界検出素子の近傍に配置できる。このため、前記磁界検出素子の感度が向上し、薄型の環状マグネットを使用できるので、操作入力装置全体をより一層薄型化できる。
【0009】
本発明にかかる別の実施形態としては、操作具の台座部の外径寸法を環状マグネットの内径寸法よりも小さくし、前記環状マグネットの内側に前記操作具の台座部を配置してもよい。
本実施形態によれば、操作ダイヤルの環状マグネットと操作具の台座部とが重なり合うことがないので、より一層薄型の操作入力装置が得られる。
【0010】
本発明にかかる異なる実施形態としては、操作ダイヤルの中央に設けた操作孔に、2つ折りして曲げ起こしたリングバネを介し、プリント基板に実装した押ボタンスイッチを操作できるように押ボタンを配置してもよい。
【0011】
本実施形態よれば、操作ダイヤルの中央に配置した押ボタンがリングバネによって常に付勢されているので、ガタツキがなく、快適な操作感触を備えた操作入力装置が得られる。
【0012】
本発明にかかる電子機器は、前述の操作入力装置を、外部から操作できるように操作ダイヤルを露出させて取り付けた構成としてある。
【0013】
本発明によれば、薄型で、磁界検出素子の磁気特性を有効活用できる電子機器が得られるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明にかかる操作入力装置の実施形態を図1ないし図11の添付図面に従って説明する。
本実施形態にかかる操作入力装置1は厚さ寸法約2mmであり、例えば、携帯電話機のモニター内のスクロールバーをスクロールし、選択指示する場合に使用される。
【0015】
前記操作入力装置1は、図4ないし図8に示すように、金属ベース10と、フレキシブルな樹脂フィルムからなり、かつ、絶縁シート30で被覆されたプリント基板20と、押ボタン40と、固定リング50と、操作具60と、摺動シート70と、環状マグネット75と、操作ダイヤル80と、からなるものである。
【0016】
前記金属ベース10は、図5に示すように、平面略円形であり、その中央部に一対の位置決め突起11a,11bを切り起こしてある。前記位置決め突起11a,11bは誤装着を防止すべく、巾寸法が異なっている。また、前記金属ベース10は、その外周縁部近傍に治具孔12a,12bおよび位置決め孔13をそれぞれ設けてある。前記治具孔12a,12bは、それぞれ丸形および方形である。さらに、前記金属ベース10は、客先で組み付けられる場合に携帯電話機等の筐体との組立精度を高めるため、その外周縁部に位置決め用切り欠き部14を設けてある。
【0017】
プリント基板20は、図5に示すように、前記金属ベース10と略同一の平面形状のフレキシブルな樹脂フィルムからなり、かつ、裏面に接着材を塗布して剥離紙に被覆された略円形の基板本体20aと、前記基板本体20aから延在するリード部20bとから形成されている。前記基板本体20aは、その中央に同心円状の中央固定接点部21を配置してあるとともに、前記中央固定接点部21の周囲に均等のピッチで同心円状の固定接点部22〜25を配置してある。また、前記基板本体20aは、前記中央固定接点部21を間にして対向する位置に貫通孔26a,26bをそれぞれ設けてある。さらに、前記金属ベース10の治具孔12a,12b、位置決め孔13および切り欠き部14に対応する位置に、治具孔27a,27b、切り欠き部28aおよび切り欠き部28bをそれぞれ設けてある。そして、前記基板本体20aは、前記貫通孔26a,26bを間にして対向する位置に、ホール素子29a,29bを電気接続してある。
【0018】
絶縁シート30は、図5および図10に示すように、前記基板本体20aを被覆可能な平面形状を有し、その裏面のうち、前記固定接点部21〜25に対応する位置に、薄いドーム状の導電性反転バネからなる可動接点31〜35をそれぞれ貼着一体化してある。また、前記絶縁シート30は、前記プリント基板20の貫通孔26a,26bおよび治具孔27a,27bに対応する位置に、貫通孔36a,36bおよび治具孔37a,37bをそれぞれ設けてある。さらに、前記絶縁シート30は、その外周縁部のうち、前記プリント基板20の切り欠き部28a,28bに対応する位置に、切り欠き部38a,38bを設けてある。そして、前記絶縁シート30は、図10に示すように、その裏面に、可動接点31の周囲、可動接点32と可動接点33との間、および、可動接点34と可動接点35との間に浅い空気逃げ溝を形成するため、裏打ちシート30aを貼着一体化してある。なお、前記絶縁シート30の上面のうち、前記可動接点31の中央と対応する位置にスペーサ39を配置してある。
【0019】
なお、必要に応じ、前記プリント基板20は、位置決め孔および治具孔を除き、その表裏面全体を絶縁性樹脂フィルムで被覆しておいてもよい。
【0020】
押ボタン40は、図6に示すように、後述する操作ダイヤル80の操作孔81に挿入可能な外周形状を有し、その外周下端縁部に抜け止め用環状リブ41を一体成形してある。また、前記環状リブ41の外周面には、前記金属ベース10の位置決め突起11a,11bにスライド係合するガイド用スリット42a,42b(図9)を形成してある。さらに、前記押ボタン40は、リングバネ43を前記環状リブ41に係合してある。前記リングバネ43は、前記押ボタン40を下方側に付勢できるように、2つ折りにして曲げ起こしてある。
【0021】
固定リング50は、図7に示すように、カシメ孔51を後述する操作ダイヤル80のカシメ用突起84(図11)にそれぞれ嵌合し、カシメ固定することにより、操作具60に操作ダイヤル80を回動自在に抜け止めするためのものである。
【0022】
操作具60は、図8に示すように、平面略円形の環状板バネ61に環状の樹脂製台座部65を一体成形したものである。前記環状板バネ61は、その対向する外周縁部に、位置決め孔62aを備え、かつ、斜め下方側に屈曲した平面略コ字形の取付部62を延在するとともに、その対向する内周縁部に、上方側に屈曲した一体成形用延在部63を形成してある。一方、前記台座部65の外径寸法および内径寸法は、後述する操作ダイヤル80の嵌合溝85に回動可能に嵌合できる寸法である。また、前記台座部65は、その外周縁部に切り欠き部66を所定のピッチで形成してある。前記切り欠き部66は、後述する操作ダイヤル80の押し下げ操作を妨げないようにするための逃げである(図3)。さらに、前記台座部65は、図11に示すように、その下面外周縁部のうち、前記可動接点32〜35に対応する位置に押圧用突起67a〜67dを突設してあるとともに、その下面内周縁部に前記固定リング50を抜け止めするための環状段部68を形成してある。そして、図2に示すように、操作ダイヤル80の回転時に、台座部65の内周面が後述する操作ダイヤル80の環状突部83の外周面に直接摺接するが、台座部65が樹脂製であるため、摩擦係数が小さく、摺動性に優れている。
【0023】
このように、操作具60を、金属製部品と樹脂製部品とを一体化して構成してあるので、薄型化しても金属部品で剛性を確保できるとともに、樹脂部分で摺動性を確保できる。すなわち、操作具60によれば、回転体保持部品としての剛性と摺動性とを両立できる。
【0024】
なお、環状板バネ61と台座部65との一体化の方法としては、一体成形でもよいし、接着や嵌め込みなどの方法でもよい。また、押圧用突起67a〜67dは台座部65と一体に成形した樹脂製であってもよいし、台座部65とは別の材質すなわち樹脂以外の材質であってもよい。押圧用突起67a〜67dは上述のように台座部64だけでなく、環状板バネ61に直接設けてもよい。
【0025】
摺動シート70は、図7に示すように、前記操作具60の台座部65の上面を被覆可能なリング形状であり、所定の摩擦係数を有する樹脂材で形成されている。
【0026】
環状マグネット75はN極およびS極を交互に配置したものであり、図11に示すように、後述する操作ダイヤル80の環状溝86に嵌合,固定される。特に、本実施形態によれば、図2および図3に示すように、環状マグネット75が操作ダイヤル80に組み込まれても、前記操作具60の台座部65に重なり合わないように設計されている。このため、操作入力装置をより一層薄型化できる。さらに、前記環状マグネット75と一体に回動する操作ダイヤル80は摺動シート70を介して摺動する。このため、両者の間に作用する摩擦抵抗は小さく、円滑に操作できる薄型の操作入力装置が得られるという利点がある。
【0027】
操作ダイヤル80は、図7および図11に示すように、その中心に押ボタン40を嵌合する操作孔81を有するとともに、その外周縁部に抜け止め用環状リブ82を設けてある。この抜け止め用環状リブ82は、例えば、携帯電話機等の筐体からの抜け止めに利用できる。また、図11に示すように、操作ダイヤル80は、前記操作孔81の下面開口縁部近傍に前記固定リング50を固定するための環状突部83を突設するとともに、前記環状突部83の内周面側に抜け止め用環状段部83aを形成してある。さらに、前記環状突部83は、その下面に固定リング50をカシメ固定するためのカシメ用突起84を均等のピッチで突設してある。そして、前記環状突部83の外側には、前記摺動シート70を嵌合するための環状溝85と、前記環状マグネット75を嵌合,固定するための環状溝86とを同心円状に設けてある。ついで、前記環状溝86の外周面には、前記環状マグネット75の突起76を嵌合するための切り欠き部87を設けてある。なお、操作ダイヤル80は、必ずしも円形である必要はなく、回動可能であれば、例えば、正八角形であってもよい。
【0028】
次に、前述の構成部品の組立工程について説明する。
まず、図示しない治具である一対の位置決めピンに前記金属ベース10の治具孔12a,12bをそれぞれ挿入して位置決めする。一方、プリント基板20の基板本体20aの所定の位置にホール素子29a,29bを実装する。ついで、前記プリント基板20の貫通孔26a,26b、治具孔27a,27bを、位置決め突起11a,11b、位置決めピンにそれぞれ挿入して前記金属ベース10に貼着一体化する。そして、所定の位置に可動接点31〜35、裏打ちシート30aおよびスペーサ39を絶縁シート30に貼着一体化する。ついで、前記絶縁シート30の貫通孔36a,36b、治具孔37a,37bを、位置決め突起11a,11b、位置決めピンにそれぞれ挿入し、前記プリント基板20に貼着一体化する。
【0029】
一方、操作ダイヤル80の環状溝86に環状マグネット75を嵌合して接着固定するとともに、環状溝85に摺動シート70を組み付ける。そして、前記操作ダイヤル80の環状溝85の底面と操作具60の台座部65とで前記摺動シート70を挟持するように組み付ける。ついで、前記操作ダイヤル80のカシメ用突起84に固定リング50のカシメ孔51を嵌合してカシメることにより、固定リング50が台座部65の環状段部68に係合可能となる。これによって、操作ダイヤル80と固定リング50とで操作具60および摺動シート70が挟持される。このため、操作ダイヤル80が摺動シート70を介して前記操作具60に回動自在に支持される。
【0030】
ついで、図4に示すように、前記プリント基板20の可動接点31の上方に押ボタン40を位置決めするとともに、前記押ボタン40のガイド用スリット42a,42bを前記ベース10の位置決め突起11a,11bにそれぞれスライド係合する。そして、
ベース10の位置決め孔13と操作具60の位置決め孔62aとを、図示しない新たな位置決めピンを介して位置決めすることにより、前記押ボタン40を操作ダイヤル80の操作孔81に嵌合し、リングバネ43を介して抜け止めする。さらに、前記金属ベース10の露出する外周縁部に、前記操作具60の取付部62を固定することにより、組立作業が完了する。なお、固定方法としては、溶接の他、接着、カシメまたは折り曲げ等が挙げられる。
【0031】
本実施形態によれば、操作具60は金属ベース10に回動しないように固定されている。そして、操作ダイヤル80の任意の位置を押し下げると、操作具60の押圧用突起67a〜67dが可動接点32〜35をそれぞれ押し下げることにより、押下操作できる。一方、操作具60の上面に回動自在に組み付けられた操作ダイヤル80を回動することにより、回動操作できる。
【0032】
また、本実施形態によれば、前記操作具60が可動接点32〜35に圧接して上方に付勢されているので、前記操作具60にガタツキが生じない。また、前記摺動シート60と操作ダイヤル80との間に生じる摩擦力により、操作ダイヤル80の慣性力による回り過ぎを抑制でき、誤操作が生じにくいという利点がある。
【0033】
次に、操作方法の一例として、前述の構成からなる操作入力装置を組み込んだ携帯電話機(図示せず)の操作方法について説明する。
携帯電話機に組み込んだ操作ダイヤル80を回動することにより、これと一体に環状マグネット75が回動すると、一対のホール素子29a,29bが磁界の変化をそれぞれ検知し、これに基づいて回動方向および回動量を検出する。そして、その検出結果が携帯電話機のモニターの画面表示にスクロールバーの移動として反映される。
ついで、所望の位置にスクロールバーが到達した場合に、押ボタン40を押すと、可動接点31が反転して中央固定接点部21に接触して選択指令を出力する。
また、操作ダイヤル80の周辺部、例えば、図2に示すように、押圧用突起67dの上方を押し下げることにより、前記押圧用突起67dの直下に位置する可動接点35を反転させ、固定接点部25に導通させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明にかかる操作入力装置は携帯電話機に限らず、他のモバイル機器やその他の電子機器に適用してもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1Aおよび図1Bは本発明にかかる操作入力装置の上方斜視図および下方斜視図である。
【図2】図1Aで示したII−II線断面図である。
【図3】図1Aで示したIII−III線断面図である。
【図4】図1Aで示した操作入力装置の分解斜視図である。
【図5】図4で示した構成部品の分解斜視図である。
【図6】図4で示した構成部品の分解斜視図である。
【図7】図4で示した構成部品の分解斜視図である。
【図8】図8Aおよび図8Bは図7で示した構成部品の部分拡大斜視図および部分拡大分解斜視図である。
【図9】図1Bで示した操作入力装置の分解斜視図である。
【図10】図9で示した構成部品の分解斜視図である。
【図11】図9で示した構成部品の分解斜視図である。
【図12】従来例にかかる操作入力装置の断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1:操作入力装置
10:金属ベース
11a,11b:位置決め突起
12a,12b:治具孔
13:位置決め孔
14:切り欠き部
【0037】
20:プリント基板
20a:基板本体
21:中央固定接点部
22〜25:固定接点部
26a,26b:貫通孔
27a,27b:治具孔
28a,28b:切り欠き部
29a,29b:ホール素子
30:絶縁シート
31〜35:可動接点
36a,36b:貫通孔
37a,37b:治具孔
38a,38b:切り欠き部
39:スペーサ
【0038】
40:押ボタン
41:抜け止め用環状リブ
42a,42b:ガイド用スリット
43:リングバネ
【0039】
50:固定リング
51:カシメ孔
【0040】
60:操作具
61:環状板バネ
62:取付部
62a:位置決め孔
63:一体成形用延在部
65:樹脂製台座部
66:切り欠き部
67a〜67d:押圧用突起
68:環状段部
【0041】
70:摺動シート
75:環状マグネット
【0042】
80:操作ダイヤル
81:操作孔
82:抜け止め用環状リブ
83:環状突部
84:カシメ用突起
85:環状溝
86:環状溝
87:位置決め用切り欠き部
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機や携帯用音楽プレーヤーに適用できる操作入力装置、特に、薄型の操作入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機等に使用される操作入力装置としては、例えば、図12に示すように、ベース110と、上面に複数個の押ボタンスイッチおよび磁界検出素子を実装し、かつ、前記ベース110に積み重ねて一体化したプリント基板120と、前記プリント基板120上に載置された操作板150と、N極およびS極を交互に配置した環状マグネット165を下面に組み付け、前記操作板150上に回動自在に組み付けられた円盤型操作ダイヤル170と、からなるものがある。そして、前記操作入力装置は、前記操作ダイヤル170を回動することにより、前記環状マグネット165の磁束の変化を前記磁界検出素子で検知して回動方向を検出する一方、前記操作ダイヤル170を押圧することにより、前記押ボタンスイッチを操作していた(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−285743号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記操作入力装置は、前記ベース110の外周縁部から切り起こした一対の弾性係合受け部113,113に、前記操作板150から延在した弾性爪部155,155をそれぞれ係止して組み付けている。このため、前記操作入力装置を携帯電話等の筐体に組み付ける際に前記弾性係合受け部113が引っかかりやすく、組立の邪魔になり、組み立てにくい。
【0004】
また、前記操作入力装置の操作板150は、それ全体が樹脂成形品であり、繰り返して加わる押し下げ力で疲労破壊しやすい。このため、前記操作入力装置を薄型化すべく、操作板を薄肉化しようとしても、薄肉化に限界がある。
さらに、前記操作板の薄肉化に限界があるため、操作板の上面に回動可能に支持された操作ダイヤルの環状マグネットと、プリント基板の上面に実装された磁界検出素子との距離が遠くなる。このため、前記環状マグネットに対する前記磁界検出素子の感度が低く、磁力の大きい環状マグネット、すなわち、断面積の大きい環状マグネットを使用する必要があった。この結果、前記操作入力装置全体の高さ寸法が大きくなり、薄型化できないという問題点があった。
【0005】
本発明は、前記問題点に鑑み、組立性に優れ、薄型で、磁気感度特性の高い操作入力装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる操作入力装置は、前記課題を解決すべく、ベースと、上面に複数個の押ボタンスイッチおよび磁界検出素子を実装し、かつ、前記ベースの上面に貼着一体化したプリント基板と、環状板バネおよび台座部を一体化し、前記環状板バネの外周縁部から下方側に延在した取付部を前記ベースの上面外周縁部に固定することにより、前記台座部の下面に突設した押圧用突起を前記プリント基板の押ボタンスイッチに操作可能に圧接させた操作具と、N極およびS極を交互に配置した環状マグネットを下面に組み付け、前記台座部の上面に回動自在に組み付けた操作ダイヤルと、からなり、前記操作ダイヤルを回動することにより、前記環状マグネットの磁束の変化を前記磁界検出素子で検知して回動方向を検出する一方、前記操作ダイヤルを押圧することにより、前記操作具の台座部の下面に突設した押圧用突起で前記押ボタンスイッチを操作する構成としてある。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、前記環状板バネの外周縁部から下方側に延在した取付部を、ベースの上面外周縁部に固定してある。このため、従来例のようにベースに弾性係合受け部を切り起こす必要がなく、携帯電話機等の筐体に組み付ける際に前記弾性係合受け部を避ける必要がない。この結果、筐体内の設置スペースを小さくでき、組立性に優れた薄型の操作入力装置が得られる。
【0008】
本発明にかかる実施形態としては、金属製環状板バネに樹脂製台座部を一体成形してもよい。
本実施形態によれば、環状板バネに強度に優れた金属材を使用するので、破損しにくくなり、耐久性が向上するとともに、従来例よりも薄型化できる。また、操作具全体を薄型化できるので、前記操作具の上面に回動可能に支持された操作ダイヤルの環状マグネットを、プリント基板の上面に実装した磁界検出素子の近傍に配置できる。このため、前記磁界検出素子の感度が向上し、薄型の環状マグネットを使用できるので、操作入力装置全体をより一層薄型化できる。
【0009】
本発明にかかる別の実施形態としては、操作具の台座部の外径寸法を環状マグネットの内径寸法よりも小さくし、前記環状マグネットの内側に前記操作具の台座部を配置してもよい。
本実施形態によれば、操作ダイヤルの環状マグネットと操作具の台座部とが重なり合うことがないので、より一層薄型の操作入力装置が得られる。
【0010】
本発明にかかる異なる実施形態としては、操作ダイヤルの中央に設けた操作孔に、2つ折りして曲げ起こしたリングバネを介し、プリント基板に実装した押ボタンスイッチを操作できるように押ボタンを配置してもよい。
【0011】
本実施形態よれば、操作ダイヤルの中央に配置した押ボタンがリングバネによって常に付勢されているので、ガタツキがなく、快適な操作感触を備えた操作入力装置が得られる。
【0012】
本発明にかかる電子機器は、前述の操作入力装置を、外部から操作できるように操作ダイヤルを露出させて取り付けた構成としてある。
【0013】
本発明によれば、薄型で、磁界検出素子の磁気特性を有効活用できる電子機器が得られるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明にかかる操作入力装置の実施形態を図1ないし図11の添付図面に従って説明する。
本実施形態にかかる操作入力装置1は厚さ寸法約2mmであり、例えば、携帯電話機のモニター内のスクロールバーをスクロールし、選択指示する場合に使用される。
【0015】
前記操作入力装置1は、図4ないし図8に示すように、金属ベース10と、フレキシブルな樹脂フィルムからなり、かつ、絶縁シート30で被覆されたプリント基板20と、押ボタン40と、固定リング50と、操作具60と、摺動シート70と、環状マグネット75と、操作ダイヤル80と、からなるものである。
【0016】
前記金属ベース10は、図5に示すように、平面略円形であり、その中央部に一対の位置決め突起11a,11bを切り起こしてある。前記位置決め突起11a,11bは誤装着を防止すべく、巾寸法が異なっている。また、前記金属ベース10は、その外周縁部近傍に治具孔12a,12bおよび位置決め孔13をそれぞれ設けてある。前記治具孔12a,12bは、それぞれ丸形および方形である。さらに、前記金属ベース10は、客先で組み付けられる場合に携帯電話機等の筐体との組立精度を高めるため、その外周縁部に位置決め用切り欠き部14を設けてある。
【0017】
プリント基板20は、図5に示すように、前記金属ベース10と略同一の平面形状のフレキシブルな樹脂フィルムからなり、かつ、裏面に接着材を塗布して剥離紙に被覆された略円形の基板本体20aと、前記基板本体20aから延在するリード部20bとから形成されている。前記基板本体20aは、その中央に同心円状の中央固定接点部21を配置してあるとともに、前記中央固定接点部21の周囲に均等のピッチで同心円状の固定接点部22〜25を配置してある。また、前記基板本体20aは、前記中央固定接点部21を間にして対向する位置に貫通孔26a,26bをそれぞれ設けてある。さらに、前記金属ベース10の治具孔12a,12b、位置決め孔13および切り欠き部14に対応する位置に、治具孔27a,27b、切り欠き部28aおよび切り欠き部28bをそれぞれ設けてある。そして、前記基板本体20aは、前記貫通孔26a,26bを間にして対向する位置に、ホール素子29a,29bを電気接続してある。
【0018】
絶縁シート30は、図5および図10に示すように、前記基板本体20aを被覆可能な平面形状を有し、その裏面のうち、前記固定接点部21〜25に対応する位置に、薄いドーム状の導電性反転バネからなる可動接点31〜35をそれぞれ貼着一体化してある。また、前記絶縁シート30は、前記プリント基板20の貫通孔26a,26bおよび治具孔27a,27bに対応する位置に、貫通孔36a,36bおよび治具孔37a,37bをそれぞれ設けてある。さらに、前記絶縁シート30は、その外周縁部のうち、前記プリント基板20の切り欠き部28a,28bに対応する位置に、切り欠き部38a,38bを設けてある。そして、前記絶縁シート30は、図10に示すように、その裏面に、可動接点31の周囲、可動接点32と可動接点33との間、および、可動接点34と可動接点35との間に浅い空気逃げ溝を形成するため、裏打ちシート30aを貼着一体化してある。なお、前記絶縁シート30の上面のうち、前記可動接点31の中央と対応する位置にスペーサ39を配置してある。
【0019】
なお、必要に応じ、前記プリント基板20は、位置決め孔および治具孔を除き、その表裏面全体を絶縁性樹脂フィルムで被覆しておいてもよい。
【0020】
押ボタン40は、図6に示すように、後述する操作ダイヤル80の操作孔81に挿入可能な外周形状を有し、その外周下端縁部に抜け止め用環状リブ41を一体成形してある。また、前記環状リブ41の外周面には、前記金属ベース10の位置決め突起11a,11bにスライド係合するガイド用スリット42a,42b(図9)を形成してある。さらに、前記押ボタン40は、リングバネ43を前記環状リブ41に係合してある。前記リングバネ43は、前記押ボタン40を下方側に付勢できるように、2つ折りにして曲げ起こしてある。
【0021】
固定リング50は、図7に示すように、カシメ孔51を後述する操作ダイヤル80のカシメ用突起84(図11)にそれぞれ嵌合し、カシメ固定することにより、操作具60に操作ダイヤル80を回動自在に抜け止めするためのものである。
【0022】
操作具60は、図8に示すように、平面略円形の環状板バネ61に環状の樹脂製台座部65を一体成形したものである。前記環状板バネ61は、その対向する外周縁部に、位置決め孔62aを備え、かつ、斜め下方側に屈曲した平面略コ字形の取付部62を延在するとともに、その対向する内周縁部に、上方側に屈曲した一体成形用延在部63を形成してある。一方、前記台座部65の外径寸法および内径寸法は、後述する操作ダイヤル80の嵌合溝85に回動可能に嵌合できる寸法である。また、前記台座部65は、その外周縁部に切り欠き部66を所定のピッチで形成してある。前記切り欠き部66は、後述する操作ダイヤル80の押し下げ操作を妨げないようにするための逃げである(図3)。さらに、前記台座部65は、図11に示すように、その下面外周縁部のうち、前記可動接点32〜35に対応する位置に押圧用突起67a〜67dを突設してあるとともに、その下面内周縁部に前記固定リング50を抜け止めするための環状段部68を形成してある。そして、図2に示すように、操作ダイヤル80の回転時に、台座部65の内周面が後述する操作ダイヤル80の環状突部83の外周面に直接摺接するが、台座部65が樹脂製であるため、摩擦係数が小さく、摺動性に優れている。
【0023】
このように、操作具60を、金属製部品と樹脂製部品とを一体化して構成してあるので、薄型化しても金属部品で剛性を確保できるとともに、樹脂部分で摺動性を確保できる。すなわち、操作具60によれば、回転体保持部品としての剛性と摺動性とを両立できる。
【0024】
なお、環状板バネ61と台座部65との一体化の方法としては、一体成形でもよいし、接着や嵌め込みなどの方法でもよい。また、押圧用突起67a〜67dは台座部65と一体に成形した樹脂製であってもよいし、台座部65とは別の材質すなわち樹脂以外の材質であってもよい。押圧用突起67a〜67dは上述のように台座部64だけでなく、環状板バネ61に直接設けてもよい。
【0025】
摺動シート70は、図7に示すように、前記操作具60の台座部65の上面を被覆可能なリング形状であり、所定の摩擦係数を有する樹脂材で形成されている。
【0026】
環状マグネット75はN極およびS極を交互に配置したものであり、図11に示すように、後述する操作ダイヤル80の環状溝86に嵌合,固定される。特に、本実施形態によれば、図2および図3に示すように、環状マグネット75が操作ダイヤル80に組み込まれても、前記操作具60の台座部65に重なり合わないように設計されている。このため、操作入力装置をより一層薄型化できる。さらに、前記環状マグネット75と一体に回動する操作ダイヤル80は摺動シート70を介して摺動する。このため、両者の間に作用する摩擦抵抗は小さく、円滑に操作できる薄型の操作入力装置が得られるという利点がある。
【0027】
操作ダイヤル80は、図7および図11に示すように、その中心に押ボタン40を嵌合する操作孔81を有するとともに、その外周縁部に抜け止め用環状リブ82を設けてある。この抜け止め用環状リブ82は、例えば、携帯電話機等の筐体からの抜け止めに利用できる。また、図11に示すように、操作ダイヤル80は、前記操作孔81の下面開口縁部近傍に前記固定リング50を固定するための環状突部83を突設するとともに、前記環状突部83の内周面側に抜け止め用環状段部83aを形成してある。さらに、前記環状突部83は、その下面に固定リング50をカシメ固定するためのカシメ用突起84を均等のピッチで突設してある。そして、前記環状突部83の外側には、前記摺動シート70を嵌合するための環状溝85と、前記環状マグネット75を嵌合,固定するための環状溝86とを同心円状に設けてある。ついで、前記環状溝86の外周面には、前記環状マグネット75の突起76を嵌合するための切り欠き部87を設けてある。なお、操作ダイヤル80は、必ずしも円形である必要はなく、回動可能であれば、例えば、正八角形であってもよい。
【0028】
次に、前述の構成部品の組立工程について説明する。
まず、図示しない治具である一対の位置決めピンに前記金属ベース10の治具孔12a,12bをそれぞれ挿入して位置決めする。一方、プリント基板20の基板本体20aの所定の位置にホール素子29a,29bを実装する。ついで、前記プリント基板20の貫通孔26a,26b、治具孔27a,27bを、位置決め突起11a,11b、位置決めピンにそれぞれ挿入して前記金属ベース10に貼着一体化する。そして、所定の位置に可動接点31〜35、裏打ちシート30aおよびスペーサ39を絶縁シート30に貼着一体化する。ついで、前記絶縁シート30の貫通孔36a,36b、治具孔37a,37bを、位置決め突起11a,11b、位置決めピンにそれぞれ挿入し、前記プリント基板20に貼着一体化する。
【0029】
一方、操作ダイヤル80の環状溝86に環状マグネット75を嵌合して接着固定するとともに、環状溝85に摺動シート70を組み付ける。そして、前記操作ダイヤル80の環状溝85の底面と操作具60の台座部65とで前記摺動シート70を挟持するように組み付ける。ついで、前記操作ダイヤル80のカシメ用突起84に固定リング50のカシメ孔51を嵌合してカシメることにより、固定リング50が台座部65の環状段部68に係合可能となる。これによって、操作ダイヤル80と固定リング50とで操作具60および摺動シート70が挟持される。このため、操作ダイヤル80が摺動シート70を介して前記操作具60に回動自在に支持される。
【0030】
ついで、図4に示すように、前記プリント基板20の可動接点31の上方に押ボタン40を位置決めするとともに、前記押ボタン40のガイド用スリット42a,42bを前記ベース10の位置決め突起11a,11bにそれぞれスライド係合する。そして、
ベース10の位置決め孔13と操作具60の位置決め孔62aとを、図示しない新たな位置決めピンを介して位置決めすることにより、前記押ボタン40を操作ダイヤル80の操作孔81に嵌合し、リングバネ43を介して抜け止めする。さらに、前記金属ベース10の露出する外周縁部に、前記操作具60の取付部62を固定することにより、組立作業が完了する。なお、固定方法としては、溶接の他、接着、カシメまたは折り曲げ等が挙げられる。
【0031】
本実施形態によれば、操作具60は金属ベース10に回動しないように固定されている。そして、操作ダイヤル80の任意の位置を押し下げると、操作具60の押圧用突起67a〜67dが可動接点32〜35をそれぞれ押し下げることにより、押下操作できる。一方、操作具60の上面に回動自在に組み付けられた操作ダイヤル80を回動することにより、回動操作できる。
【0032】
また、本実施形態によれば、前記操作具60が可動接点32〜35に圧接して上方に付勢されているので、前記操作具60にガタツキが生じない。また、前記摺動シート60と操作ダイヤル80との間に生じる摩擦力により、操作ダイヤル80の慣性力による回り過ぎを抑制でき、誤操作が生じにくいという利点がある。
【0033】
次に、操作方法の一例として、前述の構成からなる操作入力装置を組み込んだ携帯電話機(図示せず)の操作方法について説明する。
携帯電話機に組み込んだ操作ダイヤル80を回動することにより、これと一体に環状マグネット75が回動すると、一対のホール素子29a,29bが磁界の変化をそれぞれ検知し、これに基づいて回動方向および回動量を検出する。そして、その検出結果が携帯電話機のモニターの画面表示にスクロールバーの移動として反映される。
ついで、所望の位置にスクロールバーが到達した場合に、押ボタン40を押すと、可動接点31が反転して中央固定接点部21に接触して選択指令を出力する。
また、操作ダイヤル80の周辺部、例えば、図2に示すように、押圧用突起67dの上方を押し下げることにより、前記押圧用突起67dの直下に位置する可動接点35を反転させ、固定接点部25に導通させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明にかかる操作入力装置は携帯電話機に限らず、他のモバイル機器やその他の電子機器に適用してもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1Aおよび図1Bは本発明にかかる操作入力装置の上方斜視図および下方斜視図である。
【図2】図1Aで示したII−II線断面図である。
【図3】図1Aで示したIII−III線断面図である。
【図4】図1Aで示した操作入力装置の分解斜視図である。
【図5】図4で示した構成部品の分解斜視図である。
【図6】図4で示した構成部品の分解斜視図である。
【図7】図4で示した構成部品の分解斜視図である。
【図8】図8Aおよび図8Bは図7で示した構成部品の部分拡大斜視図および部分拡大分解斜視図である。
【図9】図1Bで示した操作入力装置の分解斜視図である。
【図10】図9で示した構成部品の分解斜視図である。
【図11】図9で示した構成部品の分解斜視図である。
【図12】従来例にかかる操作入力装置の断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1:操作入力装置
10:金属ベース
11a,11b:位置決め突起
12a,12b:治具孔
13:位置決め孔
14:切り欠き部
【0037】
20:プリント基板
20a:基板本体
21:中央固定接点部
22〜25:固定接点部
26a,26b:貫通孔
27a,27b:治具孔
28a,28b:切り欠き部
29a,29b:ホール素子
30:絶縁シート
31〜35:可動接点
36a,36b:貫通孔
37a,37b:治具孔
38a,38b:切り欠き部
39:スペーサ
【0038】
40:押ボタン
41:抜け止め用環状リブ
42a,42b:ガイド用スリット
43:リングバネ
【0039】
50:固定リング
51:カシメ孔
【0040】
60:操作具
61:環状板バネ
62:取付部
62a:位置決め孔
63:一体成形用延在部
65:樹脂製台座部
66:切り欠き部
67a〜67d:押圧用突起
68:環状段部
【0041】
70:摺動シート
75:環状マグネット
【0042】
80:操作ダイヤル
81:操作孔
82:抜け止め用環状リブ
83:環状突部
84:カシメ用突起
85:環状溝
86:環状溝
87:位置決め用切り欠き部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、上面に複数個の押ボタンスイッチおよび磁界検出素子を実装し、かつ、前記ベースの上面に貼着一体化したプリント基板と、環状板バネおよび台座部を一体化し、前記環状板バネの外周縁部から下方側に延在した取付部を前記ベースの上面外周縁部に固定することにより、前記台座部の下面に突設した押圧用突起を前記プリント基板の押ボタンスイッチに操作可能に圧接させた操作具と、N極およびS極を交互に配置した環状マグネットを下面に組み付け、前記台座部の上面に回動自在に組み付けた操作ダイヤルと、からなり、
前記操作ダイヤルを回動することにより、前記環状マグネットの磁束の変化を前記磁界検出素子で検知して回動方向を検出する一方、前記操作ダイヤルを押圧することにより、前記操作具の台座部の下面に突設した押圧用突起で前記押ボタンスイッチを操作することを特徴とする操作入力装置。
【請求項2】
金属製環状板バネに樹脂製台座部を一体成形したことを特徴とする請求項1に記載の操作入力装置。
【請求項3】
操作具の台座部の外径寸法を環状マグネットの内径寸法よりも小さくし、前記環状マグネットの内側に前記操作具の台座部を配置したことを特徴とする請求項1または2に記載の操作入力装置。
【請求項4】
操作ダイヤルの中央に設けた操作孔に、2つ折りして曲げ起こしたリングバネを介し、プリント基板に実装した押ボタンスイッチを操作できるように押ボタンを配置したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の操作入力装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の操作入力装置を、外部から操作できるように操作ダイヤルを露出させて取り付けたことを特徴とする電子機器。
【請求項1】
ベースと、上面に複数個の押ボタンスイッチおよび磁界検出素子を実装し、かつ、前記ベースの上面に貼着一体化したプリント基板と、環状板バネおよび台座部を一体化し、前記環状板バネの外周縁部から下方側に延在した取付部を前記ベースの上面外周縁部に固定することにより、前記台座部の下面に突設した押圧用突起を前記プリント基板の押ボタンスイッチに操作可能に圧接させた操作具と、N極およびS極を交互に配置した環状マグネットを下面に組み付け、前記台座部の上面に回動自在に組み付けた操作ダイヤルと、からなり、
前記操作ダイヤルを回動することにより、前記環状マグネットの磁束の変化を前記磁界検出素子で検知して回動方向を検出する一方、前記操作ダイヤルを押圧することにより、前記操作具の台座部の下面に突設した押圧用突起で前記押ボタンスイッチを操作することを特徴とする操作入力装置。
【請求項2】
金属製環状板バネに樹脂製台座部を一体成形したことを特徴とする請求項1に記載の操作入力装置。
【請求項3】
操作具の台座部の外径寸法を環状マグネットの内径寸法よりも小さくし、前記環状マグネットの内側に前記操作具の台座部を配置したことを特徴とする請求項1または2に記載の操作入力装置。
【請求項4】
操作ダイヤルの中央に設けた操作孔に、2つ折りして曲げ起こしたリングバネを介し、プリント基板に実装した押ボタンスイッチを操作できるように押ボタンを配置したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の操作入力装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の操作入力装置を、外部から操作できるように操作ダイヤルを露出させて取り付けたことを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−171724(P2008−171724A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−4879(P2007−4879)
【出願日】平成19年1月12日(2007.1.12)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月12日(2007.1.12)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
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